説明

省エネ活動管理装置、省エネ活動管理方法、プログラム

【課題】エネルギー資源の計測量から環境負荷の削減に関する社会への貢献度を表す一元化した評価値を需要家に提示する。
【解決手段】省エネ活動管理装置10は、取得部11と記憶部12と演算部13と提示部14とを備える。取得部11は、需要家におけるエネルギー資源の計測量を取得する。記憶部12は、取得部11が取得した計測量を需要家に対応付けて記憶する。基準値記憶部15は、計測量に対する基準値が格納される。演算部13は、記憶部12が記憶している計測量を基準値記憶部15に格納された基準値から減算し、求めた差分を環境負荷の低減に関する貢献度を表す省エネ活動ポイントに換算する。提示部14は、演算部13が求めた需要家ごとの省エネ活動ポイントを当該需要家の利用者機器40に提示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、需要家における省エネ活動を評価する省エネ活動管理装置、省エネ活動管理方法、プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、需要家における二酸化炭素の排出量を評価する技術が提案されている。たとえば、特許文献1には、家庭(需要家)において使用されたエネルギー使用量と、家庭において定められる基準排出量とから、家庭における二酸化炭素の排出量を算出する技術が開示されている。また、特許文献1では、家庭毎に二酸化炭素の排出量に応じた換金額を算出することにより、二酸化炭素の排出量を認識させる旨の記載がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−289171号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載された技術は、エネルギー使用量を二酸化炭素の排出量に換算しているのみであって、たとえば、需要家が太陽光発電装置を備えている場合のように、エネルギーの創出に伴う二酸化炭素の排出量を削減を評価することはできない。近年では、需要家において、エネルギー資源を消費するだけではなく、エネルギー資源の創出や蓄積を行う装置が普及してきており、エネルギー資源の消費だけではなく供給も含めて評価する仕組みが必要になってきている。
【0005】
エネルギー資源の消費だけではなく創出や蓄積を行う装置を導入した場合に、個々の装置におけるエネルギーの出入りを監視する装置は提供されているが、この装置では二酸化炭素の排出量の削減につながる行為か否かを利用者が認識することは困難である。また、個々の装置についてエネルギーの出入りを監視したとしても、利用者にとって、二酸化炭素の排出量のような省エネルギーにつながる活動に貢献しているか否かを認識することは困難である。
【0006】
本発明は、エネルギー資源の利用に関する計測量を環境負荷の指標値に用い、需要家における環境負荷の削減に関する貢献度を表すための一元化した評価値を需要家に提示することにより、省エネルギーに関して社会への貢献度を容易に認識させることを可能にした省エネ活動管理装置を提供することを目的とし、さらに、省エネ活動管理方法、プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る省エネ活動管理装置は、上記目的を達成するために、需要家におけるエネルギー資源の利用に関する計測量を環境負荷の指標値として取得する取得部と、取得部が取得した計測量を需要家に対応付けて記憶する記憶部と、計測量に対する基準値が格納される基準値記憶部と、記憶部が記憶している計測量と基準値記憶部に格納された基準値との差分を求め、当該差分を環境負荷の低減に関する貢献度を表す省エネ活動ポイントに換算する演算部と、演算部が求めた需要家ごとの省エネ活動ポイントを当該需要家の利用者機器に提示する提示部とを備えることを特徴とする。
【0008】
この省エネ活動管理装置において、演算部は、あらかじめ定めた期間における計測量または省エネ活動ポイントの積算値を二酸化炭素の排出量に換算することが好ましい。
【0009】
この省エネ活動管理装置において、演算部は、管理範囲内の需要家について、排出量と規定の排出基準値との差分である排出削減量の総和を求め、当該総和より排出権取引が可能となる二酸化炭素の排出削減量を算出することが好ましい。
【0010】
この省エネ活動管理装置において、演算部は、管理範囲内の需要家ごとに求めた排出量と排出量に対する排出基準値との差分を需要家ごとの二酸化炭素の排出削減量として算出し、さらに、管理範囲内の需要家ごとに求めた排出削減量を合算することにより、排出権取引が可能となる二酸化炭素の排出削減量を算出することが好ましい。
【0011】
この省エネ活動管理装置において、演算部は、管理範囲内の需要家ごとに求めた排出量の総和と排出量の総和に対する排出基準値との差分により、排出権取引が可能となる二酸化炭素の排出削減量を算出することが好ましい。
【0012】
この省エネ活動管理装置において、需要家における人の存否を監視する存否監視部をさらに備え、演算部は、存否監視部が需要家における人の存在を検出している期間における単位時間当たりの計測量を省エネ活動ポイントに換算することが好ましい。
【0013】
この省エネ活動管理装置において、需要家における人の存否を監視する存否監視部をさらに備え、存否監視部は、需要家に存在する人数を検出する機能を有し、演算部は、存否監視部が需要家における人の存在を検出している期間における単位時間当たりにおいて1人当たりの計測量を省エネ活動ポイントに換算することが好ましい。
【0014】
この省エネ活動管理装置において、需要家における人の存否を監視する存否監視部をさらに備え、演算部は、存否監視部が人の存在を検出した期間が規定の期間に占める存在率を求め、存在率が規定値以上であるときに、省エネ活動ポイントを算出することが好ましい。
【0015】
この省エネ活動管理装置において、取得部は、利用者機器との通信により計測量を取得し、提示部は、利用者機器との通信により省エネ活動ポイントを利用者機器に提示することが好ましい。
【0016】
本発明に係る省エネ活動管理方法は、需要家におけるエネルギー資源の利用に関する計測量を環境負荷の指標値として取得部が取得し、取得部が取得した計測量を需要家に対応付けて記憶部に記憶し、記憶部が記憶している計測量と基準値記憶部に格納された計測量に対する基準値との差分を演算部が求め、演算部が当該差分を環境負荷の低減に関する貢献度を表す省エネ活動ポイントに換算し、演算部が求めた需要家ごとの省エネ活動ポイントを提示部が当該需要家の利用者機器に提示することを特徴とする。
【0017】
本発明に係るプログラムは、コンピュータを、需要家におけるエネルギー資源の利用に関する計測量を環境負荷の指標値として取得する取得部と、取得部が取得した計測量を需要家に対応付けて記憶する記憶部と、計測量に対する基準値が格納される基準値記憶部と、記憶部が記憶している計測量と基準値記憶部に格納された基準値との差分を求め、当該差分を環境負荷の低減に関する貢献度を表す省エネ活動ポイントに換算する演算部と、演算部が求めた需要家ごとの省エネ活動ポイントを当該需要家の利用者機器に提示する提示部とを備える省エネ活動管理装置として機能させるためのものである。
【発明の効果】
【0018】
本発明の構成によれば、エネルギー資源の利用に関する計測量を環境負荷の指標値に用い、需要家における環境負荷の削減に関する貢献度を表すための一元化した評価値として省エネ活動ポイントを需要家に提示するから、エネルギー資源の消費量を数値で需要家に示すよりも、省エネルギーに関する社会への貢献度を需要家にわかりやすく示すことができるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】実施形態を示すブロック図である。
【図2】同上の動作例を示す動作説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下では、需要家が戸建て住宅である場合を示すが、需要家が集合住宅の住戸である場合、需要家がオフィスビルや商業ビルのテナントである場合などでも、本実施形態において説明する技術思想を適用可能である。
【0021】
以下では、説明を簡単にするために、「エネルギー資源」が電力である場合を例とするが、エネルギー資源は、都市ガスやプロパンガスのような燃料ガス、あるいは灯油、ガソリンなどであってもよい。この種のエネルギー資源は、需要家が供給事業者から購入し、エネルギーの利用に伴って消費されるという共通点がある。
【0022】
また、エネルギー資源は、上水道を通して供給される市水のように、直接の利用目的はエネルギーの利用であることは少ないが、供給事業者からの購入が必要であり、かつ供給事業者は供給のためにエネルギーの消費が必要である資源を含んでいてもよい。この種のエネルギー資源は、需要家で消費されることにより、間接的にエネルギーを消費していることになる。
【0023】
言い換えると、二酸化炭素を代表とする温室効果ガスをエネルギー資源の消費に伴って排出する場合と、温室効果ガスをエネルギー資源の生成過程において排出する場合とがあると言える。いずれにせよ、需要家がこの種のエネルギー資源を使用すると、エネルギー資源の使用量の増加に伴って温室効果ガス(ここでは、二酸化炭素)の排出量が増加することになる。このように、需要家において消費することによって温室効果ガスの増加につながると考えられるエネルギー資源を、以下では「涸渇性エネルギー資源」と呼ぶ。
【0024】
一方、エネルギー資源の生成過程において、温室効果ガスの総量にはほとんど影響を与えない技術も提案されている。たとえば、太陽光、水力、風力のような自然エネルギーから生成されたエネルギー資源(主として電力)、バイオマスから生成されたエネルギー資源(電力、ガソリンや灯油の代替燃料、メタンガスなど)などは、地球全体で見ると温室効果ガスの総量にほとんど影響を与えないと考えられている。したがって、この種のエネルギー資源を需要家が使用する場合、エネルギー資源の使用量が増加しても温室効果ガスの排出量は増加しないと言える。このように需要家において消費しても温室効果ガスが増加しないと考えられるエネルギー資源を、以下では「再生可能エネルギー資源」と呼ぶ。
【0025】
上述した説明から明らかなように、需要家が再生可能エネルギー資源を使用すれば、涸渇性エネルギー資源を使用する割合が減少する。つまり、需要家が使用するエネルギー資源の総量に変化がない場合、需要家における再生可能エネルギー資源を使用する割合が増加すると、温室効果ガスの排出量は減少する。再生可能エネルギー資源は、供給事業者から購入されるエネルギー資源に含まれている場合もある。たとえば、供給事業者から購入する電力にグリーン電力が含まれている場合には、グリーン電力を含まない電力を購入する場合と比較すると、涸渇性エネルギー資源が低減されたことになる。
【0026】
温室効果ガスの排出量を低減させるために、涸渇性エネルギー資源の使用を減少させるように需要家が行う活動を、以下では、「省エネ活動」という。省エネ活動は、涸渇性エネルギー資源の使用を減少させ、温室効果ガスの排出量を低減させる活動であるから、一般的には、需要家におけるエネルギー資源の使用量を減少させること、エネルギー資源の利用効率を高めてエネルギー資源を無駄なく使用することを指している。また、省エネ活動は、需要家において再生可能エネルギー資源を生成して使用すること、供給事業者から再生可能エネルギー資源を購入する割合を増加させることも含まれる。
【0027】
エネルギー資源を電力に限って言えば、省エネ活動は、所定期間(1ヶ月間や1年間など)に使用する電力量を低減させることが主体になる。したがって、省エネ活動は、電気負荷の使用時間を短縮すること、電気負荷で使用する瞬時電力を低減させること、同機能に対する定格電力が小さい電気負荷を使用することが考えられる。ここに、電気負荷で使用する瞬時電力を低減することは、冷房時のエアコンの設定温度を引き上げること、冷蔵庫の設定温度を高めにすることなどが含まれる。同機能に対する定格電力が小さい電気負荷は、換言すれば、電力の利用効率が高い電気負荷であって、省エネラベルの対象品目であれば、省エネラベルの表記内容を目安に選択すればよい。
【0028】
需要家において太陽光発電装置のような発電装置を備える場合は、発電した電力を無駄なく利用することも省エネ活動に含まれる。発電した電力を無駄なく利用することは、余剰電力の逆潮流を行うこと、余剰電力を蓄電装置に蓄電し、後に利用することにより、余剰電力を廃棄することなく利用することを意味する。
【0029】
上述のように発電装置で発電した電力を無駄なく利用した場合、以下では利用した電力量を「供給量」と呼ぶ。すなわち、供給量は、発電装置が発電した電力が無駄なく利用されると仮定した場合、発電装置が発電した電力量に相当する。一方、涸渇性エネルギー資源により発電された電力を購入した場合、以下では使用した電力量を「消費量」と呼ぶ。消費量は、単純に定式化する場合には、供給事業者(電気事業者)から購入した電力量と等価である。
【0030】
消費量および供給量は、需要家におけるエネルギー資源の利用に関して計測される量であるから、以下では、とくに区別の必要がなければ、消費量と供給量とを一括して計測量と呼ぶ。発電装置や蓄電装置を備えていない需要家では、計測量は消費量のみであり、発電装置や蓄電装置を備えている需要家では、計測量は消費量と供給量とを含む。また、計測量のうち、消費量は涸渇性エネルギー資源を消費した量の指標値になり、供給量は再生可能エネルギー資源を利用した量の指標値になる。言い換えると、計測量は、需要家における環境負荷の指標値として用いることが可能である。以下では、計測量が消費量と供給量とを含む場合を例として説明する。
【0031】
ここに、余剰電力の逆潮流は、他の需要家における再生可能エネルギー資源(グリーン電力)の比率を高めることになるから省エネ活動と言える。また、余剰電力を蓄電装置に蓄電し、後に利用することは、供給事業者から購入する涸渇性エネルギー資源としての電力量が低減されるから省エネ活動と言える。さらに、商用電源の電力系統の電源品質を維持するために、逆潮流で商用電源の電力系統に流入する電力量を制限することが必要になる場合には、蓄電装置を用いることにより余剰電力の廃棄の可能性が低減されるから、蓄電装置への蓄電が省エネ活動になる。
【0032】
本実施形態は、上述のような省エネ活動を定量的に計測する技術を提供し、さらに、定量的に計測した省エネ活動を、温室効果ガスのうちで市場での取引の対象となっている二酸化炭素の排出量に換算する構成を提供する。
【0033】
図1に示す構成例では、需要家において、電力を消費する電気負荷21と、太陽光発電装置のように自然エネルギーにより発電する発電装置22と、発電装置22が発電した電力のうち電気負荷21で消費しなかった余剰電力を蓄電する蓄電装置23とを備える。電気負荷21と発電装置22と蓄電装置23とは分電盤20を介して接続され、分電盤20は商用電源の電力系統31に接続される。蓄電装置23に蓄電された電力は、必要に応じて電気負荷21に供給される。
【0034】
なお、発電装置22は、太陽光発電装置に限定されず、風力発電装置、燃料電池を用いた発電装置、マイクロガスタービンを用いた発電装置などでもよい。燃料電池やマイクロガスタービンを用いた発電装置は、電力の供給だけではなく熱の供給も可能となるように構成されていることが多く、いわゆるコージェネレーション装置を構成する。したがって、発電装置と給湯機とを個別に設ける場合よりもエネルギー資源の消費量が低減される。
【0035】
以下では、発電装置22で生じた余剰電力は、蓄電装置23に蓄電され、かつ廃棄されることがないという仮定で説明する。ただし、余剰電力を商用電源の電力系統31に逆潮流する構成、あるいは余剰電力の逆潮流や蓄電が行えない場合に余剰電力の一部を廃棄する構成を採用してもよい。また、蓄電装置23に蓄電された電力を電気負荷21に供給する条件は、電気負荷21が要求する電力を発電装置22の出力電力では充足できなくなることであって、不足分が蓄電装置23から供給される。さらに、蓄電装置23からの電力では不足分を充足できない場合には、商用電源の電力系統31から電力が供給される。
【0036】
分電盤20は、電気負荷21が消費する単位時間の電力量を計測する消費電力計測部201と、発電装置22が発電した単位時間の電力量を計測する発電電力計測部202とを備える。また、分電盤20は、蓄電装置23に蓄電された電力と蓄電装置23から放電した電力とを計測する充放電電力計測部203を備える。消費電力計測部201、発電電力計測部202、充放電電力計測部203は、必ずしも分電盤20に設ける必要はなく、分電盤20とは別に設けてもよい。また、商用電源の電力系統31から購入する電力と商用電源の電力系統31への逆潮流を行う電力とを計測するために、分電盤20に設けた主幹ブレーカ(図示せず)の電源側において、売買電力計測部204が設けられる。
【0037】
需要家には、インターネットのような公衆網41を通してコンピュータサーバからなる省エネ活動管理装置10と通信する利用者機器40が設置される。すなわち、利用者機器40は、消費電力計測部201、発電電力計測部202、充放電電力計測部203、売買電力計測部204から計測値を収集し、収集した計測値を省エネ活動管理装置10に伝送する機能を有する。消費電力計測部201、発電電力計測部202、充放電電力計測部203、売買電力計測部204が計測した計測値は、利用者機器40が比較的短い一定の時間間隔(たとえば、30秒、1分、5分など)で定期的に収集する。利用者機器40は、比較的長い一定期間(たとえば、30分、1日、1週間、1ヶ月など)に収集した計測値を計測した日時とともに記憶し、収集した計測値および日時を需要家ごとに設定された需要家IDとともに一括して省エネ活動管理装置10に送信する。
【0038】
利用者機器40は、上述したように、消費電力計測部201、発電電力計測部202、充放電電力計測部203、売買電力計測部204から計測値を収集する機能を備える。また、利用者機器40は、計測値を記憶する機能、省エネ活動管理装置10に計測値を伝送する機能、省エネ活動管理装置10から伝送された情報を提示する機能を有する。省エネ活動管理装置10から伝送された情報は、基本的には、利用者機器40に設けられた表示装置(図示せず)に表示される。したがって、利用者機器40は、液晶表示器などからなる表示装置を備えている必要がある。
【0039】
利用者機器40は、需要家においてエネルギー管理に用いる専用の制御装置のほか、パーソナルコンピュータ、通信機能を備えた家電機器、移動体端末などで兼用してもよい。なお、これらの装置を利用者機器40として用いるには、計測値を取得するためのインターフェイス装置を備え、かつ専用のプログラムを実行可能であることが必要である。
【0040】
利用者機器40は、省エネ活動管理装置10と通信する機能と、表示装置により表示する機能とが、異なる器体に分離して設けられていてもよい。たとえば、住宅用の機器を通信技術により管理するホームサーバを設けている場合には、ホームサーバが省エネ活動管理装置10と通信し、ホームサーバと通信可能な端末装置の表示装置に省エネ活動管理装置10からの情報を表示してもよい。
【0041】
省エネ活動管理装置10は、個々の需要家ごとに需要家IDとともに、一定期間分の計測値を利用者機器40から取得する。そのため、省エネ活動管理装置10は、需要家で計測されたエネルギー資源(電力)の一定期間分の計測値を取得する取得部11を備える。省エネ活動管理装置10は、コンピュータを主なハードウェア構成要素とし、以下に説明する機能を実現するためのプログラムを実行することにより実現される。
【0042】
電力の消費量は、商用電源の電力系統31から購入した電力量であって、涸渇性エネルギー資源の消費量を含んでおり、売買電力計測部204の計測値から得られる。供給事業者(電力会社)が、グリーン電力の比率を公開している場合は、商用電源の電力系統31から購入した電力量のうちの当該比率分は、再生可能エネルギー資源の供給量に充当する演算が行われる。この演算は、後述する演算部13において行われる。
【0043】
電力の供給量は、発電装置22が発電した電力量、電気負荷21で使用した電力量、蓄電装置23に蓄電した電力量、商用電源の電力系統31との売買電の電力量とを用いることによって求められる。
【0044】
電力の消費量と供給量とについて、さらに詳しく説明する。需要家で計測される電力量は、一般に、電気負荷21で消費した電力量Qc、電力系統31から購入した電力量Qb、蓄電装置23に蓄電した電力量Qs、逆潮流を行った電力量Qr、発電装置22の発電した電力量Qgであり、他に損失分が含まれる。これらのうち発電した電力量Qg、逆潮流を行った電力量Qr、蓄電した電力量Qsは、再生可能エネルギー資源に対応する電力量であるから、電力量Qg,Qr,Qsの大きさは、環境負荷の低減の程度を表していると言える。また、購入した電力量Qb、消費した電力量Qcは、涸渇性エネルギー資源の消費の程度を反映しているから、電力量Qc,Qbの大きさは、適宜に設定された基準値からの低減分を求めることにより、環境負荷の低減の程度を表すことになる。
【0045】
動作例を挙げる。いま、発電した電力量Qgが消費された電力量Qcより大きく、かつ余剰電力(=Qg−Qc)のすべてが蓄電装置23に蓄電されたとすると、蓄電された電力量Qsは、Qs=Qg−Qcになる。この場合、涸渇性エネルギー資源を消費することなく電気負荷21を動作させたことになる。また、将来において、蓄電装置23に蓄電した電力量Qsだけ涸渇性エネルギー資源の消費を低減させることになる。言い換えると、電気負荷21で消費した電力量Qcと蓄電装置23に蓄電した電力量Qsとの和が、電力の供給量に対応する。余剰電力の一部だけが蓄電装置23に蓄電され、余剰電力の残りが廃棄された場合も電気負荷21で消費した電力量Qcと蓄電装置2に蓄電した電力量Qsとが、電力の供給量に相当する。
【0046】
結局、余剰電力が生じていない場合は電力の消費量が涸渇性エネルギー資源の消費量に対応し、余剰電力が生じている場合は電力の供給量が涸渇性エネルギー資源の消費を抑制した低減量に対応すると言える。
【0047】
ところで、省エネ活動管理装置10は、取得部11が取得した計測値を記憶する記憶部12を備え、記憶部12は、需要家ごとの需要家IDと計測値と計測した日時とを対応付けて記憶する。さらに、省エネ活動管理装置10は、記憶部12が記憶している計測値を用いて需要家ごとの所定期間(たとえば、1ヶ月、1年など)における電力の消費量および供給量を計測量として算出する演算部13を備える。電力の消費量および供給量は、需要家におけるエネルギー資源の利用に関する計測量であって、この計測量は環境負荷の指標値になる。そこで、演算部13は、電力の計測量を環境負荷の低減に関する貢献度を示す評価値に換算する。すなわち、涸渇性エネルギー資源の消費が低減されたことを環境負荷の低減に貢献したと判断し、貢献度を評価する適宜の評価値に換算する。以下では、この評価値を「省エネ活動ポイント」と呼ぶ。省エネ活動ポイントは、需要家において計測された電力の計測量について消費量と供給量との種別ごとに適宜の換算率で換算することによって算出される。たとえば、電力量Qg,Qr,Qsについては、その量に対してそれぞれ種別ポイントを付与し、電力量Qc,Qbについては、基準値からの差分に対してそれぞれ種別ポイントを付与し、その合計値を今回の省エネ活動ポイントとして算出してもよい。
【0048】
上述したように、涸渇性エネルギー資源の消費は、二酸化炭素の排出量を増加させるから、電力計測量は二酸化炭素の排出量に換算することが可能である。また、省エネ活動ポイントは、二酸化炭素の排出量の低減に貢献したときに与えられると言える。言い換えると、電力の計測量を省エネ活動ポイントに換算する換算率が適正であれば、省エネ活動ポイントにより二酸化炭素の排出削減量が表される。一般に、二酸化炭素の排出量を低減したことに対する貢献度は、排出権取引において知られているように、基準値に対する相対値で評価される。すなわち、演算部13において省エネ活動ポイントを算出するために、電力の計測量に対する基準値を格納する基準値記憶部15が設けられている。
【0049】
基準値記憶部15に格納される基準値は、以下の2種類のいずれかを採用する。すなわち、第1の基準値としては、家族構成、建物規模、設備規模などから求められる一定の期間(たとえば、1ヶ月や1年)における標準的な電力の計測値が用いられる。この基準値は、複数の需要家から統計的に得られる情報を用いて設定される指定値になる。第2の基準値としては、需要家における過去の一定の期間における電力の計測量の実績値を用いることが可能である。この基準値は、記憶部12に記憶された計測量から求められる。すなわち、演算部13は、記憶部12に記憶された需要家ごとに、過去の一定期間における電力の計測量(通常は、積算量)を実績値として求め、求められた実績値が基準値として基準値記憶部15に格納される。
【0050】
さらに、演算部13は、記憶部12に記憶されている電力の計測量を用いて、実績値を求めた期間と比較可能な期間における計測量を算出し、基準値記憶部15に格納された基準値との差分を求める。基準値は涸渇性エネルギー資源の消費量に対応しているから、この差分は二酸化炭素の排出権取引における二酸化炭素の排出削減量に対応する。したがって、この差分を省エネ活動ポイントに換算すれば、需要家による二酸化炭素の排出削減量を省エネ活動ポイントにより見積もることが可能になる。なお、省エネ活動ポイントへの換算に際しては、電力の計測量について電力の損失を考慮して換算率を定めることが好ましい。
【0051】
演算部13が算出した省エネ活動ポイントは、需要家IDにより特定される需要家に対して、提示部14から公衆網41を通して利用者機器40に伝送され、利用者機器40の表示装置に表示される。したがって、需要家は、自身の省エネ活動ポイントを利用者機器40によって確認することが可能になる。演算部13は、あらかじめ定めた期間における省エネ活動ポイントを求めるのであって、たとえば、省エネ活動ポイントを1ヶ月を単位期間として算出し、1ヶ月単位の省エネ活動ポイントを1年間に亘って積算することにより1年間の省エネ活動ポイントを算出する。単位期間ごとに算出された省エネ活動ポイントは、記憶部12に格納され、必要に応じて利用者機器40に提示される。なお、省エネ活動管理装置10は、需要家に設けた利用者機器40との通信のために通信インターフェイス部17を備える。
【0052】
上述した処理を行うことにより、需要家にとっては1ヶ月ごとの省エネ活動ポイントが提示されることによって省エネ活動を実践するための動機付けになる。また、1年分の省エネ活動ポイントが累積されると、二酸化炭素の排出削減量に関して年単位での管理が可能になる。たとえば、前年の実績に対する排出削減量が定量的に示されることによって、月単位での変動の影響が緩和され、年間の排出削減量を把握することにより社会貢献に対する意識付けになる。
【0053】
要するに、需要家に対して省エネ活動ポイントを提示することにより、省エネ活動が可視化されることになる。しかも、電力の計測量の数値ではなく、省エネ活動ポイントによって、環境負荷の低減に対する貢献度が需要家に示されるから、需要家にとっては社会貢献の程度が把握しやすくなる。その上、消費量と供給量とが個別に示されるのではなく、電力の消費量と供給量とが省エネ活動ポイントに一元化されるから、社会貢献の程度を需要家に一見して理解させることが可能になる。
【0054】
また、需要家に与えた省エネ活動ポイントは、省エネ機器の購入資金の一部に充当したり、省エネ機器のリース代に充当することを可能にしておけば、需要家の省エネ活動への意識を高める動機付けになる。一方、省エネ活動管理装置10の運営者にとっては、省エネ機器の販売機会が増加するというメリットが得られる。
【0055】
省エネ活動管理装置10に設けた基準値記憶部15は、上述した省エネ活動ポイントに換算する際に用いる基準値だけではなく、二酸化炭素の排出基準値も格納している。排出基準値は、基準値と同様に指定値または実績値が用いられる。
【0056】
たとえば、排出基準値を1年間における二酸化炭素の排出量に対して設定する場合、複数の需要家の過去の排出量から1件の需要家における年間の排出量を平均値として求め、この平均値を指定値として用いればよい。指定値である排出基準値を求めるための母集団は、需要家の属性(地域、建物規模、家族構成など)によって分類することが望ましい。また、実績値である排出基準値を求める場合は、需要家ごとの前年の排出量を排出基準値に用いればよい。実績値である排出基準値は需要家ごとに求められるから、需要家の属性による分類は不要である。
【0057】
ここに、演算部13は、需要家ごとに得られる二酸化炭素の排出量を用いて、地域単位や集合住宅の建物単位などの所定の管理範囲内の需要家について、二酸化炭素の排出削減量の合計を算出する機能を備えていることが望ましい。演算部13は、管理範囲内の需要家について二酸化炭素の排出削減量の合計を、以下のいずれかの手順で算出する。
【0058】
需要家ごとに排出削減量を求める場合、排出基準値が指定値か実績値かにかかわらず、排出削減量の総和が管理範囲における二酸化炭素の排出削減量になる。すなわち、需要家ごとの排出削減量は、需要家ごとの二酸化炭素の排出量と排出基準値との差分(=排出基準値−需要家ごとの排出量)として求められるから、排出基準値から需要家ごとの排出量を減算した差分の総和が管理範囲の排出削減量になる。いま、需要家ごとの排出量をQi(i=1,2,…)とし、排出基準値をBとすれば、管理範囲の排出削減量は、Σ(B−Qi)として求められる。ここに、排出基準値Bは、需要家ごとに変化しない指定値(固定値)と需要家ごとに変化する実績値とのどちらを用いてもよい。
【0059】
一方、個々の需要家について排出削減量を求めるのではなく、需要家ごとの排出量を管理範囲において合計し、管理範囲における需要家ごとの排出量の総和と、この総和に対して設定した排出基準値との差分を、管理範囲における排出削減量に用いてもよい。すなわち、管理範囲における需要家ごとの排出量の総和を求め、需要家ごとの排出基準値に需要家の件数を乗じた値を、排出量の総和に対する排出基準値に用いる。いま、管理範囲内の需要家の件数がn件であるとし、需要家ごとの排出量をQi(i=1,2,…,n)、1件の需要家に対する排出基準値をBとすると、管理範囲の排出削減量は、n×B−ΣQiとして求められる。この場合の排出基準値Bは、需要家ごとに変化しない指定値が用いられる。
【0060】
なお、二酸化炭素の排出量の総和を求めるにあたっては、需要家ごとに求めた二酸化炭素の排出量を管理範囲内で合算して求めるほか、計測量の総和を管理範囲内で合算した後に排出量に換算してもよい。
【0061】
上述の例では、需要家で計測した電力の計測量から排出量を求め、求めた排出量を用いて排出削減量を求めている。一方、省エネ活動ポイントの1単位は排出削減量の1単位に対応しているとみなすことが可能である。したがって、個々の需要家について得られる省エネ活動ポイントを、管理範囲の需要家について求め、省エネ活動ポイントを排出量と同様に扱って、二酸化炭素の排出削減量に換算することも可能である。ここに、省エネ活動ポイントは需要家に提示するために用い、二酸化炭素の排出削減量は電力の計測量から直接算出してもよい。
【0062】
ところで、需要家ごとの二酸化炭素の排出削減量は少量であって、たとえば企業が市場において二酸化炭素の排出権を買い取る量にはならない。しかしながら、上述のように、管理範囲内の需要家から得られる計測量を用いて求められる排出削減量の総和は、市場において取引できる量になる可能性がある。したがって、省エネ活動管理装置10において、二酸化炭素の排出削減量を需要家から収集して総和を求めることにより、省エネ活動管理装置10の運営者は、需要家による省エネ活動を、二酸化炭素の排出権取引によって資金化することが可能になる。
【0063】
すなわち、市場から二酸化炭素の排出削減量に対して得られた対価を、需要家に配当金として還元したり、省エネ活動ポイントを省エネ機器の購入資金やリース代に充当する際の原資に用いることが可能になる。なお、算出した二酸化炭素の排出削減量は、認証機関の認証を受けることによって、排出権取引の市場で販売することが可能になる。
【0064】
ところで、需要家が留守の場合、電気負荷21が使用されないから、電力系統31から電力が購入されずに電力の消費量が低減し、その一方で、大きな余剰電力が生じるから、電力の供給量が増加することになる。このような場合について、需要家のみを見れば、省エネ活動と評価することも可能であるが、需要家において他の場所でエネルギーを消費していることも考えられる。したがって、需要家における人の存否を評価し、不在時には、電力の計測量の増減を省エネ活動とみなさないようにすることが望ましい。
【0065】
この処理を可能にするために、省エネ活動管理装置10は、存否監視部16を備えることが好ましい。存否監視部16は、取得部11が取得した計測値から所定期間(1日、1週間など)における電気負荷21で使用した電力の変化パターンを解析することにより、需要家における人の存否を判断する。
【0066】
たとえば、電気負荷21で消費した電力の変化パターンを取得することにより、人が電気負荷21を操作したと判断することが可能である。この場合、電気負荷21のオン、オフに伴う規定値以上の電力の変化を検出し、オン(電力増加)とオフ(電力減少)とが対として検出された場合に、オンとオフとの間の期間において、在宅していた判断することが可能である。あるいはまた、1日における電力の最大値と最小値との差分が規定の閾値以上である場合に、当日に在宅していたと判断することが可能である。なお、後者では在宅の時間帯は判断することができない。
【0067】
存否監視部16により需要家の在宅の監視を行っている場合であって、在宅の期間が明確に判断できる場合、省エネ活動管理装置10の演算部13は、存否監視部16による在宅の判断結果を用いて、省エネ活動ポイントの計算に反映させることが望ましい。すなわち、演算部13は、存否監視部16が人の存在を検出しているか否かに応じて省エネ活動ポイントを算出する。たとえば、人の存在している期間を在宅期間として、在宅期間における単位時間(たとえば、1時間)当たりの電力の計測量の平均値を用い、この平均値を基準値(指定値あるいは実績値)と比較して省エネ活動ポイントを算出することが可能である。あるいはまた、在宅中の人数も把握できる場合には、在宅中の単位時間当たりの電力の計測量の平均値を、さらに在宅人数で除算した値を、基準値と比較して省エネ活動ポイントに換算してもよい。この場合、在宅期間の単位時間における1人当たりの省エネ活動ポイントが求められる。
【0068】
なお、需要家において人感センサが配置されている場合には、取得部11において人感センサによる人の存否の検出結果を取得してもよい。この構成では、存否監視部16は人感センサの出力により在宅の判断が可能になる。また、在宅中の時間帯や在宅時に人が存在している場所を認識することも可能である。あるいはまた、在宅中の人数を認識することも可能である。
【0069】
さらにまた、演算部13は、存否監視部16による在宅の判断結果を用いて、存否監視部16が人の存在を検出した期間が規定の期間に占める存在率を求めてもよい。存在率を用いる場合は、存在率が規定値以上であるときに、規定の期間における省エネ活動ポイントを算出すればよい。たとえば、規定の期間を1日とし、1日における在宅の時間を求めることによって1日の存在率を求め、存在率が規定値以上である日について省エネ活動ポイントを算出すればよい。あるいはまた、規定の期間を1年間とし、1年間において在宅が検出された日数を1年間の存在率としてもよい。さらには、1日の存在率が規定値以上である日が1年間に規定日数(たとえば、300日)以上である場合に、省エネ活動ポイントを与えるようにしてもよい。これらの数値は適宜に変更可能であって、たとえば、1週間や1ヶ月という期間に対する在宅の日数を存在率とすることも可能である。
【0070】
在宅の判断を含めた省エネ活動管理装置10の動作例を図2にまとめて示す。図2に示す動作例では、存在率を考慮しており、需要家で計測された計測値を取得部11が取得し(S11)、取得した計測値が記憶部12に記憶される(S12)。ここで、省エネ活動ポイントを評価する時点になると(S13)、存否監視部16において需要家における人の存否が評価される(S14)。省エネ活動ポイントを評価する時点は、たとえば、1日、1週間、1ヶ月、1年間などを単位期間として定められる。
【0071】
ステップS14の在宅評価では、単位期間における存在率を評価し、存在率が規定値以上であれば(S14:OK)、演算部13において省エネ活動ポイントが算出される。すなわち、演算部13は、電力の消費量と基準値とを比較して省エネ活動ポイントに換算するとともに(S15)、電力の供給量と基準値とを比較して省エネ活動ポイントに換算する(S16)。演算部13で求められた省エネ活動ポイントは累積される(S17)。その後、今回算出された省エネ活動ポイントと、累積された省エネ活動ポイントとが、提示部14を通して利用者機器40に通知される(S18)。なお、ステップS14の在宅評価において、単位期間における存在率が規定値未満であれば(S14:NG)、省エネ活動ポイントは算出されない。なお、ステップS15,S16における消費量と供給量とを区別せずに計測量として省エネ活動ポイントに換算してもよい。
【0072】
以上説明したように、需要家で計測されたエネルギー資源の計測量を省エネ活動ポイントに換算し、省エネ活動ポイントを需要家に提示している。したがって、電気負荷21で消費した電力量、発電装置22で発電した発電量、蓄電装置23に蓄電した蓄電量のように、低炭素社会に向けた需要家での活動が、省エネ活動ポイントとして一元化して示されることになる。そのため、需要家にとっては、省エネ活動が省エネ活動ポイントという1つの評価値でわかりやすく提示されることになり、省エネ活動の効果が把握しやすく、結果的に、涸渇性エネルギー資源の消費を低減する省エネ活動を行う動機付けが得やすくなる。
【0073】
上述した動作例では、発電装置22および蓄電装置23を備える需要家を想定して消費量と供給量との両方を用いているが、需要家が発電装置22や蓄電装置23を備えていない場合は、消費量のみを用いて省エネ活動ポイントに換算すればよい。
【符号の説明】
【0074】
10 省エネ活動管理装置
11 取得部
12 記憶部
13 演算部
14 提示部
15 基準値記憶部
16 存否監視部
17 通信インターフェイス部
21 電気負荷
22 発電装置
23 蓄電装置
40 利用者機器
41 公衆網

【特許請求の範囲】
【請求項1】
需要家におけるエネルギー資源の利用に関する計測量を環境負荷の指標値として取得する取得部と、
前記取得部が取得した前記計測量を前記需要家に対応付けて記憶する記憶部と、
前記計測量に対する基準値が格納される基準値記憶部と、
前記記憶部が記憶している前記計測量と前記基準値記憶部に格納された前記基準値との差分を求め、当該差分を環境負荷の低減に関する貢献度を表す省エネ活動ポイントに換算する演算部と、
前記演算部が求めた前記需要家ごとの前記省エネ活動ポイントを当該需要家の利用者機器に提示する提示部と
を備えることを特徴とする省エネ活動管理装置。
【請求項2】
前記演算部は、あらかじめ定めた期間における前記計測量または前記省エネ活動ポイントの積算値を二酸化炭素の排出量に換算することを特徴とする請求項1記載の省エネ活動管理装置。
【請求項3】
前記演算部は、管理範囲内の需要家について、前記排出量と規定の排出基準値との差分である排出削減量の総和を求め、当該総和より排出権取引が可能となる二酸化炭素の排出削減量を算出することを特徴とする請求項2記載の省エネ活動管理装置。
【請求項4】
前記演算部は、前記管理範囲内の需要家ごとに求めた前記排出量と前記排出量に対する排出基準値との差分を需要家ごとの二酸化炭素の排出削減量として算出し、さらに、前記管理範囲内の需要家ごとに求めた前記排出削減量を合算することにより、排出権取引が可能となる二酸化炭素の排出削減量を算出することを特徴とする請求項3記載の省エネ活動管理装置。
【請求項5】
前記演算部は、前記管理範囲内の需要家ごとに求めた前記排出量の総和と前記排出量の総和に対する排出基準値との差分により、排出権取引が可能となる二酸化炭素の排出削減量を算出することを特徴とする請求項3記載の省エネ活動管理装置。
【請求項6】
前記需要家における人の存否を監視する存否監視部をさらに備え、
前記演算部は、前記存否監視部が前記需要家における人の存在を検出している期間における単位時間当たりの前記計測量を省エネ活動ポイントに換算することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の省エネ活動管理装置。
【請求項7】
前記需要家における人の存否を監視する存否監視部をさらに備え、
前記存否監視部は、前記需要家に存在する人数を検出する機能を有し、
前記演算部は、前記存否監視部が前記需要家における人の存在を検出している期間における単位時間当たりにおいて1人当たりの前記計測量を省エネ活動ポイントに換算することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の省エネ活動管理装置。
【請求項8】
前記需要家における人の存否を監視する存否監視部をさらに備え、
前記演算部は、前記存否監視部が人の存在を検出した期間が規定の期間に占める存在率を求め、存在率が規定値以上であるときに、前記省エネ活動ポイントを算出する
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の省エネ活動管理装置。
【請求項9】
前記取得部は、前記利用者機器との通信により前記計測量を取得し、
前記提示部は、前記利用者機器との通信により前記省エネ活動ポイントを前記利用者機器に提示する
ことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の省エネ活動管理装置。
【請求項10】
需要家におけるエネルギー資源の利用に関する計測量を環境負荷の指標値として取得部が取得し、
前記取得部が取得した前記計測量を前記需要家に対応付けて記憶部に記憶し、
前記記憶部が記憶している前記計測量と基準値記憶部に格納された前記計測量に対する基準値との差分を演算部が求め、前記演算部が当該差分を環境負荷の低減に関する貢献度を表す省エネ活動ポイントに換算し、
前記演算部が求めた前記需要家ごとの前記省エネ活動ポイントを提示部が当該需要家の利用者機器に提示する
ことを特徴とする省エネ活動管理方法。
【請求項11】
コンピュータを、
需要家におけるエネルギー資源の利用に関する計測量を環境負荷の指標値として取得する取得部と、
前記取得部が取得した前記計測量を前記需要家に対応付けて記憶する記憶部と、
前記計測量に対する基準値が格納される基準値記憶部と、
前記記憶部が記憶している前記計測量と前記基準値記憶部に格納された前記基準値との差分を求め、当該差分を環境負荷の低減に関する貢献度を表す省エネ活動ポイントに換算する演算部と、
前記演算部が求めた前記需要家ごとの前記省エネ活動ポイントを当該需要家の利用者機器に提示する提示部と
を備える省エネ活動管理装置として機能させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2013−101569(P2013−101569A)
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−245921(P2011−245921)
【出願日】平成23年11月9日(2011.11.9)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】