説明

省エネルギー制御システム

【課題】ユーザの快適性も考慮しつつ、省エネルギー化を図ることができる省エネルギー制御システムを提供する。
【解決手段】家電機器を利用する利用環境を検出するセンサーと、センサーの検出結果と当該センサーが検出する対象の利用環境下において利用される家電機器の運転命令とを対応づけて記憶する記憶部と、前記センサーの検出結果を得て、当該検出結果に対応する運転命令を前記記憶部から読み出し、読み出した運転命令に従って、前記家電機器を制御する制御部と、前記家電機器に対して入力される操作内容を表す操作情報を検出する操作情報検出部と、前記操作情報検出部から操作情報が得られると、前記操作情報に応じて前記記憶部に記憶された情報を更新する更新部と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、省エネルギー化を図ることができる省エネルギー制御システム処理に関する。
【背景技術】
【0002】
省エネルギーを実現するために、家電機器の動作を制御するシステムが提案されている。例えば、人感センサー等のセンサーを用いて、直接的に家電機器等のオン/オフを制御するものや、機器同士の連携を行うもの、あるいは、ユーザの帰宅時間に合わせて家電機器の動作を行わせるものがある。このような構成を用い、センサーによってユーザの在または不在を検知し、検知した結果に応じてテレビ等の家電機器に供給される電源を切断するシステムがある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−124078号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した特許文献1においては、センサーによってユーザの在または不在を検知するが、センサーには、検出可能な範囲がある。そうすると、実際にユーザが在であるにもかかわらず、不在であると検出された場合には、家電機器の電源が切断されてしまう。その場合、ユーザは、家電機器の電源を手動で投入しなければならず、家電機器の利用環境の快適性が低下してしまう。また、快適性を優先してしまうと、ユーザが不在であるにもかかわらず家電機器の電源が投入されたままになってしまう場合が生じてしまい、省エネルギー化の観点から好ましくない。
また、外気温や室温を検出し、目標温度として設定された設定温度に従ってエアコンによって冷房を行う場合において、目標温度が27度として設定され運転している場合を考える。このとき、外気温が変動した結果、ユーザの体感温度が変わり、ユーザが設定温度を上げた場合には、その後、外気温の変動に応じて設定温度を上げるようにエアコンを制御することが、省エネルギーに繋がるとともに、ユーザの快適性に繋がる。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、その目的は、ユーザの快適性も考慮しつつ、省エネルギー化を図ることができる省エネルギー制御システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するために、本発明は、家電機器を利用する利用環境を検出するセンサーと、センサーの検出結果と当該センサーが検出する対象の利用環境下において利用される家電機器の運転命令とを対応づけて記憶する記憶部と、前記センサーの検出結果を得て、当該検出結果に対応する運転命令を前記記憶部から読み出し、読み出した運転命令に従って、前記家電機器を制御する制御部と、前記家電機器に対して入力される操作内容を表す操作情報を検出する操作情報検出部と、前記操作情報検出部から操作情報が得られると、前記操作情報に応じて前記記憶部に記憶された情報を更新する更新部と、を有することを特徴とする。
【0007】
また、本発明は、上述の省エネルギー制御システムにおいて、前記センサーは人感センサーであり、当該人感センサーの検出結果は、0〜M(Mは2以上の数)であり、前記センサーの検出結果を得ると、予め記憶された基準値と比較し、前記センサーの検出結果が前記基準値以上であるか否かを判定することで、ユーザが存在するか否かを判定する判定部を有し、前記制御部は、前記判定部の判定結果を用いて前記前記家電を制御し、前記更新部は、前記操作情報検出部から操作情報が得られると、前記操作情報に応じて前記基準値を更新することを特徴とする。
【0008】
また、本発明は、上述の省エネルギー制御システムにおいて、前記制御部は、前記センサーの検出結果を得て、前記検出結果に対応する検出状況を前記記憶部から抽出し、抽出した検出状況に対応する運転命令を前記記憶部から読み出し、読み出した運転命令に従って、前記家電機器を制御することを特徴とする。
また、本発明は、上述の省エネルギー制御システムにおいて、前記家電機器は、複数設けられており、当該家電機器は、異なる室内空間に配置されており、前記センサーは、異なる室内空間に対応してそれぞれ設けられており、前記基準値は、前記センサーが設けられた室内空間に応じて設定されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
以上説明したように、この発明によれば、ユーザの快適性も考慮しつつ、省エネルギー化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】この発明の一実施形態による省エネルギー制御システムの構成を示す概略ブロック図である。
【図2】センサー20の取り付け位置とセンサー20の検出範囲について説明する概念図である。
【図3】分析装置50及び制御装置60の構成を表す概略ブロック図である。
【図4】記憶部52に記憶される基準値の一例を表す図である。
【図5】記憶部52に記憶される人感センサーの反応状況を表す情報を説明する図である。
【図6】記憶部52に記憶される情報の一例である。
【図7】第3の実施形態における省エネルギー制御システムの動作を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の一実施形態による省エネルギー制御システムについて図面を参照して説明する。図1は、この発明の一実施形態による省エネルギー制御システムの構成を示す概略ブロック図である。
省エネルギー制御システム1は、ユーザが利用する空間内に設けられる家電機器を制御する機能を有し、エネルギー機器10(10a〜10c)、計測器11(11a〜11c)、全体計測器12、センサー20(20a、20b)、センサー30、蓄積装置40、分析装置50、制御装置60によって構成される。
【0012】
エネルギー機器10は、エネルギーを消費する機器であり、例えば、家電機器、水道設備、ガス機器等である。ここでは、家電機器は電力を消費し、水道設備は水道水を利用し、ガス機器はガスを消費する観点から、エネルギーを消費するものとして説明する。以下、エネルギー機器10は、照明装置である場合を一例として説明する。
【0013】
計測器11は、各エネルギー機器に1つずつ設けられ、当該エネルギー機器が消費するエネルギー量を計測する。例えば、電力の消費量、水道水の消費量、ガスの消費量を検出する。
全体計測器12は、各エネルギー機器において消費されるエネルギーの合計量を検出する。
【0014】
センサー20は、エネルギー機器を利用する利用環境を検出する。例えば、エネルギー機器が配置された領域にユーザがいるか否かを検出する人感センサーや、室内の温度を検出する温度センサー、室外の温度を検出する温度センサー、エネルギー機器が配置された領域の照度を検出する照度センサー等が用いられる。以下、センサー20は、人感センサーである場合を一例として説明する。
【0015】
センサー30は、エネルギー機器に対して入力される操作内容を表す操作情報を検出する。例えば、エネルギー機器が照明装置である場合に、ユーザによって、照明がオン/オフされる操作や、照度を上げる/下げる操作や、エアコンの設定温度を上げる/下げる操作や、水道水を出す/止める操作や、ガスレンジを着火する/消化する操作を検出する。
これらの操作は、ユーザによって操作される操作子そのものの動作を検出するようにしてもよいし、エネルギー機器を操作するリモコンに対して入力された操作を検出するようにしてもよい。
【0016】
蓄積装置40は、全体計測器12の検出結果を得て記憶するエネルギー消費量データ蓄積機能、センサー20の検出結果を得て記憶するセンサー情報蓄積機能、センサー30の検出結果を得て蓄積する人的制御データ蓄積機能等を有する。
【0017】
分析装置50は、センサー20によって得られた検出結果と、現在のエネルギー機器の運転状況と、センサー30によって得られた操作情報を基に、エネルギー機器をどのように運転すれば良いかを分析し、分析結果に基づいて、エネルギー機器を運転管理する。
制御装置60は、分析装置50の分析結果に基づいて、各エネルギー機器10の運転を制御する。
【0018】
図2は、センサー20の取り付け位置とセンサー20の検出範囲について説明する概念図である。
エネルギー機器10として、照明装置が、異なる室内空間である和室、サロン、事務所の各居室内に1台ずつ配置されている。図2においては、トイレに、エネルギー機器10として暖房便座が設けられている。
センサー20は、異なる室内空間に設けられており、その一例として和室に2カ所、サロンに2カ所、事務所に2カ所、台所に1カ所、トイレに1カ所それぞれ設けられている。このセンサー20は、検出できる角度と検出できる距離があり、その検出可能な領域内において、ユーザが存在するか否かを検出する。例えば、和室では、1つのセンサー20だとユーザの検出を行うための領域を包含することができないので、検出方向が異なる2つのセンサー20によって和室内を包含できるように配置されている。
【0019】
図3は、図1における分析装置50及び制御装置60の構成を表す概略ブロック図である。
この図において、分析装置50は、記憶部51、入力部52、判定部53、更新部54、出力部55を含んで構成される。
入力部51は、蓄積装置40に蓄積された計測器11、全体計測器12、各センサー20、センサー30の検出結果を読み出す。
ここで、入力部51に入力されるセンサー20の検出結果は、エネルギー機器10を利用するユーザが当該エネルギー機器10の近傍に存在するまたは存在しないことを表す情報または、0〜M(Mは2以上の数)の多値を表す情報である。ここでは、エネルギー機器10を利用するユーザが当該エネルギー機器10の近傍に存在する場合の値をR、存在しない場合の値をNとして説明する。また、多値を表す情報を用いる場合、0〜59までの範囲の数を用いる。例えば、センサー20が、測定を開始してから0秒目から59秒目までに、1秒間隔でユーザが近傍にいるか否かを検出する。この場合、60個の測定結果が得られるが、その60個の測定結果のうち、ユーザが存在すると判定された結果の個数をカウントし、カウント結果を60秒毎に、検出結果として得る。この場合、1分毎にその間に測定された検出結果が得られる。例えば、ある1分間において、6秒目から15秒目までそれぞれユーザが近傍に存在することが検出された場合の検出結果は、「10」として得られ、その次の1分間において、31秒目から55秒目までそれぞれユーザが近傍に存在することが検出された場合の検出結果は、「25」として得られる。ここで、これらのカウントは、センサー20が行ってもよいし、蓄積装置40が行うようにしてもよい。
【0020】
記憶部52は、各種情報を記憶する。
図4は、記憶部52に記憶される基準値の一例を表す図である。
この図において、和室に設けられたセンサー20(B)の基準値は10であり、センサー20(F)の基準値は10であり、サロンに設けられたセンサー20(C)の基準値は10であり、事務所に設けられたセンサー20(D)の基準値は15であり、センサー20(G)の基準値は18である。
図5は、記憶部52に記憶される人感センサーの反応状況を表す情報を説明する図である。この図において、各センサー20(A〜G)と、図2における位置1〜16にユーザが存在するか否かとの関係を表す図である。この図おいて、Nはユーザが存在しないことを表し、Rはユーザが存在することを表す図である。例えば、センサー20(B)がユーザの存在を検出している場合には、ユーザは、位置1〜6、位置11、12のうち少なくともいずれか1カ所に存在する可能性があることを表している。
図6は、記憶部52に記憶される情報の一例である。この図においては、センサーの検出結果と当該センサーが検出する対象の利用環境下において利用される家電機器の運転命令とを対応づけて記憶される情報の一例を表している。
この図においては、Tは、ユーザが存在していないとはいえない状態を表しており、Tは、ユーザが存在しない状態を表している。例えば、全てのセンサー20がユーザの存在を検出していない場合には、和室、サロン、事務所のいずれの空間にもユーザが存在しないことを表している。また、センサー20(G)のみがユーザの存在を検知をしたとしても、ここでは、和室、サロン、事務所のいずれの空間にもユーザが存在しないことを表している(符号a)。一方、センサー20(B)とセンサー20(F)がユーザの存在を検知した場合には、和室にユーザが存在することを表している。ここで、本実施形態においては、センサー20(B)とセンサー20(F)がユーザの存在を検知した場合には、和室にユーザが存在していると判定できるため(和室がF)、和室の家電機器(例えば照明装置)を運転状態に切り替える運転命令として用いる。すなわち、和室、サロン、事務所において、TまたはFである値を用いて、Fである場合はその空間に配置された家電機器の運転を行わない運転命令として用い、Tである場合はその空間に配置された家電機器の運転を行う運転命令として用いる。
【0021】
判定部53は、各センサー20の検出結果を得ると、そのセンサー20が配置された空間に対して予め記憶された基準値(例えば図4)と比較し、センサー20の検出結果が前記基準値以上であるか否かを判定することで、ユーザが存在するか否かを判定する。例えば、センサー20(B)の検出結果が「20」である場合には、センサー20(B)に対して設定された基準値「10」以上であるため、ユーザが存在するとして判定し、センサー20(B)の検出結果が「8」である場合には、基準値「10」未満であるため、ユーザが存在しないと判定する。
【0022】
更新部54は、蓄積装置40に記憶された情報を参照することでセンサー30から出力される操作情報が得られると、この操作情報に応じて記憶部に記憶された情報を更新する。
以下、更新部54が行う更新の例を説明する。
例えば、更新部54は、操作情報に応じて基準値を更新する。具体的に、更新部54は、センサー30から、家電機器を停止状態から運転状態に切り替えることを表す操作情報が得られた場合、その操作情報が入力された空間を特定し、その空間において、操作情報が入力された時点のセンサー20の検出結果がNであった場合には、そのセンサー20に対して設定された基準値よりも低い値の基準値に更新する。これにより、ユーザがあまり体を動かしていない場合に、ユーザが存在しないものとして判定されてしまっていたところを、ユーザが存在するものとして判定することができる。これにより、ユーザが存在しないものとして誤検知されないように改めることができるので、例えば、ユーザは、自身が和室にいる際に、ユーザがいないものと判定され照明が消灯されてしまい手動で点灯しなければならないという快適性が低減する状況を防止することができる。
【0023】
一方、更新部54は、センサー30から、家電機器を運転状態から停止状態に切り替える操作情報が得られた場合、その操作情報が入力された空間を特定し、その空間において、操作情報が入力された時点のセンサー20の検出結果がRであった場合には、そのセンサー20に対して設定された基準値よりも高い値の基準値に更新する。これにより、ユーザがある程度体を動かしている場合に、ユーザが存在するものとして判定されてしまっていたところを、ユーザが存在しないものとして判定することができる。これにより、ユーザが存在しているが、家電機器の運転が不要である場合には、家電機器の運転を行わないように改めることができるので、例えば、ユーザは、自身が和室にいる際に、ユーザが存在するものと判定され照明が点灯されてしまい手動で消灯しなければならないという快適性が低減する状況を防止しつつ、家電機器を運転せずにすむので、省エネルギー化することができる。例えば、家電機器が換気扇である場合には、ユーザがあまり体を動かさない場合には、換気扇を停止しておき、ユーザが体を活発に動かす場合に換気扇を回すことで、換気を積極的に行う。これにより、ユーザの活動状況に応じて、必要な場合に換気し、不要な場合に換気扇を停止することができる。
【0024】
出力部55は、センサー20の検出結果を得て、当該検出結果に対応する運転命令を記憶部52から読み出し、読み出した運転命令に従って、家電機器を制御する制御指令を生成し、制御部61へ出力する。例えば、各センサー20(A)〜センサー20(G)から得られた検出結果と、記憶部52に記憶された基準値とを比較し、センサー20(B)、センサー20(F)の2つについて、Rであると判定部53によって判定された場合、その判定結果に対応する運転命令を記憶部52から読み出し、その運転命令を制御部61に出力する。例えば、センサー20(B)、センサー20(F)の2つがRである場合、図6(符号b)に示すデータを基に、和室がTであるため、和室の家電機器を運転する、という運転命令として読み出し、制御部61に出力する。
【0025】
制御装置60の制御部61は、出力部55から出力される運転命令に従って、各エネルギー機器を制御する。
【0026】
次に、第2の実施形態について説明する。
この第2の実施形態においては、上述の実施形態と構成は同じであるが、その機能が異なる。以下、その相違する機能について説明する。
更新部54は、センサー30から操作情報が得られると、操作情報に応じて記憶部52に記憶された直近の1つ以上の運転命令に対応する検出状況から導いた運転命令を操作情報に応じて更新する第1の更新処理を行うか、運転命令を発出してから一定の時間以内に操作情報が検出されなかった場合に、検出状況と運転命令の組み合わせの有効度を更新する第2の更新処理のうち少なくとも一方の更新処理を行う。
【0027】
ここで、直近の1つ以上の運転命令とは、例えば、制御対象の家電機器に対し最後に出力された運転命令、あるいは、制御対象の家電機器に対し最後に出力された運転命令から所定の数まで前まで遡った範囲で出力された運転命令である。また、これらの運転命令に対応する検出結果から導いた運転命令とは、この既に出力された運転命令にそれぞれ対応するセンサーの検出結果に基づいて決められた制御命令である。この制御命令は、外部から入力されてもよいし、更新部54が予め決められたルールに従って決めるようにしてもよい。
【0028】
また、有効度は、例えば、検出状況と運転命令とに対応付けて記憶される情報であり、検出状況と運転命令との組み合わせがユーザの家電機器の利用の仕方にどれだけ近いかを表す情報である。有効度が高いほど、検出状況と運転命令との組み合わせがユーザの家電機器の利用の仕方に近い、すなわち、ユーザの好みに近い状態で家電機器を制御できていることを表す。
【0029】
ここで、更新部54は、第1の更新処理を行うか第2の更新処理を行うかについては、両方を行うようにしてもよいし、どちらを行うか、予め指定しておくようにしてもよい。
【0030】
次に、第3の実施形態について説明する。ここでは、分析装置50と制御装置60の機能が、上述の実施形態と異なる。以下、その機能について、図7のフローチャートを用いて説明する。
分析装置50は、過去のデータより、対象家電の消費電力量の推定式(Pn)を生成する(ステップS1)。この推定式は、Pn=p(a,b,c,d)である。
【0031】
ここで、
n:対象家電
a:外乱影響に関する要素(室温、外気温など)
b:天候影響に関する要素(晴れ、曇り、雨など)
c:ライフスタイルに関する要素(在宅時間、睡眠時間など)
d:機器設定に関する要素(設定温度、明るさレベルなど)
である。
【0032】
次に、分析装置50は、推定式より対象家電の消費電力量の削減ポテンシャル(Wn)を算出する(ステップS2)。この削減ポテンシャル(Wn)は、Wn=Pbefore-Pafterである。
【0033】
ここで、
Pbefore:現状の状態量での予測消費電力量
Pafter:省エネメニュー実施による予測電力量
である。
【0034】
次に、分析装置50は、家単位の消費電力量の削減ポテンシャル(ΣWbefore)を算出する(ステップS3)。この削減ポテンシャル(ΣWbefore)は、メニュー選択時の消費電力量の削減ポテンシャルである。
【0035】
次に、分析装置50は、ユーザに対してオススメ省エネメニューを(再)提示する(ステップS4)。そして、分析装置50は、ユーザから実施したいメニューが選択されると( ΣWbeforeを決定されると)、選択された値を入力する。次に、制御装置60は、制御装置が入力値を制御する(ステップS6)。そして、人的制御をセンサーが検知すると(ステップS7)、分析装置50は、目標を達成が可能か否か(Σwbefore<ΣWafterであるか否か)を判定する(ステップS8)。目標を達成可能であると判定した場合、分析装置50は、このデータを蓄積し(ステップS9)、目標を達成可能ではないと判定した場合、ステップS4に移行し、再度ユーザからの入力を受け付ける。
【0036】
また、上述した実施形態においては、家電機器が照明装置である場合について説明したが、他の家電機器を用いるようにしてもよい。
例えば、家電機器としてエアコンを用いる場合、センサーとして、例えば、外気温を測定する温度センサーと室内に配置された複数の温度センサーを用いる。そして、外気温のセンサーと室内の各温度センサーの結果と、センサー30によって得られるユーザの操作内容を基に、エネルギー機器10を制御するようにしてもよい。
【0037】
この第3の実施形態の具体例を説明する。ここでは、エアコンと照明を対象家電機器とした場合について説明する。
(1)ユーザがオススメメニューの中から、「10%削減コース」を選択する。ここでは、エアコン:設定温度23℃を24℃にし、照明を今までの明るさにする内容の情報がセットされる。
(2)メニュー選択から1週間後、センサー値よりエアコンが23℃に設定されてしまう場合が多いことを自動検知すると、目標達成が不可能と判断したため、新たな省エネメニューをユーザに再提示する。
(3)ユーザが再提示されたオススメメニューの中から「10%削減コース」を選択するとともに、エアコンを設定温度24℃、照明を今までの明るさから暗くする内容の情報がセットされる。
(4)メニュー選択から1週間後、目標達成が可能と判断したため、メニュー通りの制御を実施する。
(5)翌月にユーザに対してオススメメニューを提示する。
【0038】
また、図1における分析装置50、制御装置60の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより各種制御を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
【0039】
また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、サーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものを含むものとする。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよい。また、上記のプログラムを所定のサーバに記憶させておき、他の装置からの要求に応じて、当該プログラムを通信回線を介して配信(ダウンロード等)させるようにしてもよい。
【0040】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【符号の説明】
【0041】
10 エネルギー機器
20、30 センサー
40 蓄積装置
50 分析部
60 制御装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
家電機器を利用する利用環境を検出するセンサーと、
センサーの検出状況とその家電機器の運転命令を表す情報とを対応づけて記憶する記憶部と、
前記センサーの検出結果を得て、当該検出結果に対応する検出状況を抽出し、抽出した検出状況に対応する運転命令を決定して前記家電機器を制御する制御部と、
前記家電機器に対して入力される操作内容を表す操作情報を検出する操作情報検出部と、
前記操作情報検出部から操作情報が得られると、前記操作情報に応じて前記記憶部に記憶された直近の1つ以上の運転命令に対応する検出状況から導いた前記運転命令を操作情報に応じて更新するか、運転命令を発出してから一定の時間以内に操作情報が検出されなかった場合に、検出状況と運転命令の組み合わせの有効度を更新するかの少なくとも一方を実施する更新部と、
を有する省エネルギー制御システム。
【請求項2】
前記センサーは人感センサーであり、当該人感センサーの検出結果は、0〜M(Mは2以上の数)であり、
前記センサーの検出結果を得ると、予め記憶された基準値と比較し、前記センサーの検出結果が前記基準値以上であるか否かを判定することで、ユーザが存在するか否かを判定する判定部を有し、
前記制御部は、前記判定部の判定結果を用いて前記家電機器を制御し、
前記更新部は、前記操作情報検出部から操作情報が得られると、前記操作情報に応じて前記基準値を更新する
ことを特徴とする請求項1記載の省エネルギー制御システム。
【請求項3】
前記制御部は、前記センサーの検出結果を得て、前記検出結果に対応する検出状況を前記記憶部から抽出し、抽出した検出状況に対応する運転命令を前記記憶部から読み出し、読み出した運転命令に従って、前記家電機器を制御する
ことを特徴とする請求項1または請求項2記載の省エネルギー制御システム。
【請求項4】
前記家電機器は、複数設けられており、当該家電機器は、異なる室内空間に配置されており、
前記センサーは、異なる室内空間に対応してそれぞれ設けられており、前記基準値は、前記センサーが設けられた室内空間に応じて設定されている
ことを特徴とする請求項2記載の省エネルギー制御システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−239081(P2012−239081A)
【公開日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−107576(P2011−107576)
【出願日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【出願人】(899000079)学校法人慶應義塾 (742)
【出願人】(000003193)凸版印刷株式会社 (10,630)
【Fターム(参考)】