説明

省資源ポイント管理装置

【課題】利用者全てに対して還元することのできる省資源ポイント管理装置を提供すること。
【解決手段】利用者を識別する識別情報と、利用者が購入した商品とその購入金額を含む利用情報および利用者が省資源に貢献した資源利用の内容とその利用金額を含む省資源情報の少なくとも1つと、利用情報および省資源情報に応じた利用ポイントと、を対応付けて記憶可能な第1の記憶部と、商品および資源利用の内容の少なくとも1つと、環境に与える負荷を示す環境負荷値と、を対応付けた環境負荷テーブルをあらかじめ記憶した第2の記憶部と、利用ポイントを生成し、識別情報、受け付けた利用情報または省資源情報、ならびに利用ポイントを、それぞれ対応付けて第1の記憶部に記憶する利用ポイント生成部と、受け付けた利用情報または省資源情報に対応する環境負荷値を生成する環境負荷演算部と、利用ポイントに加算する省資源ポイントを生成する省資源ポイント生成部と、省資源ポイントを加算して、利用ポイントを更新する還元演算部とを具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばスーパーマーケットなどの小売店における利用者の利用実績に応じて当該利用者にポイントを付与し、そのポイント数に応じて当該利用者への還元を実現するポイント管理技術に関する。
【背景技術】
【0002】
POS(Point of sale)システムの普及に伴い、小売店において利用者の利用実績に応じて利用者毎にポイントを付与し、そのポイント数に応じて割引や換金など利用者への還元策を講じる技術が広まっている。通常、この技術では、売上金額に一定割合を乗じてポイントを計算し、POSシステムを活用して利用者毎に集計・管理している。
【0003】
ところで、京都議定書を始めとする地球環境への取り組みとして、国家間においては、いわゆる排出量取引などの各種施策が進められており、消費者レベルにおいても、環境に配慮した商品を優先して購入する等の動きが見られる。特に、古新聞やペットボトルなどリサイクル可能な廃品を、地方自治体や小売店等において回収し、再び製造現場へ環流させる活動などは、広く普及してきている。
【0004】
こうした消費者レベルの環境への取り組みを踏まえて、環境意識を持った利用者層を獲得し、商店の環境貢献を社会にアピールし得るエコマネジメントシステムが提案されている(特許文献1参照)。特許文献1記載のエコマネジメントシステムでは、利用者にエコポイントカードを発行し、利用者が環境に配慮された商品を購入した場合に、利用者のポイントカードに記録されている現在累積ポイントに購入商品のポイント分を加算して更新させている。
【0005】
しかしながら、特許文献1記載のエコマネジメントシステムは、リサイクル商品、リサイクル率の高い商品、環境に配慮された商品の購入に応じてポイントを発行するものであるため、こうした商品の購入を優先する消費者に対してしか還元することはできなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2002−215751公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
このように、従来の省資源ポイント管理装置では、環境に配慮された商品に対する消費者に対してしか有効ではないという問題がある。本発明はかかる課題を解決するためになされたもので、利用者全てに対して還元することのできる省資源ポイント管理装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記した目的を達成するために、本発明の一つの態様に係る省資源ポイント管理装置は、利用者を識別する識別情報と、前記識別情報に対応する前記利用者が購入した商品とその購入金額を含む利用情報および前記識別情報に対応する前記利用者が省資源に貢献した資源利用の内容とその利用金額を含む省資源情報の少なくとも1つと、前記利用情報および前記省資源情報に応じて前記識別情報に対応する前記利用者へ還元する便益の程度を示す利用ポイントと、を対応付けて記憶可能な第1の記憶部と、前記利用情報の商品および前記省資源情報の資源利用の内容の少なくとも1つと、前記商品および前記資源利用の内容が環境に与える負荷を示す環境負荷値と、を対応付けた環境負荷テーブルをあらかじめ記憶した第2の記憶部と、前記識別情報を記憶したIDカードから前記識別情報を読み出すカードインタフェースと、前記カードインタフェースが読み出した識別情報に対応する利用情報および省資源情報の少なくとも1つの入力を受け付ける入力部と、前記入力部が受け付けた利用情報または省資源情報に基づいて前記利用ポイントを生成し、前記識別情報、前記入力部が受け付けた利用情報または省資源情報、ならびに前記利用ポイントを、それぞれ対応付けて前記第1の記憶部に記憶する利用ポイント生成部と、前記入力部が受け付けた利用情報または省資源情報と、前記第2の記憶部に記憶された前記環境負荷テーブルと、に基づいて、前記入力部が受け付けた利用情報または省資源情報に対応する環境負荷値を生成する環境負荷演算部と、前記環境負荷演算部が生成した環境負荷値が所定の基準値よりも小さい場合に、両者の差分値の大きさに応じて、前記利用ポイント生成部が生成した利用ポイントに加算する省資源ポイントを生成する省資源ポイント生成部と、前記第1の記憶部に記憶された利用ポイントに、前記省資源ポイント生成部が生成した前記省資源ポイントを加算して、前記利用ポイントを更新する還元演算部とを具備している。
【発明の効果】
【0009】
本発明の省資源ポイント管理装置によれば、利用者全てに対して還元することのできる省資源ポイント管理装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施形態に係る省資源ポイント管理システムの概念図である。
【図2】本発明の実施形態に係る省資源ポイント管理装置のブロック図である。
【図3】この実施形態の省資源ポイント管理システムにおける利用者情報の例を示す図である。
【図4】この実施形態の省資源ポイント管理システムにおける利用情報の例を示す図である。
【図5】この実施形態の省資源ポイント管理システムにおける省資源情報の例を示す図である。
【図6】この実施形態の省資源ポイント管理システムにおける環境負荷情報の例を示す図である。
【図7】この実施形態の省資源ポイント管理システムにおける省資源ポイント情報の例を示す図である。
【図8】この実施形態の省資源ポイント管理システムにおける相場テーブルの例を示す図である。
【図9】この実施形態の省資源ポイント管理システムにおける環境負荷テーブルの例を示す図である。
【図10】この実施形態の省資源ポイント管理システムにおける環境負荷テーブルの例を示す図である。
【図11】この実施形態の省資源ポイント管理システムにおけるポイント変換テーブルの例を示す図である。
【図12】この実施形態の省資源ポイント管理システムにおける帳票印字の例を示す図である。
【図13】図2に示す省資源ポイント管理装置の動作を示すフローチャートである。
【図14】本発明の他の実施形態に係る省資源ポイント管理装置のブロック図である。
【図15】図14に示す省資源ポイント管理装置の動作を示すフローチャートである。
【図16】図2および図14に示す省資源ポイント管理装置の他の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の実施形態に係る省資源ポイント管理装置は、商品や資源の再利用と環境負荷の度合を関連づけ、小売店で販売対象となる商品やリサイクル行為全てに対して環境に与える負担の度合を示す指標、例えば環境負荷値(例えばCFP:Carbon Foot Print)や環境配慮値を与えている。そして、これらの指標に基づいて省資源の度合をポイント化し、利用者への還元を可能にしている。
【0012】
(第1の実施形態)
以下、図面を参照して、本発明の実施形態に係る省資源ポイント管理システム、省資源ポイント管理装置について詳細に説明する。図1は、本発明の1つの実施形態に係る省資源ポイント管理システムの構成を示す概念図、図2は、同じく省資源ポイント管理装置の構成を示すブロック図である。
【0013】
図1に示すように、この実施形態の省資源ポイント管理システムは、省資源ポイント管理装置1と、ネットワーク3を介して省資源ポイント管理装置1と接続されたサーバ装置4とを備えている。省資源ポイント管理装置1は、ネットワーク3を介して利用者のクライアント5とも接続可能に構成されている。
【0014】
省資源ポイント管理装置1は、例えば、利用者(消費者)の商品購入に応じて店員が操作するPOSシステム上のレジスター装置1aや、利用者自らが直接操作する無人端末装置1bなどの形態を有しており、小売店等に設置される。そして、省資源ポイント管理装置1は、当該小売店等における利用者の商品購入や利用者によるリサイクル品提供等に応じて、利用者に還元する便益の程度を示す利用ポイントや、利用者の行動が環境に与える負荷の度合を示す環境負荷値や環境配慮値、環境負荷値の小ささ(環境への貢献度合の大きさ)に応じて利用ポイントに変換可能な省資源ポイントなどを生成し、利用者毎に記憶・管理する。省資源ポイント装置1は、利用者に対してあらかじめ発行されたIDカード2から利用者を識別する識別情報を読み取るカードインタフェースと、利用者が購入した商品や利用者が提供したリサイクル品などの情報を入力する入力インタフェースとを備えている。
【0015】
IDカード2は、例えば、ICチップなどを内蔵したカードであり、所有する利用者の識別情報などが記憶されている。
【0016】
ネットワーク3は、異なる店舗等に設置された省資源ポイント管理装置1それぞれを結ぶ通信回線である。ネットワーク3は、例えばインターネットのように第三者がアクセス可能な回線により実現することが望ましい。
【0017】
サーバ装置4は、省資源ポイント管理装置1が利用ポイント、環境負荷値、省資源ポイントを生成する際に利用する情報を記憶するとともに、省資源ポイント管理装置1に配信する機能を有している。サーバ装置4は、例えばサーバコンピュータ4aと、サーバコンピュータ4aと協働するデータベース4bなどを備えており、ネットワーク3と接続されている。
【0018】
続いて、図2ないし図12を参照して省資源ポイント管理装置1の例として、レジスター装置1aの構成を説明する。
【0019】
図2に示すように、この実施形態のレジスター装置1aは、カードインタフェース11、ネットワークインタフェース12、演算部13、入力部14、出力部15、利用者情報記憶部16、環境負荷情報記憶部17、テーブル記憶部18を備えており、例えばコンピュータなどにより実現される。また、この実施形態のIDカード2は、メモリ20と、カードインタフェース21とを備えている。
【0020】
カードインタフェース11は、例えば、非接触型ICカードと情報を交換する無線インタフェースや、接触型ICカードと直接情報を交換する接続端子であり、IDカード2から情報を読み出す。ネットワークインタフェース12は、例えば、イーサネット(登録商標)などのネットワークカードなどであり、ネットワーク3を介してサーバ装置4やクライアント5と通信する。
【0021】
演算部13は、例えばCPUなどであり、このレジスター装置1aの機能を実現する。演算部13は、利用ポイント管理部31、利用ポイント決済部32、環境負荷演算部33、省資源ポイント管理部34、省資源ポイント交換部35、ネットワーク通信管理部36、シミュレーション演算部37などの機能構成を有している。入力部14は、例えばキーボードなどの入力装置であり、利用者の購入した商品や金額、さらには利用者が提供したリサイクル品の種類などを受付可能に構成されている。出力部15は、例えば印字プリンタであり、レシートなどの帳票を印刷する。なお、出力部15として、液晶ディスプレイのような表示部を備えるものであってもよい。
【0022】
利用者情報記憶部16は、例えばハードディスクドライブなどの記憶装置により実現され、利用者情報61、利用情報62、利用ポイント情報63、および省資源情報64を記憶可能に構成されている。
【0023】
図3に示すのは、利用者情報61の一例である。図3に示すように、この実施形態における利用者情報61は、例えば、識別情報61a、氏名61bおよび住所61cなどの個人情報を含んでおり、利用者情報記憶部16に記憶される。これらの情報のうち、識別情報61aは、他の情報と共通に用いられ、データベースの検索キーとしての役割を持っている。
【0024】
図4に示すのは、利用情報62および利用ポイント情報63の一例である。図4に示すように、この実施形態における利用情報62は、例えば、利用者が商品の購入等を行った利用日62a、利用者が購入した商品の内容を示す利用内容62b、および利用者が購入した商品の金額を示す金額62cなどの利用履歴を含む情報であり、識別情報61aと対応付けられて利用者情報記憶部16に記憶される。図4に示す例では、識別情報61aが「101」の利用者が、利用日2009年10月2日に、600円のリンゴ、100円のガム、150円の消しゴム、600円のゴミ袋を購入したことが示されており、同じく識別情報61aが「102」の利用者が、利用日2009年10月3日に、150円の牛乳を購入したことが示されている。
【0025】
また、図4に示すように、利用ポイント情報63は、利用者が購入した商品の金額62cに応じて算出される数値情報であり、利用者に還元される便益の程度(いわゆる利用ポイント)を示している。利用ポイント情報63も、識別情報61aと対応付けられて利用者情報記憶部16に記憶される。図4に示す例では、識別情報61aが「101」の利用者によるリンゴ、ガム、消しゴム、ゴミ袋の購入に対する利用ポイントとして、それぞれ6、1、1、6が与えられたことが示されている。同様に、識別情報61aが「102」の利用者による牛乳の購入に対する利用ポイントとして、1が与えられたことが示されている。
【0026】
図5に示すのは、省資源情報64の一例である。図5に示すように、この実施形態における省資源情報64は、例えば、利用者が利用した利用日64a、利用者が選択した省資源に寄与しうる資源エネルギーの内容や利用者が提供したリサイクル品の内容を示す利用内容64b、利用内容64bに対応する利用料金64c、利用内容64bに対応する単位64d、および利用内容64bに対応する使用量64eなどを含む情報であり、識別情報61aと対応付けられて利用者情報記憶部16に記憶される。すなわち、省資源情報64は、利用者がとった環境への負担を軽減する行動を示すものである。図5に示す例では、識別情報61aが「101」の利用者が、利用日2009年10月5日に、電気料金3500円、ガス料金4500円を支払ったことが示されている。これは、利用者「101」が、資源エネルギーとして使用量200kWh・3500円分の電力と、使用量30m・4500円分のガスを選択して利用したことを意味している。同様に、図5では、識別情報61aが「102」の利用者が、利用日2009年10月3日に、紙パック5枚およびペットボトル7本をリサイクルとして提供し、それぞれ5円分、7円分のキャッシュバックが行われたことを示している。この例では、リサイクル品の提供に対して直接キャッシュバックを行っているが、利用ポイント情報63として利用者に還元してもよい。
【0027】
環境負荷情報記憶部17は、例えばハードディスクドライブなどの記憶装置により実現され、環境負荷情報71、環境配慮情報72、省資源ポイント情報73、および排出権情報74を記憶可能に構成されている。
【0028】
図6に示すのは、環境負荷情報71または環境配慮情報72の一例である。図6に示すように、この実施形態における環境負荷情報71または環境配慮情報72は、例えば、利用者の商品購入や選択した資源エネルギーの利用、リサイクル品の提供などにより、環境に与えた負荷または環境負荷の軽減の度合を示す負荷指数71aまたは72a、および、この負荷指数71aまたは72aを算出した算出日71bまたは72bなどを含んでおり、識別情報61aと対応付けられて環境負荷情報記憶部17に記憶される。環境負荷情報71は、利用者が商品購入を通じて総合的に環境に与えた負荷を指標化した情報であり、環境配慮情報72は、利用者が資源エネルギーの選択、リサイクル品の提供などを通じて環境負荷への軽減を図った程度を指標化した情報であり、いずれも負荷指数として表される。図6に示す例では、識別情報61aが「101」の利用者の商品購入などを通じて環境に与えた負荷指数が120、同じく識別情報61aが「102」の利用者の商品購入などを通じて環境に与えた負荷指数が100であることを示している。環境負荷情報71および環境配慮情報72は、一方は環境への負荷、他方は環境負荷の軽減を表すから、互いに相殺可能な指標である。
【0029】
図7に示すのは、省資源ポイント情報73および排出権情報74の一例である。この実施形態における省資源ポイント情報73は、利用者毎の環境負荷情報71や環境配慮情報72に応じて利用者に還元される便益の程度を示しており、図7に示すように識別情報61aと対応付けられて環境負荷情報記憶部17に記憶される。省資源ポイント情報73は、利用者の利用ポイントへ加算したり、小売店等が買い取ったりする形で、利用者に還元することのできる情報であり、利用者が地球環境に貢献した度合(省エネルギーの度合)を示している。また、この実施形態における排出権情報74は、省資源ポイント情報73が一定数に達した場合に利用者が獲得する取引可能な排出権の内容や量を示す情報であり、識別情報61aと対応付けられて環境負荷情報記憶部17に記憶される。
【0030】
変換テーブル記憶部18は、例えばハードディスクドライブなどの記憶装置により実現され、相場テーブル81、環境負荷テーブル82、ポイント変換テーブル83などがあらかじめ記憶されている。
【0031】
図8に示すのは、相場テーブル81の一例である。図8に示すように、この実施形態における相場テーブル81は、例えば、利用者が購入する商品の素材81a、単位81b、単位あたりの単価81c、単価が更新された更新日81dなどを含む情報であり、商品等の原材料と相場金額とを対比したテーブルを構成し、変換テーブル記憶部18にあらかじめ記憶されている。相場テーブル81は、利用者が購入した商品などの利用情報62に基づき、環境負荷情報71を生成するために用いる。
【0032】
図9に示すのは、環境負荷テーブル82の一例である。図9に示すように、この実施形態における環境負荷テーブル82は、利用者が購入する商品の属性や産業分野82a、当該属性や産業分野に係る商品が環境に与える負荷を指標化した係数82bなどを含む情報であり、変換テーブル記憶部18にあらかじめ記憶されている。図9に示す環境負荷テーブルは、利用者が購入した商品の環境負荷値を求めるために用いられる。また、図10に示すのは、環境負荷テーブル82の他の例である。図10に示すように、この実施形態における環境負荷テーブル82は、利用者が選択する資源と関連した種別82cおよび利用者の選択する環境82d、利用者が当該環境を選択した場合に地球環境に与える負荷を指標化した係数82bなどを含む情報を用いて、変換テーブル記憶部18にあらかじめ記憶してもよい。図10に示す環境負荷テーブルは、利用者が選択した資源エネルギーや置かれた環境などの環境負荷値を求めるために用いられる。すなわち、環境負荷テーブル82は、利用者が購入した商品の種類や選択したエネルギーと環境負荷の程度とを対比するものである。
【0033】
図11に示すのは、ポイント変換テーブル83の一例である。図11に示すように、この実施形態におけるポイント変換テーブル83は、利用者が提供したリサイクル品を示す利用内容83a、小売店等が定めた重み付けの程度を示す係数83bなどを含む情報であり、あらかじめ変換テーブル記憶部18にあらかじめ記憶されている。ポイント変換テーブル83は、小売店などが、特に優遇したいリサイクル品について省資源ポイントを増減させることを可能にするものである。
【0034】
続いて、図2ないし図11を参照して、演算部13の各機能構成を詳細に説明する。
【0035】
利用ポイント管理部31は、利用ポイント情報63の生成と管理を行う。すなわち、利用ポイント管理部31は、カードインタフェース11を介してIDカード2の識別情報61aを読出し、利用者情報記憶部16に記憶された利用者情報61や入力部14を介して入力される利用情報62などに基づいて利用ポイント情報63を生成し、利用者情報記憶部16に記憶させる機能を有する。
【0036】
利用ポイント決済部32は、利用ポイント情報63の利用者への還元、すなわち、利用ポイントによる決済を行う。利用ポイント決済部32は、利用者情報記憶部16から利用ポイント情報63を読み出し、読み出した利用ポイント情報63の利用ポイントから入力部14が受け付けた利用情報62の金額に相当するポイントを減算して利用者情報記憶部16に書き戻す。利用ポイント決済部32は、いわゆる電子マネーの決済機能と同様の機能を実現する。
【0037】
環境負荷演算部33は、入力部14が受け付けた利用情報62や省資源情報64に基づいて、利用者が環境に与える負荷を示す環境負荷値や利用者が環境負荷の軽減を図った程度を示す環境配慮値を生成する。環境負荷演算部33は、入力部14が受け付けた利用情報62または省資源情報64と、変換テーブル記憶部18にあらかじめ記憶された相場テーブル81や環境負荷テーブル82とに基づいて、環境負荷情報71や環境配慮情報72を生成して環境負荷情報記憶部17に記憶させる機能を有する。
【0038】
省資源ポイント管理部34は、省資源ポイント情報72の生成と管理を行う。すなわち、省資源ポイント管理部34は、環境負荷演算部33が生成した環境負荷値や環境配慮値に基づいて、利用者への還元対象となる省資源ポイントを生成し、環境負荷情報記憶部17に記憶させる機能を有する。
【0039】
省資源ポイント交換部35は、変換テーブル記憶部18にあらかじめ記憶されたポイント変換テーブル83に基づいて、省資源ポイント情報72や排出権情報73を変換して環境負荷情報記憶部17に記憶させる機能を有する。
【0040】
ネットワーク通信管理部36は、ネットワークインタフェース12を介してサーバ装置やクライアント装置5との通信を実現する。すなわち、ネットワーク通信管理部36は、サーバ装置4との間で、変換テーブル記憶部18に記憶されたテーブルの更新を行ったり、クライアント装置5に対して利用者情報61その他の情報を提供したりする機能を有する。具体的には、ネットワーク通信管理部36は、ファイルサーバ機能やWebサーバ機能などにより実現される。
【0041】
シミュレーション演算部37は、ネットワークインタフェース12を介してクライアント装置5から受けた要求に基づき、利用者の環境負荷情報や省資源ポイント情報などを、他の利用者と比較したデータを生成して、クライアント装置5に提供する。すなわち、シミュレーション演算部37は、利用者情報記憶部16や環境負荷情報記憶部17にアクセスして、特定の利用者についての環境負荷情報や省資源ポイント情報などを、他の利用者についてのそれらの情報との関係での偏差値データや、平均値データなどを算出する機能を有する。
【0042】
利用ポイント管理部31、利用ポイント決済部32、環境負荷演算部33、省資源ポイント管理部34、省資源ポイント交換部35、ネットワーク通信管理部36、シミュレーション演算部37などの機能構成は、バス10により、カードインタフェース11、ネットワークインタフェース12、入力部14および出力部15と接続されている。
【0043】
続いて、図2ないし図13を参照して、この実施形態のレジスター装置1aの動作を詳細に説明する。図2において、変換テーブル記憶部18には、相場テーブル81、環境負荷テーブル82、ポイント変換テーブル83などがあらかじめ記憶されている。
【0044】
利用者がIDカード2をカードインタフェース11にかざすと、IDカード2のカードインタフェース21およびレジスター装置1aのカードインタフェース11が通信を行い、利用ポイント管理部31は、IDカード2のメモリ20に記憶された識別情報61aを読み出す(図13のステップ100。以下「S100」のように称する。)。
【0045】
利用ポイント管理部31は、読み出した識別情報61aを検索キーとして、利用情報記憶部16から利用者情報61を読出して図示しない作業メモリ上に展開し(S102)、入力部14に受付待機を指示する。例えば、カードインタフェース11を介して識別情報「101」が読み出されたとすると、利用ポイント管理部31は、識別情報「101」をキーとして、氏名61bおよび住所61cを利用者情報記憶部16から読み出してメモリ上に展開し、利用情報62や省資源情報64の受付待機を入力部14に指示する。
【0046】
利用者情報61が図示しない作業メモリ上に展開されると、入力部14は、利用情報62や省資源情報64などの受付待機状態となる(S104)。なお、入力部14がキーボードである場合、入力部14は入力信号の受付の待機状態となり、入力部14がバーコード入力機である場合、入力部14は利用情報62を示す信号の検出待機状態となる。
【0047】
店舗の店員などレジスター装置1aの操作者が入力部14を通じて利用者の購入品に関する情報を入力すると、入力部14は、利用情報62、例えば利用内容62bおよび金額62cを受け付け(S106のYes)、利用ポイント管理部31は、入力部14が受け付けた利用情報62を、識別情報61aと対応付けて利用情報記憶部16に記憶させる(S108)。図4に示す例では、識別情報「101」について、2009年10月2日にリンゴを600円分、ガムを100円分、消しゴムを150円分、ゴミ袋を600円分利用したことが受け付けられ、それぞれが利用情報記憶部16に記憶される。
【0048】
入力部14が受け付けた利用情報62が利用情報記憶部16に記憶されると、利用ポイント管理部31は、利用情報記憶部16に記憶した利用情報62の金額62cから、利用ポイント情報63として利用ポイントを生成する(S110)。利用ポイントは、例えば利用情報62の金額62c(入力部14が受け付けた利用者が購入した商品等の金額)に所定の割合を乗じることにより求められる。利用ポイントを生成すると、利用ポイント管理部13は、生成した利用ポイントを利用情報記憶部16に記憶させる。利用ポイントは、利用情報62と同様、識別情報61aと対応付けられて利用情報記憶部16に記憶される。図4に示す例では、利用ポイント管理部31は、金額62cの1%を利用ポイントとして計算し、リンゴ、ガム、消しゴムおよびゴミ袋についての利用ポイントが、それぞれ6,1,1および6として生成された様子が示されている。
【0049】
利用ポイントが生成されると、環境負荷演算部33は、利用情報記憶部16が記憶した利用情報62の利用内容62b、同じく金額62c、変換テーブル記憶部18に記憶された相場テーブル81および環境負荷テーブル82に基づいて、当該利用内容62bに対応する環境負荷値(環境負荷情報71)を算出する(S112)。環境負荷値は、例えば利用内容62bと合致する係数を環境負荷テーブル82から抽出して金額62cの額に応じた数値を生成し、相場テーブル81により補正する等の処理により生成される。環境負荷演算部33は、算出した環境負荷値を、識別情報61aおよび利用内容62bと対応付けて環境負荷情報記憶部17に記憶する。図6に示す例では、識別情報61aが「101」の利用者について、2009年10月2日現在で環境負荷値が120であることを示している。
【0050】
レジスター装置1aの操作者が利用者の購入品ではなく(S106のNo)、利用者が選択した資源エネルギーの内容に関する情報を入力すると、入力部14は、省資源情報64、例えば利用内容64b、使用量64eおよび金額64cを受け付け(S114のYes)、利用ポイント管理部31は、入力部14が受け付けた省資源情報64(ここでは選択した資源エネルギーの内容と使用量)を、識別情報61aと対応付けて、利用情報記憶部16に記憶させる(S116)。図5に示す例では、識別情報「101」について、2009年10月5日に電気料金について使用量200kWh・3500円分、ガス料金について使用量30m・4500円分を選択したことが受け付けられ、それぞれが利用情報記憶部16に記憶される。
【0051】
レジスター装置1aの操作者が利用者の購入品ではなく(S106のNo)、利用者が持参したリサイクル品の内容に関する情報を入力した場合(S114のNo)も同様であり、入力部14は、省資源情報64を受け付け、利用ポイント管理部31は、入力部14が受け付けた省資源情報64(ここでは受け付けたリサイクル品の内容と量)を、識別情報61aと対応付けて、利用情報記憶部16に記憶させる(S118)。図5に示す例では、識別情報「102」について、2009年10月3日に5円相当の紙パック返却および7円相当のペットボトル返却が受け付けられ、それぞれが利用情報記憶部16に記憶される。
【0052】
省資源情報64が生成されると、環境負荷演算部33は、省資源情報64の利用内容64b、同じく使用量64eや金額64c、変換テーブル記憶部18に記憶された相場テーブル81および環境負荷テーブル82に基づいて、当該利用内容64bに対応する環境配慮値(環境配慮情報72)を算出する(S120)。環境負荷値が利用者の環境に与えた負荷に対応する指標であるのに対し、環境配慮値は、利用者が環境への負荷を軽減した行為に対応する指標である。例えば、利用者が選択した資源エネルギーの種類やリサイクル品の内容により、利用者が環境への負荷を軽くした指標として、環境配慮値が生成される。環境配慮情報72は、環境負荷情報71と同様に、例えば利用内容64bと合致する係数を環境負荷テーブル82から抽出して使用量64eや金額64cの額に応じた数値を生成し、相場テーブル81により補正する等の処理により生成される。環境負荷演算部33は、算出した環境配慮値を、識別情報61aおよび利用内容64bと対応付けて環境負荷情報記憶部17に記憶する。
【0053】
環境負荷情報71や環境配慮情報72が生成されると、省資源ポイント管理部34は、環境負荷情報71や環境配慮情報72に基づいて、省資源ポイント(省資源ポイント情報73)を生成する(S122)。省資源ポイントは、環境負荷軽減への貢献を示すポイントであるから、環境負荷情報71や環境配慮情報72の増減とは反比例する関係にある。そのため、省資源ポイント管理部34は、環境負荷情報71や環境配慮情報72の逆数演算等によって省資源ポイントを生成する。省資源ポイント管理部34は、生成した省資源ポイントを環境負荷情報記憶部17に記憶させる。
【0054】
入力部14は、引き続き利用情報や省資源情報の受付待機状態にある(S124)。レジスター装置1aの操作者が引き続き入力操作を行うと(S124のNo)、利用情報や省資源情報の受付を続行する(S104)。
【0055】
操作者が入力部14に入力終了を指示すると、利用ポイント管理部31および省資源ポイント管理部34は、生成した各種データのうち未保存のものを利用者情報記憶部16や環境負荷情報記憶部17へ記憶させる(S126)。
【0056】
また、利用ポイント決済部32は、得られた利用ポイントや省資源ポイントを利用情報などとともに出力部15を介して印字処理をする(S128)。図12に示すのは、この実施形態に係るレジスター装置1aの印字例である。図12に示す例では、利用ポイント決済部32は、利用内容62b、金額62c、環境負荷の係数82b(CFP:Carbon Foot Print)、環境負荷情報71または環境配慮情報72、利用ポイント情報63、および省資源ポイント情報73を印字している。図12に示すように、環境負荷情報71や環境配慮情報72は、「省資源度」としてレベル分けして表示すると視認性に優れ好適である。
【0057】
このように、この実施形態のレジスター装置1aによれば、利用者が購入した商品の情報(利用情報)に基づいて、利用者に還元される利用ポイントに加えて利用者が環境に貢献した省資源ポイントが生成されるので、利用者の環境への貢献を喚起させることができる。また、この実施形態のレジスター装置1aでは、利用者が購入する商品の属性や産業分野、当該属性や産業分野に係る商品が環境に与える負荷を指標化したテーブルを備えたので、利用者の購入した商品や選択した資源エネルギー、リサイクル品など物品個々の素性に基づいた環境負荷の程度を示す情報を得ることができる。
【0058】
(第2の実施形態)
続いて、図14を参照して、省資源ポイント管理装置1の他の例として、無人端末装置1bの構成を説明する。図14に示す無人端末装置1bは、図2に示すレジスター装置1aの構成(特に演算部13a)を簡略化し、入力部14および出力部15に代えてリサイクル品収容容器14aおよび識別センサ14bを備えた点のみが相違する。そこで、図2に示すレジスター装置1aと共通する構成には共通の符号を付して示し、重複する説明を省略する。
【0059】
図14に示すように、この例の無人端末装置1bは、利用ポイント管理部31、環境負荷演算部33、省資源ポイント管理部34、省資源ポイント交換部35、ネットワーク通信管理部36、およびシミュレーション演算部37などの機能構成を有した演算部13aと、利用者が持参したリサイクル品を収容するリサイクル品収容容器14aと、リサイクル品収容容器14aに投入されたリサイクル品の内容を識別する識別センサ14bとを備えている。レジスター装置1aと同様に、この無人端末装置1bは、利用者情報記憶部16、環境負荷情報記憶部17、および変換テーブル記憶部18を備えている。
【0060】
リサイクル品収容容器14aは、紙パック、ペットボトル、空き缶、古新聞紙、古雑誌その他のリサイクル品を個別に収容する。すなわちリサイクル品収容容器14aは、リサイクル品を種類毎に分別して収容可能に構成される。識別センサ14bは、リサイクル品収容容器14aに配設され、利用者がリサイクル品収容容器14aに投入したリサイクル品それぞれの量(例えば紙パックであれば枚数、ペットボトルや空き缶であれば本数、古新聞紙や古雑誌などであれば重さ)と収容内容とを検出する。すなわち図14に示す無人端末装置1bは、店舗などに設置され利用者が持参したリサイクル品を利用者自ら預け入れることが可能な省資源ポイント管理装置である。
【0061】
次に、図14および図15を参照して、この実施形態の無人端末装置1bの動作を詳細に説明する。
【0062】
利用者がIDカード2をカードインタフェース11にかざすと、IDカード2のカードインタフェース21および無人端末装置1bのカードインタフェース11が通信を行い、利用ポイント管理部31は、IDカード2のメモリ20に記憶された識別情報61aを読み出す(S200)。
【0063】
利用ポイント管理部31は、読み出した識別情報61aを検索キーとして、利用情報記憶部16から利用者情報61を読出して図示しない作業メモリ上に展開し(S202)、識別センサ14bに受付待機を指示する。利用者情報61が作業メモリ上に展開されると、識別センサ14bは、リサイクル品収容容器14aへ投入されるリサイクル品の受付待機状態となる。
【0064】
利用者が無人端末装置1bのリサイクル品収容容器14aにリサイクル品を投入すると(S204)、識別センサ14bは、投入されたリサイクル品の種類および量を検出し(S206)、省資源情報64としてのリサイクル情報を生成する(S208)。生成された省資源情報64(リサイクル情報)は、図5に示すように、識別情報61aと対応付けられて利用情報記憶部16に記憶される。
【0065】
省資源情報64が生成されると、環境負荷演算部33は、省資源情報64の利用内容64b、同じく使用量64eや金額64c、変換テーブル記憶部18に記憶された相場テーブル81および環境負荷テーブル82に基づいて、当該利用内容64bに対応する環境配慮値(環境配慮情報72)を算出する(S210)。環境配慮値の生成は、前述した通り、例えば利用内容64bと合致する係数を環境負荷テーブル82から抽出して使用量64eや金額64cの額に応じた数値を生成し、相場テーブル81により補正する等の処理により生成される。環境負荷演算部33は、算出した環境配慮値を、識別情報61aおよび利用内容64bと対応付けて環境負荷情報記憶部17に記憶する。
【0066】
環境配慮情報72が生成されると、省資源ポイント管理部34は、環境負荷情報71や環境配慮情報72に基づいて、省資源ポイント(省資源ポイント情報73)を生成する(S212)。省資源ポイント管理部34は、前述した通り、環境配慮情報72の逆数演算等によって省資源ポイントを生成する。省資源ポイント管理部34は、生成した省資源ポイントを環境負荷情報記憶部17に記憶させる。
【0067】
識別センサ14bは、引き続き利用者によるリサイクル品の受付待機状態にある(S214)。利用者が引き続きリサイクル品をリサイクル品収容容器14aに投入すると(S214のNo)、識別センサ14bは、リサイクル品の種類および量の検出を続行する(S204)。
【0068】
識別センサ14bは、所定の時間何も検出されないと、リサイクル品の投入が終わったものと判定して検出動作を停止する(S214のYes)。識別センサ14bが検出動作を停止すると、利用ポイント管理部31および省資源ポイント管理部34は、生成した各種データのうち未保存のものを利用者情報記憶部16や環境負荷情報記憶部17へ記憶させる(S216)。なお、キーボードなどの入力インタフェースを設けて、利用者が明示的に投入終了を指示し、識別センサ14bが当該利用者の指示に基づいて検出動作を停止してもよい。
【0069】
また、省資源ポイント管理部34は、省資源ポイントをリサイクル品の内容や量などとともに出力部15を介して印字処理をする(S218)。
【0070】
このように、この実施形態の無人端末装置1bによれば、利用者が投入したリサイクル品の種類および量を検出する識別センサを備えるので、簡易に省資源ポイントを生成することができ、利用者のリサイクル活動への貢献を促すことができる。また、この実施形態の無人端末装置1bにおいても、利用者が購入する商品の属性や産業分野、当該属性や産業分野に係る商品が環境に与える負荷を指標化したテーブルを備えたので、利用者の購入した商品や選択した資源エネルギー、リサイクル品など物品個々の素性に基づいた環境負荷の程度を示す情報を得ることができる。
【0071】
(第3の実施形態)
次に、図16を参照して、図2に示すレジスター装置1aや図14に示す無人端末装置1bの情報提供機能を発揮する動作について説明する。
【0072】
レジスター装置1aおよび無人端末装置1bは、利用者の環境負荷情報71、環境配慮情報72、省資源ポイント情報73を生成するが、これらの情報は、省資源ポイント交換部35により適当なタイミングで利用ポイントとして利用者に還元される。この機能は、利用者の環境に配慮した消費行動を促すものであるが、併せて、利用者の将来の消費行動やライフスタイルの設計にも有益な情報をもたらす可能性を持っている。そこで、この実施形態のレジスター装置1aおよび無人端末装置1bは、利用者の環境負荷情報71、環境配慮情報72、省資源ポイント情報73を生成・管理するだけでなく、これらの情報と他の利用者の情報とを組み合わせて、利用者個々のライフスタイル設計に有用な情報を提供する。
【0073】
利用者が自己のクライアント装置5を操作して自己の識別情報61aを発信すると、ネットワークインタフェース12は、クライアント装置5との接続を確立する。接続が確立すると、ネットワーク通信管理部36は、ネットワーク3を介して送られた利用者の当該識別情報61aを受信する(S300)。
【0074】
利用ポイント管理部31は、受信した識別情報61aを検索キーとして、利用者情報記憶部16から利用者情報61を読出して図示しない作業メモリ上に展開する(S302)。
【0075】
識別情報61aを用いた検索の結果、利用情報記憶部16に利用者の利用者情報61が見つからなかった場合(S304のNo)、ネットワーク通信管理部36は、利用者情報の送信要求をクライアント装置5に発する(S306)。ネットワーク通信管理部36は、送信要求に応じてクライアント装置5から送られる利用者情報61を受信して利用ポイント管理部31に送り(S308)、利用ポイント管理部31は、受け取った利用者情報61を利用者情報記憶部16に記憶させる。
【0076】
利用者情報61がメモリ上に展開されると、ネットワーク通信管理部36は、利用者に環境情報の送信を要求する(S310)。環境情報は、例えば、図10に示す環境82dのように、利用者の居住環境、自家用車所有の有無、通勤通学手段、家電製品の利用状況、住居のエネルギー使用状況などから構成される、環境に影響を与えうる自己の生活環境に関する情報である。利用者が自己のクライアント装置5を用いて環境に影響を与えうる自己の生活環境に関する情報をネットワーク通信管理部36に送信すると(S312)、ネットワーク通信管理部36は、受け取った環境情報を省資源ポイント管理部34に送る。
【0077】
省資源ポイント管理部34は、環境情報を送信した利用者の識別情報61aを検索キーとして、当該利用者の環境負荷情報71、環境配慮情報72および省資源ポイント情報73を環境負荷情報記憶部17から読み出す(S314)。
【0078】
環境負荷情報71、環境配慮情報72および省資源ポイント情報73が読み出されると、シミュレーション演算部37は、環境負荷情報記憶部17に記憶された全利用者の環境負荷情報71、環境配慮情報72および省資源ポイント情報73を読出し(S316)、全利用者の平均モデル値(平均モデル情報)を生成する(S318)。平均モデル値は、他の利用者の利用者情報61や環境情報などに基づいて生成してもよい。
【0079】
続いて、シミュレーション演算部37は、利用者の環境情報、当該利用者の省資源ポイント、全利用者の平均モデル値などに基づいて、全利用者における当該利用者の環境負荷の度合を示す省資源値を生成する(S320)。省資源値は、当該利用者の環境への配慮の度合が平均を上回る事項についての数値で表してもよいし、逆に平均を下回る事項についての数値で表してもよい。
【0080】
ネットワーク通信管理部36は、生成した省資源値を、ネットワークインタフェース12を介してクライアント装置5に送信し(S322)、シミュレーション演算部37は、生成した省資源値を当該利用者の識別情報61aと対応付けて環境負荷情報記憶部17に記憶させる(S324)。
【0081】
このように、この実施形態のレジスター装置1a、無人端末装置1bによれば、利用者が与える環境情報および当該利用者の普段の省資源ポイント情報などに基づいて、全利用者における省資源の度合を示す指標をシミュレートして提供することができる。
【0082】
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0083】
本発明は、電子機器製造業や販売業などにおいて利用することができる。
【符号の説明】
【0084】
1…省資源ポイント管理装置、2…IDカード、3…ネットワーク、4…サーバ装置、5…クライアント装置、10…バス、11…カードインタフェース、12…ネットワークインタフェース、13…演算部、14…入力部、15…出力部、16…利用者情報記憶部、17…環境負荷情報記憶部、18…変換テーブル記憶部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者を識別する識別情報と、前記識別情報に対応する前記利用者が購入した商品とその購入金額を含む利用情報および前記識別情報に対応する前記利用者が省資源に貢献した資源利用の内容とその利用金額を含む省資源情報の少なくとも1つと、前記利用情報および前記省資源情報に応じて前記識別情報に対応する前記利用者へ還元する便益の程度を示す利用ポイントと、を対応付けて記憶可能な第1の記憶部と、
前記利用情報の商品および前記省資源情報の資源利用の内容の少なくとも1つと、前記商品および前記資源利用の内容が環境に与える負荷を示す環境負荷値と、を対応付けた環境負荷テーブルをあらかじめ記憶した第2の記憶部と、
前記識別情報を記憶したIDカードから前記識別情報を読み出すカードインタフェースと、
前記カードインタフェースが読み出した識別情報に対応する利用情報および省資源情報の少なくとも1つの入力を受け付ける入力部と、
前記入力部が受け付けた利用情報または省資源情報に基づいて前記利用ポイントを生成し、前記識別情報、前記入力部が受け付けた利用情報または省資源情報、ならびに前記利用ポイントを、それぞれ対応付けて前記第1の記憶部に記憶する利用ポイント生成部と、
前記入力部が受け付けた利用情報または省資源情報と、前記第2の記憶部に記憶された前記環境負荷テーブルと、に基づいて、前記入力部が受け付けた利用情報または省資源情報に対応する環境負荷値を生成する環境負荷演算部と、
前記環境負荷演算部が生成した環境負荷値が所定の基準値よりも小さい場合に、両者の差分値の大きさに応じて、前記利用ポイント生成部が生成した利用ポイントに加算する省資源ポイントを生成する省資源ポイント生成部と、
前記第1の記憶部に記憶された利用ポイントに、前記省資源ポイント生成部が生成した前記省資源ポイントを加算して、前記利用ポイントを更新する還元演算部と
を具備することを特徴とする省資源ポイント管理装置。
【請求項2】
利用者が投入するリサイクル品を収容する容器と、
前記容器に投入されたリサイクル品を識別して前記省資源情報を生成するセンサ部と、
をさらに備え、
前記入力部は、前記カードインタフェース部が読み出した識別情報に対応し前記センサ部が生成した前記省資源情報を受け付けること
を特徴とする請求項2記載の省資源ポイント管理装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate


【公開番号】特開2011−118541(P2011−118541A)
【公開日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−273742(P2009−273742)
【出願日】平成21年12月1日(2009.12.1)
【出願人】(509330655)グリーン・アース・テクノロジー株式会社 (1)
【Fターム(参考)】