説明

着色粒子集合体およびその製造方法

【課題】 十分な粒子強度および十分な着色力を有し、かつ、粒度分布がシャープな着色粒子集合体およびその製造方法の提供。
【解決手段】 着色粒子集合体は、コア粒子と、当該コア粒子の表面に形成された着色シェル層を有するコア−シェル構造の着色粒子の複数によって構成され、コア粒子は疎水性樹脂よりなり、着色シェル層は、活性剤構造を有する樹脂と着色剤微粒子とを含有し、体積基準のメジアン径が2〜100μm、体積基準のCV値が1.0〜15.0%である。製造方法は、コア粒子と、活性剤構造樹脂粒子と、着色剤よりなる着色剤微粒子とを、水系媒体中で凝集させ、コア粒子の表面に活性剤構造樹脂粒子および着色剤微粒子を合着させ、活性剤構造樹脂粒子を熱溶融させることにより、コア粒子の表面に着色シェル層を形成する工程を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば電子写真用トナー、粉体ディスプレイパネル表示装置用表示粒子、液晶スペーサー粒子などとして利用される着色粒子集合体およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電子写真用トナー、粉体ディスプレイパネル表示装置用表示粒子、液晶スペーサー粒子などとして利用される、重合体および着色剤を含有する着色粒子としては、長期間にわたって使用しても変形や破砕の生じない高い強度を発揮するものが求められてきた。重合体よりなる着色粒子の製造方法としては、例えば無色または白色の重合体粒子を染料によって染色する方法があるが、この方法では重合体粒子の表面のみしか染色されず、また着色剤が溶出しやすく、色調が薄く着色力の低い粒子しか得られないという問題があった。また、別の方法としては重合体粒子の表面を顔料で被覆する方法があるが、この方法では顔料が重合体粒子の表面に付着するのみであって、顔料が剥離しやすいという問題があった。さらに別の方法としては、重合体と着色剤とを混練したのち、造粒、分級する方法がある。このような方法としては、例えば着色剤を粘着性樹脂および用途に応じて必要とされる種々の添加剤とともにニーダーなどで溶融混練し、冷却後に粗粉砕し、さらに徴粉砕する方法が挙げられる。しかしながら、この粉砕法によって得られる着色粒子は、粒度分布が広いため、粒子径による分級を必要とし、しかもその形状が不定形であることから、場合によっては球形化処理を行う必要があり、多くの工程を必要とするという問題があった。また、着色剤および添加剤を粘着性樹脂中に均一に分散させることは極めて困難であり、得られた着色粒子の光学特性や電気特性などにむらが生じるという問題があった。
【0003】
またさらに、重合体よりなる着色粒子の製造方法として、例えば特許文献1には、着色剤を含有する単量体を懸濁重合あるいは乳化重合することにより造粒する方法が開示されている。
【0004】
しかしながら、色調が濃く着色力の高い着色粒子を得るためには、着色剤を大量に含有させる必要があり、必然的に樹脂の含有量が少なくなって得られる着色粒子が脆いものとなってしまう、という問題がある。また、このような方法で造粒された粒子は、形状の均一性がいまだ低く、さらに粒度分布もいまだ十分にシャープではないために、粒子の形状および粒子径による分級工程が必要となってしまう、という問題もある。
【0005】
このような問題を解決する方法として、シード粒子にモノマーおよび着色剤を吸収させた状態で重合処理することにより粒子径の分布が狭い着色粒子を製造する方法が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
【0006】
しかしながら、この方法においても含有させられる着色剤の量に限りがあり、高い着色力を得るには至っていない。
【0007】
一方、粒度分布がシャープなコア粒子と、当該コア粒子に対して相対的に小径な活性剤構造樹脂粒子と、前記コア粒子に対して相対的に小径な着色剤微粒子とを、圧縮力および剪断力を作用させることにより、コア粒子の表面に活性剤構造樹脂粒子および着色剤微粒子を合着させて着色粒子を製造する方法が提案されている(例えば、特許文献3参照。)。
【0008】
しかしながら、この方法においてはコア粒子が破壊されない程度の圧縮力および剪断力によっては活性剤構造樹脂粒子が十分にコア粒子に接着されず、得られる粒子の強度が十分ではなく、また、得られる粒子表面が必ずしも平滑化されていないことから、粒子の光学特性や電気特性にむらが生じるという問題もある。
【0009】
【特許文献1】特開2004−287061号公報
【特許文献2】特開2001−89510号公報
【特許文献3】特開平6−126146号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、以上のような事情を考慮してなされたものであって、その目的は、十分な粒子強度および十分な着色力を有し、かつ、粒度分布がシャープな着色粒子集合体およびその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明者らは、粒度分布がシャープとなるよう形成した、疎水性樹脂よりなるコア粒子と、疎水性部および親水性部を有する活性剤構造樹脂よりなる活性剤構造樹脂粒子と、微粒子状の着色剤とを、水系媒体中で凝集させ、熱溶融させることにより、得られる着色粒子の粒度分布がシャープでありながらもコア粒子の表面に着色シェル層を形成することができることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0012】
本発明の着色粒子集合体は、コア粒子と、当該コア粒子の表面に形成された着色シェル層を有するコア−シェル構造の着色粒子の複数によって構成される着色粒子集合体であって、
前記着色粒子において、前記コア粒子は疎水性樹脂よりなり、前記着色シェル層は、疎水性部および親水性部を有する活性剤構造樹脂と、着色剤微粒子とを含有し、
当該着色粒子集合体の体積基準のメジアン径が2〜100μmであり、その体積基準のCV値が1.0〜15.0%であることを特徴とする。
【0013】
本発明の着色粒子集合体の製造方法は、上記の着色粒子集合体を製造する方法であって、
コア粒子(A)と、活性剤構造樹脂粒子(B)と、着色剤微粒子(C)とを、水系媒体中で凝集させて、前記コア粒子の表面に着色シェル層を形成する工程を含むことを特徴とする。
【0014】
本発明の着色粒子集合体の製造方法においては、コア粒子(A)の粒子径R1と、活性剤構造樹脂粒子(B)の粒子径R2とが、0.005<R2/R1<0.250の関係を満たすことが好ましい。
【0015】
また、本発明の着色粒子集合体の製造方法においては、活性剤構造樹脂粒子(B)は、重合性ユニットを含有する重合性疎水性基および親水性基を有する重合性の両性単量体を重合して得られる活性剤構造樹脂により形成されるものであることが好ましい。さらに、両性単量体が、ビニル単量体であることが好ましい。すなわち、ビニル単量体のビニル基が疎水性基に該当し、当該ビニル基に親水性基が結合した状態であるビニル単量体であるものが好ましい。
【0016】
ここで、本発明における疎水性基とは、「有機化合物分離法」(井上博夫著、1990、裳華房)に基づき、算出される有機性の数値が、60以上の有機基をいう。一方、親水性基は、同様に無機性の数値が70以上のものをいう。後述する金属塩を構成する親水性基は、無機性の数値が400以上となる。
【0017】
さらに、本発明の着色粒子集合体の製造方法においては、活性剤構造樹脂粒子(B)を構成する活性剤構造樹脂における親水性基が、−SO3-+ ,−COO- + ,−PO4-+ ,−SO3-+ ,−N+ (CH3 2 ・CH2 COO- ,−COOH(ただし、M+ は金属原子イオンまたはNH4+である。),下記一般式(1)で表される基、または下記一般式(2)で表される基であることが好ましい。
一般式(1): −N+ (CH3 3 -
一般式(2): −O(CH2 CH2 O)m
〔上記一般式(1)中、Xはハロゲン原子である。また、一般式(2)中、mは1以上の整数である。〕
【発明の効果】
【0018】
本発明の着色粒子集合体によれば、十分な粒子強度および十分な着色力を有し、かつ、粒度分布がシャープなものとなる。さらには、モノマー成分などの揮発成分が少ないものとなる。
【0019】
本発明の着色粒子集合体の製造方法によれば、コア粒子(A)が疎水性樹脂よりなり、かつ、活性剤構造樹脂粒子(B)が疎水性部および親水性部を有する活性剤構造樹脂よりなるために、塩化ナトリウムなどの塩の存在によって、塩析の原理によりコア粒子(A)の表面に活性剤構造樹脂粒子(B)および着色剤微粒子(C)を付着させ、熱溶融によりコア粒子(A)と、活性剤構造樹脂粒子(B)および着色剤微粒子(C)とを合着させることができる。これにより着色剤を取り込んだ着色シェル層をコア粒子(A)上に形成でき、従って、十分な粒子強度および十分な着色力を有し、かつ、粒度分布がシャープな着色粒子を得ることができる。さらには、モノマー成分などの揮発成分が少ない着色粒子を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明について具体的に説明する。
【0021】
<着色粒子>
本発明の着色粒子集合体(以下、単に「着色粒子」ともいう。)は、疎水性樹脂よりなり、実質的に着色剤を含まないコア粒子(A)と、その表面に形成されてこれを被覆する、疎水性部および親水性部を有する活性剤構造樹脂に着色剤が含有された着色シェル層とによるコア−シェル構造を有する。
このコア−シェル構造の着色粒子は、着色シェル層がコア粒子(A)を完全に被覆している形態を有することが好ましい。
【0022】
本発明の着色粒子の粒径は、体積基準のメジアン径で2〜100μmである。好ましい範囲は、その用途によっても異なるが、例えば3〜30μmとされる。この粒径は、後述する製造方法において使用される凝集剤の濃度や凝集時間、コア粒子(A)を構成する疎水性樹脂の組成や着色シェル層の活性剤構造樹脂の組成などを調整することによって制御することができる。
【0023】
着色粒子の体積基準のメジアン径は「コールターマルチサイザーTA−III 」(ベックマン・コールター社製)にデータ処理用のコンピューターシステム(ベックマン・コールター社製)を接続した測定装置を用いて測定・算出されるものである。具体的には、測定試料の着色粒子0.02gを、界面活性剤溶液20mL(測定試料の分散を目的として、例えば界面活性剤成分を含む中性洗剤を純水で10倍希釈した界面活性剤溶液)に添加して馴染ませた後、超音波分散を1分間行って試料分散液を調製し、この試料分散液を、サンプルスタンド内の「ISOTONII」(ベックマン・コールター社製)の入ったビーカーに、測定装置の表示濃度が8%になるまでピペットにて注入する。ここで、この濃度にすることにより、再現性のある測定値を得ることができる。そして、測定装置において、測定粒子カウント数を25,000個、アパーチャ径は測定粒子の体積基準のメジアン径が10μm以上である場合は100μmに設定し、測定粒子の体積基準のメジアン径が10μm未満である場合は50μmに設定し、測定結果の頻度値を算出し、体積積算分率の大きい方から50%の粒子径を体積基準のメジアン径とした。
【0024】
また、本発明の着色粒子は、粒径分布を示す変動係数(CV値)が1〜15%であり、好ましくは1〜10%である。このように粒度分布がシャープであることにより、着色粒子の着色力が高い均一性を有すると共に、着色粒子にかかる圧力が均等に近くなるため、当該着色粒子の変形や破砕が生じにくいという強度的な利点が得られる。
【0025】
CV値は、下記式(x)によって求められるものである。
式(x):CV値(%)={(標準偏差)/(体積基準のメジアン径)}×100
【0026】
<着色粒子の製造方法>
このような着色粒子は、図1に示されるように、コア粒子12と、活性剤構造樹脂粒子16と、着色剤よりなる着色剤微粒子14とを、水系媒体中で凝集させ、前記コア粒子12の表面に前記活性剤構造樹脂粒子16および前記着色剤微粒子14を付着させ(図1(a)参照。)、活性剤構造樹脂粒子16を熱溶融させることにより、コア粒子12の表面に着色シェル層25が形成された着色粒子20が製造される(図1(b)参照。)。
【0027】
活性剤構造樹脂粒子(B)を用い、着色シェル層に着色剤を導入させた本発明の着色粒子に係る製造工程の一例を具体的に示すと、
〔1〕疎水性樹脂よりなるコア粒子(A)作製工程、
〔2〕親水性基を有する重合性単量体を重合した活性剤構造樹脂よりなる活性剤構造樹脂粒子(B)を作製する活性剤構造樹脂粒子(B)作製工程、
〔3〕着色剤を水系媒体中に微粒子状に分散させて着色剤微粒子(C)の分散液を調製する着色剤微粒子(C)分散液調製工程、
〔4〕水系媒体中において、コア粒子(A)、活性剤構造樹脂粒子(B)および着色剤微粒子(C)を混合することにより、前記コア粒子(A)の表面に前記活性剤構造樹脂粒子(B)および前記着色剤微粒子(C)を付着させて凝集体を得る凝集工程、
〔5〕凝集工程〔4〕において得られた凝集体を熱処理して活性剤構造樹脂粒子(B)を熱溶融させる着色シェル層形成工程、
から構成される。
【0028】
ここで、「水系媒体」とは、水50〜100質量%と、水溶性の有機溶媒0〜50質量%とからなる媒体をいう。水溶性の有機溶媒としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、アセトン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフランを例示することができ、得られる樹脂を溶解しないアルコール系有機溶媒が好ましい。
【0029】
〔1〕コア粒子(A)作製工程
本発明の着色粒子の製造方法に使用されるコア粒子(A)は、着色粒子においてコア粒子となるものであって、疎水性樹脂よりなるものである。
このようなコア粒子(A)は、乳化重合法、懸濁重合法、または分散重合法などの重合法によって作製することができる。
【0030】
ここで、疎水性樹脂とは、25℃におけるイオン交換水に対する溶解度が0.1質量%未満である疎水性単量体を主成分とした単量体組成物が重合された樹脂をいう。
またここで、「主成分」とは、単量体組成物の全成分中の51質量%以上を占める成分をいう。
疎水性単量体のイオン交換水に対する溶解度は、具体的には、25℃にて、イオン交換水100mlに疎水性単量体を加え、撹拌し、24時間放置後に濾過を行い、次いで、この溶液中に含有される疎水性単量体の質量をイオン交換水を溜去して求めることにより、測定されるものである。
【0031】
このような疎水性樹脂を形成すべき疎水性単量体の具体例としては、例えばスチレン、ビニルトルエン、2−メチルスチレン、t−ブチルスチレンおよびクロルスチレンなどのスチレン系単量体;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−アミル、アクリル酸イソアミル、アクリル酸n−ヘキシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸デシルおよびアクリル酸ドデシルなどのアクリル酸エステル類;メタクリル酸メチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸n−アミル、メタクリル酸n−ヘキシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸デシルおよびメタクリル酸ドデシルなどのメタクリル酸エステル類などが挙げられる。上記の疎水性単量体は、1種単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記の疎水性単量体を2種以上組み合わせて用いる場合は、その合計が疎水性樹脂を形成すべき単量体組成物の全成分中の51質量%以上を占めればよい。
【0032】
この工程において、例えばコア粒子(A)を懸濁重合法によって作製する場合に使用される重合開始剤としては、適宜の油溶性ラジカル重合開始剤を挙げることができ、この油溶性ラジカル重合開始剤としては、2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスイソブチロニトリルなどのアゾ系またはジアゾ系重合開始剤;ベンゾイルペルオキサイド、メチルエチルケトンペルオキサイド、ジイソプロピルペルオキシカーボネート、クメンヒドロペルオキサイド、t−ブチルヒドロペルオキサイド、ジ−t−ブチルペルオキサイド、ジクミルペルオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルペルオキサイド、ラウロイルペルオキサイド、2,2−ビス−(4,4−t−ブチルペルオキシシクロヘキシル)プロパン、トリス−(t−ブチルペルオキシ)トリアジンなどの過酸化物系重合開始剤や過酸化物を側鎖に有する高分子開始剤などを挙げることができる。
また、例えばコア粒子(A)を乳化重合法によって作製する場合に使用される重合開始剤としては、適宜の水溶性ラジカル重合開始剤を挙げることができ、このような水溶性ラジカル重合開始剤としては、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムなどの過硫酸塩、アゾビスアミノジプロパン酢酸塩、アゾビスシアノ吉草酸およびその塩、過酸化水素などを挙げることができる。
【0033】
この工程において、例えばコア粒子(A)の作製に界面活性剤が使用される場合は、当該界面活性剤としては、従来公知の、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、および両性界面活性剤などのイオン性界面活性剤、ノニオン界面活性剤などの種々の界面活性剤を用いることができる。
【0034】
アニオン系界面活性剤としては、例えば、オレイン酸ナトリウムなどの高級脂肪酸塩類;ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムなどのアルキルアリールスルホン酸塩類;ラウリル硫酸ナトリウムなどのアルキル硫酸エステル塩類;ポリエトキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウムなどのポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩類;ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル硫酸ナトリウムなどのポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル硫酸エステル塩類;モノオクチルスルホコハク酸ナトリウム、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルスルホコハク酸ナトリウムなどのアルキルスルホコハク酸エステル塩、およびその誘導体類などを挙げることができる。以上の界面活性剤は1種単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0035】
このコア粒子(A)としては、組成の異なる疎水性樹脂よりなる2層以上の構成とすることもでき、この場合、常法に従った乳化重合処理(第1段重合)により調製した第1樹脂粒子の分散液に、重合開始剤と疎水性単量体とを添加し、この系を重合処理(第2段重合)する方法を採用することができる。
【0036】
疎水性樹脂は、得られる着色粒子の用途によっても異なるが、例えばGPC測定によるピーク分子量が5,000〜1,000,000、ガラス転移点温度(Tg)が70℃以上であることが好ましい。
【0037】
この工程において作製されるコア粒子(A)の粒子径R1は、体積基準のメジアン径で1.5〜90μmであることが好ましく、さらに好ましくは2.4〜29μmとされる。この粒子径R1は、疎水性単量体の量、あるいは重合開始剤の種類を調整することによって制御することができる。
コア粒子(A)の体積基準のメジアン径は、測定試料をコア粒子(A)として上記着色粒子の方法と同様の方法によって測定されるものである。
【0038】
コア粒子(A)の体積基準のメジアン径が上記の範囲にあることにより、粒度分布がシャープであり、かつ、十分な粒子強度および着色力を有する着色粒子を得ることができる。
【0039】
また、この工程において作製されるコア粒子(A)は、粒径分布を示す変動係数(CV値)が15%以下であることが好ましく、より好ましくは10%以下である。CV値が上記の範囲にあることにより、得られる着色粒子を、極めてシャープな粒度分布を有するものとすることができる。
【0040】
〔2〕活性剤構造樹脂粒子(B)作製工程
本発明の着色粒子の製造に使用される活性剤構造樹脂粒子(B)は、着色剤微粒子(C)をコア粒子(A)の表面に合着させるためのものであって、疎水性部および親水性部を有しており、活性剤構造を有する樹脂である。具体的には、親水性基が疎水性構造体に結合した活性剤構造樹脂よりなる活性剤構造を有するものである。
このような活性剤構造の活性剤構造樹脂粒子(B)は、乳化重合法、懸濁重合法、または分散重合法などの重合法によって作製することができる。
【0041】
活性剤構造樹脂粒子(B)を構成する活性剤構造樹脂における親水性基としては、−SO3-+ ,−COO- + ,−PO4-+ ,−SO3-+ ,−N+ (CH3 2 ・CH2 COO- ,−COOH(ただし、M+ は金属原子イオンまたはNH4+である。),下記一般式(1)で表される基、または下記一般式(2)で表される基を挙げることができる。
Mの具体例としては、例えばNa,NH(CH2 CH2 OH)3 ,N(CH2 CH2 OH)2 などを挙げることができる。
一般式(1): −N+ (CH3 3 -
一般式(2): −O(CH2 CH2 O)m
〔上記一般式(1)中、Xはハロゲン原子である。また、一般式(2)中、mは1以上の整数である。〕
【0042】
このような親水性基は、例えば以下の方法によって活性剤構造樹脂粒子(B)に導入される。
(a)活性剤構造樹脂粒子(B)を構成する活性剤構造樹脂を形成すべき単量体として、ビニル構造などの重合性ユニットを含有する重合性疎水性基、および親水性基を共に有する重合性の両性単量体を使用する。
(b)疎水性単量体により重合した疎水性の樹脂よりなる母材樹脂粒子を、プラズマ処理し、当該母材樹脂粒子の表面の親水化処理を行う。
【0043】
(a)の方法において用いられる重合性の両性単量体は、ビニル単量体であることが好ましい。
両性単量体としては、例えば、4−ビニルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ポリオキシエチレン−1−(アリルオキシメチル)アルキルエーテル硫酸エステルアンモニウム塩、ポリオキシエチレンアルキルプロペニルフェニルエーテル硫酸エステルアンモニウム塩などが挙げられる。これらは1種単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0044】
(a)の方法において、両性単量体は、他の重合性単量体と共に用いて共重合体を形成することが好ましく、他の重合性単量体としては、上記に疎水性樹脂を形成すべき疎水性単量体として挙げた単量体を挙げることができる。
両性単量体の使用量は、活性剤構造樹脂粒子(B)を構成すべき成分100質量部中、0.5〜10質量部とされる。
【0045】
この工程において、例えば活性剤構造樹脂粒子(B)を懸濁重合法によって作製する場合に使用される重合開始剤としては、上述のコア粒子(A)を懸濁重合法によって作製する場合に使用される重合開始剤として挙げたものを挙げることができる。
また、例えば活性剤構造樹脂粒子(B)を乳化重合法によって作製する場合に使用される重合開始剤としては、上述のコア粒子(A)を乳化重合法によって作製する場合に使用される重合開始剤として挙げたものを挙げることができる。
また、この工程において、例えば活性剤構造樹脂粒子(B)の作製に界面活性剤が使用される場合は、当該界面活性剤としては、上述のコア粒子(A)の作製に使用される界面活性剤として挙げたものを挙げることができる。
【0046】
また、活性剤構造樹脂は、得られる着色粒子の用途によっても異なるが、例えばGPC測定によるピーク分子量が5,000〜70,000、ガラス転移点温度(Tg)が40〜90℃であることが好ましい。
【0047】
また、活性剤構造樹脂および疎水性樹脂のガラス転移点温度(Tg)は、示差走査カロリメーター「DSC−7」(パーキンエルマー製)、および熱分析装置コントローラー「TAC7/DX」(パーキンエルマー製)を用いて測定されるものである。具体的には、測定試料(活性剤構造樹脂または疎水性樹脂)4.50mgをアルミニウム製パン「KITNO.0219−0041」に封入し、これを「DSC−7」のサンプルホルダーにセットし、リファレンスの測定には空のアルミニウム製パンを使用し、測定温度0〜200℃で、昇温速度10℃/分、降温速度10℃/分の測定条件で、Heat−cool−Heatの温度制御を行い、その2nd.Heatにおけるデータを取得し、第1の吸熱ピークの立ち上がり前のベースラインの延長線と、第1の吸熱ピークの立ち上がり部分からピーク頂点までの間で最大傾斜を示す接線との交点をガラス転移点温度(Tg)として示す。なお、1st.Heat昇温時は200℃にて5分間保持する。
また、活性剤構造樹脂および疎水性樹脂のGPCによる分子量測定は、以下のように行われるものである。すなわち、装置「HLC−8220」(東ソー社製)およびカラム「TSKguardcolumn+TSKgelSuperHZM−M3連」(東ソー社製)を用い、カラム温度を40℃に保持しながら、キャリア溶媒としてテトラヒドロフラン(THF)を流速0.2ml/minで流し、測定試料(活性剤構造樹脂または疎水性樹脂)を室温において超音波分散機を用いて5分間処理を行う溶解条件で濃度1mg/mlになるようにテトラヒドロフランに溶解させ、次いで、ポアサイズ0.2μmのメンブランフィルターで処理して試料溶液を得、この試料溶液10μLを上記のキャリア溶媒と共に装置内に注入し、屈折率検出器(RI検出器)を用いて検出し、測定試料の有する分子量分布を単分散のポリスチレン標準粒子を用いて測定した検量線を用いて分子量を算出する。検量線作成用の標準ポリスチレン試料としては、Pressure Chemical社製の分子量が6×102 、2.1×103 、4×103 、1.75×104 、5.1×104 、1.1×105 、3.9×105 、8.6×105 、2×106 、4.48×106 のものを用い、少なくとも10点程度の標準ポリスチレン試料を測定し、検量線を作成する。また、検出器には屈折率検出器を用いる。
【0048】
この工程において作製される活性剤構造樹脂粒子(B)の粒子径R2は、コア粒子(A)の粒子径R1と、0.005<R2/R1<0.250の関係式を満たすことが好ましく、さらに好ましくは0.010<R2/R1<0.200とされる。
活性剤構造樹脂粒子(B)の粒子径R2は、重合時間を調整することによって制御することができる。
コア粒子(A)の粒子径R1に対する活性剤構造樹脂粒子(B)の粒子径R2の割合が上記の範囲にあることにより、粒度分布がシャープであり、かつ、十分な粒子強度および着色力を有する着色粒子を得ることができる。
【0049】
この活性剤構造樹脂粒子(B)の粒子径R2は体積基準のメジアン径で示され、この粒子の体積基準のメジアン径は、測定試料を活性剤構造樹脂粒子(B)として以下の方法によって測定されるものである。
【0050】
また、この工程において作製される活性剤構造樹脂粒子(B)は、粒径分布を示す変動係数(体積基準のCV値)が15%以下であることが好ましく、より好ましくは10%以下である。体積基準のCV値が上記の範囲にあることにより、着色剤が高い分散性で含有されたシェル層を形成することができる。
活性剤構造樹脂粒子(B)の体積基準のメジアン径、および体積基準のCV値は動的光散乱法ナノトラック粒度分布測定装置「MICROTRAC UPA 150」(HONEWELL社製)により下記の測定条件で測定したものである。
【0051】
〔測定条件〕
サンプル屈折率:1.59
サンプル比重:1.05(粒状粒子換算)
溶媒屈折率:1.33
溶媒粘度:0.797(30℃)、1.002(20℃)
ゼロ点調製:測定セル内にイオン交換水を入れて行った。
【0052】
〔3〕着色剤微粒子(C)分散液調製工程
本発明の着色粒子を構成する着色剤としては、従来公知の有機または無機の各種、各色の顔料、染料を使用することができる。
【0053】
黒色の着色剤の具体例としては、例えば、ファーネスブラック、チャンネルブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、ランプブラックなどのカーボンブラックや、マグネタイト、フェライトなどの磁性粉が挙げられる。
また、白色の着色剤の具体例としては、例えば酸化チタン、酸化アルミニウム、シリカなどが挙げられる。
【0054】
このような着色剤は、水系媒体中に分散機によって乳化分散された着色剤微粒子(C)分散液として反応系に添加される。
着色粒子の製造方法において、凝集工程において凝集させる着色剤微粒子(C)の粒子径は、水系媒体に分散した状態で体積基準のメジアン径が20〜200nmであることが好ましく、さらに好ましくは40〜150nmである。着色剤微粒子(C)の体積基準のメジアン径は、測定試料を着色剤微粒子(C)として上記の活性剤構造樹脂粒子(B)の測定方法と同様の方法によって測定されたものである。
着色剤微粒子(C)の粒子径が、体積基準のメジアン径で上記の範囲にあることにより、コア粒子(A)への合着が迅速にかつ強固に行われる。さらに、遊離する着色剤微粒子(C)が発生しないために着色粒子の収率が高く、製造工程中において排水処理が容易であって工業上有利である。
【0055】
着色剤微粒子(C)の粒子径を上記の範囲に制御する方法としては、例えば着色剤微粒子(C)の分散液を調製する際に撹拌するときの穿断撹拌ストレスの大きさなどを調整することや、水系媒体中に適宜の種類および量の界面活性剤を添加することなどにより、制御することができる。
【0056】
着色剤微粒子(C)の乳化分散を行うための分散機としては、例えば機械式分散機「クレアミックス」(エムテクニック社製)を挙げることができる。
【0057】
〔4〕凝集工程
この凝集工程においては、反応系に、コア粒子(A)(またはその分散液)と、活性剤構造樹脂粒子(B)(またはその分散液)と、着色剤微粒子(C)分散液と、必要に応じて他の着色粒子の構成成分の分散液とを添加、混合し、pH調整による微粒子表面の反発力と電解質体よりなる凝集剤の添加による凝集力とのバランスを取りながら緩慢に凝集させ、粒径および粒度分布を制御しながら、コア粒子(A)の表面に活性剤構造樹脂粒子(B)および着色剤微粒子(C)を付着させて凝集体を得る。
【0058】
この工程において使用される凝集剤としては、例えばアルカリ金属塩およびアルカリ土類金属塩を挙げることができる。凝集剤を構成するアルカリ金属としては、リチウム、カリウム、ナトリウムなどが挙げられ、凝集剤を構成するアルカリ土類金属としては、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウムなどが挙げられる。これらのうち、カリウム、ナトリウム、マグネシウム、カルシウム、バリウムが好ましい。前記アルカリ金属またはアルカリ土類金属の対イオン(塩を構成する陰イオン)としては、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、炭酸イオン、硫酸イオンなどが挙げられる。
【0059】
この工程において、反応系に例えば塩化ナトリウムなどを添加することができる。
塩化ナトリウムなどの塩の存在によって、塩析の原理によりコア粒子(A)の表面に活性剤構造樹脂粒子(B)および着色剤微粒子(C)を付着させ、熱溶融により合着させることができ、これにより着色剤が導入された着色シェル層を形成することができる。
【0060】
コア粒子(A)、活性剤構造樹脂粒子(B)および着色剤微粒子(C)の反応系への添加比率は、それぞれの固形分換算の添加量(質量)をmA、mB、mCとすると、mA:(mB+mC)が60:40〜95:5であることが好ましく、mA:mBが50:50〜90:10であることが好ましい。また、mB:mCが100:2〜100:20であることが好ましく、より好ましくは、100:4〜100:12である。
この凝集工程におけるそれぞれの構成成分の反応系への添加比率が上記の範囲にあることにより、得られる着色粒子において十分な粒子強度および十分な着色力が共に得られる。
【0061】
凝集工程〔4〕は、例えば、以下のように進行される。
すなわち、まず、水系媒体中に、コア粒子(A)(またはその分散液)、活性剤構造樹脂粒子(B)(またはその分散液)および着色剤微粒子(C)分散液を投入し、混合することにより、活性剤構造樹脂粒子(B)のホモ凝集および活性剤構造樹脂粒子(B)と着色剤微粒子(C)とのヘテロ凝集を同時に生じさせると共に、活性剤構造樹脂粒子(B)を構成する活性剤構造樹脂の疎水性構造体の疎水性と、コア粒子(A)を構成する疎水性樹脂の疎水性とによる疎水性相互作用によって、コア粒子(A)の表面に活性剤構造樹脂粒子(B)および着色剤微粒子(C)を付着させることにより、凝集体が得られる。
【0062】
凝集工程〔4〕は、以下のようにも進行させることができる。
すなわち、まず、水系媒体中に、活性剤構造樹脂粒子(B)(またはその分散液)および着色剤微粒子(C)分散液を投入し、混合することにより、前記活性剤構造樹脂粒子(B)のホモ凝集および当該活性剤構造樹脂粒子(B)と前記着色剤微粒子(C)とのヘテロ凝集を同時に生じさせ、シェル層形成用凝集体を形成する。次いで、水系媒体中にコア粒子(A)(またはその分散液)を投入し、活性剤構造樹脂粒子(B)を構成する活性剤構造樹脂の疎水性構造体の疎水性と、コア粒子(A)を構成する疎水性樹脂の疎水性とによる疎水性相互作用によって、当該コア粒子(A)の表面に前記シェル層形成用凝集体を付着させることによっても、凝集体を得ることができる。
【0063】
〔5〕着色シェル層形成工程
この工程においては、凝集工程〔4〕において得られた凝集体を熱処理して活性剤構造樹脂粒子(B)を熱溶融させることにより、各微粒子間の融着および形状制御が行われて、活性剤構造樹脂中に着色剤が含有された着色シェル層が形成された着色粒子を得る。
この熱処理温度は、活性剤構造樹脂粒子(B)を構成する活性剤構造樹脂のガラス転移点温度よりも高く、かつ、コア粒子(A)を構成する疎水性樹脂のガラス転移点温度よりも低い温度とされる必要があり、各樹脂のガラス転移点温度の組み合わせによっても異なるが、例えば60〜99℃とすることができる。
【0064】
以上のような着色粒子は、十分な粒子強度および十分な着色力を有し、かつ、粒度分布がシャープなものである。さらには、モノマー成分などの揮発成分が少ないものである。
【0065】
そして、以上説明したような着色粒子の製造方法によれば、コア粒子(A)が疎水性樹脂よりなり、かつ、活性剤構造樹脂粒子(B)が活性剤構造を有する樹脂よりなるために、塩化ナトリウムなどの塩の存在によって、塩析の原理によりコア粒子(A)の表面に活性剤構造樹脂粒子(B)および着色剤微粒子(C)を付着させ、熱溶融により合着させることができる。これにより着色剤を取り込んだ着色シェル層が形成でき、従って、十分な粒子強度および十分な着色力を有し、かつ、粒度分布がシャープな着色粒子を得ることができる。さらには、モノマー成分などの揮発成分が少ない着色粒子を得ることができる。
【実施例】
【0066】
以下、本発明の具体的な実施例について説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0067】
〔コア粒子の合成例1〕
(1)1段階目の重合
温度計と窒素導入管とを装着した、容量1Lの四つ口フラスコに、スチレン(St)100質量部と、水300質量部とを投入して撹拌混合し、さらに窒素気流下で撹拌を行いながら80℃に昇温した。次いで、この混合液中に過硫酸カリウム0.5質量部を加え、80℃に保持しながら6時間反応させ、重合体粒子〔A〕の分散液〔A〕を得た。この分散液〔A〕中の重合体粒子〔A〕を電子顕微鏡写真により観察したところ、この重合体粒子〔A〕は、ほぼ一定の粒子径を有する真球状であって、体積基準のメジアン径が0.41μm、変動係数(CV値)が1.8%であった。また、この分散液〔A〕中の固形分量は24.2質量%であった。
(2)2段階目の重合
温度計と窒素導入管とを装着した、容量1Lの四つ口フラスコに、スチレン120.2質量部と、過酸化ベンゾイル1.0質量部とを投入して溶解させ、さらにこの溶液に、水300質量部、「ニューコール707SN」(日本乳化剤(株)製)3.3質量部および亜硝酸ナトリウム0.1質量部を加え、強撹拌下に10分間混合した。
次いで、この混合液に、1段階目の重合で得た分散液〔A〕中の重合体粒子〔A〕34.6質量部を添加し、50℃で30分間穏やかに撹拌した後、75℃で2時間反応させて、重合体粒子〔B〕の分散液〔B〕を得た。この分散液〔B〕中の重合体粒子〔B〕を電子顕微鏡写真により観察したところ、この重合体粒子〔B〕は、ほぼ一定の粒子径を有する真球状であって、体積基準のメジアン径が1.83μm、変動係数(CV値)が4.8%であった。また、この分散液〔B〕中の固形分量は33.2質量%であった。
(3)3段階目の重合
次に、同様の装置において、スチレン124.2質量部と、過酸化ベンゾイル1.0質量部とを混合して溶解させ、さらにこの溶液に、水200質量部、「ニューコール707SN」(日本乳化剤(株)製)3.3質量部および亜硝酸ナトリウム0.1質量部を加え、強撹拌下に10分間混合した。
次いで、この混合液に、2段階目の重合で得た分散液〔B〕中の重合体粒子〔B〕15.6質量部を添加し、50℃で30分間穏やかに撹拌したあと、75℃で2時間反応させて、ポリスチレンよりなるコア粒子〔C〕の分散液〔C〕を得た。この分散液〔C〕中の固形分量は32.1質量%であった。
得られたコア粒子〔C〕を電子顕微鏡写真により観察したところ、このコア粒子〔C〕は、ほぼ一定の粒子径を有する真球状であって、体積基準のメジアン径が4.31μm、変動係数(CV値)が5.9%であった。また、GPC測定によるピーク分子量が30,000、ガラス転移点温度(Tg)が98℃であった。
【0068】
〔活性剤構造樹脂粒子の合成例1:活性剤構造樹脂の重合〕
温度計と窒素導入管とを装着した、容量1Lの四つ口フラスコに、スチレン(St)99質量部と、4−ビニルベンゼンスルホン酸ナトリウム(NaSS)1質量部、水400質量部とを投入して撹拌混合し、さらに窒素気流下で撹拌を行いながら80℃に昇温した。次いで、この混合液中に過硫酸カリウム0.5質量部を加え、80℃に保持しながら6時間反応させ、重合体粒子〔D〕による活性剤構造樹脂粒子分散液〔D〕を得た。この活性剤構造樹脂粒子分散液〔D〕中の重合体粒子〔D〕を電子顕微鏡写真により観察したところ、この重合体粒子〔D〕は、ほぼ一定の粒子径を有する真球状であって、体積基準のメジアン径が0.12μm、変動係数(CV値)が8.2%であった。また、この活性剤構造樹脂粒子分散液〔D〕中の固形分量は20.1質量%であった。また、GPC測定によるピーク分子量が5,000、ガラス転移点温度(Tg)が90℃であった。
【0069】
〔着色剤微粒子分散液の調製例1〕
n−ドデシル硫酸ナトリウム9.2質量部をイオン交換水160質量部に撹拌溶解させた溶解液に、撹拌下、カーボンブラック「リーガル330R」(キャボット社製)20質量部を徐々に加え、次いで、機械式分散機「クレアミックス」(エムテクニック社製)を用いて分散して着色剤微粒子分散液〔1〕を得た。この着色剤微粒子分散液〔1〕中の着色剤の粒径を電気泳動光散乱光度計「ELS−800」(大塚電子社製)を用いて測定した結果、体積基準のメジアン径で112nmであった。
【0070】
<実施例1>
上記のコア粒子〔C〕の分散液〔C〕155質量部、活性剤構造樹脂粒子分散液〔D〕49.5質量部、イオン交換水2000質量部および着色剤微粒子分散液〔1〕11.3質量部を、温度センサー、冷却管、窒素導入装置、撹拌装置を付けた5Lの四つ口フラスコに投入して撹拌し、30℃に調整した後、この溶液に塩化ナトリウム49質量部を加え、pHを8.0に調整し、3時間撹拌してコア粒子、活性剤構造樹脂粒子、着色剤微粒子を凝集させた。その後、液温度90℃±2℃にて3時間加熱撹拌し、活性剤構造樹脂粒子および着色剤微粒子をコア粒子に融着させ、着色粒子〔1〕を得た。
この着色粒子〔1〕は、GPC測定によるピーク分子量が30,000、ガラス転移点温度(Tg)が98℃であった。
【0071】
<実施例2>
実施例1において、着色剤微粒子分散液〔1〕の代わりに下記の着色剤微粒子分散液〔2〕を用いたこと以外は同様にして着色粒子〔2〕を得た。
この着色粒子〔2〕は、GPC測定によるピーク分子量が30,000、ガラス転移点温度(Tg)が98℃であった。
【0072】
〔着色剤微粒子分散液の調製例2〕
n−ドデシル硫酸ナトリウム9.2質量部をイオン交換水160質量部に撹拌溶解させた溶解液に、撹拌下、酸化チタン「MT−500B」(テイカ社製)20質量部を徐々に加え、次いで、機械式分散機「クレアミックス」(エムテクニック社製)を用いて分散して着色剤微粒子分散液〔2〕を得た。この着色剤微粒子分散液〔2〕中の着色剤の粒径を電気泳動光散乱光度計「ELS−800」(大塚電子社製)を用いて測定した結果、体積基準のメジアン径で85nmであった。
【0073】
<実施例3>
実施例1において、コア粒子〔C〕の分散液〔C〕155質量部の代わりに下記のコア粒子〔E〕49.8質量部を投入し、イオン交換水を2100質量部使用したこと以外は同様にして着色粒子〔3〕を得た。
この着色粒子〔3〕は、GPC測定によるピーク分子量が32,000、ガラス転移点温度(Tg)が106℃であった。
【0074】
〔コア粒子の合成例2:懸濁重合〕
温度センサー、冷却管、窒素導入装置、撹拌装置を付けた5Lの四つ口フラスコに、難水溶性無機塩としてピロリン酸マグネシウム30質量部およびアニオン系界面活性剤としてラウリル硫酸ナトリウム1.5質量部を水3000質量部に溶解させた水系媒体を入れた。一方、スチレン990質量部にジビニルベンゼン10質量部とアゾビスイソブチロニトリル5質量部とを加えて単量体溶液を調製し、この単量体溶液を前記水系媒体中に投入し、この水系媒体を、温度を70℃に保ちながら、撹拌翼先端の周速度5.0m/sとして撹拌して、重合率が20%になったところでアニオン界面活性剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム1.5質量部を加え、さらに6時間懸濁重合を行った。反応混合物を冷却し、濾過し、残渣を洗浄し、乾燥してコア粒子〔E〕を得た。
得られたコア粒子〔E〕を電子顕微鏡写真により観察したところ、このコア粒子〔E〕は、ほぼ一定の粒子径を有する真球状であって、体積基準のメジアン径が5.44μm、変動係数(CV値)が12.1%であった。また、GPC測定によるピーク分子量が32,000、ガラス転移点温度(Tg)が106℃であった。
【0075】
<実施例4>
下記の活性剤構造樹脂粒子分散液〔F〕49.5質量部、イオン交換水2000gおよび着色剤微粒子分散液〔1〕11.3gを、温度センサー、冷却管、窒素導入装置、撹拌装置を付けた5Lの四つ口フラスコに入れ、撹拌しながら2mol/L水酸化ナトリウム水溶液を添加して、溶液のpHを10.0に調整した。次いで、この溶液に50質量%塩化マグネシウム水溶液10質量部を添加した後、撹拌しながら65℃に昇温し、65℃を保持したまま粒子成長反応を継続した。この状態で、動的光散乱法ナノトラック粒度分布測定装置「MICROTRAC UPA 150」(HONEWELL社製)にて粒子の粒径を測定し、粒径が0.3μmになった時点で、30℃に調整し、コア粒子〔C〕の分散液〔C〕155g、塩化ナトリウム49質量部を加えてpHを8.0に調整し、3時間撹拌した。その後、液温度90℃±2℃にて、3時間加熱撹拌し、活性剤構造樹脂粒子および着色剤微粒子を融着させ、着色粒子〔4〕を得た。
この着色粒子〔4〕は、GPC測定によるピーク分子量が30,000、ガラス転移点温度(Tg)が98℃であった。
【0076】
〔活性剤構造樹脂粒子の合成例2:活性剤構造樹脂の重合〕
温度計と窒素導入管とを装着した、容量1Lの四つ口フラスコに、スチレン(St)90質量部と、4−ビニルベンゼンスルホン酸ナトリウム(NaSS)1質量部、メタクリル酸(MAA)9質量部、水400質量部とを投入して撹拌混合し、さらに窒素気流下で撹拌を行いながら80℃に昇温した。次いで、この混合液中に過硫酸カリウム0.5質量部を加え、80℃に保持しながら6時間反応させ、重合体粒子〔F〕による活性剤構造樹脂粒子分散液〔F〕を得た。この活性剤構造樹脂粒子分散液〔F〕中の重合体粒子〔F〕を電子顕微鏡写真により観察したところ、この重合体粒子〔F〕は、ほぼ一定の粒子径を有する真球状であって、体積基準のメジアン径が0.13μm、変動係数(CV値)が9.1%であった。また、この活性剤構造樹脂粒子分散液〔F〕中の固形分量は21.0質量%であった。また、GPC測定によるピーク分子量が6,000、ガラス転移点温度(Tg)が88℃であった。
【0077】
<実施例5>
実施例1において、コア粒子の分散液〔C〕155質量部の代わりに下記のコア粒子〔G〕49.8質量部を投入し、イオン交換水を2100質量部用いたこと以外は同様にして着色粒子〔5〕を得た。
この着色粒子〔5〕は、GPC測定によるピーク分子量が30,000、ガラス転移点(Tg)が98℃であった。
【0078】
〔コア粒子の合成例3:分散重合〕
温度計と窒素導入管とを装着した、容量1Lの四つ口フラスコに、ポリスチレン6.3質量部と、メタノール242質量部とを投入して撹拌混合し、さらに窒素気流下で撹拌を行いながら60℃に昇温した。次いで、この混合液中にアゾビスイソブチロニトリル0.4質量部を加え、60℃に保ちながら24時間反応させた。遠心分離により樹脂粒子を分離し、メタノール置換による洗浄を2回行い、その後、乾燥させてコア粒子〔G〕を得た。
このコア粒子〔G〕を電子顕微鏡写真により観察したところ、ほぼ一定の粒子径を有する真球状であって、体積基準のメジアン径が4.81μm、変動係数(CV値)が4.3%であった。また、GPC測定によるピーク分子量が30,000、ガラス転移点温度(Tg)が98℃であった。
【0079】
<比較例1>
メタクリル酸メチル(MMA)80.0質量部に、油溶性染料であるC.I.ソルベントブルー35(MMAへの溶解度:4.2質量部)2.0質量部、ジメチル−2,2'−アゾビス(2−メチルプロピオネート)「V−601」(和光純薬工業(株)製)1.0質量部を投入して溶解させ、さらに水200質量部、乳化剤「ニューコール707SN」(日本乳化剤(株)製)10.0質量部、および、重合禁止剤である亜硝酸ナトリウム0.05質量部を添加し、強撹拌下に10分間混合した。
次いで、この混合物に、コア粒子〔C〕を62.3質量部添加し、50℃で30分間穏やかに撹拌したあと、80℃で2時間反応させ、次いで90℃で2時間反応させ、比較用の着色粒子〔6〕を得た。残存モノマー量は0.73質量%であった。
この着色粒子〔6〕は、GPC測定によるピーク分子量が20,000、ガラス転移点温度(Tg)が95℃であった。
【0080】
<比較例2>
コア粒子〔C〕100質量部とカーボンブラック「リーガル330R」(キャボット社製)微粉末23質量部とを、ハイブリダイゼーションシステムのOMダイザー((株)奈良機械製作所製)で3分間混合処理して、コア粒子〔C〕の表面にカーボンブラック微粉末をまぶしたオーダードミックスチャーを形成させた。このオーダードミックスチャーを、前記ハイブリダイゼーションシステムのハイブリダイザーで3分間混合処理して、カーボンブラック微粒子をコア粒子〔C〕の表面に固定化した着色粒子〔H〕を得た。
次いで、この着色粒子〔H〕100質量部および体積基準のメジアン径0.16μmのポリスチレン微粉末17質量部を、前記ハイブリダイゼーションシステムのOMダイザーで3分間混合処理して、オーダードミックスチャーを形成させた。このオーダードミックスチャーを、前記ハイブリダイゼーションシステムのハイブリダイザーで5分間混合処理して、ポリスチレン微粉末を着色粒子〔H〕表面に合着、複合化して比較用の着色粒子〔7〕を得た。
この着色粒子〔7〕は、GPC測定によるピーク分子量が20,000、ガラス転移点温度(Tg)が95℃であった。
【0081】
<比較例3>
実施例1において、活性剤構造樹脂粒子分散液〔D〕49.5質量部の代わりに下記の活性剤構造樹脂粒子分散液〔I〕44.6質量部を使用したこと以外は同様の操作を行ったが、レーザー顕微鏡および走査型電子顕微鏡によって観察したところ、着色粒子は得られていなかった。
【0082】
〔活性剤構造樹脂粒子の合成例4:乳化重合〕
撹拌装置(3枚後退翼)、加熱冷却装置、濃縮装置、および各単量体の仕込み装置を備えた反応器に脱塩水393質量部仕込み、窒素気流下で90℃に昇温して、8%の過酸化水素水溶液1.6質量部を添加した。その後、スチレン79質量部をジビニルベンゼン0.4質量部に溶解させた単量体溶液と、15%ドデシルベンゼンスルホン酸水溶液1質量部および脱塩水25質量部を混合させた乳化剤水溶液との混合物を、重合開始から5時間かけて添加すると共に、8%過酸化水素水溶液9質量部および8%アスコルビン酸水溶液9質量部よりなる開始剤水溶液を重合開始から6時間かけて添加し、さらに30分間保持した後、冷却し、重合体粒子〔I〕による乳白色の重合体分散液〔I〕を得た。この重合体粒子〔I〕の体積基準のメジアン径は120nm、変動係数(CV値)は9.9%であった。また、GPC測定によるピーク分子量が16,000、ガラス転移点温度(Tg)が98℃であった。
【0083】
<比較例4>
実施例1において、コア粒子〔C〕の分散液〔C〕155質量部の代わりに下記のコア粒子〔J〕の分散液〔J〕164.8質量部を使用したこと以外は同様にして、比較用の着色粒子〔8〕を得た。
この着色粒子〔8〕は、GPC測定によるピーク分子量が30,000、ガラス転移点温度(Tg)が98℃であった。
【0084】
〔コア粒子の合成例3〕
コア粒子の合成例1と同様にして重合体粒子〔B〕の分散液〔B〕を得、3段目の重合において、スチレン124.2質量部の代わりに、スチレン59.2質量部およびメタクリル酸(MAA)60質量部を用いたこと以外は同様にして、コア粒子〔J〕の分散液〔J〕を得た。この分散液〔J〕中の固形分量は30.2質量%であった。
得られたコア粒子〔J〕を電子顕微鏡写真により観察したところ、このコア粒子〔J〕は、体積基準のメジアン径が4.55μm、変動係数(CV値)が7.4%である、真球状の単分散粒子であった。また、GPC測定によるピーク分子量が30,000、ガラス転移点温度(Tg)が98℃であった。
【0085】
<評価>
実施例1〜5、および比較例1〜2,4の各々に係る着色粒子〔1〕〜〔5〕,比較用の着色粒子〔6〕〜〔8〕を用いて着色力および粒子強度の評価を行うためにそれぞれ粒子濃度および圧縮強度の測定を行った。結果を表1に示す。
【0086】
(1)着色力
着色粒子を正方配列で換算して10μm厚みになるように0.7mm厚みのガラス基板上に塗布した後、そのガラス基板を、反射率90%の基準白色板の上に、前記着色粒子が塗布された面が被さるように置き、そのガラス基板の上部(着色粒子が塗布されていない側)から反射濃度(ID)を反射濃度計「TD918」(マクベス社製)により測定した。
【0087】
(2)粒子強度
微小圧縮試験機(島津製作所社製)を用い、温度21℃、相対湿度50%RHの測定環境下において、50μmの平面圧子によって最大試験荷重198.8mN、負荷速度2.65mN/secの測定条件で個数平均粒径が±20%の範囲内にある任意の着色粒子10個の微小圧縮強度を各々測定し、この測定値のうちの最も大きい2個の測定値および最も小さい2個の測定値を除いた合計6個の測定値の算術平均値を圧縮強度(MPa)として算出した。
【0088】
【表1】

【0089】
以上のように、実施例1〜5に係る着色粒子〔1〕〜〔5〕によれば、高い着色力および優れた強度が共に得られることが確認された。
【図面の簡単な説明】
【0090】
【図1】本発明の着色粒子の製造過程を模式的に示す説明図であって、(a)はコア粒子、活性剤構造樹脂粒子および着色剤微粒子が凝集された状態を示す図、(b)は融着後の得られた着色粒子の断面図である。
【符号の説明】
【0091】
12 コア粒子
14 着色剤微粒子
16 活性剤構造樹脂粒子
20 着色粒子
25 着色シェル層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コア粒子と、当該コア粒子の表面に形成された着色シェル層を有するコア−シェル構造の着色粒子の複数によって構成される着色粒子集合体であって、
前記着色粒子において、前記コア粒子は疎水性樹脂よりなり、前記着色シェル層は、疎水性部および親水性部を有する活性剤構造樹脂と、着色剤微粒子とを含有し、
当該着色粒子集合体の体積基準のメジアン径が2〜100μmであり、その体積基準のCV値が1.0〜15.0%であることを特徴とする着色粒子集合体。
【請求項2】
請求項1に記載の着色粒子集合体を製造する方法であって、
コア粒子(A)と、活性剤構造樹脂粒子(B)と、着色剤微粒子(C)とを、水系媒体中で凝集させて、前記コア粒子の表面に着色シェル層を形成する工程を含むことを特徴とする着色粒子集合体の製造方法。
【請求項3】
前記コア粒子(A)の粒子径R1と、前記活性剤構造樹脂粒子(B)の粒子径R2とが、0.005<R2/R1<0.250の関係を満たすことを特徴とする請求項2に記載の着色粒子集合体の製造方法。
【請求項4】
前記活性剤構造樹脂粒子(B)は、重合性ユニットを含有する重合性疎水性基および親水性基を有する重合性の両性単量体を重合して得られる活性剤構造樹脂により形成されるものであることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の着色粒子集合体の製造方法。
【請求項5】
前記両性単量体が、ビニル単量体であることを特徴とする請求項4に記載の着色粒子集合体の製造方法。
【請求項6】
活性剤構造樹脂粒子(B)を構成する活性剤構造樹脂における親水性基が、−SO3-+ ,−COO- + ,−PO4-+ ,−SO3-+ ,−N+ (CH3 2 ・CH2 COO- ,−COOH(ただし、M+ は金属原子イオンまたはNH4+である。),下記一般式(1)で表される基、または下記一般式(2)で表される基であることを特徴とする請求項4または請求項5に記載の着色粒子集合体の製造方法。
一般式(1): −N+ (CH3 3 -
一般式(2): −O(CH2 CH2 O)m
〔上記一般式(1)中、Xはハロゲン原子である。また、一般式(2)中、mは1以上の整数である。〕

【図1】
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【公開番号】特開2009−52029(P2009−52029A)
【公開日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−189745(P2008−189745)
【出願日】平成20年7月23日(2008.7.23)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】