説明

破砕設備

【課題】破砕室内に破砕が困難な破砕対象物が投入された場合であっても、ロータ支持軸の損傷を抑制することが可能な破砕設備を提供する。
【解決手段】破砕用ロータ6と、破砕用ロータ6を回転可能に軸支するロータ支持軸8と、破砕用ロータ6の外径面と対向配置した下部グレーチング10を備える破砕設備1であって、ロータ支持軸8に設定されている破断荷重未満に設定した損傷抑制荷重以上の荷重がロータ支持軸8及び下部グレーチング10に加わると、下部グレーチング10を破砕用ロータ6の外径面から離隔させるグレーチング離隔部16を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属廃棄物等の破砕対象物(スクラップ)を破砕処理する破砕設備に関し、破砕対象物の破砕処理に用いる破砕用ロータを回転可能に支持するロータ支持軸の損傷を抑制することが可能な破砕設備に関する。
【背景技術】
【0002】
廃棄物等の破砕対象物(スクラップ)を破砕処理する設備(スクラップ破砕処理設備)としては、例えば、特許文献1に記載されているような破砕設備が提案されている。
特許文献1に記載されている破砕設備は、図9に示すように、ケーシング18と、ケーシング18の内部空間である破砕室2に配置した破砕用ロータ6を備えている。
ケーシング18は、破砕対象物を破砕室2へ投入する原料投入口20と、被破砕物を破砕室2から排出するための上部排出口50及び下部排出口52を備えている。上部排出口50には、複数箇所の上側開口部40を有する上部グレーチング12を設けている。同様に、下部排出口52には、複数箇所の下側開口部38を有する下部グレーチング10を設けている。
【0003】
破砕用ロータ6は、軸方向から見た断面形状が円形であり、破砕室2内において、ロータ支持軸8により回転可能に軸支され、複数のハンマー26を備えている。
複数のハンマー26は、遠心力により、破砕用ロータ6を形成する円環状のロータディスク22の外径面から突出して、破砕室2内へ投入された破砕対象物を打撃可能な状態となる。
【0004】
このような構成の破砕設備1では、ロータ支持軸8により回転可能に軸支されている破砕用ロータ6を回転させ、原料投入口20から破砕室2内へ破砕対象物を投入すると、破砕室2内において、複数のハンマー26により破砕対象物が破砕される。そして、破砕された破砕対象物は、下部グレーチング10が有する下側開口部38から落下して、図外の分別設備等へ搬送される。
【0005】
しかしながら、上述した構成の破砕設備1では、破砕能力を超えた形状や硬さの破砕対象物等、破砕が困難な破砕対象物が投入された場合、この破砕対象物が、下部グレーチング10と破砕用ロータ6やハンマー26との間に挟まって、下部グレーチング10、ケーシング18、破砕用ロータ6、ハンマー26等が損傷するおそれがある。
このため、特許文献1に記載されている破砕設備1を含め、従来のスクラップ破砕処理設備では、例えば、投入する破砕対象物に対し、マグネット付重機等を用いて金属を含む破砕対象物を区分し、目視による事前選別作業を実施している。しかしながら、目視による事前選別作業では、破砕が困難な破砕対象物を完全に選別することは困難であるため、破砕が困難な破砕対象物が破砕室内へ投入されるという問題が発生するおそれがある。
【0006】
この問題に対して、特許文献1に記載されている破砕設備1では、上部排出口50内に、破砕が困難な破砕対象物を排除するためのリジェクトドア14を配置している。ここで、上部排出口50は、破砕対象物の移動方向において、破砕用ロータ6の下流(後段)に配置されている。
また、上記の問題に対し、特許文献2に記載されているスクラップ用破砕装置では、破砕室の上部に、開度を自由に変化可能な排出ドアを設け、破砕用ロータの回転数が所定値以下に低下すると、排出ドアを開放して破砕室内の破砕対象物を排出する。ここで、排出ドアは、破砕対象物の移動方向において、破砕用ロータの下流(後段)に配置されている。
【0007】
また、上記の問題に対し、特許文献3に記載されているスクラップ破砕装置では、破砕室内の振動を検知し、この検知した振動が基準値以上である場合に、破砕室内への新たな破砕対象物の供給を中断する。これに加え、所定の待機時間を設けて、正常な破砕済の破砕対象物を下流に搬送した後、引き続き、基準値以上の振動を検知した場合に、破砕室に設けた異物排出口を開放して、破砕が困難な破砕対象物のみを自動的に除去する。ここで、異物排出口は、破砕対象物の移動方向において、破砕用ロータの下流(後段)に配置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平6‐210192号公報
【特許文献2】特開平5‐192604号公報
【特許文献3】特開2007‐175575号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、上述した特許文献1から3に記載されている破砕設備では、破砕が困難な破砕対象物を排除するための構成(リジェクトドア、排出ドア、異物排出口)が、破砕対象物の移動方向において、破砕用ロータの下流に配置されている。
このため、破砕が困難な破砕対象物は、破砕室内において、破砕用ロータと下部グレーチングとの間に挟まれた後に、破砕用ロータの回転に伴い移動して、破砕が困難な破砕対象物を排除するための構成に到達することとなる。
したがって、破砕室内において、破砕が困難な破砕対象物が破砕用ロータと下部グレーチングとの間に挟まれた状態では、破砕用ロータを回転可能に軸支しているロータ支持軸に対し、ロータ支持軸の径方向への荷重が加わることとなるため、ロータ支持軸に欠損や折損等の損傷が発生するおそれがある。
【0010】
ロータ支持軸は、破砕設備において、他の部品と比較して高価な部品であり、また、重要度の高い部品であるので、ロータ支持軸の損傷や折損は、破砕設備のコスト・使用状況に与える影響が大きい。
本発明は、上記のような問題点に着目してなされたもので、破砕が困難な破砕対象物が破砕室内に投入された場合であっても、ロータ支持軸の損傷を抑制することが可能な、破砕設備を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、本発明のうち、請求項1に記載した発明は、破砕用ロータと、
前記破砕用ロータを回転可能に軸支するロータ支持軸と、
前記破砕用ロータの外径面と対向配置したグレーチングと、を備える破砕設備であって、
前記ロータ支持軸に設定されている破断荷重未満に設定した損傷抑制荷重以上の荷重がロータ支持軸及び前記グレーチングに加わると、前記グレーチングを前記破砕用ロータの外径面から離隔させるグレーチング離隔部を備えることを特徴とするものである。
【0012】
本発明によると、ロータ支持軸に設定されている破断荷重未満に設定した損傷抑制荷重以上の荷重が、ロータ支持軸及びグレーチングに加わると、グレーチング離隔部が、グレーチングを破砕用ロータの外径面から離隔させる。
このため、破砕室内に破砕が困難な破砕対象物が投入されて、グレーチングに損傷抑制荷重以上の荷重が加わった場合であっても、グレーチングと破砕用ロータとの距離が増加するため、ロータ支持軸に加わるロータ支持軸の径方向への荷重を低減させることが可能となる。
【0013】
次に、本発明のうち、請求項2に記載した発明は、請求項1に記載した発明であって、前記グレーチング離隔部は、前記グレーチングを前記ロータ支持軸の径方向へ移動可能に支持するグレーチング変位部を備え、
前記グレーチング変位部は、前記損傷抑制荷重以上の荷重が前記ロータ支持軸及び前記グレーチングに加わると、前記グレーチングを前記破砕用ロータの外径面から離れる方向へ移動させることを特徴とするものである。
【0014】
本発明によると、損傷抑制荷重以上の荷重がロータ支持軸及びグレーチングに加わると、グレーチング離隔部が備えるグレーチング変位部が、グレーチングを破砕用ロータの外径面から離れる方向へ移動させる。
このため、破砕室内に破砕が困難な破砕対象物が投入されて、グレーチングに損傷抑制荷重以上の荷重が加わった場合であっても、グレーチングを破砕用ロータの外径面から離れる方向へ移動させて、グレーチングと破砕用ロータとの距離を増加させることが可能となる。これにより、破砕対象物が破砕用ロータに加える荷重を低減させて、ロータ支持軸に加わる荷重を低減させることが可能となる。
【0015】
次に、本発明のうち、請求項3に記載した発明は、請求項2に記載した発明であって、前記グレーチング変位部は、前記ロータ支持軸及び前記グレーチングに加わる荷重が前記損傷抑制荷重未満となると、前記グレーチングと前記破砕用ロータの外径面との距離を予め設定した距離とすることを特徴とするものである。
本発明によると、ロータ支持軸及びグレーチングに加わる荷重が損傷抑制荷重未満となると、グレーチング変位部が、グレーチングと破砕用ロータの外径面との距離を予め設定した距離とする。
このため、破砕が困難な破砕対象物が破砕室から除去された後は、破砕設備の通常動作に復帰することが可能となる。
【0016】
次に、本発明のうち、請求項4に記載した発明は、請求項1に記載した発明であって、前記グレーチング離隔部を、前記グレーチングの少なくとも一部の破断荷重が前記ロータ支持軸に設定されている破断荷重未満となるように形成したことを特徴とするものである。
本発明によると、グレーチング離隔部を、グレーチングの少なくとも一部の破断荷重が、ロータ支持軸に設定されている破断荷重未満となるように形成する。
【0017】
このため、破砕室内に破砕が困難な破砕対象物が投入されて、グレーチングに損傷抑制荷重以上の荷重が加わった場合であっても、グレーチングの少なくとも一部を破断させることにより、グレーチングと破砕用ロータとの距離を増加させることが可能となる。これにより、破砕対象物が破砕用ロータに加える荷重を低減させて、ロータ支持軸に加わる荷重を低減させることが可能となる。
【0018】
次に、本発明のうち、請求項5に記載した発明は、請求項1から請求項4のうちいずれか1項に記載した発明であって、前記損傷抑制荷重をALと定義し、前記ロータ支持軸に設定されている破断荷重をBLと定義した場合に、BL/4≦AL≦BL/2の条件式が成立していることを特徴とするものである。
本発明によると、損傷抑制荷重の値を、ロータ支持軸に設定されている破断荷重の四分の一から二分の一の範囲内に設定している。
【0019】
このため、損傷抑制荷重の下限値をロータ支持軸に設定されている破断荷重の四分の一未満の値とした場合と比較して、グレーチングに荷重が加わった場合に破砕設備の通常動作が不必要に停止する頻度を低下させることが可能となる。これに加え、損傷抑制荷重の上限値をロータ支持軸に設定されている破断荷重の二分の一を超える値とした場合と比較して、グレーチングに損傷抑制荷重以上の荷重が加わった場合に、破砕対象物が破砕用ロータに加える荷重を低減させる際の余裕代を増加させることが可能となる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、破砕室内に破砕が困難な破砕対象物が投入されて、ロータ支持軸及びグレーチングに損傷抑制荷重以上の荷重が加わった場合であっても、グレーチングと破砕用ロータとの距離が増加するため、ロータ支持軸に加わるロータ支持軸の径方向への荷重を低減させることが可能となる。
このため、破砕設備において、他の部品と比較して高価な部品であり、また、重要度の高い部品であるロータ支持軸の損傷・折損を抑制して、破砕設備のメンテナンスコストを低減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の第一実施形態の破砕設備の概略構成を示す図である。
【図2】図1のII−II線断面図である。
【図3】本発明の第一実施形態の破砕設備の作動状態を示す図である。
【図4】図3のIV−IV線断面図である。
【図5】従来例の破砕設備の作動状態を示す図であり、破砕用ロータ及び下部グレーチングの一部を、破砕用ロータの径方向から見た断面図である。
【図6】本発明の第二実施形態の破砕設備の概略構成を示す図である。
【図7】下部グレーチングを破砕用ロータ側から見た図である。
【図8】本発明の第二実施形態の破砕設備の作動状態を示す図であり、破砕用ロータ及び下部グレーチングの一部を、破砕用ロータの径方向から見た断面図である。
【図9】従来例の破砕設備の概略構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
(第一実施形態)
以下、本発明の第一実施形態(以下、「本実施形態」と記載する)について、図面を参照しつつ説明する。
(構成)
まず、図1及び図2を用いて、本実施形態の破砕設備の構成を説明する。
図1は、本実施形態の破砕設備の概略構成を示す図であり、図2は、図1のII−II線断面図である。図1及び図2では、図9で示したものと同様の構成について、同一の符号を付して示している。
図1及び図2に示すように、破砕設備1は、破砕室2と、フィードローラ4と、破砕用ロータ6と、ロータ支持軸8と、下部グレーチング10と、上部グレーチング12と、リジェクトドア14と、グレーチング離隔部16を備えている。
【0023】
破砕室2は、破砕設備1を形成するケーシング18の内部空間であり、原料投入口20と連通している。
原料投入口20は、破砕対象物(金属廃棄物等のスクラップ)を破砕室2へ投入するための搬送経路であり、外部と破砕室2を連通している。
フィードローラ4は、原料投入口20に配置されており、外部から投入された破砕対象物を、破砕室2へ移動させる。
破砕用ロータ6は、破砕室2内に配置されており、複数のロータディスク22と、複数のハンマーピン24と、複数のハンマー26を有している。
【0024】
各ロータディスク22は、円環状に形成されており、互いに間隔を空けて配列されている。
各ハンマーピン24は、各ロータディスク22の外径側の一部を貫通しており、各ロータディスク22の周方向に沿って均等に配置されている。なお、本実施形態では、一例として、破砕用ロータ6が、六本のハンマーピン24を有している場合について示す。また、本実施形態では、一例として、六本のハンマーピン24が、破砕用ロータ6の周方向に沿って等間隔で配置されている場合について示す。
【0025】
したがって、互いに間隔を空けて配列されている各ロータディスク22と、各ロータディスク22の外径側の一部を貫通している各ハンマーピン24を有する破砕用ロータ6は、軸方向(各ロータディスク22の配列方向)から見た断面形状が、円形となっている。
ロータ支持軸8は、各ロータディスク22の中心に挿通されており、各ロータディスク22と各ハンマーピン24を有する破砕用ロータ6を、回転可能に軸支している。
【0026】
また、ロータ支持軸8の両端は、ケーシング18に取り付けた二つのロータ軸受28により、それぞれ、回転可能に支持されている。なお、各ロータ軸受28は、例えば、円筒ころ軸受を用いて形成されている。
また、ロータ支持軸8の一方の端部は、ロータ軸受28を貫通しており、ユニバーサルジョイント30(自在継手)を介して、ケーシング18の外部に設置されたモータ32に連結されている。
【0027】
ハンマー26は、ハンマー支持部34と、破砕部36を備えている。
ハンマー支持部34は、ハンマーピン24を挿通するピン挿通孔を有し、ピン挿通孔にハンマーピン24を挿通した状態で、隣り合うロータディスク22間に配置されている。
破砕部36は、ハンマー支持部34よりも体積・質量が大きく形成されており、モータ32を回転させて、ロータ支持軸8が回転可能に軸支している破砕用ロータ6を回転させると、遠心力により、各ロータディスク22の外径面から突出する。
【0028】
下部グレーチング10は、例えば、複数箇所の開口部(図中及び以降の説明では、「下側開口部38」と記載する)を有する格子状の鋳物で形成されており、ケーシング18のうち、破砕室2の下方に取り付けられて、破砕用ロータ6の下方に配置された状態で、破砕用ロータ6の外径面と離間して対向配置されている。
下部グレーチング10を破砕用ロータ6側から見ると、下部グレーチング10のうち下側開口部38が占める面積が、下部グレーチング10の骨格部分(肉厚部分)よりも小さくなっている。
【0029】
上部グレーチング12は、下部グレーチング10と同様、例えば、複数箇所の開口部(図中及び以降の説明では、「上側開口部40」と記載する)を有する格子状の鋳物で形成されており、ケーシング18のうち、破砕室2の上方に取り付けられて、破砕用ロータ6の上方に配置されている。
上部グレーチング12を破砕用ロータ6側から見ると、上部グレーチング12のうち上側開口部40が占める面積が、上部グレーチング12の骨格部分(肉厚部分)よりも小さくなっている。
【0030】
リジェクトドア14は、上部グレーチング12の下方に取り付けられ、開閉可能に形成されている。リジェクトドア14を開放した状態では、上部グレーチング12の下方に、下部グレーチング10及び上部グレーチング12が有する開口部の開口面積よりも大きな空間が形成される。
グレーチング離隔部16は、グレーチング変位部42を備えている。
グレーチング変位部42は、例えば、油圧シリンダーを用いて形成されており、往復運動するピストン44のうち、シリンダー46の外部へ突出している部分が、下部グレーチング10のうち、破砕用ロータ6の外径面と対向している面と反対側の面に連結されている。なお、本実施形態では、一例として、グレーチング変位部42を、油圧シリンダーを用いて形成した場合を示す。
【0031】
ピストン44が往復運動する方向は、ロータ支持軸8の径方向に向けられている。
なお、本実施形態では、一例として、ピストン44が往復運動する方向を、ロータ支持軸8の径方向のうち、鉛直方向とした場合を示す。
以上により、グレーチング変位部42は、下部グレーチング10をロータ支持軸8の径方向へ移動可能に支持している。
【0032】
また、グレーチング変位部42は、シリンダー46の油圧を図外のポンプにより設定して、ロータ支持軸8及び下部グレーチング10に予め設定した損傷抑制荷重以上の荷重が加わると、下部グレーチング10を破砕用ロータ6の外径面から離れる方向へ移動させる。
損傷抑制荷重は、ロータ支持軸8に設定されている破断荷重未満の値、具体的には、ロータ支持軸8の径方向への破断荷重未満の値であり、ロータ支持軸8の構成(諸元等)に応じて、予め設定する。
【0033】
本実施形態では、一例として、損傷抑制荷重をALと定義し、ロータ支持軸8に設定されている破断荷重をBLと定義した場合に、以下の条件式(1)が成立している場合を示す。
BL/4≦AL≦BL/2 … (1)
本実施形態では、シリンダー46の油圧を設定して、ロータ支持軸8及び下部グレーチング10に加わる荷重が損傷抑制荷重未満となると、破砕用ロータ6の外径面から離れる方向へ移動していた下部グレーチング10を、破砕用ロータ6の外径面へ近づく方向へ移動させる。
【0034】
これにより、本実施形態では、グレーチング変位部42により、ロータ支持軸8及び下部グレーチング10に加わる荷重が損傷抑制荷重未満となると、下部グレーチング10と破砕用ロータ6の外径面との距離が、予め設定した距離となる。予め設定した距離とは、破砕設備1を使用していない状態で、下部グレーチング10と破砕用ロータ6の外径面との間に形成されている隙間の、破砕用ロータ6の径方向に沿った長さである。
【0035】
また、本実施形態では、一例として、破砕室2内に投入された破砕対象物がロータ支持軸8及び下部グレーチング10に加える荷重に応じて、シリンダー46の油圧を制御する場合について示す。具体的には、下部グレーチング10の損耗が大きく、下部グレーチング10の強度が低くなるほど、シリンダー46の油圧を低下させる。
また、本実施形態では、一例として、下部グレーチング10の使用期間に応じて、シリンダー46の油圧を制御する場合について示す。
【0036】
この場合、例えば、新品の下部グレーチング10を設置してから交換するまでの期間(耐用年数)を、設置から二年間と設定し、新品の下部グレーチング10を設置してから一年間経過した時点で、新品の下部グレーチング10を設置した時点よりも、シリンダー46の油圧を低下させる。さらに、新品の下部グレーチング10を設置してから一年半経過した時点で、新品の下部グレーチング10を設置してから一年間経過した時点よりも、シリンダー46の油圧を低下させる。
これは、破砕設備1の使用期間が長くなるほど、下部グレーチング10の厚さ(ロータ支持軸8の径方向に沿った下部グレーチング10の長さ)が減少して、下部グレーチング10の強度が低下し、下部グレーチング10が破損する可能性が増加するためである。
【0037】
(動作・作用等)
以下、上記の構成を備えた破砕設備1が行う動作・作用等について、図1及び図2を参照しつつ、図3から図5を用いて説明する。
図3は、本実施形態の破砕設備の作動状態を示す図である。図3では、図1及び図2に示したものと同様の構成について、同一の符号を付して示している。
破砕設備1の使用時には、モータ32(図2参照)を駆動させて破砕用ロータ6を回転させ、図3に示すように、各ハンマー26が備える破砕部36を、それぞれ、遠心力により各ロータディスク22の外径面から突出させた状態で、フィードローラ4を作動させて、破砕対象物SAを、原料投入口20から破砕室2へ投入する。
【0038】
破砕室2へ投入された破砕対象物SAは、各ハンマー26が備える破砕部36により破砕室2内で小さく破砕され、下部グレーチング10が有する下側開口部38から落下して排出されるか、または、破砕用ロータ6の回転に伴って、上部グレーチング12が有する上側開口部40を通過して排出され、図外の分別設備等へ搬送される。
このとき、破砕室2へ投入された破砕対象物SAが、破砕設備1の破砕能力を超えた形状や硬さの破砕対象物等、破砕が困難な破砕対象物SBである場合、この破砕対象物SBは、破砕用ロータ6の回転により、図3に示すように、下部グレーチング10と破砕用ロータ6(ハンマー26も含む場合がある)との間に移動する。
【0039】
破砕が困難な破砕対象物SBとは、例えば、金属を含んで破砕が困難な硬度を有するとともに、破砕用ロータ6(ロータディスク22)と下部グレーチング10との間に形成されている隙間よりも大きなスクラップである。
破砕が困難な破砕対象物SBが、下部グレーチング10と破砕用ロータ6との間に移動すると、ロータ支持軸8及び下部グレーチング10に対し、ロータ支持軸8の径方向への荷重が加わることとなる。
【0040】
本実施形態の破砕設備1は、グレーチング離隔部16が備えるグレーチング変位部42が、ロータ支持軸8及び下部グレーチング10に損傷抑制荷重以上の荷重が加わると、下部グレーチング10を破砕用ロータ6の外径面から離隔させるため、下部グレーチング10と破砕用ロータ6との間に移動した破砕対象物SBによりロータ支持軸8及び下部グレーチング10に加わった荷重が損傷抑制荷重以上となると、図4に示すように、下部グレーチング10が破砕用ロータ6の外径面から離れるように下降する。図4は、図3のIV−IV線断面図で、図1及び図2に示したものと同様の構成について、同一の符号を付して示している。
【0041】
下部グレーチング10が破砕用ロータ6の外径面から離れるように下降すると、下部グレーチング10と破砕用ロータ6との距離を増加させることが可能となるため、下部グレーチング10と破砕用ロータ6との間に移動した破砕対象物SBがロータ支持軸8及び下部グレーチング10に加える、ロータ支持軸8の径方向への荷重を低減することが可能となる。
このため、破砕室2内に破砕が困難な破砕対象物SBが投入されて、ロータ支持軸8及び下部グレーチング10に損傷抑制荷重以上の荷重が加わった場合であっても、ロータ支持軸8に加わる荷重を低減させて、ロータ支持軸8の損傷を抑制することが可能となる。
【0042】
これに対し、上述した従来例の破砕設備1のように、グレーチング離隔部16を備えていない破砕設備1では、下部グレーチング10と破砕用ロータ6との間に破砕対象物SBが移動すると、例えば、図5中に示すように、破砕用ロータ6が破砕対象物SBに乗り上げる状態(図中に示す「乗り上げ」)が発生する。なお、図5は、従来例の破砕設備の作動状態を示す図で、破砕用ロータ及び下部グレーチングの一部を、破砕用ロータの径方向から見た断面図である。図5では、図1から図4に示したものと同様の構成について、同一の符号を付して示している。
【0043】
破砕用ロータ6が破砕対象物SBに乗り上げると、破砕対象物SBが破砕用ロータ6に加えるロータ支持軸8の径方向への荷重により、破砕用ロータ6及びロータ支持軸8が押し上げられ、ロータ支持軸8に損傷が生じる。ここで、ロータ支持軸8に生じる損傷が大きい場合、図5に示すように、ロータ支持軸8が折損(図中に示す「折損」)することとなる。
【0044】
下部グレーチング10と破砕用ロータ6との間に移動した破砕対象物SBは、下側開口部38から落下しない大きさで、破砕用ロータ6の回転により搬送されて、開放した状態のリジェクトドア14から、図外の分別設備等へ搬送される。
破砕対象物SBがリジェクトドア14から搬送されて、破砕室2から除去されると、ロータ支持軸8及び下部グレーチング10に加わっていた荷重が減少する。
【0045】
そして、ロータ支持軸8及び下部グレーチング10に加わる荷重が損傷抑制荷重未満となると、グレーチング変位部42が、下部グレーチング10と破砕用ロータ6の外径面との距離を、予め設定した距離とする。
これにより、破砕が困難な破砕対象物SBが破砕室2から除去された後は、破砕設備1の通常動作に復帰することが可能となる。
【0046】
(第一実施形態の効果)
以下、本実施形態の効果を列挙する。
(1)本実施形態の破砕設備1では、破砕室2内に破砕が困難な破砕対象物SBが投入されて、ロータ支持軸8に設定されている破断荷重未満に設定した損傷抑制荷重以上の荷重が、ロータ支持軸8及び下部グレーチング10に加わると、グレーチング離隔部16が、下部グレーチング10を破砕用ロータ6の外径面から離隔させる。
このため、破砕室2内に破砕が困難な破砕対象物SBが投入されて、ロータ支持軸8及び下部グレーチング10に損傷抑制荷重以上の荷重が加わった場合であっても、下部グレーチング10と破砕用ロータ6との距離が増加するため、ロータ支持軸8に加わるロータ支持軸8の径方向への荷重を低減させることが可能となる。これにより、ロータ支持軸8の損傷を抑制することが可能となる。
【0047】
その結果、破砕設備1において、他の部品と比較して高価な部品であり、また、重要度の高い部品であるロータ支持軸8の損傷・折損を抑制して、破砕設備1のメンテナンスコストを低減することが可能となる。
また、ロータ支持軸8の損傷・折損を抑制することが可能となるため、破砕設備1の使用寿命を延長させることが可能となる。
【0048】
(2)本実施形態の破砕設備1では、グレーチング離隔部16が備えるグレーチング変位部42が、損傷抑制荷重以上の荷重がロータ支持軸8及び下部グレーチング10に加わると、下部グレーチング10を破砕用ロータ6の外径面から離れる方向へ移動させる。
このため、破砕室2内に破砕が困難な破砕対象物SBが投入されて、ロータ支持軸8及び下部グレーチング10に損傷抑制荷重以上の荷重が加わった場合であっても、下部グレーチング10を破砕用ロータ6の外径面から離れる方向へ移動させて、下部グレーチング10と破砕用ロータ6との距離を増加させることが可能となる。
その結果、下部グレーチング10と破砕用ロータ6との間に移動した破砕対象物SBが破砕用ロータ6に加える荷重を低減させて、ロータ支持軸8に加わる荷重を低減させることが可能となるため、ロータ支持軸8の損傷を抑制することが可能となる。
【0049】
(3)本実施形態の破砕設備1では、ロータ支持軸8及び下部グレーチング10に加わる荷重が損傷抑制荷重未満となると、グレーチング変位部42が、下部グレーチング10と破砕用ロータ6の外径面との距離を予め設定した距離とする。
このため、破砕が困難な破砕対象物SBが破砕室2から除去された後は、破砕設備1の通常動作に復帰することが可能となる。
その結果、下部グレーチング10の交換作業や位置決め等を行うことなく、破砕が困難な破砕対象物SBが破砕室2から除去された後は、破砕設備1の通常動作に復帰することが可能となり、破砕設備1の稼動効率低下を抑制することが可能となる。
【0050】
(4)本実施形態の破砕設備1では、損傷抑制荷重ALの値を、ロータ支持軸8に設定されている破断荷重BLの四分の一から二分の一の範囲内に設定している。
このため、損傷抑制荷重ALの下限値をロータ支持軸8に設定されている破断荷重BLの四分の一未満の値とした場合と比較して、ロータ支持軸8及び下部グレーチング10に荷重が加わった場合に破砕設備1の通常動作が不必要に停止する頻度を低下させることが可能となる。これに加え、損傷抑制荷重ALの上限値をロータ支持軸8に設定されている破断荷重BLの二分の一を超える値とした場合と比較して、ロータ支持軸8及び下部グレーチング10に損傷抑制荷重以上の荷重が加わった場合に、破砕対象物SBが破砕用ロータ6に加える荷重を低減させる際の余裕代を増加させることが可能となる。
その結果、損傷抑制荷重ALの値を、破断荷重BLの四分の一未満の値とした場合や、破断荷重BLの二分の一を超える値とした場合と比較して、破砕設備1の稼動効率低下を抑制しつつ、ロータ支持軸8の損傷を抑制することが可能となる。
【0051】
(変形例)
以下、本実施形態の変形例を列挙する。
(1)本実施形態の破砕設備1では、グレーチング変位部42を、油圧シリンダーを用いて形成したが、グレーチング変位部42の構成は、これに限定するものではない。
すなわち、グレーチング変位部42を、例えば、モータ等のアクチュエータを用いて形成し、下部グレーチング10をロータ支持軸8の径方向へ変位可能な構成としてもよい。
同様に、グレーチング変位部42を、例えば、コイルスプリング等の弾性体を用いて形成し、その伸縮方向をロータ支持軸8の径方向へ向けた構成としてもよい。
【0052】
(2)本実施形態の破砕設備1では、損傷抑制荷重ALの値を、ロータ支持軸8の径方向への破断荷重BLの四分の一から二分の一の範囲内に設定したが、損傷抑制荷重ALの値は、これに限定するものではない。すなわち、損傷抑制荷重ALの値は、破断荷重BL未満であれば、破断荷重BLの四分の一未満の値や、破断荷重BLの二分の一を超える値としてもよい。
【0053】
(第二実施形態)
次に、本発明の第二実施形態(以下、本実施形態と記載する)について、図面を参照しつつ説明する。なお、上述した第一の実施形態と同様の構成については、同一符号を付して説明する。
(構成)
まず、図1から図4を参照しつつ、図6及び図7を用いて、本実施形態の破砕設備の構成を説明する。
図6は、本実施形態の破砕設備の概略構成を示す図であり、図7は、下部グレーチングを破砕用ロータ側から見た図である。図6及び図7では、図1から図4に示したものと同様の構成について、同一の符号を付して示している。
【0054】
本実施形態の破砕設備1の構成は、グレーチング離隔部16の構成を除き、上述した第一実施形態と同様であるため、以降の説明は、グレーチング離隔部16を中心に行い、上述した第一実施形態と同様の部分については、説明を省略する場合がある。
本実施形態の破砕設備1が備えるグレーチング離隔部16は、下部グレーチング10を、下部グレーチング10の少なくとも一部の破断荷重が、ロータ支持軸8に設定されている破断荷重未満となるように形成して構成されている。
具体的には、下部グレーチング10の材料や厚さ(ロータ支持軸8の径方向に沿った下部グレーチング10の長さ)・幅(ロータ支持軸8の軸方向に沿った下部グレーチング10の長さ)等を設定することにより、下部グレーチング10の少なくとも一部の破断荷重が、ロータ支持軸8に設定されている破断荷重未満となる値に設定している。
【0055】
これにより、グレーチング離隔部16は、上述した損傷抑制荷重以上の荷重がロータ支持軸8及び下部グレーチング10に加わると、下部グレーチング10の一部を破断させるように形成されている。
なお、本実施形態では、一例として、グレーチング離隔部16を、下部グレーチング10の一部を破砕用ロータ6の周方向に沿って連続する薄肉部48で形成した場合を示す。
これにより、本実施形態では、グレーチング離隔部16の構成を、下部グレーチング10に損傷抑制荷重以上の荷重が加わると、下部グレーチング10を破砕用ロータ6の周方向に沿って破断させる構成とする。
その他の構成は、上述した第一実施形態と同様である。
【0056】
(動作・作用等)
次に、図3、図6及び図7を参照しつつ、図8を用いて、上記の構成を備えた破砕設備1の動作・作用等について説明する。なお、上述した第一実施形態と同様の内容については、その記載を省略する場合がある。
破砕設備1の使用時には、図3に示すように、モータ32を駆動させて破砕用ロータ6を回転させて、各ハンマー26が備える破砕部36を、それぞれ、遠心力により各ロータディスク22の外径面から突出させた後に、フィードローラ4を作動させて、破砕対象物SAを、原料投入口20から破砕室2へ投入する。
このとき、破砕室2へ投入された破砕対象物SAが、破砕設備1の破砕能力を超えた形状や硬さの破砕対象物等、破砕が困難な破砕対象物SBである場合、この破砕対象物SBは、破砕用ロータ6の回転により、下部グレーチング10と破砕用ロータ6(ハンマー26も含む場合がある)との間に移動する。
【0057】
破砕が困難な破砕対象物SBが、下部グレーチング10と破砕用ロータ6との間に移動すると、ロータ支持軸8及び下部グレーチング10に対し、ロータ支持軸8の径方向への荷重が加わることとなる。
ここで、本実施形態の破砕設備1は、グレーチング離隔部16を、損傷抑制荷重以上の荷重がロータ支持軸8及び下部グレーチング10に加わると、下部グレーチング10の一部を破断させる薄肉部48で形成している。
これに加え、本実施形態の破砕設備1は、薄肉部48の構成を、ロータ支持軸8及び下部グレーチング10に損傷抑制荷重以上の荷重が加わると、下部グレーチング10を破砕用ロータ6の周方向に沿って破断させる構成としている。
【0058】
したがって、下部グレーチング10と破砕用ロータ6との間に移動した破砕対象物SBによりロータ支持軸8及び下部グレーチング10に加わったロータ支持軸8の径方向への荷重が、損傷抑制荷重以上となると、図8に示すように、薄肉部48が損傷して、下部グレーチング10が破砕用ロータ6の周方向に沿って破断する。なお、図8は、本実施形態の破砕設備の作動状態を示す図であり、破砕用ロータ及び下部グレーチングの一部を、破砕用ロータの径方向から見た断面図である。また、図8では、図6及び図7に示したものと同様の構成について、同一の符号を付して示している。
【0059】
薄肉部48が損傷して、下部グレーチング10が破砕用ロータ6の周方向に沿って破断すると、下部グレーチング10と破砕用ロータ6との間に移動した破砕対象物SBが破砕用ロータ6に加える荷重を低減させて、ロータ支持軸8に加わる荷重を低減させることが可能となる。
このため、破砕室2内に破砕が困難な破砕対象物SBが投入されて、ロータ支持軸8及び下部グレーチング10に損傷抑制荷重以上の荷重が加わった場合であっても、ロータ支持軸8に加わる荷重を低減させて、ロータ支持軸8の損傷を抑制することが可能となる。
その他の動作・作用等は、上述した第一実施形態と同様である。
【0060】
(第二実施形態の効果)
以下、本実施形態の効果を記載する。
(1)本実施形態の破砕設備1では、グレーチング離隔部16が、ロータ支持軸8及び下部グレーチング10に損傷抑制荷重以上の荷重が加わると、下部グレーチング10の少なくとも一部を破断させる。
このため、破砕室2内に破砕が困難な破砕対象物SBが投入されて、ロータ支持軸8及び下部グレーチング10に損傷抑制荷重以上の荷重が加わった場合であっても、下部グレーチング10の少なくとも一部を破断させることにより、破砕対象物SBが破砕用ロータ6に加える荷重を低減させることが可能となる。
その結果、ロータ支持軸8の損傷を抑制することが可能となるため、ロータ支持軸8の損傷・折損を抑制して、破砕設備1のメンテナンスコストを低減することが可能となるとともに、破砕設備1の使用寿命を延長させることが可能となる。
【0061】
(変形例)
以下、本実施形態の変形例を記載する。
(1)本実施形態の破砕設備1では、グレーチング離隔部16を薄肉部48で形成したが、グレーチング離隔部16の構成は、これに限定するものではない。
すなわち、下部グレーチング10薄肉部48を形成せずに、下部グレーチング10を、下部グレーチング10全体の破断荷重が、ロータ支持軸8に設定されている破断荷重未満となるように形成して、グレーチング離隔部16を構成してもよい。
【符号の説明】
【0062】
1 破砕設備
2 破砕室
4 フィードローラ
6 破砕用ロータ
8 ロータ支持軸
10 下部グレーチング
12 上部グレーチング
14 リジェクトドア
16 グレーチング離隔部
18 ケーシング
20 原料投入口
22 ロータディスク
24 ハンマーピン
26 ハンマー
28 ロータ軸受
30 ユニバーサルジョイント
32 モータ
34 ハンマー支持部
36 破砕部
38 下側開口部
40 上側開口部
42 グレーチング変位部
44 ピストン
46 シリンダー
48 薄肉部
50 上部排出口
52 下部排出口
S 破砕対象物

【特許請求の範囲】
【請求項1】
破砕用ロータと、
前記破砕用ロータを回転可能に軸支するロータ支持軸と、
前記破砕用ロータの外径面と対向配置したグレーチングと、を備える破砕設備であって、
前記ロータ支持軸に設定されている破断荷重未満に設定した損傷抑制荷重以上の荷重がロータ支持軸及び前記グレーチングに加わると、前記グレーチングを前記破砕用ロータの外径面から離隔させるグレーチング離隔部を備えることを特徴とする破砕設備。
【請求項2】
前記グレーチング離隔部は、前記グレーチングを前記ロータ支持軸の径方向へ移動可能に支持するグレーチング変位部を備え、
前記グレーチング変位部は、前記損傷抑制荷重以上の荷重が前記ロータ支持軸及び前記グレーチングに加わると、前記グレーチングを前記破砕用ロータの外径面から離れる方向へ移動させることを特徴とする請求項1に記載した破砕設備。
【請求項3】
前記グレーチング変位部は、前記ロータ支持軸及び前記グレーチングに加わる荷重が前記損傷抑制荷重未満となると、前記グレーチングと前記破砕用ロータの外径面との距離を予め設定した距離とすることを特徴とする請求項2に記載した破砕設備。
【請求項4】
前記グレーチング離隔部を、前記グレーチングの少なくとも一部の破断荷重が前記ロータ支持軸に設定されている破断荷重未満となるように形成したことを特徴とする請求項1に記載した破砕設備。
【請求項5】
前記損傷抑制荷重をALと定義し、前記ロータ支持軸に設定されている破断荷重をBLと定義した場合に、BL/4≦AL≦BL/2の条件式が成立していることを特徴とする請求項1から請求項4のうちいずれか1項に記載した破砕設備。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−46884(P2013−46884A)
【公開日】平成25年3月7日(2013.3.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−185450(P2011−185450)
【出願日】平成23年8月29日(2011.8.29)
【出願人】(000001258)JFEスチール株式会社 (8,589)
【出願人】(000237466)富士車輌株式会社 (18)
【Fターム(参考)】