説明

直流電源を使用する電力用DC−DCコンバータ

コンバータは、インバータ(2)および変換ユニット(UCa)を備え、変換ユニットでは変成器(3)が、可飽和インダクタ(Lsat1およびLsat2)および電力ダイオード(D1、D2)によって形成された制御整流器に電力供給する。本発明によれば、変成器(3)と結びつけられた直列リアクタンス回路(Lr)は、変成器(3)の一次巻線に印加される電圧(Ve)を変成器に流れる電流(Ie)に対して位相変位させるために、制御整流器と協働する。この位相変位は、コンバータの出力電圧(Vs)の変化との関係において、制御電圧(Vc)によって制御される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、第1のそれぞれの値を有する第1の直流電圧および直流電流を送出するエネルギー源から得られた電力を、第2のそれぞれの値を有する第2の直流電圧および第2の直流電流の出力電気エネルギーに変換するためのDC-DCコンバータに関する。
【0002】
本発明はまた、人工衛星内の様々な箇所に存在する電気消費装置用の配電設備に関する。
【背景技術】
【0003】
低電圧で強電流を供給することが目的のDC-DCコンバータは、従来技術の技術水準において既に周知である。これらのDC-DCコンバータは特に、衛星および他の類似の電気消費デバイスに電力を供給するために使用され、電圧および/または電流が調整された出力電流を供給するように確実に電流スイッチングするために設けられた、「磁気ポストレギュレータ」と当業者により称される磁気調整デバイスを備えることが多い。
【0004】
Company Magnetics、Butler、PA 16003、EUAが1999年に出版した技術報告書no. SR-4には、磁気ポストレギュレータを用いたDC-DCコンバータが記載されている(添付図面の図1参照)。このDC-DCコンバータは、その一次巻線で、細切りにされた直流電流を直流電流源(図示せず)から受け取る入力変換器Tを含む。この変換器の二次巻線は、そのそれぞれの端部から、コンバータの出力端子B+にも接続されている平滑誘導コイルLにダイオードD1およびD2を用いて接続された2つの可飽和誘導コイルSC1およびSC2に電力を供給する。
【0005】
負出力端子B-は、変換器Tの中間コネクタPMに接続される。基準点PRに基準電圧を生成する調整器Rは、2つの追加ダイオードd1およびd2を用いて誘導コイルSC1およびSC2と、ダイオードD1およびD2とによって形成された整流回路CRのラインLCに補正信号を注入する。ダイオードd1およびd2はそれぞれ、一方が誘導コイルSC1とダイオードD1の間の結合点に接続され、もう一方が誘導コイルSC2とダイオードD2の間の結合点に接続される。
【0006】
このアセンブリはまた、ダイオードD1と誘導コイルLのノードと、コンバータの負出力端子B-との間に接続された「フリーホイール」ダイオードD3を含む。
【0007】
磁気ポストレギュレータを用いたこの既知のコンバータは、誘導コイルSC1およびSC2の飽和によるスイッチングによって適切に動作するが、2つの半巻線で構成された二次巻線と、何より「フリーホイール」ダイオードD3とを備えるので、構造が比較的複雑な変換器Tを必要とするという欠点がある。後者は、その寄生容量で蓄積された電荷と関連したスイッチングエネルギー損失を生じさせる。なお、調整器Rは、コンバータ内で行われるスイッチングのサイクル比を修正することによって出力電圧を制御することを目的とする。
【0008】
別のタイプのDC/DCコンバータが特開2001-275361号公報により知られており、その概略図が添付図面の図2に示されている。この場合には、入力変換器Taが使用され、その二次巻線は中間コネクタを備えていない。この二次巻線は、正出力端子Ba+にトランジスタTR1およびTR2それぞれを用いて接続された2つの可飽和誘導コイルSC1aおよびSC2aに電力を供給する。変換器Taの二次巻線の端子はまた、平滑インダクタLaおよびLbにも接続され、これらの共用ノードは、コンバータの負出力端子Ba-に接続される。トランジスタTR1およびTR2はそれぞれ、二次巻線の端子から入力信号を受け取るスイッチング制御回路CC1〜CC4に接続される。
【0009】
この既知のコンバータは、同期整流器を用いて電流ダブラを構成し、スイッチングを行うために能動構成要素を使用する。ここで可飽和誘導コイルSC1aおよびSC2aは、これら自体はスイッチングの決定に関与せずに、スパイクを補償することによって能動構成要素の穏やかなスイッチングを行うように機能する。さらに出力電圧は、変換器Taの出力電圧の半分に等しく、この比は固定されており調整されない。したがって、こうしたことにより、二次巻線が1つしかない入力変換器を有していても能動構成要素およびその制御回路を使用する必要があるコンバータを要し、そのため、このコンバータは最終的に、前に解析した従来技術の文献のものよりも複雑になる。さらに、本発明の好ましい適用分野を考えると、能動構成要素が存在することで、このような構成要素を使用することにつきまとう故障の危険による動作不安定要因が生じる。したがって、このアセンブリは、例えば衛星用電源のような、無故障の信頼性が要求される用途での使用にはあまり適さない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2001-275361号公報
【非特許文献】
【0011】
【非特許文献1】技術報告書no. SR-4、Company Magnetics、Butler、PA 16003、EUA、1999年
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、能動構成要素、特に「フリーホイール」ダイオード、および分割二次巻線付き変換器を用いずに、調整された出力を有するDC/DCコンバータを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
したがって、本発明は、第1のそれぞれの値を有する第1の直流電圧および第1の直流電流を送出するエネルギー源から得られた電気を、第2のそれぞれの値を有する第2の直流電圧および第2の直流電流の出力電気に変換するためのDC-DCコンバータに関し、前記コンバータは、
前記エネルギー源から電力供給される、第3の電圧で第3の電流を有する代替エネルギーを生成するためのインバータと、
前記出力エネルギーを送出するための変換ユニットと、
前記第2の電圧を調整するために前記変換ユニットと結びつけられた調整器とを含み、
前記変換ユニットが、前記インバータから電力供給される変換器を有し、かつ前記第2の電圧を供給するための制御整流器に給電し、
前記制御整流器は、電力ダイオードおよび可飽和誘導コイルでそれぞれ構成された導通方向が反対の2つの直列回路を含み、前記可飽和誘導コイルは、前記インバータから送出される第3の電圧の各サイクルの間中、前記電力ダイオードが導通を開始および終止する時点を磁気的に制御し、
前記調整器は、前記出力エネルギーの前記第2の電圧を分析するために接続されて、その分析結果との関係において前記第2の電圧を調整するための制御電圧を生成し、
前記制御整流器はまた、前記制御整流器の前記直列回路の前記電力ダイオードと可飽和誘導コイルの間の接続ノードにそれぞれ前記制御電圧を注入するために接続された、2つの調整ダイオードを含み、
前記コンバータは、前記第3の電流に対して前記第3の電圧を位相シフトするために、前記変換器と結びつけられて前記制御整流器と協働するリアクタンス直列回路もまた含むこと、ならびに
前記制御電圧は、前記第3の電圧と前記第3の電流の間の位相シフトを、前記第2の電圧の代替物との関係において調整することを特徴とする。
【0014】
これらの特徴により、「フリーホイール」ダイオードまたはスイッチングトランジスタを用いないで、完全に制御された安定動作をするDC-DCコンバータを設計することが可能になる。
【0015】
本発明の別の有利な特徴によれば、
前記リアクタンス直列回路は、前記インバータと前記変換器の間に配置されたインダクタンスを備え、
前記リアクタンス回路は前記変換器の中で実現され、前記変換器はその目的のために、互いに弱結合したその一次巻線とその二次巻線の間に大きな漏れインダクタンスを有し、
前記リアクタンス直列回路は、前記インバータと前記変換器の間に直列に配置されたインダクタンスおよび静電容量を有し、
前記リアクタンス直列回路の少なくとも一部分は、前記インバータを前記変換器に接続するより線ケーブルによって形成され、
前記変換器は、互いに強結合しそれぞれが電力ダイオードと可飽和誘導コイルとの直列回路の一方に電力供給する2つの半巻線からできている二次巻線を含み、前記第2の電圧は、前記二次巻線の半巻線間の中間点と、前記電力ダイオード間のノードとの間で取得され、
前記制御整流器は電圧ダブラとして配置され、
前記変換器は二次巻線を有し、その端子の一方は、電力ダイオードと可飽和誘導コイルとの前記直列回路に接続され、その他方の端子は、前記ダイオードのそれぞれにコンデンサを用いて接続される。
【0016】
さらに、整流器が電圧ダブラとして配置される場合には、
前記リアクタンス直列回路は、変成器の二次巻線と前記電圧ダブラの間に配置されたインダクタンスを備え、
前記リアクタンス回路は、前記変換器の二次巻線と前記電圧ダブラの間に直列に配置されたインダクタンスおよび静電容量を備え、あるいは
前記リアクタンス回路は前記変換器の中で、その一次巻線と二次巻線の間の構成要素により区分されることにより実現される。
【0017】
本発明はまた、特に衛星用の配電設備に関連し、この配電設備は、個々のより線ケーブルを用いてそれぞれが前記インバータに接続された複数の変換ユニットで構築される、上で定義されたDC-DCコンバータを含むことを特徴とし、前記変換ユニットのそれぞれは、それ自体の電圧調整器を備える。
【0018】
この設備はまた、複数の変換ユニットで構築される上で定義されたDC-DCコンバータを含むように設計することができ、前記変換ユニットは、少なくとも3つのユニットの群に区分され、その出力が並列に配置され、多ラインケーブルによって前記インバータに接続される。
【0019】
その場合、変換ユニットの前記群のそれぞれにおいて、前記変換ユニットは、三角形および/または星形に接続することができ、かつ/または単一の共有調整器によって調整することができる。
【0020】
この配電設備はまた、上で定義された、1ユニット当たり1つの割合で複数の二次巻線を含む共有変換器から電力供給される複数の変換ユニットで構築されるコンバータを含むように設計することもできる。その場合、前記変換ユニットのそれぞれは、それ自体の調整器を備える。
【0021】
最後に、有利な一実施形態によれば、特に衛星用の配電設備は、一次巻線によって前記インバータに接続され一群内にある変換ユニットと同数の二次巻線を含んだ共有変換器によって電力供給される、変換ユニットの少なくとも1つの群として構成された複数の変換ユニットで構築される、上で定義されたコンバータを含むことを特徴とし、
一群の前記変換ユニットの1つは、位相シフト手段がない対称整流器によって形成されたパイロット変換ユニットであり、
前記インバータは調整可能であり、
前記設備は、基準電圧信号と、前記パイロット変換ユニットの出力電圧によって決まる信号との差の関係において前記インバータを調整するように働く調整ループを含み、一群の他の変換ユニットは、それ自体の調整器を備える。
【0022】
本発明を例示的な諸実施形態に関して、また図面を参照してより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】既に説明された従来技術のDC/DCコンバータの図である。
【図2】既に説明された従来技術のDC/DCコンバータの図である。
【図3】本発明によるDC/DCコンバータの好ましい一実施形態の図である。
【図4】図3に示されたコンバータに使用できる変換ユニットの一代替形態の図である。
【図5】図3に示されたコンバータに使用できる変換ユニットの一代替形態の図である。
【図6】図1の従来技術のコンバータの動作を一方でa)およびb)に、図3のコンバータの動作をもう一方でc)およびd)に示す図である。
【図7】図3のコンバータの動作をさらに示す図である。
【図8】本発明によるコンバータに使用できる、電圧ダブラの原理により設計された変換ユニットの別の一代替形態を示す図である。
【図8a】図8に示されたコンバータの一代替実施形態を示す図である。
【図8b】図8に示されたコンバータの一代替実施形態を示す図である。
【図9】本発明によるコンバータに使用できる、電圧ダブラの原理により設計された変換ユニットの別の一代替形態を示す図である。
【図10】本発明によるコンバータに使用できる、電圧ダブラの原理により設計された変換ユニットの別の一代替形態を示す図である。
【図10a】図10に示されたコンバータの一代替実施形態を示す図である。
【図10b】図10に示されたコンバータの一代替実施形態を示す図である。
【図11】図3または図8に示されたタイプの、複数の変換ユニットを用いた本発明によるコンバータを含む、特に通信衛星用の配電設備を示す図であり、変換ユニットは個々にコンバータのインバータに接続されている。
【図12】三相図によりここでは星形に接続された変換ユニットの複数の群に電力供給する多相、より具体的には三相インバータをコンバータが含む、図11と類似の配電設備を示す図である。
【図13】3つの変換ユニットそれぞれがそれ自体の出力電圧用調整器を備える、本発明による配電設備の図である。
【図14】3つの変換ユニットを有し、変換ユニット用の個別調整器が組み合わされた包括的調整デバイスを備える、本発明による配電設備の図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
まず、本発明の好ましい実施形態を示す図3を参照する。この場合、DC/DCコンバータは、通信衛星の場合では例えば一次電源バーである、直流電流源1から電力供給される。この直流源1は、対称交流電圧インバータ2に電力を供給し、このインバータの出力端は、当業者が「対称ポストレギュレータ」とも称するAC-DC変換ユニットUCaに接続される。この変換ユニットUCaは、一次巻線3aと、中間点3dで強結合された2つの半巻線3bおよび3cをここでは有する二次巻線3とを備える。
【0025】
変換器3の一次巻線3aは、この例ではインダクタンスLrで形成された直列リアクタンス回路を用いてインバータ2の出力端に接続される。この回路の共振周波数は、好ましくはコンバータの動作周波数よりも低い。Ieは、インダクタンスLrに送り込まれる入力電流を指し、Veは、インバータ2に接続された変換ユニットUCaに印加される入力電圧を示す。
【0026】
中間点3dと反対側の半巻線3bおよび3cの各端子は、それぞれの可飽和誘導コイルLsat1およびLsat2に接続される。これらのコイルは互いに、頭尾直列の2つの電力ダイオードD1およびD2による直列回路を用いて接続され、ダイオードD1およびD2は、これらに対して反対の方向にそれぞれ配置された別の頭尾直列の2つの調整ダイオードd1およびd2からなる直列回路によって分路される。ノード4はダイオードD1とD2の間の結合点を示し、ノード5はダイオードd1とd2の間の結合点を示す。上述の回路は制御整流器を形成し、この制御は、以下で説明する方法で行われる。
【0027】
ノード4はコンバータの正出力端子6+に接続され、コンバータの負出力端子6-(ここでは0V)は、変換器3の二次巻線の中間点3dに接続される。出力電圧Vsは、端子6+と6-の間に存在する電圧を示す。
【0028】
コンデンサ7が出力端子6+と6-の間に接続される。
【0029】
コンバータはまた、コンバータに加えられる負荷との関係において出力電圧Vsを一定に保つための調整器8を含む。
【0030】
調整器8は演算増幅器9を含み、その入力端はそれぞれ、ツェナダイオード11によってノード10に確立された基準電圧Vrefと、調整可能電圧分割器12から来る調整電圧Vajとを受け取る。増幅器9の出力は、別の直列のトランジスタ14とともに制御電圧-Vcを設定するトランジスタ13を制御し、制御電圧-Vcは、調整ダイオードd1とd2の間のノード5に接続された調整器8の出力端子15に現れる。この接続点はまた、コンデンサ16を用いて電力ダイオードD1とD2の間のノード4に接続される。この実施形態では、制御電圧-Vcは負出力端子6-の電位に対して参照される。図示されていない一実施形態によれば、制御電圧はまた、コンバータの正端子で参照することもできる。
【0031】
図4は、本発明による変換ユニットUCbの一代替形態を示し、調整器8の図は示されていない。この場合、直列リアクタンス回路の機能は変換器3自体で実現され、そうして変換器3は、一次巻線3aと前記変換器の二次側の半巻線3bおよび3cとの間に大きな漏れインダクタンス(矢印17で記号表示された弱結合により得られる)を有する。この漏れインダクタンスは、リアクタンス回路に属するインダクタンスとして作用する。
【0032】
図5は、変換ユニットUCcの別の代替形態を示し、変換器3は図3と同様に構成され、この場合インダクタンスLrは、容量性構成要素Crと直列に接続される。
【0033】
図3〜5を参照して上で説明した本発明によるアセンブリはすべて、出力電圧Vsを調整できるようにするために、入力電流Ieと入力電圧Veの間で位相シフトδを実施する。
【0034】
本発明によるコンバータの動作を説明し、従来技術のコンバータと比べた違いを示すために、図6は、磁気調整に関し対称「プッシュプル」または「フォワード」と一般に当業者が称するタイプの従来型コンバータについて測定された2つのグラフを一方で示し(図1、図6の線図a)およびb))、図3に示されたような本発明によるコンバータについてもう一方で示す(図6の線図c)およびd))。
【0035】
線図a)およびc)の場合、入力電圧Veは20V、出力電圧Vsは+10V、制御電圧Vcは-10Vである。図b)およびd)の場合、これらの値はそれぞれ15V、+10Vおよび-10Vである。各図で、本出願者らが実験的アセンブリで読み取った図示の曲線はそれぞれ、灰色の濃さが減少する順序で、入力電流Ie、入力電圧Ve、電力ダイオードD1と調整ダイオードd1の間に位置するノードの電圧VD1d1、および電力ダイオードD2と調整ダイオードd2の間に位置するノードの電圧VD2d2である。
【0036】
図1の従来型コンバータでは、ダイオードD1およびD2の導通は、可飽和誘導コイルSC1およびSC2が飽和しなければならないということだけに起因して、電圧の増加に対し遅れて起こる。なお、ダイオードD1およびD2の導通の終止は、電圧が反転したときに起こる。これらのダイオードが導通している間、そこに流れる電流は一定、またはほぼ一定である(誘導コイルが完全なものであると想定して)。電圧が反転すると、ダイオードを流れる電流はゼロまで急峻に低下する。また、出力電圧Vsの調整は、入力電圧Veと入力電流Ieのサイクル比を変化させることによって行われることにも留意されたい。最後に、図1の場合、ダイオードD1およびD2の導通を終止させるには「フリーホイール」ダイオードD3を使用しなければならない。
【0037】
しかし、図3、4および5に示された回路の代替形態に該当する図6の線図c)およびd)を見ると、以下の動作を確認することができる。
【0038】
電圧VD1d1およびVD2d2は、1/2に近い一定のサイクル比で、電圧Veに対し位相シフトδを保持して電圧Vsと電圧-Vcの間に生じ、これは、サイクル比が変化する従来のアセンブリとは対照的に、電力ダイオードの導通が交番電圧Veに対して厳密に位相シフトされることを意味する。ダイオードD1の導通期間pcD1ならびに位相シフトδが、図6の線図c)に示されている。電力ダイオードD1およびD2の導通もまた、可飽和誘導コイルLsat1およびLsat2の飽和現象により電圧増加に対し遅れて起こる。
【0039】
しかし、ダイオードD1およびD2の導通の終止は、電圧が反転した時点で減少し始める共振誘導コイルの電流がなくなったときに起こる。従来の回路に対するこの動作の違いは、共振回路(誘導コイルLr、図3)の形であろうと、大きな漏れがあるインダクタンス変換器(符号17、図4)の形であろうと、あるいはコンデンサCrと組み合わせた誘導コイルLrの形であろうと(図5)、変換器3に付随する電流位相シフト手段が存在することによるものである。
【0040】
本発明によるコンバータのこの動作の結果、ダイオードは当然、「フリーホイール」ダイオードの助けによらずに導通状態から非導通状態に変化し、そのため、「フリーホイール」ダイオードを削除し、それによってスイッチング損失と、このようなダイオードの動作に関係したノイズが伝搬することとをなくすことが可能になる。さらに、出力電圧Vsの調整は、電流のサイクル比を変更することによってではなく、その位相シフトδを、変換器3に付随する位相シフト手段で起動される電圧に対して変えることによって行われる。
【0041】
図7では、可飽和誘導コイルLsat1およびLsat2の端子に電圧が生じることを示す様式化された理論曲線を使用して、これらの可飽和誘導コイル中の正および負の磁束を推定することが可能になっており、前記磁束F+とF-は、それぞれ以下の2つの関係に対応して1サイクルにわたって等しくなければならず、
F+=γT×(Ve-Vs)、およびF-=γT×(Ve-Vc)
ここでγTは、変圧比が1に等しいと想定して、可飽和誘導コイルが強制電流Icoerを伝導する時間間隔の持続時間である。他の変圧比の値では当然、その比で大きさVeが倍増されることになる。
【0042】
ここで、位相シフトは、負荷ならびに他のパラメータによって決まる。しかし、出力電圧は理論上、式Vs=Vcによって制御電圧と関連付けられ、この式は、ダイオードの静電容量の放電時間もまた作用し始めて、ダイオードの挙動がわずかに変わる現実の場合でもなお全体的に正しいことが確認される。
【0043】
図3〜5の場合、コンバータから送出できる最大電力は、次式により、動作周波数での直列インピーダンスの値によって制限されることにも留意されたい。
【0044】
【数1】

【0045】
ここで、rは定数、ωはインバータ2の動作周波数にπを掛けたものである。
【0046】
次に、図8〜10を参照して、本発明によるコンバータの別の3つの代替形態を説明する。変換ユニットUCd、UCeおよびUCfのこれら代替形態は、位相シフトによる磁気調整を用いた「電圧ダブラ」の原理に基づく。各変換ユニットは、図3〜5にそれぞれ示されたユニットと類似の動作をする。インバータ2も調整器8も図示されていない。
【0047】
図8の代替形態では、変換ユニットUCdは、変換器20の一次巻線20aに接続されたインダクタンスLrにより形成された直列リアクタンス回路を含む。
【0048】
この変換器20の二次巻線20bの一端には、2つの可飽和誘導コイルLsat1およびLsat2が接続される。二次巻線20bの他端は、変換ユニットUCdの中心ノード21を形成する。2つのコンデンサc1およびc2はそれぞれ、ノード22および23と対向する調整ダイオードd1およびd2と直列に接続される。これら2つのノード22および23はそれぞれ、2つの誘導コイルLsat1およびLsat2と、互いに反対に配置された2つの電力ダイオードD1およびD2とに接続される。これらのダイオードはそれぞれ、やはり中心ノード21に接続された2つのコンデンサC1およびC2に接続される。ダイオードD1とコンデンサC1の間のノードは、変換ユニットUCdの正出力端子24+を形成し、ダイオードD2とコンデンサC2の間のノードは、負出力端子24-を形成する。調整電圧-Vcは、ここでは、ダイオードd1およびd2にそれぞれ接続された直列のコンデンサc1およびc2の端子に印加される。
【0049】
図8のように直列リアクタンス回路が設けられるのではなく、変換器20が弱結合で図4の場合に適用されたのと同様に大きな漏れインダクタンスを作り出すことを除いて、図9による変換ユニットUCeの代替形態は図8と同様に構築され、この漏れインダクタンスの特性が矢印25で記号表示されている。
【0050】
図10の変換ユニットUCfは、変換器20の上流の直列リアクタンス回路がインダクタンスLrおよびコンデンサCrで構成されている点で、図8の変換ユニットとは異なる。
【0051】
図8aおよび図8bは、図8のコンバータの共振回路構成の2つの代替形態を示す。第1の場合、変換器20の一次巻線20aの回路に配置されたインピーダンスLrの代わりに、そのようなインピーダンスLr'が、二次巻線20bと可飽和誘導コイルLsat1およびLsat2(ここでは図示せず)との間に設けられる。図8bの場合には、誘導コイルLr"が二次巻線20bとノード21(やはりここでは図示せず)の間に設けられる。
【0052】
図10aおよび図10bは、この場合インピーダンスLr'またはLr"と静電容量Cr'またはCr"で構成され、変換器20の二次側に配置された類似の構成の共振回路を示す。
【0053】
図面に示されていない代替形態によれば、共振回路を2つの部分に分割し、これらの部分をそれぞれ変換器20のどちらかの側に配置することも可能である。その場合、共振コンデンサを追加することが可能なこともあり、その場合には共振コンデンサは、一次側および/または二次側に直列に配置される。
【0054】
図9の場合には、リアクタンス回路のインダクタンスは、変換器20の一次側と二次側の間の構成要素によって区分される。
【0055】
図11は、上述の諸代替形態のいずれかにより構築された複数のコンバータを使用する配電設備の第1の例を示す。この設備は、例えば通信衛星に有利に組み込むことができ、変換ユニット30a〜30nは、衛星内の様々な箇所に存在する様々なエネルギー消費装置に可能な限り近接して設けられる。その場合、ユニット30a〜30nのすべては、衛星の電源サブシステムの、調整されることもされないこともある、一次電源バーなどの共有直流源1から電力供給され、電源サブシステムは、やはりすべてのユニットによって共有されているインバータ2に給電する。次に、各ユニットは、個別の2本ケーブル31a〜31nを用いて前記インバータ2に並列に接続され、場合によりケーブルの誘導性および/または容量性特性を利用できることがある。
【0056】
図11の設備は、図3、4または5のタイプ、あるいは図8、8a、8b、9、10、10aまたは10bのタイプの変換ユニットを備えることができ、図は純粋に一例として、図3による変換ユニット30a、および図8による変換ユニット30bが使用されていることを示す。
【0057】
図12は、図11に関して上述したタイプの配電設備の第2の例を示す。しかし、この場合はインバータ2aが設けられ、インバータ2aは、直流源1からの直流電流を三相電流に変換し、この三相電流は前記インバータから、変換ユニットと同じ数の群33に接続された3本ケーブル32a〜32nに供給されるが、ここではケーブル32aに接続された群だけが示されている。図11の場合と同様に、変換ユニットは、前述したものすべての代替形態により構築することができる。
【0058】
ここで変換ユニットの群33は三相型のものであり、したがって、いつも3つのユニット34a、34bおよび34cを図示されていない個別の入力変換器と共に有し、この入力変換器の一次巻線は、星形アセンブリとして接続される。両方の場合で、それぞれの群33の変換ユニット34a、34bおよび34cの端子35+および35-に設けられる各直流出力端は並列に接続され、制御電圧Vcは、この群に割り当てられた調整器8で生成することができ、この電圧が群の3つのユニット34a〜34cに端子36を用いて並列に印加される。
【0059】
3本ケーブル32a〜32nは、変換ユニットの変換器の一次巻線にコンデンサ37を用いて接続され、コンデンサ37は、必要に応じて、ケーブル32a〜32nによって形成されるインダクタンスと合わさって直列リアクタンス回路の構成要素として働くことができることにも留意されたい。
【0060】
図12に関して上で説明した代替形態は、三角形として、または場合により多相バージョン(四相以上)として作ることができる。当業者であれば、上述の三相バージョンを相応に適合させることによって、このような多相代替形態をどのように製作するかが分かるであろう。
【0061】
三相または多相の代替形態の利点は大きい。実際、本発明による設備の多相設計により、ダイオード、可飽和誘導コイルおよびコンデンサなどの電力構成要素の単位電力(unit power)を増加させずに、設備の電力を増加することが可能になる。また、動作周波数において同じフィルタリングを用いて、単相バージョンの場合と比較して逆転電流を低減することも可能になる。この結果、設備の所与の総電力に対して重量、大きさおよびコストが低減することになる。
【0062】
最後に、多相バージョンはより優れた故障許容性を有する。というのは、1つまたは複数の相が機能しない機能低下モードであっても、多相設備が依然として動作することができるからであるが、エネルギー消費装置の動作低下を防ぐことはしない。これは、通信衛星では特別な利点になりうる。
【0063】
図13および図14は、本発明による変換設備の調整の実現可能な2つの構成を示す。
【0064】
図13の場合では、調整されないインバータ40が、単相モードで3つの二次巻線43a、43bおよび43cを備える変換器42の一次巻線41に電力供給する。二次巻線はそれぞれ、例えば図8の原理により設計された3つの変換ユニット44a、44bおよび44cに接続される。
【0065】
その場合、インピーダンス45a、45bおよび45cはそれぞれ、各二次巻線43a、43bおよび43cと、対応する変換ユニット44a、44bおよび44cとの間に挿入される。このようなインピーダンスは、この場合直列のコンデンサとインダクタンス、またはインダクタンスだけで形成することができる。
【0066】
これらの各変換ユニットは、例えば図3の調整器8のように構築できる、それ自体の調整器46a、46bおよび46cと結びつけられる。独立した基準電圧Vrefa、VrefbおよびVrefcはそれぞれ、これらの調整器それぞれに印加されて、ここでは比較要素47および増幅器48で記号表示された調整ループに基準が与えられる。このようにして、各変換ユニットは、そこに加えられる負荷との関係において、それ自体の出力電圧を調整する。
【0067】
図14の場合では、コンバータは、ここでは調整されるインバータ50を含む。このインバータは、3つの変換ユニット54a、54bおよび54cにそれぞれ接続された3つの二次巻線53a、53b、53cを有する変換器52の一次巻線51に電力供給し、ユニット54bおよび54cは、例えば図8に示されたものに従って製作される。これらの変換ユニットは、例えば図3の図を用いて、図13の調整器46a〜46cと同様に設計された調整器46aおよび46bと結びつけられる。これらの調整器は、基準電圧VrefbおよびVrefcを受け取る。
【0068】
変換ユニット54aは、位相シフト手段がない簡単な対称整流器であり、電力ダイオードD1およびD2と、平滑誘導コイルLliss1およびLliss2とを含む。この変換ユニットの出力電圧Vsaは、比較要素56で基準電圧Vrefaと比較され、比較要素56は、調整されるインバータ50への調整信号を生成し、この調整信号は、例えば光カプラなどの直流電気分離デバイス57と、例えばPID型の誤差増幅器58とを用いてインバータまで伝達される。この増幅器の出力は、こうしてインバータ50の基準電圧を形成する。
【0069】
図14による設備では、インバータ50を制御する調整は、例えば設備の負荷の変動による出力電圧Vsaの変動との関係において行われる。この調整では、インバータ50の動作定格(operating rating)を制御して、すべての変換ユニットの出力電圧を「大まかに」決定する。調整器55bおよび55cは、変換ユニット54bおよび54cの出力電圧の微妙な調整を行う。
【0070】
この場合でも、インピーダンス56bおよび56cはそれぞれ、二次巻線53bおよび53cと、対応する変換ユニット54bおよび54cとの間に挿入される。このようなインピーダンスは、この場合直列のコンデンサとインダクタンス、またはインダクタンスだけで形成することができる。
【0071】
図13および図14に示された調整解決策には、一般にコンバータの出力電圧が損失のある安定抵抗を使用して調整される従来の解決策とは対照的に、顕著なエネルギー損失なしで動作するという大きい利点がある。
【符号の説明】
【0072】
Icoer 強制電流
Ie 入力電流
Ve 入力電圧
Vc 制御電圧
Vref 基準電圧
Vrefa〜Vrefc 基準電圧
Vs 出力電圧
VD1d1 ノードの電圧
VD2d2 ノードの電圧
γT 強制電流Icoerの持続時間
Cr、C r'、C r" コンデンサ、静電容量
C1 コンデンサ
C2 コンデンサ
D1、D2 電力ダイオード
d1、d2 調整ダイオード
Lr、L r'、L r" インダクタンス
Lsat1、Lsat2 可飽和誘導コイル
UCa 変換ユニット
1 共有直流源
2 インバータ
3 変換器、変成器
3a 一次巻線
3b 二次側半巻線
3c 二次側半巻線
3d 中間点
4 ノード
5 ノード
6+ 正出力端子
6- 負出力端子
7 コンデンサ
8 調整器
9 増幅器
10 ノード
13 トランジスタ
14 トランジスタ
15 出力端子
16 コンデンサ
17 矢印
20 変換器
20a 一次巻線
21 中心ノード
22 ノード
23 ノード
24+ 正出力端子
24- 負出力端子
30a〜30n 変換ユニット
31a〜31n 2本ケーブル
32a〜32n 3本ケーブル
33 変換ユニット群
34a〜34c 変換ユニット
35+ 端子
35- 端子
37 コンデンサ
40 インバータ
41 一次巻線
42 変換器
43a〜43c 二次巻線
44a〜44c 変換ユニット
45a〜45c インピーダンス
46a〜46c 調整器
47 比較要素
48 増幅器
50 インバータ
51 一次巻線
52 変換器
53a〜53c 二次巻線
54a〜54c 変換ユニット
55b、55c 調整器
56 比較要素
56b、56c インピーダンス
57 直流電気分離デバイス
58 誤差増幅器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のそれぞれの値を有する第1の直流電圧および第1の直流電流を送出するエネルギー源(1)から得られた電気を、第2のそれぞれの値を有する第2の直流電圧(Vs)および第2の直流電流(Is)の出力電気に変換するためのDC-DCコンバータであって、
前記エネルギー源(1)から電力供給される、第3の電圧(Ve)で第3の電流(Ie)を有する代替エネルギーを生成するためのインバータ(2)と、
出力エネルギーを送出するための変換ユニット(UCa〜UCf)と、
前記第2の電圧(Vs)を調整するために前記変換ユニット(UCa〜UCf)と結びつけられた調整器(8)とを含み、
前記変換ユニット(UCa〜UCf)が、前記インバータ(2)から電力供給される変換器(3;20)を有し、かつ前記第2の電圧(Vs)を供給するための制御整流器に給電し、
前記制御整流器が、電力ダイオード(D1、D2)および可飽和誘導コイル(Lsat1、Lsat2)でそれぞれ構成された導通方向が反対の2つの直列回路を含み、前記可飽和誘導コイルが、前記インバータ(2)から送出される第3の電圧(Ve)の各サイクルの間中、前記電力ダイオード(D1、D2)が導通を開始および終止する時点を磁気的に制御し、
前記調整器(8)が、前記出力エネルギーの前記第2の電圧(Vs)を分析するために接続されて、その分析結果との関係において前記第2の電圧(Vs)を調整するための制御電圧(-Vc)を生成し、
前記制御整流器がまた、前記制御整流器の前記直列回路の前記電力ダイオード(D1、D2)と可飽和誘導コイル(Lsat1、Lsat2)との間の接続ノードにそれぞれ前記制御電圧(-Vc)を注入するために接続された、2つの調整ダイオード(d1、d2)を含み、
前記コンバータが、前記第3の電流(Ie)に対して前記第3の電圧(Ve)を位相シフトするために、前記変換器(3;20)と結びつけられて前記制御整流器と協働するリアクタンス直列回路(Lr;17;Lr、Cr;Lr'、Cr';25;Lr"、Cr")もまた含むこと、ならびに前記制御電圧(Vc)が、前記第3の電圧と前記第3の電流の間の位相シフトを、前記第2の電圧(Vs)の代替物との関係において調整することを特徴とする、DC-DCコンバータ。
【請求項2】
前記リアクタンス直列回路が、前記インバータ(2)と前記変換器(3)の間に配置されたインダクタンス(Lr)を備えることを特徴とする、請求項1に記載のDC-DCコンバータ。
【請求項3】
前記リアクタンス回路が前記変換器(3;20)の中で実現され、前記変換器がその目的のために、互いに弱結合したその一次巻線(3a;20a)とその二次巻線(3b、3;20b)の間に大きな漏れインダクタンス(17;25)を有することを特徴とする、請求項1に記載のDC-DCコンバータ。
【請求項4】
前記リアクタンス直列回路が、前記インバータ(2)と前記変換器(3)の間に直列に配置されたインダクタンス(Lr)および静電容量(Cr)を備えることを特徴とする、請求項1に記載のDC-DCコンバータ。
【請求項5】
前記リアクタンス直列回路の少なくとも一部分が、前記インバータ(2)を前記変換器(3;20)に接続するより線ケーブル(31a〜31n)によって形成されることを特徴とする、請求項2から4のいずれか一項に記載のDC-DCコンバータ。
【請求項6】
前記変換器(3)が、互いに強結合しそれぞれが電力ダイオード(D1またはD2)と可飽和誘導コイル(Lsat1またはLsat2)との直列回路の一方に電力供給する2つの半巻線(3b、3c)からできている二次巻線を含むこと、ならびに前記第2の電圧(Vs)が、前記二次巻線の半巻線(3b、3c)間の中間点(3d)と、前記電力ダイオード(D1、D2)間のノード(4)との間で取得されることを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載のDC-DCコンバータ。
【請求項7】
前記制御整流器が電圧ダブラとして配置されることを特徴とする(図8〜10b)、請求項1から5のいずれか一項に記載のDC-DCコンバータ。
【請求項8】
前記変換器(20)が二次巻線(20b)を有し、その端子の一方が、電力ダイオード(D1またはD2)と可飽和誘導コイル(Lsat1、Lsat2)との前記直列回路に接続され、その他方の端子が前記ダイオードのそれぞれにコンデンサ(C1、C2)を用いて接続されることを特徴とする、請求項7に記載のDC-DCコンバータ。
【請求項9】
前記リアクタンス直列回路が、変成器(20)の二次巻線(20b)と前記電圧ダブラの間に配置されたインダクタンス(Lr';Lr")を備えることを特徴とする、請求項1に従属する場合の請求項7および8のいずれか一項に記載のDC-DCコンバータ。
【請求項10】
前記リアクタンス回路が、前記変換器(20)の二次巻線と前記電圧ダブラの間に直列に配置されたインダクタンス(Lr';Lr")および静電容量(Cr;Cr")を備えることを特徴とする、請求項1に従属する場合の請求項7および8のいずれか一項に記載のDC-DCコンバータ。
【請求項11】
前記リアクタンス回路が前記変換器(20)の中で、その一次巻線(20a)と二次巻線(20b)の間の構成要素により区分されることにより実現され、共振静電容量が場合により一次側および/または二次側に直列に配置されることを特徴とする、請求項3とともに請求項7および8のいずれか一項に記載のDC-DCコンバータ。
【請求項12】
特に衛星用の配電設備であって、個々のより線ケーブル(31a〜31n)を用いてそれぞれが前記インバータ(2)に接続された複数の変換ユニット(30a〜30n)で構築される、請求項1から11のいずれか一項に記載のDC-DCコンバータを含むこと、ならびに前記変換ユニットのそれぞれが、それ自体の電圧調整器(8)を備えることを特徴とする、配電設備。
【請求項13】
特に衛星用の配電設備であって、複数の変換ユニット(34a〜34c)で構築される、請求項1から11のいずれか一項に記載のDC-DCコンバータを含み、前記変換ユニットが少なくとも3つのユニットの群(33)に区分され、その出力が並列に配置されること、ならびに前記群のそれぞれの変換ユニットが、多ラインケーブル(32a〜32n)によって前記インバータ(2a)に接続されることを特徴とする、配電設備。
【請求項14】
変換ユニット(34a〜34c)の前記群(33)のそれぞれにおいて、前記変換ユニット(34a〜34c)が三角形または星形に接続されることを特徴とする、請求項13に記載の配電設備。
【請求項15】
変換ユニット(34a〜34c)の前記群(33)のそれぞれにおいて、前記変換ユニット(34a〜34c)が単一の共有調整器(8)によって調整されることを特徴とする、請求項13または14に記載の配電設備。
【請求項16】
特に衛星用の配電設備であって、1ユニット当たり1つの割合で複数の二次巻線(43a〜43c)を含む共有変換器(42)から電力供給される複数の変換ユニットで構築される、請求項9から11のいずれか一項に記載のコンバータを含むことを特徴とする、配電設備。
【請求項17】
前記変換ユニットのそれぞれが、それ自体の調整器(46a〜46c)を備えることを特徴とする、請求項16に記載の配電設備。
【請求項18】
特に衛星用の配電設備であって、一次巻線(51)によって前記インバータ(50)に接続され一群内にある変換ユニットと同数の二次巻線(53a〜53c)を含んだ共有変換器(52)によって電力供給される、変換ユニットの少なくとも1つの群として構成された複数の変換ユニット(54a〜54c)で構築される、請求項9から11のいずれか一項に記載のコンバータを含むこと、
一群の前記変換ユニットの1つ(54a)が、位相シフト手段がない対称整流器によって形成されたパイロット変換ユニットであること、
前記インバータ(50)が調整可能であること、
前記設備が、基準電圧信号(Vrefa)と、前記パイロット変換ユニット(54a)の出力電圧(Vsa)によって決まる信号との差の関係において前記インバータ(50)を調整するように働く調整ループ(56〜58)を含むこと、ならびに
一群の他の変換ユニット(54b、54c)が、それ自体の調整器(55b、55c)を備えることを特徴とする、配電設備。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6a)】
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【図6b)】
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【図6c)】
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【図6d)】
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【図7】
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【図8】
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【図8a】
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【図8b】
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【図9】
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【図10】
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【図10a】
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【図10b】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公表番号】特表2013−512648(P2013−512648A)
【公表日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−540480(P2012−540480)
【出願日】平成22年11月24日(2010.11.24)
【国際出願番号】PCT/FR2010/052510
【国際公開番号】WO2011/067513
【国際公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【出願人】(500201613)センタ・ナショナル・デチュード・スパティアレ (5)
【Fターム(参考)】