説明

省消費電力電子ロックシステム

電子ロックシステム10は、ドア内に配置された電子ロックと、電力をその電子ロックに無線で供給するために配置されたドア外部の装置とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、ロックシステムに関し、より詳細には、複合ユニット型建物の個々のユニットへのアクセスを可能にするための電子ロックシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
電子ロックは、一般的には、バッテリか有線電源によって電力供給される。ホテル、モーテル、宿屋などの場合、実際には、すべての電子ロックがバッテリにより電力供給されている。いずれの場合にも、ゲストルームの出入口については特に、これらのロックの機能性がこの特性を実施するために極めて重要である。
【0003】
バッテリ駆動型のロックに関しては、一般的に、およそ2年毎に必要となる定期的なバッテリの交換に関連したかなりの購入費および労働費がかかる。スタンドアロンの電子ロックシステムを備えたホテルに関しては、バッテリには、交換時を超えて数ヶ月またはさらには1年間も機能し続けている可能性のあるものがある、ないということに関係なく、バッテリ交換のスケジューリングが「最短予想バッテリ寿命期間」に基づいて行われなくてはならない。中央制御型システムの一部であるロックについては、残量の低いバッテリ状態を報告することができるロックにより、その費用はわずかに軽減可能である。この種のロックシステムのバッテリは、その場合には、「必要に応じた」スケジュールで交換可能であるが、これらのロックを監視すること、およびその場合に、切れたバッテリを必要に応じて物理的に交換することに関連した費用がなおも相当かかる。
【0004】
ドア外部の有線電源から電力供給される電子ロックに関しては、電源が設置される必要があるので、極めて大きな初期設置コストがかかり、ワイヤを電源の場所からドア周辺部に伸ばす必要があり、一般的に、ドアにはその周辺部上の地点からロック装置自体にワイヤを伸ばすことが可能になるようにドリルで穴を開ける必要がある。これらのシステムはまた、ドアのヒンジ側上のフレキシブル配線と、ドアジャムまたは受け座上の第2の組の2重接点に嵌め合わさる、ドアの一端部上の2重接点とに頼らざるを得ない。いずれの場合にも、有線電源装置には内在している機械的故障率があり、また電源装置が故障した場合には、ロックの状態でも、または外部電源と何らかの形で相互接続された状態でも、バッテリのバックアップの準備がない場合には、ロックが機能を中止することになるという大きなリスクもある。また、ドリルで穴を開けることにより、またはそうでない場合には、ドアの構造を変更することにより、ドアの改造に関連した潜在的な消防規則上の問題もある。
【0005】
バッテリ駆動型の電子ロックでは、電力消費量の80パーセント以上が、様々なタイプのアクセスカード(例えば磁気ストライプカード、スマートカード、近接型カード)を「読み取る」ために、メモリにアクセスイベントを保存するために、LED表示器などを動作させるために必要な電子回路を維持すること、および通常のバッテリ漏れまたは自己放電に関連していると推測される。ロックは、次のアクセスカードイベントが起こるのを待つ持続的な待機状態に保たれる必要がある。オンラインシステムにおいて、有線または無線の手段により、中央計算サーバに接続されたゲートウェイまたは電子継電装置の何らかの形態に、および何らかの形態から、無線手段を介して様々なデータを伝達するためには付加要件がある。
【0006】
これらのバッテリ駆動型のロックでは、電力消費量の20パーセント未満は、ラッチおよびアンラッチのアクティビティに直接関連している。この種の電力消費量の経時的な平均は、約2μA〜10μAである。
【0007】
上述の問題点に加えて、バッテリ駆動型の電子ロックは、一般的に、分厚く、見た目に美しくない。主には、ロックアセンブリの分厚さは、バッテリパック(例えば4個の単三のバッテリ)と、アクセスカードスロット(磁気ストライプカードおよびスマートカード用)と、入り口および場合によっては出口のアクティビティを処理し、保存するために必要な回路とを収容する必要性に起因している。
【0008】
【特許文献1】米国特許第5936544号明細書
【特許文献2】国際公開第00/77330号パンフレット
【特許文献3】独国特許発明第10104010号明細書
【特許文献4】国際公開第99/61732号パンフレット
【特許文献5】国開公開第02/29187号パンフレット
【特許文献6】欧州特許第1244068号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
したがって、ロックシステムは、メンテナンスをそれほど必要とせず、省消費電力を使用し、構成要素が少なく、最小限の大きさであることが望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述の問題を克服するために、本発明はドアロックユニット内にバッテリパックの必要性をなくし、ある実施形態では、アクセスカードの読み取り/書き込みのアセンブリおよび関連回路、制御回路、ならびにメモリ保存回路のうち少なくとも1つをドアロックユニットからドアに近接した場所に、および常時電力が供給される場所に移す。本発明のある例示的な実施形態では、これは、ロックシステムの情報の一部またはすべてが、ドアロックユニット自体から取り出され、常時電力が供給可能であるより便利な、アクセス可能な場所に移されることを意味している。
【0011】
本発明の一実施形態では、電子ロックシステムが、ドア内に配置された電子ロックと、そのドアに近接して配置されたコントローラとを含んで提供される。コントローラは、電子ロックがそれによりアクセス可能になるアクセス装置を含む。コントローラは、電子ロックと無線で通信するために、および電子ロックに電力を無線で供給するために配置される。
【0012】
他の実施形態では、電子ロックシステムはドア内に配置された電子ロックと、ドアに近接して配置されかつコントローラに電力を供給するための電源に接続されたコントローラとを含んで提供され、コントローラは電子ロックがそれによりアクセス可能になるアクセス装置を含み、コントローラは電子ロックと無線で通信するために配置され、電子ロックは電力をロックに供給するための発電機を含む。
【0013】
さらに他の実施形態では、本発明はドア内に配置された電子ロックを動作させる方法を提供し、その方法は、そのドアに近接して配置されたコントローラのアクセス装置にアクセスカードを提示すること(そのアクセスカードは保存された識別データを含む)、そのコントローラでその識別データを処理すること、識別データが受け入れ可能なコントローラで無線アクティブ信号を生成すること、そのアクティブ信号を電子ロックに送信すること、およびアクティブ信号に応答して電子ロックをアクティブにし動作可能にすることを含んでおり、動作可能であるときには、電子ロックは、コントローラによって生成された無線信号により、充電された電子ロックの貯蔵装置からのエネルギーによって電力供給される。
【0014】
本発明のさらなる実施形態では、電子ロックシステムは、ドア内に配置された電子ロックと、電力を電子ロックに無線で供給することができるドア外部に配置された装置とを含んで提供され、電子ロックは、ロックがそれによりアクセス可能になるアクセス装置を含む。
【0015】
本発明について先に論じた特徴および利点、ならびに他の特徴および利点は、下記の詳細な説明および図面によって、当業者には認識され、理解されるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
ここで、同様の数字が同様の構成要素を表している図面を参照する。
【0017】
図1に、本発明の実施形態による例示的な電子ロックシステム10を示す。システム10は、ドアロックユニット12と、対応するロック制御アセンブリ14とを含む。本願では長く論じることになるが、制御アセンブリ14は、ドアロックユニット12と通信し、そのユニットの動作を制御し、そのユニットに電力を供給する。
【0018】
ドアロックユニット12は、単一マイクロプロセッサ(図示せず)と、アクチュエータ(図示せず)とを備えた二次アクセス制御電子機器16を含み、そのアクチュエータは、ロッキング機構18に接続され、制御電子機器16のコマンドで、ロッキング機構18をロックまたはアンロックの位置に作動させることができる。ドアロックユニット12は、ロック制御アセンブリ14から受け取った電磁信号22によって電力供給され、および二次アクセス制御電子機器16に接続されるウェイクアップ回路20をさらに含む。ドアロックユニット12はまた、ロック制御アセンブリ14から電磁信号26を受け取り、それらの信号を容量的に貯蔵される電気エネルギーに変換し、二次アクセス制御回路16に接続されたエネルギー貯蔵装置24(例えば、スーパーキャパシタ、ソーラパネルの装置など)も含む。ドアロックユニット12は、加えて、二次アクセス制御回路16に接続された、ロック制御アセンブリ14と無線伝達信号30で係合することができる無線トランシーバ28も含む。
【0019】
ドアロックユニット12は、最小限の大きさであるので有利である。本実施形態では、ユニット12(ロッキング機構18がないとき)は、通常のマッチ箱ほどは大きくない。これは、電子ドアロックユニット12は、基本的に、従来の機械的なドアロックアセンブリほどは大きくないことを意味している。
【0020】
ロック制御アセンブリ14は、ドアロックユニット12に近接して配置される。この種の配置により、例えば、入り口ドアのすぐ外側の壁上にドアベルのプレートと共に用いること、あるいは、入り口照明のスイッチにもしくはそのスイッチ内とに、起こさないでください/部屋を掃除してください(do not disturb/make up room)のプレートにもしくはそのプレート内とに、照明のついた部屋番号のプレートにもしくはそのプレート内とに、またはドアロックユニットに近接した任意の他の装置にもしくはその装置内とに配置することが可能になるであろう。
【0021】
ロック制御アセンブリ14は、マイクロプロセッサ(図示せず)と、電子メモリ(図示せず)とを備えた一次アクセス制御電子機器32を含む。無線トランシーバ34が一次アクセス制御電子機器32に接続され、無線伝達信号30を介してドアロックユニット12を係合するために配置される。制御アセンブリ14は、一次アクセス制御電子機器32に接続され、電磁ウェイクアップ信号22を生成するウェイクアップ信号生成器36をさらに含む。電力信号生成器38もまた、一次アクセス制御電子機器32に接続される。生成器38は、ドアロックユニット12の貯蔵装置24によって受け取られる電磁電力信号26を生成するために配置される。
【0022】
電力信号生成器38は、概して、電磁信号26を無線で送信することが可能な任意の装置を含む。電磁信号26は、高周波(RF)信号、光信号などの任意の適切な形態をとってよい。エネルギー貯蔵装置24は、概して、上記の電磁信号26を受け取ることが可能な、および信号26を電気エネルギーに変換するために構成された任意の対応する装置を含む。例えば、電力信号生成器38とエネルギー貯蔵装置24とは、電磁信号26がRF信号を含む従来のAM/FMアンテナを含んでよい。代替としては、および/または加えて、電力信号生成器38は、磁気信号26が光信号を含むように、制御または非制御の光源を含んでよい。エネルギー貯蔵装置24は、その場合、それに対応して、光信号26を受け取るための、およびそれらの信号を電気出力に変換するためのソーラパネル装置を含んでよい。代替としては、および/または加えて、電力信号生成器38とエネルギー貯蔵装置24とは、電磁信号26の送受信を容易にするために、分割エアギャップ変圧器、または任意の他のタイプの磁気的なもしくは容量性の適切な結合装置を含んでよい。
【0023】
制御アセンブリ14はまた、一次アクセス制御電子機器32に接続された、ならびに磁気ストライプカード、スマートカード、および近接型カードなどのアクセスカード42からのデータを読み取るために構成されたアクセスリーダ/ライタ40も含む。ロック制御アセンブリ14は、例えばスイッチモード電源装置、変圧器、従来のもしくは再充電可能なバッテリパックまたはそれらの任意の組合せであることが可能な、および常時電力を一次アクセス制御電子機器32に供給する電源44によって電力供給される。ロック制御アセンブリ14は、ネットワーク接続部46を経由して、ネットワーク(LAN、WANなど)、関連サーバ、および/または追加周辺装置と接続可能、および通信可能である。ロック制御アセンブリ14は、任意の適切なプロトコル(例えばTCP/IP、UDP/IP、Inncom International、Inc's proprietary P5 Protocolなど)を介して、ネットワークと通信することが可能である。接続部46は、必要に応じて、有線または無線であってよい。制御アセンブリ14とネットワークとの間、および/または制御アセンブリ14とドアロックユニット12との間の無線通信は、高周波(RF)通信を介して行われることが好ましいが、代替としては、および/または加えて、赤外線通信(IR)または他のタイプの通信(例えば超音波(U/S)など)を利用することも可能である。この種の無線RF通信は、例えば802.11b高周波プロトコル、WI−FI、Bluetooth(登録商標)、802.15.4、または任意の他の適切な無線プロトコルを利用することが可能である。
【0024】
ここで、システム10の動作について図1を参照して論じることにする。ドアロックユニット12がバッテリなどの独立電源を含んでいないことは明らである。このことは、上述のように、結果的に小型のドアロックユニットをもたらすので有利である。しかし、ドアロックユニット12は、ロック機構18を動作させるため、無線トランシーバ28を介して通信するためなど、一定の所要電力を有している。これらのことを行うために所要の電力が作用し、その電力はロック制御アセンブリ14の電力信号生成器38からより多く発生する。生成器38は、パルス状のまたは持続的な電磁放射物を本質的に有する電磁電力信号26を生成する。この種の放射物は、エネルギー貯蔵装置24によって受け取られ、貯蔵される電気エネルギーに変換される。電磁放射物の電気エネルギーへの変換は、RFIDタグに関する既知の動作とほぼ同様の方法で行われる。本発明の場合では、電気エネルギーは、ドアロックユニット12の二次アクセス制御回路16によって、オンデマンド使用のためのエネルギー貯蔵装置24の容量回路に貯蔵される。
【0025】
システム10の典型的な動作の一例は、磁気ストライプカードまたはスマートアクセスカード42をアクセスリーダ/ライタ40の壁のスロット構成要素に挿入することにより始まる。後者は、アクセスカード42内でエンコードされたデータを読み取り、そのデータをリーダ/ライタ40から一次アクセス制御電子機器32に送る。制御電子機器32は、そのデータが、ラッチされているドアへのアクセスを許可するのに適切であるかどうかを判定する。この判定には、その読み取ったデータを例えば、制御電子機器32内に局所的に保存されまたはネットワーク接続部46を介して遠隔にアクセスされた保存データと比較することが含まれる。判定が肯定的である場合には、制御電子機器32は、ウェイクアップ信号生成器36に、電磁ウェイクアップ信号22をドアロックユニット12のウェイクアップ回路構成要素20に送信するように指示する。このウェイクアップ信号22は、電力信号生成器38によって生成される電磁電力信号26とは明らかに異なることに留意されたい。
【0026】
ウェイクアップ信号22を受け取ると、ウェイクアップ回路20は、覚醒しアクティブになる二次アクセス制御電子機器16に電荷を送る。ウェイクアップ信号生成器36、放射ウェイクアップ信号22、ウェイクアップ回路20、および結果的にもたらされるドアロックユニット12のアクティブ化は、例えば2005年1月26日に出願された「PROXIMITY WAKE−UP ACTIVATION OF ELECTRONIC CIRCUITS」という表題の関連した米国特許出願番号(出願番号は未入手)に記載されているものを含んでよく、同出願は全体的に本願に引用して援用する。
【0027】
ウェイクアップ信号22が送信されるとすぐに、一次制御電子機器32は、無線トランシーバ34に、ロッキング機構18をアンラッチするための無線コマンドを二次制御電子機器16に送信するように指示する。先に論じたように、エネルギー貯蔵装置24によって電力供給される二次制御電子機器16は、それに接続された無線トランシーバ28を介してこの種のコマンドを受け取り、この種のコマンドを受け取ると、二次電子機器16は、ロッキング機構18をアンラッチさせるアクチュエータを作動させる。その場合、二次制御電子機器16は、アンラッチのアクティビティについての通知を(無線トランシーバ28、34のパスを介して)一次制御機器32に返信する。ロッキング機構18のアンロックに作用するアクチュエータは、任意の適切な既知の構成であってよく、例えば、既存の慎重に考えられた構成要素から、またはこの種のアクチュエータの小型バージョンを創出するナノテクノロジーを使用することにより、製造可能である。
【0028】
上記すべてのアクティビティは、一次制御電子機器32内のメモリに保存される。この保存されたアクティビティの記録は、必要に応じて利用可能である。例えば、この記録は接続部46を介してネットワークにもしくは他の装置に伝達可能であり、またはパーソナルデジタルアシスタント(PDA)などのハンドヘルドの装置もしくは他の同様の装置を介してアクセス可能である。
【0029】
システム10は、電磁送信信号22、26を容易にするために、および30が適切である場合には、ロック制御アセンブリ14とドアロックユニット12の間で、アンテナ(図示せず)の複合構成を利用することが可能である。すなわち、例えば、ウェイクアップと電力との送信信号22および26それぞれのためには、ロック制御アセンブリ14内に単一のアンテナが、それらの送信信号を受け取るためには、ドアロックユニット12にそれぞれ2つのアンテナが、ならびに電磁的な制御とデータの伝達信号30を送受信するためには、ドアロックユニット12およびロック制御アセンブリ14のそれぞれに個別のアンテナがあることが可能であろう。この場合には、構成内に合計5つのアンテナがあることになる。他の例には、システム10の2つの部分12と14との間のすべての電磁トラフィックの送信および/または受信のためには、ロック制御アセンブリ14およびドアロックユニット12のそれぞれに単一のアンテナを使用することが含まれる。すなわち、この場合には、システム10は2つのアンテナだけを含んでいることになる。
【0030】
上述した一連の動作については、数多くの変化に富む。例えば、このシステムは、磁気ストライプカードまたはスマートカードのアクセスに基づくのではなく、近接認証技術を用いることが可能である。すなわち、リーダ40は、近接型カードと一般的に称されているアクセスカード42内に保存されたデータにアクセスし、データを読み取るために構成可能である。この種の近接型カード42がロック制御アセンブリ14に十分に近接している場合には、近接型カード42は電力信号生成器38によって放射されるパルスによってアクティブになる。アクティブになると、近接型カード42は、それ自体を識別するエンコードされた高周波応答、すなわち識別データを含むRF応答を送る。この応答は、その場合、磁気ストライプカード/スマートカードのデータの処理に関して先に論じたように、一次制御電子機器32によって処理され、評価される。識別データが確認されると、一次制御電子機器32は、上述と同一順序のイベントを作動させる。すなわち、ドアロックユニット12がアクティブになり、ロッキング機構18が作動(すなわち始動)する。近接型カードの識別データ(または、先の説明のように、磁気ストライプカードまたはスマートカードから読み取ったデータ)が一次制御電子機器32によって確認されない場合には、入室を試みようとする者へのアクセスは認められない。拒絶の表示は、入室を試みようとする者に伝達可能(例えば画像表示、可聴音など)であり、入室を試みようとする者についての記録は、一次制御機器32内に保存、ならびに/または接続部46を介してネットワークまたは他の装置に送信可能である。
【0031】
電子ロックシステム10は、著しく縮小したサイズおよび単純化した構造からなるドアロックユニット12を提供する。ロックユニット12は、バッテリなどの内部電源は備えておらず、したがって、かなり軽減されたメンテナンスが必要である。しかし、ロックユニット12は、いずれのときにもアクティブ可能な状態のままであり、ロックユニット12の効率的な機能性が提供される。
【0032】
本発明の代替の実施形態における電子ロックシステム100を図2に示す。システム100はシステム10に類似しており、それらの多くの機能および規定を含んでいる。共通の要素が一貫した参照数字によって、本願におよび全体を通じて表されており、簡潔にするために、繰り返して紹介することも、不必要に繰り返して説明することもしない。システム100は、システム10とはかなり異なっており、前者は、後者のウェイクアップ信号生成器36もウェイクアップ回路20も含んではいない。代わりに、システム100では、二次アクセス制御電子機器16が、エネルギー貯蔵装置24からの電力の常時供給によって、持続的な準備完了状態で維持されている。すなわち、ロック制御アセンブリ114の電力信号生成器38は、貯蔵装置24によって受け取られ、常時電力を二次制御電子機器16に与えるために使用されるエネルギーに変換される電磁パルス26を持続的に放射する。
【0033】
電子ロックシステム100は、説明済みのウェイクアップ/アクティブ化の手法を伴わずシステム10と同様に動作する。すなわち、アクセスリーダ40は潜在的な入室者のアクセスカード42からデータを読み取る;一次制御電子機器32は読み取ったデータの真正性を確認する;確認が行われた場合には、制御信号30は一次制御機器32から二次制御電子機器16に送られる(注記、二次電子機器16のパワー強化によるアクティブ化は必要ではない;二次電子機器16は、持続的にアクティブの状態である);および二次制御電子機器16は、アクチュエータを介してロッキング機構18をアンロックし、無線トランシーバ28と34とを介して一次電子機器32にアンロックしたことを知らせる。
【0034】
有利なことには、このシステムは、ドアロックユニット112の既に小型のサイズを縮小し、ウェイクアップ回路を取り除くことによって、ユニット112をさらに単純化する。加えて、アンロックの手順は、ドアロックユニット112のアクティブ化の手順を取り除くことによって合理化される。
【0035】
本発明の他の代替の実施形態を図3に示す。その中にある電子ロックシステム200は、システム100のすべての要素を含み、ドアロックユニット212の二次制御電子機器16に接続された検知装置201をさらに含む。検知装置201は、ロックシステム200と関連したドアの外部ロックハンドル202内に配置され、またはそのハンドルに接続される。使用の際には、アクセスカード42がまず、システム200のリーダ40に提示される(すなわち、磁気ストライプカードまたはスマートカードの場合には、挿入され、もしくは通され、または近接型カードの場合には、近接の場所に移動される)。図1に関して先に論じたように、リーダ40はアクセスが認められるべきかどうかを判定するために、アクセスカード42に保存されたデータを読み取り、評価する。外部ロックハンドル202は、その場合、続いて潜在的な入室者によって接触され、および/またはわずかに向きを変えられる。ハンドル202のこの接触/操作により、センサ201がアクティブになり、その結果、内部回路が、二次制御電子機器16を覚醒させ、一次電子機器32に(上述の無線トランシーバのパスを介して)、ロックがアンラッチされるべきであるかどうかに関してクエリを行わせることになる。一次制御電子機器32が、提示されたアクセスカード42から適切なアクセスデータを受け取っている場合には、一次制御機器32は、本発明の先の実施形態に関して上述のように、ロックをアンラッチする(すなわち、開く)ように二次制御機器16に指示することとなる。電力は、システム10に関して先に論じたように、電力信号生成器38により放出された断続的または持続的な電磁電力信号26によって、システム200のドアロックユニット212に供給される。すなわち、システム200には、先に論じたシステム100ほどの電力は必ずしも必要ではない。
【0036】
電子ロックシステム200については、したがって、図1に関して上述したウェイクアップ構成を含んでいないこととして説明している。システム200のこの構成では、ドアロックユニット212は、検知装置によってのみアクティブ可能である。
【0037】
しかし、ロックシステム200は、特定の適用にこの種の構成が望まれる場合には、選択的に、ウェイクアップ構成を含むことが可能である。すなわち、ロック制御アセンブリ214は、電磁ウェイクアップ信号22を選択的に送信するためにウェイクアップ信号生成器36(図3に破線で示す)を含むことが可能である。ドアロックユニット212は、それに対応して、ウェイクアップ信号22を受け取り、二次アクセス制御電子機器16をアクティブにするために使用される電気エネルギーに、その信号を変換するウェイクアップ回路20(やはり破線で示す)を含むことが可能である。この構成では、ドアロックユニット212は、システム100に関して上述したように、電力信号生成器38およびエネルギー貯蔵装置24によって持続的には電力供給されない。その代わり、ドアロックユニット212は、ユニット212の動作が必要でないときには、インアクティブの状態のままである。このインアクティブの状態では、システム10に関して先に論じたように、電磁電力信号26は、ドアロックユニット212への連続的な電力供給のため、信号26を電気エネルギーに変換し、そのエネルギーを貯蔵するエネルギー貯蔵装置24に、電力信号生成器36によって周期的に送信される。したがって、この構成では、ドアロックユニット212は、検知装置201によっても、またはウェイクアップ回路20によってもアクティブ可能であり、アクティブになったときには、貯蔵装置24に貯蔵される電気エネルギーによって電力供給される。
【0038】
システム200に関して説明したように、ドアロックユニットをアクティブにするための検知装置は、この特定の実施形態に限定されない。すなわち、本願で説明されたいずれの例示的実施形態も、およびさらには本発明の広い範囲内で意図されるさらなる実施形態も、その接触または操作によって、電子ロックシステムのすべてまたは一部をアクティブにする検知装置を含むことが可能である。この種の検知装置は、説明済みのウェイクアップ回路と併せて、または代替としてはその回路に使用可能である。
【0039】
図4に、本発明に対する他の代替の実施形態の電子ロックシステム300を示す。システム300はシステム10に類似しており、ただし、前者は後者の電力信号生成器を必要とせず、選択的に後者のウェイクアップ信号生成器およびウェイクアップ回路を必要としない。結果的には、システム300は、システム10とは全く異なる方法で電力供給され、動作する。
【0040】
システム300は、本発明の先の実施形態に関して上述したように、エネルギー貯蔵装置24を含む。しかし、この場合には、エネルギー貯蔵装置24は、例えばドアハンドルまたはドアヒンジなど、システム300に関連したドアの機能302に、機械的に接続された発電機301から電気エネルギーを受け取る。発電機301は、ドア機能302が移動することによって作動し、装置24上に所要の電荷を与えるためにエネルギー貯蔵装置24に十分な電気エネルギーを供給することが可能である。したがって、ドアロックユニット312は、必要に応じてエネルギー貯蔵装置24に貯蔵される使用可能な電力を有する。発電機301は、ドアロックユニット312について複数の動作を、すなわち、ドアについて複数の項目を可能にするために、ドア機能302の単一の作動から十分な電気エネルギーを生成する。
【0041】
システム300は、本発明の先に開示された実施形態と同様に動作するが、ウェイクアップ信号および電力信号の生成、送信、および受取りの処理は必要ではない。代わりに、システム300は、エネルギー貯蔵装置24と発電機301との相互作用により内部的に電力供給される。すなわち、エネルギー貯蔵装置24は、発電機301の作用により充電され続ける。
【0042】
システム300の使用中には、発電機301はまた、インアクティブなロックユニット312を覚醒するために貯蔵装置24を作動させる。すなわち、ドア機能302が操作されたときには、発電機301が作動し、エネルギー貯蔵装置24にそれによって受け取られ、貯蔵される電力信号を送信する。さらに詳細については下記に論じるが、エネルギー貯蔵装置24は、発電機の電力信号に応答して、制御電子機器16を目覚めさせ、アクティブにするアクティブ信号を二次制御電子機器16に送る個別論理構成要素を含む。
【0043】
システム300は、例えば以下のように使用可能である。潜在的な入室者がまず、その人の証明書を確認しようとする制御アセンブリ314に自分のアクセスカード42を提示する。アクセスカード42を提示した後、その入室者は、ドア機能302、例えばドアハンドルを操作し、電力信号をエネルギー貯蔵装置24に送る発電機301をアクティブにする。電力信号は、貯蔵装置24によって受け取られ、上述のように、貯蔵されるエネルギーへとその中で変換される。さらには、電力信号に応答して、エネルギー貯蔵装置24は、ロックユニット312を覚醒させる。アクセスカード42を確認すると、制御アセンブリ314は、「アンロック」信号30を無線トランシーバ34と28とを介して覚醒したロックユニット312に送信し、次に、そのロックユニットは、ロッキング機構18をアンロックし、トランシーバを介してこのアンロックしたことを制御ユニット314に知らせる。
【0044】
上記のように、この実施形態では、システム300には、例えばシステム10に関して論じたウェイクアップ信号生成器、ウェイクアップ回路、電力信号生成器も必要ではない。しかし、システム300は、必要に応じて、ウェイクアップ構成を選択的に用いることが可能である。すなわち、本発明の他の実施形態に関して先に論じたように、ロック制御アセンブリ314はウェイクアップ信号生成器36(図4に破線で示す)を含むことが可能であり、ドアロックユニット312は、それに対応して、電磁ウェイクアップ信号22を生成器36から受け取るために、および二次制御電子機器16をアクティブにするため使用される電気エネルギーに信号22を変換するために配置されるウェイクアップ回路20を含むことが可能である。
【0045】
例えば、先に論じたばかりであるが、ロックユニット312を覚醒するために発電機301を使用することに加えて、または代替としては発電機301を使用することから、ウェイクアップ信号生成器36およびウェイクアップ回路20が用いられることができる。すなわち、潜在的な入室者は、自分のアクセスカード42を制御アセンブリ314に提示することが可能であり、その制御アセンブリは確認をすると、生成器36を介して電磁ウェイクアップ信号22をロックユニット312に送る。ウェイクアップ回路20は、信号22を受け取り、二次アクセス制御電子機器16を覚醒する。次に、制御アセンブリ314は、無線トランシーバ34と28とを経由して、「アンロック」信号30を二次制御電子機器16に送信する。信号30に応答して、制御電子機器16は、ロッキング機構18をアンロックし、アンロックしたことを制御アセンブリ314に知らせる。覚醒されると、ロックユニット312は、エネルギー貯蔵装置24から使用可能な電力を引き出す。上記のように、貯蔵装置24は、発電機301の作用により充電される。すなわち、潜在的な入室者が自分のアクセスカード42を制御アセンブリ314に提示したときには、その人はドア機能302を操作することになり、したがって、発電機301を作動させ、発電機301にその電力信号を、ロックユニット312の現在または今後の動作のために電力信号を貯蔵されるエネルギーに変換するエネルギー貯蔵装置24へと送らせることになる。
【0046】
加えて、電子ロックシステム300のドアロックユニット312は、エネルギー貯蔵装置24に、および/または二次アクセス制御電子機器16に接続された電源303(やはり破線で示す)をさらに含むことが可能である。電源303は、バックアップ電源機構を備え、従来のもしくは再充電可能なバッテリまたはバッテリパックであってよい。バックアップ電源303が再充電可能なバッテリパック、または電気出力を貯蔵するための任意の適切な手段である場合には、発電機301はまた、発電機301の動作により後者を再充電するためにこの種の電源303に接続されることになる。(この関係を図4に破線で表す。)したがって、例えば、発電機301がアクティブ化する間にかなりの時間周期が経過し、それに対応して、エネルギー貯蔵装置上の電荷が浪費するような場合には、電荷は、電源303によって補充可能である。代替としては、電源303が二次制御電子機器16に直接、接続される場合には、電力は電子機器16にそのアクティブ化および動作のために直接、供給可能である。
【0047】
システム300に関して説明した発電機および電源の機能は、もちろん、本発明のこの実施形態に限定されない。これらの機能は、本願で説明される他の実施形態に、および本発明の広い範囲によって意図されるそれらの追加の実施形態に、単独でまたは組み合わせて適用可能である。
【0048】
システム10、100および200に関して本願で先に説明したエネルギー貯蔵装置24は、電力信号生成器38によって放出される電磁電力信号26を検出すること、および受け取った電力信号26の特性の検出変化に応答して、二次アクセス制御電子機器16を覚醒することの選択的な能力をさらに含む。信号特性のこの変化は、電力信号26の中止、電力信号26の一時的な停止、および電力信号26の調節の変化のうち少なくとも1つを含んでよい。
【0049】
本発明のこの実施形態では、エネルギー貯蔵装置24の個別論理構成要素が電力信号26の特性の変化を検出し、それに応答して、ドアロックユニット12を目覚めさせる。覚醒されると、ドアロックユニット12は、本発明の先の実施形態に関して先に論じたように動作可能になる。
【0050】
例えば、エネルギー貯蔵装置は、電力信号26の中止を検出することが可能である。この種の検出が行われると、エネルギー貯蔵装置24は、次に、無線トランシーバ28を介して、メッセージをロック制御アセンブリ14、114、214に、および/またはネットワーク46に直接、および/または周辺装置(下記参照のこと)に送信する二次電子機器16を覚醒する。メッセージは、例えば、電力信号26が停止している、およびシステム10、100、200にメンテナンスが必要であるという警告であることが可能である。
【0051】
他の例では、電力信号26の一時的な停止を使用して、意図的に二次電子機器16を目覚めさせることが可能である。すなわち、本願で先に説明したウェイクアップ信号/ウェイクアップ回路のルーチンに加えて、または代替としてはそのルーチンから、電力信号26は、生成器38によって意図的に一時的に停止可能である。この停止は、エネルギー貯蔵装置24によって検出され、そのエネルギー貯蔵装置は、それに応答して、ロック12、112、212の二次電子機器16を目覚めさせ、アクティブにする。その後、ロック12は、上記の様々な実施形態で説明されたように機能することができる。
【0052】
同様に、電力信号26の調節は、エネルギー貯蔵装置24にロック12、112、212を覚醒するように信号で示すために多様であってよい。すなわち、この種の変化は、エネルギー貯蔵装置24の個別論理構成要素によって検出可能であり、エネルギー貯蔵装置24は、個別論理構成要素の検出に応答して、次に、必要に応じて動作可能になるロックを覚醒する。
【0053】
図4の電子ロックシステム300に話を戻すと、その中にあるエネルギー貯蔵装置24の個別論理構成要素は、発電機301がアクティブになることによって、貯蔵装置24に送られる連続的な電力信号間の長い時間周期を検出するために構成可能である。エネルギー貯蔵装置24は、さらには、いつその貯蔵されるエネルギーが所定の最小値に達するかを検出するために構成可能である。この種の検出が行われた場合には、エネルギー貯蔵装置24は、二次電子機器16を覚醒することが可能であり、したがって、ドアロックユニット312をアクティブにし、その動作および/または通信を可能にする。この種の通信は、例えばシステム300にメンテナンスが必要であるというメッセージの送信信号であることが可能であろう。さらには、この種の検出が行われると、装置24は、加えてまたは代替としては、電源303から電力を引き出すことが可能である。
【0054】
ロック装置12、112、212、312の無線トランシーバ28は、したがって、一例として、対応するロック制御アセンブリ14、114、214、314により、および特には、一次アクセス制御電子機器32の無線トランシーバ34により、データなどを無線で伝達し、および/または交換するように構成されていると説明してきた。加えておよび/または代替としては、無線トランシーバ28は、図1〜4に図示のように、ロック制御アセンブリの直接の構成要素ではない装置50と通信するため配置可能である。この種の装置50は、例えば、サーモスタット、セットトップボックス、照明制御モジュール、電話/制御コンソール、または補助通信装置を含むことが可能である。さらには、無線トランシーバ28は、ロック制御アセンブリとインターフェースをとることなく、ネットワークと直接の方法で無線により相互作用するように構成可能である。
【0055】
さらに他の例示的な実施形態では、ドアロックユニット10、100、200、300の二次アクセス制御電子機器16は、例えばドアロックユニット、またはドアロックユニットが位置するドア内のその他の場所に配置された装置52と通信するように構成可能である。装置52は、例えば視覚的、聴覚的、または触覚的な信号装置、カメラ、さらなる通信装置などを含んでよい。二次アクセス制御電子機器16は、任意の適切な有線または無線の構成によって、装置52と相互作用することが可能である。無線構成が用いられる場合には、二次アクセス制御電子機器16は、無線トランシーバ28を介して装置52と通信することが可能である。装置52は、エネルギー貯蔵装置24によって電力供給可能であり、またはそれ自体の電源を含むことが可能である。装置52は、ウェイクアップ回路20によって、またはそれ自体の同様のウェイクアップ回路構成によって、またはすぐ上で説明したエネルギー貯蔵装置24によってアクティブ可能である。もちろん、本発明は、これらと、追加的に論じた例示的な実施形態との様々な組合せおよび変形を意図している。
【0056】
電子ロックシステムのアクセスについて、本願では、一例として、磁気ストライプカード、スマートカードおよび近接型カードに関連する識別カードアクセスの技術を含むこととして説明してきた。しかし、本発明の電子ロックシステムは、この種のカードアクセス構成に限定されない。例えば、潜在的な入室者は、キー、キーパッド、タッチパッドもしくはタッチスクリーンを介して、あるいは指紋スキャン、網膜スキャンなどのバイオメトリクスの手段を介して、あるいは任意の他の既知のまたは考え得るアクセス手段、技術もしくは証明書を介して、電子ロックシステムにアクセスすることを試みることが可能である。
【0057】
図5に、本発明のさらなる実施形態の電子ロックシステム400を示す。システム400は、ドア404内に配置されたドアロックユニット402からなり、さらには、電子ロックシステム10、100、200、および300に関して先に論じた電力信号生成器38からなる。
【0058】
電力信号生成器38は、ドアロックユニット402の外部およびドア404の外部に配置される。電力信号生成器38は電源44によって電力供給され、その電源は、先に論じたように、スイッチモード電源機構、変圧器、従来のもしくは再充電可能なバッテリパック、またはそれらの任意の組合せであってよい。
【0059】
ドアロックユニット402は、マイクロプロセッサ(図示せず)と、ロッキング機構18に接続され、ロッキング機構18をロックまたはアンロックの位置に選択的に作動させることができるアクチュエータ(図示せず)とを備えたアクセス制御電子機器406を含む。ドアロックユニット402は、アクセス制御電子機器406に接続されたアクセスリーダ/ライタ40をさらに含む。アクセスリーダ/ライタ40は、アクセスカード42(例えば磁気ストライプカード、スマートカード、近接型カードなどからのデータ)からアクセス証明書を読み取るために、この種のデータをアクセス制御電子機器406に送るために、および潜在的な入室者(さらに後ほど論じることになるが)によるアクセスの試みについてドアロックユニット402に注意を喚起するために、構成されている。アクセス制御電子機器406は、アクセスリーダ/ライタ40によって読み取られたアクセス証明書を処理するため、およびアクセスが許可されるべきであるかどうかを判定するために構成されている。この判定は、例えば読み取ったアクセス証明書と、アクセス制御電子機器406に局所的に保存される保存データとを比較することを含む。
【0060】
システム400のドアロックユニット402もまた、アクセス制御電子機器406に、およびアクセスリーダ/ライタ40に接続されたエネルギー貯蔵装置24(例えばスーパーキャパシタ)を含む。先に長く論じたように、エネルギー貯蔵装置24は、電磁信号26を電力信号生成器38から受け取るように構成されており、さらには、それらの信号26を容量的に貯蔵される電気エネルギーに変換するように構成されている。貯蔵装置24内に貯蔵されるこの電気エネルギーは、使用可能な電力としてアクセス制御電子機器406に選択的に供給される。貯蔵装置24は、アクセスリーダ/ライタ40から信号を受け取る個別論理構成要素をさらに含み、アクセスの試みがあると、その構成要素は、この種の信号に応答して、アクセス制御電子機器406を覚醒する。
【0061】
電力信号生成器38は、エネルギー貯蔵装置24が充電され続け、必要に応じて、使用できる電力をアクセス制御電子機器406に供給することが可能であり続けるように、電力信号26を装置24に持続的にまたは断続的に送信する。アクセス制御電子機器406は、エネルギー貯蔵装置24によって覚醒されるまでは、インアクティブ、低電力の状態(ロック12、112、212、および312に関して先に論じたように)のままである。
【0062】
システム400の典型的な動作の一例は、アクセスカード42をリーダ40に通し、挿入し、または近くに持っていくことによる潜在的な入室者のアクセスリーダ/ライタ40へのカード42の提示により始まる。アクセスリーダ/ライタ40は、アクセスの試みを検知し、適切な信号をエネルギー貯蔵装置24に送り、この装置は、それに応答して、アクセス制御電子機器406を覚醒する。実質的に同時に、アクセスリーダ/ライタ40は、アクセスカード42によって提示されると、潜在的な入室者のアクセス証明書を読み取り、対応するデータを覚醒されたアクセス制御電子機器406に送る。制御電子機器406は、読み取ったデータをアクセス制御電子機器406に局所的に保存されたデータと比較することによって、そのデータがドア404へのアクセスを許可するために適切であるかどうかを判定する。その判定が肯定的である場合には、アクセス制御電子機器406は、ロッキング機構18をアンロックし、入室者へのアクセスを許可する。
【0063】
他の実施形態では、ドアロックユニット402は、アクティブのおよび準備が常にできている状態で維持されている。すなわち、この代替の実施形態では、アクセス制御電子機器406は、ウェイクアップのアクティブ化は必要ではない。その代わり、エネルギー貯蔵装置24が、使用可能な電力をアクセス制御電子機器406に持続的に供給する。それに対応して、電力信号生成器38は、エネルギー貯蔵装置24上に必要な電荷を維持し、したがって、ドアロックユニット402に持続的な使用可能な電力を供給するために、信号26を持続的にまたは断続的に供給する。この実施形態では、潜在的な入室者によるアクセスの試みがアクセスリーダ/ライタ40によって読み取られ、アクセスの証明書は、証明書を確認するために、およびドア404へのアクセスを許可するためにも、または拒否するためにも、アクティブなアクセス制御電子機器406に直接送られる。すなわち、この実施形態では、アクセス制御電子機器406を覚醒させる必要はない。
【0064】
電子ロックシステム400は先に論じた実施形態からの機能および要素を含んでよい。例えば、ドアロックユニット402は電子ロックシステム200の検知装置201およびハンドル202を含んでよい。加えておよび/または代替としては、ドアロックユニット402は、システム300の発電機301およびドア機能302を含んでよい。
【0065】
さらには、電子ロックシステム400は、先の実施形態に関して上述したように、および図5に破線で示したように、場合によっては、無線トランシーバ28を含んでよい。アクセス制御電子機器406は、ロックシステム400が配置されているドア404の外部に配置された装置50と、無線トランシーバ28を介して、無線で通信することが可能である。本願で先に論じたように、装置50は、ドアの外部の任意の装置または複数の装置であってよく、例えばサーモスタット、セットトップボックス、照明制御モジュール、電話/制御コンソール、補助通信装置などのうち少なくとも1つを含んでよい。加えておよび/または代替としては、アクセス制御電子機器406は、図5に図示したネットワーク51と、無線トランシーバ28を介して、無線で通信することが可能である。ネットワーク51は、ドア404およびロックシステム400が設置されている複合ユニット型住宅と関連した任意のタイプのネットワークであってよい。例えば、ネットワーク51は、複合ユニット型建物の中央電子ロック制御システム(CELS)の基幹、インターネットなどを備えてよい。無線トランシーバがそれによりこの種の通信を支持し、容易にする方法および態様については、本願で先に論じており、したがって、今、繰り返して述べることはしない。
【0066】
本発明を好ましい実施形態に関して説明してきたが、本発明の範囲から逸脱することなく、様々な修正がなされ、均等物がそれらの要素の代用可能となることは当業者には理解されるであろう。加えて、多数の変形が、本発明の教示に、その本質的な範囲から逸脱することなく、特定の状況または資料を適応させるようになされることが可能である。したがって、本発明は、本発明を実施するために意図された最良の態様として開示された特定の実施形態に限定されるのではなく、本発明は、添付の請求項の範囲内に収まるすべての実施形態を含むであろうことが意図されている。さらには、第1の、第2のなどの用語の使用については、いずれの順序または重要度を示しているのではなく、第1の、第2のなどの用語は、ある要素を他の要素と区別するために使用されている。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】本発明の1つの例示的実施形態におけるロックシステムの概略図である。
【図2】本発明の他の実施形態におけるロックシステムの概略図である。
【図3】本発明の他の実施形態におけるロックシステムの概略図である。
【図4】本発明の他の実施形態におけるロックシステムの概略図である。
【図5】本発明の他の実施形態におけるロックシステムの概略図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドア内に配置された電子ロックと、
前記ドアに近接して配置されたコントローラと、
を備えた電子ロックシステムであって、
前記コントローラは、前記電子ロックがアクセスされることが可能なアクセス装置を含み、
前記コントローラは、前記電子ロックと無線で通信するために、および前記電子ロックに無線で電力を供給するために配置されることを特徴とする電子ロックシステム。
【請求項2】
請求項1に記載の電子ロックシステムであって、前記コントローラが無線アクティブ信号を生成するために配置され、前記電子ロックが前記アクティブ信号に応答してアクティブになることによって、前記電子ロックが動作可能になることを特徴とする電子ロックシステム。
【請求項3】
請求項2に記載の電子ロックシステムであって、前記コントローラが前記無線アクティブ信号を生成するためのウェイクアップ信号生成器を備え、前記電子ロックが前記無線アクティブ信号を受け取るための、および前記電子ロックをアクティブにするために使用される電気エネルギーに前記無線アクティブ信号を変換するためのウェイクアップ回路を備えることを特徴とする電子ロックシステム。
【請求項4】
請求項2に記載の電子ロックシステムであって、前記コントローラが前記アクセス装置により読み取られたユーザのデータを確認すると、前記コントローラは前記無線アクティブ信号を生成するために配置されることを特徴とする電子ロックシステム。
【請求項5】
請求項4に記載の電子ロックシステムであって、前記アクセス装置が、前記ユーザにより前記アクセス装置に提示されるアクセスカードから前記ユーザのデータを読み取るように構成されていることを特徴とする電子ロックシステム。
【請求項6】
請求項5に記載の電子ロックシステムであって、前記アクセスカードが、磁気ストライプカード、スマートカード、および近接型カードのうち少なくとも1つを有することを特徴とする電子ロックシステム。
【請求項7】
請求項1に記載の電子ロックシステムであって、前記コントローラがさらに、無線電力信号を生成するために配置され、前記電子ロックが前記電力信号に応答して電力供給されることを特徴とする電子ロックシステム。
【請求項8】
請求項7に記載の電子ロックシステムであって、前記電子ロックが、前記電力信号を受け取るために配置され、前記電力信号を貯蔵される電気エネルギーに変換するように構成されたエネルギー貯蔵装置を備えることを特徴とする電子ロックシステム。
【請求項9】
請求項8に記載の電子ロックシステムであって、前記エネルギー貯蔵装置がキャパシタを備えることを特徴とする電子ロックシステム。
【請求項10】
請求項7に記載の電子ロックシステムであって、前記電力信号が電磁放射物からなるパルス状のまたは持続的な生成物を有することを特徴とする電子ロックシステム。
【請求項11】
請求項8に記載の電子ロックシステムであって、前記電子ロックが動作可能になったときには、前記電子ロックが前記保存される電気エネルギーによって電力供給されることを特徴とする電子ロックシステム。
【請求項12】
請求項7に記載の電子ロックシステムであって、前記ドアが複合ユニット型建物の単一ユニットについてのドアと関連し、前記コントローラが複合ユニット型建物と関連したネットワークに接続されることを特徴とする電子ロックシステム。
【請求項13】
請求項1に記載の電子ロックシステムであって、前記電子ロックが前記ドアの動作を検知するために配置された検知装置を備え、前記電子ロックが前記ドアの前記動作についての前記検知に応答してアクティブになることにより、前記電子ロックが動作可能になることを特徴とする電子ロックシステム。
【請求項14】
請求項13に記載の電子ロックシステムであって、前記ドアの前記動作が前記電子ロックの外部ハンドルの接触および操作の少なくとも一方を含むことを特徴とする電子ロックシステム。
【請求項15】
請求項1に記載の電子ロックシステムであって、前記コントローラが無線信号を前記電子ロックに選択的に送信することによって前記電力を前記電子ロックに供給し、前記電子ロックが前記無線信号を受け取るように、前記無線信号を電気エネルギーに変換するように、および前記ロックが動作可能になるように、前記電子ロックをアクティブにすることと、動作可能になれば前記電子ロックを動作させることとのうち少なくとも一方のために、前記電気エネルギーを使用するように構成されていることを特徴とする電子ロックシステム。
【請求項16】
ドア内に配置された電子ロックと、
前記ドアに近接して配置され、コントローラに電力を供給するための電源に接続された前記コントローラと、
を備えた電子ロックシステムであって、
前記コントローラは、前記電子ロックがアクセスされることを可能にするアクセス装置を含み、
前記コントローラは、前記電子ロックと無線で通信するために配置され、
前記電子ロックは、前記ロックに電力を供給するための発電機を含むことを特徴とする電子ロックシステム。
【請求項17】
請求項16に記載の電子ロックシステムであって、前記ドアの機能を操作することにより、前記発電機に前記電力を前記電子ロックへと供給させることを特徴とする電子ロックシステム。
【請求項18】
請求項16に記載の電子ロックシステムであって、前記ドアの前記機能がドアハンドルおよびドアヒンジの少なくとも一方を有することを特徴とする電子ロックシステム。
【請求項19】
請求項16に記載の電子ロックシステムであって、前記電子ロックが、前記発電機によって供給されるエネルギーを受け取り貯蔵するために配置されたエネルギー貯蔵装置をさらに含むことを特徴とする電子ロックシステム。
【請求項20】
ドア内に配置された電子ロックを動作させる方法であって、前記方法が、
前記ドアに近接して配置されたコントローラのアクセス装置に保存される識別データを含むアクセスカードを提示するステップと、
前記識別データを前記コントローラで処理するステップと、
前記識別データが受け入れ可能である前記コントローラで、無線アクティブ信号を生成するステップと、
前記アクティブ信号を前記電子ロックに送るステップと、
前記アクティブ信号に応答して前記電子ロックをアクティブにし、動作可能になるようにするステップと、
を含み、
動作可能なときには、前記電子ロックが、前記コントローラによって生成された無線信号により、充電された前記電子ロックの貯蔵装置からのエネルギーによって電力供給されることを特徴とする方法。
【請求項21】
請求項1に記載の電子ロックシステムであって、前記電子ロックがネットワークおよび部屋の装置の少なくとも一方と無線で通信するために構成されていることを特徴とする電子ロックシステム。
【請求項22】
請求項8に記載の電子ロックシステムであって、前記エネルギー貯蔵装置が前記電力信号の変化を検出するように、および前記変化に応答して前記ロックをアクティブにするように構成されていることを特徴とする電子ロックシステム。
【請求項23】
請求項22に記載の電子ロックシステムであって、前記変化が前記電力信号の中止、前記電力信号の一時的な停止、および前記電力信号の調節の変化のうち少なくとも1つを有することを特徴とする電子ロックシステム。
【請求項24】
請求項16に記載の電子ロックシステムであって、前記電子ロックがネットワークおよび部屋の装置の少なくとも一方と無線で通信するために構成されていることを特徴とする電子ロックシステム。
【請求項25】
請求項19に記載の電子ロックシステムであって、前記エネルギー貯蔵装置が、前記発電機により電力を前記ロックに供給することについての連続的な事象信号間の長い時間周期を検出するように構成され、前記エネルギー貯蔵装置がさらに、前記長い時間周期に応答して前記ロックをアクティブにするように、および/または前記長い時間周期に応答して、代替の電源から電力を引き出すようにさらに構成されていることを特徴とする電子ロックシステム。
【請求項26】
請求項20に記載の方法であって、
前記貯蔵装置が前記無線信号の変化を検出するステップと、
前記変化に応答して前記電子ロックをアクティブにし、動作可能になるようにするステップと、
をさらに有することを特徴とする方法。
【請求項27】
請求項26に記載の方法であって、前記変化が、前記電力信号の中止、前記電力信号の一時的な停止、および前記電力信号の調節の変化のうち少なくとも1つを有することを特徴とする方法。
【請求項28】
電子ロックシステムであって、
アクセスするためのアクセス装置を含み、ドア内に配置された電子ロックと、
電力を前記電子ロックに無線で供給するために構成された前記ドアの外部に配置された電力信号生成器と、
を備えることを特徴とする電子ロックシステム。
【請求項29】
請求項28に記載の電子ロックシステムであって、前記アクセス装置が潜在的な入室者のアクセス証明書を検出するために配置されており、前記電子ロックは前記アクセス証明書を確認するために、および前記電子ロックをロックならびにアンロックするために配置されたコントローラをさらに含むことを特徴とする電子ロックシステム。
【請求項30】
請求項29に記載の電子ロックシステムであって、前記電子ロックが、前記電力信号生成器から電力信号を受け取るために配置され、前記電力信号を貯蔵される電気エネルギーに変換するように構成されたエネルギー貯蔵装置をさらに含むことを特徴とする電子ロックシステム。
【請求項31】
請求項30に記載の電子ロックシステムであって、前記エネルギー貯蔵装置がキャパシタを備え、前記電力信号が電磁放射物からなるパルス生成物を有することを特徴とする電子ロックシステム。
【請求項32】
請求項30に記載の電子ロックシステムであって、前記エネルギー貯蔵装置が、前記アクセス証明書を検出する前記アクセス装置に応答して、前記電子ロックをアクティブにするために配置されることにより、前記電子ロックが動作可能になることを特徴とする電子ロックシステム。
【請求項33】
請求項28に記載の電子ロックシステムであって、前記ドアが複合ユニット型建物の単一ユニットについてのドアと関連し、前記ロックが前記ドアの外部の要素と無線で通信するために配置されていることを特徴とする電子ロックシステム。
【請求項34】
請求項33に記載の電子ロックシステムであって、ドアの外部の前記要素が、前記ドアに隣接して配置された装置、前記単一ユニット内に配置された装置、およびネットワークのうち少なくとも1つを有することを特徴とする電子ロックシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2008−533340(P2008−533340A)
【公表日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−501883(P2008−501883)
【出願日】平成18年2月7日(2006.2.7)
【国際出願番号】PCT/US2006/004650
【国際公開番号】WO2006/101614
【国際公開日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【出願人】(507311289)インコム インターナショナル インク (2)
【Fターム(参考)】