説明

直火加熱用調理器具

【課題】食物をひっくり返す必要がなく一度に食物を調理することができ、しかも、食物60全体を一様に加熱できるようにした直火加熱用調理器具100を提供する。
【解決手段】加熱器具からの火炎が下面にぶつかるベース板12、及び側壁11,13よりなる本体10と、本体10の上面に載置される焼板30と、本体10の上面との間に調理空間50を形成するカバー40と、一方の側壁11の内部に形成されて、該側壁11の内側に形成される供給口20から該側壁11の上端へと連通し、ベース板12から導かれる火炎または熱気を調理空間50へと導く供給流路22と、他方の側壁13の内部に形成されて、該側壁13の上端から該側壁13の外面にある排出口26へと連通し、調理空間50を通った熱気を外部に排出する排出流路24とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、家庭用、アウトドア用その他の直火加熱用調理器具に関する。詳しくは、カバーと本体との間の調理空間に火炎または熱気を循環させることで、食物をひっくり返す必要がなく一回に食物を調理することができ、しかも、食物全体を一様に加熱できるようにした直火加熱用調理器具に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、鍋や釜などの調理容器は、底面及び側面が一体に形成された容器本体と、前記容器本体の上側に置かれる蓋体と、から構成されて、ガスレンジなどの調理用加熱装置から伝わる熱が容器本体を暖めると、容器本体の内部に入れられている食物が熱を間接的に伝達されて調理されるようにしたものである。
【0003】
しかしながら、かような調理容器は、容器本体から伝わる間接熱により食物が暖められ、さらに、容器本体に接している面から食物が調理されるため、調理時間が延びるだけではなく、エネルギーを効率よく使用することができず、しかも、所定の時間間隔で食物をひっくり返す必要があるといった面倒さなどがあった。
【0004】
上述した問題点を解消するための先行技術としては、「直火加熱式調理容器」(例えば、下記の特許文献1参照、以下、先行技術と称する。)が挙げられる。
【0005】
前記先行技術は、内縁に火炎を内側に流入させる複数の直火流入路が形成され、この直火流入路の外側には外部と連通される通気口が形成された容器本体と、前記容器本体の上側に載置され、内側には火炎の熱を調理物に反射させる反射板が配備された蓋体と、を有する直火加熱式調理容器において、前記直火流入路は、下側に火炎を流入させるための流入口が形成され、上側には流入した火炎を内側に排出するための排気口が形成され、前記流入口は排気口よりも大きく形成されたことを技術的要旨とする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】大韓民国 登録特許10-0590687B
【特許文献2】特開平5−123250
【特許文献3】特開2010-022466
【特許文献4】特開2003−033280
【0007】
しかしながら、上記の先行技術は、火炎が反射板により反射された後に食物に直接的にぶつかるため、火炎の熱源が伝わる個所でしか食物が加熱されない結果、火炎が伝わる個所で食物が焦げてしまうなど、食物を満遍なく加熱することができないという問題点があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、カバーと本体との間の空間に火炎または熱気が対流現象のように循環し、本体の焼板に載置された食物に火炎などを直接的に伝達させて、調理時間の短縮と熱効率の向上とを両立させることができ、しかも、食物全体を万遍なく加熱できるようにした直火加熱用調理器具を提供するところにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した目的を達成するために、本発明の一実施の形態による直火加熱用調理器具は、次のように構成される。まず、加熱器具から発せられた火炎がぶつかるベース板が配備され、前記ベース板の両側に側壁がそれぞれ形成される本体と、前記本体の上面に載置される焼板と、前記焼板が載置された本体の上面に覆い被せられ、前記本体の上面に調理空間を密閉形成するカバーと、を備える。また、前記本体の一方の側壁の内部には、供給流路が形成される。供給流路は、下流端が前記側壁の上端を貫通し、上流端が、前記側壁の内面に形成されている供給口に連通されるものであり、前記ベース板から導かれる火炎を、前記供給口を介して導入し前記本体とカバーとの間の調理空間へと供給して循環させる。前記本体の他方の側壁の内部には、排出流路が形成される。排出流路は、上流端が前記側壁の上端を貫通し、下流端は前記側壁の外面に形成されている排出口に連通されるものであり、前記調理空間を循環し終わった火炎を前記排出口を介して外部に排出する。
【0010】
本発明の一実施の形態による直火加熱用調理器具において、好ましくは、前記ベース板の底面には多数の突起が放射状に広がった状態で突設され、これにより、前記突起の間には火炎を前記供給口に導く火炎誘導路が画成される。
【0011】
本発明の一実施の形態による直火加熱用調理器具において、好ましくは、前記カバーの内面の一方側には第1反射用傾斜面が下流側へと向かって上向きに斜設され、前記カバーの内面の他方側には第2反射用傾斜面が下流側へと向かって下向きに斜設される。
【0012】
本発明の一実施の形態による直火加熱用調理器具において、好ましくは、前記ベース板と前記焼板との間には加熱空間が形成される。
【発明の効果】
【0013】
本発明の一実施の形態による直火加熱用調理器具は、火炎誘導用突起を介して本体底面の一方側(左側)に導かれた火炎または熱気が供給口及び供給流路を介して調理空間に供給された後、カバーの底面(内面)が有する傾斜角及び反射角によりスムーズに案内されて循環し、対向側(右側)の排出流路及び排出口を介して外部に排出されるように構成する。このようにして、火炎が対流現象のように調理空間を循環しつつ食物を加熱するようにすることにより、食物をひっくり返す必要がなく一度に食物を簡単に調理することができる。しかも、食物に火炎が部分的に集中することなく、食物の全体に一様に伝わるようにして食物を一様に加熱しつつ調理することができるという相乗効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の一実施の形態による直火加熱用調理器具の分解立体図。
【図2】図1におけるA−A線矢視図。
【図3】図2におけるB−B線矢視図。
【図4】本発明の一実施の形態による直火加熱用調理器具を構成する本体の底面図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、添付図面に基づき、本発明の一実施形態による直火加熱用調理器具について詳述する。後述する詳細な説明においては、上述した技術的課題を達成するために本発明における代表的な実施形態を提示する。そして、本発明により提示可能な他の実施の形態については、別個に説明する代わりに、上記または以下の本発明の実施形態の説明中に述べる。
【0016】
本発明においては、火炎誘導用突起を介して本体底面の一方側(左側)に導かれた火炎が供給口及び供給流路を介して調理空間に供給された後、カバーの底面が有する傾斜角及び反射角を通じて循環し、対向側(右側)の排出流路及び排出口を介して外部に排出されるように構成する。このようにして、火炎が対流現象のように調理空間を循環しつつ食物を加熱することにより、食物をひっくり返す必要がなく一度に食物を簡単に調理することができ、しかも、食物に火炎が部分的に集中することなく食物の全体に満遍なく伝わるようにして食物を一様に加熱できるようにした直火加熱用調理器具を実現しようとする。
【0017】
以下、添付図面に基づき、本発明の好適な実施の形態による直火加熱用調理器具を説明する。
【0018】
図1は、本発明の一実施の形態による直火加熱用調理器具を分解立体図であり、図2は、図1におけるA−A線矢視図であり、図3は、図2におけるB−B線矢視図である。
【0019】
図1から図3に示すように、本発明の一実施形態による直火加熱用調理器具100は、概略、本体10と、焼板30と、カバー40とからなる。図示の例で、本体10は、上方に開口した槽状ないしトレイ状であり、焼板30は該開口を塞ぐ平板状であって、水平に配置される。また、カバー40は、焼板30の上方に、加熱対象の食品が収納される調理空間50を画成すべく、倒立した槽状ないしトレイ状である。
【0020】
前記本体10は、直火加熱用調理器具100の外形をなすものであり、中央のベース板12を挟むように、前側および後側には前壁15および後壁17が一体に形成され、ベース板12の左右両側には左右の側壁11、13がそれぞれ形成された四角形構造に製作される。図示の例で、ベース板12は、前後方向に延びる細長い矩形状であり、左右の側壁11、13は、二重壁または厚壁として設けられ、厚みが、例えば、前壁15の1.5倍以上3倍以下である。また、図示の例で、図1〜2を見たならば、ベース板12は、右側から左側へと向かって、すなわち下流側へと向かって上昇する傾斜板をなしており、また、図3〜4を見たならば、下面中央部に円形状の凹陥部12Aを有している。なお、傾斜の角度は、例えば5〜25度である。また、図2に示すように、ベース板12の左端は、左の側壁11の上端より少し低い位置にあり、焼板30との間で離間されている。一方、ベース板12の上面は、図1に示すように、熱放散用のリブ12Bを有する他は、平坦であり、ベース板12の下面も、凹陥部12Aの箇所以外は、火炎との接触面を大きくするためのリブ12Cを除けば、平坦である。そのため、凹陥部12Aの箇所は、図3に示すように、他の箇所よりも薄肉となっている。
【0021】
前記ベース板12は、加熱器具70の火口70Aから噴き出す火炎により暖められ、前記本体10の上面に置かれる焼板30の底面へと、加熱空間50中での熱対流、及び、熱輻射により熱源の熱を伝える。ここで、前記ベース板12と焼板30との間には加熱空間50が形成され、前記加熱空間50に存在する空気が前記ベース板12から伝わる熱源により暖められて前記焼板30を加熱する。加熱空間50の存在により、食品を載置する焼板30が火炎により直接加熱されることがないため、焼板30の過熱、特には局所的な過熱が防止され、焦げ付きの発生や、油の過熱による発煙や着火などを防止することができる。
【0022】
前記ベース板12の底面には、図4に示すように、所定の長さを有する突起16が一定の間隔で互いに離間した状態で扇子状に放射状に広がって突設され、前記突起16の間に火炎誘導路18が画成される。前記突起16により形成された火炎誘導路18を伝って、ベース板12の底面にぶつかった火炎が導かれ、前記本体10の一方の側壁11の内面に形成された供給口20に流入する。すなわち、供給口20は、火炎誘導路18を伝った火炎がスムーズに流入するように、該火炎誘導路18に垂直な面にて開口するように設けられている。図示の例では、図3〜4に示すように、特に中央部から離れた箇所において、供給口20が、凹陥部12Aの周壁にまで延在して開口しているすなわち、供給口20は、実際には、ベース板12に沿って延びる、比較的短い導入管路として設けられている。。特には、火炎誘導路18から延在されるように延びる管路として設けられれる。また、図3〜4に示すように、凹陥部12Aが、加熱器具70の火口70Aの配列箇所に対応しており、加熱器具70からの火炎が上方へと凹陥部12A内に噴き出してから、上記の炎誘導路18を伝って供給口20へと導かれる。図3〜4に示すようであると、火口が円形に配列されたタイプのガスレンジをそのまま用いることができる。すなわち、最も典型的な家庭用ガスレンジを用いることができる。しかし、凹陥部12Aを省くこともでき、例えば、火口が、矩形状または、直線状に2列設けられたような場合に対応して、ベース板12の底面の全体について、突起16を無視した場合に平坦であるものを用いることができる。
【0023】
前記本体10の両側壁11、13のうち一方(左方)の側壁11の内部には供給流路22が形成される。前記供給流路22の下端部は、前記側壁11の内面11A側に形成されている供給口20と連通し、供給流路22の上端は、側壁11の上面に開口している。すなわち、供給流路22は、本体10の底の供給口20に流入した火炎または熱気を、本体10の上端へと導く。図示の例で、供給流路22は、横断面が長円状ないし短冊状の、垂直に延びる有底筒状である。供給流路22は、内側及び外側の二重壁の間にて、筒状の部材によって設けることができる。また、無垢(中実)の板材からなる側壁11をくりぬいた孔でも良い。
【0024】
前記本体10の両側壁11、13のうち、対向側の側壁13の内部には、排出流路24が形成される。前記排出流路24の上端(上流端)は、側壁13の上端に開口しており、排出流路24の下端部(下流端部)は側壁13の外面に貫設されている排出口26に連通している。すなわち、排出流路24は、供給流路22を介して本体10の上端に供給されてカバー40と本体10との間の調理空間50を循環し終わった火炎または熱気を、本体10の右側下端部(すなわち右側の側壁13の下端部)に前後方向に配列された排出口26を介して外部に排出する。なお、図示の例において、排出流路24の形状及び寸法は、上記の供給流路22と同一である。また、上記に説明したと同様に、筒状の部材によっても、また、くりぬいた孔によっても設けることができる。
【0025】
前記本体10の後方には、焼板30から流出した油を受け入れる凹状の油受け部48をさらに別設することが好ましい。図示の例では、後壁17が二重に設けられて、2つの壁部の間に、本体10の左右方向寸法のほぼ全体にわたって延びる油受け部48が形成されている。
【0026】
前記焼板30は、前記本体10の上面、好ましくは、前記本体10を構成するベース板12の上方に加熱空間14を挟んで載置される。前記ベース板12から伝わる熱源により加熱空間14内の空気が暖められると、このときの暖められた空気を伝達されて食物を調理する。ここで、前記焼板30に載置された食物は、焼板30の熱源に加えて、上述した本体10の側壁11の供給流路22を介して排出流路24に循環する火炎の熱源によっても調理されるので、調理時間の短縮はもとより、食物をひっくり返す必要がなく一度に食物全体を満遍なく加熱することができる。図示の例において、焼板30は、特には図2に示されるように左右の縁の段部30Bにより、本体10の左右の側壁11,13の内縁部に係合している。一方、前後の縁の段部は、それぞれ、前壁15及び後壁17の外縁部に係合している。また、焼板30の後端部には、油受け部48へと、例えば焼き魚や焼き豚などから出る油を排出するための油排出口30Aが、左右方向に延びる短冊状の開口として設けられている。図1中に示す具体例によると、焼板30は、上面が、後端側へと向かって傾斜しており、これにより、油の排出がスムーズに行われるようになっている。また、うねび(畝)状の凹凸が設けられている。
【0027】
天井面40Aと四周の壁面とからなるカバー40が、前記本体10の上面に覆い被せられ、前記本体10の上面側に所定の大きさの調理空間50を画成する。すなわち、カバー40がぴったりと所定位置に被せられると、上記の供給流路22及び排出流路24並びに油排出口30Aを除き、食品を収納する調理空間50が、ほぼ密閉されるようにして閉じられる。前記カバー40により密閉形成された調理空間50には本体10の一方の側壁11に形成された供給流路22を介して火炎または熱気が供給されて前記本体10における対向側の側壁13に形成された排出流路24を介して火炎または熱気が循環しつつ排出される。なお、図2に示す具体例において、カバー40の天井面40Aが、排出流路24のある右側へと向かって緩やかに上昇しており、これにより、火炎または熱気が排出流路24の側へと向かって、よりスムーズに移動するようになっている。
【0028】
ここで、火炎の循環効率を高めるために、前記カバー40の内面における左右両側には、第1及び第2の反射用傾斜面42、44をそれぞれ形成して、供給流路22を抜け出た火炎または熱気を調理空間に効率よく循環させた状態で、対向側(右側)の排出流路24に排出し易くするように案内する。図示の例で、カバー40の内面の左右両端部が反射用傾斜面42、44をなしている。反射用傾斜面42、44を形成する部分40Bは、天井面40Aから延びる垂直壁40Cと、カバー40の下端縁をなすフランジ部40Dとの間の移行部分となっており、カバー40の外面側では段部をなしている。カバー40のフランジ部40Cは、本体10上端のフランジ部10Aに設けられた段部10Bに係合し、これにより、カバー40が本体10と、所定の位置関係で組み合わされるとともに、火炎または熱気がこれらの隙間から漏れ出すのを防止する。図示の具体例において、供給流路22の中心軸が、第1の反射用傾斜面42と垂直壁40Cとの境界部分と交わり、排出流路24の中心軸が、第2の反射用傾斜面44と垂直壁40Cとの境界部分と交わる。
【0029】
前記第1の反射用傾斜面42は、カバー40の内面の一方側(左側)にて、下流側(右側)へと向かって上向きに所定の角度だけ傾斜して設けられる。例えば、40〜50度、図示の例で約45度の傾斜面をなす。カバー40が本体10に覆い被せられると、第1の反射用傾斜面42は、前記本体10の供給流路22の上方に位置し、前記供給流路22から抜け出た火炎または熱気とぶつかりつつ火炎または熱気が対向側へと循環するように誘導する。
【0030】
前記第2反射用傾斜面44は、前記第1反射用傾斜面42の対向側となるカバー40の内面の他方側(右側)にて、下流側(右側)へと向かって下向きに所定の角度だけ傾斜して設けられる。例えば、40〜50度、図示の例で約45度の傾斜面をなす。カバー40が本体10に覆い被せられると、前記本体10の排出流路24の上方に位置し、カバー40と本体10との間の調理空間50を循環した火炎または熱気がぶつかった後、下方の排出流路24に排出するように誘導する。
【0031】
一方、前記カバー40の中央には透明材質の覗き窓46が設けられて、調理空間50において調理中にある食物60を外部から目視できるようにする。なお、本体10及びカバー40には、それぞれ、前後端にアーチ状の丸棒からなる取っ手10E,40Eが設けられている。また、図3に示すように、カバー40の内面の前後端部にも、第1及び第2反射用傾斜面42,44と全く同様の、傾斜面42A,44Aが設けられており、これにより同様の傾斜面を形成する部分40Bが、カバー40の全周にわたって設けられている。また、本体10の下端には、複数のボルト頭状の足80が取り付けられている。
【0032】
以下、図1から図4に基づき、本発明の一実施の形態による直火加熱用調理器具の作用を説明する。
【0033】
本発明の一実施の形態による調理器具100を使って食物を調理するときには、まず、本体10を加熱器具70に載置した後、本体10のベース板12の上方に加熱空間14を挟んで焼板30を載置した状態で、前記焼板30に食物を載置した後、カバー40を覆い被せ、加熱器具70を点火して食物を調理する。
【0034】
前記加熱器具70から発せられた火炎はベース板12の底面にぶつかるが、このとき、ベース板12は火炎により暖められ、ベース板12と焼板30との間の加熱空間14内の空気を暖めて焼板30を加熱して前記焼板30に載置された食物を調理する。
【0035】
これと同時に、前記ベース板12にぶつかった火炎はベース板12の底面に放射状に広がっている突起14の間に形成された火炎誘導路18を伝って移動しつつ本体10の一方(左側)の側壁11の内面側に形成されている供給口20に供給され、次いで、前記供給口20と連通する供給流路22を介してカバー40と本体10との間の調理空間50に流入する。このとき、前記供給流路22を介して調理空間に供給された火炎または熱気はカバー40の内面の一方側(左側)に形成されている第1反射用傾斜面42にぶつかった後、前記第1反射用傾斜面42が有する傾斜角により対向側(右側)へとスムーズに折れ曲がって送られる。次いで、第1反射用傾斜面42の対向側に形成された第2反射用傾斜面44にぶつかった後に前記第2反射板44が有する傾斜角により本体10の排出流路24に導かれる。この後、前記排出流路24と連通している排出口26を介して外部に排出される。このように、火炎または熱気がカバー40と本体10との間の調理空間50を巡ってから排出されるようにする。これにより、食物は、間接的に過熱された焼板30の熱源に加えて、調理空間50を循環する火炎または熱気の熱源によっても調理されるので、調理時間の短縮させることができ、しかも、食物をひっくり返す必要がなく一度に食物全体を満遍なく加熱することができる。
【符号の説明】
【0036】
10:本体 11、13:左右の側壁 12:ベース板
14:加熱空間 20:供給口 22:供給流路
24:排出流路 26:排出口 30:焼板
40:カバー 42:第1反射用傾斜面 44:第2反射用傾斜面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
直火加熱用調理器具において、
加熱器具(70)から発せられた火炎がぶつかるベース板(12)が配備され、前記ベース板(12)の両側に側壁(11、13)がそれぞれ形成される本体(10)と、
前記本体(10)の上面に載置される焼板(30)と、
前記焼板(30)が載置された本体(10)の上面に覆い被せられ、前記本体(10)の上面に調理空間(50)を密閉形成するカバー(40)と、
を備え、
前記本体(10)の一方の側壁(11)の内部には、下流端が前記側壁(11)の上端に開口し、上流端が前記側壁(11)の内面側に形成されている供給口(20)に連通して、前記ベース板(14)から導かれる火炎または熱気を、前記供給口(20)を介して導入して前記本体(10)とカバー(40)との間の調理空間(50)へと供給して循環させる供給流路(22)が形成され、
前記本体(10)の他方の側壁(13)の内部には、上流端が前記側壁(13)の上端に開口し、下流端が前記側壁(13)の外面に形成されている排出口(26)に連通して、前記調理空間(50)を循環し終わった火炎または熱気を前記排出口(26)を介して外部に排出する排出流路(24)がさらに形成されることを特徴とする直火加熱用調理器具。
【請求項2】
前記ベース板(12)の底面には多数の突起(16)が放射状に広がった状態で突設され、前記突起(16)の間には火炎を前記供給口(20)に導く火炎誘導路(18)が画成されることを特徴とする請求項1に記載の直火加熱用調理器具。
【請求項3】
前記カバー(40)の内面の一方側には第1反射用傾斜面(42)が下流へと向かって上向きに斜設され、前記カバー(40)の内面の他方側には第2反射板(44)が下流へと向かって下向きに斜設されることを特徴とする請求項1または2に記載の直火加熱用調理器具。
【請求項4】
前記ベース板(12)と前記焼板(30)との間には加熱空間(14)が形成されることを特徴とする請求項3に記載の直火加熱用調理器具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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