説明

硬化性樹脂組成物およびその製造方法

【課題】本発明は、フェノール化合物を含有する植物性油の酸化重合体を、揮発性有機溶剤を含有しない状態で塗膜形成材料、記録材料用化合物、インキ原材料、塗料原材料、フォトレジストの原材料、成型材料、積層材の原材料、粘着材の原材料、結合材の原材料、注型用フェノール樹脂の原材料、繊維板用フェノール樹脂の原材料として利用可能な硬化性樹脂組成物およびその製造方法を提供することを課題とする。
【解決手段】不飽和二重結合性酸化重合部位を有するフェノール化合物を含有する植物性油由来の酸化重合性化合物中のフェノール骨格を酸化重合してなる硬化性樹脂組成物であって、前記植物性油100質量部に対して10〜200質量部の水と、カチオン性基および/またはノニオン性基を有する分散剤とを存在させて重合してなる油中水滴型分散体硬化性樹脂組成物である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、硬化性樹脂組成物およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
フェノール類を原材料に含んだ酸化重合体は種々の製造方法が知られており、その1つとしてフェノール化合物を含有する植物性油由来の酸化重合性化合物を重合して形成した樹脂を含む硬化性樹脂組成物およびその製造方法が報告されている(例えば、特許文献1)。
【特許文献1】WO01/000702A1号パンフレット
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、この樹脂組成物は一般に揮発性有機溶剤中で合成される上に、水に不溶であり、環境負荷の問題から用途が制限されている。そこで、本発明は、上記問題に鑑み、フェノール化合物を含有する植物性油の酸化重合体を、揮発性有機溶剤を含有しない状態で塗膜形成材料、記録材料用化合物、インキ原材料、塗料原材料、フォトレジストの原材料、成型材料、積層材の原材料、粘着材の原材料、結合材の原材料、注型用フェノール樹脂の原材料、繊維板用フェノール樹脂の原材料として利用可能な硬化性樹脂組成物およびその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
不飽和二重結合性酸化重合部位を有するフェノール化合物を含有する植物性油由来の酸化重合性化合物中のフェノール骨格を酸化重合してなる硬化性樹脂組成物であって、該植物性油100質量部に対して10〜200質量部の水と、カチオン性基および/またはノニオン性基を有する分散剤とを存在させて重合してなる油中水滴型分散体硬化性樹脂組成物に関する。
【0005】
さらに本発明は、不飽和二重結合性酸化重合部位を有するフェノール化合物を含有する植物性油100質量部に対して10〜200質量部の水と、カチオン性基および/またはノニオン性基を有する分散剤とを存在させて、不飽和二重結合性酸化重合部位を有するフェノール化合物を含有する植物性油由来の酸化重合性化合物中のフェノール骨格を酸化重合することを特徴とする油中水滴型分散体硬化性樹脂組成物の製造方法に関する。
【発明の効果】
【0006】
本発明により、フェノール化合物を含有する植物性油由来の酸化重合体を、揮発性有機溶剤を含有しない状態で塗膜形成材料、記録材料用化合物、インキ原材料、塗料原材料、フォトレジストの原材料、成型材料、積層材の原材料、粘着材の原材料、結合材の原材料、注型用フェノール樹脂の原材料、繊維板用フェノール樹脂の原材料として利用可能な硬化性樹脂組成物およびその製造方法を提供することができる。また、本発明により、物性面で揮発性有機溶剤系ワニスと遜色のない硬化性樹脂組成物を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明は、不飽和二重結合性酸化重合部位を有するフェノール化合物を含有する植物性油由来の酸化重合性化合物のフェノール骨格を、水とカチオン性基および/又はノニオン性基を有する分散剤の存在下でフェノール骨格を酸化重合してなる硬化性樹脂組成物であり、前記硬化性樹脂組成物は、油中水滴型分散体で存在することを特徴とする。本発明により、有機溶剤を使用せずにフェノール化合物を酸化重合することができる。さらに有機溶剤を含有しないコーティング剤を得ることができる。
【0008】
不飽和二重結合性酸化重合部位を有するフェノール化合物を含有する植物性油としては、種々のものが知られており( 例えば、C hem.Soc.Rev.,8,499(1979)に示されているものを挙げることができる) 、Anacardicae,Gymnospermae,Compositae, Lichens,Proteacaeの各属から得られるものを使用することができる。前記植物性油に含まれるフェノール化合物の具体例は、 アナカルド酸、アナギガン酸、ペランジュ酸、ギンクゴ酸、ギンクゴリン酸、カルダノール、カルドール、メチルカルドール、ウルシオール、チチオール、レンゴール、ラッコール等を挙げることができる。中でも、ウルシオール、チチオール、ラッコールが好ましく、より好ましくはカルダノールである。
【0009】
本発明に用いられるこれらの植物油中の各種のフェノール化合物の含有量は合計で通常50質量%以上、多いものは70質量%以上ある。このような植物性油としては、具体的にはカシュー樹(Anacardium occidentale) より得られるカシューナット殻液( Cashew Nut Shell Liquid)をあげることができる。
【0010】
このカシューナット殻液は、カシュー樹に結実するカシューナットから抽出される高粘度な液体全般が含まれる。カシューナット殻液成分としては、特に制限はなく、アナカルド酸、カルダノール、カルドール、メチルカルドールのごとき化合物が挙げられるが、好ましくは、アナカルド酸を主成分とするカシュー油を高温処理して得られるカルダノールを主成分とするカシューナット殻液が挙げられる。
これらの成分は、一価のフェノールのアルキルあるいはアルケニル誘導体であり、側鎖のアルケニル基は、モノエン、ジエン、トリエンから成る。
また本発明では、カシューナットから抽出される高粘度な液体をそのまま使用しても良いし、精製または変性などの処理をして使用しても良い。
【0011】
本発明において、フェノール化合物を含有する植物性油としてはカシューナット殻液のような天然由来の、フェノール化合物を含有する植物性油を用いることが好ましい。
さらに、上記の植物性油に加えて様々な酸化重合性化合物、例えば、フェノール類、ナフトール類、芳香族アミン類を含有させて共重合反応を行うことができる。
【0012】
共重合反応に使用されるフェノール類、ナフトール類、芳香族アミン類およびその使用量は、得られるフェノール化合物を含有する植物性油重合体の使用目的に応じて要求される様々な物性等において、適宜選択することが可能である。
フェノール類、ナフトール類、芳香族アミン類は、単独で、または2種以上を併用して用いることができる。
【0013】
このような共重合反応に使用する化合物の割合は任意であるが、フェノール化合物を含有する植物性油100質量部に対して、フェノール類、ナフトール類は5000質量部以下、好ましくは500質量部以下であり、特に好ましくは100質量部以下である。また、芳香族アミン類は5000質量部以下、好ましくは500質量部以下であり、特に好ましくは100質量部以下である。
【0014】
このようなフェノール類の具体例としては、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、p−オクチルフェノール、p−ドデシルフェノール、2,3−ジメチルフェノール、2,4−ジメチルフェノール、2,5−ジメチルフェノール、2,6−ジメチルフェノール、3,4−ジメチルフェノール、3,5−ジメチルフェノール、o−エチルフェノール、m−エチルフェノール、2,4,6−ジメチルフェノール、p−t−ブチルフェノール、2,4−ジ−t−ブチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチルフェノール、p−t−アミルフェノールなどのアルキルフェノール、ヒドロキノン、カテコール、レゾルシノール、ピロガロール、ウルシオール、チチオール、ラッコールなどの多価フェノール、o−クロロフェノール、m−クロロフェノール、p−クロロフェノール、2,4,6−トリクロロフェノール、o−ブロモフェノール、m−ブロモフェノール、p−ブロモフェノール、o−フッ化フェノール、m−フッ化フェノール、p−フッ化フェノール等のハロゲン化フェノール、o−アミノフェノール、m−アミノフェノール、p−アミノフェノール等のアミノフェノール、ビスフェノールA 、p−(α−クミル)フェノール、p−フェニルフェノール、グアヤコール、グエトール、フェノール等を挙げることができる。
【0015】
ナフトール類の具体例としては、α−ナフトール、β−ナフトール、1,4−ジヒドロキシナフタレン等を挙げることができる。
【0016】
芳香族アミン類の具体例としては、アニリン、o−アニシジン、p−アニシジン、2,4−キシリジン、3,4−キシリジン、p−クレシジン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジエチルジフェニルメタン、4,4’−ジアミノベンズアニリド、ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、スルファニル酸等を挙げることができる。
【0017】
本発明は、水の存在下でフェノール化合物を酸化重合することを特徴としている。これにより有機溶剤を必要とせずにフェノール化合物を酸化重合することが可能となる。重合する際に水を一定量存在させることで、重合中および重合後の系を油中水滴型分散体とすることができ、安定な重合および保存安定性の向上を可能とすることができる。
【0018】
本発明は、フェノール化合物を含有する植物性油100質量部に対して水を10質量部〜200質量部含有することを特徴としている。一定量の水を共存させることで安定に酸化重合を行うことができる。好ましくは30質量部〜200質量部である。
水の量が10質量部未満の場合、重合時に激しい発熱を起こしたり、高粘度になり攪拌が困難になったりする。また、200質量部を超えて使用すると、重合の安定性が損なわれ、ゲル化を起こしたり、逆に重合が十分に進行しなかったりする。また、重合ができたとしても、保存安定性が悪く、経時で相分離を起こす。
本発明における水は、例えば後述する過酸化水素を酸化剤として使用した場合の含有する水および重合により生成する水を含むものである。
【0019】
さらに本発明は、カチオン性基および/またはノニオン性基を有する分散剤の存在下でフェノール化合物のフェノール骨格を酸化重合することを特徴としている。これにより有機溶剤を必要とせずに重合が可能となるとともに、油中水滴型分散体の安定性を保ち、硬化性樹脂組成物の保存安定性をより向上させることができる。
【0020】
本発明で用いられる分散剤は、カチオン性基またはノニオン性基を有する分散剤であれば特に限定されず、分子中に複数個の上記官能基を有してもよい。さらには、分子中にカチオン性基とノニオン性基の両方を有してもよく、場合によっては、アニオン性基を同一分子内に有してもよい。一方、アニオン性基のみを有する分散剤は、フェノール化合物を含有する植物性油由来の酸化重合性化合物を分散する能力に乏しく、安定化するには多量の分散剤を必要とする場合がある。
【0021】
カチオン性基を有する分散剤としては、ココナットアミンアセテート、ステアリルアミンアセテートのようなアルキルアミン塩類、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド、セチルトリメチルアンモニウムクロライド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド、ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド、アルキルベンゼンジメチルアンモニウムクロライドのような四級アンモニウム塩類、ポリアリルアミン、ポリエチレンイミン、トリエチレンテトラミンのような高分子量分散剤等が挙げられ、好ましくは、ポリアリルアミン、ポリエチレンイミン、トリエチレンテトラミンである。これらは重合安定性、保存安定性、塗膜物性の点で優れている。
【0022】
ノニオン性基を有する分散剤としては、ポリエチレングリコールノニルフェニルエーテルのようなポリエチレングリコールアルキルエーテル類、ソルビタンオレイン酸モノエステル類、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールのようなアルキレングリコール系高分子量分散剤等が挙げられ、好ましくは、ソルビタンオレイン酸モノエステル類、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコールであり、より好ましくは、ポリエチレングリコールとポリプロピレングリコールとのブロック重合体である。これらは重合安定性、保存安定性、塗膜物性の点で優れている。
【0023】
また、カチオン性基とアニオン性基とを有する両性分散剤としては、ラウリルベタイン、ステアリルベタイン、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ラウリルジメチルアミンオキサイド等、さらには、カチオン性基とアニオン性基とを有する高分子量分散剤等が挙げられ、好ましくは、レシチン、ポリエチレンイミン/アクリル酸誘導体、トリエチレンテトラミン/アクリル酸誘導体またはゼラチンである。これらは重合安定性、保存安定性、塗膜物性の点で優れている。
【0024】
分散剤の含有量は、フェノール化合物を含有する植物性油100質量部に対して0.01〜10質量部が好ましい。より好ましくは、0.05〜5質量部であり、さらに好ましくは、0.1〜2質量部である。
分散剤の量が10質量部以下であれば、塗膜の硬化時間が短くて済み、最終的に塗膜として必要とされる物性を満足することができる。
【0025】
本発明におけるフェノール骨格の酸化重合反応は、特に限定されず、公知の方法で行うことができる。フェノール骨格の酸化重合反応は、遷移金属錯体などの公知の酸化重合触媒を用いることができる。
【0026】
酸化重合反応としては例えば、フェノール化合物を含有する植物性油と遷移金属錯体の溶液を個々に調製した後に分散剤を同一容器中に注入してもよいし、フェノール化合物を含有する植物性油の溶解液と分散剤との混合液に金属錯体あるいはその溶液を添加してもよい。
これらの攪拌下、イオン交換水を徐々に滴下して均質な分散体を作製することができる。
【0027】
次に酸化剤を添加して酸化重合を行うことで目的の硬化性樹脂組成物を得ることができる。
重合温度は、フェノール化合物を含有する植物性油の側鎖の脂肪族不飽和二重結合が熱による変成を受けない温度範囲で、かつ、反応媒体が液状を保つ範囲である。このような温度範囲は、フェノール化合物を含有する植物性油あるいは任意に用いられる酸化重合性化合物が共存する場合は該酸化重合性化合物の融点以上の温度が必要である。好ましい温度範囲は、0℃〜180℃であり、より好ましくは0℃〜150℃である。また、0〜40℃の範囲の低い温度条件でも重合反応を行うことができる。重合に要する時間は、30分〜30時間である。
【0028】
本発明において、酸化重合触媒として使用する遷移金属錯体の配位子と遷移金属原子以外の構造は、触媒能を失活させないならば特に限定されるものではない。例えば、配位子としてN,N’−ジサリシリデンエチレンジアミン( 以下、サレンと表記することがある)を、遷移金属として鉄を用いた、N, N’−ジ(サリシリデン)エチレンジアミナト鉄(II)( 以下、鉄サレンと表記することがある)遷移金属錯体等を使用することができる。
【0029】
遷移金属錯体は、例えば鉄サレン、銅サレン、亜鉛サレン、ニッケルサレン、マンガンサレン、コバルトサレン、アセチルアセトナト鉄(III)、アセチルアセトナト銅(II)などが挙げられ、中でも鉄サレンが好ましい。
触媒は単独で用いることができ、また2種以上を併用することもできる。
【0030】
触媒は、任意の量を使用することができ、用いる遷移金属錯体の触媒活性により適宜加減すればよい。
一般的にはフェノール化合物を含有する植物性油100質量部に対して0.001〜30質量部 、好ましくは0.01〜10質量部、さらに好ましくは0.1〜1.0質量部を使用することができる。
遷移金属錯体が、0.001質量部以上であれば、重合の進行を妨げず、さらに安定性も良い。また、30質量部以内であれば、重合中のゲル化を防止することができる。
【0031】
また、触媒としては、反応時に遷移金属化合物と対応する配位子を混合して用いることもできる。この場合の配位子は任意の量を使用することができるが、遷移金属に対して0.1〜10モル当量使用することが好ましい。
【0032】
遷移金属錯体は、酸化重合性化合物のフェノール骨格を優先的に酸化重合させることができ、重合せずに残った脂肪族不飽和二重結合を塗膜形成時の硬化反応に利用することができる。
【0033】
さらに、本発明の遷移金属錯体の活性を高めるため助触媒を用いても良い。助触媒としてはアミン、ジケトン錯体、ハロゲン化金属等が挙げられる。
【0034】
また、フェノール骨格の酸化重合反応においては、公知の酸化剤を用いることができる。酸化剤は任意のものを用いることができるが、好ましくは酸素またはパーオキサイドであり、より好ましくはパーオキサイドである。
酸素は不活性ガスとの混合物であってもよく、空気でもよい。
パーオキサイドの例としては、過酸化水素、t−ブチルハイドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、過酢酸、過安息香酸等を挙げることができ、特に好ましくは過酸化水素である。
【0035】
酸化剤の含有量は、フェノール化合物を含有する植物性油100質量部に対して0.1〜50質量部であり、好ましくは0.3〜30質量部、さらに好ましくは1〜15質量部である。
パーオキサイドが0.1質量部以上であれば重合の進行を妨げず、さらに安定性も良い。また、50質量部以内であれば重合中のゲル化を抑制することができる。
【0036】
酸化剤として過酸化水素を添加する場合は、フェノール化合物を含有する植物性油と遷移金属錯体の溶解液に過酸化物を徐々に添加する方法が好ましい。遷移金属錯体が不活性化するような方法でない限り、この他にも種々の組み合わせが可能である。本発明の硬化性樹脂組成物の製造において、酸化重合に用いた遷移金属錯体は反応終了後分離せずにそのまま樹脂組成物中に含有させてもよい。
【0037】
酸化重合反応においては上述したように必要に応じて、触媒と酸化剤を使用するが、所望する硬化性樹脂組成物を油中水滴型分散体とすることで、酸化重合性化合物と、触媒および酸化剤との接触面積が広がり重合がスムーズに進行する。さらに重合時の発熱も抑制することができる。
【0038】
本発明で得られる油中水滴型分散体硬化性樹脂組成物の数平均分子量(以下、Mnと記すこともある)は、好ましくは350〜100,000であり、とくに好ましくは500〜30,000である。
また、油中水滴型分散体硬化性樹脂組成物の重量平均分子量(以下、Mwと記すこともある)は、好ましくは1,000〜500,000であり、より好ましくは2,000〜100,000であり、さらに好ましくは、5,000〜30,000である。
【0039】
本発明の油中水滴型分散体硬化性樹脂組成物は、不飽和二重結合性酸化重合部位を有するため、フェノール骨格の重合後にも、当該酸化重合部位を第2の酸化触媒の存在下でさらに架橋硬化させることができる。
この硬化反応は塗料等に用いる場合の硬化反応として有効であり、第2の酸化触媒としては、いわゆる金属ドライヤーが用いられる。このような金属ドライヤーは、不飽和脂肪酸を酸化して架橋反応を引き起こす能力を備える化合物であれば特に制限はなく、種々の金属あるいはその塩を用いることができる。
【0040】
具体的には、コバルト、マンガン、鉛、カルシウム、セリウム、ジルコニウム、亜鉛、鉄、銅のナフテン酸、オクチル酸、オレイン酸塩が挙げられ、好ましくはナフテン酸コバルト、ナフテン酸鉛、ナフテン酸マンガンである。
【0041】
また、本発明においてフェノール骨格の酸化重合触媒に使用した各種金属錯体も金属ドライヤーとしての能力を有することから、これらを反応系から取り出すことなくそのまま使用しても良い。さらには、金属ドライヤーは1種類に限らず、2種以上を併用してもよい。
金属ドライヤーの添加量としては、金属ドライヤーの種類等によって異なるが、硬化性樹脂組成物100質量部に対して金属含量で、0.001〜10質量部が好ましく、より好ましくは、0.01〜5質量部であり、さらに好ましくは、0.1〜3質量部である。
【0042】
さらに、本発明の油中水滴型分散体硬化性樹脂組成物は、様々な方法で硬化させることができる。すなわち、これらの樹脂組成物は、ポリマー側鎖に不飽和二重結合(不飽和二重結合性酸化重合部位)を、または、芳香環部位(フェノール骨格)にはフェノール性水酸基を有していることから、これらの反応性部位に基づく公知の方法で架橋反応を進行させることにより硬化物を得ることができる。
例えば、前記の酸素や有機過酸化物による架橋の他に、フェノール樹脂およびアミノ樹脂による架橋、ハロゲン化合物による架橋、イソシアナートによる架橋、エポキシ化合物による架橋、加熱による架橋、光による架橋、UV照射による架橋、電子線による架橋反応等を利用して硬化させることが可能である。
【0043】
本発明の油中水滴型分散体硬化性樹脂組成物は、本発明の効果を阻害しない範囲で、少量の酸化防止剤、紫外線吸収剤等の安定剤などの各種の添加剤を添加することもできる。さらに必要に応じて、充填剤、可塑剤、増粘剤、防腐剤、消泡剤、レベリング剤等の添加剤も併用することができる。
これらを適宜添加し、漆類似塗料原材料、塗膜形成材料、記録材料用化合物、インキ原材料、塗料原材料、接着剤原材料、エポキシ樹脂原材料、フォトレジストの原材料、酸化防止剤の原材料、成形材料、積層材の原材料、粘着剤の原材料、結合剤の原材料、注型用フェノール樹脂の原材料、ゴム配合用フェノール樹脂の原材料、繊維板用フェノール樹脂の原材料等の種々の用途に使用することが出来る。
【実施例】
【0044】
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明する。なお、文中、部、%は特に断らない限り、質量部、質量%を表す。
【0045】
(実施例1)
50mlナス型フラスコに、撹拌子、カシューナット殻液0.6g、鉄サレン4mg、分散剤としてポリエチレンイミン/アクリル酸誘導体(PEIA、ポリエチレンイミン分子量10000、アクリル酸含量100mol%)5mgを加え、マグネチックスターラーにて室温、空気中攪拌した。攪拌下、そこへ30%過酸化水素水8mgを12分おきに計10回添加した。30%過酸化水素水に含まれる水により均質な油中水滴型分散体となった。
30%過酸化水素水の添加後さらに24時間撹拌して酸化重合反応を継続し、褐色粘稠な均質油中水滴型分散体を得た。GPC(Gel Permeation Chromatography)分析の結果、反応率は53%、Mnは4200、Mwは16700、Mw/Mnは4.0であった。
得られた褐色粘稠分散体を50μmのアプリケーターを用いてガラス板上に塗布した。塗布後、直ちに150℃の恒温器に1時間保持した後取り出し、室温暗所で保管した。得られた塗膜は黄褐色透明であり、肉持感、光沢等に優れた漆類似の塗膜であった。
塗膜硬度は時間の経過に伴って増加し、1日後には鉛筆硬度H、30日後には鉛筆硬度2H、60日後には鉛筆硬度3Hとなった。
また、得られた褐色粘稠分散体100質量部に対して、ナフテン酸コバルト1質量部をナフテン酸コバルトのカシューナット殻液溶液(10質量%)として添加してよく混合した。このものを50μmのアプリケーターを用いてガラス板上に塗布した。塗布後、直ちに室温にて保管し、塗膜表面を指で軽く押しても、指の跡が残らなくなるまでの時間(以下、「指触乾燥時間」という。)は7日であった。得られた塗膜は黄褐色透明であり、肉持感、光沢等に優れた漆類似の塗膜であった。塗膜硬度は時間の経過に伴って増加し、30日後には鉛筆硬度2B、60日後には鉛筆硬度Fとなった。
【0046】
(実施例2)
50mlナス型フラスコに、撹拌子、カシューナット殻液0.6g、鉄サレン4mg、分散剤としてポリエチレンイミン/アクリル酸誘導体(PEIA、ポリエチレンイミン分子量10000、アクリル酸含量100mol%)5mgを加え、マグネチックスターラーにて室温、空気中撹拌した。撹拌下、イオン交換水1.0gをゆっくり滴下し、均質な油中水滴型分散体を作った。そこへ30%過酸化水素水23mgを12分おきに計10回添加した。
添加後さらに1時間撹拌して酸化重合反応を継続し、褐色粘稠な均質油中水滴型分散体を得た。GPC分析の結果、反応率は51%、Mnは4000、Mwは11700、Mw/Mnは2.9であった。
得られた褐色粘稠分散体を50μmのアプリケーターを用いてガラス板上に塗布した。塗布後、直ちに150℃の恒温器に1時間保持した後取り出し、室温暗所で保管した。得られた塗膜は黄褐色透明であり、肉持感、光沢等に優れた漆類似の塗膜であった。
塗膜硬度は時間の経過に伴って増加し、1日後には鉛筆硬度H、30日後には鉛筆硬度2H、60日後には鉛筆硬度3Hとなった。
また、得られた褐色粘稠分散体100質量部に対して、ナフテン酸コバルト1質量部をナフテン酸コバルトのカシューナット殻液溶液(10質量%)として添加してよく混合した。このものを50μmのアプリケーターを用いてガラス板上に塗布した。塗布後、直ちに室温にて保管し、指触乾燥時間は7日であった。得られた塗膜は黄褐色透明であり、肉持感、光沢等に優れた漆類似の塗膜であった。塗膜硬度は時間の経過に伴って増加し、30日後には鉛筆硬度3B、60日後には鉛筆硬度Fとなった。
【0047】
(実施例3)
50mlナス型フラスコに、撹拌子、カシューナット殻液0.6g、鉄サレン4mg、分散剤としてトリエチレンテトラミン/アクリル酸誘導体6mgを加え、マグネチックスターラーにて室温、空気中撹拌した。撹拌下、イオン交換水0.6gをゆっくり滴下し、均質な油中水滴型分散体を作った。そこへ30%過酸化水素水8mgを12分おきに計10回添加した。
添加後さらに24時間撹拌して酸化重合反応を継続し、褐色粘稠な均質油中水滴型分散体を得た。GPC分析の結果、反応率は56%、Mnは3500、Mwは11900、Mw/Mnは3.4であった。
得られた褐色粘稠分散体を50μmのアプリケーターを用いてガラス板上に塗布した。塗布後、直ちに150℃の恒温器に1時間保持した後取り出し、室温暗所で保管した。得られた塗膜は黄褐色透明であり、肉持感、光沢等に優れた漆類似の塗膜であった。
塗膜硬度は時間の経過に伴って増加し、1日後には鉛筆硬度H、7日後には鉛筆硬度2Hとなった。
また、得られた褐色粘稠分散体100質量部に対して、ナフテン酸コバルト1質量部をナフテン酸コバルトのカシューナット殻液溶液(10質量%)として添加してよく混合した。このものを50μmのアプリケーターを用いてガラス板上に塗布した。塗布後、直ちに室温にて保管し、指触乾燥時間は7日であった。得られた塗膜は黄褐色透明であり、肉持感、光沢等に優れた漆類似の塗膜であった。塗膜硬度は時間の経過に伴って増加し、30日後には鉛筆硬度6Bとなった。
【0048】
(実施例4)
50mlナス型フラスコに、撹拌子、カシューナット殻液0.6g、鉄サレン4mg、分散剤としてポリエチレングリコール(PEG)とポリプロピレングリコール(PPG)のブロック共重合体(ポリエチレングリコール含量70wt%、プルロニックF127)6mgを加え、マグネチックスターラーにて室温、空気中撹拌した。撹拌下、イオン交換水0.6gをゆっくり滴下し、均質な油中水滴型分散体を作った。そこへ30%過酸化水素水8mgを12分おきに計10回添加した。
添加後さらに24時間撹拌して酸化重合反応を継続し、褐色粘稠な均質油中水滴型分散体を得た。GPC分析の結果、反応率は55%、Mnは3800、Mwは15800、Mw/Mnは4.2であった。
得られた褐色粘稠油中型分散体を50μmのアプリケーターを用いてガラス板上に塗布した。塗布後、直ちに150 ℃の恒温器に1時間保持した後取り出し、室温暗所で保管した。得られた塗膜は黄褐色透明であり、肉持感、光沢等に優れた漆類似の塗膜であった。
塗膜硬度は時間の経過に伴って増加し、1日後には鉛筆硬度2Hとなった。
また、得られた褐色粘稠分散体100質量部に対して、ナフテン酸コバルト1質量部をナフテン酸コバルトのカシューナット殻液溶液(10質量%)として添加してよく混合した。このものを50μmのアプリケーターを用いてガラス板上に塗布した。塗布後、直ちに室温にて保管し、指触乾燥時間は10日であった。得られた塗膜は黄褐色透明であり、肉持感、光沢等に優れた漆類似の塗膜であった。塗膜硬度は時間の経過に伴って増加し、30日後には鉛筆硬度3B、60日後には鉛筆硬度HBとなった。
【0049】
(実施例5)
50mlナス型フラスコに、撹拌子、カシューナット殻液0.6g、鉄サレン4mg、分散剤としてレシチン6mgを加え、マグネチックスターラーにて室温、空気中撹拌した。撹拌下、イオン交換水0.6gをゆっくり滴下し、均質な油中水滴型分散体を作った。そこへ30%過酸化水素水8mgを12分おきに計10回添加した。
添加後さらに24時間撹拌して酸化重合反応を継続し、褐色粘稠な均質油中水滴型分散体を得た。GPC分析の結果、反応率は52%、Mnは4500、Mwは17600、Mw/Mnは3.9であった。
得られた褐色粘稠分散体を50μmのアプリケーターを用いてガラス板上に塗布した。塗布後、直ちに150℃の恒温器に1時間保持した後取り出し、室温暗所で保管した。得られた塗膜は黄褐色透明であり、肉持感、光沢等に優れた漆類似の塗膜であった。
塗膜硬度は時間の経過に伴って増加し、1日後には鉛筆硬度F、7日後には鉛筆硬度Hとなった。
また、得られた褐色粘稠分散体100質量部に対して、ナフテン酸コバルト1質量部をナフテン酸コバルトのカシューナット殻液溶液(10質量%)として添加してよく混合した。このものを50μmのアプリケーターを用いてガラス板上に塗布した。塗布後、直ちに室温にて保管し、指触乾燥時間は7日であった。得られた塗膜は黄褐色透明であり、肉持感、光沢等に優れた漆類似の塗膜であった。塗膜硬度は時間の経過に伴って増加し、30日後には鉛筆硬度6Bとなった。
【0050】
(実施例6)
50mlナス型フラスコに、撹拌子、カシューナット殻液0.6g、鉄サレン4mg、分散剤としてゼラチン6mgを加え、マグネチックスターラーにて室温、空気中撹拌した。撹拌下、イオン交換水0.6gをゆっくり滴下し、均質な油中水滴型分散体を作った。そこへ30%過酸化水素水8mgを12分おきに計10回添加した。
添加後さらに24時間撹拌して酸化重合反応を継続し、褐色粘稠な均質油中水滴型分散体を得た。GPC分析の結果、反応率は57%、Mnは4400、Mwは15700、Mw/Mnは3.6であった。
得られた褐色粘稠分散体を50μmのアプリケーターを用いてガラス板上に塗布した。塗布後、直ちに150℃の恒温器に1時間保持した後取り出し、室温暗所で保管した。得られた塗膜は黄褐色透明であり、肉持感、光沢等に優れた漆類似の塗膜であった。
塗膜硬度は時間の経過に伴って増加し、1日後には鉛筆硬度H、15日後には鉛筆硬度2Hとなった。
また、得られた褐色粘稠分散体100質量部に対して、ナフテン酸コバルト1質量部をナフテン酸コバルトのカシューナット殻液溶液(10質量%)として添加してよく混合した。このものを50μmのアプリケーターを用いてガラス板上に塗布した。塗布後、直ちに室温にて保管し、指触乾燥時間は7日であった。得られた塗膜は黄褐色透明であり、肉持感、光沢等に優れた漆類似の塗膜であった。塗膜硬度は時間の経過に伴って増加し、30日後には鉛筆硬度HBとなった。
【0051】
(比較例1)
50mlナス型フラスコに、撹拌子、カシューナット殻液0.6g、鉄サレン4mgを加え、マグネチックスターラーにて室温、空気中撹拌した。撹拌下、イオン交換水2.5gをゆっくり滴下し、均質な水中油滴型分散体を作った。そこへ30%過酸化水素水23mgを12分おきに計10回添加した。添加後さらに1時間撹拌して酸化重合反応を継続したが、系が不安定となり重合終了後、分離を起こした。得られた褐色粘稠分散体は、分離が激しく、評価ができなかった。
【0052】
(比較例2)
50mlナス型フラスコに、撹拌子、カシューナット殻液0.6g、鉄サレン4mg、分散剤としてエアロゾルOT(アニオン性分散剤)18mgを加え、マグネチックスターラーにて室温、空気中撹拌した。撹拌下、イオン交換水1.0gをゆっくり滴下し、均質な水中油滴型分散体を作った。そこへ30%過酸化水素水23mgを12分おきに計10回添加した。添加後さらに1時間撹拌して酸化重合反応を継続し、褐色粘稠な水中油滴型分散体を得た。GPC分析の結果、反応率は36%、Mnは2000、Mwは4500、Mw/Mnは2.3であった。しかし、得られた褐色粘稠分散体は、安定性が悪く相分離を起こし、評価ができなかった。
【0053】
(比較例3)
50mlナス型フラスコに、撹拌子、カシューナット殻液0.6g、鉄サレン4mg、1,4−ジオキサン4gを加え、マグネチックスターラーにて室温、空気中撹拌した。撹拌下、30%過酸化水素水23mgを12分おきに計10回添加した。
添加後さらに1時間撹拌して酸化重合反応を継続し、褐色粘稠な溶液を得た。GPC分析の結果、反応率は44%、Mnは3700、Mwは6300、Mw/Mnは1.7であった。
得られた褐色粘稠分散体を50μmのアプリケーターを用いてガラス板上に塗布した。塗布後、直ちに150℃の恒温器に1時間保持した後取り出し、室温暗所で保管した。得られた塗膜は黄褐色透明であり、肉持感、光沢等に優れた漆類似の塗膜であった。
塗膜硬度は時間の経過に伴って増加し、5日後には鉛筆硬度HB、15日後には鉛筆硬度2Hとなった。
また、得られた褐色粘稠分散体100質量部に対して、ナフテン酸コバルト1質量部をナフテン酸コバルトのカシューナット殻液溶液(10質量%)として添加してよく混合した。このものを50μmのアプリケーターを用いてガラス板上に塗布した。塗布後、直ちに室温にて保管し、指触乾燥時間は7日であった。得られた塗膜は黄褐色透明であり、肉持感、光沢等に優れた漆類似の塗膜であった。塗膜硬度は時間の経過に伴って増加し、30日後には鉛筆硬度2B、60日後には鉛筆硬度HBとなった。
【0054】
<評価方法>
−分散形態−
分散状態は、サンプリングした分散液の一部を水中に滴下した時の状態で判断した。すなわち、分散液滴が水に速やかに自己拡散すれば水中油滴型分散体と判断し、分散液滴が水に速やかに自己拡散せずに液滴状態を保つ場合には油中水滴型分散体と判断した。
−鉛筆硬度−
実施例1〜6及び比較例3により得られた塗膜の鉛筆硬度は、JIS K5600−5−4に準拠した塗膜の引っかき硬度として、鉛筆法により評価した。
【0055】
<評価>
実施例1〜6及び比較例1〜3の結果を表1に示す。
【0056】
【表1】

【0057】
表1中、水分量は、カシューナット殻液100質量部に対する水の質量部で表した。
【0058】
表1より、実施例1〜6において、本発明の油中水滴型分散体硬化性樹脂組成物は、安定な組成物として得られ、その塗膜硬化性も実用性のあるものであった。得られた塗膜は、肉持感、光沢等に優れた漆類似の塗膜であった。
一方、比較例1および2の場合、重合中に相分離を起こしたり、重合できたとしても経時で相分離したりして使用することができなかった。
また、溶剤型である比較例3と実施例1〜6とを対比すると、実施例1〜6はいずれの塗膜も肉持感、光沢等に優れた漆類似の塗膜であり、塗膜物性も溶剤型と同等の性能を示した。
本発明の油中水滴型分散体硬化性樹脂組成物は、溶剤型硬化性樹脂組成物と比べても遜色ない塗膜物性を有することを確認することができた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
不飽和二重結合性酸化重合部位を有するフェノール化合物を含有する植物性油由来の酸化重合性化合物中のフェノール骨格を酸化重合してなる硬化性樹脂組成物であって、
前記植物性油100質量部に対して10〜200質量部の水と、カチオン性基および/またはノニオン性基を有する分散剤とを存在させて重合してなる油中水滴型分散体硬化性樹脂組成物。
【請求項2】
不飽和二重結合性酸化重合部位を有するフェノール化合物を含有する植物性油100質量部に対して10〜200質量部の水と、カチオン性基および/またはノニオン性基を有する分散剤とを存在させて、不飽和二重結合性酸化重合部位を有するフェノール化合物を含有する植物性油由来の酸化重合性化合物中のフェノール骨格を酸化重合することを特徴とする油中水滴型分散体硬化性樹脂組成物の製造方法。

【公開番号】特開2008−56879(P2008−56879A)
【公開日】平成20年3月13日(2008.3.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−239095(P2006−239095)
【出願日】平成18年9月4日(2006.9.4)
【出願人】(504255685)国立大学法人京都工芸繊維大学 (203)
【出願人】(000222118)東洋インキ製造株式会社 (2,229)
【Fターム(参考)】