説明

着火兼用木炭収容箱及び着火兼用木炭収容箱構成体

【課題】手や衣服が木炭で汚れることを防止できる等の取扱いに便利であって、アウトドアレジャーに馴れていない者でも木炭に簡単に火を付けることができるようにした着火兼用木炭収容箱及び着火兼用木炭収容箱構成体を提供する。
【解決手段】着火兼用木炭収容箱Aは、木製材料で形成されており、外気との通気が可能な開口部131,15,16,17,18を有している箱体1を備えている。箱体1には着火剤4と複数の木炭2とがそれぞれ収容されており、所要の木炭2間には通気空間51,52を確保すべくスペーサ3が配設してある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、着火兼用木炭収容箱及び着火兼用木炭収容箱構成体に関する。
更に詳しくは、手や衣服が木炭で汚れることを防止できる等の取扱いに便利であって、アウトドアレジャーに馴れていない者でも木炭に簡単に火を付けることができるようにした着火兼用木炭収容箱及び着火兼用木炭収容箱構成体に関する。
【背景技術】
【0002】
野外でのバーベキューは、キャンプや行楽、あるいはホームパーティでのアウトドアクッキングとして特に人気がある。バーベキューは炭火焼きで行われることが多く、燃料として木炭が使用されるが、木炭は火が付きにくいといった欠点を有する。このため、アウトドアレジャーに不慣れな者は、木炭から炭火をおこす作業に悪戦苦闘し、相当の時間を費やすことになる。また木炭が手や衣服に付くと落ちにくいといった、取扱い上の不便さもある。
【0003】
例えば特許文献1には、このようなバーベキューに使用する木炭の取扱いに関するものとして、着火兼用木炭箱(以下、単に「木炭箱」という場合がある)が提案されている。これによれば、段ボール紙で形成した箱容器の内底部に固形燃料を配置し、更にその周囲に木炭を配列・積み上げた構成となっている。そして、段ボール紙のミシン目から開口した穴から、固形燃料に着火できるようにしている。
【特許文献1】実開平6−6904号公報(第1図及び第2図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載のものでは次のような課題があった。
(1) まず、木炭を収容する箱容器が段ボール製で燃えやすいため、木炭全体に火が十分に回らないに箱容器が燃え尽きてしまう可能性が高い。そうなると、木炭の一部にしか火が付かずに途中で火が消えてしまったり、あるいは十分な火力が直ぐに得られない。
【0005】
(2) また段ボール製の箱容器内には、固形燃料が配置されている。よって、固形燃料に点火すると、固形燃料から真上に立ち上る火が段ボール製の天板に穴を開け、その穴から火が外部へ逃げやすい。このため、箱容器内の燃焼効率が悪くなり、木炭全体に火が回りにくい。
【0006】
(3) また特許文献1の第2図に示すように、箱容器内に木炭を単に縦と横に配列して積み上げただけの構成であるため、箱容器を運んでいるときの揺れや設置した場所の角度によって、木炭が移動して箱容器の一方側に偏りやすい。このため、隣り合う木炭と木炭の間の隙間が塞がれて空気が流れにくくなり、更に火が付きにくい状態となる。
また、運搬時などの揺れで木炭が互いに擦れ合って欠けやすいという欠点もある。更には木炭が擦れ合うと黒い粉も発生し、粉が箱体から外へ漏れ出す心配もある。
【0007】
(4) 更に、木炭を縦と横に単に配列して積み上げた構成であるので、箱容器が燃え尽きると、木炭は互いに重なり合った状態となる。よって、仮に木炭に火がうまく付いたとしても、コンロ上では木炭が重なり合って火力が強い部分と、重ならずに火力が比較的弱い部分ができ、コンロ全体の火力にムラが生じやすい。このため、熱い炎の中で木炭を並べ変えて火力を調整する必要があり、この作業はバーベキューをもっと気軽に楽しみたいという人にとっては面倒な作業である。
【0008】
(本発明の目的)
そこで本発明の目的は、手や衣服が木炭で汚れることを防止できる等の取扱いに便利であって、アウトドアレジャーに馴れていない者でも木炭に簡単に火を付けることができるようにした着火兼用木炭収容箱及び着火兼用木炭収容箱構成体を提供することにある。
【0009】
その他の本発明の目的は以下の説明から明らかになろう。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために本発明が講じた手段は次のとおりである。
なお、後述する作用の説明の理解を助けるため、図面において使用した符号を括弧を用いて記載しているが、各構成要件を図面記載のものに限定するものではない。
【0011】
本発明は、木製材料で形成されており、外気との通気が可能な開口部(131)(15)(16)(17)(18)を有している箱体(1)を備え、該箱体(1)には着火剤(4)と複数の木炭(2)とがそれぞれ収容されており、所要の木炭(2)間には通気空間(51)(52)を確保すべくスペーサ(3)が配設してある、着火兼用木炭収容箱である。
【0012】
本発明は、木製材料で直方体または立方体状に形成され、各面には外気との通気が可能な開口部(131)(15)(16)(17)(18)を有している箱体(1)を備え、該箱体(1)には着火剤(4)と複数の木炭(2)とがそれぞれ収容されており、所要の木炭(2)間には通気空間(51)(52)を確保すべくスペーサ(3)が配設してあり、使用時に箱体(1)の上面となる面の開口部(17)(18)は、着火剤(4)の燃焼時に着火剤(4)の炎が逃げないような位置に設けてある、着火兼用木炭収容箱である。
【0013】
本発明は、木製材料で直方体または立方体状に形成され、各面には外気との通気が可能な開口部(131)(15)(16)(17)(18)を有している箱体(1)を備え、該箱体(1)には着火剤(4)と複数の木炭(2)とがそれぞれ収容されており、所要の木炭(2)間には通気空間(51)(52)を確保すべくスペーサ(3)が配設してあり、使用時に箱体(1)の上面となる面の開口部(17)(18)は、上記着火剤(4)の真上またはその近傍を避けて設けてあり、更に使用時に箱体(1)の底面となる面には、着火剤(4)に火を付けるための着火口(111)が設けてある、着火兼用木炭収容箱である。
【0014】
本発明は、木製材料で直方体または立方体状に形成され、各面には外気との通気が可能な開口部(131)(15)(16)(17)(18)を有している箱体(1)を備え、該箱体(1)には、棒状、柱状または筒状に形状された複数の木炭(2)と、所要の木炭(2)間に配置された着火剤(4)と、通気空間(51)(52)を確保すべく所要の木炭(2)間に配設されたスペーサ(3)と、がそれぞれ収容されており、使用時に箱体(1)の上面となる面の開口部(17)(18)は、上記着火剤(4)の真上またはその近傍を避けて設けてあり、更に使用時に箱体(1)の底面となる面には、着火剤(4)に火を付けるための着火口(111)が設けてあると共に、使用時に箱体(1)の少なくとも側面となる内面側には通気空間(53)が設けてあり、上記スペーサ(3)は、区画体(31,32)を十字状、井形状または格子状に交差させることで形成され、該区画体(31,32)で区画された箇所に木炭(2)が収容されることで木炭(2)は本質的に平行に配設されている、着火兼用木炭収容箱である。
【0015】
本発明は、木製材料で形成されており、外気との通気が可能な開口部(131)(15)(16)(17)(18)を有すると共に、内部に着火剤(4)と複数の木炭(2)とを収容できる箱体(1)と、収容した所要の木炭(2)間に通気空間(51)(52)を確保すべく上記箱体(1)内に配設されるスペーサ(3)と、を備えている、着火兼用木炭収容箱構成体である。
【0016】
(作 用)
本発明に係る着火兼用木炭収容箱は、次のように作用する。
バーベキューコンロ等の着火場所までの運搬や設置、及び木炭(2)への着火は、木炭(2)が箱体(1)に収容されている着火兼用木炭収容箱の状態で行うことができる。したがって、必要な量の木炭(2)を袋や段ボール箱等に小分けして着火場所まで運び、バーベキューコンロ等に移し替える手間も不要である。また木炭(2)を直接手で取り扱わないため、手や衣服が汚れることを防止できる。
【0017】
そして、着火兼用木炭収容箱を着火場所に設置し、箱体(1)内の着火剤(4)に点火して炭火を起こす。着火剤(4)への点火は、外気との通気が可能な開口部(131)(15)(16)(17)(18)
から行うことができるし、着火口(111)を有するものではその着火口(111)から行うことができる。
【0018】
着火剤(4)に付けられた火は、木炭(2)や木製材料で形成された箱体(1)に移る。しかも、木製材料で形成された箱体(1)は、段ボール紙製のものと比べ、燃焼時間が長いため、火は直ぐに消えることなく木炭(2)全体に移りやすい。
【0019】
また所要の木炭(2)間には、通気空間(51)(52)を確保すべくスペーサ(3)が配設してある。これにより、木炭(2)間に空気や炎が円滑に流通しやすく、木炭(2)全体に火が早く回りやすい。
【0020】
使用時に箱体(1)の上面となる面の開口部(17)(18)が、着火剤(4)の燃焼時に着火剤(4)の炎が逃げないような位置に設けてあるもの、または着火剤(4)の真上またはその近傍を避けて設けてあるものは、着火剤(4)から立ち上る火が上記開口部(17)(18)から箱体(1)の外に逃げにくい。よって、箱体(1)内の燃焼効率が良く、木炭(2)全体に火が早く回りやすい。
【0021】
使用時に箱体(1)の底面となる面に、着火剤(4)に火を付けるための着火口(111)が設けてあるものは、着火口(111)を塞ぐようにして箱体(1)を着火場所に載置することにより、着火口(111)から火が箱体(1)外部に逃げることを防止できる。よって、箱体(1)内の燃焼効率が高く、木炭(2)全体に火が早く回りやすい。
即ち、箱体(1)内の木炭(2)の配置によって、着火剤(4)の最適な配置や数も変わってくるが、仮に使用時に箱体(1)の上面や側面に着火口(111)を無作為に設けた場合、逆に着火剤(4)の火がその着火口(111)から箱体(1)の外に逃げやすくなる。よって、外気との通気が可能な開口部(131)(15)(16)(17,18)とは別に、あえて着火口(111)を箱体(1)の底面となる面に設けることで、上記したように箱体(1)内の燃焼効率を向上させ、木炭(2)全体に火が早く回りやすいようにしている。
【0022】
使用時に箱体(1)の少なくとも側面となる内面側には通気空間(53)が設けてあるものは、木炭(2)間だけではなく、箱体(1)の側面となる内面側と木炭(2)の間にも空気や炎が円滑に流通しやすくなり、木炭全体に火が早く回りやすい。
【0023】
木炭(2)が棒状、柱状または管状に形状されており、スペーサ(3)が区画体(31,32)を十字状、井形状または格子状に交差させることで形成され、該区画体(31,32)で区画された箇所に木炭(2)が収容されることで木炭(2)は本質的に平行に配設されているものは、全体をできるだけコンパクトな形状に抑えつつも、燃焼効率をできるだけ低下させずに、十分な火力が得られやすいようになっている。
【発明の効果】
【0024】
本発明は上記構成を備え、次の効果を有する。
(a)本発明によれば、バーベキューコンロ等の着火場所までの運搬や設置及び木炭への着火は、木炭が収容された着火兼用木炭収容箱の状態で行うので、持ち運びが容易でありまた手や衣服が木炭で汚れることを防止できる等の取扱いが便利である。
【0025】
(b)更に本発明によれば、所要の木炭間に通気空間を確保すべくスペーサが配設してあるので、木炭に火が早く回りやすい。したがって、アウトドアレジャーに馴れていない者でも木炭に簡単に火を付けることができ、気軽にバーベキューを楽しむことができる。
【0026】
(c)使用時に箱体の上面となる面の開口部が、着火剤の燃焼時に着火剤の炎が逃げないような位置に設けてあるもの、または着火剤の真上またはその近傍を避けて設けてあるものは、着火剤から立ち上る火が上記開口部から箱体の外に逃げることを防止できるので、箱体内の燃焼効率が良く、木炭全体に火が早く回りやすい。
【0027】
(d)使用時に箱体の底面となる面に、着火剤に火を付けるための着火口が設けてあるものは、着火口を塞ぐようにして箱体を着火場所に載置することにより、着火口から火が箱体外部に逃げないようにすることができる。よって、箱体内の燃焼効率が高く、木炭全体に火が早く回りやすい。
【0028】
(e)使用時に箱体の少なくとも側面となる内面側に通気空間が設けてあるものは、木炭間だけではなく、箱体の側面となる内面側と木炭の間にも空気や炎が円滑に流通しやすくなり、木炭全体に火が早く回りやすい。
【0029】
(f)木炭が棒状、柱状または管状に形状されており、スペーサが区画体を十字状、井形状または格子状に交差させることで形成され、該区画体で区画された箇所に木炭が収容されることで木炭は本質的に平行に配設されているものは、全体をできるだけコンパクトな形状に抑えつつも、燃焼効率をできるだけ低下させずに十分な火力が得られやすいようになっている。
【0030】
(g)箱体とスペーサとを備えた着火兼用木炭収容箱構成体では、木炭と着火剤とは別に、収容箱構成体を販売店から購入するようにすれば、箱単位や袋単位で購入していた既存の木炭を使用することができるので、無駄がなく、経済的である。また不使用には、安全性を考慮して、着火剤を箱体や木炭とは別に保管、管理することもできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
本発明に係る着火兼用木炭収容箱は、バーベキュー等のアウトドアクッキング用の燃料としてだけでなく、例えば焼き鳥屋や炉端焼きの店などの炭火焼きコンロに用いる業務用燃料としても、使用することができる。あるいは、地震災害時の非常用燃料としても使用可能である。
【0032】
スペーサは、使用後に燃え残ってゴミにならないように、可燃性の材料で形成することが好ましい。材料としては、木製材料や厚紙や段ボール紙等の紙製材料を挙げることができる。
【0033】
着火剤としては、ゼリー状にしたものをプラスチック製の袋に入れたものやプラスチックフィルムで包装したもの、あるいは固形状のものが挙げられる。
【0034】
また箱体が燃えて形が崩れたり、箱体が燃えてしまった後は、木炭に風が直接当たるようになり、その風で木炭の火が立ち消えてしまう恐れもあるので、着火剤に点火された火で箱体が燃えて形が崩れる前か、あるいは箱体が燃えてしまう前に、木炭または木炭全体が火が付いた状態になるように構成されていることが、好ましい。
【0035】
更に、木炭が一部重なり合って火力が強い部分と、重ならずに火力が比較的弱い部分ができて火力にムラが生じることを防止するために、着火剤に点火された火で箱体が燃えて形が崩れた後か、あるいは箱体が燃えてしまった後は、木炭が互いに重なることなく拡がった状態になるように構成されていることが、好ましい。
【0036】
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0037】
本発明を図面に示した実施例に基づき更に詳細に説明する。
【実施例】
【0038】
図1ないし図6は、本発明に係る着火兼用木炭収容箱の一実施例を示す説明図である。
図1は、着火兼用木炭収容箱の斜視説明図、
図2は、図1に示す着火兼用木炭収容箱を幅方向に断面して表した拡大正面視説明図、
図3は、図1に示す着火兼用木炭収容箱を上下反転させた後に、固定された底体を箱本体から取り外して中を分解した底面斜視分解説明図、
図4は、底体を取り外した後の着火兼用木炭収容箱を底面上方から見た状態を示す拡大説明図である。
【0039】
図1に示す着火兼用木炭収容箱Aは、後述する図5に示すように、バーベキューコンロB等の燃料として使用して、バーベキューをより気軽に楽しむことができるようにしたものである。
【0040】
図1ないし図4に示すように、着火兼用木炭収容箱Aは、木製材料で形成された箱体1を備えており、この箱体1には複数の木炭2と、スペーサ3と、着火剤4とがそれぞれ収容されている。図3に示すように、本実施例では、木炭2として、断面外形が六角形状で全体が筒状に形状された炭を使用している。
【0041】
また着火剤4としては、ゼリー状にしたものを側面視方形状のプラスチック製の袋に入れた着火剤を使用している。図2に示すように、着火剤4は、所要の木炭2間に配置されている。更にスペーサ3は、所要の木炭2間に通気空間である空気流通路51,52を形成する如く配設されていると共に、箱体1の中で木炭2が本質的に移動することを防止する。
以下、着火兼用木炭収容箱Aの各構成部材について、順を追って詳しく説明する。
【0042】
(箱体1)
箱体1は、外形が縦長の角形状に形成されている。箱体1の大きさは、横幅が約14cm、長さが約29cm、高さが約13cmである。なお、箱体1の大きさは、収容する木炭2の大きさや数等に応じて適宜設定されるため、上記した大きさに限定されない。箱体1及び後述のスペーサ3は間伐材を使用して形成されており、森林資源の有効利用が図られている。
【0043】
箱体1やスペーサ3は、後述のように木製の各部品を適宜組み合わせて形成することができる。部品同士の固着には木工用の接着剤を使用したり、組接ぎやホゾ接ぎ等といった木工の指物でよく使われる接合方法が適宜採用できる。また金属製のステープルを使用して固着することもできるが、金属が燃え残ってゴミになるので、接着剤や組接ぎ等の接合方法を採用することが好ましい。
【0044】
図2に示すように、箱体1は、使用時に箱体1の底面となる面に、着火剤4に火を付けるための着火口111を有している。また箱体1は、着火剤4の真上またはその近傍を避けて、外気との通気が可能な開口部(通気部)である端壁通気孔131,側壁通気部15,16,天井通気部17,18を有している。更に図4に示すように、箱体1は、使用時に側面となる内面側に(側壁体14,14aの内面部と収容された木炭2との間)に、通気空間である空気の流通が可能な空気流通路53を有している。
その詳細は以下のとおりである。
【0045】
上下反転させた図3に示すように、箱体1は、木炭2やスペーサ3等を収容するための収容部110を備えた箱本体11と、箱本体11の開口部(符号省略)を閉じるように固定される板状の底体12と、を備えている。
【0046】
底体12は、長方形の底板121と、底板121に固定された所要数の嵌入部122が固定されている。嵌入部122は、細長い薄板で形成されている。嵌入部122は、底板121の長手方向の両端寄りとその中間位置に複数(本実施例では合計で三箇所に)取り付けてある。この嵌入部122の作用は後述する。
【0047】
更に、底板121の所要の位置に、円形の着火口111が所要数(本実施例では複数、二箇所)設けてある。詳しくは、底板121の長手方向の両側寄りであって、底板121の幅方向の中間の位置に、着火口111がそれぞれ設けてある(図4で示す一点鎖線も参照)。
【0048】
図2に示すように、この着火口111の上方に着火剤4が位置し、着火口111から簡単に着火剤4へ点火できるようになっている。なお、後述するように、点火時には、着火口111が見えるように、着火兼用木炭収容箱Aをやや斜めに傾ける。
【0049】
一方、箱本体11は、上下反転させた図3に示すように、長手方向の両端にそれぞれ位置する一対の端壁部である端壁板13,13aを有する。端壁板13,13aは、正面視で方形(本実施例では正方形状)である。各端壁板13,13aは、上下方向に所要の間隔をおいて、開口部である所要数(本実施例では複数、二箇所)の端壁通気孔131を有している。各端壁通気孔131は円形であり、この端壁通気孔131によって箱本体11の収容部110が外気と通気可能となっている。
【0050】
そして、一対の端壁板13,13aの間を橋渡して連結するように、端壁板13,13aの左右両端縁には、箱本体11の側壁を構成する側壁体14,14aの両端部がそれぞれ固定されている。各側壁体14,14aは、幅の広い板体140の幅方向の両側に、棒状体である端部材141,142をやや離して配置し、この板体140と端部材141,142を棒状の連結部143で連結することで構成されている。
【0051】
本実施例では、連結部143は板体140と端部材141,142に対して直交するようにして配置され、各側壁体14,14aにつき所要数(本実施例では複数、四箇ずつ)設けてある。連結部143は、その長手方向が使用時の上下方向になるように配置されている。この連結部143は、後述するように、スペーサ3を箱体1に取り付けるための案内部材としても作用する。
【0052】
側壁体14,14aにおいて、板体140に対し端部材141,142をやや離して配置することで、箱体1の各側壁には細長状の開口部である側壁通気部15と側壁通気部16が上下に離れた状態で形成されている。この側壁通気部15と側壁通気部16は、箱体1の長手方向に沿って(使用時の水平方向になるように)並設されている。この側壁通気部15と側壁通気部16によっても、箱本体11の収容部110が外気と通気可能となっている。
【0053】
そして、図2に示すように、上部側の側壁通気部15よりも、下部側の壁通気部16の方がその開口部の幅(隙間)が広くなっている。このような構成により、箱体1の底部側から収容部110内の上方に向かって、効率的に空気を取り入れることができる。
【0054】
更に図1で上方に位置する箱本体11の天井部は、幅の広い板体160と棒状体である端部材161,162を、一対の端壁板13,13aの間を橋渡して固定することで構成されている。端部材161,162は、板体160の幅方向の両端部からやや離して配置されており、これによって端部材161,162と板体160の間には長手方向に沿って細長状の開口部(隙間)である天井通気部17,18がそれぞれ形成されている。この天井通気部17,18によっても、箱本体11の収容部110が外気と通気可能となっている。
【0055】
(スペーサ3)
図3に示すように、スペーサ3は、一対の区画体31,32を十字状に交差(直交)させた状態で組み合わせることで形成されている。各区画体31,32は平面視長方形状の薄板で形成されており、幅方向の一辺側であって長手方向の中間位置に凹部状の切欠部311,312を有している。そして、この切欠部311,312同士を嵌め合うことで、区画体31,32同士を十字状に交差させてある。
【0056】
図3及び図4に示すように、スペーサ3は、箱本体11の収容部110に所要の間隔をおいて所要数(本実施例では複数、三箇所)配置されている。一方、箱本体11の長手方向の内面部には、上記各側壁体14,14aの連結部143によってスペーサ3を嵌め入れるためのガイド溝191,192,193がそれぞれ形成されている。
【0057】
この各ガイド溝191,192,193は、側壁体14,14aを構成する上記した各連結部143で挟まれるようにして形成されている。ガイド溝191,192,193は、側壁体14,14aの中央側の二本の連結部143,143間と、側壁体14,14aの両端側の各連結部143と端壁板13,13aの間にそれぞれ形成されている。
【0058】
図2に示すように、スペーサ3を構成する区画体31,32で区画された箇所に木炭2がそれぞれ収容され、各木炭2の長手方向が本質的に平行になるように構成されている。詳しくは、十字状のスペーサ3の四つの区画部分に木炭2が一つずつ配置されている。図3に示すように、本実施例では、前と後に上下四つずつ、合計で八つの木炭2が収容されている。なお、前後の3つのスペーサ3の各区画部分に、長さが短い木炭2を前後二本ずつ配置しているが、木炭2の二倍の長さの木炭を一本配置するようにしても良い。
【0059】
以下、着火兼用木炭収容箱Aを製造するための組み立て手順を説明しながら、各構成部材の位置関係を更に詳しく説明する。
まず、図3に示すように、箱本体11を開口部(符号省略)を上に向けた状態で載置する。そして、スペーサ3を入れる前に、箱本体11の収容部110の奥側(図3で下方)に縦横二列ずつ、合計で四つの木炭2を入れ、木炭2の長手方向が本質的に平行になるように配置する。
【0060】
次に、各スペーサ3(合計で三つ)を上方から収容部110内に嵌め入れる。嵌め入れる際は、図3で各スペーサ3の左右両端側(区画体31,32の端部)を、側壁体14,14aの各ガイド溝191,192,193に沿ってスライドさせながら嵌め入れる。更に、残る四つの木炭2を、スペーサ3とスペーサ3の上部に掛け渡すようにして載置して収容部110に収容する。
【0061】
このような木炭2の配置により、上の木炭2と下の木炭2の間にはスペーサ3の区画体31,32が挟まった状態になり、木炭2と木炭2の間に空気流通路51(図2も参照)が形成される。更に左右隣同士の木炭2と木炭2の間にも、スペーサ3の区画体31,32が介在していることで、空気流通路52(図4も参照)が形成されている。
【0062】
更に、図4に示すように、側壁体14,14aの連結部143が内側に突出していることで、箱体1の内面部(側壁体14,14aの内面側)と収容された木炭2との間に、空気の流通が可能な空気流通路53が形成される。
【0063】
また更に木炭2が筒状であるため、木炭2内部には空気が通りやすい。しかも、図2に示すように外形が断面六角形状であるため、木炭2の周りに隙間が形成されやすく、木炭2の周りの空気の通りも良い。
【0064】
木炭2を収容した後は、図3及び図4に示すように、前後のスペーサ3とスペーサ3の間にできた隙間(空気流通路52でもある)に、着火剤4を差し入れて収容する。着火剤4は、隙間(空気流通路52)に立てられた状態で、合計二箇所に設けられる。最後に、接着剤等を塗布して箱本体11の開口部を底体12で閉じ、箱体1から底体12が外れないように固定する。なお、底体12を閉じる際は、底体12の各嵌入部122をガイド溝191,192,193に嵌め入れる。このようにして、図1に示す目的とする着火兼用木炭収容箱Aを得る。
【0065】
本実施例では、上記したような木炭2の配置構造を採用することにより、複数の木炭2を効率的に収容して全体をできるだけコンパクトな形状に抑えつつも、燃焼効率を低下させることなく、十分な火力が得られるようにしてある。
【0066】
なお、本実施例では、図3に示す底体12は箱本体11に予め固定されて一体化されており、一体化された着火兼用木炭収容箱Aの状態で、ホームセンター等の販売店で販売する形態を採用している。
これに対し、図3に示す箱体1とスペーサ3を着火兼用木炭収容箱構成体とし、木炭2と着火剤4とは別に、この着火兼用木炭収容箱構成体だけを独立して販売する形態を採用することもできる。そして、この着火兼用木炭収容箱構成体を販売店から購入するようにすれば、予め箱単位や袋単位で購入していた既存の木炭を利用することができるので、無駄がなく、経済的である。また不使用には、安全性を考慮して、箱体1や木炭2とは別に、着火剤4を保管、管理することもできる。
【0067】
(作 用)
図5は、着火兼用木炭収容箱の使用状態を示す斜視説明図であり、着火兼用木炭収容箱をバーベキューコンロの上に置いて火を付けた状態を表している。
図6は、図5に示す着火兼用木炭収容箱の箱体やスペーサなどが燃えて、火が付いた状態の木炭がバーベキューコンロの上に拡がっている状態を示す斜視説明図である。
なお、図6で符号Cは、バーベキューコンロBの上に載置する金網を示している。
【0068】
本実施例に係る着火兼用木炭収容箱Aは、次のように作用する。
なお、本実施例では、バーベキューコンロの燃料として使用した場合を例に挙げて説明しているが、平らな岩や土の上に直接置いて使用できることは言うまでもない。また、バーベキュー用の燃料に限定するものでもなく、例えば焼き鳥屋や炉端焼きの店などの炭火焼きコンロに用いる業務用燃料として使用することもできる。
【0069】
着火場所であるバーベキューコンロBのまでの運搬や設置、及び木炭への着火は、図1に示す着火兼用木炭収容箱Aの状態で行う。着火兼用木炭収容箱Aには、一回のバーベキューを行うための燃料として十分な量の木炭2が収容されている。したがって、必要な量の木炭を段ボール箱や袋等に小分けして着火場所まで運搬し、バーベキューコンロBに移し替える手間も要らない。また木炭を直接手で取り扱わないため、手や衣服が汚れることを防止できる。
【0070】
また箱体1に収容されたスペーサ3は、木炭2が箱体1の中で本質的に移動することを防止する。これにより、運搬時に木炭2が互いに擦れ合って欠けることを防止する。また木炭2が擦れ合うことを防止することで、木炭2の黒い粉の発生を防ぎ、粉が箱体1から漏れ出すことを防止できる。
【0071】
なお、図示はしていないが、図3に示す木炭2を予め新聞紙等の紙で包んだり、シュリンク包装によりプラスチックフィルムで包んだりしたものを、箱体1に収容するようにしても良い。このようにすることで、木炭から発生した黒い粉が箱体1の外へ漏れ出すことを確実に防止できる。またシュリンク包装によって、着火兼用木炭収容箱A全体をプラスチックフィルムで包み、着火時にプラスチックフィルムを破って使用するようにしても良い。
【0072】
更に、図示はしていないが、持ち運びをより簡単にするために、箱体1の所要箇所に把手を取り付けることもできる。把手は例えば側壁体14,14aや端壁板13,13a等に取り付けることができる。把手を採用する場合は、使用後に燃え残ってゴミにならないように、有毒ガスを発生しない可燃性の材料をその素材とすることが好ましい。例えば木や厚紙等を使用して、把手をU字状に形成することができる。
【0073】
そして、図5に示すバーベキューコンロBの上に、着火兼用木炭収容箱Aを設置し、箱体1内部の着火剤4に点火する。着火剤4への点火は、箱体1の底部側である底体12の着火口111(図2参照)から行うことができる。
【0074】
よって、図示はしていないが、点火時には、着火口111が見えるように、着火兼用木炭収容箱Aをやや斜めに傾けた状態で行う。点火には、把持部から点火ノズルまでの柄が長い、ライター型点火補助具(例えば株式会社東海製、商品名「チャッカマン」)が好適に使用できる。
【0075】
図2に示す着火口111から着火剤4に付けられた火は、隣接する木炭2の内側に直接移ると共に、木製材料で形成された箱体1自体にも移る。しかも、木製材料で形成された箱体1は、段ボール紙製のものと比べ、燃焼時間が長いため、火は直ぐに消えずに木炭全体に移りやすい。
【0076】
また上記したように、箱体1の中で木炭2が移動することをスペーサ3が防止するので、木炭2が箱体1の一方側に偏って、木炭2と木炭2の間に形成された空気流通路51,52を塞ぐ恐れもない。よって、木炭2と木炭2の間には空気や炎が円滑に流通し、木炭全体に火が早く回りやすい。
【0077】
更に、外気との通気が可能な開口部である各端壁通気孔131,側壁通気部15,側壁通気部16,天井通気部17,18が着火剤4の真上ではなく、真上以外の所要の位置にそれぞれ設けてある。よって、着火剤4から立ち上る火が、そのまま真上の開口部から箱体の外に逃げてしまうようなことはなく、火は箱体1の中を回り(燃焼効率が高く)、木炭全体に早く移りやすい。
【0078】
更に着火口111が箱体1の底部側に設けてあるので、箱体1の接地面側に着火口111が位置し、着火口111から火が箱体1の外部に逃げることを防止できる。よって、箱体1内の燃焼効率が高く、木炭全体に火が早く回りやすい。
【0079】
また更に箱体1の内面部と収容された木炭2との間にも空気流通路53(図4参照)が設けてあるので、木炭2と木炭2の間だけではなく、箱体1の内面部と木炭2との間にも空気や炎が円滑に流通し、木炭全体に火が早く回りやすい。
【0080】
上記のような構成により、図5に示すように燃え始めた箱体1は、箱体1が燃えて形が崩れる前か、あるいは箱体1が燃えてしまう前に、木炭2の全体または大部分が完全に火が付いた状態になる。これにより、箱体1が燃えて形が崩れたり、箱体1が燃えてしまった後に、木炭2に風が直接当たるようになっても、その風で木炭2の火が立ち消えてしまうことを防止する。
【0081】
上記したように、本実施例に係る着火兼用木炭収容箱Aを使用すれば、一旦、着火剤4に点火するだけで木炭2に簡単に、しかも早く火が付くので、アウトドアレジャーに馴れていない者でも、気軽にバーベキューを楽しむことができる。実験によれば、着火剤4に点火してから約15分で、図6に示すような配置で木炭2が火が付いた状態になった。
【0082】
更に箱体1が燃えて形が崩れた後か、あるいは箱体1が燃えてしまった後は、木炭2が互いに重なることなく、図6に示すように、縦横に並んで拡がった状態になる。これにより、木炭2が一部重なり合って火力が強い部分と、重ならずに火力が比較的弱い部分ができて火力にムラが生じることを防止できる。これによって、熱い炎の中で木炭2を並べ変えて火力を調整する手間が減るので、アウトドアレジャーに不慣れな者でもバーベキューをより気軽に楽しむことができる。
【0083】
図7は、本発明に係る着火兼用木炭収容箱の他の実施例をそれぞれ示しており、着火兼用木炭収容箱を幅方向に断面して表した正面視概略説明図であり、図2に対応するものである。
なお、図7では、各箱体1a,1bに収容される木炭2a,2bの数と位置関係を概略的に示しており、外気との通気が可能な開口部等の詳細は省略している。
【0084】
図2で示した実施例よりも、更に箱体1に収容する木炭2の数を増やしたい場合は、例えば図7(a)(b)に示すような構造を採用することができる。
図7(a)では、断面外形が長方形状の箱体1aに対し、木炭2aを横方向に3列、高さ方向に2列配列している。この場合のスペーサ3aは、図7(a)で横の区画体31aの一本に対し、縦の区画体32aが二本組み合わせた構造となる。
【0085】
また図7(b)では、断面外形が正方形状の箱体1bに対し、木炭2bを横方向に3列、高さ方向に3列配列している。この場合のスペーサ3bは、図7(b)で横の区画体31bの二本に対し、縦の区画体32aが二本組み合わせた構造となる。なお、図7(b)に図示したスペーサ3bよりも、更に横や高さ方向に区画体31b,32bを増やしていけば、更に多くの木炭2bを収容することができる。
【0086】
このように、スペーサ3a,3bを格子状や井形状に形成し、それに対応する大きさの箱体1a,3bを用いることで、収容できる木炭2a,2bの数や配置を自由に設定することができる。
【0087】
なお、本明細書で使用している用語と表現はあくまで説明上のものであって、限定的なものではなく、上記用語、表現と等価の用語、表現を除外するものではない。また、本発明は図示の実施例に限定されるものではなく、技術思想の範囲内において種々の変形が可能である。
【0088】
更に、特許請求の範囲には、請求項記載の内容の理解を助けるため、図面において使用した符号を括弧を用いて記載しているが、特許請求の範囲を図面記載のものに限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0089】
【図1】本発明に係る着火兼用木炭収容箱の一実施例を示す斜視説明図。
【図2】図1に示す着火兼用木炭収容箱を幅方向に断面して表した拡大正面視説明図。
【図3】図1に示す着火兼用木炭収容箱を上下反転させた後に、固定された底体を箱本体から取り外して中を分解した底面斜視分解説明図。
【図4】底体を取り外した後の着火兼用木炭収容箱を底面上方から見た状態を示す拡大説明図。
【図5】着火兼用木炭収容箱の使用状態を示す斜視説明図であり、着火兼用木炭収容箱をバーベキューコンロの上に置いて火を付けた状態を表している。
【図6】図5に示す着火兼用木炭収容箱の箱体やスペーサなどが燃えて、火が付いた状態の木炭がバーベキューコンロの上に拡がっている状態を示す斜視説明図。
【図7】図7は、本発明に係る着火兼用木炭収容箱の他の実施例をそれぞれ示しており、着火兼用木炭収容箱を幅方向に断面して表した正面視概略説明図。
【符号の説明】
【0090】
A 着火兼用木炭収容箱
1,1a,1b 箱体
2,2a,2b 木炭
3,3a,3b スペーサ
4 着火剤
11 箱本体
12 底体
13 端壁板
14 側壁体
15 上通気部
16 下通気部
31,31a,31b,32,32a,32b 区画体
51,52,53 空気流通路
110 収容部
111 着火口
121 底板
122 嵌入部
131 通気孔
140 板体
141,142 端部材
143 連結部
160 板体
161,162 端部材
191,192,193 ガイド溝
311,312 切欠部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
木製材料で形成されており、外気との通気が可能な開口部(131)(15)(16)(17)(18)を有している箱体(1)を備え、
該箱体(1)には着火剤(4)と複数の木炭(2)とがそれぞれ収容されており、所要の木炭(2)間には通気空間(51)(52)を確保すべくスペーサ(3)が配設してある、
着火兼用木炭収容箱。
【請求項2】
木製材料で直方体または立方体状に形成され、各面には外気との通気が可能な開口部(131)(15)(16)(17)(18)を有している箱体(1)を備え、
該箱体(1)には着火剤(4)と複数の木炭(2)とがそれぞれ収容されており、所要の木炭(2)間には通気空間(51)(52)を確保すべくスペーサ(3)が配設してあり、
使用時に箱体(1)の上面となる面の開口部(17)(18)は、着火剤(4)の燃焼時に着火剤(4)の炎が逃げないような位置に設けてある、
着火兼用木炭収容箱。
【請求項3】
木製材料で直方体または立方体状に形成され、各面には外気との通気が可能な開口部(131)(15)(16)(17)(18)を有している箱体(1)を備え、
該箱体(1)には着火剤(4)と複数の木炭(2)とがそれぞれ収容されており、所要の木炭(2)間には通気空間(51)(52)を確保すべくスペーサ(3)が配設してあり、
使用時に箱体(1)の上面となる面の開口部(17)(18)は、上記着火剤(4)の真上またはその近傍を避けて設けてあり、更に使用時に箱体(1)の底面となる面には、着火剤(4)に火を付けるための着火口(111)が設けてある、
着火兼用木炭収容箱。
【請求項4】
木製材料で直方体または立方体状に形成され、各面には外気との通気が可能な開口部(131)(15)(16)(17)(18)を有している箱体(1)を備え、
該箱体(1)には、棒状、柱状または筒状に形状された複数の木炭(2)と、所要の木炭(2)間に配置された着火剤(4)と、通気空間(51)(52)を確保すべく所要の木炭(2)間に配設されたスペーサ(3)と、がそれぞれ収容されており、
使用時に箱体(1)の上面となる面の開口部(17)(18)は、上記着火剤(4)の真上またはその近傍を避けて設けてあり、更に使用時に箱体(1)の底面となる面には、着火剤(4)に火を付けるための着火口(111)が設けてあると共に、使用時に箱体(1)の少なくとも側面となる内面側には通気空間(53)が設けてあり、
上記スペーサ(3)は、区画体(31,32)を十字状、井形状または格子状に交差させることで形成され、該区画体(31,32)で区画された箇所に木炭(2)が収容されることで木炭(2)は本質的に平行に配設されている、
着火兼用木炭収容箱。
【請求項5】
木製材料で形成されており、外気との通気が可能な開口部(131)(15)(16)(17)(18)を有すると共に、内部に着火剤(4)と複数の木炭(2)とを収容できる箱体(1)と、
収容した所要の木炭(2)間に通気空間(51)(52)を確保すべく上記箱体(1)内に配設されるスペーサ(3)と、
を備えている、
着火兼用木炭収容箱構成体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−271221(P2007−271221A)
【公開日】平成19年10月18日(2007.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−99912(P2006−99912)
【出願日】平成18年3月31日(2006.3.31)
【出願人】(390032861)豊裕産業株式会社 (1)
【Fターム(参考)】