説明

硝安油剤爆薬用重袋

【課題】 防水性、貯蔵安定性の優れた硝安油剤爆薬用重袋の提供。
【解決手段】 重袋の胴部が、最外層、最内層、最外層と最内層に挟まれた1〜2層からなる3層または4層で構成され、最内層がヒートシール可能素材、最外層又は最外層と最内層に挟まれた層の少なくとも1層が合成樹脂ラミネ−ト紙、または防水紙からなるワンタッチ開封式である重袋であって、製品収納後に閉塞される封かん部の最内層に巾2〜80mmの帯状接着部を形成、または製品収納後に閉塞される封かん部の覆いが防水性の紙又は合成樹脂のフィルムであることを特徴とする硝安油剤爆薬用重袋。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、硝安油剤爆薬用重袋に関する。
【背景技術】
【0002】
硝安油剤爆薬用重袋は、火薬類取締法令(非特許文献1)にその材質や構造等が詳細に定められている。そのために内容物の硝安油剤爆薬を消費現場で使用する場合の重袋封かん部の開口性を良好にするためのミシン縫い開口部をワンタッチ(イージーオープン)に改良(特許文献1、2、3)されたが、製品収納後に閉塞された製品収納口部は重袋胴部の各層をミシンで縫い合わせ、ミシン糸の上に紙等の防水性のないオーバーテ−プを張り付けると云った方法が採られていたために、硝安油剤爆薬重袋が吸湿して固化すると云った解決すべき問題が残されていた。
【特許文献1】特許第2722375号公報
【特許文献2】実願昭53−16901号公報
【特許文献3】特開平6−183482号公報
【非特許文献1】火薬類取締法令集(改訂第2版)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、硝安油剤爆薬重袋の防水性を改善することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明者は、前記課題を達成するために鋭意研究を重ねた結果、硝安油剤爆薬用重袋の胴部が筒状の5層以上構造の場合は積層数が多いこともあり、実用的な防水性が確保されて火薬類取締法令の定める重袋品質をクリアーできるが、3層、4層構造にすると5層構造で採られた防水対策では、実用的な防水性確保が困難であるばかりでなく、前記法令をクリアーできないこと、特に、重袋胴部が5層構造から4層構造になると硝安油剤爆薬用重袋に製品を計量・収納したのちに閉塞する製品収納口部の閉塞度合いが低下し、防水性能が低下することにより、収納された爆薬が吸湿固化して性能品質が低下することを突き止めた。即ち、単なる、5層構造から層を減らす従来方法では、産業廃棄物減や製造コスト低下に有効であるが、製品の品質保全が困難であるとの結論に至り、積層数を減らした3層、4層構造等の防水性能を高める方策を研究し、製品収納口部の最内層の防水性を有する層に帯状接着部を形成させて、最内層を独立の容器とすることや製品収納したのちに閉塞する封かん部の覆いに防水性を付与することで積層数を減らした3層、4層構造の硝安油剤爆薬用重袋の防水性が飛躍的に改善できることを見出して本発明を完成するに至った。
【0005】
即ち、本発明は、以下のとおりである。
1.重袋の胴部が、最外層、最内層、最外層と最内層に挟まれた1〜2層からなる3層または4層で構成され、最内層がヒートシール可能素材、最外層又は最外層と最内層に挟まれた層の少なくとも1層が合成樹脂ラミネ−ト紙、または防水紙からなるワンタッチ開封式である重袋であって、製品収納後に閉塞される封かん部の最内層に巾2〜80mmの帯状接着部を形成、または製品収納後に閉塞される封かん部の覆いが防水性の紙又は合成樹脂のフィルムであることを特徴とする硝安油剤爆薬用重袋。
2.重袋の胴部が、最外層、最内層、最外層と最内層に挟まれた1〜2層からなる3層または4層で構成され、最内層がヒートシール可能素材、最外層又は最外層と最内層に挟まれた層の少なくとも1層が合成樹脂ラミネ−ト紙、または防水紙からなるワンタッチ開封式である重袋であって、製品収納後に閉塞される封かん部の最内層に巾2〜80mmの帯状接着部を形成、且つ製品収納後に閉塞される封かん部の覆いが防水性の紙又は合成樹脂のフィルムであることを特徴とする硝安油剤爆薬用重袋。
【0006】
3.最内層が、ポリエチレン、ポリスチレン、ナイロン、またはサラン等の合成樹脂、油類や合成樹脂を含む布や紙、その他防水性を有する繊維の1種又は2種以上であることを特徴とする1.または2.記載の硝安油剤爆薬用重袋。
4.製品収納後に閉塞される封かん部の覆いが、ポリエチレン、ポリスチレン、ナイロン、サラン等の合成樹脂、油類や合成樹脂を含む布や紙、その他防水性を有するフィルムの1種又は2種以上であることを特徴とする1.〜3.のいずれかに記載の硝安油剤爆薬用重袋。
5.帯状接着部が、帯巾10〜50mmであり、帯巾中央の長手方向にミシン縫い目が形成されることを特徴とする1.〜4.のいずれかに記載の硝安油剤爆薬用重袋。
【0007】
6.帯状接着部の帯巾が、ミシン縫い目の内側又は両側に形成されることを特徴とする1.〜5.のいずれかに記載の硝安油剤爆薬用重袋。
7.最内層に、アンチブロッキング剤が付着していることを特徴とする1.〜6.のいずれかに記載の硝安油剤爆薬用重袋。
8.最外層の表面が防滑処理剤等で防滑処理されていることを特徴とする1.〜7.のいずれかに記載の硝安油剤爆薬用重袋。
【発明の効果】
【0008】
本発明は、消費及び貯蔵保管中の重袋の防水性を確実にして、爆薬の性能を保全すると云う効果を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明について、特にその好ましい実施態様を図1〜3を用いて説明する。
本発明の重袋は、火薬類取締法令に適合する多層で防水性の紙袋であって、日本工業規格の重包装用未さらしクラフト紙1種が使用される。重袋胴部の層は3層または4層からなる。一般的には5層構造の重袋が使用されている。好ましくは、図1、図2のように重袋の胴部は4層であり、重袋胴部の層が減少すると重袋の重量や嵩が減少して輸送、貯蔵効率や消費後の産業廃棄物低減に好適である。
【0010】
本発明の最内層は、防水性を有するポリエチレン、ポリスチレン、ナイロン、サラン、防水紙等が好ましく使用される。より好ましくは、ポリエチレン8〜20μ/ナイロン10〜20μ/ポリエチレン10〜30μの複合ナイロンポリチューブやポリエチレン12μ/ナイロン15μ/ポリエチレン23μの複合ナイロンポリチューブである。前記の複合ナイロンポリチューブには硝安油剤爆薬製造時の自動充填時における重袋の開口作業性を良好にするために、複合ナイロンポリチュ−ブ同士の接触面にはアンチブロッキング剤を付着させることが好ましい。アンチブロッキング剤を付着させると空重袋に硝安油剤爆薬投入する際の空重袋の開口が容易となり、製造性が著しく改善する。又、製造時に硝安油剤爆薬を計量・投入した後に閉塞される封かん部の最内層は他層と共に約150〜180℃のヒートシール温度にて約5〜10秒間加熱されることによって、加熱融接する最内層のみが帯状に接着するよう構成することが好ましい。融着される帯巾や融着状態は重袋の防水性を左右する重要因子である。好ましい接着帯巾は約30〜50mmである。最内層をヒートシールするタイミングは製品収納口をミシン縫いして閉塞した前後、又は製品収納口をミシン縫いし、防水性の紙又は合成樹脂のフィルムで覆った後の何れでも良い。好ましくは、ミシン縫いし、製品収納口を防水性の紙又は合成樹脂のフィルムで覆った後である。
【0011】
本発明の製品収納口を覆う防水性の紙又は合成樹脂のフィルムは紙、ポリエチレン、ポリスチレン、ナイロン、サラン、油類や合成樹脂を含む布や紙、その他防水性を有するフィルムの1種又は2種以上が好ましく使用できる。より好ましくは合成樹脂と紙とのラミネートで高温融着可能なヒートシール用オーバーテープ(三国紙工業(株)商品名ヒートシール用オーバーテープ Mテ―プ)である。
本発明でいうのアンチブロッキング剤は、一般的な工業用の珪藻土、珪酸アルミ等が好ましく使用される。より好ましくはアンチブロッキング剤A403(旭化成商品名)がPPMオ−ダ−で使用される。また、前記の複合ナイロンポリチュ−ブは火薬類取締法令に定める耐油性を有するので、硝安油剤爆薬に含有される軽油の運搬上また保管上における重袋からしみ出しを防止して製品の性能劣化や悪臭を予防する。更にまた、この複合ナイロンポリチューブには第四アンモニウム塩、イミダゾリン等のカチオン系耐電防止剤を加えて、表面固有抵抗を1010〜1011Ω以下に低下させて使用することもできる。
【0012】
本発明の最外層は、図1(1)のように重袋の最も外側の層であり、クラフト1種(JIS P3401)とポリエチレンフイルムや防水加工した紙等が好ましく使用される。より好ましくは、クラフト1種とポリエチレンフイルム18〜22μmやクラフト1種とポリエチレンやフィルム20μmのラミネ−トである。又、最外層の外側になる表面の一部は防滑処理したものが好ましい。
本発明の硝安油剤爆薬重袋のワンタッチ開封できる封かん部や他の部分は公知のもの(例えば特許第2722375明細書に記載されているもの)とほぼ同じ構造・形態のものが使用できる。
以下、実施例および比較例によって説明する。
【実施例】
【0013】
[防水試験]
予め、硝安油剤爆薬重袋のカット具を引いて該重袋を開封し、製品を除いた重袋(以下、空重袋と称する)を準備する。次いで、空重袋底部の閉塞部全体を水に沈めて、重袋内部に水が侵入する迄の時間を計測・記録し、重袋内部への水の侵入が30分以上のものを実用的な防水性を有するものとして○と表示し、30分以内に重袋内部に水が侵入してきたものを実用的な防水性がないものとして×と表示した。
[開口試験]
硝安油剤爆薬用重袋の爆薬投入口となる開口部が開き易いか否を作業者3名で官能検査し、開きやすいを○、開きにくいを×と表記した。
【0014】
[実施例1]
図1のような、重袋胴部は4層であり、最内層がポリエチレン12μ/ナイロン15μ/ポリエチレン23μの複合ナイロンポリチューブ、最外層がクラフト1種とポリエチレン20μのラミネ−ト、その中間がクラフト紙であり、最内層にアンチプロッキング剤(A403;旭化成商品名)を付着させた4層の硝安油剤爆薬用重袋に製品を計量充填する。次いで、前記重袋の製品を投入した開口部の丈を揃え、ミシン縫いにて固定し、ヒートシール用オーバーテープ紙(三国紙工(株)商品名ヒートシール用オーバーテープ紙)を張り付けた後で、オーバーテープの上から最内層にむけて熱を加え、最内層を巾約40mmの帯状に接着して本発明の硝安油剤爆薬重袋を製作した。その後に前記硝安油剤爆薬重袋から爆薬を取り除いた硝安油剤爆薬用重袋にて防水試験、開口試験を行い、その結果を表1に記載した。
【0015】
[実施例2]
図1のような、重袋胴部は4層であり、最内層がポリエチレン12μ/ナイロン15μ/ポリエチレン23μの複合ナイロンポリチューブ、最外層がクラフト1種とポリエチレン20μのラミネ−ト、その中間がクラフト紙であり、最内層にアンチプロッキング剤(A403;旭化成商品名)を付着させた4層の硝安油剤爆薬用重袋に製品を計量充填する。次いで、前記重袋の製品を投入した開口部の丈を揃え、ミシン縫いにて固定し、ヒートシール用オーバーテープ紙(三国紙工(株)商品名ヒートシール用オーバーテープ紙)を張り付けた後で、オーバーテープの上から最内層にむけて熱を加え、最内層を巾約30mmの帯状に接着して本発明の硝安油剤爆薬用重袋を製作した。その後に前記硝安油剤爆薬重袋から爆薬を取り除いた硝安油剤爆薬用重袋にて防水試験、開口試験を行い、その結果を表1に記載した。
【0016】
[実施例3]
図1のような、重袋胴部は4層であり、最内層がポリエチレン12μ/ナイロン15μ/ポリエチレン23μの複合ナイロンポリチューブ、最外層がクラフト1種とポリエチレン20μのラミネ−ト、その中間がクラフト紙であり、最内層にアンチプロッキング剤(A403;旭化成商品名)を付着させた4層の硝安油剤爆薬用重袋に製品を計量充填する。次いで、前記重袋の製品を投入した開口部の丈を揃え、ミシン縫いにて固定し、ヒートシール用オーバーテープ紙(三国紙工(株)商品名ヒートシール用オーバーテープ紙)を張り付けた後で、オーバーテープの上から最内層にむけて熱を加え、最内層を巾約20mmの帯状に接着して本発明の硝安油剤爆薬用重袋を製作した。その後に前記硝安油剤爆薬重袋から爆薬を取り除いた硝安油剤爆薬用重袋にて防水試験、開口試験を行い、その結果を表1に記載した。
【0017】
[実施例4]
図1のような、重袋胴部は4層であり、最内層がポリエチレン12μ/ナイロン10μ/ポリエチレン23μの複合ナイロンポリチューブ、最外層がクラフト1種とポリエチレン20μのラミネ−ト、その中間がクラフト紙であり、最内層にアンチプロッキング剤(A403;旭化成商品名)を付着させた4層の硝安油剤爆薬用重袋に製品を計量充填する。次いで、前記重袋の製品を投入した開口部の丈を揃え、ミシン縫いにて固定し、ヒートシール用オーバーテープ紙(三国紙工(株)商品名ヒートシール用オーバーテープ紙)を張り付けた後で、オーバーテープの上から最内層にむけて熱を加え、最内層のミシン糸の内側を巾約10mmの帯状に接着して本発明の硝安油剤爆薬用重袋を製作した。その後に前記硝安油剤爆薬重袋から爆薬を取り除いた硝安油剤爆薬用重袋にて防水試験、開口試験を行い、その結果を表1に記載した。
【0018】
[実施例5]
図1のような、重袋胴部は4層であり、最内層がポリエチレン12μ/ナイロン10μ/ポリエチレン23μの複合ナイロンポリチューブ、最外層がクラフト1種とポリエチレン20μのラミネ−ト、その中間がクラフト紙であり、最内層にアンチプロッキング剤(A403;旭化成商品名)を付着させた4層の硝安油剤爆薬用重袋に製品を計量充填する。次いで、前記重袋の製品を投入した開口部の最内層を両面テープ(3M社製商品名Y−4952)で張り合わせて最内層を巾約40mmの帯状に接合したのちに、接着した帯状の外側に縫い目が通るようにミシン縫いし、更にミシン目の上にブラスチックテープ(3M社製商品名スコッチプロ373)をオ−バテ−プとして張り付けて本発明の硝安油剤爆薬用重袋を製作した。その後に前記硝安油剤爆薬重袋から爆薬を取り除いた硝安油剤爆薬用重袋にて防水試験、開口試験を行い、その結果を表1に記載した。
【0019】
[実施例6]
図1のような、重袋胴部は4層であり、最内層がポリエチレン12μ/ナイロン10μ/ポリエチレン23μの複合ナイロンポリチューブ、最外層がクラフト1種とポリエチレン20μのラミネ−ト、その中間がクラフト紙であり、最内層にアンチプロッキング剤(A403;旭化成商品名)を付着させた4層の硝安油剤爆薬用重袋に製品を計量充填する。次いで、前記重袋の製品を投入した開口部の丈を揃え、ミシン縫いにて固定し、プラスチック粘着テ−プ(3M社商品名スコッチプロ373)をオーバーテープとして張り付けて本発明の硝安油剤爆薬用重袋を製作した。その後に前記硝安油剤爆薬重袋から爆薬を取り除いた硝安油剤爆薬用重袋にて防水試験、開口試験を行い、その結果を表1に記載した
【0020】
[実施例7]
図1のような、重袋胴部は4層であり、最内層がポリエチレン12μ/ナイロン10μ/ポリエチレン23μの複合ナイロンポリチューブ、最外層に接する内側の層がクラフト1種とポリエチレン20μのラミネ−ト、最外層とその中間がクラフト紙であり、最内層にアンチプロッキング剤(A403;旭化成商品名)を付着させた4層の硝安油剤爆薬用重袋に製品を計量充填する。次いで、前記重袋の製品を投入した開口部の丈を揃え、ミシン縫いにて固定し、ヒートシール用オーバーテープ紙(三国紙工(株)商品名ヒートシール用オーバーテープ紙)を張り付けた後で、オーバーテープの上から最内層にむけて熱を加え、最内層のミシン糸の内側を巾約40mmの帯状に接着して本発明の硝安油剤爆薬用重袋を製作した。その後に前記硝安油剤爆薬重袋から爆薬を取り除いた硝安油剤爆薬用重袋にて防水試験、開口試験を行い、その結果を表1に記載した。
【0021】
[比較例1]
図1のような、重袋胴部は4層であり、最内層がポリエチレン12μ/ナイロン10μ/ポリエチレン23μの複合ナイロンポリチューブ、最外層がクラフト1種とポリエチレン20μのラミネ−ト、その中間がクラフト紙である硝安油剤爆薬用重袋に製品を計量充填する。次いで、前記重袋の製品を投入した開口部の各層をミシン縫いし、更にミシン目の上に従来の防水性のないオ−バテ−プ(佐藤産業商品名クレープ紙)を張り付けて従来の硝安油剤用重袋を製作した。その後に前記硝安油剤爆薬重袋から爆薬を取り除いた硝安油剤爆薬用重袋にて防水試験、開口試験を行い、その結果を表1に記載した。
【0022】
[比較例2]
重袋胴部は5層であり、最内層がポリエチレンとナイロン等の複合ナイロンポリチューブ、最外層が防水加工紙、最外層の内側にポリエチレンラミネート紙、他の層がクラフト紙である市販の硝安油剤用重袋(YSK平成16年10月07日製)から硝安油剤爆薬を取り除いて、従来の硝安油剤用重袋を製作した。その後に防水試験、開口試験を行い、その結果を表1に記載した。
【0023】
[比較例3]
重袋胴部は5層であり、最内層がポリエチレンとナイロン等の複合ナイロンポリチューブ、最外層が防水加工紙、最外層の内側にポリエチレンラミネート紙、他の層がクラフト紙である市販の硝安油剤用重袋(YSK平成16年10月05日製)から硝安油剤爆薬を取り除いて、従来の硝安油剤用重袋を製作した。その後に防水試験、開口試験を行い、その結果を表1に記載した。
【0024】
【表1】

【産業上の利用可能性】
【0025】
本発明の硝安油剤爆薬用重袋は、硝安油剤爆薬の吸湿固化防止に好適に利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】製品を収納する前の4層構造の硝安油剤爆薬用重袋を示す模式図。
【図2】製品を消費した後の4層構造の硝安油剤爆薬用重袋を示す模式図。
【図3】図2(8b)の両サイドを切除し、各層を折り返した硝安油剤爆薬用重袋を示す模式図。
【符号の説明】
【0027】
(1)1層目(最外層)
(2)2層目
(3)3層目
(4)4層目(最内層)
(4a)ヒートシールされている4層目(最内層同士がヒートシールされている層)
(5)印字、図形部
(6)胴部
(7a)開封部(密封)
(7b)開封部(開口)
(8a)製品収納口(開封)
(8b)製品収納口(密封)
(9)縫い目跡
(10)最内層の内側接着部
(11)最内層の外側接着部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
重袋の胴部が、最外層、最内層、最外層と最内層に挟まれた1〜2層からなる3層または4層で構成され、最内層がヒートシール可能素材、最外層又は最外層と最内層に挟まれた層の少なくとも1層が合成樹脂ラミネ−ト紙、または防水紙からなるワンタッチ開封式である重袋であって、製品収納後に閉塞される封かん部の最内層に巾2〜80mmの帯状接着部を形成、または製品収納後に閉塞される封かん部の覆いが防水性の紙又は合成樹脂のフィルムであることを特徴とする硝安油剤爆薬用重袋。
【請求項2】
重袋の胴部が、最外層、最内層、最外層と最内層に挟まれた1〜2層からなる3層または4層で構成され、最内層がヒートシール可能素材、最外層又は最外層と最内層に挟まれた層の少なくとも1層が合成樹脂ラミネ−ト紙、または防水紙からなるワンタッチ開封式である重袋であって、製品収納後に閉塞される封かん部の最内層に巾2〜80mmの帯状接着部を形成、且つ製品収納後に閉塞される封かん部の覆いが防水性の紙又は合成樹脂のフィルムであることを特徴とする硝安油剤爆薬用重袋。
【請求項3】
最内層が、ポリエチレン、ポリスチレン、ナイロン、またはサラン等の合成樹脂、油類や合成樹脂を含む布や紙、その他防水性を有する繊維の1種又は2種以上であることを特徴とする請求項1または2記載の硝安油剤爆薬用重袋。
【請求項4】
製品収納後に閉塞される封かん部の覆いが、ポリエチレン、ポリスチレン、ナイロン、サラン等の合成樹脂、油類や合成樹脂を含む布や紙、その他防水性を有するフィルムの1種又は2種以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の硝安油剤爆薬用重袋。
【請求項5】
帯状接着部が、帯巾10〜50mmであり、帯巾中央の長手方向にミシン縫い目が形成されることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の硝安油剤爆薬用重袋。
【請求項6】
帯状接着部の帯巾が、ミシン縫い目の内側又は両側に形成されることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の硝安油剤爆薬用重袋。
【請求項7】
最内層に、アンチブロッキング剤が付着していることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の硝安油剤爆薬用重袋。
【請求項8】
最外層の表面が防滑処理剤等で防滑処理されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の硝安油剤爆薬用重袋。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2006−151492(P2006−151492A)
【公開日】平成18年6月15日(2006.6.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−348072(P2004−348072)
【出願日】平成16年12月1日(2004.12.1)
【出願人】(303046314)旭化成ケミカルズ株式会社 (2,513)
【Fターム(参考)】