説明

真空断熱材

【課題】突刺し等によるピンホールに対する耐久性が高い外被材を用いた耐ピンホール性に優れた真空断熱材を提供する。
【解決手段】外被材6に用いるプラスチックフィルムとして、未延伸フィルムのみを用いる。未延伸フィルムは、引張破断伸度が大きいため、異物の突刺によって破断しにくい。また、引張破断伸度が小さい延伸フィルムが用いられていないため、延伸フィルムが破断する際に未延伸フィルムを同時に破断させてしまうことがない。従って、耐ピンホール性に優れた外被材6を得ることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、真空断熱材に係わり、詳しくは、突刺し等によるピンホールに対する耐久性が高い外被材に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、包装用のフィルムは、耐突刺性や防湿性を確保するために、ラミネートフィルムの構成に引張破断強度が大きい延伸フィルムが用いられてきた(例えば特許文献1参照)。
【0003】
図5は特許文献1に示されている電子部品包装用ラミネートフィルムの断面図を示すものである。
【0004】
図5に示すように、従来の包装用ラミネートフィルムは、延伸ナイロンフィルム1、蒸着フィルム2、ガスバリアー層3、ヒートシール層4から構成されている。延伸ナイロンフィルム1の強度が大きいため被包装物のエッジなどにより破損しにくかった。
【特許文献1】特開平9−193305号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来のラミネートフィルムは、鋭い異物の突刺力が加わると、異物との接点付近は伸度が大きくなり、延伸フィルムが破断してしまう。未延伸フィルムは延伸フィルムより引張破断伸度が大きいため、延伸フィルムが破断する伸度まで引き伸ばされても破断しない。
【0006】
しかし、ラミネートフィルム構成中に引張破断伸度が大きい未延伸フィルムが存在しても、延伸フィルムとラミネートされているため、延伸フィルムの破断に伴って未延伸フィルムが同時に破断してしまい、真空断熱材の外被材として使用した場合は、外被材の内側に存在する異物の突刺力により貫通ピンホールが生じえた。
【0007】
このような理由により、従来のラミネートフィルムは耐ピンホール性が高い真空断熱材用の外被材として適していないという課題があった。
【0008】
本発明は、耐ピンホール性に優れた真空断熱材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明は、真空断熱材の外被材となるプラスチックラミネートフィルムを構成するプラスチックフィルムを、未延伸プラスチックフィルムのみで構成するものである。
【0010】
異物が非常に鋭い場合を除いて、フィルムに対して異物による突刺力が働いた場合は、フィルムが引き伸ばされることにより破断する。
【0011】
一般に、ラミネートフィルムの構成中に、引張破断伸度の異なるフィルムが存在している場合は、引張破断伸度が最も小さいフィルムが破断すると、ラミネートされているフィルムを同時に破断させてしまう。また、同一フィルム内において、引張破断伸度に達した部分からクラックが生じてフィルムが破断する。従って、ラミネートフィルム全体を引張破断伸度が大きいフィルムで構成することによって、異物の突刺力による破断を防ぐことができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明は、耐ピンホール性に優れた包装用ラミネートフィルムを適用することにより耐ピンホール性に優れた真空断熱材を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
請求項1に記載の真空断熱材の発明は、芯材を、金属箔或いは蒸着層を有するプラスチックラミネートフィルムとからなる外被材で覆って、内部を減圧してなる真空断熱材において、前記プラスチックラミネートフィルムを構成するプラスチックフィルムが、未延伸プラスチックフィルムのみで構成されているものである。
【0014】
未延伸フィルムは、延伸フィルムに比較して引張破断伸度が大きいため、異物の突刺力で引っ張られた際に破断しにくい。また、引張破断伸度が小さい延伸フィルムを構成中に含むラミネートフィルムは、ラミネートフィルム全体が引き伸ばされ、引張破断伸度が小さい延伸フィルムが破断した際に、ラミネートされている未延伸フィルムを引きずって破断させてしまい、結果としてラミネートフィルム全体が破断してしまう。
【0015】
未延伸フィルムのみで構成されているラミネートフィルムでは、このような現象は生じず、ラミネートフィルムの引張破断伸度は、未延伸フィルムの引張破断伸度に等しい。
【0016】
従って、このようなラミネートフィルムを外被材に用いることにより、突刺による耐ピンホール性に優れた真空断熱材を得ることができる。
【0017】
請求項2に記載の真空断熱材の発明は、請求項1に記載の発明における未延伸フィルムの引張破断伸度が、500%以上であるものである。
【0018】
一般に、ナイロンなどの2軸延伸フィルムの引張破断伸度はおよそ100%である。このため、構成に延伸ナイロンを含むラミネートフィルムで作製された外袋中に異物が存在すると、真空包装した際の大気圧による突刺力で容易に引張破断伸度を超えて破断してしまう。
【0019】
一方、引張破断伸度が500%以上であれば、伸びることにより異物の突刺力が分散し、破断が生じにくくなる。
【0020】
従って、このようなラミネートフィルムを外被材に用いることにより、突刺による耐ピンホール性に優れた真空断熱材を得ることができる。
【0021】
請求項3に記載の真空断熱材の発明は、請求項1または請求項2に記載の発明における未延伸フィルムの引張弾性率が、950MPa以下であるものである。
【0022】
外被材中に異物が存在すると、真空包装した際の大気圧により、突刺し力が働く。異物と外被材は異物の先端で接触する。この接触点には、大気圧による突刺力以外に外被材を異物の長さだけ引き伸ばす力が働く。外被材を引き伸ばす力は、引張弾性率が大きくなるほど、また、伸度が大きくなるほど大きくなるため、異物の寸法が同じである場合は、引張弾性率が小さい方が、この力は小さくなり、フィルムが破断しにくくなり、ピンホールが生じにくくなる。
【0023】
従って、このようなラミネートフィルムを外被材に用いることにより、突刺による耐ピンホール性に優れた真空断熱材を得ることができる。
【0024】
請求項4に記載の真空断熱材の発明は、請求項1から3のいずれか一項に記載の発明における未延伸フィルムの外側に、金属箔或いは蒸着層を有するものである。
【0025】
ラミネートフィルムに加わる突刺力による歪みは、ラミネートフィルムと異物の接点付近が最も大きく、接点から遠ざかるに従って、歪みが小さくなる。従って外被材の内側に存在する異物による突刺の場合は外側ほど歪みが小さくなる。
【0026】
一般に金属は引張破断伸度が小さいため、金属箔や金属蒸着層には容易にクラックが生じる。従って金属箔や金属蒸着層は、ラミネートフィルム構成中で最も歪みが小さい部分に設置することが望ましい。
【0027】
従って、このようなラミネートフィルムを外被材に用いることにより、金属箔や金属蒸着層にクラックが生じにくくガスバリア性に優れた真空断熱材を得ることができる。
【0028】
請求項5に記載の真空断熱材の発明は、請求項1から4のいずれか一項に記載の発明に加えて、延伸フィルムによって作製された袋で覆われたものである。
【0029】
一般に、未延伸フィルムは、延伸フィルムに比較して引張弾性率が小さいため、未延伸フィルムのみで構成されているラミネートフィルムは、外部からの力により容易に引き伸ばされる。ラミネートフィルムが引き伸ばされると、ラミネートフィルムを構成する金属箔や金属蒸着層が引き伸ばされクラックが生じてしまう。
【0030】
真空包装後に、延伸フィルムで製袋された袋で被うことにより、外部からの力によって引き伸ばされにくくなる。
【0031】
従って、上記のような構成にすることにより、突刺によるピンホールが発生しにくく、引き伸ばされにくいため、取扱い性に優れた真空断熱材を得ることができる。
【0032】
本発明において、フィルムの引張破断伸度は、それぞれのフィルムにおいて、その値が最も大きい方向で引張試験を行った場合の値とする。
【0033】
また、引張破断伸度とは、短冊状のフィルムを引き伸ばした際に、破断までの長さの変化を引き伸ばす前の長さで除した値であり、試験方法は特定するものではない。
【0034】
一般に未延伸フィルムとは、溶融状態のフィルムが押し出しなどにより平面状に成型されたものに引張による加工がなされていないものである。未延伸フィルムは、構成する分子が折り曲げられることにより、丸まった状態になっている。従って分子が折りたたまれ丸まった状態から引き伸ばされ方向が揃った状態になるまで伸びることができるため、未延伸フィルムは引張破断伸度が大きい。
【0035】
一方、延伸フィルムは引張によって、折り曲げられていた分子が引き伸ばされ方向が揃っているため、それ以上引き伸ばされにくくなっている。
【0036】
延伸の方法には、一つの方向に引き伸ばす一軸延伸と、二っの方向に引き伸ばす二軸延伸がある。一軸延伸フィルムは、延伸された方向は強靭であり、引張破断伸度が小さい。また延伸されていない方向は脆く、容易に破断する。
【0037】
また、延伸フィルムは、延伸の度合いによって、分子の方向の揃い方が異なるため、伸びることができる限度が異なり、結果として引張破断伸度が異なる。
【0038】
本発明においては、未延伸フィルムとは、引張破断伸度が最も大きい方向の引張破断伸度が400%以上のものであり、未延伸フィルムとは引張破断伸度が400%未満のものとする。
【0039】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態により、本発明が限定されるものではない。
【0040】
各実施の形態では、芯材に含まれる異物による突刺しを評価するために、異物の含まれる割合が多い芯材を真空包装した。
【0041】
(実施の形態1)
図1は、本実施の形態1の真空断熱材の断面図を示すものである。
【0042】
図1に示すように、真空断熱材5は、外被材6で、芯材7と水分吸着剤8覆って、内部を減圧密封してなる。
【0043】
図2は、本実施の形態1の真空断熱材の外被材6の断面を示すものである。
【0044】
図2に示すように、外被材6は、芯材7側から、シーラント層9、金属箔10、保護層11を積層したものである。
【0045】
シーラント層9は、未延伸直鎖型低密度ポリエチレンフィルムであり、厚さは50μmである。金属箔10は、アルミニウム箔であり、厚さ6μmである。保護層11は、未延伸ポリプロピレンフィルムであり、厚さは30μmである。
【0046】
シーラント層9と金属箔10と保護層11は、公知の接着剤を用いてドライラミネートによりラミネートされている。
【0047】
芯材7は、含まれる異物の割合を多くするために、平均繊維径が10μmと通常より太いものを使用し、焼成温度も500℃と通常より高くしたものである。水分吸着剤8は公知の酸化カルシウム製のものである。
【0048】
このようにして作製した芯材7を、予め熱溶着により3方をシールした外被材6に挿入し、内部を13Paに減圧後熱溶着により封止し、大気導入を行った。
【0049】
以上の方法で真空断熱材を1000枚作製した。
【0050】
以上のように作製された真空断熱材について、以下その動作を説明する。
【0051】
シーラント層9は、未延伸直鎖型低密度ポリエチレンフィルムであり、各方向において最も引張破断伸度が大きい方向の引張破断伸度は600%である。
【0052】
金属箔10は、アルミニウム箔であり、各方向において最も引張破断伸度が大きい方向の引張破断伸度は15%である。
【0053】
保護層11は、未延伸ポリプロピレンフィルムであり、各方向において最も引張破断伸度が大きい方向の引張破断伸度は700%である。
【0054】
外被材6の内部は13Paという低圧であるため、内部には大気圧により約1kg/cm2の圧縮応力が働く。外被材6内部に存在する異物は、この圧縮応力により外被材6に内側から押し付けられる。
【0055】
異物が押し付けられた外被材6は、その力により異物の形状に沿うように引き伸ばされるが、最も内側のフィルムの引張破断伸度は600%と非常に大きく、最も伸度が大きい異物の接点付近でもこの値を超えず破断しない。
【0056】
金属箔10は、引張破断伸度が小さいため破断し、クラックが生じる。しかし、金属箔10は、6μmと非常に薄く強度が小さいため、ラミネートされているフィルムを引きずって破断させることができない。
【0057】
保護層11は、異物と外被材6の接点から離れているため、シーラント層9より伸度が小さい。さらに、引張破断伸度が大きいため破断しない。
【0058】
従って、外被材6にピンホールが発生しない。
【0059】
本実施の形態で作製した真空断熱材5の熱伝導率の初期値は、いずれも0.0025W/mKであり、ピンホールが発生していない。
【0060】
金属箔10のクラックからのガス侵入の影響を評価するために、10年経過相当の試験を行った後の熱伝導率を測定した結果、0.0060W/mKであった。
【0061】
(実施の形態2)
図3は、本実施の形態の真空断熱材の外被材6の断面を示すものである。
【0062】
図3に示すように、外被材6は、芯材7側から、シーラント層9、金属箔10、保護層11を積層したものである。
【0063】
シーラント層9は、未延伸ポリプロピレンフィルムであり、厚さは50μmである。金属箔10は、アルミニウム箔であり、厚さ6μmである。保護層11は、未延伸直鎖型低密度ポリエチレンフィルムであり、厚さは30μmである。
【0064】
外被材6のラミネート方法、製袋方法、芯材7の作製方法、真空封止方法等真空断熱材の作製方法は実施の形態1と同様である。
【0065】
以上のように作製された真空断熱材5についてその動作を説明する。
【0066】
シーラント層9は、未延伸ポリプロピレンフィルムであり、各方向において最も引張破断伸度が大きい方向の引張破断伸度は700%、同方向の引張弾性率は600MPaである。
【0067】
金属箔10は、アルミニウム箔であり、各方向において最も引張破断伸度が大きい方向の引張破断伸度は15%である。
【0068】
保護層11は、未延伸直鎖型低密度ポリエチレンフィルムであり、各方向において最も引張破断伸度が大きい方向の引張破断伸度は600%、同方向の引張弾性率は300MPaである。
【0069】
外被材6の内部は13Paという低圧であるため、内部には大気圧により約1kg/cm2の圧縮応力が働く。外被材6内部に存在する異物は、この圧縮応力により外被材6に内側から押し付けられる。
【0070】
異物が押し付けられた外被材6は、その力により異物の形状に沿うように引き伸ばされるが、最も内側のフィルムの引張破断伸度は700%と非常に大きく、最も伸度が大きい異物の接点付近でもこの値を超えず破断しない。
【0071】
金属箔10は、引張破断伸度が小さいため破断し、クラックが生じる。しかし、金属箔10は6μと非常に薄く強度が小さいため、ラミネートされているフィルムを引きずって破断させることができない。
【0072】
保護層11は、異物と外被材6の接点から離れているため、シーラント層9に比べて伸度が小さい。従って、保護層11の引張破断伸度はシーラント層9の引張破断伸度より小さいが、ラミネートフィルムは破断しない。
【0073】
従って、ラミネートフィルムにピンホールが生じない。
【0074】
本実施の形態で作製した真空断熱材5の熱伝導率の初期値は、いずれも0.0025W/mKであり、ピンホールが発生していない。
【0075】
金属箔10のクラックからのガス侵入の影響を評価するために、10年経過相当の試験を行った後の熱伝導率を測定した結果、0.0055W/mKであった。
【0076】
実施の形態2の条件では、ピンホールが発生しなかったが、引張破断伸度が小さいフィルムまたは、引張弾性率が大きいフィルムを用いた場合はピンホールの発生が認められた。
【0077】
(表1)に、引張破断伸度、引張弾性率とピンホール発生率の関係を示す。
【0078】
【表1】

(表1)から、引張破断伸度が大きくなるに従って、ピンホールの発生率が減少していることが判る。また、引張弾性率が小さくなるに従って、ピンホールの発生率が減少していることが判る。また、引張破断伸度が500%以上、引張弾性率が950MPa以下の条件を満たした場合に、ピンホールが発生しなくなることが判る。
【0079】
(実施の形態3)
図4は、本実施の形態の真空断熱材の断面を示すものである。
【0080】
図4に示すように、本実施の形態の真空断熱材は、芯材7を、芯材7側から、シーラント層9、保護層11、金属箔10を積層した外被材で覆って、内部を減圧密封し、それを、さらに、保護袋12で覆ったものである。
【0081】
シーラント層9は、未延伸ポリプロピレンフィルムであり、厚さは50μmである。金属箔10は、アルミニウム箔であり、厚さ6μmである。保護層11は、未延伸直鎖型低密度ポリエチレンフィルムであり、厚さは30μmである。
【0082】
外被材のラミネート方法、製袋方法、芯材の作製方法、真空封止方法等真空断熱材の作製方法は実施の形態1と同様である。
【0083】
以上のように作製された真空断熱材についてその動作を説明する。
【0084】
シーラント層9は、未延伸ポリプロピレンフィルムであり、各方向において最も引張破断伸度が大きい方向の引張破断伸度は700%、同方向の引張弾性率は600MPaである。
【0085】
金属箔10は、アルミニウム箔であり、各方向において最も引張破断伸度が大きい方向の引張破断伸度は15%である。
【0086】
保護層11は、未延伸直鎖型低密度ポリエチレンフィルムであり、各方向において最も引張破断伸度が大きい方向の引張破断伸度は600%、同方向の引張弾性率は300MPaである。
【0087】
保護袋12は、2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムであり、最も引張破断伸度が大きい方向の引張破断伸度は60%であり、引張弾性率は4000MPaである。
【0088】
本実施の形態では、金属箔10と保護層11の積層順序が実施の形態2における金属箔10と保護層11の積層順序と逆になっているが、金属箔10は耐ピンホール性に影響しないため耐ピンホール性の出現機構は実施の形態2と同等である。
【0089】
一方、金属箔10は伸度が最も小さい外側にあるため引張によるクラックが生じない。
【0090】
また、引張弾性率が大きい保護袋12で覆ってあるため、構成中に延伸フィルムを含むラミネートフィルムを外被材6に用いた真空断熱材と同等の取扱い性を有している。
【0091】
本実施の形態で作製した真空断熱材の熱伝導率の初期値は、いずれも0.0025W/mKであり、ピンホールが発生していない。
【0092】
金属箔のクラックからのガス侵入の影響を評価するために、10年経過相当の試験を行った後の熱伝導率を測定した結果、0.0050W/mKであった。
【0093】
実施の形態2に比較して、10年経過相当の試験後の熱伝導率が小さくなっているが、これは、金属箔10が外側にあるために異物の突き刺さりにより引き伸ばされて生じるクラックが少なくなっているためである。
【産業上の利用可能性】
【0094】
本発明にかかる真空断熱材は、外被材の耐ピンホール性が非常に優れている。このため、冷蔵庫、電気式湯沸し器、IHクッキングヒーター等の調理家電や、印刷機、複写機、液晶プロジェクター、ノートパソコン等の情報機器、半導体製造装置等の産業機器にも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0095】
【図1】本発明の実施の形態1における真空断熱材の断面図
【図2】本発明の実施の形態1における真空断熱材の外被材の断面図
【図3】本発明の実施の形態2における真空断熱材の外被材の断面図
【図4】本発明の実施の形態3における真空断熱材の断面図
【図5】従来の真空断熱材の外被材の断面図
【符号の説明】
【0096】
5 真空断熱材
6 外被材
7 芯材
10 金属箔
12 保護袋

【特許請求の範囲】
【請求項1】
芯材を、金属箔或いは蒸着層を有するプラスチックラミネートフィルムとからなる外被材で覆って、内部を減圧してなる真空断熱材において、前記プラスチックラミネートフィルムを構成するプラスチックフィルムが、未延伸プラスチックフィルムのみである真空断熱材。
【請求項2】
未延伸フィルムの引張破断伸度が、500%以上である請求項1に記載の真空断熱材。
【請求項3】
未延伸フィルムの引張弾性率が、950MPa以下である請求項1または請求項2に記載の真空断熱材。
【請求項4】
未延伸フィルムの外側に、金属箔或いは蒸着層を有する請求項1から3のいずれか一項に記載の真空断熱材。
【請求項5】
延伸フィルムによって作製された袋で覆われた請求項1から4のいずれか一項に記載の真空断熱材。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−64091(P2006−64091A)
【公開日】平成18年3月9日(2006.3.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−248083(P2004−248083)
【出願日】平成16年8月27日(2004.8.27)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成15年度新エネルギー・産業技術総合開発機構「高性能、高機能真空断熱材」に関する委託研究、産業活力再生特別措置法第30条の適用を受ける特許出願
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】