破裂した場合医薬を送達するために用いられるパウチ
【課題】破裂させられた場合に医薬を送達するために用いられるパウチおよび関連する方法を提供すること。
【解決手段】円形状のステープルデバイスのためのアンビルアセンブリは、アンビルヘッド上でアンビルプレートを支持するように構成される、アンビルヘッドと、アンビルヘッドから延び、円形状のステープルデバイスのロッド部材を選択可能に係合するように構成されるシャフトと、アンビルヘッドに動作可能に接続されたアンビルプレートであって、アンビルプレートは内径エッジを含み、アンビルプレートは、アンビルプレートにおいて、内径エッジの放射状の外側方向の位置に複数のステープル形成ポケットを画定する、アンビルプレートと、アンビルヘッドに形成された凹部であって、凹部は、アンビルプレートの内径エッジおよびアンビルヘッドの後部表面によって画定される、凹部と、実質的に凹部内に配置される創傷治療材料とを備えている。
【解決手段】円形状のステープルデバイスのためのアンビルアセンブリは、アンビルヘッド上でアンビルプレートを支持するように構成される、アンビルヘッドと、アンビルヘッドから延び、円形状のステープルデバイスのロッド部材を選択可能に係合するように構成されるシャフトと、アンビルヘッドに動作可能に接続されたアンビルプレートであって、アンビルプレートは内径エッジを含み、アンビルプレートは、アンビルプレートにおいて、内径エッジの放射状の外側方向の位置に複数のステープル形成ポケットを画定する、アンビルプレートと、アンビルヘッドに形成された凹部であって、凹部は、アンビルプレートの内径エッジおよびアンビルヘッドの後部表面によって画定される、凹部と、実質的に凹部内に配置される創傷治療材料とを備えている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(背景)
(1.技術分野)
本開示は、外科手術用ステープルによって修復または結合された組織の特性を高める外科手術用デバイスに関し、より詳細には、中空の器官の円形状の吻合を行なうのに適した外科手術用デバイスおよび外科手術用ステープルによって修復または結合された組織の特性を高める方法に関する。
【背景技術】
【0002】
(2.関連技術の考察)
吻合は、別々の中空の器官切開面を外科手術的に結合することである。取り付け部位も時折、吻合と呼ばれる。典型的には吻合処置は、中空の器官の患部または欠損部位が除去され、残りの端部切開面が結合される外科手術後に行なわれる。所望の吻合処置に依存して、端部切開面は、円形状の器官再建方法、端部対端部(end−to−end)器官再建方法、端部対側部(end−to−side)器官再建方法または側部対側部(side−to−side)器官再建方法のいずれかによって結合され得る。
【0003】
端部対端部の吻合は、概して外科手術用ステープルを用いて行なわれる。ステープルは、通常患者内に残される。円形状の吻合処置において、器官切開面の2つの端部は、ステープル器械によって結合され得、該ステープル器械は、器官端部切開面を通ってステープルの円形状アレイを駆動し、同時に、駆動されたステープルの円形状アレイの内部に位置する任意の組織の芯を抜きかつ除去し、管の通過を自由に行うようにする。
【0004】
円形状の吻合処置の一部の用途において、取り付けられたアンビルヘッドを有するアンビルロッドは、吻合される組織の中に器械が挿入される前に、外科手術用ステープル器械シャフトの遠位端に取り付けられる。しかしながら、他の用途において、それぞれの組織部位内に器械およびアンビルアセンブリを位置決めした後に、器械に取り付けられ得る取り外し可能なアンビルロッドを利用することが好ましい。そのような例において、ステープル器械およびアンビルアセンブリは、外科手術部位に別々に送達される。各組織部位は、パースストリング(purse string)縫合糸によってそれぞれのアンビル保持構成要素またはステープル保持構成要素に固定される。アンビルアセンブリは、アンビルロッドの取り付け部分をステープル器械の遠位端内に挿入することによってステープル器械に取り付けられ、その結果、器械内の取り付け機構がロッドと確実に係合する。
【0005】
特定の外科手術処置は、線撒糸、バトレス(buttress)または他のタイプの生体適合の外科手術用の織物および補強材料を利用する。バトレスは、典型的には、アンビルの組織接触表面および/またはステープル保持構成要素の組織接触表面の上に配置され、外科手術用ステープル器械の発射時に標的組織に対して固定される。
【0006】
他の外科手術処置は、外科手術用ステープル処置の後に、標的の外科手術部位の外側表面に接着剤および/または密封材を(例えば、スプレー、ブラッシングなどによって)塗布するステップを伴う。
【0007】
なおも他の処置は、生物学的組織接着剤の使用を含む。生物学的接着剤は、概して分離された組織を一緒にして接着し、治癒過程において助け、組織強度を高め、例えば組織の修復または吻合の作成のための外科手術処置における縫合およびステープリングの代わりに用いられ得る。概して、生体適合の接着剤の使用は、異物反応および瘢痕形成を最小限にする傾向がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
(概要)
本開示は、円形状のステープルデバイスのためのアンビルアセンブリに関する。アンビルアセンブリは、アンビルヘッド上でアンビルプレートを支持するように構成されるアンビルヘッドと、アンビルヘッドから延び、円形状のステープルデバイスのロッド部材を選択可能に係合するように構成されるシャフトと、アンビルヘッドに動作可能に接続されたアンビルプレートであって、アンビルプレートは内径エッジを含み、アンビルプレートは、アンビルプレートにおいて、内径エッジの放射状の外側方向の位置に複数のステープル形成ポケットを画定する、アンビルプレートとを含む。アンビルアセンブリはまた、アンビルヘッドに形成された凹部と、実質的に凹部内に配置される創傷治療材料とを含み、凹部は、アンビルプレートの内径エッジおよびアンビルヘッドの後部表面によって画定される。
【0009】
アンビルヘッドに形成される凹部は、シャフトに沿って長手方向に可動であるナイフ刃の直径よりも大きい直径を有し得、創傷治療材料送達パウチはナイフ刃と少なくとも部分的に軸方向に整列させられる。
【0010】
創傷治療材料は、少なくとも1つの創傷治療材料送達パウチに含まれ得る。創傷治療材料は、環状のパウチ内に配置され得る。
【0011】
創傷治療材料は、接着剤、密封材、止血剤、および/または薬剤であり得る。接着剤は、組織と接触すると固まる接着剤、紫外(UV)光にさらされると固まる接着剤、および/または感圧の接着剤を含み得る。接着剤は、タンパク質由来の、アルデヒドベースの接着材料、および/またはシアノアクリレートベースの材料を含み得る。密封材料は、フィブリン密封材料、コラーゲンベースおよび合成ポリマーベースの組織密封材料、ならびに/または合成ポリエチレングリコールベースのヒドロゲル密封材料を含み得る。止血材料は、フィブリンベースの材料、コラーゲンベースの材料、酸化再生セルロースベースの材料、ゼラチンベースの材料、および/またはフィブリノゲントロンビン材料を含み得る。薬剤は、薬、酵素、成長因子、ペプチド、タンパク質、染料、および/または診断剤を含み得る。
【0012】
アンビルアセンブリはまた、アンビルプレートの各ステープル形成ポケットに配置される創傷治療材料を含む。アンビルアセンブリはまた、複数のステープル形成ポケットを覆うライナーを含み得る。
【0013】
本開示の別の例示的実施形態に従って、外科手術用ステープルデバイスは、ハンドル部分と、ハンドル部分の遠位端に位置を定められる本体部分と、本体部分の遠位端に位置を定められるヘッド部分とを含む。ヘッド部分は、アンビルアセンブリと、ステープルカートリッジアセンブリと、ナイフ刃とを含む。ステープルカートリッジアセンブリはステープルの環状のアレイを含む。アンビルアセンブリは、アンビルヘッド上でアンビルプレートを支持するように構成されるアンビルヘッドと、アンビルヘッドから延び、ステープルカートリッジアセンブリのロッド部材を選択可能に係合するように構成されるシャフトと、アンビルヘッドに動作可能に接続されたアンビルプレートであって、アンビルプレートはナイフ刃の直径より大きい直径を有する内径エッジを含み、アンビルプレートは、アンビルプレートにおいて、複数のステープル形成ポケットを画定する、アンビルプレートと、アンビルヘッドに形成された凹部であって、凹部は、アンビルプレートの内径エッジおよびアンビルヘッドの後部表面によって画定される、凹部と、実質的に凹部内に配置される創傷治療材料とを含む。
【0014】
創傷治療材料は、少なくとも1つの創傷治療材料送達パウチに含まれ得る。創傷治療材料は、一対の積み重ねられた創傷治療材料送達パウチに含まれ得る。一対の積み重ねられた創傷治療材料送達パウチは、ナイフ刃に少なくとも部分的に軸方向に整列され得る。一対の積み重ねられた創傷治療材料送達パウチの少なくとも1つは、複数のコンパートメントを含み得る。
【0015】
創傷治療材料は複数の創傷治療材料送達パウチに含まれ得、少なくとも1つの創傷治療材料送達パウチは複数のコンパートメントを含む。
【0016】
外科手術用ステープルデバイスはまた、凹部の全体を覆い、創傷治療材料の上に配置されるライナーを含み得る。創傷治療材料の少なくとも一部分は、創傷治療材料送達パウチに含まれ得る。
【0017】
本発明は、さらに以下の手段を提供する。
(項目1a)
円形状のステープルデバイスのためのアンビルアセンブリであって、該アンビルアセンブリは、
アンビルヘッドであって、該アンビルヘッド上でアンビルプレートを支持するように構成されているアンビルヘッドと、
該アンビルヘッドから延び、該円形状のステープルデバイスのロッド部材を選択可能に係合するように構成されているシャフトと、
該アンビルヘッドに動作可能に接続されたアンビルプレートであって、該アンビルプレートは内径エッジを含み、該アンビルプレートは、該アンビルプレートにおいて、該内径エッジの放射状の外側方向の位置に複数のステープル形成ポケットを画定する、アンビルプレートと、
該アンビルヘッドに形成された凹部であって、該凹部は、該アンビルプレートの該内径エッジおよび該アンビルヘッドの後部表面によって画定される、凹部と、
実質的に該凹部内に配置される創傷治療材料と
を備えている、アンビルアセンブリ。
(項目2a)
前記創傷治療材料は、少なくとも1つの創傷治療材料送達パウチに含まれる、上記項目に記載のアンビルアセンブリ。
(項目3a)
前記凹部は、前記シャフトに沿って長手方向に可動であるナイフ刃の直径よりも大きい直径を有し、前記創傷治療材料送達パウチは該ナイフ刃と少なくとも部分的に軸方向に整列させられる、上記項目のいずれかに記載のアンビルアセンブリ。
(項目4a)
前記創傷治療材料は、接着剤、密封材、止血剤および薬剤のうちの少なくとも1つである、上記項目のいずれかに記載のアンビルアセンブリ。
(項目5a)
前記接着剤は、組織と接触すると固まる接着剤、紫外(UV)光にさらされると固まる接着剤、および感圧の接着剤のうちの少なくとも1つを含む、上記項目のいずれかに記載のアンビルアセンブリ。
(項目6a)
前記接着剤は、タンパク質由来のアルデヒドベースの接着材料およびシアノアクリレートベースの材料のうちの少なくとも1つを含む、上記項目のいずれかに記載のアンビルアセンブリ。
(項目7a)
前記密封材料は、フィブリン密封材料、コラーゲンベースおよび合成ポリマーベースの組織密封材料、ならびに合成ポリエチレングリコールベースのヒドロゲル密封材料のうちの少なくとも1つを含む、上記項目のいずれかに記載のアンビルアセンブリ。
(項目8a)
前記止血材料は、フィブリンベースの材料、コラーゲンベースの材料、酸化再生セルロースベースの材料、ゼラチンベースの材料、およびフィブリノゲントロンビン材料のうちの少なくとも1つを含む、上記項目のいずれかに記載のアンビルアセンブリ。
(項目9a)
前記薬剤は、薬、酵素、成長因子、ペプチド、タンパク質、染料、および診断剤のうちの少なくとも1つを含む、上記項目のいずれかに記載のアンビルアセンブリ。
(項目10a)
前記アンビルプレートの各ステープル形成ポケットに配置される創傷治療材料をさらに備えている、上記項目のいずれかに記載のアンビルアセンブリ。
(項目11a)
前記複数のステープル形成ポケットを覆うライナーをさらに備えている、上記項目のいずれかに記載のアンビルアセンブリ。
(項目12a)
前記創傷治療材料は環状のパウチ内に配置される、上記項目のいずれかに記載のアンビルアセンブリ。
(項目13a)
ハンドル部分と、
該ハンドル部分の遠位端に位置を定められる本体部分と、
該本体部分の遠位端に位置を定められるヘッド部分であって、該ヘッド部分は、項目1に記載のアンビルアセンブリと、ステープルカートリッジアセンブリと、ナイフ刃とを含み、該ステープルカートリッジアセンブリはステープルの環状のアレイを含む、ヘッド部分と
を備えている、外科手術用ステープルデバイス。
(項目14a)
前記創傷治療材料は、一対の積み重ねられた創傷治療材料送達パウチに含まれる、上記項目に記載の外科手術用ステープルデバイス。
(項目15a)
前記一対の積み重ねられた創傷治療材料送達パウチは、前記ナイフ刃に少なくとも部分的に軸方向に整列される、上記項目のいずれかに記載の外科手術用ステープルデバイス。
【0018】
本発明は、さらに以下の手段を提供する。
(項目1b)
円形状のステープルデバイスのためのアンビルアセンブリであって、該アンビルアセンブリは、
アンビルヘッドであって、該アンビルヘッド上でアンビルプレートを支持するように構成される、アンビルヘッドと、
該アンビルヘッドから延び、該円形状のステープルデバイスのロッド部材を選択可能に係合するように構成されるシャフトと、
該アンビルヘッドに動作可能に接続されたアンビルプレートであって、該アンビルプレートは内径エッジを含み、該アンビルプレートは、該アンビルプレートにおいて、該内径エッジの放射状の外側方向の位置に複数のステープル形成ポケットを画定する、アンビルプレートと、
該アンビルヘッドに形成された凹部であって、該凹部は、該アンビルプレートの該内径エッジおよび該アンビルヘッドの後部表面によって画定される、凹部と、
実質的に該凹部内に配置される創傷治療材料と
を備えている、アンビルアセンブリ。
(項目2b)
上記創傷治療材料は、少なくとも1つの創傷治療材料送達パウチに含まれる、上記項目のいずれか1項に記載のアンビルアセンブリ。
(項目3b)
上記凹部は、上記シャフトに沿って長手方向に可動であるナイフ刃の直径よりも大きい直径を有し、上記創傷治療材料送達パウチは該ナイフ刃と少なくとも部分的に軸方向に整列させられる、上記項目のいずれか1項に記載のアンビルアセンブリ。
(項目4b)
上記創傷治療材料は、接着剤、密封材、止血剤および薬剤のうちの少なくとも1つである、上記項目のいずれか1項に記載のアンビルアセンブリ。
(項目5b)
上記接着剤は、組織と接触すると固まる接着剤、紫外(UV)光にさらされると固まる接着剤、および感圧の接着剤のうちの少なくとも1つを含む、上記項目のいずれか1項に記載のアンビルアセンブリ。
(項目6b)
上記接着剤は、タンパク質由来の、アルデヒドベースの接着材料およびシアノアクリレートベースの材料のうちの少なくとも1つを含む、上記項目のいずれか1項に記載のアンビルアセンブリ。
(項目7b)
上記密封材料は、フィブリン密封材料、コラーゲンベースおよび合成ポリマーベースの組織密封材料、ならびに合成ポリエチレングリコールベースのヒドロゲル密封材料のうちの少なくとも1つを含む、上記項目のいずれか1項に記載のアンビルアセンブリ。
(項目8b)
上記止血材料は、フィブリンベースの材料、コラーゲンベースの材料、酸化再生セルロースベースの材料、ゼラチンベースの材料、およびフィブリノゲントロンビン材料のうちの少なくとも1つを含む、上記項目のいずれか1項に記載のアンビルアセンブリ。
(項目9b)
上記薬剤は、薬、酵素、成長因子、ペプチド、タンパク質、染料、および診断剤のうちの少なくとも1つを含む、上記項目のいずれか1項に記載のアンビルアセンブリ。
(項目10b)
上記アンビルプレートの各ステープル形成ポケットに配置される創傷治療材料をさらに備えている、上記項目のいずれか1項に記載のアンビルアセンブリ。
(項目11b)
上記複数のステープル形成ポケットを覆うライナーをさらに備えている、上記項目のいずれか1項に記載のアンビルアセンブリ。
(項目12b)
上記創傷治療材料は環状のパウチ内に配置される、上記項目のいずれか1項に記載のアンビルアセンブリ。
(項目13b)
ハンドル部分と、
該ハンドル部分の遠位端に位置を定められる本体部分と、
該本体部分の遠位端に位置を定められるヘッド部分であって、該ヘッド部分は、アンビルアセンブリと、ステープルカートリッジアセンブリと、ナイフ刃とを含み、該ステープルカートリッジアセンブリはステープルの環状のアレイを含み、該アンビルアセンブリは、
アンビルヘッドであって、該アンビルヘッド上でアンビルプレートを支持するように構成される、アンビルヘッドと、
該アンビルヘッドから延び、該ステープルカートリッジアセンブリのロッド部材を選択可能に係合するように構成されるシャフトと、
該アンビルヘッドに動作可能に接続されたアンビルプレートであって、該アンビルプレートは該ナイフ刃の直径より大きい直径を有する内径エッジを含み、該アンビルプレートは、該アンビルプレートにおいて、複数のステープル形成ポケットを画定する、アンビルプレートと、
該アンビルヘッドに形成された凹部であって、該凹部は、該アンビルプレートの該内径エッジおよび該アンビルヘッドの後部表面によって画定される、凹部と、
実質的に該凹部内に配置される創傷治療材料と
を含む、ヘッド部分と
を備えている、外科手術用ステープルデバイス。
(項目14b)
上記創傷治療材料は、少なくとも1つの創傷治療材料送達パウチに含まれる、上記項目のいずれか1項に記載の外科手術用ステープルデバイス。
(項目15b)
上記創傷治療材料は、一対の積み重ねられた創傷治療材料送達パウチに含まれる、上記項目のいずれか1項に記載の外科手術用ステープルデバイス。
(項目16b)
上記一対の積み重ねられた創傷治療材料送達パウチは、上記ナイフ刃に少なくとも部分的に軸方向に整列される、上記項目のいずれか1項に記載の外科手術用ステープルデバイス。
(項目17b)
上記一対の積み重ねられた創傷治療材料送達パウチの少なくとも1つは、複数のコンパートメントを含む、上記項目のいずれか1項に記載の外科手術用ステープルデバイス。
(項目18b)
上記創傷治療材料は複数の創傷治療材料送達パウチに含まれ、少なくとも1つの創傷治療材料送達パウチは複数のコンパートメントを含む、上記項目のいずれか1項に記載の外科手術用ステープルデバイス。
(項目19b)
上記凹部の全体を覆い、上記創傷治療材料の上に配置されるライナーをさらに備えている、上記項目のいずれか1項に記載の外科手術用ステープルデバイス。
(項目20b)
上記創傷治療材料の少なくとも一部分は、創傷治療材料送達パウチに含まれる、上記項目のいずれか1項に記載の外科手術用ステープルデバイス。
【0019】
(摘要)
円形状のステープルデバイスのアンビルアセンブリは、アンビルヘッド上でアンビルプレートを支持するように構成されるアンビルヘッドと、アンビルヘッドから延び、円形状のステープルデバイスのロッド部材を選択可能に係合するように構成されるシャフトと、アンビルヘッドに動作可能に接続されたアンビルプレートであって、アンビルプレートは内径エッジを含み、アンビルプレートは、アンビルプレートにおいて、内径エッジの放射状の外側方向の位置に複数のステープル形成ポケットを画定する、アンビルプレートと、アンビルヘッドに形成された凹部であって、凹部は、アンビルプレートの内径エッジおよびアンビルヘッドの後部表面によって画定される、凹部と、実質的に凹部内に配置される創傷治療材料とを含む。
【図面の簡単な説明】
【0020】
本開示の前述の特徴は、添付の図面に関連して解され、外科手術用デバイスの例示された実施形態の以下の詳細な説明を参照することによって、より容易に明らかになり、理解され得る。
【図1】図1は、本開示の実施形態に従う、接近させない位置における外科手術用ステープルデバイスの斜視図である。
【図2A】図2Aは、本開示の実施形態に従う、アンビルアセンブリのシャフトにスライド可能に取り付けられた創傷治療材料送達パウチを示す図1のアンビルアセンブリの斜視図である。
【図2B】図2Bは、本開示の実施形態に従う、動作位置においてアンビルヘッドに隣接して位置を定められ、図2Aに例示された創傷治療材料送達パウチを示す図1のアンビルアセンブリの斜視図である。
【図3A】図3Aおよび図3Bは、本開示の別の実施形態に従う、図1のアンビルアセンブリおよび創傷治療材料送達パウチの斜視図である。
【図3B】図3Aおよび図3Bは、本開示の別の実施形態に従う、図1のアンビルアセンブリおよび創傷治療材料送達パウチの斜視図である。
【図4】図4は、本開示の実施形態に従う、図2Aに類似する積み重ねられた構成の創傷治療材料送達パウチを含む、図1のアンビルアセンブリの斜視図である。
【図5】図5は、本開示の実施形態に従う、図2Aおよび図3Aに類似する積み重ねられた構成の創傷治療材料送達パウチを含む、図1のアンビルアセンブリの斜視図である。
【図6】図6は、図2Aおよび図2Bのアンビルアセンブリの断面図である。
【図7】図7は、本開示に従う、図1のアンビルアセンブリの別の実施形態の断面図である。
【図8】図8は、本開示に従う、図1のアンビルアセンブリの別の実施形態の断面図である。
【図9】図9は、本開示に従う、図1のアンビルアセンブリのさらに別の実施形態の断面図である。
【図10】図10は、図8の指示された詳細の領域の拡大図である。
【図11】図11は、本開示に従う、図9の指示された詳細の領域の拡大図である。
【図12】図12は、本開示に従う、代替のアンビルアセンブリの断面図である。
【図13】図13は、図12の指示された詳細の領域の拡大図である。
【図14】図14は、腸吻合を実行するときのアンビルアセンブリの位置決めする方法を例示する、患者の腸領域の斜視図である。
【図15A】図15Aは、外科手術用ステープルデバイスの発射の直前において標的の外科手術部位に位置を決められた、図1の外科手術用ステープルデバイスの拡大詳細図である。
【図15B】図15Bは、外科手術用ステープルデバイスの発射の初期段階時において標的の外科手術部位に位置を決められた、図1の外科手術用ステープルデバイスの拡大詳細図である。
【図15C】図15Cは、外科手術用ステープルデバイスの発射のさらなる段階時においてアンビルアセンブリから創傷治療材料を投与することの拡大詳細図である。
【図16】図16は、外科手術用ステープルデバイスの発射の前において、標的の外科手術部位に位置を決められた、本開示の別の実施形態に従う、図2A、図2Bおよび図8のアンビルアセンブリならびに外科手術用ステープルデバイスのステープルカートリッジアセンブリの拡大詳細図である。
【図17】図17は、外科手術用ステープルデバイスの発射の前において、標的の外科手術部位に位置を決められた、本開示の別の実施形態に従う、図9のアンビルアセンブリおよび外科手術用ステープルデバイスのステープルカートリッジアセンブリの拡大詳細図である。
【図18】図18は、外科手術用ステープルデバイスの発射に続いて、標的の外科手術部位に位置を決められた、本開示の実施形態に従う、図3Aおよび図3Bのアンビルアセンブリおよび外科手術用ステープルデバイスのステープルカートリッジアセンブリの拡大詳細図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
(実施形態の説明)
現在開示される外科手術用ステープルデバイスの例示的実施形態は、以下に添付の図面を参照して説明される。同様な参照数字は、図の説明全体を通して類似または同一の要素を表し得る。本明細書において用いられるように、用語「近位」は、オペレータに最も近い器械の部分を表し、用語「遠位」は、オペレータから最も遠い器械の部分を表す。
【0022】
図1は、全体的に10として示され、現在開示される外科手術用ステープルデバイスの実施形態を例示する。簡潔にいうと、外科手術用ステープルデバイス10は、近位ハンドルアセンブリ12と、湾曲した細長い外部管14aを含む細長い中央本体部分14と、遠位ヘッド部分16とを含む。
【0023】
本体部分14は、例えば図1に示されるように、本体部分の長さの少なくとも一部分に沿って湾曲した形状を有するように組み立てられ得る。あるいは、例えば痔疾の治療などの一部の外科手術処置において、実質的に直線で、好ましくは短くした中央本体部分を有することが望ましい。本体部分14は、本体部分14が任意の構成に曲がることを可能にするように適合され得る。本体部分14およびヘッド部分16が特定の外科手術目的によってまたは特定の外科手術の必要に適応させるために、様々な形状および大きさで構成され得ることは理解されるべきである。
【0024】
ハンドルアセンブリ12は、固定ハンドル18と、発射トリガ20と、回転可能な接近ノブ11と、表示器15とを含む。固定ハンドル18は、例えばポリカーボネートなどの熱可塑性物質から形成され得、ハンドルアセンブリ12の内部の構成要素のためのハウジングを画定する。グリップ(図示されていない)などの、クッション性および/または弾力性のあるスリップしない部分が、固定ハンドル18および発射トリガ20の一部として固定され得るかまたはその一部に含まれ得る。スリップしないグリップは、例えばオーバーモールディング(overmolding)処理を用いて固定ハンドル18および発射トリガ20の上に形成され得、ネオプレンまたはゴムから形成され得る。例えばエラストマー材料などの他の適切な材料および結合技術が用いられ得ることは理解されるべきである。表示器15は、固定ハンドル18に位置を決められ、デバイスが接近させられ発射準備ができているかどうかを外科医に対して識別するために、例えば、カラーコーディング、英数字のラベル付けなどのインディシアを含む。表示器15は、固定ハンドル18の上面から外側に延び、ステープルデバイスの上部および側面から容易に見ることが可能な球根状または凸面の形状を有し得る。
【0025】
ヘッド部分16は、図1〜図18において全体的に26として示されるアンビルアセンブリと、ステープルカートリッジアセンブリ22とを含む。これらのアセンブリの各々は、本明細書において以下に説明される。ステープルカートリッジアセンブリ22は、ステープル“S”の環状のアレイを含む(図15A〜図18を参照されたい)。シャフト28によってステープルデバイス10に接続されるアンビルアセンブリ26は、ステープルカートリッジアセンブリ22の反対側に位置を決められる。アンビルアセンブリおよびステープルカートリッジアセンブリの実施形態の例は、1992年6月9日に発行され、同一人に譲渡された米国特許第5,119,983号に開示され、該特許は、その内容の全体が本明細書に参考として援用される。ヘッド部分16は、ナイフ刃50を含むナイフアセンブリをさらに含み(図15A〜図18を参照されたい)、ナイフ刃50は、外科手術用ステープルデバイス10の発射時、シャフト28に沿って長手方向に動く。ナイフアセンブリの実施形態の例は、2008年8月1日に出願され、同一人に譲渡された米国特許出願第12/184,298号に開示され、該特許出願は、その内容の全体が本明細書に参考として援用される。
【0026】
外科手術用デバイス10の構成要素は、概して、ポリカーボネートなどの熱可塑性物質ならびにステンレス鋼およびアルミニウムを含む金属から形成される。特定の構成要素を形成するために選択された特定の材料は、特定の構成要素の強度要求に従い得る。例えば、アンビルはステンレス鋼などの金属から形成され得、固定ハンドル18はポリカーボネートなどの熱可塑性物質から形成され得る。あるいは、好ましくは殺菌処理に耐え得る、上記に記載されていない他の適切な材料は、例えば、該材料が外科手術の使用に適していて、特定の構成要素の強度要求を満たす限り、ステープルデバイス10の構成要素を形成するために用いられ得る。
【0027】
図1〜図6を参照すると、アンビルアセンブリ26は、アンビルヘッド34と、アンビルヘッド34から延びるシャフト28とを含む。アンビルヘッド34は、アンビルヘッド34上でアンビルプレート36を支持するように構成される。アンビルプレート36は、図2A〜図5に示されるように、アンビルプレート36に形成される複数のステープル形成ポケット38を含む。ステープル形成ポケット38は、アンビルプレート36に形成され、一対の間隔を空けて置かれ、互い違いに置かれた同心の環状のリング状に配置され得る。ステープル形成ポケット38の形状、大きさおよびパターンが、図2A、図2B、図3A、図3B、図4および図5に描かれる例示的構成から変更され得ることは理解されるべきである。
【0028】
ステープルデバイス10は、管状の本体部分14に位置を決められるステープルの環状のアレイと、ステープルカートリッジアセンブリ22の方にそしてステープルカートリッジアセンブリ22から離れるように移動するためにステープルカートリッジアセンブリ22の反対側に位置を決められるアンビルアセンブリ26とを有するステープルカートリッジアセンブリ22を用いるように示され、説明されているが、アンビルアセンブリ26が管状の本体部分14に位置を決められ得、ステープルカートリッジアセンブリ22およびステープルのアレイが、アンビルアセンブリ26の方にそしてアンビルアセンブリ26から離れるように移動するためにアンビルアセンブリ26の反対側に位置を決められ得ることは本明細書において予想される。
【0029】
ちょっとの間図14を見ると、吻合処置を行うために、ステープルデバイス10は、患者の管状の体器官内に位置を決められ、結合される器官部位の端部はステープルカートリッジアセンブリ22とアンビルアセンブリ26との間の隙間に位置を決められる。結合される2つの端部は、ステープルカートリッジアセンブリ22に対してアンビルアセンブリ26を接近させる前に、パースストリング縫合糸によって、アンビルアセンブリ26およびステープルカートリッジアセンブリ22のそれぞれの上に固定される。アンビルアセンブリ26およびステープルカートリッジアセンブリ22のパースストリングが接合されると、アンビルアセンブリ26のシャフト28はロッド部材21に結合され、ロッド部材21は、ステープルカートリッジアセンブリ22の遠位端から外側に延びる。シャフト28の近位端部は、概ね円錐形の取り付け部分30(図1に示される)を含み得、取り付け部分30は、ロッド部材21内への入りを容易にするような有利な寸法で作られ、さらに体組織を通ってシャフト28の操作を可能にする。シャフト28の近位端部が様々な形状および寸法を有する多数の部分を含み得ることは理解されるべきである。
【0030】
現在開示される外科手術用ステープルデバイス10の様々な実施形態において、ステープルカートリッジアセンブリ22の方にアンビルアセンブリ26を接近させるために、接近ノブ11は、回転させられ、ロッド部材21を近位方向に移動する。近位方向へのロッド部材21の移動は、アンビルアセンブリ26をステープルカートリッジアセンブリ22に隣接した位置に引き込み、アンビルアセンブリ26とステープルカートリッジアセンブリ22との間の組織部分“T1”および“T2”(図14〜図18を参照されたい)の端部の位置を定める。
【0031】
図1〜図6に戻ると、アンビルアセンブリ26は、アンビルプレート36の内径エッジ36aによって画定される凹部34bと、アンビルヘッド34の後部表面34aとを含む。図2A、図2Bおよび図6を参照すると、アンビルアセンブリ26は、破裂させられたとき創傷治療材料を送達するかまたは投与するために用いられる創傷治療材料送達パウチ104を含み、創傷治療材料送達パウチ104は、ステープル形成ポケット38の放射状の内側に位置を定められ、ナイフ刃50に少なくとも部分的に軸方向に整列させられる。図2Aおよび図2Bに示されるように、一実施形態において、創傷治療材料送達パウチ104は、アンビルプレート36の内径エッジ36aによって画定される凹部34bおよびアンビルヘッド34の後部表面34aに位置を定められる。動作時、外科手術用ステープルデバイス10が発射されたとき、ナイフ刃50(図15A〜図15Cに示される)創傷治療材料送達パウチ104を破裂させ、それによって、創傷治療材料送達パウチ104内に含まれる創傷治療材料は、吻合部位の領域に投与されるかまたは吻合部位の領域に散らばる。
【0032】
創傷治療材料送達パウチ104は、ナイフ刃50によって貫通または破裂させられ得る材料から組み立てられる。例えば、創傷治療材料送達パウチ104は、ポリエチレン、ポリエステル、ポリウレタン、もしくはそれらの組み合わせなどのポリマー材料、または他の適切な材料から組み立てられ得る。創傷治療材料送達パウチ104が生体吸収可能材料から組み立てられ、その結果、外科手術処置の後に患者の体に残る創傷治療材料送達パウチ104の任意の部分が体に吸収されることは本明細書において予想される。パウチ104の形状および大きさが図2Aおよび図2Bに描かれる例示的構成から変更され得ることは理解されるべきである。
【0033】
創傷治療材料送達パウチ104内の創傷治療材料は、例えば、接着剤、密封材、止血剤および/または他の薬剤などの様々な成分を含み得る。例えば、創傷治療材料送達パウチ104内の創傷治療材料の密封材成分は、組織から起こり得るあらゆる出血を阻止するように機能を果たし得、創傷治療材料の接着剤成分は、接近させられた組織を一緒に固定するように機能を果たし得る。図4に見られるように、任意の数の創傷治療材料送達パウチ(2つのパウチ104a、104bが示される)が、互いの上に積み重ねられ得、創傷治療材料の多数の層またはポケットを提供し得る。層またはポケットの数およびその中の創傷治療材料は、特定の外科手術目的、臨床データ、患者の医療/外科手術の履歴などに従って変化し得る。
【0034】
接着剤成分が、組織と接触すると固まる接着剤、紫外(UV)光にさらされると固まる接着剤、感圧の接着剤もしくはこれらの任意の組み合わせ、または任意の他の適切な接着剤を含み得ることが本明細書において予想される。一実施形態において、約10〜15秒の硬化時間を有する接着剤が用いられ得ることが予想される。別の実施形態において、約30秒の硬化時間を有する接着剤が用いられ得ることが予想される。任意の適切な硬化時間を有する接着成分が用いられ得ることは理解される。
【0035】
創傷治療材料送達パウチ104内の創傷治療材料が事前硬化の接着剤または密封材であり得ることが本明細書において予想される。事前硬化の密封材または接着剤は、体組織の湿気および/または熱に反応し得、それによって、密封材または接着材の密封特性および/または接着特性を活性化し得る。例えば、事前硬化の密封材または接着剤は、ヒドロゲルまたは類似のものであり得る。
【0036】
用いられ得る接着剤の例は、例えば、Cryolife,Inc.によって商名称BioGlue(商標)の下で販売されているアルブミン/グルタルアルデヒド材料などのタンパク質由来のアルデヒドベースの接着材料と、Tyco Healthcare Group,LPによって商名称IndermilTMの下で販売され、Ethicon Endosurgery,Inc.によって商名称Derma BondTMの下で販売されているシアノアクリレートベースの材料とを含む。用いられ得る密封材の例は、フィブリン密封材と、コラーゲンベースで合成ポリマーベースの組織密封材とを含む。密封材の例は、Cohesion TechnologiesおよびBaxter International,Inc.によって商名称CoSealTMの下に販売されている合成ポリエチレングリコールベースのヒドロゲル材料を含む。用いられ得る止血剤の例は、フィブリンベースの、コラーゲンベースの、酸化再生セルロースベースの、ゼタチンベースの局部止血剤を含む。止血剤の例は、Tyco Healthcare Group,LPによって商名称CoStasisTMの下で販売され、Baxter International,Inc.によって商名称TisseelTMの下に販売されているフィブリノゲン−トロンビン組み合わせ材料を含む。他の止血剤は、例えば硫酸アルミニウムおよび凝析剤などの収斂材を含む。
【0037】
創傷治療材料送達パウチ104内の創傷治療材料はまた、薬剤を含む。そのような薬剤は、薬、酵素、成長因子、ペプチド、タンパク質、染料、診断剤、または例えば狭窄症の防止において用いられる任意の調合薬などの止血剤などの、1つ以上の医療的にかつ/または外科手術的に有用な物質を含み得る。
【0038】
図3Aおよび図3Bに例示される、本開示の別の実施形態において、アンビルアセンブリ26は、2つの実質的にC形状の創傷治療材料送達パウチ302および304を含む。各創傷治療材料送達パウチ302および304は、ナイフ刃50によって貫通されるかまたは破裂させられ得る材料から組み立てられる。創傷治療材料送達パウチ302内の創傷治療材料は、創傷治療材料送達パウチ304内の創傷治療材料とは異なり得る。創傷治療材料送達パウチ302、304のいずれか1つ(または両方とも)は、例えば、特定の外科手術目的、臨床データ、患者の履歴の医療/外科手術などに従って、創傷治療材料の多数の層またはポケットを含むように適合され得る。創傷治療材料送達パウチ302、304は、図3Aにおいて別個の構成要素として示されているが、創傷治療材料送達パウチ302、304が接着剤でくっつけられるかまたは融合させられるなどによって結合され得、創傷治療材料を含む2つのポケットまたはコンパートメントを有する単一の構成要素を形成し得ることは理解される。創傷治療材料送達パウチ302、304内に含まれる創傷治療材料は、混合されると活性化する、例えばエポキシおよび樹脂などの2つの部分の構成要素を含み得る。2つのパウチ302、304が示されているが、任意の数のパウチが用いられ得ることがさらに予想される。
【0039】
図4および図5は、本開示の実施形態に従って、積み重ねられた構成での創傷治療材料送達パウチの複数の層を含む、図1のアンビルアセンブリを示す。図4に示されるように、そして上記のように、一実施形態において、2つの創傷治療材料送達パウチ104aおよび104bは、アンビルプレート36の内径エッジ36aおよびアンビルヘッド34の後部表面34aによって画定される凹部34b内に実質的に合うような大きさで作られる。創傷治療材料送達パウチ104a、104bの形状および大きさは、図4に描かれる例示的構成から変更され得ることは理解される。2つの創傷治療材料送達パウチ104a、104bが積み重ねられた構成で図4に示されるが、任意の適切な数のパウチが様々な構成で用いられ得ることは理解されるべきである。例えば、図5に例示されるように、一実施形態において、アンビルアセンブリ26は、2つの実質的にC形状の創傷治療材料送達パウチ302、304と、積み重ねられた構成で配置された環状形状の創傷治療材料送達パウチ104とを含む。
【0040】
図7に例示される本開示の別の実施形態において、アンビルアセンブリ26は、アンビルプレート36の内径エッジ36aおよびアンビルヘッド34の後部表面34aによって画定される凹部34bに配置されるある量の創傷治療材料「W」と、創傷治療材料「W」を凹部に保持し/含むように配置されるフィルムまたはライナーとを含む。ライナー40は、アンビルプレート36の表面の一部分の上に覆うようにまたはその上の方に置かれ、凹部34bの全体を覆い、それによって、凹部の中にある創傷治療材料「W」を保持する。図7に示されるアンビルヘッド34の凹部34bに配置される創傷治療材料「W」の少なくとも一部分が創傷治療材料送達パウチに含まれ得ることが本明細書において予想される。
【0041】
ここで図8〜図13を参照すると、現在開示されている外科手術用ステープルデバイスの様々な実施形態において、各ステープル形成ポケット38は、そのポケットに配置されるある量の創傷治療材料「W」を含む。図8に見られるように、一実施形態において、アンビルアセンブリ26は創傷治療材料送達パウチ104(図6に類似する)を含み、各ステープル形成ポケット38は、そのポケットに配置されるある量の創傷治療材料「W」を含む。フィルムまたはライナー40は、アンビルプレート36の表面の部分の上に覆うようにまたはその上の方に置かれ得、ステープル形成ポケット38を覆い、それによって、凹部の中にある創傷治療材料「W」を保持する。
【0042】
図9および図11に示される本開示の実施形態において、アンビルアセンブリ26は、アンビルプレート36の内径エッジ36aおよびアンビルヘッド34の後部表面34a(図7に類似する)によって画定される凹部34bに配置されるある量の創傷治療材料「W」と、アンビルプレート36の表面の上に覆うようにまたはその上の方に置かれ、ステープル形成ポケット38を覆い、それによって、ポケットの中にある創傷治療材料「W」を保持するフィルムまたはライナー40とを含む。ライナー40が図9においてアンビルプレート36の全表面にそして凹部34bを横切って配置されるように示されているが、ライナー40が、様々な大きさで構成され得、アンビルプレート36の表面の任意の部分に配置され得、ステープル形成ポケット38の全てまたは任意の数を覆い得ることは理解されるべきである。
【0043】
図12および図13に例示される本開示の別の実施形態において、アセンブリ26は、アンビルプレート36の内径エッジ36aおよびアンビルヘッド34の後部表面34a(図7および図9に類似する)によって画定される凹部34bに配置されるある量の創傷治療材料「W」と、各ステープル形成ポケット38に配置されるカプセルまたは液体ゲル42に含まれる創傷治療材料「W」とを含む。各カプセル42は、ステープル形成ポケット38に粘着されるかまたはステープル形成ポケット38に固定して含まれ得る。
【0044】
ライナー40は、外科用ステープル「S」によって貫通または破裂させられ得る材料から組み立てられる。例えば、ライナー40は、ポリエチレン、ポリエステル、ポリウレタン、もしくはそれらの組み合わせなどのポリマー材料、または他の適切な材料から組み立てられ得る。ライナー40が生体吸収可能材料から組み立てられ、その結果、外科手術処置の後に患者の体に残るタイナー40の任意の部分が体に吸収されることは本明細書において予想される。
【0045】
図14および図15A〜図15Cは、隣接する腸切開面「T1」および「T2」の結合を実施する吻合処置における外科手術用ステープルデバイス10および分離可能アンビルアセンブリ26の使用を例示する。吻合処置は、典型的には、例えば腹腔鏡処置および器械使用を含む最小の侵襲性外科手術の技術を用いて実行される。図14に示される処置の時点において、患部の腸切開面が既に除去され、アンビルアセンブリ26は、外科手術切開かまたは肛門を通ってのいずれかによって外科手術部位に当てられて、第1の腸切開面「T1」内に位置を決められ、外科手術用ステープルデバイス10の管状の本体部分14は、第2の腸切開面「T2」の中に肛門を通って挿入される。腸切開面「T1」および「T2」はまた、パースストリング縫合糸(図示されていない)などの適切な方法によって、腸切開面のそれぞれの構成要素、すなわちアンビルアセンブリ26のシャフト28、および管状の本体14の遠位端の回りに一時的に固定される。
【0046】
外科医は次いで、シャフト28の近位端が管状本体部分14のロッド部材21に動作可能に接続されるまで、アンビルアセンブリ26を操作する。その後、アンビルアセンブリ26および管状の本体部分14が、隣接した腸切開面「T1」および「T2」に接近させられる。
【0047】
図14および15Aを参照すると、アンビルアセンブリ26がステープルカートリッジ22の方に接近させられ、腸切開面「T1」および「T2」が留められるかまたはその間に捕捉されると、アンビルアセンブリ26のステープル形成ポケット38は、ステープルカートリッジアセンブリ22のステープル保持スロット24に重ね合っている。特に、ステープル保持スロット24に保持されるステープル「S」は、アンビルアセンブリ26のステープル形成ポケット38と重ね合っている。
【0048】
アンビルアセンブリ26がステープルカートリッジアセンブリ22に対してそのように位置を決められると、外科手術用ステープルデバイス10が発射され、それによって、腸切開面「T1」および「T2」を互いにステープルで留め、粘着させる。図15Bおよび図15Cに例示されるように、外科手術用ステープルデバイス10を発射すると、ステープル「S」は、ステープルカートリッジアセンブリ22から駆動され、腸切開面「T1」および「T2」を通って駆動され、それによって、腸切開面「T1」および「T2」を互いに機械式に固定する。ステープル「S」が、腸切開面「T1」および「T2」を通って駆動されると、ステープル「S」は、ライナー40を貫通し、アンビルプレート36のステープル形成ポケット38に含まれる創傷治療材料「W」を腸組織「T2」に放出する。創傷治療材料「W」は、腸切開面「T1」と「T2」との間の界面にステープル「S」に沿って散らばる。このように、創傷治療材料「W」が接着剤を含む場合、創傷治療材料「W」は、腸切開面「T1」および「T2」を粘着させるのを助ける。
【0049】
創傷治療材料「W」が、創傷治療材料の無いアンビルセンブリを有する外科手術装置と比較して、ステープル「S」のアンビル側(例えば、第1の腸組織「T1」)におけるまたはステープル「S」のアンビル側における血液の浸出量を減少させるように機能を果たし得ることは本明細書において予想される。現在開示される外科手術用ステープルデバイス10の一実施形態において、ステープル「S」がアンビルアセンブリ26のステープル形成ポケット38の中に駆動されると、創傷治療材料「W」が、ステープル「S」を囲む領域に移される。それと実質的に同時に、ナイフ刃50は、ナイフ刃50の内側に放射状に位置を定められる腸切開面「T1」および「T2」を切断する。
【0050】
ここで図16を見ると、代替の実施形態において、密封材を含む創傷治療材料「W」は、ステーブル保持スロット24内に配置され得る(例えば、ステープル保持スロット24の中に装填、パックされるなど)。動作時、外科手術用ステープルデバイス10が発射されたとき、創傷治療材料「W」は、ステープル「S」のバックスパンを囲む第2の腸切開面「T2」の領域に投与するかまたは散らばる。
【0051】
図17は、外科手術用ステープルデバイスの発射前に標的の外科手術部位に位置を決められた、本開示の実施形態に従う、図9のアンビルアセンブリおよび外科手術用ステープルデバイスのステープルカートリッジアセンブリの拡大詳細図である。動作時、外科手術用ステープルデバイス10が発射されたとき、ステープル「S」は、ステープル形成ポケット38に駆動され、ステープル形成ポケット38を覆うライナー40を破裂させ、創傷治療材料「W」は、ステープル「S」のバックスパンを囲む第2の腸切開面「T2」の領域に投与するかまたはそこに散らばる。それと実質的に同時に、ナイフ刃50は、ナイフ刃50の内側に放射状に位置を定められる腸切開面「T1」および「T2」の部分を切断し、ライナー40を破裂させ、アンビルヘッド34bの凹部34b内に含まれる創傷治療材料「W」が投与される。
【0052】
図18は、外科手術用ステープルデバイスの発射時に標的の外科手術部位に位置を決められた、本開示の実施形態に従う、図4のアンビルアセンブリおよび外科手術用ステープルデバイスのステープルカートリッジアセンブリの拡大詳細図である。動作時、外科手術用ステープルデバイス10が発射されたとき、ナイフ刃50は、ナイフ刃50の内側に放射状に位置を定められる腸切開面「T1」および「T2」の部分を切断し、創傷治療材料送達パウチ104a、104bを破裂させ、それによって、創傷治療材料送達パウチ104b内に含まれる、例えば接着剤などの第1の創傷治療材料「W1」は、創傷治療材料送達パウチ104a内に含まれる、例えば樹脂などの第2の創傷治療材料「W2」と混合し、第1の創傷治療材料と第2の創傷治療材料との活性化された混合物が投与される。
【0053】
例示および説明の目的のために本開示の例示的実施形態が添付の図面を参照して詳細に説明されたが、それによって発明のプロセスおよび装置が限定されると解釈されるべきではないことは理解されるべきである。本開示の範囲から逸脱することなく、様々な修正が上記の例示的実施形態になされ得ることは当業者に明らかである。
【符号の説明】
【0054】
10 外科手術用ステープルデバイス
11 ノブ
12 近位ハンドルアセンブリ
14 中央本体部分
15 表示器
16 遠位ヘッド部分
18 固定ハンドル
20 発射トリガ
22 ステープルカートリッジアセンブリ
24 ステープル保持スロット
26 アンビルアセンブリ
28 シャフト
【技術分野】
【0001】
(背景)
(1.技術分野)
本開示は、外科手術用ステープルによって修復または結合された組織の特性を高める外科手術用デバイスに関し、より詳細には、中空の器官の円形状の吻合を行なうのに適した外科手術用デバイスおよび外科手術用ステープルによって修復または結合された組織の特性を高める方法に関する。
【背景技術】
【0002】
(2.関連技術の考察)
吻合は、別々の中空の器官切開面を外科手術的に結合することである。取り付け部位も時折、吻合と呼ばれる。典型的には吻合処置は、中空の器官の患部または欠損部位が除去され、残りの端部切開面が結合される外科手術後に行なわれる。所望の吻合処置に依存して、端部切開面は、円形状の器官再建方法、端部対端部(end−to−end)器官再建方法、端部対側部(end−to−side)器官再建方法または側部対側部(side−to−side)器官再建方法のいずれかによって結合され得る。
【0003】
端部対端部の吻合は、概して外科手術用ステープルを用いて行なわれる。ステープルは、通常患者内に残される。円形状の吻合処置において、器官切開面の2つの端部は、ステープル器械によって結合され得、該ステープル器械は、器官端部切開面を通ってステープルの円形状アレイを駆動し、同時に、駆動されたステープルの円形状アレイの内部に位置する任意の組織の芯を抜きかつ除去し、管の通過を自由に行うようにする。
【0004】
円形状の吻合処置の一部の用途において、取り付けられたアンビルヘッドを有するアンビルロッドは、吻合される組織の中に器械が挿入される前に、外科手術用ステープル器械シャフトの遠位端に取り付けられる。しかしながら、他の用途において、それぞれの組織部位内に器械およびアンビルアセンブリを位置決めした後に、器械に取り付けられ得る取り外し可能なアンビルロッドを利用することが好ましい。そのような例において、ステープル器械およびアンビルアセンブリは、外科手術部位に別々に送達される。各組織部位は、パースストリング(purse string)縫合糸によってそれぞれのアンビル保持構成要素またはステープル保持構成要素に固定される。アンビルアセンブリは、アンビルロッドの取り付け部分をステープル器械の遠位端内に挿入することによってステープル器械に取り付けられ、その結果、器械内の取り付け機構がロッドと確実に係合する。
【0005】
特定の外科手術処置は、線撒糸、バトレス(buttress)または他のタイプの生体適合の外科手術用の織物および補強材料を利用する。バトレスは、典型的には、アンビルの組織接触表面および/またはステープル保持構成要素の組織接触表面の上に配置され、外科手術用ステープル器械の発射時に標的組織に対して固定される。
【0006】
他の外科手術処置は、外科手術用ステープル処置の後に、標的の外科手術部位の外側表面に接着剤および/または密封材を(例えば、スプレー、ブラッシングなどによって)塗布するステップを伴う。
【0007】
なおも他の処置は、生物学的組織接着剤の使用を含む。生物学的接着剤は、概して分離された組織を一緒にして接着し、治癒過程において助け、組織強度を高め、例えば組織の修復または吻合の作成のための外科手術処置における縫合およびステープリングの代わりに用いられ得る。概して、生体適合の接着剤の使用は、異物反応および瘢痕形成を最小限にする傾向がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
(概要)
本開示は、円形状のステープルデバイスのためのアンビルアセンブリに関する。アンビルアセンブリは、アンビルヘッド上でアンビルプレートを支持するように構成されるアンビルヘッドと、アンビルヘッドから延び、円形状のステープルデバイスのロッド部材を選択可能に係合するように構成されるシャフトと、アンビルヘッドに動作可能に接続されたアンビルプレートであって、アンビルプレートは内径エッジを含み、アンビルプレートは、アンビルプレートにおいて、内径エッジの放射状の外側方向の位置に複数のステープル形成ポケットを画定する、アンビルプレートとを含む。アンビルアセンブリはまた、アンビルヘッドに形成された凹部と、実質的に凹部内に配置される創傷治療材料とを含み、凹部は、アンビルプレートの内径エッジおよびアンビルヘッドの後部表面によって画定される。
【0009】
アンビルヘッドに形成される凹部は、シャフトに沿って長手方向に可動であるナイフ刃の直径よりも大きい直径を有し得、創傷治療材料送達パウチはナイフ刃と少なくとも部分的に軸方向に整列させられる。
【0010】
創傷治療材料は、少なくとも1つの創傷治療材料送達パウチに含まれ得る。創傷治療材料は、環状のパウチ内に配置され得る。
【0011】
創傷治療材料は、接着剤、密封材、止血剤、および/または薬剤であり得る。接着剤は、組織と接触すると固まる接着剤、紫外(UV)光にさらされると固まる接着剤、および/または感圧の接着剤を含み得る。接着剤は、タンパク質由来の、アルデヒドベースの接着材料、および/またはシアノアクリレートベースの材料を含み得る。密封材料は、フィブリン密封材料、コラーゲンベースおよび合成ポリマーベースの組織密封材料、ならびに/または合成ポリエチレングリコールベースのヒドロゲル密封材料を含み得る。止血材料は、フィブリンベースの材料、コラーゲンベースの材料、酸化再生セルロースベースの材料、ゼラチンベースの材料、および/またはフィブリノゲントロンビン材料を含み得る。薬剤は、薬、酵素、成長因子、ペプチド、タンパク質、染料、および/または診断剤を含み得る。
【0012】
アンビルアセンブリはまた、アンビルプレートの各ステープル形成ポケットに配置される創傷治療材料を含む。アンビルアセンブリはまた、複数のステープル形成ポケットを覆うライナーを含み得る。
【0013】
本開示の別の例示的実施形態に従って、外科手術用ステープルデバイスは、ハンドル部分と、ハンドル部分の遠位端に位置を定められる本体部分と、本体部分の遠位端に位置を定められるヘッド部分とを含む。ヘッド部分は、アンビルアセンブリと、ステープルカートリッジアセンブリと、ナイフ刃とを含む。ステープルカートリッジアセンブリはステープルの環状のアレイを含む。アンビルアセンブリは、アンビルヘッド上でアンビルプレートを支持するように構成されるアンビルヘッドと、アンビルヘッドから延び、ステープルカートリッジアセンブリのロッド部材を選択可能に係合するように構成されるシャフトと、アンビルヘッドに動作可能に接続されたアンビルプレートであって、アンビルプレートはナイフ刃の直径より大きい直径を有する内径エッジを含み、アンビルプレートは、アンビルプレートにおいて、複数のステープル形成ポケットを画定する、アンビルプレートと、アンビルヘッドに形成された凹部であって、凹部は、アンビルプレートの内径エッジおよびアンビルヘッドの後部表面によって画定される、凹部と、実質的に凹部内に配置される創傷治療材料とを含む。
【0014】
創傷治療材料は、少なくとも1つの創傷治療材料送達パウチに含まれ得る。創傷治療材料は、一対の積み重ねられた創傷治療材料送達パウチに含まれ得る。一対の積み重ねられた創傷治療材料送達パウチは、ナイフ刃に少なくとも部分的に軸方向に整列され得る。一対の積み重ねられた創傷治療材料送達パウチの少なくとも1つは、複数のコンパートメントを含み得る。
【0015】
創傷治療材料は複数の創傷治療材料送達パウチに含まれ得、少なくとも1つの創傷治療材料送達パウチは複数のコンパートメントを含む。
【0016】
外科手術用ステープルデバイスはまた、凹部の全体を覆い、創傷治療材料の上に配置されるライナーを含み得る。創傷治療材料の少なくとも一部分は、創傷治療材料送達パウチに含まれ得る。
【0017】
本発明は、さらに以下の手段を提供する。
(項目1a)
円形状のステープルデバイスのためのアンビルアセンブリであって、該アンビルアセンブリは、
アンビルヘッドであって、該アンビルヘッド上でアンビルプレートを支持するように構成されているアンビルヘッドと、
該アンビルヘッドから延び、該円形状のステープルデバイスのロッド部材を選択可能に係合するように構成されているシャフトと、
該アンビルヘッドに動作可能に接続されたアンビルプレートであって、該アンビルプレートは内径エッジを含み、該アンビルプレートは、該アンビルプレートにおいて、該内径エッジの放射状の外側方向の位置に複数のステープル形成ポケットを画定する、アンビルプレートと、
該アンビルヘッドに形成された凹部であって、該凹部は、該アンビルプレートの該内径エッジおよび該アンビルヘッドの後部表面によって画定される、凹部と、
実質的に該凹部内に配置される創傷治療材料と
を備えている、アンビルアセンブリ。
(項目2a)
前記創傷治療材料は、少なくとも1つの創傷治療材料送達パウチに含まれる、上記項目に記載のアンビルアセンブリ。
(項目3a)
前記凹部は、前記シャフトに沿って長手方向に可動であるナイフ刃の直径よりも大きい直径を有し、前記創傷治療材料送達パウチは該ナイフ刃と少なくとも部分的に軸方向に整列させられる、上記項目のいずれかに記載のアンビルアセンブリ。
(項目4a)
前記創傷治療材料は、接着剤、密封材、止血剤および薬剤のうちの少なくとも1つである、上記項目のいずれかに記載のアンビルアセンブリ。
(項目5a)
前記接着剤は、組織と接触すると固まる接着剤、紫外(UV)光にさらされると固まる接着剤、および感圧の接着剤のうちの少なくとも1つを含む、上記項目のいずれかに記載のアンビルアセンブリ。
(項目6a)
前記接着剤は、タンパク質由来のアルデヒドベースの接着材料およびシアノアクリレートベースの材料のうちの少なくとも1つを含む、上記項目のいずれかに記載のアンビルアセンブリ。
(項目7a)
前記密封材料は、フィブリン密封材料、コラーゲンベースおよび合成ポリマーベースの組織密封材料、ならびに合成ポリエチレングリコールベースのヒドロゲル密封材料のうちの少なくとも1つを含む、上記項目のいずれかに記載のアンビルアセンブリ。
(項目8a)
前記止血材料は、フィブリンベースの材料、コラーゲンベースの材料、酸化再生セルロースベースの材料、ゼラチンベースの材料、およびフィブリノゲントロンビン材料のうちの少なくとも1つを含む、上記項目のいずれかに記載のアンビルアセンブリ。
(項目9a)
前記薬剤は、薬、酵素、成長因子、ペプチド、タンパク質、染料、および診断剤のうちの少なくとも1つを含む、上記項目のいずれかに記載のアンビルアセンブリ。
(項目10a)
前記アンビルプレートの各ステープル形成ポケットに配置される創傷治療材料をさらに備えている、上記項目のいずれかに記載のアンビルアセンブリ。
(項目11a)
前記複数のステープル形成ポケットを覆うライナーをさらに備えている、上記項目のいずれかに記載のアンビルアセンブリ。
(項目12a)
前記創傷治療材料は環状のパウチ内に配置される、上記項目のいずれかに記載のアンビルアセンブリ。
(項目13a)
ハンドル部分と、
該ハンドル部分の遠位端に位置を定められる本体部分と、
該本体部分の遠位端に位置を定められるヘッド部分であって、該ヘッド部分は、項目1に記載のアンビルアセンブリと、ステープルカートリッジアセンブリと、ナイフ刃とを含み、該ステープルカートリッジアセンブリはステープルの環状のアレイを含む、ヘッド部分と
を備えている、外科手術用ステープルデバイス。
(項目14a)
前記創傷治療材料は、一対の積み重ねられた創傷治療材料送達パウチに含まれる、上記項目に記載の外科手術用ステープルデバイス。
(項目15a)
前記一対の積み重ねられた創傷治療材料送達パウチは、前記ナイフ刃に少なくとも部分的に軸方向に整列される、上記項目のいずれかに記載の外科手術用ステープルデバイス。
【0018】
本発明は、さらに以下の手段を提供する。
(項目1b)
円形状のステープルデバイスのためのアンビルアセンブリであって、該アンビルアセンブリは、
アンビルヘッドであって、該アンビルヘッド上でアンビルプレートを支持するように構成される、アンビルヘッドと、
該アンビルヘッドから延び、該円形状のステープルデバイスのロッド部材を選択可能に係合するように構成されるシャフトと、
該アンビルヘッドに動作可能に接続されたアンビルプレートであって、該アンビルプレートは内径エッジを含み、該アンビルプレートは、該アンビルプレートにおいて、該内径エッジの放射状の外側方向の位置に複数のステープル形成ポケットを画定する、アンビルプレートと、
該アンビルヘッドに形成された凹部であって、該凹部は、該アンビルプレートの該内径エッジおよび該アンビルヘッドの後部表面によって画定される、凹部と、
実質的に該凹部内に配置される創傷治療材料と
を備えている、アンビルアセンブリ。
(項目2b)
上記創傷治療材料は、少なくとも1つの創傷治療材料送達パウチに含まれる、上記項目のいずれか1項に記載のアンビルアセンブリ。
(項目3b)
上記凹部は、上記シャフトに沿って長手方向に可動であるナイフ刃の直径よりも大きい直径を有し、上記創傷治療材料送達パウチは該ナイフ刃と少なくとも部分的に軸方向に整列させられる、上記項目のいずれか1項に記載のアンビルアセンブリ。
(項目4b)
上記創傷治療材料は、接着剤、密封材、止血剤および薬剤のうちの少なくとも1つである、上記項目のいずれか1項に記載のアンビルアセンブリ。
(項目5b)
上記接着剤は、組織と接触すると固まる接着剤、紫外(UV)光にさらされると固まる接着剤、および感圧の接着剤のうちの少なくとも1つを含む、上記項目のいずれか1項に記載のアンビルアセンブリ。
(項目6b)
上記接着剤は、タンパク質由来の、アルデヒドベースの接着材料およびシアノアクリレートベースの材料のうちの少なくとも1つを含む、上記項目のいずれか1項に記載のアンビルアセンブリ。
(項目7b)
上記密封材料は、フィブリン密封材料、コラーゲンベースおよび合成ポリマーベースの組織密封材料、ならびに合成ポリエチレングリコールベースのヒドロゲル密封材料のうちの少なくとも1つを含む、上記項目のいずれか1項に記載のアンビルアセンブリ。
(項目8b)
上記止血材料は、フィブリンベースの材料、コラーゲンベースの材料、酸化再生セルロースベースの材料、ゼラチンベースの材料、およびフィブリノゲントロンビン材料のうちの少なくとも1つを含む、上記項目のいずれか1項に記載のアンビルアセンブリ。
(項目9b)
上記薬剤は、薬、酵素、成長因子、ペプチド、タンパク質、染料、および診断剤のうちの少なくとも1つを含む、上記項目のいずれか1項に記載のアンビルアセンブリ。
(項目10b)
上記アンビルプレートの各ステープル形成ポケットに配置される創傷治療材料をさらに備えている、上記項目のいずれか1項に記載のアンビルアセンブリ。
(項目11b)
上記複数のステープル形成ポケットを覆うライナーをさらに備えている、上記項目のいずれか1項に記載のアンビルアセンブリ。
(項目12b)
上記創傷治療材料は環状のパウチ内に配置される、上記項目のいずれか1項に記載のアンビルアセンブリ。
(項目13b)
ハンドル部分と、
該ハンドル部分の遠位端に位置を定められる本体部分と、
該本体部分の遠位端に位置を定められるヘッド部分であって、該ヘッド部分は、アンビルアセンブリと、ステープルカートリッジアセンブリと、ナイフ刃とを含み、該ステープルカートリッジアセンブリはステープルの環状のアレイを含み、該アンビルアセンブリは、
アンビルヘッドであって、該アンビルヘッド上でアンビルプレートを支持するように構成される、アンビルヘッドと、
該アンビルヘッドから延び、該ステープルカートリッジアセンブリのロッド部材を選択可能に係合するように構成されるシャフトと、
該アンビルヘッドに動作可能に接続されたアンビルプレートであって、該アンビルプレートは該ナイフ刃の直径より大きい直径を有する内径エッジを含み、該アンビルプレートは、該アンビルプレートにおいて、複数のステープル形成ポケットを画定する、アンビルプレートと、
該アンビルヘッドに形成された凹部であって、該凹部は、該アンビルプレートの該内径エッジおよび該アンビルヘッドの後部表面によって画定される、凹部と、
実質的に該凹部内に配置される創傷治療材料と
を含む、ヘッド部分と
を備えている、外科手術用ステープルデバイス。
(項目14b)
上記創傷治療材料は、少なくとも1つの創傷治療材料送達パウチに含まれる、上記項目のいずれか1項に記載の外科手術用ステープルデバイス。
(項目15b)
上記創傷治療材料は、一対の積み重ねられた創傷治療材料送達パウチに含まれる、上記項目のいずれか1項に記載の外科手術用ステープルデバイス。
(項目16b)
上記一対の積み重ねられた創傷治療材料送達パウチは、上記ナイフ刃に少なくとも部分的に軸方向に整列される、上記項目のいずれか1項に記載の外科手術用ステープルデバイス。
(項目17b)
上記一対の積み重ねられた創傷治療材料送達パウチの少なくとも1つは、複数のコンパートメントを含む、上記項目のいずれか1項に記載の外科手術用ステープルデバイス。
(項目18b)
上記創傷治療材料は複数の創傷治療材料送達パウチに含まれ、少なくとも1つの創傷治療材料送達パウチは複数のコンパートメントを含む、上記項目のいずれか1項に記載の外科手術用ステープルデバイス。
(項目19b)
上記凹部の全体を覆い、上記創傷治療材料の上に配置されるライナーをさらに備えている、上記項目のいずれか1項に記載の外科手術用ステープルデバイス。
(項目20b)
上記創傷治療材料の少なくとも一部分は、創傷治療材料送達パウチに含まれる、上記項目のいずれか1項に記載の外科手術用ステープルデバイス。
【0019】
(摘要)
円形状のステープルデバイスのアンビルアセンブリは、アンビルヘッド上でアンビルプレートを支持するように構成されるアンビルヘッドと、アンビルヘッドから延び、円形状のステープルデバイスのロッド部材を選択可能に係合するように構成されるシャフトと、アンビルヘッドに動作可能に接続されたアンビルプレートであって、アンビルプレートは内径エッジを含み、アンビルプレートは、アンビルプレートにおいて、内径エッジの放射状の外側方向の位置に複数のステープル形成ポケットを画定する、アンビルプレートと、アンビルヘッドに形成された凹部であって、凹部は、アンビルプレートの内径エッジおよびアンビルヘッドの後部表面によって画定される、凹部と、実質的に凹部内に配置される創傷治療材料とを含む。
【図面の簡単な説明】
【0020】
本開示の前述の特徴は、添付の図面に関連して解され、外科手術用デバイスの例示された実施形態の以下の詳細な説明を参照することによって、より容易に明らかになり、理解され得る。
【図1】図1は、本開示の実施形態に従う、接近させない位置における外科手術用ステープルデバイスの斜視図である。
【図2A】図2Aは、本開示の実施形態に従う、アンビルアセンブリのシャフトにスライド可能に取り付けられた創傷治療材料送達パウチを示す図1のアンビルアセンブリの斜視図である。
【図2B】図2Bは、本開示の実施形態に従う、動作位置においてアンビルヘッドに隣接して位置を定められ、図2Aに例示された創傷治療材料送達パウチを示す図1のアンビルアセンブリの斜視図である。
【図3A】図3Aおよび図3Bは、本開示の別の実施形態に従う、図1のアンビルアセンブリおよび創傷治療材料送達パウチの斜視図である。
【図3B】図3Aおよび図3Bは、本開示の別の実施形態に従う、図1のアンビルアセンブリおよび創傷治療材料送達パウチの斜視図である。
【図4】図4は、本開示の実施形態に従う、図2Aに類似する積み重ねられた構成の創傷治療材料送達パウチを含む、図1のアンビルアセンブリの斜視図である。
【図5】図5は、本開示の実施形態に従う、図2Aおよび図3Aに類似する積み重ねられた構成の創傷治療材料送達パウチを含む、図1のアンビルアセンブリの斜視図である。
【図6】図6は、図2Aおよび図2Bのアンビルアセンブリの断面図である。
【図7】図7は、本開示に従う、図1のアンビルアセンブリの別の実施形態の断面図である。
【図8】図8は、本開示に従う、図1のアンビルアセンブリの別の実施形態の断面図である。
【図9】図9は、本開示に従う、図1のアンビルアセンブリのさらに別の実施形態の断面図である。
【図10】図10は、図8の指示された詳細の領域の拡大図である。
【図11】図11は、本開示に従う、図9の指示された詳細の領域の拡大図である。
【図12】図12は、本開示に従う、代替のアンビルアセンブリの断面図である。
【図13】図13は、図12の指示された詳細の領域の拡大図である。
【図14】図14は、腸吻合を実行するときのアンビルアセンブリの位置決めする方法を例示する、患者の腸領域の斜視図である。
【図15A】図15Aは、外科手術用ステープルデバイスの発射の直前において標的の外科手術部位に位置を決められた、図1の外科手術用ステープルデバイスの拡大詳細図である。
【図15B】図15Bは、外科手術用ステープルデバイスの発射の初期段階時において標的の外科手術部位に位置を決められた、図1の外科手術用ステープルデバイスの拡大詳細図である。
【図15C】図15Cは、外科手術用ステープルデバイスの発射のさらなる段階時においてアンビルアセンブリから創傷治療材料を投与することの拡大詳細図である。
【図16】図16は、外科手術用ステープルデバイスの発射の前において、標的の外科手術部位に位置を決められた、本開示の別の実施形態に従う、図2A、図2Bおよび図8のアンビルアセンブリならびに外科手術用ステープルデバイスのステープルカートリッジアセンブリの拡大詳細図である。
【図17】図17は、外科手術用ステープルデバイスの発射の前において、標的の外科手術部位に位置を決められた、本開示の別の実施形態に従う、図9のアンビルアセンブリおよび外科手術用ステープルデバイスのステープルカートリッジアセンブリの拡大詳細図である。
【図18】図18は、外科手術用ステープルデバイスの発射に続いて、標的の外科手術部位に位置を決められた、本開示の実施形態に従う、図3Aおよび図3Bのアンビルアセンブリおよび外科手術用ステープルデバイスのステープルカートリッジアセンブリの拡大詳細図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
(実施形態の説明)
現在開示される外科手術用ステープルデバイスの例示的実施形態は、以下に添付の図面を参照して説明される。同様な参照数字は、図の説明全体を通して類似または同一の要素を表し得る。本明細書において用いられるように、用語「近位」は、オペレータに最も近い器械の部分を表し、用語「遠位」は、オペレータから最も遠い器械の部分を表す。
【0022】
図1は、全体的に10として示され、現在開示される外科手術用ステープルデバイスの実施形態を例示する。簡潔にいうと、外科手術用ステープルデバイス10は、近位ハンドルアセンブリ12と、湾曲した細長い外部管14aを含む細長い中央本体部分14と、遠位ヘッド部分16とを含む。
【0023】
本体部分14は、例えば図1に示されるように、本体部分の長さの少なくとも一部分に沿って湾曲した形状を有するように組み立てられ得る。あるいは、例えば痔疾の治療などの一部の外科手術処置において、実質的に直線で、好ましくは短くした中央本体部分を有することが望ましい。本体部分14は、本体部分14が任意の構成に曲がることを可能にするように適合され得る。本体部分14およびヘッド部分16が特定の外科手術目的によってまたは特定の外科手術の必要に適応させるために、様々な形状および大きさで構成され得ることは理解されるべきである。
【0024】
ハンドルアセンブリ12は、固定ハンドル18と、発射トリガ20と、回転可能な接近ノブ11と、表示器15とを含む。固定ハンドル18は、例えばポリカーボネートなどの熱可塑性物質から形成され得、ハンドルアセンブリ12の内部の構成要素のためのハウジングを画定する。グリップ(図示されていない)などの、クッション性および/または弾力性のあるスリップしない部分が、固定ハンドル18および発射トリガ20の一部として固定され得るかまたはその一部に含まれ得る。スリップしないグリップは、例えばオーバーモールディング(overmolding)処理を用いて固定ハンドル18および発射トリガ20の上に形成され得、ネオプレンまたはゴムから形成され得る。例えばエラストマー材料などの他の適切な材料および結合技術が用いられ得ることは理解されるべきである。表示器15は、固定ハンドル18に位置を決められ、デバイスが接近させられ発射準備ができているかどうかを外科医に対して識別するために、例えば、カラーコーディング、英数字のラベル付けなどのインディシアを含む。表示器15は、固定ハンドル18の上面から外側に延び、ステープルデバイスの上部および側面から容易に見ることが可能な球根状または凸面の形状を有し得る。
【0025】
ヘッド部分16は、図1〜図18において全体的に26として示されるアンビルアセンブリと、ステープルカートリッジアセンブリ22とを含む。これらのアセンブリの各々は、本明細書において以下に説明される。ステープルカートリッジアセンブリ22は、ステープル“S”の環状のアレイを含む(図15A〜図18を参照されたい)。シャフト28によってステープルデバイス10に接続されるアンビルアセンブリ26は、ステープルカートリッジアセンブリ22の反対側に位置を決められる。アンビルアセンブリおよびステープルカートリッジアセンブリの実施形態の例は、1992年6月9日に発行され、同一人に譲渡された米国特許第5,119,983号に開示され、該特許は、その内容の全体が本明細書に参考として援用される。ヘッド部分16は、ナイフ刃50を含むナイフアセンブリをさらに含み(図15A〜図18を参照されたい)、ナイフ刃50は、外科手術用ステープルデバイス10の発射時、シャフト28に沿って長手方向に動く。ナイフアセンブリの実施形態の例は、2008年8月1日に出願され、同一人に譲渡された米国特許出願第12/184,298号に開示され、該特許出願は、その内容の全体が本明細書に参考として援用される。
【0026】
外科手術用デバイス10の構成要素は、概して、ポリカーボネートなどの熱可塑性物質ならびにステンレス鋼およびアルミニウムを含む金属から形成される。特定の構成要素を形成するために選択された特定の材料は、特定の構成要素の強度要求に従い得る。例えば、アンビルはステンレス鋼などの金属から形成され得、固定ハンドル18はポリカーボネートなどの熱可塑性物質から形成され得る。あるいは、好ましくは殺菌処理に耐え得る、上記に記載されていない他の適切な材料は、例えば、該材料が外科手術の使用に適していて、特定の構成要素の強度要求を満たす限り、ステープルデバイス10の構成要素を形成するために用いられ得る。
【0027】
図1〜図6を参照すると、アンビルアセンブリ26は、アンビルヘッド34と、アンビルヘッド34から延びるシャフト28とを含む。アンビルヘッド34は、アンビルヘッド34上でアンビルプレート36を支持するように構成される。アンビルプレート36は、図2A〜図5に示されるように、アンビルプレート36に形成される複数のステープル形成ポケット38を含む。ステープル形成ポケット38は、アンビルプレート36に形成され、一対の間隔を空けて置かれ、互い違いに置かれた同心の環状のリング状に配置され得る。ステープル形成ポケット38の形状、大きさおよびパターンが、図2A、図2B、図3A、図3B、図4および図5に描かれる例示的構成から変更され得ることは理解されるべきである。
【0028】
ステープルデバイス10は、管状の本体部分14に位置を決められるステープルの環状のアレイと、ステープルカートリッジアセンブリ22の方にそしてステープルカートリッジアセンブリ22から離れるように移動するためにステープルカートリッジアセンブリ22の反対側に位置を決められるアンビルアセンブリ26とを有するステープルカートリッジアセンブリ22を用いるように示され、説明されているが、アンビルアセンブリ26が管状の本体部分14に位置を決められ得、ステープルカートリッジアセンブリ22およびステープルのアレイが、アンビルアセンブリ26の方にそしてアンビルアセンブリ26から離れるように移動するためにアンビルアセンブリ26の反対側に位置を決められ得ることは本明細書において予想される。
【0029】
ちょっとの間図14を見ると、吻合処置を行うために、ステープルデバイス10は、患者の管状の体器官内に位置を決められ、結合される器官部位の端部はステープルカートリッジアセンブリ22とアンビルアセンブリ26との間の隙間に位置を決められる。結合される2つの端部は、ステープルカートリッジアセンブリ22に対してアンビルアセンブリ26を接近させる前に、パースストリング縫合糸によって、アンビルアセンブリ26およびステープルカートリッジアセンブリ22のそれぞれの上に固定される。アンビルアセンブリ26およびステープルカートリッジアセンブリ22のパースストリングが接合されると、アンビルアセンブリ26のシャフト28はロッド部材21に結合され、ロッド部材21は、ステープルカートリッジアセンブリ22の遠位端から外側に延びる。シャフト28の近位端部は、概ね円錐形の取り付け部分30(図1に示される)を含み得、取り付け部分30は、ロッド部材21内への入りを容易にするような有利な寸法で作られ、さらに体組織を通ってシャフト28の操作を可能にする。シャフト28の近位端部が様々な形状および寸法を有する多数の部分を含み得ることは理解されるべきである。
【0030】
現在開示される外科手術用ステープルデバイス10の様々な実施形態において、ステープルカートリッジアセンブリ22の方にアンビルアセンブリ26を接近させるために、接近ノブ11は、回転させられ、ロッド部材21を近位方向に移動する。近位方向へのロッド部材21の移動は、アンビルアセンブリ26をステープルカートリッジアセンブリ22に隣接した位置に引き込み、アンビルアセンブリ26とステープルカートリッジアセンブリ22との間の組織部分“T1”および“T2”(図14〜図18を参照されたい)の端部の位置を定める。
【0031】
図1〜図6に戻ると、アンビルアセンブリ26は、アンビルプレート36の内径エッジ36aによって画定される凹部34bと、アンビルヘッド34の後部表面34aとを含む。図2A、図2Bおよび図6を参照すると、アンビルアセンブリ26は、破裂させられたとき創傷治療材料を送達するかまたは投与するために用いられる創傷治療材料送達パウチ104を含み、創傷治療材料送達パウチ104は、ステープル形成ポケット38の放射状の内側に位置を定められ、ナイフ刃50に少なくとも部分的に軸方向に整列させられる。図2Aおよび図2Bに示されるように、一実施形態において、創傷治療材料送達パウチ104は、アンビルプレート36の内径エッジ36aによって画定される凹部34bおよびアンビルヘッド34の後部表面34aに位置を定められる。動作時、外科手術用ステープルデバイス10が発射されたとき、ナイフ刃50(図15A〜図15Cに示される)創傷治療材料送達パウチ104を破裂させ、それによって、創傷治療材料送達パウチ104内に含まれる創傷治療材料は、吻合部位の領域に投与されるかまたは吻合部位の領域に散らばる。
【0032】
創傷治療材料送達パウチ104は、ナイフ刃50によって貫通または破裂させられ得る材料から組み立てられる。例えば、創傷治療材料送達パウチ104は、ポリエチレン、ポリエステル、ポリウレタン、もしくはそれらの組み合わせなどのポリマー材料、または他の適切な材料から組み立てられ得る。創傷治療材料送達パウチ104が生体吸収可能材料から組み立てられ、その結果、外科手術処置の後に患者の体に残る創傷治療材料送達パウチ104の任意の部分が体に吸収されることは本明細書において予想される。パウチ104の形状および大きさが図2Aおよび図2Bに描かれる例示的構成から変更され得ることは理解されるべきである。
【0033】
創傷治療材料送達パウチ104内の創傷治療材料は、例えば、接着剤、密封材、止血剤および/または他の薬剤などの様々な成分を含み得る。例えば、創傷治療材料送達パウチ104内の創傷治療材料の密封材成分は、組織から起こり得るあらゆる出血を阻止するように機能を果たし得、創傷治療材料の接着剤成分は、接近させられた組織を一緒に固定するように機能を果たし得る。図4に見られるように、任意の数の創傷治療材料送達パウチ(2つのパウチ104a、104bが示される)が、互いの上に積み重ねられ得、創傷治療材料の多数の層またはポケットを提供し得る。層またはポケットの数およびその中の創傷治療材料は、特定の外科手術目的、臨床データ、患者の医療/外科手術の履歴などに従って変化し得る。
【0034】
接着剤成分が、組織と接触すると固まる接着剤、紫外(UV)光にさらされると固まる接着剤、感圧の接着剤もしくはこれらの任意の組み合わせ、または任意の他の適切な接着剤を含み得ることが本明細書において予想される。一実施形態において、約10〜15秒の硬化時間を有する接着剤が用いられ得ることが予想される。別の実施形態において、約30秒の硬化時間を有する接着剤が用いられ得ることが予想される。任意の適切な硬化時間を有する接着成分が用いられ得ることは理解される。
【0035】
創傷治療材料送達パウチ104内の創傷治療材料が事前硬化の接着剤または密封材であり得ることが本明細書において予想される。事前硬化の密封材または接着剤は、体組織の湿気および/または熱に反応し得、それによって、密封材または接着材の密封特性および/または接着特性を活性化し得る。例えば、事前硬化の密封材または接着剤は、ヒドロゲルまたは類似のものであり得る。
【0036】
用いられ得る接着剤の例は、例えば、Cryolife,Inc.によって商名称BioGlue(商標)の下で販売されているアルブミン/グルタルアルデヒド材料などのタンパク質由来のアルデヒドベースの接着材料と、Tyco Healthcare Group,LPによって商名称IndermilTMの下で販売され、Ethicon Endosurgery,Inc.によって商名称Derma BondTMの下で販売されているシアノアクリレートベースの材料とを含む。用いられ得る密封材の例は、フィブリン密封材と、コラーゲンベースで合成ポリマーベースの組織密封材とを含む。密封材の例は、Cohesion TechnologiesおよびBaxter International,Inc.によって商名称CoSealTMの下に販売されている合成ポリエチレングリコールベースのヒドロゲル材料を含む。用いられ得る止血剤の例は、フィブリンベースの、コラーゲンベースの、酸化再生セルロースベースの、ゼタチンベースの局部止血剤を含む。止血剤の例は、Tyco Healthcare Group,LPによって商名称CoStasisTMの下で販売され、Baxter International,Inc.によって商名称TisseelTMの下に販売されているフィブリノゲン−トロンビン組み合わせ材料を含む。他の止血剤は、例えば硫酸アルミニウムおよび凝析剤などの収斂材を含む。
【0037】
創傷治療材料送達パウチ104内の創傷治療材料はまた、薬剤を含む。そのような薬剤は、薬、酵素、成長因子、ペプチド、タンパク質、染料、診断剤、または例えば狭窄症の防止において用いられる任意の調合薬などの止血剤などの、1つ以上の医療的にかつ/または外科手術的に有用な物質を含み得る。
【0038】
図3Aおよび図3Bに例示される、本開示の別の実施形態において、アンビルアセンブリ26は、2つの実質的にC形状の創傷治療材料送達パウチ302および304を含む。各創傷治療材料送達パウチ302および304は、ナイフ刃50によって貫通されるかまたは破裂させられ得る材料から組み立てられる。創傷治療材料送達パウチ302内の創傷治療材料は、創傷治療材料送達パウチ304内の創傷治療材料とは異なり得る。創傷治療材料送達パウチ302、304のいずれか1つ(または両方とも)は、例えば、特定の外科手術目的、臨床データ、患者の履歴の医療/外科手術などに従って、創傷治療材料の多数の層またはポケットを含むように適合され得る。創傷治療材料送達パウチ302、304は、図3Aにおいて別個の構成要素として示されているが、創傷治療材料送達パウチ302、304が接着剤でくっつけられるかまたは融合させられるなどによって結合され得、創傷治療材料を含む2つのポケットまたはコンパートメントを有する単一の構成要素を形成し得ることは理解される。創傷治療材料送達パウチ302、304内に含まれる創傷治療材料は、混合されると活性化する、例えばエポキシおよび樹脂などの2つの部分の構成要素を含み得る。2つのパウチ302、304が示されているが、任意の数のパウチが用いられ得ることがさらに予想される。
【0039】
図4および図5は、本開示の実施形態に従って、積み重ねられた構成での創傷治療材料送達パウチの複数の層を含む、図1のアンビルアセンブリを示す。図4に示されるように、そして上記のように、一実施形態において、2つの創傷治療材料送達パウチ104aおよび104bは、アンビルプレート36の内径エッジ36aおよびアンビルヘッド34の後部表面34aによって画定される凹部34b内に実質的に合うような大きさで作られる。創傷治療材料送達パウチ104a、104bの形状および大きさは、図4に描かれる例示的構成から変更され得ることは理解される。2つの創傷治療材料送達パウチ104a、104bが積み重ねられた構成で図4に示されるが、任意の適切な数のパウチが様々な構成で用いられ得ることは理解されるべきである。例えば、図5に例示されるように、一実施形態において、アンビルアセンブリ26は、2つの実質的にC形状の創傷治療材料送達パウチ302、304と、積み重ねられた構成で配置された環状形状の創傷治療材料送達パウチ104とを含む。
【0040】
図7に例示される本開示の別の実施形態において、アンビルアセンブリ26は、アンビルプレート36の内径エッジ36aおよびアンビルヘッド34の後部表面34aによって画定される凹部34bに配置されるある量の創傷治療材料「W」と、創傷治療材料「W」を凹部に保持し/含むように配置されるフィルムまたはライナーとを含む。ライナー40は、アンビルプレート36の表面の一部分の上に覆うようにまたはその上の方に置かれ、凹部34bの全体を覆い、それによって、凹部の中にある創傷治療材料「W」を保持する。図7に示されるアンビルヘッド34の凹部34bに配置される創傷治療材料「W」の少なくとも一部分が創傷治療材料送達パウチに含まれ得ることが本明細書において予想される。
【0041】
ここで図8〜図13を参照すると、現在開示されている外科手術用ステープルデバイスの様々な実施形態において、各ステープル形成ポケット38は、そのポケットに配置されるある量の創傷治療材料「W」を含む。図8に見られるように、一実施形態において、アンビルアセンブリ26は創傷治療材料送達パウチ104(図6に類似する)を含み、各ステープル形成ポケット38は、そのポケットに配置されるある量の創傷治療材料「W」を含む。フィルムまたはライナー40は、アンビルプレート36の表面の部分の上に覆うようにまたはその上の方に置かれ得、ステープル形成ポケット38を覆い、それによって、凹部の中にある創傷治療材料「W」を保持する。
【0042】
図9および図11に示される本開示の実施形態において、アンビルアセンブリ26は、アンビルプレート36の内径エッジ36aおよびアンビルヘッド34の後部表面34a(図7に類似する)によって画定される凹部34bに配置されるある量の創傷治療材料「W」と、アンビルプレート36の表面の上に覆うようにまたはその上の方に置かれ、ステープル形成ポケット38を覆い、それによって、ポケットの中にある創傷治療材料「W」を保持するフィルムまたはライナー40とを含む。ライナー40が図9においてアンビルプレート36の全表面にそして凹部34bを横切って配置されるように示されているが、ライナー40が、様々な大きさで構成され得、アンビルプレート36の表面の任意の部分に配置され得、ステープル形成ポケット38の全てまたは任意の数を覆い得ることは理解されるべきである。
【0043】
図12および図13に例示される本開示の別の実施形態において、アセンブリ26は、アンビルプレート36の内径エッジ36aおよびアンビルヘッド34の後部表面34a(図7および図9に類似する)によって画定される凹部34bに配置されるある量の創傷治療材料「W」と、各ステープル形成ポケット38に配置されるカプセルまたは液体ゲル42に含まれる創傷治療材料「W」とを含む。各カプセル42は、ステープル形成ポケット38に粘着されるかまたはステープル形成ポケット38に固定して含まれ得る。
【0044】
ライナー40は、外科用ステープル「S」によって貫通または破裂させられ得る材料から組み立てられる。例えば、ライナー40は、ポリエチレン、ポリエステル、ポリウレタン、もしくはそれらの組み合わせなどのポリマー材料、または他の適切な材料から組み立てられ得る。ライナー40が生体吸収可能材料から組み立てられ、その結果、外科手術処置の後に患者の体に残るタイナー40の任意の部分が体に吸収されることは本明細書において予想される。
【0045】
図14および図15A〜図15Cは、隣接する腸切開面「T1」および「T2」の結合を実施する吻合処置における外科手術用ステープルデバイス10および分離可能アンビルアセンブリ26の使用を例示する。吻合処置は、典型的には、例えば腹腔鏡処置および器械使用を含む最小の侵襲性外科手術の技術を用いて実行される。図14に示される処置の時点において、患部の腸切開面が既に除去され、アンビルアセンブリ26は、外科手術切開かまたは肛門を通ってのいずれかによって外科手術部位に当てられて、第1の腸切開面「T1」内に位置を決められ、外科手術用ステープルデバイス10の管状の本体部分14は、第2の腸切開面「T2」の中に肛門を通って挿入される。腸切開面「T1」および「T2」はまた、パースストリング縫合糸(図示されていない)などの適切な方法によって、腸切開面のそれぞれの構成要素、すなわちアンビルアセンブリ26のシャフト28、および管状の本体14の遠位端の回りに一時的に固定される。
【0046】
外科医は次いで、シャフト28の近位端が管状本体部分14のロッド部材21に動作可能に接続されるまで、アンビルアセンブリ26を操作する。その後、アンビルアセンブリ26および管状の本体部分14が、隣接した腸切開面「T1」および「T2」に接近させられる。
【0047】
図14および15Aを参照すると、アンビルアセンブリ26がステープルカートリッジ22の方に接近させられ、腸切開面「T1」および「T2」が留められるかまたはその間に捕捉されると、アンビルアセンブリ26のステープル形成ポケット38は、ステープルカートリッジアセンブリ22のステープル保持スロット24に重ね合っている。特に、ステープル保持スロット24に保持されるステープル「S」は、アンビルアセンブリ26のステープル形成ポケット38と重ね合っている。
【0048】
アンビルアセンブリ26がステープルカートリッジアセンブリ22に対してそのように位置を決められると、外科手術用ステープルデバイス10が発射され、それによって、腸切開面「T1」および「T2」を互いにステープルで留め、粘着させる。図15Bおよび図15Cに例示されるように、外科手術用ステープルデバイス10を発射すると、ステープル「S」は、ステープルカートリッジアセンブリ22から駆動され、腸切開面「T1」および「T2」を通って駆動され、それによって、腸切開面「T1」および「T2」を互いに機械式に固定する。ステープル「S」が、腸切開面「T1」および「T2」を通って駆動されると、ステープル「S」は、ライナー40を貫通し、アンビルプレート36のステープル形成ポケット38に含まれる創傷治療材料「W」を腸組織「T2」に放出する。創傷治療材料「W」は、腸切開面「T1」と「T2」との間の界面にステープル「S」に沿って散らばる。このように、創傷治療材料「W」が接着剤を含む場合、創傷治療材料「W」は、腸切開面「T1」および「T2」を粘着させるのを助ける。
【0049】
創傷治療材料「W」が、創傷治療材料の無いアンビルセンブリを有する外科手術装置と比較して、ステープル「S」のアンビル側(例えば、第1の腸組織「T1」)におけるまたはステープル「S」のアンビル側における血液の浸出量を減少させるように機能を果たし得ることは本明細書において予想される。現在開示される外科手術用ステープルデバイス10の一実施形態において、ステープル「S」がアンビルアセンブリ26のステープル形成ポケット38の中に駆動されると、創傷治療材料「W」が、ステープル「S」を囲む領域に移される。それと実質的に同時に、ナイフ刃50は、ナイフ刃50の内側に放射状に位置を定められる腸切開面「T1」および「T2」を切断する。
【0050】
ここで図16を見ると、代替の実施形態において、密封材を含む創傷治療材料「W」は、ステーブル保持スロット24内に配置され得る(例えば、ステープル保持スロット24の中に装填、パックされるなど)。動作時、外科手術用ステープルデバイス10が発射されたとき、創傷治療材料「W」は、ステープル「S」のバックスパンを囲む第2の腸切開面「T2」の領域に投与するかまたは散らばる。
【0051】
図17は、外科手術用ステープルデバイスの発射前に標的の外科手術部位に位置を決められた、本開示の実施形態に従う、図9のアンビルアセンブリおよび外科手術用ステープルデバイスのステープルカートリッジアセンブリの拡大詳細図である。動作時、外科手術用ステープルデバイス10が発射されたとき、ステープル「S」は、ステープル形成ポケット38に駆動され、ステープル形成ポケット38を覆うライナー40を破裂させ、創傷治療材料「W」は、ステープル「S」のバックスパンを囲む第2の腸切開面「T2」の領域に投与するかまたはそこに散らばる。それと実質的に同時に、ナイフ刃50は、ナイフ刃50の内側に放射状に位置を定められる腸切開面「T1」および「T2」の部分を切断し、ライナー40を破裂させ、アンビルヘッド34bの凹部34b内に含まれる創傷治療材料「W」が投与される。
【0052】
図18は、外科手術用ステープルデバイスの発射時に標的の外科手術部位に位置を決められた、本開示の実施形態に従う、図4のアンビルアセンブリおよび外科手術用ステープルデバイスのステープルカートリッジアセンブリの拡大詳細図である。動作時、外科手術用ステープルデバイス10が発射されたとき、ナイフ刃50は、ナイフ刃50の内側に放射状に位置を定められる腸切開面「T1」および「T2」の部分を切断し、創傷治療材料送達パウチ104a、104bを破裂させ、それによって、創傷治療材料送達パウチ104b内に含まれる、例えば接着剤などの第1の創傷治療材料「W1」は、創傷治療材料送達パウチ104a内に含まれる、例えば樹脂などの第2の創傷治療材料「W2」と混合し、第1の創傷治療材料と第2の創傷治療材料との活性化された混合物が投与される。
【0053】
例示および説明の目的のために本開示の例示的実施形態が添付の図面を参照して詳細に説明されたが、それによって発明のプロセスおよび装置が限定されると解釈されるべきではないことは理解されるべきである。本開示の範囲から逸脱することなく、様々な修正が上記の例示的実施形態になされ得ることは当業者に明らかである。
【符号の説明】
【0054】
10 外科手術用ステープルデバイス
11 ノブ
12 近位ハンドルアセンブリ
14 中央本体部分
15 表示器
16 遠位ヘッド部分
18 固定ハンドル
20 発射トリガ
22 ステープルカートリッジアセンブリ
24 ステープル保持スロット
26 アンビルアセンブリ
28 シャフト
【特許請求の範囲】
【請求項1】
円形状のステープルデバイスのためのアンビルアセンブリであって、該アンビルアセンブリは、
アンビルヘッドであって、該アンビルヘッド上でアンビルプレートを支持するように構成されているアンビルヘッドと、
該アンビルヘッドから延び、該円形状のステープルデバイスのロッド部材を選択可能に係合するように構成されているシャフトと、
該アンビルヘッドに動作可能に接続されたアンビルプレートであって、該アンビルプレートは内径エッジを含み、該アンビルプレートは、該アンビルプレートにおいて、該内径エッジの放射状の外側方向の位置に複数のステープル形成ポケットを画定する、アンビルプレートと、
該アンビルヘッドに形成された凹部であって、該凹部は、該アンビルプレートの該内径エッジおよび該アンビルヘッドの後部表面によって画定される、凹部と、
実質的に該凹部内に配置される創傷治療材料と
を備えている、アンビルアセンブリ。
【請求項2】
前記創傷治療材料は、少なくとも1つの創傷治療材料送達パウチに含まれる、請求項1に記載のアンビルアセンブリ。
【請求項3】
前記凹部は、前記シャフトに沿って長手方向に可動であるナイフ刃の直径よりも大きい直径を有し、前記創傷治療材料送達パウチは該ナイフ刃と少なくとも部分的に軸方向に整列させられる、請求項2に記載のアンビルアセンブリ。
【請求項4】
前記創傷治療材料は、接着剤、密封材、止血剤および薬剤のうちの少なくとも1つである、請求項1に記載のアンビルアセンブリ。
【請求項5】
前記接着剤は、組織と接触すると固まる接着剤、紫外(UV)光にさらされると固まる接着剤、および感圧の接着剤のうちの少なくとも1つを含む、請求項4に記載のアンビルアセンブリ。
【請求項6】
前記接着剤は、タンパク質由来のアルデヒドベースの接着材料およびシアノアクリレートベースの材料のうちの少なくとも1つを含む、請求項4に記載のアンビルアセンブリ。
【請求項7】
前記密封材料は、フィブリン密封材料、コラーゲンベースおよび合成ポリマーベースの組織密封材料、ならびに合成ポリエチレングリコールベースのヒドロゲル密封材料のうちの少なくとも1つを含む、請求項4に記載のアンビルアセンブリ。
【請求項8】
前記止血材料は、フィブリンベースの材料、コラーゲンベースの材料、酸化再生セルロースベースの材料、ゼラチンベースの材料、およびフィブリノゲントロンビン材料のうちの少なくとも1つを含む、請求項4に記載のアンビルアセンブリ。
【請求項9】
前記薬剤は、薬、酵素、成長因子、ペプチド、タンパク質、染料、および診断剤のうちの少なくとも1つを含む、請求項4に記載のアンビルアセンブリ。
【請求項10】
前記アンビルプレートの各ステープル形成ポケットに配置される創傷治療材料をさらに備えている、請求項1に記載のアンビルアセンブリ。
【請求項11】
前記複数のステープル形成ポケットを覆うライナーをさらに備えている、請求項10に記載のアンビルアセンブリ。
【請求項12】
前記創傷治療材料は環状のパウチ内に配置される、請求項1に記載のアンビルアセンブリ。
【請求項13】
ハンドル部分と、
該ハンドル部分の遠位端に位置を定められる本体部分と、
該本体部分の遠位端に位置を定められるヘッド部分であって、該ヘッド部分は、請求項1に記載のアンビルアセンブリと、ステープルカートリッジアセンブリと、ナイフ刃とを含み、該ステープルカートリッジアセンブリはステープルの環状のアレイを含む、ヘッド部分と
を備えている、外科手術用ステープルデバイス。
【請求項14】
前記創傷治療材料は、一対の積み重ねられた創傷治療材料送達パウチに含まれる、請求項13に記載の外科手術用ステープルデバイス。
【請求項15】
前記一対の積み重ねられた創傷治療材料送達パウチは、前記ナイフ刃に少なくとも部分的に軸方向に整列される、請求項14に記載の外科手術用ステープルデバイス。
【請求項1】
円形状のステープルデバイスのためのアンビルアセンブリであって、該アンビルアセンブリは、
アンビルヘッドであって、該アンビルヘッド上でアンビルプレートを支持するように構成されているアンビルヘッドと、
該アンビルヘッドから延び、該円形状のステープルデバイスのロッド部材を選択可能に係合するように構成されているシャフトと、
該アンビルヘッドに動作可能に接続されたアンビルプレートであって、該アンビルプレートは内径エッジを含み、該アンビルプレートは、該アンビルプレートにおいて、該内径エッジの放射状の外側方向の位置に複数のステープル形成ポケットを画定する、アンビルプレートと、
該アンビルヘッドに形成された凹部であって、該凹部は、該アンビルプレートの該内径エッジおよび該アンビルヘッドの後部表面によって画定される、凹部と、
実質的に該凹部内に配置される創傷治療材料と
を備えている、アンビルアセンブリ。
【請求項2】
前記創傷治療材料は、少なくとも1つの創傷治療材料送達パウチに含まれる、請求項1に記載のアンビルアセンブリ。
【請求項3】
前記凹部は、前記シャフトに沿って長手方向に可動であるナイフ刃の直径よりも大きい直径を有し、前記創傷治療材料送達パウチは該ナイフ刃と少なくとも部分的に軸方向に整列させられる、請求項2に記載のアンビルアセンブリ。
【請求項4】
前記創傷治療材料は、接着剤、密封材、止血剤および薬剤のうちの少なくとも1つである、請求項1に記載のアンビルアセンブリ。
【請求項5】
前記接着剤は、組織と接触すると固まる接着剤、紫外(UV)光にさらされると固まる接着剤、および感圧の接着剤のうちの少なくとも1つを含む、請求項4に記載のアンビルアセンブリ。
【請求項6】
前記接着剤は、タンパク質由来のアルデヒドベースの接着材料およびシアノアクリレートベースの材料のうちの少なくとも1つを含む、請求項4に記載のアンビルアセンブリ。
【請求項7】
前記密封材料は、フィブリン密封材料、コラーゲンベースおよび合成ポリマーベースの組織密封材料、ならびに合成ポリエチレングリコールベースのヒドロゲル密封材料のうちの少なくとも1つを含む、請求項4に記載のアンビルアセンブリ。
【請求項8】
前記止血材料は、フィブリンベースの材料、コラーゲンベースの材料、酸化再生セルロースベースの材料、ゼラチンベースの材料、およびフィブリノゲントロンビン材料のうちの少なくとも1つを含む、請求項4に記載のアンビルアセンブリ。
【請求項9】
前記薬剤は、薬、酵素、成長因子、ペプチド、タンパク質、染料、および診断剤のうちの少なくとも1つを含む、請求項4に記載のアンビルアセンブリ。
【請求項10】
前記アンビルプレートの各ステープル形成ポケットに配置される創傷治療材料をさらに備えている、請求項1に記載のアンビルアセンブリ。
【請求項11】
前記複数のステープル形成ポケットを覆うライナーをさらに備えている、請求項10に記載のアンビルアセンブリ。
【請求項12】
前記創傷治療材料は環状のパウチ内に配置される、請求項1に記載のアンビルアセンブリ。
【請求項13】
ハンドル部分と、
該ハンドル部分の遠位端に位置を定められる本体部分と、
該本体部分の遠位端に位置を定められるヘッド部分であって、該ヘッド部分は、請求項1に記載のアンビルアセンブリと、ステープルカートリッジアセンブリと、ナイフ刃とを含み、該ステープルカートリッジアセンブリはステープルの環状のアレイを含む、ヘッド部分と
を備えている、外科手術用ステープルデバイス。
【請求項14】
前記創傷治療材料は、一対の積み重ねられた創傷治療材料送達パウチに含まれる、請求項13に記載の外科手術用ステープルデバイス。
【請求項15】
前記一対の積み重ねられた創傷治療材料送達パウチは、前記ナイフ刃に少なくとも部分的に軸方向に整列される、請求項14に記載の外科手術用ステープルデバイス。
【図1】
【図2A】
【図2B】
【図3A】
【図3B】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15A】
【図15B】
【図15C】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2A】
【図2B】
【図3A】
【図3B】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15A】
【図15B】
【図15C】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2010−119844(P2010−119844A)
【公開日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−261240(P2009−261240)
【出願日】平成21年11月16日(2009.11.16)
【出願人】(507362281)タイコ ヘルスケア グループ リミテッド パートナーシップ (666)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年11月16日(2009.11.16)
【出願人】(507362281)タイコ ヘルスケア グループ リミテッド パートナーシップ (666)
【Fターム(参考)】
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