説明

着脱が容易なヘッドカバー及びこれを備えたヘルメット

【課題】着脱時間を短縮し、着脱の便利性を高めることができるようにしたヘッドカバー及びこれを備えたヘルメットを提供する。
【解決手段】本発明のヘッドカバーは、風通しが良くなるようにエアメッシュ素材ででき、使用者の頭部上面に合わせて湾曲して形成された上面を有し、その前方には、使用者の額から排出される汗を吸収するための汗吸収部材が設けられており、汗吸収部材としては、洗濯が可能で、汗の吸収を良くするために綿タオルのような素材が使用される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の背景
技術分野
本発明は、ヘッドカバー及びこれを備えたヘルメットに関するものであり、より詳しくは、ヘルメット内部に一部が掛けられるように付着することができ、ヘルメットとの着脱が容易なヘッドカバー及びこれを備えたヘルメットに関する。
【背景技術】
【0002】
関連技術の説明
ヘッドカバーは、着用感を高め、頭部を保護し、風通しを良くするために、使用者の頭部に触れるようにヘルメットの内部に付着されている。このようなヘッドカバーとヘルメットに関する研究および開発が継続的になされている。その代表的な例として、本出願人の韓国登録実用新案第20−0430641号の「安全キャップ」がある。
【0003】
図1及び図2に示すように、従来の安全キャップ100は、アウターキャップ110、ヘッドバンド130、周縁バンド120、カバー部材140、吸収部材141a,141b,141c、ひさし部材142などを含んでいる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の安全キャップ100は、アウターキャップ110の内部に装着されたヘッドバンド130及びカバー部材140が互いにベルクロテープ(フック(hook)およびファスナ(fasteners))143a,143b,144a,144bにより着脱可能となっている。
【0005】
このため、従来の安全キャップ100は、ベルクロテープ143a,143b,144a,144bによりヘッドバンド130及びカバー部材140が着脱されるので、着脱時間が長くなり、着脱の便利性が低下する。
【0006】
また、従来の安全キャップ100は、ベルクロテープ143a,143b,144a,144bの数が増加してコストが高くなるという問題点があった。
【0007】
本発明の概要
そこで、本発明は上記従来の問題点に鑑みてなされたものである。本発明の目的は、ヘッドカバーにフック部材を設けて、このフック部材をヘルメット内部に掛けられるようにすることにより、着脱時間を短縮し、着脱の便利性を高めることができるようにしたヘッドカバー及びこれを備えたヘルメットを提供することである。
【0008】
本発明の他の目的は、ヘッドカバーを安価なフック部材を介してヘルメット内部に掛けられるようにすることにより、コストを節減することができるようにしたヘッドカバー及びこれを備えたヘルメットを提供することである。
【0009】
本発明のまた他の目的は、ヘッドカバーを風通しの良いメッシュ構造にすることにより、使用者の頭部で発生する汗を効率的に除去することができるようにしたヘッドカバー及びこれを備えたヘルメットを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するためになされた本発明は、風通しを良くするためにエアメッシュ素材で形成し、使用者の頭の上面に合わせて湾曲して形成された上面を有し、その前方には前記使用者の額から排出される汗を吸収するための汗吸収部材が設けられており、前記汗吸収部材としては、洗濯が可能で、汗の吸収を良くするために綿タオルのような素材が使用されることを特徴とする着脱が容易なヘッドカバーを提供する。
【0011】
本発明のヘッドカバーにおいて、汗吸収部材を分離可能に設けるか、又は固定して設けることを特徴とする。
【0012】
また、汗吸収部材と密着して設けられるフック部材をさらに含み、フック部材は、軟性のプラスチック材質で形成されることを特徴とする。
【0013】
ここで、フック部材には、複数のフック孔が形成されていることを特徴とし、汗吸収部材とフック部材の前方下端部には、互いに付着される1対の付着手段が設けられていることを特徴とする。
【0014】
また、本発明は、
使用者の頭部を保護するアウターキャップ、
アウターキャップの内部に装着されて、外力が直接的に頭部に伝達されるのを防止するヘッドバンドと、頭部の形状に合わせて調節できる周縁バンドとで構成されているバンド部材、および、
バンド部材の内部で設けられる上記のヘッドカバーを含み、
ヘッドカバーの汗吸収部材の終端部が折られて、周縁バンドの前方に形成された空間に挿入されることを特徴とするヘルメットを提供する。
【0015】
また、本発明は、
使用者の頭部を保護するアウターキャップ、
アウターキャップの内部に装着されて、外力が直接的に頭部に伝達されるのを防止するヘッドバンドと、頭部の形状に合わせて調節できる周縁バンドとで構成されているバンド部材、および、
バンド部材の内部に形成されるヘッドカバーを含み、
前記フック部材は、前記周縁バンドの前方に形成された空間に挿入されることを特徴とするヘルメットを提供する。
【0016】
ここで、ヘッドカバーの汗吸収部材の終端部が折られて、周縁バンドの前方に形成された空間に挿入されることを特徴とし、さらに、汗吸収部材は、周縁バンドを覆うように折られて、汗吸収部材とフック部材に形成された1対の付着手段が互いに付着されることを特徴とする。
【0017】
また、フック部材に形成された複数のフック孔に、周縁バンドに形成された複数のフック突起が嵌入されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明のヘッドカバー及びこれを備えたヘルメットによれば、ヘッドカバーにフック部材が設けられ、このフック部材がヘルメット内部に掛けられることにより、着脱時間が短縮され、着脱の便宜を図ることができる効果を有する。
【0019】
また、ヘッドカバーが安価なフック部材を介してヘルメットの内部に掛けられるので、製造コストを大きく節減することができる。
【0020】
また、ヘッドカバーが、風通しが良好なメッシュでできており、使用者の頭部から発生する汗を効率的に除去することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】従来の安全キャップを示す概略斜視図である。
【図2】図1の安全キャップを示す断面図である。
【図3】本発明の好適な一実施形態によるヘッドカバーを示す概略断面図である。
【図4】図3のヘッドカバーが適用されたヘルメットを示す概略断面図である。
【図5】本発明の好適な他の実施形態によるヘッドカバーを示す概略断面図である。
【図6】図5のヘッドカバーが適用されたヘルメットを示す概略断面図である。
【図7】本発明の好適なまた他の実施形態によるヘッドカバーを示す概略断面図である。
【図8】図7のヘッドカバーが適用されたヘルメットを示す概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図面の簡単な説明
本発明の上記および他の目的および有利な点は、添付図面と共に考慮し、次の詳細な説明を参照することにより、直ちに明らかになるであろう。
【0023】
図1は、従来の安全キャップを示す概略斜視図、
図2は、図1の安全キャップを示す概略断面図、
図3は、本発明の好適な一実施形態によるヘッドカバーを示す概略断面図、
図4は、図3のヘッドカバーが適用されたヘルメットを示す概略断面図、
図5は、本発明の好適な他の実施形態によるヘッドカバーを示す概略断面図、
図6は、図5のヘッドカバーが適用されたヘルメットを示す概略断面図、
図7は、本発明の好適なまた他の実施形態によるヘッドカバーを示す概略断面図、および、
図8は、図7のヘッドカバーが適用されたヘルメットを示す概略断面図である。
【0024】
好ましい実施形態の詳細な説明
以下、添付した図面を参照して、本発明の好ましい実施形態による着脱が容易なヘッドカバー及びこれを備えたヘルメットについて詳細に説明する。
本発明の一実施形態によるヘッドカバーを図3に示す。
【0025】
図3に示すように、ヘッドカバー1406は、風通しが良くなるようにエアメッシュ素材ででき、上面は使用者の頭部上面に合わせて湾曲して形成されている。エアメッシュ素材は、公知技術の網目(honeycomb)状の上面と下面の間を細い糸が柱となって支持する構造となっている。ヘッドカバー1406の前方には、使用者の額と当接して額から排出される汗を吸収するための汗吸収部材1408が設けられ、汗吸収部材1408と密着するようにヘルメットに掛けられるフック部材1410がさらに設けられている。フック部材1410には、複数のフック孔h1が形成されている。汗吸収部材1408とフック部材1410は、ヘッドカバー1406の周縁をカバーする際に縁部に縫い付けられる。汗吸収部材1408としては、洗濯が可能で、汗の吸収を良くするために綿タオルのような素材が使用され、フック部材1410は多少の堅さを維持するために軟性のプラスチック材質で形成される。
【0026】
次に、図3の実施形態によるヘッドカバーを適用したヘルメットの一実施形態を図4に示す。
【0027】
図4に示すように、本実施形態によるヘルメット1400は、アウターキャップ1402、バンド部材1404、ヘッドカバー1406、汗吸収部材1408、フック部材1410を含む。
【0028】
アウターキャップ1402は、着用者の頭部を保護できるように製作される。このようなアウターキャップ1402には、ポリカーボネート系または金属系などの剛性を有する材料が使用される。
【0029】
バンド部材1404は、アウターキャップ1402の内部に装着されて、外力が直接的に頭部に伝達されるのを防止し、着用者の顔の形状に合わせて固定できるように調節可能に形成される。すなわち、バンド部材1404は、ヘッドバンド1404aと周縁バンド1404bなどを含む。
【0030】
ヘッドバンド1404aは、アウターキャップ1402の内部に装着されて、アウターキャップ1402に加えられた外力が直接的に頭部に伝達されるのを防止するように形成され、周縁バンド1404bは、ヘッドバンド1404aと連結されて、着用者の顔の形状に合わせて固定できるように調節可能に形成されている。
【0031】
ヘッドカバー1406は、ヘッドバンド1404aの内側に位置している。ヘッドカバー1406の前に設けられた汗吸収部材1408は、周縁バンド1404bの裏面に位置する一方、フック部材1410は、周縁バンド1404bの前面に位置している。フック部材1410に形成された複数のフック孔h1に、周縁バンド1404bの前面に形成された複数のフック突起1404b1が嵌入される。
【0032】
このように、本実施形態のヘルメット1400において、フック部材1410に形成されたフック孔h1に、バンド部材1404に形成されたフック突起1404b1が嵌入されているので、バンド部材1404及びヘッドカバー1406との締結性がより強化される。
【0033】
本発明の他の実施形態によるヘッドカバーを図5に示す。
【0034】
図5に示すように、他の実施形態によるヘッドカバー1406は、図3に示したヘッドカバー1406と実質的に等しい。異なる点は、汗吸収部材1408とフック部材1410の前方下端部にベルクロテープのような1対の付着手段1612,1614が設けられている点である。汗吸収部材1408の下端部が折られて1対の付着手段1612,1614が互いに付着される。
【0035】
図5の実施形態によるヘッドカバーを適用したヘルメットの他の実施形態を図6に示す。
【0036】
図6に示すように、本実施形態によるヘルメット1600は、図4のヘルメット1400と同様に、アウターキャップ1402、バンド部材1404、ヘッドカバー1406、フック部材1410を含み、その構成が同じである。重複をさけるため説明は省略する。
【0037】
しかし、本実施形態では、図4と同様に、フック部材1410に形成されたフック孔h1に、バンド部材1404に形成されたフック突起1404b1が嵌入されている状態で、汗吸収部材1408がバンド部材1404を覆いながらフック部材1410の前方下端部に位置するように折られ、汗吸収部材1408とフック部材1410に設けられた1対の付着手段1612,1614が互いに付着される。
【0038】
このように、本実施形態のヘルメット1600は、汗吸収部材1408とフック部材1410が1対の付着手段1612,1614により付着されるので、バンド部材1404とヘッドカバー1406との間の締結性がより強化される。
【0039】
本発明のまた他の実施形態によるヘッドカバーを図7に示す。
【0040】
図7に示すように、また他の実施形態によるヘッドカバー1106は、図3及び図4に示されるヘッドカバー1406とは異なって、汗吸収部材1108が着脱可能に分離され、フック部材が設けられていない。
【0041】
ヘッドカバー1106の一側と汗吸収部材1108の一側にはベルクロテープのような1対の付着手段1106a,1108aが設けられている。ヘッドカバー1106と汗吸収部材1108は、1対の付着手段1106a,1108aにより簡単に着脱することができる。
【0042】
図7の実施形態によるヘッドカバーを適用した実施形態によるヘルメットを図8に示す。
【0043】
図8に示すように、本実施形態によるヘルメット1100は、図4のヘルメット1400と同様に、アウターキャップ902、バンド部材904、ヘッドカバー1106、汗吸収部材1108を含み、その構成が同じである。重複を避けるため説明は省略する。
【0044】
ヘッドカバー1106は、バンド部材904の内側に位置している。ヘッドカバー1106の前に付着された汗吸収部材1108は、周縁バンド904bの裏面に位置し、その終端部が折られて周縁バンド904bの前面に形成された空間に挿入される。
【0045】
本発明の好ましい実施形態が説明されてきたが、本発明は、好ましい実施形態に限定すべきものではなく、目的とする本発明の精神および範囲の内において、多様な変更および修正を、当業者が実施可能であることが理解される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
風通しを良くするためにエアメッシュででき、使用者の頭の上面に合わせて湾曲して形成された上面を有し、その前方には前記使用者の額から排出される汗を吸収するための汗吸収部材が設けられており、前記汗吸収部材として、洗濯が可能で、汗の吸収を良くするために綿タオルのような素材が使用されることを特徴とする着脱が容易なヘッドカバー。
【請求項2】
前記汗吸収部材を、分離可能に設けることを特徴とする請求項1に記載のヘッドカバー。
【請求項3】
前記汗吸収部材を、固定して設けることを特徴とする請求項1に記載のヘッドカバー。
【請求項4】
前記汗吸収部材と密着するように設けられるフック部材を、さらに含み、
前記フック部材は、軟性のプラスチック材料で形成されることを特徴とする請求項1に記載のヘッドカバー。
【請求項5】
前記フック部材には、複数のフック孔が形成されていることを特徴とする請求項5に記載のヘッドカバー。
【請求項6】
前記汗吸収部材と前記フック部材の前方下端部には、互いに付着される1対の付着手段が設けられていることを特徴とする請求項5に記載のヘッドカバー。
【請求項7】
使用者の頭部を保護するアウターキャップ、
前記アウターキャップの内部に装着されて、外力が直接的に前記頭部に伝達されるのを防止するヘッドバンドと、前記頭部の形状に合わせて調節できる周縁バンドとで構成されたバンド部材、および、
前記バンド部材の内部に設置される請求項1〜請求項3のうちのいずれか1項に記載の前記ヘッドカバーを含み、
前記ヘッドカバーの前記汗吸収部材の終端部が折られて前記周縁バンドの前方に形成された空間に挿入される
ことを特徴とするヘルメット。
【請求項8】
使用者の頭部を保護するアウターキャップ、
前記アウターキャップの内部に装着されて、外力が直接的に前記頭部に伝達されるのを防止するヘッドバンドと、前記頭部の形状に合わせて調節できる周縁バンドとで構成されたバンド部材、および、
前記バンド部材の内部に設置される、請求項4〜6のいずれか1項に記載のヘッドカバーを含み、
前記フック部材は、前記周縁バンドの前方に形成された空間に挿入される
ことを特徴とするヘルメット。
【請求項9】
前記ヘッドカバーの前記汗吸収部材の終端部が折られて、前記周縁バンドの前方に形成された空間に挿入されることを特徴とする請求項8に記載のヘルメット。
【請求項10】
前記汗吸収部材は、前記周縁バンドを覆うように折られて、前記汗吸収部材と前記フック部材に設けられた1対の付着手段が互いに付着されることを特徴とする請求項9に記載のヘルメット。
【請求項11】
前記フック部材に形成された前記複数のフック孔に、前記周縁バンドに形成された複数のフック突起が嵌入されることを特徴とする請求項8に記載のヘルメット。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2009−256868(P2009−256868A)
【公開日】平成21年11月5日(2009.11.5)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2009−96413(P2009−96413)
【出願日】平成21年4月10日(2009.4.10)
【出願人】(509103853)
【氏名又は名称原語表記】LIM,Jae−Ju
【住所又は居所原語表記】2732−7,Bangbae−dong,seocho−gu,Seoul 137−060,Korea
【Fターム(参考)】