短下肢装具
【課題】短下肢装具
【解決手段】硬化構造樹脂が含浸されたファブリックの少なくとも1つの層から形成された構造フレームを有する短下肢装具。そのフレームは、足板に接続された内側部分に延び至る前方足首部分を規定しているために、上方下肢係合部分から下方に延在する少なくとも1つの前方サポート部材を含む。
【解決手段】硬化構造樹脂が含浸されたファブリックの少なくとも1つの層から形成された構造フレームを有する短下肢装具。そのフレームは、足板に接続された内側部分に延び至る前方足首部分を規定しているために、上方下肢係合部分から下方に延在する少なくとも1つの前方サポート部材を含む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、下肢の動きを制限するのに利用される矯正器具に関する。特に、本発明は、足首および足の動きを安定させ、制御する短下肢装具に関する。
【背景技術】
【0002】
短下肢装具は、麻痺性で抗しがたい足首および足の筋肉を抑圧し、足首および足の弱い麻痺した筋肉を補助し、かつ、足首および足の変形を防止あるいは補正することによって、足首および足を支持して、整列調節するのに使用される医療用具である。
【0003】
短下肢装具は、人が「下垂足」として一般的に知られている歩行状態を有するとき、足首および足の機能を補助するのに特に役に立つ。下垂足は、神経筋状態であり、人が、歩行歩調の間、自分の足の1本を十分に持ち上げることができないという結果になる。下垂足は、脳血管障害、脊髄損傷、遺伝性および感覚性末梢神経障害、神経筋病、あるいは足に関連する神経筋システムの筋肉を活性化するのに必要とされる筋肉および神経へのあらゆる損傷から、結果として生じる。
【0004】
下垂足に基づく2つのよく見られる合併症がある。第1に、それらの人は、自分の踵を打ちつけ後、足の落下を制御することができない。結果として、この足は、ステップ毎に地面を叩くことになり、これは、一般にスラップフット(下垂足)と呼ばれる。これは一般に、下肢の前部の膝下に位置し、下肢とほぼ整列調節された位置から、背屈として知られる下肢にほぼ直交する位置に足を持ち上げるのに使用される患者の背屈筋の筋肉の機能的な障害によるものである。背屈筋の機能的な障害は、したがって、下肢にほぼ直交する位置から、下肢にほぼ平行な位置に足を延ばす作用である、過度の足底屈という結果になる。第2の合併症は、歩行サイクルのスイング状態の間、足指を触れずに通過することができないことである。これにより、それらの人に、スイング状態の間中、地面上に足指を引きずらさせる。ゆえに、短下肢装具は、歩行サイクルの間、踵打ちつけおよびスイング状態において足底屈を阻止することによって、背屈筋の弱点を補正するように処方されることが可能である。
【0005】
一般に、下垂足を有する人は、前脛骨筋に有るか無しかの機能を有するだけである。その前脛骨筋は、脛骨の外側顆に始まり、脛骨の外側側面に沿って延在し、第1の中足骨と内側楔状骨とを接続するために、足首の内側側面に対してこれらの末端部分近くの脛骨と交差する。前脛骨筋の適切な機能は、背屈を可能にし、回外した位置に足首における足を反転させる。前脛骨筋は、さらに、内側楔状骨への接続のために、足の内側弓を支持する。
【0006】
前脛骨筋の機能を失った人は、歩行サイクルのスタンス状態の間、足を回内し、歩行のサイクルのスイング状態の間、足を回外することが多い。その上、特に、足の内側弓における前脛骨筋の機能的な障害のために、足首は一般に、外転され、回内される。
【0007】
長年の間にわたり、下垂足を補正し、患者が比較的通常の方法で歩行し、機能することを可能にするために、短下肢装具を提供する努力が行われてきた。従来技術の短下肢装具の1つのタイプは、アキレス腱の後に延在し、足の裏にかける足板と併合する、金属、あるいはプラスチックの背面の副子を備えている。この短下肢装具は、膝下位置の下肢まわりに延在する少なくとも1つのストラップを有する。この短下肢装具は、この矯正器具が下肢の背面部分に沿って延在し、きわめて不自然な歩行を生成するように関節に不利な影響を与えるという点で不都合である。この矯正器具に対する別の不利な点は、ふくらはぎおよびアキレス腱が、その矯正器具を着ける患者に痛みと不快感とを引き起こすことがある耐えがたい応力をこうむることである。さらにほかに、この矯正器具は、矯正器具が踵の後に単に位置決めされるだけであり、その結果、円滑な踵打ちつけをもたらさないので、歩行サイクルの間、患者の下肢に好ましくない影響を生じる。
【0008】
従来技術の短下肢装具の別のタイプは、Otto Bockによって製造され、「Walk On」という商標のもとに販売されている。この短下肢装具は、足底屈および背屈にだけでなく多少の環状平面制御にも適度の抵抗をもたらすために、カーボンファイバ強化材料から作られている。この矯正器具の構造は、内側踝まわりに延在し、後方ふくらはぎ領域を延び上がる小さいカーボンファイバスプリングによって、半月に接続する足板を含み、さらにまた、この矯正器具を下肢に固定するストラップを含む。この足板は、踵打ちつけにおける圧縮と、中間スタンスから足指離れへのエネルギーリターンと、踵打ちつけから中間スタンスへの増大した剛性と中間スタンスからの減少した剛性とを含むことによる、容易な足指ロールオーバーとをもたらす。このデザインは、それが内側踝まわりに延在するので着けられるときあまり目立たず、カーボンファイバ強化材料は、対磨耗性である。さらに、このデザインは、それが、足の内側側面全体にわたって延在し、その結果、より円滑な踵打ちつけに役立つ踵部分と足指部分とをこの矯正器具に供給するという点で、従来のプラスチックの後方デザインを越える利点を有する。これに反して、この矯正器具に対する不利な点は、それが、適切な前方サポートを欠き、足首と足の後部を補強するだけであるので、かなりの程度の足底屈を可能にすることである。その上、このデザインは、あらゆる外側サポートをもたらさず、その結果、人々が高くて強い靴を履かなければ、足の反転が防止されない。
【0009】
短下肢装具の別の変形において、米国特許第5,897,515号は、下肢の前方部分および外側足首全体にわたって延在し、さらに、足板に接続するために、足の裏の部分の下に延在するフレキシブル材料のフレームを含む、短下肢装具を開示している。この矯正器具は、フレームの前方部分の狭い部分全体にわたって延在する少なくとも1つの実質的に曲がらない補強要素を必要とする。実際には、下肢をカバーする前方シェルは、下肢の前方部分に沿ってカバーされる領域の量のために患者に不快感を生じることがあり、それによって、過度に汗の出る領域、歩行のときに脛骨領域に用いられる好ましくない量の圧力という結果になるということが分かった。さらに、この矯正器具は、その矯正器具が、前方足首全体にわたって延在し、足板に接続する領域において特に、破壊問題をこうむるということが分かった。
【0010】
米国特許第5,897,515号の矯正器具におけるように、脛骨の外側部分全体にわたって延在する支柱を含む矯正器具において、患者は、かれらの歩行のスイング状態の間、適切なサポートを有することができるが、かれらの歩行のスタンス状態の間、足の外転を防止するために十分なサポートを有さない。スタンス状態の間のサポートの欠如は、前脛骨筋の長さを支持するために、ある程度、足の内側弓へのサポートの欠如と、外側支柱の全体にわたる破損のためである。外側に延在する支柱を有する多数の従来の短下肢装具は、患者に、背屈のために多くの制御をもたらし、過度の足底屈を抑制することができるのに対して、したがって、これらの矯正器具は、適切なサポートを足の内側弓にもたらすことができないということがわかった。その結果、これらの従来の矯正器具を着ける患者は、足を反転する能力が増大されなかったので、かれらの足が回内するのを防止するような十分な力を有さない。その上、外側支柱だけを有する矯正器具は十分な外反制御をもたらさず、それによって、不十分に足首を安定し、適切な足首関節を可能にすることができない。
【0011】
前述の矯正器具の全ての場合、それぞれは、ある程度、患者の歩行のスタンス状態の間、十分な内側サポートと、患者の歩行のスイング状態の間、十分な外側サポートとを適切に供給できない。
【0012】
それゆえに、患者の内側足首部分と外側足首部分との両方のためのサポートと、動的な背屈および足底屈サポートと、容易な足指ロールオーバーを可能にする足板と、さらにすぐれた耐久性であり、通常の使用を通して材料破壊のしにくい動的デザインとを供給する短下肢装具が必要とされていることは容易に明らかである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明の主目的は、従来技術に関連する前述の欠点を解消することである。
【0014】
本発明の別の目的は、機能しうる位置に足を維持する間、いっそう自然で、動的な歩行を行うために、動的な足底屈サポートを供給する短下肢装具を提供することである。
【0015】
本発明のさらにもう1つの目的は、軽量で、強くて、耐久性のある矯正器具を維持しながら、下肢の前方部分全体をカバーしない下肢の前方部分を支持するモノリシックフレームを有する、短下肢装具を提供することである。
【0016】
本発明のさらなる目的は、その矯正器具を着けながら歩行するとき、自然な感触をもたらすように、円滑な足指ロールオーバー、あるいは踵打ちつけ位置から足指離れ位置への圧縮力の移行をもたらす短下肢装具を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明の以上および付加的な目的は、硬化構造樹脂が含浸されたファブリックの少なくとも1つの層を含む、構造フレームを有することが好ましい短下肢装具を提供することによって達成される。本発明の一実施形態において、フレームは、モノリシックであり、患者の膝下から患者の下肢の前方全体にわたって下方に延在するように構成されて、必要な大きさに作られ、その長さに沿ってそれらの間に間隙を規定している、2つの前方サポート部材を含む。その前方サポート部材は、患者の内側足首まわりに延在し、患者の足の裏の下の足板に接続する内側部分、あるいは支柱に延び至る前方足首部分を規定しているために、患者の足関節より前に結合する。
【0018】
足板は、踵端部と足指端部との間に、曲線形状と、可変剛性特性とを有する。本発明における足板のデザインは、踵打ちつけ位置から足指離れ位置への円滑な足指ロールオーバー、あるいは圧縮力の移行をもたらし、それによって、患者が矯正器具を着けながらの歩行歩調の間、自然な感触をもたらす。他の領域に対してより高い程度の応力をこうむる矯正器具の領域において、そのような領域は、付加的な強化ファイバで強化された。
【0019】
従来技術の前述の矯正器具とは違って、本発明の矯正器具は、前脛骨筋にほぼ沿って、かつ、内側足首全体にわたって延在するように配列された内側支柱、あるいは部分を含む。足首のために設けられる内側サポートについて、矯正器具は、三点圧力システムをもたらし、2つの圧力点は、靴の外側側面と患者の上方ふくらはぎの外側側面とに位置する。第3の圧力点は、内側支柱に沿って延在し、足が回内するのを防止し、かつ、足首が、足、あるいは足の部分が外転する、あるいは外反位置にあると思われる、固定構造位置を呈することを防止する。
【0020】
本発明のさらなる利点は、以下の詳細な説明と、ここに参照される図面とから当業者には明らかになるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
図1および図2を参照すると、本発明の短下肢装具の好ましい実施形態が示されている。この短下肢装具は、一般に、硬化構造樹脂が含浸されたファブリックの少なくとも1つの層を含むモノリシックフレーム10を備えている。この実施形態において、矯正器具は、患者の下肢11の膝下からその下肢11の前方に沿って下方に延在するように構成されて、必要な必要な大きさに作られ、それによって、下肢11の長さの部分に沿ってそれらの間に間隙を規定している外側前方サポート部材12と内側前方サポート部材14とをそれぞれ有している。外側前方サポート部材12および内側前方サポート部材14は、前方の足首部分16を規定するように、患者の足関節13より前で結合している。この足首部分16は、患者の足首13の内側側面まわりに延在し、患者の足17の裏の下に位置する足板20に接続している内側接続部18に延びていることが好ましい。
【0022】
別の方法として、足首部分は、患者の足首の外側側面まわりに延在し、足板に接続する外側接続部に延び至ることができる、あるいは足首部分は、患者の足首のそれぞれの部分まわりに延在し、足板に接続する外側接続部と内側接続部との組み合せに延び至ることができる。
【0023】
2つの前方サポート部材12、14の構成により、下肢まわりの容易な調節を可能とし、好ましいかみ合いが、患者の好みに従って、2つの前方サポート部材12、14を互いに調節することによって達成される。フレーム10の構成は、さらに、下肢11の上方部分におけるフレーム10の領域にスプリングをもたらす、下肢11の多少の前方への屈曲を可能にし、下肢11と、足板20近くの足首13とへの矯正器具の多少の圧力を和らげる。加えて、フレーム10の構成は、下肢の面まわりに十分な空気循環を可能にする。
【0024】
2つの前方サポート部材12、14は、これらの基端部から足板20までの間隔のほぼ2/3が分岐したままであることが好ましい。それらの前方サポート部材が長くされ、足首部分が短くされるという結果になると、フレームの剛性が増大し、フレームのフレキシビリティが減少し、逆に、それらの前方サポート部材が短くされ、足首部分が細長くなるという結果になると、剛性が減少し、フレキシビリティが増大するということが分かった。より大きい剛性、あるいはフレキシビリティを得るために、好ましい2/3の間隔の長さから前方サポート部材を長くする、あるいは短くすることは、本発明の範囲内にあるということは理解されることである。
【0025】
好ましい実施形態において、前方サポート部材12、14は、同じ剛性を有することができるのに対して、それらの前方サポート部材は、各部材が異なる剛性を有するように構成されることができる。例えば、外側前方部材は、内側前方部材よりも高い剛性であってよく、あるいは内側前方部材は、外側前方部材よりも高い剛性であってもよい。加えて、前方サポート部材の1つは、もう1つの前方サポート部材よりも長くすることができ、あるいは同様に、前方サポート部材の1つは、もう1つの前方サポート部材よりも幅を広く、あるいは厚さを厚くすることができる。前方サポート部材の長さ、幅、あるいは厚さは、患者の特定の必要性に対応するように最も効果的にされることができる。
【0026】
本発明の矯正器具のフレームは、2つの前方サポート部材を有するように説明されてきたが、フレームは、別の方法として、患者の状態に応じて必要なように、単一の前方サポート部材、あるいは2つ以上の前方サポート部材から構成されることができる。
【0027】
本発明の短下肢装具は、患者の下肢にフレームを接続するために、少なくともいくつかの異なる構成で配列されることができる。図1に示される実施形態において、外側前方サポート部材12および内側前方サポート部材14は、下肢11を横方向にわたって延在する横方向フレーム要素40によって接続される。横方向フレーム要素40の外側側面および内側側面に接続されているのは、フレーム10をそれに固定するために下肢11まわりをラップするように構成された固定装置22である。横方向フレーム要素40は、固定装置22がそれと剥離自在に固定されることを可能にするように配列された留め具要素42を含む。通常使用されるボタンおよびボタンホール、スナップ留め具、あるいは他の類似の留め具が、用いられることができるが、横方向フレーム要素40と固定装置22との対向するオーバーラップ側面に取り付けられるマジックテープ(登録商標)式ファブリックの相補的なセクションがより好ましい。
【0028】
横方向フレーム要素は、そのフレームが形成されるときにフレームと一体化されることができる、あるいは別の方法として、フレーム形成後、永久にまたは剥離自在に、フレームに固定されることができる。横方向フレーム要素は、樹脂含浸グラス、カーボン、あるいはアラミドファイバ、ポリエチレン、あるいはポリウレタンなどのポリマー、あるいは当業者に周知の短下肢装具に適するあらゆる他の材料等の構造材料から構成されることができる。その他に、横方向フレーム要素は、構造材料と組み合されようと、単独であろうと、患者にサポートをもたらすように十分に剛性である、テキスタイルとパディングとの組み合せを備えることができる。
【0029】
図2、図3および図4に示される別の実施形態において、固定装置22は、外側前方サポート部材12と内側前方サポート部材14とに接続し、フレームをそれと固定するために下肢11まわりをラップする。図3および図4に示されるように、この実施形態のフレーム10は、前方サポート部材12、14から延在し、一般に、前方サポート部材12、14に対して垂直に方向付けられる上方下肢係合部分55、57を有している。このような上方下肢係合部分55、57は、患者の下肢11の周辺の少なくとも一部分まわりに延在するように構成され、それによって、上述の下肢11にフレーム10を固定するために、下肢に横方向サポートと、十分な表面領域とをもたらす。
【0030】
留め具装置は、下肢まわりをラップし、それに外側前方サポート部材と内側前方サポート部材とを固定するため、テキスタイル、ゴムバンド、あるいは当業者には明らかであるあらゆる他の材料から構成されることができる。その上、留め具装置は、下肢への汗の局部領域の蓄積を減少することができる通気性特性を有する少なくとも1つの材料、あるいは所望の温度に抑え、それによって汗の局部領域を減少するために、エネルギーを蓄えて、放出することが可能な材料から形成されることができる。
【0031】
図5に示されるように、マジックテープ(登録商標)材料のマジックテープ(登録商標)のセグメント53は、それらの上方係合部分55、57において前方サポート部材12、14に固定されることが好ましい。固定装置22は、固定端部59において、上方係合部分55の1つに固定され、マジックテープ(登録商標)のセグメント53に相補的な(登録商標)材料の部分を含むことが好ましい。固定装置22の自由端部61は、マジックテープ(登録商標)のセグメント53と結合するために、患者の下肢まわりに延在するように構成されて、必要な大きさにされる。この特定の実施形態に対する利点は、それが、留め具ストラップ44の容易な調節を可能にし、下肢に対する前方サポート部材12、14の動きを防止することによって、患者の下肢にフレーム10を堅固に固定することである。
【0032】
この特定の実施形態において、マジックテープ(登録商標)のセグメント53は、フレーム10が形成されるとき、前方サポート部材に接着されることは好ましい。例えば、フレームの製造の間に、ポリマーでコーティングされたテキスタイルは、フレームを形成するのに使用されるファイバラミネート全体にわたって引かれ、オートクレーブでそのファイバラミネートと硬化されることができる。小さな切り込みは、固定装置が取り付けられる前方サポート部材の上方係合部分の領域におけるテキスタイルに作られる。マジックテープ(登録商標)のセグメントは、ラミネートの樹脂の硬化の間、その樹脂が切り目を通ってマジックテープ(登録商標)のセグメントに漏れ入り、それによってマジックテープ(登録商標)のセグメントとの付着を形成するように、テキスタイルの切り込み全体にわたって接着される。
【0033】
この特定の実施形態は、それが外観上魅力的であるという点で利点であるのと同時に、それは、さらに、患者の下肢への矯正器具の取り付けを簡素にしている。固定装置と組み合せるマジックテープ(登録商標)のセグメントは、ストラップの自由端部が、様々な位置決めにおいて、ますます増加する調節の可能性を伴い、患者の下肢に着脱自在に取り付けられることを可能にする。
【0034】
図6に示されるさらに別の実施形態において、フレーム10は、患者の上方ふくらはぎ領域まわりをラップし、外側前方サポート部材12および内側前方サポート部材14の1つか、あるいは両方かのいずれかに接続されている少なくとも1つのループ52を延通するように構成されて、必要な大きさに作られる留め具ストラップ44を含む。留め具ストラップ44の両端は、留め具ストラップ44の対向するストラップ端部の対応するものと結合するように構成されている、上述のようなものなどの留め具要素42を含むことができる。留め具ストラップ44は、前方サポート部材12、14の少なくとも1つに固定されることができる、あるいは少なくとも1つのループ52を通って挿入可能な、取り付けられていないルーズなストラップでよい。
【0035】
本発明の矯正器具は、フレームを補強するのに使用されるサポート部材を含むことができる。このような付加的な補強部材は、剥離自在にフレームに固定、あるいはそれと一体化されることができ、下肢の領域への付加的なサポートを選択的にもたらす。
【0036】
図1に示されるように、フレーム10には、足首部分16の基部部分近くの位置からほぼ延在し、患者のふくらはぎ領域まわりをラップする横方向下肢サポート26が設けられることができる。横方向下肢サポート26は、剥離自在にフレーム10に接続、あるいはそれと一体化されることができ、フレーム10の内側部分か、あるいは外側部分のいずれかに取り付けられる、事前含浸したファブリックの付加的な層、成形グラスファイバ、または、再形成可能なプリペグ(prepeg)材料の屈曲可能な層を含む。フレーム10には、横方向下肢サポート26が形成され、そのサポートが、必ずしも必要でないことが分かると、横方向下肢サポートは、矯正器具の当業者に周知の方法でフレームから取り外されることができる。
【0037】
別の方法として、図4に示されるように、本発明は、足首部分16の末端部分近くに位置し、それに横方向に延在する横方向足首サポート24を含むことができる。その横方向足首サポート24は、フレームと一体化されることができる、あるいは上述のものなどの留め具要素42でフレームに剥離自在に固定されることができる。横方向足首サポートは、付加的なサポートをもたらすために、患者の足17全体に延在するように使用されることが可能であり、歩行サイクルのスイング状態の間、回外を防止し、その状態は、下垂足患者として一般に知れわたっている。
【0038】
本発明の短下肢装具は、上述の矯正器具を着ける患者に快適さをもたらすことを目的とする様々な実施形態で構成されることができる。
【0039】
本発明の一実施形態において、前方サポート部材の少なくとも1つは、患者の下肢に面する表面に配置されたパディング機構を含むことができる。このパディング機構は、フレームの局部表面にコーティングされ、予め定められた領域におけるフレーム内に一体化されることができ、あるいは前方サポート部材間に連続的なウェブで延在し、それらの間の間隙をスパンすることができる。そのようなパディング機構は、好ましくは、柔軟で軽量であり、優れた衝撃吸収性をもたらし、皮膚の水疱形成を防止する。パディング機構に使用される好ましい材料は、交差結合から作られるフレキシブルフォーム、クローズドセルフォーム、あるいは非圧縮性シリコンから作られるシリコン層を含む。その上、パディング機構は、前述の材料全体にわたり配置されるテクスタイルカバーを含むことが好ましい。
【0040】
別の実施形態において、前方サポート部材の内側は、その表面に接着されるマジックテープ(登録商標)材料の部分を含むことができる。マジックテープ(登録商標)材料の対応する部分を有するパディング材料は、患者が前方サポート部材へのパディング材料を選択的に除去、あるいは設置することが可能であるように設けられることができる。別の実施形態において、パディング材料は、矯正器具に厳密なかみ合いをもたらすように事前に作られることができ、全体としてフレームの部分と同じプロフィルを有する。パディング材料の構成は、単に前方サポート部材の内側表面に沿って配置されるように限定されるものではないが、さらに、前方サポート部材の外側表面全体にわたり、あるいは矯正器具の周辺全体まわりに延在することもでき、それによって、スリーブ状構造を形成する。
【0041】
矯正器具の別の実施形態において、ウェブは、前方サポート部材間の間隙をスパンするように設けられ、下肢の前方部分全体にわたりシェルを効果的に生成する。このウェブは、前方サポート部材の機能を妨げないようにフレキシブルであるが、下肢に付加的なサポートをもたらすように十分に剛性であることが好ましい。フレキシブルウェブは、ラミネート材料、グラスファイバ織物、ネオプレン、伸縮自在のコットン、ゴム、フォームラバー、ラテックス、シリコン、当業者に周知のあらゆる他の適切なフレキシブル材料およびそれらのあらゆる組み合せでよい。別の方法として、このウェブは、フレキシブルでなくてよく、コットン、キャンバス、ビニル、ナイロン、当業者に周知のあらゆる他の適切なフレキシブル材料およびそれらのあらゆる組み合せからなる群から選択されることができる。そのウェブは、当業者に周知のあらゆる他の様式でフレームに縫い付けられ、織られ、固定され、付着され、あるいは固定されることができる。
【0042】
フレームは、プラスチック樹脂で強化された複数の層のグラスファイバ織物から構成されることが好ましい。グラスファイバ織物は、フレームの特定の位置において、プラスチック樹脂における樹脂含浸カーボン、あるいはアラミドファイバで強化されることができ、それによって、付加的な構造の強さと、可変する程度のフレキシビリティとをもたらす。本発明の一実施形態において、フレームには、前方サポート部材、前方足首部分、内側接続部および足板に沿って、一方向カーボンファイバが強化されている。この実施形態において、一方向カーボンファイバが、ほぼフレームの長手方向の長さに沿って方向付けられることは好ましい。加えて、グラスファイバ織物が、最適な強さとフレキシビリティとをもたらすように、一方向カーボンファイバに対して、ほぼ45度で方向付けられることは、この実施形態において、さらに好ましい。内側接続部および足板が、耐久性のために必要とされる付加的な堅牢性とフレキシビリティとをもたらすように、エポキシマトリクスと事前含浸された複数のアラミドファイバで強化されることはさらに好ましい。
【0043】
フレームの部分は、グラスファイバ織物からもっぱら構成されることができ、このようなファイバの方向付けは、予め定められた方法でもたらされることができる。例えば、前方サポート部材から延在する図5の上方係合部分55、57は、単に、グラスファイバ織物から構成されることが好ましく、そのグラスファイバは、45度で方向付けられ、患者の下肢17まわりに延在するその幅に対して、その倍であることが好ましい。さらに、上方係合部分に使用されるグラスファイバと同じ方向付けが、図1の横方向下肢サポート26にもたらされるのがよい。
【0044】
フレームの特定の領域は、このような領域においてより大きい構造の強さをもたらすために、プラスチック樹脂で強化されたファイバの付加的な層を含むことができることは理解されることである。例えば、フレームの内側部分は、足板と足首部分との間にもっと剛性な接続部をもたらすように、患者が歩行するときそれに施される力に耐えるように、前方サポート部材よりも厚さが厚い。
【0045】
他の構造において、フレームおよび足板は、当業者には明らかであるように、ファイバグラス、シリコン、ポリウレタンコーティングライクラ、ポリウレタンフィルム、アルカンタラ(Alkantara)およびプラスチックカバーテキスタイルなどの他の材料を含むことができる。フレームおよび足板の好ましい材料特性は、患者の足が機能しうる位置にある間、さらに自然で動的な歩行をもたらすために、繰返される曲げ応力の印加時のクラッキングに耐えるための十分な弾力性と、患者によって感じられる性能特性を高めるための十分なフレキシビリティとを所有すべきである。
【0046】
本発明は、ファイバの前述のタイプ、位置および方向付けに限定されるのもではなく、所望のフレキシビリティおよび強さに従って様々な位置における特定のファイバを含む、あるいは省略するように調整されることができることは理解されることである。さらに、本発明のフレームおよび足板は、ポリエチレン、あるいはポリウレタンなどのポリマーから構成されることができ、少なくとも1つの構造材料、あるいは合成物で選択的に強化されることができる。
【0047】
本発明の矯正器具の選択した領域には、円滑な表面仕上をもたらし、ファイバの層間剥離の局部領域を防止するために、ポリウレタンコーティングライクラ、あるいはネオプレンなどのポリマーでコーティングされたテキスタイルがコーティングされることができる。選択した領域は、前方サポート部材、足首前方部分、患者の下肢と接触しない内側部分および足板の外側表面の全ての表面を含むことが好ましい。しかしながら、このコーティングは、記述した選択領域に配置されるように限定されるものではなく、フレームの表面の全てにもたらされることができることは理解されることである。
【0048】
矯正器具のコーティングは、ラミネートファイバレイアップ法の後、フレームがオートクレーブに置かれる前に、フレーム全体にわたりポリマーでコーティングされたテキスタイルを引き伸ばすことによって行われることが好ましい。ラミネートの樹脂が硬化し始めるとき、ファイバは、その上、ポリウレタンコーティングライクラで硬化する。これにより、矯正器具に外観上魅力的な表面をもたらし、矯正器具が層間剥離する場合、ファイバからの破片を防止する。
【0049】
足板20を見ると、図7Aおよび図7Bは、足17の裏にほぼ等しい足指から踵の長さを有することが好ましい足板20を示している。その足板20は、足指端部28と、踵端部32と、それらの間に中間領域30とを含む。足板20は、ほぼ足17の形に従い、中間領域30から踵端部32と足指端部28へ向かって、全体的に減少する先細状厚さを有する曲線形状を規定している。
【0050】
足板20の動作は、歩行歩調の間、足17の4つの位置に関連する。歩行歩調の第1の位置は、踵打ちつけを必然的に伴い、そこで、患者は、誘導する足の踵に体重を移す。足板20のフレキシブルな性質により、患者の体重からの大部分の圧縮応力が、内側接続部18によって補強された足首によって吸収されるにもかかわらず、踵端部32が、その後方部分においてわずかに屈曲することを可能にする。図7Aに示されるように、数値によって明示されるように、踵端部32の相対厚さは、中間部分30に近接する領域においてより大きい。
【0051】
第2の位置は、中間スタンスの間に、あるいは足板20が、ほぼその長さ全体に沿って地面に接触するとき、患者がほぼ偏平足の足のある位置に達するときに生じる。この位置における患者の圧縮加重は、「ロールオーバー」と呼ばれる動きにおいて、踵端部から足指端部に連続してシフトする。図7Aに示されるように、中間領域30は、均一のロールオーバー効果をもたらすために、その長さに沿って一定の厚さを維持する。
【0052】
図7Bは、本発明の別の方法の実施形態を示し、足板20の踵端部32は、中間領域30に対して下方に屈曲している33。下方への屈曲33は、ロールオーバーと踵離れ位置との間、踵端部32に付加的なスプリングと緩衝とをもたらす。下方への屈曲33は、患者が通常の足の剛性に達することができないときに生じる状態であり、かつ、下垂足の代表的な初期症状である、足の状態の「偏平足」の発生を遅らせる。偏平足の発生を遅らせるための別の方法として、足板20には、別の方法として、足板20に屈曲をもたらすのに相反して、可変剛性が設けられることができる。
【0053】
第3の位置は、患者が、「踵離れ」位置における終りのスタンスで、足の母趾球および足指領域を押しやるときに生じる。その結果、足指端部28は、大きな圧縮力を受けやすく、その圧縮応力のかなりを吸収するために、実質的に患者の足と共に屈曲することができる。図7Aおよび図7Bで分かるように、相対厚さは、中間領域30から足指端部28に減少している。踵離れ位置において、足首部分は、患者によって生成される圧縮の大部分を吸収し、足板20および足首部分16は、動的動作を行うように動く。
【0054】
第4の位置において、患者の体重のかなりは、対向する足に移される。この位置において、足指端部28の屈曲は少なく、足首部分16は、わずかに曲がる。この位置は、「足指離れ」位置と呼ばれる。
【0055】
足板20の前述の領域の好ましい厚さは、当業者には明らかなように、患者の状態に従って調整されることができる。それゆえ、図7Aおよび図7Bに示されるような本発明の足板20は、そこに示される相対的な異なる厚さに限定されるものではない。
【0056】
足板は、足からの圧力を分配しながら、患者の歩行に十分な制御をもたらすために、ほぼ足の長さをカバーすべきであるにもかかわらず、足板は、足の裏の中央部分をほぼカバーするように、足の内側側面からオフセットして位置決めされることができる。足板をオフセットすることによって、圧力が、下肢の前方部分および足首から軽減されることが可能である。さらに、足板の内側部分は、足の内側側面に対してそのオフセット位置を達成するために取り外されることができる。加えて、足指端部および踵端部の部分は、靴における足板の、よりぴったりのかみ合いをもたらすのを補助するために、矯正器具の部分への圧力を軽減するために、取り外されることができる。
【0057】
本発明の足板は、その内側部分に対して幅広くした外側部分を有することができ、そのために、足板の外側部分が、内側側面よりも外側側面の患者の靴にいっそう大きく押しつける。足板の幅広くした外側部分は、矯正器具の内側部分が患者の足の舟状骨を悪化させないように設けられる。
【0058】
足板20は、その長さに沿ってファイバ織物プライと組み合せて層にされた一方向ファイバプライを含む。異なる領域28、30、32に沿って供給される一方向ファイバプライとファイバ織物プライとの量は、図7Aおよび図7Bに対して記述される異なる厚さに従って変わる。
【0059】
図8は、本発明の右足の足板の剛性が、右踵打ちつけ(RHS)、左踵打ちつけ(LHS)および右足指離れ(RTO)の間に変わる状態を実証するための、健康な人の歩行の力の分析を示す。実線56は、通常の歩行をする人が、歩行するときフロアに印加する力を表わしている。破線54は、踵端部32から足指端部28への足板の剛性を表わしている。例として、足板が10インチとすれば、RHSは、踵端部32から1.5インチ(約3.81cm)を占めるポイントを表わし、LHSは、踵端部32から7.5インチ(約19.05cm)を占めるポイントを表わしている。RTOは、踵端部32から10インチ(25.4cm)を占めるポイントを表わすということが分かる。
【0060】
図9は、足板20のファイバ織物プライに対する一方向ファイバプライの数を示す概略図である。足板20の内側側面38では、図9は、領域28、30、32に沿って位置決めされる一方向ファイバプライの予め定められた数を示している。足板20の外側側面36では、図9は、足板20の領域28、30、32に沿って位置決めされる一方向ファイバプライとファイバ織物プライとの組み合された合計を示している。
【0061】
図10は、患者の足の足跡60に対する足板20の長さに沿う一方向ファイバの方向52を概略的に示している。このファイバは、地面と足との間の反作用の力の動きと、患者が歩行するときに足板20に生じる張力との方向である方向52に、ほぼ位置決めされる。反作用の力の方向に一方向ファイバを位置決めすることによって、足の回転の動きは、矯正器具を着けながら、患者が歩行するとき最小にされる。
【0062】
図11に示されるように、足板20の一方向ファイバ46は、内側接続部18から延在するファイバ44の層が、足板20のファイバ46を交互に重ねるように、足板20の長さに沿って一方向に配列される。その一方向ファイバ44は、それらが足板20に達すると方向を変更し、方向52に延在する。内側接続ファイバ44と一方向ファイバ46との間の中間面は、内側接続部18と足板20との間の矯正器具を強くするように、内側接続部18と、矯正器具の破砕の一般的な領域である足板20との間のポイント48における矯正器具20の材料破壊の恐れを減少するように、もたらされる。
【0063】
足板自体における層の数を変えることと組み合わせて、足板への内側接続部の層の数を変えることによって、各患者によりよく合うように矯正器具の剛性を変えることが可能である。適切な剛性は、フットスラップ(下垂足)を防止するために、踵打ちつけ直後、足底屈の割合を制御することは重要である。上述のように、下垂足を有する患者は、足の背屈筋の部分的、あるいは全体的な機能的な障害を有し、それにより、患者が踵の打ちつけにおいてかれの足を叩きつけ、歩行サイクルのスイング状態の間、かれの足指を地面に打ちつけるという結果になる。歩行のこれら2つの段階において必要とされる背屈筋のモーメントは、スイングの間に足を持ち上げるのに必要とされるモーメントが、足における質量の中心から足首の回転アームに、てこの作用の短いアームによって増加される足の重力だけであるので、かなり異なる。これに反して、踵打ちつけ直後、足底屈の間に必要とされるモーメントは、患者が踵を地面に置くときに、患者が足にかれの体重をシフトする故に、加重が要因の役割を果たすことになるのでかなり高い。
【0064】
内側部分18から延在するファイバ44は、足板20における空洞を防止するために、歩行歩調の間、足板20への応力を減少するために、足板20に沿って独立した層に置かれる。足板の同じ2つの層の中間に内側部分からの全ての層を置くことによって、足板における1つの領域だけにきわめて高い応力が結果として生じることに留意されたい。それゆえ、内側部分から延在する全ての層が大きいので、多量の空洞があり、層間の空洞を取り除くことは難しいという結果になる。内側部分から足板にファイバの2−4層だけを置くことによって、その場合、そのような層全体にわたり足板の1つの層を置くことによって、そのレイアップ法が完了されるまでこのシーケンスを繰返すことによって、空洞の存在を大いに減少し、足板層を有する内側部分からのファイバに対する圧力の領域を増大するということが分かった。
【0065】
製造の間、真空状態は、ファイバ層44、46のラミネーションにおける空気を減少するために、少なくとも1つの段階において足板20と内側部分18との間の接続部に適用される。矯正器具の耐久性が、ファイバの層間における空洞の増大とともに著しく減少することが分かったので、空洞が取り除かれる、あるいは最小に保持されることは、本発明には重要である。
【0066】
アラミドファイバは、そのフレキシビリティと堅牢性とを増大するために、材料破壊の恐れを減少するために、足板20のファイバ層46と一体化されることができる。アラミドファイバは、さらに、足板20が粉砕する場合、ファイバ層44の層間剥離の防止に役立つので有用である。アラミドファイバが、足板20に接続する内側接続部18の下方部分に使用されることが構想されるとき、アラミドファイバは、当業者が、そのフレキシビリティと堅牢性とを増大するのに必要と思われる場合必ず、矯正器具の隅から隅まで一体化されることができる。
【0067】
アラミドファイバは、一方向アラミドファイバが内側部分18から足板20に方向を変える、内側部分18と足板20との間の接続部において一体化されることが好ましい。患者の歩行のサイクルが踵打ちつけに達するとき、矯正器具に印加される力は、足板の内側に集中される。それゆえに、矯正器具の故障を防止するために、アラミドファイバで足板の内側部分を強化することが好ましい。
【0068】
本発明のフレームの別の実施形態において、ファイバは、フレームの予め選択された位置に、三次元ファイバレイアップ法構造で位置決めされることができる。1つの方向にファイバを簡単に置くことに相反して、複数のファイバが、三次元構造を生成するために、一方向ファイバとは異なる方向付けにもたらされ、位置決めされることができる。循環負荷によって、一方向ファイバの樹脂にマイクロクラックが生成され、それは、ゆっくり時間をかけて広がり、一方向ファイバの層の層間剥離を生じることが分かった。ファイバをレイアップするのに三次元アプローチを使用することによって、一方向ファイバの層の層間剥離は、一方向ファイバとは異なる方向に方向付けられる複数のファイバが互いに一方向ファイバを結び付けるので、緩和される。
【0069】
1つの好ましい方法において、三次元ファイバレイアップ法構造は、一方向ファイバの方向に平行でなく斜めに延在するファイバを、一方向ファイバ層の間に置くステップを含む。例えば、一方向ファイバ層は、第1の平面に沿ってほぼ延在するのに対して、第2の平面に沿ってほぼ延在する複数のファイバは、第1の平面に沿って延在する一方向ファイバとの間に置かれることができる。その上、内側接続部と足板との間の接続部において、内側接続部から足板に延在するファイバの層が、足板の一方向ファイバに平行でない方向付けで、第1の平面に沿ってあらゆる方向に延在するように考慮される。第2の平面に延在する複数のファイバは、内側接続部および足板から延在するファイバの層との両方を通って間に置かれることができる。間に置かれたファイバは、一方向ファイバと平行でないあらゆる角度で延在することが可能であるのに対して、このファイバは、構造の最適な強さのために、一方向ファイバに直交して延在することが好ましい。
【0070】
図12および図13に示されるように、三次元ファイバ構造を形成する別の方法が採用されることができ、複数のファイバの少なくとも1つの層を含む少なくとも強化材62は、破壊の影響を受けやすい内側部分18と足板20の領域を強化するように設けられることができる。強化材62は、足板と内側接続部との一方向ファイバに平行でなく角度をなして、足板20のまわりに、かつ全体にわたって延在するように位置決めされることができる。ラミネート層の初期レイアップが完了後、強化材62は、層間剥離が生じることがある領域における矯正器具まわりにラップ、あるいは位置決めされる。
【0071】
この特定の三次元構造において、強化材62の少なくとも一部分は、足板20の一方向ファイバの平面に直交する平面にほぼ沿って延在するファイバを含む。これは、強化材が、内側接続部18および足板20の周辺まわりをラップする領域に少なくとも沿って生じる。その上、強化材62の部分が足板20と内側部分18との一方向ファイバの平面にほぼ沿って延在する領域において、強化材62の上述の部分は、上述の足板20と内側部分18とのラミネート層に付加的な強化をもたらす。
【0072】
本発明は、三次元ファイバ構造を有する強化領域を持つ内側部分および足板に限定されるものではなく、当業者は、必要と思われる前述の三次元ファイバ接続部を有する強化領域を有する矯正器具を供給することができることは理解されることである。
【0073】
本発明の矯正器具は、ぴったりのかみ合いの矯正器具を形成するために、患者の下肢と足の上で直接成形されるように配列されることが可能である。本発明の矯正器具は、広範囲にわたる寸法の可変によって、ぴったりのかみ合いと調節とを可能にするが、その矯正器具が、異なるサイズおよびプロフィル内にいる幅広い人々に合わせたかみ合いに装置を調整することを可能にするために、サイズの範囲内で本発明を提供することは好ましい。
【0074】
別の方法として、本発明の矯正器具は、様々な構造、剛性およびサイズを有する様々な異なる足板、前方サポート部材、内側部分および足首部分の間で組み立てられることが可能である。さらに、足板および内側部分は、患者の下肢および足にあつらえて形成されることが可能であり、残りのコンポーネントは、本発明の矯正器具を形成するために、前もって形成され、あつらえて形成した足板および内側部分に接続されたことが可能である。
【0075】
本発明の上記に説明した実施形態は、本質的に説明のためのものであることと、その変更が当業者によって行われることができることは、理解されるであろう。ゆえに、本発明は、ここに開示される実施形態に限定されると考慮されるものではなく、添付の特許請求の範囲に定義されるようにのみ限定されるものである。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】本発明の矯正器具の一実施形態の斜視図である。
【図2】患者の右下肢についての本発明の矯正器具の一実施形態の斜視図である。
【図3】患者の右下肢についての矯正器具の別の実施形態の側面図である。
【図4】患者の右下肢についての矯正器具の別の側面図である。
【図5】好ましいストラップ装置を有する矯正器具の斜視図である。
【図6】別の好ましいストラップ装置を有する矯正器具の斜視図である。
【図7A】異なる相対厚さを有する可変領域を示す、本発明の足板の一実施形態の平面図である。
【図7B】図7Aの足板の側面図である。
【図8】足板の剛性と、通常の歩行用歩行をする人によって用いられる力との間の関係を示すグラフである。
【図9】足板のファイバ層と、一方向ファイバ層の量間の比較を示す本発明の足板の概略図である。
【図10】足板に沿って位置決めされる一方向ファイバの方向を示す概略図である。
【図11】内側接続部から足板に延在するファイバを示す概略図である。
【図12】本発明の矯正器具の補強領域の構成を示す概略図である。
【図13】本発明の矯正器具の補強領域の構成を示す概略図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、下肢の動きを制限するのに利用される矯正器具に関する。特に、本発明は、足首および足の動きを安定させ、制御する短下肢装具に関する。
【背景技術】
【0002】
短下肢装具は、麻痺性で抗しがたい足首および足の筋肉を抑圧し、足首および足の弱い麻痺した筋肉を補助し、かつ、足首および足の変形を防止あるいは補正することによって、足首および足を支持して、整列調節するのに使用される医療用具である。
【0003】
短下肢装具は、人が「下垂足」として一般的に知られている歩行状態を有するとき、足首および足の機能を補助するのに特に役に立つ。下垂足は、神経筋状態であり、人が、歩行歩調の間、自分の足の1本を十分に持ち上げることができないという結果になる。下垂足は、脳血管障害、脊髄損傷、遺伝性および感覚性末梢神経障害、神経筋病、あるいは足に関連する神経筋システムの筋肉を活性化するのに必要とされる筋肉および神経へのあらゆる損傷から、結果として生じる。
【0004】
下垂足に基づく2つのよく見られる合併症がある。第1に、それらの人は、自分の踵を打ちつけ後、足の落下を制御することができない。結果として、この足は、ステップ毎に地面を叩くことになり、これは、一般にスラップフット(下垂足)と呼ばれる。これは一般に、下肢の前部の膝下に位置し、下肢とほぼ整列調節された位置から、背屈として知られる下肢にほぼ直交する位置に足を持ち上げるのに使用される患者の背屈筋の筋肉の機能的な障害によるものである。背屈筋の機能的な障害は、したがって、下肢にほぼ直交する位置から、下肢にほぼ平行な位置に足を延ばす作用である、過度の足底屈という結果になる。第2の合併症は、歩行サイクルのスイング状態の間、足指を触れずに通過することができないことである。これにより、それらの人に、スイング状態の間中、地面上に足指を引きずらさせる。ゆえに、短下肢装具は、歩行サイクルの間、踵打ちつけおよびスイング状態において足底屈を阻止することによって、背屈筋の弱点を補正するように処方されることが可能である。
【0005】
一般に、下垂足を有する人は、前脛骨筋に有るか無しかの機能を有するだけである。その前脛骨筋は、脛骨の外側顆に始まり、脛骨の外側側面に沿って延在し、第1の中足骨と内側楔状骨とを接続するために、足首の内側側面に対してこれらの末端部分近くの脛骨と交差する。前脛骨筋の適切な機能は、背屈を可能にし、回外した位置に足首における足を反転させる。前脛骨筋は、さらに、内側楔状骨への接続のために、足の内側弓を支持する。
【0006】
前脛骨筋の機能を失った人は、歩行サイクルのスタンス状態の間、足を回内し、歩行のサイクルのスイング状態の間、足を回外することが多い。その上、特に、足の内側弓における前脛骨筋の機能的な障害のために、足首は一般に、外転され、回内される。
【0007】
長年の間にわたり、下垂足を補正し、患者が比較的通常の方法で歩行し、機能することを可能にするために、短下肢装具を提供する努力が行われてきた。従来技術の短下肢装具の1つのタイプは、アキレス腱の後に延在し、足の裏にかける足板と併合する、金属、あるいはプラスチックの背面の副子を備えている。この短下肢装具は、膝下位置の下肢まわりに延在する少なくとも1つのストラップを有する。この短下肢装具は、この矯正器具が下肢の背面部分に沿って延在し、きわめて不自然な歩行を生成するように関節に不利な影響を与えるという点で不都合である。この矯正器具に対する別の不利な点は、ふくらはぎおよびアキレス腱が、その矯正器具を着ける患者に痛みと不快感とを引き起こすことがある耐えがたい応力をこうむることである。さらにほかに、この矯正器具は、矯正器具が踵の後に単に位置決めされるだけであり、その結果、円滑な踵打ちつけをもたらさないので、歩行サイクルの間、患者の下肢に好ましくない影響を生じる。
【0008】
従来技術の短下肢装具の別のタイプは、Otto Bockによって製造され、「Walk On」という商標のもとに販売されている。この短下肢装具は、足底屈および背屈にだけでなく多少の環状平面制御にも適度の抵抗をもたらすために、カーボンファイバ強化材料から作られている。この矯正器具の構造は、内側踝まわりに延在し、後方ふくらはぎ領域を延び上がる小さいカーボンファイバスプリングによって、半月に接続する足板を含み、さらにまた、この矯正器具を下肢に固定するストラップを含む。この足板は、踵打ちつけにおける圧縮と、中間スタンスから足指離れへのエネルギーリターンと、踵打ちつけから中間スタンスへの増大した剛性と中間スタンスからの減少した剛性とを含むことによる、容易な足指ロールオーバーとをもたらす。このデザインは、それが内側踝まわりに延在するので着けられるときあまり目立たず、カーボンファイバ強化材料は、対磨耗性である。さらに、このデザインは、それが、足の内側側面全体にわたって延在し、その結果、より円滑な踵打ちつけに役立つ踵部分と足指部分とをこの矯正器具に供給するという点で、従来のプラスチックの後方デザインを越える利点を有する。これに反して、この矯正器具に対する不利な点は、それが、適切な前方サポートを欠き、足首と足の後部を補強するだけであるので、かなりの程度の足底屈を可能にすることである。その上、このデザインは、あらゆる外側サポートをもたらさず、その結果、人々が高くて強い靴を履かなければ、足の反転が防止されない。
【0009】
短下肢装具の別の変形において、米国特許第5,897,515号は、下肢の前方部分および外側足首全体にわたって延在し、さらに、足板に接続するために、足の裏の部分の下に延在するフレキシブル材料のフレームを含む、短下肢装具を開示している。この矯正器具は、フレームの前方部分の狭い部分全体にわたって延在する少なくとも1つの実質的に曲がらない補強要素を必要とする。実際には、下肢をカバーする前方シェルは、下肢の前方部分に沿ってカバーされる領域の量のために患者に不快感を生じることがあり、それによって、過度に汗の出る領域、歩行のときに脛骨領域に用いられる好ましくない量の圧力という結果になるということが分かった。さらに、この矯正器具は、その矯正器具が、前方足首全体にわたって延在し、足板に接続する領域において特に、破壊問題をこうむるということが分かった。
【0010】
米国特許第5,897,515号の矯正器具におけるように、脛骨の外側部分全体にわたって延在する支柱を含む矯正器具において、患者は、かれらの歩行のスイング状態の間、適切なサポートを有することができるが、かれらの歩行のスタンス状態の間、足の外転を防止するために十分なサポートを有さない。スタンス状態の間のサポートの欠如は、前脛骨筋の長さを支持するために、ある程度、足の内側弓へのサポートの欠如と、外側支柱の全体にわたる破損のためである。外側に延在する支柱を有する多数の従来の短下肢装具は、患者に、背屈のために多くの制御をもたらし、過度の足底屈を抑制することができるのに対して、したがって、これらの矯正器具は、適切なサポートを足の内側弓にもたらすことができないということがわかった。その結果、これらの従来の矯正器具を着ける患者は、足を反転する能力が増大されなかったので、かれらの足が回内するのを防止するような十分な力を有さない。その上、外側支柱だけを有する矯正器具は十分な外反制御をもたらさず、それによって、不十分に足首を安定し、適切な足首関節を可能にすることができない。
【0011】
前述の矯正器具の全ての場合、それぞれは、ある程度、患者の歩行のスタンス状態の間、十分な内側サポートと、患者の歩行のスイング状態の間、十分な外側サポートとを適切に供給できない。
【0012】
それゆえに、患者の内側足首部分と外側足首部分との両方のためのサポートと、動的な背屈および足底屈サポートと、容易な足指ロールオーバーを可能にする足板と、さらにすぐれた耐久性であり、通常の使用を通して材料破壊のしにくい動的デザインとを供給する短下肢装具が必要とされていることは容易に明らかである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明の主目的は、従来技術に関連する前述の欠点を解消することである。
【0014】
本発明の別の目的は、機能しうる位置に足を維持する間、いっそう自然で、動的な歩行を行うために、動的な足底屈サポートを供給する短下肢装具を提供することである。
【0015】
本発明のさらにもう1つの目的は、軽量で、強くて、耐久性のある矯正器具を維持しながら、下肢の前方部分全体をカバーしない下肢の前方部分を支持するモノリシックフレームを有する、短下肢装具を提供することである。
【0016】
本発明のさらなる目的は、その矯正器具を着けながら歩行するとき、自然な感触をもたらすように、円滑な足指ロールオーバー、あるいは踵打ちつけ位置から足指離れ位置への圧縮力の移行をもたらす短下肢装具を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明の以上および付加的な目的は、硬化構造樹脂が含浸されたファブリックの少なくとも1つの層を含む、構造フレームを有することが好ましい短下肢装具を提供することによって達成される。本発明の一実施形態において、フレームは、モノリシックであり、患者の膝下から患者の下肢の前方全体にわたって下方に延在するように構成されて、必要な大きさに作られ、その長さに沿ってそれらの間に間隙を規定している、2つの前方サポート部材を含む。その前方サポート部材は、患者の内側足首まわりに延在し、患者の足の裏の下の足板に接続する内側部分、あるいは支柱に延び至る前方足首部分を規定しているために、患者の足関節より前に結合する。
【0018】
足板は、踵端部と足指端部との間に、曲線形状と、可変剛性特性とを有する。本発明における足板のデザインは、踵打ちつけ位置から足指離れ位置への円滑な足指ロールオーバー、あるいは圧縮力の移行をもたらし、それによって、患者が矯正器具を着けながらの歩行歩調の間、自然な感触をもたらす。他の領域に対してより高い程度の応力をこうむる矯正器具の領域において、そのような領域は、付加的な強化ファイバで強化された。
【0019】
従来技術の前述の矯正器具とは違って、本発明の矯正器具は、前脛骨筋にほぼ沿って、かつ、内側足首全体にわたって延在するように配列された内側支柱、あるいは部分を含む。足首のために設けられる内側サポートについて、矯正器具は、三点圧力システムをもたらし、2つの圧力点は、靴の外側側面と患者の上方ふくらはぎの外側側面とに位置する。第3の圧力点は、内側支柱に沿って延在し、足が回内するのを防止し、かつ、足首が、足、あるいは足の部分が外転する、あるいは外反位置にあると思われる、固定構造位置を呈することを防止する。
【0020】
本発明のさらなる利点は、以下の詳細な説明と、ここに参照される図面とから当業者には明らかになるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
図1および図2を参照すると、本発明の短下肢装具の好ましい実施形態が示されている。この短下肢装具は、一般に、硬化構造樹脂が含浸されたファブリックの少なくとも1つの層を含むモノリシックフレーム10を備えている。この実施形態において、矯正器具は、患者の下肢11の膝下からその下肢11の前方に沿って下方に延在するように構成されて、必要な必要な大きさに作られ、それによって、下肢11の長さの部分に沿ってそれらの間に間隙を規定している外側前方サポート部材12と内側前方サポート部材14とをそれぞれ有している。外側前方サポート部材12および内側前方サポート部材14は、前方の足首部分16を規定するように、患者の足関節13より前で結合している。この足首部分16は、患者の足首13の内側側面まわりに延在し、患者の足17の裏の下に位置する足板20に接続している内側接続部18に延びていることが好ましい。
【0022】
別の方法として、足首部分は、患者の足首の外側側面まわりに延在し、足板に接続する外側接続部に延び至ることができる、あるいは足首部分は、患者の足首のそれぞれの部分まわりに延在し、足板に接続する外側接続部と内側接続部との組み合せに延び至ることができる。
【0023】
2つの前方サポート部材12、14の構成により、下肢まわりの容易な調節を可能とし、好ましいかみ合いが、患者の好みに従って、2つの前方サポート部材12、14を互いに調節することによって達成される。フレーム10の構成は、さらに、下肢11の上方部分におけるフレーム10の領域にスプリングをもたらす、下肢11の多少の前方への屈曲を可能にし、下肢11と、足板20近くの足首13とへの矯正器具の多少の圧力を和らげる。加えて、フレーム10の構成は、下肢の面まわりに十分な空気循環を可能にする。
【0024】
2つの前方サポート部材12、14は、これらの基端部から足板20までの間隔のほぼ2/3が分岐したままであることが好ましい。それらの前方サポート部材が長くされ、足首部分が短くされるという結果になると、フレームの剛性が増大し、フレームのフレキシビリティが減少し、逆に、それらの前方サポート部材が短くされ、足首部分が細長くなるという結果になると、剛性が減少し、フレキシビリティが増大するということが分かった。より大きい剛性、あるいはフレキシビリティを得るために、好ましい2/3の間隔の長さから前方サポート部材を長くする、あるいは短くすることは、本発明の範囲内にあるということは理解されることである。
【0025】
好ましい実施形態において、前方サポート部材12、14は、同じ剛性を有することができるのに対して、それらの前方サポート部材は、各部材が異なる剛性を有するように構成されることができる。例えば、外側前方部材は、内側前方部材よりも高い剛性であってよく、あるいは内側前方部材は、外側前方部材よりも高い剛性であってもよい。加えて、前方サポート部材の1つは、もう1つの前方サポート部材よりも長くすることができ、あるいは同様に、前方サポート部材の1つは、もう1つの前方サポート部材よりも幅を広く、あるいは厚さを厚くすることができる。前方サポート部材の長さ、幅、あるいは厚さは、患者の特定の必要性に対応するように最も効果的にされることができる。
【0026】
本発明の矯正器具のフレームは、2つの前方サポート部材を有するように説明されてきたが、フレームは、別の方法として、患者の状態に応じて必要なように、単一の前方サポート部材、あるいは2つ以上の前方サポート部材から構成されることができる。
【0027】
本発明の短下肢装具は、患者の下肢にフレームを接続するために、少なくともいくつかの異なる構成で配列されることができる。図1に示される実施形態において、外側前方サポート部材12および内側前方サポート部材14は、下肢11を横方向にわたって延在する横方向フレーム要素40によって接続される。横方向フレーム要素40の外側側面および内側側面に接続されているのは、フレーム10をそれに固定するために下肢11まわりをラップするように構成された固定装置22である。横方向フレーム要素40は、固定装置22がそれと剥離自在に固定されることを可能にするように配列された留め具要素42を含む。通常使用されるボタンおよびボタンホール、スナップ留め具、あるいは他の類似の留め具が、用いられることができるが、横方向フレーム要素40と固定装置22との対向するオーバーラップ側面に取り付けられるマジックテープ(登録商標)式ファブリックの相補的なセクションがより好ましい。
【0028】
横方向フレーム要素は、そのフレームが形成されるときにフレームと一体化されることができる、あるいは別の方法として、フレーム形成後、永久にまたは剥離自在に、フレームに固定されることができる。横方向フレーム要素は、樹脂含浸グラス、カーボン、あるいはアラミドファイバ、ポリエチレン、あるいはポリウレタンなどのポリマー、あるいは当業者に周知の短下肢装具に適するあらゆる他の材料等の構造材料から構成されることができる。その他に、横方向フレーム要素は、構造材料と組み合されようと、単独であろうと、患者にサポートをもたらすように十分に剛性である、テキスタイルとパディングとの組み合せを備えることができる。
【0029】
図2、図3および図4に示される別の実施形態において、固定装置22は、外側前方サポート部材12と内側前方サポート部材14とに接続し、フレームをそれと固定するために下肢11まわりをラップする。図3および図4に示されるように、この実施形態のフレーム10は、前方サポート部材12、14から延在し、一般に、前方サポート部材12、14に対して垂直に方向付けられる上方下肢係合部分55、57を有している。このような上方下肢係合部分55、57は、患者の下肢11の周辺の少なくとも一部分まわりに延在するように構成され、それによって、上述の下肢11にフレーム10を固定するために、下肢に横方向サポートと、十分な表面領域とをもたらす。
【0030】
留め具装置は、下肢まわりをラップし、それに外側前方サポート部材と内側前方サポート部材とを固定するため、テキスタイル、ゴムバンド、あるいは当業者には明らかであるあらゆる他の材料から構成されることができる。その上、留め具装置は、下肢への汗の局部領域の蓄積を減少することができる通気性特性を有する少なくとも1つの材料、あるいは所望の温度に抑え、それによって汗の局部領域を減少するために、エネルギーを蓄えて、放出することが可能な材料から形成されることができる。
【0031】
図5に示されるように、マジックテープ(登録商標)材料のマジックテープ(登録商標)のセグメント53は、それらの上方係合部分55、57において前方サポート部材12、14に固定されることが好ましい。固定装置22は、固定端部59において、上方係合部分55の1つに固定され、マジックテープ(登録商標)のセグメント53に相補的な(登録商標)材料の部分を含むことが好ましい。固定装置22の自由端部61は、マジックテープ(登録商標)のセグメント53と結合するために、患者の下肢まわりに延在するように構成されて、必要な大きさにされる。この特定の実施形態に対する利点は、それが、留め具ストラップ44の容易な調節を可能にし、下肢に対する前方サポート部材12、14の動きを防止することによって、患者の下肢にフレーム10を堅固に固定することである。
【0032】
この特定の実施形態において、マジックテープ(登録商標)のセグメント53は、フレーム10が形成されるとき、前方サポート部材に接着されることは好ましい。例えば、フレームの製造の間に、ポリマーでコーティングされたテキスタイルは、フレームを形成するのに使用されるファイバラミネート全体にわたって引かれ、オートクレーブでそのファイバラミネートと硬化されることができる。小さな切り込みは、固定装置が取り付けられる前方サポート部材の上方係合部分の領域におけるテキスタイルに作られる。マジックテープ(登録商標)のセグメントは、ラミネートの樹脂の硬化の間、その樹脂が切り目を通ってマジックテープ(登録商標)のセグメントに漏れ入り、それによってマジックテープ(登録商標)のセグメントとの付着を形成するように、テキスタイルの切り込み全体にわたって接着される。
【0033】
この特定の実施形態は、それが外観上魅力的であるという点で利点であるのと同時に、それは、さらに、患者の下肢への矯正器具の取り付けを簡素にしている。固定装置と組み合せるマジックテープ(登録商標)のセグメントは、ストラップの自由端部が、様々な位置決めにおいて、ますます増加する調節の可能性を伴い、患者の下肢に着脱自在に取り付けられることを可能にする。
【0034】
図6に示されるさらに別の実施形態において、フレーム10は、患者の上方ふくらはぎ領域まわりをラップし、外側前方サポート部材12および内側前方サポート部材14の1つか、あるいは両方かのいずれかに接続されている少なくとも1つのループ52を延通するように構成されて、必要な大きさに作られる留め具ストラップ44を含む。留め具ストラップ44の両端は、留め具ストラップ44の対向するストラップ端部の対応するものと結合するように構成されている、上述のようなものなどの留め具要素42を含むことができる。留め具ストラップ44は、前方サポート部材12、14の少なくとも1つに固定されることができる、あるいは少なくとも1つのループ52を通って挿入可能な、取り付けられていないルーズなストラップでよい。
【0035】
本発明の矯正器具は、フレームを補強するのに使用されるサポート部材を含むことができる。このような付加的な補強部材は、剥離自在にフレームに固定、あるいはそれと一体化されることができ、下肢の領域への付加的なサポートを選択的にもたらす。
【0036】
図1に示されるように、フレーム10には、足首部分16の基部部分近くの位置からほぼ延在し、患者のふくらはぎ領域まわりをラップする横方向下肢サポート26が設けられることができる。横方向下肢サポート26は、剥離自在にフレーム10に接続、あるいはそれと一体化されることができ、フレーム10の内側部分か、あるいは外側部分のいずれかに取り付けられる、事前含浸したファブリックの付加的な層、成形グラスファイバ、または、再形成可能なプリペグ(prepeg)材料の屈曲可能な層を含む。フレーム10には、横方向下肢サポート26が形成され、そのサポートが、必ずしも必要でないことが分かると、横方向下肢サポートは、矯正器具の当業者に周知の方法でフレームから取り外されることができる。
【0037】
別の方法として、図4に示されるように、本発明は、足首部分16の末端部分近くに位置し、それに横方向に延在する横方向足首サポート24を含むことができる。その横方向足首サポート24は、フレームと一体化されることができる、あるいは上述のものなどの留め具要素42でフレームに剥離自在に固定されることができる。横方向足首サポートは、付加的なサポートをもたらすために、患者の足17全体に延在するように使用されることが可能であり、歩行サイクルのスイング状態の間、回外を防止し、その状態は、下垂足患者として一般に知れわたっている。
【0038】
本発明の短下肢装具は、上述の矯正器具を着ける患者に快適さをもたらすことを目的とする様々な実施形態で構成されることができる。
【0039】
本発明の一実施形態において、前方サポート部材の少なくとも1つは、患者の下肢に面する表面に配置されたパディング機構を含むことができる。このパディング機構は、フレームの局部表面にコーティングされ、予め定められた領域におけるフレーム内に一体化されることができ、あるいは前方サポート部材間に連続的なウェブで延在し、それらの間の間隙をスパンすることができる。そのようなパディング機構は、好ましくは、柔軟で軽量であり、優れた衝撃吸収性をもたらし、皮膚の水疱形成を防止する。パディング機構に使用される好ましい材料は、交差結合から作られるフレキシブルフォーム、クローズドセルフォーム、あるいは非圧縮性シリコンから作られるシリコン層を含む。その上、パディング機構は、前述の材料全体にわたり配置されるテクスタイルカバーを含むことが好ましい。
【0040】
別の実施形態において、前方サポート部材の内側は、その表面に接着されるマジックテープ(登録商標)材料の部分を含むことができる。マジックテープ(登録商標)材料の対応する部分を有するパディング材料は、患者が前方サポート部材へのパディング材料を選択的に除去、あるいは設置することが可能であるように設けられることができる。別の実施形態において、パディング材料は、矯正器具に厳密なかみ合いをもたらすように事前に作られることができ、全体としてフレームの部分と同じプロフィルを有する。パディング材料の構成は、単に前方サポート部材の内側表面に沿って配置されるように限定されるものではないが、さらに、前方サポート部材の外側表面全体にわたり、あるいは矯正器具の周辺全体まわりに延在することもでき、それによって、スリーブ状構造を形成する。
【0041】
矯正器具の別の実施形態において、ウェブは、前方サポート部材間の間隙をスパンするように設けられ、下肢の前方部分全体にわたりシェルを効果的に生成する。このウェブは、前方サポート部材の機能を妨げないようにフレキシブルであるが、下肢に付加的なサポートをもたらすように十分に剛性であることが好ましい。フレキシブルウェブは、ラミネート材料、グラスファイバ織物、ネオプレン、伸縮自在のコットン、ゴム、フォームラバー、ラテックス、シリコン、当業者に周知のあらゆる他の適切なフレキシブル材料およびそれらのあらゆる組み合せでよい。別の方法として、このウェブは、フレキシブルでなくてよく、コットン、キャンバス、ビニル、ナイロン、当業者に周知のあらゆる他の適切なフレキシブル材料およびそれらのあらゆる組み合せからなる群から選択されることができる。そのウェブは、当業者に周知のあらゆる他の様式でフレームに縫い付けられ、織られ、固定され、付着され、あるいは固定されることができる。
【0042】
フレームは、プラスチック樹脂で強化された複数の層のグラスファイバ織物から構成されることが好ましい。グラスファイバ織物は、フレームの特定の位置において、プラスチック樹脂における樹脂含浸カーボン、あるいはアラミドファイバで強化されることができ、それによって、付加的な構造の強さと、可変する程度のフレキシビリティとをもたらす。本発明の一実施形態において、フレームには、前方サポート部材、前方足首部分、内側接続部および足板に沿って、一方向カーボンファイバが強化されている。この実施形態において、一方向カーボンファイバが、ほぼフレームの長手方向の長さに沿って方向付けられることは好ましい。加えて、グラスファイバ織物が、最適な強さとフレキシビリティとをもたらすように、一方向カーボンファイバに対して、ほぼ45度で方向付けられることは、この実施形態において、さらに好ましい。内側接続部および足板が、耐久性のために必要とされる付加的な堅牢性とフレキシビリティとをもたらすように、エポキシマトリクスと事前含浸された複数のアラミドファイバで強化されることはさらに好ましい。
【0043】
フレームの部分は、グラスファイバ織物からもっぱら構成されることができ、このようなファイバの方向付けは、予め定められた方法でもたらされることができる。例えば、前方サポート部材から延在する図5の上方係合部分55、57は、単に、グラスファイバ織物から構成されることが好ましく、そのグラスファイバは、45度で方向付けられ、患者の下肢17まわりに延在するその幅に対して、その倍であることが好ましい。さらに、上方係合部分に使用されるグラスファイバと同じ方向付けが、図1の横方向下肢サポート26にもたらされるのがよい。
【0044】
フレームの特定の領域は、このような領域においてより大きい構造の強さをもたらすために、プラスチック樹脂で強化されたファイバの付加的な層を含むことができることは理解されることである。例えば、フレームの内側部分は、足板と足首部分との間にもっと剛性な接続部をもたらすように、患者が歩行するときそれに施される力に耐えるように、前方サポート部材よりも厚さが厚い。
【0045】
他の構造において、フレームおよび足板は、当業者には明らかであるように、ファイバグラス、シリコン、ポリウレタンコーティングライクラ、ポリウレタンフィルム、アルカンタラ(Alkantara)およびプラスチックカバーテキスタイルなどの他の材料を含むことができる。フレームおよび足板の好ましい材料特性は、患者の足が機能しうる位置にある間、さらに自然で動的な歩行をもたらすために、繰返される曲げ応力の印加時のクラッキングに耐えるための十分な弾力性と、患者によって感じられる性能特性を高めるための十分なフレキシビリティとを所有すべきである。
【0046】
本発明は、ファイバの前述のタイプ、位置および方向付けに限定されるのもではなく、所望のフレキシビリティおよび強さに従って様々な位置における特定のファイバを含む、あるいは省略するように調整されることができることは理解されることである。さらに、本発明のフレームおよび足板は、ポリエチレン、あるいはポリウレタンなどのポリマーから構成されることができ、少なくとも1つの構造材料、あるいは合成物で選択的に強化されることができる。
【0047】
本発明の矯正器具の選択した領域には、円滑な表面仕上をもたらし、ファイバの層間剥離の局部領域を防止するために、ポリウレタンコーティングライクラ、あるいはネオプレンなどのポリマーでコーティングされたテキスタイルがコーティングされることができる。選択した領域は、前方サポート部材、足首前方部分、患者の下肢と接触しない内側部分および足板の外側表面の全ての表面を含むことが好ましい。しかしながら、このコーティングは、記述した選択領域に配置されるように限定されるものではなく、フレームの表面の全てにもたらされることができることは理解されることである。
【0048】
矯正器具のコーティングは、ラミネートファイバレイアップ法の後、フレームがオートクレーブに置かれる前に、フレーム全体にわたりポリマーでコーティングされたテキスタイルを引き伸ばすことによって行われることが好ましい。ラミネートの樹脂が硬化し始めるとき、ファイバは、その上、ポリウレタンコーティングライクラで硬化する。これにより、矯正器具に外観上魅力的な表面をもたらし、矯正器具が層間剥離する場合、ファイバからの破片を防止する。
【0049】
足板20を見ると、図7Aおよび図7Bは、足17の裏にほぼ等しい足指から踵の長さを有することが好ましい足板20を示している。その足板20は、足指端部28と、踵端部32と、それらの間に中間領域30とを含む。足板20は、ほぼ足17の形に従い、中間領域30から踵端部32と足指端部28へ向かって、全体的に減少する先細状厚さを有する曲線形状を規定している。
【0050】
足板20の動作は、歩行歩調の間、足17の4つの位置に関連する。歩行歩調の第1の位置は、踵打ちつけを必然的に伴い、そこで、患者は、誘導する足の踵に体重を移す。足板20のフレキシブルな性質により、患者の体重からの大部分の圧縮応力が、内側接続部18によって補強された足首によって吸収されるにもかかわらず、踵端部32が、その後方部分においてわずかに屈曲することを可能にする。図7Aに示されるように、数値によって明示されるように、踵端部32の相対厚さは、中間部分30に近接する領域においてより大きい。
【0051】
第2の位置は、中間スタンスの間に、あるいは足板20が、ほぼその長さ全体に沿って地面に接触するとき、患者がほぼ偏平足の足のある位置に達するときに生じる。この位置における患者の圧縮加重は、「ロールオーバー」と呼ばれる動きにおいて、踵端部から足指端部に連続してシフトする。図7Aに示されるように、中間領域30は、均一のロールオーバー効果をもたらすために、その長さに沿って一定の厚さを維持する。
【0052】
図7Bは、本発明の別の方法の実施形態を示し、足板20の踵端部32は、中間領域30に対して下方に屈曲している33。下方への屈曲33は、ロールオーバーと踵離れ位置との間、踵端部32に付加的なスプリングと緩衝とをもたらす。下方への屈曲33は、患者が通常の足の剛性に達することができないときに生じる状態であり、かつ、下垂足の代表的な初期症状である、足の状態の「偏平足」の発生を遅らせる。偏平足の発生を遅らせるための別の方法として、足板20には、別の方法として、足板20に屈曲をもたらすのに相反して、可変剛性が設けられることができる。
【0053】
第3の位置は、患者が、「踵離れ」位置における終りのスタンスで、足の母趾球および足指領域を押しやるときに生じる。その結果、足指端部28は、大きな圧縮力を受けやすく、その圧縮応力のかなりを吸収するために、実質的に患者の足と共に屈曲することができる。図7Aおよび図7Bで分かるように、相対厚さは、中間領域30から足指端部28に減少している。踵離れ位置において、足首部分は、患者によって生成される圧縮の大部分を吸収し、足板20および足首部分16は、動的動作を行うように動く。
【0054】
第4の位置において、患者の体重のかなりは、対向する足に移される。この位置において、足指端部28の屈曲は少なく、足首部分16は、わずかに曲がる。この位置は、「足指離れ」位置と呼ばれる。
【0055】
足板20の前述の領域の好ましい厚さは、当業者には明らかなように、患者の状態に従って調整されることができる。それゆえ、図7Aおよび図7Bに示されるような本発明の足板20は、そこに示される相対的な異なる厚さに限定されるものではない。
【0056】
足板は、足からの圧力を分配しながら、患者の歩行に十分な制御をもたらすために、ほぼ足の長さをカバーすべきであるにもかかわらず、足板は、足の裏の中央部分をほぼカバーするように、足の内側側面からオフセットして位置決めされることができる。足板をオフセットすることによって、圧力が、下肢の前方部分および足首から軽減されることが可能である。さらに、足板の内側部分は、足の内側側面に対してそのオフセット位置を達成するために取り外されることができる。加えて、足指端部および踵端部の部分は、靴における足板の、よりぴったりのかみ合いをもたらすのを補助するために、矯正器具の部分への圧力を軽減するために、取り外されることができる。
【0057】
本発明の足板は、その内側部分に対して幅広くした外側部分を有することができ、そのために、足板の外側部分が、内側側面よりも外側側面の患者の靴にいっそう大きく押しつける。足板の幅広くした外側部分は、矯正器具の内側部分が患者の足の舟状骨を悪化させないように設けられる。
【0058】
足板20は、その長さに沿ってファイバ織物プライと組み合せて層にされた一方向ファイバプライを含む。異なる領域28、30、32に沿って供給される一方向ファイバプライとファイバ織物プライとの量は、図7Aおよび図7Bに対して記述される異なる厚さに従って変わる。
【0059】
図8は、本発明の右足の足板の剛性が、右踵打ちつけ(RHS)、左踵打ちつけ(LHS)および右足指離れ(RTO)の間に変わる状態を実証するための、健康な人の歩行の力の分析を示す。実線56は、通常の歩行をする人が、歩行するときフロアに印加する力を表わしている。破線54は、踵端部32から足指端部28への足板の剛性を表わしている。例として、足板が10インチとすれば、RHSは、踵端部32から1.5インチ(約3.81cm)を占めるポイントを表わし、LHSは、踵端部32から7.5インチ(約19.05cm)を占めるポイントを表わしている。RTOは、踵端部32から10インチ(25.4cm)を占めるポイントを表わすということが分かる。
【0060】
図9は、足板20のファイバ織物プライに対する一方向ファイバプライの数を示す概略図である。足板20の内側側面38では、図9は、領域28、30、32に沿って位置決めされる一方向ファイバプライの予め定められた数を示している。足板20の外側側面36では、図9は、足板20の領域28、30、32に沿って位置決めされる一方向ファイバプライとファイバ織物プライとの組み合された合計を示している。
【0061】
図10は、患者の足の足跡60に対する足板20の長さに沿う一方向ファイバの方向52を概略的に示している。このファイバは、地面と足との間の反作用の力の動きと、患者が歩行するときに足板20に生じる張力との方向である方向52に、ほぼ位置決めされる。反作用の力の方向に一方向ファイバを位置決めすることによって、足の回転の動きは、矯正器具を着けながら、患者が歩行するとき最小にされる。
【0062】
図11に示されるように、足板20の一方向ファイバ46は、内側接続部18から延在するファイバ44の層が、足板20のファイバ46を交互に重ねるように、足板20の長さに沿って一方向に配列される。その一方向ファイバ44は、それらが足板20に達すると方向を変更し、方向52に延在する。内側接続ファイバ44と一方向ファイバ46との間の中間面は、内側接続部18と足板20との間の矯正器具を強くするように、内側接続部18と、矯正器具の破砕の一般的な領域である足板20との間のポイント48における矯正器具20の材料破壊の恐れを減少するように、もたらされる。
【0063】
足板自体における層の数を変えることと組み合わせて、足板への内側接続部の層の数を変えることによって、各患者によりよく合うように矯正器具の剛性を変えることが可能である。適切な剛性は、フットスラップ(下垂足)を防止するために、踵打ちつけ直後、足底屈の割合を制御することは重要である。上述のように、下垂足を有する患者は、足の背屈筋の部分的、あるいは全体的な機能的な障害を有し、それにより、患者が踵の打ちつけにおいてかれの足を叩きつけ、歩行サイクルのスイング状態の間、かれの足指を地面に打ちつけるという結果になる。歩行のこれら2つの段階において必要とされる背屈筋のモーメントは、スイングの間に足を持ち上げるのに必要とされるモーメントが、足における質量の中心から足首の回転アームに、てこの作用の短いアームによって増加される足の重力だけであるので、かなり異なる。これに反して、踵打ちつけ直後、足底屈の間に必要とされるモーメントは、患者が踵を地面に置くときに、患者が足にかれの体重をシフトする故に、加重が要因の役割を果たすことになるのでかなり高い。
【0064】
内側部分18から延在するファイバ44は、足板20における空洞を防止するために、歩行歩調の間、足板20への応力を減少するために、足板20に沿って独立した層に置かれる。足板の同じ2つの層の中間に内側部分からの全ての層を置くことによって、足板における1つの領域だけにきわめて高い応力が結果として生じることに留意されたい。それゆえ、内側部分から延在する全ての層が大きいので、多量の空洞があり、層間の空洞を取り除くことは難しいという結果になる。内側部分から足板にファイバの2−4層だけを置くことによって、その場合、そのような層全体にわたり足板の1つの層を置くことによって、そのレイアップ法が完了されるまでこのシーケンスを繰返すことによって、空洞の存在を大いに減少し、足板層を有する内側部分からのファイバに対する圧力の領域を増大するということが分かった。
【0065】
製造の間、真空状態は、ファイバ層44、46のラミネーションにおける空気を減少するために、少なくとも1つの段階において足板20と内側部分18との間の接続部に適用される。矯正器具の耐久性が、ファイバの層間における空洞の増大とともに著しく減少することが分かったので、空洞が取り除かれる、あるいは最小に保持されることは、本発明には重要である。
【0066】
アラミドファイバは、そのフレキシビリティと堅牢性とを増大するために、材料破壊の恐れを減少するために、足板20のファイバ層46と一体化されることができる。アラミドファイバは、さらに、足板20が粉砕する場合、ファイバ層44の層間剥離の防止に役立つので有用である。アラミドファイバが、足板20に接続する内側接続部18の下方部分に使用されることが構想されるとき、アラミドファイバは、当業者が、そのフレキシビリティと堅牢性とを増大するのに必要と思われる場合必ず、矯正器具の隅から隅まで一体化されることができる。
【0067】
アラミドファイバは、一方向アラミドファイバが内側部分18から足板20に方向を変える、内側部分18と足板20との間の接続部において一体化されることが好ましい。患者の歩行のサイクルが踵打ちつけに達するとき、矯正器具に印加される力は、足板の内側に集中される。それゆえに、矯正器具の故障を防止するために、アラミドファイバで足板の内側部分を強化することが好ましい。
【0068】
本発明のフレームの別の実施形態において、ファイバは、フレームの予め選択された位置に、三次元ファイバレイアップ法構造で位置決めされることができる。1つの方向にファイバを簡単に置くことに相反して、複数のファイバが、三次元構造を生成するために、一方向ファイバとは異なる方向付けにもたらされ、位置決めされることができる。循環負荷によって、一方向ファイバの樹脂にマイクロクラックが生成され、それは、ゆっくり時間をかけて広がり、一方向ファイバの層の層間剥離を生じることが分かった。ファイバをレイアップするのに三次元アプローチを使用することによって、一方向ファイバの層の層間剥離は、一方向ファイバとは異なる方向に方向付けられる複数のファイバが互いに一方向ファイバを結び付けるので、緩和される。
【0069】
1つの好ましい方法において、三次元ファイバレイアップ法構造は、一方向ファイバの方向に平行でなく斜めに延在するファイバを、一方向ファイバ層の間に置くステップを含む。例えば、一方向ファイバ層は、第1の平面に沿ってほぼ延在するのに対して、第2の平面に沿ってほぼ延在する複数のファイバは、第1の平面に沿って延在する一方向ファイバとの間に置かれることができる。その上、内側接続部と足板との間の接続部において、内側接続部から足板に延在するファイバの層が、足板の一方向ファイバに平行でない方向付けで、第1の平面に沿ってあらゆる方向に延在するように考慮される。第2の平面に延在する複数のファイバは、内側接続部および足板から延在するファイバの層との両方を通って間に置かれることができる。間に置かれたファイバは、一方向ファイバと平行でないあらゆる角度で延在することが可能であるのに対して、このファイバは、構造の最適な強さのために、一方向ファイバに直交して延在することが好ましい。
【0070】
図12および図13に示されるように、三次元ファイバ構造を形成する別の方法が採用されることができ、複数のファイバの少なくとも1つの層を含む少なくとも強化材62は、破壊の影響を受けやすい内側部分18と足板20の領域を強化するように設けられることができる。強化材62は、足板と内側接続部との一方向ファイバに平行でなく角度をなして、足板20のまわりに、かつ全体にわたって延在するように位置決めされることができる。ラミネート層の初期レイアップが完了後、強化材62は、層間剥離が生じることがある領域における矯正器具まわりにラップ、あるいは位置決めされる。
【0071】
この特定の三次元構造において、強化材62の少なくとも一部分は、足板20の一方向ファイバの平面に直交する平面にほぼ沿って延在するファイバを含む。これは、強化材が、内側接続部18および足板20の周辺まわりをラップする領域に少なくとも沿って生じる。その上、強化材62の部分が足板20と内側部分18との一方向ファイバの平面にほぼ沿って延在する領域において、強化材62の上述の部分は、上述の足板20と内側部分18とのラミネート層に付加的な強化をもたらす。
【0072】
本発明は、三次元ファイバ構造を有する強化領域を持つ内側部分および足板に限定されるものではなく、当業者は、必要と思われる前述の三次元ファイバ接続部を有する強化領域を有する矯正器具を供給することができることは理解されることである。
【0073】
本発明の矯正器具は、ぴったりのかみ合いの矯正器具を形成するために、患者の下肢と足の上で直接成形されるように配列されることが可能である。本発明の矯正器具は、広範囲にわたる寸法の可変によって、ぴったりのかみ合いと調節とを可能にするが、その矯正器具が、異なるサイズおよびプロフィル内にいる幅広い人々に合わせたかみ合いに装置を調整することを可能にするために、サイズの範囲内で本発明を提供することは好ましい。
【0074】
別の方法として、本発明の矯正器具は、様々な構造、剛性およびサイズを有する様々な異なる足板、前方サポート部材、内側部分および足首部分の間で組み立てられることが可能である。さらに、足板および内側部分は、患者の下肢および足にあつらえて形成されることが可能であり、残りのコンポーネントは、本発明の矯正器具を形成するために、前もって形成され、あつらえて形成した足板および内側部分に接続されたことが可能である。
【0075】
本発明の上記に説明した実施形態は、本質的に説明のためのものであることと、その変更が当業者によって行われることができることは、理解されるであろう。ゆえに、本発明は、ここに開示される実施形態に限定されると考慮されるものではなく、添付の特許請求の範囲に定義されるようにのみ限定されるものである。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】本発明の矯正器具の一実施形態の斜視図である。
【図2】患者の右下肢についての本発明の矯正器具の一実施形態の斜視図である。
【図3】患者の右下肢についての矯正器具の別の実施形態の側面図である。
【図4】患者の右下肢についての矯正器具の別の側面図である。
【図5】好ましいストラップ装置を有する矯正器具の斜視図である。
【図6】別の好ましいストラップ装置を有する矯正器具の斜視図である。
【図7A】異なる相対厚さを有する可変領域を示す、本発明の足板の一実施形態の平面図である。
【図7B】図7Aの足板の側面図である。
【図8】足板の剛性と、通常の歩行用歩行をする人によって用いられる力との間の関係を示すグラフである。
【図9】足板のファイバ層と、一方向ファイバ層の量間の比較を示す本発明の足板の概略図である。
【図10】足板に沿って位置決めされる一方向ファイバの方向を示す概略図である。
【図11】内側接続部から足板に延在するファイバを示す概略図である。
【図12】本発明の矯正器具の補強領域の構成を示す概略図である。
【図13】本発明の矯正器具の補強領域の構成を示す概略図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
硬化構造樹脂が含浸されたファブリックの少なくとも1つの層から形成され、上方下肢係合部分から前方足首部分へと下方に延在した少なくとも1つの前方サポート部材を有するた構造フレームを具備し、前記前方足首部分は、足板に接続する内側部分に延びている、短下肢装具。
【請求項2】
前記上方下肢係合部分において、前記少なくとも1つの前方サポート部材に接続された固定装置をさらに具備する、請求項1に記載の短下肢装具。
【請求項3】
前記足板は、足指端部と、踵端部と、これら足指端部と踵端部との間の中間領域とを規定している、請求項1に記載の短下肢装具。
【請求項4】
前記足板は、曲線形状と、前記中間領域から前記踵端部および足指端部にかけて、ほぼ減少した、テーパ形状の厚さとを有する、請求項3に記載の短下肢装具。
【請求項5】
前記踵端部は、前記中間領域に対して下方に屈曲している、請求項4に記載の短下肢装具。
【請求項6】
前記フレームに接続された横方向下肢サポートをさらに備える、請求項1に記載の短下肢装具。
【請求項7】
前記横方向下肢サポートは、ループを形成するように配列されたストラップを有する、請求項6に記載の短下肢装具。
【請求項8】
前記前方サポート部材、前記足首部分および前記内側部分は、プラスチック樹脂で強化されたグラスファイバ織物の層を有している、請求項1に記載の短下肢装具。
【請求項9】
前記フレームの少なくとも1つの部分は、前記グラスファイバの層を強化する一方向に方向付けられたカーボンファイバを含んでいる、請求項8に記載の短下肢装具。
【請求項10】
前記足板および前記内側部分は、一方向に方向付けられたカーボンファイバ、あるいはグラスファイバ織物の少なくとも1つの層と組み合せて、アラミドファイバで強化されている、請求項8に記載の短下肢装具。
【請求項11】
前記足板は、前記内側部分から複数の方向付けで延在する複数のファイバを有する層状にされた構造で、一方向に方向付けられたカーボンファイバの少なくとも1つの層から構成されている、請求項1に記載の短下肢装具。
【請求項12】
前記内側接続部から足板に沿って延在するカーボンファイバが、前記足板の長手方向に対して複数の方向に方向付けられている、請求項9に記載の短下肢装具。
【請求項13】
前記内側接続部は、前記足板の長手方向に対して、少なくとも1つの方向に向って延在し、かつ少なくとも1つの方向に方向付けられているアラミドファイバで強化されている、請求項8に記載の短下肢装具。
【請求項14】
前記構造フレームの表面の少なくとも一部分をコーティングするポリマーでコーティングされたテキスタイルの1つの層をさらに具備する、請求項1に記載の短下肢装具。
【請求項15】
前記足板は、前記構造フレームの前記内側部分に固定されている、請求項1に記載の短下肢装具。
【請求項16】
2つの前方サポート部材を具備し、これら前方サポート部材は、これら前方サポート部材間に間隙を規定し、前記前方足首部分で結合している、請求項1に記載の短下肢装具。
【請求項17】
前記2つの前方サポート部材は、前記上方下肢係合部分から前記構造フレームの全長のおよそ2/3における前記前方足首部分で結合し、前記構造フレームの全長は、前記上方下肢係合部分から前記足板への間隔として規定されている、請求項16に記載の短下肢装具。
【請求項18】
上方下肢係合部分が、前記各前方サポート部材の基端部から延在し、各上方下肢係合部分は、前記前方サポート部材の幅よりも大きい幅と、曲線状プロフィルとを有する、請求項16に記載の短下肢装具。
【請求項19】
前記構造フレームは、前記内側部分と前記足板との間の、前記接続部近くで、あるいは前記接続部において、前記フレームに一体化された少なくとも1つの強化材を含み、この強化材は、構造材料、あるいは合成物の少なくとも1つの層を備えている、請求項1に記載の短下肢装具。
【請求項20】
前記少なくとも1つの強化材は、前記構造フレームの部分の周辺の少なくとも部分全体にわたって延在している、請求項19に記載の短下肢装具。
【請求項21】
内側部分が、前記前方サポート部材および前記前方足首部分と比べてより大きい剛性を有する、請求項1に記載の短下肢装具。
【請求項22】
前記構造フレームは、モノリシックであり、前記足板は、前記構造フレームの一部分を形成している、請求項1に記載の短下肢装具。
【請求項23】
上方下肢係合部分から前方足首部分にかけて下方に延在する少なくとも1つの前方サポート部材を含む構造フレームを備え、前記前方足首部分は、足板に接続する内側部分に延びている、短下肢装具。
【請求項24】
前記足首部分に接続された横方向下肢サポートをさらに具備する、請求項23に記載の短下肢装具。
【請求項25】
前記足板は、これの前記長手方向の長さにほぼ沿って可変剛性特性を有する、請求項23に記載の短下肢装具。
【請求項26】
前記足板は、この足板の前記外側部分および前記内側部分全体にわたり可変剛性特性を有する、請求項23に記載の短下肢装具。
【請求項27】
2つの前方サポート部材を具備し、これら前方サポート部材は、これら前方サポート部材の間に間隙を規定し、前記前方足首部分で結合している、請求項23に記載の短下肢装具。
【請求項28】
前記構造フレームは、モノリシックであり、前記足板は、前記構造フレームの一部分を形成している、請求項23に記載の短下肢装具。
【請求項29】
前記構造フレームの少なくとも1つの部分に設けられるパディング機構をさらに具備し、このパディング機構は、前記構造フレームと一体化されている、請求項28に記載の短下肢装具。
【請求項30】
前記構造フレームに剥離自在に固定された少なくとも1つのパディング機構をさらに具備する、請求項23に記載の短下肢装具。
【請求項31】
硬化構造樹脂が含浸されたファブリックの少なくとも1つの層から形成され、上方下肢係合部分から、その前記長手方向の長さにほぼ沿って可変剛性特性を有する足板に接続する前方足首部分に下方に延在する少なくとも1つの前方サポート部材を有するモノリシック構造フレームを具備する短下肢装具。
【請求項32】
前記フレームの内側部分は、前記前方足首部分を前記足板に接続する、請求項31に記載の短下肢装具。
【請求項33】
上方下肢係合部分から前方足首部分に下方に延在する少なくとも1つの前方サポート部材を含む構造フレームを具備し、前記前方足首部分は、足板に接続し、前記構造フレームは、ポリマーでコーティングされたテクスタイル材料でコーティングされている、短下肢装具。
【請求項34】
前記ポリマーでコーティングされたテキスタイルは、前記構造フレームと一体化されている、請求項31に記載の短下肢装具。
【請求項35】
上方下肢係合部分から前方足首部分に下方に延在する、少なくとも1つの前方サポート部材を含むプラスチック樹脂で強化され、構造ファイバの複数の層から形成された構造フレームを備え、前記前方足首部分が、足板に接続し、前記フレームは、複数の一方向ファイバの少なくとも1つの層が、第1の平面にほぼ沿って延在し、複数のファイバが、前記第1の平面に平行でない第2の平面に沿って延在する少なくとも1つの部分を含み、前記第2の平面に沿って延在する前記複数のファイバが、前記第1の平面に沿って延在する前記複数の一方向ファイバの間に置かれている、短下肢装具。
【請求項36】
前記第1の平面に沿って延在する一方向ファイバの複数の層は、複数の方向に延在するように配列されている、請求項35に記載の短下肢装具。
【請求項1】
硬化構造樹脂が含浸されたファブリックの少なくとも1つの層から形成され、上方下肢係合部分から前方足首部分へと下方に延在した少なくとも1つの前方サポート部材を有するた構造フレームを具備し、前記前方足首部分は、足板に接続する内側部分に延びている、短下肢装具。
【請求項2】
前記上方下肢係合部分において、前記少なくとも1つの前方サポート部材に接続された固定装置をさらに具備する、請求項1に記載の短下肢装具。
【請求項3】
前記足板は、足指端部と、踵端部と、これら足指端部と踵端部との間の中間領域とを規定している、請求項1に記載の短下肢装具。
【請求項4】
前記足板は、曲線形状と、前記中間領域から前記踵端部および足指端部にかけて、ほぼ減少した、テーパ形状の厚さとを有する、請求項3に記載の短下肢装具。
【請求項5】
前記踵端部は、前記中間領域に対して下方に屈曲している、請求項4に記載の短下肢装具。
【請求項6】
前記フレームに接続された横方向下肢サポートをさらに備える、請求項1に記載の短下肢装具。
【請求項7】
前記横方向下肢サポートは、ループを形成するように配列されたストラップを有する、請求項6に記載の短下肢装具。
【請求項8】
前記前方サポート部材、前記足首部分および前記内側部分は、プラスチック樹脂で強化されたグラスファイバ織物の層を有している、請求項1に記載の短下肢装具。
【請求項9】
前記フレームの少なくとも1つの部分は、前記グラスファイバの層を強化する一方向に方向付けられたカーボンファイバを含んでいる、請求項8に記載の短下肢装具。
【請求項10】
前記足板および前記内側部分は、一方向に方向付けられたカーボンファイバ、あるいはグラスファイバ織物の少なくとも1つの層と組み合せて、アラミドファイバで強化されている、請求項8に記載の短下肢装具。
【請求項11】
前記足板は、前記内側部分から複数の方向付けで延在する複数のファイバを有する層状にされた構造で、一方向に方向付けられたカーボンファイバの少なくとも1つの層から構成されている、請求項1に記載の短下肢装具。
【請求項12】
前記内側接続部から足板に沿って延在するカーボンファイバが、前記足板の長手方向に対して複数の方向に方向付けられている、請求項9に記載の短下肢装具。
【請求項13】
前記内側接続部は、前記足板の長手方向に対して、少なくとも1つの方向に向って延在し、かつ少なくとも1つの方向に方向付けられているアラミドファイバで強化されている、請求項8に記載の短下肢装具。
【請求項14】
前記構造フレームの表面の少なくとも一部分をコーティングするポリマーでコーティングされたテキスタイルの1つの層をさらに具備する、請求項1に記載の短下肢装具。
【請求項15】
前記足板は、前記構造フレームの前記内側部分に固定されている、請求項1に記載の短下肢装具。
【請求項16】
2つの前方サポート部材を具備し、これら前方サポート部材は、これら前方サポート部材間に間隙を規定し、前記前方足首部分で結合している、請求項1に記載の短下肢装具。
【請求項17】
前記2つの前方サポート部材は、前記上方下肢係合部分から前記構造フレームの全長のおよそ2/3における前記前方足首部分で結合し、前記構造フレームの全長は、前記上方下肢係合部分から前記足板への間隔として規定されている、請求項16に記載の短下肢装具。
【請求項18】
上方下肢係合部分が、前記各前方サポート部材の基端部から延在し、各上方下肢係合部分は、前記前方サポート部材の幅よりも大きい幅と、曲線状プロフィルとを有する、請求項16に記載の短下肢装具。
【請求項19】
前記構造フレームは、前記内側部分と前記足板との間の、前記接続部近くで、あるいは前記接続部において、前記フレームに一体化された少なくとも1つの強化材を含み、この強化材は、構造材料、あるいは合成物の少なくとも1つの層を備えている、請求項1に記載の短下肢装具。
【請求項20】
前記少なくとも1つの強化材は、前記構造フレームの部分の周辺の少なくとも部分全体にわたって延在している、請求項19に記載の短下肢装具。
【請求項21】
内側部分が、前記前方サポート部材および前記前方足首部分と比べてより大きい剛性を有する、請求項1に記載の短下肢装具。
【請求項22】
前記構造フレームは、モノリシックであり、前記足板は、前記構造フレームの一部分を形成している、請求項1に記載の短下肢装具。
【請求項23】
上方下肢係合部分から前方足首部分にかけて下方に延在する少なくとも1つの前方サポート部材を含む構造フレームを備え、前記前方足首部分は、足板に接続する内側部分に延びている、短下肢装具。
【請求項24】
前記足首部分に接続された横方向下肢サポートをさらに具備する、請求項23に記載の短下肢装具。
【請求項25】
前記足板は、これの前記長手方向の長さにほぼ沿って可変剛性特性を有する、請求項23に記載の短下肢装具。
【請求項26】
前記足板は、この足板の前記外側部分および前記内側部分全体にわたり可変剛性特性を有する、請求項23に記載の短下肢装具。
【請求項27】
2つの前方サポート部材を具備し、これら前方サポート部材は、これら前方サポート部材の間に間隙を規定し、前記前方足首部分で結合している、請求項23に記載の短下肢装具。
【請求項28】
前記構造フレームは、モノリシックであり、前記足板は、前記構造フレームの一部分を形成している、請求項23に記載の短下肢装具。
【請求項29】
前記構造フレームの少なくとも1つの部分に設けられるパディング機構をさらに具備し、このパディング機構は、前記構造フレームと一体化されている、請求項28に記載の短下肢装具。
【請求項30】
前記構造フレームに剥離自在に固定された少なくとも1つのパディング機構をさらに具備する、請求項23に記載の短下肢装具。
【請求項31】
硬化構造樹脂が含浸されたファブリックの少なくとも1つの層から形成され、上方下肢係合部分から、その前記長手方向の長さにほぼ沿って可変剛性特性を有する足板に接続する前方足首部分に下方に延在する少なくとも1つの前方サポート部材を有するモノリシック構造フレームを具備する短下肢装具。
【請求項32】
前記フレームの内側部分は、前記前方足首部分を前記足板に接続する、請求項31に記載の短下肢装具。
【請求項33】
上方下肢係合部分から前方足首部分に下方に延在する少なくとも1つの前方サポート部材を含む構造フレームを具備し、前記前方足首部分は、足板に接続し、前記構造フレームは、ポリマーでコーティングされたテクスタイル材料でコーティングされている、短下肢装具。
【請求項34】
前記ポリマーでコーティングされたテキスタイルは、前記構造フレームと一体化されている、請求項31に記載の短下肢装具。
【請求項35】
上方下肢係合部分から前方足首部分に下方に延在する、少なくとも1つの前方サポート部材を含むプラスチック樹脂で強化され、構造ファイバの複数の層から形成された構造フレームを備え、前記前方足首部分が、足板に接続し、前記フレームは、複数の一方向ファイバの少なくとも1つの層が、第1の平面にほぼ沿って延在し、複数のファイバが、前記第1の平面に平行でない第2の平面に沿って延在する少なくとも1つの部分を含み、前記第2の平面に沿って延在する前記複数のファイバが、前記第1の平面に沿って延在する前記複数の一方向ファイバの間に置かれている、短下肢装具。
【請求項36】
前記第1の平面に沿って延在する一方向ファイバの複数の層は、複数の方向に延在するように配列されている、請求項35に記載の短下肢装具。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公表番号】特表2006−505344(P2006−505344A)
【公表日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−551533(P2004−551533)
【出願日】平成15年11月7日(2003.11.7)
【国際出願番号】PCT/US2003/032744
【国際公開番号】WO2004/043289
【国際公開日】平成16年5月27日(2004.5.27)
【出願人】(300002872)オスール・エイチエフ (8)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成15年11月7日(2003.11.7)
【国際出願番号】PCT/US2003/032744
【国際公開番号】WO2004/043289
【国際公開日】平成16年5月27日(2004.5.27)
【出願人】(300002872)オスール・エイチエフ (8)
【Fターム(参考)】
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