目標物管理装置および目標物管理方法
【課題】監視対象範囲を分割した複数の分割範囲ごとに目標物の数量の管理をする。
【解決手段】監視対象範囲を複数の分割範囲に分割した分割範囲ごとに、センサそれぞれの目標物を探知する確率を示す情報またはセンサそれぞれの監視範囲の地形を示す情報を用いて、分割範囲において目標物を探知することができる確率を示す探知率を求め、分割範囲ごとにセンサそれぞれが偽目標物を探知してしまう確率を示す偽探知率を求め、対象の分割範囲に所在する目標物の前回更新した数量に対する最新の数量の増加した数量あるいは減少した数量を求め、増加した場合、増加処理をし、減少した場合に、減算処理をして、対象の分割範囲の目標物の数量を更新することを目標物管理装置である。
【解決手段】監視対象範囲を複数の分割範囲に分割した分割範囲ごとに、センサそれぞれの目標物を探知する確率を示す情報またはセンサそれぞれの監視範囲の地形を示す情報を用いて、分割範囲において目標物を探知することができる確率を示す探知率を求め、分割範囲ごとにセンサそれぞれが偽目標物を探知してしまう確率を示す偽探知率を求め、対象の分割範囲に所在する目標物の前回更新した数量に対する最新の数量の増加した数量あるいは減少した数量を求め、増加した場合、増加処理をし、減少した場合に、減算処理をして、対象の分割範囲の目標物の数量を更新することを目標物管理装置である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各種センサが探知した目標物の情報を管理する目標物管理装置および目標物管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、センサ(ドップラレーダ装置など)で目標物を探知して、探知した目標物ごとの情報を取得して、目標物を管理する装置が知られている。例えば、目標物の情報の管理は、前回探知した目標物の位置、速度、移動方向、種別の情報と、今回探知した目標物の位置、速度、移動方向、種別の情報との類似性を判定して、前回探知した目標物と今回探知した目標物との関連付けをして管理をしている。
【0003】
また、複数のセンサを用いて監視対象の領域内の目標物を管理する場合、各センサが探知した目標物それぞれの位置、速度、種別の類似性を比較して、比較した結果を用いて目標物に対応する情報を管理している。
【0004】
ところが、目標物を複数のセンサからの情報を用いて管理する場合、探知条件により目標物の数量を多くカウントすること、逆に少なくカウントしてしまうこと、古い目標物の情報が残存することがある。すなわち、目標物の追尾ができなくなる失追や目標物を見失う失探、偽目標物の検出、センサの特性、複数センサにより探知した目標物の同一正判定の精度などの影響により、誤った目標物の数量の管理をしてしまう。例えば、異なるセンサが同一の目標物を探知しているにも係わらず、同一の目標物を異なる目標物としてカウントしてしまうダブルカウントなどにより誤った目標物の数量の管理をしてしまう。
【0005】
なお、偽目標物とは、例えばドップラレーダにて、林の揺らぎ、川の流れ、エアコンの室外機のファンなどを誤って目標物と探知してしまうことや、偵察機等にて空から撮影した画像に写しだされる目標物との判別が困難な瓦礫や岩等である。センサの特性とは、例えばドップラレーダ装置の分解能などである。
【0006】
また、公知の技術では、例えば浮遊または漂流または走行している対象物の当該海域の海象条件を入力して、入力された海象条件及び対象物の大きさに応じた探知率変化を、予め記憶装置に記憶されたデータベースから読み出す。次に、その技術では読み出された探知率変化から対象物の認識確率を算出して、算出された捜索モードを出力装置に出力して、海上に浮遊または漂流または走行している対象物を捜索している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2007−003455号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は上記のような実情に鑑みてなされたものであり、監視対象範囲を複数の分割範囲に分割した分割範囲ごとに目標物の増減数量を変更し、各種センサによる目標物探知のあいまいさを吸収して、目標物の数量の誤りを減少させる目標物情報管理装置および目標物情報管理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
実施の態様のひとつである監視対象範囲を監視する1つ以上のセンサにより探知される探知情報を用いて目標物を管理する目標物管理装置は、探知率算出部、目標数算出部を備えている。
【0010】
探知率算出部は、前記監視対象範囲を複数の分割範囲に分割した分割範囲ごとに、前記センサごとに計測により目標物を探知することができる確率を示す探知率を求める。
目標数算出部は、対象の分割範囲に所在する目標物の前回更新した数量に対する最新の数量の増加した数量あるいは減少した数量を求める。増加した場合、前記探知率を用いて前記増加した数量を変更して、変更した数量と前回更新した目標物の数量を用いて、前記対象の分割範囲に所在する目標物の数量を求める増加処理をする。減少した場合に、前記探知率を用いて減少した数量を変更して、変更した数量と前回更新した目標物の数量を用いて、前記対象の分割範囲に所在する目標物の数量を求める減算処理をする。そして、前記対象の分割範囲の目標物の数量を更新する。
【0011】
また、実施の態様のひとつである監視対象範囲を監視する1つ以上のセンサにより探知される探知情報を用いて目標物を管理する目標物管理装置は、探知率算出部、偽探知率算出部、目標数算出部を備えている。
【0012】
探知率算出部は、前記監視対象範囲を複数の分割範囲に分割した分割範囲ごとに、前記センサごとに計測により目標物を探知することができる確率を示す探知率を求める。
偽探知率算出部は、前記分割範囲ごとに前記センサそれぞれが偽目標物を探知してしまう確率を示す偽探知率を求める。
【0013】
目標数算出部は、対象の分割範囲に所在する目標物の前回更新した数量に対する最新の数量の増加した数量あるいは減少した数量を求める。増加した場合、前記探知率および前記偽探知率を用いて前記増加した数量を変更して、変更した数量と前回更新した目標物の数量を用いて、前記対象の分割範囲に所在する目標物の数量を求める増加処理をする。減少した場合に、前記探知率および前記偽探知率を用いて減少した数量を変更して、変更した数量と前回更新した目標物の数量を用いて、前記対象の分割範囲に所在する目標物の数量を求める減算処理をする。そして、前記対象の分割範囲の目標物の数量を更新する。
【0014】
また、実施の態様のひとつである監視対象範囲を監視する1つ以上のセンサにより探知される探知情報を用いて目標物を管理する目標物管理装置は、探知率算出部、目標数算出部を備えている。
【0015】
探知率算出部は、前記監視対象範囲を複数の分割範囲に分割した分割範囲ごとに、前記センサそれぞれの予め記録されている目標物を探知する確率を示す情報を取得する。また、前記分割範囲の標高を示す情報を基に前記センサから見通せるメッシュを検出する。そして、前記分割範囲において目標物を探知することができる確率を示す探知率を求める。
【0016】
目標数算出部は、対象の分割範囲に所在する目標物の前回更新した数量に対する最新の数量の増加した数量あるいは減少した数量を求める。増加した場合、前記探知率を用いて前記増加した数量を変更して、変更した数量と前回更新した目標物の数量を用いて、前記対象の分割範囲に所在する目標物の数量を求める増加処理をする。減少した場合に、前記探知率を用いて減少した数量を変更して、変更した数量と前回更新した目標物の数量を用いて、前記対象の分割範囲に所在する目標物の数量を求める減算処理をする。そして、前記対象の分割範囲の目標物の数量を更新する。
【0017】
また、実施の態様のひとつである監視対象範囲を監視する1つ以上のセンサにより探知される探知情報を用いて目標物を管理する目標物管理装置は、探知率算出部、偽探知率算出部、目標数算出部を備えている。
【0018】
探知率算出部は、前記監視対象範囲を複数の分割範囲に分割した分割範囲ごとに、前記センサそれぞれの予め記録されている目標物を探知する確率を示す情報を取得する。また、前記分割範囲の標高を示す情報を基に前記センサから見通せるメッシュを検出する。そして前記分割範囲において目標物を探知することができる確率を示す探知率を求める。
【0019】
偽探知率算出部は、前記分割範囲ごとに前記センサそれぞれが偽目標物を探知してしまう確率を示す偽探知率を求める。
目標数算出部は、対象の分割範囲に所在する目標物の前回更新した数量に対する最新の数量の増加した数量あるいは減少した数量を求める。増加した場合、前記探知率および前記偽探知率を用いて前記増加した数量を変更して、変更した数量と前回更新した目標物の数量を用いて、前記対象の分割範囲に所在する目標物の数量を求める増加処理をする。減少した場合に、前記探知率および前記偽探知率を用いて減少した数量を変更して、変更した数量と前回更新した目標物の数量を用いて、前記対象の分割範囲に所在する目標物の数量を求める減算処理をする。そして、前記対象の分割範囲の目標物の数量を更新する。
【発明の効果】
【0020】
実施の態様は、監視対象範囲を複数の分割範囲に分割した分割範囲ごとに目標物の増減数量を変更することで、各種センサによる目標物探知のあいまいさを吸収して目標物の数量の誤りを減少させることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】目標物管理装置の一実施例を示す図である。
【図2】センサが監視する対象の範囲におけるメッシュ、地形、センサの監視範囲の一実施例を示す図である。
【図3】処理部の一実施例を示す図である。
【図4】分割範囲情報データベースのデータ構造の一実施例を示す図である。
【図5】探知距離と探知率の関係を示すグラフの一実施例である。
【図6】見通し解析の一実施例を示す図である。
【図7】Aは探知率データベースのデータ構造の一実施例を示す図であり、Bは偽探知率データベースのデータ構造の一実施例を示す図である。
【図8】探知情報のデータ構造の一実施例を示す図である。
【図9】目標物数量データベースのデータ構造を示す一実施例を示す図である。
【図10】探知率を用いた目標物の数量の管理処理の一実施例を示すフロー図である。
【図11】偽探知率を用いた目標物の数量の管理処理の一実施例を示すフロー図である。
【図12】探知率と偽探知率を用いた目標物の数量の管理処理の一実施例を示すフロー図である。
【図13】探知率と偽探知率を用いた目標物の数量の管理処理の一実施例を示すフロー図である。
【図14】実施態様2における目標物の数量の管理処理の一実施例を示すフロー図である。
【図15】実施態様3の移動ベクトルの算出の一実施例を示すフロー図である。
【図16】グループデータベースのデータ構造の一実施例を示す図である。
【図17】グループデータベースのデータ構造の一実施例を示す図である。
【図18】センサが監視する対象の範囲におけるメッシュ、地形、センサの監視範囲の一実施例を示す図である。
【図19】センサが監視する対象の範囲におけるメッシュ、地形、センサの監視範囲の一実施例を示す図である。
【図20】センサが監視する対象の範囲におけるメッシュ、地形、センサの監視範囲の一実施例を示す図である。
【図21】重心の位置の算出方法を説明するための一実施例を示す図である。
【図22】グループの判定方法を説明するための一実施例を示す図である。
【図23】実施形態1、2、3で説明した装置を実現できるコンピュータのハードウェア構成の一実施例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下図面に基づいて、本発明の実施形態について詳細を説明する。
(実施態様1)
実施形態1における目標物管理装置は、センサ各々に探知した情報に基づいて目標物を管理する装置である。また、目標物管理装置は、目標物を追尾する機能を備えていてもよい。ここで、センサは、目標物を探知するためのレーダ装置、暗視装置、測距装置、撮影装置(例えば、カメラ、ビデオカメラなどを含む)などである。レーダ装置は自らの送信部から電波を照射し、目標物から反射されて戻ってくる電波を受信機で受信することにより、目標物の距離、方向、移動速度、種別などの情報を得る装置である。例えば、センサとしてドップラレーダ(Doppler radar)装置などを用いることが好ましい。また、陸上において、目標物は人、一般車両、特殊車両、軍用車両など、海上においては人、旅客船(客船)、貨客船(貨客混載船)、貨物船、軍艦、巡視船、漁船、特殊船などを対象とし、さらに航空機(重航空機、軽航空機)などを対象としてもよい。
【0023】
また、地上の目標物を監視するセンサは、地上に設置したドップラレーダ装置の他に、飛行機(無人飛行機などを含む)やヘリコプタによる空中から撮影した動画像や静止画像により目標物を探知してもよい。なお、動画像や静止画像は、暗視装置、撮影装置などで撮影した情報であり、目標物管理装置または、暗視装置、撮影装置自身が、後述する地図データと撮影した情報を対応付けて記録する。また、撮影した情報を解析して、目標物を検知して記録する。
【0024】
図1は、目標物管理装置の一実施例を示すブロック図である。
目標物管理装置1は、センサ部2、受信部3、送信部4、処理部5、記録部6、表示部7を備えている。目標物管理装置1は、例えば、図2に示されるセンサ203〜208から監視範囲を探知した情報を取得して目標物を管理する。図2は、センサが監視する対象の範囲におけるメッシュ、地形、センサの監視範囲の一実施例を示す図である。
【0025】
センサ部2は、目標物管理装置1に設けられたセンサである。すなわち、目標物管理装置1の本体にセンサ機能を設けることもできる。ただし、センサ部2を目標物管理装置1にかならずしも設けなくてもよい。
【0026】
受信部3は、各センサからセンサ情報、各センサが探知した結果を有する探知情報を受信し、受信した探知情報を処理部5に転送する。センサ情報は、例えば、センサの識別子、位置、向きなどのデータを有している。探知情報は、目標物を識別する識別子、目標物を探知した日時、目標物の位置、種別などのデータを有している。
【0027】
送信部4は、例えば無線送信部または有線送信部を備え、専用回線、公衆回線、無線Local Area Network(LAN)などを用いて、基地局、端末、Personal Computer(PC)などと通信ができる。また、送信部4は、処理部5の演算結果などを外部装置へ送信する。
【0028】
処理部5は、図3に示すように探知率算出部31、偽探知率算出部32、目標数算出部33、移動ベクトル算出部34を備えている。なお、処理部5は、Central Processing Unit(CPU)やプログラマブルなデバイス(Field Programmable Gate Array(FPGA)、Programmable Logic Device(PLD)など)を用いてもよい。なお、探知率算出部31、偽探知率算出部32、目標数算出部33、移動ベクトル算出部34については後述する。
【0029】
記録部6は、プログラム、テーブル、データなどが記録されている。また、記録部6は、例えばRead Only Member(ROM)、Random Access Memory(RAM)、ハードディスクなどのメモリである。また、記録部6は、パラメータ値、変数値などのデータを記録してもよいし、ワークエリアとして用いることもできる。本例では、記録部6に、表示部7にレーダ装置の探知した結果(目標物)を表示するための地図情報データベースなどを記録している。また、記録部6には、センサごとの特性を示す特性情報データベース、分割範囲情報データベースなどを記録する。
【0030】
地図情報データベースは、地図データ、地形(山、川、建物など)、標高などの地形を示す情報を有している。特性情報データベースは、センサの識別子、探知距離、探知方向などの情報、(センサの監視範囲または覆域)の情報を有している。また、特性情報データベースは、センサごとの目標物を探知する確率を示す情報が記録されている。分割範囲情報データベースは、センサにより監視する対象範囲(以降、監視対象範囲と呼ぶ)を分割した範囲を示す分割範囲(以降、メッシュと呼ぶ)の位置、間隔などの情報を有している。
【0031】
図2を用いて地図情報データベース、特性情報データベース、分割範囲情報データベースについて説明する。メッシュは、図2の例では目標物管理装置1の監視対象範囲200を複数の範囲に分割したメッシュ201として示されている。本例では、メッシュ201は正方形状の範囲であり、メッシュ201の間隔は、監視対象の目標物によって精度(分解能)は異なるが、10m〜1000m程度を想定する。ただし、メッシュ形状、メッシュ間隔は上記に限定されるものではない。なお、図2ではメッシュが正方形状であるので、例えば、正方形の1つの頂点にメッシュ位置(座標)を関連付けることが考えられる。なお、各メッシュの頂点と地図情報の位置(例えば、緯度、経度)を関連付けてもよい。
【0032】
図4は、分割範囲情報データベースのデータ構造の一実施例を示す図である。
分割範囲情報データベースは、「メッシュID」「メッシュ位置」「メッシュ標高」「メッシュ範囲」などのデータを有している。「メッシュID」は、メッシュを識別する情報が記録される。本例では「メッシュID」に「MID1」「MID2」「MID3」・・・「MID179」「MID180」「MID181」・・・「MID307」「MID308」が記録されている。「メッシュ位置」には、メッシュの位置を示す情報が記録される。本例では「位置」にメッシュの座標が記録されている「(0,0)」「(1,0)」「(2,0)」・・・「(2,8)」「(3,8)」「(4,8)」・・・「(20,13)」「(21,13)」が記録されている。なお、「位置」には、緯度、経度を記録してもよい。
【0033】
「メッシュ標高」には、メッシュに関連付けられた標高に関するデータが記録されている。メッシュ標高は、メッシュに対応する範囲の地図データから取得した標高データ(図2の山209、210の標高の情報など)を用いて、メッシュごとの標高を求める。本例では、「レベル0」「レベル1」「レベル0」・・・「レベル1」「レベル2」「レベル1」・・・「レベル1」「レベル1」には求めた標高が記録されている。
【0034】
なお、本例ではメッシュに覆域が接していれば、該メッシュはセンサの監視の対象としている。実際には、配置したセンサにてクラッタ情報が得られている場合は、センサが監視しているメッシュとする。
【0035】
「メッシュ範囲」にはメッシュ間隔が記録され、本例では「10m」が記録されている。
特性情報データベースの有する各センサを識別する識別子は、図2の例ではセンサ203、204、205、206、207、208にそれぞれ関連付けられている。センサの位置は、各センサの識別子に関連付けられて記録されている。なお、センサの位置は、地図データの座標(緯度、経度)または、センサ位置が含まれるメッシュに関連付ける。図2では、センサ203、204、205、206、207、208の設置位置と、覆域211、212、213、214、215、216が対応付けられ監視対象範囲200に示されている。なお、メッシュは地図データに予め記録されている間隔、または地形などに合わせてメッシュを区切ってもよい。
【0036】
また、記録部6には、処理部5により演算される結果が記録される。例えば、メッシュごとの探知率、偽探知率、目標物の数量と、目標物の移動方向を示す移動ベクトルなどが記録部6に記録されている。
【0037】
表示部7は、出力装置であり、例えば、ディスプレイ、プリンタなどである。表示部7は、処理部5の演算結果を表示する。
処理部5について図3を用いて説明する。
【0038】
図3の探知率算出部31は、メッシュごとに使用する(配置した)センサごとに探知率を算出して、記録部6の後述する探知率データベースに記録する(図7のAを参照)。
実測値を反映させる探知率の算出方法について説明する。
【0039】
各センサは、監視対象範囲に対して送信電波を照射して、例えば地面などからの反射波の強度を測定する。次に、メッシュごとにセンサ各々が測定した反射波の強度を対応付け、メッシュごとにセンサ各々が探知率を算出する。例えば、探知率は式1で表すことができる。
探知率=(計測した反射波の強度/理想受信強度)×100% (式1)
【0040】
なお、理想受信強度はセンサから送信される電波の電波強度としてもよいし、予めセンサの性能に基づいて決められている距離における受信強度としてもよい。なお、計測した反射強度が高いメッシュは探知率を高くし、計測した反射強度が低いメッシュは探知率を低く設定する。
【0041】
センサ特性を用いて探知率を算出する方法について説明する。
探知率算出部31は、探知率を分割範囲情報データベースと特性情報データベースを用いて求めてもよい。例えば、特性情報データベースからセンサの探知距離を取得し、センサごとの探知距離と探知率が記録されたデータを用いて探知率を求める。例えば、図5のA、B、Cに示した探知距離と探知率の関係を示すグラフを、データベースにして記録部6に記録する。図5のAは、大型車両(例えば、トラック、戦車など)に対する探知距離と探知率の関係を示すグラフである。図5のBは、中型車両(例えば、一般車両)、大型動物などに対する探知距離と探知率の関係を示すグラフである。図5のCは、小型車両人、動物などに対する探知距離と探知率の関係を示すグラフである。図5のA、B、Cに示すグラフは、縦軸に探知率(%)を示し、横軸に距離(km)が示されている。
【0042】
次に、探知率算出部31は、分割範囲情報データベースのメッシュ標高のデータを参照し、センサ設置位置からの覆域内のメッシュに対して見通し解析を実施する。見通し解析とは、対象の範囲に電波が到達可能か否かを判定する解析方法である。図6に見通し解析の一実施例を示す。例えば、図6においてH1のメッシュはH2で示される2のメッシュよりも標高が高く、3つのメッシュで表されているH3は、H1、H2のメッシュよりも標高が高い。また、H4の、メッシュはH1、H2、H3のメッシュよりも標高が低い。図6のような場合に、H1にセンサが設置されていると、H1の位置からH2、H3のメッシュは見通せるが、H4のメッシュは見通すことができない。すなわち、H4のメッシュには電波が到達できないため見通せないことになる。このような状況のメッシュを見通し外メッシュとして、センサまたはセンサが設置されているメッシュに関連付ける。また、見通せるメッシュはH2、H3などについては、見通し内メッシュとして、センサまたはセンサが設置されているメッシュに関連付ける。
【0043】
次に、見通し外メッシュの探知率は0%とし、見通し内メッシュの探知率は上記で求めた探知率を分割範囲情報データベースの対象のメッシュに関連付けて記録する。
なお、一般にレーダ装置などはセンサからの距離に応じて探知性能が低下する。また、探知率はセンサからの距離、地形などから決定される目標物を探知できる確率とする。つまり、探知率は目標物を正確に探知できる確率とする。ただし、探知率の求め方は上記方法に限定されるものではない。
【0044】
偽探知率算出部32は、目標物の進入前に覆域に対して電波を照射して、例えば地面などからの反射強度のうち、電波に対する周波数変化を測定したデータを取得する。そして、メッシュごとの反射波の強度と周波数の変化に応じて偽探知率を算出して、記録部6の後述する偽探知率データベースに記録する(図7のBを参照)。
偽探知率=(偽目標物を探知した回数/スキャン回数)×100% (式2)
【0045】
偽目標物を探知した回数とは反射波に、ドップラ効果がある(送信波に対して周波数に違いのある反射波の強度が一定値以上ある)場合をカウントした回数をいう。
【0046】
スキャン回数は、センサが目標物の進入前に覆域に対して何回計測をしたかを示している。偽目標物を探知した回数は、センサが計測した回数のうち何回偽目標物を計測したかを示している。なお、偽目標物であるか否かの判定は、例えば、センサが目標物の進入前に覆域に対して何回か計測をして、ドップラ効果が有るが移動しないような目標物を特定して偽目標物とする。なお、偽探知率は林の揺らぎや川の流れなどを誤って目標物として検出してしまう確率とする。つまり、偽探知率は偽目標物を誤って探知する確率とする。なお、偽探知率の求め方は上記方法に限定されるものではない。
【0047】
また、偽探知率算出部32は、探知率算出部31と同様に見通し解析の実施結果を、偽探知率データベースに反映させてもよい。
図7のA、Bは、探知率データベースと偽探知率データベースのデータ構造を示す一実施例を示す図である。図7のAの探知率データベースは、「メッシュID」「センサID」「探知率」を有する。本例では「メッシュID」に図2の・・・「MID178」「MID179」「MID180」・・・が記録されている。「センサID」には、センサの識別子が記録されている。本例は図2に対応しているので、「203」「204」「205」・・・が記録されている。「探知率」には、メッシュごとにセンサ各々に対応する探知率が記録されている。本例では、センサ203の場合「80」「70」「20」・・・が記録されている。センサの監視範囲でないメッシュと見通し外メッシュは、探知率0%を示す「0」が記録されている。なお、探知率は例えば0%〜100%の範囲の値が記録されている。
【0048】
図7のBの偽探知率データベースは、「メッシュID」「センサID」「偽探知率」を有する。本例では「メッシュID」に図2の・・・「MID178」「MID179」「MID180」・・・が記録されている。「センサID」には、センサの識別子が記録されている。本例は図2に対応しているので、「203」「204」「205」・・・が記録されている。「偽探知率」には、メッシュごとにセンサ各々に対応する探知率が記録されている。本例では、センサ204の場合「10」「20」「0」・・・が記録されている。なお、偽探知率は、例えば0%〜100%の範囲の値が記録されている。
【0049】
目標数算出部33は、探知情報、探知率、偽探知率を用いてメッシュごとの目標物の数量を算出する。メッシュごとの目標物の数量の算出は、目標数算出部33が各センサから取得した最新の探知情報(図8参照)の「探知位置」の位置データを参照して、目標物とメッシュを対応付ける。次に、目標数算出部33は、対象のメッシュに対応付けられた目標物の数量を求める。このとき、探知情報の「種別」を参照して、種別ごとに数量を求めてもよい。次に、最新の探知情報に基づいて求めた目標物の数量を、記録部6に記録されている目標物数量データベース(図9参照)に記録する。
【0050】
図8は、探知情報のデータ構造の一実施例を示す図である。探知情報は、「センサID」「目標物ID」「探知日時」「探知位置」「種別」などの情報を有している。図8の探知情報はセンサ203の探知情報を示している。「センサID」にはセンサを識別するための識別子が記録される。本例ではセンサ203の識別子「203」が記録されている。「目標物ID」には、目標物を識別するための識別子が記録される。本例では、「ID1」「ID2」「ID3」「ID4」・・・・が記録されている。「探知日時」には目標物を探知した時間が記録されている。本例では、「2009/12/10/9:00」が記録されている。「探知位置」には探知した目標物の位置が記録されている。本例では、「位置1」「位置2」「位置3」「位置4」・・・・が記録されている。「位置1」〜「位置4」には、緯度、経度やUTM座標(ユニバーサル横メルカトル図法)を記録することが好ましい。「種別」には、探知した目標物の種別が記録されている。本例では、「人」「人」「人」「車両」・・・・が記録されている。
【0051】
図9は、目標物数量データベースのデータ構造を示す一実施例を示す図である。目標物数量データベースは、「メッシュID」「探知日時」「目標物の数量」などの情報を有しており、センサ各々から取得した最新の探知情報を用いて算出した結果を反映する。本例において「メッシュID」には・・・「MIDn」「MIDn+1」・・・が記録されている。「探知日時」には・・・「2009/12/10/10:01」「2009/12/10/10:00」・・・「2009/12/10/10:01」「2009/12/10/10:00」・・・が記録されている。本例において「←最新」は最新の情報を示しており、「←前回」には前回に更新した最新の情報が示されている。また、本例では1分おきに計測をしているが計測間隔は限定されるものではない。
「目標物の数量」には、メッシュごとに存在する目標物の数量を示している。本例では、「人」「車両」「合計」に分けて数量を管理している。「人」には対象のメッシュにおける人と判定した目標物の数量が記録されている。また、「車両」には対象のメッシュにおける車両と判定した目標物の数量が記録されている。「車両」にはメッシュごとの「人」と「車両」の合計の数量が記録されている。本例では、「人」に・・・「10」「10」・・・「9」「10」・・・、「車両」に・・・「1」「1」・・・「1」「1」・・・、「合計」に・・・「11」「11」・・・「10」「11」・・・が記録されている。
【0052】
目標物の数量の算出方法について説明する。
目標物管理装置1の目標数算出部33は、目標物数量データベースの「探知日時」を参照して、前回更新された対象のメッシュに所在している目標物の数量(図9の目標物数量データベースの「最新」に記録されている数量)と、センサが探知した対象のメッシュに所在している最新の目標物の数量を比較する。比較した結果、前回より最新の目標物の数量が多いとき(増加した場合)、式3に示すように演算をする。
メッシュ内の目標物の数量= 前回目標物の数量 (式3)
+増加した数量
+増加した数量×(1−(探知率/100))
【0053】
すなわち、実際にそのメッシュ内に所在していても、探知率が低いために探知できなかったと推測される目標物の数量(増加した数量×(1−(探知率/100)))を加味して、メッシュ内の目標物の数量を求める。
【0054】
また、前回更新された対象のメッシュに所在した目標物の数量から、センサが探知した対象のメッシュに所在している最新の目標物の数量が減少した場合、式4に示すように演算をする。
メッシュ内の目標物の数量= 前回目標物の数量 (式4)
−減少した数量
+減少した数量×(1−(探知率/100))
【0055】
すなわち、実際にそのメッシュ内に所在していても、探知率が低いために探知できなかったと推測される目標物の数量(減少した数量×(1−探知率/100))を加味し、メッシュ内の目標物の数量を求める。
【0056】
図10は、探知率を用いた目標物の数量の管理処理の一実施例を示すフロー図である。
ステップS101では、目標数算出部33が目標物管理装置1の受信部3からセンサによって探知した探知情報を取得する。図2の場合であれば、目標物管理装置1の目標数算出部33は、受信部3を介してセンサ203〜208が探知した最新の探知情報を取得する。
【0057】
ステップS102では、目標数算出部33が探知情報を参照して、探知した目標物をメッシュごとに関連付ける。
ステップS103で目標数算出部33は、前回更新した数量と探知した対象のメッシュに所在している最新の目標物の数量を比較する。比較の結果、前回より目標物の数量が減少したかを判定する。判定の結果、目標物の数量が増加または同数のときはステップS104(No)に移行し、目標物の数量が減少したときはステップS105(Yes)に移行する。
【0058】
ステップS104では、目標数算出部33が式3に従いメッシュ内の目標物の数量を求める。探知率は、探知率データベースから対象のメッシュに関連付けられた「探知率」のデータを取得する。
【0059】
ステップS105では、目標数算出部33が式4に従いメッシュ内の目標物の数量を求める。探知率の取得はステップS104と同様。
ステップS106では、目標数算出部33が目標物の数量を更新する。例えば、目標物数量データベースの「メッシュID」に関連する「目標物の数量」のデータを更新する。図9の場合であれば、矢印で示した前回更新した(←最新)のデータを更新する。更新前に(←最新)に記憶されていた内容は(←前回)に上書き更新する。なお、目標物数量データベースに履歴を記録してもよい。
【0060】
なお、ステップS102にて探知した目標物が関連付けられたメッシュと、そのセンサによる探知率が一定値以上のメッシュに対して、ステップS103〜S106の処理を行う。また、ステップS106まで終了した後、センサ203〜208のうちのいずれから新しい探知情報を受信した場合は、ステップS101に移行する。
【0061】
偽探知率を使用した目標物の数量の管理を示す。
目標数算出部33は、目標物数量データベースの「探知日時」を参照して、前回更新された対象のメッシュに所在している目標物の数量(図9の目標物数量データベースの「最新」に記録されている数量)と、センサが探知した対象のメッシュに所在している最新の目標物の数量を比較する。比較した結果、前回より最新の目標物の数量が多いとき(増加した場合)、式5に示すように演算をする。
メッシュ内の目標物の数量= 前回目標物の数量 (式5)
+増加した数量
−増加した数量×(偽探知率/100)
【0062】
すなわち、増加した数量から、偽目標物と推測される数量(増加した数量×(偽探知率/100))を減算することにより、偽目標物について加味したメッシュ内の目標物の数量を求めることができる。
【0063】
また、前回更新された対象のメッシュに所在した目標物の数量から、センサが探知した対象のメッシュに所在している最新の目標物の数量が減少した場合、式6に示すように演算をする。
メッシュ内の目標物の数量= 前回目標物の数量 (式6)
−減少した数量
+減少した数量×(偽探知率/100)
【0064】
すなわち、減少した数量から、偽目標物と推測される数量(減少した数量×(偽探知率/100))を減算することにより、偽目標物について加味したメッシュ内の目標物の数量を求めることができる。
【0065】
図11は、偽探知率を用いた目標物の数量の管理処理の一実施例を示すフロー図である。
ステップS111、S112では、ステップS101、S102と同様の処理を行う。
【0066】
ステップS113で目標数算出部33は、前回更新した数量と探知した対象のメッシュに所在している最新の目標物の数量を比較する。比較の結果、前回より目標物の数量が減少したかを判定する。判定の結果、目標物の数量が増加または同数のときはステップS114(No)に移行し、目標物の数量が減少したときはステップS115(Yes)に移行する。
【0067】
ステップS114では、目標数算出部33が式5に従いメッシュ内の目標物の数量を求める。偽探知率は、偽探知率データベースから対象のメッシュに関連付けられた「偽探知率」のデータを取得する。
【0068】
ステップS115では、目標数算出部33が式6に従いメッシュ内の目標物の数量を求める。偽探知率の取得はステップS114と同様。
ステップS116では、目標数算出部33が目標物の数量を更新する。例えば、目標物数量データベースの「メッシュID」に関連する「目標物の数量」のデータを更新する。図9の場合は矢印で示した前回更新した(←最新)のデータを更新する。更新前に(←最新)に記憶されていた内容は(←前回)に上書き更新する。なお、目標物数量データベースに履歴を記録してもよい。
【0069】
なお、ステップS112にて探知した目標物が関連付けられたメッシュと、そのセンサによる探知率が一定値以上のメッシュに対して、ステップS113〜S116の処理を行ってもよい。また、ステップS116まで終了した後、センサ203〜208のうちのいずれから新しい探知情報を受信した場合は、ステップS111に移行する。
【0070】
探知率と偽探知率を使用した目標物の数量の管理を示す。
目標数算出部33は、目標物数量データベースの「探知日時」を参照して、前回更新された対象のメッシュに所在している目標物の数量(図9の目標物数量データベースの「最新」に記録されている数量)と、センサが探知した対象のメッシュに所在している最新の目標物の数量を比較する。比較した結果、前回より最新の目標物の数量が多いとき(増加した場合)、式7に示すように演算をする。
メッシュ内の目標物の数量= 前回目標物の数量 (式7)
+増加した数量
+増加した数量×(1−(探知率/100))
−増加した数量×(偽探知率/100)
【0071】
すなわち、増加した数量と、探知率が低いために探知できなかったと推測される目標物の数量(増加した数量×(1−探知率/100))を加算し、さらに偽目標物と推測される数量(増加した数量×(偽探知率/100))を減算する。その結果、探知率と偽探知率について加味したメッシュ内の目標物の数量を求めることができる。
【0072】
また、前回更新された対象のメッシュに所在した目標物の数量から、センサが探知した対象のメッシュに所在している最新の目標物の数量が減少した場合、式8に示すように演算をする。
メッシュ内の目標物の数量= 前回目標物の数量 (式8)
−減少した数量
+減少した数量×(1−(探知率/100))
−減少した数量×(偽探知率/100)
【0073】
すなわち、減少した数量から、探知率が低いために探知できなかったと推測される目標物の数量(減少した数量×(1−探知率/100))と、偽目標物と推測される数量(減少した数量×(偽探知率/100))を減算する。その結果、探知率と偽探知率について加味したメッシュ内の目標物の数量を求めることができる。
【0074】
図12は、探知率と偽探知率を用いた目標物の数量の管理処理の一実施例を示すフロー図である。
ステップS121、S122では、では、ステップS101、S102と同様の処理を行う。
【0075】
ステップS123で目標数算出部33は、前回更新した数量と探知した対象のメッシュに所在している最新の目標物の数量を比較する。比較の結果、前回より目標物の数量が減少したかを判定する。判定の結果、目標物の数量が増加または同数のときはステップS124(No)に移行し、目標物の数量が減少したときはステップS125(Yes)に移行する。
【0076】
ステップS124では、目標数算出部33が式7に従いメッシュ内の目標物の数量を求める。
ステップS125では、目標数算出部33が式8に従いメッシュ内の目標物の数量を求める。
【0077】
ステップS126では、目標数算出部33が目標物の数量を更新する。例えば、目標物数量データベースの「メッシュID」に関連する「目標物の数量」のデータを更新する。図9の場合は矢印で示した前回更新した(←最新)のデータを更新する。更新前に(←最新)に記憶されていた内容は(←前回)に上書き更新する。なお、目標物数量データベースに履歴を記録してもよい。
【0078】
なお、ステップS122にて探知した目標物が関連付けられたメッシュと、そのセンサによる探知率が一定値以上のメッシュに対して、ステップS123〜S126の処理を行ってもよい。また、ステップS126まで終了した後、センサ203〜208のうちのいずれから新しい探知情報を受信した場合は、ステップS121に移行する。
【0079】
探知率と偽探知率を使用した目標物の数量の管理を示す。
目標数算出部33は、目標物数量データベースの「探知日時」を参照して、前回更新された対象のメッシュに所在している目標物の数量(図9の目標物数量データベースの「最新」に記録されている数量)と、センサが探知した対象のメッシュに所在している最新の目標物の数量を比較する。比較した結果、前回より最新の目標物の数量が多いとき(増加した場合)、式9に示すように演算をする。
メッシュ内の目標物の数量= 前回目標物の数量 (式9)
+増加した数量
−増加した数量×(偽探知率/100)
【0080】
すなわち、増加した数量から、偽目標物と推測される数量(増加した数量×(偽探知率/100))を減算することにより、偽探知率について加味したメッシュ内の目標物の数量を求めることができる。
【0081】
また、前回更新された対象のメッシュに所在した目標物の数量から、センサが探知した対象のメッシュに所在している最新の目標物の数量が減少した場合、式10に示すように演算をする。
メッシュ内の目標物の数量= 前回目標物の数量 (式10)
−減少した数量
+減少した数量×(1−(探知率/100))
【0082】
すなわち、減少した数量に、探知率が低いために探知できなかったと推測される目標物の数量(減少した数量×(1−探知率/100))を加算することにより、探知率を加味したメッシュ内の目標物の数量を求めることができる。
【0083】
図13は、探知率と偽探知率を用いた目標物の数量の管理処理の一実施例を示すフロー図である。
ステップS131、S132では、では、ステップS101、S102と同様の処理を行う。
【0084】
ステップS133で目標数算出部33は、前回更新した数量と探知した対象のメッシュに所在している最新の目標物の数量を比較する。比較の結果、前回より目標物の数量が減少したかを判定する。判定の結果、目標物の数量が増加または同数のときはステップS134(No)に移行し、目標物の数量が減少したときはステップS135(Yes)に移行する。
【0085】
ステップS134では、目標数算出部33が式9に従いメッシュ内の目標物の数量を求める
ステップS135では、目標数算出部33が式10に従いメッシュ内の目標物の数量を求める。
【0086】
ステップS136では、目標数算出部33が目標物の数量を更新する。例えば、目標物数量データベースの「メッシュID」に関連する「目標物の数量」のデータを更新する。図9の場合は矢印で示した前回更新した(←最新)のデータを更新する。更新前に(←最新)に記憶されていた内容は(←前回)に上書き更新する。なお、目標物数量データベースに履歴を記録してもよい。
【0087】
なお、ステップS132にて探知した目標物が関連付けられたメッシュと、そのセンサによる探知率が一定値以上のメッシュに対して、ステップS133〜S136の処理を行ってもよい。また、ステップS136まで終了した後、センサ203〜208のうちのいずれから新しい探知情報を受信した場合は、ステップS131に移行する。
【0088】
本実施形態によれば、目標物それぞれに対して追尾処理をして管理するのではなく、メッシュごとに目標物の数量を管理することにより、センサ個々の探知の特性を含めてメッシュごとの目標物の数量管理が可能になる。
【0089】
また、広域な範囲を監視するセンサによる目標物の所在のしないことを示す否定情報を取得した場合に、メッシュごとに目標物の数量を管理しているため該否定情報を反映した目標物の数量管理が可能になる。広域な範囲は、例えば図2における覆域216などである。
【0090】
メッシュごとに探知率と偽探知率を加味して目標物の数量を求めているため、探知日時の古い目標物や偽目標物の影響を削減できるため、目標物の情報の鮮度管理が可能となる。
メッシュごとに探知率を定義することにより、その地域の特性(地形、センサからの見通し可否等)を反映した目標物の数量管理が可能になる。
【0091】
メッシュに、センサごとの探知率を設定することにより、使用するセンサの特性とメッシュとセンサの距離に応じた目標物の数量管理が可能になる。
メッシュに偽探知率を設定することにより、林の揺らぎや川の流れ等で誤って偽目標物を検出してしまうことによる目標物の数量管理の誤りを軽減できる。
【0092】
(実施態様2)
実施態様2では、周辺メッシュの目標物の数量の増減を参照して目標物の数量を管理する。前回更新した対象のメッシュに所在した目標物の数量より(図9の目標物数量データベースの「最新」に記録されている数量)、センサが探知した対象のメッシュに所在する最新の目標物の数量が減少したか否かを判定する。減少した場合、対象のメッシュに隣接するメッシュの目標物の数量の総和が前回から増加していないかを判定する。増加していない場合は、該メッシュの目標物の数量を減算しない。また、前回更新した対象のメッシュに所在した目標物の数量より、センサが探知した対象のメッシュに所在する最新の目標物の数量が増加したか否かを判定する。増加した場合、該メッシュに隣接するメッシュの目標物の数量の総和が前回から減少していないかを判定する。減少していない場合は、該メッシュの目標物の数量を加算しない。
【0093】
図14は、実施態様2における目標物の数量の管理処理の一実施例を示すフロー図である。
ステップS141では、目標数算出部33が目標物管理装置1の受信部3からセンサによって探知した探知情報を取得する。図2の場合であれば、目標物管理装置1の目標数算出部33は、受信部3を介してセンサ203〜208が探知した最新の探知情報を取得する。
【0094】
ステップS142では、目標数算出部33が探知情報を参照して、探知した目標物をメッシュごとに関連付ける。
ステップS143で目標数算出部33は、前回更新した数量と探知した対象のメッシュに所在している最新の目標物の数量を比較する。比較の結果、前回より目標物の数量が減少したかを判定する。判定の結果、目標物の数量が増加または同数のときはステップS144(No)に移行し、目標物の数量が減少したときはステップS145(Yes)に移行する。
【0095】
ステップS144では、目標数算出部33が隣接メッシュの目標物の数量の総和が前回から減少したかを判定する。減少したときはステップS146(Yes)に移行し、目標物の数量が増加したときはステップS147(No)に移行する。
【0096】
ステップS145では、目標数算出部33が隣接メッシュの目標物の数量の総和が前回から増加したかを判定する。増加したときはステップS148(Yes)に移行し、目標物の数量が減少したときはステップS147(No)に移行する。
【0097】
ステップS146で目標数算出部33は目標物の数量を増加させる。実施態様1で説明したステップS104、S114、S124、S134の処理のうちのいずれか一つの処理を行う。
【0098】
ステップS147では、対象のメッシュの目標物の数量は変更しない。
ステップS148で目標数算出部33は目標物の数量を減少させる。実施態様1で説明したステップS105、S115、S125、S135の処理のうちのいずれか一つの処理を行う。
【0099】
ステップS149では、目標数算出部33が目標物の数量を更新する。例えば、目標物数量データベースの「メッシュID」に関連する「目標物の数量」のデータを更新する。図9の場合は矢印で示した前回更新した(←最新)のデータを更新する。更新前に(←最新)に記憶されていた内容は(←前回)に上書き更新する。なお、目標物数量データベースに履歴を記録してもよい。
【0100】
なお、ステップS142にて探知した目標物が関連付けられたメッシュと、そのセンサによる探知率が一定値以上のメッシュに対して、ステップS143〜S149の処理を行ってもよい。また、ステップS149まで終了した後、センサ203〜208のうちのいずれから新しい探知情報を受信した場合は、ステップS141に移行する。
【0101】
上記方法により、隣接メッシュの目標物の数量の増加を参照して、対象のメッシュの目標物の数量の減算を行うことで、センサの性能(分解能など)や目標物の停止による目標物の数量の管理の誤りを軽減できる。
【0102】
(実施態様3)
実施態様3では、時間経過におけるメッシュの目標物の数量の推移を用いて、メッシュ間の目標物の移動を示す移動ベクトルを求める。
【0103】
移動ベクトルの算出方法について図15を用いて説明する。
図15は、実施態様3の移動ベクトルの算出の一実施例を示すフロー図である。ステップS151では、図3に示す移動ベクトル算出部34が隣接するメッシュのグループのグループ位置(例えば、重心など)を求める。移動ベクトル算出部34は、目標物が関連付けられているメッシュを抽出し、抽出したメッシュと隣接しているメッシュがある場合には対象のメッシュと隣接するメッシュをグループにする。例えば、移動ベクトル算出部34は、目標物数量データベースを参照して、「目標物の数量」に1以上の数量があるメッシュを抽出する。次に、抽出したメッシュごとに隣接しているメッシュを抽出して、グループを生成する。なお、隣接するメッシュが無い抽出したメッシュは、該メッシュをひとつのグループに設定する。そして、後述する方法などによりグループの重心を求める。
【0104】
ステップS152で移動ベクトル算出部34は、前回と最新の隣接するメッシュのグループの重心(グループ位置)を関連付ける。グループの関連付けは、最新の重心の位置と前回の重心各々の位置との距離を求める。距離が近い順に前回のグループから順に、最新のグループの数量と対象の前回のグループとの差を求める。その結果が閾値以内であれば、前回と最新のグループを関連付けられる。
【0105】
ステップS153では移動ベクトル算出部34が、関連付けられたグループであるか否かを判定して、関連付けられているグループである場合はステップS154(Yes)に移行し、異なる場合はステップS155(No)に移行する。
【0106】
ステップS154で移動ベクトル算出部34は、前回のグループの重心の位置(グループ位置)と最新のグループの重心の位置(グループ位置)を結ぶ線分を求めて、移動ベクトルとしてグループデータベースに記録する。
【0107】
ステップS155で移動ベクトル算出部34は、関連付けられなかった最新のグループを、新しいグループとしてグループデータベースに、後述するグループID、最新の重心、更新日時、メッシュIDを記録する。
【0108】
ステップS156で移動ベクトル算出部34は、グループデータベースのグループすべてについて処理が終了したかを判定して、終了していればステップS157(Yes)に移行し、終了していなければステップS153(No)に移行する。
【0109】
ステップS157では、移動ベクトル算出部34が出力装置に図18、図19、図20に示すような表示をするためのデータを出力する。図18、図19、図20において「×」は今回算出した最新のグループ位置を示し、「○」は前回算出したグループ位置を示している。「→」は移動ベクトルを示している。
【0110】
図16、図17は、グループデータベースのデータ構造の一実施例を示す図である。また、図16は、図18と図19に示されている監視対象範囲200の状況をグループデータベースに記録した例を示している。図17は、図19と図20に示されている監視対象範囲200の状況をグループデータベースに記録した例を示している。なお、グループデータベースは記録部6に記録されている。
【0111】
図16のグループデータベースは、「グループID」「最新の重心」「前回の重心」「移動ベクトル」「更新日時」「メッシュID」を有している。「グループID」には、グループを識別する識別子が記録されている。本例では、図17に対応する「G1」「G2」「G3」「G4」「G5」「G6」「G7」が記録されている。「最新の重心」には、最新のセンサからの情報により生成した後述する隣接メッシュのグループの重心(グループ位置)が記録されている。本例では、「重心1」〜「重心5」が記録されている。「前回の重心」には、前回の隣接メッシュの重心(グループ位置)が記録されている。「移動ベクトル」には、前回と最新の重心を結んだ線分を示す「ベクトル1」「ベクトル41」「ベクトル51」が記録されている。図19の「→」に相当する。「更新日時」には、最後に目標物を探知した日時が記録されている。本例では、「2009/12/30/11:10」「2009/12/30/11:05」・・・がグループ「G1」〜「G7」に関連付けて記録されている。「メッシュID」にはグループに含まれるメッシュの識別子が記録されている。本例では、「G1」に関連付けて「MID222」「MID244」、「G2」に関連付けて「MID180」、「G3」に関連付けて「MID226」が記録されている。また、「G4」に関連付けて「MID253」「MID254」、「G5」に関連付けて「MID196」「MID197」が記録されている。また、「G6」に関連付けて「MID162」、「G7」に関連付けて「MID258」が記録されている。図17のグループデータベースは、図19の状態から図20の状態に遷移したときのグループデータベースである。
【0112】
グループの重心位置(グループ位置)の算出について図21を用いて説明をする。
図21に例ではメッシュの代表位置としてメッシュの中心位置(座標)を用いた場合について説明する。例えば、記録部6の目標物数量データベースを参照して、図21に示す4つの正方形状のメッシュのそれぞれの目標物の数量を取得する。その結果、それぞれのメッシュの目標物の数量が5、3、1、2であると考える。また、各メッシュの一辺の長さをLと設定する(本例では、4)。目標物の数量が5のメッシュの中心座標を(x1,y1)と設定する。目標物の数量が3のメッシュの中心座標を(x2,y1)と設定する。目標物の数量が1のメッシュの中心座標を(x1,y2)と設定する。目標物の数量が2のメッシュの中心座標を(x2,y2)と設定する。このグループの原点座標を目標物の数量が5のメッシュの座標(0,0)とする。次に、メッシュごとの数量と中心座標のX座標の値と積算する。図21の例では、X1は2、X2は6、Y1は2、Y2は6であるので、5×X1=10、3×X2=18、1×X1=2、2×X2=12となる。また、メッシュごとの数量と中心座標のY座標の値を積算する。図21の例では、Y1は2、Y2は6、Y1は2、Y2は6であるので、5×Y1=10、3×Y1=6、1×Y2=6、2×Y2=12となる。
【0113】
次に、X座標側の合計10+18+2+12=42と、Y座標側の合計10+6+6+12=34を求める。そして、X座標の合計値42とY座標の合計値34をグループの目標物の数量の合計値5+3+1+2=11で除算する。その結果、グループの位置を示すグループ位置のX座標(X42/11≒3.8)が求まる。また、グループ位置のY座標(34/11≒3.0)が求まる。つまり、図21に示すグループのグループ位置は(3.8,3.0)の位置となる。このグループ位置を、グループデータベースの「最新の重心」(最新のグループ位置)に記録する。本例では、正方形状のメッシュを用いたが限定されるものではない。また、グループ位置の算出についても、グループ位置を求めることができる方法であれば上記に限定されるものではない。なお、図21に示すグループの座標は、地図データの緯度、経度と関連付けられていることが好ましい。また、本例では代表位置としてメッシュの中心位置(座標)を用いたが、例えばメッシュの四隅の角の点などを用いてもよい。
【0114】
上記のように、時間経過ごとにグループの各メッシュの目標物の数量の推移からグループの移動ベクトルを算出することで、目標物のグループの移動方向を推測することが可能となる。
【0115】
さらに、最新と前回のグループの重心を関連付けられるグループであるか否かの判定について説明する。図22のAに示すように日時t0のときグループGnの合計数量が12であり、日時t1ときグループKnの合計数量が13であるとき、範囲を3に設定していれば同一のGnとKnは関連付けられるグループと判定してもよい。
【0116】
また、図22のBに示すように、グループGnと他のグループGmが接触した場合(点221)、は異なるグループとして記録することが望ましい。ただし、破線222で示したように接触した場合にはグループをマージして、同じグループとして管理することが望ましい。
なお、移動ベクトルを種別(人、車両など)ごとに管理してもよい。
【0117】
本実施形態がコンピュータとして実現される場合の構成について説明する。
図23は、上記実施形態1、2、3で説明した装置を実現できるコンピュータのハードウェア構成の一実施例を示す図である。
【0118】
コンピュータのハードウェア2300は、CPU2301、記録部2302、記録媒体読取装置2303、入出力インタフェース2304(入出力I/F)、通信インタフェース2305(通信I/F)などを備えている。また、上記各構成部はバス2306によってそれぞれ接続されている。
【0119】
CPU2301は、記録部2302に格納されている上記説明した目標物管理装置1の各処理を実行する。
記録部2302(ROM、RAM、ハードディスクドライブなど)には、CPU2301が実行するプログラムやデータが記録されている。また、ワークエリアなどとして使用される。また、記録部2302は上記説明した記録部6の機能を有する。
【0120】
記録媒体読取装置2303は、CPU2301の制御にしたがって記録媒体2307に対するデータのリード/ライトを制御する。そして、記録媒体2307に記録媒体読取装置2303の制御で書き込まれたデータを記憶させたり、記録媒体2307に記憶されたデータを読み取らせたりする。また、着脱可能な記録媒体2307は、コンピュータで読み取り可能な記録媒体として、磁気記録装置、光ディスク、光磁気記録媒体、半導体メモリなどがある。磁気記録装置には、ハードディスク装置(HDD)などがある。光ディスクには、Digital Versatile Disc (DVD)、DVD−RAM、Compact Disc Read Only Memory (CD−ROM)、CD−R(Recordable)/RW(ReWritable)などがある。光磁気記録媒体には、Magneto-Optical disk (MO)などがある。
【0121】
入出力インタフェース2304には、入出力装置2308(例えば、タッチパネルなど)が接続され、ユーザが入力した情報を受信し、バス2306を介してCPU2301に送信する。また、CPU2301からの命令に従ってディスプレイの画面上に操作情報などを表示する。
【0122】
通信インタフェース2305は、必要に応じ、他のコンピュータとの間のLAN接続やインターネット接続や無線接続を行うためのインタフェースである。また、他の装置に接続され、外部装置からのデータの入出力を制御する。
【0123】
このようなハードウェア構成を有するコンピュータを用いることによって、上記説明した各種処理機能(実施形態で説明した処理(フローチャートなど))が実現される。その場合システムが有すべき機能の処理内容を記述したプログラムが提供される。そのプログラムをコンピュータで実行することにより、上記処理機能がコンピュータ上で実現される。処理内容を記述したプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体2307に記録しておくことができる。
【0124】
プログラムを流通させる場合には、例えば、そのプログラムが記録されたDVD、CD−ROMなどの記録媒体2307が販売される。また、プログラムをサーバコンピュータの記憶装置に格納しておき、ネットワークを介して、サーバコンピュータから他のコンピュータにそのプログラムを転送することもできる。
【0125】
プログラムを実行するコンピュータは、例えば、記録媒体2307に記録されたプログラムもしくはサーバコンピュータから転送されたプログラムを、自己の記録部2302に格納する。そして、コンピュータは、自己の記録部2302からプログラムを読み取り、プログラムに従った処理を実行する。なお、コンピュータは、記録媒体2307から直接プログラムを読み取り、そのプログラムに従った処理を実行することもできる。また、コンピュータは、サーバコンピュータからプログラムが転送されるごとに、逐次、受け取ったプログラムに従った処理を実行することもできる。
【0126】
また、目標物管理装置の機能を、ドップラレーダ装置本体や、複数のレーダ装置を使用して目標物を検出するシステムにおいて、検出した目標物の整理統合を行う装置やアプリケーションに搭載して使用する。
【0127】
また、本発明は、上記実施の形態に限定されるものでなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変更が可能である。なお、各実施形態は処理に矛盾の無い限りにおいて、互いに組み合わせても構わない。
【0128】
以上実施形態1、2、3を含む実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
(付記1)
監視対象範囲を監視する1つ以上のセンサにより探知される探知情報を用いて目標物を管理する目標物管理装置であって、
前記監視対象範囲を複数の分割範囲に分割した分割範囲ごとに、前記センサごとに計測により目標物を探知することができる確率を示す探知率を求める探知率算出部と、
対象の分割範囲に所在する目標物の前回更新した数量に対する最新の数量の増加した数量あるいは減少した数量を求め、増加した場合、前記探知率を用いて前記増加した数量を変更して、変更した数量と前回更新した目標物の数量を用いて、前記対象の分割範囲に所在する目標物の数量を求める増加処理をし、減少した場合に、前記探知率を用いて減少した数量を変更して、変更した数量と前回更新した目標物の数量を用いて、前記対象の分割範囲に所在する目標物の数量を求める減算処理をして、前記対象の分割範囲の目標物の数量を更新する目標数算出部と、
を備えることを特徴とする目標物管理装置。
(付記2)
監視対象範囲を監視する1つ以上のセンサにより探知される探知情報を用いて目標物を管理する目標物管理装置であって、
前記監視対象範囲を複数の分割範囲に分割した分割範囲ごとに、前記センサごとに計測により目標物を探知することができる確率を示す探知率を求める探知率算出部と、
前記分割範囲ごとに前記センサそれぞれが偽目標物を探知してしまう確率を示す偽探知率を求める偽探知率算出部と、
対象の分割範囲に所在する目標物の前回更新した数量に対する最新の数量の増加した数量あるいは減少した数量を求め、増加した場合、前記探知率および前記偽探知率を用いて前記増加した数量を変更して、変更した数量と前回更新した目標物の数量を用いて、前記対象の分割範囲に所在する目標物の数量を求める増加処理をし、減少した場合に、前記探知率および前記偽探知率を用いて減少した数量を変更して、変更した数量と前回更新した目標物の数量を用いて、前記対象の分割範囲に所在する目標物の数量を求める減算処理をして、前記対象の分割範囲の目標物の数量を更新する目標数算出部と、
を備えることを特徴とする目標物管理装置。
(付記3)
監視対象範囲を監視する1つ以上のセンサにより探知される探知情報を用いて目標物を管理する目標物管理装置であって、
前記監視対象範囲を複数の分割範囲に分割した分割範囲ごとに、前記センサそれぞれの予め記録されている目標物を探知する確率を示す情報と、前記分割範囲の標高を示す情報を基に前記センサから見通せるメッシュを検出した結果とを用いて、前記分割範囲において目標物を探知することができる確率を示す探知率を求める探知率算出部と、
対象の分割範囲に所在する目標物の前回更新した数量に対する最新の数量の増加した数量あるいは減少した数量を求め、増加した場合、前記探知率を用いて前記増加した数量を変更して、変更した数量と前回更新した目標物の数量を用いて、前記対象の分割範囲に所在する目標物の数量を求める増加処理をし、減少した場合に、前記探知率を用いて減少した数量を変更して、変更した数量と前回更新した目標物の数量を用いて、前記対象の分割範囲に所在する目標物の数量を求める減算処理をして、前記対象の分割範囲の目標物の数量を更新する目標数算出部と、
を備えることを特徴とする目標物管理装置。
(付記4)
監視対象範囲を監視する1つ以上のセンサにより探知される探知情報を用いて目標物を管理する目標物管理装置であって、
前記監視対象範囲を複数の分割範囲に分割した分割範囲ごとに、前記センサそれぞれの予め記録されている目標物を探知する確率を示す情報と、前記分割範囲の標高を示す情報を基に前記センサから見通せるメッシュを検出した結果とを用いて、前記分割範囲において目標物を探知することができる確率を示す探知率を求める探知率算出部と、
前記分割範囲ごとに前記センサそれぞれが偽目標物を探知してしまう確率を示す偽探知率を求める偽探知率算出部と、
対象の分割範囲に所在する目標物の前回更新した数量に対する最新の数量の増加した数量あるいは減少した数量を求め、増加した場合、前記探知率および前記偽探知率を用いて前記増加した数量を変更して、変更した数量と前回更新した目標物の数量を用いて、前記対象の分割範囲に所在する目標物の数量を求める増加処理をし、減少した場合に、前記探知率および前記偽探知率を用いて減少した数量を変更して、変更した数量と前回更新した目標物の数量を用いて、前記対象の分割範囲に所在する目標物の数量を求める減算処理をして、前記対象の分割範囲の目標物の数量を更新する目標数算出部と、
を備えることを特徴とする目標物管理装置。
(付記5)
前記目標数算出部は、
前記対象の分割範囲に所在する目標物の前回更新した数量が最新の数量より前記増加した場合、前記対象の分割範囲に隣接する分割範囲の目標物の最新の数量の総和が前回更新した数量の総和より数量が減少したか判定し、減少しているとき前記増加処理をし、
前記対象の分割範囲に所在する目標物の前回変更した数量が最新の数量より前記減少した場合、前記対象の分割範囲に隣接する分割範囲の目標物の最新の数量の総和が前回変更した数量の総和より数量が増加したか判定し、増加しているとき前記減算処理を行う、ことを特徴とする付記1〜4のいずれか1つに記載の目標物管理装置。
(付記6)
1つ以上の前記分割範囲を有するグループの、前記分割範囲ごとに所在する目標物の数量と前記分割範囲の代表位置を用いて前記グループの代表となるグループ位置を求め、前記グループの前回算出したグループ位置と最新の算出したグループ位置を結ぶベクトルを求めて、前記グループの移動方向を示す移動ベクトルとする移動ベクトル算出部、を備えることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の目標物管理装置。
(付記7)
監視対象範囲を監視する1つ以上のセンサにより探知される探知情報を用いて目標物を管理する目標物管理方法であって、
コンピュータが、
前記監視対象範囲を複数の分割範囲に分割した分割範囲ごとに、前記センサごとに計測により目標物を探知することができる確率を示す探知率を求めて記録部に記録し、
対象の分割範囲に所在する目標物の前回更新した数量に対する最新の数量の増加した数量あるいは減少した数量を求め、
増加した場合、前記探知率を用いて前記増加した数量を変更して、変更した数量と前回更新した目標物の数量を用いて、前記対象の分割範囲に所在する目標物の数量を求める増加処理をし、
減少した場合、前記探知率を用いて減少した数量を変更して、変更した数量と前回更新した目標物の数量を用いて、前記対象の分割範囲に所在する目標物の数量を求める減算処理をし、
増加処理あるいは減算処理の結果である目標物の数量を、前記対象の分割範囲の目標物の数量として前記記録部に記録する、
ことを特徴とする目標物管理方法。
(付記8)
監視対象範囲を監視する1つ以上のセンサにより探知される探知情報を用いて目標物を管理する目標物管理方法であって、
コンピュータが、
前記監視対象範囲を複数の分割範囲に分割した分割範囲ごとに、前記センサごとに計測により目標物を探知することができる確率を示す探知率を求めて記録部に記録し、
前記分割範囲ごとに前記センサそれぞれが偽目標物を探知してしまう確率を示す偽探知率求を求めて前記記録部に記録し、
対象の分割範囲に所在する目標物の前回更新した数量に対する最新の数量の増加した数量あるいは減少した数量を求め、
増加した場合、前記探知率および前記偽探知率を用いて前記増加した数量を変更して、変更した数量と前回更新した目標物の数量を用いて、前記対象の分割範囲に所在する目標物の数量を求める増加処理をし、
減少した場合、前記探知率および前記偽探知率を用いて減少した数量を変更して、変更した数量と前回更新した目標物の数量を用いて、前記対象の分割範囲に所在する目標物の数量を求める減算処理をし、
増加処理あるいは減算処理の結果である目標物の数量を、前記対象の分割範囲の目標物の数量として前記記録部に記録する、
ことを特徴とする目標物管理方法。
(付記9)
監視対象範囲を監視する1つ以上のセンサにより探知される探知情報を用いて目標物を管理する目標物管理方法であって、
コンピュータが、
前記監視対象範囲を複数の分割範囲に分割した分割範囲ごとに、前記センサそれぞれの予め記録されている目標物を探知する確率を示す情報と、前記分割範囲の標高を示す情報を基に前記センサから見通せるメッシュを検出した結果とを用いて、前記分割範囲において目標物を探知することができる確率を示す探知率を求めて記録部に記録し、
対象の分割範囲に所在する目標物の前回更新した数量に対する最新の数量の増加した数量あるいは減少した数量を求め、
増加した場合、前記探知率を用いて前記増加した数量を変更して、変更した数量と前回更新した目標物の数量を用いて、前記対象の分割範囲に所在する目標物の数量を求める増加処理をし、
減少した場合、前記探知率を用いて減少した数量を変更して、変更した数量と前回更新した目標物の数量を用いて、前記対象の分割範囲に所在する目標物の数量を求める減算処理をし、
増加処理あるいは減算処理の結果である目標物の数量を、前記対象の分割範囲の目標物の数量として前記記録部に記録する、
ことを特徴とする目標物管理方法。
(付記10)
監視対象範囲を監視する1つ以上のセンサにより探知される探知情報を用いて目標物を管理する目標物管理方法であって、
コンピュータが、
前記監視対象範囲を複数の分割範囲に分割した分割範囲ごとに、前記センサそれぞれの予め記録されている目標物を探知する確率を示す情報と、前記分割範囲の標高を示す情報を基に前記センサから見通せるメッシュを検出した結果とを用いて、前記分割範囲において目標物を探知することができる確率を示す探知率を求めて記録部に記録し、
前記分割範囲ごとに前記センサそれぞれが偽目標物を探知してしまう確率を示す偽探知率求を求めて前記記録部に記録し、
対象の分割範囲に所在する目標物の前回更新した数量に対する最新の数量の増加した数量あるいは減少した数量を求め、
増加した場合、前記探知率および前記偽探知率を用いて前記増加した数量を変更して、変更した数量と前回更新した目標物の数量を用いて、前記対象の分割範囲に所在する目標物の数量を求める増加処理をし、
減少した場合、前記探知率および前記偽探知率を用いて減少した数量を変更して、変更した数量と前回更新した目標物の数量を用いて、前記対象の分割範囲に所在する目標物の数量を求める減算処理をし、
増加処理あるいは減算処理の結果である目標物の数量を、前記対象の分割範囲の目標物の数量として前記記録部に記録する、
ことを特徴とする目標物管理方法。
(付記11)
コンピュータが、
前記対象の分割範囲に所在する目標物の前回更新した数量が最新の数量より前記増加した場合、前記対象の分割範囲に隣接する分割範囲の目標物の最新の数量の総和が前回更新した数量の総和より数量が減少したか判定し、減少しているとき前記増加処理をし、
前記対象の分割範囲に所在する目標物の前回更新した数量が最新の数量より前記減少した場合、前記対象の分割範囲に隣接する分割範囲の目標物の最新の数量の総和が前回更新した数量の総和より数量が増加したか判定し、増加しているとき前記減算処理を行う、
ことを特徴とする付記7〜10のいずれか1つに記載の目標物管理方法。
(付記12)
コンピュータが、
1つ以上の前記分割範囲を有するグループの、前記分割範囲ごとに所在する目標物の数量と前記分割範囲の代表位置を用いて前記グループの代表となるグループの位置を求め、前記グループの前回算出したグループの位置と今回算出したグループの位置を結ぶベクトルを求めて、前記グループの移動方向を示す移動ベクトルとする移動ベクトル算出部、を備えることを特徴とする付記7〜11のいずれか1つに記載の目標物管理方法。
(付記13)
前記増加処理により求められるメッシュ内の目標物の数量は、前回目標物の数量+増加した数量+増加した数量×(1−(探知率/100))であり、
前記減算処理により求められるメッシュ内の目標物の数量は、前回目標物の数量−減少した数量+減少した数量×(1−(探知率/100))であることを特徴とする、付記1〜6のいずれか1つに記載の目標物管理装置。
(付記14)
前記増加処理により求められるメッシュ内の目標物の数量は、前回目標物の数量+増加した数量−増加した数量×(偽探知率/100)であり、
前記減算処理により求められるメッシュ内の目標物の数量は、前回目標物の数量−減少した数量+減少した数量×(偽探知率/100)であることを特徴とする、付記1〜6のいずれか1つに記載の目標物管理装置。
(付記15)
前記増加処理により求められるメッシュ内の目標物の数量は、前回目標物の数量+増加した数量+増加した数量×(1−(探知率/100))−増加した数量×(偽探知率/100)であり、
前記減算処理により求められるメッシュ内の目標物の数量は、前回目標物の数量−減少した数量+減少した数量×(1−(探知率/100))−減少した数量×(偽探知率/100)であることを特徴とする、付記1〜6のいずれか1つに記載の目標物管理装置。
(付記16)
前記増加処理により求められるメッシュ内の目標物の数量は、前回目標物の数量+増加した数量−増加した数量×(偽探知率/100)であり、
前記減算処理により求められるメッシュ内の目標物の数量は、前回目標物の数量−減少した数量+減少した数量×(1−(探知率/100))であることを特徴とする、付記1〜6のいずれか1つに記載の目標物管理装置。
(付記17)
前記増加処理により求められるメッシュ内の目標物の数量は、前回目標物の数量+増加した数量+増加した数量×(1−(探知率/100))であり、
前記減算処理により求められるメッシュ内の目標物の数量は、前回目標物の数量−減少した数量+減少した数量×(1−(探知率/100))であることを特徴とする、付記7〜12のいずれか1つに記載の目標物管理方法。
(付記18)
前記増加処理により求められるメッシュ内の目標物の数量は、前回目標物の数量+増加した数量−増加した数量×(偽探知率/100)であり、
前記減算処理により求められるメッシュ内の目標物の数量は、前回目標物の数量−減少した数量+減少した数量×(偽探知率/100)であることを特徴とする、付記7〜12のいずれか1つに記載の目標物管理方法。
(付記19)
前記増加処理により求められるメッシュ内の目標物の数量は、前回目標物の数量+増加した数量+増加した数量×(1−(探知率/100))−増加した数量×(偽探知率/100)であり、
前記減算処理により求められるメッシュ内の目標物の数量は、前回目標物の数量−減少した数量+減少した数量×(1−(探知率/100))−減少した数量×(偽探知率/100)であることを特徴とする、付記7〜12のいずれか1つに記載の目標物管理方法。
(付記20)
前記増加処理により求められるメッシュ内の目標物の数量は、前回目標物の数量+増加した数量−増加した数量×(偽探知率/100)であり、
前記減算処理により求められるメッシュ内の目標物の数量は、前回目標物の数量−減少した数量+減少した数量×(1−(探知率/100))であることを特徴とする、付記7〜12のいずれか1つに記載の目標物管理方法。
【符号の説明】
【0129】
1 目標物管理装置
2 センサ部
3 受信部
4 送信部
5 処理部
6 記録部
7 表示部
31 探知率算出部
32 偽探知率算出部
33 目標数算出部
34 移動ベクトル算出部
200 監視対象範囲
201 メッシュ
203〜208 センサ
209、210 山
211〜216 覆域
2300 ハードウェア
2302 記録部
2303 記録媒体読取装置
2304 入出力インタフェース
2305 通信インタフェース
2306 バス
2307 記録媒体
2308 入出力装置
【技術分野】
【0001】
本発明は、各種センサが探知した目標物の情報を管理する目標物管理装置および目標物管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、センサ(ドップラレーダ装置など)で目標物を探知して、探知した目標物ごとの情報を取得して、目標物を管理する装置が知られている。例えば、目標物の情報の管理は、前回探知した目標物の位置、速度、移動方向、種別の情報と、今回探知した目標物の位置、速度、移動方向、種別の情報との類似性を判定して、前回探知した目標物と今回探知した目標物との関連付けをして管理をしている。
【0003】
また、複数のセンサを用いて監視対象の領域内の目標物を管理する場合、各センサが探知した目標物それぞれの位置、速度、種別の類似性を比較して、比較した結果を用いて目標物に対応する情報を管理している。
【0004】
ところが、目標物を複数のセンサからの情報を用いて管理する場合、探知条件により目標物の数量を多くカウントすること、逆に少なくカウントしてしまうこと、古い目標物の情報が残存することがある。すなわち、目標物の追尾ができなくなる失追や目標物を見失う失探、偽目標物の検出、センサの特性、複数センサにより探知した目標物の同一正判定の精度などの影響により、誤った目標物の数量の管理をしてしまう。例えば、異なるセンサが同一の目標物を探知しているにも係わらず、同一の目標物を異なる目標物としてカウントしてしまうダブルカウントなどにより誤った目標物の数量の管理をしてしまう。
【0005】
なお、偽目標物とは、例えばドップラレーダにて、林の揺らぎ、川の流れ、エアコンの室外機のファンなどを誤って目標物と探知してしまうことや、偵察機等にて空から撮影した画像に写しだされる目標物との判別が困難な瓦礫や岩等である。センサの特性とは、例えばドップラレーダ装置の分解能などである。
【0006】
また、公知の技術では、例えば浮遊または漂流または走行している対象物の当該海域の海象条件を入力して、入力された海象条件及び対象物の大きさに応じた探知率変化を、予め記憶装置に記憶されたデータベースから読み出す。次に、その技術では読み出された探知率変化から対象物の認識確率を算出して、算出された捜索モードを出力装置に出力して、海上に浮遊または漂流または走行している対象物を捜索している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2007−003455号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は上記のような実情に鑑みてなされたものであり、監視対象範囲を複数の分割範囲に分割した分割範囲ごとに目標物の増減数量を変更し、各種センサによる目標物探知のあいまいさを吸収して、目標物の数量の誤りを減少させる目標物情報管理装置および目標物情報管理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
実施の態様のひとつである監視対象範囲を監視する1つ以上のセンサにより探知される探知情報を用いて目標物を管理する目標物管理装置は、探知率算出部、目標数算出部を備えている。
【0010】
探知率算出部は、前記監視対象範囲を複数の分割範囲に分割した分割範囲ごとに、前記センサごとに計測により目標物を探知することができる確率を示す探知率を求める。
目標数算出部は、対象の分割範囲に所在する目標物の前回更新した数量に対する最新の数量の増加した数量あるいは減少した数量を求める。増加した場合、前記探知率を用いて前記増加した数量を変更して、変更した数量と前回更新した目標物の数量を用いて、前記対象の分割範囲に所在する目標物の数量を求める増加処理をする。減少した場合に、前記探知率を用いて減少した数量を変更して、変更した数量と前回更新した目標物の数量を用いて、前記対象の分割範囲に所在する目標物の数量を求める減算処理をする。そして、前記対象の分割範囲の目標物の数量を更新する。
【0011】
また、実施の態様のひとつである監視対象範囲を監視する1つ以上のセンサにより探知される探知情報を用いて目標物を管理する目標物管理装置は、探知率算出部、偽探知率算出部、目標数算出部を備えている。
【0012】
探知率算出部は、前記監視対象範囲を複数の分割範囲に分割した分割範囲ごとに、前記センサごとに計測により目標物を探知することができる確率を示す探知率を求める。
偽探知率算出部は、前記分割範囲ごとに前記センサそれぞれが偽目標物を探知してしまう確率を示す偽探知率を求める。
【0013】
目標数算出部は、対象の分割範囲に所在する目標物の前回更新した数量に対する最新の数量の増加した数量あるいは減少した数量を求める。増加した場合、前記探知率および前記偽探知率を用いて前記増加した数量を変更して、変更した数量と前回更新した目標物の数量を用いて、前記対象の分割範囲に所在する目標物の数量を求める増加処理をする。減少した場合に、前記探知率および前記偽探知率を用いて減少した数量を変更して、変更した数量と前回更新した目標物の数量を用いて、前記対象の分割範囲に所在する目標物の数量を求める減算処理をする。そして、前記対象の分割範囲の目標物の数量を更新する。
【0014】
また、実施の態様のひとつである監視対象範囲を監視する1つ以上のセンサにより探知される探知情報を用いて目標物を管理する目標物管理装置は、探知率算出部、目標数算出部を備えている。
【0015】
探知率算出部は、前記監視対象範囲を複数の分割範囲に分割した分割範囲ごとに、前記センサそれぞれの予め記録されている目標物を探知する確率を示す情報を取得する。また、前記分割範囲の標高を示す情報を基に前記センサから見通せるメッシュを検出する。そして、前記分割範囲において目標物を探知することができる確率を示す探知率を求める。
【0016】
目標数算出部は、対象の分割範囲に所在する目標物の前回更新した数量に対する最新の数量の増加した数量あるいは減少した数量を求める。増加した場合、前記探知率を用いて前記増加した数量を変更して、変更した数量と前回更新した目標物の数量を用いて、前記対象の分割範囲に所在する目標物の数量を求める増加処理をする。減少した場合に、前記探知率を用いて減少した数量を変更して、変更した数量と前回更新した目標物の数量を用いて、前記対象の分割範囲に所在する目標物の数量を求める減算処理をする。そして、前記対象の分割範囲の目標物の数量を更新する。
【0017】
また、実施の態様のひとつである監視対象範囲を監視する1つ以上のセンサにより探知される探知情報を用いて目標物を管理する目標物管理装置は、探知率算出部、偽探知率算出部、目標数算出部を備えている。
【0018】
探知率算出部は、前記監視対象範囲を複数の分割範囲に分割した分割範囲ごとに、前記センサそれぞれの予め記録されている目標物を探知する確率を示す情報を取得する。また、前記分割範囲の標高を示す情報を基に前記センサから見通せるメッシュを検出する。そして前記分割範囲において目標物を探知することができる確率を示す探知率を求める。
【0019】
偽探知率算出部は、前記分割範囲ごとに前記センサそれぞれが偽目標物を探知してしまう確率を示す偽探知率を求める。
目標数算出部は、対象の分割範囲に所在する目標物の前回更新した数量に対する最新の数量の増加した数量あるいは減少した数量を求める。増加した場合、前記探知率および前記偽探知率を用いて前記増加した数量を変更して、変更した数量と前回更新した目標物の数量を用いて、前記対象の分割範囲に所在する目標物の数量を求める増加処理をする。減少した場合に、前記探知率および前記偽探知率を用いて減少した数量を変更して、変更した数量と前回更新した目標物の数量を用いて、前記対象の分割範囲に所在する目標物の数量を求める減算処理をする。そして、前記対象の分割範囲の目標物の数量を更新する。
【発明の効果】
【0020】
実施の態様は、監視対象範囲を複数の分割範囲に分割した分割範囲ごとに目標物の増減数量を変更することで、各種センサによる目標物探知のあいまいさを吸収して目標物の数量の誤りを減少させることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】目標物管理装置の一実施例を示す図である。
【図2】センサが監視する対象の範囲におけるメッシュ、地形、センサの監視範囲の一実施例を示す図である。
【図3】処理部の一実施例を示す図である。
【図4】分割範囲情報データベースのデータ構造の一実施例を示す図である。
【図5】探知距離と探知率の関係を示すグラフの一実施例である。
【図6】見通し解析の一実施例を示す図である。
【図7】Aは探知率データベースのデータ構造の一実施例を示す図であり、Bは偽探知率データベースのデータ構造の一実施例を示す図である。
【図8】探知情報のデータ構造の一実施例を示す図である。
【図9】目標物数量データベースのデータ構造を示す一実施例を示す図である。
【図10】探知率を用いた目標物の数量の管理処理の一実施例を示すフロー図である。
【図11】偽探知率を用いた目標物の数量の管理処理の一実施例を示すフロー図である。
【図12】探知率と偽探知率を用いた目標物の数量の管理処理の一実施例を示すフロー図である。
【図13】探知率と偽探知率を用いた目標物の数量の管理処理の一実施例を示すフロー図である。
【図14】実施態様2における目標物の数量の管理処理の一実施例を示すフロー図である。
【図15】実施態様3の移動ベクトルの算出の一実施例を示すフロー図である。
【図16】グループデータベースのデータ構造の一実施例を示す図である。
【図17】グループデータベースのデータ構造の一実施例を示す図である。
【図18】センサが監視する対象の範囲におけるメッシュ、地形、センサの監視範囲の一実施例を示す図である。
【図19】センサが監視する対象の範囲におけるメッシュ、地形、センサの監視範囲の一実施例を示す図である。
【図20】センサが監視する対象の範囲におけるメッシュ、地形、センサの監視範囲の一実施例を示す図である。
【図21】重心の位置の算出方法を説明するための一実施例を示す図である。
【図22】グループの判定方法を説明するための一実施例を示す図である。
【図23】実施形態1、2、3で説明した装置を実現できるコンピュータのハードウェア構成の一実施例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下図面に基づいて、本発明の実施形態について詳細を説明する。
(実施態様1)
実施形態1における目標物管理装置は、センサ各々に探知した情報に基づいて目標物を管理する装置である。また、目標物管理装置は、目標物を追尾する機能を備えていてもよい。ここで、センサは、目標物を探知するためのレーダ装置、暗視装置、測距装置、撮影装置(例えば、カメラ、ビデオカメラなどを含む)などである。レーダ装置は自らの送信部から電波を照射し、目標物から反射されて戻ってくる電波を受信機で受信することにより、目標物の距離、方向、移動速度、種別などの情報を得る装置である。例えば、センサとしてドップラレーダ(Doppler radar)装置などを用いることが好ましい。また、陸上において、目標物は人、一般車両、特殊車両、軍用車両など、海上においては人、旅客船(客船)、貨客船(貨客混載船)、貨物船、軍艦、巡視船、漁船、特殊船などを対象とし、さらに航空機(重航空機、軽航空機)などを対象としてもよい。
【0023】
また、地上の目標物を監視するセンサは、地上に設置したドップラレーダ装置の他に、飛行機(無人飛行機などを含む)やヘリコプタによる空中から撮影した動画像や静止画像により目標物を探知してもよい。なお、動画像や静止画像は、暗視装置、撮影装置などで撮影した情報であり、目標物管理装置または、暗視装置、撮影装置自身が、後述する地図データと撮影した情報を対応付けて記録する。また、撮影した情報を解析して、目標物を検知して記録する。
【0024】
図1は、目標物管理装置の一実施例を示すブロック図である。
目標物管理装置1は、センサ部2、受信部3、送信部4、処理部5、記録部6、表示部7を備えている。目標物管理装置1は、例えば、図2に示されるセンサ203〜208から監視範囲を探知した情報を取得して目標物を管理する。図2は、センサが監視する対象の範囲におけるメッシュ、地形、センサの監視範囲の一実施例を示す図である。
【0025】
センサ部2は、目標物管理装置1に設けられたセンサである。すなわち、目標物管理装置1の本体にセンサ機能を設けることもできる。ただし、センサ部2を目標物管理装置1にかならずしも設けなくてもよい。
【0026】
受信部3は、各センサからセンサ情報、各センサが探知した結果を有する探知情報を受信し、受信した探知情報を処理部5に転送する。センサ情報は、例えば、センサの識別子、位置、向きなどのデータを有している。探知情報は、目標物を識別する識別子、目標物を探知した日時、目標物の位置、種別などのデータを有している。
【0027】
送信部4は、例えば無線送信部または有線送信部を備え、専用回線、公衆回線、無線Local Area Network(LAN)などを用いて、基地局、端末、Personal Computer(PC)などと通信ができる。また、送信部4は、処理部5の演算結果などを外部装置へ送信する。
【0028】
処理部5は、図3に示すように探知率算出部31、偽探知率算出部32、目標数算出部33、移動ベクトル算出部34を備えている。なお、処理部5は、Central Processing Unit(CPU)やプログラマブルなデバイス(Field Programmable Gate Array(FPGA)、Programmable Logic Device(PLD)など)を用いてもよい。なお、探知率算出部31、偽探知率算出部32、目標数算出部33、移動ベクトル算出部34については後述する。
【0029】
記録部6は、プログラム、テーブル、データなどが記録されている。また、記録部6は、例えばRead Only Member(ROM)、Random Access Memory(RAM)、ハードディスクなどのメモリである。また、記録部6は、パラメータ値、変数値などのデータを記録してもよいし、ワークエリアとして用いることもできる。本例では、記録部6に、表示部7にレーダ装置の探知した結果(目標物)を表示するための地図情報データベースなどを記録している。また、記録部6には、センサごとの特性を示す特性情報データベース、分割範囲情報データベースなどを記録する。
【0030】
地図情報データベースは、地図データ、地形(山、川、建物など)、標高などの地形を示す情報を有している。特性情報データベースは、センサの識別子、探知距離、探知方向などの情報、(センサの監視範囲または覆域)の情報を有している。また、特性情報データベースは、センサごとの目標物を探知する確率を示す情報が記録されている。分割範囲情報データベースは、センサにより監視する対象範囲(以降、監視対象範囲と呼ぶ)を分割した範囲を示す分割範囲(以降、メッシュと呼ぶ)の位置、間隔などの情報を有している。
【0031】
図2を用いて地図情報データベース、特性情報データベース、分割範囲情報データベースについて説明する。メッシュは、図2の例では目標物管理装置1の監視対象範囲200を複数の範囲に分割したメッシュ201として示されている。本例では、メッシュ201は正方形状の範囲であり、メッシュ201の間隔は、監視対象の目標物によって精度(分解能)は異なるが、10m〜1000m程度を想定する。ただし、メッシュ形状、メッシュ間隔は上記に限定されるものではない。なお、図2ではメッシュが正方形状であるので、例えば、正方形の1つの頂点にメッシュ位置(座標)を関連付けることが考えられる。なお、各メッシュの頂点と地図情報の位置(例えば、緯度、経度)を関連付けてもよい。
【0032】
図4は、分割範囲情報データベースのデータ構造の一実施例を示す図である。
分割範囲情報データベースは、「メッシュID」「メッシュ位置」「メッシュ標高」「メッシュ範囲」などのデータを有している。「メッシュID」は、メッシュを識別する情報が記録される。本例では「メッシュID」に「MID1」「MID2」「MID3」・・・「MID179」「MID180」「MID181」・・・「MID307」「MID308」が記録されている。「メッシュ位置」には、メッシュの位置を示す情報が記録される。本例では「位置」にメッシュの座標が記録されている「(0,0)」「(1,0)」「(2,0)」・・・「(2,8)」「(3,8)」「(4,8)」・・・「(20,13)」「(21,13)」が記録されている。なお、「位置」には、緯度、経度を記録してもよい。
【0033】
「メッシュ標高」には、メッシュに関連付けられた標高に関するデータが記録されている。メッシュ標高は、メッシュに対応する範囲の地図データから取得した標高データ(図2の山209、210の標高の情報など)を用いて、メッシュごとの標高を求める。本例では、「レベル0」「レベル1」「レベル0」・・・「レベル1」「レベル2」「レベル1」・・・「レベル1」「レベル1」には求めた標高が記録されている。
【0034】
なお、本例ではメッシュに覆域が接していれば、該メッシュはセンサの監視の対象としている。実際には、配置したセンサにてクラッタ情報が得られている場合は、センサが監視しているメッシュとする。
【0035】
「メッシュ範囲」にはメッシュ間隔が記録され、本例では「10m」が記録されている。
特性情報データベースの有する各センサを識別する識別子は、図2の例ではセンサ203、204、205、206、207、208にそれぞれ関連付けられている。センサの位置は、各センサの識別子に関連付けられて記録されている。なお、センサの位置は、地図データの座標(緯度、経度)または、センサ位置が含まれるメッシュに関連付ける。図2では、センサ203、204、205、206、207、208の設置位置と、覆域211、212、213、214、215、216が対応付けられ監視対象範囲200に示されている。なお、メッシュは地図データに予め記録されている間隔、または地形などに合わせてメッシュを区切ってもよい。
【0036】
また、記録部6には、処理部5により演算される結果が記録される。例えば、メッシュごとの探知率、偽探知率、目標物の数量と、目標物の移動方向を示す移動ベクトルなどが記録部6に記録されている。
【0037】
表示部7は、出力装置であり、例えば、ディスプレイ、プリンタなどである。表示部7は、処理部5の演算結果を表示する。
処理部5について図3を用いて説明する。
【0038】
図3の探知率算出部31は、メッシュごとに使用する(配置した)センサごとに探知率を算出して、記録部6の後述する探知率データベースに記録する(図7のAを参照)。
実測値を反映させる探知率の算出方法について説明する。
【0039】
各センサは、監視対象範囲に対して送信電波を照射して、例えば地面などからの反射波の強度を測定する。次に、メッシュごとにセンサ各々が測定した反射波の強度を対応付け、メッシュごとにセンサ各々が探知率を算出する。例えば、探知率は式1で表すことができる。
探知率=(計測した反射波の強度/理想受信強度)×100% (式1)
【0040】
なお、理想受信強度はセンサから送信される電波の電波強度としてもよいし、予めセンサの性能に基づいて決められている距離における受信強度としてもよい。なお、計測した反射強度が高いメッシュは探知率を高くし、計測した反射強度が低いメッシュは探知率を低く設定する。
【0041】
センサ特性を用いて探知率を算出する方法について説明する。
探知率算出部31は、探知率を分割範囲情報データベースと特性情報データベースを用いて求めてもよい。例えば、特性情報データベースからセンサの探知距離を取得し、センサごとの探知距離と探知率が記録されたデータを用いて探知率を求める。例えば、図5のA、B、Cに示した探知距離と探知率の関係を示すグラフを、データベースにして記録部6に記録する。図5のAは、大型車両(例えば、トラック、戦車など)に対する探知距離と探知率の関係を示すグラフである。図5のBは、中型車両(例えば、一般車両)、大型動物などに対する探知距離と探知率の関係を示すグラフである。図5のCは、小型車両人、動物などに対する探知距離と探知率の関係を示すグラフである。図5のA、B、Cに示すグラフは、縦軸に探知率(%)を示し、横軸に距離(km)が示されている。
【0042】
次に、探知率算出部31は、分割範囲情報データベースのメッシュ標高のデータを参照し、センサ設置位置からの覆域内のメッシュに対して見通し解析を実施する。見通し解析とは、対象の範囲に電波が到達可能か否かを判定する解析方法である。図6に見通し解析の一実施例を示す。例えば、図6においてH1のメッシュはH2で示される2のメッシュよりも標高が高く、3つのメッシュで表されているH3は、H1、H2のメッシュよりも標高が高い。また、H4の、メッシュはH1、H2、H3のメッシュよりも標高が低い。図6のような場合に、H1にセンサが設置されていると、H1の位置からH2、H3のメッシュは見通せるが、H4のメッシュは見通すことができない。すなわち、H4のメッシュには電波が到達できないため見通せないことになる。このような状況のメッシュを見通し外メッシュとして、センサまたはセンサが設置されているメッシュに関連付ける。また、見通せるメッシュはH2、H3などについては、見通し内メッシュとして、センサまたはセンサが設置されているメッシュに関連付ける。
【0043】
次に、見通し外メッシュの探知率は0%とし、見通し内メッシュの探知率は上記で求めた探知率を分割範囲情報データベースの対象のメッシュに関連付けて記録する。
なお、一般にレーダ装置などはセンサからの距離に応じて探知性能が低下する。また、探知率はセンサからの距離、地形などから決定される目標物を探知できる確率とする。つまり、探知率は目標物を正確に探知できる確率とする。ただし、探知率の求め方は上記方法に限定されるものではない。
【0044】
偽探知率算出部32は、目標物の進入前に覆域に対して電波を照射して、例えば地面などからの反射強度のうち、電波に対する周波数変化を測定したデータを取得する。そして、メッシュごとの反射波の強度と周波数の変化に応じて偽探知率を算出して、記録部6の後述する偽探知率データベースに記録する(図7のBを参照)。
偽探知率=(偽目標物を探知した回数/スキャン回数)×100% (式2)
【0045】
偽目標物を探知した回数とは反射波に、ドップラ効果がある(送信波に対して周波数に違いのある反射波の強度が一定値以上ある)場合をカウントした回数をいう。
【0046】
スキャン回数は、センサが目標物の進入前に覆域に対して何回計測をしたかを示している。偽目標物を探知した回数は、センサが計測した回数のうち何回偽目標物を計測したかを示している。なお、偽目標物であるか否かの判定は、例えば、センサが目標物の進入前に覆域に対して何回か計測をして、ドップラ効果が有るが移動しないような目標物を特定して偽目標物とする。なお、偽探知率は林の揺らぎや川の流れなどを誤って目標物として検出してしまう確率とする。つまり、偽探知率は偽目標物を誤って探知する確率とする。なお、偽探知率の求め方は上記方法に限定されるものではない。
【0047】
また、偽探知率算出部32は、探知率算出部31と同様に見通し解析の実施結果を、偽探知率データベースに反映させてもよい。
図7のA、Bは、探知率データベースと偽探知率データベースのデータ構造を示す一実施例を示す図である。図7のAの探知率データベースは、「メッシュID」「センサID」「探知率」を有する。本例では「メッシュID」に図2の・・・「MID178」「MID179」「MID180」・・・が記録されている。「センサID」には、センサの識別子が記録されている。本例は図2に対応しているので、「203」「204」「205」・・・が記録されている。「探知率」には、メッシュごとにセンサ各々に対応する探知率が記録されている。本例では、センサ203の場合「80」「70」「20」・・・が記録されている。センサの監視範囲でないメッシュと見通し外メッシュは、探知率0%を示す「0」が記録されている。なお、探知率は例えば0%〜100%の範囲の値が記録されている。
【0048】
図7のBの偽探知率データベースは、「メッシュID」「センサID」「偽探知率」を有する。本例では「メッシュID」に図2の・・・「MID178」「MID179」「MID180」・・・が記録されている。「センサID」には、センサの識別子が記録されている。本例は図2に対応しているので、「203」「204」「205」・・・が記録されている。「偽探知率」には、メッシュごとにセンサ各々に対応する探知率が記録されている。本例では、センサ204の場合「10」「20」「0」・・・が記録されている。なお、偽探知率は、例えば0%〜100%の範囲の値が記録されている。
【0049】
目標数算出部33は、探知情報、探知率、偽探知率を用いてメッシュごとの目標物の数量を算出する。メッシュごとの目標物の数量の算出は、目標数算出部33が各センサから取得した最新の探知情報(図8参照)の「探知位置」の位置データを参照して、目標物とメッシュを対応付ける。次に、目標数算出部33は、対象のメッシュに対応付けられた目標物の数量を求める。このとき、探知情報の「種別」を参照して、種別ごとに数量を求めてもよい。次に、最新の探知情報に基づいて求めた目標物の数量を、記録部6に記録されている目標物数量データベース(図9参照)に記録する。
【0050】
図8は、探知情報のデータ構造の一実施例を示す図である。探知情報は、「センサID」「目標物ID」「探知日時」「探知位置」「種別」などの情報を有している。図8の探知情報はセンサ203の探知情報を示している。「センサID」にはセンサを識別するための識別子が記録される。本例ではセンサ203の識別子「203」が記録されている。「目標物ID」には、目標物を識別するための識別子が記録される。本例では、「ID1」「ID2」「ID3」「ID4」・・・・が記録されている。「探知日時」には目標物を探知した時間が記録されている。本例では、「2009/12/10/9:00」が記録されている。「探知位置」には探知した目標物の位置が記録されている。本例では、「位置1」「位置2」「位置3」「位置4」・・・・が記録されている。「位置1」〜「位置4」には、緯度、経度やUTM座標(ユニバーサル横メルカトル図法)を記録することが好ましい。「種別」には、探知した目標物の種別が記録されている。本例では、「人」「人」「人」「車両」・・・・が記録されている。
【0051】
図9は、目標物数量データベースのデータ構造を示す一実施例を示す図である。目標物数量データベースは、「メッシュID」「探知日時」「目標物の数量」などの情報を有しており、センサ各々から取得した最新の探知情報を用いて算出した結果を反映する。本例において「メッシュID」には・・・「MIDn」「MIDn+1」・・・が記録されている。「探知日時」には・・・「2009/12/10/10:01」「2009/12/10/10:00」・・・「2009/12/10/10:01」「2009/12/10/10:00」・・・が記録されている。本例において「←最新」は最新の情報を示しており、「←前回」には前回に更新した最新の情報が示されている。また、本例では1分おきに計測をしているが計測間隔は限定されるものではない。
「目標物の数量」には、メッシュごとに存在する目標物の数量を示している。本例では、「人」「車両」「合計」に分けて数量を管理している。「人」には対象のメッシュにおける人と判定した目標物の数量が記録されている。また、「車両」には対象のメッシュにおける車両と判定した目標物の数量が記録されている。「車両」にはメッシュごとの「人」と「車両」の合計の数量が記録されている。本例では、「人」に・・・「10」「10」・・・「9」「10」・・・、「車両」に・・・「1」「1」・・・「1」「1」・・・、「合計」に・・・「11」「11」・・・「10」「11」・・・が記録されている。
【0052】
目標物の数量の算出方法について説明する。
目標物管理装置1の目標数算出部33は、目標物数量データベースの「探知日時」を参照して、前回更新された対象のメッシュに所在している目標物の数量(図9の目標物数量データベースの「最新」に記録されている数量)と、センサが探知した対象のメッシュに所在している最新の目標物の数量を比較する。比較した結果、前回より最新の目標物の数量が多いとき(増加した場合)、式3に示すように演算をする。
メッシュ内の目標物の数量= 前回目標物の数量 (式3)
+増加した数量
+増加した数量×(1−(探知率/100))
【0053】
すなわち、実際にそのメッシュ内に所在していても、探知率が低いために探知できなかったと推測される目標物の数量(増加した数量×(1−(探知率/100)))を加味して、メッシュ内の目標物の数量を求める。
【0054】
また、前回更新された対象のメッシュに所在した目標物の数量から、センサが探知した対象のメッシュに所在している最新の目標物の数量が減少した場合、式4に示すように演算をする。
メッシュ内の目標物の数量= 前回目標物の数量 (式4)
−減少した数量
+減少した数量×(1−(探知率/100))
【0055】
すなわち、実際にそのメッシュ内に所在していても、探知率が低いために探知できなかったと推測される目標物の数量(減少した数量×(1−探知率/100))を加味し、メッシュ内の目標物の数量を求める。
【0056】
図10は、探知率を用いた目標物の数量の管理処理の一実施例を示すフロー図である。
ステップS101では、目標数算出部33が目標物管理装置1の受信部3からセンサによって探知した探知情報を取得する。図2の場合であれば、目標物管理装置1の目標数算出部33は、受信部3を介してセンサ203〜208が探知した最新の探知情報を取得する。
【0057】
ステップS102では、目標数算出部33が探知情報を参照して、探知した目標物をメッシュごとに関連付ける。
ステップS103で目標数算出部33は、前回更新した数量と探知した対象のメッシュに所在している最新の目標物の数量を比較する。比較の結果、前回より目標物の数量が減少したかを判定する。判定の結果、目標物の数量が増加または同数のときはステップS104(No)に移行し、目標物の数量が減少したときはステップS105(Yes)に移行する。
【0058】
ステップS104では、目標数算出部33が式3に従いメッシュ内の目標物の数量を求める。探知率は、探知率データベースから対象のメッシュに関連付けられた「探知率」のデータを取得する。
【0059】
ステップS105では、目標数算出部33が式4に従いメッシュ内の目標物の数量を求める。探知率の取得はステップS104と同様。
ステップS106では、目標数算出部33が目標物の数量を更新する。例えば、目標物数量データベースの「メッシュID」に関連する「目標物の数量」のデータを更新する。図9の場合であれば、矢印で示した前回更新した(←最新)のデータを更新する。更新前に(←最新)に記憶されていた内容は(←前回)に上書き更新する。なお、目標物数量データベースに履歴を記録してもよい。
【0060】
なお、ステップS102にて探知した目標物が関連付けられたメッシュと、そのセンサによる探知率が一定値以上のメッシュに対して、ステップS103〜S106の処理を行う。また、ステップS106まで終了した後、センサ203〜208のうちのいずれから新しい探知情報を受信した場合は、ステップS101に移行する。
【0061】
偽探知率を使用した目標物の数量の管理を示す。
目標数算出部33は、目標物数量データベースの「探知日時」を参照して、前回更新された対象のメッシュに所在している目標物の数量(図9の目標物数量データベースの「最新」に記録されている数量)と、センサが探知した対象のメッシュに所在している最新の目標物の数量を比較する。比較した結果、前回より最新の目標物の数量が多いとき(増加した場合)、式5に示すように演算をする。
メッシュ内の目標物の数量= 前回目標物の数量 (式5)
+増加した数量
−増加した数量×(偽探知率/100)
【0062】
すなわち、増加した数量から、偽目標物と推測される数量(増加した数量×(偽探知率/100))を減算することにより、偽目標物について加味したメッシュ内の目標物の数量を求めることができる。
【0063】
また、前回更新された対象のメッシュに所在した目標物の数量から、センサが探知した対象のメッシュに所在している最新の目標物の数量が減少した場合、式6に示すように演算をする。
メッシュ内の目標物の数量= 前回目標物の数量 (式6)
−減少した数量
+減少した数量×(偽探知率/100)
【0064】
すなわち、減少した数量から、偽目標物と推測される数量(減少した数量×(偽探知率/100))を減算することにより、偽目標物について加味したメッシュ内の目標物の数量を求めることができる。
【0065】
図11は、偽探知率を用いた目標物の数量の管理処理の一実施例を示すフロー図である。
ステップS111、S112では、ステップS101、S102と同様の処理を行う。
【0066】
ステップS113で目標数算出部33は、前回更新した数量と探知した対象のメッシュに所在している最新の目標物の数量を比較する。比較の結果、前回より目標物の数量が減少したかを判定する。判定の結果、目標物の数量が増加または同数のときはステップS114(No)に移行し、目標物の数量が減少したときはステップS115(Yes)に移行する。
【0067】
ステップS114では、目標数算出部33が式5に従いメッシュ内の目標物の数量を求める。偽探知率は、偽探知率データベースから対象のメッシュに関連付けられた「偽探知率」のデータを取得する。
【0068】
ステップS115では、目標数算出部33が式6に従いメッシュ内の目標物の数量を求める。偽探知率の取得はステップS114と同様。
ステップS116では、目標数算出部33が目標物の数量を更新する。例えば、目標物数量データベースの「メッシュID」に関連する「目標物の数量」のデータを更新する。図9の場合は矢印で示した前回更新した(←最新)のデータを更新する。更新前に(←最新)に記憶されていた内容は(←前回)に上書き更新する。なお、目標物数量データベースに履歴を記録してもよい。
【0069】
なお、ステップS112にて探知した目標物が関連付けられたメッシュと、そのセンサによる探知率が一定値以上のメッシュに対して、ステップS113〜S116の処理を行ってもよい。また、ステップS116まで終了した後、センサ203〜208のうちのいずれから新しい探知情報を受信した場合は、ステップS111に移行する。
【0070】
探知率と偽探知率を使用した目標物の数量の管理を示す。
目標数算出部33は、目標物数量データベースの「探知日時」を参照して、前回更新された対象のメッシュに所在している目標物の数量(図9の目標物数量データベースの「最新」に記録されている数量)と、センサが探知した対象のメッシュに所在している最新の目標物の数量を比較する。比較した結果、前回より最新の目標物の数量が多いとき(増加した場合)、式7に示すように演算をする。
メッシュ内の目標物の数量= 前回目標物の数量 (式7)
+増加した数量
+増加した数量×(1−(探知率/100))
−増加した数量×(偽探知率/100)
【0071】
すなわち、増加した数量と、探知率が低いために探知できなかったと推測される目標物の数量(増加した数量×(1−探知率/100))を加算し、さらに偽目標物と推測される数量(増加した数量×(偽探知率/100))を減算する。その結果、探知率と偽探知率について加味したメッシュ内の目標物の数量を求めることができる。
【0072】
また、前回更新された対象のメッシュに所在した目標物の数量から、センサが探知した対象のメッシュに所在している最新の目標物の数量が減少した場合、式8に示すように演算をする。
メッシュ内の目標物の数量= 前回目標物の数量 (式8)
−減少した数量
+減少した数量×(1−(探知率/100))
−減少した数量×(偽探知率/100)
【0073】
すなわち、減少した数量から、探知率が低いために探知できなかったと推測される目標物の数量(減少した数量×(1−探知率/100))と、偽目標物と推測される数量(減少した数量×(偽探知率/100))を減算する。その結果、探知率と偽探知率について加味したメッシュ内の目標物の数量を求めることができる。
【0074】
図12は、探知率と偽探知率を用いた目標物の数量の管理処理の一実施例を示すフロー図である。
ステップS121、S122では、では、ステップS101、S102と同様の処理を行う。
【0075】
ステップS123で目標数算出部33は、前回更新した数量と探知した対象のメッシュに所在している最新の目標物の数量を比較する。比較の結果、前回より目標物の数量が減少したかを判定する。判定の結果、目標物の数量が増加または同数のときはステップS124(No)に移行し、目標物の数量が減少したときはステップS125(Yes)に移行する。
【0076】
ステップS124では、目標数算出部33が式7に従いメッシュ内の目標物の数量を求める。
ステップS125では、目標数算出部33が式8に従いメッシュ内の目標物の数量を求める。
【0077】
ステップS126では、目標数算出部33が目標物の数量を更新する。例えば、目標物数量データベースの「メッシュID」に関連する「目標物の数量」のデータを更新する。図9の場合は矢印で示した前回更新した(←最新)のデータを更新する。更新前に(←最新)に記憶されていた内容は(←前回)に上書き更新する。なお、目標物数量データベースに履歴を記録してもよい。
【0078】
なお、ステップS122にて探知した目標物が関連付けられたメッシュと、そのセンサによる探知率が一定値以上のメッシュに対して、ステップS123〜S126の処理を行ってもよい。また、ステップS126まで終了した後、センサ203〜208のうちのいずれから新しい探知情報を受信した場合は、ステップS121に移行する。
【0079】
探知率と偽探知率を使用した目標物の数量の管理を示す。
目標数算出部33は、目標物数量データベースの「探知日時」を参照して、前回更新された対象のメッシュに所在している目標物の数量(図9の目標物数量データベースの「最新」に記録されている数量)と、センサが探知した対象のメッシュに所在している最新の目標物の数量を比較する。比較した結果、前回より最新の目標物の数量が多いとき(増加した場合)、式9に示すように演算をする。
メッシュ内の目標物の数量= 前回目標物の数量 (式9)
+増加した数量
−増加した数量×(偽探知率/100)
【0080】
すなわち、増加した数量から、偽目標物と推測される数量(増加した数量×(偽探知率/100))を減算することにより、偽探知率について加味したメッシュ内の目標物の数量を求めることができる。
【0081】
また、前回更新された対象のメッシュに所在した目標物の数量から、センサが探知した対象のメッシュに所在している最新の目標物の数量が減少した場合、式10に示すように演算をする。
メッシュ内の目標物の数量= 前回目標物の数量 (式10)
−減少した数量
+減少した数量×(1−(探知率/100))
【0082】
すなわち、減少した数量に、探知率が低いために探知できなかったと推測される目標物の数量(減少した数量×(1−探知率/100))を加算することにより、探知率を加味したメッシュ内の目標物の数量を求めることができる。
【0083】
図13は、探知率と偽探知率を用いた目標物の数量の管理処理の一実施例を示すフロー図である。
ステップS131、S132では、では、ステップS101、S102と同様の処理を行う。
【0084】
ステップS133で目標数算出部33は、前回更新した数量と探知した対象のメッシュに所在している最新の目標物の数量を比較する。比較の結果、前回より目標物の数量が減少したかを判定する。判定の結果、目標物の数量が増加または同数のときはステップS134(No)に移行し、目標物の数量が減少したときはステップS135(Yes)に移行する。
【0085】
ステップS134では、目標数算出部33が式9に従いメッシュ内の目標物の数量を求める
ステップS135では、目標数算出部33が式10に従いメッシュ内の目標物の数量を求める。
【0086】
ステップS136では、目標数算出部33が目標物の数量を更新する。例えば、目標物数量データベースの「メッシュID」に関連する「目標物の数量」のデータを更新する。図9の場合は矢印で示した前回更新した(←最新)のデータを更新する。更新前に(←最新)に記憶されていた内容は(←前回)に上書き更新する。なお、目標物数量データベースに履歴を記録してもよい。
【0087】
なお、ステップS132にて探知した目標物が関連付けられたメッシュと、そのセンサによる探知率が一定値以上のメッシュに対して、ステップS133〜S136の処理を行ってもよい。また、ステップS136まで終了した後、センサ203〜208のうちのいずれから新しい探知情報を受信した場合は、ステップS131に移行する。
【0088】
本実施形態によれば、目標物それぞれに対して追尾処理をして管理するのではなく、メッシュごとに目標物の数量を管理することにより、センサ個々の探知の特性を含めてメッシュごとの目標物の数量管理が可能になる。
【0089】
また、広域な範囲を監視するセンサによる目標物の所在のしないことを示す否定情報を取得した場合に、メッシュごとに目標物の数量を管理しているため該否定情報を反映した目標物の数量管理が可能になる。広域な範囲は、例えば図2における覆域216などである。
【0090】
メッシュごとに探知率と偽探知率を加味して目標物の数量を求めているため、探知日時の古い目標物や偽目標物の影響を削減できるため、目標物の情報の鮮度管理が可能となる。
メッシュごとに探知率を定義することにより、その地域の特性(地形、センサからの見通し可否等)を反映した目標物の数量管理が可能になる。
【0091】
メッシュに、センサごとの探知率を設定することにより、使用するセンサの特性とメッシュとセンサの距離に応じた目標物の数量管理が可能になる。
メッシュに偽探知率を設定することにより、林の揺らぎや川の流れ等で誤って偽目標物を検出してしまうことによる目標物の数量管理の誤りを軽減できる。
【0092】
(実施態様2)
実施態様2では、周辺メッシュの目標物の数量の増減を参照して目標物の数量を管理する。前回更新した対象のメッシュに所在した目標物の数量より(図9の目標物数量データベースの「最新」に記録されている数量)、センサが探知した対象のメッシュに所在する最新の目標物の数量が減少したか否かを判定する。減少した場合、対象のメッシュに隣接するメッシュの目標物の数量の総和が前回から増加していないかを判定する。増加していない場合は、該メッシュの目標物の数量を減算しない。また、前回更新した対象のメッシュに所在した目標物の数量より、センサが探知した対象のメッシュに所在する最新の目標物の数量が増加したか否かを判定する。増加した場合、該メッシュに隣接するメッシュの目標物の数量の総和が前回から減少していないかを判定する。減少していない場合は、該メッシュの目標物の数量を加算しない。
【0093】
図14は、実施態様2における目標物の数量の管理処理の一実施例を示すフロー図である。
ステップS141では、目標数算出部33が目標物管理装置1の受信部3からセンサによって探知した探知情報を取得する。図2の場合であれば、目標物管理装置1の目標数算出部33は、受信部3を介してセンサ203〜208が探知した最新の探知情報を取得する。
【0094】
ステップS142では、目標数算出部33が探知情報を参照して、探知した目標物をメッシュごとに関連付ける。
ステップS143で目標数算出部33は、前回更新した数量と探知した対象のメッシュに所在している最新の目標物の数量を比較する。比較の結果、前回より目標物の数量が減少したかを判定する。判定の結果、目標物の数量が増加または同数のときはステップS144(No)に移行し、目標物の数量が減少したときはステップS145(Yes)に移行する。
【0095】
ステップS144では、目標数算出部33が隣接メッシュの目標物の数量の総和が前回から減少したかを判定する。減少したときはステップS146(Yes)に移行し、目標物の数量が増加したときはステップS147(No)に移行する。
【0096】
ステップS145では、目標数算出部33が隣接メッシュの目標物の数量の総和が前回から増加したかを判定する。増加したときはステップS148(Yes)に移行し、目標物の数量が減少したときはステップS147(No)に移行する。
【0097】
ステップS146で目標数算出部33は目標物の数量を増加させる。実施態様1で説明したステップS104、S114、S124、S134の処理のうちのいずれか一つの処理を行う。
【0098】
ステップS147では、対象のメッシュの目標物の数量は変更しない。
ステップS148で目標数算出部33は目標物の数量を減少させる。実施態様1で説明したステップS105、S115、S125、S135の処理のうちのいずれか一つの処理を行う。
【0099】
ステップS149では、目標数算出部33が目標物の数量を更新する。例えば、目標物数量データベースの「メッシュID」に関連する「目標物の数量」のデータを更新する。図9の場合は矢印で示した前回更新した(←最新)のデータを更新する。更新前に(←最新)に記憶されていた内容は(←前回)に上書き更新する。なお、目標物数量データベースに履歴を記録してもよい。
【0100】
なお、ステップS142にて探知した目標物が関連付けられたメッシュと、そのセンサによる探知率が一定値以上のメッシュに対して、ステップS143〜S149の処理を行ってもよい。また、ステップS149まで終了した後、センサ203〜208のうちのいずれから新しい探知情報を受信した場合は、ステップS141に移行する。
【0101】
上記方法により、隣接メッシュの目標物の数量の増加を参照して、対象のメッシュの目標物の数量の減算を行うことで、センサの性能(分解能など)や目標物の停止による目標物の数量の管理の誤りを軽減できる。
【0102】
(実施態様3)
実施態様3では、時間経過におけるメッシュの目標物の数量の推移を用いて、メッシュ間の目標物の移動を示す移動ベクトルを求める。
【0103】
移動ベクトルの算出方法について図15を用いて説明する。
図15は、実施態様3の移動ベクトルの算出の一実施例を示すフロー図である。ステップS151では、図3に示す移動ベクトル算出部34が隣接するメッシュのグループのグループ位置(例えば、重心など)を求める。移動ベクトル算出部34は、目標物が関連付けられているメッシュを抽出し、抽出したメッシュと隣接しているメッシュがある場合には対象のメッシュと隣接するメッシュをグループにする。例えば、移動ベクトル算出部34は、目標物数量データベースを参照して、「目標物の数量」に1以上の数量があるメッシュを抽出する。次に、抽出したメッシュごとに隣接しているメッシュを抽出して、グループを生成する。なお、隣接するメッシュが無い抽出したメッシュは、該メッシュをひとつのグループに設定する。そして、後述する方法などによりグループの重心を求める。
【0104】
ステップS152で移動ベクトル算出部34は、前回と最新の隣接するメッシュのグループの重心(グループ位置)を関連付ける。グループの関連付けは、最新の重心の位置と前回の重心各々の位置との距離を求める。距離が近い順に前回のグループから順に、最新のグループの数量と対象の前回のグループとの差を求める。その結果が閾値以内であれば、前回と最新のグループを関連付けられる。
【0105】
ステップS153では移動ベクトル算出部34が、関連付けられたグループであるか否かを判定して、関連付けられているグループである場合はステップS154(Yes)に移行し、異なる場合はステップS155(No)に移行する。
【0106】
ステップS154で移動ベクトル算出部34は、前回のグループの重心の位置(グループ位置)と最新のグループの重心の位置(グループ位置)を結ぶ線分を求めて、移動ベクトルとしてグループデータベースに記録する。
【0107】
ステップS155で移動ベクトル算出部34は、関連付けられなかった最新のグループを、新しいグループとしてグループデータベースに、後述するグループID、最新の重心、更新日時、メッシュIDを記録する。
【0108】
ステップS156で移動ベクトル算出部34は、グループデータベースのグループすべてについて処理が終了したかを判定して、終了していればステップS157(Yes)に移行し、終了していなければステップS153(No)に移行する。
【0109】
ステップS157では、移動ベクトル算出部34が出力装置に図18、図19、図20に示すような表示をするためのデータを出力する。図18、図19、図20において「×」は今回算出した最新のグループ位置を示し、「○」は前回算出したグループ位置を示している。「→」は移動ベクトルを示している。
【0110】
図16、図17は、グループデータベースのデータ構造の一実施例を示す図である。また、図16は、図18と図19に示されている監視対象範囲200の状況をグループデータベースに記録した例を示している。図17は、図19と図20に示されている監視対象範囲200の状況をグループデータベースに記録した例を示している。なお、グループデータベースは記録部6に記録されている。
【0111】
図16のグループデータベースは、「グループID」「最新の重心」「前回の重心」「移動ベクトル」「更新日時」「メッシュID」を有している。「グループID」には、グループを識別する識別子が記録されている。本例では、図17に対応する「G1」「G2」「G3」「G4」「G5」「G6」「G7」が記録されている。「最新の重心」には、最新のセンサからの情報により生成した後述する隣接メッシュのグループの重心(グループ位置)が記録されている。本例では、「重心1」〜「重心5」が記録されている。「前回の重心」には、前回の隣接メッシュの重心(グループ位置)が記録されている。「移動ベクトル」には、前回と最新の重心を結んだ線分を示す「ベクトル1」「ベクトル41」「ベクトル51」が記録されている。図19の「→」に相当する。「更新日時」には、最後に目標物を探知した日時が記録されている。本例では、「2009/12/30/11:10」「2009/12/30/11:05」・・・がグループ「G1」〜「G7」に関連付けて記録されている。「メッシュID」にはグループに含まれるメッシュの識別子が記録されている。本例では、「G1」に関連付けて「MID222」「MID244」、「G2」に関連付けて「MID180」、「G3」に関連付けて「MID226」が記録されている。また、「G4」に関連付けて「MID253」「MID254」、「G5」に関連付けて「MID196」「MID197」が記録されている。また、「G6」に関連付けて「MID162」、「G7」に関連付けて「MID258」が記録されている。図17のグループデータベースは、図19の状態から図20の状態に遷移したときのグループデータベースである。
【0112】
グループの重心位置(グループ位置)の算出について図21を用いて説明をする。
図21に例ではメッシュの代表位置としてメッシュの中心位置(座標)を用いた場合について説明する。例えば、記録部6の目標物数量データベースを参照して、図21に示す4つの正方形状のメッシュのそれぞれの目標物の数量を取得する。その結果、それぞれのメッシュの目標物の数量が5、3、1、2であると考える。また、各メッシュの一辺の長さをLと設定する(本例では、4)。目標物の数量が5のメッシュの中心座標を(x1,y1)と設定する。目標物の数量が3のメッシュの中心座標を(x2,y1)と設定する。目標物の数量が1のメッシュの中心座標を(x1,y2)と設定する。目標物の数量が2のメッシュの中心座標を(x2,y2)と設定する。このグループの原点座標を目標物の数量が5のメッシュの座標(0,0)とする。次に、メッシュごとの数量と中心座標のX座標の値と積算する。図21の例では、X1は2、X2は6、Y1は2、Y2は6であるので、5×X1=10、3×X2=18、1×X1=2、2×X2=12となる。また、メッシュごとの数量と中心座標のY座標の値を積算する。図21の例では、Y1は2、Y2は6、Y1は2、Y2は6であるので、5×Y1=10、3×Y1=6、1×Y2=6、2×Y2=12となる。
【0113】
次に、X座標側の合計10+18+2+12=42と、Y座標側の合計10+6+6+12=34を求める。そして、X座標の合計値42とY座標の合計値34をグループの目標物の数量の合計値5+3+1+2=11で除算する。その結果、グループの位置を示すグループ位置のX座標(X42/11≒3.8)が求まる。また、グループ位置のY座標(34/11≒3.0)が求まる。つまり、図21に示すグループのグループ位置は(3.8,3.0)の位置となる。このグループ位置を、グループデータベースの「最新の重心」(最新のグループ位置)に記録する。本例では、正方形状のメッシュを用いたが限定されるものではない。また、グループ位置の算出についても、グループ位置を求めることができる方法であれば上記に限定されるものではない。なお、図21に示すグループの座標は、地図データの緯度、経度と関連付けられていることが好ましい。また、本例では代表位置としてメッシュの中心位置(座標)を用いたが、例えばメッシュの四隅の角の点などを用いてもよい。
【0114】
上記のように、時間経過ごとにグループの各メッシュの目標物の数量の推移からグループの移動ベクトルを算出することで、目標物のグループの移動方向を推測することが可能となる。
【0115】
さらに、最新と前回のグループの重心を関連付けられるグループであるか否かの判定について説明する。図22のAに示すように日時t0のときグループGnの合計数量が12であり、日時t1ときグループKnの合計数量が13であるとき、範囲を3に設定していれば同一のGnとKnは関連付けられるグループと判定してもよい。
【0116】
また、図22のBに示すように、グループGnと他のグループGmが接触した場合(点221)、は異なるグループとして記録することが望ましい。ただし、破線222で示したように接触した場合にはグループをマージして、同じグループとして管理することが望ましい。
なお、移動ベクトルを種別(人、車両など)ごとに管理してもよい。
【0117】
本実施形態がコンピュータとして実現される場合の構成について説明する。
図23は、上記実施形態1、2、3で説明した装置を実現できるコンピュータのハードウェア構成の一実施例を示す図である。
【0118】
コンピュータのハードウェア2300は、CPU2301、記録部2302、記録媒体読取装置2303、入出力インタフェース2304(入出力I/F)、通信インタフェース2305(通信I/F)などを備えている。また、上記各構成部はバス2306によってそれぞれ接続されている。
【0119】
CPU2301は、記録部2302に格納されている上記説明した目標物管理装置1の各処理を実行する。
記録部2302(ROM、RAM、ハードディスクドライブなど)には、CPU2301が実行するプログラムやデータが記録されている。また、ワークエリアなどとして使用される。また、記録部2302は上記説明した記録部6の機能を有する。
【0120】
記録媒体読取装置2303は、CPU2301の制御にしたがって記録媒体2307に対するデータのリード/ライトを制御する。そして、記録媒体2307に記録媒体読取装置2303の制御で書き込まれたデータを記憶させたり、記録媒体2307に記憶されたデータを読み取らせたりする。また、着脱可能な記録媒体2307は、コンピュータで読み取り可能な記録媒体として、磁気記録装置、光ディスク、光磁気記録媒体、半導体メモリなどがある。磁気記録装置には、ハードディスク装置(HDD)などがある。光ディスクには、Digital Versatile Disc (DVD)、DVD−RAM、Compact Disc Read Only Memory (CD−ROM)、CD−R(Recordable)/RW(ReWritable)などがある。光磁気記録媒体には、Magneto-Optical disk (MO)などがある。
【0121】
入出力インタフェース2304には、入出力装置2308(例えば、タッチパネルなど)が接続され、ユーザが入力した情報を受信し、バス2306を介してCPU2301に送信する。また、CPU2301からの命令に従ってディスプレイの画面上に操作情報などを表示する。
【0122】
通信インタフェース2305は、必要に応じ、他のコンピュータとの間のLAN接続やインターネット接続や無線接続を行うためのインタフェースである。また、他の装置に接続され、外部装置からのデータの入出力を制御する。
【0123】
このようなハードウェア構成を有するコンピュータを用いることによって、上記説明した各種処理機能(実施形態で説明した処理(フローチャートなど))が実現される。その場合システムが有すべき機能の処理内容を記述したプログラムが提供される。そのプログラムをコンピュータで実行することにより、上記処理機能がコンピュータ上で実現される。処理内容を記述したプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体2307に記録しておくことができる。
【0124】
プログラムを流通させる場合には、例えば、そのプログラムが記録されたDVD、CD−ROMなどの記録媒体2307が販売される。また、プログラムをサーバコンピュータの記憶装置に格納しておき、ネットワークを介して、サーバコンピュータから他のコンピュータにそのプログラムを転送することもできる。
【0125】
プログラムを実行するコンピュータは、例えば、記録媒体2307に記録されたプログラムもしくはサーバコンピュータから転送されたプログラムを、自己の記録部2302に格納する。そして、コンピュータは、自己の記録部2302からプログラムを読み取り、プログラムに従った処理を実行する。なお、コンピュータは、記録媒体2307から直接プログラムを読み取り、そのプログラムに従った処理を実行することもできる。また、コンピュータは、サーバコンピュータからプログラムが転送されるごとに、逐次、受け取ったプログラムに従った処理を実行することもできる。
【0126】
また、目標物管理装置の機能を、ドップラレーダ装置本体や、複数のレーダ装置を使用して目標物を検出するシステムにおいて、検出した目標物の整理統合を行う装置やアプリケーションに搭載して使用する。
【0127】
また、本発明は、上記実施の形態に限定されるものでなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変更が可能である。なお、各実施形態は処理に矛盾の無い限りにおいて、互いに組み合わせても構わない。
【0128】
以上実施形態1、2、3を含む実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
(付記1)
監視対象範囲を監視する1つ以上のセンサにより探知される探知情報を用いて目標物を管理する目標物管理装置であって、
前記監視対象範囲を複数の分割範囲に分割した分割範囲ごとに、前記センサごとに計測により目標物を探知することができる確率を示す探知率を求める探知率算出部と、
対象の分割範囲に所在する目標物の前回更新した数量に対する最新の数量の増加した数量あるいは減少した数量を求め、増加した場合、前記探知率を用いて前記増加した数量を変更して、変更した数量と前回更新した目標物の数量を用いて、前記対象の分割範囲に所在する目標物の数量を求める増加処理をし、減少した場合に、前記探知率を用いて減少した数量を変更して、変更した数量と前回更新した目標物の数量を用いて、前記対象の分割範囲に所在する目標物の数量を求める減算処理をして、前記対象の分割範囲の目標物の数量を更新する目標数算出部と、
を備えることを特徴とする目標物管理装置。
(付記2)
監視対象範囲を監視する1つ以上のセンサにより探知される探知情報を用いて目標物を管理する目標物管理装置であって、
前記監視対象範囲を複数の分割範囲に分割した分割範囲ごとに、前記センサごとに計測により目標物を探知することができる確率を示す探知率を求める探知率算出部と、
前記分割範囲ごとに前記センサそれぞれが偽目標物を探知してしまう確率を示す偽探知率を求める偽探知率算出部と、
対象の分割範囲に所在する目標物の前回更新した数量に対する最新の数量の増加した数量あるいは減少した数量を求め、増加した場合、前記探知率および前記偽探知率を用いて前記増加した数量を変更して、変更した数量と前回更新した目標物の数量を用いて、前記対象の分割範囲に所在する目標物の数量を求める増加処理をし、減少した場合に、前記探知率および前記偽探知率を用いて減少した数量を変更して、変更した数量と前回更新した目標物の数量を用いて、前記対象の分割範囲に所在する目標物の数量を求める減算処理をして、前記対象の分割範囲の目標物の数量を更新する目標数算出部と、
を備えることを特徴とする目標物管理装置。
(付記3)
監視対象範囲を監視する1つ以上のセンサにより探知される探知情報を用いて目標物を管理する目標物管理装置であって、
前記監視対象範囲を複数の分割範囲に分割した分割範囲ごとに、前記センサそれぞれの予め記録されている目標物を探知する確率を示す情報と、前記分割範囲の標高を示す情報を基に前記センサから見通せるメッシュを検出した結果とを用いて、前記分割範囲において目標物を探知することができる確率を示す探知率を求める探知率算出部と、
対象の分割範囲に所在する目標物の前回更新した数量に対する最新の数量の増加した数量あるいは減少した数量を求め、増加した場合、前記探知率を用いて前記増加した数量を変更して、変更した数量と前回更新した目標物の数量を用いて、前記対象の分割範囲に所在する目標物の数量を求める増加処理をし、減少した場合に、前記探知率を用いて減少した数量を変更して、変更した数量と前回更新した目標物の数量を用いて、前記対象の分割範囲に所在する目標物の数量を求める減算処理をして、前記対象の分割範囲の目標物の数量を更新する目標数算出部と、
を備えることを特徴とする目標物管理装置。
(付記4)
監視対象範囲を監視する1つ以上のセンサにより探知される探知情報を用いて目標物を管理する目標物管理装置であって、
前記監視対象範囲を複数の分割範囲に分割した分割範囲ごとに、前記センサそれぞれの予め記録されている目標物を探知する確率を示す情報と、前記分割範囲の標高を示す情報を基に前記センサから見通せるメッシュを検出した結果とを用いて、前記分割範囲において目標物を探知することができる確率を示す探知率を求める探知率算出部と、
前記分割範囲ごとに前記センサそれぞれが偽目標物を探知してしまう確率を示す偽探知率を求める偽探知率算出部と、
対象の分割範囲に所在する目標物の前回更新した数量に対する最新の数量の増加した数量あるいは減少した数量を求め、増加した場合、前記探知率および前記偽探知率を用いて前記増加した数量を変更して、変更した数量と前回更新した目標物の数量を用いて、前記対象の分割範囲に所在する目標物の数量を求める増加処理をし、減少した場合に、前記探知率および前記偽探知率を用いて減少した数量を変更して、変更した数量と前回更新した目標物の数量を用いて、前記対象の分割範囲に所在する目標物の数量を求める減算処理をして、前記対象の分割範囲の目標物の数量を更新する目標数算出部と、
を備えることを特徴とする目標物管理装置。
(付記5)
前記目標数算出部は、
前記対象の分割範囲に所在する目標物の前回更新した数量が最新の数量より前記増加した場合、前記対象の分割範囲に隣接する分割範囲の目標物の最新の数量の総和が前回更新した数量の総和より数量が減少したか判定し、減少しているとき前記増加処理をし、
前記対象の分割範囲に所在する目標物の前回変更した数量が最新の数量より前記減少した場合、前記対象の分割範囲に隣接する分割範囲の目標物の最新の数量の総和が前回変更した数量の総和より数量が増加したか判定し、増加しているとき前記減算処理を行う、ことを特徴とする付記1〜4のいずれか1つに記載の目標物管理装置。
(付記6)
1つ以上の前記分割範囲を有するグループの、前記分割範囲ごとに所在する目標物の数量と前記分割範囲の代表位置を用いて前記グループの代表となるグループ位置を求め、前記グループの前回算出したグループ位置と最新の算出したグループ位置を結ぶベクトルを求めて、前記グループの移動方向を示す移動ベクトルとする移動ベクトル算出部、を備えることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の目標物管理装置。
(付記7)
監視対象範囲を監視する1つ以上のセンサにより探知される探知情報を用いて目標物を管理する目標物管理方法であって、
コンピュータが、
前記監視対象範囲を複数の分割範囲に分割した分割範囲ごとに、前記センサごとに計測により目標物を探知することができる確率を示す探知率を求めて記録部に記録し、
対象の分割範囲に所在する目標物の前回更新した数量に対する最新の数量の増加した数量あるいは減少した数量を求め、
増加した場合、前記探知率を用いて前記増加した数量を変更して、変更した数量と前回更新した目標物の数量を用いて、前記対象の分割範囲に所在する目標物の数量を求める増加処理をし、
減少した場合、前記探知率を用いて減少した数量を変更して、変更した数量と前回更新した目標物の数量を用いて、前記対象の分割範囲に所在する目標物の数量を求める減算処理をし、
増加処理あるいは減算処理の結果である目標物の数量を、前記対象の分割範囲の目標物の数量として前記記録部に記録する、
ことを特徴とする目標物管理方法。
(付記8)
監視対象範囲を監視する1つ以上のセンサにより探知される探知情報を用いて目標物を管理する目標物管理方法であって、
コンピュータが、
前記監視対象範囲を複数の分割範囲に分割した分割範囲ごとに、前記センサごとに計測により目標物を探知することができる確率を示す探知率を求めて記録部に記録し、
前記分割範囲ごとに前記センサそれぞれが偽目標物を探知してしまう確率を示す偽探知率求を求めて前記記録部に記録し、
対象の分割範囲に所在する目標物の前回更新した数量に対する最新の数量の増加した数量あるいは減少した数量を求め、
増加した場合、前記探知率および前記偽探知率を用いて前記増加した数量を変更して、変更した数量と前回更新した目標物の数量を用いて、前記対象の分割範囲に所在する目標物の数量を求める増加処理をし、
減少した場合、前記探知率および前記偽探知率を用いて減少した数量を変更して、変更した数量と前回更新した目標物の数量を用いて、前記対象の分割範囲に所在する目標物の数量を求める減算処理をし、
増加処理あるいは減算処理の結果である目標物の数量を、前記対象の分割範囲の目標物の数量として前記記録部に記録する、
ことを特徴とする目標物管理方法。
(付記9)
監視対象範囲を監視する1つ以上のセンサにより探知される探知情報を用いて目標物を管理する目標物管理方法であって、
コンピュータが、
前記監視対象範囲を複数の分割範囲に分割した分割範囲ごとに、前記センサそれぞれの予め記録されている目標物を探知する確率を示す情報と、前記分割範囲の標高を示す情報を基に前記センサから見通せるメッシュを検出した結果とを用いて、前記分割範囲において目標物を探知することができる確率を示す探知率を求めて記録部に記録し、
対象の分割範囲に所在する目標物の前回更新した数量に対する最新の数量の増加した数量あるいは減少した数量を求め、
増加した場合、前記探知率を用いて前記増加した数量を変更して、変更した数量と前回更新した目標物の数量を用いて、前記対象の分割範囲に所在する目標物の数量を求める増加処理をし、
減少した場合、前記探知率を用いて減少した数量を変更して、変更した数量と前回更新した目標物の数量を用いて、前記対象の分割範囲に所在する目標物の数量を求める減算処理をし、
増加処理あるいは減算処理の結果である目標物の数量を、前記対象の分割範囲の目標物の数量として前記記録部に記録する、
ことを特徴とする目標物管理方法。
(付記10)
監視対象範囲を監視する1つ以上のセンサにより探知される探知情報を用いて目標物を管理する目標物管理方法であって、
コンピュータが、
前記監視対象範囲を複数の分割範囲に分割した分割範囲ごとに、前記センサそれぞれの予め記録されている目標物を探知する確率を示す情報と、前記分割範囲の標高を示す情報を基に前記センサから見通せるメッシュを検出した結果とを用いて、前記分割範囲において目標物を探知することができる確率を示す探知率を求めて記録部に記録し、
前記分割範囲ごとに前記センサそれぞれが偽目標物を探知してしまう確率を示す偽探知率求を求めて前記記録部に記録し、
対象の分割範囲に所在する目標物の前回更新した数量に対する最新の数量の増加した数量あるいは減少した数量を求め、
増加した場合、前記探知率および前記偽探知率を用いて前記増加した数量を変更して、変更した数量と前回更新した目標物の数量を用いて、前記対象の分割範囲に所在する目標物の数量を求める増加処理をし、
減少した場合、前記探知率および前記偽探知率を用いて減少した数量を変更して、変更した数量と前回更新した目標物の数量を用いて、前記対象の分割範囲に所在する目標物の数量を求める減算処理をし、
増加処理あるいは減算処理の結果である目標物の数量を、前記対象の分割範囲の目標物の数量として前記記録部に記録する、
ことを特徴とする目標物管理方法。
(付記11)
コンピュータが、
前記対象の分割範囲に所在する目標物の前回更新した数量が最新の数量より前記増加した場合、前記対象の分割範囲に隣接する分割範囲の目標物の最新の数量の総和が前回更新した数量の総和より数量が減少したか判定し、減少しているとき前記増加処理をし、
前記対象の分割範囲に所在する目標物の前回更新した数量が最新の数量より前記減少した場合、前記対象の分割範囲に隣接する分割範囲の目標物の最新の数量の総和が前回更新した数量の総和より数量が増加したか判定し、増加しているとき前記減算処理を行う、
ことを特徴とする付記7〜10のいずれか1つに記載の目標物管理方法。
(付記12)
コンピュータが、
1つ以上の前記分割範囲を有するグループの、前記分割範囲ごとに所在する目標物の数量と前記分割範囲の代表位置を用いて前記グループの代表となるグループの位置を求め、前記グループの前回算出したグループの位置と今回算出したグループの位置を結ぶベクトルを求めて、前記グループの移動方向を示す移動ベクトルとする移動ベクトル算出部、を備えることを特徴とする付記7〜11のいずれか1つに記載の目標物管理方法。
(付記13)
前記増加処理により求められるメッシュ内の目標物の数量は、前回目標物の数量+増加した数量+増加した数量×(1−(探知率/100))であり、
前記減算処理により求められるメッシュ内の目標物の数量は、前回目標物の数量−減少した数量+減少した数量×(1−(探知率/100))であることを特徴とする、付記1〜6のいずれか1つに記載の目標物管理装置。
(付記14)
前記増加処理により求められるメッシュ内の目標物の数量は、前回目標物の数量+増加した数量−増加した数量×(偽探知率/100)であり、
前記減算処理により求められるメッシュ内の目標物の数量は、前回目標物の数量−減少した数量+減少した数量×(偽探知率/100)であることを特徴とする、付記1〜6のいずれか1つに記載の目標物管理装置。
(付記15)
前記増加処理により求められるメッシュ内の目標物の数量は、前回目標物の数量+増加した数量+増加した数量×(1−(探知率/100))−増加した数量×(偽探知率/100)であり、
前記減算処理により求められるメッシュ内の目標物の数量は、前回目標物の数量−減少した数量+減少した数量×(1−(探知率/100))−減少した数量×(偽探知率/100)であることを特徴とする、付記1〜6のいずれか1つに記載の目標物管理装置。
(付記16)
前記増加処理により求められるメッシュ内の目標物の数量は、前回目標物の数量+増加した数量−増加した数量×(偽探知率/100)であり、
前記減算処理により求められるメッシュ内の目標物の数量は、前回目標物の数量−減少した数量+減少した数量×(1−(探知率/100))であることを特徴とする、付記1〜6のいずれか1つに記載の目標物管理装置。
(付記17)
前記増加処理により求められるメッシュ内の目標物の数量は、前回目標物の数量+増加した数量+増加した数量×(1−(探知率/100))であり、
前記減算処理により求められるメッシュ内の目標物の数量は、前回目標物の数量−減少した数量+減少した数量×(1−(探知率/100))であることを特徴とする、付記7〜12のいずれか1つに記載の目標物管理方法。
(付記18)
前記増加処理により求められるメッシュ内の目標物の数量は、前回目標物の数量+増加した数量−増加した数量×(偽探知率/100)であり、
前記減算処理により求められるメッシュ内の目標物の数量は、前回目標物の数量−減少した数量+減少した数量×(偽探知率/100)であることを特徴とする、付記7〜12のいずれか1つに記載の目標物管理方法。
(付記19)
前記増加処理により求められるメッシュ内の目標物の数量は、前回目標物の数量+増加した数量+増加した数量×(1−(探知率/100))−増加した数量×(偽探知率/100)であり、
前記減算処理により求められるメッシュ内の目標物の数量は、前回目標物の数量−減少した数量+減少した数量×(1−(探知率/100))−減少した数量×(偽探知率/100)であることを特徴とする、付記7〜12のいずれか1つに記載の目標物管理方法。
(付記20)
前記増加処理により求められるメッシュ内の目標物の数量は、前回目標物の数量+増加した数量−増加した数量×(偽探知率/100)であり、
前記減算処理により求められるメッシュ内の目標物の数量は、前回目標物の数量−減少した数量+減少した数量×(1−(探知率/100))であることを特徴とする、付記7〜12のいずれか1つに記載の目標物管理方法。
【符号の説明】
【0129】
1 目標物管理装置
2 センサ部
3 受信部
4 送信部
5 処理部
6 記録部
7 表示部
31 探知率算出部
32 偽探知率算出部
33 目標数算出部
34 移動ベクトル算出部
200 監視対象範囲
201 メッシュ
203〜208 センサ
209、210 山
211〜216 覆域
2300 ハードウェア
2302 記録部
2303 記録媒体読取装置
2304 入出力インタフェース
2305 通信インタフェース
2306 バス
2307 記録媒体
2308 入出力装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
監視対象範囲を監視する1つ以上のセンサにより探知される探知情報を用いて目標物を管理する目標物管理装置であって、
前記監視対象範囲を複数の分割範囲に分割した分割範囲ごとに、前記センサごとに計測により目標物を探知することができる確率を示す探知率を求める探知率算出部と、
対象の分割範囲に所在する目標物の前回更新した数量に対する最新の数量の増加した数量あるいは減少した数量を求め、増加した場合、前記探知率を用いて前記増加した数量を変更して、変更した数量と前回更新した目標物の数量を用いて、前記対象の分割範囲に所在する目標物の数量を求める増加処理をし、減少した場合に、前記探知率を用いて減少した数量を変更して、変更した数量と前回更新した目標物の数量を用いて、前記対象の分割範囲に所在する目標物の数量を求める減算処理をして、前記対象の分割範囲の目標物の数量を更新する目標数算出部と、
を備えることを特徴とする目標物管理装置。
【請求項2】
監視対象範囲を監視する1つ以上のセンサにより探知される探知情報を用いて目標物を管理する目標物管理装置であって、
前記監視対象範囲を複数の分割範囲に分割した分割範囲ごとに、前記センサごとに計測により目標物を探知することができる確率を示す探知率を求める探知率算出部と、
前記分割範囲ごとに前記センサそれぞれが偽目標物を探知してしまう確率を示す偽探知率を求める偽探知率算出部と、
対象の分割範囲に所在する目標物の前回更新した数量に対する最新の数量の増加した数量あるいは減少した数量を求め、増加した場合、前記探知率および前記偽探知率を用いて前記増加した数量を変更して、変更した数量と前回更新した目標物の数量を用いて、前記対象の分割範囲に所在する目標物の数量を求める増加処理をし、減少した場合に、前記探知率および前記偽探知率を用いて減少した数量を変更して、変更した数量と前回更新した目標物の数量を用いて、前記対象の分割範囲に所在する目標物の数量を求める減算処理をして、前記対象の分割範囲の目標物の数量を更新する目標数算出部と、
を備えることを特徴とする目標物管理装置。
【請求項3】
監視対象範囲を監視する1つ以上のセンサにより探知される探知情報を用いて目標物を管理する目標物管理装置であって、
前記監視対象範囲を複数の分割範囲に分割した分割範囲ごとに、前記センサそれぞれの予め記録されている目標物を探知する確率を示す情報と、前記分割範囲の標高を示す情報を基に前記センサから見通せるメッシュを検出した結果とを用いて、前記分割範囲において目標物を探知することができる確率を示す探知率を求める探知率算出部と、
対象の分割範囲に所在する目標物の前回更新した数量に対する最新の数量の増加した数量あるいは減少した数量を求め、増加した場合、前記探知率を用いて前記増加した数量を変更して、変更した数量と前回更新した目標物の数量を用いて、前記対象の分割範囲に所在する目標物の数量を求める増加処理をし、減少した場合に、前記探知率を用いて減少した数量を変更して、変更した数量と前回更新した目標物の数量を用いて、前記対象の分割範囲に所在する目標物の数量を求める減算処理をして、前記対象の分割範囲の目標物の数量を更新する目標数算出部と、
を備えることを特徴とする目標物管理装置。
【請求項4】
監視対象範囲を監視する1つ以上のセンサにより探知される探知情報を用いて目標物を管理する目標物管理装置であって、
前記監視対象範囲を複数の分割範囲に分割した分割範囲ごとに、前記センサそれぞれの予め記録されている目標物を探知する確率を示す情報と、前記分割範囲の標高を示す情報を基に前記センサから見通せるメッシュを検出した結果とを用いて、前記分割範囲において目標物を探知することができる確率を示す探知率を求める探知率算出部と、
前記分割範囲ごとに前記センサそれぞれが偽目標物を探知してしまう確率を示す偽探知率を求める偽探知率算出部と、
対象の分割範囲に所在する目標物の前回更新した数量に対する最新の数量の増加した数量あるいは減少した数量を求め、増加した場合、前記探知率および前記偽探知率を用いて前記増加した数量を変更して、変更した数量と前回更新した目標物の数量を用いて、前記対象の分割範囲に所在する目標物の数量を求める増加処理をし、減少した場合に、前記探知率および前記偽探知率を用いて減少した数量を変更して、変更した数量と前回更新した目標物の数量を用いて、前記対象の分割範囲に所在する目標物の数量を求める減算処理をして、前記対象の分割範囲の目標物の数量を更新する目標数算出部と、
を備えることを特徴とする目標物管理装置。
【請求項5】
前記目標数算出部は、
前記対象の分割範囲に所在する目標物の前回更新した数量が最新の数量より前記増加した場合、前記対象の分割範囲に隣接する分割範囲の目標物の最新の数量の総和が前回更新した数量の総和より数量が減少したか判定し、減少しているとき前記増加処理をし、
前記対象の分割範囲に所在する目標物の前回更新した数量が最新の数量より前記減少した場合、前記対象の分割範囲に隣接する分割範囲の目標物の最新の数量の総和が前回更新した数量の総和より数量が増加したか判定し、増加しているとき前記減算処理を行う、ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の目標物管理装置。
【請求項6】
1つ以上の前記分割範囲を有するグループの、前記分割範囲ごとに所在する目標物の数量と前記分割範囲の代表位置を用いて前記グループの代表となるグループ位置を求め、時間経過ごとに前記グループ位置の推移を検出し、前記グループの前回算出したグループ位置と今回算出したグループ位置を結ぶベクトルを求めて、前記グループの移動方向を示す移動ベクトルとする移動ベクトル算出部、を備えることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の目標物管理装置。
【請求項7】
監視対象範囲を監視する1つ以上のセンサにより探知される探知情報を用いて目標物を管理する目標物管理方法であって、
コンピュータが、
前記監視対象範囲を複数の分割範囲に分割した分割範囲ごとに、前記センサごとに計測により目標物を探知することができる確率を示す探知率を求めて記録部に記録し、
対象の分割範囲に所在する目標物の前回更新した数量に対する最新の数量の増加した数量あるいは減少した数量を求め、
増加した場合、前記探知率を用いて前記増加した数量を変更して、変更した数量と前回更新した目標物の数量を用いて、前記対象の分割範囲に所在する目標物の数量を求める増加処理をし、
減少した場合、前記探知率を用いて減少した数量を変更して、変更した数量と前回更新した目標物の数量を用いて、前記対象の分割範囲に所在する目標物の数量を求める減算処理をし、
増加処理あるいは減算処理の結果である目標物の数量を、前記対象の分割範囲の目標物の数量として前記記録部に記録する、
ことを特徴とする目標物管理方法。
【請求項8】
監視対象範囲を監視する1つ以上のセンサにより探知される探知情報を用いて目標物を管理する目標物管理方法であって、
コンピュータが、
前記監視対象範囲を複数の分割範囲に分割した分割範囲ごとに、前記センサごとに計測により目標物を探知することができる確率を示す探知率を求めて記録部に記録し、
前記分割範囲ごとに前記センサそれぞれが偽目標物を探知してしまう確率を示す偽探知率求を求めて前記記録部に記録し、
対象の分割範囲に所在する目標物の前回更新した数量に対する最新の数量の増加した数量あるいは減少した数量を求め、
増加した場合、前記探知率および前記偽探知率を用いて前記増加した数量を変更して、変更した数量と前回更新した目標物の数量を用いて、前記対象の分割範囲に所在する目標物の数量を求める増加処理をし、
減少した場合、前記探知率および前記偽探知率を用いて減少した数量を変更して、変更した数量と前回更新した目標物の数量を用いて、前記対象の分割範囲に所在する目標物の数量を求める減算処理をし、
増加処理あるいは減算処理の結果である目標物の数量を、前記対象の分割範囲の目標物の数量として前記記録部に記録する、
ことを特徴とする目標物管理方法。
【請求項9】
監視対象範囲を監視する1つ以上のセンサにより探知される探知情報を用いて目標物を管理する目標物管理方法であって、
コンピュータが、
前記監視対象範囲を複数の分割範囲に分割した分割範囲ごとに、前記センサそれぞれの予め記録されている目標物を探知する確率を示す情報と、前記分割範囲の標高を示す情報を基に前記センサから見通せるメッシュを検出した結果とを用いて、前記分割範囲において目標物を探知することができる確率を示す探知率を求めて記録部に記録し、
対象の分割範囲に所在する目標物の前回更新した数量に対する最新の数量の増加した数量あるいは減少した数量を求め、
増加した場合、前記探知率を用いて前記増加した数量を変更して、変更した数量と前回更新した目標物の数量を用いて、前記対象の分割範囲に所在する目標物の数量を求める増加処理をし、
減少した場合、前記探知率を用いて減少した数量を変更して、変更した数量と前回更新した目標物の数量を用いて、前記対象の分割範囲に所在する目標物の数量を求める減算処理をし、
増加処理あるいは減算処理の結果である目標物の数量を、前記対象の分割範囲の目標物の数量として前記記録部に記録する、
ことを特徴とする目標物管理方法。
【請求項10】
監視対象範囲を監視する1つ以上のセンサにより探知される探知情報を用いて目標物を管理する目標物管理方法であって、
コンピュータが、
前記監視対象範囲を複数の分割範囲に分割した分割範囲ごとに、前記センサそれぞれの予め記録されている目標物を探知する確率を示す情報と、前記分割範囲の標高を示す情報を基に前記センサから見通せるメッシュを検出した結果とを用いて、前記分割範囲において目標物を探知することができる確率を示す探知率を求めて記録部に記録し、
前記分割範囲ごとに前記センサそれぞれが偽目標物を探知してしまう確率を示す偽探知率求を求めて前記記録部に記録し、
対象の分割範囲に所在する目標物の前回更新した数量に対する最新の数量の増加した数量あるいは減少した数量を求め、
増加した場合、前記探知率および前記偽探知率を用いて前記増加した数量を変更して、変更した数量と前回更新した目標物の数量を用いて、前記対象の分割範囲に所在する目標物の数量を求める増加処理をし、
減少した場合、前記探知率および前記偽探知率を用いて減少した数量を変更して、変更した数量と前回更新した目標物の数量を用いて、前記対象の分割範囲に所在する目標物の数量を求める減算処理をし、
増加処理あるいは減算処理の結果である目標物の数量を、前記対象の分割範囲の目標物の数量として前記記録部に記録する、
ことを特徴とする目標物管理方法。
【請求項1】
監視対象範囲を監視する1つ以上のセンサにより探知される探知情報を用いて目標物を管理する目標物管理装置であって、
前記監視対象範囲を複数の分割範囲に分割した分割範囲ごとに、前記センサごとに計測により目標物を探知することができる確率を示す探知率を求める探知率算出部と、
対象の分割範囲に所在する目標物の前回更新した数量に対する最新の数量の増加した数量あるいは減少した数量を求め、増加した場合、前記探知率を用いて前記増加した数量を変更して、変更した数量と前回更新した目標物の数量を用いて、前記対象の分割範囲に所在する目標物の数量を求める増加処理をし、減少した場合に、前記探知率を用いて減少した数量を変更して、変更した数量と前回更新した目標物の数量を用いて、前記対象の分割範囲に所在する目標物の数量を求める減算処理をして、前記対象の分割範囲の目標物の数量を更新する目標数算出部と、
を備えることを特徴とする目標物管理装置。
【請求項2】
監視対象範囲を監視する1つ以上のセンサにより探知される探知情報を用いて目標物を管理する目標物管理装置であって、
前記監視対象範囲を複数の分割範囲に分割した分割範囲ごとに、前記センサごとに計測により目標物を探知することができる確率を示す探知率を求める探知率算出部と、
前記分割範囲ごとに前記センサそれぞれが偽目標物を探知してしまう確率を示す偽探知率を求める偽探知率算出部と、
対象の分割範囲に所在する目標物の前回更新した数量に対する最新の数量の増加した数量あるいは減少した数量を求め、増加した場合、前記探知率および前記偽探知率を用いて前記増加した数量を変更して、変更した数量と前回更新した目標物の数量を用いて、前記対象の分割範囲に所在する目標物の数量を求める増加処理をし、減少した場合に、前記探知率および前記偽探知率を用いて減少した数量を変更して、変更した数量と前回更新した目標物の数量を用いて、前記対象の分割範囲に所在する目標物の数量を求める減算処理をして、前記対象の分割範囲の目標物の数量を更新する目標数算出部と、
を備えることを特徴とする目標物管理装置。
【請求項3】
監視対象範囲を監視する1つ以上のセンサにより探知される探知情報を用いて目標物を管理する目標物管理装置であって、
前記監視対象範囲を複数の分割範囲に分割した分割範囲ごとに、前記センサそれぞれの予め記録されている目標物を探知する確率を示す情報と、前記分割範囲の標高を示す情報を基に前記センサから見通せるメッシュを検出した結果とを用いて、前記分割範囲において目標物を探知することができる確率を示す探知率を求める探知率算出部と、
対象の分割範囲に所在する目標物の前回更新した数量に対する最新の数量の増加した数量あるいは減少した数量を求め、増加した場合、前記探知率を用いて前記増加した数量を変更して、変更した数量と前回更新した目標物の数量を用いて、前記対象の分割範囲に所在する目標物の数量を求める増加処理をし、減少した場合に、前記探知率を用いて減少した数量を変更して、変更した数量と前回更新した目標物の数量を用いて、前記対象の分割範囲に所在する目標物の数量を求める減算処理をして、前記対象の分割範囲の目標物の数量を更新する目標数算出部と、
を備えることを特徴とする目標物管理装置。
【請求項4】
監視対象範囲を監視する1つ以上のセンサにより探知される探知情報を用いて目標物を管理する目標物管理装置であって、
前記監視対象範囲を複数の分割範囲に分割した分割範囲ごとに、前記センサそれぞれの予め記録されている目標物を探知する確率を示す情報と、前記分割範囲の標高を示す情報を基に前記センサから見通せるメッシュを検出した結果とを用いて、前記分割範囲において目標物を探知することができる確率を示す探知率を求める探知率算出部と、
前記分割範囲ごとに前記センサそれぞれが偽目標物を探知してしまう確率を示す偽探知率を求める偽探知率算出部と、
対象の分割範囲に所在する目標物の前回更新した数量に対する最新の数量の増加した数量あるいは減少した数量を求め、増加した場合、前記探知率および前記偽探知率を用いて前記増加した数量を変更して、変更した数量と前回更新した目標物の数量を用いて、前記対象の分割範囲に所在する目標物の数量を求める増加処理をし、減少した場合に、前記探知率および前記偽探知率を用いて減少した数量を変更して、変更した数量と前回更新した目標物の数量を用いて、前記対象の分割範囲に所在する目標物の数量を求める減算処理をして、前記対象の分割範囲の目標物の数量を更新する目標数算出部と、
を備えることを特徴とする目標物管理装置。
【請求項5】
前記目標数算出部は、
前記対象の分割範囲に所在する目標物の前回更新した数量が最新の数量より前記増加した場合、前記対象の分割範囲に隣接する分割範囲の目標物の最新の数量の総和が前回更新した数量の総和より数量が減少したか判定し、減少しているとき前記増加処理をし、
前記対象の分割範囲に所在する目標物の前回更新した数量が最新の数量より前記減少した場合、前記対象の分割範囲に隣接する分割範囲の目標物の最新の数量の総和が前回更新した数量の総和より数量が増加したか判定し、増加しているとき前記減算処理を行う、ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の目標物管理装置。
【請求項6】
1つ以上の前記分割範囲を有するグループの、前記分割範囲ごとに所在する目標物の数量と前記分割範囲の代表位置を用いて前記グループの代表となるグループ位置を求め、時間経過ごとに前記グループ位置の推移を検出し、前記グループの前回算出したグループ位置と今回算出したグループ位置を結ぶベクトルを求めて、前記グループの移動方向を示す移動ベクトルとする移動ベクトル算出部、を備えることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の目標物管理装置。
【請求項7】
監視対象範囲を監視する1つ以上のセンサにより探知される探知情報を用いて目標物を管理する目標物管理方法であって、
コンピュータが、
前記監視対象範囲を複数の分割範囲に分割した分割範囲ごとに、前記センサごとに計測により目標物を探知することができる確率を示す探知率を求めて記録部に記録し、
対象の分割範囲に所在する目標物の前回更新した数量に対する最新の数量の増加した数量あるいは減少した数量を求め、
増加した場合、前記探知率を用いて前記増加した数量を変更して、変更した数量と前回更新した目標物の数量を用いて、前記対象の分割範囲に所在する目標物の数量を求める増加処理をし、
減少した場合、前記探知率を用いて減少した数量を変更して、変更した数量と前回更新した目標物の数量を用いて、前記対象の分割範囲に所在する目標物の数量を求める減算処理をし、
増加処理あるいは減算処理の結果である目標物の数量を、前記対象の分割範囲の目標物の数量として前記記録部に記録する、
ことを特徴とする目標物管理方法。
【請求項8】
監視対象範囲を監視する1つ以上のセンサにより探知される探知情報を用いて目標物を管理する目標物管理方法であって、
コンピュータが、
前記監視対象範囲を複数の分割範囲に分割した分割範囲ごとに、前記センサごとに計測により目標物を探知することができる確率を示す探知率を求めて記録部に記録し、
前記分割範囲ごとに前記センサそれぞれが偽目標物を探知してしまう確率を示す偽探知率求を求めて前記記録部に記録し、
対象の分割範囲に所在する目標物の前回更新した数量に対する最新の数量の増加した数量あるいは減少した数量を求め、
増加した場合、前記探知率および前記偽探知率を用いて前記増加した数量を変更して、変更した数量と前回更新した目標物の数量を用いて、前記対象の分割範囲に所在する目標物の数量を求める増加処理をし、
減少した場合、前記探知率および前記偽探知率を用いて減少した数量を変更して、変更した数量と前回更新した目標物の数量を用いて、前記対象の分割範囲に所在する目標物の数量を求める減算処理をし、
増加処理あるいは減算処理の結果である目標物の数量を、前記対象の分割範囲の目標物の数量として前記記録部に記録する、
ことを特徴とする目標物管理方法。
【請求項9】
監視対象範囲を監視する1つ以上のセンサにより探知される探知情報を用いて目標物を管理する目標物管理方法であって、
コンピュータが、
前記監視対象範囲を複数の分割範囲に分割した分割範囲ごとに、前記センサそれぞれの予め記録されている目標物を探知する確率を示す情報と、前記分割範囲の標高を示す情報を基に前記センサから見通せるメッシュを検出した結果とを用いて、前記分割範囲において目標物を探知することができる確率を示す探知率を求めて記録部に記録し、
対象の分割範囲に所在する目標物の前回更新した数量に対する最新の数量の増加した数量あるいは減少した数量を求め、
増加した場合、前記探知率を用いて前記増加した数量を変更して、変更した数量と前回更新した目標物の数量を用いて、前記対象の分割範囲に所在する目標物の数量を求める増加処理をし、
減少した場合、前記探知率を用いて減少した数量を変更して、変更した数量と前回更新した目標物の数量を用いて、前記対象の分割範囲に所在する目標物の数量を求める減算処理をし、
増加処理あるいは減算処理の結果である目標物の数量を、前記対象の分割範囲の目標物の数量として前記記録部に記録する、
ことを特徴とする目標物管理方法。
【請求項10】
監視対象範囲を監視する1つ以上のセンサにより探知される探知情報を用いて目標物を管理する目標物管理方法であって、
コンピュータが、
前記監視対象範囲を複数の分割範囲に分割した分割範囲ごとに、前記センサそれぞれの予め記録されている目標物を探知する確率を示す情報と、前記分割範囲の標高を示す情報を基に前記センサから見通せるメッシュを検出した結果とを用いて、前記分割範囲において目標物を探知することができる確率を示す探知率を求めて記録部に記録し、
前記分割範囲ごとに前記センサそれぞれが偽目標物を探知してしまう確率を示す偽探知率求を求めて前記記録部に記録し、
対象の分割範囲に所在する目標物の前回更新した数量に対する最新の数量の増加した数量あるいは減少した数量を求め、
増加した場合、前記探知率および前記偽探知率を用いて前記増加した数量を変更して、変更した数量と前回更新した目標物の数量を用いて、前記対象の分割範囲に所在する目標物の数量を求める増加処理をし、
減少した場合、前記探知率および前記偽探知率を用いて減少した数量を変更して、変更した数量と前回更新した目標物の数量を用いて、前記対象の分割範囲に所在する目標物の数量を求める減算処理をし、
増加処理あるいは減算処理の結果である目標物の数量を、前記対象の分割範囲の目標物の数量として前記記録部に記録する、
ことを特徴とする目標物管理方法。
【図1】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図21】
【図22】
【図23】
【図2】
【図18】
【図19】
【図20】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図21】
【図22】
【図23】
【図2】
【図18】
【図19】
【図20】
【公開番号】特開2011−164071(P2011−164071A)
【公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−30436(P2010−30436)
【出願日】平成22年2月15日(2010.2.15)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年2月15日(2010.2.15)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]