説明

真空断熱材

【課題】様々な形状の断熱対象物の磁性体面に吸着して固定又は仮固定できる真空断熱材を提供することにある。
【解決手段】断熱材料からなる芯材と、芯材が収納される外包材であって、内部を減圧状態に維持できるガスバリア性を有する外包材と、を含み、芯材には磁石が設置される、真空断熱材を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クーラーボックス、冷蔵庫、電気ポット、炊飯器、車両又は建材等の様々な保冷又は保温の用途に供される真空断熱材に関し、特に、クーラーボックス等の断熱対象物の磁性体面に対して取り付け可能な真空断熱材に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から分野を問わず、広く保冷又は保温を目的として種々の断熱材が用いられている。近年では、繊維系材料、連続気泡発泡プラスチック系材料等からなる芯材を、ガスバリア性を有する袋状の外包材の中に減圧密閉した構成の真空断熱材が普及しつつある。
【0003】
この真空断熱材の芯材は、例えば、ある程度の保形性を有する無機繊維材料、有機繊維材料、連続気泡発泡プラスチック系材料等からなっている。無機繊維材料としては、ガラス繊維、アルミナ繊維、スラグウール繊維、シリカ繊維、ロックウール等が用いられている。また、有機繊維材料としては、ポリエステル繊維、アクリル繊維、ポリエチレン繊維等の合成繊維、麻、絹、綿等の天然繊維などが用いられている。そして、連続気泡発泡プラスチック系材料としては、硬質ウレタンフォーム、ポリスチレンフォーム等が用いられている。
【0004】
さらに、芯材を収納する外包材は、最外層から最内層へ順に、外衝に対する耐久性を得るための表面保護層、雰囲気中のガスの進入を防ぐためのガスバリア層、及び熱融着が可能なシール層からなる多層構造となっている。表面保護層としては、ナイロン、PET(ポリエチレンテレフタレート)樹脂等が用いられている。ガスバリア層としては、アルミ蒸着PET、アルミ箔等が用いられている。シール層としては、高密度ポリエチレン樹脂等が用いられている。
【0005】
ここで、真空断熱材は、従来の硬質ポリウレタンフォームのみからなる断熱材と比較して優れた断熱性能を発揮し、外包材内部の真空度が高いほど断熱性能が高くなる。従って、断熱性能が真空度に依存することから、芯材を収納する真空断熱材の断熱性能を維持するため、真空断熱材の外包材の損傷を防止し、かつ、外包材内部を真空状態に維持することが不可欠である。従って、クーラーボックス等の断熱対象物の磁性体面に対して取り付けるために、断熱対象物の磁性体面と真空断熱材とを釘等により真空断熱材を断熱対象物に打ち付けると外包材を損傷して真空状態を維持できないため、外包材の内部又は外部に磁性体層又は磁石を設け、断熱対象物の磁性体面に取り付け可能な真空断熱材が提案されている(特許文献1〜3参照)。
【0006】
【特許文献1】特開平08−14483号公報
【特許文献2】特開平09−166271号公報
【特許文献3】特開2005−282629号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、特許文献1の真空断熱材は、外包材外面に取り付けられた磁石により、磁性材料からなる断熱対象物に着脱可能とするものであることから、断熱対象物から真空断熱材を着脱する際、外包材外面に取り付けられた磁石が断熱対象物に吸着されているため、外包材が破れ、破損する場合が生じるという問題点がある。この結果、外包材内部の真空状態が維持できず、真空度の低下により、断熱性能が低下するという問題点も生じる。
【0008】
また、特許文献2の真空断熱材は、特許文献1と同様、磁性材料からなる断熱対象物に着脱可能とすることを目的として、外包材内部に磁性体層を設けるものであることから、着脱の際に外包材が磁性体層により破損する可能性は低くなるが、このような真空断熱材を製造する際には製造装置や他の磁性材料を含む真空断熱体に吸着することにより、真空断熱材の製造を非常に困難にするという問題点がある。また、磁性体層を外包材を構成する複数の層状部材の間に設けることから、色彩や寸法の異なる外包材を製造する際、外包材の共通化が困難になるため、製造コストがかかり、安価な真空断熱材を製造することも難しい。さらに、磁性体層を外包材を構成する複数の層状部材の間に設ける真空断熱材を製造することは、コスト、樹脂との接着性等の観点から非常に難しいという問題点がある。
【0009】
さらに、特許文献3の真空断熱材は、特許文献1及び2と異なり、真空断熱材の外包材に磁石や磁性体層を設けるものではないが、真空断熱材そのものを硬質ウレタンフォーム等で抱合するように成形した保持部に磁石を取り付けることから、硬質ウレタンフォーム等で抱合するように成形した保持部が平面、曲面、形状等が異なる様々な断熱対象物にも吸着可能なものではなく、専用品となることから、使用用途が限定され扱い難いという問題点がある。
【0010】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、第1の目的は、断熱対象物の磁性体面に吸着して固定又は仮固定できる真空断熱材を提供することである。第2の目的は、外包材の破れや損傷を防止して保護して、芯材が収納される外包材の内部の減圧状態を維持できる真空断熱材を提供することである。第3の目的は、簡易に製造可能な真空断熱材を提供することである。第4の目的は、真空断熱材の最終製造段階で、芯材を外包材に収納して一体加工するため、外包材の共通化が可能となり、製造コストが低廉な真空断熱材を提供することにある。さらに、第5の目的は、様々な形状の断熱対象物に対して、断熱対象物の磁性体面に吸着可能な真空断熱材を提供することにある。さらには、様々な形状の断熱対象物に対して、断熱対象物の磁性体面に吸着可能な真空断熱材であって、吸着力が強い場合は断熱対象物に固定可能であり、吸着力が強くない場合は断熱対象物に着脱可能であることから仮固定可能である断熱構造を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
以上のような目的を達成するため、本発明に係る真空断熱材においては、外包材に収納される断熱材料からなる芯材に磁石が設置される。
【0012】
具体的には、本発明に係る真空断熱材料は、
断熱材料からなる芯材と、
前記芯材が収納される外包材であって、内部を減圧状態に維持できるガスバリア性を有する外包材と、
を含み、
前記芯材には磁石が設置される、
ことを特徴とする。
【0013】
上述した発明によれば、真空断熱材の外包材に収納される芯材に磁石が設置されることから、断熱対象物の磁性体面に真空断熱材を容易にかつ位置修正可能に吸着させることができる。その結果、断熱対象物に対して、磁石の吸着力が強い場合は固定可能であり、又は吸着力が強くない場合は着脱可能であることから仮固定可能となる真空断熱材とすることができる。
【0014】
そして、断熱材料からなる芯材と、芯材が収納される外包材であって、内部を減圧状態に維持できるガスバリア性を有する外包材と、を含み、芯材には磁石が設置されることから、外包材内部は減圧状態にあるため、断熱対象物との着脱時においても、外包材の形状は安定しかつ変形しないため、外包材の破れや損傷を防止するとともに外包材を保護することができる。この結果、磁石が設置された芯材が収納される外包材の内部の減圧状態は安定して維持することができるため、真空断熱材の断熱性能を維持することができる。
【0015】
また、磁石は、外包材に取り付けられることなく、芯材に設置されることから、真空断熱材の製造過程において、真空断熱材を構成する部材が製造装置や他の構成部材に吸着することも回避できるため、製造過程における真空断熱材を構成する部材の取り扱いも容易となり、簡易に製造することができる。
【0016】
そして、磁石が芯材に設置されることから、真空断熱材の最終製造段階で、磁石が設定された芯材を外包材に収納して一体加工することができるため、外包材の共通化が可能となる。この結果、色彩や寸法の異なる様々な真空断熱材が製造できるだけでなく、簡易な製造方法と外包材の共通化等により、真空断熱材の製造コストを低廉にすることができる。
【0017】
ここで、「芯材」としては、繊維集合体、連続気泡発泡体等が使用される。「繊維集合体」は無機繊維、有機繊維又はそれらの混合物からなる。「無機繊維」としては、例えば、ガラス繊維(グラスウール)、アルミナ繊維、スラグウール繊維、シリカ繊維、ロックウール等が挙げられる。「有機繊維」としては、例えば、ポリエステル繊維、アクリル繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、ナイロン繊維、ポリビニルアルコール繊維、ポリウレタン繊維、ポリノジヅク繊維、レーヨン繊維等の合成繊維、麻、絹、綿、羊毛等の天然繊維等が挙げられる。無機繊維および有機繊維は1種からなる単独繊維又は複数種の混合繊維として用いられる。さらに、「連続気泡発泡体」としては、硬質ウレタンフォーム、ポリスチレンフォーム等が挙げられる。
【0018】
また、「外包材」としては、ガスバリア性を有するとともに、外包材内部を減圧状態に維持でき、かつヒートシール可能なものであれば、どのようなものでも用いることができる。外包材は、シート状又はフィルム状の素材を袋状、例えば、開口部を残して三方をヒートシールした袋状に加工して使用される。また、フィルム状の素材等からなる外包材は、例えば、最外層から最内層へ、ナイロン、アルミ蒸着PET(ポリエチレンテレフタレート)、アルミ箔、高密度ポリエチレンの順に積層された4層構造からなるガスバリアフィルムや、ポリエチレンテレフタレート樹脂、アルミ箔、高密度ポリエチレン樹脂からなるガスバリアフィルムや、ポリエチレンテレフタレート樹脂、アルミニウム蒸着層を有するエチレンービニルアルコール共重合体樹脂、高密度ポリエチレン樹脂からなるガスバリアフィルム等が挙げられる。なお、上記外包材の最内層が裏面を構成し、すなわち最内層が袋の内部を構成するように使用される。
【0019】
「磁石」としては、アルニコ磁石、フェライト磁石、ネオジム磁石、サマコバ磁石、ラバー磁石等が挙げられるが、真空断熱材の温度等の使用環境や、固定用又は仮固定用等の使用目的等を考慮して選択される。
【0020】
本発明に係る真空断熱材として、芯材は繊維集合体からなり、シート状に形成されている、ことが好ましい。
【0021】
上述した発明によれば、芯材が繊維集合体からなることから、断熱性を有するだけでなく、屈曲性も有し、さらには、曲げた後の形状保持性も有するため、平面、曲面等の形状が異なる様々な断熱対象物に対して、真空断熱体を断熱対象物の磁性体面に吸着することができる。
【0022】
また、芯材の繊維集合体を圧縮してシート状にしていない場合、すなわち芯材の繊維集合体そのままのわた状態である場合、取り扱い性の低下や断熱性の低下等を生じるが、芯材はシート状に形成されていることから、断熱性能がわた状態に比較して向上するだけでなく、真空断熱材の製造工程において芯材を簡易かつ容易に外包材に収納することができ、作業性の効率化も図ることができる。ここで、「シート状」とは、平板形状をいう。
【0023】
本発明に係る真空断熱材として、複数のシート状の断熱材料からなり、シート状の断熱材料が積層され形成されている、ことが好ましい。
【0024】
上述した発明によれば、芯材は、複数のシート状の断熱材料からなり、シート状の断熱材料が積層され形成されていることから、芯材を所望の厚さ以内でシート状の断熱材料を積層することにより、断熱性能を向上させることができる。
【0025】
本発明に係る真空断熱材として、外包材は、磁石が設置される芯材とともにガス吸着材を収納する、ことが好ましい。
【0026】
上述した発明によれば、外包材は磁石が設置される芯材とともにガス吸着材を収納することから、真空断熱材の製造後に真空断熱材内部で発生するガス、例えば、芯材から発生するアウトガスや、真空断熱材内部に残存する水分や、外部から侵入してくるガス・水分を吸着することができる。この結果、真空度を低下させることなく真空状態を維持できるため、ガス吸着材を収納しない場合と比較して、経時的観点からも断熱性をより向上させることができる。
【0027】
本発明に係る真空断熱材として、磁石はシート状に形成されている、ことが好ましい。
【0028】
上述した発明によれば、磁石はシート状に形成されていることから、製造後の真空断熱材の表面に生じるシート状の磁石の浮き出しを抑制できるため、引っ掛り等による外包材の破れや損傷を防止できる。また、ラバー磁石等の屈曲性を有する磁石の場合、シート状に形成されていることから、屈曲性を有する真空断熱材を形成することができる。さらに、真空断熱材の製造工程において磁石とともに芯材を簡易かつ容易に外包材に収納することができ、作業性の効率化も図ることができる。
【0029】
本発明に係る真空断熱材として、磁石は面取り加工が施されている、ことが好ましい。
【0030】
上述した発明によれば、磁石は面取り加工が施されていることから、外包材を損傷させる原因となる角部等は除去されるため、外包材の破れや損傷を防止できる。
【0031】
本発明に係る真空断熱材として、真空断熱材は、互いに向かい合った第1面と第2面とを含むシート状を有し、第1面及び/又は第2面が平滑である、ことが好ましい。
【0032】
上述した発明によれば、シート状の真空断熱材は少なくとも平滑な面を有することから、平面を有する断熱対象物に対しては、真空断熱材の平滑な面を隙間なく密着させて吸着させることができるため、効率的な断熱性能を確保することができる。特に、異なる断熱対象物がともに平面を有し、真空断熱材を断熱対象物の間に挿入して断熱する場合であって、シート状の真空断熱材の両面が平滑であるとき、異なる断熱対象物間を隙間なく密着させて吸着させることができるため、断熱対象物間の断熱効率を向上させるだけでなく、狭くすることができる。
【0033】
本発明に係る真空断熱材として、芯材は外包材に内接する面が多角形であり、芯材の隅角部分に磁石設置部が形成され、磁石設置部に設置された磁石は、外包材に内接する芯材の面と連続する面を形成する、ことが好ましい。
【0034】
上述した発明によれば、芯材は、外包材に内接する面が多角形であり、芯材の隅角部分に磁石設置部が形成され、磁石設置部に設置された磁石は、外包材に内接する芯材の面と連続する面を形成することから、磁石が吸着可能な断熱対象物の磁性体面に対応して、磁石を設置することができ、さらに、磁石の設置位置や設置個数等によっても吸着力の強さを調整することが可能となる。さらに、磁石設置部に設置された磁石は、外包材に内接する芯材の面と連続する面を形成することから、外包材を損傷させる原因となる角部等は除去されるため、外包材の破れや損傷を防止できる。
【0035】
なお、本発明に係る真空断熱材として、芯材は、外包材に内接する面が長方形であり、長方形の対向する2辺に沿った芯材の周縁部に磁石設置部が形成され、磁石設置部に設置された磁石は、外包材に内接する前記芯材の面と連続する面を形成するように形成することもできる。
【0036】
本発明に係る真空断熱材として、芯材は、磁石をシート状の断熱材料により挟持して形成される、ことが好ましい。
【0037】
上述した発明によれば、芯材は、磁石をシート状の断熱材料により挟持して形成されることから、磁石を芯材により覆うことが可能となり、平滑な真空断熱材を形成することができる。また、外包材に内接する芯材表面に磁石形状の浮き出し等は生じないことから、外包材を損傷させる原因となる角部等は生じず、外包材の破れや損傷を防止できる。この結果、真空度を低下させることなく真空状態を維持できるため、断熱性をより向上させることができる。特に、複数のシート状の断熱材料を積層して形成させる芯材の場合、真空断熱材の最終製造段階で、磁石をシート状の断熱材料の間に設置した後、芯材を外包材に収納して一体加工することができるため、製造装置や他の磁性材料とも吸着することを回避でき、簡易にかつ取り扱い容易に真空断熱材を製造することができる。
【0038】
さらに、断熱対象物の磁性体面に形成可能な断熱構造として、真空断熱材が、芯材に設置された磁石により断熱対象物の磁性体面に固定又は仮固定されるものとすることも可能である。
【0039】
上述の断熱構造によれば、上記の真空断熱材特有の特徴、特に、芯材が繊維集合体からなることから、断熱性を有するだけでなく、屈曲性も有し、さらには、曲げた後の形状保持性も有するという特徴を備えるため、平面、曲面等の様々な形状の断熱対象物の磁性体面に対して芯材に設置された磁石を介して真空断熱材を吸着することができる。この結果、吸着力が強い場合は断熱対象物に固定用断熱構造として用いることができ、吸着力が強くない場合は断熱対象物に着脱可能であることから仮固定用断熱構造として用いることができる。
【発明の効果】
【0040】
上述した発明によれば、真空断熱材の外包材に収納される芯材に磁石が設置されることから、断熱対象物の磁性体面に真空断熱材を容易にかつ位置修正可能に吸着させることができる。
【0041】
そして、外包材内部は減圧状態にあるため、断熱対象物との着脱時においても、外包材の形状は安定しかつ変形しないため、外包材の破れや損傷を防止するとともに外包材を保護することができる。この結果、磁石が設置された芯材が収納される外包材の内部の減圧状態は安定して維持することができるため、真空断熱材の断熱性能を維持することができる。
【0042】
また、磁石は、外包材に取り付けられることなく、芯材に設置されることから、真空断熱材の製造過程において、真空断熱材を構成する部材が製造装置や他の構成部材に吸着することも回避できるため、製造過程における真空断熱材を構成する部材の取り扱いも容易となり、簡易に製造することができる。
【0043】
そして、磁石が芯材に設置されることから、真空断熱材の最終製造段階で、磁石が設定された芯材を外包材に収納して一体加工することができるため、外包材の共通化が可能となる。この結果、色彩や寸法の異なる様々な真空断熱材を製造可能となるだけでなく、簡易な製造方法と外包材の共通化等により、真空断熱材の製造コストを低廉にすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0044】
図1〜図7を用いて、本発明の実施形態に係る真空断熱材について、図面を参照しつつ説明する。本発明の実施形態に係る真空断熱材は、外包材に収納される断熱材料からなる芯材に磁石が設置されるものである。
【0045】
図1は本発明の実施形態に係る真空断熱材10を示す分解斜視図である。図2は真空断熱材10における外包材20、芯材30及び磁石40の状態を示す図1のA−A’線断面図である。図3は図2のP部の拡大断面図である。
【0046】
また、図4(a)は磁石と磁石が設置された芯材の一例を示す平面図であり、図4(b)は図4(a)の芯材の正面図である。図5(a)は磁石と磁石が設置された芯材の他の一例を示す平面図であり、図5(b)は図5(a)の芯材の正面図である。図6(a)は磁石と磁石が設置された芯材の更に他の一例を示す平面図であり、図6(b)は図6(a)の芯材の正面図である。図7(a)は磁石と磁石が設置された芯材の更に他の一例を示す平面図であり、図7(b)は図7(a)の芯材の正面図である。図8は真空断熱材10を断熱対象物60に固定した一例である。
【0047】
<<真空断熱材10の概要>>
図1に示すように、本実施形態に係る真空断熱材10は、外包材20と、芯材30と、磁石40、を備え、磁石40が設置された芯材30を袋状の外包材20内部に収納した構成となっている。また、真空断熱材10は、磁石40が設置された芯材30を収納した状態で外包材20を真空引きし、外包材20のその開放端22Aのシール部22aを熱融着することにより、その全体が略四角形状のシート状に形成されたものである。真空断熱材10は、所定寸法のシート状のままで、あるいは、保冷又は保温対象となる断熱対象物の形状や設置スペース等に応じた所定の形状に折曲ないし湾曲させて使用される。
【0048】
従って、真空断熱材10の外包材20に収納される芯材30に磁石40が設置されることから、断熱対象物の磁性体面に真空断熱材10を容易にかつ位置修正可能に吸着させることができる。その結果、断熱対象物に対して、磁石の吸着力が強い場合は固定可能であり、又は吸着力が強くない場合は着脱可能であることから仮固定可能となる真空断熱材10とすることができる。
【0049】
外包材20内部は減圧状態にあることから、断熱対象物との着脱時においても、真空断熱材10の形状は安定しかつ変形しないため、外包材の破れや損傷を防止するとともに外包材20を保護することができるため、真空断熱材の断熱性能を維持することができる。
【0050】
本実施形態に係る真空断熱材10においては、平面を有するシート状に形成した。この結果、平面を有する断熱対象物に対しては、真空断熱材10の平面を隙間なく密着させて吸着させることができるため、効率的な断熱性能を確保することができる。特に、異なる断熱対象物がともに平面を有し、真空断熱材を断熱対象物の間に挿入して断熱する場合であって、シート状の真空断熱材の両面が平面であるとき、異なる断熱対象物間を隙間なく密着させて吸着させることができるため、断熱対象物間の断熱効率を向上させるだけでなく、狭くすることもできる。
【0051】
<外包材20>
本実施形態に係る外包材20は、2枚の四角形状のシート又はフィルムを重ね合わせ、互いの3辺(図1中のシール部22b,22c,22d)を熱融着によりシールした袋状となっている。外包材20のシールしてない残り1辺(図1中の点線で示すシール部22a)は、芯材30を外包材20内部に収納するための開放端22Aとなっており、磁石が設置された芯材30を収納して真空引きした後にシールする。
【0052】
さらに、外包材20を構成する各シート又はフィルムは、図2のP部及び図3に示すように、最外層210、第1ガスバリア層220、第2ガスバリア層230、最内層240の4層構造となっている。外包材20としては、ガスバリア性を有するとともに、外包材内部を減圧状態に維持でき、かつヒートシール可能なものであれば、どのようなものでも用いることができる。
【0053】
最外層210は、外部からの衝撃等を緩衝して外包材20に耐久性をもたせるためのものである。最外層210の材料は、例えば、ナイロン、PET樹脂等によって形成することができる。
【0054】
第1ガスバリア層220は、各シール部22a〜22dにより密閉した外包材20内部に大気中のガスが侵入するのを防止するためのものである。第1ガスバリア層220の材料は、例えば、アルミ蒸着PET又はアルミ蒸着層を有するエチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂等によって形成することができる。また、第1ガスバリア層220は、後述する第2ガスバリア層230の保護も兼ねている。なお、この第1ガスバリア層220を設けることなく、外包材20を最外層210、ガスバリア層230、シール層240の3層構造としてもよい。
【0055】
第2ガスバリア層230は、第1ガスバリア層220と同様に、各シール部22a〜22dにより密閉した外包材20内部に大気中のガスが侵入するのを防止するためのものであり、本実施形態では、アルミ箔により形成されている。
【0056】
最内層240は、熱融着によりシール部22a〜22dを形成し、真空引きした外包材20の減圧状態を経年的に維持するためのものであり、本実施形態では、高密度ポリエチレン樹脂によって形成されている。また、最内層240は、その肉厚が薄いほど良好な熱融着性と気密性とを得ることができるが、容易に破損しない強度をも必要とすることを考慮して材料を選択しなければならない。
【0057】
このような外包材20の積層構造として、例えば、最外層210から最内層240へ順に、ナイロン、アルミ蒸着PET樹脂、アルミ箔、高密度ポリエチレン樹脂の4層構造が考えられる。また、ポリエチレンテレフタレート樹脂、アルミ箔、高密度ポリエチレン樹脂からなる3層構造や、ポリエチレンテレフタレート樹脂、アルミニウム蒸着層を有するエチレンービニルアルコール共重合体樹脂、高密度ポリエチレン樹脂からなる3層構造も可能である。
【0058】
<芯材30>
芯材30は、繊維集合体、連続気泡発泡体等の材料を使用することができる。本実施形態の芯材30は、平面、曲面等の形状が異なる様々な断熱対象物に対して、真空断熱体10を変形して断熱対象物の磁性体面に吸着させるために、断熱性、屈曲性及び曲げた後の形状保持性を有する繊維集合体を使用した。繊維集合体としては、無機繊維集合体、有機繊維集合体又はそれらの混合物が挙げられるが、本実施形態においては、硬質の繊維集合体との接触による外包材20内側の損傷を防止し、断熱性に優れ、量産性が高く、さらに、低コストであるガラス繊維(グラスウール)を使用した。
【0059】
さらに、真空断熱材10の断熱性能を向上させるため、ガラス繊維の繊維集合体を圧縮してシート状にした。この結果、シート状に形成されていることから、断熱性能がシート状に形成されていないわた状の繊維集合体に比較して向上するだけでなく、真空断熱材10の製造工程において芯材30を簡易かつ容易に外包材20に収納することができ、作業性の効率化も図ることができる。本実施形態においては、さらに、断熱性能を高めるため、複数のシート状の断熱材料を積層して芯材30を形成した。
【0060】
芯材30としてガラス繊維を用いた場合、その繊維長を約1〜100mmとすることができる。但し、繊維長が長すぎると、熱伝導性能が低下するとともに、曲面加工性も低下してしまう。一方、繊維長が短すぎると、曲面形状に合わせる際の折れや皺の発生が増加してしまうので、繊維長を約3〜30mmとすることが好ましい。
【0061】
また、芯材30となる無機繊維集合体の密度は、約100〜300kg/mとすることができる。但し、密度が小さすぎると、芯材30としての強度が低下するとともに、断熱性が低下してしまう。一方、密度が大きすぎると、芯材13が硬くなりすぎて形状追従性が低下し、折れ皺の発生が増加してしまう。また、芯材30が重くなると断熱性が低下してしまう傾向もある。したがって、芯材30の密度は、約120〜250kg/mとすることが好ましい。
【0062】
なお、芯材30を有機繊維集合体とする場合、ポリエステル繊維、アクリル繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、ナイロン繊維、ポリビニルアルコール繊維、ポリウレタン繊維、ポリノジック繊維、レーヨン繊維等の合成繊維、麻、絹、綿、羊毛等の天然繊維等を用いることができる。上述した無機繊維の場合と同様に、これら材料を単独で用いた単独繊維又は任意に組み合わせた混合繊維としてもよい。好ましくは、吸湿性が少なく断熱性に優れ、量産性が高く、しかも低コストであるポリエステル繊維が好ましく、特に、PET繊維が好適である。
【0063】
芯材30となる有機繊維の太さは、1〜6デニール程度が好ましい。有機繊維の太さが1デニール未満では、芯材30としてシート状に加工することが困難となり、一方、太さが6デニールを超えると断熱性が低下してしまうからである。より好ましくは約1〜3デニールである。
【0064】
また、芯材30となる有機繊維の繊維長は、約10〜150mmが好ましい。繊維長が10mm未満では、シート状に加工することが困難となり、一方、繊維長が150mmを超えると、断熱性が低下してしまうからである。より好ましくは、有機繊維の繊維長を約20〜80mmである。
【0065】
<磁石40>
磁石40は、アルニコ磁石、フェライト磁石、ネオジム磁石、サマコバ磁石、ラバー磁石等が使用できるが、真空断熱材の温度等の使用環境や、固定用又は仮固定用等の使用目的や、寿命等を考慮して選択する。本実施形態においては、安価で、汎用性の高いフェライト磁石を使用した。
【0066】
また、本実施形態においては、外包材20の破れや損傷を防止して、外包材20内部の真空度が低下することなく減圧状態を維持するため、外包材20を損傷させる原因となる角部等を除去する面取り加工が施されている磁石を使用した。
【0067】
さらに、本実施形態においては、シート状の磁石を使用している。従って、磁石40を設置した芯材30を外包材20に収納した真空断熱材10の表面に生じるシート状の磁石40の浮き出しを抑制できるため、引っ掛り等による外包材20の破れや損傷を防止できる。なお、ラバー磁石等の屈曲性を有する磁石を使用した場合、シート状の磁石を使用していることから、屈曲性を有する真空断熱材を形成することができる。さらに、真空断熱材の製造工程において磁石とともに芯材を簡易かつ容易に外包材に収納することができ、作業性の効率化も図ることができる。
【0068】
<ガス吸着材>
経時的観点から真空断熱材10の断熱性を維持するため、芯材30を外包材20内部に収納し、真空引きした後に、この外包材20内部で発生するガス、例えば、芯材30から発生するアウストガスや、外包材20内部に残存する水分や、外包材20の外部から侵入したガスや水分を吸着するガス吸着材(図示しない)を、芯材30とともに外包材20内部に収納することが好ましい。この結果、真空度を低下させることなく真空状態を維持できるため、ガス吸着材を収納しない場合と比較して、経時的観点からも断熱性をより向上させることができる。
【0069】
ガス吸着材の成分は、物理的にガスや水分等を吸収(吸着)するものとして、例えば、活性炭、シリカゲル、酸化アルミニウム、モレキュラーシーブ、ゼオライト等を用いることができる。また、化学的にガスや水分等を吸着するものとして、例えば、酸化カルシウム、酸化バリウム、塩化カルシウム、酸化マグネシウム、塩化マグネシウム等の他、鉄、亜鉛等の金属粉末、バリウム−リチウム系合金、ジルコニウム系合金等を用いることができる。
【0070】
<断熱構造>
図8は、シート状の真空断熱材10を、平面を有する断熱対象物60に固定した図である。図8のシート状の真空断熱材10は平滑な面を有することから、平面を有する断熱対象物60に対して、真空断熱材の平滑な面を隙間なく密着させて吸着させることができるため、効率的な断熱性能を確保することができる。
【0071】
特に、複数の異なる断熱対象物がともに平面を有し、真空断熱材を断熱対象物の間に挿入して断熱する場合であって、シート状の真空断熱材の両面が平滑であるときは、異なる断熱対象物間を隙間なく密着させて吸着させることができるため、断熱対象物間の断熱効率を向上させるだけでなく、狭くすることができる。
【0072】
さらに、真空断熱材10の芯材30がガラス繊維(グラスウール)の繊維集合体からなることから、断熱性を有するだけでなく、屈曲性も有し、さらには、曲げた後の形状保持性も有するという特徴を備えている。従って、平面、曲面等の様々な形状の断熱対象物に対して、芯材40に設置された磁石40を介して、真空断熱材10を断熱対象物の磁性体面に吸着することができる。この結果、吸着力が強い場合は断熱対象物に固定用断熱構造として用いることができ、吸着力が強くない場合は断熱対象物に着脱可能であることから仮固定用断熱構造として用いることができる。
【0073】
ここで、真空断熱材10の外包材20の収納される芯材30に対して、芯材30に配置される磁石40の位置は、磁石40により吸着可能な断熱対象物の磁性体面に対応して、自由に選択することができる。以下に、本発明の実施形態として、芯材に形成された磁石設置部に配置される磁石の位置を説明する。
【0074】
<<第1実施形態>>
図4は、真空断熱材10の外包材20の収納される芯材32に配置される磁石42の位置を説明するための図であって、図4(a)は、磁石42及び磁石設置部52に磁石42が設置された芯材32を示す平面図であり、図4(b)は図4(a)の芯材の正面図である。なお、磁石設置部52は、芯材32の隅角部分に形成されている。
【0075】
図4(a)、(b)が示すとおり、芯材32に比較して肉厚の薄いシート状の磁石42が、略四角形でシート状の芯材32の四隅に形成された磁石設置部52に設置され、真空断熱材10として製造した後、外包材20に内接する芯材32の面は磁石42の面と連続する面を形成している。
【0076】
<<第2実施形態>>
図5は、真空断熱材10の外包材20の収納される芯材34に配置される磁石44の位置を説明するための図であって、図5(a)は、磁石44及び磁石設置部54に磁石44が設置された芯材34を示す平面図であり、図5(b)は図5(a)の芯材の正面図である。なお、磁石設置部54は、芯材34の周縁部の一部部分に形成されている。
【0077】
具体的には、図5(a)、(b)が示すとおり、芯材34に比較して肉厚が薄く、中央部を四角形に切り抜いたシート状の磁石44が、略四角形でシート状の芯材32の周縁に形成された磁石設置部42に設置され、真空断熱材10として製造した後、外包材20に内接する芯材34の面は磁石44の面と連続する面を形成している。
【0078】
<<第3実施形態>>
図6は、真空断熱材10の外包材20の収納される芯材36に配置される磁石46の位置を説明するための図であって、図6(a)は、磁石46及び磁石設置部56に磁石46が設置された芯材36を示す平面図であり、図6(b)は図6(a)の芯材の正面図である。なお、磁石設置部56は、芯材36の周縁部の一部部分に形成されている。
【0079】
具体的には、図6(a)、(b)が示すとおり、芯材36に比較して肉厚が薄くシート状の磁石46が、略四角形でシート状の芯材36の対向する2辺に沿った芯材36の周縁部に形成された磁石設置部46に設置され、真空断熱材10として製造した後、外包材20に内接する芯材36の面は磁石46の面と連続する面を形成している。
【0080】
第1実施形態〜第3実施形態においては、磁石により吸着可能な断熱対象物の磁性体面に対応して、磁石を多様な位置に設置することができ、さらに、磁石の設置位置や設置個数等によっても吸着力の強さを調整することが可能となる。さらに、磁石設置部に設置された磁石は、外包材に内接する芯材の面と連続する面を形成することから、外包材を損傷させる原因となる角部等は除去されるため、外包材の破れや損傷を防止できる。この結果、外包材内部の真空度を低下させることなく、真空状態を維持することができる。
【0081】
また、磁石がシート状に形成されていることから、製造後の真空断熱材の表面に生じるシート状の磁石の浮き出しを抑制できるため、引っ掛り等による外包材の破れや損傷を防止できる。また、ラバー磁石等の屈曲性を有する磁石の場合、シート状に形成されていることから、屈曲性を有する真空断熱材を形成することができる。さらに、真空断熱材の製造工程において磁石とともに芯材を簡易かつ容易に外包材に収納することができ、作業性の効率化も図ることができる。
【0082】
さらに、本実施形態において、磁石は面取り加工が施されている、外包材を損傷させる原因となる角部等は除去されるため、外包材の破れや損傷を防止できる。
【0083】
<<第4実施形態>>
図7は、真空断熱材10の外包材20の収納される芯材38に配置される磁石48の位置を説明するための図である。図7(a)、(b)が示すとおり、芯材38は磁石48をシート状の断熱材料38a、38bにより挟持して形成されている。
【0084】
従って、磁石48を芯材38により覆うことが可能となり、平滑な真空断熱材10を形成することができる。また、外包材20に内接する芯材38表面に磁石48の浮き出し等は生じないことから、外包材20を損傷させる原因となる角部等は生じず、外包材20の破れや損傷を防止できる。この結果、真空度を低下させることなく真空状態を維持できるため、断熱性をより向上させることができる。特に、複数のシート状の断熱材料を積層して形成させる芯材の場合、真空断熱材の最終製造段階で、磁石をシート状の断熱材料の間に設置した後、芯材を外包材に収納して一体加工することができるため、製造装置や他の磁性材料とも吸着することを回避でき、簡易にかつ取り扱い容易に真空断熱材を製造することができる。
【0085】
以上のとおり、本実施形態によれば、真空断熱材の外包材に収納される芯材に磁石が設置されることから、断熱対象物の磁性体面に真空断熱材を容易にかつ位置修正可能に吸着させることができる。
【0086】
そして、外包材内部は減圧状態にあるため、断熱対象物との着脱時においても、外包材の形状は安定しかつ変形しないため、外包材の破れや損傷を防止するとともに外包材を保護することができる。この結果、磁石が設置された芯材が収納される外包材の内部の減圧状態は安定して維持することができるため、真空断熱材の断熱性能を維持することができる。
【0087】
また、磁石は、外包材に取り付けられることなく、芯材に設置されることから、真空断熱材の製造過程において、真空断熱材を構成する部材が製造装置や他の構成部材に吸着することも回避できるため、製造過程における真空断熱材を構成する部材の取り扱いも容易となり、簡易に製造することができる。
【0088】
そして、磁石が芯材に設置されることから、真空断熱材の最終製造段階で、磁石が設定された芯材を外包材に収納して一体加工することができるため、外包材の共通化が可能となる。この結果、色彩や寸法の異なる様々な真空断熱材を製造可能となるだけでなく、簡易な製造方法と外包材の共通化等により、真空断熱材の製造コストを低廉にすることができる。
【0089】
更に、本発明に係る真空断熱材は、上述の実施形態には限られず、その他様々な実施形態が含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0090】
【図1】本発明の実施形態に係る真空断熱材10を示す分解斜視図である。
【図2】真空断熱材10における外包材20、芯材30及び磁石40の状態を示す図1のA−A’線断面図である。
【図3】図2のP部の拡大断面図である。
【図4(a)】磁石と磁石が設置された芯材の一例を示す平面図である。
【図4(b)】図4(a)の芯材の正面図である。
【図5(a)】磁石と磁石が設置された芯材の他の一例を示す平面図である。
【図5(b)】図5(a)の芯材の正面図である。
【図6(a)】磁石と磁石が設置された芯材の更に他の一例を示す平面図である。
【図6(b)】図6(a)の芯材の正面図である。
【図7(a)】磁石と磁石が設置された芯材の更に他の一例を示す平面図である。
【図7(b)】図7(a)の芯材の正面図である。
【図8】真空断熱材10を、断熱対象物60に固定した図である。
【符号の説明】
【0091】
10 真空断熱材
20 外包材
22,22a,22b,22c,22d シール部
30,32,34,36,38 芯材
40,42,44,46,48 磁石
50,52,54,56 磁石設置部
60 断熱対象物

【特許請求の範囲】
【請求項1】
断熱材料からなる芯材と、
前記芯材が収納される外包材であって、内部を減圧状態に維持できるガスバリア性を有する外包材と、
を含み、
前記芯材には磁石が設置される、
ことを特徴とする真空断熱材。
【請求項2】
前記芯材は、繊維集合体からなり、シート状に形成されている、
ことを特徴とする請求項1記載の真空断熱材。
【請求項3】
前記芯材は、複数のシート状の断熱材料からなり、前記シート状の断熱材料が積層され形成されている、
ことを特徴とする請求項1又2記載の真空断熱材。
【請求項4】
前記外包材は、前記磁石が設置される前記芯材とともにガス吸着剤を収納する、
ことを特徴とする請求項1〜3いずれか一項記載の真空断熱材。
【請求項5】
前記磁石はシート状に形成されている、
ことを特徴とする請求項1〜4いずれか一項記載の真空断熱材。
【請求項6】
前記磁石は面取り加工が施されている、
ことを特徴とする請求項1〜5いずれか一項記載の真空断熱材。
【請求項7】
前記真空断熱材は、互いに向かい合った第1面と第2面とを含むシート状を有し、
前記第1面及び/又は前記第2面が平滑である、
ことを特徴とする請求項1〜6いずれか一項記載の真空断熱材。
【請求項8】
前記芯材は前記外包材に内接する面が多角形であり、前記芯材の隅角部分に前記磁石設置部が形成され、
前記磁石設置部に設置された磁石は、前記外包材に内接する前記芯材の面と連続する面を形成する、
ことを特徴とする請求項1〜7いずれか一項記載の真空断熱材。
【請求項9】
前記芯材は前記外包材に内接する面が長方形であり、前記長方形の対向する2辺に沿った前記芯材の周縁部に前記磁石設置部が形成され、
前記磁石設置部に設置された磁石は、前記外包材に内接する前記芯材の面と連続する面を形成する、
ことを特徴とする請求項1〜8いずれか一項記載の真空断熱材。
【請求項10】
前記芯材は、前記磁石を前記シート状の断熱材料により挟持して形成される、
ことを特徴とする請求項1〜9いずれか一項記載の真空断熱材。
【請求項11】
断熱対象物の磁性体面に形成可能な断熱構造であって、
請求項1〜10いずれか一項記載の真空断熱材が、前記芯材に設置された磁石により断熱対象物の磁性体面に固定又は仮固定される、
ことを特徴とする断熱構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4(a)】
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【図4(b)】
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【図5(a)】
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【図5(b)】
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【図6(a)】
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【図6(b)】
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【図7(a)】
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【図7(b)】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−2668(P2008−2668A)
【公開日】平成20年1月10日(2008.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−175669(P2006−175669)
【出願日】平成18年6月26日(2006.6.26)
【出願人】(000001096)倉敷紡績株式会社 (296)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】