説明

磁性体検知装置および方法

【課題】
交番磁界中に置かれた磁性体が発する信号を検出して磁性体を検知する磁性体検知装置および方法において、交番磁界を送信する送信コイル及び磁性体が発する信号を受信する受信コイルの近傍に金属の構造物が存在する場合であっても金属の構造物による影響を除去し、磁性体が発する信号を確実に検知可能とする信頼性の高い磁性体検知装置および方法を提供する。
【解決手段】
励磁コイルから磁性体に交番磁界を与え、該交番磁界により磁性体が大バルグハウゼン効果により発する信号を受信コイルで受信することで磁性体を検知する磁性体検知装置において、受信コイルで受信された受信信号から交番磁界を反射する媒体もしくは構造物の影響によるノイズ信号を除去するノイズ信号除去手段と、ノイズ信号除去手段で除去されたノイズ信号除去信号から磁性体が大バルグハウゼン効果により発する信号を検知する検知手段とを具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、交番磁界中に置かれた磁性体が発する信号を検出して磁性体を検知する磁性体検知装置および方法に関し、特に、交番磁界を送信する送信コイル及び磁性体が発する信号を受信する受信コイルの近傍に金属の構造物が存在する場合であっても金属の構造物による影響を除去し、磁性体が発する信号を確実に検知可能とする信頼性の高い磁性体検知装置および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、機密情報や個人情報等の漏洩防止、有価証券等の偽造防止、商品等の盗難防止等、セキュリティ強化を目的とする種々の方法や装置が提供されている。
【0003】
例えば、物品等の商品を扱う店舗においては、商品の盗難防止を目的として商品にタグを貼付し、店舗の出入口付近にゲート状に設置されたタグ検知装置をタグが貼付された商品が通過した際に、タグ の状態を1ビットのON/OFFで検知することで、当該商品が清算済みか否かを判別して商品の盗難を防止するシステムが提供されている。
【0004】
タグの種類としては、RFID(=Radio Frequiency IDentification)タグや磁性材を使用した磁性材タグ等が用いられており、これらのタグをタグの近傍もしくは遠隔で正確に検知できるようなタグ検知装置も各種提供されている。
【0005】
磁性材からなるタグを検知する装置としては、例えば、所定の励磁信号が印加される送信コイルと、磁界を検出する受信コイルとを対向して設け、この2つのコイルの間を、磁性材を有してなるタグが移動する際に、送信コイルからの磁界によってこのタグに生じる磁束密度の変化を、受信コイルにより検出し、所定の条件の下で、タグからの磁界であると判定することで、タグの移動すなわち、タグが貼付された商品の移動と判断して、商店等における商品等の盗難防止が行えるようにしたものが公知・周知となっている。
【0006】
ところで、このような磁気を利用した装置においては、所定のタグ以外の磁性体の移動によっても、受信コイルにより信号が検出されるため、所定のタグから生じた磁界による信号と、それ以外の磁性体から生じた磁界による信号とを如何に識別するかが、誤識別の確率が低く、しかも、高い正確な検出確率を有する信頼性の高い装置を提供する上で重要な要素となる。
【0007】
特許文献1には、磁性部材で形成されたタグに対して所定の磁性部材の磁気特性に起因して生ずる信号のみを確実に抽出できるようにしてタグの誤識別の確率が低く、高い正確な検出確率を有する信頼性の高いタグ検出方法及び物品監視装置が提案されている。
【特許文献1】特開平11−025369号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、上記特許文献1に提案のタグ検出方法及び物品監視装置は、受信コイルに発生する外来性の雑音を信号から除去するために受信コイルの両端を差動アンプの入力として同相成分の雑音を除去している。
【0009】
また、検出信号の精度を上げるために検出信号を所定回数繰り返し加算することでS/N比を上げ、また、不規則なタイミングで検出される目標以外の信号を小さくする効果を繰り返し演算で得ている。
【0010】
繰り返し演算は、検出信号をデジタル化して行うため、ADC(=Analog Digital Converter)、MEMORY、CPU(=Central Processing Unit)などを必要とする。
【0011】
しかし、金属の構造物や接地されていない金属がアンテナ近傍に存在する場合は、アンテナと金属構造物間で多重反射が発生し、タグが発する信号を検知することが困難となる。
【0012】
また、接地されていない金属がアンテナ近傍に存在する場合でも、タグが発する信号を検知するためには、信号処理を施す必要がある。
【0013】
そこで、本発明は、交番磁界を送信する送信コイル及び磁性体が発する信号を受信する受信コイルの近傍に金属の構造物が存在する場合であっても金属の構造物による影響を除去し、磁性体が発する信号を確実に検知可能とする信頼性の高い磁性体検知装置および方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記目的を達成するため、請求項1の発明は、励磁コイルから磁性体に交番磁界を与え、該交番磁界により前記磁性体が大バルグハウゼン効果により発する信号を受信コイルで受信することで前記磁性体を検知する磁性体検知装置であって、前記受信コイルで受信された受信信号から前記交番磁界を反射する媒体もしくは構造物の影響によるノイズ信号を除去するノイズ信号除去手段と、前記ノイズ信号除去手段で除去されたノイズ信号除去信号から前記磁性体が大バルグハウゼン効果により発する信号を検知する検知手段とを具備することを特徴とする。
【0015】
また、請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記ノイズ信号除去手段は、前記受信コイルで受信された受信信号を検波する検波手段と、前記検波手段で検波された検波出力信号から直流信号を除去する直流信号除去手段とを具備することを特徴とする。
【0016】
また、請求項3の発明は、請求項1の発明において、前記ノイズ信号除去手段は、前記受信コイルで受信された受信信号を検波する検波手段と、前記検波手段で検波された検波出力信号から直流信号を抽出する直流信号抽出手段と、前記直流信号抽出手段で抽出した直流信号と前記検波手段で検波された検波出力信号とを差動増幅することで前記検波手段で検波された検波出力信号に含まれる直流信号を相殺する直流信号除去手段とを具備することを特徴とする。
【0017】
また、請求項4の発明は、請求項2の発明において、前記検知手段は、前記直流信号除去手段により前記検波出力信号から直流信号が除去された直流信号除去信号のうちの所定の検出出力を超える信号に基づき前記磁性体が大バルグハウゼン効果により発する信号を検知することを特徴とする。
【0018】
また、請求項5の発明は、請求項3の発明において、前記検知手段は、前記直流信号除去手段により前記直流信号抽出手段で抽出した直流信号と前記検波手段で検波された検波出力信号とが差動増幅されて前記検波出力信号に含まれる直流信号が相殺された直流信号除去信号のうちの所定の検出出力を超える信号に基づき前記磁性体が大バルグハウゼン効果により発する信号を検知することを特徴とする。
【0019】
また、請求項6の発明は、励磁コイルから磁性体に交番磁界を与え、該交番磁界により前記磁性体が大バルグハウゼン効果により発する信号を受信コイルで受信することで前記磁性体を検知する磁性体検知方法において、前記受信コイルで受信された受信信号から前記交番磁界を反射する媒体もしくは構造物の影響によるノイズ信号をノイズ信号除去手段で除去し、前記ノイズ信号除去手段で除去されたノイズ信号除去信号から前記磁性体が大バルグハウゼン効果により発する信号を検知手段で検知することを特徴とする。
【0020】
また、請求項7の発明は、請求項6の発明において、前記ノイズ信号除去手段は、前記受信コイルで受信された受信信号を検波手段で検波し、前記検波手段で検波された検波出力信号から直流信号を直流信号除去手段で除去することを特徴とする。
【0021】
また、請求項8の発明は、請求項6の発明において、前記ノイズ信号除去手段は、前記受信コイルで受信された受信信号を検波手段で検波し、前記検波手段で検波された検波出力信号から直流信号を直流信号抽出手段で抽出し、前記直流信号抽出手段で抽出した直流信号と前記検波手段で検波された検波出力信号とを直流信号除去手段で差動増幅して前記検波出力信号に含まれる直流信号を相殺して除去することを特徴とする。
【0022】
また、請求項9の発明は、請求項7または8の発明において、前記検知手段は、前記直流信号除去手段により前記検波出力信号から直流信号が除去された直流信号除去信号のうちの所定の検出出力を超える信号に基づき前記磁性体が大バルグハウゼン効果により発する信号を検知することを特徴とする。
【発明の効果】
【0023】
この発明の磁性体検知装置および方法によれば、励磁コイルから磁性体に交番磁界を与え、該交番磁界により磁性体が大バルグハウゼン効果により発する信号を受信コイルで受信することで磁性体を検知する磁性体検知装置において、受信コイルで受信された受信信号から交番磁界を反射する媒体もしくは構造物の影響によるノイズ信号を除去するノイズ信号除去手段と、ノイズ信号除去手段で除去されたノイズ信号除去信号から磁性体が大バルグハウゼン効果により発する信号を検知する検知手段とを具備するように構成したので交番磁界を送信する送信コイル及び磁性体が発する信号を検出する受信コイルの近傍に金属の構造物が存在する場合であっても磁性体が発する信号を確実に検知することができる。
【0024】
また、ノイズ信号除去手段は、受信コイルで受信された受信信号を検波する検波手段と、検波手段で検波された検波出力信号から直流信号を除去する直流信号除去手段とを具備するので簡単な回路構成で広範囲の外部からの影響を除去することができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、本発明に係わる磁性体検知装置および方法を適用した装置の一例について添付図面を参照して詳細に説明する。
【実施例1】
【0026】
図1は、本発明に係わる磁性体検知装置および方法を複写機に適用した場合の複写機10の概略図である。
【0027】
図1(a)は、複写機10の概略的な構成を示したブロック図であり、図1(b)は、図1(a)で示した複写機10の概略的な斜視図である。
【0028】
図1(a)、(b)に示すように、複写機10は、原稿を複写する際に、複写機10のプラテンガラス14上に置かれた原稿1に複写不可を示す磁性体110が付与されているか否かを検知し、検知結果を信号出力する本発明に係わる磁性体検知装置である磁性体検知部100と、複写機10の全体を統括制御し、磁性体検知部100が原稿1に付与された磁性体110を検知した場合は、複写機10の複写動作を禁止する制御を行う制御部11と、プラテンガラス14上に置かれた原稿1に対して光を投光し、該投光した光が原稿1で反射した反射光を図示せぬ光電変換素子(例えば、CCD=Charge Cuopled Device等)で受光して電気信号に変換し、光電変換素子で変換された電気信号に基づき原稿1に記録された画情報を読み取る画像読取処理部12と、画像読取処理部12で読み取られた画情報を用紙トレイ16から給紙された図示せぬ用紙上へ印刷し、排紙トレイ17へ排紙する画像生成処理部13を備えている。
【0029】
また、複写機10のプラテンカバー15の裏面には、原稿1に付与された磁性体110を磁化するための所定の交番磁界を送信する送信コイル101が配設され、プラテンガラス14と磁性体検知部100との間に、プラテンカバー15を閉じた際に送信コイル101と対向するように受信コイル102が配設されている。
【0030】
受信コイル102は、送信コイル101から送信された交番磁界を磁性体110が受けることで磁性体110が磁化され、磁化反転時に磁性体110が発する急峻な磁気パルスと、送信コイル101から送信された交番磁界の信号とを受信する。
【0031】
このように構成された複写機10がプラテンガラス14上に置かれた原稿1の磁性体110の検知結果に基づき複写または複写禁止の処理を行う動作について簡単に説明する。
【0032】
複写機10のプラテンガラス14上に原稿1が置かれ、プラテンカバー15が閉じられると(図中の矢印方向)、複写機10の制御部11は、原稿1の画情報を読み取って印刷出力する複写動作に先立ち、磁性体検知部100を起動し動作させる。
【0033】
磁性体検知部100の起動により磁性体検知部100の送信コイル101から所定の交番磁界がプラテンガラス14上の平面内に送信され、プラテンガラス14上に配置された原稿1に付与された磁性体110が交番磁界を受けて磁化し、磁化反転時に急峻な磁気パルスを発する。
【0034】
磁性体110から発せられる磁気パルスは、送信コイル101から送信された交番磁界と共に受信コイル102により受信され、受信された受信信号に所定の信号処理を行い磁性体110から発せられる磁気パルスに対応したパルス信号を検出することで原稿1に付与された磁性体110が検知される。
【0035】
複写機10の制御部11は、磁性体検知部100による原稿1の磁性体110の検知結果に基づき、磁性体110が検知された場合は、複写処理動作を禁止する制御を行い、磁性体110が検知されない場合は、プラテンガラス14上に置かれた原稿1の画情報を読み取り、読み取った画情報を用紙トレイ16から給紙される用紙上に印刷し、排紙トレイ17へ排紙する複写処理動作を行う。
【0036】
このように、複写機10は、プラテンガラス14上に置かれた原稿の複写処理動作を行う前に、原稿1が複写可または複写不可のいずれの原稿であるかを原稿1に磁性体110が付与されているか否かにより判別し、複写不可の原稿であると判別した場合は、複写処理動作を禁止する制御を行うので機密情報等の複写不可とする原稿が不用意に複写されたり、不正複写されることを防止すると共に、不要な複写処理動作を抑えて複写機10の省電力化を図ることができる。
【0037】
なお、プラテンガラス14上に置かれた原稿1が複写可または複写不可の何れであるかの磁性体検知部100による判別は、原稿1がプラテンガラス14上に置かれプラテンカバー15が閉じられた後、または複写機10に対して複写開始指示後、もしくは複写開始指示前のどちらでもよく、特に限定されるものではない。
【0038】
ところで、図1で示した複写機10は、プラテンガラス14上の任意位置に任意方向で置かれた原稿を複写する際に、機密情報等の原稿に対して付与された複写禁止を示す所定の磁気特性を有する磁性体を検知し、磁性体を検知した場合は、原稿の複写動作を禁止する制御動作を行う機能を備えている。
【0039】
図2は、機密情報等の原稿に対して付与される所定の磁気特性を有する磁性体110の特性を示す図であり、図2において、図2(a)は、複写不可を示す磁性体110が付与された原稿1の一例を示す図、図2(b)は、磁性体110の磁気特性を示す図、図2(c)は、磁性体110が所定の交番磁界を受けることで磁化反転時に発する急峻な磁気パルスに対応して検出されるパルス信号を示す図である。
【0040】
図2(a)に示すように、原稿1には、複写不可を示す磁性体110が付与されており、原稿1に所定の交番磁界を与えることで磁性体110が磁化され、磁化された磁性体110は、磁化反転時に急峻な磁気パルスを発する。
【0041】
磁性体110は、図2(b)に示すような長方形状の磁化曲線(B−H曲線)の磁気特性を有するアモルファス磁性ワイヤーであり、このような磁化曲線を有する磁性体110が交番磁界を受けると、磁性体110が有する固有の保磁力H1(図2(b)参照)を超える磁界強度の交番磁界を受けることで磁化反転し、その際に急峻な磁気パルスを発する、所謂大バルクハウゼン効果の特性を示す。
【0042】
なお、一般に、アモルファス磁性ワイヤーの磁性体が有する固有の保磁力は、磁性体の大きさや形状等により異なり、磁性体が有する固有の保磁力に応じて磁化反転時に発する磁気パルスの強度やタイミングが異なる。
【0043】
このようなアモルファス磁性ワイヤーの磁性体の特性を用いて、例えば、保磁力の異なる形状や大きさ等の複数種類の複数の磁性体を組み合わせて原稿1に付与すれば、原稿1固有の識別情報として検知することも可能である。
【0044】
このように原稿1には、複写不可を示す磁性体110が付与されており、原稿1が複写機10のプラテンガラス14上に置かれて、プラテンカバー15が閉じられると、送信コイル101から送信される交番磁界を受けて原稿1に付与された磁性体110が磁化反転し、その際に大バルクハウゼン効果による磁気パルスを発する。
【0045】
例えば、図2(c)の検出信号波形202に示すように、保磁力H1を有する磁性体110は、交番磁界201が送信コイル101から送信され、所定のタイミングで出力される基準信号からの時間t1で磁界強度が略H1になった時に磁化反転し、その際に急峻な磁気パルスAを発する。
【0046】
また、時間t2で交番磁界201の磁界強度が−H1になった時に磁性体110は、正の磁化から負の磁化へ磁化反転し、その際に急峻な磁気パルス信号Bを発する。
【0047】
このような磁気特性を有する磁性体を機密情報等の原稿に付与し、原稿に付与された磁性体を検知して複写処理動作を禁止する制御を行うことで不用意に機密情報が複写され流出することを防止することができるようになる。
【0048】
しかしながら、磁性体に所定の交番磁界を与え、交番磁界を受けた磁性体が磁化反転時に発する磁気パルスを検知する方法においては、磁性体が発する磁気パルスに対応した信号を受信コイルで受信し検出するため、原稿に付与される所定の磁性体以外の金属や金属構造物から生じた磁界による信号の影響を受けやすい。
【0049】
例えば、送信コイルや受信コイルの近傍に金属や金属の構造物が存在する場合は、各コイルと金属や金属の構造物との間で交番磁界や磁気パルスの多重反射が発生し、所定の磁性体が発する信号を検知することが困難となる場合がある。
【0050】
したがって、送信コイルや受信コイルの近傍に存在する金属や金属の構造物の外部環境の影響を如何に除去して所定の磁性体が発する信号を検知するかが重要となる。
【0051】
このように、複写機10が機密情報等の原稿に対して複写処理動作を禁止する制御を確実に行うためには、磁性体検知部100が原稿に付与された磁性体を確実に検知する必要があり、磁性体検知部100が外部環境の影響を除去して磁性体を高精度で検知することが要求される。
【0052】
ところで、図1で示した複写機10は、プラテンガラス14上の任意位置に任意方向で置かれた原稿に付与された磁性体を非接触で検知する磁性体検知部100を備えており、この磁性体検知部100は、交番磁界を送信する送信コイル及び送信コイルから送信された交番磁界を磁性体が受けて磁化反転時に発する磁気パルスの信号を受信する受信コイルの近傍に電磁波を反射するような金属や金属の構造物が存在する場合であっても、これらの外部環境の影響を除去し、原稿に付与された磁性体が発する信号を確実に検知できるように構成されている。
【0053】
図3は、磁性体検知部100の要部の構成を示すブロック図である。
【0054】
図3に示すように、磁性体検知部100は、交流正弦波を生成し、所定の交番磁界を送信コイル101を介して送信させるための制御を行う送信回路120と、送信回路120で生成された交流正弦波に基づき所定の交番磁界を送信する送信コイル101と、送信コイル101から送信された交番磁界と、この交番磁界を受けた原稿1に付与された磁性体110が磁化され、磁化反転時に発する急峻な磁気パルスとを受信する受信コイル102と、受信コイル102で受信された受信信号を増幅する受信増幅器121と、受信増幅器121で増幅された受信信号を濾波して同相ノイズ成分を除去する帯域制限回路122と、帯域制限回路122で濾波された信号から原稿1に付与された磁性体110が磁化反転時に発した磁気パルスに対応したパルス信号を抽出し増幅する検波回路123と、検波回路123で抽出され増幅されたパルス信号から電磁波を反射する金属や金属の構造物等の外部環境による影響の信号を除去するための直流分除去回路124と、直流分除去回路124で外部環境による影響の信号が除去された直流成分除去出力信号に基づき磁性体110の存在有無を検知する検知回路125と、検知回路125が検知した磁性体110の存在有無の検知結果に基づき警報を発する警報信号発生器126とを備えている。
【0055】
送信コイル101から送信される交番磁界と受信コイルを介して受信される磁性体が発する磁気パルスや交番磁界の受信信号の検出タイミングは、例えば送信回路120が周波数1kHzの電流を送信コイル101へ流す制御を行うことにより、周波数1kHzの交番磁界が送信コイル101から送信され、送信コイル101から送信された交番磁界を原稿1に付与された磁性体110が受けて磁性材110が磁化反転時に発する急峻な磁気パルスと交番磁界とが受信コイル102で受信されるが、送信回路120で生成された周波数1kHzの電流の立ち上がり方向で電流値が0になる時間、すなわち電流の向きが負から正へ逆転する時の時間を検出し、この検出した時間に交番磁界の一周期に一回のタイミングで出力される基準信号に基づき検出する。
【0056】
なお、検知回路125は、磁性体110を検知した場合は、磁性体110が検知された旨の検知信号を複写機10の制御部11と警報信号発生器126へ転送すると共に、警報信号発生器126は、検知回路125から出力される磁性体110が検知された旨の検知信号に基づき「この原稿は複写不可です」等の複写禁止を示すメッセージまたは警告音等を出力し、複写機10の制御部11は、複写処理動作を禁止する制御を行う。
【0057】
このように構成された磁性体検知部100が、磁性体検知部100の送信コイル及び受信コイルの近傍に電磁波を反射する金属や金属の構造物が存在する場合であっても原稿1に付与された磁性体110を確実に検知する検知方法と、磁性体検知部100の制御動作の詳細を図4乃至図9を参照し説明する。
【0058】
図4は、磁性体検知部100が送信コイル及び受信コイルの近傍に電磁波を反射する金属や金属の構造物が存在する場合であっても原稿1に付与された磁性体110を確実に検知する方法を示したフローチャートである。
【0059】
図4に示すように、複写機10のプラテンガラス14上に原稿1が置かれ、磁性体検知部100を起動し動作すると、磁性体検知部100の送信コイル101から所定の交番磁界が送信される(ステップS401)。
【0060】
具体的には、磁性体検知部100の送信回路120が図示せぬ電圧制御発振器(VCO=Voltage Controlled Oscillator)へ作動電圧を供与して交流正弦波を生成し、生成された交流正弦波が図示せぬ送信機及び送信コイル101を介して図5(a)に示すような送信波形500の交番磁界(以下、「交番磁界500」という。)が送信コイル101からプラテンガラス14上の平面内に送信される。
【0061】
プラテンガラス14上に配置された原稿1に付与された磁性体110は、交番磁界500を受けて磁化し、磁化反転時に急峻な磁気パルスを発する。
【0062】
交番磁界500及び磁性体110が発した磁気パルスは、受信コイル102によって受信され、受信増幅器121によって所定のレベルまで増幅されて図5(b)に示すような波形の受信信号510が検出される(ステップS402)。
【0063】
受信信号510には、交番磁界500に対応した波形信号511と、磁性体110が発した磁気パルスに対応したパルス信号P1、P2、P3、P4、P5、P6、・・・が含まれている。
【0064】
受信増幅器121によって増幅された受信信号510は、帯域制限回路122によって濾波され、交番磁界500に対応した波形信号511とその他のノイズ信号とが除去され、パルス信号P1、P2、P3、P4、P5、・・・が増幅されて出力される(ステップS403)。
【0065】
帯域制限回路122は、図示せぬローパスフィルタとハイパスフィルタとを備えており、ローパスフィルタ及びハイパスフィルタにより送信コイル101から送信される交番磁界500の送信周波数に対応して送信周波数近傍の高周波ノイズ成分および低周波ノイズ成分の信号を除去し増幅することで図6(a)または図6(b)に示すような波形信号600、610の帯域制限回路出力信号が検出される。
【0066】
なお、図6(a)は、磁性体検知部100の送信コイル及び受信コイルの近傍に金属や金属の構造物が存在しない場合の帯域制限回路122から出力された帯域制限回路出力信号600の波形を示す図であり、図6(b)は、磁性体検知部100の送信コイル及び受信コイルの近傍に金属や金属の構造物が存在する場合の帯域制限回路122から出力された帯域制限回路出力信号610の波形を示す図である。
【0067】
帯域制限回路122からの出力信号は、金属や金属構造物が近傍に存在するか否かにより帯域制限回路出力信号600(図6(a))と610(図6(b))に示すような出力信号の差異が表れる。
【0068】
具体的には、図6(a)の帯域制限回路出力信号600に示すように、各コイル101、102の近傍に金属や金属構造物が存在しない場合は、帯域制限回路122により交番磁界500に対応した波形信号510やその他のノイズ信号とが除去されてパルス信号P1、P2、P3、P4、P5、P6、・・・を検出することが可能であるが、図6(b)の帯域制限回路出力信号610に示すように、送信回路120や送信コイル101の近傍に金属や金属構造物が存在する場合は、送信コイル101から送信された交番磁界が送信コイル101と金属構造物との間で多重反射する等の金属構造物等による影響を受けるため、交番磁界500に対応した波形信号510や特定周波数のみのノイズ信号を除去するだけでは、パルス信号P1、P2、P3、P4、P5、・・・以外に送信コイル101と金属構造物との間での多重反射によるノイズ成分の信号611が除去されずに検出されるためパルス信号P1、P2、P3、P4、P5、P6、・・・を検出することが困難となる。
【0069】
また、ノイズ信号の周波数は、帯域制限回路122の特性に依存し、かつ送信コイル101の近傍に金属構造物が存在するか否かにより変化するので帯域制限回路122により特定周波数のみのノイズ信号を除去するだけでは、パルス信号P1、P2、P3、P4、P5、P6、・・・以外のノイズ信号を除去することは困難である。
【0070】
そこで、帯域制限回路122で濾波されて同相ノイズ成分が除去された帯域制限回路出力信号600または610を検波回路123で検波し増幅すると図7(a)または図7(b)に示すような波形信号700、710の検波回路出力信号が検出される(ステップS404)。
【0071】
図7(a)は、磁性体検知部100の送信コイル及び受信コイルの近傍に金属や金属構造物が存在しない場合の帯域制限回路出力信号600を検波回路123で検波することで出力される検波回路出力信号700の波形を示す図であり、図6(b)は、磁性体検知部100の送信コイル及び受信コイルの近傍に金属や金属構造物が存在する場合の帯域制限回路出力信号610を検波回路123で検波することで出力される検波回路出力信号710の波形を示す図である。
【0072】
検波回路123からの出力信号は、金属や金属構造物が近傍に存在するか否かにより検波回路出力信号700(図7(a))と710(図7(b))に示すような出力信号の差異が表れる。
【0073】
具体的には、図7(a)の検波回路出力信号700に示すように、各コイル101、102の近傍に金属や金属構造物が存在しない場合は、パルス信号P1、P2、P3、P4、P5、P6、・・・以外のノイズ信号が除去されてパルス信号P1、P2、P3、P4、P5、P6、・・・が検出されるが、図7(b)の検波回路出力信号710に示すように、送信回路120や送信コイル101の近傍に金属や金属構造物が存在する場合は、金属や金属構造物の影響によるノイズ成分に対応した信号が直流信号として検出され、この直流信号にパルス信号P1、P2、P3、P4、P5、P6、・・・が合成された出力波形の検波回路出力信号710が検出される。
【0074】
検波回路123で検波された検波回路出力信号700(図7(a))または710(図7(b))を直流分除去回路124へ入力することで検波回路出力信号700は、検波回路出力信号700に対応した波形信号で出力され、検波回路出力信号710は、金属や金属構造物の影響によるノイズ成分の直流信号が除去された波形信号で出力される(ステップS405)。
【0075】
図8は、直流分除去回路124の回路構成及び直流分除去回路124の入出力波形信号を示す図であり、図8(a)は、検波回路123と検知回路125との間に接続される直流分除去回路124の要部の回路構成を示す図、図8(b)は、検波回路出力信号700が直流分除去回路124により信号処理されて出力される直流分除去回路出力信号800の各波形信号を示す図、図8(c)は、検波回路出力信号710が直流分除去回路124により信号処理されて出力される直流分除去回路出力信号810の各波形信号を示す図である。
【0076】
図8(a)に示すように、直流分除去回路124は、所定の静電容量を有するコンデンサーC1と所定の抵抗値を有する抵抗R1とで構成されており、図8(b)に示すように、検波回路123から出力された検波回路出力信号700が直流分除去回路124に入力されると、検波回路出力信号700は、直流信号を含んでいないので検波回路出力信号700に対応した波形信号で直流分除去回路124から直流除去回路出力信号800として出力され、図8(c)に示すように、検波回路123から出力された検波回路出力信号710が直流分除去回路124に入力されると、検波回路出力信号710に含まれる金属や金属構造物の影響によるノイズ成分の直流信号が直流分除去回路124のコンデンサーC1により除去されて直流除去回路出力信号810の波形信号で出力される。
直流分除去回路124から出力された直流除去回路出力信号800(図8(b))または810(図8(c))は、検知回路125へ入力され、検知回路125が原稿1に付与された磁性体110が発した磁気パルスに対応したパルス信号を検出し、磁性体110の存在を検知する(ステップS406)。
【0077】
図9は、検知回路125において入力された直流除去回路出力信号800または810から磁性体110が発した磁気パルスに対応したパルス信号を検出するための信号処理動作を示す図である。
【0078】
図9(a)は、直流除去回路出力信号800または810の波形信号を示す図、図9(b)は、直流除去回路出力信号800または810から磁性体110が発した磁気パルスに対応したパルス信号を示す図である。
【0079】
図9(a)に示すように、直流除去回路出力信号800または810は、送信コイル101から送信された交番磁界の周波数に対応して磁性体110が磁化反転時に発する磁気パルスに対応したパルス信号P1、P2、P3、P4、P5、P6、・・・が各パルス信号の立ち上がりの検出出力は急峻な立ち上がりの出力で検出され、時間と共にパルス信号の検出出力がなだらかに減衰する波形信号として表れる。
【0080】
そこで、図9(b)に示すように、直流除去回路出力信号800または810の検出出力に所定の閾値を設定し、各パルス信号の検出出力が閾値を超えている期間を「ON」、閾値を超えない期間を「OFF」に信号制御することで磁性体110が発したパルス信号P1、P2、P3、P4、P5、P6、・・・に対応した「ON」、「OFF」信号900が生成され、「ON」信号が検出された場合は、磁性体110を検知したと判別する。
【0081】
検知回路125で原稿1に付与された磁性体110が検知されると、磁性体110が検知された旨の検知信号が複写機10の制御部11と警報信号発生器126へ転送し、警報信号発生器126が「この原稿は複写不可です」等の複写禁止を示すメッセージまたは警告音等を出力し(ステップS407)、複写機10の制御部11が複写処理動作を禁止する制御を行う。
このように、本発明に係わる磁性体検知部100は、受信コイル102及び受信増幅器121により受信され増幅された交番磁界500及び磁性体110が発した磁気パルスの信号を帯域制限回路122で濾波し、検波回路123で検波後、直流分除去回路124で金属や金属構造物等の外部環境による影響のノイズ成分の信号を直流信号として除去するので送信コイルや受信コイルの近傍に電磁波を反射するような金属や金属の構造物が存在する場合であっても原稿に付与された磁性体が発する信号を確実に検知することができる。
【0082】
なお、磁性体検知部100の直流分除去回路124を図10に示すような回路構成の直流再生回路130と置き換えても前述と同様な効果を得ることができる。
【0083】
図10は、直流再生回路130の回路構成及び直流再生回路124の入出力波形信号を示す図であり、図10(a)は、検波回路123と検知回路125との間に接続される直流再生回路130の要部の回路構成を示す図、図10(b)は、検波回路出力信号700が直流再生回路130により信号処理されて出力される直流再生回路出力信号1000と検波回路出力信号700との各波形信号を示す図、図10(c)は、検波回路出力信号710が直流再生回路130により信号処理されて出力される直流再生回路出力信号1010と検波回路出力信号710との各波形信号を示す図である。
【0084】
図10(a)に示すように、直流再生回路130は、オペアンプ(=OP)X1の入力側(+)に抵抗R2、R3、R4及びコンデンサーC2で構成された回路を接続して検波回路123から出力された検波回路出力信号700または710の直流成分の信号のみを入力させ、オペアンプX1の入力側(−)に抵抗R6、R5で構成された回路を接続して検波回路123から出力された検波回路出力信号700または710を入力させて、検波回路出力信号700または710から直流成分の信号を差分するように構成されている。
【0085】
図10(b)に示すように、検波回路123から検波回路出力信700が出力された場合は、検波回路出力信号700には、金属や金属構造物の影響によるノイズ信号に対応した直流信号が含まれていないので直流再生回路130のオペアンプX1の入力側(+)の入力値が略零、オペアンプX1の入力側(−)には、検波回路出力信号700が入力されるのでオペアンプX1からは検波回路出力信号700に対応した波形信号が出力され、直流再生回路130から図8(b)で示した直流除去回路出力信号800と同様な波形信号の直流再生回路出力信号1000が出力される。
【0086】
また、図10(c)に示すように、検波回路123から検波回路出力信号710が出力された場合は、検波回路出力信号710には、金属や金属構造物の影響によるノイズ信号に対応した直流信号(図中のΔVに対応する信号)が含まれているので直流再生回路130のオペアンプX1の入力側(+)には金属や金属構造物の影響によるノイズ信号に対応したΔVの出力の直流信号が入力され、オペアンプX1の入力側(−)には、検波回路出力信号710が入力されて、オペアンプX1からは検波回路出力信号710から金属や金属構造物の影響によるノイズ信号に対応したΔVの直流信号分が除去されて図8(c)で示した直流除去回路出力信号810と同様な波形信号の直流再生回路出力信号1010が出力される。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1】本発明に係わる磁性体検知装置および方法を適用した複写機10の概略図
【図2】原稿に付与される磁性体110の磁気特性を示す図
【図3】磁性体検知部100の要部の構成を示すブロック図
【図4】磁性体検知部100が原稿1に付与された磁性体110を検知する方法を示すフローチャート
【図5】送信される交番磁界の波形信号400及び磁性体が発する磁気パルスに対応したパルス信号を示す図
【図6】帯域制限回路122から出力された帯域制限回路出力信号600及び610を示す図
【図7】検波回路123から出力された検波回路出力信号700及び710を示す図
【図8】直流分除去回路124の回路構成図及び直流分除去回路124の入出力波形信号を示す図
【図9】検知回路125により直流除去回路出力信号700から磁性体110が発した磁気パルスに対応したパルス信号を検出する信号処理動作を示す図
【図10】直流再生回路130の回路構成とその入出力波形信号を示す図
【符号の説明】
【0088】
1 原稿
10 複写機
11 制御部
12 画像読取処理部
13 画像生成処理部
14 プラテンガラス
15 プラテンカバー
16 用紙トレイ
17 排紙トレイ
100 磁性体検知部
101 送信コイル
102 受信コイル
110 磁性体
120 送信回路
121 受信増幅器
122 帯域制限回路
123 検波回路
124 直流分除去回路
125 検知回路
126 警報信号発生器
130 直流再生回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
励磁コイルから磁性体に交番磁界を与え、該交番磁界により前記磁性体が大バルグハウゼン効果により発する信号を受信コイルで受信することで前記磁性体を検知する磁性体検知装置であって、
前記受信コイルで受信された受信信号から前記交番磁界を反射する媒体もしくは構造物の影響によるノイズ信号を除去するノイズ信号除去手段と、
前記ノイズ信号除去手段で除去されたノイズ信号除去信号から前記磁性体が大バルグハウゼン効果により発する信号を検知する検知手段とを具備すること
を特徴とする磁性体検知装置。
【請求項2】
前記ノイズ信号除去手段は、
前記受信コイルで受信された受信信号を検波する検波手段と、
前記検波手段で検波された検波出力信号から直流信号を除去する直流信号除去手段とを具備すること
を特徴とする請求項1記載の磁性体検知装置。
【請求項3】
前記ノイズ信号除去手段は、
前記受信コイルで受信された受信信号を検波する検波手段と、
前記検波手段で検波された検波出力信号から直流信号を抽出する直流信号抽出手段と、 前記直流信号抽出手段で抽出した直流信号と前記検波手段で検波された検波出力信号とを差動増幅することで前記検波手段で検波された検波出力信号に含まれる直流信号を相殺する直流信号除去手段とを具備することを特徴とする請求項1記載の磁性体検知装置。
【請求項4】
前記検知手段は、
前記直流信号除去手段により前記検波出力信号から直流信号が除去された直流信号除去信号のうちの所定の検出出力を超える信号に基づき前記磁性体が大バルグハウゼン効果により発する信号を検知すること
を特徴とする請求項2記載の磁性体検知装置。
【請求項5】
前記検知手段は、
前記直流信号除去手段により前記直流信号抽出手段で抽出した直流信号と前記検波手段で検波された検波出力信号とが差動増幅されて前記検波出力信号に含まれる直流信号が相殺された直流信号除去信号のうちの所定の検出出力を超える信号に基づき前記磁性体が大バルグハウゼン効果により発する信号を検知すること
を特徴とする請求項3記載の磁性体検知装置。
【請求項6】
励磁コイルから磁性体に交番磁界を与え、該交番磁界により前記磁性体が大バルグハウゼン効果により発する信号を受信コイルで受信することで前記磁性体を検知する磁性体検知方法において、
前記受信コイルで受信された受信信号から前記交番磁界を反射する媒体もしくは構造物の影響によるノイズ信号をノイズ信号除去手段で除去し、
前記ノイズ信号除去手段で除去されたノイズ信号除去信号から前記磁性体が大バルグハウゼン効果により発する信号を検知手段で検知する
ことを特徴とする磁性体検知方法。
【請求項7】
前記ノイズ信号除去手段は、
前記受信コイルで受信された受信信号を検波手段で検波し、
前記検波手段で検波された検波出力信号から直流信号を直流信号除去手段で除去する
ことを特徴とする請求項6記載の磁性体検知方法。
【請求項8】
前記ノイズ信号除去手段は、
前記受信コイルで受信された受信信号を検波手段で検波し、
前記検波手段で検波された検波出力信号から直流信号を直流信号抽出手段で抽出し、
前記直流信号抽出手段で抽出した直流信号と前記検波手段で検波された検波出力信号とを直流信号除去手段で差動増幅して前記検波出力信号に含まれる直流信号を相殺して除去する
ことを特徴とする請求項6記載の磁性体検知方法。
【請求項9】
前記検知手段は、
前記直流信号除去手段により前記検波出力信号から直流信号が除去された直流信号除去信号のうちの所定の検出出力を超える信号に基づき前記磁性体が大バルグハウゼン効果により発する信号を検知すること
を特徴とする請求項7または8記載の磁性体検知方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−228033(P2006−228033A)
【公開日】平成18年8月31日(2006.8.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−42676(P2005−42676)
【出願日】平成17年2月18日(2005.2.18)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】