説明

矢状縫合面に位置するアーチ型ヘッドバンドで構成されるヘッドランプ

本発明は光源を頭に装着するために用いるヘッドランプに関し、着用者の矢状縫合面上で弓状に曲がったヘッドバンドを含むヘッドランプに関する。このようなヘッドランプは軽量で、且つ髪型を崩さなく、血液循環を妨害しないので、頭痛を誘発させない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は人の頭に着用するヘッドランプに係り、より具体的には医者が手術をしたり、作業者が作業をする時頭に着用して、施術部若しくは作業部位を照らすヘッドランプに関する。このようなヘッドランプには追加的に拡大鏡やカメラのような装置を付着させることができる。
【背景技術】
【0002】
従来には、ヘッドランプや、拡大鏡またはカメラを頭に装着するために額から側頭部を回って後頭部まで延長される、水平面上に位置する指輪形状のヘッドバンドを用いた。より安定性を向上させるために、このような指輪形状のヘッドバンドに両側側頭部から頭頂部まで延長されて連結される補助バンドを含むクラウン型ヘッドバンドが用いられる場合もあった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、このような指輪形状のヘッドバンドやクラウン型ヘッドバンドは重くて、頭の周り全体を締めることから、髪型が崩れ、長時間着用する時、側頭動脈を圧迫して血液循環を難しくし、これによって頭痛を誘発する虞がある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明はこのような問題点を解決するために、着用者の頭周り全体を締める指輪形状の部分を無くして着用者の矢状縫合面を通じて荷重を伝達するアーチ型ヘッドバンドで構成されるヘッドランプを提供する。
【発明の効果】
【0005】
ヘッドランプや拡大鏡またはカメラを頭に装着させる時、このようなヘッドバンドを利用して着用すると、ヘッドバンドの重量を減らすことができるとともに、髪型がそれほど崩れなくなり、血液循環を妨害しないので、頭痛を誘発させない。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】従来のクラウン型ヘッドバンドに二つの光源が付着されたヘッドランプの斜視図である。
【図2】本発明で提供するアーチ型ヘッドバンドに二つの光源が付着されたヘッドランプの斜視図である。
【図3】本発明で提供するヘッドバンド長さ調節装置を拡大した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下では本発明で提供する実施形態を図面を通じて詳しく説明する。図1は従来のクラウン型ヘッドバンドに二つの光源が付着されたヘッドランプの斜視図で、これに対する具体的な説明は省略する。図2は本発明で提供する実施形態を示す図面である。本実施形態は、光源1、連結部2、前方補助バンド3、主バンド4、5、6及び後方補助バンド7で構成される。また、主バンドは前方主バンド4、長さ調節装置5及び後方主バンド6に分けられる。しかし、正確に言えば、光源1は本実施形態で提示する一例に過ぎず、光源の代わりに拡大鏡やカメラなど頭に装着する他の重量体が連結されても構わない。
【0008】
二つの光源1は光を前方(図面で左側の下方向)に照らして明視距離で光を収束させる。上記光源は連結部2を通じて主バンドと結合される。
【0009】
連結部2は主バンドの前方、即ち、前方主バンド4の前端部にあり、光源1を主バンドに連結させる。このような連結部は普通光源の光方向を変えることができるように、光源と主バンドとの間をヒンジ結合またはボールソケット結合で連結するのが普通である。
【0010】
前方補助バンド3は主バンドの前方、即ち、前方主バンド4の前端部から左右両方に水平方向に延長された一対の片持ち梁形態の構造物で、ヘッドランプを着用する時、着用者の額に触れる部分である。前方補助バンドは、着用者の額に集中される荷重を分散させる役割を果たす。このような前方補助バンド3の両端は水平面上でやや後方に曲がるように設計した方が良い。それによって、ヘッドランプを頭に着用して頭を動かす時、ヘッドランプ全体が左右に移動することをある程度制限する効果があって安定性が増進される。
【0011】
前方主バンド4はヘッドランプの中央部から前面下方に突出される弓状の梁である。前方主バンドの前端には連結部2があり、また両方へ前方補助バンド3が延伸している。前方主バンド4の後端は長さ調節装置5と連結される。前方主バンド4は後述する後方主バンド6とともに着用者の頭に接触して、ヘッドランプの重量を着用者の頭に伝達する役割を果たす。しかし、場合によって髪型が崩れないようにするためには、前方主バンド4と後方主バンド6を頭に直接接触しないで、前方補助バンド3と後方補助バンド7のみ額と後頭部に接触するようにする方法もあるが、この時は、前方補助バンド3と額との間の摩擦力と後方補助バンド7と後頭部との間の摩擦力がヘッドバンドと光源の全荷重を担当する。ところが、この時、摩擦力は抗力に比例するので、前方主バンド4と後方主バンド6は適当な弾性力を発生させることができる弾性材料で製作された方が良い。また、前方補助バンドと額との間、また後方補助バンドと後頭部との間で発生する抗力は主バンドにモーメントを発生する。このモーメントは主バンド中央部(即ち、本実施形態で長さ調節装置の付近)に行くほど大きくなる。このようなモーメントに効果的に対応するために、主バンド長さ方向に垂直した断面の長さ方向に垂直した水平軸に対する慣性モーメントは、主バンドの中央部に行くほど大きくなるように設計した方が良い。
【0012】
長さ調節装置5は前方主バンド4と後方主バンド6との間に位置する。長さ調節装置に対しては便宜上後方主バンド6と後方補助バンド7を説明した後より詳細に説明する。
【0013】
後方主バンド6は長さ調節装置5の後方から後/下方に延長される弓状の梁である。後方主バンドの後端には後方補助バンド7が左右両方に突出されている。場合によって、後方主バンドの後端に後方連結部を設置することができる。この連結部には光源に電気を供給する乾電池のような重量がぶら下げられたり、外部から光源に電気を供給する電気的連結部を設置することができるが、本明細書の図面ではこの部分を図示しない。
【0014】
後方補助バンド7はヘッドランプの後方、即ち、後方主バンド6の後端部から左右に延長された一対の片持ち梁形態の構造物で、ヘッドバンドを着用する時、着用者の後頭部に触れる部分である。このような後方補助バンド7の両端は水平面上でやや前方に曲がるように設計した方が良い。それによって、ヘッドランプを頭に着用した時、ヘッドランプ全体が左右に移動することをある程度制限する効果があって安定性が増進される。また、上記後方補助バンドが着用者の後頭部に集中荷重を分散させる役割を果たすことは前方補助バンド3と同じである。
【0015】
以下では、図3を参考して、長さ調節装置5について説明する。長さ調節装置5は前方主バンド4と後方主バンド6との間に位置して、主バンド全体の前後方長さを変化させる装置である。長さ調節装置5は、型51とプラグ55とで構成される。型51は前方主バンド4の後側から繋がる空箱形状で、左右両側へ一つずつ二つの側孔52と後方に形成された一つの後孔53がある。側孔52は上と下が鋸歯形状になっており、全体的には前後に長い四角形状である。後孔53は矩形形状である。この後孔53にプラグ55が後方から挿入される。プラグは後方主バンド6の前端から前方に突出された矩形断面を有する二つのアームで、その前方の両側面には固定ボタン54が突出されている。固定ボタン54は上下二つずつ鋸歯形状の突起がある。プラグの二つのアームの間には間隔があって、固定ボタン54を左右側で加圧すると、その間隔が縮小してプラグ55は後孔53に挿入させることができる。
【0016】
このような長さ調節装置5の作動過程に対して説明すれば、両側固定ボタン54を加圧してプラグ55を後孔53に挿入した後、必要な位置で圧力を解除すれば、二つのアーム形状のプラグが復元力によって原位置に広がり、この時、固定ボタンに形成されている鋸歯形状の突起と側孔に形成されている鋸歯形状の突起が互いに噛み合って指定された位置に固定されるようになる。主バンド長さを変更するためにはいつでも上記過程を繰り返せば良い。
【0017】
このような長さ調節装置によって頭の大きさが異なる人が主バンドの長さを調節してヘッドランプや拡大鏡、または頭に着用するカメラを楽に着用することができる。しかし、実施形態で提示した長さ調節装置は、ヘッドランプの前後方長さを調節する一例に過ぎずその他複数の方法がある。例えばヘッドランプの主バンドを前方主バンドと後方主バンドの二つの部分に分けないで、額から後頭部まで延長される一つの弓状の主バンドに作って、後頭部が触れる後方補助バンドのみを前方に移動させることができるようにして、頭の大きさに合わせる方法も可能である。何れの方法を使っても、着用者の頭の大きさに合わせるために前方補助バンドの後面から後方補助バンドの前面までの距離を調節することができるようにすればよい。
【0018】
このようなヘッドランプは従来のヘッドランプに比べて軽量で、且つそれほど髪型を崩さなく、着用の時、血液循環を妨害しないで、頭痛を誘発させない。結局、このようなヘッドランプは従来のヘッドランプに比べて便宜性がかなり増進される。
【産業上の利用可能性】
【0019】
このようなヘッドランプは医者が患者を診療する時だけでなく、照明が必要な全ての作業環境で利用されることができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一つの光源を頭に装着するために頭に着用するヘッドランプにおいて、
着用者の矢状縫合面上で下に曲がる弓状の主バンドを含み、前記主バンドの少なくとも一端に前記光源を結合することができる連結部を含み、前記主バンド前端部から左右に突出された一対の片持ち梁形態の前方補助バンドを含み、前記主バンド後端部から左右に突出された一対の片持ち梁形態の後方補助バンドを含み、前記前方補助バンドと後方補助バンドは主バンドを通じて互いに連結され、前記前方補助バンドの後面から前記後補助バンドの前面までの長さを変化させる長さ調節装置を含むことを特徴とするヘッドランプ。
【請求項2】
長さ調節装置は主バンドの中央部に位置することを特徴とする請求項1に記載のヘッドバンド。
【請求項3】
主バンドの長さ方向に垂直した断面は、主バンドの両端から中央部に行くほど主バンド長さ方向に垂直した水平軸に対する断面の慣性モーメントが増加することを特徴とする請求項2に記載のヘッドランプ。
【請求項4】
前方補助バンドは水平方向で後へ曲がった形態を有し、後方補助バンドは水平方向で前方へ曲がった形態を有することを特徴とする請求項1に記載のヘッドランプ。
【請求項5】
連結部は光源と主バンドとの間に相対的な動きが可能になるようにヒンジまたはボールソケットジョイントで結合されることを特徴とする請求項1に記載のヘッドランプ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2013−519001(P2013−519001A)
【公表日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−551904(P2012−551904)
【出願日】平成23年1月10日(2011.1.10)
【国際出願番号】PCT/KR2011/000141
【国際公開番号】WO2011/096648
【国際公開日】平成23年8月11日(2011.8.11)
【出願人】(512202945)
【氏名又は名称原語表記】KIM, Gichun
【Fターム(参考)】