説明

目標点数をランダム設定して採点ゲームを行うカラオケ装置

【課題】歌唱の巧拙に関係なくどのようなレベルの利用者であっても楽しめると同時に面白さに優れたゲームを提供し得る、ユーザフレンドリーなカラオケ装置を提供する。
【解決手段】 カラオケ装置は、演奏手段と、制御手段と、入力手段とを備える。演奏手段は、制御手段の制御に従い楽曲を演奏する。制御手段は、目標点数をランダムに設定し、目標点数をカラオケ装置に接続される表示手段に表示させ、指定された楽曲を演奏手段に演奏させ、演奏中にマイクロホンからの音声信号に基づいて歌唱の巧拙を評価した評価点数を逐次出力して、評価点数と目標点数との関係を表す情報を表示手段に表示させ、演奏終了時に目標点数と最終の評価点数の差分を求め、差分が規定範囲に収まっているか否かを判断し、その結果を出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、目標点数をランダム設定して採点ゲームを行うカラオケ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
カラオケ装置の中には、利用者の歌唱の巧拙を採点してその採点結果を評価点数などとしてディスプレイに表示する歌唱採点機能を備えたものがある。
このようなカラオケ装置では、通常、単に利用者の歌唱の巧拙のみを評価・採点する。従って、歌唱が上手な利用者は良い評価点数が得られて楽しい思いをすることができるが、歌唱があまり上手でない利用者は、良い評価点数が得られず、必ずしも楽しい思いができるわけではない。
【0003】
一方、利用者に自らの目指す目標点数を歌唱前に予め入力させ、その上で、歌唱した際の実際の評価点数と当該目標点数との一致度を算出して、この一致度に基づいてゲームの勝敗ないし合否の判断をするカラオケ採点ゲーム装置が知られている。(例えば、特許文献1参照。)これによれば、歌唱の巧拙ではなく、目標点数と評価点数との一致度がゲームの勝敗ないし合否の判断基準となるから、歌唱があまり上手でない利用者でも、実際の評価点数を目標点数と一致させることさえできればゲームで勝利を収めることができ、採点ゲームを楽しむことが可能となる。
【特許文献1】特開2004−240036号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、利用者がゲームを面白いと感じる一要因は、ゲーム展開の「意外性」にあると考えられる。しかしながら、上記採点ゲーム装置では、利用者自身に自らの目指す目標点数を入力させることとしている。利用者自らが目標点数を設定する場合、目指すべきゴールに意外性がない。したがって、上記採点ゲーム装置で展開されるゲームは、ゲームとしての面白さに欠け、「ゲームをしよう」という利用者の意欲の減退につながる可能性がある。
また、上記採点ゲーム装置では、歌唱の前に利用者自身が目標点数を設定する必要があり、すぐにでも歌を歌いたいと思っている利用者にとっては煩雑である。
【0005】
そこで、本発明は、歌唱の巧拙に関係なくどのようなレベルの利用者であっても楽しめると同時に面白さに優れたゲームを提供し得る、ユーザフレンドリーなカラオケ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明の一態様にかかるカラオケ装置は、つぎの事項(1)〜(7)により特定されるものである。
(1)演奏手段と、制御手段と、入力手段とを備えたカラオケ装置であること
(2)演奏手段は、制御手段の制御に従い楽曲を演奏すること
(3)制御手段は、入力手段によりゲーム指示入力があった場合、第1〜第4処理を行うこと
(4)第1処理では、目標点数をランダムに設定し、カラオケ装置に接続される表示手段に目標点数を表示させて、入力手段を通じて楽曲のリクエスト入力を受け付けること
(5)第2処理では、第1処理で受け付けた楽曲を演奏手段に演奏させること
(6)第3処理では、演奏中にマイクロホンからの音声信号に基づいて歌唱の巧拙を評価した評価点数を逐次出力して、評価点数と目標点数との関係を表す情報を表示手段に表示させること
(7)第4処理では、演奏終了時に目標点数と最終の評価点数の差分を求め、差分が規定範囲に収まっているか否かを判断し、その結果を出力すること。
【0007】
上記カラオケ装置は、さらに、つぎの事項(8)〜(9)によって特定され得る。
(8)制御手段は、入力手段を通じて利用者の利用者IDを受け付けること
(9)第1処理において、
各利用者が過去に歌唱したことのある楽曲の楽曲IDと当該楽曲を歌唱したときの評価点数とが組になって利用者IDごとに記録されている利用者別歌唱履歴簿から、入力された利用者IDに基づいて、当該利用者について記録された楽曲IDと評価点数の組を抽出して取得し、
取得した組の中で、評価点数が目標点数以上である組の楽曲IDを抽出し、
抽出した楽曲IDに対応する楽曲を、推奨楽曲として、表示手段に表示させて、楽曲のリクエスト入力を受け付けること。
【0008】
この発明の別の態様にかかるカラオケ装置は、つぎの事項(11)〜(17)により特定されるものである。
(11)演奏手段と、制御手段と、入力手段とを備えたカラオケ装置であること
(12)演奏手段は、制御手段の制御に従い楽曲を演奏すること
(13)制御手段は、入力手段を通じて楽曲ID及び利用者IDの入力並びにゲーム指示入力があった場合、第1〜第4処理を行うこと
(14)第1処理では、
各利用者が過去に歌唱したことのある楽曲の楽曲IDと当該楽曲を歌唱したときの評価点数とが組になって利用者IDごとに記録されている利用者別歌唱履歴簿から、入力された利用者IDに基づいて、当該利用者について記録された楽曲IDと評価点数の組を抽出して取得し、
取得した組の中から、入力された楽曲IDを含む組を抽出し、
抽出した組に含まれている最も高い評価点数を上限として、目標点数をランダムに設定して、カラオケ装置に接続される表示手段に目標点数を表示させること
(15)第2処理では、入力された楽曲IDに対応する楽曲を演奏手段に演奏させること
(16)第3処理では、演奏中にマイクロホンからの歌声信号に基づいて歌唱の巧拙を評価した評価点数を逐次出力して、評価点数と目標点数との関係を表す情報を表示手段に表示させること
(17)第4処理では、演奏終了時に目標点数と最終の評価点数の差分を求め、差分が規定範囲に収まっているか否かを判断し、その結果を出力すること。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、歌唱の巧拙に関係なくどのようなレベルの利用者であっても楽しめると同時に面白さに優れたゲームを提供し得る、ユーザフレンドリーなカラオケ装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明のカラオケ装置の一実施形態について説明する。
【0011】
===設置環境===
図1は、本実施形態に係るカラオケ装置100の設置環境の一例を示す図である。本例のカラオケ装置100は、いわゆる「通信カラオケ装置」である。カラオケ装置100は、カラオケ店舗内に設置され、店舗内のLANに接続されており、LANを通じて、店舗内に設置された店内PC200(例えば、カラオケ店舗の受付に設置されたPCや、店舗内の調理場に設置されたPC)に接続される。また、カラオケ装置100は、適宜なネットワークを介して、カラオケ店舗外のPCやサーバとも通信可能である。例えば、LAN上のルータ及びVPNを通じて、外部のサーバ300と通信可能である。
【0012】
===カラオケ装置の構成===
図2は、本実施形態に係るカラオケ装置100の構成の一例を示すブロック図である。カラオケ装置100は、メインコンピュータ1と、ハードディスク装置2と、操作制御部3と、ビデオメモリ4と、表示処理部5と、ネットワークインタフェース6と、演奏処理部7と、ミキシングアンプ8と、マイクアンプ9と、採点処理部10と、通信インタフェース11と、イメージメモリ12と、印刷処理部13とを備える。また、カラオケ装置100は、各種機能を備えたリモコン装置30(以下、「電子目次本30」と称する)も備える。
【0013】
メインコンピュータ1は、カラオケ装置100全体を統括するものであり、カラオケ装置100の他の構成要素と協働して「制御手段」の一例として機能する。
【0014】
ハードディスク装置2には、メインコンピュータ1のためのプログラムや、カラオケ楽曲データベースや、映像データベースなどの各種情報が格納されている。ここに格納されたプログラムをメインコンピュータ1が実行することによって、「制御手段」としての機能が実現される。
【0015】
操作制御部3を通じて、利用者は、各種の情報を入力することができる。操作制御部3には、操作パネルが接続されているとともに、電子目次本30からの無線信号(例えば、赤外線信号)を受信するための受信部を備える。例えば、操作制御部3では、操作パネルや電子目次本30を通じて入力された楽曲IDを受け付けることができる。なお、操作パネルや電子目次本30は、「入力手段」の一例として機能する。
【0016】
ビデオメモリ4と表示処理部5は、メインコンピュータ1の制御の下、カラオケ装置100に接続された表示装置40に、カラオケ演奏に関連した各種の映像情報を表示させる。例えば、カラオケ演奏中には、ハードディスク装置2の映像データベースに含まれるデータ等に基づいて、歌詞テロップを伴ったカラオケ映像を表示させたり、歌唱の採点経過・採点結果を表示させたりする。演奏休止中には、演奏予約状況を示す情報、音楽関連の広告宣伝情報、今週のベストテンのようなカラオケ関連情報などを表示させる。なお、表示装置40は、「表示手段」の一例として機能する。
【0017】
ネットワークインタフェース6は、カラオケ店舗内のLANとのインタフェースである。カラオケ装置100は、このネットワークインタフェース6を通じて、店内PC200やサーバ300とデータを送受信することができる。
【0018】
演奏処理部7は、メインコンピュータ1の制御の下、ハードディスク装置2のカラオケ楽曲データベースに含まれている楽曲データに基づいて、カラオケ楽曲の伴奏音楽を演奏する。カラオケ伴奏音楽は、ミキシングアンプ8を介してオーディオシステムにより放音される。なお、演奏処理部7、あるいは、演奏処理部7とミキシングアンプ8とオーディオシステムの組み合わせは、「演奏手段」の一例として機能する。また、マイクロホンからの音声信号はマイクアンプ9を介してミキシングアンプ8に入力されるとともに、採点処理部10にも入力される。
【0019】
採点処理部10は、カラオケ伴奏音楽の演奏中において、メインコンピュータ1の制御の下、ハードディスク装置2のカラオケ楽曲データベースに含まれている楽曲データから得た採点基準と、マイクロホンからの音声信号とを逐次比較し、歌唱の巧拙を分析した評価点数を出力する。
【0020】
通信インタフェース11は、電子目次本30とのインタフェースである。この通信インタフェース11を通じて、電子目次本30は、例えば、Bluetooth規格や、IEEE802.11x規格の無線通信を利用して、カラオケ装置100と無線接続されている。例えば、カラオケ装置100は、電子目次本30を通じて入力されたゲーム指示や利用者IDに関するデータを受信することができるし、電子目次本30用のプログラムやデータを電子目次本30へ送信することができる。なお、先に記載したとおり、電子目次本30は、「入力手段」の一例として機能する。
【0021】
イメージメモリ12と印刷処理部13は、メインコンピュータ1の制御の下、カラオケ装置100に接続された印刷装置50に、カラオケ演奏に関連した各種の情報を印刷させる。例えば、採点処理部10で出力された評価点数や、ゲームの結果等を印刷させることができる。
【0022】
===電子目次本30===
図3は、電子目次本30の概略構成図である。この電子目次本30とは、利用者がカラオケ楽曲や採点ゲーム等の指定を入力するためのリモコン(「入力手段」)と、カラオケ楽曲や採点ゲーム等に関する情報を表示するためのディスプレイ(「表示手段」)の機能を兼ね備えたユーザインタフェースである。電子目次本30は、CPU、ROM、RAM等を内部に備えるほか、LCD型タッチパネル31と、通信部32と、読取部33とを備える。電子目次本30には、電子目次本30向けのプログラムのほか、選択可能なカラオケ楽曲に関する目次情報や、タッチパネル31に表示を行うための画面データ等の各種データが格納されている。
【0023】
図3は、電子目次本30のタッチパネル31に初期画面が表示された状態を示している。この初期画面は、利用者にカラオケ楽曲や採点ゲーム等の指定を行うためのポータル画面である。利用者は、タッチパネル31上の初期画面に表示された各種の仮想ボタンをタッチすることで、カラオケ楽曲や採点ゲーム等を選択するための各種画面を表示させることができる。
【0024】
例えば、この初期画面中、「曲検索」と題された仮想ボタンを選択すると、電子目次本30に格納された目次情報を使って曲検索を行うためのメニュー画面(不図示)が表示され、その画面を通じてカラオケ楽曲を選択・入力することができる。「精密採点」と題された仮想ボタンを選択すると、これに引き続いて指定するカラオケ楽曲について、精密な歌唱採点を希望する旨の指示が入力される。一方、「ぴったり歌いま唱」と題された仮想ボタンを選択すると、本発明に係る、歌唱評価点数を目標点数にできるだけ近づけるように歌唱するゲーム(以下、「目標点数標的ゲーム」と称する)を実行したい旨のゲーム指示が入力される。(この目標点数標的ゲームについては、以降詳細に説明する。)
入力された情報は、通信部32を介して、カラオケ装置100の操作制御部3や通信インタフェース11へ送られる。カラオケ楽曲の選択に関する情報を受け取った場合、カラオケ装置100は、当該楽曲の楽曲ID等を楽曲演奏待ち行列(図7参照)に記録し、当該楽曲の演奏順がきたら、当該カラオケ楽曲の伴奏音楽を演奏処理部7に演奏させる。また、採点希望指示入力やゲーム指示入力を受け付けた場合、カラオケ装置100は、対応する精密採点用プログラムやゲーム用プログラムを起動する。
【0025】
また、初期画面に表示された仮想の「印刷」ボタンをタッチすることにより、通信部32を介してカラオケ装置100へ印刷命令が送信される。印刷命令を受けたカラオケ装置100では、表示装置40に表示された画面を、印刷装置50に印刷させる処理が実行される。
なお、電子目次本30は、通信部32を介して、カラオケ装置100から各種プログラムやデータを受信することもできる。
【0026】
読取部33は、利用者を識別するための利用者IDが記憶されたICカード(「利用者カード」)や、適宜な通信規格の携帯電話から、利用者ID等の情報を読み取ることができる。読み取った情報は、電子目次本30のRAMに記憶されるとともに、通信部32を介してカラオケ装置100へ送られ、カラオケ装置100のメモリにも記憶される。カラオケ装置100は、この情報を利用して、例えばサーバ300の利用者別歌唱履歴簿310から、当該利用者に関連する情報を抽出して取得することができる。利用者別歌唱履歴簿310については次の項目で説明する。
【0027】
また、読取部33を通じて、利用者カードや携帯電話に対して課金をすることもできる。例えば、有料のコンテンツ(ゲーム等)を利用する際に、利用者カードや携帯電話にチャージされた電子マネーを、読取部33を通じて徴収することができる。
【0028】
===利用者別歌唱履歴簿===
図4は、利用者別歌唱履歴簿の一例を示す概念図である。本実施形態では、利用者別歌唱履歴簿310は、サーバ300に格納されているものとする。
【0029】
利用者別歌唱履歴簿310は、利用者IDごとに、当該利用者が過去に歌唱したことのあるカラオケ楽曲の楽曲IDと、その楽曲を歌唱した際の評価点数と、その楽曲を歌唱した日時等の情報とを関連づけて記録したデータベースである。このデータベースは、各カラオケ装置100からネットワークを介して送られてくる楽曲ID、評価点数及び歌唱日時に関する情報を利用者ID別に適時に記録することで構築される。
【0030】
===目標点数標的ゲームの第1実施形態===
図5は、本発明に係る、歌唱評価点数を目標点数にできるだけ近づけるように歌唱するゲーム(「目標点数標的ゲーム」)の第1実施形態を示すフローチャートである。このフローチャートを参照しながら、以下、目標点数標的ゲームの第1実施形態について説明する。なお、以下の処理は、基本的には、カラオケ装置100のメインコンピュータ1や電子目次本30のCPUが、適宜なプログラムを実行したり適宜なデータを参照したりすることで実現される。
【0031】
<ゲーム指示入力の有無の判断(S100)>
カラオケ装置100は、まず、目標点数標的ゲームを実行したい旨のゲーム指示入力があったかどうかを判断する。
例えば、電子目次本30のタッチパネル31に表示された初期画面の「ぴったり歌いま唱」ボタン(図3参照)が押されると、図6に示すような、目標点数標的ゲームの内容を説明する説明画面がタッチパネル31に表示される。本例のゲームでは、歌唱評価点数が目標点数の±2点(規定範囲)以内になるように歌えたら「合格」と判断することとし、合格した場合に、景品をもらうことができることとする。この説明画面中の「ゲームスタート!」ボタンが押されると、ゲーム指示が入力され、この情報が、電子目次本30の通信部32を介して、カラオケ装置100の通信インタフェース11へ送られる。カラオケ装置100では、ゲーム指示入力を受け付けると(S100:Y)、メインコンピュータ1が目標点数標的ゲームのプログラムを起動し、処理はS102へ進む。また、このゲーム指示入力に引き続いて指定されるカラオケ楽曲について目標点数標的ゲームを実行する旨を、楽曲演奏待ち行列に記録する。この楽曲演奏待ち行列は、カラオケ装置100の適宜なメモリ(不図示)に設けられ、リクエストされたカラオケ楽曲の演奏順等を記録するためのものである。楽曲演奏待ち行列の一例を図7に示す。ゲーム指示入力があった場合、この待ち行列の「目標点数標的ゲーム」の欄にフラグ(「1」)を立てることで、ゲームを実行する旨を記録する。
【0032】
一方、ゲーム指示入力があるまでは(S100:N)、目標点数標的ゲームの処理は開始しない。なお、本ゲームを有料ゲームとする場合には、利用者がゲーム指示を入力する際に、読取部33を介して、利用者カード又は携帯電話に対してゲーム代を課金することとしてもよい。また、ゲーム代よりも高価な景品を提供することとすれば、利用者のゲーム意欲をかき立てることができる。
【0033】
<目標点数の設定と表示(S102)>
目標点数標的ゲームのプログラムが開始されると、カラオケ装置100は、目標点数をランダムに設定する。本実施形態では、0〜100の間の整数をランダムに設定することとする。この処理は、メインコンピュータ1の制御の下、不図示の乱数発生器等に行わせることができる。設定後、カラオケ装置100は、図8に示すように、目標点数を表示装置40に表示させる。この画面には、設定された目標点数のほかに、当該目標点数(62点)に対して規定範囲内(±2点以内)で歌えそうな曲を選択し操作パネルや電子目次本30を使って入力することを利用者に促すメッセージが表示される。なお、この画面を電子目次本30のタッチパネル31にも表示させるべく、画面構成データを、カラオケ装置100の通信インタフェース11から電子目次本30の通信部32へ送信してもよい。
また、設定した目標点数は、図7の楽曲演奏待ち行列の「目標点数」の欄(図7中、ハッチングされている箇所)に記録される。
【0034】
<楽曲リクエスト入力の有無の判断(S104)>
表示装置40に表示された画面(図8参照)を見て、利用者は、目標点数(62点)に対して規定範囲内(±2点以内)で歌えそうな曲を、カラオケ店舗に設置してある目次本から選択し、その楽曲IDを、カラオケ装置100の操作パネルを使って入力する。あるいは、電子目次本30を使って入力を行う場合には、初期画面(図3参照)の「曲検索」ボタンを押して、電子目次本30に格納された目次情報を使って曲検索を行うためのメニュー画面(不図示)を表示させて、当該メニュー画面を通じて楽曲を選択・入力してもよい。この場合、電子目次本30を使って選択・入力された楽曲の楽曲IDが、電子目次本30の通信部32を介して、カラオケ装置100の操作制御部3へ送られる。カラオケ装置100が楽曲IDの入力を受け付けると(S104:Y)、その楽曲IDは図7の楽曲演奏待ち行列の「楽曲ID」の欄(図7中、網掛けされている箇所)に記録される。そして、その曲の演奏順がくると、処理はS106へ進み、当該楽曲の演奏が開始される。一方、楽曲IDの入力があるまでは(S104:N)、カラオケ装置100は待機状態にある。
【0035】
<楽曲演奏(S106)>
楽曲IDの入力を受け付けた後、その楽曲の演奏順がきたら、カラオケ装置100は、楽曲の演奏を開始する。具体的には、ハードディスク装置2のカラオケ楽曲データベースに含まれている楽曲データに基づいて、カラオケ楽曲の伴奏音楽を演奏処理部7に演奏させ、映像データベースに含まれているデータ等に基づいて、歌詞テロップを伴ったカラオケ映像を表示処理部5ひいては表示装置40に表示させる。伴奏音楽の進行と歌詞テロップに従って、利用者は、適宜なタイミングで、マイクロホンを通じて歌唱を開始する。
【0036】
<歌唱評価点数出力(S108)>
利用者が歌唱を開始すると、歌唱による音声信号がマイクロホン及びマイクアンプ9を通じて、採点処理部10に入力される。採点処理部10では、アナログ信号である音声信号を逐次A/D変換してデジタル信号化し、このデジタル信号と、演奏中の楽曲の楽曲データに含まれている採点用主旋律データとを比較して、これらの一致度を評価点数として逐次算出して出力する。そして、この評価点数と、目標点数との関係(一致度)を表す情報が、カラオケ映像にスーパーインポーズされて、表示装置40に表示される。
【0037】
この処理は、例えば、次のように実行することができる。
ここでは、楽曲データは、複数の採点区間に区分されているものとする。そして、カラオケ装置100は、図9に示すように、各採点区間ごとの区間別評価点数をメモリ(不図示)に逐次記録し、区間別評価点数を逐次平均化して、現在の評価点数を算出する。算出された現在の評価点数は、例えばカラオケ装置100のメモリに出力され、現在の評価点数と目標点数との関係を表す情報を表示装置40に表示させるためのデータとして利用される。図10に、現在の評価点数と目標点数との関係を表す情報の一例を示す。ここでは、当該情報として、目標点数(62点)と、現在の評価点数(75点)と、評価点数を目標点数と一致させるための指針(「もうちょっと下手に歌ってね」というメッセージ)と、目標点数と評価点数の一致度(関係)を人間の表情で表した情報(あまり一致していないことを表す「しかめっ面」)とが表示されている。
【0038】
<演奏終了の判断(S110)>
楽曲データの終わりに到達した場合、あるいは利用者より演奏停止の指示が入力された場合、カラオケ装置100は演奏を終了すべきと判断し(S110:Y)、処理はS112へ進む。一方、演奏がまだ終了していないと判断した場合(S110:N)には、処理はS108へ戻る。
【0039】
<ゲーム結果出力(S112)>
楽曲の演奏を終了したら、カラオケ装置100は、メインコンピュータ1の制御の下、最後の区間別評価点数(全区間別評価点数の平均)と目標点数との差分を算出し、算出した差分が規定範囲内(±2点以内)かどうかを判断して、この判断結果を出力する。図11に、ゲームの判断結果を、表示処理部5を通じて表示装置40から表示出力した例を示す。この例では、目標点数(62点)と最終の評価点数(64点)の差分(2点)が、規定範囲内(±2点以内)であると判断されたため、ゲームに「合格」した旨の表示出力がされている。また、図11の画面には、電子目次本30の初期画面中の「印刷」ボタンを操作して、この「合格」表示を含む画面を印刷するよう促すメッセージが表示されている。メッセージに従って利用者が「印刷」ボタンを押せば、カラオケ装置100に接続された印刷装置50でこの画面を印刷することができる。そして、印刷した画面をカラオケ店舗の受付に持っていく等して、景品のビールを受け取ることができるようにすればよい。
【0040】
あるいは、「合格」した旨の判断結果は、カラオケ装置100から、ネットワークインタフェース6及びLANを通じて、カラオケ店舗内の調理場に設置されている店内PC200に向けて出力されることとしてもよい。この場合、この判断結果情報を受け取った店内PC200の表示装置(不図示)には、目標点数標的ゲームの「合格者」が出た旨と、その「合格者」が利用中のカラオケ装置100が設置されている部屋番号が表示されることとしてもよい。そうすれば、この表示を見た調理場スタッフが、当該部屋番号に景品のビールを持って行くことができる。このような構成によれば、画面の印刷処理が不要となるため、処理の簡易化を図ることができてユーザフレンドリなカラオケ装置を提供することができるとともに、印刷用紙等の媒体の節約にもなる。
なお、最終の評価点数は、楽曲IDや歌唱日時とともに、サーバ300の利用者別歌唱履歴簿310に記録される。
【0041】
<本実施形態の効果>
本実施形態によれば、カラオケ装置100が目標点数をランダムに設定するため、どんな目標点数が設定されるのかというスリルを利用者に与えることができ、面白い採点ゲームを提供することができる。また、カラオケ装置100が目標点数を自動的に設定するため、利用者が手動で目標点数を入力するカラオケ装置に比して、操作が簡単でユーザフレンドリなカラオケ装置を提供することができる。
【0042】
===目標点数標的ゲームの第2実施形態===
図12は、本発明に係る目標点数標的ゲームの第2実施形態を示すフローチャートである。このフローチャートを参照しながら、以下、目標点数標的ゲームの第2実施形態について説明する。第2実施形態では、サーバ300の利用者別歌唱履歴簿310や利用者ID等を利用して目標点数標的ゲームを実行することとする。なお、以下の処理は、基本的には、カラオケ装置100のメインコンピュータ1や電子目次本30のCPUが、適宜なプログラムを実行したり適宜なデータを参照したりすることで実現される。また、ここでは、目標点数標的ゲームの第1実施形態と異なる部分(S201、S202、S204)に重点を置いて説明する。
【0043】
<ゲーム指示入力の有無の判断(S200)>
この処理は、第1実施形態のS100とほぼ同様なので、説明を省略する。ただし
、ゲーム指示入力(S200:Y)の後、処理はS201へ進むこととする。
【0044】
<利用者ID入力の有無の判断(S201)>
目標点数標的ゲームのプログラムが開始されると、カラオケ装置100は、利用者IDの入力があったかどうかを確認する。上述したように、電子目次本30の読取部33を通じて利用者IDが既に取得できている場合には、カラオケ装置100のメモリにも利用者IDが記憶されているはずである。そこで、メインコンピュータ1は、メモリにアクセスして、利用者IDの記憶の有無を確かめる。利用者IDが記憶されていれば(S201:Y)、処理はS202へ進む。利用者IDが未だ記憶されていないようであれば(S201:N)、カラオケ装置100は、利用者に利用者IDの入力を促すような画面を表示装置40又は電子目次本30のタッチパネル31に表示させて、利用者IDが入力されるまで待機する。
【0045】
<目標点数の設定、推奨楽曲の選定、目標点数・推奨楽曲の表示(S202)>
利用者IDの入力が確認できたら、カラオケ装置100は、目標点数をランダムに設定する。目標点数の設定の仕方は、第1実施形態と同様である。そして、設定した目標点数は、第1実施形態同様、図7の楽曲演奏待ち行列の「目標点数」の欄(図7中、ハッチングされている箇所)に記録される。本例では、目標点数は、第1実施形態同様、「62点」であることとする。
【0046】
また、カラオケ装置100は、ネットワークインタフェース6を介して、サーバ300の利用者別歌唱履歴簿310にアクセスする。そして、入力された利用者IDについて記録されている楽曲ID及び評価点数のデータ(「当該利用者についての楽曲ID及び評価点数の組」)を抽出して取得する。図13に、図4に示す利用者別歌唱履歴簿310から利用者ID「0001」について抽出・取得したデータの一例を示す。取得したデータは、カラオケ装置100の適宜なメモリに記憶される。なお、「歌唱日時」データは、あってもなくてもよい。
【0047】
次に、取得した楽曲ID及び評価点数のデータのうち、評価点数が目標点数(62点)以上のものの楽曲IDを抽出する。図13の例でいえば、楽曲ID「178−003」(評価点数:「65.3」及び「68.3」)及び楽曲ID「009−006」(評価点数:「72.6」)が抽出される。
【0048】
なお、抽出した楽曲IDに対応する楽曲のことを「推奨楽曲」と呼ぶ。これら「推奨楽曲」は、評価点数を目標点数と一致させることが容易なためゲーム対象とするのにお勧めの楽曲である。ここで、なぜ、「推奨楽曲」については評価点数を目標点数と一致させるのが容易なのかについて説明する。まず、利用者が目標点数以上の評価点数を取ったことのない楽曲を選んだ場合について考える。ある楽曲について目標点数以上の評価点数を取ったことがないということは、利用者にはその楽曲について目標点数を取れるだけの歌唱力がないことを意味する。よって、この場合、目標点数を取るためには、利用者は自らの歌唱力以上の力を出さないといけないことになる。これは利用者に相当の困難を強いることとなる。一方、「推奨楽曲」は、目標点数以上の評価点数を利用者が取ったことのある楽曲なので、利用者が推奨楽曲を選んで歌唱することとすれば、その楽曲については、目標点数以上の評価点数を取れる可能性が高い。すなわち、利用者は、その楽曲については、少なくとも目標点数を取るだけの歌唱力があるといえるので、自らの歌唱力の範囲内において歌唱の巧拙を調節することで、評価点数を目標点数と一致させることが可能となる。だから、「推奨楽曲」については評価点数を目標点数と一致させるのが容易なのである。
【0049】
次に、カラオケ装置100は、図14に示すように、設定した目標点数(62点)と、抽出した楽曲IDに対応する推奨楽曲(「Ring」と「短い間」)とを表示装置40に表示させる。このほか、当該目標点数(62点)に対して規定範囲内(±2点以内)で歌えそうな曲を選択し操作パネルや電子目次本30を使って入力することを利用者に促すメッセージが表示させる。
【0050】
また、本例では、各推奨楽曲に付帯して、対応する楽曲ID(「009−006」と「178−003」)と、過去の評価点数(「72.6」と「68.3」)を表示することとする。対応する楽曲IDを表示することにより、利用者はその表示を見ながら操作パネル等を使って楽曲IDを入力することができる。また、過去の評価点数を表示することにより、利用者は、その楽曲についての自己の「歌唱力」を知ることができ、楽曲を選択する上での参考とすることができる。なお、本例では、図13に示すように、楽曲ID「178−003」については、評価点数が目標点数以上のレコードが二つある。このような場合、本例では、高い方の評価点数(「68.3」)を表示することとする。ただし、サーバ300の利用者別歌唱履歴簿310から抽出した「歌唱日時」を参照して、直近の方の評価点数(「65.3」)を表示することとしてもよい。
なお、図14のような画面を電子目次本30のタッチパネル31にも表示させるべく、画面構成データを、カラオケ装置100の通信インタフェース11から電子目次本30の通信部32へ送信してもよい。
【0051】
<楽曲リクエスト入力の有無の判断(S204)>
この処理は、第1実施形態のS104とほぼ同様である。利用者は、表示されている「推奨楽曲」を選んでその楽曲IDを入力してもよいし、別の楽曲を選んでもよい。なお、図14のような画面を電子目次本30のタッチパネル31にも表示させる場合、表示された「推奨楽曲」をタッチすることにより、楽曲の入力ができるような構成としてもよい。
【0052】
<楽曲演奏(S206)〜ゲーム結果出力(S212)>
これらの処理は、第1実施形態のS106〜S112と同様なので、説明を省略する。
【0053】
<本実施形態の効果>
本実施形態によれば、利用者がゲーム対象の楽曲を選択・入力する際に、「推奨楽曲」が利用者に提示される。利用者が「推奨楽曲」を選んで歌唱することとすれば、利用者は自らの歌唱力の範囲内において歌唱の巧拙を調節することで評価点数を目標点数と一致させることが可能となる。よって、「推奨楽曲」を提示することにより、ゲームが難しくなり過ぎることを未然に防止し、利用者のゲーム意欲の減退を防止することができる。
【0054】
===目標点数標的ゲームの第3実施形態===
図15は、本発明に係る目標点数標的ゲームの第3実施形態を示すフローチャートである。このフローチャートを参照しながら、以下、目標点数標的ゲームの第3実施形態について説明する。第3実施形態でも、サーバ300の利用者別歌唱履歴簿310や利用者ID等を利用して目標点数標的ゲームを実行することとするが、本第3実施形態では、第1・第2実施形態のように目標点数を先に設定してから楽曲の選択を受け付けるのではなく、先に楽曲の選択を受け付けてから目標点数を設定する。なお、以下の処理は、基本的には、カラオケ装置100のメインコンピュータ1や電子目次本30のCPUが、適宜なプログラムを実行したり適宜なデータを参照したりすることで実現される。また、ここでは、目標点数標的ゲームの第1実施形態及び第2実施形態と異なる部分(S303、S305)に重点を置いて説明する。
【0055】
<楽曲ID・利用者ID・ゲーム指示の入力有無の判断(S303)>
カラオケ装置100は、まず、楽曲ID及び利用者IDの入力、並びに、目標点数標的ゲームを実行したい旨のゲーム指示入力があったかどうかを判断する。この処理の一例について以下説明する。
【0056】
まず、利用者は、電子目次本30に格納された目次情報を使って曲検索を行うためのメニュー画面(不図示)から、タッチパネル31を利用して、歌いたい楽曲を選択・入力する。タッチパネル31に表示されたメニュー画面(不図示)から、歌いたい希望楽曲を一つ選択した画面の一例を図16に示す。本例では、楽曲ID「178−003」の楽曲が選択されている。利用者は、この楽曲について目標点数標的ゲームを実行したい場合、この画面中の「ぴったり歌いま唱」ボタンをタッチする。すると、図6に示すような、目標点数標的ゲームの内容を説明する説明画面がタッチパネル31に表示される(第1実施形態の説明を参照)。本実施形態でも、歌唱評価点数が目標点数の±2点(規定範囲)以内になるように歌えたら「合格」と判断することとし、合格した場合に、景品をもらうことができることとする。この説明画面中の「ゲームスタート!」ボタンが押されると、ゲーム指示が入力され、希望楽曲の楽曲IDと、ゲーム指示入力情報が、電子目次本30の通信部32を介して、カラオケ装置100の通信インタフェース11へ送られる。カラオケ装置100は、ゲーム指示入力と楽曲IDを受け付けると、図7の楽曲演奏待ち行列の「目標点数標的ゲーム」の欄にフラグ(「1」)を立てることで、ゲームを実行する旨を記録するとともに、「楽曲ID」の欄(図7中、網掛けされている箇所)に受け付けた楽曲IDを記録する。
【0057】
次に、カラオケ装置100は、利用者IDの入力があったかどうかを確認する。上述したように、電子目次本30の読取部33を通じて利用者IDが既に取得できている場合には、カラオケ装置100のメモリにも利用者IDが記憶されているはずである。そこで、メインコンピュータ1は、メモリにアクセスして、利用者IDの記憶の有無を確かめる。利用者IDが記憶されていれば(S303:Y)、処理はS305へ進む。利用者IDが未だ記憶されていないようであれば(S303:N)、カラオケ装置100は、利用者に利用者IDの入力を促すような画面を表示装置40又は電子目次本30のタッチパネル31に表示させて、利用者IDが入力されるまで待機する。
【0058】
<目標点数の設定と表示(S305)>
楽曲ID及び利用者IDの入力、並びに、ゲーム指示入力の確認ができたら、カラオケ装置100は、目標点数をランダムに設定する。本実施形態では、目標点数を設定するに際し、利用者別歌唱履歴簿310の情報を利用する。
【0059】
まず、カラオケ装置100は、ネットワークインタフェース6を介して、サーバ300の利用者別歌唱履歴簿310にアクセスする。そして、入力された利用者IDについて記録されている楽曲ID及び評価点数のデータ(「当該利用者についての楽曲ID及び評価点数の組」)を抽出して取得する(図13参照)。
【0060】
次に、取得した楽曲ID及び評価点数のデータのうち、入力された楽曲ID(「178−003」)を含むレコードを抽出する。図13の例でいえば、上から1番目、4番目、及び5番目のレコード(それぞれの評価点数:「65.3」、「68.3」、及び「61.4」)が抽出される。
【0061】
次に、抽出したレコードに含まれている最も高い評価点数を上限として、目標点数をランダムに設定する。本例では、評価点数「68.3」が最も高いので、これを上限として、0〜68の間の整数をランダムに設定する。ランダム設定の仕方は、第1実施形態と同様である。ここでは、目標点数は、第1・第2実施形態同様、「62点」に設定されたものとする。
【0062】
設定後、カラオケ装置100は、図17に示すように、目標点数を表示装置40に表示させる。この画面には、設定された目標点数のほかに、当該目標点数(62点)に対して規定範囲内(±2点以内)で、希望した楽曲(楽曲ID「178−003」に対応する曲)を歌うよう利用者に指示するメッセージが表示される。なお、この画面を電子目次本30のタッチパネル31にも表示させるべく、画面構成データを、カラオケ装置100の通信インタフェース11から電子目次本30の通信部32へ送信してもよい。また、設定した目標点数は、図7の楽曲演奏待ち行列の「目標点数」の欄(図7中、ハッチングされている箇所)に記録される。
【0063】
<楽曲演奏(S306)〜ゲーム結果出力(S312)>
これらの処理は、第1実施形態のS106〜S112と同様なので、説明を省略する。
【0064】
<本実施形態の効果>
本実施形態では、目標点数を、利用者が過去に取ったことのある評価点数を上限として設定することとしている。その理由について説明する。
目標点数を、利用者の歌唱力に比してあまり高い点数に設定してしまうと、歌唱評価点数を目標点数に一致させるために、利用者は自らの歌唱力を超えた力を発揮しなければならず、相当の困難を強いられる。そして、一致させるのがあまりにも難しいと、利用者のゲーム意欲を削いでしまう可能性がある。一方、利用者の過去の最高評価点数を上限として目標点数を設定すれば、目標点数を利用者の歌唱力の範囲内で設定することができる。よって、ゲームが難しくなり過ぎることを未然に防止し、利用者のゲーム意欲の減退を防止することができる。
【0065】
===その他の実施形態===
<カラオケ装置>
上記実施形態では、通信カラオケ装置に本発明を適用する例について説明したが、他のタイプのカラオケ装置に本発明を適用することも可能である。例えば、表示装置40・印刷装置50を備え、利用者別歌唱履歴簿310を内蔵したスタンドアロン型のカラオケ装置にも適用可能である。また、携帯電話に本発明に係る目標点数標的ゲーム用プログラムをインストールして、携帯電話を「カラオケ装置」として捉えることもできる。また、テレビ等の表示手段に接続して利用するタイプの家庭向けカラオケ装置(例えば、いわゆるマイク型カラオケ装置等)にも適用可能である。
【0066】
<評価点数、目標点数>
上記実施形態では、目標点数は整数であることとしたが、本発明はこれに限られず、小数であってもよい。また、上記実施形態では、評価点数を100点満点とし、目標点数を0〜100の間で設定することとしたが、本発明はこれに限られない。
【0067】
<規定範囲の設定の仕方>
上記実施形態では、規定範囲を±2点に設定していたが、当然、規定範囲はこれに限られない。規定範囲は、例えば、日毎に異なる値にしてもよいし、あるいは、ゲームの成功率に関する情報を逐次収集・分析して、特定の成功率になるように設定することとしてもよい。
【0068】
<評価点数と目標点数との関係を表す情報>
上記実施形態では、「評価点数と目標点数との関係を表す情報」として、目標点数と、現在の評価点数と、評価点数を目標点数と一致させるための指針と、目標点数と評価点数の一致度(関係)を人間の表情で表した情報とを表示することとしたが、本発明はこれに限られない。例えば、単純に目標点数と現在の評価点数とを「評価点数と目標点数との関係を表す情報」として表示してもよいし、評価点数を目標点数と一致させるための指針だけ、あるいは、目標点数と評価点数の一致度(関係)をキャラクタの表情で表した情報だけを「評価点数と目標点数との関係を表す情報」として表示してもよい。また、目標点数と現在の評価点数との関係をグラフで表してもよい。
【0069】
また、この情報は、楽曲演奏中、常に表示されていてもよいし、適宜なタイミング(例えば、各採点区間の終わり頃や、間奏中)にのみ表示されることとしてもよい。
【0070】
<事前アラート機能>
カラオケ楽曲の演奏を開始する前に、当該楽曲について利用者が過去に取ったことのある評価点数と、設定した目標点数とを比較して、その曲をどのように歌ったら評価点数を目標点数に近づけることができるかに関する指針を表示することとしてもよい。例えば、ある楽曲についての過去の評価点数が「75点」で、設定した目標点数が「62点」の場合、楽曲の演奏開始前に、「目標点数に近づけるためには、ちょっと下手に歌ってね」等の指標を表示してもよい。
【0071】
<目標点数標的ゲームの第2実施形態について>
目標点数標的ゲームの第2実施形態では、ゲーム指示入力を受け付けてから、利用者IDの入力の有無を確認して受け付けることとしたが、処理の順序はこれに限られない。例えば、ゲーム指示入力を受け付ける前に、利用者IDの入力を利用者に促して利用者IDを受け付けるようにしてもよい。
【0072】
また、目標点数標的ゲームの第2実施形態では、ある利用者についてのデータをサーバの利用者別歌唱履歴簿からカラオケ装置に抽出・取得した後で、その中から、評価点数が目標点数以上のものの楽曲IDを抽出することとしたが、処理の手順はこれに限られない。例えば、上記第2実施形態のように2段階処理をするのではなく、利用者別歌唱履歴簿に記録されたある利用者のデータのうち、設定した目標点数以上のものだけをサーバの利用者別歌唱履歴簿からカラオケ装置にダウンロードすることとしてもよい。
【0073】
<目標点数標的ゲームの第3実施形態について>
目標点数標的ゲームの第3実施形態では、まず、利用者に楽曲IDの入力をさせ、次いで、ゲーム指示の入力をさせて、それから利用者IDの入力の有無を確認して受け付けることとしたが、処理の順序はこれに限られない。例えば、楽曲ID入力やゲーム指示入力を受け付ける前に、利用者IDの入力を利用者に促して利用者IDを受け付けるようにしてもよい。また、第1・第2実施形態のように、先にゲーム指示の入力をさせてから、楽曲IDを入力させてもよい。
【0074】
また、目標点数標的ゲームの第3実施形態では、ある利用者についてのデータをサーバの利用者別歌唱履歴簿からカラオケ装置に抽出・取得した後で、その中から、指定された楽曲IDを含むレコードを抽出して、抽出したレコードに含まれている最も高い評価点数を決定することとしたが、処理の手順はこれに限られない。例えば、上記第3実施形態のように3段階処理をするのではなく、利用者別歌唱履歴簿に記録されたある利用者のデータのうち、指定された楽曲IDについての最高評価点数だけをサーバの利用者別歌唱履歴簿からカラオケ装置にダウンロードすることとしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】図1は、本実施形態に係るカラオケ装置100の設置環境の一例を示す図である。
【図2】図2は、本実施形態に係るカラオケ装置100の構成の一例を示すブロック図である。
【図3】図3は、電子目次本30の概略構成図である。
【図4】図4は、利用者別歌唱履歴簿の一例を示す概念図である。
【図5】図5は、目標点数標的ゲームの第1実施形態を示すフローチャートである。
【図6】図6は、目標点数標的ゲームの内容を説明する説明画面の一例を示す概念図である。
【図7】図7は、楽曲演奏待ち行列の一例を示す概念図である。
【図8】図8は、目標点数の表示例を示す概念図である。
【図9】図9は、評価点数の記録の仕方の一例を示す概念図である。
【図10】図10は、現在の評価点数と目標点数との関係を表す情報の一例を示す概念図である。
【図11】図11は、判断結果の表示例を示す概念図である。
【図12】図12は、目標点数標的ゲームの第2実施形態を示すフローチャートである。
【図13】図13は、利用者別歌唱履歴簿から抽出・取得したデータの一例を示す概念図である。
【図14】図14は、目標点数と推奨楽曲の表示例を示す概念図である。
【図15】図15は、目標点数標的ゲームの第3実施形態を示すフローチャートである。
【図16】図16は、歌いたい希望楽曲を一つ選択した画面の一例を示す概念図である。
【図17】図17は、目標点数の表示例を示す概念図である。
【符号の説明】
【0076】
100 カラオケ装置
300 サーバ
310 利用者別歌唱履歴簿

【特許請求の範囲】
【請求項1】
演奏手段と、制御手段と、入力手段とを備えたカラオケ装置であって、
演奏手段は、制御手段の制御に従い楽曲を演奏し、
制御手段は、入力手段によりゲーム指示入力があった場合、第1〜第4処理を行い、
第1処理では、目標点数をランダムに設定し、カラオケ装置に接続される表示手段に目標点数を表示させて、入力手段を通じて楽曲のリクエスト入力を受け付け、
第2処理では、第1処理で受け付けた楽曲を演奏手段に演奏させ、
第3処理では、演奏中にマイクロホンからの音声信号に基づいて歌唱の巧拙を評価した評価点数を逐次出力して、評価点数と目標点数との関係を表す情報を表示手段に表示させ、
第4処理では、演奏終了時に目標点数と最終の評価点数の差分を求め、差分が規定範囲に収まっているか否かを判断し、その結果を出力する
カラオケ装置。
【請求項2】
制御手段は、入力手段を通じて利用者の利用者IDを受け付けるとともに、第1処理において、
各利用者が過去に歌唱したことのある楽曲の楽曲IDと当該楽曲を歌唱したときの評価点数とが組になって利用者IDごとに記録されている利用者別歌唱履歴簿から、入力された利用者IDに基づいて、当該利用者について記録された楽曲IDと評価点数の組を抽出して取得し、
取得した組の中で、評価点数が目標点数以上である組の楽曲IDを抽出し、
抽出した楽曲IDに対応する楽曲を、推奨楽曲として、表示手段に表示させて、楽曲のリクエスト入力を受け付ける
ことを特徴とする、請求項1に記載のカラオケ装置。
【請求項3】
演奏手段と、制御手段と、入力手段とを備えたカラオケ装置であって、
演奏手段は、制御手段の制御に従い楽曲を演奏し、
制御手段は、入力手段を通じて楽曲ID及び利用者IDの入力並びにゲーム指示入力があった場合、第1〜第4処理を行い、
第1処理では、
各利用者が過去に歌唱したことのある楽曲の楽曲IDと当該楽曲を歌唱したときの評価点数とが組になって利用者IDごとに記録されている利用者別歌唱履歴簿から、入力された利用者IDに基づいて、当該利用者について記録された楽曲IDと評価点数の組を抽出して取得し、
取得した組の中から、入力された楽曲IDを含む組を抽出し、
抽出した組に含まれている最も高い評価点数を上限として、目標点数をランダムに設定して、カラオケ装置に接続される表示手段に目標点数を表示させ、
第2処理では、入力された楽曲IDに対応する楽曲を演奏手段に演奏させ、
第3処理では、演奏中にマイクロホンからの歌声信号に基づいて歌唱の巧拙を評価した評価点数を逐次出力して、評価点数と目標点数との関係を表す情報を表示手段に表示させ、
第4処理では、演奏終了時に目標点数と最終の評価点数の差分を求め、差分が規定範囲に収まっているか否かを判断し、その結果を出力する
カラオケ装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2007−25267(P2007−25267A)
【公開日】平成19年2月1日(2007.2.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−207348(P2005−207348)
【出願日】平成17年7月15日(2005.7.15)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(390004710)株式会社第一興商 (537)
【Fターム(参考)】