説明

相乗性殺虫剤混合物

本発明は、メチオカルブと、ネオニコチノイド類の群から選択される少なくとも1つの追加の公知活性物質とを含有する殺虫剤混合物に関する。本発明はまた、動物害虫を防除するため及び種子を処理するための前記化合物の使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、活性化合物として、メチオカルブと、ネオニコチノイドの群から選択される別の活性化合物とを含有してなる新規な活性化合物の組み合わせに関し、この組み合わせは極めてよい殺虫性を有する。
【背景技術】
【0002】

【0003】
【化2】

で示されるメチオカルブ〔3,5−ジメチル−4−(メチルチオ)フェニルメチルカーバメート〕が動物害虫、特に昆虫を防除するための殺虫剤及び殺ダニ剤として使用できることは、すでに知られている。メチオカルブは「メズロール」という名前でも知られている。さらにまた、ネオニコチノイド、例えばチアクロプリド、クロチアニジン、チアメトキサム、アセタミプリド、ニテンピラム及びジノテフランが、動物害虫、特に昆虫を防除するのに適していることが知られている。イミダクロプリド、別のクロロニコチニル化合物及びメチオカルブを含有する混合物は、すでに知られている(国際出願公開第WO96/37105A1号);しかし、茎葉及び土壌処理に適していると記載されているのみである。国際出願公開第WO03/063592A1号には、クロチアニジンとメチオカルブとを含有してなる組成物が記載されている。ここでもまた、具体的な注目は茎葉及び土壌処理に払われており、種子処理(dressing)に関する一般的な適合性も述べられている。しかし、この文献は、これらの混合物が実際に種子処理に適しているか及びこれらの混合物がどの作物に特に適しているかについて開示していない。
【0004】
これらの化合物の活性は良好である;しかし、低施用量では又は個々の害虫に対しては、これらの化合物は殺虫剤が満たさなければならない高い要件を必ずしも満たしていない。
【発明の開示】
【0005】
今般、メチオカルブと、以下に述べるネオニコチノイドの群から選択される少なくとも一つの化合物とを含有する混合物が相乗効果があり及び動物害虫を防除するのに適していることが見出された。この相乗作用によって、比較的少ない量の活性化合物を使用することができる、すなわち混合物の活性はこの個々の成分の活性よりも大きい。さらにまた、メチオカルブとイミダクロプリド、又はクロチアニジンとメチオカルブの組み合わせ(これらは、それ自体すでに知られている)が種子処理に特に適していることが認められた。活性化合物イミダクロプリド、クロチアニジン及びメチオカルブを含有する混合物もまた、害虫に対する保護のために種子処理に特に適していることが認められた。前記混合物は、トウモロコシ及びヒマワリの種子の処理に特に適している。
【0006】
前記の混合物が、この浸透様式の作用により、種子それ自体を保護するばかりではなく、特に一般的に慣用されているように、植物の発芽後に直ちに殺虫剤を施用することを必要とせずに、発芽植物も被害から保護する。
【0007】
前記の化合物は、例えばBritish Crop Protection Councilによって刊行された「The Pesticide Manual」,11th Edition、1997から知られている。
【0008】
チアメトキサムは、式
【0009】
【化3】

を有し、欧州特許出願公開第0 580 553A2号明細書から知られている。
【0010】
クロチアニジンは、式
【0011】
【化4】

を有し、欧州特許出願公開第0 376 279A2号明細書から知られている。
【0012】
チアクロプリドは、式
【0013】
【化5】

を有し、欧州特許出願公開第0 235 725A2号明細書から知られている。
【0014】
ジノテフランは、式
【0015】
【化6】

を有し、欧州特許出願公開第0 649 845A1号明細書から知られている。
【0016】
アセタミプリドは、式
【0017】
【化7】

を有し、国際出願公開第WO91/04965A1号から知られている。
【0018】
ニテンピラムは、式
【0019】
【化8】

を有し、欧州特許出願公開第0 302 389A2号明細書から知られている。
【0020】
イミダクロプリドは、式
【0021】
【化9】

を有し、欧州特許出願公開第0 192 060A1号明細書から知られている。
【0022】
活性化合物が用いられる比率及び使用すべき混合物の全体量は、昆虫の性質及び出現に応じる。それぞれの施用について、最適比率及び使用すべき全体量は、いずれの場合にも一連の試験で決定することができる。
【0023】
本発明の特に好ましい混合物は、活性化合物メチオカルブとクロチアニジンとを含有するか又はメチオカルブとイミダクロプリドとを含有する。これらの混合物において、それぞれの活性化合物の重量比は、1000:1から1:100、好ましくは125:1から1:50、特に好ましくは25:1から1:5であり、この場合にここで及び以下の比率では、メチオカルブが常に最初に述べられる。
【0024】
本発明のさらに特に好ましい混合物は、活性化合物メチオカルブとアセタミプリドとを含有する。該混合物において、前記の2つの活性化合物の重量比は、1000:1から1:100、好ましくは125:1から1:50、特に好ましくは25:1から1:5である。
【0025】
本発明のさらに特に好ましい混合物は、活性化合物メチオカルブとニテンピラムとを含有する。該混合物において、前記の2つの活性化合物の重量比は、1000:1から1:100、好ましくは125:1から1:50、特に好ましくは25:1から1:5である。
【0026】
本発明のさらに特に好ましい混合物は、活性化合物メチオカルブとジノテフランとを含有する。該混合物において、前記の2つの活性化合物の重量比は、1000:1から1:100、好ましくは125:1から1:50、特に好ましくは25:1から1:5である。
【0027】
本発明のさらに特に好ましい混合物は、活性化合物メチオカルブとチアメトキサムとを含有する。該混合物において、前記の2つの活性化合物の重量比は、1000:1から1:100、好ましくは125:1から1:50、特に好ましくは25:1から1:5である。
【0028】
本発明のさらに特に好ましい混合物は、活性化合物メチオカルブとチアクロプリドとを含有する。該混合物において、前記の2つの活性化合物の重量比は、1000:1から1:100、好ましくは125:1から1:50、特に好ましくは25:1から1:5である。
【0029】
本発明の特に好ましい混合物は、活性化合物メチオカルブとクロチアニジンとを含有する。種子粉衣に使用される前記混合物において、前記の2つの活性化合物の重量比は、1000:1から1:100、好ましくは125:1から1:50、特に好ましくは25:1から1:5であり、この場合に前記の比率では、メチオカルブが常に最初に述べられる。
【0030】
好ましくは、好ましいものとして前記に述べた混合物は、他の殺虫活性成分を含有しない。
【0031】
本発明の活性化合物の組み合わせは、良好な植物親和性及び都合のよい温血動物毒性を有し、農業において、林業において、貯蔵製品及び材料の保護において並びに衛生部門において遭遇する動物害虫、特に昆虫、クモ形動物及び線虫を防除するのに適している。本発明の活性化合物の組み合わせは、作物保護組成物として茎葉処理及び土壌処理に使用することが好ましい。
【0032】
本発明の活性化合物の組み合わせは、標準的な感受性及び抵抗性の種に対して並びに発育の全ての段階又は幾つかの段階に対して有効である。前記の害虫としては、下記のものが挙げられる:
等脚目(Isopoda)から、例えばオニクス・アセルス(Oniscus asellus)、オカダンゴムシ(Armadillidium vulgare)、ワラジムシ(Porcellio scaber)。ヤスデ綱(Diplopoda)から、例えばブラニウルス・グッツラーツス(Blaniulus guttulatus)。ムカデ綱(Chilopoda)から、例えばツチムカデ(Geophilus carpophagus)、スクチゲラ(Scutigera)種。コムカデ目(Symphyla)から、例えばスクチゲレラ・イマクラータ(Scutigerella immaculata)。シミ目(Thysanura)から、例えばセイヨウシミ(Lepisma saccharina)。トビムシ目(Collembola)から、例えばシロトビムシ(Onychiurus armatus)。直翅目(Orthoptera)から、例えばヨーロッパイエコオロギ(Acheta domesticus)、ケラ(Gryllotalpa)種、トノサマバッタ(Locusta migratoria migratorioides)、メラノプルス(Melanoplus)種、サバクトビバッタ(Schistocerca gregaria)。ゴキブリ目(Blattaria)から、例えばトウヨウゴキブリ(Blatta orientalis)、ワモンゴキブリ(Periplaneta americana)、マデラゴキブリ(Leucophaea maderae)、チャバネゴキブリ(Blattella germanica)。ハサミムシ目(Dermaptera)から、例えばヨーロッパクギヌキハサミムシ(Forficula auricularia)。シロアリ目(Isoptera)から、例えばヤマトシロアリ(Reticulitermes)種。シラミ目(Phthiraptera)から、例えばコロモジラミ(Pediculus humanus corporis)、ブタジラミ(Haematopinus)種、ケモノホソジラミ(Linognathus)種、ケモノハジラミ(Trichodectes)種、ダマリニア(Damalinia)種。総翅目(Thysanoptera)から、例えばクリバネアザミウマ(Hercinothrips femoralis)、ネギアザミウマ(Thrips tabaci)、ミナミキイロアザミウマ(Thrips palmi)、ミカンキイロアザミウマ(Frankliniella occidentalis)。異翅目(Heteroptera)から、例えばチャイロカメムシ(Eurygaster)種、ベニホシカメムシ(Dysdercus intermedius)、ピエスマ・クアドゥラータ(Piesma quadrata)、トコジラミ(Cimex lectularius)、オオサシガメ(Rhodnius prolixus)、サシガメ(Triatoma)種。同翅目(Homoptera)から、例えばアレウロデス・ブラシッカエ(Aleurodes brassicae)、タバココナジラミ(Bemisia tabaci)、オンシツコナジラミ(Trialeurodes vaporariorum)、ワタアブラムシ(Aphis gossypii)、ダイコンアブラムシ(Brevicoryne brassicae)、クリプトミズス・リビス(Cryptomyzus ribis)、マメクロアブラムシ(Aphis fabae)、リンゴアブラムシ(Aphis pomi)、リンゴワタムシ(Eriosoma lanigerum)、モモコフキアブラムシ(Hyalopterus arundinis)、ブドウジラミ(Phylloxera vastatrix)、ワタムシ(Pemphigus)種、ムギヒゲナガアブラムシ(Macrosiphum avenae)、ミズス(Myzus)種、ホップイボアブラムシ(Phorodon humuli)、ムギクビレアブラムシ(Rhopalosiphum padi)、ニドリヒメヨコバイ(Empoasca)種、エウスケリス・ビロバーツス(Euscelis bilobatus)、ツマグロヨコバイ(Nephotettix cincticeps)、ミズキカタカイガラムシ(Lecanium corni)、オリーブカタカイガラムシ(Saissetia oleae)、ヒメトビウンカ(Laodelphax striatellus)、トビイロウンカ(Nilaparvata lugens)、アカマルカイガラムシ(Aonidiella aurantii)、シロマルカイガラムシ(Aspidiotus hederae)、コナカイガラムシ(Pseudococcus)種、キジラミ(Psylla)種。鱗翅目(Lepidoptera)から、例えばワタアカミムシ(Pectinophora gossypiella)、ブパルス・ピニアリウス(Bupalus piniarius)、ケイマトビア・ブルマータ(Cheimatobia brumata)、リソコレチス・ブランカルデラ(Lithocolletis blancardella)、ヒポノメウタ・パデラ(Hyponomeuta padella)、コナガ(Plutella xylostella)、オビカレハ(Malacosoma neustria)、ドクガ(Euproctis chrysorrhoea)、マイマイガ(Lymantria)種、ブックラトリクス・スルベリエラ(Bucculatrix thurberiella)、ミカンハモグリガ(Phyllocnistis citrella)、ヤガ(Agrotis)種、エウクソア(Euxoa)種、フェルティア(Feltia)種、ミスジオリンガ(Earias insulana)、ヒリオシス(Heliothis)種、ヨトウガ(Mamestra brassicae)、マツキリガ(Panolis flammea)、ヨトウ(Spodoptera)種、イラクサギンウワバ(Trichoplusia ni)、カルポカプサ・ポモネラ(Carpocapsa pomonella)、モンシロチョウ(Pieris)種、ニカメイガ(Chilo)種、アワノメイガ(Pyrausta nubilalis)、スジコナマダラメイガ(Ephestia kuehniella)、ハチノスツヅリガ(Galleria mellonella)、コイガ(Tineola bisselliella)、イガ(Tinea pellionella)、ホフマンノフィラ・プセウドスプレテルラ(Hofmannophila pseudospretella)、カコエキア・ポダナ(Cacoecia podana)、カプア・レテクラナ(Capua reticulana)、トウヒシントメハマキ(Choristoneura fumiferana)、ブドウホソハマキ(Clysia ambiguella)、チャハマキ(Homona magnanima)、トルトリックス・ビリダーナ(Tortrix viridana)、クナファロケルス(Cnaphalocerus)種、イネクビボソハムシ(Oulema oryzae)。甲虫目(Coleoptera)から、例えばアノビウム・プンクターツム(Anobium punctatum)、コナナガシンクイ(Rhizopertha dominica)、エンドウゾウムシ(Bruchidius obtectus)、インゲンマメゾウムシ(Acanthoscelides obtectus)、ヒロトルペス・バジュルス(Hylotrupes bajulus)、アゲラスチカ・アルニ(Agelastica alni)、コロラドハムシ(Leptinotarsa decemlineata)、カラシナハムシ(Phaedon cochleariae)、デアブロチカ(Diabrotica)種、ナトビハムシ(Psylliodes chrysocephala)、インゲンテントウ(Epilachna varivestis)、アトマリア(Atomaria)種、ノコギリヒラタムシ(Oryzaephilus surinamensis)、ハナゾウムシ(Anthonomus)種、コクゾウムシ(Sitophilus)種、キンケクチブトリゾウムシ(Otiorrhynchus sulcatus)、バショウオサゾウムシ(Cosmopolites sordidus)、ケウソルリンクス・アッシミリス(Ceuthorrhynchus assimilis)、アルファルファタコゾウムシ(Hypera postica)、カツヲブシムシ(Dermestes)種、トゥロゴデルマ(Trogoderma)種、アンスレヌス(Anthrenus)種、アッタゲヌス(Attagenus)種、ヒラタキクイムシ(Lyctus)種、メリゲセス・アエネウス(Meligethes aeneus)、プテヌス(Ptinus)種、ニプトゥス・ホロレウクス(Niptus hololeucus)、ニセマルヒョウホンムシ(Gibbium psylloides)、トゥボリウム(Tribolium)種、チャイロコメノゴミムシダマシ(Tenebrio molitor)、アグリオテス(Agriotes)種、コノデルス(Conoderus)種、ヨーロッパコフキコガネ(Melolontha melolontha)、アンフィマロン・ソルステテアリス(Amphimallon solstitialis)、コステリトゥラ・アエアランデカ(Costelytra zealandica)、イネミズゾウムシ(Lissorhoptrus oryzophilus)。膜翅目(Hymenoptera)から、例えばマツハバチ(Diprion)種、ナシミバチ(Hoplocampa)種、ケアリ(Lasius)種、イエヒメアリ(Monomorium pharaonis)、スズメバチ(Vespa)種。双翅目(Dipte
ra)から、例えばヤブカ(Aedes)種、ハマダラカ(Anopheles)種、イエカ(Culex)種、キイロショウジョウバエ(Drosophila melanogaster)、イエバエ(Musca)種、ヒメイエバエ(Fannia)種、クロバエ(Calliphora erythrocephala)、キンバエ(Lucilia)種、オビキンバエ(Chrysomyia)種、ウサギヒフバエ(Cuterebra)種、ウマバエ(Gastrophilus)種、シラミバエ(Hyppobosca)種、サシバエ(Stomoxys)種、ヒツジバエ(Oestrus)種、ヒフバエ(Hypoderma)種、アブ(Tabanus)種、タンニア(Tannia)種、ビビオ・ホルツラヌス(Bibio hortulanus)、キモグリバエ(Oscinella frit)、フォルビア(Phorbia)種、アカザモグリハナバエ(Pegomyia hyoscyami)、チチュウカイミバエ(Ceratitis capitata)、オリーブミバエ(Dacus oleae)、チプラ・パルドーサ(Tipula paludosa)、ヒレミア(Hylemyia)種、ハモグリバエ(Liriomyza)種。ノミ目(Siphonaptera)から、例えばケオプスネズミノミ(Xenopsylla cheopis)及びニワトリノミ(Ceratophyllus)種。クモ綱(Arachnida)から、例えばイスラエルゴールドスコーピオ(Scorpio maurus)、クロゴケグモ(Latrodectus mactans)、アシブトコナダニ(Acarus siro)、ナガヒメダニ(Argas)種、カズキダニ(Ornithodoros)種、ワクモ(Dermanyssus gallinae)、エリオフィネス・リビス(Eriophyes ribis)、ミカンサビダニ(Phyllocoptruta oleivora)、ウシダニ(Boophilus)種、コイタマダニ(Rhipicephalus)種、キララマダニ(Amblyomma)種、イボマダニ(Hyalomma)種、マダニ(Ixodes)種、キュウセンヒゼンダニ(Psoroptes)種、コリオプテス(Chorioptes)種、ヒゼンダニ(Sarcoptes)種、ホコリダニ(Tarsonemus)種、クローバーハダニ(Bryobia praetiosa)、パノニクス(Panonychus)種、ハダニ(Tetranychus)種、ヘミタルソネムス(Hemitarsonemus)種、ヒメハダニ(Brevipalpus)種。
【0033】
植物寄生線虫としては、例えば、ネグサレセンチュウ(Pratylenchus)種、バナナネモグリセンチュウ(Radopholus similis)、ナミキクセンチュウ(Ditylenchus dipsaci)、ミカンネセンチュウ(Tylenchulus semipenetrans)、シストセンチュウ(Heterodera)種、グロボデラ(Globodera)種、ネコブセンチュウ(Meloidogyne)種、ハガレセンチュウ(Aphelenchoides)種、ナガハリセンチュウ(Longidorus)種、オオハリセンチュウ(Xiphinema)種、ユミハリセンチュウ(Trichodorus)種、マツノザイセンチュウ(Bursaphelenchus)種が挙げられる。
【0034】
全ての植物及び植物部分は、本発明に従って処理することができる。植物とは、この文脈では全ての植物及び植物群、例えば望ましい及び望ましくない野生植物又は作物植物(天然産の作物植物を含む)を意味すると理解される。作物植物は、慣用の育種法及び最適化法によって又はバイオテクノロジー法及び組換え法によって、又はこれらの方法の組み合わせによって得ることができる植物、例えばトランスジェニック植物であることができ、また植物育種者の権利によって保護できるか又は保護できない植物変種であることができる。植物部分とは、植物の全ての地上及び地下部分並びに器官、例えば新芽、葉、花及び根を意味すると理解され、挙げ得る例は葉、針状葉、茎、幹、花、子実体、果実及び種子、並びに根、塊茎及び地下茎である。また、植物部分としては、収穫物、並びに栄養及び生殖繁殖材料、例えば挿し木、塊茎、地下茎、短匐枝及び種子が挙げられる。
【0035】
この文脈において重視し得るのは、穀草植物、例えば、コムギ、カラスムギ、オオムギ、スペルトコムギ、ライコムギ及びライムギばかりではなく、トウモロコシ、モロコシ及びキビ、イネ、サトウキビ、ダイズ、ヒマワリ、ジャガイモ、ワタ、アブラナ、カノーラ、タバコ、サトウダイコン、飼料ビート、アスパラガス、ホップ及び果樹植物(仁果、例えばリンゴ及びナシ、核果、例えばモモ、ネクタリン、サクランボ、プラム及びアンズ、柑橘類果物、例えばオレンジ、グレープフルーツ、ライム、レモン、キンカン、タンジェリン及びウンシュウミカン、堅果、例えばピスタチオ、アーモンド、クルミ及びペカンの実、熱帯果物、例えば、マンゴー、パパイヤ、パイナップル、ナツメヤシ及びバナナ並びにブドウを含む)及び野菜類(葉菜類、例えば、エンダイブ、コーン・サラダ、イタリアウイキョウ、レタス、タチチシャ、フダンソウ、ホウレンソウ及びサラダ用チコリ、キャベツ類、例えばカリフラワー、ブロッコリー、ハクサイ、カーリーケール(curly kale)、フェザードキャベツ(feathered cabbage)、コールラビ、芽キャベツ、赤キャベツ、白キャベツ及びチリメンキャベツ、果菜類、例えば、ナス、キュウリ、唐辛子、食用カボチャ、トマト、ズッキーニ及びスィートコーン、根菜類、例えば、根用セロリ、野生カブ、ニンジン、例えばイエロー・キャロット、ハツカダイコン、サトウダイコン、ゴボウ及びセロリ、マメ科植物、例えば、エンドウマメ及びマメ類、並びにネギ科の野菜、例えば、ニラ及びタマネギを含む)における使用に関する本発明の組成物の特に都合のよい効果である。本発明の組み合わせは、トウモロコシ及びヒマワリの種子を処理するのに特に適している。
【0036】
本発明の活性化合物の組み合わせによる植物及び植物部分の本発明の処理は、直接に行うか又は植物及び植物部分の周囲、生育環境又は貯蔵空間を慣用の処理方法で、例えば浸漬、噴霧、蒸発、燻煙、散布又は塗布により処理することによって行い、また繁殖材料、特に種子の場合には一つ又はそれ以上の被覆を施すことによって行う。
【0037】
本発明の混合物、特に有効成分イミダクロプリドとメチオカルブとの組み合わせ又はクロチアニジンとメチオカルブとの組み合わせが、種子の処理に特に適している。従って、害虫によって引き起こされる作物植物に対する被害の大部分は、早ければ種子に貯蔵中に害虫がついた場合に及び種子が土壌に導入された後に、並びに植物の発芽中に及び発芽直後に生じる。この段階は、生育中の植物の根及び芽が特に感受性であり及びたとえ少ない被害であっても全植物の死を招き得ることから特に重要である。従って、適切な組成物の使用による種子及び発芽植物の保護は、特に極めて重要である。
【0038】
植物の種子を処理することによる害虫の防除は、長い間知られており、継続的な改良の対象である。しかし、種子の処理は必ずしも満足するように解決できるとは限らない一連の問題を伴う。従って、種子及び発芽植物を保護する方法であって、植物の植え付け後又は出芽後の作物保護製品のさらなる施用を省く方法を開発することが望ましい。さらにまた、活性化合物の量を害虫による攻撃から種子及び発芽植物について最適保護を提供するような方法で、しかし用いられる活性化合物によって植物自体に被害を与えることなく最適化することが望ましい。特に、種子の処理方法は、用いられる最小限の作物保護製品を用いて種子及び発芽植物の最適保護を達成するために、トランスジェニック植物の内在性殺虫性も考慮に入れるべきである。
【0039】
従って、本発明は、特に、種子を本発明の組成物で処理することによる害虫による攻撃から種子を保護する及び植物、特に発芽植物を保護する方法に関する。本発明は同様に、種子及びこれから得られる植物を害虫から保護するために種子を処理するための本発明の組成物の使用に関する。さらにまた、本発明は、害虫から保護を提供するように本発明の組成物で処理されている種子に関する。
【0040】
本発明の利点の一つは、本発明の組成物の個々の浸透性(systemic properties)がこれらの組成物を用いた種子の処理が害虫から種子自体を保護するばかりではなく、発芽後に生じる植物も保護することを意味することである。このように、播種時又はこの直後の作物の迅速処理は省くことができる。
【0041】
別の利点は、本発明の組成物の相乗的に増大した殺虫活性であって、それぞれ個々の活性化合物と比べて、個々に施用した場合の2種類の活性化合物の活性の合計を超える活性である。これは、用いる活性化合物の量の最適化を可能にする。
【0042】
さらにまた、本発明の混合物は特にトランスジェニック種子にも用いることができ、この種子から生じる植物が害虫に対して指向するタンパク質を発現することができることが利点として考慮されねばならない。このような種子を本発明の組成物で処理することによって、ある種の害虫を、例えば、単に殺虫性タンパク質の発現によるだけで防除することができ、意外にも、この結果はまた本発明の組成物による相乗的に補足された活性であり、この場合も害虫による攻撃に対して保護の効果を増大する活性である。
【0043】
本発明の組成物は、農業、温室、林業、園芸又はブドウ栽培において用いられる上記ですでに述べたような植物種の種子を保護するのに適している。特に、これは、トウモロコシ、ピーナッツ、カノーラ、アブラナ、ケシ、ダイズ、ワタ、ビート(例えば、サトウダイコン及び飼料ビート)、イネ、モロコシ及びキビ、コムギ、オオムギ、オートムギ、ライムギ、ヒマワリ又はタバコの種子の形態をとる。本発明の組成物は、同様に、前記ですでに述べたような果樹植物及び野菜の種子を処理するのに適している。トウモロコシ、ダイズ、ワタ、コムギ及びカノーラ又はアブラナの種子の処理は種子が特に重要である。従って、例えば、活性化合物メチオカルブとイミダクロプリドとを含有するか又はクロチアニジンとメチオカルブとを含有する本発明の混合物は、トウモロコシ及びヒマワリの種子を処理するのに特に適している。
【0044】
前記ですでに述べたように、本発明の組成物によるトランスジェニック種子の処理もまた特に重要である。これは、原則として、特に殺虫性を有するポリペプチドの発現を左右する少なくとも一種の異種遺伝子を含有する植物の種子の形態をとる。この文脈において、トランスジェニック種子の異種遺伝子は、微生物、例えばバチルス(Bacillus)菌、リゾビウム(Rhizobium)菌、シュードモナス(Pseudomanas)菌、セラチア(Serratia)菌、トリコデルマ(Trichoderma)菌、クラビバクター(Clavibacter)菌、グロムス(Glomus)菌又はグリオクラジウム(Gliocladium)菌から誘導し得る。本発明は、バチルス(Bacillus)種起源の少なくとも一種の異種遺伝子を含有するトランスジェニック種子の処理に特に適しており、この遺伝子産物はヨーロッパアワノメイガ及び/又は根切り虫に対して活性を示す。バチルス・スリンジエンシス(Bacillus thuringiensis)から誘導される異種遺伝子が特に好ましい。ここでもまた、本発明の組み合わせは、トウモロコシの種子に特に適している。
【0045】
本発明の範囲内で、本発明の組成物は、種子に対して単独で施用されるか又は適切な製剤で施用される。種子は処理中の被害を避けるのに十分に安定である状態で処理されることが好ましい。一般的に、種子は、収穫と播種の間の任意の時点で処理し得る。常用される種子は、植物から分離され、穂軸、殻、茎、外皮、毛又は果肉から除去される。種子を処理する場合には、一般に、種子に施用される本発明の組成物の量及び/又は別の添加剤の量が種子の発芽に悪影響を及ぼさないか、又は得られる植物を傷めないような方法で選択されることに注意を払わなければならない。これは、ある施用量で薬害効果を有し得る活性化合物の場合には特に心に留めておかなければならない。
【0046】
本発明の組成物は、直接に、すなわち他の成分なしに及び希釈せずに施用することができる。原則として、本発明の組成物は、種子に適切な製剤の形で施用することが好ましい。適切な製剤及び種子の処理方法は当業者に知られており、例えば次の文献、米国特許第4,272,417号明細書、米国特許第4,245,432号明細書、米国特許第4,808,430号明細書、米国特許第5,876,739号明細書、米国特許出願公開第2003/0176428号明細書、国際出願公開第WO2002/080675A1号、国際出願公開第WO2002/028186A2号に記載されている。
【0047】
前記の活性化合物の組み合わせは、慣用の製剤、例えば液剤、エマルジョン、水和剤、懸濁剤、粉末、粉剤、ペースト剤、水溶剤、粒剤、サスポエマルジョン製剤、活性化合物含浸天然及び合成物質、並びに高分子物質中の微細カプセル剤に変えることができる。
【0048】
これらの製剤は、公知の方法で、例えば活性化合物を増量剤、すなわち液状溶媒及び/又は固形担体と、場合によっては界面活性剤、すなわち乳化剤及び/又は分散剤及び/又は起泡剤と混合することにより製造される。
【0049】
使用する増量剤が水である場合には、例えば有機溶媒を補助溶媒として使用することもできる。適切な液状溶媒は、本質的に芳香族炭化水素、例えばキシレン、トルエン又はアルキルナフタレン類;塩素化芳香族炭化水素及び塩素化脂肪族炭化水素、例えばクロロベンゼン類、クロロエチレン類又は塩化メチレン;脂肪族炭化水素、例えばシクロヘキサン又はパラフィン類、例えば石油留分、鉱油及び植物油;アルコール類、例えばブタノール又はグリコール及びこれらのエーテル類及びエステル類;ケトン類、例えばアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン又はシクロヘキサノン;強極性溶媒、例えばジメチルホルムアミド及びジメチルスルホキシド;又は水である。
【0050】
適切な固形担体は:
例えばアンモニウム塩及び粉砕天然鉱物、例えばカオリン、粘土、タルク、チョーク、石英、アタパルジャイト、モンモリロナイト又はケイソウ土、又は粉砕合成鉱物、例えば微細シリカ、アルミナ及びケイ酸塩であり;粒剤に適した固形担体は、例えば破砕及び分別天然石、例えば方解石、大理石、軽石、海泡石及びドロマイト、並びに無機及び有機粉末の合成顆粒、並びに有機材料、例えばおが屑、ヤシ殻、トウモロコシ穂軸及びタバコ茎の顆粒であり;適切な乳化剤及び/又は起泡剤は、例えば非イオン性乳化剤及び陰イオン性乳化剤、例えばポリオキシエチレン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレン脂肪アルコールエーテル類、例えばアルキルアリールポリグリコールエーテル類、アルキルスルホン酸塩類、アルキル硫酸塩類、アリールスルホン酸塩類及びタンパク質加水分解生成物であり;適切な分散剤は、例えばリグノ亜硫酸塩廃液及びメチルセルロースである。
【0051】
粘着付与剤、例えばカルボキシメチルセルロース及び粉末状、粒状又はラテックス状の天然及び合成重合体、例えばアラビアゴム、ポリビニルアルコール及びポリ酢酸ビニル、又は天然リン脂質、例えばセファリン類及びレシチン類、並びに合成リン脂質が前記製剤に使用できる。他の添加剤は、鉱油及び植物油であることができる。
【0052】
着色剤、例えば無機顔料、例えば酸化鉄、酸化チタン及びプルシアンブルー、並びに有機染料、例えばアリザリン染料、アゾ染料及び金属フタロシアニン染料、並びに微量栄養素、例えば鉄、マンガン、ホウ素、銅、コバルト、モリブデン及び亜鉛の塩を使用できる。
【0053】
前記の製剤は、一般に活性化合物を0.1から95重量%、好ましくは0.5から90重量%含有する。
【0054】
好ましくは、本発明の活性化合物の組み合わせは、前記のメチオカルブ及びネオニコチノイド以外は別の活性化合物を含有しない。
【0055】
適切ならば、市販の製剤及びこれらの製剤から調製される使用形態における本発明の活性化合物の組み合わせは、他の公知の活性化合物、例えば殺虫剤、誘引剤、不妊剤、殺細菌剤、殺ダニ剤、殺線虫剤、殺菌剤、成長調節剤又は除草剤との混合物で存在させることができる。殺虫剤としては、例えばリン酸エステル類、カーバメート類、カルボン酸エステル類、塩素化炭化水素類、フェニル尿素、微生物によって産生される物質などが挙げられる。
【0056】
混合物に特に都合のよい成分の例としては、下記の化合物である:
殺菌剤:
アルジモルフ、アムプロピルホス、アムプロピルホス・カリウム、アンドプリム(andoprim)、アニラジン、アザコナゾール、アゾキシストロビン、ベナラキシル、ベノダニル、ベノミル、ベンザマクリル、ベンザマクリル・イソブチル、ビアラホス、ビナパクリル、ビフェニル、ビテルタノール、ブラストサイジン・S、ブロムコナゾール、ブピリメート、ブチオベート、多硫化石灰、カプシマイシン(capsimycin)、カプタホール、キャプタン、カルベンダジム、カルボキシン、カルボン、キノメチオナート、クロベンチアゾン、クロルフェナゾール、クロロネブ、クロルピクリン、クロロタロニル、クロゾリネート、クロジラコン、クフラネブ、シモキサニル、シプロコナゾール、シプロジニル、シプロフラム、デバカルブ、ジクロロフェン、ジクロブトラゾール、ジクロフルアニド、ジクロメジン、ジクロラン、ジエトフェンカルブ、ジフェノコナゾール、ジメチリモール、ジメトモルフ、ジニコナゾール、ジニコナゾール・M、ジノカップ、ジフェニルアミン、ジピリチオン、ジタリムホス、ジチアノン、ドデモルフ、ドジン、ドラゾキソロン、エジフェンホス、エポキシコナゾール、エタコナゾール、エチリモール、エトリジアゾール、ファモキサドン、フェナパニル、フェナリモール、フェンブコナゾール、フェンフラム、フェニトロパン、フェンピクロニル、フェンプロピジン、フェンプロピモルフ、酢酸トリフェニル錫、水酸化トリフェニル錫、ファーバム、フェリムゾン、フルアジナム、フルメトオーバー(flumetover)、フルオロミド、フルキンコナゾール、フルルプリミドール、フルシラゾール、フルスルファミド、フルトラニル、フルトリアホール、フォルペット、ホセチル・アルミニウム、ホセチル・ナトリウム、フサライド、フベリダゾール、フララキシル、フラメトピル、フルカルバニル、フルコナゾール、フルコナゾール−シス、フルメシクロックス、グアザチン、ヘキサクロロベンゼン、ヘキサコナゾール、ヒメキサゾール、イマザリル、イミベンコナゾール、イミノクタジン、イミノクタジンアルベシル酸塩、イミノクタジン三酢酸塩、ヨードカルブ、イプコナゾール、イプロベンホス(IBP)、イプロジオン、イルママイシン、イソプロチオラン、イソバレジオン、カスガマイシン、クレソキシムメチル;銅製剤、例えば水酸化第二銅、ナフテン酸銅、塩基性塩化銅、硫酸銅、酸化銅、オキシン銅及びボルドー液、マンカッパー、マンコゼブ、マネブ、メフェリムゾン、メパニピリム、メプロニル、メタラキシル、メトコナゾール、メタスルホカルブ、メトフロキサム、メチラム、メトメクラン、メトスルホバックス、ミルディオマイシン、マイクロブタニル、マイクロゾリン、ジメチルジチオカルバミン酸ニッケル、ニトロタル・イソプロピル、ヌアリモール、オフレース、オキサジキシル、オキサモカルブ(oxamocarb)、オキソリン酸、オキシカルボキシン、オキシフェンチイン(oxyfenthiin)、パクロブトラゾール、ペフラゾエート、ペンコナゾール、ペンシクロン、ホスダイフェン、ピマリシン、ピペラリン、ポリオキシン、ポリオキソリム、プロベナゾール、プロクロラズ、プロシミドン、プロパモカルブ、プロパノシン(propanosine)・ナトリウム、プロピコナゾール、プロピネブ、ピラゾホス、ピリフェノックス、ピリメタニル、ピロキロン、ピロキシフル、キンコナゾール、キントゼン(PCNB)、硫黄及び硫黄製剤、テブコナゾール、テクロフタラム、テクナゼン、テトシクラシス、テトラコナゾール、チアベンダゾール、チシオフェン、チフルザミド、チオファネート・メチル、チラム、チオキシミド、トルクロホス・メチル、トリルフルアニド、トリアジメホン、トリアジメノール、トリアズブチル、トリアゾキシド、トリクラミド、トリシクラゾール、トリデモルフ、トリフルミゾール、トリホリン、トリチコナゾール、ウニコナゾール、バリダマイシンA、ビンクロゾリン、ビニコナゾール、ザリルアミド、ジネブ、ジラム、
並びにDagger G、OK−8705、OK−8801、α−(1,1−ジメチルエチル)−β−(2−フェノキシエチル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−エタノール、α−(2,4−ジクロロフェニル)−β−フルオロ−β−プロピル−1H−1,2,4−トリアゾール−1−エタノール、α−(2,4−ジクロロフェニル)−β−メトキシ−α−メチル−1H−1,2,4−トリアゾール−1−エタノール、α−(5−メチル−1,3−ジオキサン−5−イル)−β−[[4−(トリフルオロメチル)フェニル]メチレン]−1H−1,2,4−トリアゾール−1−エタノール、(5RS,6RS)−6−ヒドロキシ−2,2,7,7−テトラメチル−5−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)−3−オクタノン、(E)−α−(メトキシイミノ)−N−メチル−2−フェノキシフェニルアセトアミド、{2−メチル−1−[[[1−(4−メチルフェニル)エチル]アミノ]カルボニル]プロピル}カルバミン酸1−イソプロピル、1−(2,4−ジクロロフェニル)−2−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)−エタノン−O−(フェニルメチル)オキシム、1−(2−メチル−1−ナフタレニル)−1H−ピロール−2,5−ジオン、1−(3,5−ジクロロフェニル)−3−(2−プロペニル)−2,5−ピロリジンジオン、1−[(ジヨードメチル)スルホニル]−4−メチルベンゼン、1−[[2−(2,4−ジクロロフェニル)−1,3−ジオキソラン−2−イル]メチル]−1H−イミダゾール、1−[[2−(4−クロロフェニル)−3−フェニルオキシラニル]メチル]−1H−1,2,4−トリアゾール、1−[1−[2−[(2,4−ジクロロフェニル)メトキシ]フェニル]エテニル]−1H−イミダゾール、1−メチル−5−ノニル−2−(フェニルメチル)−3−ピロリジニノール、2’,6’−ジブロモ−2−メチル−4’−トリフルオロメトキシ−4’−トリフルオロメチル−1,3−チアゾール−5−カルボキサニリド、2,2−ジクロロ−N−[1−(4−クロロフェニル)エチル]−1−エチル−3−メチルシクロプロパンカルボキサミド、2,6−ジクロロ−5−(メチルチオ)−4−ピリミジニルチオシアネート、2,6−ジクロロ−N−(4−トリフルオロメチルベンジル)ベンズアミド、2,6−ジクロロ−N−[[4−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル]ベンズアミド、2−(2,3,3−トリヨード−2−プロペニル)−2H−テトラゾール、2−[(1−メチルエチル)スルホニル]−5−(トリクロロメチル)−1,3,4−チアジアゾール、2−[[6−デオキシ−4−O−(4−O−メチル−β−D−グリコピラノシル)−α−D−グルコピラノシル]アミノ]−4−メトキシ−1H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−5−カルボニトリル、2−アミノブタン、2−ブロモ−2−(ブロモメチル)ペンタンジニトリル、2−クロロ−N−(2,3−ジヒドロ−1,1,3−トリメチル−1H−インデン−4−イル)−3−ピリジンカルボキサミド、2−クロロ−N−(2,6−ジメチルフェニル)−N−(イソチオシアネートメチル)アセトアミド、2−フェニルフェノール(OPP)、3,4−ジクロロ−1−[4−(ジフルオロメトキシ)フェニル]−1H−ピロール−2,5−ジオン、3,5−ジクロロ−N−[シアノ[(1−メチル−2−プロピニル)オキシ]メチル]ベンズアミド、3−(1,1−ジメチルプロピル−1−オキソ−1H−インデン−2−カルボニトリル、3−[2−(4−クロロフェニル)−5−エトキシ−3−イソオキサゾリジニル]ピリジン、4−クロロ−2−シアノ−N,N−ジメチル−5−(4−メチルフェニル)−1H−イミダゾール−1−スルホンアミド、4−メチルテトラゾロ[1,5−a]キナゾリン−5(4H)−オン、8−(1,1−ジメチルエチル)−N−エチル−N−プロピル−1,4−ジオキサスピロ[4.5]デカン−2−メタンアミン、8−ヒドロキシキノリン硫酸塩、N−2−[(フェニルアミノ)カルボニル]−9H−キサンテン−9−カルボヒドラジド、ビス−(1−メチルエチル)−3−メチル−4−[(3−メチルベンゾイル)オキシ]−2,5−チオフェンジカルボキシラート、シス−1−(4−クロロフェニル)−2−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)シクロヘプタノール、シス−4−[3−[4−(1,1−ジメチルプロピル)フェニル−2−メチルプロピル]−2,6−ジメチルモルホリン塩酸塩、[(4−クロロフェニル)アゾ]シアノ酢酸エチル、炭酸水素カリウム、メタンテトラチオールナトリウム塩、1−(2,3−ジヒドロ−2,2−ジメチル−1H−インデン−1−イル)−1H−イミダゾール−5−カルボン酸メチル、メチル=N−(2,6−ジメチルフェニル)−N−(5−イソオキサゾリルカルボニル)−DL−アラニネート、メチル=N−(クロロアセチル)−N−(2,6−ジメチルフェニル)−DL−アラニネート、N−(2,3−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)−1−メチル−シクロヘキサンカルボキサミド、N−(2,6−ジメチルフェニル)−2−メトキシ−N−(テトラヒドロ−2−オキソ−3−フラニル)アセトアミド、N−(2,6−ジメチルフェニル)−2−メトキシ−N−(テトラヒドロ−2−オキソ−3−チエニル)アセトアミド、N−(2−クロロ−4−ニトロフェニル)−4−メチル−3−ニトロベンゼンスルホンアミド、N−(4−シクロヘキシルフェニル)−1,4,5,6−テトラヒドロ−2−ピリミジンアミン、N−(4−ヘキシルフェニル)−1,4,5,6−テトラヒドロ−2−ピリミジンアミン、N−(5−クロロ−2−メチルフェニル)−2−メトキシ−N−(2−オキソ−3−オキサゾリジニル)アセトアミド、N−(6−メトキシ−3−ピリジニル)シクロプロパンカルボキサミド、N−[2,2,2−トリクロロ−1−[(クロロアセチル)アミノ]エチル]ベンズアミド、N−[3−クロロ−4,5−ビス(2−プロピニルオキシ)フェニル]−N’−メトキシメタンイミドアミド、N−ホルミル−N−ヒドロキシ−DL−アラニンナトリウム塩、O,O−ジエチル[2−(ジプロピルアミノ)−2−オキソエチル]エチルホスホロアミドチオエート、O−メチル,S−フェニル=フェニルプロピルホスホロアミドチオエート、S−メチル=1,2,3−ベンゾチアジアゾール−7−カルボチオエート、スピロ[2H]−1−ベンゾピラン−2,1’(3’H)−イソベンゾフラン]−3’−オン。
殺細菌剤:
ブロノポール、ジクロロフェン、ニトラピリン、ジメチルジチオカルバミン酸ニッケル、カスガマイシン、オクチリノン、フランカルボン酸、オキシテトラサイクリン、プロベナゾール、ストレプトマイシン、テクロフタラム、硫酸銅及び他の銅製剤。
殺虫剤/殺ダニ剤/殺線虫剤:
アバメクチン、アセフェート、アセタミプリド、アクリナトリン、アラニカルブ、アルジカルブ、アルドキシカルブ、アルファ−シペルメトリン、アルファメトリン、アミトラズ、アバメクチン、AZ60541、アザジラクチン、アザメチホス、アジンホスA、アジンホスM、アゾシクロチン、バチルス・ポピリエ(Bacillus popilliae)、バチルス・スフェリカス(Bacillus sphaericus)、枯草菌(Bacillus subtilis)、バチルス・スリンジエンシス(Bacillus thuringiensis)、バキュロウイルス、ボーベリア・バシアーナ(Beauveria bassiana)、ボーベリア・テネラ(Beauveria tenella)、ベンダイオカルブ、ベンフラカルブ、ベンスルタップ、ベンゾキシメート、ベータシフルトリン、ビフェナゼート、ビフェントリン、ビオエタノメトリン、ビオペルメトリン、BPMC、ブロモホスA、ブフェンカルブ、ブプロフェジン、ブタチオホス(butathiofos)、ブトカルボキシム、ブチルピリダベン(butylpyridaben)、カズサホス、カルバリル、カルボフラン、カルボフェノチオン、カルボスルファン、カルタップ、クロエトカルブ、クロルエトキシホス、クロルフェナピル、クロルフェンビンホス、クロルフルアズロン、クロルメホス、クロルピリホス、クロルピリホスM、クロベパトリン(chlovaporthrin)、クロマフェノジド、シス−レスメトリン、シスペルメトリン(cispermethrin)、クロシトリン(clocythrin)、クロエトカルブ、クロフェンテジン、クロチアニジン、シアノホス、シクロプレン(cycloprene)、シクロプロトリン、シフルトリン、シハロトリン、シヘキサチン、シペルメトリン、シロマジン、デルタメトリン、ジメトンM、ジメトンS、ジメトン−S−メチル、ジアフェンチウロン、ダイアジノン、ジクロルボス、ジコホル、ジフルベンズロン、ジメトエート、ジメチルビンホス、ジオフェノラン、ジスルホトン、ドキュセート・ナトリウム、ドフェナピン(dofenapyn)、エフルシラネート(eflusilanate)、エマメクチン、エンペントリン、エンドスルファン、エントモフトラ(Entomophthora)種、エスフェンバレレート、エチオフェンカルブ、エチプロール、エチオン、エトプロホス、エトフェンプロックス、エトキサゾール、エトリムホス、フェナミホス、フェナザキン、酸化フェンブタスズ、フェニトロチオン、フェノチオカルブ、フェノキサクリム、フェノキシカルブ、フェンプロパトリン、フェンピラド、フェンピリトリン、フェンピロキシメート、フェンバレレート、フィプロニル、フルアジナム、フルアズロン、フルブロシトリネート、フルシクロクスロン、フルシトリネート、フルフェノクスロン、フルテンジン(flutenzine)、フルバリネート、ホノホス、ホスメチラン、ホスチアゼート、フブフェンプロックス(fubfenprox)、フラチオカルブ、顆粒症ウイルス、ハロフェノジド(halofenozide)、HCH、ヘプテノホス、ヘキサフルムロン、ヘキシチアゾックス、ハイドロプレン、イミダクロプリド、インドキサカルブ、イサゾホス、イソフェンホス、イソキサチオン、イベルメクチン、核多角体病ウイルス、λ−シハロトリン、ルフェヌロン、マラチオン、メカルバム、メタアルデヒド、メタミドホス、メタリジウム・アニソプリエ(Metharhizium anisopliae)、メタリジウム・フラボビリデ(Metharhizium flavoviride)、メチダチオン、メチオカルブ、メソミル、メトキシフェノジド、メトルカルブ、メトキサジアゾン、メビンホス、ミルベメクチン、モノクロトホス、ナレッド、ニテンピラム、ニチアジン、ノバルロン、オメトエート、オキサミル、オキシジメトンM、ペシロマイセス・フモソロセウス(Paecilomyces fumosoroseus)、パラチオンA、パラチオンM、ペルメトリン、フェントエート、ホレート、ホサロン、ホスメット、ホスファミドン、ホキシム、ピリミカーブ、ピリミホスA、ピリミホスM、プロフェノホス、プロメカルブ、プロパルギット、プロポキスル、プロチオホス、プロトエート、ピメトロジン、ピラクロホス、ピレスメトリン、ピレトリン、ピリダベン、ピリダチオン(pyridathion)、ピリミジフェン、ピリプロキシフェン、キナルホス、リバビリン、サリチオン、ブチルフォス、シラフルオフェン、スピノサド、スピロディクロフェン、スピロメシフェン、スルホテップ、スルプロホス、タウ−フルバリネート、テブフェノジド、テブフェンピラド、テブピリミホス(tebupirimiphos)、テフルベンズロン、テフルトリン、テメホス、テミビンホス、テルブホス、テトラクロルビンホス、θ−シペルメトリン、チアクロプリド、チアメトキサム、チアプロニル、チアトリホス(thiatriphos)、チオシクラムシュウ酸塩、チオジカルブ、チオファノックス、スリンジエンシン(thuringiensin)、トラロシトリン、トラロメトリン、トリアラセン、トリアザメート、トリアゾホス、トリアズロン(triazuron)、トリクロフェニジン(trichlophenidine)、トリクロルホン、トリフルムロン、トリメタカルブ、バミドチオン、バニリプロール(vaniliprole)、バーティシリウム・レカニ(Verticillium lecanii)、YI5302、ゼータ−シペルメトリン、ゾラプロホス、
並びに(1R−シス)−[5−(フェニルメチル)−3−フラニル]メチル=3−[(ジヒドロ−2−オキソ−3(2H)−フラニリデン)メチル]−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート、(3−フェノキシフェニル)メチル=2,2,3,3−テトラメチルシクロプロパンカルボキシレート、1−[(2−クロロ−5−チアゾリル)メチル]テトラヒドロ−3,5−ジメチル−N−ニトロ−1,3,5−トリアジン−2(1H)−イミン、2−(2−クロロ−6−フルオロフェニル)−4−[4−(1,1−ジメチルエチル)フェニル]−4,5−ジヒドロオキサゾール、2−(アセチルオキシ)−3−ドデシル−1,4−ナフタレンジオン、2−クロロ−N−[[[4−(1−フェニルエトキシ)フェニル]アミノ]カルボニル]ベンズアミド、2−クロロ−N−[[[4−(2,2−ジクロロ−1,1−ジフルオロエトキシ)フェニル]アミノ]カルボニル]ベンズアミド、3−メチルフェニルプロピルカルバメート、4−[4−(4−エトキシフェニル)−4−メチルペンチル]−1−フルオロ−2−フェノキシベンゼン、4−クロロ−2−(1,1−ジメチルエチル)−5−[[2−(2,6−ジメチル−4−フェノキシフェノキシ)エチル]チオ]−3(2H)−ピリダジノン、4−クロロ−2−(2−クロロ−2−メチルプロピル)−5−[(6−ヨード−3−ピリジニル)メトキシ]−3(2H)−ピリダジノン、4−クロロ−5−[(6−クロロ−3−ピリジニル)メトキシ]−2−(3,4−ジクロロフェニル)−3(2H)−ピリダジノン、バチルス・スリンジエンシス(Bacillus thuringiensis)株EG−2348、[2−ベンゾイル−1−(1,1−ジメチルエチル)]ベンゾヒドラジド、2,2−ジメチル−3−(2,4−ジクロロフェニル)−2−オキソ−1−オキサスピロ[4.5]デカ−3−エン−4−イル=ブタノエート、[3−[(6−クロロ−3−ピリジニル)メチル]−2−チアゾリジニリデン]シアナミド、ジヒドロ−2−(ニトロメチレン)−2H−1,3−チアジン−3(4H)−カルボキサルデヒド、[2−[[1,6−ジヒドロ−6−オキソ−1−(フェニルメチル)−4−ピリダジニル]オキシ]エチル]カルバミン酸エチル、N−(3,4,4−トリフルオロ−1−オキソ−3−ブテニル)グリシン、N−(4−クロロフェニル)−3−[4−(ジフルオロメトキシ)フェニル]−4,5−ジヒドロ−4−フェニル−1H−ピラゾール−1−カルボキサミド、N−メチル−N’−(1−メチル−2−プロペニル)−1,2−ヒドラジンジカルボチオアミド、N−メチル−N’−2−プロペニル−1,2−ヒドラジンジカルボチオアミド、O,O−ジエチル−[2−(ジプロピルアミノ)−2−オキソエチル]エチルホスホロアミドチオエート。
【0057】
他の公知の活性化合物、例えば除草剤、又は肥料及び生長調節剤との混合物も可能である。
【0058】
殺虫剤として使用する場合には、本発明の活性化合物の組み合わせは、この市販されている製剤で及びこれらの製剤を用いて調製される使用形態で、さらに相乗剤との混合物の形で存在させ得る。相乗剤は、活性化合物の作用を高める化合物であり、加えられる相乗剤それ自体が活性である必要はない。
【0059】
市販されている製剤から調製される使用形態の活性化合物含有量は、広い範囲の中で変化させることができる。前記の使用形態の活性化合物濃度は、活性化合物が0.0000001から95重量%、好ましくは0.0001から1重量%であることができる。
【0060】
本発明の化合物の組み合わせは、使用形態に適した慣用の方法で使用される。
【0061】
衛生害虫及び貯蔵品害虫に対して使用する場合には、本発明の活性化合物の組み合わせは、木材及び土に対する優れた残留作用によって並びに石灰散布した基層(substrate)のアルカリに対する良好な安定性によって区別される。
【0062】
本発明の活性化合物の組み合わせは、植物害虫、衛生害虫及び貯蔵製品害虫に対してばかりではなく、動物薬の領域の動物寄生虫(外部寄生虫)、例えばマダニ、ヒメダニ、ヒゼンダニ、ツツガムシダニ、ハエ(サシバエ及びナメバエ)、寄生性ハエ幼虫、シラミ、ケジラミ、ハジラミ及びノミに対しても作用する。
【0063】
本発明の活性化合物の組み合わせはまた、農業生産家畜、例えば牛、羊、山羊、馬、豚、ロバ、ラクダ、水牛、ウサギ、ニワトリ、七面鳥、アヒル、ガチョウ、蜜蜂、他の愛玩動物、例えば犬、猫、籠で飼う鳥、観賞魚、並びに実験動物として知られているもの、例えばハムスター、モルモット、ラット及びマウスに寄生する節足動物を駆除するのに適している。これらの節足動物を駆除することによって、死亡及び生産性の低下(肉、乳、毛、皮革、卵、蜜などについて)が低減され、従って本発明の活性化合物の組み合わせを使用することによってよりいっそう経済的で及び容易な畜産が可能になる。
【0064】
本発明の活性化合物の組み合わせは、動物薬分野において、公知の方法で、例えば錠剤、カプセル剤、頓服水剤、水薬、顆粒、ペースト剤、ボーラス剤、フィードスルー(feed−through)法及び坐薬の形態で経腸投与によって、非経口投与、例えば注射(筋肉内、皮下、静脈内、腹腔内など)、移植によって、鼻内投与によって、皮膚使用、例えば浸漬又は入浴、噴霧、注加(pouring)及びスポッティング、洗浄及び散布の形態での皮膚使用によって、並びに活性化合物を含有する成形品、例えば首輪、耳標、尾標、肢帯、端綱、マーキング装置などを用いて公知の方法で使用される。
【0065】
家畜、家禽、愛玩動物などに投与する場合には、活性化合物は、該活性化合物を1から80重量%含有する製剤(例えば、粉剤、乳剤、フロアブル剤)として直接使用できるし又は100から10000倍希釈後に使用でき、又は薬浴の形で使用してもよい。
【0066】
また、本発明の活性化合物の組み合わせが産業資材(industrial material)を破壊する昆虫に対して強い殺虫作用を有することが知見された。
【0067】
産業資材とは、本明細書では非生物材料、例えば好ましくはプラスチック、接着剤、糊、紙及び厚紙、皮革、木材及び加工木材製品並びに塗料を意味すると理解されるべきである。
【0068】
昆虫の繁殖から保護されるべきことが極めて特に好ましい材料は、木材及び加工木材製品である。
【0069】
本発明の組成物又はこれを含有する混合物で保護することができる木材及び木製材料は、例えば:
建造用木材、木製梁、鉄道枕木、橋脚部品、船舶桟橋、木製車両、箱、パレット、コンテナー、電柱、ウッドクラッド、木製窓枠及びドア、プライウッド、ボール紙、建具、又は家屋建造物もしくは建造物用建具に一般的に使用される木製品を意味すると理解されるべきである。
【0070】
本発明の活性化合物の組み合わせは、このままで、濃厚物の形態で又は一般的な慣用製剤、例えば粉剤、粒剤、液剤、懸濁剤、エマルジョン又はペースト剤で使用できる。
【0071】
前記の製剤は、それ自体公知の方法で製造することができ、例えば活性化合物を少なくとも一種の溶媒又は希釈剤、乳化剤、分散剤及び/又は結合剤又は固定化剤、撥水剤、所望ならば乾燥剤及びUV安定剤並びに所望ならば着色剤及び顔料、並びに他の加工補助剤と混合することによって製造することができる。
【0072】
木材及び木製品の防腐に使用される殺虫剤組成物又は濃厚物は、本発明の活性化合物を0.0001から95重量%、特に0.001から60重量%の濃度で含有する。
【0073】
使用される組成物又は濃厚物の量は、昆虫の性質や発生及び媒体に依存する。用いるべき最適施用量は、それぞれの場合に施用についての一連の試験によって決定できる。しかし、一般的には、保護すべき材料を基準として活性化合物を0.0001から20重量%、好ましくは0.001から10重量%使用するのが十分である。
【0074】
適切な溶媒及び/又は希釈剤は、有機化学溶媒もしくは溶媒混合物及び/又は低揮発性の油性もしくは油様の有機化学溶媒もしくは溶媒混合物及び/又は極性の有機化学溶媒もしくは溶媒混合物及び/又は水、並びに適切ならば乳化剤及び/又は湿潤剤である。
【0075】
使用することが好ましい有機化学溶媒は、35よりも大きい蒸発数及び30℃よりも高い引火点、好ましくは45℃よりも高い引火点をもつ油性又は油様溶媒である。水不溶性であり及び低揮発性であり及び使用されるこのような油性又は油様溶媒は、適切な鉱油又はこの芳香族留分であるか、又は鉱油含有溶媒混合物、好ましくはホワイトスピリット、石油及び/又はアルキルベンゼンである。
【0076】
都合よく使用される鉱油は、170から220℃の沸点範囲をもつ鉱油、170から220℃の沸点範囲をもつホワイトスピリット、250から350℃の沸点範囲をもつスピンドル油、160から280℃の沸点範囲をもつ石油及び芳香族炭化水素、テルペンチン油などである。
【0077】
好ましい実施態様では、180から210℃の沸点範囲をもつ液状脂肪族炭化水素、又は180から220℃の沸点範囲をもつ芳香族炭化水素と脂肪族炭化水素との高沸点混合物及び/又はスピンドル油及び/又はモノクロロナフタレン、好ましくはα−モノクロロナフタレンが使用される。
【0078】
低揮発性で及び35よりも大きい蒸発数及び30℃よりも高い引火点、好ましくは45℃よりも高い引火点をもつ有機油性又は油様溶媒は、溶媒混合物が同様に35よりも大きい蒸発数及び30℃よりも高い引火点、好ましくは45℃よりも高い引火点をもつこと及び殺虫剤/殺菌剤混合物がこの溶媒混合物に溶解又は乳化できることを条件として、この一部を高揮発性又は中揮発性の有機化学溶媒で置換することができる。
【0079】
好ましい実施態様において、有機化学溶媒又は溶媒混合物の一部は、脂肪族極性有機化学溶媒又は溶媒混合物で置換される。ヒドロキシル基及び/又はエステル基及び/又はエーテル基を含有する脂肪族有機化学溶媒、例えばグリコールエーテル、エステルなどを使用することが好ましい。
【0080】
本発明の目的に使用される有機化学結合剤は、それ自体公知であり及び水で希釈することができ及び/又は使用される有機化学溶媒に溶解又は分散又は乳化できる合成樹脂及び/又は結合性乾性油であり、特にアクリル酸樹脂、ビニル樹脂、例えばポリ酢酸ビニル、ポリエステル樹脂、重縮合又は重付加樹脂、ポリウレタン樹脂、アルキド樹脂又は変性アルキド樹脂、フェノール樹脂、炭化水素樹脂、例えばインデン/クマロン樹脂、シリコン樹脂、乾性植物油及び/又は乾性油及び/又は天然樹脂及び/又は合成樹脂を基材とした物理的乾燥性結合剤からなるか又はこれらを含有してなる結合剤である。
【0081】
結合剤として使用される合成樹脂は、エマルジョン、分散物又は溶液の形態で使用できる。また、ビチューメン又はビチューメン様物質も、最大10重量%の量で結合剤として使用できる。また、着色剤、顔料、撥水剤、臭気中和剤及び阻害剤又は防錆剤など(これらは全てそれ自体公知である)がさらに使用できる。
【0082】
本発明によれば、前記の組成物又は濃厚物は、有機化学結合剤として、少なくとも一種のアルキド樹脂又は変性アルキド樹脂及び/又は乾性植物油を含有することが好ましい。本発明に従って使用することが好ましいアルキド樹脂は、45重量%を超える含油量、好ましくは50から68重量%の含油量を有するアルキド樹脂である。
【0083】
前記の結合剤の一部又は全部は、固定化剤(混合物)又は可塑剤(混合物)で置換することができる。これらの添加剤は、活性化合物の蒸発、及び結晶化又は沈降を防止することを目的とする。これらの添加剤は、結合剤の0.01から30%(使用する結合剤100%を基準として)を置換することが好ましい。
【0084】
可塑剤は、フタル酸エステル、例えばフタル酸ジブチル、フタル酸ジオクチル又はフタル酸ベンジルブチル;リン酸エステル、例えばリン酸トリブチル;アジピン酸エステル、例えばアジピン酸ジ(2−エチルヘキシル);ステアリン酸エステル、例えばステアリン酸ブチル又はステアリン酸アミル;オレイン酸エステル、例えばオレイン酸ブチル;グリセリンエーテル又は比較的高分子量のグリコールエーテル、グリセリンエステル及びp−トルエンスルホン酸エステルの化学分類のものである。
【0085】
固定化剤は、ポリビニルアルキルエーテル、例えばポリビニルメチルエーテル又はケトン類、例えばベンゾフェノン及びエチレンベンゾフェノンを化学的に基剤とする。
【0086】
他の適切な溶媒又は希釈剤は、特に水、適切ならば前記の有機化学溶媒又は希釈剤、乳化剤及び分散剤の一種又はそれ以上との混合物としての水である。
【0087】
木材の特に効果的な防腐は、大規模な工業的含浸法によって、例えば減圧法、二重減圧法又は加圧法によって達成される。
【0088】
適切ならば、すぐ使用できる組成物は、さらに他の殺虫剤を含有することができ、また適切ならば一種又はそれ以上の殺菌剤を含有することができる。
【0089】
本発明の活性化合物の組み合わせは、同時に、塩水又は汽水と接触する物体、特に船体、スクリーン、網、建造物、係留及び信号設備を付着物から保護するのに使用できる。
【0090】
付着性の貧毛綱(Oligochaeta)、例えばサンザシゴカイ科(Serpulidae)による付着物及びレダモルファ(Ledamorpha)群(フジツボ類)の貝及び種、例えば種々のエボシガイ(Lepas)種及びスカルペルム(Scalpellum)種による付着物又はフジツボ下目(Balanomorpha)群(フジツボ)の種、例えばフジツボ(Balanus)種又はポリキペス(Pollicipes)種による付着物は、船舶の摩擦抵抗を大きくし、この結果、より大きなエネルギー消費及び乾ドックにおけるさらに頻繁な居留により運転コストの著しい増加を招く。
【0091】
藻類例えばシオミドロ(Ectocarpus)種及びケラミウム(Ceramium)種による付着物の他に、蔓脚類(Cirripedia)(cirriped crustaceans)という一般名に入る付着性エントモストラーカ(Entomostraka)群による付着物が特に重要である。
【0092】
また本発明の活性化合物の組み合わせは、密閉空間、例えば住居、工場ホール、事務所、車両操縦室などで認められる動物害虫、特に昆虫、クモ形類動物及びダニを防除するのにも適している。本発明の活性化合物は前記害虫を防除するための家庭用殺虫剤製品に単独で又は他の活性化合物及び補助剤と組み合わせて使用できる。本発明の活性化合物は、感受性及び抵抗性の種や全ての発育段階に対して活性である。
【0093】
家庭用殺虫剤の分野での施用は、他の適切な活性化合物、例えばリン酸エステル、カルバメート、ピレスロイド、生長調節剤又は公知のクラスの殺虫剤からの活性化合物と組み合わせて使用できる。
【0094】
本発明の活性化合物の組み合わせは、エアゾール、非加圧スプレー製品、例えばポンプ付き及びアトマイザー付きスプレー、自動煙霧装置、煙霧器、フォーム、ゲル;セルロース又は重合体製蒸発錠剤を有する蒸発器製品;液体蒸発器、ゲル及び膜式蒸発器、噴射剤駆動蒸発器、無動力又は受動蒸発装置、防虫紙、防虫バッグ及び防虫ゲルに、展着用餌又は誘引ステーションに顆粒又は粉末として使用される。
【0095】
本発明の活性化合物の組み合わせを施用する場合には、この施用量は施用の種類に応じて相当の範囲の中で変化させることができる。植物部分の処理においては、活性化合物の組み合わせの施用量は、一般に0.1から10000g/ha、好ましくは10から1000g/haである。
【0096】
本発明の活性化合物の組み合わせの良好な殺虫作用は、以下の実施例から認めることができる。個々の活性化合物はこの作用が弱いが、この組み合わせはこの作用の単純合計を超える作用を示す。
2種類の活性化合物の組み合わせの殺虫率の計算式
2種類の活性化合物の所定の組み合わせについて期待される作用は、算出することができる〔S.R.Colby,「Calculating Synergistic and Antagonistic Responses of Herbicide
Combinations」,Weeds,15,20−22,1967参照〕。
【0097】
X=活性化合物Aを ppmの施用量で用いる場合の殺虫率(未処理対照の%として表される)であり、
Y=活性化合物Bを ppmの施用量で用いる場合の殺虫率(未処理対照の%として表される)であり、及び
E=活性化合物A及びBを()ppmの施用量で用いる場合の殺虫率(未処理対照の%として表される)であれば、
【0098】
【数1】

である。
【0099】
実際の殺虫率が計算値よりも高い場合には、前記の組み合わせの殺虫率は超付加(superadditive)的であり、すなわち相乗効果が存在する。この場合には、実際に観察された殺虫率は、期待される殺虫率(E)について前記の式を使用して算出される値よりも高いものでなければならない。
【実施例】
【0100】
実施例A
モモアカアブラムシ試験
溶 媒: ジメチルホルムアミド7部
乳化剤: アルキルアリールポリグリコールエーテル2重量部
活性化合物の適切な製剤を製造するために、活性化合物1重量部を前記の量の溶媒及び乳化剤と混合し、得られた濃厚物を乳化剤含有水で所望の濃度に希釈した。
【0101】
全ての段階のモモアカアブラムシ(Myzus persicae)を多数蔓延させたキャベツの葉を、所望濃度の活性化合物の製剤に浸すことによって処理した。
【0102】
所定の期間後に、殺虫率(%)を調べた。100%は、モモアカアブラムシ全部が死んだことを意味し;0%は、モモアカアブラムシが全く死ななかったことを意味する。調べた殺虫率を、Colby式に入力した。
【0103】
この試験において、本発明の下記の活性化合物の組み合わせは、それ自体で施用されたそれぞれの活性化合物と比較して相乗的に高められた活性を示した(表A1からA3):
【0104】
【表1】

【0105】
【表2】

【0106】
【表3】

【0107】
【表4】

実施例B
コナガ試験(標準感受性株)
溶 媒: ジメチルホルムアミド7重量部
乳化剤: アルキルアリールポリグリコールエーテル2重量部
活性物質の適切な製剤を製造するために、活性物質1重量部を前記の量の溶媒及び乳化剤と混合し、得られた濃厚物を、乳化剤を含有する水で所望の濃度で希釈した。
【0108】
キャベツの葉を所望濃度の活性物質の製剤に浸すことによって処理し、この葉が未だ湿っている間にコナガ(Plutella xylostella、標準感受性株)の幼虫を生息させた。
【0109】
所定の期間後に、殺虫率(%)を調べた。100%は、幼虫全部が死んだことを意味し;0%は、幼虫が全く死ななかったことを意味する。測定した殺虫率は、Colby式(シート1参照)に入力した。
【0110】
この試験で、下記の本出願の活性化合物の組み合わせは、個々に使用した活性化合物と比べて相乗的に高められた効果を示した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】

【化1】

のメチオカルブとチアクロプリド、チアメトキサム、アセタミプリド、ニテンピラム及びジノテフランからなる群から選択される少なくとも一種の化合物との相乗有効量を含有してなる組成物。
【請求項2】
メチオカルブとチアクロプリドとの相乗有効量を含有してなる組成物。
【請求項3】
チオカルブとチアメトキサムとの相乗有効量を含有してなる組成物。
【請求項4】
メチオカルブとアセタミプリドとの相乗有効量を含有してなる組成物。
【請求項5】
メチオカルブとニテンピラムとの相乗有効量を含有してなる組成物。
【請求項6】
メチオカルブとジノテフランとの相乗有効量を含有してなる組成物。
【請求項7】
メチオカルブ、クロチアニジン及びイミダクロプリドの相乗有効量を含有してなる組成物。
【請求項8】
メチオカルブとこの混合相手との重量比が100:1から1:50の間にある、請求項1から7のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項9】
種子処理のためのイミダクロプリドとメチオカルブとの相乗有効混合物を含有してなる組成物の使用。
【請求項10】
種子処理のためのクロチアニジンとメチオカルブとの相乗有効混合物を含有してなる組成物の使用。
【請求項11】
動物害虫を防除するための請求項1から8のいずれかに記載の組成物の使用。
【請求項12】
種子処理のための請求項1から8のいずれかに記載の組成物の使用。
【請求項13】
請求項1から8のいずれかに記載の組成物を害虫及び/又はこの生息環境に作用させることを特徴とする、害虫の防除方法。
【請求項14】
請求項1から8のいずれかに記載の相乗有効混合物を増量剤及び/又は界面活性剤と混合することを特徴とする、殺虫剤の製造方法。
【請求項15】
請求項1から8のいずれかに記載の組成物、又はイミダクロプリドとメチオカルブとの相乗効果混合物又はクロチアニジンとメチオカルブとの相乗効果混合物を含有してなる組成物で処理されていることを特徴とする、種子。

【公表番号】特表2007−534677(P2007−534677A)
【公表日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−508788(P2007−508788)
【出願日】平成17年4月14日(2005.4.14)
【国際出願番号】PCT/EP2005/003924
【国際公開番号】WO2005/102056
【国際公開日】平成17年11月3日(2005.11.3)
【出願人】(302063961)バイエル・クロツプサイエンス・アクチエンゲゼルシヤフト (524)
【Fターム(参考)】