説明

相転移リガンドでコートされた水溶性磁性または水溶性金属酸化物ナノ粒子とその製造方法及び用途

本発明は、磁性または金属酸化物ナノ粒子が付着領域、付着領域−交差連結領域または付着領域−活性成分結合領域からなる相転移リガンドでコートされたことを特徴とする水溶性磁性または水溶性金属酸化物ナノ粒子及び(1)水不溶性磁性または金属酸化物ナノ粒子を有機溶媒で合成する工程;(2)上記水不溶性磁性または金属酸化物ナノ粒子を第1溶媒に溶解して相転移リガンドを第2溶媒に溶解する工程;及び(3)上記工程(2)で得られた2つ溶液を混合して水不溶性磁性または金属酸化物ナノ粒子の表面を相転移リガンドで置換させる工程を含む水溶性磁性または水溶性金属酸化物ナノ粒子の製造方法に関するものである。また、上記相転移リガンドでコートされた水溶性磁性及び水溶性金属酸化物ナノ粒子は物質の分離と検出、疾患の診断と治療、細菌及び汚染物質の分解など様々な分野で使用することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水溶性磁性または水溶性金属酸化物ナノ粒子とその製造方法及び用途に関する。さらに詳細には、磁性または金属酸化物ナノ粒子が付着領域、付着領域−交差連結領域または付着領域−活性成分結合領域からなる相転移リガンドでコートされたことを特徴とする水溶性磁性または水溶性金属酸化物ナノ粒子、水不溶性の磁性または金属酸化物ナノ粒子から相転移を介して水溶性の磁性または金属酸化物ナノ粒子を製造する方法と上記水溶性磁性または金属酸化物ナノ粒子の物質分離と検出、疾患の診断と治療、細菌及び汚染物質の分解など様々な分野での用途に関するものである。
【背景技術】
【0002】
磁性ナノ粒子と金属酸化物ナノ粒子は、その特異な磁気的、光学的、電気的な性質によって次世代電子情報通信技術及びバイオ技術における核心構成要素として作用することが期待されている。特に、このような磁性または金属酸化物ナノ粒子がバイオ技術で利用された時には、磁気共鳴映像などのイメージングプローブ、巨大磁気抵抗センサーを含むバイオセンサー、マイクロ流体系センサー、薬物/遺伝子伝達、磁性高温治療などの様々な範囲に応用され、超高速、高分解能、高感度診断、ピンポイント療法(pinpointing therapy)などに革新的な発展を促進させることが期待されている。
【0003】
具体的に、磁性ナノ粒子は、分子磁気共鳴映像の診断プローブ(probe)として用いられる。磁性ナノ粒子は、ナノ粒子周辺にある水分子の水素原子のスピン−スピン弛緩時間を短縮させ、磁気共鳴映像信号を増幅させる効果を示し、今まで分子映像診断に広く使用されてきた。
【0004】
また、磁性ナノ粒子は、巨大磁気抵抗(GMR)のプローブ物質として作用する。磁性ナノ粒子が、巨大磁気抵抗バイオセンサー表面にパターンされている生体分子を感知して結合すれば、磁性ナノ粒子によって巨大磁気抵抗センサーの電流信号が変わるようになり、生体分子を選択的に検出することができる(特許文献1、2、3、4)。
【0005】
また、磁性ナノ粒子は生体分子の分離にも応用できる。例えば、特定の生体マーカーを発現する細胞と他の細胞が混ざっている時、磁性ナノ粒子が特定の生体マーカーと選択的に結合するようにした後、外部から磁場をかければ、磁場方向に所望の細胞だけを分離することができる(特許文献5、6、7、8)。さらに、タンパク質、抗原、ペプチド、DNA、RNA、ウイルスなど様々な生体分子の分離にも応用することができる。
【0006】
また、磁性ナノ粒子は、磁性マイクロ流体センサーに応用され、生体分子を分離及び検出することができる。チップ上に非常に小さなチャネルを作り、その中に磁性ナノ粒子を流すことで、マイクロ単位の流体系で生体分子を検出及び分離することができる。
【0007】
また、磁性ナノ粒子は、薬物または遺伝子の伝達を介して生体治療にも使用できる。磁性ナノ粒子に化学的な結合または吸着を通じて、薬物または遺伝子を付着し、外部磁場を利用して所望の位置に移動し、所望の特定部位に薬物及び遺伝子の放出を可能にして、選択的な治療効果が可能になる(特許文献9)。
【0008】
磁性ナノ粒子を用いた生体治療のさらに別の例として、磁性スピンエネルギーを用いた高温治療が挙げられる(特許文献10、11)。磁性ナノ粒子は、外部のラジオ周波数の交流電流を流すと、スピンフリッピング(flipping)過程を経て、熱を放出するようになる。この時、ナノ粒子周辺の温度が40℃以上になるため、細胞が高い熱によって死ぬようになり、癌細胞のような細胞を選択的に死滅させることができる。
【0009】
磁性ナノ粒子は身体の一部に移植され、生体器官を代替することができる。例えば、酸化鉄ナノ粒子を形状記憶高分子と混合した後、外部磁場を加えることによって誘導された熱により形状記憶高分子の形状が変化し、これを利用して人工網膜を開発することができる(非特許文献1)。
【0010】
一方、金属酸化物ナノ粒子も様々な用途で利用されている。例えば、酸化チタンナノ粒子は、特異な光電子触媒効果を有しており、外部の光によって光電子を形成し、これを利用して抗菌効果を発揮するため、様々な抗菌生活用品として利用できるだけでなく、癌細胞及び病原菌の死滅などに使用できる。
【0011】
以上のような用途として磁性ナノ粒子または金属酸化物ナノ粒子が利用されるためには、1)物理的/化学的特性に優れており、2)生体内、即ち、水溶性環境から安定に運搬及び分散されなければならなく、3)生体活性物質と容易に結合できなければならない。これにより、上記条件を満たすために、現在まで様々な技術が開発されてきた。
【0012】
特許文献12には、酸化鉄のような金属を含む超常磁性ナノ粒子に関するものであるが、上記ナノ粒子の表面に組織特異的な結合物質、診断または薬剤学的に活性の物質とカップリングしうる結合部位を含む無機物質を付着したナノ粒子を開示している。
【0013】
特許文献13には、酸化鉄のような金属を含む常磁性ナノ粒子に関するものであるが、上記ナノ粒子の表面に特定のカルボン酸を付着し、重力または磁場でナノ粒子が凝集及び沈殿されることを防止する方法が開示されている。上記特定のカルボン酸は、マレイン酸、酒石酸、グルカル酸などの脂肪族ジカルボン酸またはクエン酸、シクロヘキサン、トリカルボン酸などの脂肪族ポリジカルボン酸が用いられた。
【0014】
特許文献14には、単層(monolayer)で取り囲まれた機能性ナノ粒子に関するものであるが、上記単層には二官能性(bifunctional)ペプチドが接着され、上記ペプチドにはDNA及びRNAを含む様々な生重合体(biopolymer)が結合され得る。
【0015】
特許文献15にはアポフェリチンタンパク質で磁性ナノ粒子をカプセル化する方法が開示されている。
【0016】
特許文献16には、二重ミセル(bi-micellear vesicle)中に、マンガン亜鉛酸化物ナノ粒子を形成させる方法を開示しているが、 このように形成された磁性ナノ粒子は、熱処理過程を通じて向上された性質を示す。
【0017】
特許文献17、18及び19は、遷移金属イオンを高分子中で還元し、金属酸化物ナノ粒子を製造し、このように合成されたナノ粒子の高分子表面に生体活性成分を結合させる製造方法を開示している。
【0018】
特許文献20、21、22は、デキストランなどのポリサッカリドでコートされた磁性金属酸化物ナノ粒子に対して開示している。
【0019】
特許文献23は、16−メルカプトヘキサデカン酸でコートされた水溶性磁性ナノ粒子の合成とこのように合成された磁性ナノ粒子に形質感染剤であるTATペプチドを利用し、細胞内磁性標識(intracellular magnetic labelling)して実験マウス内のウイルス及びmRNA検出に関して開示している。
【0020】
特許文献24はデンプンコートとポリアルキレンオキシドコートを備えた超常磁性鉄酸化物コア粒子を含む粒子とこれを含むMRI造影剤を開示している。
【0021】
しかし、上記方法で製造された水溶性ナノ粒子は、次のような短所を有している。特許文献12、13、14、15、16、23、24に開示された技術は、水溶液で合成されている。このような場合、ナノ粒径調節が難しく、合成されたナノ粒子は不均一なサイズ分布度を示し、低温で合成されるため、ナノ粒子の結晶性が低く、非化学量論的化合物(non−stoichiometric compound)が形成される傾向がある。
【0022】
しかし、ナノ粒子はそのサイズ、形態、サイズ分布度、結晶性、化学両論がその粒子の電気的/光学的/磁気的/触媒的性質において決定的な要素として作用するために、現在まで開発された磁性ナノ粒子の場合には弱い磁気的性質を示し、金属酸化物ナノ粒子の場合にもその電気的/光学的特性が落ち、水溶液でコロイド安定性が低下して生体応用時、凝集、非選択性結合などを示す問題点を持っている。
【0023】
このような問題点を有した磁性ナノ粒子は、情報電子及び生体技術の核心素材として使われた時、大きな障害要素として認識されている。例えば、今まで開発されたナノ粒子は、生体物質の分離において低い効率、磁気共鳴映像診断プローブとしての低下された信号増幅効果、巨大磁気抵抗センサー及びマイクロ流体系バイオセンサーで低い感度及び高いノイズ(非選択性反応)、薬物/遺伝子伝達及び磁性高温治療で低い治療効果などを示しており、さらに金属酸化物ナノ粒子は低い触媒活性を表している。
【0024】
このような問題点を解決するために、高温の有機溶媒で磁性または金属酸化物ナノ粒子を開発する方法も提示された。特許文献25、26、27、28及び非特許文献2、3には、良質の磁性または金属酸化物ナノ粒子を合成する方法を開示されている。このように合成されたナノ粒子はその電気的/光学的/磁気的性質に大きな影響を与えるナノ粒径及び形態が自由自在に制御されるだけでなく、高い結晶性及び化学両論が調節された良質のナノ粒子を形成することができるようにする。しかし、このような高温有機相合成法で形成されたナノ粒子は、その表面が疎水性リガンドで覆われ、有機溶媒ではよく分散されるが、水溶液では全く分散されなく、特に生体応用用途としての使用はほとんど不可能である。
【0025】
従って、高温の有機溶媒で合成された良質の磁性ナノ粒子及び金属酸化物ナノ粒子を水溶液で安定化させることができる技術が必要とされている。
【0026】
特許文献29は有機溶媒に溶けている金、白金、ニッケルなどの金属ナノ粒子を、カチオン及びアニオン相転移単分子リガンド(例:ジドデシルジメチルアンモニウムブロマイド、セチルトリメチルアンモニウムブロマイド)を利用して、水溶液相に相転移する方法を開示している。しかし、上記技術は半導体及び金属ナノ粒子にのみ適用可能であるだという問題点がある。
【0027】
特許文献30号は、有機溶媒に溶解されている金、白金、金属酸化物ナノ粒子を、X−Y−Zで構成された相転移単分子リガンド(例:このメチルアミノピリジン、メルカプトウンデカン酸)を利用して水溶液相に相転移させる方法を記述している。しかし、適用事例は、金、白金ナノ粒子に限定されており、種々のナノ粒子の一般化された適用には困難である。また、このような水溶性ナノ粒子は、水溶液でナノ粒子から相転移リガンドが容易に分離されるため、センサー、分離及び診断などの応用において、必ず、備えるべき要件である水溶液相のコロイド安定性が顕著に落ちるという問題点を持っている。
【0028】
一方、本発明者らは、付着領域(L)−交差連結領域(LII)−活性成分結合領域(LIII)からなる多官能基リガンドでコートされた磁性、半導体、及び金属酸化物ナノ粒子を合成する技術を特許出願(特許文献31、32)しているが、ナノ粒子の用途によって交差連結領域と活性成分結合領域は不要の場合があった。
【特許文献1】米国特許第6,452,763号
【特許文献2】米国特許第6,940,277号
【特許文献3】米国特許第6,944,939号
【特許文献4】米国公開特許第2003/0133232号
【特許文献5】米国特許第4,554,088号
【特許文献6】米国特許第5,665,582号
【特許文献7】米国特許第5,508,164号
【特許文献8】米国公開特許第2005/0215687号
【特許文献9】米国特許第6,855,749号
【特許文献10】米国特許第6,530,944号
【特許文献11】米国特許第5,411,730号
【特許文献12】米国特許第6,274,121号
【特許文献13】米国特許大6,638,494号
【特許文献14】米国公開特許第2004/0058457号
【特許文献15】イギリス特許第0223127号
【特許文献16】米国公開特許第2003/0190471号
【特許文献17】米国特許第4,795,998号
【特許文献18】米国特許第4,554,098号
【特許文献19】米国公開特許第2003/0092029号
【特許文献20】米国特許第4,452,773号
【特許文献21】米国特許第5,262,176号
【特許文献22】米国公開特許第2003/0185757号
【特許文献23】米国公開特許第2005/0130167号
【特許文献24】韓国特許出願第10−1998−0705262号
【特許文献25】韓国公開特許第2003−0082395号
【特許文献26】韓国公開特許第 2003−008234号
【特許文献27】米国公開特許第2004/0247503号
【特許文献28】米国特許第6,262,129号
【特許文献29】米国公開特許第2005/0165120号
【特許文献30】国際特許公報WO2002/041826号
【特許文献31】韓国特許第652251号
【特許文献32】韓国特許第604976号
【非特許文献1】Proceedings of National Academy of Science USA, 2006, Vol.103, p.3540
【非特許文献2】US Chemical Transaction (J. Am. Chem. Soc. 2002, vol.124, p8204)
【非特許文献3】US Material Chemical Transaction (Chem. Matter. 2004, vol 16, p3931)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0029】
従って、高温の有機溶媒で合成された良質の磁性ナノ粒子及び金属酸化物ナノ粒子を水溶液で安定化させることができる技術が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0030】
本発明者らは、磁性または金属酸化物ナノ粒子固有の電気的/光学的/磁気的性質を保持すると同時に、水溶液で安定なナノ粒子を提供するために、高温有機相合成された水不溶性の磁性または金属酸化物ナノ粒子から付着領域、付着領域−交差連結領域または付着領域−活性成分結合領域からなる相転移リガンドを用いた相転移を通じて水溶性磁性または水溶性金属酸化物ナノ粒子を製造し、この水溶性磁性または水溶性金属酸化物ナノ粒子が広範囲なpH範囲及び塩濃度の水溶液から安定的に溶解及び分散可能であることを確認し、本発明を完成した。
【0031】
そこで、本発明の一態様は、磁性または水溶性金属酸化物ナノ粒子が、付着領域、付着領域−交差連結領域または付着領域−活性成分結合領域からなる相転移リガンドでコートされたことを特徴とする水溶性磁性または水溶性金属酸化物ナノ粒子を提供する。
【0032】
他の態様は、(1)水不溶性磁性または金属酸化物ナノ粒子を有機溶媒で合成する工程;(2)上記水不溶性磁性または金属酸化物ナノ粒子を第1溶媒に溶解して相転移リガンドを第2溶媒に溶解する工程;(3)上記工程(2)で得られた2つ溶液を混合して水不溶性磁性または金属酸化物ナノ粒子の表面を相転移リガンドで置換させる工程を含む水溶性磁性または水溶性金属酸化物ナノ粒子の製造方法を提供する。
【0033】
さらに別の態様は、上記水溶性磁性及び金属酸化物ナノ粒子を用いた生体物質及び化学物質の検出及び分離方法を提供する。
【0034】
さらに別の態様は、上記水溶性の磁性及び金属酸化物ナノ粒子を用いた診断方法を提供する。
【0035】
さらに別の態様は、上記水溶性の磁性及び金属酸化物ナノ粒子を用いた治療方法を提供する。
【0036】
さらに別の態様は、上記水溶性の磁性または金属酸化物ナノ粒子の光電子触媒活性を用いた細菌及び汚染物質の分解方法を提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0037】
本発明で、“磁性または金属酸化物ナノ粒子(nanoparticles)”とは、磁性物質、金属酸化物、磁性合金または多成分混成構造体からなる直径が1〜1000nm、好ましくは2〜100nmの粒子を意味する。これらは次ぎの通りに例示することができる。
【0038】
磁性物質の例には、Mn、Fe、Co、Ni、Nbなどを含む遷移金属、Gd、Tb、Dy、Ho、Smなどを含むランタニド族またはアクチニド族金属、またはM(M=Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Nb、Moなどを含む遷移金属元素及びSm、Eu、Gd、Tb、Dy、Hoなどを含むランタニド族またはアクチニド族元素;0<x≦20、0<y≦20)、またはM(M=Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Nbなどを含む遷移金属元素とGd、Tb、Dy、Ho、Smなどを含むランタニド族及びアクチニド族元素から選択された1種以上の金属;M=Li、Na、Be、Ca、Ge、Ba、Mg、Sr、Raなどを含む1、2族金属元素、Ti、Cu、Zn、Y、Ta、V、Cd、Y、Ta、V、Zr、Mo、Pt、Pd、Rh、Ru、Ag、Ir、Os、Re、W、La、Hf、Ta、Auなどを含む遷移金属元素、Eu、Er、Tm、Yb、Lu、La、Ce、Pr、Pmなどを含むランタニド族またはアクチニド族元素、B、Al、Ga、Inなどを含む13族元素、C、Si、Ge、Sn、Pbなどを含む14族元素、As、Sb、Biなどを含む15族元素及びS、Se、Teなどを含む16族元素よりなる群から選択された1種の金属;0<x≦20、0<y≦20、0<z≦20)などが挙げられる。
【0039】
金属酸化物の例は、M(M=Li、Na、Be、Ca、Ge、Ba、Mg、Sr、Raなどを含む1、2族金属元素、Sc、Ti、V、Y、Tc、Ru、Rh、Pd、Ag、Cd、Hf、Ta、W、Re、Os、Ir、Pt、Auなどを含む遷移金属元素、Al、Ga、Inなどを含む13族元素、Sn、Pbなどを含む14族元素、Biなどを含む15族元素及びCe、Pr、Nd、Pm、Er、Tm、Yb、Lu、La、Th、Pa、U、Am、Cm、Bk、Cf、Ex、Fm、Md、No、Lrなどを含むランタニド族またはアクチニド族元素よりなる群から1種以上選択される金属;0<x≦20、0<y≦20)が挙げられる。
【0040】
磁性合金の例は、M(M=Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Nb、Moなどを含む遷移金属元素、Gd、Tb、Dy、Ho、Smなどを含むランタニド族またはアクチニウム族元素の中から1種以上選択される元素;M=Li、Na、Be、Ca、Ge、Ba、Mg、Sr、Raなどを含む1、2族金属元素、Sc、Ti、V、Sr、Tc、Rh、Ru、Pd、Ag、Cd、La、Hf、Ta、W、Os、Ir、Pt、Auなどを含む遷移金属元素、B、Al、Ga、Inなどを含む13族元素、C、Si、Ge、Snなどを含む14族元素、P、As、Sb、Biなどを含む15族元素、S、Te、Seなどを含む16族元素及びCe、Pr、Nb、Pm、Eu、Er、Tm、Yb、Lu、Th、Pa、U、Np、Pu、Am、Cm、Bk、Cf、Ex、Fm、Md、No、Lrなどを含むランタニド族またはアクチニド族元素の中から1種以上選択される元素;0<x≦20、0<y≦20)が挙げられる。
【0041】
“多成分混成構造体”とは、前述した磁性物質、金属酸化物及び磁性合金よりなる群から選択された2種以上のナノ粒子を含むか、または前述した磁性物質、金属酸化物及び磁性合金よりなる群から選択された1種のナノ粒子と半導体(Ga、In、Tlなどを含む13族元素、Zn、Cd、Hgなどを含む12族元素、C、Si、Ge、Sn、Pbなどを含む14族元素、N、P、As、Sb、Biなどを含む15族元素及びO、S、Se、Te、Poなどを含む16族元素の中から選択される2種以上元素で選択され、構成された半導体)、Au、Ag、Pt、Cu、Pd、Mo、Os、W、Ti、W、V、Cr、Zn、Nb、Ru、Rh、Irなどの遷移金属、Al、Ga、Inなどの13族物質、C、Si、Sn、Pbなどの14族物質、As、Sb、Biなどの15族物質及びSe、Te、Poなどの16族物質よりなる群から選択された1種以上のナノ粒子が挙げられる。
【0042】
一方、本発明で、“水不溶性磁性または金属酸化物ナノ粒子”とは疎水性表面安定剤でコートされたナノ粒子を意味する。通常、高温有機溶媒相合成法で製造されたナノ粒子は、疎水性表面安定剤でコートされているため、水不溶性を示す。上記表面安定剤は磁性または金属酸化物ナノ粒子の状態とサイズを安定化させることができる有機機能性分子を意味する。代表的な例は界面活性剤が挙げられる。
【0043】
本発明で、“水溶性磁性または水溶性金属酸化物ナノ粒子”とは相転移(phase transfer)を介して上記水不溶性磁性または金属酸化物ナノ粒子表面にコートされていた疎水性表面安定剤層が、本発明に係る水溶性の相転移リガンド(hydrophilic ligand)層で置換され、水溶性の相転移リガンドでコートされることによって、水溶液から安定的に溶解及び分散され得ることを特徴とするナノ粒子を意味する。
【0044】
本発明において、水不溶性ナノ粒子の水溶性ナノ粒子への転換は、相転移リガンドにより達成される。本発明で、“相転移リガンド”とは付着領域(L)だけでできているか、付着領域−交差連結領域(LII)(LI−LII)または付着領域−活性成分結合領域(LIII)(L−LIII)からなっていてもよい。以下、相転移リガンドの各領域を具体的に説明する。
【0045】
上記“付着領域”は、ナノ粒子と付着する官能基を含む相転移リガンドの一部分を意味する。本発明の水溶性磁性または水溶性金属酸化物ナノ粒子において、磁性または金属酸化物ナノ粒子が相転移リガンドでコートされるものはナノ粒子と付着領域間の化学結合によるものである。このような化学結合は、特に制限的ではなく、例えば、配位結合、共有結合、水素結合、ファンデルワールス結合、またはイオン結合であってよい。従って、付着領域はナノ粒子をなす物質と親和性の高い官能基を含むことが好ましく、ナノ粒子をなす物質によって多様に選択される。付着領域は官能基として、例えば−COOH、−NH、−SH、−SS−、−CONH、−POH、−PO、−PO(OR)(OR)(R、R=C、X=−F、−Cl、−Br、−I、0≦s≦10、0≦t≦2(s+u)+1、0≦u≦2s、0≦w≦2s、0≦x≦2s、0≦y≦2s、0≦z≦2s)、SOH、−SOH、−NO2、−CHO、−COSH、−COX、−COOCO−、−CORCO−(R=C、X=−F、−Cl、−Br、−I、0≦s≦10、0≦t≦2(s+u)+1、0≦u≦2s、0≦w≦2s、0≦x≦2s、0≦y≦2s、0≦z≦2s)、−COOR、−CONH−、−CN、−NROH(R=C、X=−F、−Cl、−Br、−I、0≦s≦10、0≦t≦2(s+u)+1、0≦u≦2s、0≦w≦2s、0≦x≦2s、0≦y≦2s、0≦z≦2s)、−NRNR(R、R、R=C、X=−F、−Cl、−Br、−I、0≦s≦10、0≦t≦2(s+u)+1、0≦u≦2s、0≦w≦2s、0≦x≦2s、0≦y≦2s、0≦z≦2s)、−CONHNR(R、R=C、X=−F、−Cl、−Br、−I、0≦s≦10、0≦t≦2(s+u)+1、0≦u≦2s、0≦w≦2s、0≦x≦2s、0≦y≦2s、0≦z≦2s)、−NRX(R、R、R=C、X=−F、−Cl、−Br、−I、0≦s≦10、0≦t≦2(s+u)+1、0≦u≦2s、0≦w≦2s、0≦x≦2s、0≦y≦2s、0≦z≦2s)及び−OHよりなる群から選択された
官能基を含んでいても良い。付着領域は相転移リガンドの必須不可欠な領域であり、前述するように、相転移リガンドは付着領域だけで構成されていてもよい。
【0046】
上記“交差連結領域”は、近接した相転移リガンドと交差連結しうる官能基を含む相転移リガンドの一部分を意味する。ここで、“交差連結”とは一つの相転移リガンドが近接して位置した他の相転移リガンドと分子間相互作用(intermolecular interaction)で結合されることを意味する。上記分子間相互作用の種類[例、水素結合、共有結合(例、ジスルフィド結合)、イオン結合、配位結合等]は特に制限的でないため、交差連結しうる官能基は目的の分子間相互作用の種類によって多様に選択され得る。交差連結領域は、例えば、−COOH、−NH、−SH、−CONH、−POH、−PO、−PO(OR)(OR)(R、R=C、X=−F、−Cl、−Br、−I、0≦s≦10、0≦t≦2(s+u)+1、0≦u≦2s、0≦w≦2s、0≦x≦2s、0≦y≦2s、0≦z≦2s)、SOH、−SOH、−NO、−CHO、−COSH、−COX、−COOR、−CONH−、−CN、−NROH(R=C、X=−F、−Cl、−Br、−I、0≦s≦10、0≦t≦2(s+u)+1、0≦u≦2s、0≦w≦2s、0≦x≦2s、0≦y≦2s、0≦z≦2s)、−NRNR(R、R、R=C、X=−F、−Cl、−Br、−I、0≦s≦10、0≦t≦2(s+u)+1、0≦u≦2s、0≦w≦2s、0≦x≦2s、0≦y≦2s、0≦z≦2s)、−CONHNR(R、R=C、X=−F、−Cl、−Br、−I、0≦s≦10、0≦t≦2(s+u)+1、0≦u≦2s、0≦w≦2s、0≦x≦2s、0≦y≦2s、0≦z≦2s)、−NRX(R、R、R=C、X=−F、−Cl、−Br、−I、0≦s≦10、0≦t≦2(s+u)+1、0≦u≦2s、0≦w≦2s、0≦x≦2s、0≦y≦2s、0≦z≦2s)、−OH、−SCOCH、−F、−Cl、−Br、−I、−SCN、−NCO、−OCN、−エポキシ、−ヒドラゾン、−アルケンまたは−アルキンを官能基として含む。交差連結領域は、必要に応じて(例:安定性増加)相転移リガンドに含まれるが、交差連結領域無しにも磁性または金属酸化物ナノ粒子が水溶
液で安定の場合には含まれないこともある。
【0047】
上記“活性成分結合領域”は、活性成分と付着しうる官能基を含む相転移リガンドの一部分、好ましくは、上記付着領域と反対側に位置した末端を意味する。上記活性成分結合領域の官能基は、活性成分の種類及びその一般式によって変わることがある(表1参照)。本発明で活性成分結合領域は、−COOH、−NH、−SH、−CONH、−POH、−PO、−PO(OR)(OR)(R、R=C、X=−F、−Cl、−Br、−I、0≦s≦10、0≦t≦2(s+u)+1、0≦u≦2s、0≦w≦2s、0≦x≦2s、0≦y≦2s、0≦z≦2s)、SOH、−SOH、−NO、−CHO、−COSH、−COX、−COOR、−CONH−、−CN、−NROH(R=C、X=−F、−Cl、−Br、−I、0≦s≦10、0≦t≦2(s+u)+1、0≦u≦2s、0≦w≦2s、0≦x≦2s、0≦y≦2s、0≦z≦2s)、−NRNR(R、R、R=C、X=−F、−Cl、−Br、−I、0≦s≦10、0≦t≦2(s+u)+1、0≦u≦2s、0≦w≦2s、0≦x≦2s、0≦y≦2s、0≦z≦2s)、−CONHNR(R、R=C、X=−F、−Cl、−Br、−I、0≦s≦10、0≦t≦2(s+u)+1、0≦u≦2s、0≦w≦2s、0≦x≦2s、0≦y≦2s、0≦z≦2s)、−NRX(R、R、R=C、X=−F、−Cl、−Br、−I、0≦s≦10、0≦t≦2(s+u)+1、0≦u≦2s、0≦w≦2s、0≦x≦2s、0≦y≦2s、0≦z≦2s)、−OH、−SCOCH、−F、−Cl、−Br、−I、−SCN、−NCO、−OCN、−エポキシ、−ヒドラゾン、−アルケンまたは−アルキンが挙げられるが、これに制限されるものではない。活性成分結合領域は必要に応じて(例:他の生体及び化学活性物質との結合)相転移リガンドに含まれ得るが、水溶性ナノ粒子の用途が異なる物質との結合を必要としない場合には、含まれない。
【0048】
【表1】

【0049】
本発明に係る水溶性ナノ粒子を製造において、上記の付着領域、交差連結領域、活性成分結合領域に必要な官能基を本来保有した化合物を相転移リガンドとして利用することができるが、当業界に公知された化学反応を介して上記のような官能基を備えるように変形または製造された化合物を相転移リガンドとして利用することができる。
【0050】
本発明で、好ましい相転移リガンドの一つの様態はタンパク質である。タンパク質は、ペプチドより多くのアミノ酸、即ち、数百〜数十万個のアミノ酸からなるポリマーであり、両末端に−COOHと−NH官能基を保有しているだけでなく、数十個の−COOH、−NH、−SH、−OH、−CONHなどを含んでいる。これによって、タンパク質は自然的に付着領域及び活性成分結合領域(L−LIII)を含むか、付着領域及び交差連結領域(LLII)を含むので、本発明の相転移リガンドとして有効に利用できる。相転移リガンドとして好ましいタンパク質の代表的な例は、構造タンパク質、貯蔵タンパク質、運搬タンパク質、ホルモンタンパク質、レセプタータンパク質、収縮タンパク質、防御タンパク質、酵素タンパク質などがある。さらに具体的にいうと、アルブミン類、抗体類、二次抗体類、抗原、血色素(ヘモグロビン)、ストレプトアビジン、ミオシン、シトクロム、グリシニン、ヘパリン、アビジン、プロテインA、プロテインG、プロテインS、免疫グロブリン、レクチン、セレクチン、アンジオポイエチン、抗癌タンパク質、抗生タンパク質、ホルモン拮抗タンパク質、インターロイキン、インターフェロン、成長因子タンパク質、腫瘍壊死因子タンパク質、エンドトキシンタンパク質、リンホトキシンタンパク質、組織プラスミノゲン活性剤、ウロキナーゼ、ストレプトキナーゼ)、プロテアーゼ阻害剤、アルキルホスホコリン、界面活性剤、心血管系薬物タンパク質、神経系薬物タンパク質、胃腸管系薬物タンパク質などが挙げられる。
【0051】
本発明において、好ましい相転移リガンドは脂質である。脂質は疎水性と親水性構造の両方を有する生体物質であり、疎水性ナノ粒子の表面に疎水性引力を介して表面をコートすることによって、磁性及び金属酸化物ナノ粒子を安定的に水溶液内に分散させることができる。相転移リガンドとして好ましい脂質の代表的な例は、脂肪酸、ステロイド、テルペノイド、リン脂質、糖脂質、脂肪タンパク質がある。具体的には、末端が−POH、−SH、−NH、−COOH、−COOR、−SOOR、または−OHを有する単純脂質あるいはその複合体である。
【0052】
本発明で好ましい相転移リガンドの他の様態は糖である。糖には、単糖類、二糖類、オリゴ糖類、多糖類などが含まれる。糖は多くの−OH官能基を含んでおり、付着領域、交差連結領域及び活性成分結合領域として使用できる。化学反応を介して−OH官能基を他の種類(例:−SH、−NH)の官能基で容易に置換できるため、有用な相転移リガンドとして用いることができる。本発明で好ましい糖類の代表的な例には、グルコース、マノオース、フコース、N−アセチルグルコミン、N−アセチルガラクトサミン、N−アセチルノイラミン酸、フルクトース、果糖、キシロース、ソルビトール、スクロース、マルトース、グリコアルデヒド、ジヒドロキシアセトン、エリトロース、エリスルロース、アラビノース、キシロース、キシルロース、フラクトース、ラクトース、マルトース、トレハロース、メリビオース、セロビオース、ラフィノース、メレジトース、マルトリオース、スタキオース、スクロドース(schrodose)、キシラン、アラバン、ヘキソサン、フルクタン、ガラクタン、マンナン、アガロペクチン、アルギン酸、カラギーナン、ヘミセルロース、デキストラン、カルボデキストラン、澱粉、ヒプロメロース、セルロース、アミロース、ジオキシアセトン、グリセリンアルデヒド、キチン、アガロース、デキストリン、リボース、リブロース、ガラクトース、カルボキシメチルセルロース及びグリコーゲンなどが挙げられる。
【0053】
本発明で好ましい相転移リガンドのさらに別の様態はペプチドである。ペプチドは、数個のアミノ酸からなるオリゴマーであり、両末端に、−COOHと−NH官能基を有し、自然的に付着領域及び活性成分結合領域(L−LIII)を含むようになるので、本発明の相転移リガンドとして有効に用いられる。また、一部のアミノ酸は、−SH、−COOH、−NH、−CONH、−NHCNH(N)、−CNHCH(N)CH−または−OHを、側鎖に有している。このようなアミノ酸を含むペプチドは、付着領域及び交差連結領域(L−LII)からなる相転移リガンドとして利用され得る。
【0054】
本発明で好ましい相転移リガンドのさらに別の様態は核酸である。核酸は多数のヌクレオチドからなるポリマーであり、両末端に−POHと−OH官能基を有しているため、自然的に付着領域及び活性成分結合領域(L−LIII)を含むか、付着領域及び交差連結領域(L−LII)を含むので、本発明の相転移リガンドとして有効に用いられる。核酸は、場合に応じて、3’−末端または5’−末端または側鎖に、―POH、−SH、−NH、−COOH、−OHの官能基を持つように変形されることが適している。
【0055】
本発明で好ましい相転移リガンドのさらに別の様態は化学単分子である。化学単分子は、末端あるいは側鎖に、−COOH、−NH、−SH、−SS−、−CONH、−POH、−PO、−PO(OR)(OR)(R、R=C、X=−F、−Cl、−Br、−I、0≦s≦10、0≦t≦2(s+u)+1、0≦u≦2s、0≦w≦2s、0≦x≦2s、0≦y≦2s、0≦z≦2s)、SOH、−SOH、−NO、−CHO、−COSH、−COX、−COOCO−、−CORCO−(R=C、0≦l≦3、0≦m≦2l+1)、−COOR、−CN、−N、−N、−NROH(R=C、X=−F、−Cl、−Br、−I、0≦s≦10、0≦t≦2(s+u)+1、0≦u≦2s、0≦w≦2s、0≦x≦2s、0≦y≦2s、0≦z≦2s)、−NRNR(R、R、R=C、X=−F、−Cl、−Br、−I、0≦s≦10、0≦t≦2(s+u)+1、0≦u≦2s、0≦w≦2s、0≦x≦2s、0≦y≦2s、0≦z≦2s)、−CONHNR(R、R=C、X=−F、−Cl、−Br、−I、0≦s≦10、0≦t≦2(s+u)+1、0≦u≦2s、0≦w≦2s、0≦x≦2s、0≦y≦2s、0≦z≦2s)、−NRX(R、R、R=C、X=−F、−Cl、−Br、−I、0≦s≦10、0≦t≦2(s+u)+1、0≦u≦2s、0≦w≦2s、0≦x≦2s、0≦y≦2s、0≦z≦2s)、−OH、−SCOCH、−F、−Cl、−Br、−I、−SCN、−NCO、−OCN、−エポキシ、−ヒドラゾン、−アルケン及び−アルキンの基を含む。
【0056】
好ましい一つの様態は、テトラアルキルアンモニウムハライド(NR)(R=C、0≦p、q、r、s、t≦10、X=F、Cl、Br、I)化合物である。上記化合物は付着領域(L)のみからなる相転移リガンドの代表的な例である。また他の様態は、ジメルカプトコハク酸が挙げられる。ジメルカプトコハク酸は−SHと−COOH官能基を同時に有しており、付着領域及び活性成分結合領域からなる相転移リガンドとして利用できる。本発明者の既存特許出願(大韓民国特許出願第2004−0070303号及び第2004−0070304号)には、ジメルカプトコハク酸を酸化させることによって交差連結を含んでいたが、本発明で、ジメルカプトコハク酸は二重スルフィド結合を還元させることによって交差連結領域が除去された相転移リガンドとして使用する。さらに別の化学単分子の好ましい様態は、カルボキシアルキルテトラアルキルアンモニウムハライド(COOH(CH)nNR)(R=C、0≦p、q、r、s、t≦10、X=F、Cl、Br、I)、カルボキシアルキルリン酸(COOH(CH)nPOH)(0≦n≦10)、カルボキシアルキルチオール(COOH(CH)nSH、0≦n≦10)、メルカプトコハク酸、ジメルカプトコハク酸、メルカプトマレイン酸、ジメルカプトマレイン酸、メルカプトペンタジオン酸、ジメルカプトペンタジオン酸などが含まれるが、これに制限されるものではない。
【0057】
本発明で好ましい相転移リガンドのさらに別の様態は高分子である。高分子は種々付着領域を構成する様々な官能基を有している。必要に応じて、交差連結領域及び活性成分結合領域を有しえる。高分子の例には、ポリホスファゼン、ポリアクリル酸、ポリラクチド、ポリラクチド−コ−グリコリド、ポリカプロラクトン、ポリカプロラクタム、ポリアンハイドライド、ポリリンゴ酸及びその誘導体、ポリアルキルシアノアクリレート、ポリヒドロオキシアルキレート、ポリカルボネート、ポリオルトエステル、ポリエチレングリコール、ポリ-L−リシン、ポリグリコリド、ポリメチルメタアクリレート、ポリビニールピロリドンなど及びこれらの共重合体が挙げられる。
【0058】
一方、本発明に係る相転移リガンドの活性成分結合領域と結合する“活性成分”は、水溶性ナノ粒子の用途によって多様に選択することができ、例えば、生体活性成分、高分子または無機支持体を含むことができる。
【0059】
上記生体活性成分の例には、核酸、ペプチド、分子認識化学分子及び生体分子、信号伝達化学分子及び生体分子、酵素化学分子及び生体分子、構造制御化学分子及び生体分子、貯蔵化学分子及び生体分子、運搬化学分子及び生体分子、ホルモン化学分子及び生体分子、分解化学分子及び生体分子、レセプタータンパク質、収縮タンパク質、防御タンパク質、酵素タンパク質、胃腸管系薬物、心血管系薬物、神経系薬物のような薬剤学的活性成分などが挙げられる。より具体的には、抗原、RNA、DNA、ハプテン、血色素、ヘパリン、アビジン、ニュートラアビジン、ストレプトアビジン、プロテインA、プロテインG、レクチン、セレクチン、アプタマー、抗癌剤、抗生剤、ホルモン、ホルモン拮抗剤、インターロイキン、インターフェロン、成長因子、腫瘍壊死因子、エンドトキシン、リンホトキシン、組織プラスミノゲン活性剤、ウロキナーゼ、ストレプトキナーゼ、プロテアーゼ阻害剤、アルキルホスホコリン、酸化−還元酵素、分解酵素、異性質化酵素、合成酵素、酵素共因子(enzyme cofactor)、酵素抑制剤(enzyme inhibitor)などが挙げられる。
【0060】
上記活性成分としての高分子の例は、ポリホスファゼン、ポリラクチド、ポリラクチド−コ−グリコリド、ポリカプロラクトン、ポリ−L−リシン、ポリカプロラクタム、ポリアンハイドライド、ポリカルボネート、ポリリンゴ酸及びその誘導体、ポリアルキルシアノアクリレート、ポリオルトエステル、ポリエチレングリコール、ポリヒドロオキシアルキレート、ポリグリコリド、ポリメチルメタアクリレート、ポリバーイニルピロリドンなどが挙げられる。
【0061】
上記活性成分としての無機支持体には、金属酸化物(Li、Na、Be、Ca、Ge、Ba、Mg、Sr、Raなどを含む1、2族金属元素、Sc、Ti、V、Y、Tc、Mn、Fe、Co、Ni、Zn、Zr、Nd、Cr、Ru、Rh、Pd、Ag、Cd、Hf、Ta、W、Re、Os、Ir、Pt、Auなどを含む遷移金属元素、B、Al、Ga、Inなどを含む13族元素、C、Si、Ge、An、Pbなどを含む14族元素、P、As、Sb、Biなどを含む15族元素、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、La、Th、Pa、U、Am、Cm、Bk、Cf、Ex、Fm、Md、No、Lrなどを含むランタニド族またはアクチニド族元素よりなる群から1種以上選択された元素で構成された金属酸化物)、半導体(Ga、In、Tlなどを含む13族元素、Zn、Cd、Hgなどを含む12族元素、C、Si、Ge、Sn、Pbなどを含む14族元素、N、P、As、Sb、Biなどを含む15族元素、O、S、Se、Te、Poなどを含む16族元素の中から2種以上選択された元素で構成された半導体)、炭素物質、Au、Ag、Pt、Cu、Pd、Mo、Os、W、Ti、W、V、Cr、Zn、Nb、Ru、Rh、Ir、Co、Mn、Fe、Ni、Cr、Y、Zr、Cd、Ta、Reなどの遷移金属物質、Al、Ga、Inなどの13族元素物質、C、Si、Sn、Pbなどの14族元素物質が挙げられるが、これに制限されるものではない。
【0062】
本発明の水溶性磁性または水溶性金属酸化物ナノ粒子は、一つの様態として、(1)水不溶性磁性または金属酸化物ナノ粒子を有機溶媒で合成する工程;(2)上記水不溶性磁性または金属ナノ粒子を第1溶媒に溶解して相転移リガンドを第2溶媒に溶解する工程;(3)上記工程(2)で得られた2つ溶液を混合して水不溶性磁性または金属酸化物ナノ粒子の表面を相転移リガンドで置換させる工程;を含む水溶性磁性または水溶性金属酸化物ナノ粒子の製造方法を経て製造できる。
【0063】
上述した製造方法の工程(1)は、水不溶性磁性または金属酸化物ナノ粒子の製造方法に関するものである。本発明では、一様態として表面安定剤を含む10〜600℃の有機溶媒にナノ粒子前駆物質を投入し、目的のナノ粒子を製造するのに適した温度及び時間を保持し、上記ナノ粒子前駆物質を化学反応してナノ粒子を成長させた後、このように形成されたナノ粒子を分離及び精製する工程を経て製造することができる。
【0064】
ここで、有機溶媒には、ベンゼン系溶媒(例えば、ベンゼン、トルエン、ハロベンゼン等)、炭化水素溶媒(例えば、オクタン、ノナンデカン等)、エーテル系溶媒(例えば、ベンジルエーテル、フェニルエーテル、炭化水素エーテル等)、ポリマー溶媒、イオン性液体が挙げられるが、これに制限されるものではない。
【0065】
上記製造方法の工程(2)では、前工程で製造された磁性または金属酸化物ナノ粒子を第1溶媒に溶解する一方、相転移リガンドを第2溶媒に溶解する。上記第1溶媒には、ベンゼン系溶媒(例えば、ベンゼン、トルエン、ハロベンゼン等)、炭化水素溶媒(例えば、ペンタン、ヘキサン、ノナンデカン等)、エーテル系溶媒(例えば、ベンジルエーテル、フェニルエーテル、炭化水素エーテル等)、ハロ炭化水素(例えば、塩化メチレン、臭素化メタン等)、アルコール類(例えば、メタノール、エタノール等)、スルホキシド系溶媒(例、ジメチルスルホキシド等)、アミド系溶媒(例、ジメチルホルムアミド等)、イオン性液体などが挙げられる。上記第2溶媒には上述した第1溶媒として用いられた溶媒の他にも水を使用できる 。
【0066】
上記製造方法の工程(3)では、上記2つ溶液が混合される。この時、磁性または金属酸化物ナノ粒子の有機性表面安定剤が相転移リガンドで置換されながら、本発明に係る水溶性磁性または金属酸化物ナノ粒子が生成される(図1参照)。このように生成された水溶性磁性または水溶性金属酸化物ナノ粒子は、当業界に公知された方法を利用して分離することができる。一般に、水溶性ナノ粒子は沈澱物として生成されるため、遠心分離または濾過を利用して分離することが好ましい。
【0067】
さらに、工程(3)を介して分離された相転移リガンドでコートされた磁性または金属酸化物ナノ粒子に水または緩衝溶液を添加すれば、pH1〜11及び約1M以下の塩濃度条件下で凝集することなく、よく分散される水溶性磁性及び水溶性金属酸化物ナノ粒子を収得することができる。
【0068】
本発明に係る水溶性の磁性及び水溶性金属酸化物ナノ粒子は、物質の分離と検出、疾患の診断と治療、細菌及び汚染物質の分解など様々な分野で使用できる。
【0069】
本発明に係る水溶性の磁性及び金属酸化物ナノ粒子は、タンパク質、抗原、ペプチド、DNA、RNA、ウイルスなどの様々な生体分子または揮発性有機化合物、NOx、COx、内分泌かく乱物質(ダイオキシン類、DDT、フェノール類、フタルレート類、スチレン二量体、ベンゾピレン等)、多環芳香族炭化水素などを含む化学物質を検出しうるプローブ物質として作用する。この時、用いることができる磁気バイオセンサーは、巨大磁気抵抗(GMR)、透過磁気抵抗(TMR)、超巨大磁気抵抗(CMR)、異方性磁気抵抗(AMR)、磁気力原子顕微鏡(MFM)、超電導量子干渉素子(SQUID)、磁気光学的カー効果(MOKE)装置、カンチレバー、修飾振動子微量秤(QCM)、磁気共鳴映像(MRI)及び電気化学センサーなどが用いられるが、これらに制限されるのではない。
【0070】
特に、本発明に係る水溶性の磁性及び金属ナノ粒子は、外部磁場との相互作用(interaction)を利用して、様々な生体分子及び化学物質の分離にも応用できる。また、磁性マイクロ流体センサーに応用されて生体分子を分離及び検出することができる。
【0071】
本発明に係る水溶性の磁性及び水溶性金属酸化物ナノ粒子は、腫瘍特異的生体活性物質と結合するか、または結合することなく、生体内に注入され、周辺の水分子のスピン弛緩速度を変化させることによって、MR信号を変化させて、診断効果を向上させる分子磁気共鳴映像の診断プローブ(probe)として使用できる。
【0072】
本発明に係る水溶性の磁性及び金属酸化物ナノ粒子は、外部磁場によって誘導された薬物または遺伝子の伝達を介した生体治療にも使用できる。上記伝達薬物は、胃腸管系薬物、心血管系薬物、神経系薬物のような薬剤学的活性成分などが含まれており、具体的には、抗癌剤、抗生剤、ホルモン、ホルモン拮抗剤、インターロイキン、インターフェロン、成長因子、腫瘍壊死因子、エンドトキシン、リンホトキシン、組織プラスミノゲン活性剤、プロテアーゼ阻害剤、ウロキナーゼ、ストレプトキナーゼ、アルキルホスホコリンなどを含むが、これらに制限されるものではない。
【0073】
また、本発明に係る水溶性の磁性及び金属酸化物ナノ粒子は、ナノ粒子で発生された熱を利用して高温治療に使用できる。例えば、磁性ナノ粒子の場合、外部のラジオ周波数の交流電流を流せば、スピンフリッピング(flipping)を介して磁性スピンエネルギーが生成され、高温治療に使用することができる。
【0074】
また、本発明に係る水溶性の磁性及び金属酸化物ナノ粒子は、身体内に移植され、身体一部の機能を代替する目的で使われる。
【0075】
一方、本発明に係る水溶性金属酸化物ナノ粒子は、光電子触媒効果を利用して癌細胞を死滅させ、癌治療に使用でき、細菌及びホルムアルデヒド、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの多環芳香族炭化水素、揮発性有機物質などを含む各種細菌及び汚染物質の分解のために用いられる。
【実施例】
【0076】
以下、本発明は下記実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明の要旨によって本発明の範囲がこれらの実施例によって何ら制限されるものではないことは、本発明が属する技術分野で通常の知識を有した者にとって自明なことであろう。
【0077】
実施例1:ウシ血清アルブミン(BSA、L−LIII)でコートされた水溶性酸化鉄、マンガン酸化鉄、コバルト酸化鉄、ニッケル酸化鉄、亜鉛酸化鉄、亜鉛−マンガン酸化鉄ナノ粒子の製造
水不溶性酸化鉄、マンガン酸化鉄、コバルト酸化鉄、ニッケル酸化鉄、亜鉛酸化鉄、亜鉛−マンガン酸化鉄ナノ粒子は、本発明の発明者が既に出願したことのある大韓民国特許出願第2004−0070303号及び第2004−0070304号に開示された技術によって合成された。得られたナノ粒子は、いずれも約12nmサイズであり、意図した通りに合成されており、均一なサイズ分布度を示し、高い結晶性を有していることが確認された(図2)。
【0078】
上記水不溶性ナノ粒子(5mg)を1mLの1M NMeOHブタノール溶液に分散させ、5分程度均一に混合した。以降、黒褐色の沈澱物が形成され、この沈澱物を遠心分離(2000rpm、室温、5分)で分離した。BSA10mgを、1mL脱イオン水に溶かした後、上記沈澱物と混合し、BSAでコートされた酸化鉄、マンガン酸化鉄、コバルト酸化鉄、ニッケル酸化鉄、亜鉛酸化鉄、亜鉛−マンガン酸化鉄ナノ粒子を合成した。次いで、Sephacryl S−300カラムを用いて反応しないBSAを除去することによって、純粋なBSAでコートされた水溶性酸化鉄、マンガン酸化鉄、コバルト酸化鉄、ニッケル酸化鉄、亜鉛酸化鉄、亜鉛−マンガン酸化鉄ナノ粒子を得ることができた。
【0079】
実施例2:ヒト血清アルブミン(HSA、L−LIII)でコートされた水溶性酸化鉄、マンガン酸化鉄、コバルト酸化鉄、ニッケル酸化鉄、亜鉛酸化鉄、亜鉛−マンガン酸化鉄ナノ粒子の製造
水不溶性酸化鉄、マンガン酸化鉄、コバルト酸化鉄、ニッケル酸化鉄、亜鉛酸化鉄、亜鉛−マンガン酸化鉄ナノ粒子としては、上記実施例1と同じ酸化鉄、マンガン酸化鉄、コバルト酸化鉄、ニッケル酸化鉄、亜鉛酸化鉄、亜鉛−マンガン酸化鉄ナノ粒子を使用した。水不溶性ナノ粒子(5mg)を1mLの1M NMeOHブタノール溶液に分散し、5分程度均一に混合した。その後、黒褐色の沈澱物が形成され、この沈澱物を遠心分離(2000rpm、室温、5分)で分離した。HSA10mgを1mL脱イオン水に溶かした後、上記沈澱物と混合してHSAでコートされた酸化鉄、マンガン酸化鉄、コバルト酸化鉄、ニッケル酸化鉄、亜鉛酸化鉄、亜鉛−マンガン酸化鉄ナノ粒子を合成した。次いで、Sephacryl S−300カラムを利用し反応しないHSAを除去することによって、純粋なHSAでコートされた水溶性酸化鉄、マンガン酸化鉄、コバルト酸化鉄、ニッケル酸化鉄、亜鉛酸化鉄、亜鉛−マンガン酸化鉄ナノ粒子を得ることができた。
【0080】
実施例3:ヒト免疫グロブリンG(hIgG、L−LIII)でコートされた水溶性酸化鉄、マンガン酸化鉄、コバルト酸化鉄、ニッケル酸化鉄、亜鉛酸化鉄、亜鉛−マンガン酸化鉄ナノ粒子の製造
水不溶性酸化鉄、マンガン酸化鉄、コバルト酸化鉄、ニッケル酸化鉄、亜鉛酸化鉄、亜鉛−マンガン酸化鉄ナノ粒子は実施例1と同じ酸化鉄、マンガン酸化鉄、コバルト酸化鉄、ニッケル酸化鉄、亜鉛酸化鉄、亜鉛−マンガン酸化鉄ナノ粒子を使用した。水不溶性ナノ粒子(5mg)を1mLの1M NMeOHブタノール溶液に分散し、5分程度均一に混合した。その後、黒褐色の沈澱物が形成され、この沈澱物を遠心分離(2000rpm、室温、5分)で分離した。hIgG10mgを1mL脱イオン水に溶かした後、上記沈澱物に個運号してhIgGでコートされた酸化鉄、マンガン酸化鉄、コバルト酸化鉄、ニッケル酸化鉄、亜鉛酸化鉄、亜鉛−マンガン酸化鉄ナノ粒子を合成した。次いで、Sephacryl S−300カラムを利用し反応しないhIgGを除去することによって、純粋なhIgGでコートされた水溶性酸化鉄、マンガン酸化鉄、コバルト酸化鉄、ニッケル酸化鉄、亜鉛酸化鉄、亜鉛−マンガン酸化鉄ナノ粒子を得ることができた。
【0081】
実施例4:ニュートラアビジン(Ntv、L−LIII)でコートされた水溶性酸化鉄、マンガン酸化鉄、コバルト酸化鉄、ニッケル酸化鉄、亜鉛酸化鉄、亜鉛−マンガン酸化鉄ナノ粒子の製造
水不溶性酸化鉄、マンガン酸化鉄、コバルト酸化鉄、ニッケル酸化鉄、亜鉛酸化鉄、亜鉛−マンガン酸化鉄ナノ粒子としては実施例1と同じ酸化鉄、マンガン酸化鉄、コバルト酸化鉄、ニッケル酸化鉄、亜鉛酸化鉄、亜鉛−マンガン酸化鉄ナノ粒子を使用した。水不溶性ナノ粒子(5mg)を1mLの1M NMeOHブタノール溶液に分散し、5分程度均一に混合した。その後、黒褐色の沈澱物が形成され、この沈澱物を遠心分離(2000rpm、室温、5分)で分離した。Ntv10mgを1mL脱イオン水に溶かした後、上記沈澱物と混合し、Ntvがコートされた酸化鉄、マンガン酸化鉄、コバルト酸化鉄、ニッケル酸化鉄、亜鉛酸化鉄、亜鉛−マンガン酸化鉄ナノ粒子を合成した。次いで、Sephacryl S−300カラムを利用し反応しないNtvを除去することによって、純粋なNtvでコートされた水溶性酸化鉄、マンガン酸化鉄、コバルト酸化鉄、ニッケル酸化鉄、亜鉛酸化鉄、亜鉛−マンガン酸化鉄ナノ粒子を得ることができた。
【0082】
実施例5:血色素(Hemoglobin、L−LIII)でコートされた水溶性酸化鉄、マンガン酸化鉄、コバルト酸化鉄、ニッケル酸化鉄、亜鉛酸化鉄、亜鉛−マンガン酸化鉄ナノ粒子の製造
水不溶性酸化鉄、マンガン酸化鉄、コバルト酸化鉄、ニッケル酸化鉄、亜鉛酸化鉄、亜鉛−マンガン酸化鉄ナノ粒子としては実施例1と同じ酸化鉄、マンガン酸化鉄、コバルト酸化鉄、ニッケル酸化鉄、亜鉛酸化鉄、亜鉛−マンガン酸化鉄ナノ粒子を使用した。水不溶性ナノ粒子(5mg)を1mLの1M NMeOHブタノール溶液に分散し、5分程度均一に混合した。その後、黒褐色の沈澱物が形成され、この沈澱物を遠心分離(2000rpm、室温、5分)で分離した。血色素10mgを1mL脱イオン水に溶かした後、上記沈澱物と混合して血色素がコートされた酸化鉄、マンガン酸化鉄、コバルト酸化鉄、ニッケル酸化鉄、亜鉛酸化鉄、亜鉛−マンガン酸化鉄ナノ粒子を合成した。次いで、Sephacryl S−300カラムを利用し反応しない血色素を除去することによって、純粋な血色素でコートされた水溶性酸化鉄、マンガン酸化鉄、コバルト酸化鉄、ニッケル酸化鉄、亜鉛酸化鉄、亜鉛−マンガン酸化鉄ナノ粒子を得ることができた。
【0083】
実施例6:ヘパリン(Heparin、L−LIII)でコートされた水溶性酸化鉄、マンガン酸化鉄、コバルト酸化鉄、ニッケル酸化鉄、亜鉛酸化鉄、亜鉛−マンガン酸化鉄ナノ粒子の製造
水不溶性酸化鉄、マンガン酸化鉄、コバルト酸化鉄、ニッケル酸化鉄、亜鉛酸化鉄、亜鉛−マンガン酸化鉄ナノ粒子としては実施例1と同じ酸化鉄、マンガン酸化鉄、コバルト酸化鉄、ニッケル酸化鉄、亜鉛酸化鉄、亜鉛−マンガン酸化鉄ナノ粒子を使用した。水不溶性ナノ粒子(5mg)を1mLの1M NMeOHブタノール溶液に分散し、5分程度均一に混合した。その後、黒褐色の沈澱物が形成され、この沈澱物を遠心分離(2000rpm、室温、5分)で分離した。ヘパリン10mgを1mL脱イオン水に溶かした後、上記沈澱物と混合してヘパリンがコートされた酸化鉄、マンガン酸化鉄、コバルト酸化鉄、ニッケル酸化鉄、亜鉛酸化鉄、亜鉛−マンガン酸化鉄ナノ粒子を合成した。次いで、Sephacryl S−300カラムを利用し反応しないヘパリンを除去することによって、純粋なヘパリンでコートされた水溶性酸化鉄、マンガン酸化鉄、コバルト酸化鉄、ニッケル酸化鉄、亜鉛酸化鉄、亜鉛−マンガン酸化鉄ナノ粒子を得ることができた。
【0084】
実施例7:デキストラン(L−LIII)でコートされた水溶性酸化鉄、マンガン酸化鉄、コバルト酸化鉄、ニッケル酸化鉄、亜鉛酸化鉄、亜鉛−マンガン酸化鉄ナノ粒子の製造
水不溶性酸化鉄、マンガン酸化鉄、コバルト酸化鉄、ニッケル酸化鉄、亜鉛酸化鉄、亜鉛−マンガン酸化鉄ナノ粒子としては実施例1と同じ酸化鉄、マンガン酸化鉄、コバルト酸化鉄、ニッケル酸化鉄、亜鉛酸化鉄、亜鉛−マンガン酸化鉄ナノ粒子を使用した。水不溶性ナノ粒子(5mg)を1mLの1M NMeOHブタノール溶液に分散し、5分程度均一に混合した。その後、黒褐色の沈澱物が形成され、この沈澱物を遠心分離(2000rpm、室温、5分)で分離した。分子量10,000Daのデキストラン10mgを1mL脱イオン水に溶かした後、上記沈澱物と混合してデキストランがコートされた酸化鉄、マンガン酸化鉄、コバルト酸化鉄、ニッケル酸化鉄、亜鉛酸化鉄、亜鉛−マンガン酸化鉄ナノ粒子を合成した。次いで、Sephacryl S−300カラムを利用し反応しないデキストランを除去することによって、純粋なデキストランでコートされた水溶性酸化鉄、マンガン酸化鉄、コバルト酸化鉄、ニッケル酸化鉄、亜鉛酸化鉄、亜鉛−マンガン酸化鉄ナノ粒子を得ることができた。
【0085】
実施例8:ヒプロメロース(L−LIII)でコートされた水溶性酸化鉄、マンガン酸化鉄、コバルト酸化鉄、ニッケル酸化鉄、亜鉛酸化鉄、亜鉛−マンガン酸化鉄ナノ粒子の製造
水不溶性酸化鉄、マンガン酸化鉄、コバルト酸化鉄、ニッケル酸化鉄、亜鉛酸化鉄、亜鉛−マンガン酸化鉄ナノ粒子としては実施例1と同じ酸化鉄、マンガン酸化鉄、コバルト酸化鉄、ニッケル酸化鉄、亜鉛酸化鉄、亜鉛−マンガン酸化鉄ナノ粒子を使用した。水不溶性ナノ粒子(5mg)を1mLの1M NMeOHブタノール溶液に分散し、5分程度均一に混合した。その後、黒褐色の沈澱物が形成され、この沈澱物を遠心分離(2000rpm、室温、5分)で分離した。分子量80,000Daのヒプロメロース10mgを1mL脱イオン水に溶かした後、上記沈澱物と混合してヒプロメロースでコートされた酸化鉄、マンガン酸化鉄、コバルト酸化鉄、ニッケル酸化鉄、亜鉛酸化鉄、亜鉛−マンガン酸化鉄ナノ粒子を合成した。次いで、Sephacryl S−300カラムを利用し反応しないヒプロメロースを除去することによって、純粋なヒプロメロースでコートされた水溶性酸化鉄、マンガン酸化鉄、コバルト酸化鉄、ニッケル酸化鉄、亜鉛酸化鉄、亜鉛−マンガン酸化鉄ナノ粒子を得ることができた。
【0086】
実施例9:カルボキシメチルセルロース(L−LIII)でコートされた水溶性酸化鉄、マンガン酸化鉄、コバルト酸化鉄、ニッケル酸化鉄、亜鉛酸化鉄、亜鉛−マンガン酸化鉄ナノ粒子の製造
水不溶性酸化鉄、マンガン酸化鉄、コバルト酸化鉄、ニッケル酸化鉄、亜鉛酸化鉄、亜鉛−マンガン酸化鉄ナノ粒子は実施例1と同じ酸化鉄、マンガン酸化鉄、コバルト酸化鉄、ニッケル酸化鉄、亜鉛酸化鉄、亜鉛−マンガン酸化鉄ナノ粒子を使用した。水不溶性ナノ粒子(5mg)を1mLの1M NMeOHブタノール溶液に分散し、5分程度均一に混合した。その後、黒褐色の沈澱物が形成され、この沈澱物を遠心分離(2000rpm、室温、5分)で分離した。分子量90,000Daのカルボキシメチルセルロース10mgを1mL脱イオン水に溶かした後、上記沈澱物と混合してカルボキシメチルセルロースでコートされた酸化鉄、マンガン酸化鉄、コバルト酸化鉄、ニッケル酸化鉄、亜鉛酸化鉄、亜鉛−マンガン酸化鉄ナノ粒子を合成した。次いで、Sephacryl S−300カラムを利用し反応しないカルボキシメチルセルロースを除去することによって、純粋なカルボキシメチルセルロースでコートされた水溶性酸化鉄、マンガン酸化鉄、コバルト酸化鉄、ニッケル酸化鉄、亜鉛酸化鉄、亜鉛−マンガン酸化鉄ナノ粒子を得ることができた。
【0087】
実施例10:ポリビニルアルコール(PVA、L)でコートされた水溶性酸化鉄、マンガン酸化鉄、コバルト酸化鉄、ニッケル酸化鉄、亜鉛酸化鉄、亜鉛−マンガン酸化鉄ナノ粒子の製造
水不溶性酸化鉄ナノ粒子としては実施例1と同じ酸化鉄、マンガン酸化鉄、コバルト酸化鉄、ニッケル酸化鉄、亜鉛酸化鉄、亜鉛−マンガン酸化鉄ナノ粒子を使用した。水不溶性ナノ粒子(5mg)を1mLの1M NMe4OHブタノール溶液に分散し、5分程度均一に混合した。その後、黒褐色の沈澱物が形成され、この沈澱物を遠心分離(2000rpm、室温、5分)で分離した。分子量10,000DaのPVA10mgを1mL脱イオン水に溶かした後、上記沈澱物と混合してPVAでコートされた酸化鉄、マンガン酸化鉄、コバルト酸化鉄、ニッケル酸化鉄、亜鉛酸化鉄、亜鉛−マンガン酸化鉄ナノ粒子を合成した。次いで、Sephacryl S−300カラムを利用し反応しないPVAを除去することによって、純粋なPVAでコートされた水溶性酸化鉄、マンガン酸化鉄、コバルト酸化鉄、ニッケル酸化鉄、亜鉛酸化鉄、亜鉛−マンガン酸化鉄ナノ粒子を得ることができた。
【0088】
実施例11:ポリエチレングリコール−ポリアクリル酸(PAA−PEG、L−LII)でコートされた水溶性酸化鉄、マンガン酸化鉄、コバルト酸化鉄、ニッケル酸化鉄、亜鉛酸化鉄、亜鉛−マンガン酸化鉄ナノ粒子の製造
まず、PAA−PEG高分子は下記方法で製造された。分子量2,000DaのPAA0.72gを10mLのジクロロメタン溶液に溶かした後、N−ヒドロキシスクシニミド(NHS)0.8gを添加した。ここにジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)1.1gを添加した後、24時間反応した。このように得られたNHSで修飾されたPAAを、カラムクロマトグラフィーを介して分離した後、溶媒を除去して白色固体を得た。上記白色固体0.8gをDMF溶液に溶かした後、2gのNH−PEG−OHを入れ、24時間反応して、50%PEGが置換されたPEG−PAAが得られた。
【0089】
水不溶性酸化鉄、マンガン酸化鉄、コバルト酸化鉄、ニッケル酸化鉄、亜鉛酸化鉄、亜鉛−マンガン酸化鉄ナノ粒子としては実施例1と同じ酸化鉄、マンガン酸化鉄、コバルト酸化鉄、ニッケル酸化鉄、亜鉛酸化鉄、亜鉛−マンガン酸化鉄ナノ粒子を使用した。水不溶性ナノ粒子(5mg)を1mLのPAA−PEGが溶解されているエタノール溶液(5mg/mL)に分散し、10時間程度均一に混合した。その後、黒褐色の沈澱物が形成され、この沈澱物を遠心分離(2000rpm、室温、5分)で分離した。上記沈澱物を1mL脱イオン水に溶かしてPAA−PEGでコートされた酸化鉄、マンガン酸化鉄、コバルト酸化鉄、ニッケル酸化鉄、亜鉛酸化鉄、亜鉛−マンガン酸化鉄ナノ粒子を合成した。次いで、Sephacryl S−300カラムを利用し反応しないPAA−PEGを除去することによって、純粋なPAA−PEGでコートされた水溶性酸化鉄、マンガン酸化鉄、コバルト酸化鉄、ニッケル酸化鉄、亜鉛酸化鉄、亜鉛−マンガン酸化鉄ナノ粒子を得ることができた。
【0090】
実施例12:交差連結が排除されたジメルカプトコハク酸(DMSA、L−LIII)でコートされた水溶性酸化鉄、マンガン酸化鉄、コバルト酸化鉄、ニッケル酸化鉄、亜鉛酸化鉄、亜鉛−マンガン酸化鉄ナノ粒子の製造
水不溶性酸化鉄、マンガン酸化鉄、コバルト酸化鉄、ニッケル酸化鉄、亜鉛酸化鉄、亜鉛−マンガン酸化鉄ナノ粒子としては実施例1と同じ酸化鉄、マンガン酸化鉄、コバルト酸化鉄、ニッケル酸化鉄、亜鉛酸化鉄、亜鉛−マンガン酸化鉄ナノ粒子を使用した。得られた水不溶性ナノ粒子5mgを1mLのトルエンに溶解した後、上記トルエン溶液に20mgの2、3-メルカプトコハク酸(DMSA)が溶解された0.5mLのメタノールを添加した。約24時間が経過すれば、黒褐色の沈澱物が形成され、この沈澱物を室温から5分間2000rpmで遠心分離し、分離した後、1mL脱イオン水に再分散し、DMSAでコートされた酸化鉄、マンガン酸化鉄、コバルト酸化鉄、ニッケル酸化鉄、亜鉛酸化鉄、亜鉛−マンガン酸化鉄ナノ粒子を合成した。次いで、Sephadex G−25カラムを利用し反応しないジメルカプトコハク酸を除去することによって、純粋なDMSAでコートされた水溶性酸化鉄、マンガン酸化鉄、コバルト酸化鉄、ニッケル酸化鉄、亜鉛酸化鉄、亜鉛−マンガン酸化鉄ナノ粒子を得ることができた。
【0091】
実施例13:テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(L)でコートされた酸化鉄、マンガン酸化鉄、コバルト酸化鉄、ニッケル酸化鉄、亜鉛酸化鉄、亜鉛−マンガン酸化鉄ナノ粒子の製造
水不溶性酸化鉄、マンガン酸化鉄、コバルト酸化鉄、ニッケル酸化鉄、亜鉛酸化鉄、亜鉛−マンガン酸化鉄ナノ粒子は実施例1と同様の方法で合成された。得られた各ナノ粒子(5mg)を1mLの1M NMeOHブタノール溶液に分散し、5分程度均一に混合した。その後、黒褐色の沈澱物が形成され、この沈澱物を遠心分離(2000rpm、室温、5分)で分離した後、1mL脱イオン水に再分散した。それにより、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドでコートされた酸化鉄、マンガン酸化鉄、コバルト酸化鉄、ニッケル酸化鉄、亜鉛酸化鉄、亜鉛−マンガン酸化鉄ナノ粒子を得ることができた。
【0092】
実施例14:相転移リガンドでコートされた水溶性酸化鉄、マンガン酸化鉄、コバルト酸化鉄、ニッケル酸化鉄、亜鉛酸化鉄、亜鉛−マンガン酸化鉄ナノ粒子の水溶液中での安定性分析
a.水溶液中での溶解度分析
上記実施例1で使用した水不溶性ナノ粒子をクロロメタンに溶解した後、水を付加する一方、実施例1〜13で製造された水溶性酸化鉄、マンガン酸化鉄、コバルト酸化鉄、ニッケル酸化鉄、亜鉛酸化鉄、亜鉛−マンガン酸化鉄ナノ粒子を水に溶解した後、ヘキサンを付加してナノ粒子の表面置換反応による溶解度変化を分析した。
【0093】
図3、5、7、9、11、13に示されるように,それぞれの水不溶性ナノ粒子が全て水溶性ナノ粒子に変化されたことを確認することができた。また、肉眼で観察した時、沈澱または凝集が発生されなかったので、上記水溶性ナノ粒子が水溶液でよく分散されることが分かった。
【0094】
b.pH及び塩濃度変化による安定性分析
実施例1〜13で合成された水溶性ナノ粒子のpH及び塩に対する安定性を分析した。特に、本発明に係るナノ粒子の安定性と従来方法で得られた水溶性ナノ粒子の安定性を比較するために、ジメチルアミノピリジン(DMAP)でコートされた金ナノ粒子(WO2002/0041826)とCTABでコートされた金ナノ粒子(US2005/0165120)を対照群として分析した。
【0095】
図4、6、8、10、12、14の(a)に示されるように、全ての水溶性ナノ粒子は200mMのNaCl濃度で安定しており、特にBSA−酸化鉄、マンガン酸化鉄、コバルト酸化鉄、ニッケル酸化鉄、亜鉛酸化鉄、亜鉛−マンガン酸化鉄ナノ粒子、HSA−酸化鉄、マンガン酸化鉄、コバルト酸化鉄、ニッケル酸化鉄、亜鉛酸化鉄、亜鉛−マンガン酸化鉄ナノ粒子、Ntv−酸化鉄、マンガン酸化鉄、コバルト酸化鉄、ニッケル酸化鉄、亜鉛酸化鉄、亜鉛−マンガン酸化鉄ナノ粒子、ヘモグロビン−酸化鉄、マンガン酸化鉄、コバルト酸化鉄、ニッケル酸化鉄、亜鉛酸化鉄、亜鉛−マンガン酸化鉄ナノ粒子、ヘパリン酸化鉄、マンガン酸化鉄、コバルト酸化鉄、ニッケル酸化鉄、亜鉛酸化鉄、亜鉛−マンガン酸化鉄ナノ粒子、デキストラン−酸化鉄、マンガン酸化鉄、コバルト酸化鉄、ニッケル酸化鉄、亜鉛酸化鉄、亜鉛−マンガン酸化鉄ナノ粒子、ヒプロメロース−酸化鉄、マンガン酸化鉄、コバルト酸化鉄、ニッケル酸化鉄、亜鉛酸化鉄、亜鉛−マンガン酸化鉄ナノ粒子、カルボキシメチルセルロース−酸化鉄、マンガン酸化鉄、コバルト酸化鉄、ニッケル酸化鉄、亜鉛酸化鉄、亜鉛−マンガン酸化鉄ナノ粒子、PVA−酸化鉄、マンガン酸化鉄、コバルト酸化鉄、ニッケル酸化鉄、亜鉛酸化鉄、亜鉛−マンガン酸化鉄ナノ粒子、PAA-PEG-酸化鉄、マンガン酸化鉄、コバルト酸化鉄、ニッケル酸化鉄、亜鉛酸化鉄、亜鉛−マンガン酸化鉄ナノ粒子は1M以上の濃度でも安定していることを示した。これとは反対に、既存特許に公知された方法で得られた対照群として使用されたDMAP−Au、CTAB−Auナノ粒子はNaCl200mM濃度で沈澱されることが分かる。
【0096】
また、図4、6、8、10、12、14の(b)に示されるように、全ての水溶性ナノ粒子はpH7〜9で安定しており、特にBSA−酸化鉄、マンガン酸化鉄、コバルト酸化鉄、ニッケル酸化鉄、亜鉛酸化鉄、亜鉛−マンガン酸化鉄ナノ粒子、HSA−酸化鉄、マンガン酸化鉄、コバルト酸化鉄、ニッケル酸化鉄、亜鉛酸化鉄、亜鉛−マンガン酸化鉄ナノ粒子、Ntv−酸化鉄、マンガン酸化鉄、コバルト酸化鉄、ニッケル酸化鉄、亜鉛酸化鉄、亜鉛−マンガン酸化鉄ナノ粒子、ヘモグロビン−酸化鉄、マンガン酸化鉄、コバルト酸化鉄、ニッケル酸化鉄、亜鉛酸化鉄、亜鉛−マンガン酸化鉄ナノ粒子、ヘパリン酸化鉄、マンガン酸化鉄、コバルト酸化鉄、ニッケル酸化鉄、亜鉛酸化鉄、亜鉛−マンガン酸化鉄ナノ粒子、デキストラン−酸化鉄、マンガン酸化鉄、コバルト酸化鉄、ニッケル酸化鉄、亜鉛酸化鉄、亜鉛−マンガン酸化鉄ナノ粒子、カルボキシメチルセルロース−酸化鉄、マンガン酸化鉄、コバルト酸化鉄、ニッケル酸化鉄、亜鉛酸化鉄、亜鉛−マンガン酸化鉄ナノ粒子、PVA−酸化鉄、マンガン酸化鉄、コバルト酸化鉄、ニッケル酸化鉄、亜鉛酸化鉄、亜鉛−マンガン酸化鉄ナノ粒子はpH1〜11でも安定していることを示した。反面に、DMAP−AuはpH1〜7で不安定であり、沈澱を形成することが確認され、低いpH安定性を示していることが分かった。
【0097】
実施例15:ウシ血清アルブミン(BSA、L−LIII)でコートされた水溶性酸化マンガンナノ粒子の製造
水不溶性酸化マンガンナノ粒子は本発明の発明者が既に出願した大韓民国特許第604935号に開示された技術によって合成された。得られたナノ粒子はいずれも膜厚7nm、長さ15nmサイズであり、意図した通りに合成され、均一なサイズ分布度を示し、高い結晶性を有することが確認された(図15)。
【0098】
上記水不溶性ナノ粒子(5mg)を1mLの1M NMeOHブタノール溶液に分散し、5分程度均一に混合した。その後、黒褐色の沈澱物が形成され、この沈澱物を遠心分離(2000rpm、室温、5分)で分離した。BSA10mgを1mL脱イオン水に溶かした後、上記沈澱物と混合してBSAでコートされた酸化マンガンナノ粒子を合成した。次いで、Sephacryl S−300カラムを利用し反応しないBSAを除去することによって、純粋なBSAでコートされた水溶性酸化マンガンナノ粒子を得ることができた。
【0099】
実施例16:ヒト血清アルブミン(HSA、L−LIII)でコートされた水溶性酸化マンガンナノ粒子の製造
水不溶性酸化マンガンナノ粒子としては上記実施例15と同じ酸化マンガンナノ粒子を使用した。水不溶性ナノ粒子(5mg)を1mLの1M NMeOHブタノール溶液に分散し、5分程度均一に混合した。その後、黒褐色の沈澱物が形成され、この沈澱物を遠心分離(2000rpm、室温、5分)で分離した。HSA10mgを1mL脱イオン水に溶かした後、上記沈澱物と混合してHSAでコートされた酸化マンガンナノ粒子を合成した。次いで、Sephacryl S−300カラムを利用し反応しないHSAを除去することによって、純粋なHSAでコートされた水溶性酸化マンガンナノ粒子を得ることができた。
【0100】
実施例17:ヒト免疫グロブリンG(hIgG、L−LIII)でコートされた水溶性酸化マンガンナノ粒子の製造
水不溶性酸化マンガンナノ粒子は実施例15と同じ酸化マンガンナノ粒子を使用した。水不溶性ナノ粒子(5mg)を1mLの1M NMeOHブタノール溶液に分散し、5分程度均一に混合した。その後、黒褐色の沈澱物が形成され、この沈澱物を遠心分離(2000rpm、室温、5分)で分離した。hIgG10mgを1mL脱イオン水に溶かした後、上記沈澱物と混合してhIgGでコートされた酸化マンガンナノ粒子を合成した。次いで、Sephacryl S−300カラムを利用し反応しないhIgGを除去することによって、純粋なhIgGでコートされた水溶性酸化マンガンナノ粒子を得ることができた。
【0101】
実施例18:ニュートラアビジン(Ntv、L−LIII)でコートされた水溶性酸化マンガンナノ粒子の製造
水不溶性酸化マンガンナノ粒子としては実施例15と同じ酸化マンガンナノ粒子を使用した。水不溶性ナノ粒子(5mg)を1mLの1M NMeOHブタノール溶液に分散し、5分程度均一に混合した。その後、黒褐色の沈澱物が形成され、この沈澱物を遠心分離(2000rpm、室温、5分)で分離した。Ntv10mgを1mL脱イオン水に溶かした後、上記沈澱物と混合してNtvがコートされた酸化マンガンナノ粒子を合成した。次いで、Sephacryl S−300カラムを利用し反応しないNtvを除去することによって純粋なNtvでコートされた水溶性酸化マンガンナノ粒子を得ることができた。
【0102】
実施例19:デキストラン(L−LIII)でコートされた水溶性酸化マンガンナノ粒子の製造
水不溶性酸化マンガンナノ粒子としては実施例15と同じ酸化マンガンナノ粒子を使用した。水不溶性ナノ粒子(5mg)を1mLの1M NMeOHブタノール溶液に分散し、5分程度均一に混合した。その後、黒褐色の沈澱物が形成され、この沈澱物を遠心分離(2000rpm、室温、5分)で分離した。分子量10,000Daのデキストラン10mgを1mL脱イオン水に溶かした後、上記沈澱物と混合してデキストランがコートされた酸化マンガンナノ粒子を合成した。次いで、Sephacryl S−300カラムを利用し反応しないデキストランを除去することによって、純粋なデキストランでコートされた水溶性酸化マンガンナノ粒子を得ることができた。
【0103】
実施例20:ヒプロメロース(L−LIII)でコートされた水溶性酸化マンガンナノ粒子の製造
水不溶性酸化マンガンナノ粒子としては実施例15と同じ酸化マンガンナノ粒子を使用した。水不溶性ナノ粒子(5mg)を1mLの1M NMeOHブタノール溶液に分散し、5分程度均一に混合した。その後、黒褐色の沈澱物が形成され、この沈澱物を遠心分離(2000rpm、室温、5分)で分離した。分子量80,000Daのヒプロメロース10mgを1mL脱イオン水に溶かした後、上記沈澱物と混合してヒプロメロースでコートされた酸化マンガンナノ粒子を合成した。次いで、Sephacryl S−300カラムを利用し反応しないヒプロメロースを除去することによって、純粋なヒプロメロースでコートされた水溶性酸化マンガンナノ粒子を得ることができた。
【0104】
実施例21:カルボキシメチルセルロース(L−LIII)でコートされた水溶性酸化マンガンナノ粒子の製造
水不溶性酸化マンガンナノ粒子は実施例15と同じ酸化マンガンナノ粒子を使用した。水不溶性ナノ粒子(5mg)を1mLの1M NMeOHブタノール溶液に分散し、5分程度均一に混合した。その後、黒褐色の沈澱物が形成され、この沈澱物を遠心分離(2000rpm、室温、5分)で分離した。分子量90,000Daのカルボキシメチルセルロース10mgを1mL脱イオン水に溶かした後、上記沈澱物と混合してカルボキシメチルセルロースでコートされた酸化マンガンナノ粒子を合成した。次いで、Sephacryl S−300カラムを利用し反応しないカルボキシメチルセルロースを除去することによって、純粋なカルボキシメチルセルロースでコートされた水溶性酸化マンガンナノ粒子を得ることができた。
【0105】
実施例22:交差連結が排除されたジメルカプトコハク酸(DMSA、L−LIII)でコートされた水溶性酸化マンガンナノ粒子の製造
水不溶性酸化マンガンナノ粒子としては実施例15と同じ酸化マンガンナノ粒子を使用した。得られた水不溶性ナノ粒子5mgを1mLのトルエンに溶解した後上記トルエン溶液に20mgの2、3-メルカプトコハク酸(DMSA)が溶解された0.5mLのメタノールを添加した。約24時間が経過すれば、黒褐色の沈澱物が形成され、この沈澱物を室温から5分間2000rpmで遠心分離し、分離した後、1mL脱イオン水に再分散し、DMSAでコートされた酸化マンガンナノ粒子を合成した。次いで、Sephadex G−25カラムを利用し反応しないジメルカプトコハク酸を除去することによって、純粋なDMSAでコートされた水溶性酸化マンガンナノ粒子を得ることができた。
【0106】
実施例23:テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(L)でコートされた酸化マンガンナノ粒子の製造
水不溶性酸化マンガンナノ粒子は実施例15と同様の方法で合成された。得たナノ粒子(5mg)を1mLの1M NMeOHブタノール溶液に分散し、5分程度均一に混合した。その後、黒褐色の沈澱物が形成され、この沈澱物を遠心分離(2000rpm、室温、5分)で分離した後、1mL脱イオン水に再分散した。それにより、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドでコートされた酸化マンガンナノ粒子を得ることができた。
【0107】
実施例24:相転移リガンドでコートされた水溶性酸化マンガンナノ粒子の水溶液中での安定性の分析
実施例14に提示した同じ手順を介して実施例15〜23の方法で合成した水溶性ナノ粒子の溶解度を分析し、結果を図16に示した。水溶性酸化マンガンナノ粒子は水溶液に均一に分散されていることを確認することができた。
【0108】
実施例14に提示した同じ手順を介して実施例15〜23の方法で合成された水溶性ナノ粒子を水溶液での塩濃度及びpH変化による安定性を分析した。図17に示されるように、該当水溶性ナノ粒子は1Mの塩濃度及びpH1〜11で安定していることを確認することができた。
【0109】
実施例25:ウシ血清アルブミン(BSA、L−LIII)でコートされた水溶性二酸化チタンナノ粒子の製造
水不溶性二酸化チタンナノ粒子は本発明の発明者が既に出願した大韓民国特許第6049375号に開示された技術によって合成された。得られたナノ粒子はいずれも膜厚3nm、長さ20nmサイズであり、意図した通りに合成され、均一なサイズ分布度を示し、高い結晶性を有することが確認された(図18)。
【0110】
上記水不溶性ナノ粒子(5mg)を1mLの1M NMeOHブタノール溶液に分散し、5分程度均一に混合した。以後白色の沈澱物が形成され、この沈澱物を遠心分離(2000rpm、室温、5分)で分離した。BSA10mgを1mL脱イオン水に溶かした後、上記沈澱物と混合してBSAでコートされた二酸化チタンナノ粒子を合成した。次いで、Sephacryl S−300カラムを利用し反応しないBSAを除去することによって、純粋なBSAでコートされた水溶性二酸化チタンナノ粒子を得ることができた。
【0111】
実施例26:ヒト血清アルブミン(HSA、L−LIII)でコートされた水溶性二酸化チタンナノ粒子の製造
水不溶性二酸化チタンナノ粒子としては上記実施例25と同じ二酸化チタンナノ粒子を使用した。水不溶性ナノ粒子(5mg)を1mLの1M NMeOHブタノール溶液に分散し、5分程度均一に混合した。以後白色の沈澱物が形成され、この沈澱物を遠心分離(2000rpm、室温、5分)で分離した。HSA10mgを1mL脱イオン水に溶かした後、上記沈澱物と混合してHSAでコートされた二酸化チタンナノ粒子を合成した。次いで、Sephacryl S−300カラムを利用し反応しないHSAを除去することによって、純粋なHSAでコートされた水溶性二酸化チタンナノ粒子を得ることができた。
【0112】
実施例27:ヒト免疫グロブリンG(hIgG、L−LIII)でコートされた水溶性二酸化チタンナノ粒子の製造
水不溶性二酸化チタンナノ粒子は実施例25と同じ二酸化チタンナノ粒子を使用した。水不溶性ナノ粒子(5mg)を1mLの1M NMeOHブタノール溶液に分散し、5分程度均一に混合した。その後、白色の沈澱物が形成され、この沈澱物を遠心分離(2000rpm、室温、5分)で分離した。hIgG10mgを1mL脱イオン水に溶かした後、上記沈澱物と混合してhIgGでコートされた二酸化チタンナノ粒子を合成した。次いで、Sephacryl S−300カラムを利用し反応しないhIgGを除去することによって、純粋なhIgGでコートされた水溶性二酸化チタンナノ粒子を得ることができた。
【0113】
実施例28:ニュートラアビジン(Ntv、L−LIII)でコートされた水溶性二酸化チタンナノ粒子の製造
水不溶性二酸化チタンナノ粒子としては実施例25と同じ二酸化チタンナノ粒子を使用した。水不溶性ナノ粒子(5mg)を1mLの1M NMeOHブタノール溶液に分散し、5分程度均一に混合した。その後白色の沈澱物が形成され、この沈澱物を遠心分離(2000rpm、室温、5分)で分離した。Ntv10mgを1mL脱イオン水に溶かした後、上記沈澱物と混合してNtvがコートされた二酸化チタンナノ粒子が合成された。次いで、Sephacryl S−300カラムを利用し反応しないNtvを除去することによって、純粋なNtvでコートされた水溶性二酸化チタンナノ粒子を得ることができた。
【0114】
実施例29:血色素(Hemoglobin、L−LIII)でコートされた水溶性二酸化チタンナノ粒子の製造
水不溶性二酸化チタンナノ粒子としては実施例25と同じ二酸化チタンナノ粒子を使用した。水不溶性ナノ粒子(5mg)を1mLの1M NMeOHブタノール溶液に分散し、5分程度均一に混合した。その後、褐色の沈澱物が形成され、この沈澱物を遠心分離(2000rpm、室温、5分)で分離した。血色素10mgを1mL脱イオン水に溶かした後、上記沈澱物と混合して血色素がコートされた二酸化チタンナノ粒子を合成した。次いで、Sephacryl S−300カラムを利用し反応しない血色素を除去することによって、純粋な血色素でコートされた水溶性二酸化チタンナノ粒子を得ることができた。
【0115】
実施例30:ヘパリン(Heparin、L−LIII)でコートされた二酸化チタンナノ粒子の製造
水不溶性二酸化チタンナノ粒子としては実施例25と同じ二酸化チタンナノ粒子を使用した。水不溶性ナノ粒子(5mg)を1mLの1M NMeOHブタノール溶液に分散し、5分程度均一に混合した。その後、白色の沈澱物が形成され、この沈澱物を遠心分離(2000rpm、室温、5分)で分離した。ヘパリン10mgを1mL脱イオン水に溶かした後、上記沈澱物と混合してヘパリンがコートされた二酸化チタンナノ粒子を合成した。次いで、Sephacryl S−300カラムを利用し反応しないヘパリンを除去することによって、純粋なヘパリンでコートされた水溶性二酸化チタンナノ粒子を得ることができた。
【0116】
実施例31:デキストラン(L−LIII)でコートされた水溶性二酸化チタンナノ粒子の製造
水不溶性二酸化チタンナノ粒子としては実施例25と同じ二酸化チタンナノ粒子を使用した。水不溶性ナノ粒子(5mg)を1mLの1M NMeOHブタノール溶液に分散し、5分程度均一に混合した。その後、白色の沈澱物が形成され、この沈澱物を遠心分離(2000rpm、室温、5分)で分離した。分子量10,000Daのデキストラン10mgを1mL脱イオン水に溶かした後、上記沈澱物と混合してデキストランがコートされた二酸化チタンナノ粒子を合成した。次いで、Sephacryl S−300カラムを利用し反応しないデキストランを除去することによって、純粋なデキストランでコートされた水溶性二酸化チタンナノ粒子を得ることができた。
【0117】
実施例32:ヒプロメロース(L−LIII)でコートされた水溶性二酸化チタンナノ粒子の製造
水不溶性二酸化チタンナノ粒子としては実施例25と同じ二酸化チタンナノ粒子を使用した。水不溶性ナノ粒子(5mg)を1mLの1M NMeOHブタノール溶液に分散し、5分程度均一に混合した。その後、白色の沈澱物が形成され、この沈澱物を遠心分離(2000rpm、室温、5分)で分離した。分子量80,000Daのヒプロメロース10mgを1mL脱イオン水に溶かした後、上記沈澱物と混合してヒプロメロースでコートされた二酸化チタンナノ粒子を合成した。次いで、Sephacryl S−300カラムを利用し反応しないヒプロメロースを除去することによって、純粋なヒプロメロースでコートされた水溶性二酸化チタンナノ粒子を得ることができた。
【0118】
実施例33:カルボキシメチルセルロース(L−LIII)でコートされた水溶性二酸化チタンナノ粒子の製造
水不溶性二酸化チタンナノ粒子は実施例25と同じ二酸化チタンナノ粒子を使用した。水不溶性ナノ粒子(5mg)を1mLの1M NMeOHブタノール溶液に分散し、5分程度均一に混合した。その後、白色の沈澱物が形成され、この沈澱物を遠心分離(2000rpm、室温、5分)で分離した。分子量90,000Daのカルボキシメチルセルロース10mgを1mL脱イオン水に溶かした後、上記沈澱物と混合してカルボキシメチルセルロースでコートされた二酸化チタンナノ粒子を合成した。次いで、Sephacryl S−300カラムを利用し反応しないカルボキシメチルセルロースを除去することによって、純粋なカルボキシメチルセルロースでコートされた水溶性二酸化チタンナノ粒子を得ることができた。
【0119】
実施例34:ポリビニルアルコール(PVA、L)でコートされた水溶性二酸化チタンナノ粒子の製造
水不溶性二酸化チタンナノ粒子としては実施例25と同じ二酸化チタンナノ粒子を使用した。水不溶性ナノ粒子(5mg)を1mLの1M NMeOHブタノール溶液に分散し、5分程度均一に混合した。以後白色の沈澱物が形成され、この沈澱物を遠心分離(2000rpm、室温、5分)で分離した。分子量10,000DaのPVA10mgを1mL脱イオン水に溶かした後、上記沈澱物と混合してPVAでコートされた二酸化チタンナノ粒子を合成した。次いで、Sephacryl G−25カラムを利用し反応しないPVAを除去することによって、純粋なPVAでコートされた水溶性二酸化チタンナノ粒子を得ることができた。
【0120】
実施例35:ポリエチレングリコール-ポリアクリル酸(PAA−PEG、L−LII)でコートされた水溶性二酸化チタンナノ粒子の製造
まず、PAA−PEG高分子は実施例11のような方法で製造された。水不溶性二酸化チタンナノ粒子は実施例25と同じ二酸化チタンナノ粒子を使用した。水不溶性ナノ粒子(5mg)を1mLのPAA−PEGが溶解されているエタノール溶液(5mg/mL)に分散し、10時間程度均一に混合した。その後、白色の沈澱物が形成され、この沈澱物を遠心分離(2000rpm、室温、5分)で分離した。上記沈澱物を1mL脱イオン水に溶かしてPAA−PEGでコートされた二酸化チタンナノ粒子を合成した。次いで、Sephacryl G−25カラムを利用し反応しないPAA−PEGを除去することによって、純粋なPAA−PEGでコートされた水溶性二酸化チタンナノ粒子を得ることができた。
【0121】
実施例36:交差連結が排除されたジメルカプトコハク酸(DMSA、L−LIII)でコートされた水溶性二酸化チタンナノ粒子の製造
水不溶性二酸化チタンナノ粒子としては実施例25と同じ二酸化チタンナノ粒子を使用した。得られた水不溶性ナノ粒子5mgを1mLのトルエンに溶解した後、上記トルエン溶液に20mgの2,3−メルカプトコハク酸(DMSA)が溶解された0.5mLのメタノールを添加した。約24時間が経過すれば、白色の沈澱物が形成され、この沈澱物を室温で、5分間、2000rpmで遠心分離して分離した後、1mL脱イオン水に再分散してDMSAでコートされた二酸化チタンナノ粒子を合成した。次いで、Sephadex G−25カラムを利用し反応しないジメルカプトコハク酸を除去することによって、純粋なDMSAでコートされた水溶性二酸化チタンナノ粒子を得ることができた。
【0122】
実施例37:テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(L)でコートされた二酸化チタンナノ粒子の製造
水不溶性二酸化チタンナノ粒子は実施例25と同様の方法で合成された。得たナノ粒子(5mg)を1mLの1M NMeOHブタノール溶液に分散し、5分程度均一に混合した。その後、白色の沈澱物が形成され、この沈澱物を遠心分離(2000rpm、室温、5分)で分離した後、1mL脱イオン水に再分散した。それにより、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドでコートされた二酸化チタンナノ粒子を得ることができた。
【0123】
実施例38:相転移リガンドでコートされた水溶性二酸化チタンナノ粒子の水溶液中での安定性の分析
実施例25で合成された水溶性二酸化チタンナノ粒子を含有する溶液20μLを、炭素膜がコートされたTEMgrid(Ted Pella Inc.)に落とし、約30分間乾燥させた後、電子顕微鏡(EF−TEM、Zeiss, acceleration voltage 100kV)で観察した。図19(A)に示されるように、均一なサイズのよく分散された水溶性二酸化チタンナノ粒子が形成されたことを確認することができた。
【0124】
また、UV−Vis吸光スペクトル分析を介して水溶性二酸化チタンナノ粒子が水溶液に含有されているか否かを確認した。図19(B)に示されるように、水溶性ナノ粒子は、有機性酸化チタンと殆ど同じ吸光スペクトルを示した。従って、水溶性二酸化チタンナノ粒子が水溶液に溶解されていることが分かった。
【0125】
実施例14に提示した同じ手順を介して実施例25から37までの方法へ合成した水溶性二酸化チタンナノ粒子の溶解度を分析したし、結果を図20に示した。水溶性二酸化チタンナノ粒子は水溶液に均一に分散されることを確認することができた。
【0126】
実施例14と同じ手順を介して実施例25〜37の方法で合成された水溶性ナノ粒子を水溶液での塩濃度及びpH変化による安定性を分析した。図21に示されるように、該当水溶性ナノ粒子は1Mの塩濃度及びpH1〜11で安定していることを確認することができた。
【0127】
実施例39:ウシ血清アルブミン(BSA、L−LIII)でコートされた水溶性鉄−白金合金ナノ粒子の製造
6nmのFePtナノ粒子を当業界に公知された方法で合成した(Journal of the American Chemical Society, 2004, vol.126, p.8394)。得られたナノ粒子はいずれも6nmサイズであり、意図した通りに合成され、均一なサイズ分布度を示し、高い結晶性を有していることが確認された(図22)。
【0128】
上記水不溶性ナノ粒子(5mg)を1mLの1M NMeOHブタノール溶液に分散し、5分程度均一に混合した。その後、黒色の沈澱物が形成され、この沈澱物を遠心分離(2000rpm、室温、5分)で分離した。BSA10mgを1mL脱イオン水に溶かした後、上記沈澱物と混合してBSAでコートされた鉄−白金合金ナノ粒子を合成した。次いで、Sephacryl S−300カラムを利用し反応しないBSAを除去することによって、純粋なBSAでコートされた水溶性鉄−白金合金ナノ粒子を得ることができた。
【0129】
実施例40:ヒト血清アルブミン(HSA、L−LIII)でコートされた水溶性鉄−白金合金ナノ粒子の製造
水不溶性鉄−白金合金ナノ粒子としては上記実施例39と同じ鉄−白金合金ナノ粒子を使用した。水不溶性ナノ粒子(5mg)を1mLの1M NMeOHブタノール溶液に分散し、5分程度均一に混合した。その後、黒色の沈澱物が形成され、この沈澱物を遠心分離(2000rpm、室温、5分)で分離した。HSA10mgを1mL脱イオン水に溶かした後、上記沈澱物と混合してHSAでコートされた鉄−白金合金ナノ粒子を合成した。次いで、Sephacryl S−300カラムを利用し反応しないHSAを除去することによって、純粋なHSAでコートされた水溶性鉄−白金合金ナノ粒子を得ることができた。
【0130】
実施例41:ヒト免疫グロブリンG(hIgG、L−LIII)でコートされた水溶性鉄−白金合金ナノ粒子の製造
水不溶性鉄−白金合金ナノ粒子は実施例39と同じ鉄−白金合金ナノ粒子を使用した。水不溶性ナノ粒子(5mg)を1mLの1M NMeOHブタノール溶液に分散し、5分程度均一に混合した。その後、黒色の沈澱物が形成され、この沈澱物を遠心分離(2000rpm、室温、5分)で分離した。hIgG10mgを1mL脱イオン水に溶かした後、上記沈澱物と混合してhIgGでコートされた鉄−白金合金ナノ粒子を合成した。次いで、Sephacryl S−300カラムを利用し反応しないhIgGを除去することによって、純粋なhIgGでコートされた水溶性鉄−白金合金ナノ粒子を得ることができた。
【0131】
実施例42:ニュートラアビジン(Ntv、L−LIII)でコートされた水溶性鉄−白金合金ナノ粒子の製造
水不溶性鉄−白金合金ナノ粒子としては実施例39と同じ鉄−白金合金ナノ粒子を使用した。水不溶性ナノ粒子(5mg)を1mLの1M NMeOHブタノール溶液に分散し、5分程度均一に混合した。その後、黒色の沈澱物が形成され、この沈澱物を遠心分離(2000rpm、室温、5分)で分離した。Ntv10mgを1mL脱イオン水に溶かした後、上記沈澱物と混合してNtvがコートされた鉄−白金合金ナノ粒子を合成した。次いで、Sephacryl S−300カラムを利用し反応しないNtvを除去することによって、純粋なNtvでコートされた水溶性鉄−白金合金ナノ粒子を得ることができた。
【0132】
実施例43:血色素(Hemoglobin、L−LIII)でコートされた水溶性鉄−白金合金ナノ粒子の製造
水不溶性鉄−白金合金ナノ粒子としては実施例39と同じ鉄−白金合金ナノ粒子を使用した。水不溶性ナノ粒子(5mg)を1mLの1M NMeOHブタノール溶液に分散し、5分程度均一に混合した。その後、黒色の沈澱物が形成され、この沈澱物を遠心分離(2000rpm、室温、5分)で分離した。血色素10mgを1mL脱イオン水に溶かした後、上記沈澱物と混合して血色素がコートされた鉄−白金合金ナノ粒子を合成した。次いで、Sephacryl S−300カラムを利用し反応しない血色素を除去することによって、純粋な血色素でコートされた水溶性鉄−白金合金ナノ粒子を得ることができた。
【0133】
実施例44:ヘパリン(Heparin、L−LIII)でコートされた鉄−白金合金ナノ粒子の製造
水不溶性二酸化チタンナノ粒子としては実施例39と同じ鉄−白金合金ナノ粒子を使用した。水不溶性ナノ粒子(5mg)を1mLの1M NMe4OHブタノール溶液に分散し、5分程度均一に混合した。その後、黒色の沈澱物が形成され、この沈澱物を遠心分離(2000rpm、室温、5分)で分離した。ヘパリン10mgを1mL脱イオン水に溶かした後、上記沈澱物と混合してヘパリンがコートされた鉄−白金合金ナノ粒子を合成した。次いで、Sephacryl S−300カラムを利用し反応しないヘパリンを除去することによって、純粋なヘパリンでコートされた水溶性鉄−白金合金ナノ粒子を得ることができた。
【0134】
実施例45:デキストラン(L−LIII)でコートされた水溶性鉄−白金合金ナノ粒子の製造
水不溶性鉄−白金合金ナノ粒子としては実施例39と同じ鉄−白金合金ナノ粒子を使用した。水不溶性ナノ粒子(5mg)を1mLの1M NMeOHブタノール溶液に分散し、5分程度均一に混合した。以後黒色の沈澱物が形成され、この沈澱物を遠心分離(2000rpm、室温、5分)で分離した。分子量10,000Daのデキストラン10mgを1mL脱イオン水に溶かした後、上記沈澱物と混合してデキストランがコートされた鉄−白金合金ナノ粒子を合成した。次いで、Sephacryl S−300カラムを利用し反応しないデキストランを除去することによって、純粋なデキストランでコートされた水溶性鉄−白金合金ナノ粒子を得ることができた。
【0135】
実施例46:ヒプロメロース(L−LIII)でコートされた水溶性鉄−白金合金ナノ粒子の製造
水不溶性鉄−白金合金ナノ粒子としては実施例39と同じ鉄−白金合金ナノ粒子を使用した。水不溶性ナノ粒子(5mg)を1mLの1M NMeOHブタノール溶液に分散し、5分程度均一に混合した。以後黒色の沈澱物が形成され、この沈澱物を遠心分離(2000rpm、室温、5分)で分離した。分子量80,000Daのヒプロメロース10mgを1mL脱イオン水に溶かした後、上記沈澱物と混合してヒプロメロースでコートされた鉄−白金合金ナノ粒子を合成した。次いで、Sephacryl S−300カラムを利用し反応しないヒプロメロースを除去することによって、純粋なヒプロメロースでコートされた水溶性鉄−白金合金ナノ粒子を得ることができた。
【0136】
実施例47:カルボキシメチルセルロース(L−LIII)でコートされた水溶性鉄−白金合金ナノ粒子の製造
水不溶性鉄−白金合金ナノ粒子は実施例39と同じ鉄−白金合金ナノ粒子を使用した。水不溶性ナノ粒子(5mg)を1mLの1M NMeOHブタノール溶液に分散し、5分程度均一に混合した。その後、黒色の沈澱物が形成され、この沈澱物を遠心分離(2000rpm、室温、5分)で分離した。分子量90,000Daのカルボキシメチルセルロース10mgを1mL脱イオン水に溶かした後、上記沈澱物と混合してカルボキシメチルセルロースでコートされた鉄−白金合金ナノ粒子を合成した。次いで、Sephacryl S−300カラムを利用し反応しないカルボキシメチルセルロースを除去することによって、純粋なカルボキシメチルセルロースでコートされた水溶性鉄−白金合金ナノ粒子を得ることができた。
【0137】
実施例48:ポリビニルアルコール(PVA、L)でコートされた水溶性鉄−白金合金ナノ粒子の製造
水不溶性鉄−白金合金ナノ粒子としては実施例39と同じ鉄−白金合金ナノ粒子を使用した。水不溶性ナノ粒子(5mg)を1mLの1M NMe4OHブタノール溶液に分散し、5分程度均一に混合した。その後、黒色の沈澱物が形成され、この沈澱物を遠心分離(2000rpm、室温、5分)で分離した。分子量10,000DaのPVA10mgを1mL脱イオン水に溶かした後、上記沈澱物と混合してPVAでコートされた鉄−白金合金ナノ粒子を合成した。次いで、Sephacryl G−25カラムを利用し反応しないPVAを除去することによって、純粋なPVAでコートされた水溶性鉄−白金合金ナノ粒子を得ることができた。
【0138】
実施例49:ポリエチレングリコール−ポリアクリル酸(PAA−PEG、L−LII)でコートされた水溶性鉄−白金合金ナノ粒子の製造
まず、PAA−PEG高分子は実施例11のような方法で製造された。水不溶性鉄−白金合金ナノ粒子としては実施例39と同じ鉄−白金合金ナノ粒子を使用した。水不溶性ナノ粒子(5mg)を1mLのPAA−PEGが溶解されているエタノール溶液(5mg/mL)に分散し、10時間程度均一に混合した。その後、黒色の沈澱物が形成され、この沈澱物を遠心分離(2000rpm、室温、5分)で分離した。上記沈澱物を1mL脱イオン水に溶かしてPAA−PEGでコートされた鉄−白金合金ナノ粒子を合成した。次いで、Sephacryl G−25カラムを利用し反応しないPAA−PEGを除去することによって、純粋なPAA−PEGでコートされた水溶性鉄−白金合金ナノ粒子を得ることができた。
【0139】
実施例50:交差連結が排除されたジメルカプトコハク酸(DMSA、L−LIII)でコートされた水溶性鉄−白金合金ナノ粒子の製造
水不溶性鉄−白金合金ナノ粒子としては実施例39と同じ鉄−白金合金ナノ粒子を使用した。得られた水不溶性ナノ粒子5mgを1mLのトルエンに溶解した後、上記トルエン溶液に20mgの2,3−メルカプトコハク酸(DMSA)が溶解された0.5mLのメタノールを添加した。約24時間が経過すれば、黒色の沈澱物が形成され、この沈澱物を室温で、5分間、2000rpmで遠心分離して分離した後、1mL脱イオン水に再分散し、DMSAでコートされた鉄−白金合金ナノ粒子を合成した。次いで、Sephadex G−25カラムを利用し反応しないジメルカプトコハク酸を除去することによって、純粋なDMSAでコートされた水溶性鉄−白金合金ナノ粒子を得ることができた。
【0140】
実施例51:テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(L)でコートされた鉄−白金合金ナノ粒子の製造
水不溶性鉄−白金合金ナノ粒子は実施例43と同様の方法で合成された。得たナノ粒子(5mg)を1mLの1M NMeOHブタノール溶液に分散し、5分程度均一に混合した。その後、黒色の沈澱物が形成され、この沈澱物を遠心分離(2000rpm、室温、5分)で分離した後、1mL脱イオン水に再分散した。それにより、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドでコートされた鉄−白金合金ナノ粒子を得ることができた。
【0141】
実施例52:相転移リガンドでコートされた水溶性鉄−白金合金ナノ粒子の水溶液中での安定性の分析
実施例14と同じ手順を介して実施例39〜51の方法で合成した水溶性ナノ粒子の溶解度を分析し、結果を図23に示した。水溶性鉄−白金合金ナノ粒子は水溶液に均一に分散されていることを確認することができた。
【0142】
実施例14と同じ手順を介して実施例39〜51の方法で合成された水溶性ナノ粒子を水溶液での塩濃度及びpH変化による安定性を分析した。図24に示されるように、該当水溶性ナノ粒子は1Mの塩濃度及びpH1〜11で安定していることを確認することができた。
【0143】
実施例53:水溶性多成分混成構造体(FePt−Au)ナノ粒子の製造
6nmのFePtナノ粒子を当業界に公知された方法で合成した(Journal of the American Chemical Society, 2004, vol.126, p.8394)。上記FePt(5mg)、AuClPPh(0.24mg)、ヘキサデシルアミン(46mg)を1,2−ジクロロベンゼン(5mL)に溶かした後、溶液を70℃まで加熱した後、H(4%)/Nを30分間、バブルリングした。室温に冷却した後、溶液にエタノール(7mL)を入れ、遠心分離してFePt−Auナノ粒子粉末を沈澱物として得ることができた。このように得られた水不溶性ナノ粒子は、そのサイズが約6nm(FePt)−8nm(Au)であり、均一なサイズ分布度を示した(図25)。
【0144】
水不溶性FePt−Auナノ粒子(5mg)をエタノール(400μL )に溶かしたジヒドロ葉酸−ポリエチレングリコール(100μL、分子量600Da)と混合し、3時間反応した。反応が終了されたナノ粒子に蒸留水(1mL)をいれた後、Sephadex G−25カラムを利用し反応しないジヒドロ葉酸−ポリエチレングリコールを除去して純粋な水溶性多成分混成構造体ナノ粒子を製造した。
【0145】
実施例54:水溶性多成分混成構造体(FePt−Au)ナノ粒子の水溶液の中安定性確認
実施例53で製造された水溶性コア−シェルナノ粒子を実施例14と同じ手順によって水溶液での安定性を確認した。
【0146】
図26(A)及び26(B)に示されるように、水溶性多成分混成構造体(FePt−Au)ナノ粒子はいずれも水溶液で安定しており、NaCl2M溶液だけでなく、pH1〜12でもいずれも安定していることを確認することができた。
【0147】
実施例55:水溶性多成分混成構造体(Co@Pt−Au)ナノ粒子の製造
6nmのコア−シェルCo@Ptナノ粒子を当業界に公知された方法で合成した(Journal of the American Chemical Society, 2001, vol.123, p.5743)。上記Co@Pt(5mg)、AuClPPh(0.24mg)、ヘキサデシルアミン(46mg)を1,2−ジクロロベンゼン(5mL)に溶かした後、溶液を70℃まで加熱した後、H(4%)/Nを30分間バブルリングした。室温に冷却した後、溶液にエタノール(7mL)を入れ、遠心分離してCo@Pt−Auナノ粒子粉末を沈澱物として得ることができた。このように得た水不溶性ナノ粒子はそのサイズが約6nm(Co@Pt)−8nm(Au)であり、均一なサイズ分布度を示した(図27)。
【0148】
水不溶性Co@Pt−Auナノ粒子(5mg)をエタノール(400μL)に溶かしたジヒドロ葉酸−ポリエチレングリコール(100μL、分子量600)と混合して、3時間反応した。反応が終了されたナノ粒子に蒸留水(1mL)をいれた後、Sephadex G−25カラムを利用し反応しないジヒドロ葉酸−ポリエチレングリコールを除去して純粋な水溶性多成分混成構造Co@Pt−Auナノ粒子を製造した。
【0149】
実施例56:水溶性多成分混成構造体(Co@Pt−Au)ナノ粒子の水溶液中での中安定性確認
実施例55で製造された水溶性コア−シェルナノ粒子を実施例14と同じ手順によって水溶液での安定性を確認した。
【0150】
図28(A)及び28(B)に示されるように、水溶性多成分混成構造体(Co@Pt−Au)ナノ粒子はいずれも水溶液で安定しており、NaCl2M溶液だけでなく、pH1〜12でもいずれも安定していることを確認することができた。
【0151】
実施例57:活性成分としてニュートラアビジンが結合されたBSA−酸化鉄ナノ粒子の製造
0.2mgのBSA−Feと0.2mgニュートラアビジンを10mMPBS(pH7.2)100μLに溶解し、EDC(N-(3-dimethylaminopropyl)-N'-ethylcarbodiimidehydrochloride,Pierce)及びNHS(N-hydroxysulfosuccinimide,Pierce)を、それぞれ5mのMEDCと2mのMNHS濃度になるように加えた。3時間室温で反応させた後、Sephacryl S−300カラムを利用して純粋にニュートラアビジンが結合されたBSAでコートされた酸化鉄ナノ粒子を得ることができた(図29)。
【0152】
実施例58:相転移リガンドでコートされた水溶性磁性ナノ粒子のMRI信号増幅効果
実施例1で製造された酸化鉄、マンガン酸化鉄、コバルト酸化鉄、ニッケル酸化鉄ナノ粒子を100mMの濃度で希釈した後、3TMRI(Achieva: Philips Medical Systems, Best, The Netherlands)システムで信号増幅効果を観察しており、SENSETMFlex−M(14cm×17cmのフレキシブルコイル)コイルを利用した。具体的なパラメーターは以下の通りであった。解像度156× 156mm、切片膜厚0.6mm、TR=3000ms、TE=100ms、映像励起回数:1。製造された水溶性磁性ナノ粒子は水の信号と比較していずれも増幅信号を示した(図30)。
【0153】
実施例59:相転移リガンドでコートされた水溶性酸化鉄ナノ粒子のMRIを用いた物質の検針
実施例55で製造されたニュートラアビジンと結合した水溶性酸化鉄ナノ粒子が含まれた水溶液(100mM)に、ビオチンでコートされたシリカナノ粒子(100nm、Microspheres-nanospheres, USA)100mgを混合し、30分間反応した後、実施例58と同一に3T MRIシステムを利用して信号を測定した。同じ濃度の酸化鉄ナノ粒子のMRI信号と比較して、ビオチンでコートされたシリカが混合された水溶性酸化鉄ナノ粒子のMRI信号が、1.7倍が増幅信号を示した(図31)。
【0154】
実施例60:相転移リガンドでコートされた水溶性酸化鉄ナノ粒子の磁石を用いた物質分離効果
実施例49で製造された水溶性酸化鉄ナノ粒子と結合されたFITC(Fluorescene)と水溶性酸化鉄ナノ粒子と結合されないローダミンを混合して、蛍光をPL spectroscope(FP−6500、Jasco, USA)を利用して測定した(図32のa)。混合液に、0.5T Co−Sm合金棒磁石を利用して30分間酸化鉄ナノ粒子を集めた後、上清だけの蛍光を測定した時、FITCの蛍光が減少していることを観察することができた(図32のb)。
【0155】
実施例61:相転移リガンドでコートされた水溶性二酸化チタンナノ粒子の光触媒作用を用いた癌治療効果
実施例36で合成された二酸化チタンナノ粒子を皮膚癌細胞(A-375 in Dulbecco’s modified Eagle’s medium with 10 % fetal calf serum)に50、100、200、400mg/mLの濃度になるように希釈して注入後、24時間培養した。24時間後、UVランプ(Selland 2000, 2 kW UV lamp, Germany, 340-440 nm, 20 mW/cm2)を30分間照射した後、MTT assayを介して細胞死程度を測定した。図33のaは、二酸化チタンナノ粒子のない時、図33のbは二酸化チタンナノ粒子が存在する時、UVを照射した後、細胞のイメージをそれぞれ示している。図33のcは、本発明に係る相転移リガンドでコートされた二酸化チタンナノ粒子と商用のP−25の癌細胞治療程度を図表にて比較したものである。図33のaとbに示されるように、二酸化チタンナノ粒子が処理されていない皮膚癌細胞と比較して、二酸化チタンナノ粒子が処理された皮膚癌細胞の場合、大部分の細胞が死滅されていたことを観察することができる。そして、処理されたナノ粒子の濃度の増加に伴って癌治療効果が向上され、商用化されている二酸化チタン粒子リンp−25と比較して、向上された癌治療効果を示していることが分かる(図33のc)。
【産業上の利用可能性】
【0156】
本発明によって、そのサイズ形態調節され、向上された電気的/磁気的性質を有する磁性及び金属酸化物水溶性ナノ粒子を得ることができ、上記水溶性ナノ粒子は様々な活性成分の導入を介して複合素材、電子材料及び生体診断及び生体治療に応用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0157】
【図1】相転移を介して水不溶性の磁性または金属酸化物ナノ粒子から水溶性の磁性または金属酸化物ナノ粒子を製造する過程を示した図である。
【図2】12nmサイズの水不溶性の酸化鉄、マンガン酸化鉄、コバルト酸化鉄、ニッケル酸化鉄、亜鉛酸化鉄、亜鉛−マンガン酸化鉄ナノ粒子の電子顕微鏡写真である。
【図3】本発明に係る様々な相転移リガンドでコートされた水溶性酸化鉄ナノ粒子の溶解度に対する分析結果である。
【図4】本発明に係る様々な相転移リガンドでコートされた水溶性酸化鉄ナノ粒子の塩濃度及びpH変化による安定性に対する分析結果を示した図である。
【図5】本発明に係る様々な相転移リガンドでコートされた水溶性マンガン酸化鉄ナノ粒子の溶解度に対する分析結果である。
【図6】本発明に係る様々な相転移リガンドでコートされた水溶性マンガン酸化鉄ナノ粒子の塩濃度及びpH変化による安定性に対する分析結果を示したのである。
【図7】本発明に係る様々な相転移リガンドでコートされた水溶性コバルト酸化鉄ナノ粒子の溶解度に対する分析結果である。
【図8】本発明に係る様々な相転移リガンドでコートされた水溶性コバルト酸化鉄ナノ粒子の塩濃度及びpH変化による安定性に対する分析結果を示した図である。
【図9】本発明に係る様々な相転移リガンドでコートされた水溶性ニッケル酸化鉄ナノ粒子の溶解度に対する分析結果である。
【図10】本発明に係る様々な相転移リガンドでコートされた水溶性ニッケル酸化鉄ナノ粒子の塩濃度及びpH変化による安定性に対する分析結果を示した図である。
【図11】本発明に係る様々な相転移リガンドでコートされた水溶性亜鉛酸化鉄ナノ粒子の溶解度に対する分析結果である。
【図12】本発明に係る様々な相転移リガンドでコートされた水溶性亜鉛酸化鉄ナノ粒子の塩濃度及びpH変化による安定性に対する分析結果を示した図である。
【図13】本発明に係る様々な相転移リガンドでコートされた水溶性亜鉛−マンガン酸化鉄ナノ粒子の溶解度に対する分析結果である。
【図14】本発明に係る様々な相転移リガンドでコートされた水溶性亜鉛−マンガン酸化鉄ナノ粒子の塩濃度及びpH変化による安定性に対する分析結果を示した図である。
【図15】水不溶性酸化マンガンナノ粒子の電子顕微鏡写真である。
【図16】本発明に係る様々な相転移リガンドでコートされた水溶性酸化マンガンナノ粒子の溶解度に対する分析結果である。
【図17】本発明に係る様々な相転移リガンドでコートされた水溶性酸化マンガンナノ粒子の塩濃度及びpH変化による安定性に対する分析結果を示した図である。
【図18】水不溶性二酸化チタンナノ粒子の電子顕微鏡写真である。
【図19A】本発明に係る様々な相転移リガンドでコートされた水溶性二酸化チタンナノ粒子の電子顕微鏡写真を示した図である。
【図19B】本発明に係る様々な相転移リガンドでコートされた水溶性二酸化チタンナノ粒子の吸光スペクトルを示した図である。
【図20】本発明に係る様々な相転移リガンドでコートされた水溶性二酸化チタンナノ粒子の溶解度に対する分析結果である。
【図21】本発明に係る様々な相転移リガンドでコートされた水溶性二酸化チタンナノ粒子の塩濃度及びpH変化による安定性に対する分析結果を示した図である。
【図22】水不溶性鉄−白金合金ナノ粒子の電子顕微鏡写真である。
【図23】本発明に係る様々な相転移リガンドでコートされた水溶性鉄−白金合金ナノ粒子の溶解度に対する分析結果である。
【図24】本発明に係る様々な相転移リガンドでコートされた水溶性鉄−白金合金ナノ粒子の塩濃度及びpH変化による安定性に対する分析結果を示した図である。
【図25】水不溶性FePt−Au磁性多成分混成構造体ナノ粒子の電子顕微鏡写真である。
【図26A】本発明に係る相転移リガンドでコートされた水溶性FePt−Au多成分混成構造体ナノ粒子の溶解度に対する分析結果を示した図である。
【図26B】本発明に係る相転移リガンドでコートされた水溶性FePt−Au多成分混成構造体ナノ粒子の塩濃度とpH濃度による水溶液相のコロイド安定性に対する分析結果を示した図である。
【図27】水不溶性Co@Pt−Au磁性多成分混成構造体ナノ粒子の電子顕微鏡写真である。
【図28A】相転移リガンドでコートされた水溶性Co@Pt−Au多成分混成構造体ナノ粒子の溶解度に対する分析結果を示した図である。
【図28B】相転移リガンドでコートされた水溶性Co@Pt−Au多成分混成構造体ナノ粒子の塩濃度とpH濃度による水溶液相のコロイド安定性に対する分析結果を示した図である。
【図29】本発明の相転移リガンド(BSA)でコートされた酸化鉄ナノ粒子にニュートラアビジンが結合されることを、電気泳動を介して分析した結果である。
【図30】本発明の相転移リガンド(BSA)でコートされた酸化鉄、マンガン酸化鉄、ニッケル酸化鉄、コバルト酸化鉄ナノ粒子のMRI信号増加効果に対する結果を示した図である。
【図31】本発明のニュートラアビジンと結合された相転移リガンド(BSA)でコートされた酸化鉄ナノ粒子が、ビオチンでコートされたシリカにより凝集し、酸化鉄のみがある時に比べ、MRI信号が増加されることを示した図である。
【図32】本発明の相転移リガンド(BSA)でコートされた酸化鉄ナノ粒子と結合された蛍光物質がナノ粒子と結合されない蛍光物質との混合物から外部磁場により分離されることを蛍光スペクトルで確認した結果を示した図である。
【図33】本発明の相転移リガンド(DMSA)でコートされた二酸化チタンナノ粒子に、UVを照射することによって癌細胞が死滅されることを示した図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
磁性または金属酸化物ナノ粒子が付着領域、付着領域−交差連結領域または付着領域−活性成分結合領域からなる相転移リガンドでコートされたことを特徴とする水溶性磁性または金属酸化物ナノ粒子。
【請求項2】
磁性または金属酸化物ナノ粒子は、磁性物質、金属酸化物、磁性合金、または多成分混成構造体からなる直径1〜1000nmであることを特徴とする請求項1に記載の水溶性の磁性または金属酸化物ナノ粒子。
【請求項3】
磁性物質はMn、Fe、Co、Ni、Nbを含む遷移金属、Gd、Tb、Dy、Ho、Smを含むランタニド族及びアクチニド族金属、M(M=Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Nb、Moを含む遷移金属元素、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Hoを含むランタニド族及びアクチニド族元素;0<x≦20、0<y≦20)及びM(M=Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Nbを含む遷移金属元素またはGd、Tb、Dy、Ho、Smを含むランタニド族及びアクチニド族元素から1種以上選択される金属;M=Li、Na、Be、Ca、Ge、Ba、Mg、Sr、Raを含む1、2族金属元素、Ti、Cu、Zn、Y、Ta、V、Cd、Y、Ta、V、Zr、Mo、Pt、Pd、Rh、Ru、Ag、Ir、Os、Re、W、La、Hf、Ta、Auを含む遷移金属元素、Eu、Er、Tm、Yb、Lu、La、Ce、Pr、Pmを含むランタニド族またはアクチニウム族元素、B、Al、Ga、Inを含む13族元素、C、Si、Ge、Sn、Pbを含む14族元素、As、Sb、Biを含む15族元素、S、Se、Teを含む16族元素から1種以上選択することを特徴とする金属;0<x≦20、0<y≦20、0<z≦20)よりなる群から選択されることを特徴とする請求項2に記載の水溶性磁性または金属酸化物ナノ粒子。
【請求項4】
金属酸化物は、M(M=Li、Na、Be、Ca、Ge、Ba、Mg、Sr、Raを含む1、2族金属元素、Sc、Ti、V、Y、Tc、Ru、Rh、Pd、Ag、Cd、Hf、Ta、W、Re、Os、Ir、Pt、Auを含む遷移金属元素、Al、Ga、Inを含む13族元素、Ge、Sn、Pbを含む14族元素、Biを含む15族元素、Ce、Pr、Nd、Pm、Er、Tm、Yb、Lu、La、Th、Pa、U、Am、Cm、Bk、Cf、Ex、Fm、Md、No、Lrを含むランタニド族及びアクチニウム族元素よりなる群から1種以上選択された金属元素;0<x≦20、0<y≦20)であることを特徴とする請求項2に記載の水溶性磁性または金属酸化物ナノ粒子。
【請求項5】
磁性合金は、M(M=Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Nb、Moを含む遷移金属元素、Gd、Tb、Dy、Ho、Smを含むランタニド族またはアクチニウム族元素の中から1種以上選択されることを特徴とする元素;M=Li、Na、Be、Ca、Ge、Ba、Mg、Sr、Raを含む1、2族金属元素、Sc、Ti、V、Sr、Tc、Rh、Ru、Pd、Ag、Cd、La、Hf、Ta、W、Os、Ir、Pt、Auを含む遷移金属元素、B、Al、Ga、Inを含む13族元素、C、Si、Ge、Snを含む14族元素、P、As、Sb、Biを含む15族元素、S、Te、Seを含む16族元素、Ce、Pr、Nb、Pm、Eu、Er、Tm、Yb、Lu、Th、Pa、U、Np、Pu、Am、Cm、Bk、Cf、Ex、Fm、Md、No、Lrを含むランタニド族及びアクチニウム族元素の中から1種以上選択されることを特徴とする元素;0<x≦20、0<y≦20)であることを特徴とする請求項2に記載の水溶性磁性または金属酸化物ナノ粒子。
【請求項6】
多成分混成構造体は、
請求項3〜5のいずれか一項に記載の磁性物質、金属酸化物及び磁性合金よりなる群から選択された2種以上のナノ粒子を含むか、または、
請求項3〜5のいずれか一項に記載の磁性物質、金属酸化物及び磁性合金よりなる群から選択された1種のナノ粒子と半導体(Ga、In、Tlを含む13族元素、Zn、Cd、Hgを含む12族元素、C、Si、Ge、Sn、Pbを含む14族元素、N、P、As、Sb、Biを含む15族元素、O、S、Se、Te、Poを含む16族元素の中から選択された2種以上の元素で構成された半導体)、Au、Ag、Pt、Cu、Pd、Mo、Os、W、Ti、W、V、Cr、Zn、Nb、Ru、Rh、Irを含む遷移金属、Al、Ga、Inを含む13族物質、Si、Sn、Pbを含む14族物質から1種以上選択されることを特徴とする請求項2に記載の水溶性磁性または金属酸化物ナノ粒子。
【請求項7】
相転移リガンドによる磁性または金属酸化物ナノ粒子のコートは、ナノ粒子と相転移リガンドの付着領域間の配位結合、共有結合、水素結合、ファンデルワールス結合またはイオン結合によることを特徴とする請求項1に記載の水溶性磁性または金属酸化物ナノ粒子。
【請求項8】
相転移リガンドの付着領域(L)は、−COOH、−NH、−SH、−SS−、−CONH、−POH、−PO、−PO(OR)(OR)(R、R=C、X=−F、−Cl、−Br、−I、0≦s≦10、0≦t≦2(s+u)+1、0≦u≦2s、0≦w≦2s、0≦x≦2s、0≦y≦2s、0≦z≦2s)、SOH、−SOH、−NO、−CHO、−COSH、−COX、−COOCO−、−CORCO−(R=C、X=−F、−Cl、−Br、−I、0≦s≦10、0≦t≦2(s+u)+1、0≦u≦2s、0≦w≦2s、0≦x≦2s、0≦y≦2s、0≦z≦2s)、−COOR、−CONH−、−CN、−NROH(R=C、X=−F、−Cl、−Br、−I、0≦s≦10、0≦t≦2(s+u)+1、0≦u≦2s、0≦w≦2s、0≦x≦2s、0≦y≦2s、0≦z≦2s)、−NRNR(R、R、R=C、X=−F、−Cl、−Br、−I、0≦s≦10、0≦t≦2(s+u)+1、0≦u≦2s、0≦w≦2s、0≦x≦2s、0≦y≦2s、0≦z≦2s)、−CONHNR(R、R=C、X=−F、−Cl、−Br、−I、0≦s≦10、0≦t≦2(s+u)+1、0≦u≦2s、0≦w≦2s、0≦x≦2s、0≦y≦2s、0≦z≦2s)、−NRX(R、R、R=C、X=−F、−Cl、−Br、−I、0≦s≦10、0≦t≦2(s+u)+1、0≦u≦2s、0≦w≦2s、0≦x≦2s、0≦y≦2s、0≦z≦2s)及び−OHよりなる群から選択された官能基を含むことを特徴とする請求項1に記載の水溶性磁性または金属酸化物ナノ粒子。
【請求項9】
相転移リガンドの交差連結領域(LII)は、−COOH、−NH、−SH、−CONH、−POH、−PO、−PO(OR)(OR)(R、R=C、X=−F、−Cl、−Br、−I、0≦s≦10、0≦t≦2(s+u)+1、0≦u≦2s、0≦w≦2s、0≦x≦2s、0≦y≦2s、0≦z≦2s)、SOH、−SOH、−NO、−CHO、−COSH、−COX、−COOR、−CONH、−CN、−NROH(R=C、X=−F、−Cl、−Br、−I、0≦s≦10、0≦t≦2(s+u)+1、0≦u≦2s、0≦w≦2s、0≦x≦2s、0≦y≦2s、0≦z≦2s)、−NRNR(R、R、R=C、X=−F、−Cl、−Br、−I、0≦s≦10、0≦t≦2(s+u)+1、0≦u≦2s、0≦w≦2s、0≦x≦2s、0≦y≦2s、0≦z≦2s)、−CONHNR(R、R=C、X=−F、−Cl、−Br、−I、0≦s≦10、0≦t≦2(s+u)+1、0≦u≦2s、0≦w≦2s、0≦x≦2s、0≦y≦2s、0≦z≦2s)、−NRX(R、R、R=C、X=−F、−Cl、−Br、−I、0≦s≦10、0≦t≦2(s+u)+1、0≦u≦2s、0≦w≦2s、0≦x≦2s、0≦y≦2s、0≦z≦2s)、−OH、−SCOCH、−F、−Cl、−Br、−I、−SCN、−NCO、−OCN、−エポキシ、−ヒドラゾン、−アルケン及び−アルキンよりなる群から選択された官能基を含むことを特徴とする請求項1に記載の水溶性磁性または金属酸化物ナノ粒子。
【請求項10】
相転移リガンドの活性成分結合領域(LIII)は−COOH、−NH、−SH、−CONH、−POH、−PO、−PO(OR)(OR)(R、R=C、X=−F、−Cl、−Br、−I、0≦s≦10、0≦t≦2(s+u)+1、0≦u≦2s、0≦w≦2s、0≦x≦2s、0≦y≦2s、0≦z≦2s)、SOH、−SOH、−NO、−CHO、−COSH、−COX、−COOR、−CONH−、−CN、−NROH(R=C、X=−F、−Cl、−Br、−I、0≦s≦10、0≦t≦2(s+u)+1、0≦u≦2s、0≦w≦2s、0≦x≦2s、0≦y≦2s、0≦z≦2s)、−NRNR(R、R、R=C、X=−F、−Cl、−Br、−I、0≦s≦10、0≦t≦2(s+u)+1、0≦u≦2s、0≦w≦2s、0≦x≦2s、0≦y≦2s、0≦z≦2s)、−CONHNR(R、R=C、X=−F、−Cl、−Br、−I、0≦s≦10、0≦t≦2(s+u)+1、0≦u≦2s、0≦w≦2s、0≦x≦2s、0≦y≦2s、0≦z≦2s)、−NRX(R、R、R=C、X=−F、−Cl、−Br、−I、0≦s≦10、0≦t≦2(s+u)+1、0≦u≦2s、0≦w≦2s、0≦x≦2s、0≦y≦2s、0≦z≦2s)、−OH、−SCOCH、−F、−Cl、−Br、−I、−SCN、−NCO、−OCN、−エポキシ、ヒドラゾン、−アルケン及び-アルキンよりなる群から選択された官能基を含むことを特徴とする請求項1に記載の水溶性磁性または金属酸化物ナノ粒子。
【請求項11】
相転移リガンドは、ペプチド、タンパク質、核酸、脂質、糖、化学単分子及び高分子よりなる群から選択されることを特徴とする請求項1に記載の水溶性磁性または水溶性金属酸化物ナノ粒子。
【請求項12】
ペプチドは、−SH、−COOH、−NH、−CONH、−NHCNH(N)、−CNHCH(N)CH−、または−OHよりなる群から選択される側鎖を有するアミノ酸を少なくとも一つ含むことを特徴とする請求項11に記載の水溶性磁性または水溶性金属酸化物ナノ粒子。
【請求項13】
タンパク質は、構造タンパク質、貯蔵タンパク質、運搬タンパク質、ホルモンタンパク質、レセプタータンパク質、収縮タンパク質、防御タンパク質及び酵素タンパク質よりなる群から選択されることを特徴とする請求項11に記載の水溶性磁性または水溶性金属酸化物ナノ粒子。
【請求項14】
アルブミン類、抗体類、二次抗体類、抗原、血色素、ヘパリン、アビジン、ストレプトアビジン、ミオシン、シトクロム、グリシニン、プロテインA、プロテインG、プロテインS、免疫グロブリン、レクチン、セレクチン、アンジオポイエチン、抗癌タンパク質、抗生タンパク質、ホルモン拮抗タンパク質、インターロイキン、インターフェロン、成長因子タンパク質、腫瘍壊死因子タンパク質、エンドトキシンタンパク質、リンホトキシンタンパク質、組織プラスミノゲン活性剤、ウロキナーゼ、ストレプトキナーゼ、プロテアーゼ阻害剤、アルキルホスホコリン、界面活性剤、心血管系薬物タンパク質、神経系薬物タンパク質及び胃腸管系薬物タンパク質よりなる群から選択されることを特徴とする請求項13に記載の水溶性磁性または金属酸化物ナノ粒子。
【請求項15】
核酸は、3’−、5’−末端または側鎖に、−POH、−SH、−NH、−COOH及び−OHよりなる群から選択された官能基を有するように変形されたことを特徴とする請求項11に記載の水溶性磁性または水溶性金属酸化物ナノ粒子。
【請求項16】
脂質は、脂肪酸、ステロイド、テルペノイド、リン脂質、糖脂質及び脂肪タンパク質よりなる群から選択されることを特徴とする請求項11に記載の水溶性磁性または金属酸化物ナノ粒子。
【請求項17】
脂質は、末端に−POH、−SH、−NH、−COOH、−COOR、−SOOR、及び−OHよりなる群から選択された官能基を有することを特徴とする請求項16に記載の水溶性磁性または金属酸化物ナノ粒子。
【請求項18】
糖は、単糖類、二糖類及び多糖類よりなる群から選択されることを特徴とする請求項11に記載の水溶性磁性または金属酸化物ナノ粒子。
【請求項19】
グルコース、マノオース、フコース、N−アセチルグルコミン、N−アセチルガラクトサミン、N−アセチルノイラミン酸、フルクトース、果糖、キシロース、ソルビトール、スクロース、マルトース、グリコアルデヒド、ジヒドロキシアセトン、エリトロース、エリスルロース、アラビノース、キシロース、キシルロース、フラクトース、ラクトース、マルトース、トレハロース、メリビオース、セロビオース、ラフィノース、メレジトース、マルトリオース、スタキオース、スクロドース(schrodose)、キシラン、アラバン、ヘキソサン、フルクタン、ガラクタン、マンナン、アガロペクチン、アルギン酸、カラギーナン、ヘミセルロース、デキストラン、カルボデキストラン、澱粉、ヒプロメロース、セルロース、アミロース、ジオキシアセトン、グリセリンアルデヒド、キチン、アガロース、デキストリン、リボース、リブロース、ガラクトース、カルボキシメチルセルロース及びグリコーゲンよりなる群から選択されることを特徴とする請求項18に記載の水溶性磁性または金属酸化物ナノ粒子。
【請求項20】
化学単分子は、末端または側鎖に−COOH、−NH、−SH、−SS−、−CONH、−PO3H、−PO、−PO(OR)(OR)(R、R=C、X=−F、−Cl、−Br、−I、0≦s≦10、0≦t≦2(s+u)+1、0≦u≦2s、0≦w≦2s、0≦x≦2s、0≦y≦2s、0≦z≦2s)、SOH、−SOH、−NO、−CHO、−COSH、−COX、−COOCO−、−CORCO−(R=C、0≦l≦3、0≦m≦2l+1)、−COOR、−CN、−N、−N、−NROH(R=C、X=−F、−Cl、−Br、−I、0≦s≦10、0≦t≦2(s+u)+1、0≦u≦2s、0≦w≦2s、0≦x≦2s、0≦y≦2s、0≦z≦2s)、−NRNR(R、R、R=C、X=−F、−Cl、−Br、−I、0≦s≦10、0≦t≦2(s+u)+1、0≦u≦2s、0≦w≦2s、0≦x≦2s、0≦y≦2s、0≦z≦2s)、−CONHNR(R、R=C、X=−F、−Cl、−Br、−I、0≦s≦10、0≦t≦2(s+u)+1、0≦u≦2s、0≦w≦2s、0≦x≦2s、0≦y≦2s、0≦z≦2s)、−NRX(R、R、R=C、X=−F、−Cl、−Br、−I、0≦s≦10、0≦t≦2(s+u)+1、0≦u≦2s、0≦w≦2s、0≦x≦2s、0≦y≦2s、0≦z≦2s)、−OH、−SCOCH、−F、−Cl、−Br、−I、−SCN、−NCO、−OCN、−エポキシ、−ヒドラゾン、−アルケン及び−アルキンよりなる群から選択された一つ以上の官能基を含むことを特徴とする請求項11に記載の水溶性磁性または金属酸化物ナノ粒子。
【請求項21】
テトラアルキルアンモニウムハライド(NR)(R=C、0≦p、q、r、s、t≦10、X=F、Cl、Br、I)、カルボキシアルキルテトラアルキルアンモニウムハライド(COOH(CH)nNR)(R=C、0≦p、q、r、s、t≦10、X=F、Cl、Br、I)、カルボキシアルキルリン酸(COOH(CH)nPOH)(0≦n≦10)、カルボキシアルキルチオール(COOH(CH)nSH;0≦n≦10)、メルカプトコハク酸、ジメルカプトコハク酸、メルカプトマレイン酸、ジメルカプトマレイン酸、メルカプトペンタジオン酸、ジメルカプトペンタジオン酸よりなる群から選択されることを特徴とする請求項20に記載の水溶性磁性または金属酸化物ナノ粒子。
【請求項22】
高分子は、ポリホスファゼン、ポリアクリル酸、ポリラクチド、ポリラクチド−コ−グリコリド、ポリカプロラクトン、ポリカプロラクタム、ポリアンハイドライド、ポリリンゴ酸及びその誘導体、ポリアルキルシアノアクリレート、ポリヒドロオキシアルキレート、ポリカルボネート、ポリオルトエステル、ポリエチレングリコール、ポリ-L−リシン、ポリグリコリド、ポリアルキルメタアクリレート、ポリビニールピロリドン及びこれらの共重合体よりなる群から選択されることを特徴とする請求項11に記載の水溶性磁性または金属酸化物ナノ粒子。
【請求項23】
活性成分は、生体活性成分、高分子及び無機支持体よりなる群から選択されることを特徴とする請求項1に記載の水溶性磁性または水溶性金属酸化物ナノ粒子。
【請求項24】
上記生体活性成分は、核酸、ペプチド、分子認識化学分子及び生体分子、信号伝達化学分子及び生体分子、酵素化学分子及び生体分子、構造制御化学分子及び生体分子、貯蔵化学分子及び生体分子、運搬化学分子及び生体分子、ホルモン化学分子及び生体分子、分解化学分子及び生体分子、レセプタータンパク質、収縮タンパク質、防御タンパク質、酵素タンパク質、心血管系薬物、胃腸管系薬物、神経系薬物よりなる群から選択されることを特徴とする請求項23に記載の水溶性磁性または金属酸化物ナノ粒子。
【請求項25】
上記生分解性高分子は、ポリホスファゼン、ポリラクチド、ポリラクチド−コ−グリコリド、ポリカプロラクトン、ポリカプロラクタム、ポリアンハイドライド、ポリリンゴ酸及びその誘導体、ポリアルキルシアノアクリレート、ポリヒドロオキシアルキレート、ポリカルボネート、ポリオルトエステル、ポリエチレングリコール、ポリ−L−リシン、ポリグリコリド、ポリアルキルメタアクリレート、ポリビニールピロリドンよりなる群から選択されることを特徴とする請求項23に記載の水溶性磁性または金属酸化物ナノ粒子。
【請求項26】
無機支持体は、金属酸化物(Li、Na、Be、Ca、Ge、Ba、Mg、Sr、Raを含む1、2族金属元素、Sc、Ti、V、Y、Tc、Mn、Fe、Co、Ni、Zn、Zr、Nd、Cr、Ru、Rh、Pd、Ag、Cd、Hf、Ta、W、Re、Os、Ir、Pt、Auを含む遷移金属元素、B、Al、Ga、Inを含む13族元素、C、Si、Ge、An、Pbを含む14族元素、P、As、Sb、Biを含む15族元素、及びCe、Pr、Nd、Pm、Sm、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、La、Th、Pa、U、Am、Cm、Bk、Cf、Ex、Fm、Md、No、Lrを含むランタニド族及びアクチニウム族元素よりなる群から選択された1種以上の元素で構成された金属酸化物);半導体(Ga、In、Tlを含む13族元素、Zn、Cd、Hgを含む12族元素、C、Si、Ge、Sn、Pbを含む14族元素、N、P、As、Sb、Biを含む15族元素、O、S、Se、Te、Poを含む16族元素の中から選択された2種以上の元素で構成された半導体)、Au、Ag、Pt、Cu、Pd、Mo、Os、W、Ti、W、V、Cr、Zn、Nb、Ru、Rh、Ir、Co、Mn、Fe、Ni、Cr、Y、Zr、Cd、Ta、Reを含む遷移金属;炭素物質;Al、Ga、Inを含む13族物質;及びSi、Sn、Pbを含む14族物質;よりなる群から選択されることを特徴とする請求項23に記載の水溶性磁性または金属酸化物ナノ粒子。
【請求項27】
(1)水不溶性磁性または金属酸化物ナノ粒子を有機溶媒で合成する工程;
(2)上記水不溶性磁性または金属ナノ粒子を第1溶媒に溶解して相転移リガンドを第2溶媒に溶解する工程;及び
(3)上記工程(2)で得られた2つ溶液を混合して水不溶性磁性または金属酸化物ナノ粒子の表面を相転移リガンドで置換させる工程;
を含む水溶性磁性または水溶性金属酸化物ナノ粒子の製造方法。
【請求項28】
上記水不溶性磁性または金属酸化物ナノ粒子は、表面安定剤を含む10〜600℃の有機溶媒にナノ粒子前駆物質を投入し、目的のナノ粒子を製造するのに適した温度及び時間を保持し、ナノ粒子前駆物質を化学反応させてナノ粒子を成長させた後、形成された水不溶性磁性または金属ナノ粒子を分離及び精製する工程を経て製造されたことを特徴とする請求項27に記載の水溶性ナノ粒子の製造方法。
【請求項29】
上記有機溶媒は、ベンゼン系溶媒、炭化水素溶媒、エーテル系溶媒、ポリマー溶媒及びイオン性液体よりなる群から選択されることを特徴とする請求項27に記載の水溶性ナノ粒子の製造方法。
【請求項30】
上記工程(2)の第1溶媒は、ベンゼン系溶媒、炭化水素溶媒、エーテル系溶媒、ハロ炭化水素、アルコール類、スルホキシド系溶媒、アミド系溶媒及びイオン性液体よりなる群から選択されることを特徴とする請求項27に記載の水溶性ナノ粒子の製造方法。
【請求項31】
上記工程(2)の第2溶媒は、ベンゼン系溶媒、炭化水素溶媒、エーテル系溶媒、ハロ炭化水素、アルコール類、スルホキシド系溶媒、アミド系溶媒、水及びイオン性液体よりなる群から選択されることを特徴とする請求項27に記載の水溶性ナノ粒子の製造方法。
【請求項32】
請求項1に記載の水溶性の磁性及び金属酸化物ナノ粒子を用いた生体物質及び化学物質の検出及び分離方法。
【請求項33】
上記生体物質は、タンパク質、ペプチド、DNA、RNA、細胞、ウイルスよりなる群から選択されたことを特徴とする請求項32に記載の検出及び分離方法。
【請求項34】
上記化学物質は揮発性有機化合物、NOx、COx、内分泌かく乱物質、多環芳香族炭化水素よりなる群から選択されたことを特徴とする請求項32に記載の検出及び分離方法。
【請求項35】
巨大磁気抵抗(GMR)、透過磁気抵抗(TMR)、超巨大磁気抵抗(CMR)、異方性磁気抵抗(AMR)、磁気力原子顕微鏡(MFM)、超電導量子干渉素子(SQUID)、磁気光学的カー効果(MOKE)装置、カンチレバー、水晶マイクロバランス(QCM)、 磁気共鳴映像(MRI)及び電気化学センサーよりなる群から選択された装置を使用することを特徴とする請求項32に記載の検出及び分離方法。
【請求項36】
請求項1に記載の水溶性の磁性及び金属酸化物ナノ粒子を用いた診断方法。
【請求項37】
磁気共鳴映像(MRI)装置を利用することを特徴とする請求項35に記載の診断方法。
【請求項38】
請求項1に記載の水溶性の磁性及び金属酸化物ナノ粒子を用いた治療方法。
【請求項39】
磁性及び金属酸化物ナノ粒子に、薬物、遺伝子または核酸を付着させ、これを病巣に伝達して疾患を治療することを特徴とする請求項38に記載の治療方法。
【請求項40】
上記薬物は、抗癌剤、抗生剤、ホルモン、ホルモン拮抗剤、インターロイキン、インターフェロン、成長因子、腫瘍壊死因子、エンドトキシン、リンホトキシン、組織プラスミノゲン活性剤、ウロキナーゼ、ストレプトキナーゼ、プロテアーゼ阻害剤、アルキルホスホコリン、アンジオポイエチン、抗癌タンパク質、抗生タンパク質、ホルモン拮抗タンパク質、界面活性剤、心血管系薬物タンパク質、神経系薬物タンパク質及び胃腸管系薬物タンパク質などを含む請求項39に記載の治療方法。
【請求項41】
水溶性磁性または金属酸化物ナノ粒子から発生された熱を利用することを特徴とする請求項38に記載の治療方法。
【請求項42】
水溶性磁性または金属酸化物ナノ粒子を身体の一部に移植して身体の一部の機能を代替することを特徴とする治請求項38に記載の療方法。
【請求項43】
水溶性磁性または金属酸化物ナノ粒子の光電子触媒活性を利用して癌細胞を死滅させることを特徴とする請求項38に記載の治療方法。
【請求項44】
請求項1に記載の水溶性磁性または金属酸化物ナノ粒子の光電子触媒活性を用いた細菌及び汚染物質の分解方法。
【請求項45】
汚染物質は、ホルムアルデヒド、多環芳香族炭化水素及び揮発性有機物質を含むことを特徴とする請求項44に記載の分解方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19A】
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【図19B】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26A】
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【図26B】
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【図27】
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【図28A】
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【図28B】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【公表番号】特表2009−529004(P2009−529004A)
【公表日】平成21年8月13日(2009.8.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−557205(P2008−557205)
【出願日】平成19年2月27日(2007.2.27)
【国際出願番号】PCT/KR2007/001001
【国際公開番号】WO2007/097605
【国際公開日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【出願人】(507175175)インダストリー−アカデミック コーポレーション ファウンデーション,ヨンセイ ユニバーシティ (18)
【Fターム(参考)】