説明

目標情報処理装置、目標情報処理方法、目標情報処理プログラムおよびプログラム記録媒体

【課題】目標情報の最新情報だけでなく、過去の履歴情報も含めて表示可能とする目標情報処理装置を提供する。
【解決手段】情報処理装置11は、外部から目標情報を取得する都度順次当該目標情報に関する履歴情報として保存するデータ記憶部111、少なくとも表示装置13に表示する目標情報および当該目標情報の取得期間をオペレータが選択して表示設定情報として指定することが可能な制御装着12を備え、目標情報を表示装置13に表示する際に、制御装置12によって指定されている表示設定情報に基づき、指定された目標情報に関して、データ記憶部111に保存されている履歴情報の中から、前記取得期間に指定されている期間に含まれている当該目標情報の履歴情報を抽出し、表示データとして編集して表示装置13に表示する。データ記憶部111に保存される目標情報の履歴情報として、少なくとも、当該目標情報の種別、経路情報、状態情報を含んでいる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、目標情報処理装置、目標情報処理方法、目標情報処理プログラムおよびプログラム記録媒体に関し、特に、目標情報を取得し、取得した目標情報を表示装置に表示する目標情報処理装置、目標情報処理方法、目標情報処理プログラムおよびプログラム記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
目標を追跡して目標情報を取得する従来の目標情報処理においては、例えば、特許文献1の特開2005−11160号公報「航空管制システム」のように、取得した目標情報の種別や位置などを判別して、最新の目標情報を表示装置に表示させて、オペレータが確認することができるように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−11160号公報(第3−5頁)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前述のような従来の目標情報処理においては、目標情報の種別や位置などの最新情報を確認することができるが、過去に、当該目標情報が、どのような経路を経て移動してきたのか、また、過去に、どのような状態であったのか、などの過去の履歴情報について確認することができないという問題があった。
【0005】
(本発明の目的)
本発明は、かかる問題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、取得した目標情報の種別や位置などの最新情報を確認することのみに留まらず、過去に、当該目標情報がどのような経路を経て移動してきたのか、また、過去にどのような状態であったのかなど、過去の履歴情報についても確認することが可能な目標情報処理装置、目標情報処理方法、目標情報処理プログラムおよびプログラム記録媒体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前述の課題を解決するため、本発明による目標情報処理装置は、次のような特徴的な構成を採用している。
【0007】
(1)外部から取得した目標情報を表示データとして編集して表示装置に表示する目標情報処理装置において、外部から前記目標情報を取得する都度順次当該目標情報に関する履歴情報として保存するデータ記憶部を備え、前記目標情報を前記表示装置に表示する際に、前記データ記憶部に保存されている当該目標情報に関する過去の履歴情報も含めて表示データとして編集し、前記表示装置に表示する目標情報処理装置。
【発明の効果】
【0008】
本発明の目標情報処理装置、目標情報処理方法、目標情報処理プログラムおよびプログラム記録媒体によれば、以下のような効果を奏することができる。
【0009】
取得した目標情報の過去の或る時点を起点として時間に幅を持った経路情報ならびに状態を当該目標情報の履歴情報として連続的に画面表示することができることにより、目標情報の視認性の向上を図ることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明に係る目標情報処理装置の内部構成の一例を示すブロック構成図である。
【図2】本発明の一例である図1の目標情報処理装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【図3】本発明の一例である図1の目標情報処理装置の具体的な実施例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明による目標情報処理装置、目標情報処理方法、目標情報処理プログラムおよびプログラム記録媒体の好適な実施例について添付図を参照して説明する。なお、以下の説明においては、本発明による目標情報処理装置、コンピュータにより実行する目標情報処理プログラムについて説明するが、かかる目標情報処理プログラムを例えばファームウェアやハードウェアロジック等によっても実行可能な目標情報処理方法として実施するようにしても良いし、あるいは、目標情報処理プログラムをコンピュータにより読み取り可能な記録媒体に記録するようにしても良いことは言うまでもない。
【0012】
(本発明の特徴)
本発明の実施形態の説明に先立って、本発明の特徴についてその概要をまず説明する。本発明に係る目標情報処理装置は、目標情報に関する処理を行う目標情報処理プログラムを情報処理装置上で実行することによって、指定した目標情報について、当該目標情報に関して現在の情報のみならず過去の履歴情報も含む表示データを生成して表示装置に表示することを可能とする仕組みを備えていることを特徴としている。
【0013】
(本発明の実施形態の構成)
次に、本発明の実施形態の構成について、図1を用いて詳細に説明する。図1は、本発明に係る目標情報処理装置の内部構成の一例を示すブロック構成図である。本実施形態における目標情報処理装置は、目標情報を取得し情報処理装置上で動作するプログラムにより必要な表示情報を生成する例を示している。
【0014】
図1に示すように、本発明の実施形態における目標情報処理装置1は、目標情報の取得および保存を行う情報処理装置11と、表示すべき目標情報および該目標情報に関する指定した期間の過去の経路情報や状態情報等の履歴情報をどのように表示装置13に表示するのかを設定する制御装置12と、制御装置12の設定に従い目標情報を表示する表示装置13とを少なくとも含んで構成される。
【0015】
ここで、情報処理装置11は、取得した目標情報を履歴情報(少なくとも、当該目標情報の種別、当該目標情報の経路情報、状態情報を含む情報)として保存するデータ記憶部111と、制御装置12の設定にしたがって、現在の情報のみならず過去の履歴情報も含め指定された期間の目標情報に関する表示データを生成して表示装置13に表示を行う目標情報編集部112とを少なくとも有する目標情報処理プログラム110を格納している。
【0016】
つまり、情報処理装置11は、外部のソーナーやレーダーやセンサーやスキャナー等の監視機器によって目標情報として取得され、送信されてきた目標情報を順次受信して、データ記憶部111に保存を行う。一方、制御装置12は、表示装置13に表示する目標情報の種別や表示しようとする該目標情報の取得期間等、の目標情報を特定するための設定や、当該目標情報に関する表示装置13の表示方法等の設定などについて、オペレータによって任意の状態に設定することができる。
【0017】
情報処理装置11の目標情報編集部112は、制御装置12の設定にしたがって、取得した目標情報に関する表示データの生成を行い、生成した表示データを出力する機能を有する。なお、目標情報編集部112は、制御装置12の設定にしたがい、取得した目標情報の過去の或る時点を起点として指定された時間経過分(例えば最新の取得時点まで)の時間に幅を持った履歴情報(少なくとも、目標情報の種別、当該目標情報の経路情報、状態情報を含む情報)を編集して、表示データとして生成することも可能である。表示装置13は、情報処理装置11の目標情報編集部112から出力指示された表示データを表示する機能を有する。
【0018】
次に、図1に示した目標情報処理装置1の動作の一例について、図2のフローチャートを参照しながら詳細に説明する。図2は、本発明の一例である図1の目標情報処理装置1の動作の一例を示すフローチャートであり、目標情報の取得から表示装置13に当該目標情報に関する情報を表示するための表示データを生成して、表示装置13に表示するまでの動作例を示している。
【0019】
図2のフローチャートにおいて、情報処理装置11は、外部のソーナーやレーダーやセンサーやスキャナー等の監視機器から目標情報を取得すると(ステップA1)、取得した目標情報をデータ記憶部111に保存する(ステップA2)。
【0020】
次に、情報処理装置11は、制御装置12から、取得した目標情報に関する過去の履歴情報の表示の有無や履歴情報を表示する場合の履歴情報の取得期間や表示装置13への表示方法等が指定されている表示設定情報を取得する(ステップA3)。情報処理装置11は、目標情報編集部112において、制御装置12から取得した表示設定情報を基にして、データ記憶部111から必要な目標情報を読み込んで、当該目標情報に関する情報を編集して、表示データとして生成する(ステップA4)。しかる後、目標情報編集部112は、生成した表示データを表示装置13へ出力し、表示装置13の表示画面に表示させる(ステップA5)。
【0021】
次に、図3を参照して、本発明の具体的な実施例についてさらに説明する。図3は、本発明の一例である図1の目標情報処理装置1の具体的な実施例を示す模式図であり、制御装置12からの設定指示として、取得した目標情報A(例えば、北海道上空に飛行中の飛行物体)の時刻t2から時刻t4までのそれぞれの時刻における過去の履歴情報を表示装置13に画面表示することが指示されていた場合の動作例について示している。
【0022】
図3に示すように、情報処理装置11においては、目標情報Aに関して、過去の履歴情報も含め逐次取得しており、例えば、時刻t1における目標情報A(t1)から始まり、順次、時刻t5における目標情報A(t5)までを取得し、これらの情報を、データ記憶部111に保存している。
【0023】
ここで、制御装置12において、当該目標情報Aに関して、時刻t2における目標情報A(t2)から時刻t4における目標情報A(t4)に至るまでの情報を表示するように表示設定情報が設定されると、情報処理装置11は、制御装置12の該表示設定情報を取得して、該表示設定情報にしたがって、情報処理装置11は、データ記憶部111に保存されている目標情報Aに関する情報を検索し、表示設定情報に指定されている時刻t2における目標情報A(t2)から時刻t4における目標情報A(t4)までの情報を抽出する。
【0024】
しかる後、情報処理装置11は、制御装置12の表示設定情報に指定されている表示方法に基づいて、抽出した目標情報A(t2)から目標情報A(t4)までの情報を編集して表示装置13に表示するための表示データとして生成する。そして、目標情報A(t2)から目標情報A(t4)までの情報に関して生成された表示データを、情報処理装置11から表示装置13に出力する。この結果、図3に示すように、表示装置13の画面上には、目標情報Aに関する時刻t2における目標情報A(t2)から時刻t4における目標情報A(t4)まで、時間に幅を持った経路情報ならびに状態について目標情報Aに関する履歴情報として連続的に画面表示される。
【0025】
(実施形態の効果の説明)
次に、本実施形態の効果について説明する。
本実施形態においては、情報処理装置11上で動作する目標情報処理プログラム110によって、取得した目標情報をデータ記憶部111に逐次保存して、制御装置12の表示設定情報にしたがって、データ記憶部111の中から該表示設定情報に指定されている目標情報に関する情報を検索して抽出して、編集するとともに、該設定情報に指定されている表示方法に基づいて表示データとして生成して表示装置13に画面表示するので、取得した目標情報の過去の或る時点を起点として時間に幅を持った経路情報ならびに状態を当該目標情報の履歴情報として連続的に画面表示することができることにより、目標情報の視認性の向上を図ることが可能となる。
【0026】
以上、本発明の好適実施例の構成を説明した。しかし、斯かる実施例は、本発明の単なる例示に過ぎず、何ら本発明を限定するものではないことに留意されたい。本発明の要旨を逸脱することなく、特定用途に応じて種々の変形変更が可能であることが、当業者には容易に理解できよう。例えば、本発明の実施態様は、課題を解決するための手段における構成(1)に加えて、次のような構成として表現できる。
(2)少なくとも、前記表示装置に表示する前記目標情報の種別および前記表示装置に表示する当該目標情報の取得期間をオペレータが選択して表示設定情報として指定することができる制御装置を備え、前記目標情報を前記表示装置に表示する際に、前記制御装置によって指定されている前記表示設定情報に基づいて、指定されている前記目標情報に関して、前記データ記憶部に保存されている前記履歴情報の中から、前記取得期間に指定されている期間に含まれている当該目標情報の履歴情報を抽出して、表示データとして編集し、前記表示装置に表示する上記(1)の目標情報処理装置。
(3)前記データ記憶部に保存される前記目標情報の履歴情報として、少なくとも、当該目標情報の種別、当該目標情報に関する経路情報、状態情報を含んでいる上記(1)または(2)の目標情報処理装置。
(4)外部から取得した目標情報を表示データとして編集して表示装置に表示する目標情報処理方法であって、外部から前記目標情報を取得する都度順次当該目標情報に関する履歴情報として保存し、前記目標情報を前記表示装置に表示する際に、保存されている当該目標情報に関する過去の履歴情報も含めて表示データとして編集し、前記表示装置に表示する目標情報処理方法。
(5)少なくとも、前記目標情報を前記表示装置に表示する前記目標情報の種別および前記表示装置に表示する当該目標情報の取得期間をオペレータが選択して表示設定情報として指定し、前記目標情報を前記表示装置に表示する際に、オペレータにより指定されている前記表示設定情報に基づいて、指定されている前記目標情報に関して、保存されている前記履歴情報の中から前記取得期間に指定されている期間に含まれている当該目標情報の履歴情報を抽出して、表示データとして編集し、前記表示装置に表示する上記(4)の目標情報処理方法。
(6)保存される前記目標情報の履歴情報として、少なくとも、当該目標情報の種別、当該目標情報に関する経路情報、状態情報を含んでいる上記(4)または(5)の目標情報処理方法。
(7)上記(4)ないし(6)のいずれかの目標情報処理方法を、コンピュータによって実行可能なプログラムとして実施している目標情報処理プログラム。
(8)上記(7)の目標情報処理プログラムを、コンピュータによって読み取り可能な記録媒体に記録しているプログラム記録媒体。
【符号の説明】
【0027】
1 目標情報処理装置
11 情報処理装置
12 制御装置
13 表示装置
110 目標情報処理プログラム
111 データ記憶部
112 目標情報編集部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部から取得した目標情報を表示データとして編集して表示装置に表示する目標情報処理装置において、外部から前記目標情報を取得する都度順次当該目標情報に関する履歴情報として保存するデータ記憶部を備え、前記目標情報を前記表示装置に表示する際に、前記データ記憶部に保存されている当該目標情報に関する過去の履歴情報も含めて表示データとして編集し、前記表示装置に表示することを特徴とする目標情報処理装置。
【請求項2】
少なくとも、前記表示装置に表示する前記目標情報の種別および前記表示装置に表示する当該目標情報の取得期間をオペレータが選択して表示設定情報として指定することができる制御装置を備え、前記目標情報を前記表示装置に表示する際に、前記制御装置によって指定されている前記表示設定情報に基づいて、指定されている前記目標情報に関して、前記データ記憶部に保存されている前記履歴情報の中から、前記取得期間に指定されている期間に含まれている当該目標情報の履歴情報を抽出して、表示データとして編集し、前記表示装置に表示することを特徴とする請求項1に記載の目標情報処理装置。
【請求項3】
前記データ記憶部に保存される前記目標情報の履歴情報として、少なくとも、当該目標情報の種別、当該目標情報に関する経路情報、状態情報を含んでいることを特徴とする請求項1または2に記載の目標情報処理装置。
【請求項4】
外部から取得した目標情報を表示データとして編集して表示装置に表示する目標情報処理方法であって、外部から前記目標情報を取得する都度順次当該目標情報に関する履歴情報として保存し、前記目標情報を前記表示装置に表示する際に、保存されている当該目標情報に関する過去の履歴情報も含めて表示データとして編集し、前記表示装置に表示することを特徴とする目標情報処理方法。
【請求項5】
少なくとも、前記目標情報を前記表示装置に表示する前記目標情報の種別および前記表示装置に表示する当該目標情報の取得期間をオペレータが選択して表示設定情報として指定し、前記目標情報を前記表示装置に表示する際に、オペレータにより指定されている前記表示設定情報に基づいて、指定されている前記目標情報に関して、保存されている前記履歴情報の中から前記取得期間に指定されている期間に含まれている当該目標情報の履歴情報を抽出して、表示データとして編集し、前記表示装置に表示することを特徴とする請求項4に記載の目標情報処理方法。
【請求項6】
保存される前記目標情報の履歴情報として、少なくとも、当該目標情報の種別、当該目標情報に関する経路情報、状態情報を含んでいることを特徴とする請求項4または5に記載の目標情報処理方法。
【請求項7】
請求項4ないし6のいずれかに記載の目標情報処理方法を、コンピュータによって実行可能なプログラムとして実施していることを特徴とする目標情報処理プログラム。
【請求項8】
請求項7に記載の目標情報処理プログラムを、コンピュータによって読み取り可能な記録媒体に記録していることを特徴とするプログラム記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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