説明

石膏ボード生産用の効率の良い湿潤デンプン調製システム

本発明は、石膏ウォールボード用の湿潤デンプン調製システムにおいて、ロスインウエイト式デンプン補給装置と、ベンチュリミキサーと、ベンチュリミキサーに調整可能な速度で補給装置から乾燥デンプンを供給するための真空ピックアップユニットと、ベンチュリミキサーに調整可能な速度で水を供給して、デンプンが約2重量%〜10重量%のデンプン予備分散を形成させるための第1の送水ポンプと、デンプン予備分散に計量水を供給するための第2の送水ポンプと、を含むシステムであって、適切なシステム制御機器を備えたシステムを提供している。このシステムは、ボードミキサーに先行して水中にデンプンが予備分散されていないシステムに比べて、予備ゼラチン化デンプンが少なくとも約10%減量されるようにデンプンのより効率の良い使用を提供する。このシステムは、ボード強度が増大しボード重量が削減された石膏ウォールボードを含めた石膏含有製品を製造するために使用可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、石膏含有製品の生産において石膏含有スラリーにデンプン分散を添加する前に水中にデンプンを予備分散させるためのシステムに関する。このシステムは、ボード強度が増大しボード重量が削減された石膏ウォールボードを含む石膏含有製品を製造するために使用可能である。
【背景技術】
【0002】
石膏(硫酸カルシウム二水和物)は、その一部の特性のため、工業用および建築用製品特に石膏ウォールボードの製造用として非常に好まれるものとなっている。石膏は、脱水(またはか焼)および再水和のプロセスを通して、有用な形状へと注型、成形またはその他の形で造形することのできる豊富で一般に安価な原料である。石膏ウォールボードおよびその他の石膏製品を製造する基礎材料は、1〜1/2の水分子を除去した硫酸カルシウムの二水和物形態(CaSO・2HO)から熱転換によって製造される、一般に「スタッコ」と呼ばれる硫酸カルシウムの半水和物形態(CaSO・1/2HO)である。再水和の後、半水和物は溶解し、石膏結晶が沈殿し、結晶質量は硬化し固体となり、硬化石膏材料を提供する。
【0003】
石膏含有製品を製造するためには、一般に石膏含有スラリーが調製される。石膏含有スラリーはスタッコと水、そしてその他の公知の成分および添加物例えばデンプン、分散剤、促進剤、結合材、ガラス繊維、および紙繊維などを含んでいてよい。通常、乾燥デンプンが乾燥スタッコに添加され、その他の乾燥成分と共に生産ライン上でボードミキサーに導き入れられる。
【0004】
デンプンは、硬化した石膏コアの内部で石膏結晶のための優れた結合材として公知であり、ボードの強度を増大させることができる。さらに、デンプンは、ウォールボード製品のカバーシートと硬化した石膏コアの間に改良された界面固着を提供するように機能することができる。
【0005】
石膏含有スラリー中での微粉砕予備ゼラチン化コーンスターチ(例えば粒子の99%超が100メッシュのスクリーンを通過する場合)の使用が、当該技術分野において公知である。しかしながら、微粉砕デンプンは生産に追加のエネルギーを必要としさらに費用がかかり、その生産および利用中に取扱いが困難な細塵も生成する。別の問題は、微細デンプンが、所望の石膏含有スラリーを作るためにスタッコおよび水と混合する際に追加のプロセス水を必要とする可能性がある、という点にある。例えば、1ポンドの乾燥微粉末デンプンは、石膏スラリー調製における水需要を約10lb/MSF(1000平方フィート)増大させる可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
粗デンプンすなわち粒径のより大きいデンプンは、細塵が少なく生産および取扱いが容易であることから、石膏含有スラリー中で使用可能である。さらに、より大きい粒径はスラリー中の所要水量が少ない。しかしながら、粒径がより大きいことに起因して、接触時間が典型的に1秒未満であるボードミキサーを介した水およびスタッコとの非常に短時間の混合の間など、標準的な乾燥ベースのプロセス設備を用いて石膏スラリー内に粗デンプンを完全に分散させることは困難である。石膏スラリー中により大きな粒径の予備ゼラチン化デンプンを効果的に分散させる方法を発見できたならば、水の使用を削減しコスト削減を実現することができるであろう。さらに、より大きな粒径の予備ゼラチン化デンプンの使用がボード強度も増大させるならば、これは、当該技術分野に対する別の有用な寄与に役立つと考えられる。
【0007】
さらに、標準的生産ライン上でボードミキサーに導入する前に適切な予備ゼラチン化デンプン分散を効果的に調製する方法を発見できたならば、これは、当該技術分野に対する1つの有用な寄与になると考えられる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
一実施形態において、本発明は、石膏ウォールボードを製造するための湿潤デンプンシステムにおいて、乾燥デンプンを貯蔵するためのロスインウエイト式補給装置と、ベンチュリミキサーと、ベンチュリミキサーに調整可能な速度で補給装置から乾燥デンプンを供給するための真空ピックアップユニットと、ベンチュリミキサーに調整可能な速度で水を供給してデンプンが約2重量%〜10重量%のデンプン予備分散を形成させるための第1の送水ポンプと、デンプン予備分散に計量水を供給するための第2の送水ポンプと、を有するシステムを含む。
【0009】
石膏ボード生産ライン上のボードミキサーに対して調整可能な速度かつ測定可能な濃度で計量水中のデンプン予備分散を送出するためのスラリー出力制御装置と、実際のスラリー出力濃度と目標スラリー出力濃度の間の差を計算し、この差に基づいてデンプン補給装置に信号を送ってデンプン供給速度を調整しかつ/または第1の送水ポンプに信号を送って給水速度を調整するための制御手段と、を含むさらなるプロセス制御機器が任意にシステムに付加される。
【0010】
本発明の一実施形態において、湿潤デンプンシステムは、前記予備分散の脱気と大きいデンプン粒子のさらなる加水分解を目的として、約2%〜約10%のデンプン予備分散のための貯蔵タンクをさらに含むことができる。
【0011】
別の実施形態において、湿潤デンプンシステムはさらに、計量水中のデンプン予備分散およびスタッコを収容するためのボードミキサーを含むことができる。さらにボードミキサーに対する計量水中のデンプン予備分散の流速は、調整可能であってもよいし、あるいは恒常に維持することもできる。
【0012】
さらに提供されているのは、石膏ウォールボードの生産のための計量水中のデンプン予備分散を調製する方法において、ベンチュリミキサーに対して調整可能な速度で乾燥デンプンを補給するステップと、ベンチュリミキサー内の水でデンプンを湿潤化してデンプンの重量に基づいて約2%〜約10%の濃度でデンプンスラリーを形成させるステップと、デンプンスラリーを計量水に送出して計量水中にデンプン予備分散を形成させるステップと、スラリー出力制御装置を用いてデンプン予備分散送出速度を計算するステップと、生産ライン上でボードミキサーに対し計量水中のデンプン予備分散を送出するステップと、を含む方法である。場合により、スラリーを計量水に送出して計量水中のデンプン予備分散を形成させる前にデンプンスラリーを(例えば貯蔵タンク内に)再循環させることができる。
【0013】
石膏ウォールボードの生産のためには、水中のデンプン予備分散に続いて、予備ゼラチン化デンプン分散がスタッコ含有スラリーに添加される。結果として得られたデンプン含有スタッコ含有スラリーを、第1の紙製カバーシート上に堆積させ、堆積したスラリーの上に第2の紙製カバーシートを置いて石膏ウォールボードを形成させる。石膏ウォールボードは、石膏含有スラリーが切断に充分なほど硬化した後に、所望の長さに切断され、結果として得られた石膏ウォールボードはキルン内で乾燥される。適宜、分散剤(例えばナフタレンスルホネート類)、撓み抵抗および強度添加剤(例えばトリメタホスフェート類)、促進剤、結合材、紙繊維、ガラス繊維およびその他の公知の成分を含めたその他の従来の成分も、同様にスラリー中に使用される。最終的石膏ウォールボード製品の密度を低減させるために、石けんの泡を添加することもできる。
【0014】
本発明によると、ボードミキサーに先行して水中にデンプンが予備分散されないシステムに比べて、使用されるデンプンの量は少なくとも約10%削減される。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明に係る湿潤デンプンシステムの一実施形態を示す。
【図2】本発明に係る湿潤デンプンシステムの一変形実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
1つの態様において、本発明は、予想外に効率の良い湿潤デンプン調製システムにおいて、乾燥デンプンを貯蔵するためのロスインウエイト式デンプン補給装置と、ベンチュリミキサーと、ベンチュリミキサーに調整可能な速度で補給装置から乾燥デンプンを供給するための真空ピックアップユニットと、ベンチュリミキサーに調整可能な速度で水を供給してデンプンの約2重量%〜約10重量%のデンプン予備分散を形成させるための第1の送水ポンプと、デンプン予備分散に計量水を供給するための第2の送水ポンプと、を含むシステムを含む。
【0017】
好ましい実施形態において、湿潤デンプンシステムは、ボードミキサー内への導入に先行して、石膏ウォールボードを製造するのに使用すべきプロセス水中に予備ゼラチン化トウモロコシ粉を完全に分散させるために使用される。さらにこのシステムを用いて、約1100lb/MSF〜約1300lb/MSFの乾燥重量を有する1/2インチ軽量石膏ウォールボードを生産することが可能である。
【0018】
例えば、水マニホルドに先行して計量水と湿潤化したデンプンを混合することができる。この混合は、湿潤化したデンプンを計量水全体の中に均等分布させることにより追加の効率を提供する。このことはひいては、硬化した石膏コア中におけるデンプンの良好な分布を確保する。
【0019】
本発明は、石膏ボード生産中のミキサー内においてデンプンを削減しかつ集塊の形成を削減する上でも効果的であることが、予想外に発見された。
【0020】
さらに、石膏ウォールボードの生産における予備ゼラチン化デンプンの使用量を、マイナスの影響が一切無く、約10〜20%(すなわち26lbs/MSF〜20〜23lbs/MSFまで)削減する上で本発明が効果的であることが、予想外に発見された。
【0021】
システムは、デンプン補給装置、例えばロスインウエイト補給装置、真空ピックアップユニット、およびスキッド式湿潤化システムを使用してよい。スキッドは、このシステムの主要な一面である。スキッドは、補給装置により秤量されているデンプンを湿潤化するのに必要な制御機器および設備を収納している。スキッドは同様に、デンプンスラリーをボードミキサーに圧送するための計量ポンプをも有している。プラントは70psiで水を混合スキッドに提供することができる。スキッドは、調合物が必要とする速度でボードミキサーに湿潤化されたデンプンスラリーを提供する。
【0022】
湿潤化システムは、SemiBulk Systems Inc.,(St.Louis,Missouri)から入手可能なVacucam Ejector Mixer,Vacucam EJM2000などのベンチュリ混合システムであり、このベンチュリ混合システムは、例えばロスインウエイト補給装置により測定されている乾燥粉末を完全に湿潤化するためにベンチュリ内に作り出された真空を用いている。水圧はギヤポンプを用いてベンチュリ内で維持される。
【0023】
有用なロスインウエイト補給装置は、Acrison Inc.,(Moonachie,New Jersey)から入手可能なAcrison270「In−Line」Weigh Feederである。有用な真空ピックアップユニットは、SemiBulk Systems Inc.,(St.Louis,Missouri)から入手可能である。
【0024】
一実施形態において、湿潤化されたデンプンは、デンプンスラリーを脱気しデンプンが水中で膨潤し加水分解する時間を提供する貯蔵タンク内に噴出される。デンプンスラリーは、このタンクから計量水ライン内に計量して送り戻され、生産ライン上のボードミキサーの前に計量水中に分散させられる。
【0025】
このシステムは、石膏ボード生産方法における予備ゼラチン化デンプンの使用量の少なくとも10%の削減を提供する。
【0026】
このシステムにより提供される主要な効率が2つ存在する。デンプンは、計量水中で完全に分散させられており、したがって、硬化した最終製品の石膏コア中でもより完全に分散することになる。同様に、デンプンは完全に湿潤化され加水分解されるため、ミキサー内に入った時点でより反応性の高い状態にあり、したがってデンプン分散は、ボードミキサー内での初期石膏水和プロセス中にさらに一層有益な効果を付与することができる。
【0027】
図1に示されているシステム10の一実施形態においては、ロスインウエイト補給装置20が、真空ピックアップユニット30に連結した状態で示されている。システムは、乾燥デンプンを完全に湿潤化するためベンチュリ内に作り出される真空を使用するベンチュリ混合システム40、貯蔵タンク50および計量ポンプ55を含む半バルク混合スキッド35を含んでいる。
【0028】
温度制御された水が、計量水濾過器70の受入れ側でスキッド供給ポンプ60に供給される。この同じ水は、計量水ポンプ80に供給される。
【0029】
混合スキッド制御機器は、システムが必要とする場合いつでも水を要求する。正常運転下では、(ボードミキサー200を介して)ボードラインがデンプンを要求している場合がこれにあたる。ボードライン200はデンプンを要求し、したがってスキッド35は、所望の石膏ボード調合物中に必要とされている濃度を作り出すためのデンプンおよび水を要求する。例えば2%の予備ゼラチン化デンプン溶液が必要とされる場合、2ポンドのデンプンが98ポンドの水に添加される。
【0030】
始動または切替えの間、流量は変動し得るがデンプン濃度は一般に均一な状態にとどまる。貯蔵タンク50内の供給を一定に保つ目的で、貯蔵タンク50内の液体レベルを一定に保つための制御機器が配備される。貯蔵タンクを満たすのにより多くのデンプンスラリーが必要とされる始動または切替における混乱中、スキッド制御機器はより多くのデンプンを要求し、濃度を一定に保つためより多くの水が添加される。貯蔵タンクが設定レベルを上回る場合、デンプンスラリーの濃度を一定に保つためにより少ないデンプン(ひいてはより少ない水)が要求されることになる。
【0031】
デンプン濃度が一定であることにより、計量ポンプ55は、補給装置のような役割を果たすことができる。調合物の変更の結果として、計量ポンプの速度が変化する。補給速度が有意に変更された場合には、デンプン濃度の変更が必要となる。この目的で、作業員が制御する濃度設定ポイントが存在する。
【0032】
スキッド35から出るデンプンおよび水スラリーの流速が、計量水ポンプ80の流速を決定する。デンプンスラリーは計量水に添加し戻されることから、ミキサー40への水流量を一定に保つためにバイアスプログラムが使用される。デンプンレベルが増大するにつれて、計量水ポンプは低速になり、流量は減少する。
【0033】
デンプンスラリーを必要となるまでループ(92)内で再循環させることができるように三方バルブ90が配置されている。バルブ90が切換えられた場合、デンプンスラリー(51)は、計量水三方バルブ95の後方かつマニホルド100の前方で、計量水流81に対して添加され、計量水(91)中のデンプンスラリー予備分散を形成する。スラリー三方バルブ90がボードミキサー200に向けられた場合、バイアスプログラムは、計量水の流量を削減し、こうしてボードミキサー200への水の流量は一定となる。
【0034】
図2に示されている本システムの一変形実施形態においては、供給ポンプ60がギヤポンプ60aにより置換され、デンプンスラリー用の流量制御機器が除去されている。
【0035】
この実施形態においては、計量システムがロスインウエイト補給装置20であってよい。ポンプ60aは、所与の任意の時点で湿潤化される必要があると考えられるデンプンの最大量により決定される一定速度で作動させられる。計量水ライン81からポンプ60aへの流量は始動後一定である。
【0036】
計量ポンプ55の速度は、貯蔵タンク50のレベルにより制御される。定常状態に達した後、これは一定であると考えられる。計量水ライン81からの流量がどの程度になるかは判断できると思われるため、これを予め設定することも可能であると考えられる。レベルによる制御は磨耗および粘度変更について調整を行う。
【0037】
硬化した石膏コア内での空気(気泡)間隙径および分布を制御するためおよび硬化した石膏コアの密度を制御するために、石けんの泡を導入することが好ましい。石けんの泡は、所望の密度を生成するのに有効な量で、かつ制御された形で付加される。石けんの好ましい範囲は、約0.2lb/MSF〜約0.7lb/MSFであり、より好ましい石けんレベルは約0.45lb/MSF〜約0.5lb/MSFである。プロセスを制御するために、作業員は、ボード形成ラインのヘッドを監視し、外皮を充填状態に保たなければならない。外皮が充填状態に保たれていない場合、石膏スラリーが必要な体積を満たすことができないため、中空エッジをもつウォールボードがもたらされる結果となる。外皮体積は、(気泡をより良く保持するため)ボードの製造中の気泡の破裂を防止するように石けん使用量を増大させることによるか、または気泡速度を増大させることによって、充填状態に保たれる。こうして、一般に、外皮体積は、石けんの使用量を増加または減少させることによるか、または気泡速度を増加または減少させることによって制御され調整される。ヘッドを制御する技術には、石けんの泡を付加して合計スラリー体積を増大させることによるか、または石けんの泡の使用量を減らして合計スラリー体積を減少させることによる、台上の「動的スラリー」に対する調整が含まれる。
【0038】
特に予備ゼラチン化デンプンを含めたデンプンが、本発明にしたがって調製された石膏含有スラリー中で使用されなければならない。好ましい予備ゼラチン化デンプンは、予備ゼラチン化されたコーンスターチ、例えば、水分7.5%、タンパク質8.0%、油0.5%、粗繊維0.5%、灰分0.3%という典型的分析値を有し、0.48psiという生強度を有し、かつ35.0lb/ftの緩いかさ密度を有する、Burge Milling,(St.Louis.Missouri)から入手可能な予備ゼラチン化されたトウモロコシ粉である。予備ゼラチン化コーンスターチは、石膏含有スラリー中で使用される乾燥スタッコの重量に基づいて少なくとも0.5重量%〜約10重量%までの量で使用されるべきである。より好ましい実施形態においては、予備ゼラチン化デンプンは、石膏含有スラリー中で使用される乾燥スタッコの重量に基づいて約0.5重量%から約4重量%の量で存在する。
【0039】
その他の有用なデンプンとしては、予備ゼラチン化された米デンプンおよび予備ゼラチン化された小麦デンプンがあるが、これらに限定されない。
【0040】
余剰の水は最終的に加熱により放出しなくてはならず、これは加熱プロセスで使用される燃料が高コストであるため無駄が多く高価であることから、スラリーの水/スタッコ(W/S)比つまり「WSR」は重要なパラメータである。プロセス水の量、したがってWSRを低く保つことが有利である。本発明において、WSRは、デンプン使用量レベルおよびスタッコの特性(粒度/形状)に応じて約0.3〜約1.5の範囲内にあり得る。好ましい実施形態において、WSRは約0.3〜約1.2の範囲内にあり得る。より好ましい実施形態において、WSRは約0.7〜約0.9の範囲内であり得、これは、数多くの公知のプロセスに比べて、実質的に低い水需要である。
【0041】
ナフタレンスルホネート分散剤は、ポリナフタレンスルホン酸およびその塩(ポリナフタレンスルホネート類)およびナフタレンスルホン酸とホルムアルデヒドの縮合生成物である誘導体を含め、本発明にしたがって調製される石膏含有スラリー中で場合により使用可能である。特に望ましいポリナフタレンスルホネート類としては、ナフタレンスルホン酸ナトリウムおよびカルシウムがある。ナフタレンスルホネート類の平均分子量は約3,000〜27,000までの範囲であり得るが、分子量は約8,000〜約22,000であることが好ましく、分子量は約12,000〜17,000であることがより好ましい。市販の製品では、より分子量の高い分散剤が、より分子量の低い分散剤に比べ粘度が高く、固形分含有量が低い。有用なナフタレンスルホネート類としては、GEO Specialty Chemicals,(Cleveland,Ohio)から入手可能なDILOFLO、Hampshire Chemical Corp.,(Lexington,Massachusetts)から入手可能なDAXAD、およびGEO Specialty Chemicals,(Lafayette,Indiana)から入手可能なLOMAR Dが含まれる。ナフタレンスルホネート類は好ましくは例えば35〜55重量%の固形分含有量の範囲内の水溶液として使用される。例えば固形分含有量が約40〜45重量%の範囲内の水溶液の形でナフタレンスルホネート類を使用することが最も好ましい。あるいは、適切な場合には、例えばLOMAR Dなど、乾燥固体または粉末形態のナフタレンスルホネート類を使用することができる。
【0042】
本発明において有用なポリナフタレンスルホネート類は、一般構造式(I)
【化1】


を有し、式中nは2超であり、Mはナトリウム、カリウム、カルシウムなどである。
【0043】
好ましくは約45重量%水溶液としてのナフタレンスルホネート分散剤は、石膏複合調合物において使用される乾燥スタッコの重量に基づいて約0.5重量%〜約3.0重量%の範囲内で使用されてよい。ナフタレンスルホネート分散剤のより好ましい範囲は、乾燥スタッコの重量に基づいて約0.5重量%〜約2.0重量%であり、最も好ましい範囲は、乾燥スタッコの重量に基づいて約0.7%〜約2.0%である。これとは対照的に、公知の石膏ウォールボードはこの分散剤を、乾燥スタッコの重量に基づいて約0.4重量%以下のレベルでしか含んでいない。
【0044】
換言すると、乾燥重量ベースで、ナフタレンスルホネート分散剤は、石膏複合調合物中で使用される乾燥スタッコの重量に基づいて約0.1重量%〜約1.5重量%の範囲内で使用されてよい。乾燥固体ベースのナフタレンスルホネート分散剤のさらに好ましい範囲は、乾燥スタッコの重量に基づいて約0.25重量%〜約0.7重量%であり、(乾燥固体ベースでの)最も好ましい範囲は乾燥スタッコの重量に基づいて約0.3重量%〜約0.7重量%である。
【0045】
メタホスフェート類およびポリホスフェート類を含めた強度添加剤を、本発明にしたがって調製される石膏含有スラリー中で場合により使用することができる。本発明にしたがって、任意の適切な水溶性メタホスフェートまたはポリホスフェートを使用することができる。複塩、すなわち2つのカチオンを有するトリメタホスフェート塩を含めたトリメタホスフェート塩を使用することが好ましい。特に有用なトリメタホスフェート塩としては、トリメタリン酸ナトリウム、トリメタリン酸カリウム、トリメタリン酸カルシウム、トリメタリン酸カルシウムナトリウム、トリメタリン酸リチウム、トリメタリン酸アンモニウムなど、またはその組合せが含まれる。好ましいトリメタホスフェート塩は、トリメタリン酸ナトリウムである。例えば約10〜15重量%の固形分含有量範囲の水溶液としてトリメタホスフェート塩を使用することが好ましい。参照により本明細書に援用されているYuらに対する米国特許第6,409,825号明細書の中で記載されている通り、その他の環式または非環式ポリホスフェート類も使用可能である。
【0046】
トリメタリン酸ナトリウムは、石膏含有組成物中の公知の強度添加剤であるが、一般に、石膏スラリー中で使用される乾燥スタッコの重量に基づいて約0.05重量%〜約0.08重量%の範囲内で使用される。本発明の実施形態においては、トリメタリン酸ナトリウム(またはその他の水溶性メタホスフェートまたはポリホスフェート)は、石膏複合調合物中で使用される乾燥スタッコの重量に基づいて約0.12重量%〜約0.4重量%の範囲内で存在することができる。トリメタリン酸ナトリウム(またはその他の水溶性メタホスフェートまたはポリホスフェート)の好ましい範囲は、石膏複合調合物中で使用される乾燥スタッコの重量に基づいて約0.12重量%〜約0.3重量%である。
【0047】
本発明にしたがって調製された石膏含有スラリー中では、紙繊維を使用してもよい。紙繊維の有用な形態は、漂白済みまたは未漂白のバージン紙繊維である。その他のセルロース繊維材料を、単独でまたは紙繊維と組合せて使用することができる。
【0048】
本発明の石膏含有組成物中には、促進剤例えば、参照により本明細書に援用されているYuらに対する米国特許第6,409,825号明細書中に記載されている通りの湿潤石膏促進剤(WGA)を使用することができる。1つの望ましい耐熱性促進剤(HRA)は、ランドプラスタ(landplaster)(硫酸カルシウム二水和物)の乾式粉砕により作ることができる。このHRAを製造するためには、糖、デキストロース、ホウ酸およびデンプンなどの少量の添加剤(通常は約5重量%)を使用できる。糖またはデキストロースが現在好まれている。別の有用な促進剤は、参照により本明細書に援用されている米国特許第3,573,947号明細書中に記載されている通りの「気候安定化促進剤」または「気候安定性促進剤」(CSA)である。
【0049】
その他の石膏スラリー添加剤は、結合材、防水剤、ガラス繊維、粘土、殺生物剤およびその他の公知の構成成分を含み得る。
【0050】
スタッコにはアルファとベータの2形態がある。これら2つのタイプのスタッコは異なるか焼手段により生産される。本発明においては、ベータまたはアルファのいずれの形態のスタッコでも使用してよい。
【0051】
本発明にしたがって石膏ウォールボードを製造する上で使用される1つの有用な石膏含有スラリー調合物は、約20〜約23lb/MSFの予備ゼラチン化デンプン、約5lb/MSFの分散剤、約26lb/MSFのトリメタリン酸ナトリウム溶液(約11%のSTMP濃度)そして約2lb/MSF以下のガラス繊維を含む。
【0052】
本発明の実施形態にしたがって作られた石膏ウォールボードは、カバーシートまたは表面シートを含み、その間に石膏含有スラリーから硬化石膏コアが形成される。本発明によると、石膏含有スラリーはデンプンを含む。硬化した石膏含有コア材料は、例えば紙製カバーシートなどの2枚の実質的に平行なカバーシートの間にはさまれている。当該技術分野においてさまざまなタイプの紙製カバーシートが公知であり、このようなタイプの紙製カバーシートの全てが、本発明において使用されてよい。
【0053】
カバーシートは、従来の石膏ウォールボードの場合のように紙でできていてよいが、当該技術分野において既知のその他の有用なカバーシート材料(例えばガラス繊維マット)を使用してもよい。紙製カバーシートは、石膏ウォールボードに強度特性を提供する。有用なカバーシート紙には、United States Gypsum Corporation,(Chicago,Illinois)から入手可能なManila 7−plyおよびNews−Line 5−ply、Caraustar,(Newport, Indiana)から入手可能なGrey−Back 3−plyおよびManila Ivory 3−ply、United States Gypsum Corporation,(Chicago,Illinois)から入手可能なManila heavy paperおよびMH Manila HT(高張力(high tensile))paperが含まれる。紙製カバーシートは、上面カバーシート、または表面ペーパーおよび底面カバーシートまたは裏面ペーパーを含む。
【0054】
一方または両方のカバーシートとして、繊維質マットを使用してもよい。1つの有用な繊維質マットは、ガラス繊維のフィラメントが接着剤によって共に固着されているガラス繊維マットである。好ましくは、繊維質マットは、ガラス繊維のフィラメントが接着剤によって共に固着されている不織ガラス繊維マットである。最も好ましくは、不織ガラス繊維マットは、重い樹脂コーティングを有する。例えば、マット重量の約40〜50%が樹脂コーティングに由来する、約1.2〜2.0lb/100ftの重量を有する、Johns−Manvilleから入手可能なDuraglass不織ガラス繊維マットを使用できると考えられる。その他の有用な繊維質マットには、ガラス織物マットおよび非セルロース布地が含まれるが、これらに限定されない。
【0055】
ここで、従来の石膏ウォールボードの製造において、上面つまり表面ペーパーは、まず生産ラインに沿って載置され移動し、こうして、ウォールボード製品に接触してその上面または表面を形成するにもかかわらず、当該技術分野においてプロセスの「ボトム」として公知のものを構成する。換言すると、底面つまり裏面ペーパーは、プロセスの「トップ」として公知のものであり製造プロセス中で最後に適用される。これらの同じ慣習は、本発明の石膏ボードの形成および調製においてもあてはまる。
【0056】
石けんの泡により生み出された空気の間隙は、発泡低密度硬化石膏コアとカバーシート間の固着強度を削減し得る。体積で複合石膏ボードの半分超が、泡に起因する空気の間隙で構成され得ることから、泡は、発泡低密度硬化石膏コアと紙製カバーシートの間の固着に干渉し得る。場合により、コアにカバーシートを適用する前に上面カバーシートおよび底面カバーシートの両方の石膏コア接着表面上に無発泡(または減発泡)結合高密度層を提供することによって、これに対処してよい。この無発泡、あるいは減発泡固着高密度層調合物は、典型的に、泡が一切添加されないかまたは実質的に削減した量の泡しか添加されないという点を除いて、石膏スラリーコア調合物のものと同じである。場合により、この固着層を形成するために、コア調合物から泡を機械的に除去することができ、または発泡低密度硬化石膏コア/表面ペーパーの界面に異なる無泡調合物を適用することができる。本発明の原理にしたがって作られた石膏ボードの1つの好ましい実施形態においては、前述の通りの湿潤デンプン予備分散システムにより提供されるような硬化石膏コア内のデンプンのより効率的で完全な分布に一部分を帰すことのできる紙対コアおよび石膏結晶の固着の増大により、付加的な固着層(上面)を全て省略してもよい。
【0057】
以下の実施例は、さらに本発明を例証しているが、当然のことながら、いかなる形であれその範囲を限定するものとみなされるべきではない。
【実施例】
【0058】
実施例1
予備分散された水性デンプンを含む石膏スラリー調合物試料
【0059】
下表1に、例示的な石膏含有スラリー調合物が示されている。表1中の値は、印のないかぎりポンド単位の乾燥重量(lb/MSF)として表現されている。
【表1】

【0060】
実施例2
予備分散デンプンを用いた石膏ウォールボードの調製
【0061】
予備ゼラチン化コーンスターチが約80°Fでプロセス水中に予備分散され本発明に係るプロセス(計量)水に添加されボードミキサー中に注入されたという点を除いて、参照により本明細書に援用されているYuらに対する米国特許第6,342,284号明細書およびYuらに対する米国特許第6,632,550号明細書にしたがって、実施例1の石膏スラリー低デンプンおよび高デンプン調合物を用いて石膏ウォールボードの見本を調製した。これには、これらの特許の実施例5の中に記載されている通り別個の泡発生およびその他の成分のスラリー内への泡の導入が含まれる。
【0062】
実施例3
予備分散された(湿潤)予備ゼラチン化コーンスターチを用いて調製した1/2インチ石膏ウォールボードについての試験結果
【0063】
実施例2にしたがって被験石膏ウォールボードを調製した。
【表2】

【0064】
くぎ抜き抵抗、縁部およびコア硬度そして曲げ強度試験は、ASTM C−1396にしたがって実施された。さらに、典型的な石膏ウォールボードは厚みがおよそ1/2インチであり、約1600〜1800lb/MSFの間の重量を有することが指摘される。
【0065】
表2に示されている通り、両方のウォールボード共、ボード重量を実質的に減らしながら強度およびくぎ抜き抵抗についてはASTM規格を上回っている。両方のウォールボード共、同様に、優れたコア強度および加湿固着(紙対コア)特性を示している。注目すべき予想外のことは、低デンプンレベルのボードがデンプンレベルを約12%減少させながら全ての強度規格およびその他のボード基準を満たし、その結果として、材料およびコストが実質的に節減される、という点である。デンプンのレベルが高デンプンレベルの調合物に比べて本システムにより提供される調合物内で約25%まで削減されたとしても、観察された強度、コア強度および加湿固着(紙対コア)特性は維持されるものと予想される。
【0066】
本明細書中で引用されている刊行物、特許出願および特許を含めた全ての参考文献は、各々の参考文献が個別にかつ具体的に参照により援用されていると標示されかつその全体が本明細書に規定された場合と同じ範囲で、参照により本明細書に援用されている。
【0067】
(特に特許請求の範囲に関係して)本発明を記述するという状況の下で「a」および「an」そして「the」ならびにそれに類する指示語の使用は、本明細書に別段の標示のないかぎり、または前後関係から明らかに矛盾するのでないかぎり、単数および複数の両方を網羅するものとみなされるべきである。本明細書中の値の範囲の列挙は、単に、本明細書に別段の標示のないかぎり、その範囲内に入る各々別個の値に個別に言及するための短縮された方法として役立つように意図されているにすぎず、各々の別個の値は、あたかもそれが本明細書中で個別に列挙されたかのごとくに、本明細書中に援用されている。本明細書中で記述されている全ての方法は、本明細書に別段の標示のないかぎりまたは前後関係から明らかに矛盾するのでないかぎり、適切な任意の順序で実施できる。本明細書中で提供されている任意のおよび全ての実施例または例示的文言(例えば「such as(例えば)」)の使用は、単に本発明をより良く照らし出すように意図されているにすぎず、別段の申し立てのないかぎり、本発明の範囲を限定するものではない。明細書中のいかなる文言も、請求項の範囲ではない要素を本発明の実践にとって不可欠なものではないとして標示するものとみなされるべきではない。
【0068】
本発明を実施するための発明人らにとって公知の最良の態様を含め、本発明の好ましい実施形態が、本明細書に記述されている。例証された実施形態は単なる一例にすぎず、本発明の範囲を限定するものとして考えられるべきではない、ということを理解すべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
石膏ウォールボードの生産のための計量水中のデンプン予備分散を調製するシステムにおいて、
乾燥デンプンを貯蔵するためのデンプン補給装置と、
ベンチュリミキサーと、
前記ベンチュリミキサーに調整可能な速度で前記補給装置から前記乾燥デンプンを供給するための真空ピックアップユニットと、
前記ベンチュリミキサーに調整可能な速度で水を供給して約2重量%〜10重量%のデンプン予備分散を形成させるための第1の送水ポンプと、
前記デンプン予備分散に計量水を供給して前記計量水中の前記デンプン予備分散を調製するための第2の送水ポンプと、
を含むシステム。
【請求項2】
石膏ボード生産ライン上のボードミキサーに対して調整可能な速度かつ測定可能な濃度で前記計量水中の前記デンプン予備分散を送出するためのスラリー出力制御装置と、
実際のスラリー出力濃度と目標スラリー出力濃度の間の差を計算し、この差に基づいて前記デンプン補給装置に信号を送って前記デンプン供給速度を調整しかつ/または前記第1の送水ポンプに信号を送って前記給水速度を調整するための制御手段と、
をさらに含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記デンプン予備分散の脱気を目的として、前記約2%〜約10%のデンプン予備分散のための貯蔵タンクをさらに含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記デンプン予備分散およびスタッコを含む前記計量水を収容するためのボードミキサーをさらに含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記計量水中への前記デンプン予備分散の流速が調整可能であるかまたは恒常である、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記ボードミキサーが、水、スタッコ、前記スタッコの重量に基づいて約0.5重量%から約10重量%の量で存在する予備ゼラチン化デンプン、前記スタッコの重量に基づいて約0.2重量%から約2重量%の量で存在するナフタレンスルホネート分散剤、前記スタッコの重量に基づいて約0.1重量%〜約0.4重量%の量で存在するトリメタリン酸ナトリウムおよび前記スタッコの重量に基づいて約0.2重量%までの量で存在するガラス繊維を含む石膏含有スラリーを収納する、請求項4に記載のシステム。
【請求項7】
前記石膏含有スラリーがさらに、約0.2lb/MSF〜約0.7lb/MSFの量で存在する石けんを含む、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記水/スタッコ比が約0.7〜約1.3である、請求項6に記載のシステム。
【請求項9】
前記ボードミキサーに先立ち水中にデンプンが予備分散されていないシステムに比べて、前記予備ゼラチン化デンプンの量が少なくとも約10%少ない、請求項6に記載のシステム。
【請求項10】
石膏ウォールボードの生産のための計量水中のデンプン予備分散を調製する方法において、
(a) ベンチュリミキサーに対して調整可能な速度で乾燥デンプンを補給するステップと、
(b) 前記ベンチュリミキサー内の水で前記デンプンを湿潤化して前記デンプンの重量に基づいて約2%〜約10%の濃度でデンプンスラリーを形成させるステップと、
(c) 前記デンプンスラリーを前記計量水に送出して前記計量水中にデンプン予備分散を形成させるステップと、
を含む、方法。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2012−501884(P2012−501884A)
【公表日】平成24年1月26日(2012.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−526121(P2011−526121)
【出願日】平成21年8月28日(2009.8.28)
【国際出願番号】PCT/US2009/055383
【国際公開番号】WO2010/027920
【国際公開日】平成22年3月11日(2010.3.11)
【出願人】(596172325)ユナイテッド・ステイツ・ジプサム・カンパニー (100)
【Fターム(参考)】