説明

確実に流れる酸素吸入器

閉回路酸素吸入器は、該酸素吸入器の動作中、空気を前後に流通させるように設けられたハウジングと、該ハウジング内に含まれるCO吸収キャニスターと、前記ハウジングから延出する肺嚢とを備え、酸素吸入器の動作中、空気が前方に流通する空気として再循環した後、空気は前記キャニスターを通って前記肺嚢に向かって前方に流通し、前記ハウジングを通って後方に流通するようになっている。前記酸素吸入器はさらに前記ハウジングと関連して適切に作用する圧縮酸素のボトルを含み、酸素吸入器の動作中、前記肺嚢に酸素ガスを連続的に放出するように設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放出された空気からCOを吸収し、Oにより空気を濃縮し、それにより、吸気のため放出空気を再循環させる閉回路酸素吸入器に関する。
【背景技術】
【0002】
本出願は、2004年12月28日に出願された米国仮出願60/639,296に関し、その明細はここに完全に組み込まれている。
【0003】
酸素吸入器は、閉回路において放出された空気からCO(ニ酸化炭素)を吸収し、O(酸素)により空気を濃縮することにより、ユーザに再循環された浄化空気を供給する。酸素吸入器は空気及び又は酸素の重いタンクを必要とする開放呼吸システムより軽量である。
【0004】
酸素吸入器は、外部環境から隔離した呼吸環境を提供し、例えば、燃焼している火からの煙や工業環境の汚染がある所、及び酸素の少ない高い標高の場所のような、悪い環境において特に有用である。さらに、酸素吸入器は水中ダイビングで使用されている。
【0005】
煙が充満した環境下では、酸素吸入器はユーザの顔面に装着し、煙の多い環境からの避難を可能にする。
【0006】
例えば、工業環境において、実質的に有毒ガス汚染に直面して、酸素吸入器は労働者が汚染源を見つけて修理することを可能にする再循環空気を供給する。代わりの解決策であるマスクフィルターは各種フィルターのうちの1つを含むマスクを備え、各フィルターは一定の有毒ガスのためにだけ効果がある。一つの酸素吸入器と同じ保護範囲を供給するためには、複数のマスク及び又はフィルターが現場になければならない。
【0007】
酸素が薄くなる標高の高い所では、登山者は酸素吸入器を周期的に使用することにより機能し続け、重い酸素タンクを運搬する必要性を除去する。ダイバーは酸素タンク単体より長い間、酸素吸入器と共に酸素タンクの量を使用することができる。
【0008】
酸素吸入器は柔軟な嚢、ここでは肺嚢を含み、この肺嚢はユーザの口及び又は鼻を覆うマニホールドを有する吸収キャニスターに接続されている。放出された空気は、キャニスターから肺嚢に流通する間、COを吸収し、Oにより濃縮することにより吸気のために再循環される。
【0009】
COは、主に水蒸気に溶解した炭酸の形で、ソーダ石灰を含む吸収キャニスターに吸収される。ソーダ石灰は、94%の水酸化カルシウムと、5%の水酸化ナトリウムと、1%の水酸化カリウムの混合物である。キャニスターはさらに、溶解していない吸収用のCOガスを溶解するための水と、ソーダ石灰を顆粒状に保つ二酸化珪素と、ソーダ石灰の消耗を示すpH感光性色素とを含んでいる。
【0010】
COの吸収は、以下の化学反応により起こる。
O+CO=HCO=H+HCO
NaOH+HCO=NaHCO+H
2NaHCO+Ca(OH)=2NaOH+CaCO+H
水酸化カルシウムは、水酸化ナトリウムと水酸化カリウムがCOの吸収割合を増進している間にCOの大部分を吸収する。上記した化学反応は発熱を伴い、ソーダ石灰の温度は約華氏140度の温度に急速に達すると共にその温度を維持する。
【0011】
COの吸収に続いて、Oガスは、圧縮酸素ボトルから浄化された空気に導入され、COを除去して浄化され、Oにより濃縮された空気はユーザにより吸い込まれ、それにより、困難な呼吸環境下において有効な解決策を供給する。
【0012】
酸素吸入器はユーザが吐き出した空気を繰り返し再循環し、ユーザの体温の熱を急速に吸収し、それにより、再循環された空気の温度を環境の周囲温度より高く上昇させる。
【0013】
上記したCOの吸収のために必要な発熱を伴う反応のさらなる問題として、閉回路の空気に対する著しい熱の付加があり、これは空気を不快な暑さにする。さらに、例えば、酸素吸入器が荒れ狂う火の焼け付くような熱の前で使用されると、環境の熱は酸素吸入器の温度をさらに高く上昇させる。そのような使用では、閉回路において過度に加熱された熱は不快なだけではなく、有害になり、ユーザをパニックに落とし入れ、取り返しのつかない衝撃を与える結果となる。
【0014】
ダイバーに使用される酸素吸入器は、低温の周囲の水が十分に冷却する時には吸い込んだ空気を冷却する機構を必要としないが、陸上での使用では、ダイバーの酸素吸入器はユーザに対して同様に不快な暑い空気を供給する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
過熱され再循環された酸素吸入器の空気はさらなる2つの問題を生じる。第1の問題は、吸い込まれた空気によりOが十分に混合されないことである。Oガスは、タンクからの膨張によって、肺嚢において過熱され吐き出された空気より冷たく重い。重く冷たいOは吸収に続いて、OガスCOの吸収に続いて、OガスCOの吸収に続いて、軽くて暑く濃縮されておらず吐き出された空気が上昇し、肺嚢の頂部で空気の取り入れ口を塞いでいる間、Oガスは肺嚢の底に沈む。主に空気の取り入れ口に入ってくる濃縮されていない暑い放出空気によって、ユーザは必要なOを奪われる。
【0016】
過熱された空気に関連した第2の問題は、COを十分に吸収しないことである。基本的な顆粒はCOの吸収に関連した発熱を伴う反応により加熱されると、顆粒の効率は減少し、COの余り吸収しなくなる。さらに、空気が熱により膨張すると、吐き出された空気は吸収キャニスターから出され、COの吸収効率を低下させることもある。
【0017】
効率の悪いCOの吸収や吐き出された空気とOの混合不足は、共に過度に暑い吐出空気から発生し、ユーザは低酸素及びその後遺症となる。
【0018】
キワク(Kiwak)に対する米国特許4,314,566は、外部に配置された熱交換システムを有する酸素吸入器を開示し、ロザー(Loser)らに対する米国特許5,269,293は、外部の沸石吸着性冷却システムを開示しており、両方のシステムは過熱に対する潜在的な解決策を与えているが、酸素吸入器に対してかなりの重量、容積、サイズ及び又は支出を付加する。
【0019】
COの発熱を伴う吸収に関連したすべての問題に加えて、それぞれの吸入サイクルの間、Oガスを放出するために開放するOのボトルにデマンドバルブに関連した3つの問題がある。
【0020】
第1の問題は、デマンドバルブが複雑で、吸入サイクルと共に開閉し、バルブは機能不全になり易い。第2の問題は、デマンドバルブが重く、酸素吸入器に好ましくない重量を付加する。第3の問題は、デマンドバルブが以下の吐出を開放するだけであることである。ユーザが吐出の反対に吸い込みで第1の吸入サイクルを開始した場合、ユーザは吸込なしにより、生命を維持する空気をユーザからさらに取り上げる息詰まりの発作を起こすことがある。
【0021】
パーカー(Parker)に対する米国特許6,712,071は、適切な酸素量を保証するための酸素センサ及びインジェクターを教示し、レディ(Readey)らに対する米国特許6,003,513は、一定レベルのOを維持するためのステッピングモータで制御される可変流量システムを教示し、重量、容積及び複雑さに加えて、両方のシステムは酸素吸入器に著しい容積を付加し、以下の少なくとも1つの発散の機能を開始するに過ぎず、それにより息詰まりを防止することができない。
【0022】
要約すると、有効な吸入システムを与えながら、酸素吸入器は、Oの要求されるバルブの容積や重量を大きくしたり、そのバルブを複雑にしたりすることなく、最初の吸込により、快適な温度で、COを効率的に浄化し、Oと適切な混合をする空気を供給するといった基本的な問題を解決することはできない。
【課題を解決するための手段】
【0023】
本発明は、非常に早い吸い込みから快適な温度で、COを効率的に浄化し、Oを適切に濃縮した酸素を供給する、単純で、耐久性があり、軽量の構造を有する酸素吸入器により、従来技術の欠点の少なくとも幾つかをうまく処理する。
【0024】
本発明の一実施の形態は、CO吸収キャニスターを含むハウジングと、該ハウジングから延出する肺嚢とを有する、閉回路酸素吸入器を備えている。
【0025】
実施例では、ハウジング及び肺嚢は、吐き出された空気が動作中にキャニスターを通過するように組み立てられ、吐き出された空気からのCO量は吸収される。その後、空気はハウジングの流路を通って肺嚢に及び肺嚢から流通する。
【0026】
さらに、ハウジングと関連して適切に作用する圧縮酸素のボトルが設けられ、前記動作中、肺嚢にOガスを連続的に放出するように設けられている。
【0027】
実施例では、前記酸素吸入器は、前記作動中に開放状態のままの前記ボトルのバルブを含み、Oガスは前記作動の初期段階に及び又は最初の吸い込みの前に肺嚢を実質的に充填する。
【0028】
さらなる実施例では、前記連続的な放出は前記ボトルを冷却するように設けられ、前記冷却されたボトルは前記吸い込まれた空気が通過する流路を含み、それにより吸い込まれた空気が冷却される。
【0029】
さらに、吸い込まれた空気は、吐き出された空気がキャニスターを通過する時に閉回路で前記冷却を維持し、それにより、吸収されたCO量を増加させる。
【0030】
さらに別の実施例では、酸素吸入器はキャニスターから肺嚢からに実質的に延出する延長スリーブを含み、該スリーブはキャニスターから実質的に離れた開口部を有している。吐き出された空気は、前記キャニスターを通り、前記スリーブを通って、前記肺嚢に流通する。
【0031】
さらなる実施例では、前記スリーブは吐き出された空気を肺嚢に放出されたOガスと実質的に混合させるように設けられている。
【0032】
さらに、前記スリーブは、吐き出された空気がスリーブを通過する時に障害物を作り出し、該障害物は吐き出された空気が前記スリーブ及びキャニスターをよりゆっくりと通過するようにさせ、それにより、前記吸収されたCO量を増加させる。
【0033】
さらなる実施例では、前記スリーブは少なくとも1つの制限を含んでおり、該制限は吐き出された空気が前記スリーブ及びキャニスターをよりゆっくりと通過するようにさせ、それにより、前記吸収されたCO量を増加させる。
【0034】
本発明の一実施の形態は、閉回路酸素吸入器の空気を冷却するための方法であり、圧縮されたOガスのボトルから連続的に膨張するOガスを備え、該膨張したOガスにより前記ボトルを冷却し、該ボトルの近くに暖かい空気量を通過させ、前記量と前記ボトルとの間で熱交換し、前記量を冷却する。
【0035】
実施例では、前記方法は前記ボトルからOを連続的に放出することをさらに含んでいる。
【0036】
本発明のさらなる実施の形態では、閉回路酸素吸入器は、CO吸収キャニスターとOガスを放出するように設けられた圧縮Oのボトルとを含むハウジングを備えている。酸素吸入器は、ハウジングから延出する肺嚢と、キャニスターから肺嚢に実質的に延出する延長スリーブとをさらに含んでいる。酸素吸入器は吐き出された空気がキャニスターを通過するように組み立てられ、吐き出された空気からのCO量が吸収され、空気は肺嚢に続き、前期ボトルは肺嚢にOガスを放出する。
【0037】
さらなる実施例では、前記スリーブは吸収された空気を肺嚢に放出されたOと実質的に混合させるように設けられている。さらに、前記スリーブは吐き出された空気が通過する時に障害物を作り出し、該障害物は吐き出された空気に前記スリーブ及びキャニスターをよりゆっくりと通過させ、それにより、吐き出された空気から吸収されるCOの量を増加させる。
【0038】
さらなる実施例では、前記スリーブは少なくとも1つの制限を含み、該制限は吐き出された空気に前記スリーブ及びキャニスターをよりゆっくりと通過させ、それにより、吐き出された空気から吸収されたCOの量を増加させる。
【0039】
さらなる実施例では、バルブは前記動作中に開放状態のままの前記ボトルに含まれ、前記ボトルは前記動作中に肺嚢にOガスを連続的に放出するように設けられている。
【0040】
さらなる実施例では、Oガスは前記動作の初期段階と最初の吸い込みのうちの少なくとも一つで肺嚢を充填する。
【0041】
選択的には、前記Oボトルは、前記圧縮されたOボトルを冷却する方法でOガスを放出するように設けられている。さらなる実施例では、前記冷却されたボトルは吐き出された空気が通過する流路を含み、それにより、吐き出された空気を冷却する。
【0042】
さらなる実施例では、前記吐き出された空気は、吐き出された空気がキャニスターを通過する時に閉回路の前記冷却を維持し、それにより吸収されるCOの量を増加させる。
【0043】
本発明のさらなる実施の形態は、酸素吸入器のOと吐き出された空気を実質的に混合する方法を備えている。この方法は、肺嚢にOを通過させ、肺嚢に実質的にスリーブを延出し、スリーブを通って肺嚢に吐き出された空気を通過させると共に空気を前記Oと実質的に混合することを含んでいる。
【0044】
他の方法で定義されなければ、ここで使用されるすべての技術および科学用語は本発明が属する技術分野で当業者により共通に理解されるのと同一の意味を有している。ここに説明したものと同様又は同等の方法及び材料が本発明の実施又は試験において使用可能であるが、適切な方法及び材料は以下に説明する。争いの場合には、定義を含む特許明細書が調整する。さらに、材料、方法、及び例は例示のためだけであり、限定する趣旨ではない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0045】
本発明は図面を参照しつつ例示する。詳細に図面を参照すると、詳細が例示により示され、本発明の好適な方法の例示の説明の目的のため、本発明の原理及び概念の最も有用及び容易に理解できる記載となると信じられるものを提供する目的で示されていることを強調する。
【0046】
この点において、本発明の基本的な理解のために必要とされる以上により詳細に本発明の構造的な詳細を示そうとしておらず、本発明の方法が実際にどのように具体化させるかを当業者に明らかにさせため記載は図面と共に示されている。
【0047】
以下の説明に記載された発明の限定されない実施例は添付した図面を参照して理解される。図に示された構成の寸法及び符号は主に便宜上及び説明の明瞭のため選択されたものであり、必ずしも縮尺化されたものではない。
【0048】
本発明は、吐き出された空気から効率よくCOを吸収し、吐き出された空気に実質的に連続的にOを混合し、快適な温度でユーザに呼気のために空気を供給する、単純でトラブルのない部品及び動作を有する酸素吸入器に関する。
【0049】
図から分かるように、酸素吸入器100は、空気の流路を有するCO吸収キャニスター121を含むハウジング120を備え、CO吸収性材料170を含む流路は吐き出された空気122からCOを吸収するように設けられている。
【0050】
COを含む吐出空気122はキャニスター121を通ってマウスピース140から肺嚢160に向かって流通する。キャニスター121内には、主に炭酸の形のCO分子は浄化された空気を生じる発熱を伴う反応でソーダ石灰の顆粒を含む吸収性材料により実質的に吸収される。
【0051】
ここで使用されているように、「CO吸収キャニスター」は、流路を有すると共にCO吸収性材料を含むキャニスターのことを言い、「CO吸収性材料」は、ソーダ石灰を含むがそれに限定されるものではないCOを実質的に吸収する材料のことを言い、「実質的にCOを吸収」は、例えば、吐き出された浄化されていない空気の量122が3%のCOを含んでいる場合に、浄化された空気の量132が約1%のCOを含むといったような、COのかなりの割合を吸収することを言う。
【0052】
「浄化された空気」は、COが実質的に吸収される空気132のことを言う。
【0053】
実施例では、ボトル110中のOの圧縮量は酸素吸入器の動作中に連続する放出ノズル162を通って連続的に放出され、浄化された空気132をOガス164により濃縮する。通常、ノズル162は単純、軽量で強い設計を有している。ノズル162は、さらなる動作又は調整なしで、O168の放出を開始する開放位置をとり、酸素吸入器100の動作中、開放状態のままであり、機能不全の可能性は無視してよい程である。
【0054】
実施例では、延長スリーブ144は実質的にキャニスター121から肺嚢160に延出し、キャニスター121から実質的に離れた開口部148を有している。スリーブ144はキャニスター121から実質的に離れた浄化された空気132を開放し、スリーブの開口部148から流通する浄化された空気132はO164により実質的に混合する。
【0055】
実施例では、スリーブ144の少なくとも一部分は柔軟性材料を備えている。代わりに、スリーブの少なくとも一部分は、やや柔軟、やや堅い及び堅く、例えば、入れ子式又は互いに柔軟に接続された幾つかの堅い部分を備えている。
【0056】
実施例では、実質的な混合124は実質的にCOが浄化されてOにより濃縮された同質の空気180となる。その後、浄化された空気180は肺嚢160から流通することによりマウスピース140に戻り、Oにより濃縮され、ユーザが各呼気でO164の適切な量を連続的に受け取る。呼気のために濃縮された空気180は、肺嚢160からマウスピース140に空気180を導く戻り流路112を通ってマウスピースに流通する。
【0057】
ここで使用されているように、「前方に流通する空気」は、マウスピース140を通り、ハウジング120及びキャニスター121を通って肺嚢160に流通する吐出空気122のことを言い、「後方に流通する空気」又は「戻り空気」は、肺嚢160からハウジング120を通り、マウスピース140を通って流通する空気180のことを言い、空気186が前方に流通する吐出空気122として再循環された後、ユーザによって吸い込まれる。
【0058】
ここで使用されているように、「再循環」は、酸素吸入器100からユーザによって吸い込まれ、その後、マウスピース140を通って酸素吸入器100に吐き出された空気122としてユーザにより吐き出された空気180のことを言う。
【0059】
実施例では、ボトル110で圧縮されたO168が膨張すると、ボトル110が冷却される。濃縮されたO180が冷却されたボトル110に沿って流路112を流通すると、濃縮された空気180はユーザの体温及び吸収キャニスター121での上述した発熱を伴う化学反応に関連して熱を損失し、冷却空気186となる。暑い空気180がボトル110との接触を通じて冷却された空気186となるこの配置は、ユーザが快適な温度で戻りの空気186の供給を受け取ることを保証し、ユーザが上記したパニックや衝撃を受けるのを防止する。
【0060】
例えば、燃えている建物のように、加熱された環境において空気180を吸い込むと、冷却された空気186はますます重要となり、ボトル110は火により生じた空気の焼け付くような熱を冷却し、近くの火からの熱にも拘らず、ユーザの注意を喚起するのに役立つ。
【0061】
実施例では、吐き出された空気122は、空気122が以下の呼気を再循環する時に冷却された空気186に内在する冷却部分を保持する。それにより、吐き出された空気122内の保持された冷却は、顆粒170の発熱を伴う吸収により吐き出されたキャニスター121のソーダ石灰の顆粒170を冷却する。冷却された顆粒170は、発熱を伴う反応の熱を減少することにより、キャニスター121の発熱を伴うCOの吸収処理の効率を増加させる。それにより、冷却された顆粒170は各吸入サイクルにおいて空気122から吸収されるCOの割合を増加させ、浄化された空気132の純度を高める。
【0062】
実施例では、マウスピース140はバックパス毛管バルブ192とフォワードパス毛管調節器194を含んでいる。吐き出された空気122がマウスピースからキャニスター121に吐き出されると、バックパス毛管バルブ192は閉塞し、後方へ流通する空気186がマウスピース140を通過するのを防止する。反対に、冷却された空気186がマウスピース140を通って吸い込まれると、フォワードパス毛管調節器194は閉塞し、前方へ流通する吐出空気122がマウスピース140を通過するのを防止する。
【0063】
実施例では、酸素吸入器100はコンパクト、軽量で、救急隊員によりユーザに簡単に取り付けられる。犠牲者に酸素吸入器を供給する場合、マウスピース140は簡単に犠牲者の口に配置され、肺嚢160は犠牲者の顎の下にしまい込まれ、酸素吸入器100は最初の呼気で直ぐにO164を供給するように作動される。圧縮Oの即時の供給は、へこんだ肺嚢160からユーザが吸い込むことを試みた場合のように、ユーザが窒息するのを防止する。
【0064】
最初の呼気の間、空気122はキャニスター121に入り、2回目の呼気の間、空気132はスリーブ144に入る。3回目の呼気により、浄化された空気132は、スリーブ144が空気132内に障害物を作りながらスリーブの開口部148から移動する。
【0065】
空気132の障害物は空気132がスリーブ144を出る速度を遅くし、浄化されていない空気122の速度を減少させ、それにより浄化されていない空気122の一定時間を増加し、吐出された空気122からのCOの吸収の効率を高める。
【0066】
代わりに、スリーブ144はスリーブの流路146を制限すると共に空気の速度をさらに減少させる制限145を含み、それにより、顆粒170との接触時間及び吐出空気122の浄化効率をさらに増加させる。
【0067】
制限145はスリーブの流路146への一つの陥入として示されているが、多数の形式、とりわけ、多数の陥入及び又は開口部148の部分的な閉塞を取ることができる。代わりに、流路132の制限は開口部148を完全に閉鎖し続けてもよく、1つ以上の開口部が流路146の壁に含まれてもよい。
【0068】
さらに、上述したように、冷却された空気186の結果として空気122の冷却器の全体温度は発熱を伴う反応を低温度で進行させ、吐出空気122からのCOの除去をより効率的にさせる。
【0069】
酸素吸入器100の最初の機能に続いて、空気122のユーザの3回目の吐出は上述した肺嚢160での実質的な混合となる、ユーザの4回目の吐出により、同質の濃縮された空気180が流路112に入り、冷却された空気186となる。すべてのこの時間、ユーザはOボトル110からのOの一定供給によりO164を吸い込み、息が詰まるのを防止することができる。ユーザの5回目の吐出により、ユーザはマウスピース140を通過する冷却空気186を吸い込み始める。
【0070】
快適な温度での最初の呼気及び前方からの生命を維持するO164の効率的な供給及び又は空気186は、空気186を待つ時間を浪費したり、或いは空気186がないために息苦しかったりすることがなく、ユーザを直ぐに安全の方へ進めることができる。
【0071】
さらに、救急隊員は、酸素吸入器の使用に慣れるためにユーザを息苦しくさせたり、或いは動かないデマンドバルブを修理したりする時間を浪費する必要がなく、それにより、救急隊員が他の犠牲者を直ぐに探し続けることができ、酸素吸入器100の有利な構造により寿命を潜在的に蓄えることができる。
【0072】
おそらくより重要なのは、酸素吸入器100の軽量化によって、それぞれの救急隊員が捜索及び救出任務において複数の酸素吸入器100を運ぶことができるようになる。救急隊員は犠牲者に迅速に取り付け、犠牲者を例えば建物の安全出口のような安全に導き、他の犠牲者を直ぐに捜索し続け、さらなる酸素吸入器100を装着させることができる。
【0073】
酸素吸入器100の設計が変化している間、救急隊員が、顧客の不用のベルト(図示省略)から延出するホルスターにおいて複数の小さく、軽量の酸素吸入器を運ぶことが仮定されている。緊急時に複数の酸素吸入器100の効率的な分配を可能にすることに加えて、そのような配置は、例えば、非常口を開放したり、或いは消火器を操作して非常口への火のないアクセルを供給したりするような、より良い使用のため、救急隊員の手を自由にする。
【0074】
一旦ユーザが安全になると、酸素吸入器100の使用は、低酸素症及び衝撃のおそれが消滅し、酸素吸入器100を取り外すことを燃えている建物の外部の救急隊員が決定するまで続けられる。代わりに、ボトル110にOが実質的にない時には、酸素164の圧力は所定の閾値以下になり、酸素吸入器100が救急隊員により交換されなければならないことを可聴及び又は可視表示器188に表示させる。
【0075】
酸素吸入器100には多数の変更が可能であり、例えば、マウスピース140の代わりに組合せノーズ及びマウスピースマニホールドを使用してもよい。さらに或いは代わりに、ハウジング120及び又は肺嚢160は代わりの形状又はサイズの一つで供給されてもよく、多数の変更が当業者に公知である。
【0076】
本発明は、火の存在する適用に関連する事項により説明されている。しかしながら、さらなる使用が当業者にとって容易に明らかである。さらなる使用は、上述したように、水中ダイビング、有毒ガスのような工業汚染物質の存在下での吸入、及び空気自体が呼気を維持するには薄い標高の高い所での使用を含む。
【0077】
したがって、本発明の通則やその適用範囲に対する偏見なしにこの記載が与えられることを理解すべきである。上述した例の考察により当業者にとって本発明のさらなる適用、目的、利点、及び新規な特徴が明らかとなり、それは限定を意図するものではない。
【0078】
本特許が有効な間、多数の関連のあるシステムが開発され、酸素吸入器ユニット及びその方法の用語の範囲は、例えば、ソーダ石灰が吸収剤として引用されるが、本発明は潜在的に使用可能であり、或いは今又は将来使用されるであろうCO吸収剤を予測しているように、すべての新しい技術を含むことを意図している。
【0079】
明瞭化のため、本発明の一定の特徴は別個の実施例の文脈で記載されているが、一つの実施例の組合せで提供されてもよいことが認識される。反対に、簡潔さのため、本発明の各種特徴は、一つの実施例の文脈で記載されているが、別個に又は適切なサブコンビネーションで提供されることも可能である。
【0080】
さらに、本発明は、添付した請求項の精神及び広義な範囲内にあるすべてのそのような変更、修正及び変形を包含することを意図している。本明細書中で述べたすべての刊行物、特許及び特許出願は、各個の刊行物、特許又は特許出願が本質的に個々に参照により組み込まれるために示されている程度において、ここに組み込まれている。さらに、本出願の引用文献又は参照文献の認定はそのよう文献が本発明の従来技術として利用されることを許可したものと解釈されるべきではない。
【0081】
ここで使用されているように、「約」という用語は、+−10%のことを言う。ここに使用されているように、「含む」、「備えている」及び「有する」及びそれらの結合は、「含むが必ずしも限定されない」ことを意味する。
【0082】
本発明はここまでに記載したことにより限定されないことは当業者であれば認識するだろう。むしろ、本発明の範囲は請求項によってのみ限定される。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】本発明の実施の形態に係る酸素吸入器の概略図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1)酸素吸入器の動作中、酸素を前後に流通させるように設けられるハウジングと、
2)該ハウジング内に含まれるCO吸収キャニスターと、
3)前記ハウジングから延出する肺嚢と、
を備え、酸素吸入器の動作中、大量の空気が前方に流通する空気として再循環した後、大量の空気は前記ハウジング及びキャニスターを通って前記肺嚢に向かって前方に流通し、該肺嚢から前記ハウジングを通って後方に流通するようになっており、さらに前記ハウジングと関連して適切に作用する圧縮酸素のボトルを含み、酸素吸入器の動作の少なくとも一時期の間、前記肺嚢に酸素ガスを連続的に放出するように設けられていることを特徴とする閉回路酸素吸入器。
【請求項2】
前記動作中、空気の前方への流通、後方への流通、及び再循環のうちの少なくとも1つの間、開放された状態の前記ボトルのバルブを含んでいる請求項1に記載の酸素吸入器。
【請求項3】
前記酸素ガスの連続的な放出は前記動作の初期段階に実質的に開始する請求項1に記載の酸素吸入器。
【請求項4】
前記ボトルの少なくとも一部分は前記連続的な放出の間に冷却するように設けられている請求項1に記載の酸素吸入器。
【請求項5】
前記ボトルは前記大量の後方に流通する空気の少なくとも一部分が流通する流路を含んでいる請求項4に記載の酸素吸入器。
【請求項6】
前記後方へ流通する空気量の少なくとも一部分は前記ボトルの流路を通過し、前記ボトルの少なくとも冷却された一部分に接触し、前記空気の少なくとも一部分が冷却されるようになっている請求項5に記載の酸素吸入器。
【請求項7】
前記空気量が前方へ流通する空気として再循環する時に、前記後方へ流通する空気量の少なくとも一部分は前記冷却の少なくとも一部分を保持する請求項6に記載の酸素吸入器。
【請求項8】
前記前方へ流通する空気量の少なくとも一部分の前記保持された冷却はCO吸収キャニスターの少なくとも一部分を冷却する請求項7に記載の酸素吸入器。
【請求項9】
前記キャニスターから延出すると共に該キャニスターから実質的に離れた前記肺嚢への開口部を有する延長スリーブをさらに備え、前記前方へ流通する空気量の少なくとも一部分が前記スリーブを通って前記肺嚢に流通する請求項1に記載の酸素吸入器。
【請求項10】
前記スリーブは、柔軟、やや柔軟、堅い、やや堅い、切断されているの少なくともいずれかである請求項9に記載の酸素吸入器。
【請求項11】
前記スリーブは前記前方に流通する空気量の少なくとも一部分を前記肺嚢に放出された酸素と実質的に混合させるように設けられている請求項9に記載の酸素吸入器。
【請求項12】
前記前方に流通する空気量の少なくとも一部分が前記スリーブを通過する時に前記スリーブは障害物を生成し、該障害物は前記前方へ流通する空気量の一部分に前記スリーブ及びキャニスターをよりゆっくりと通過させる請求項9に記載の酸素吸入器。
【請求項13】
前記スリーブは少なくとも一つの制限を含んでいる請求項9に記載の酸素吸入器。
【請求項14】
前記制限は前記前方へ流通する空気量の少なくとも一部分に前記スリーブをよりゆっくりと通過させるように設けられている請求項13に記載の酸素吸入器。
【請求項15】
前記制限は前記前方へ流通する空気量の少なくとも一部分に前記キャニスターをよりゆっくりと通過させるように設けられている請求項14に記載の酸素吸入器。
【請求項16】
1)圧縮酸素ガスのボトルから酸素ガスを連続的に膨張させ、
2)前記膨張により前記ボトルを冷却し、
3)前記酸素吸入器内に暖かい大量の空気を前方及び後方へ流通させ、
4)前記後方へ流通する量を前記ボトルの近くに流通させ、
5)前記量と前記ボトルの間で熱交換を行い、
6)前記量を冷却する、
ことを含んでいる閉回路酸素吸入器の空気を冷却する方法。
【請求項17】
前記冷却された量を再循環することをさらに含んでいる請求項16に記載の方法。
【請求項18】
1)前記酸素吸入器の動作中、前方及び後方へ空気を流通させるように設けられた流路を有するハウジングと、
2)該ハウジング内に含まれるCO吸収キャニスターと、
3)前記ハウジングから延出する肺嚢と、
4)前記ハウジングと関連して適切に作用し、前記肺嚢に酸素ガスを放出するように設けられた圧縮酸素のボトルと、
5)前記流路と前記ハウジングの少なくとも1つの少なくとも一部分から延出する延長スリーブと、
を備え、前記スリーブは前記ハウジングから実質的に離れた開口部を有し、前方へ流通する空気量が前記スリーブを通って前記肺嚢に流通するように前記スリーブが配置されていることを特徴とする閉回路酸素吸入器。
【請求項19】
前記スリーブは、柔軟、やや柔軟、堅い、やや堅い、切断されているの少なくともいずれかである請求項18に記載の酸素吸入器。
【請求項20】
前記スリーブは前記吸収された空気量の少なくとも一部分を前記肺嚢に放出された酸素と実質的に混合させるように設けられている請求項18に記載の酸素吸入器。
【請求項21】
前記前方に流通する空気量が通過する時に前記スリーブは障害物を生成し、該障害物は前記前方へ流通する空気量に前記スリーブ及びキャニスターをよりゆっくりと通過させる請求項18に記載の酸素吸入器。
【請求項22】
前記スリーブは少なくとも一つの制限を含んでいる請求項18に記載の酸素吸入器。
【請求項23】
前記制限は前記前方へ流通する空気量に前記スリーブをよりゆっくりと通過させるように設けられている請求項22に記載の酸素吸入器。
【請求項24】
前記制限は前記前方へ流通する空気量に前記キャニスターをよりゆっくりと通過させるように設けられている請求項23に記載の酸素吸入器。
【請求項25】
前記前方へ流通する空気量は前記肺嚢から前記ハウジングを通って流通するように設けられ、前記空気量が少なくとも前方及び後方へ流通する間、開放状態のままの前記ボトルのバルブを含んでいる請求項18に記載の酸素吸入器。
【請求項26】
前記動作の実質的な部分の間、前記ボトルのバルブは連続的に開放状態のままである請求項18に記載の酸素吸入器。
【請求項27】
前記酸素ガスの連続的な放出は前記動作の初期段階に実質的に開始する請求項25に記載の酸素吸入器。
【請求項28】
前記ボトルの少なくとも一部分は前記連続的な放出の間に冷却するように設けられている請求項18に記載の酸素吸入器。
【請求項29】
前記前方へ流通する空気量は前記肺嚢から前記ハウジングを通って後方へ流通するように設けられ、前記ボトルは後方へ流通する空気量の少なくとも一部分が流通する流路を備えている請求項28に記載の酸素吸入器。
【請求項30】
前記後方へ流通する空気の少なくとも一部分は前記ボトルの流路を通過し、前記ボトルの少なくとも冷却された部分と接触し、前記空気が冷却されるようになっている請求項29に記載の酸素吸入器。
【請求項31】
前記酸素吸入器は前記後方へ流通する空気の酸素吸入器が前方へ流通する空気として再循環されるようになっている請求項30に記載の酸素吸入器。
【請求項32】
前記空気が前方へ流通する空気として再循環される時に、前記後方へ流通する空気の少なくとも一部分は前記冷却の少なくとも一部分を実質的に保持する請求項31に記載の酸素吸入器。
【請求項33】
前記前方へ流通する空気の少なくとも一部分の前記保持された冷却は前記CO吸収キャニスターの少なくとも一部分を冷却する請求項32に記載の酸素吸入器。
【請求項34】
前方へ流通する空気を酸素吸入器の酸素ガスと実質的に混合させる方法であって、
1)肺嚢へ酸素を放出し、
2)前記肺嚢にスリーブを実質的に延出し、
3)前記スリーブを通って前記肺嚢に前記前方へ流通する空気を流通させ、
4)前記空気と前記酸素を実質的に混合する、
ことを含んでいることを特徴とする方法。
【請求項35】
前記前方へ流通する量を前記スリーブに通過させる前に吸収キャニスターに通過させ、
前記前方へ流通する空気量の流路を妨害し、前記前方への量の流路を前記キャニスターに通して遅らせる、
ことをさらに含んでいる請求項34に記載の方法。

【図1】
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【公表番号】特表2008−525097(P2008−525097A)
【公表日】平成20年7月17日(2008.7.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−547790(P2007−547790)
【出願日】平成17年12月27日(2005.12.27)
【国際出願番号】PCT/IL2005/001384
【国際公開番号】WO2006/070363
【国際公開日】平成18年7月6日(2006.7.6)
【出願人】(507213835)エアフォーライフリミテッド (1)
【Fターム(参考)】