説明

省エネ型二重張り多段式循環型水耕栽培システム

【課題】周年栽培は従来困難といわれた場所でも栽培が可能にし、又、農薬未使用で、品質、大きさが均一の作物の収穫が可能とする。
【解決手段】一定の容積毎に区切り、強度を増加させたシート自体が縦及び横方向等あらゆる角度からの圧力に耐える特殊な織り方を施し、強度に加え、太陽波を拡散する為、ハウス内全体に満遍なく降注ぐ仕組とする。又、地中に埋設されたパイプからの空気は、冬の外気より暖かく、夏の外気より冷たいことを利用して環境負荷を最小限に抑える。栽培ベッド4は、特殊な溝底面5となっており、培養液を最小限に抑え、しかも、偏りがなく、専用の栽培ベッド用キャップ6を設ける。栽培ベッドは、培養液の流れを1度から9度の傾斜角度での取り付けとする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、天候に左右されない機能を、区切られた二重シート内に、空気を通すことにより、断熱効果と湿度調節を可能にしたハウスの全体構造にある。
【0002】
このハウスに使用されるシートは特殊な織り方を有し、太陽波の拡散効果と床シート及びハウス内全体の白色により、多段式での栽培にも関わらず、満遍なく行き渡る様に設計されている。
【0003】
養分は、最小限の量を効率よく吸収させる仕組みとなっている。この栽培ベッドの底面部分全体には、溝が設けてあり、養分が偏ることなく流れるようになっている。この栽培ベッドには、全体を栽培部分の穴を除きキャップで覆う型式となっていて、養分の蒸発を促し、根の全体に行き渡る仕組み及び必要酸素の供給を妨げない工夫が取られている。又、この栽培ベッドの傾斜角度は、養分の流れを調整する為に、1度から9度の間での角度を有することも特徴となっている。
【技術分野】
【0004】
野菜類の栽培技術
【背景技術】
【0005】
【特許文献1】発明の名称 水耕栽培 特許公開2007−89489
【非特許文献1】水耕栽培の教科書 武川 満夫 著 富民協会
【非特許文献2】植物工場の基礎知識と実際 高辻 正基 著 技術情報センター
【非特許文献3】野菜の水耕栽培 Howard M.Resh 著 並木 隆和 訳 養賢堂
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来の技術では、天候、地域に左右されず、周年を通し計画的な栽培に難点がある。
【0007】
ハウス内全体に、太陽波を満遍なく行き渡らせることが難しい為、多段棚での栽培では、発育にバラツキが出てしまう。
【0008】
ガラスハウスでは、温度管理及び湿度管理の面で、軟弱野菜類を栽培することは困難である。
【0009】
従来のビニールハウスでは、強風に耐えることが難しく、太陽波の調整も難しい。
【0010】
栽培物の根に効率良く、十分な養分を供給する為には、絶えず酸素が摂取できるようにする必要があるが、従来に技術では不十分である。
【課題を解決するための手段】
【0011】
二重シート内に空気を通すことにより、断熱効果と湿温調節効果が同時に得られ、天候に左右されずに周年を通し計画的な栽培が可能
【0012】
シートは、特殊な織り方を施し、太陽波の拡散効果を高め、室内全体が白基調との相乗効果により、従来困難とされた発育のバラツキをなくすことが可能
【0013】
地中空気送風装置により、年間を通して湿温管理が省エネ型となっている
【0014】
シート自体が縦横特殊な織り方で強固であるが、1.5mから4mの幅で閉鎖することにより暴風、暴雨からの破断を回避することが可能
【0015】
栽培ベッドの底面の溝加工を付加し、専用キャップで覆うことにより、培養液の蒸散化が進み、作物の養分吸収が理想的に近づけることが可能
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】上から見た平面図である。
【図2】横から見た側面図である。
【図3】上から見た平面内図である。
【図4】前から見た側面内図である。
【符号の説明】
【0017】
▲1▼特殊シート
▲2▼二重閉鎖構造部
▲3▼地中空気送風装置
▲4▼栽培ベッド
▲5▼栽培ベッド底面溝部
▲6▼栽培ベッド用キャップ
▲7▼巻上げ式二重換気装置
▲8▼多段式棚
▲9▼循環式パイプ
▲10▼送風繋ぎエアホース
▲11▼液肥タンク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
特殊ソーラーウェーブシート
特殊な素材の使用により、風速60m/sec.に耐え得る強固なものであり、太陽波の拡散をする織方法を施されている為、床の白色シートとの相乗効果で室内に満遍なく太陽波が降注ぐことを可能にした
【請求項2】
省エネ構造
室内温度を生産物に最適化する為に、地下にパイプを設置することにより、冷房及び暖房の省力化を図る
【請求項3】
シート構造
ハウス全体を▲1▼(1.5mから4mの間隔にて閉鎖された領域)の二重シート構造にすることを特徴とし、室内から空気を送り込み、断熱効果と結露防止を可能とする構造
【請求項4】
栽培ベッド
溶液を最小限で万遍なく生産物に行き渡せる為の構造として、ベッドに▲5▼(ベッド下部全体に溝を有する構造)を設けるとともに傾斜角度を1度から9度の間で設定することを特徴としている
【請求項5】
栽培ベッド用キャップ
溶液を最小限で万遍なく生産物に行き渡せる為の構造と、根の部分の全体に溶液を供給する為の工夫として、栽培ベッドをキャップで覆い溶液を蒸発させ、根の部分に養分と酸素を供給することを可能としたことを特徴とする
【請求項6】
多段システム構造
栽培ベッドのキャップに一定間隔(5cmから30cm)に穴を開け、育苗株を差し込むが、成長し出荷する段階まで、太陽波が行き渡るための段数(2段から8段)とと角度(床より5度から45度)を特徴としている

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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