説明

破損燃料検査装置及び方法

【課題】吊り上げを行わずに燃料集合体の放射能漏れを検知する破損燃料検査技術を提供する。
【解決手段】破損燃料検査装置は、使用済み燃料集合体10及び燃料ラックの角管31のスペース32に挿入されこの使用済み燃料集合体10の周囲を加熱する加熱ロッド43と、この加熱により使用済み燃料集合体10の内部に発生した気泡をその上部において捕集するシッパーキャップ51と、この捕集された気泡を回収して放射性成分が含まれているか否かを検査するガス検査部50と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、破損した燃料集合体の放射能漏れを検知する破損燃料検査技術に関する。
【背景技術】
【0002】
原子炉の運転中に燃料棒の破損が発生した場合、原子炉を停止した後に、この破損した燃料棒が存在する燃料集合体を特定するシッピング検査が行われる。破損した燃料棒が存在すると、その内部から放射性ガスが放出される。このため、検査対象の燃料集合体の近傍のガスや水を採取して放射能測定を行うことにより、破損燃料棒の存在の有無を判断することができる。
【0003】
燃料集合体が炉心に存在する状態で行うシッピング検査として、燃料集合体の上部にシッパーキャップを取り付け、このシッパーキャップの内部を減圧したり攪拌したりすることにより、放射性ガスを採取する技術が開示されている(例えば、特許文献1,2)。
【0004】
燃料集合体を炉外に取り出して行うシッピング検査として、燃料集合体をシッピングカンと呼ばれる容器に封入し、このシッピングカンの内部の水又はガスを採取する技術が開示されている(例えば、特許文献3)。
さらに、このシッピングカンの底部に加熱器を配置して、ガス放出を促す技術が開示されている(例えば、特許文献4)。
【0005】
また、炉水内で燃料集合体を炉心から上方に移動させることにより、燃料棒に付与される水圧を低下させ、破損燃料棒からのガス放出を促し、上方で採取するマストシッピング技術が開示されている(例えば、特許文献5)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第4301685号公報
【特許文献2】特許第3289010号公報
【特許文献3】特開昭62−43597号公報
【特許文献4】実開昭59−185697号公報
【特許文献5】特開平8−220285号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
これら従来のシッピング検査は、燃料棒の破損が判明し原子炉を停止し冷却を開始してから比較的短い時間内に通常行われる。このため、ヨウ素131(半減期8日)やキセノン133(半減期5.2日)のような比較的半減期の短い放射性ガスを分析対象とすることができ、測定感度を確保することができる。また、核燃料の残留熱が高いため、燃料棒を温度上昇させて内部のガス放出を促すことが比較的容易である。
【0008】
ところが、原子炉に大規模災害が発生した場合、従来のシッピング検査が想定する軽微な燃料棒の破損状態とは様相が大きく相違する。
例えば、燃料貯蔵プールのプール水が一時的に減少し、貯蔵中の使用済燃料が残留熱によって高温化して燃料棒が破損したり、あるいは燃料貯蔵プールの崩落等といった外的要因によって燃料棒が破損したりする可能性がある。
【0009】
このような大規模災害が発生した場合、周辺を含めた復旧対策に長期間を要する。このため、1年超えといった長期間が経過し破損燃料が充分に冷却された後に、検査が開始される場合がある。
このような場合、半減期の短い放射性ガスは、放射能が減衰していて検出することができない。このため、半減期の長いクリプトン85(半減期10.8年)を検査対象にする必要がある。しかし、クリプトン85は、放射能強度が低いため、検査にあたり、できるだけ破損燃料から多量に放出させて捕集する必要がある。
【0010】
また、燃料棒の破損状態が深刻な場合は、ハンドルを持って燃料集合体を吊り上げることが困難となる。そのような場合は、従来技術のマストシッピングを実行することはできず、またシッピングカンへ燃料集合体を移動させることもできない。
また、燃料集合体の上部に取り付けたシッパーキャップの内部を減圧したり攪拌したりする従来技術では、クリプトンガスを多量に捕集することは困難である。
【0011】
本発明はこのような事情を考慮してなされたもので、吊り上げを行わずに燃料集合体の放射能漏れを検知する破損燃料検査技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
破損燃料検査装置において、使用済み燃料集合体及び燃料ラックのスペースに挿入されこの使用済み燃料集合体の周囲を加熱する加熱ロッドと、前記加熱により前記使用済み燃料集合体の内部に発生した気泡をその上部において捕集するシッパーキャップと、前記捕集された気泡を回収して放射性成分が含まれているか否かを検査するガス検査部と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明により、吊り上げを行わずに燃料集合体の放射能漏れを検知する破損燃料検査技術が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】(A)本発明の実施形態に適用される燃料集合体を示す縦断面図、(B)その上面図、(C)その水平断面図。
【図2】燃料集合体が収容された燃料ラックが設置された燃料貯蔵プールの縦断面図。
【図3】本発明に係る破損燃料検査装置の第1実施形態を示す図。
【図4】(A)第1実施形態において燃料ラックに収容された燃料集合体の上面図、(B)その下端部の縦断面図。
【図5】(A)第2実施形態において燃料ラックに収容された燃料集合体の上面図、(B)その下端部の縦断面図。
【図6】(A)第3実施形態において燃料ラックに収容された燃料集合体の上面図、(B)加熱ロッドのノズルの斜視図。
【図7】本発明に係る破損燃料検査装置の第4実施形態を示す図。
【図8】本発明に係る破損燃料検査装置の第5実施形態を示す図。
【図9】各実施形態における破損燃料検査装置の動作を説明するフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。
図1(A)に示される縦断面視において、燃料集合体10は、核燃料ペレット(図示略)が装填されている複数の燃料棒19と、これら燃料棒19の上端を支持する上部タイプレート16と、燃料棒19の下端を支持する下部タイプレート20と、下部タイプレート20及び上部タイプレート16の間に互いに離間して配置され燃料棒19の相互の水平方向の間隔を保つスペーサ18と、複数の燃料棒19の四面を覆うチャンネルボックス17と、から構成されている。
【0016】
上部タイプレート16には、燃料集合体10の通常の搬送時に把持されるハンドル15と、チャンネルボックス17を螺子11により締結するボス部14とが設けられている。さらにこの螺子11により、チャンネルファスナ13が、チャンネルボックス17に締結され、原子炉の炉心部(図示略)に隣接配置される燃料集合体10の間隔を調整する。
【0017】
図1(B)に示される上面視において、チャンネルボックス17の上端に設けられるコーナ片12が、上部タイプレート16のボス部14に当接して、チャンネルファスナ13とともに、螺子11により締結されている。また、チャンネルボックス17の側面には、原子炉の炉心部(図示略)に隣接配置される燃料集合体10の間隔を調整するチャンネルスペーサ22が設けられている。
【0018】
図1(C)に示される水平断面視において、燃料集合体10は、燃料棒19が正方格子状に配列されている。
この燃料棒19のうちの一部はタイロッド19Aと呼ばれ、上端及び下端に雄螺子が刻設された端栓が溶接されている。このタイロッド19Aの端栓は、それぞれ上部タイプレート16及び下部タイプレート20に刻設された雌螺子に螺入する。このタイロッド19Aは、4つのコーナを除く最外周に8本配置されている。
その他の燃料棒19Bは、上端及び下端に溶接された端栓が、それぞれ上部タイプレート16及び下部タイプレート20の孔部に挿入される。
【0019】
燃料集合体10は、上述した構造をとるために、ハンドル15を把持して吊り上げる際に、その総重量はタイロッド19Aによって支えられることになる。このため、タイロッド19Aが損傷した場合、ハンドル15を把持して燃料集合体10を吊り上げて搬送することが不可能になる。
【0020】
図2に示すように、燃料ラック30は、複数の角管31が格子状に配列し、プール水35の満たされた燃料貯蔵プール36に配置される。そして、それぞれの角管31に、燃料集合体10が収容される。角管31は、底面に開口21を有している。この開口21に、燃料集合体10の下部タイプレート20が係入している。ここで、角管31とは、図示されるような軸方向に連続した管状である場合のほかに、プレートを井形に配置した支持格子である場合も含む。
【0021】
このように、原子炉から排出される使用済み核燃料は、燃料集合体10を単位に燃料ラック30に収容され、放射線及び残留熱が減衰するまで燃料貯蔵プール36において一定期間冷却されている。そして、この燃料集合体10は、そのハンドル15を、備え付けのクレーン(図示略)で吊って、燃料ラック30から出し入れされる。
【0022】
ところで、大規模災害によって電源が喪失し、燃料貯蔵プール36の冷却機能が失われると、残留熱によりプール水35が蒸発し、気中に露出した燃料集合体10がさらに高温化して燃料棒19(図1)が破損する場合がある。
特にタイロッド19A(図1)が破損した燃料集合体10は、機械的強度の低下によりハンドル15を把持した吊り上げに耐えられない可能性がある。
【0023】
従って、複数のうちいずれの燃料集合体10がそのような吊り上げに耐えられないかを特定する必要がある。
ところで、破損した燃料棒19におけるガスの内圧がプール水35の外圧よりも高いときは破損口からガスが放出され、逆に外圧が内圧よりも高いときは破損口からプール水35が内部浸入する。
浸入した水が燃料棒19の下部に溜まり、内部空間の体積が減少し、外圧と内圧が均衡した時点で、水の浸入は止まる。
【0024】
燃料棒19が破損したままプール水35に浸漬され続けると、残留熱の除去にしたがい、内圧が低下し、水の浸入量の増加が予想される。このために、燃料貯蔵プール36に長期間放置された燃料集合体10から大量の放射性ガスを捕集することは困難である。
【0025】
(第1実施形態)
図3に示すように第1実施形態に係る破損燃料検査装置は、使用済み燃料集合体10及び燃料ラック30(角管31)のスペース32に挿入されこの使用済み燃料集合体10の周囲を加熱する加熱ロッド43と、この加熱により使用済み燃料集合体10の内部に発生した気泡をその上部において捕集するシッパーキャップ51と、この捕集された気泡を回収して放射性成分が含まれているか否かを検査するガス検査部50と、を備える。
そして、加熱ロッド43の先端部分には、高温水を放出するノズル44が形成されている。
【0026】
図4は、燃料ラックの角管31に燃料集合体10が貯蔵されている状態を示している。
図4(A)は、角管31に燃料集合体10を収容した状態を上面視したものである。図示されるように角管31の内側には加熱ロッド43が挿入されるスペース32が形成されている。
【0027】
このスペース32は、角管31の構造によって若干の違いはあるが、通常は片側1cm程度である。ただし、燃料集合体10の上部におけるチャンネルスペーサ22の突起、及びチャンネルファスナ13の突起が張り出している部分については、スペース32が狭くなっている。
【0028】
図4(A)に示すように加熱ロッド43は、スペース32のコーナ部分に挿入されるが、この挿入位置に特に限定はない。
図4(B)に示すように、ノズル44は、その先端に高温水の放出口45を有する。
【0029】
図3に示すように、加熱制御部40は、加熱ロッド43に高温水を供給する高温水供給部41と、この高温水の供給をON/OFFする開閉弁42とから構成される。
高温水供給部41で生成した高温水は加熱ロッド43を通じて、その先端のノズル44から燃料集合体10の下方部に注入される。これにより、チャンネルボックス17(図1)の外部から、その内部にある燃料棒19が加熱される。
【0030】
加熱ロッド43の先端部分は、燃料集合体10の高さ方向において中央部よりも下部に位置することで、効率的に燃料集合体10を昇温させることができる。そして、燃料棒19の内部のガス圧力を上昇させ、クリプトン85を含む放射性ガスの破損口からの放出を促す。
【0031】
シッパーキャップ51は、チャンネルボックス17(図1)の上側開口に略一致する開口部を下端に有しその上端が閉じられている筒状体である。そして、サンプル捕集管52がシッパーキャップ51の上端を挿通し、このシッパーキャップ51の内側空間と、ガス検査部50とを連通している。
【0032】
このシッパーキャップ51は、取付手段(図示略)により、チャンネルボックス17(図1)の上側開口の周縁に接するように装着され、燃料集合体10の内側と外側とのプール水35を隔離する。
この状態で、加熱ロッド43が加熱すると、放射性ガスが破損燃料棒19の破損口から放出され、その気泡が燃料集合体10の内側を上昇し、シッパーキャップ51の内側に滞留する。
【0033】
ガス検査部50は、シッパーキャップ51の内側に滞留する気泡とプール水35との混合体を吸引しそれぞれに分離する気液分離部53と、分離した気泡の放射線を分析する放射線分析部54とから構成される。
分離した液体は燃料貯蔵プール36(図2)に戻される。放射線分析部54は、ベータ線あるいはガンマ線を測定する放射線検出器を用いて構成することができ、クリプトン85が放出するベータ線あるいはガンマ線を測定する。
【0034】
(第2実施形態)
図5(A)は、第2実施形態において燃料ラックの角管31に収容された燃料集合体10の上面図である。図5(B)は、角管31に収容された燃料集合体10の下端部の縦断面図である。なお、図5において図4と同一又は相当する部分は、同一符号で示し、重複する説明を省略する。
【0035】
図5に示すように、第2実施形態におけるノズル44は、その側面に高温水の放出口46を有する。
これにより、燃料ラックの角管31と燃料集合体10とのスペース32に高温水を広範にわたって注入することができ、燃料集合体10を効率的に加熱して放射性ガスの放出が促進される。
【0036】
(第3実施形態)
図6(A)は、第3実施形態において燃料ラックの角管31に収容された燃料集合体10の上面図である。図6(B)は加熱ロッド43のノズル44の斜視図である。なお、図6において図5と同一又は相当する部分は、同一符号で示し、重複する説明を省略する。
【0037】
図6に示すように、第3実施形態におけるノズル44の放出口は、高温水を互いに直角方向に分岐して案内する案内路47を有する。
これにより、ノズル44が、燃料ラックの角管31のコーナに位置することで、高温水を広範にわたって注入することができ、燃料集合体10を効率的に加熱して放射性ガスの放出が促進される。
【0038】
(第4実施形態)
図7に示すように第4実施形態の破損燃料検査装置は、加熱ロッド43の先端部分は、自身が発熱する発熱体49が形成されている。なお、図7において図3と同一又は相当する部分は、同一符号で示し、重複する説明を省略する。
この発熱体49は、ヒータ電源48の通電により発熱する電気抵抗体である。
【0039】
第1から第3実施形態までに説明したような高温水を注入する代わりに、発熱体49を燃料ラックの角管31と燃料集合体10とのスペース32に挿入する。この発熱体49は、効率的に燃料集合体10を昇温させることができる。そして、燃料棒19の内部のガス圧力を上昇させ、クリプトン85を含む放射性ガスの破損口からの放出を促す。
なお、発熱体49として電気抵抗体を例示したが、これに限定されるものでなく、スペース32の水を昇温させるものであれば適宜採用することができる。
【0040】
(第5実施形態)
図8に示すように第5実施形態の破損燃料検査装置は、スペース32の水温を測定する測温センサ56を備える。そして、この測温センサ56が出力する温度情報を取得してデータ処理する温度計側部55を備える。なお、図8において図3と同一又は相当する部分は、同一符号で示し、重複する説明を省略する。
【0041】
温度センサ56は、燃料ラックの角管31と燃料集合体10とのスペース32に沿って、燃料集合体10の底部付近と中央部付近に挿入される。破損燃料を検査する際、加熱ロッド43を動作させる前の温度を測定する。核燃料が長期間冷却された場合、残留熱が低下するために、スペース部32の水温は低下していると考えられる。
そこで、破損燃料棒19から十分にガスを放出させるために必要な昇温幅を設定し、水温調節する。温度変化による燃料棒19からのガス放出量は、ボイル・シャルルの法則に則り定量的に推定することができ、検査の確実性が担保される。
【0042】
図2及び図9を参照して各実施形態における破損燃料検査装置の動作を説明する。
まず、検査対象となる燃料集合体10を設定し(S11)、その上部にシッパーキャップ51を設置する(S12)。次に、スペース32に加熱ロッド43を挿入し(S13)、使用済み燃料集合体10の周囲を加熱する。
【0043】
加熱により使用済み燃料集合体10の内部に発生した気泡をその上部に配置したシッパーキャップ51で捕集する(S14)。この捕集された気泡を回収して放射性成分が含まれているか否かについて検査する(S15)。
シッパーキャップ51と加熱ロッド43を引き上げて(S16)、次の検査対象となる燃料集合体10にセットし(S17;No)、検査対象の全てに対して実行する(S17;Yes)。
【0044】
以上述べた少なくともひとつの実施形態の破損燃料検査装置によれば、使用済み燃料集合体の周囲を加熱する手段を持つことにより、吊り上げを行わずに燃料集合体から放射性ガスを捕集して放射能漏れを検査することが可能となる。
【0045】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更、組み合わせを行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0046】
10…燃料集合体、11…螺子、12…コーナ片、13…チャンネルファスナ、14…ボス部、15…ハンドル、16…上部タイプレート、17…チャンネルボックス、18…スペーサ、19…燃料棒、19A…タイロッド、19B…燃料棒、20…下部タイプレート、21…開口、22…チャンネルスペーサ、30…燃料ラック、31…角管、32…スペース、35…プール水、36…燃料貯蔵プール、40…加熱制御部、41…高温水供給部、42…開閉弁、43…加熱ロッド、44…ノズル、45,46…放出口、47…案内路、48…ヒータ電源、49…発熱体、50…ガス検査部、51…シッパーキャップ、52…サンプル捕集管、54…放射線分析部、55…温度計測部、56…測温センサ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用済み燃料集合体及び燃料ラックのスペースに挿入されこの使用済み燃料集合体の周囲を加熱する加熱ロッドと、
前記加熱により前記使用済み燃料集合体の内部に発生した気泡をその上部において捕集するシッパーキャップと、
前記捕集された気泡を回収して放射性成分が含まれているか否かを検査するガス検査部と、を備えることを特徴とする破損燃料検査装置。
【請求項2】
請求項1に記載の破損燃料検査装置において、
前記加熱ロッドの先端部分は、高温水を放出するノズル又は自身が発熱する発熱体が形成されていることを特徴とする破損燃料検査装置。
【請求項3】
請求項2に記載の破損燃料検査装置において、
前記ノズルは、その先端及び側面の少なくとも一方に前記高温水の放出口を有することを特徴とする破損燃料検査装置。
【請求項4】
請求項3に記載の破損燃料検査装置において、
前記放出口は、前記高温水を互いに直角方向に分岐して案内する案内路を有することを特徴とする破損燃料検査装置。
【請求項5】
請求項2に記載の破損燃料検査装置において、
前記発熱体は、通電により発熱する電気抵抗体であることを特徴とする破損燃料検査装置。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の破損燃料検査装置において、
前記スペースの水温を測定する測温センサを備えることを特徴とする破損燃料検査装置。
【請求項7】
使用済み燃料集合体及び燃料ラックのスペースに加熱ロッドを挿入してこの使用済み燃料集合体の周囲を加熱する工程と、
前記加熱により前記使用済み燃料集合体の内部に発生した気泡をその上部に配置したシッパーキャップで捕集する工程と、
前記捕集された気泡を回収して放射性成分が含まれているか否かを検査する工程と、を含むことを特徴とする破損燃料検査方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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