説明

眼用エチレンオキシドブチレンオキシドブロックコポリマー組成物

本発明は、エチレンオキシドブチレンオキシドブロックコポリマーおよびガラクトマンナンガラクトマンナン(例えば、グアール)を含む組成物に関する。上記組成物は、眼の適用(例えば、コンタクトレンズ消毒および再加湿に特によく適している。本発明の組成物を使用してドライアイを処置する方法もまた、企図される。本発明のガラクトマンナンおよびEO−BO組成物は、上記組成物を眼の適用、ならびに特に、コンタクトレンズ消毒および再加湿に十分に適切にする望ましい粘弾性および界面特性を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願への相互参照)
本出願は、2009年7月7日に出願された米国仮特許出願第61/223,599,号に対して米国特許法§119の下、優先権を主張し、この出願の全内容は本明細書において参照として援用される。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、一般に、エチレンオキシドブチレンオキシドブロックコポリマー組成物、および具体的には、ガラクトマンナン(例えば、グアールまたはグアール誘導体)を含むエチレンオキシドブチレンオキシドブロックコポリマー組成物に関する。
【背景技術】
【0003】
(発明の背景)
組成物、特に局所投与可能な眼用組成物におけるポリマー成分の使用は、周知である。ポリマー成分は、懸濁組成物において物理的安定性補助物質として代表的には使用され、このことは、不溶性の成分を、懸濁したまままたは容易に再懸濁可能な状態に保持するのに役立つ。ポリマーはまた、これらが一部である組成物に対して所望の粘弾性特徴およびレオロジー特徴を付与する。
【0004】
多くのポリマーは、局所投与可能な眼用組成物において使用されてきた。これらの中でも、セルロース性ポリマー(例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、およびエチルヒドロキシエチルセルロース)が挙げられる。また、合成ポリマー(例えば、カルボキシビニルポリマーおよびポリビニルアルコール)が挙げられる。なお他のものとしては、ポリサッカリド(例えば、キサンタンガム、グアールガム、およびデキストラン)が挙げられる。
【0005】
ポリマーの組み合わせもまた、眼用組成物において使用されてきた。ポリマーの特定の組み合わせは、粘性に対して相乗効果を提供し、いくらかの場合では、液体からゲルへの相転移すら提供することが公知である。例えば、特許文献1は、キサンタンガムおよびローカストビーンガムの組み合わせを含む眼用組成物を開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第4,136,173号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
(発明の要旨)
本発明は、特定の実施形態において、式(EO)(BO)のエチレンオキシドブチレンオキシド(EO−BO)ブロックコポリマーおよびガラクトマンナン(例えば、グアールまたはグアール誘導体)を含む眼用組成物に関する。本発明者らは、予測外にも、エチレンオキシドブチレンオキシドブロックコポリマーがガラクトマンナンと水溶液中で相互作用することを発見した。EO−BOコポリマーを含む水性組成物は、一般に、挙動がニュートン式であり、EO−BOコポリマーは、低濃度において、このような組成物の粘性にほとんど寄与しない。しかし、本発明のガラクトマンナンおよびEO−BO組成物は、ガラクトマンナンまたはEO−BOを単独で含む組成物と比較して、粘性において相乗効果的な増大を有する。本発明のガラクトマンナンおよびEO−BO組成物は、上記組成物を眼の適用、ならびに特に、コンタクトレンズ消毒および再加湿(rewet)に十分に適切にする望ましい粘弾性および界面特性を有する。
【0008】
エチレンオキシドブチレンオキシドブロックコポリマーは、水溶液において非常に疎水的な両親媒性化合物である。空気−水界面において、これら非イオン性界面活性剤は、眼用の溶液中で使用される場合に、コンタクトレンズに緩衝効果を提供し得る弾性層を形成する。さらに、溶液中のEO−BOブロックコポリマーの疎水性を改変する(上記ブチレンオキシドユニットを変化させる)ことによって、このような溶液の弾性において有利な変化が起こり得る。
【0009】
好ましい実施形態において、本発明の組成物は、式(EO)(BO)のエチレンオキシドブチレンオキシド(EO−BO)ブロックコポリマーを含み、ここでmは、平均値10〜1000を有する整数であり、nは、平均値5〜1000を有する整数であり、上記ガラクトマンナンは、グアール誘導体(例えば、ヒドロキシプロピルグアール、天然グアール(native guar)、またはヒドロキシプロピルグアールガラクトマンナン)である。
【0010】
本発明の実施形態はまた、コンタクトレンズ消毒溶液、ドライアイおよび人工涙液組成物において、エチレンオキシドブチレンオキシドブロックコポリマーおよびガラクトマンナンを含む組成物の使用を包含する。本発明はまた、種々の眼の障害(ドライアイ、緑内障、高眼圧症、感染、アレルギーおよび炎症が挙げられる)を処置するのにこれら組成物を使用する方法に関する。
【0011】
前述の要旨は、本発明の特定の実施形態の特徴および技術的利点を広く記載している。さらなる特徴および技術的利点は、以下の発明の詳細な説明において記載される。本発明の特徴であると考えられる新規な特徴は、発明の詳細な説明からよりよく理解される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
以下の図面は、本明細書の一部を形成し、本発明の特定の局面をさらに示すために含められる。本発明は、本明細書に示される具体的実施形態の詳細な説明と組み合わせて、これら図面のうちの1つ以上を参照することによって、よりよく理解される。
【図1】図1は、種々のEO−BO組成物の振幅スイープ(amplitude sweep)を示す。
【図2a】図2a〜2eは、EO−BOおよびHP−グアール組成物の定常状態フロー曲線を示す。
【図2b】図2a〜2eは、EO−BOおよびHP−グアール組成物の定常状態フロー曲線を示す。
【図2c】図2a〜2eは、EO−BOおよびHP−グアール組成物の定常状態フロー曲線を示す。
【図2d】図2a〜2eは、EO−BOおよびHP−グアール組成物の定常状態フロー曲線を示す。
【図2e】図2a〜2eは、EO−BOおよびHP−グアール組成物の定常状態フロー曲線を示す。
【図3a】図3a〜3eは、表2のEO−BOおよびHP−グアール組成物のストレススイープ曲線(stress sweep curve)を示す。
【図3b】図3a〜3eは、表2のEO−BOおよびHP−グアール組成物のストレススイープ曲線を示す。
【図3c】図3a〜3eは、表2のEO−BOおよびHP−グアール組成物のストレススイープ曲線を示す。
【図3d】図3a〜3eは、表2のEO−BOおよびHP−グアール組成物のストレススイープ曲線を示す。
【図3e】図3a〜3eは、表2のEO−BOおよびHP−グアール組成物のストレススイープ曲線を示す。
【図4a】図4a〜4eは、表2のEO−BOおよびHP−グアール組成物の周波数スイープ曲線(frequency sweep curve)を示す。
【図4b】図4a〜4eは、表2のEO−BOおよびHP−グアール組成物の周波数スイープ曲線を示す。
【図4c】図4a〜4eは、表2のEO−BOおよびHP−グアール組成物の周波数スイープ曲線を示す。
【図4d】図4a〜4eは、表2のEO−BOおよびHP−グアール組成物の周波数スイープ曲線を示す。
【図4e】図4a〜4eは、表2のEO−BOおよびHP−グアール組成物の周波数スイープ曲線を示す。
【図5a】図5a〜5dは、表2のEO−BOおよびHP−グアール組成物の伸長レオロジー曲線(extensional rheology curve)を示す。
【図5b】図5a〜5dは、表2のEO−BOおよびHP−グアール組成物の伸長レオロジー曲線を示す。
【図5c】図5a〜5dは、表2のEO−BOおよびHP−グアール組成物の伸長レオロジー曲線を示す。
【図5d】図5a〜5dは、表2のEO−BOおよびHP−グアール組成物の伸長レオロジー曲線を示す。
【図6a】図6a〜6bは、EO−BOおよびEO−BO/HP−グアール組成物の振幅スイープおよび周波数スイープ曲線である。
【図6b】図6a〜6bは、EO−BOおよびEO−BO/HP−グアール組成物の振幅スイープおよび周波数スイープ曲線である。
【図7a】図7aおよび図7bは、本発明のEO−BO組成物が、種々のケイ素ヒドロゲルコンタクトレンズによる極性脂質(FITC−DHPE,図7a)および非極性脂質(NBD−コレステロール,図7b)の取り込みを妨げる能力を試験する実験をまとめた棒グラフである。
【図7b】図7aおよび図7bは、本発明のEO−BO組成物が、種々のケイ素ヒドロゲルコンタクトレンズによる極性脂質(FITC−DHPE,図7a)および非極性脂質(NBD−コレステロール,図7b)の取り込みを妨げる能力を試験する実験をまとめた棒グラフである。
【図8】図8は、EO−BOおよびHP−グアールを含む組成物で処置した後の、種々のケイ素ヒドロゲルレンズ上の非極性脂質(NBD−コレステロール)の残りの量を示す棒グラフである。
【図9a】図9a〜9dは、ビヒクルと比較して、本発明のEO−BO組成物の洗浄効力を示す。
【図9b】図9a〜9dは、ビヒクルと比較して、本発明のEO−BO組成物の洗浄効力を示す。
【図9c】図9a〜9dは、ビヒクルと比較して、本発明のEO−BO組成物の洗浄効力を示す。
【図9d】図9a〜9dは、ビヒクルと比較して、本発明のEO−BO組成物の洗浄効力を示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(発明の詳細な説明)
本発明は、特定の実施形態において、エチレンオキシドブチレンオキシド(EO−BO)ブロックコポリマーおよびガラクトマンナン(例えば、グアールまたはグアール誘導体)を含む眼用組成物に関する。これら組成物のエチレンオキシドブチレンオキシドブロックコポリマーは、以下の一般式:
(EO)(BO)(I)
を有し、
ここでmは、平均値10〜1000を有する整数であり、nは、平均値5〜1000を有する整数である。本発明のブロックコポリマーは、親水性成分としてポリ(オキシエチレン)ブロックを、および疎水性成分としてポリ(オキシブチレン)ブロックを含むものである。これらは、ジ−ブロックコポリマー(EO−BOと示される)、トリ−ブロックコポリマー(EO−BO−EOまたはBO−EO−BOと表される)、または他のブロックタイプ配置の形態にあり得る。そうでないことが明らかに示されなければ、本明細書での「EO−BOブロックコポリマー」への全ての言及は、前述の形態のうちの全てを含む。これらコポリマーはまた、それぞれの反復基に割り当てられた近似値または平均値に関して記載され得る。例えば、(EO)20(BO)、ここで上記オキシエチレン基の平均値は、20であり、上記オキシブチレン基の平均値は、5である。本発明の組成物は、一般に、0.001〜1.0% w/vの濃度でEO−BOコポリマーを含む。好ましい本発明の組成物は、0.01〜0.1% w/vの濃度でEO−BOコポリマーを含む。
【0014】
以下の一般式のEO−BOジ−ブロックコポリマーが、特に好ましい:
【0015】
【化1】

ここでRは、水素、メチル、エチル、プロピルおよびブチルからなる群より選択され;mは、平均値10〜1000を有する整数であり;nは、平均値5〜1000を有する整数である。
【0016】
最も好ましいのは、式(II)のコポリマー(ここでRは、メチルであり;mは、平均値45を有し;nは、平均値9〜18を有する)である。
【0017】
本発明において利用される上記EO−BOブロックコポリマーは、1,000〜約100,000ダルトンの範囲;およびより好ましくは、1,000〜約15,000ダルトンの範囲の分子量を有する。
【0018】
適切な親水性−親油性バランス(HLB)を維持することは、本発明のEO−BOブロックコポリマー組成物に特定の特性を付与する。例えば、本発明の組成物において利用される上記ブロックコポリマーのHLBは、本発明の組成物の溶解度、表面湿潤性、および界面の表面活性の特性に直接関連する。
【0019】
上記式(I)のブロックコポリマーのBO部分は、疎水性であり、本明細書に記載される組成物の湿潤性特性の主な原因である。上記コポリマーのEO部分は、上記組成物に親水性特性を提供するが、より重要なことには、それは、上記コポリマーの水への溶解性を決定する上記コポリマーの部分である。本発明の組成物中で溶解剤を利用することは可能である(その場合、上記EOセグメント 対 BOセグメントの比は、それほど重要ではなくなる)が、溶解剤を必要としないコポリマーを利用することは好ましい。なぜなら、このような化合物は、HLBを破壊するかまたは改変し得、続いて、これは、上記組成物の湿潤特性に影響を及ぼし得るか、眼の刺激を引き起こし得るか、または他の懸念事項を作り出し得るからである。従って、上記式(I)の好ましいコポリマーは、EOセグメントがBOセグメントより優勢であるものである。すなわち、上記式(I)および式(II)の中の変数「m」は、好ましくは、変数「n」より大きい。上記EO−BOブロックコポリマーは、好ましくは、EO 対 BO セグメントの比が、約2:1〜約10:1であり、約3:1〜約6:1の比が最も好ましい。
【0020】
本発明のEO−BOブロックコポリマーは、例えば、Nace,V.M.,J.Am.Oil Chem.Soc.,Vol.73(1):1−9,1996;Yangら,Macromolecules,Vol.27:2371−2379,1994;Yangら,Langmuir,Vol.11:4703,1995;Yuら,Langmuir,Vol.12:3404−3412,1996;Chaibunditら,Langmuir,Vol.16:9645−9652,2000;Bedellsら,J.Chem.Soc.,Faraday Trans.,Vol.89:1235−1242,199;およびKelarakisら,Macromolecules,Vol.31:944−946,1998(これらのうちの各々の内容全体は、本明細書に参考として援用される)に記載されるように、当業者に公知の合成法を使用して調製され得る。前述のEO−BOブロックコポリマーはまた、米国特許第2,828,345号(Spriggs)および同第2,174,761号(Schuetteら)(これらのうちの各々の内容全体は、本明細書に参考として援用される)に記載される公知の方法の適用または適合によって、調製され得る。さらなる合成手順は、Ketelsonら(米国特許出願第11/953654号)(その内容は、その全体が本明細書に参考として援用される)によって教示される。
【0021】
一般に、上記に記載されるEO−BOブロックコポリマーは、十分に規定されたポリエチレングリコール(PEG)ポリマーを使用して、上記PEGポリマーの一級ヒドロキシル基へオキシブチレンを制御して添加することによって、合成され得る。例えば、上記EO−BOジ−ブロックコポリマー(EO)45(BO)10は、以下の一般的な反応スキームに従って調製され得る:
【0022】
【化2】

上記ブロック化学構造の他の変更物はまた、容易に利用可能でかつ当業者に周知の技術および方法を使用して、調製され得る。例えば、以下の反応プロセスは、式(EO)(BO)(EO)のトリ−ブロックコポリマーの調製に利用され得る:
【0023】
【化3】

本発明のEO−BOブロックコポリマーはまた、特定の表面反応のために特定の末端基で官能基化されて、上記ポリマーを表面に共有結合し得るかまたは新たなポリマー材料を調製し得る。本発明において利用され得る上記EO−BOブロックコポリマーは、上記ブロックコポリマーが水溶液中で可溶性でありかつ本明細書に記載されるもののような濃度で眼組織に対して非毒性である限りにおいて、構造に対しても分子量に対しても制限されない。
【0024】
本明細書で使用される場合、用語「ガラクトマンナン」とは、主な構造的要素としてマンノースまたはガラクトース部分、またはその両方の基を含む、上記の天然のガムまたは類似の天然のまたは合成のガムから得られるポリサッカリドに言及する。本発明において使用され得るガラクトマンナンのいくつかのタイプは、代表的には、グアールガム、ローカストビーンおよびタラガム(tara gum)に由来する。本発明のガラクトマンナンは、種々の商業的供給源からおよび当業者に公知の合成手順を介して得られ得る。好ましい実施形態において、上記ガラクトマンナンは、Rhodia,Inc.から得られるヒドロキシプロピルグアール(HP−8AまたはHP−グアール)である。他のガラクトマンナンとしては、天然グアール、ならびに同時係属中の米国特許出願第61/220,859号(2009年6月26日出願)および同第61/150,215号(2009年2月5日出願)(これらの内容は、その全体が本明細書に参考として援用される)のプロセスに従って生成されるヒドロキシプロピルグアールガラクトマンナンが挙げられるが、これらに限定されない。本発明の組成物は、一般に、0.01〜2.0% w/vの濃度のガラクトマンナンを含む。好ましい本発明の組成物は、0.05〜0.25% w/vの濃度のガラクトマンナンを含む。
【0025】
EO−BOブロックコポリマーおよびガラクトマンナンに加えて、本発明の組成物は、必要に応じて、1種以上のさらなる成分を含む。このような成分としては、等張剤、保存剤、キレート化剤、緩衝化剤、界面活性剤、共溶媒、および抗酸化剤が挙げられるが、これらに限定されない。特定の実施形態において使用される他の成分は、可溶化剤、安定化剤、快適さを高める剤(comfort−enhancing agent)、ポリマー、緩和薬、pH調節剤および/または滑沢剤である。特定の本発明の組成物において使用され得る成分としては、水、水と水に混和性の溶媒(例えば、C1−C7−アルカノール)との混合物、0.5〜5% 非毒性水溶性ポリマーを含む植物性油または鉱油、天然生成物(例えば、アルギネート、ペクチン、トラガカント、カラヤガム、キサンタンガム、カラギーナン、寒天およびアカシア、デンプン誘導体(例えば、酢酸デンプンおよびヒドロキシプロピルデンプン)、および同様に他の合成生成物(例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルメチルエーテル、ポリエチレンオキシド、好ましくは、架橋されたポリアクリル酸)、ならびにこれら生成物の混合物が挙げられる。
【0026】
EO−BOブロックコポリマーおよびガラクトマンナンに加えて、本発明の組成物は、抗菌特性および保存特性を有する化合物を含み得る。適切な抗菌剤としては、一般に、コンタクトレンズケア溶液または他の眼用溶液において使用されるもの(例えば、ポリクオタニウム−1(これは、ポリマー状の4級アンモニウム化合物である);ミリスタミドプロピルジメチルアミン(myristamidopropyl dimethylamine)(「MAPDA」)(これは、N,N−ジアルキル,N’−アルキル,エチレンジアミンである);グアニジン誘導体(例えば、ポリヘキサメチレンビグアニド(「PHMB」)またはポリアミノプロピルビグアニド(PAPB));ペルボレート(perborate)(例えば、過ホウ酸ナトリウム)およびペルオキシド(例えば、過酸化水素)が挙げられるが、これらに限定されない。本発明において利用され得るさらなる抗菌剤としてはまた、米国特許第6,664,294号(その内容全体は、本明細書に参考として援用される)に記載されるアミノビグアニドが挙げられる。好ましいさらなる抗菌剤は、ポリクオタニウム−1、MAPDAおよび米国特許第6,664,294号において「化合物番号1」として同定されるアミノビグアニドである。
【0027】
適切な抗酸化剤としては、スルファイト、アスコルベート、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)およびブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0028】
EO−BOブロックコポリマーおよびガラクトマンナンに加えて、本発明の組成物は、1種以上の界面活性剤を含み得る。本発明の組成物において利用される界面活性剤は、カチオン性、アニオン性、非イオン性、または両性であり得る。好ましい界面活性剤は、最大5 w/v%の量で存在し得る、中性界面活性剤または非イオン性界面活性剤である。本発明の特定の実施形態で使用され得る界面活性剤としては、ポリエチレングリコールエーテルまたは脂肪酸のエステル、エチレンジアミンのポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックコポリマー(例えば、ポロキサミン(例えば、Tetronic 1304または1107))、ポリオキシプロピレン−ポリオキシエチレングリコール非イオン性ブロックコポリマー(例えば、ポロキサマー(例えば、Pluronic F−127))、およびp−イソオクチルポリエチレンフェノールホルムアルデヒドポリマー(例えば、Tyloxapol))が挙げられるが、これらに限定されない。
【0029】
本発明の特定の実施形態において、適切な共溶媒としては、グリセリン、プロピレングリコールおよびポリエチレングリコールが挙げられる。
【0030】
本発明の組成物に組み込まれ得る緩衝化剤としては、アルカリ金属塩(例えば、炭酸カリウムまたは炭酸ナトリウム、酢酸カリウムまたは酢酸ナトリウム、ホウ酸カリウムまたはホウ酸ナトリウム、リン酸カリウムまたはリン酸ナトリウム、およびクエン酸カリウムまたはクエン酸ナトリウム)、および弱酸(例えば、酢酸およびホウ酸)が挙げられるが、これらに限定されない。好ましい緩衝化剤は、アルカリ金属ホウ酸塩(例えば、ホウ酸ナトリウムまたはホウ酸カリウム)である。他のpH調節剤(例えば、無機酸および無機塩基)もまた、利用され得る。例えば、塩酸または水酸化ナトリウムは、眼用組成物に適した濃度で使用され得る。上記緩衝化剤は、一般に、約0.1〜約2.5 w/v%、好ましくは、約0.5〜約1.5 w/v%の量で存在する。
【0031】
本発明の組成物は、好ましくは、等張性であるか、または僅かに低張性であり、一般に、210〜320mOsm/kgの範囲の重量オスモル濃度を有し、好ましくは、235〜300mOsm/kgの範囲の重量オスモル濃度を有する。これは、等張剤が上記組成物の重量オスモル濃度を所望のレベルにすることを必要とし得る。張度調節剤としては、塩化ナトリウム、グリセリン、ソルビトール、またはマンニトールが挙げられるが、これらに限定されない。
【0032】
コンタクトレンズ消毒適用において、使用され得る消毒薬としては、ハラミン、ハロゲン化アミノ酸、ビス−アミン、および上記に列挙された特定の保存剤が挙げられるが、これらに限定されない。所望の消毒活性を達成するために必要とされる上記消毒薬の量は、当業者によって決定され得る。受容可能な安全性および毒性特性を保持しながら消毒薬として所望の活性を達成するために必要とされる濃度は、本明細書において「有効量」といわれる。有効量は、一般に、活性について受容される標準(例えば、EN ISO 14729:2001 Ophthalmic optics-Contact lens care products-Microbiological requirements and test methods for products and regimens for hygienic management of Contact lenses)を満たすために十分な抗菌活性を有する。
【0033】
本発明の眼の適用に関して、上記組成物のpHは、3.0〜8.0の眼の受容可能な範囲にあり得る。好ましい眼用組成物は、pH約3.0〜pH約8.0において上記組成物を維持する緩衝系を使用して調製される。
【0034】
特定の実施形態において、本発明の組成物は、哺乳動物の眼への局所適用に適している。例えば、眼への投与に関して、上記組成物は、液剤、懸濁物、ゲル、油中水型エマルジョンおよび水中油型エマルジョン、または軟膏剤であり得る。眼への投与に好ましい組成物は、点眼剤の形態にある水溶液である。用語「水性」とは、代表的には、賦形剤が>50重量%であり、より好ましくは、>75重量%であり、特に、>90重量%の水である水性組成物を示す。これら点眼剤は、好ましくは無菌であり得、よって、上記組成物の静菌成分を不要にする単一用量アンプルから送達され得る。あるいは、上記点眼剤は、これが送達される場合に、上記組成物から保存剤を抽出するデバイス(このようなデバイスは、当該分野で公知である)を好ましくは含み得る複数用量ボトルから送達され得る。
【0035】
特定の局所的な眼の適用において、本発明の組成物は、1種以上の涙液置換物を含み得る。種々の涙液置換物が、当該分野で公知であり、これらとしては、モノマーポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、およびエチレングリコール);ポリマーポリオール(例えば、ポリエチレングリコール);セルロースエステル(例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウムおよびヒドロキシプロピルセルロース);デキストラン(例えば、デキストラン70);ビニルポリマー(例えば、ポリビニルアルコール);およびカルボマー(例えば、カルボマー934P、カルボマー941、カルボマー940およびカルボマー974P)が挙げられるが、これらに限定されない。本発明の局所的眼用組成物は、一般に、粘性0.5〜100cp、好ましくは、0.5〜50cp、および最も好ましくは、1〜20cpを有する。この相対的に低い粘性は、上記生成物が快適であり、かすみを引き起こさず、製造、輸送および充填操作の間に容易に処理されることを確実にする。
【0036】
本発明の組成物はまた、薬剤(pharmaceutical agent)を眼に送達するために使用され得る。このような薬剤としては、抗緑内障剤、抗脈管形成因子;抗感染剤;抗炎症剤;増殖因子、成長因子;免疫抑制剤;および抗アレルギー剤が挙げられるが、これらに限定されない。抗緑内障剤としては、βブロッカー(例えば、ベタキソロールおよびレボベタキソロール);カルボニックアンヒドラーゼインヒビター(例えば、ブリンゾラミドおよびドルゾラミド);プロスタグランジン(例えば、トラボプロスト、ビマトプロスト、およびラタノプロスト);セロトニン作動剤(seretonergics);ムスカリン作動剤(muscarinics);ドパミン作働性アゴニストが挙げられるが、これらに限定されない。抗脈管形成因子としては、酢酸アネコルタブ(RETAANETM、Fort Worth,Tex.のAlconTM Laboratories,Inc.)およびレセプターチロシンキナーゼインヒビター(RTKi)が挙げられるが、これらに限定されない。抗炎症剤としては、非ステロイド性およびステロイド性の抗炎症剤(例えば、トリアムシノロンアクチニド、スプロフェン、ジクロフェナク、ケトロラク、ネパフェナク、リメキソロン、およびテトラヒドロコルチゾール)が挙げられるが、これらに限定されない。増殖因子、成長因子としては、EGFまたはVEGFが挙げられる。抗アレルギー剤としては、オロパタジンおよびエピナスチン、H1レセプターアンタゴニストおよびH4レセプターアンタゴニスト(例えば、WO 2010/030785(Borchardtら)(その全体が本明細書に参考として援用される)に開示されているもの)が挙げられるが、これらに限定されない。
【実施例】
【0037】
以下の実施例は、本発明の選択された実施形態をさらに示すために提示される。
【0038】
(実施例1)
【0039】
【化4】

(実施例2)
実験を行って、本発明のEO−BOおよびグアール組成物のレオロジーを試験した。これら実験は、定常状態フロー、ならびに周波数およびストレススイープを含む、バルクレオロジー実験を含んだ。伸長レオロジーおよび界面レオロジー特徴付けもまた行った。
【0040】
バルクレオロジー実験を、制御されたストレスレオメーター(AR 2000ex,TA Instruments,Inc.)を使用して行った。上記測定システムは、40mmアクリル2°円錐体およびサンプル体積0.58mLを有するプレートであった。温度25℃±0.1℃を維持し、カバーを上記測定システムの上に置いて、上記溶液の蒸発を防止した。定常状態フロー(SSF)実験については、上記機器は、制御されたストレスを適用し、このことは、続いて、粘性 対 剪断速度としての結果を与える。2つの力学的試験を行った:振動ストレススイープ(oscillation stress sweep)および振動周波数スイープ。上記振動ストレススイープは、ストレスの範囲を測定しながら上記溶液の周波数を一定に保持する。上記振動ストレススイープは、G’(弾性/貯蔵弾性率)およびG”(粘性率、損失弾性率)を測定する。この情報から、線形的な粘弾性領域(LVR)が、決定され得る。上記LVRは、G’から得られるストレススイープにおける領域であり、ここで上記溶液は、あるストレス範囲にわたってその弾性、G’を保持する。相対的弾性の尺度であるtan(δ)=G”/G’は、これら実験から得られる。上記振動周波数スイープは、ある範囲の周波数を測定しながら上記ストレスを上記LVR内で一定に保持する。この測定は、G’、G”およびtan(δ)も測定し得る。上記振動周波数スイープは、どの程度十分に溶液がその構造を維持するかを示す。
【0041】
界面レオロジー実験を、1.65mm外径のステンレス鋼ニードルの先端に、圧電デバイスおよび液滴の振動を制御する増幅器を備えた光学的振動液滴生成デバイス(OCA20,Dataphysics Instruments)を使用して行った。温度および湿度を制御したセル中に懸濁させた上記液滴を、500画像/秒においてCCDカメラ(768×576ピクセル)で観察した。上記振動液滴生成機(ODG)技術は、ある範囲の振幅にわたって設定周波数で、上記液滴の形状を分析することによって、形成されたフィルムの機械的強度を特徴付ける。上記振幅は、上記液滴の体積および形状を変化させ、従って、表面積を変化させる。
【0042】
上記定常状態フロー実験の制御されるパラメーターは、以下のとおりである:
・実験前の全ての溶液は、同じレオロジー履歴を持っていた
・40mm 2°アクリル円錐体。
【0043】
○0.75mL体積
○60μm ギャップ
・二重同心円状の円筒
○6.8mL体積
○500μm ギャップ
・温度を25℃に設定した
・上記幾何的配置を設定した後に、10分間にわたって平衡を設定した
○10秒にわたって、10 s−1の予備剪断
・0.1μNm〜100μNmまで、トルクを設定した
○0.1μNmは、最低限である
○100μNm以上は、考慮しない
・10個につき5点;各点で5分間の平衡;5%許容差において3回の測定
・60mmプレートカバーを、上記幾何的配置の上に置いて、蒸発を防止した。
【0044】
振動パラメーター:
・ストレス(トルク)スイープ
○0.1ダイン.cm〜100ダイン.cmは、試験される全ての溶液に関する未処理相(raw phase)内にある。
【0045】
周波数は、0.1Hzに設定
・周波数スイープ
○0.01Hz〜10Hz
○トルクを100ダイン.cmに設定
・時間スイープ
○10秒にわたって100 s−1の予備剪断
○0.1Hzの周波数および100ダイン.cmのトルクを使用した
【0046】
【化5】

以下は、振動する気泡を利用する界面レオロジー実験のために使用されるパラメーターおよび装置の説明である。振動液滴生成機を備えるOCA 20を、振動気泡実験に使用した。以下は、各組成物に関する実験において使用したパラメーターである:
【0047】
【化6】

各実行の前に、上記システムを、空気中25℃において、72.5mN/mで水の表面張力を確認することによってチェックし、標準化した。クオーツキュベットを精製水で半分まで満たし、カメラの視界から外れている間に上記液滴の下に置いた。これは、平衡化の間および上記実験にわたってずっと、上記液滴の水損失を防止するためであった。各振動気泡実験が始まる前に、上記気泡を、3.5時間以上の時間にわたって平衡化した。
【0048】
以下の表1および表2は、それぞれ、EO−BO界面レオロジー実験およびEO−BO/グアールレオロジー実験において試験した組成物を詳述する。表2の全ての組成物はまた、1.0% ホウ酸、0.35% NaCl、および0.001% ポリクオタニウム−1を含み、pH7.5を有する。
【0049】
【表1】

【0050】
【表2】

図1は、表1のEO−BO組成物についての振幅スイープを示す。そのグラフは、これらEO−BO組成物についての空気−水界面における弾性の貢献が、上記BOユニットサイズがBO10からBO18へと大きくなるにつれて、増大することを示す。
【0051】
図2a〜2eは、表2のEO−BOおよびHP−グアール組成物についての定常状態フロー曲線(steady state slow curve)を示す。そのグラフは、剪断減粘(shear thinning)が、上記EO−BOブロックコポリマー濃度が増大するにつれて低下することを示す。EO45BO9〜11組成物は、HP−グアールのみを含む組成物と比較して、類似の粘性プロフィールを有する。EO45BO14〜18組成物は、HP−グアールのみを含む組成物のものと類似の剪断減粘プロフィールを有する;しかし、それらの粘性は、HP−グアールのみを含む組成物より低い。
【0052】
図3a〜3eは、表2のEO−BOおよびHP−グアール組成物についてのストレススイープ曲線を示す。その曲線は、試験した全ての組成物が、弾性(G’,構造)を有する、粘性(G”)が優勢な溶液であることを示す。EO45BO9〜11組成物は、HP−グアールのみを含む組成物に類似の構造と類似の線形の粘弾性領域を有する。EO45BO14〜18組成物は、ある構造を有するが、上記剪断速度が増大するにつれて急速に落ちる線形の粘弾性領域を有する。
【0053】
図4a〜4eは、表2のEO−BOおよびHP−グアール組成物についての周波数スイープ曲線を示す。EO45BO9〜11組成物は、上記周波数スイープの間中ずっと、HP−グアールのみを含む組成物に類似の構造を有する。EO45BO14〜18組成物は、より高い周波数で急速に落ちる、ある構造を有する。
【0054】
図5a〜5dは、表2のEO−BOおよびHP−グアール組成物についての伸長レオロジー曲線を示す。その曲線は、EO45BO9〜11組成物が、HP−グアールのみを含む組成物より長い崩壊時間を有することを示す。EO45BO14〜18組成物は、HP−グアールのみを含む組成物と比較して、類似の崩壊時間を有する。EO45BO9〜11組成物はまた、HP−グアールのみを含む組成物と比較して、より高い伸長粘性を有する。EO45BO14〜18組成物は、HP−グアールのみを含む組成物と比較して類似の伸長粘性を有する。EO−BO組成物の効果は、他のガラクトマンナン(例えば、天然グアール)において認められた。以下の表3に示されるように、EO−BOは、HP−グアールおよび天然グアールの両方を含む組成物に関する崩壊時間を増大させた。
【0055】
【表3】

図6a〜6bは、表2のEO−BOおよびHP−グアール組成物についての振幅スイープ曲線および周波数スイープ曲線を示す。振幅スイープおよび周波数スイープについては、EO45BO11組成物およびEO45BO16組成物の両方が、空気−水界面において弾性が優勢である。しかし、EO45BO16は、EO45BO11と比較してより多くの構造を有する。EO−BOは、グアールと比較して、上記試験した濃度では、上記空気−水界面において上記構造が優勢である。
【0056】
上記レオロジー特徴付けは、本発明の組成物が、眼の適用、および具体的には、眼の局所的適用に十分適していることを示す。特に、EO−BOおよびグアール組成物は、ドライアイ組成物において使用される場合に、さらなる涙液フィルム安定性を提供し得る。
【0057】
(実施例3)
本発明の組成物を、これらの(i)ケイ素ヒドロゲルレンズ上での脂質およびタンパク質の沈着を妨げる能力、ならびに(ii)脂質およびタンパク質沈着のレンズを洗浄する能力について試験した。表4は、試験したレンズのまとめであり、表5および表6は、試験した組成物を列挙する。
【0058】
【表4】

【0059】
【表5】

【0060】
【表6】

図7aおよび図7bの棒グラフは、本発明のEO−BO組成物が、表4のケイ素ヒドロゲルレンズによる、極性脂質(FITC−DHPE,図7a)および非極性脂質(NBD−コレステロール,図7b)の取り込みを妨げる能力を試験する実験をまとめる。その結果は、上記組成物(Lot 13990−23Aおよび23C,表6)が、試験した全てのレンズによる上記非極性脂質の取り込みを妨げることにおいて特に有効であることを示す。
【0061】
図8は、種々の試験組成物での洗浄後に、表4のレンズの非極性脂質(NBD−コレステロール)の残っている量を示す棒グラフを示す。そのグラフは、試験した本発明の組成物(14336−11C,表5)が、4個のレンズのうちの3個において、他の試験した組成物より良好に、シリコーンヒドロゲルコンタクトレンズから非極性脂質沈着物を除去することを示す。
【0062】
図9a〜9dは、本発明の組成物(14336−11C,表5)が、表4の試験したレンズから種々のタンパク質(リゾチーム、ラクトフェリン、β−ラクトグロブリン)の洗浄において有効であることを示す。
【0063】
まとめると、上記実験結果は、本発明の組成物が、有効なレンズクリーナーであり、非極性脂質の取り込みを妨げ得ることを示す。上記組成物はまた、レンズから非極性脂質沈着物を除去することにおいて特に有効である。
【0064】
本発明およびその実施形態は、詳細に記載されてきた。しかし、本発明の範囲は、本明細書に記載されるいかなるプロセス、製造、組成物、化合物、手段、方法、および/または工程の特定の実施形態に限定されることをも意図しない。種々の改変、置換、および変更が、本発明の趣旨および/または本質的特徴から逸脱することなく、開示されるものに対して行われ得る。よって、当業者は、本明細書に記載される実施形態と実質的に同じ機能を発揮するかまたは実質的に同じ結果を達成する後の改変、置換、および/または変更が、本発明のこのような関連する実施形態に従って利用され得るということを、上記開示から容易に認識する。従って、以下の特許請求の範囲は、その範囲内において、本明細書で開示されるプロセス、製造、組成物、化合物、手段、方法、および/または工程に対する改変、置換および変更を包含することが意図される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(EO)(BO)のエチレンオキシドブチレンオキシド(EO−BO)ブロックコポリマーおよびガラクトマンナンを含む、滅菌水性眼用組成物。
【請求項2】
mは、平均値45を有し、そしてnは、平均値9〜18を有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
mは、平均値45を有し、そしてnは、平均値9〜11を有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
前記ガラクトマンナンは、グアールまたはその誘導体である、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
前記グアールまたはグアール誘導体は、
天然グアール、ヒドロキシプロピルグアール、およびヒドロキシプロピルグアールガラクトマンナン
からなる群より選択される、請求項4に記載の組成物。
【請求項6】
前記EO−BOブロックコポリマーは、0.001〜1.0% w/vの濃度で存在する、請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
前記EO−BOブロックコポリマーは、0.01〜0.1% w/vの濃度で存在する、請求項1に記載の組成物。
【請求項8】
前記ガラクトマンナンは、0.01〜2.0% w/vの濃度で存在する、請求項1に記載の組成物。
【請求項9】
前記ガラクトマンナンは、0.05〜0.25% w/vの濃度で存在する、請求項1に記載の組成物。
【請求項10】
ドライアイを処置する方法であって、該方法は、局所的眼用組成物を投与する工程を包含し、該組成物は、式(EO)(BO)のエチレンオキシドブチレンオキシド(EO−BO)ブロックコポリマーおよびガラクトマンナンを含む、方法。
【請求項11】
mは、平均値45を有し、そしてnは、平均値9〜18を有する、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
mは、平均値45を有し、そしてnは、平均値9〜11を有する、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記ガラクトマンナンは、グアールまたはその誘導体である、請求項10に記載の方法。
【請求項14】
前記グアールまたはグアール誘導体は、
天然グアール、ヒドロキシプロピルグアール、およびヒドロキシプロピルグアールガラクトマンナン
からなる群より選択される、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記EO−BOブロックコポリマーは、0.001〜1.0% w/vの濃度で存在する、請求項10に記載の方法。
【請求項16】
前記EO−BOブロックコポリマーは、0.01〜0.1% w/vの濃度で存在する、請求項10に記載の方法。
【請求項17】
前記ガラクトマンナンは、0.01〜2.0% w/vの濃度で存在する、請求項10に記載の方法。
【請求項18】
前記ガラクトマンナンは、0.05〜0.25% w/vの濃度で存在する、請求項10に記載の方法。
【請求項19】
コンタクトレンズを消毒する方法であって、該方法は、該レンズを、式(EO)(BO)のエチレンオキシドブチレンオキシドブロックコポリマーおよびガラクトマンナンを含む抗菌組成物の中に、該レンズを消毒するに十分な時間にわたって浸す工程を包含する、方法。
【請求項20】
眼に薬剤を送達する方法であって、該方法は、該眼に、1種以上の薬学的に活性な剤、式(EO)(BO)のエチレンオキシドブチレンオキシドブロックコポリマーおよびガラクトマンナンを含む組成物を、局所投与する工程を包含する、方法。
【請求項21】
前記薬学的に活性な剤は、抗緑内障剤、抗脈管形成剤;抗感染剤;抗炎症剤;増殖因子、成長因子;免疫抑制剤;および抗アレルギー剤からなる群より選択される、請求項20に記載の組成物。

【図1】
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【図2a】
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【図2b】
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【図2c】
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【図2d】
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【図2e】
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【図3a】
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【図3b】
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【図3c】
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【図3d】
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【図3e】
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【図4a】
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【図4b】
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【図4c】
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【図4d】
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【図4e】
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【図5a】
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【図5b】
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【図5c】
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【図5d】
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【図6a】
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【図6b】
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【図7a】
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【図7b】
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【図8】
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【図9a】
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【図9b】
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【図9c】
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【図9d】
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【公表番号】特表2012−532878(P2012−532878A)
【公表日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−519699(P2012−519699)
【出願日】平成22年7月7日(2010.7.7)
【国際出願番号】PCT/US2010/041218
【国際公開番号】WO2011/005864
【国際公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【出願人】(508185074)アルコン リサーチ, リミテッド (160)
【Fターム(参考)】