説明

瞬目計測装置、方法、及びプログラム

【課題】 瞬目の発生情報を事前に予測可能な仕組みを提供する。
【解決手段】 本発明による瞬目計測装置は被検眼の動きの情報を取得する取得部11と、
動きの情報に基づいて被検眼の瞬目の開始情報を得る解析部13と、
を有することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は,瞬目を計測する装置に関し、特に眼の動きから瞬目の情報を得る装置に関する。
【背景技術】
【0002】
瞬目(まばたき)は動物の眼瞼が開閉することによって、結膜や角膜の表面を湿潤し、涙液の循環を行うものである。瞬目自体は生理的な現象であるが、特許文献1に開示されるように、それを積極的に利用することで運転者の居眠りを判定するなどの応用が提案されている。
【0003】
また、眼科用の撮影装置では眼を撮影するため、撮影中に瞬目が発生するとその時取得された画像は意味を持たない。そのため、瞬目を検出して瞬目の間に得られた画像情報を除去する処理等が行われる。このような、瞬目検出の方法として特許文献2にはウェーブレット変換を利用した瞬目検出の方法が開示されている。
【0004】
一方で、人間の眼球は固視微動として知られる微小な運動を常に行っており、眼科用の撮影装置には眼球の位置を検出する光学系を別途設け、測定用のレーザ光を眼球の位置に追従させることが行われている。しかし瞬目発生時は眼球位置の検出が不可能であるから、瞬目後に再び追尾を開始することとなり、その場合は遅れが発生する。また瞬目前後では眼球の位置が変化していることが多く、瞬目発生前の眼球位置情報が使えなくなることもあった。このような場合、瞬目の発生が予測できると迅速な対応が可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平9−39603号公報
【特許文献2】特開平10−52403号公報
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】高木幹雄他監修 新編 画像解析ハンドブック 東京大学出版会
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、従来の瞬目検出の方法では、瞬目の発生を事前に予測することは困難であった。
本発明は、瞬目の開始情報を得る仕組みを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明による瞬目計測装置は、被検眼の動きの情報を取得する取得手段と、
前記動きの情報に基づいて前記被検眼の瞬目の開始情報を得る解析手段と、
を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば瞬目の開始情報を得る仕組みを提供することができる。また、瞬目を事前に予測することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明による瞬目計測装置の構成図である。
【図2】第1の実施形態に係る瞬目計測装置の各部をソフトウェアにより実現するコンピュータの基本構成を示す図である。
【図3】本発明による瞬目予測方法のフローチャートである。
【図4】SLOの構成図である。
【図5】SLO像の説明図である。
【図6】眼球位置の時間変化の例である。
【図7】眼球位置の時間変化の例である。
【図8】眼球位置の時間変化の例である。
【図9】実施例2における本発明による瞬目計測装置の構成図である。
【図10】瞬目後の眼球位置予測の説明図である。
【図11】実施例2におけるテンプレートマッチング説明図である。
【図12】その他の実施例に係る瞬目計測装置の構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に適宜図面を参照しながら本発明の実施例を具体的に説明する。
【実施例1】
【0012】
図1は本発明による瞬目計測装置1の基本的な構成を図示したものである。同図において、取得部11は被検眼の眼球の動きを連続的に検出して位置情報を出力する。特性取得部12は取得部11から入力した位置情報を解析し被検眼の特性を取得する。解析部13は特性取得部12で取得した特性から瞬目の開始情報を取得する。また、瞬目の発生を事前に予測してその結果を出力することもできる。
【0013】
図2は、図1に示した瞬目計測装置1の各部の夫々の機能を、ソフトウェアを実行することで実現するためのコンピュータの基本構成を示す図である。
【0014】
瞬目計測装置1は、制御部20、モニタ204、マウス205、及びキーボード206を有する。また、制御部20は、中央処理装置(CPU)200、主メモリ201、磁気ディスク202、表示メモリ203、及び共有バス207を有する。
【0015】
CPU200は、主メモリ201に格納されたプログラムを実行することにより、データベース2との通信、瞬目計測装置1の全体制御、等の各種制御を実行する。このCPU200は、主として瞬目計測装置1の各構成要素の動作を制御する。
【0016】
主メモリ201は、CPU200が実行する制御プログラムの格納や、CPU200によるプログラム実行時の作業領域の提供を行う。
【0017】
磁気ディスク202は、オペレーティングシステム(OS)、周辺機器のデバイスドライバ、後述する瞬目予測処理等を行うためのプログラムを含む各種アプリケーションソフト等を格納する。
【0018】
表示メモリ203は、モニタ204のための表示用データを一時記憶する。
【0019】
モニタ204は、CPU200の制御に基づいて、表示メモリ203に記憶されている表示用データの表示を行う。
【0020】
マウス205及びキーボード206は、ユーザ(医師)によるポインティング入力及び文字等の入力をそれぞれ行う。
【0021】
上記各構成要素は、共通バス207により互いに通信可能に接続されている。
【0022】
なお、上述の装置構成は、一般的なコンピュータ及びその周辺装置を用いて構成することができる。また、図3を用いて後述する本発明に係る瞬目計測装置の制御手順は、コンピュータ上で実行されるプログラムとして実現することができる。
【0023】
以下に各部の詳細と処理の流れについて図3に示すフローチャートに沿って説明する。
【0024】
<ステップS101>
PCは被検眼に対する瞬目の解析が既に行われているかどうかで、後続の処理を解析モードか予測モードかを切り換える。これは、本発明による瞬目計測装置が被検眼の瞬目時の特性を予め解析する工程を有するためである。ここで、解析モードの場合(Yes)はステップS102に、予測モードの場合(No)はステップS106に処理を分岐する。
【0025】
特性取得部12と解析部13は被検眼の瞬目の開始情報を得るために同様の処理を行う。しかし、解析モードの場合は、予め測定されたデータを解析して被検眼の特性を得るために特性取得部12が用いられる。予測モードの場合は、解析部13が取得部11で得られた情報を取得の都度、解析して検眼の瞬目が生じるタイミングを予測する点で相違する。
【0026】
<ステップS102>
まず、取得部11は解析に用いる眼底の画像を取得する。図4は取得部11が有する画像生成手段の構成を図示したものであり、本実施例において取得部11は走査型レーザ検眼鏡(Scanning Laser Ophthalmoscope、以下SLO)により構成されている。なお、本発明は眼球の位置を検出できるものであればこれに限定されるものではないが、眼球の位置変化を概ね毎秒10フレーム以上のレートで連続的に検出可能であることが必要であり、より好ましくは毎秒数10フレーム以上が望ましい。例えば、眼球の動きとして、前眼部の虹彩などの特徴的な領域(特徴部)を追跡してもよい。
【0027】
図4において、401はレーザ光源であり半導体レーザまたはSLD光源(Super Luminescent Diode)で、その波長は例えば700nm〜1000nmが好適である。レーザ光源401から出射された測定光Bは穴あきミラー402、リレーレンズ404とその前後に配置された直交する2軸方向に測定光Bを走査するスキャナ403および404、および接眼光学系406を介して被検眼Eに入射される。被検眼Eの眼底で反射した測定光Bは元の経路を逆に辿り、穴あきミラーを通過してリレーレンズ407を介して検出器408上で結像する。検出器408は、たとえばAPD(アバランシェフォトダイオード)を用いることができ、光の強度信号を電気信号として出力する。
【0028】
一方、PCはスキャナ403、405および検出器408の動作を制御して被検眼の眼底からの反射強度を2次元のSLO像として撮像する。図5はSLO像の例を図示したものであり、SLO像Iには視神経乳頭H、および眼底血管Vが描出されている。
【0029】
<ステップS103>
次に取得部11はSLO像Iからテンプレートマッチングにより眼球の位置を検出する。図5においてテンプレートTは、被検眼から取得したSLO像から抽出した、眼球の位置を検出するための小領域である。テンプレートTは、探索領域S内において対象となる画像の間で類似度の高い特徴部分を抽出するためのパターンである。テンプレートTの抽出は、装置のオペレータによって手動で抽出してもよいし、画像処理によって自動的に抽出してもよいが、眼球の位置を特定するために、血管の分岐等の特徴的な構造である特徴部を含むことが望ましい。抽出は被検眼の撮影が開始した後の最初のSLO像から行ってもよいし、一定の時間内に取得した複数のSLO像から固視微動による歪の少ない画像を選択して抽出してもよい。
【0030】
テンプレート抽出後、被検眼に対して撮影が開始されると、取得部11において順次取得されるSLO像に対してテンプレートマッチングが実行され、眼球の位置PeがPCにより計算される。テンプレートマッチングは公知の手法を用いることができ、例えば非特許文献1において説明されている相互相関係数等を用いればよい。眼球の位置Peは連続して取得される各SLO像において、図5において示される座標系上の座標値(x、y)として計算されて特性取得部12に順次出力される。
【0031】
<ステップS104>
特性取得部12は入力した眼球の位置PeのX方向(水平方向)およびY方向(垂直方向)の成分の時間的な変化を解析する。まず特性取得部12は眼球の位置Peと共にSLO像を入力し、各SLO像取得時に瞬目が発生しているかどうかを判断する。瞬目の発生時は図4における検出器408に反射光は戻らずSLO像の画素値の平均値は極めて低い値となるため、これを利用することができる。すなわち、SLO像の画素値の平均が閾値未満の場合は瞬目が発生していると判断し、瞬目が発生する直前の被検眼の所定の動きを特性取得部12は取得する。
【0032】
閾値は実験により予め適切な値を決定して特性取得部12が利用可能なメモリ等の記憶装置に記憶しておけばよい。
【0033】
図6は図4に図示したSLOによって実際に測定された眼球の位置変化の様子を成分毎に例示したものである。同図において横軸はフレームNo(SLO像の番号)であり、縦軸はX又はY方向の座標値である。また、破線は瞬目が発生しているフレームを表し、例えばY方向のグラフにおいてフレームNoが540から560の近傍において瞬目が発生している。瞬目が発生している間はパターンマッチングも不可能となるため、その間はパターンマッチングを行う探索領域の中心座標が仮の値として設定されている。
【0034】
図6によれば、この被検眼では瞬目が発生する直前に眼球がY軸の負の方向に急激に移動する頻度が高いことが分かる。また、図7は別の被検眼の実例であり、図6の例と同様に瞬目の発生直前に眼球がYの負の方向に急激に移動している。このような現象は本願出願人が初めて見出したものであり、本発明ではこの特徴を利用する。
【0035】
具体的には特性取得部12は瞬目を検出後、瞬目の直前の眼球の移動速度を計算し、その値から瞬目を予測するための予測閾値Tpを特性情報として計算する。具体的には瞬目前の移動速度を取得部11から入力した位置Peと隣接するフレーム間の時間間隔から計算し、各瞬目直前の移動速度の平均値を予測閾値Tpとする。すなわち解析の期間において発生した瞬目の数をNとした時、i番目の瞬目に対する移動速度V(i)およびTpは以下の式で求める。
【0036】
V(i) = {Pe(i) − Pe(i−1)}/T … (1)
Tp = Σ(V(i))/ N … (2)
ただし、i=0,1,…,N−1、TはSLO像の取得レートから計算される、時間的に隣接するSLO像の時間間隔である。
【0037】
さらに、図8は別の被検眼の位置変化を示しているが、先の2つの場合と異なり、Y方向ではなくX方向で瞬目の直前に急激な移動が観察されている。したがって、特性取得部12はX方向およびY方向の2方向を解析し、瞬目の直前でより変化の大きい方向を選択して予測閾値Tpを求めている。ここで、Y方向、X方向、は被検者にとっては垂直方向、水平方向に相当し、瞬目の直前の眼の動きに被検者毎の特性がでることがわかる。このため、特性取得部12では、予め被検眼の特性情報を得ることにより瞬目の生じるタイミングを精度よく得ることができる。つまり、特性取得部12は、被検眼に応じて垂直方向、あるいは、水平方向の動きを選択して瞬目の生じるタイミングを得ることもできる。
【0038】
また、X方向及びY方向の両方の動きの大きさから被検眼の眼の動きの絶対値を求めて移動速度V(i)およびTpを求めても良い。この場合には、被検者によらず眼の動き速度で統一的に瞬目の直前の眼の動きを扱うことができる。
【0039】
ここでは、被検眼の所定の動きの代表値として移動速度V(i)およびTpを用いるものである。
【0040】
またこの際、特性取得部12は外れ値の除去を行うことが望ましい。例えば図7においてフレームNoが600の近傍で2回の瞬目が発生しているように見えるが、2回目の直前において眼球はYの正の方向に移動している。これは瞬目発生時に眼瞼による信号の遮断がSLO像全体に渡っておらず、明るい部分と暗い部分が混在しているためにテンプレートマッチングが誤検出を起こすような場合に発生することがある。
【0041】
このため、特性取得部12は瞬目直前の移動方向が他と大きく異なる場合は外れ値として扱い、前述した予測閾値Tpの計算には用いないようにすればよい。このようにして計算された予測閾値 Tpと予測に使う方向Dが特性情報として解析部13に出力される。Dは例えばX方向を予測に使う場合は0、Y方向を使う場合は1とすればよい。
【0042】
なお、本実施例において解析に用いるフレームの数は、図6乃至図7に示すように800枚程度となっているが、本発明はこれに限定されるものではない。しかし、瞬目の解析においては解析対象となるデータに複数の瞬目が含まれている必要があるため、概ね10数秒以上に渡ってデータを取得、解析することが望ましい。
【0043】
<ステップS105>
特性取得部12から出力された予測閾値Tpは解析部13内の不図示のメモリに記憶され、処理の流れは再びS101に戻り、実際の予測動作を開始する予測モードに移行し、処理の流れはステップS106に移動する。
【0044】
<ステップS106>
取得部11はSLO像を取得する。詳細についてはステップS102と同様であるため説明は省略する。
【0045】
<ステップS107>
取得部11はSLO像に対してパターンマッチングにより眼球の位置を計算し、解析部13に出力する。パターンマッチングの詳細はステップS103と同様であるため説明は省略する。
【0046】
<ステップS108>
解析部13は入力した眼球位置PeからステップS104と同様にして眼球の移動速度を計算し、先にステップS105で記憶した所定値である予測閾値Tpと比較する。ただし、解析部13においてはXおよびYの2方向のいずれかを選択して解析することができる。この場合、特性取得部12から入力した予測に用いる方向Dの値で規定された方向のみ解析を行う。
【0047】
その結果、移動速度が予測閾値Tp以上であり、かつ移動の方向がステップS104において瞬目の発生直前に眼球が移動する方向と同じ場合は、後続して瞬目が発生する可能性が高いとして予測信号Sを外部に対して出力する。
【0048】
なお、上述のようにXおよびYの2方向の動きから解析してもよい。
【0049】
<ステップS109>
PCは後続してSLO像を入力、予測を行う必要がある場合は再びS106に処理を移行する。例えば、本実施例の瞬目計測装置が眼科用撮影装置に連動している場合は、撮影が終了するかどうかによって、本ステップでの処理が決定される。
【0050】
以上説明したように、本発明による瞬目計測装置は眼球の移動速度と瞬目の発生を解析して、その瞬目の発生と眼球の移動速度および方向から瞬目の発生を自動的に予測することを可能としている。なお、眼球の移動速度を事後的に分析して瞬目の発生を解析してもよいことはいうまでもない。この場合には、瞬目の開始情報を解析的に求めていることになる。
【実施例2】
【0051】
前述した実施例1では瞬目の発生を予測する装置について説明したが、本実施例では本発明による瞬目計測装置の効果的な応用例について説明する。なお、本実施例における瞬目計測装置の基本構成は実施例1とほぼ同じであるため、重複する部分については説明を省略し、異なる部分について詳細に説明する。
【0052】
図9は本実施例における瞬目計測装置の構成を図示したものである。本実施形態において各部の基本的な動作は実施例1と同様であるが、特性取得部12は瞬目の直前の眼球の移動速度に加えて瞬目後の眼球の位置を推測するパラメータを出力する。以下に本実施例における特性取得部12の動作について図6を参照して説明する。
【0053】
特性取得部12は眼球の位置Peと共にSLO像を入力し、各SLO像取得時に瞬目が発生しているかどうかを実施例1で説明した方法により判断する。次に特性取得部12は瞬目発生直前の眼球の移動速度と瞬目後の眼球の位置を抽出する。例えば、図6および図7のY方向の眼球位置に関して、瞬目発生後の眼球位置は瞬目発生直前の位置に対して正の方向に大きく変化し、かつ一定の時間そこに留まる傾向があることが分かる。そこで特性取得部12は各瞬目発生後の眼球位置の平均値Pを瞬目発生後の眼球の推定位置とする。
【0054】
すなわち、図10に示すようにi番目の瞬目発生後の眼球位置をpiとした場合、推定位置Pは解析時に発生した瞬目の数をNとした場合、
P = Σp(i)/N … (3)
で計算され、実施例1と同様に予測閾値Tpと併せて予測値Pが解析部13に出力される。
【0055】
次にモードが予測モードに切り替えられると、解析部13は眼球位置Peから瞬目を予測し、瞬目発生が予測された際は予測信号Sと共に予測位置Pを眼球位置取得部1に出力する。図11に示すように眼球位置取得部1は眼球位置検出のテンプレートマッチングにおいて、テンプレートにマッチングする位置を探索する領域をY方向にPだけ移動させ、瞬目後のマッチングはこの修正された探索領域S2に対して行われるようにする。
【0056】
なお、図11においてはY方向のみテンプレートマッチングの探索領域を移動させているが、実施例1において説明したようにXY両方の動きを用いる場合は、2方向に対して探索領域を移動させてもよい。
【0057】
このように、瞬目後の位置を予測してそれを次回のテンプレートマッチングの探索位置に反映させることで、瞬目によって眼球の位置が大きくずれることがあってもパターンマッチングの対象が探索領域を外れことを防止し、より安定した眼球運動に対する追尾を行うことができるようになる。
【0058】
[その他の実施例]
前述した各実施例において、瞬目を予測するためのパラメータである予測閾値Tp又は予測位置Pをその都度求めていたが、一度予測のための解析を行った被検眼に対しては、これらのパラメータを記憶しておくことで、再利用することも可能である。
【0059】
例えば図12に示すように図1の構成に対してさらに記憶部4を追加し、特性取得部12の出力が解析部13および記憶部14に出力され、記憶部14において記憶するように構成する。この際、不図示の入力部から被検眼を特定できる一意の番号を入力して予測閾値Tpと共に記憶しておく。
【0060】
次に同一被検眼に対する予測を行う際は、PCが既に記憶部4に同一の番号を有する被検眼の情報があるかどうかを検索し、ある場合は解析部13が記憶部14から予測値閾値Tpを入力し、ない場合は図3に示した手順によって予測に必要なパラメータを決定するようにすればよい。
【0061】
以上説明したように本発明によれば、瞬目を事前に予測することが可能となり、眼に対する撮影装置等においてより効率的な撮影を行うことができるようになる。
【符号の説明】
【0062】
11 取得部
12 特性取得部
13 解析部
14 記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検眼の動きの情報を取得する取得手段と、
前記動きの情報に基づいて前記被検眼の瞬目の開始情報を得る解析手段と、
を有することを特徴とする瞬目計測装置。
【請求項2】
前記解析手段は、前記被検眼が所定の動きをした場合に前記被検眼の瞬目が開始すると解析することを特徴とする請求項1に記載の瞬目計測装置。
【請求項3】
前記解析手段は、
瞬目の直前の眼球の移動速度が所定値を超えた場合に前記被検眼の瞬目が開始すると解析することを特徴とする請求項1又は2に記載の瞬目計測装置。
【請求項4】
前記解析手段は、
被検眼に応じて垂直方向、水平方向のいずれかの動きを選択して瞬目の生じるタイミングを得ることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の瞬目計測装置。
【請求項5】
前記取得手段は走査型レーザ検眼鏡を有し、前記走査型レーザ検眼鏡で撮像された前記被検眼の眼底の特徴部の動きを被検眼の動きの情報として取得することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の瞬目計測装置。
【請求項6】
前記解析手段は、
瞬目発生後の眼球位置を推定することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の瞬目計測装置。
【請求項7】
前記解析手段は、瞬目の生じるタイミングを予測することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の瞬目計測装置。
【請求項8】
前記被検眼の特性情報を取得する特性取得手段と、前記特性情報を記憶する記憶手段を更に備え、
前記解析手段は前記記憶手段に記憶される特性情報に基づいて前記被検眼の瞬目の開始情報を得ることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の瞬目計測装置。
【請求項9】
前記取得手段は、被検眼の動きの情報として
被検眼の固視微動を取得することを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載の瞬目計測装置。
【請求項10】
被検眼の動きの情報を取得する取得工程と、
前記動きの情報に基づいて前記被検眼の瞬目の開始情報を得る解析工程と、
を有することを特徴とする瞬目計測方法。
【請求項11】
請求項10に記載の瞬目計測方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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