説明

知育玩具

【課題】乳幼児が座った状態で遊びやすくするとともに、立ち上がって遊ぶことを誘発する。
【解決手段】本知育玩具は、ベース1に挿入されるタワー2がベースに対して高さ方向に移動することにより本体高さを変更可能にされ、ベースの底孔から固定用の部品である押え3(図5)を挿入することによって、タワーが伸びた状態(図1)とタワーが縮んだ状態(図2)の異なる本体高さでベース・タワーの両部品を互いに固定する固定構造を有する。タワー内部に螺旋状に球を落下させる構造が設けられ、外側に球を落下させるスロープが設けられ、ベースやタワー上部に遊びの仕掛け又はそのトリガーが設けられる。タワーないを落下した球の案内路は、タワーが伸びた状態においてベース側部の2つの出口12,14の双方に連通しいずれに出てくるか楽しめ、タワーが縮んだ状態において組立時に選択される一方の出口に連通する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、知育玩具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、乳幼児の知覚、思考力等の発達等のために、ボール落し(フィッシャー社、くもん社)や、知育ボックス(タカラトミー社、ピープル社、アガツマ社)等の知育玩具が各社から発売されている。
ボール落しとしては、螺旋状のスロープを落下させるもの(フィッシャー社)、透明筒と、当該透明筒内に配置された螺旋条を有した柱とを備え、当該透明筒内で当該柱周りに落下させるもの(くもん社)などがある。
知育ボックスは、音や光を発するボタン又はその他のパーツ、開閉ドア(音仕掛けも有)、形合わせなどのパズル的なもの、ボールを転がすコース、本体に着脱自在の装飾パーツなど様々な要素が集合しており、それらを実現する電気的・機械的仕掛けやそのトリガーが構成されているものである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
乳幼児は、おすわり、ハイハイ、立ち上がり、つかまり歩き、歩行などの順で身体的に発達する。
従来の知育玩具にあっては高さが一定である。乳幼児が座った状態で完全に遊べる知育玩具にあっては、乳幼児が立ち上がり時期を過ぎても、座った状態で遊べるので、立ち上がったり、しゃがんだり、中腰になったり、周りを横歩きしたりしながら遊ぶという行動を誘発しにくい。
このような立ち上がったり、歩いたり等の活発な活動を自然に誘発し、立ち上がることによる視界の変化を伴いながら、乳幼児自身大いに刺激を受け自ら新たな遊びを発見しつつ、遊ぶことができる知育玩具が好ましい。
一方、立ち上がり時期前は、座った状態で遊び易いものが好ましい。
【0004】
本発明は以上の従来技術における問題に鑑みてなされたものであって、乳幼児が座った状態で遊びやすくすることができるとともに、乳幼児が立ち上がって遊ぶことを誘発することもできる知育玩具を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
以上の課題を解決するための請求項1記載の発明は、本体が少なくとも二つの部品からなり、
一方の部品が他方の部品に対して本体高さ方向に移動することにより本体高さを変更可能にされ、異なる本体高さで両部品を互いに固定する固定構造を有する知育玩具である。
【0006】
請求項2記載の発明は、前記両部品の本体高さ方向の相対的可動範囲における最大本体高さにおいて前記両部品を互いに固定する固定構造を有する請求項1に記載の知育玩具である。
【0007】
請求項3記載の発明は、前記一方の部品が、前記他方の部品に上下方向に出し入れされる構造を有することにより本体高さを変更可能にされてなる請求項1又は請求項2に記載の知育玩具である。
【0008】
請求項4記載の発明は、前記両部品のうち本体高さを比較的高くした状態で相対的に上に配置される部品が、他方の部品に上下方向に出し入れされる構造を有することにより本体高さを変更可能にされてなる請求項1又は請求項2に記載の知育玩具である。
【0009】
請求項5記載の発明は、前記両部品の双方に、遊びの仕掛け又はそのトリガーが設けられている請求項1から請求項4のうちいずれか一に記載の知育玩具である。
【0010】
請求項6記載の発明は、前記本体の内部で球を落下させる構造を有し、前記両部品のうち本体高さを比較的高くした状態で相対的に上に配置される部品に前記球の投入口が形成されている請求項1から請求項5のうちいずれか一に記載の知育玩具である。
【0011】
請求項7記載の発明は、前記一方の部品が、前記他方の部品に上下方向に出し入れされる構造を有することにより本体高さを変更可能にされ、当該一方の部品の当該他方の部品内に配置可能な側面部材の全部又は一部が透明に構成されており、前記側面部材の透明部を介して前記投入口に投入される前記球の落下の様子が外部から観察可能に構成されてなる請求項6に記載の知育玩具である。
【0012】
請求項8記載の発明は、前記本体の外側に球を落下させるスロープが設けられてなる請求項6又は請求項7に記載の知育玩具である。
【0013】
請求項9記載の発明は、前記本体は、ベース、タワー及び押えの3部品を備え、
前記ベースは上孔と底孔を有した筒構造を有し、前記上孔周りには内フランジが形成され、前記筒構造の内側底部に一周に対して欠落部を有する部分内フランジが形成され、
前記タワーは、前記ベースの筒構造内に前記底孔から挿入され、前記上孔から突出可能な直径を有した筒状に形成され、その底部には、前記内フランジ及び前記部分内フランジによって上方への移動が規制され、前記欠落部を上下方向に通過可能な部分外フランジが形成され、
前記押えは、前記底孔を塞ぐ蓋部と、当該蓋部に立設され、前記欠落部及び当該欠落部の上部に形成される前記ベースの筒構造の内周面と前記タワーの外周面との間の隙間からなる空間に配置される支柱とを備え、
前記部分外フランジを前記部分内フランジの下に重ねて配置し、前記押えの蓋部によって前記底孔に蓋をした状態において、前記タワーの上下動が前記部分内フランジと前記蓋部によって規制され、前記タワーの回動が前記支柱の側縁によって規制されることにより、本体高さを比較的低くした状態での前記固定構造が実現され、
前記部分外フランジを前記内フランジの下に重ねて配置し、前記押えの蓋部によって前記底孔に蓋をした状態において、前記タワーの上下動が前記内フランジと前記支柱の上端によって規制され、前記タワーの回動が前記内フランジ又は前記支柱に形成された係合部によって規制されることにより、本体高さを比較的高くした状態での前記固定構造が実現される請求項1から請求項8のうちいずれか一に記載の知育玩具である。
【0014】
請求項10記載の発明は、前記タワーは内部で球を落下させる構造を有し、当該球の投入口が上部に形成され、当該球の排出口が底部に形成され、
前記ベースは、前記排出口に連通する前記球の出口を相対する側部に2つ有し、
本体高さを比較的低くした状態で固定されるとき、前記排出口が前記2つの出口のうちいずれか一方のみに連通し、
本体高さを比較的高くした状態で固定されるとき、前記排出口が前記2つの出口の双方に連通する請求項9に記載の知育玩具である。
【0015】
請求項11記載の発明は、本体高さを比較的低くした状態で固定されるときに前記排出口に連通する出口は、前記2つの出口から選択可能である固定構造を有する請求項10に記載の知育玩具である。
【0016】
請求項12記載の発明は、高さ方向に伸縮自在なタワー構造を有する知育玩具である。
【0017】
請求項13記載の発明は、前記タワー構造を異なる高さで固定する固定構造を有する請求項12に記載の知育玩具である。
【0018】
請求項14記載の発明は、前記タワー構造の最大高さで前記タワー構造を固定する固定構造を有する請求項12又は請求項13に記載の知育玩具である。
【0019】
請求項15記載の発明は、前記タワー構造の上部に、遊びの仕掛け又はそのトリガーが設けられている請求項12から請求項14のうちいずれか一に記載の知育玩具である。
【0020】
請求項16記載の発明は、前記タワー構造の内部で球を落下させる構造を有する請求項12から請求項15のうちいずれか一に記載の知育玩具である。
【0021】
請求項17記載の発明は、前記球の落下の様子を外部から観察可能にする透明部を有し前記タワー構造の伸縮によって観察可能な領域が変更される請求項16に記載の知育玩具である。
【0022】
請求項18記載の発明は、前記タワー構造の外側に球を落下させるスロープが設けられてなる請求項16又は請求項17に記載の知育玩具である。
【0023】
請求項19記載の発明は、前記タワー構造は内部で球を落下させる構造を有し、当該球の投入口が上部に形成され、当該球の通過口が内部に形成され、当該通過口に連通する当該球の出口を相対する側部に2つ有し、
比較的低くした状態で固定されるとき、前記通過口が前記2つの出口のうちいずれか一方のみに連通し、
比較的高くした状態で固定されるとき、前記通過口が前記2つの出口の双方に連通する請求項13に記載の知育玩具である。
【0024】
請求項20記載の発明は、比較的低くした状態で固定されるときに前記通過口に連通する出口は、前記2つの出口から選択可能である固定構造を有する請求項19に記載の知育玩具である。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、高くすることにより高い位置に遊びの要素が配置されたり、高くなったことを利用して遊びの幅が広がったりするので、高さを変えることにより、乳幼児が座った状態で遊びやすくすることができるとともに、乳幼児が立ち上がって遊ぶことを誘発することもできるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下に本発明の一実施形態につき図面を参照して説明する。以下は本発明の一実施形態であって本発明を限定するものではない。
【0027】
図1、図2は、本実施形態に係る知育玩具の斜視図である。図1においてはタワーを伸ばした状態、図2においてはタワーを縮めた状態を示している。図2は、図1に対して垂直軸周りに180度異なる視点から描いている。
【0028】
図1及び図2に示すように本知育玩具は、ベース1と、タワー2とを備える。
ベース1には、バスケットゴール11、トンネル12、球置き13、ドア14、スロープ15が設けられている。
【0029】
本知育玩具は、バスケットゴール下部11aに球が落ちると鐘の音が鳴る仕掛けを有する。本知育玩具は、球置き13に球を置いて押すと笛の音が鳴る仕掛けを有する。球置き13,13は、バスケットゴール下部11aの両側に設けられている。
トンネル12と、ドア14とは反対面に設けられている。トンネル12及びドア14の双方は、球4が落下するタワー2内と連通しており、タワー2内を落下する球4はトンネル12又はドア14に到達する。本知育玩具は、トリガーボタン14aを押すとドア14が開く仕掛けを有する。また本知育玩具は、トリガーボタン14a押下時に音が鳴る仕掛けを有する。スロープ15は、球を転がり落すものであり、そのコースは曲がりくねっている。スロープ15を落下する球のゴールはトンネルゴール部12aである。
【0030】
タワー2の上部22には、球4の投入口22aが形成されている。本知育玩具は、投入口22aを通過する球4を検出し、一定時間メロディを流す仕掛けを有する。タワー2の上部22には、一又は複数のトリガーボタン22bが設けられている。本知育玩具は、トリガーボタン22bを押すと、音及び/又は光を発する仕掛けを有する。その発光部位は、トリガーボタン22b自身でもよいし、他の部分としてもよい。音は、複数のトリガーボタンで異なる種類の音とするもよい。
【0031】
図3に、タワーの単独斜視図を示す。図4にタワーの底面のみ描いた底面図を示す。図3に示すようにタワー2は、透明筒21と、上部22と、底部23と、柱24とを備える。透明筒21と、柱24とは同軸に配置されており、互いの間隔が一定に保持されている。柱24の周面には螺旋条24aが形成されている。底部23の透明筒21の下端開口を覆う部分には切欠状に通過口23aが形成されている。透明筒21の下端部にも、この通過口23aに連続して切欠状に通過口21aが形成されている。通過口21a及び通過口23aで一つの孔が形成されている。通過口21aは、図2に示すタワーを縮めた状態において球4の通過口(タワー2からの排出口)となる。通過口23aは、図1に示すタワーを伸ばした状態において球4の通過口(タワー2からの排出口)となる。タワー2の底部には、一対の部分外フランジ23b,23cが形成されている。
【0032】
タワー上部22に形成された投入口22aから投入された球4は、メロディが流れる中、螺旋条24aに案内されてぐるぐる回りながら落下し、通過口21a,23aに至る。
このとき、タワー2を縮めた状態においては、球4は通過口21aを通過する。タワーを縮めた状態においては、通過口21aは、トンネル12の正面に配置されており、トンネル12のみに連通する。したがって、通過口21aを通過した球4はトンネル12から出てくる。なお、タワー2をベースに対して垂直軸周りに180度反対に固定することにより、通過口21aをドア14の正面に配置し、ドア14のみに連通するように組立てることもできる。
【0033】
一方、タワー2を伸ばした状態においては、球4は通過口23aを通過する。タワーを伸ばした状態においては、タワーを縮めた状態に対してタワー2の角度は90度異なっており、従って、通過口23aは、トンネル12及びドア14に対してほぼ等距離の中立的位置に配置され、トンネル12及びドア14の双方に連通する。
【0034】
タワー2を伸ばした状態においては、透明筒21を介して球4の落下を観察できる。タワー2を縮めた状態においては、球4の落下を観察できないように、ベース1を不透明としてもよいし、球の通過を確認する窓をベース1に設けてもよい。
【0035】
次に、図5〜図7を加えて参照しつつ、本知育玩具の構造と動作につき説明する。
図5は、押えの単独斜視図である。図6は、押えの底面のみ描いた底面図である。図7は、本知育玩具の高さ変更の過程を示す模式的断面図であり、図(a1)(b1)(c1)と図(a2)(b2)(c2)とでは垂直軸周りに90度異なる視点から描いている。
【0036】
ベース1は、上孔と底孔を有した筒構造を有している。ベース1の上孔は、図1において、タワー2が突出している孔である。タワー2がベース1の底孔から挿入されて組立てられる。ベース1の上孔は、タワー2の上部22及び透明筒21が通過し、部分外フランジ23b,23cが通過しない径にされている。タワー2の底孔(図示せず)は、部分外フランジ23b,23cも通過する径とされている。
【0037】
図5、図6に示すように押え3は、蓋部31と、一対の支柱32a,32bとを備える。蓋部31は、ベース1の底孔を塞ぐものである。タワー2をベース1の底孔から挿入した後、支柱32a,32bをベース1の内周面とタワー2の外周面との間の隙間に挿入し、蓋部31でベース1の底孔に蓋をすることによって組立てる。
【0038】
支柱32a,32bは、それぞれ中心角略90度の部分円筒状に形成され、底部にはアーチ状通過口35a,35bが形成されている。
蓋部31には、相対するアーチ状通過口35aと35bとを直線状に繋げる案内路34が形成されている。また、蓋部31には、案内路34の中央部両側に連続する案内スロープ33a,33bが形成されている。タワー2を伸ばした状態において案内スロープ33a,33bの一方が、通過口23aの直下に配置される。
【0039】
図7に示すように、ベース1の上孔周りには内フランジ1aが形成されている。ベース
1の内側底部に一対の部分内フランジ1b,1bが形成されている。
本実施形態においては、内フランジ1aは一周に亘って形成されている。内フランジ1aの1部を切欠いてもよい。部分外フランジ23b,23c、部分内フランジ1b,1b及び支柱32a,32bは、各中心角略90度の一対で相対する位置に構成される。内フランジ1a及び部分内フランジ1b,1bによって部分外フランジ23b,23cの上方への移動が規制され、部分外フランジ23b,23cが部分内フランジ1b,1bの間の欠落部を上下方向に通過可能となるように、各部が形成されている。
【0040】
図7(a1)(a2)は、タワー2を縮めた状態での固定構造を示している。図7(c1)(c2)は、タワー2を伸ばした状態での固定構造を示している。図7(a1)(a2)及び図7(c1)(c2)に示すように支柱32a,32bは、部分内フランジ1b,1bの間の欠落部に配置される。また図7(a1)(a2)に示すように支柱32a,32bは、部分内フランジ1b,1bの間の欠落部及び当該欠落部の上部に形成されるベース1の内周面とタワー2の外周面との間の隙間に配置される。
【0041】
図7(a1)(a2)に示すように、部分外フランジ23b,23cを部分内フランジ1b,1bの下に重ねて配置し、押え3の蓋部31によってベース1の底孔に蓋をした状態とする。これにより、タワー2の上下動が部分内フランジ1b,1bと蓋部31によって規制され、タワー2の回動が支柱32a,32bの側縁によって規制されることにより、本体高さを比較的低くした状態(本実施形態では最低高さ)での固定構造が実現される。
【0042】
かかる状態から、図7(b1)(b2)に示すように押え3を外し、タワー2を垂直軸周りに90度回転させて部分外フランジ23b,23cを部分内フランジ1b,1bの直下範囲から離脱させた上で、ベース1に対して上昇させる。
次に、図7(c1)(c2)に示すように部分外フランジ23b,23cを内フランジ1aの裏面に当接するまでタワー2を上昇させ、部分外フランジ23b,23cを内フランジ1aの裏面に形成された係合部(図示せず)に係合させる。この係合部は、タワー2の回動を規制するものであれば構造は任意である。例えば、図4に示す部分外フランジ23b,23cの終端23dに当接する凸部とすれば足りる。また、係合部を支柱の上端に形成し、部分外フランジ23b,23cに形成した凹部に嵌る凸部としてもよい。
さらに、押え3でベース1の底孔に蓋をする。
これにより図7(c1)(c2)に示すように、タワーの上下動が内フランジ1aと支柱32a,32bの上端によって規制され、タワー2の回動が内フランジ1a又は支柱32a,32bに形成された係合部によって規制されることにより、本体高さを比較的高くした状態(本実施形態では最高高さ)での固定構造が実現される。
【0043】
以上説明したように、タワー2を伸ばした状態と、縮めた状態とで、ベース1に対するタワー2の相対角度が90度異なっている。かかる構造を利用して次のような仕組みが構成される。
すなわち、タワー2を伸ばした状態において通過口23aは、図1に示すようにトンネル12及びドア14(図2参照)に対してほぼ等距離の中立的位置に配置される。このとき、通過口21aは、バスケットゴールボード11bに覆われている。トンネル12及びドア14の双方に連通する通過口23aから落下した球4は、案内スロープ33a又は33bに落下し、案内路34及びアーチ状通過口35a又は35bを通過してトンネル12又はドア14に案内される。
一方、タワー2を縮めた状態において通過口23aは蓋部31によって球4の通過が許されない程度に閉ざされるものの、タワー2側面の通過口21aが、アーチ状通過口35a又は35b及びトンネル12又はドア14に対向して配置される。通過口21aは、トンネル12又はドア14に連通する。通過口21aを通過した球4は、アーチ状通過口35a又は35bを通過してトンネル12又はドア14に案内される。通過口21aをトンネル12に連通させるか、ドア14に連通させるかは、組立時にタワー2をベースに固定する相互に180度異なる角度を選択することによって選択することができる。
【0044】
以上説明した本実施形態の知育玩具によれば、図2に示すタワー2を縮めた状態にすることによって、主に立ち上がり時期前の乳幼児に対し座った状態で遊びやすくすることができる。乳幼児が座った状態で(もちろん、立ちや中腰、しゃがみ状態でも)、上部22のトリガーボタン22bを押す指遊び、投入口22aやバスケットゴール11に球を投入したり、スロープ15で球を落下させたりする球遊び、ドア14の開閉遊びなどで遊べる。また、その遊びのなかで音や光が発せられ、五感をフルに使っての遊びを提供することができる。
【0045】
その上、本実施形態の知育玩具によれば、図1に示すタワーを伸ばした状態にすることによって、立ち上がり時期を過ぎた乳幼児に対し立ち上がって遊ぶことを誘発することもできる。特に、本実施形態の知育玩具によれば、上部22に球4の投入口22aや仕掛けのトリガーボタン22bが設けられているので、乳幼児が立ち上がって、さらに周りを横歩きしながら移動して遊ぶことを誘発することに優れる。また、本実施形態の知育玩具によれば、透明筒21が上部に配置され出口が底部に配置されるので、立ち上がったり中腰になったりして落球を観察したり、しゃがんだりして出口を確認したりすることを誘発することに優れる。
また、本実施形態の知育玩具によれば、透明筒21内の螺旋コースと、外側のスロープ15とで同時に球を落下させる遊びや、そのどちらが先にトンネルゴール部12aに到達するかを比較する遊び、その結果がタワー2を伸ばしたときと縮めたときとで異なるかなどの遊びへ発展が有り、身体的及び頭脳的な発達を誘発できる。
また、本実施形態の知育玩具によれば、タワー2を伸ばした状態において投入口22aに投入した球がトンネル12及びドア14のうちどちらに出てくるかわからないので、その確認をするために、反対側に回ったりする乳幼児の運動を誘発することに優れる。
【0046】
以上のように本実施形態の知育玩具によれば、乳幼児の立ち上がり・しゃがみ等の上下の動きや周囲を廻る動きを誘発しつつ、乳幼児に視界の変化を伴いながら五感をフルに使って様々な遊びを繰り返し経験させ、乳幼児自身大いに刺激を受けて自ら新たな遊びを発見しつつ、成長段階を経て長期に知育を図りながら遊びに供されることが期待できる。そのために、本体高さが変化することが重要な技術的意義を有している。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明一実施形態に係る知育玩具のタワーを伸ばした状態における斜視図である。
【図2】本発明一実施形態に係る知育玩具のタワーを縮めた状態における斜視図である。図1に対して垂直軸周りに180度異なる視点から描いている
【図3】本発明一実施形態に係るタワーの単独斜視図である。
【図4】本発明一実施形態に係るタワーの底面のみ描いた底面図である。
【図5】本発明一実施形態に係る押えの単独斜視図である。
【図6】本発明一実施形態に係る押えの底面のみ描いた底面図である。
【図7】本発明一実施形態に係る知育玩具の高さ変更の過程を示す模式的断面図である。図(a1)(b1)(c1)と図(a2)(b2)(c2)とでは垂直軸周りに90度異なる視点から描いている。
【符号の説明】
【0048】
1 ベース
1a 内フランジ
1b,1b 部分内フランジ
2 タワー
3 押え
4 球
11 バスケットゴール
11a バスケットゴール下部
12 トンネル
12a トンネルゴール部
14 ドア
14a トリガーボタン
15 スロープ
21 透明筒
21a,23a通過口(タワー2の排出口)
22 タワー上部
22a 投入口
22b トリガーボタン
23b,23c部分外フランジ
24 柱
24a 螺旋条
31 蓋部
32a,32b支柱
33a,33b案内スロープ
34 案内路
35a,35bアーチ状通過口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体が少なくとも二つの部品からなり、
一方の部品が他方の部品に対して本体高さ方向に移動することにより本体高さを変更可能にされ、異なる本体高さで両部品を互いに固定する固定構造を有する知育玩具。
【請求項2】
前記両部品の本体高さ方向の相対的可動範囲における最大本体高さにおいて前記両部品を互いに固定する固定構造を有する請求項1に記載の知育玩具。
【請求項3】
前記一方の部品が、前記他方の部品に上下方向に出し入れされる構造を有することにより本体高さを変更可能にされてなる請求項1又は請求項2に記載の知育玩具。
【請求項4】
前記両部品のうち本体高さを比較的高くした状態で相対的に上に配置される部品が、他方の部品に上下方向に出し入れされる構造を有することにより本体高さを変更可能にされてなる請求項1又は請求項2に記載の知育玩具。
【請求項5】
前記両部品の双方に、遊びの仕掛け又はそのトリガーが設けられている請求項1から請求項4のうちいずれか一に記載の知育玩具。
【請求項6】
前記本体の内部で球を落下させる構造を有し、前記両部品のうち本体高さを比較的高くした状態で相対的に上に配置される部品に前記球の投入口が形成されている請求項1から請求項5のうちいずれか一に記載の知育玩具。
【請求項7】
前記一方の部品が、前記他方の部品に上下方向に出し入れされる構造を有することにより本体高さを変更可能にされ、当該一方の部品の当該他方の部品内に配置可能な側面部材の全部又は一部が透明に構成されており、前記側面部材の透明部を介して前記投入口に投入される前記球の落下の様子が外部から観察可能に構成されてなる請求項6に記載の知育玩具。
【請求項8】
前記本体の外側に球を落下させるスロープが設けられてなる請求項6又は請求項7に記載の知育玩具。
【請求項9】
前記本体は、ベース、タワー及び押えの3部品を備え、
前記ベースは上孔と底孔を有した筒構造を有し、前記上孔周りには内フランジが形成され、前記筒構造の内側底部に一周に対して欠落部を有する部分内フランジが形成され、
前記タワーは、前記ベースの筒構造内に前記底孔から挿入され、前記上孔から突出可能な直径を有した筒状に形成され、その底部には、前記内フランジ及び前記部分内フランジによって上方への移動が規制され、前記欠落部を上下方向に通過可能な部分外フランジが形成され、
前記押えは、前記底孔を塞ぐ蓋部と、当該蓋部に立設され、前記欠落部及び当該欠落部の上部に形成される前記ベースの筒構造の内周面と前記タワーの外周面との間の隙間からなる空間に配置される支柱とを備え、
前記部分外フランジを前記部分内フランジの下に重ねて配置し、前記押えの蓋部によって前記底孔に蓋をした状態において、前記タワーの上下動が前記部分内フランジと前記蓋部によって規制され、前記タワーの回動が前記支柱の側縁によって規制されることにより、本体高さを比較的低くした状態での前記固定構造が実現され、
前記部分外フランジを前記内フランジの下に重ねて配置し、前記押えの蓋部によって前記底孔に蓋をした状態において、前記タワーの上下動が前記内フランジと前記支柱の上端によって規制され、前記タワーの回動が前記内フランジ又は前記支柱に形成された係合部によって規制されることにより、本体高さを比較的高くした状態での前記固定構造が実現される請求項1から請求項8のうちいずれか一に記載の知育玩具。
【請求項10】
前記タワーは内部で球を落下させる構造を有し、当該球の投入口が上部に形成され、当該球の排出口が底部に形成され、
前記ベースは、前記排出口に連通する前記球の出口を相対する側部に2つ有し、
本体高さを比較的低くした状態で固定されるとき、前記排出口が前記2つの出口のうちいずれか一方のみに連通し、
本体高さを比較的高くした状態で固定されるとき、前記排出口が前記2つの出口の双方に連通する請求項9に記載の知育玩具。
【請求項11】
本体高さを比較的低くした状態で固定されるときに前記排出口に連通する出口は、前記2つの出口から選択可能である固定構造を有する請求項10に記載の知育玩具。
【請求項12】
高さ方向に伸縮自在なタワー構造を有する知育玩具。
【請求項13】
前記タワー構造を異なる高さで固定する固定構造を有する請求項12に記載の知育玩具。
【請求項14】
前記タワー構造の最大高さで前記タワー構造を固定する固定構造を有する請求項12又は請求項13に記載の知育玩具。
【請求項15】
前記タワー構造の上部に、遊びの仕掛け又はそのトリガーが設けられている請求項12から請求項14のうちいずれか一に記載の知育玩具。
【請求項16】
前記タワー構造の内部で球を落下させる構造を有する請求項12から請求項15のうちいずれか一に記載の知育玩具。
【請求項17】
前記球の落下の様子を外部から観察可能にする透明部を有し前記タワー構造の伸縮によって観察可能な領域が変更される請求項16に記載の知育玩具。
【請求項18】
前記タワー構造の外側に球を落下させるスロープが設けられてなる請求項16又は請求項17に記載の知育玩具。
【請求項19】
前記タワー構造は内部で球を落下させる構造を有し、当該球の投入口が上部に形成され、当該球の通過口が内部に形成され、当該通過口に連通する当該球の出口を相対する側部に2つ有し、
比較的低くした状態で固定されるとき、前記通過口が前記2つの出口のうちいずれか一方のみに連通し、
比較的高くした状態で固定されるとき、前記通過口が前記2つの出口の双方に連通する請求項13に記載の知育玩具。
【請求項20】
比較的低くした状態で固定されるときに前記通過口に連通する出口は、前記2つの出口から選択可能である固定構造を有する請求項19に記載の知育玩具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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