説明

眼内レンズ挿入器具

【課題】 眼内レンズの保管状態から使用状態へと好適に移行できる眼内レンズ挿入器具を提供できる。
【解決手段】 眼内レンズ挿入器具は、眼内レンズを折り曲げる内壁を有し眼球の切開創から折り曲げられた眼内レンズを挿入する挿入部と、軸上に置かれた眼内レンズを押し出す押出手段が軸方向に進退移動可能に設けられた筒部本体と、筒部本体に取り付けられる規制部材であって、軸外で応力を加えずに少なくとも軸方向への眼内レンズの移動を規制する規制部材と、規制部材による眼内レンズの規制を解除して眼内レンズを軸外から軸上へと移動させるために眼内レンズに当接して押力を加える当接部を備える解除部材と、解除部材にて規制が解除された眼内レンズに対して、当接部の当接面が押出手段による押出時に眼内レンズが載置される載置面として用いられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、眼内レンズを眼内に挿入する眼内レンズ挿入器具に関する。
【背景技術】
【0002】
インジェクターと呼ばれる眼内レンズ挿入器具として、折り曲げ可能な眼内レンズを、応力を加えない状態でインジェクター内で保管、搬送するものが知られている。使用時には、レンズの固定部材を取外し、固定が解除された眼内レンズを、プランジャーと呼ばれる押出手段で押す。これによりインジェクター内で眼内レンズが小さく折り曲げられて、インジェクターの先端から送出される。例えば、眼内レンズをインジェクター本体の軸外で保管し、使用時に所定の部材を用いて眼内レンズを軸上へと押し込むことで、眼内レンズの保管を解除するものがある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001‐104347号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、保管状態を解除するために、眼内レンズの押し込むときに、眼内レンズが軸上に正しく置かれない可能性がある。例えば、眼内レンズが押込み時に曲がってしまったり、眼内レンズが軸外から軸上へと移動する際に、眼内レンズ自体が軸に対して傾いてしまう場合がある。これによって、インジェクターの内壁と眼内レンズとの間に意図しない隙間が空くと、プランジャーで眼内レンズをインジェクター先端に向けて押す際に、プランジャーの先端が眼内レンズの光学部の下側に潜り込んでしまったり、光学部上に乗り上げてしまうことで、光学部を傷つけてしまうおそれがある。
【0005】
例えば、特許文献1では、押込部材から加える押圧で眼内レンズを変形させて軸上へと移動させる構成となっており、押込部材がゆっくり押されると眼内レンズとインジェクター内壁との間に意図しない隙間が生じやすくなる。一方、押込部材が強く押されると眼内レンズの変形時に破損しやすくなる虞がある。
【0006】
本発明は上記従来技術の問題点に鑑み、眼内レンズの保管状態から使用状態へと好適に移行することができる眼内レンズ挿入器具を提供することを技術課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明は以下のような構成を備えることを特徴とする。
(1) 患者眼に眼内レンズを挿入する眼内レンズ挿入器具において、軟性の眼内レンズを折り曲げる内壁と、該内壁に沿って折り曲げられた眼内レンズを眼内へ挿入する先端を持つ挿入部と、該挿入部を先端側に持つ筒部本体と、前記眼内レンズを前記先端に向けて押すための押出手段であって、前記眼内レンズ挿入器具の前記先端から基端に向けて伸びる軸に沿って進退移動される押出手段と、前記筒部本体に取り付けられ、軸外に置かれた前記眼内レンズの移動を規制する規制部材と、該規制部材による前記眼内レンズの移動の規制を解除して、前記眼内レンズを軸上に押し込む解除部材と、を備え、前記解除部材は、前記規制部材による規制を解除する際に、前記眼内レンズに当接する当接部であって、軸上に置かれた前記眼内レンズに当接される載置面を持つ当接部と、を備えることを特徴とする。
(2) 請求項1の眼内レンズ挿入器具において、前記規制部材は、前記解除部材による押し込み方向への前記眼内レンズの移動を規制する変形可能な規制部を有し、前記解除部材は、前記規制部による前記眼内レンズの規制を解除するために前記規制部の位置に合わせて形成された解除部とを有し、前記解除部から加えられる押圧で、前記規制部をその押込方向に変形させることで、前記眼内レンズを前記先端部に接触させること無く前記軸上へと移動させることを特徴とする。
(3) (2)の眼内レンズ挿入器具において、前記解除部材は、前記眼内レンズの規制が解除された状態で、前記押出手段の軸方向の移動を案内する軸出部とを備えることを特徴とする。
(4) (3)の眼内レンズ挿入器具において、前記解除部は、前記眼内レンズを軸外から軸上へと移動させる際に、前記眼内レンズの通過位置をガイドするガイド機構を持つことを特徴とする。
(5) (4)の眼内レンズ挿入器具において、前記解除部は、軸上に置かれた前記眼内レンズの水平方向の位置ずれを抑える位置ずれ抑制機構を有することを特徴とする。
(6) (5)の眼内レンズ挿入器具において、前記規制部は、前記眼内レンズの移動方向側のレンズ面を支持するために、該レンズ面の周囲から内側に向けて所定量だけ延びて、前記レンズ面に当接される凸状の部材であって,前記解除部から加えられる押圧によって、前記眼内レンズの移動方向に向けて変形可能な肉厚を持つ樹脂で形成されることを特徴とする。
(7) (6)の眼内レンズ挿入器具において、前記眼内レンズの移動方向側の前記レンズ面が、前記載置面に接触されることを特徴とする。
(8) (1)〜(7)のいずれかの眼内レンズ挿入器具において、前記載置面は、前記眼内レンズの光学部の少なくとも一部に接触する形状に形成されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、眼内レンズの保管状態を使用状態へ好適に移行することができる眼内レンズ挿入器具を提供できる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示の実施形態を図面に基づき説明する。図1は眼内レンズ挿入器具(以下、インジェクターと記す)1の外観概略図である。図2はインジェクター1を軸に沿って切断して側面から見たときの断面の模式図であり、図2(a)に眼内レンズが保管されているときの断面図、図2(b)に眼内レンズの規制が解除されて使用状態とされたときの断面図が示されている。なお本実施形態では、挿入部10の先端11からプランジャー40の基端に沿って伸びる線を軸Lとする。図3はプランジャー40の構成の説明図、図4は眼内レンズ保管部100の構成の説明図である。
【0010】
インジェクター1は、筒部本体(以下、本体と記す)30、押出部材(以下、プランジ
ャーと記す)40、眼内レンズ保管部(以下、保管部と記す)100から構成されており、本体30は挿入部10、載置部20を備える。このようなインジェクター1は樹脂材料等を用いたモールド成型で形成される。例えば、本体30と保持部100とが別々にモールド成型された後、図示を略す接続部で接続される。又は、インジェクター1は樹脂の削り出しによる切削加工で形成されても良い。
【0011】
本実施形態では保管部100で保管される眼内レンズ2は、光学部2aと一対の支持部2bとが柔軟な素材で一体成形されたワンピースタイプの眼内レンズとする(図4参照)。これ以外にも、インジェクター1を用いて折り曲げ可能な周知の眼内レンズ2が使用される。例えば、光学部と一対の支持部とを別部材で形成した後、一体化される3ピースタイプの眼内レンズ、プレートタイプの眼内レンズ等が使用されても良い。
【0012】
本体30の挿入部10は、その先端に向かい通路の内径が徐々に小さく(細く)なる領域(内壁形状)を有する中空の筒形状をしており、その先端11に眼内レンズ2を外部に送出するための切欠き(ベベル)が形成されている。挿入部10を通過した眼内レンズ2は、挿入部10の内壁に沿って小さく折り曲げられて、先端11から外部に送出される。
【0013】
本体30の載置部20は挿入部10の基端に形成され、保管部100による保管状態が解除され、使用状態とされた眼内レンズ2が位置する空間(隙間)を形成する。また、使用状態で、眼内レンズ2が置かれる載置面が位置される。なお、本実施形態では予め眼内レンズ2が保持された保管部100が載置部20の開口(図番号を略す)に閉じ合わせられることで、インジェクター1内で眼内レンズ2が保管されている。
【0014】
保管部100は、載置部20の開口を塞ぐ蓋部材となる他、インジェクター1の保管・搬送時に軸L外の位置で眼内レンズ2に応力を加えずに移動を規制する規制手段になる。また、インジェクター1の使用時に、軸L外での眼内レンズ2の保持を解除して軸L上に位置させる解除手段となる。以上のような保管部100の構成の詳細な説明は後述する。
【0015】
なお、本実施形態では、光学部2aの周縁(コバ)が、プランジャー40の進退移動に関わらずプランジャー40に接触しない位置にあるときに、眼内レンズ2は軸L外にあるとしている。これ以外にも、眼内レンズ2の粘着力による貼り付きを解除部材120の押込みによって解除して、眼内レンズ2を軸L上に移動させることができるときに、保管時の眼内レンズ2は軸外にあると言える。例えば、プランジャー40の進退移動によってプランジャー40が光学部2aの周縁の一部に当接される場合であっても、解除部材120の押込みによって眼内レンズ2を軸L上へと移動できる場合には、保管時の眼内レンズ2は軸L外に位置されていると言える。
【0016】
プランジャー40は、眼内レンズ2を挿入部10内で押して小さく折り曲げ、先端から眼内へと押出す部材である。図3において、プランジャー40は、術者に押圧される押圧部41と、押圧部41に接続される軸基部42と、軸基部42に接続される押出棒43と、押出棒43の先端に接続され,眼内レンズ2の押出時に光学部2aに当接される先端44とを備える。このような構成のプランジャー40は、本体30から挿入部20の先端まで繋がる通路を軸方向に進退可能に挿通される。
【0017】
なお、先端44と眼内レンズ2とが当接される面を当接面(図示を略す)とし、当接面を囲む側方の面を側面(図示を略す)としたときに、当接面の下側に、プランジャー40の先端44の光学部2a上への乗り上げを抑える突起(図示を略す)を形成しても良い。また当接面の後方側の支持部2bの折り曲げ位置に対応する位置に、別の突起を形成し、突起で支持部2bに押圧が加えられるようにしても良い。これにより先端44で支持部2bが安定して保持される。また、上述した2つの突起の間に光学部2aを挟みこむ空間を形成しても良い。このようにすると、光学部2aの一部が把持された状態で、眼内レンズ1の押込み操作がより安定して行われる。さらに、先端44で支持部2bが押されるときに、当接面から支持部2bが外れることを抑えるために、当接面の上側に別の突起を設けても良い。また、先端44の側面左右に切り欠きを形成して、先端44と挿入部10の内壁との間に、後方側の支持部2bの光学部2aとの接続位置(付け根)を後方側に逃す空間を形成してもよい。これにより、支持部2bの破損が防止される。更には、先端44の側面裏面側(使用時に後述する軸出部124に接触される側)に、先端から基端に向けて所定の傾斜角度を持つ斜面を形成しても良い。眼内レンズ2を先端11に向けて押し込む際に、このような斜面で先端44が一旦上側に持ち上げられることで、後方側の支持部2bの一部を光学部2a上に載せるタッキングの操作がより好適に行われる。
【0018】
次に、保管部100の構成を詳しく説明する。図4には、眼内レンズ2と保管部100を構成する各構成要素の斜視図が示されている。保管部100は、未使用の眼内レンズ2に応力がかけられていない状態で保持(規制)するための規制部材110と、規制部材110による眼内レンズ2の規制を解除して使用状態にする解除部材120との組み合わせで構成される。なお、眼内レンズ2に応力がかけられていない状態とは、眼内レンズ2が長期間保管されたときに、意図しない変形を生じさせない程度の応力が加えられる状態も含まれるとする。
【0019】
規制部材110は、基台111、眼内レンズ2の光学部2aが位置される台111a、眼内レンズ2の移動を規制する規制部112,113、解除手段120の一部を挿通させるために基台111(及び台111a)の一部を刳り貫くこと等で形成される各貫通孔115a〜115e等から構成されている。なお、台111a及び規制部112,113は基台111上に形成される。
【0020】
基台111は載置部20の開口に閉じ合わせられる大きさ及び形状で形成される。台111aは、保管部100が載置部20に閉じ合わせられたときに、基台111から本体30の内側に向けて垂直に延びる柱状の部材であり、その先端が所定の傾斜角度を有する斜面に形成されている。これにより、台111aに光学部2aが置かれることで、眼内レンズ2全体が軸Lに対して斜めに位置され、先端11(前方)側の支持部2bが、基端側(プランジャー40側)の後方側の支持部2bよりも軸Lの近くに位置される。
これにより、眼内レンズ2の規制を解除するための解除手段120の押込量を減らすことができ、インジェクター1の小型化に有利な構成にできる。また、解除部材120によって眼内レンズ2の規制が一方向に順次解除されるようになる。
【0021】
規制部112,113は、保管部100が載置部20の開口に閉じ合わせられた時に、基台111から本体30の内側に向けて垂直に延びる柱状の部材である。規制部112は、基台111に対する眼内レンズ2の水平方向への移動を抑えるために、眼内レンズ2の光学部2aの外周形状に沿う(接する)位置に設けられる。本実施形態では規制部112は、光学部2aと支持部2bの2箇所の接続位置(点対称の位置)に形成され、眼内レンズの水平方向の移動を抑えると共に、光学部2aの中心を基準として、眼内レンズ2が基台111上で回転することを抑えている。
【0022】
規制部113は、基台111に置かれる光学部2aの外縁よりも僅かに外側であって、軸に対して光学部2aの左右方向の両側に形成されている。なお、光学部2aと規制部113との間には、後述する当接部123の一部が通過することが可能な程度の隙間が形成される。規制部113は、基台111に対して垂直方向に延びる柱状部113aと、柱状部113aの先端を内側(光学部2aの中心)に向けて折り曲げることで、光学部2aの周囲から内側に向けて所定量だけ水平方向の延びる長さの凸状に形成された先端部113bから構成される。なお、先端部113bの所定量の長さとは、規制状態のときに先端部113bによって光学部2aの解除手段120による押込み方向への移動を規制できる長さを言う。以上のような柱状部113aによって、光学部2aの基台111に対する左右方向への移動が抑えられ、先端部113aによって後述する解除手段120による押込み方向に対して光学部2aの表面側が支持される。
【0023】
なお、先端部113bは、眼内レンズ2の重量又は動き(微動)によって生じる力に対しては変形されず、後述する解除手段120から加えられる押力によって、柱状部113aと先端部113bの接続位置(折り曲げ位置)を基準として眼内レンズ2の押し込み方向に沿って変形されるように、所定の柔軟性と強度を備える肉厚で形成されている。これにより、解除手段120に加えられる押圧によって先端部113による規制が容易に解除されるようになる。
【0024】
解除部材120の一部を通過させるための貫通孔115a〜115eは、眼内レンズ2の規制状態で、貫通孔115aが台111aの中央(光学部2aの中心に対応する位置)に形成されており、貫通孔115bが一対の支持部2bに対応する位置に形成されており、貫通孔115cが光学部2aの周縁に対応する位置に形成されており、貫通孔115dが規制部113と光学部2aとの隙間に対応する位置に形成されている。また、貫通孔115eは、後述する解除手段120の軸出部124に対応する位置に形成されている。
【0025】
以上のように、眼内レンズ2の各部位に対応する位置に貫通孔115a〜115cが形成されることで、解除部材120からの押圧によって、眼内レンズ2全体が均一に(バランスよく)押し出されるようになる。また、貫通孔115dが柱状部113aと光学部2aとの間の隙間に対応した位置に形成されることで、貫通孔115d通過した解除部材120の一部によって先端113bの規制が解除される。これにより、眼内レンズ2に負荷をかけることなく(先端部113bに接触されることなく)軸L上へと移動させることができるようになる。
【0026】
また、本実施形態では貫通孔115dを通過する規制部材110と光学部2aのコバとの距離ができるだけ接近されている。その為、貫通孔115dを通過した解除部材120が、眼内レンズ2を軸L上へ押し込む際に傾く(ずれる)ことを抑えるガイド部として用いられる。
【0027】
解除手段120は、規制部材110による眼内レンズ2の規制を解除する際に、術者によって押圧を加えるための押込部121、押圧部121からの押圧によって規制部112、113による規制を解除すると共に眼内レンズ2を軸L上へと移動させるための当接部123a〜123d、プランジャー40の軸ぶれを抑えるための軸出部124を備える。
【0028】
押込部121は、術者による押込み操作がしやすいように所定の面積を有する任意の形に形成される。また、本実施形態の押込部121は、規制部材110(台111a)によって軸Lに対して斜めに保持される眼内レンズ2の傾斜に合わせて、インジェクター1の先端11から基端に向けて所定の傾斜角度で斜めに取り付けられている(図2参照)。つまり、解除部材120の先端11側が最も軸Lに接近され、基端側へと向けて次第に押込部121と軸Lとの距離が広くなるように、解除部材120が本体30に対して取り付けられている。
【0029】
各当接部123a〜123dは、各貫通孔115a〜115dを通過可能なように、その先端形状が各貫通孔115a〜115dの形状と略等しく(僅かに小さく)形成されている。また、眼内レンズ2に当接される当接部123a〜123cは、解除部材120が押し込まれたときに眼内レンズ2に接触される長さであり、解除部材120が規制部材110に対して完全に押し込まれたときに(本体30の側面に対して解除部材120が平行となるまで押し込まれたときに)、眼内レンズ2が軸L上で水平に置かれるようにその長さが決定されている。そして、各当接部123a〜123dの先端によって、軸L上で眼内レンズ2を水平に置く載置面123eが形成される。なお図中において、載置面123eを斜線で示す。また当接部123a〜123cの長さは、規制部材110の対応する各貫通孔115a〜115eの高さ(厚さ)よりも長く形成する。このようにすると、解除部材120が規制部材110に対して完全に押し込まれたときに、載置面(先端)123eが、規制部材110の基台111よりも上方(軸Lの近く)に位置し、載置面123eで支持された眼内レンズ2(裏面側)と基台111との間に空間sが形成される(図5参照)。なお空間sには、眼内レンズ2の折り曲げ時に使われる粘弾性物質を充填できる。このようにすると、眼内レンズ2の折り曲げ開始時の摩擦力が低減されて、折り曲げ動作をスムーズに行えるようになる。
【0030】
なお、載置面123eは当接部123a〜123cのいずれか一つを用いて構成されていれば良く、載置面123eを構成する当接部123a〜123cが眼内レンズ2を軸L上で水平に置ける長さに決定されていれば良い。ここでは、載置面123eは当接部123b、123cにて構成される。また、ここでの当接部123aは、当接部123b、123cに比べて長さを短く形成し、プランジャー40による押出時に光学部2aの中心部が当接部123aに接触しないようにする。これにより、眼内レンズ2の先端11へと押し出す際に眼内レンズ2に掛かる負荷を減らすことができる。また、当接部123aの先端(接触面)の面積が広いことが好ましく、解除部材120にて規制を解除する際に、眼内レンズ2がより安定して軸L上へと押し込まれるようになる。
【0031】
また、本実施形態では、後方側の支持部2bに対応する位置に設けられる当接部123bが、所定の傾斜角度を有する斜面に形成されている。具体的には軸出部124から当接部123cに向けて徐々に高さが増加する斜面に形成されている。これにより、プランジャー40によって眼内レンズ2が先端11に向けて押される際に、後方側の支持部2bが斜面に沿って持ち上げられるようになる。なおプランジャー40の先端44の側面裏面側に形成された図示を略す斜面によって、より好適に先端44が持ち上げられる。これにより、先端44で保持された支持部2bを光学部2a上に載せるタッキングの操作が好適に行われる。当接部124の通過後は、プランジャー40の先端44は軸L上に戻される。これにより、タッキングがされた眼内レンズ2の光学部2aが先端44によって好適に押し出されるようになる。
【0032】
一方、前方側の支持部2bに対応する当接部123bの先端には、後方側の支持部2bがタッキングされるときに、眼内レンズ2全体が先端11に向けて押されることを抑えるための凸部126a、126bが設けられている。本実施形態では、光学部2aのコバの位置よりも(僅かに)先端11側の位置であって、軸Lを介して左右の位置に凸部126a、126bが形成されている。凸部126a、126bは、先端44によって後方側の支持部2bのみが押される応力では光学部2aが通過することができず、後方側の支持部2bと光学部2bの両方が押されることで加えられる応力によって光学部2aが通過できるように、形状及び大きさが決定されている。また、光学部2aの通過時の負荷を抑えるために滑らかな曲面を有する形に形成されることが好ましい。これにより、眼内レンズ2のタッキングが安定して行われると共に、タッキングが完了した状態で好適に眼内レンズ2の押し込み(折り曲げ)の動作が開始されるようになる。
【0033】
更に、本実施形態では2つの凸部126a、126bによって、後方側の支持部2bのタッキングが行われる際の眼内レンズ2の回転が抑えられる。また、凸部126a、126bの光学部2aと接触される内側を斜面にすると、光学部2aが凸部126a、126bを乗り越えて通過する際に中心位置に導かれやすくなり、眼内レンズ2の折り曲げが好適に開始される。
【0034】
ところで、従来技術では解除部材120で押された眼内レンズ2は、一旦解除部材から離れて変形しながら軸L上へと移動される。その為、軸L上に移動される途中で意図しない状態に傾く又は折り曲がってしまう可能性があった。一方、本発明では、規制が解除された眼内レンズ2が解除部材120から離れることなく軸L上の載置面123eに置かれた状態となる。その為、解除部材120による押込み方に関わらず、眼内レンズ2が載置面123e上に正しく(水平に)置かれるようになる。
【0035】
また、解除部材120の当接部123a〜123cが使用状態の眼内レンズ2の載置面123eとして用いられることで、解除部材120が完全に押し込まれた状態で、取り外すことなく、プランジャー40による眼内レンズ2の押し出し操作が開始される。また、眼内レンズ2と載置面123eとの間に隙間が形成されることなく、眼内レンズ2が好適に載置面123e上に置かれる。そのため、プランジャー40が光学部2aに対して好適に接触されて、眼内レンズ2が好適に押し出されるようになる。
【0036】
また、以上のような構成によって、押込部121が押されたときに、規制部材110で保持されている眼内レンズ2が、基端側から先端11側へと一方向に順次押し込まれるようになる。つまり、基台111上で斜めに保持された眼内レンズ2に対して、各当接部123a〜123cが基端側から順次眼内レンズ2に当接される。これにより、各当接部123a〜123cによる眼内レンズ2の押込みのタイミングが変わり、眼内レンズ2全体が一度に押し出されず、解除手段120の押込み量に応じて、眼内レンズ2に対する当接部123の当接面積(押込み量)が、基端側の支持部2bから先端側の支持部2bへと一方向に増加されるようになる。これにより、保管状態で眼内レンズ2が基台111に貼り付いていたとしても、眼内レンズ2が一方向に順次剥がされて、眼内レンズ2の規制解除が一様に行われる。また、眼内レンズ2の規制が解除される際に、眼内レンズ2に不要な負荷をかけることなく好適に軸L上に位置させることができるようになる。
【0037】
以上のような、解除部材120の押込み操作によって、載置台31の軸L上に眼内レンズ1が置かれると、眼内レンズ1を眼内に押し出し可能な状態となる。当接部123dは先端113bを押し上げることで、先端113bによる眼内レンズ2の規制を解除する解除部であって、眼内レンズ2が使用状態で軸L上に置かれたときに、光学部2aの側面に沿うことの出来る長さに形成される。
【0038】
なお、ここでの当接部123dは当接部123a〜123cよりも長く形成される。このようにすると、眼内レンズ2が軸L上へと移動される前に、当接部123dによって規制部113による光学部2aの規制が解除される。これにより、眼内レンズ2に先端部113bとの接触による負荷が加えられることなく、軸L上に位置されるようになる。また、本実施形態では当接部123dは、眼内レンズ2を軸L上へと移動させる際のガイド部となり、光学部2aの位置ずれが抑えられる。また、載置面123eに置かれた状態で光学部2aのコバの位置に当接部123dがあることで、プランジャー40の押込時に眼内レンズ2を安定して先端11方向へと移動させる位置ずれ抑制機構となる。
【0039】
以上のようにすることで、規制が解除されて軸L上に置かれた眼内レンズ2の位置ずれを抑えて、プランジャー40による眼内レンズ2の押出動作が好適に行えるようになる。なお、上記では当接部123dの長さを、眼内レンズ2に押圧を加えるための当接部123a〜123cよりも長く形成しているが、眼内レンズ2が先端部113bを通過するよりも先に、先端部113bの規制が解除される構成となっていれば良く、インジェクター1の構成に応じてその長さが決定される。例えば、各当接部123a〜123dの長さは全て等しくても良く、互いに異なっていても良い。
【0040】
当接部124の上面にはプランジャー40の外形に略一致される形状の溝124aが形成されており、解除手段120が完全に押し込まれたときに、溝124aがプランジャー40の軸Lの位置に一致され、プランジャー40の押出し機構として用いられる。なお、本実施形態では、支持部2bに対応する当接部123bの先端(上面)にも、プランジャー40の軸43の外形形状に略一致されると共に、眼内レンズ2の前後方向(軸方向)に延びる溝125が形成されており、同様にプランジャー40の軸出し機構として用いられる。
【0041】
以上のような構成により、保管時には、眼内レンズ2は規制部材110の複数の規制部112、113によって応力が加えられない状態で保持される。一方、使用時には、術者によって解除部材120が押されるだけで簡単に眼内レンズ2の規制(粘着力による貼り付き)が解除される。
【0042】
また、解除部材120によって載置面123eが形成されるので、術者は眼内レンズ2の規制を解除した後、解除部材120を取外すことなく眼内レンズ2の一連の押出動作を進めることができる。また、眼内レンズ2を軸外から軸上に移動させる間、水平な状態が保たれるので、保持が解除された後も、眼内レンズ2がインジェクター1内で安定した状態で置かれる。更には、保持が解除された眼内レンズ2と載置面123eとの間に隙間が形成されないので、眼内レンズ2の折り曲げ時に、プランジャー40の光学部2a上への乗り上げや、光学部2a下への潜り込み等の不具合の発生が抑えられる。
【0043】
また眼内レンズ2と載置面123eが接触されることを利用して、後方側の支持部2bの一部を光学部2a上に載せるタッキングの操作をしやすくできる。つまり従来技術では、挿入部内で眼内レンズの折り曲げを滑らかに行うために、予め載置面123eに粘弾性物質を塗布した状態で、眼内レンズを置くことが多い。しかし、粘弾性物質上に置かれた眼内レンズの状態は不安定であり、タッキングの操作が行い難くなるおそれがある。そこで、本開示では、載置面123eと眼内レンズ2との間に生じる所定の摩擦力で、タッキング時に眼内レンズが載置面123eで保持されるようにする。一方、眼内レンズ2の折り曲げ時に、プランジャー40から載置面123eによる摩擦力以上の押圧が加えられることで、容易に眼内レンズ2の保持が解除される。例えば、鏡面に形成された載置面123eを、光学部2aの周縁のみに接触される形状にする。これ以外にも眼内レンズ2と載置面123eを形成する材質との組み合わせに応じて、載置面123eの表面状態及び形状が決定される。なお、タッキング時に載置面123eで眼内レンズ2が保持される場合、眼内レンズ2の回転を抑える凸部126a、126bの構成を省略し、インジェクター1の構成をより簡単にしても良い。
【0044】
また、本実施形態では、規制が解除された眼内レンズ2が載置面123eに置かれたときに、台111aと光学部2aの裏面との間に、粘弾性物質が注入可能な空間sが形成される。そして、眼内レンズ2が載置面123eで保持されている状態で、空間s内に粘弾性物質が注入されると、光学部2aの裏面側に粘弾性物質が塗布され易い状態となる。特に、本実施形態は、載置面123eと眼内レンズ2の周縁のみが接触される構成となっており、空間sに対応する位置にある光学部2aの後面(裏面側)の中心付近に、粘弾性物質が好適に塗布される。これにより、眼内レンズ2が挿入部10内で折り曲げられる際に発生する摩擦力が粘弾性物質の介在により抑えられて、眼内レンズ2が先端11に向けて滑らかに移動される。
【0045】
次に、以上のような構成を備えるインジェクター1を用いた眼内レンズ2の押出動作を説明する。なお、図5に眼内レンズ2を規制状態(軸L外)から使用状態(軸L上)へと移行する際の動作の説明図を示す。図5ではインジェクター1を矢印A−A(図2参照)の位置で切断し、先端11側から見たときの断面の模式図が示されている。また、図5では構成要素の図番号の一部を省略している。
【0046】
まず、眼内レンズ2の保管時には、蓋部材としての保持部100によって載置部20の開口が塞がれた状態で、インジェクター1内に眼内レンズ2が置かれている(ここでは、裏面が基台111側となるように置かれている)。この時、眼内レンズ2は、保持部112、113によって応力が加えられない状態で、基台111上での水平及び垂直方向への移動が規制されている。なお、保管状態で眼内レンズ2が下向き(本体30に対して保持部100が上側に位置する状態)に置かれていたとしても、各保持部112、113(先端113a)は、眼内レンズ2の重さ及び振動によっては変形されないため、眼内レンズ2は基台111上の所定位置で保持される。
【0047】
次に、術者は、眼内レンズ2を使用するため保持部100による規制を解除する。図5(a)に示す軸外での保管状態から、術者によって、解除手段120の押込部121が押されると、その押圧によって当接部123a〜123dが保持部100の各貫通孔115a〜115d(図5での図番号を省略する)を次第に通過する。
【0048】
図5(b)に示されるように、解除部材120が押されることで、先に貫通孔115dを通過した当接部123dが先端113bに当接されると、押込部121から加えられる押圧によって、先端113bが次第に外方向に向けて変形される。更に押込部121が押されると、各貫通孔115a〜115cを通過した当接部123a〜123cが眼内レンズ2に接触されるようになる。この時、眼内レンズ2が当接部123dによってガイドされながら軸L上に移動される。そして、図5(c)に示されるように、軸L上まで押し込まれると規制の解除が完了する。
【0049】
以上のように、予め先端113bが変形されて外方向を向いた状態で眼内レンズ2が通過されるので、眼内レンズ2は先端113bに接触されることなく、軸L上へと移動される。その為、眼内レンズ2の軸L上への移動時に、光学部2aが規制部113に接触して破損するなどの不具合の発生が抑えられる。また、眼内レンズ2が当接面123dの側面でガイドされながら移動するので、眼内レンズ2の位置ずれが抑えられて好適に軸L上に位置される。
【0050】
一方、解除手段120が完全に押し込まれたときに、眼内レンズ2は載置面123e(当接部123b、123c上)に直接置かれた状態になるため、眼内レンズ2と載置面123eの間に隙間が生じない。その為、プランジャー40が光学部2a上に乗り上げる又は潜り込むことで眼内レンズ2に傷などをつけてしまう等の不具合の発生が抑えられる。また、解除手段120の押込みによって折り曲げられずに水平な状態で載置面123eに置かれる。
また、貫通孔115bを通過した当接部123b上に形成されている溝125、貫通孔115eを通過した軸出部124により、プランジャー40の前後方向の移動をガイドするための軸出し機構が形成される。
【0051】
以上のように、保持部110に対して押し込まれた解除手段120が、眼内レンズ2を先端11に向けて押出す際の載置面123e,軸出し機構として用いられるので、解除手段120を取外すことなく、眼内レンズ2の押出動作が行われるようになる。
【0052】
眼内レンズ2が載置面123eに置かれた状態で、術者はインジェクター1の向きを先端11のベベルの向きに合わせて回転させる。また、図示を略す開口又は先端11から周知の粘弾性物質を挿入部10内に注入する。この時、台111aと光学部2aの裏面との間に形成された空間sにも粘弾性物質が注入される。なお、ここでは眼内レンズ2の裏面側が載置面123eに置かれるので、術者は、解除部材120に対向する本体30側から、載置面123e上での眼内レンズ2の状態を簡単に確認できるようになる。
【0053】
術者によって押込部41が押されると、プランジャー40は上述の軸出し機構である溝124a、125に沿って軸方向に移動されるようになる。これによりプランジャー40の前後方向の移動が安定され、光学部2aが安定して押されるようになる。まず、プランジャー40の先端44によって後方側の支持部2bの折り曲げ位置が押されることで上述のタッキングが行われる。この時、光学部2aの一部が載置面123eによって保持されているので、タッキングの操作が安定して行われる。さらにプランジャー40が押されると、先端44が光学部2aの周縁(コバ)に当接されるようになる。この状態から更に押込部41が押されると光学部2aに加えられる押圧で、光学部2aが凸部126a、126bを乗り越えて先端11側に移動されると共に、光学部2aが挿入筒21の内壁に沿って次第に折り曲げられる(丸められる)。
【0054】
この時、本実施形態では、載置面123eに接触される光学部2aの裏面側がインジェクター1の内壁に沿って折り曲げられる。更に押込部41が押されると、眼内レンズ2が折り曲げられながら先端11から眼内へと送出され、嚢内で次第に開放されるようになる。そして、一対の支持部2bが嚢に沿って配置されることで、光学部2aが眼内から加えられる応力で保持されるようになる。
【0055】
なお、上記では、インジェクター本体と眼内レンズ保管部とが一体成形されたタイプのインジェクター(プリセットタイプ若しくはプリロードタイプのインジェクター)が示されているが、これに限られるものではない。例えば、インジェクター本体と、眼内レンズ保管部とが別構成とされるインジェクターの場合にも、本発明の構成が適用されることで、眼内レンズの規制状態と使用状態との切換が簡単に行えるようになる。例えば、眼内レンズ保管部がインジェクター本体の一部を構成する(眼内レンズ保管部が本体の挿入部内壁の一部を形成する)タイプのインジェクター(セミプリセットタイプ若しくはセミプリロードタイプのインジェクター)においても。本発明の構成が適用可能である。
【0056】
なお、本発明は以上のような構成に限られるものではない。上記では保管状態で眼内レンズ2が軸Lに対して斜めに置かれる例が示されている。これ以外にも、保管状態の眼内レンズ2が軸Lに対して平行に置かれるように、軸L外で保持されても良い。この場合も、解除部材120が押されるだけで規制部材110による眼内レンズ2の規制が解除され、解除部材120を取外す事無く載置面123eとして用いることができ、眼内レンズ2が載置面123e上に好適に置かれることで、使用状態での眼内レンズ2の押出動作が好適に行われるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】眼内レンズ挿入器具の外観概略図である。
【図2】眼内レンズ挿入器具の断面の模式図である。
【図3】プランジャーの構成の説明図である。
【図4】眼内レンズの保管部の説明図である。
【図5】眼内レンズの規制を解除する際の動作の説明図である。
【符号の説明】
【0058】
1 眼内レンズ挿入器具
2 眼内レンズ
10 挿入部
20 載置部
30 本体
40 プランジャー
100 眼内レンズ保管部
110 規制部材
112、113 規制部
113b 先端
120 解除部材
123a〜123d 当接部
124 軸出部
124a、125 溝

【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者眼に眼内レンズを挿入する眼内レンズ挿入器具において、
軟性の眼内レンズを折り曲げる内壁と、該内壁に沿って折り曲げられた眼内レンズを眼内へ挿入する先端を持つ挿入部と、
該挿入部を先端側に持つ筒部本体と、
前記眼内レンズを前記先端に向けて押すための押出手段であって、前記眼内レンズ挿入器具の前記先端から基端に向けて伸びる軸に沿って進退移動される押出手段と、
前記筒部本体に取り付けられ、軸外に置かれた前記眼内レンズの移動を規制する規制部材と、
該規制部材による前記眼内レンズの移動の規制を解除して、前記眼内レンズを軸上に押し込む解除部材と、を備え、
前記解除部材は、前記規制部材による規制を解除する際に、前記眼内レンズに当接する当接部であって、軸上に置かれた前記眼内レンズに当接される載置面を持つ当接部と、を備えることを特徴とする眼内レンズ挿入器具。
【請求項2】
請求項1の眼内レンズ挿入器具において、
前記規制部材は、前記解除部材による押し込み方向への前記眼内レンズの移動を規制する変形可能な規制部を有し、
前記解除部材は、前記規制部による前記眼内レンズの規制を解除するために前記規制部の位置に合わせて形成された解除部とを有し、
前記解除部から加えられる押圧で、前記規制部をその押込方向に変形させることで、前記眼内レンズを前記先端部に接触させること無く前記軸上へと移動させることを特徴とする眼内レンズ挿入器具。
【請求項3】
請求項2の眼内レンズ挿入器具において、
前記解除部材は、前記眼内レンズの規制が解除された状態で、前記押出手段の軸方向の移動を案内する軸出部とを備えることを特徴とする眼内レンズ挿入器具。
【請求項4】
請求項3の眼内レンズ挿入器具において、
前記解除部は、前記眼内レンズを軸外から軸上へと移動させる際に、前記眼内レンズの通過位置をガイドするガイド機構を持つことを特徴とする眼内レンズ挿入器具。
【請求項5】
請求項4の眼内レンズ挿入器具において、
前記解除部は、軸上に置かれた前記眼内レンズの水平方向の位置ずれを抑える位置ずれ抑制機構を有することを特徴とする眼内レンズ挿入器具。
【請求項6】
請求項5の眼内レンズ挿入器具において、
前記規制部は、前記眼内レンズの移動方向側のレンズ面を支持するために、該レンズ面の周囲から内側に向けて所定量だけ延びて、前記レンズ面に当接される凸状の部材であって,前記解除部から加えられる押圧によって、前記眼内レンズの移動方向に向けて変形可能な肉厚を持つ樹脂で形成されることを特徴とする眼内レンズ挿入器具。
【請求項7】
請求項6の眼内レンズ挿入器具において、
前記眼内レンズの移動方向側の前記レンズ面が、前記載置面に接触されることを特徴とする眼内レンズ挿入器具。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれかの眼内レンズ挿入器具において、
前記載置面は、前記眼内レンズの光学部の少なくとも一部に接触する形状に形成されることを特徴とする眼内レンズ挿入器具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−81759(P2013−81759A)
【公開日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−177818(P2012−177818)
【出願日】平成24年8月10日(2012.8.10)
【出願人】(000135184)株式会社ニデック (745)
【Fターム(参考)】