説明

磁性粒子を使用するカーボンナノチューブの分離

本開示は、全般的に、カーボンナノチューブ分散系中で金属カーボンナノチューブから半導体カーボンナノチューブを分離する技術を記載している。半導体カーボンナノチューブおよび金属カーボンナノチューブは供給され、流体中に分散されることができる。半導体カーボンナノチューブがアミン被覆磁性粒子に付着すると、アミン被覆磁性粒子および付着した半導体カーボンナノチューブに磁場が加えられて、半導体カーボンナノチューブの少なくとも一部分を引き付け、保持することができ、その結果、半導体カーボンナノチューブは、流体および/または金属カーボンナノチューブから分離されることができる。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
カーボンナノチューブ(CNT:carbon nanotube)は、最大約28,000,000:1までの長さ対直径比を有する可能性があるナノ構造を有する炭素の同素体である。それらは円筒形の炭素分子であり、ナノテクノロジー、エレクトロニクス、光学、および材料化学の他の分野における多数の用途、ならびに建築学の分野における潜在的使用において、それらを潜在的に有用にする特性を有する。それらの有用な特性の中には、高強度、電気的特性を備えている能力、およびそれらが熱の効率的な伝導体であることがある。カーボンナノチューブは高度に伝導性であるため、それらは、電子を弾道的に(ballistically)輸送することができる可能性がある。
【0002】
結晶学的欠陥が、原子空孔の形でCNT内に生じる可能性がある。そのような結晶学的欠陥は、CNTの特性に影響を及ぼす可能性がある。具体的には、そのような結晶学的欠陥は、CNTの電気的特性に影響を及ぼす可能性がある。特定の種類の欠陥を有するカーボンナノチューブは、優れた半導体としての機能を果たし、次世代のトランジスタのための材料として関心が寄せられている。
【発明の概要】
【0003】
実施形態には、流体中に分散されている金属カーボンナノチューブと半導体カーボンナノチューブ(semiconducting carbon-nanotube)とを使用してカーボンナノチューブを分離する方法が含まれる。流体は、半導体カーボンナノチューブの少なくとも一部分がアミン被覆磁性粒子に付着するように、アミン被覆磁性粒子を含有していてもよい。次いで、アミン被覆磁性粒子および付着した半導体カーボンナノチューブを金属カーボンナノチューブから離して引き寄せるために、磁場が加えられもよい。
【0004】
また、カーボンナノチューブを分離する装置が含まれる。該装置は、金属カーボンナノチューブおよび半導体カーボンナノチューブを含む第1の容器と、第1の容器に流体を供給するように構成されている供給源とを含む。アミン被覆磁性粒子が、第1の容器内に入れられてもよく、第1の容器に関連付けられる磁石が、アミン被覆磁性粒子を引き付けるようになされており、アミン被覆磁性粒子および付着した半導体カーボンナノチューブを金属カーボンナノチューブから分離することを可能にしてもよい。
【0005】
別の実施形態では、カーボンナノチューブ分離システムが、分散されている金属カーボンナノチューブおよび半導体カーボンナノチューブを有する流体を含む第1の容器を含む。粒子供給源が、流体中にアミン被覆磁性粒子を供給して、それらに半導体カーボンナノチューブの少なくとも一部分を引き付け、付着させる。次いで、磁石が、アミン被覆磁性粒子および付着した半導体カーボンナノチューブを金属カーボンナノチューブから離して引き寄せるようになされていてもよい。
【0006】
最後に、コンピュータ可読媒体が、カーボンナノチューブを分離するためのコンピュータ可読命令を含んでいてもよい。処理構成(processing arrangement)が命令を実行して、金属カーボンナノチューブおよび半導体カーボンナノチューブを流体中に供給してもよい。半導体カーボンナノチューブの少なくとも一部分がアミン被覆磁性粒子に付着するように、命令により、アミン被覆磁性粒子が流体に供給されてもよい。また、命令により、アミン被覆磁性粒子および付着した半導体カーボンナノチューブを金属カーボンナノチューブから離して引き寄せるために、磁場が加えられてもよい。
【0007】
本開示の上記および他の特徴が、添付図面と併用されている、以下の記載および添付の特許請求の範囲からより十分に明らかになるであろう。これらの図面は本開示によるいくつかの例のみを示しており、したがって、その範囲を限定しているとみなされるべきではないことが分かるので、本開示は、添付図面を用いて、付加的な特異性および詳細と共に記載されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本開示の少なくともいくつかの実施形態に従って配置された、有機アミンで磁性粒子を変性する工程の図である。
【図2】本開示の少なくともいくつかの実施形態に従って配置された、CNTのための精製作業工程の図である。
【図3】本開示の少なくともいくつかの実施形態に従って配置された、カーボンナノチューブを分離する方法を示す流れ図である。
【図4】本開示の少なくともいくつかの実施形態に従って配置された、カーボンナノチューブを分離する追加の例示的方法を示す流れ図である。
【図5】本開示の少なくともいくつかの実施形態に従って配置された、例示的コンピュータプログラムのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下の詳細な説明では、本明細書の一部を成す添付図面を参照する。図面では、同様の記号が、特に他に指示がない限り、通常は同様の構成要素を特定する。詳細な説明に記載されている説明に役立つ実例、図面および特許請求の範囲は、限定することを意図していない。本明細書に提示されている主題の趣旨または範囲から逸脱することなく、他の例が利用されてもよく、他の変更が施されてもよい。本明細書に全般的に記載されておりかつ図に示されている本開示の態様が、その全てが本明細書において黙示的に検討されている多種多様な構成で配置され、置き換えられ、組み合わされ、分離され、設計されることが、容易に理解されるであろう。
【0010】
ここで説明のための実例によって、磁気分離が後に続く、磁性粒子を用いた半導体カーボンナノチューブの選択的変性により、半導体カーボンナノチューブと金属カーボンナノチューブとを分離する方法を説明する。多数の他の例もまた可能であるが、時間およびスペース上の制限により、1つの文献にそれら例の全てを含むことができない。したがって、特許請求の範囲の範囲内の他の例は、本願の教示から当業者に明らかになるであろう。
【0011】
いくつかの例が、磁性マイクロ粒子または磁性ナノ粒子を使用して導電性カーボンナノチューブから半導体カーボンナノチューブを分離する方法を含んでいてもよい。その基質(substrates)は、次いで、透明導電膜またはトランジスタ用の半導体材料などの多種多様な用途に使用されてもよい。
【0012】
カーボンナノチューブを合成する場合、個別の種類のチューブを特定することは一般に不可能である。代わりに、金属カーボンナノチューブおよび半導体カーボンナノチューブの両方(ならびに様々な量の非晶質炭素)が、合成により生成される。結果として、精製作業工程が実施されて、カーボンナノチューブ集団の適切な導電特性または半導電特性を得てもよい。精製の種々の方法は、例えば、有機アミンによる不純CNT集合体の処理を含む。本明細書に開示されている方法によれば、処理は、磁性ナノ粒子を有機アミンで変性すること、およびそのように変性された磁性ナノ粒子をCNTに結合させることを含む。アミンは、金属チューブよりも半導体チューブに優先的に結合する。有機アミンを使用して、CNTは、半導体片と金属片とに分離されてもよい。このようにいくつかの例では、磁性ナノ粒子が、カーボンナノチューブに結合する可能性がある。磁性ナノ粒子または磁性ビーズを有機アミンで変性させることにより、磁性ナノ粒子は、半導体チューブに優先的に引き寄せられる可能性がある。次いで、それに付随する半導体チューブと共に磁性ナノ粒子を引き付けるために、磁場が加えられてもよく、したがって、半導体チューブを金属チューブから分離する。
【0013】
図1は、本明細書において提供されている少なくともいくつかの例による、有機アミンで磁性粒子を変性させる工程を示す。有機アミン変性磁性粒子は、金属チューブに比べて半導体チューブに対するより高い親和性を有する。このように、そのような変性磁性粒子は、半導体チューブに優先的に結合する。要素番号10、12、14および/または16の各々は、工程5の段階を示している可能性がある。段階10は磁性粒子100を示す。本明細書において提供されているいくつかの例によれば、段階12は、二酸化ケイ素被覆110を有する磁性粒子100を示す。本明細書において提供されているいくつかの例によれば、段階14は、二酸化ケイ素被覆110およびさらにアミン被覆120を有する磁性粒子100を示す。本明細書において提供されているいくつかの例によれば、段階16は、二酸化ケイ素被覆110およびアミン被覆120を有し、かつ半導体カーボンナノチューブ130に対する親和性を呈する、段階14の磁性粒子100を示す。
【0014】
いくつかの例では、段階12に示されている磁性粒子100は、ケイ酸で処理されて、磁性粒子100の周囲にシリカ(二酸化ケイ素)被覆110を形成してもよい。ケイ酸は、ケイ酸ナトリウム水溶液を、酸性イオン交換カラムを通して流すことにより生成されてもよい。ケイ酸は、水酸化テトラメチルアンモニウムを用いて滴定することにより、塩基性にされてもよく、いくつかの例では、磁性ナノ粒子100の塩基性溶液に添加されてもよい。結果として得られる溶液は、攪拌し、反応することが可能になり、次いで、pHが若干低下し、該溶液は、さらに反応することが可能になり、次いで、洗浄水が中性pHになるまで、水で複数回洗浄される。したがって、種々の例では、結果として得られる磁性粒子100は、その周囲に形成されたシリカ被覆110を有する可能性がある。
【0015】
本明細書において提供されているいくつかの例によれば、段階14に示されている通り、二酸化ケイ素被覆110を有する磁性粒子100には、アミン被覆120がさらに施されてもよい。シリカ被覆110を有する磁性粒子100は、アミノプロピルトリエトキシシラン(APTS)で処理されてもよい。シリカ被覆磁性粒子100は、エタノール/水などの溶媒中に分散されてもよく、いくつかの例では、適切な量のAPTSが添加されて、磁性粒子100の周囲にアミン被覆を設ける。緩衝剤が使用されてpHを制御してもよく、それは製造中に有用である。二酸化ケイ素被覆110は、APTSを固着させるのに使用されてもよい。APTSは、磁性粒子100上に直接固着されてもよいが、それには、磁性粒子100とAPTSとの化学反応の最適化が必要である可能性があり、いくつかの例では、シリカ被覆110は、磁性粒子100上にアミン被覆120を設けるAPTSを固着させるのに役立つように設けられることが好ましい。
【0016】
段階16は、このように、二酸化ケイ素被覆110およびアミン被覆120により変性された磁性粒子100によって呈される、半導体カーボンナノチューブ130に対する親和性を示す。アミンは半導体カーボンナノチューブに対する親和性を有するので、いくつかの例では、アミン被覆120は、磁性粒子が半導体カーボンナノチューブ130に付着することを可能にする可能性がある。
【0017】
種々の例では、磁性粒子100は、約10nmと約10ミクロンの間で、長さが様々である可能性がある。特定の例では、磁性粒子100は、長さが約100nmである可能性がある。いくつかの例では、磁性粒子100は、ナノ粒子またはマイクロ粒子であってもよい。さらに、いくつかの例では、磁性粒子100は、強磁性または超常磁性であってもよい。
【0018】
図2は、本明細書において提供されている少なくともいくつかの例による、CNTのための精製作業工程を示している。要素番号22、24、26および/または28の各々は、工程20の段階を示す可能性がある。
【0019】
本明細書において提供されているいくつかの例によれば、段階22は、流体150を保持している容器160を示す。該流体は、いくつかの例では、半導体カーボンナノチューブ130と金属(導電性)カーボンナノチューブ140とを含むカーボンナノチューブ分散系を有していてもよい。半導体カーボンナノチューブ130および金属カーボンナノチューブ140は、流体150の全体に亘って分散していてもよい。本明細書において提供されているいくつかの例によれば、図示の通り、容器160は、磁性粒子100をさらに保持していてもよい。前述のアミン被覆磁性粒子100は、流体が容器160内に供給される前または後に、容器160内に供給されてもよい。いくつかの例では、段階22に示されている通り、アミン被覆磁性粒子100は、容器160の底部に供給されてもよい。別の容器などの別個の供給源を、アミン被覆磁性粒子100を容器160内に供給するように設けることができる。
【0020】
本明細書において提供されているいくつかの例によれば、段階24は、半導体カーボンナノチューブ130が磁性粒子100に付着する段階における、段階22の容器160を示す。アミンは、半導体カーボンナノチューブとの親和性を有する可能性があり、その結果、半導体カーボンナノチューブ130は、容器160の底部で、アミン被覆磁性粒子100に引き寄せられる可能性があり、アミン被覆磁性粒子100に付着する可能性がある。理論上、半導体カーボンナノチューブ130の全てが、アミン被覆磁性粒子に引き寄せられ、それらに付着する可能性があるが、いくつかの例では、一般に、半導体カーボンナノチューブの一部分または大半が、アミン被覆磁性粒子100に付着する可能性がある。アミン被覆磁性粒子100に付着する半導体カーボンナノチューブ130の量は、カーボンナノチューブ量、流体量、アミン被覆磁性ナノ粒子数、容器160の寸法等の、種々の要因による可能性がある。
【0021】
本明細書において提供されているいくつかの例によれば、段階26は、半導体カーボンナノチューブ130および磁性粒子100を保持する、磁石170を備えた容器160を示す。磁石170は、アミン被覆磁性粒子100および付着した半導体カーボンナノチューブ130がある容器160の真下に配置されており、いくつかの例では、アミン被覆磁性粒子100および付着した半導体カーボンナノチューブを定位置に保持してもよい。いくつかの例では、磁石170は、アミン被覆磁性ナノ粒子100および付着した半導体カーボンナノチューブを引き付けかつ保持する磁場をもたらしてもよい。磁石170を使用してアミン被覆磁性ナノ粒子100および付着した半導体カーボンナノチューブを定位置に保持すると同時に、流体150および金属カーボンナノチューブ140は、第1の容器から除去されてもよい。磁石170を使用してアミン被覆磁性ナノ粒子100および付着した半導体カーボンナノチューブを定位置に保持すると同時に、流体150および金属カーボンナノチューブ140は、容器160から第2の容器(図示せず)内に排出されるかもしくは移されてもよく、または何か他の手段により除去されてもよい。
【0022】
本明細書において提供されているいくつかの例によれば、段階28は、酸処理を施された、段階26の容器160を示す。流体150および金属カーボンナノチューブ140が容器160から除去されたら、酸を含む流体180が、供給されてもよい。酸処理は、アミン被覆磁性粒子100と半導体カーボンナノチューブ130との間の親和性を消滅させる可能性があり、いくつかの例では、半導体カーボンナノチューブ130がアミン被覆磁性粒子100から分離し、容器160内に分散することを可能にする。
【0023】
半導体カーボンナノチューブ130は、所望であれば、容器160から回収されてもよい。当業者に理解されると考えられる通り、半導体カーボンナノチューブ130を回収するために、例えば濾過などの種々の方法および工程が使用されてもよい。
【0024】
あるいは、半導体カーボンナノチューブ130を回収する代わりに、流体180が塩基性にされてもよく、アミン被覆磁性粒子100は、半導体カーボンナノチューブ130を再度引き付けてもよく、その工程は、半導体カーボンナノチューブ130を回収することが所望されるまで、半導体カーボンナノチューブ130を精製するために繰り返されてもよい。
【0025】
さらに、全体的工程20は、第2の容器(図示せず)に対しても繰り返されてもよい。前述の通り、流体150および金属カーボンナノチューブ140は、第2の容器内に移されるかまたは排出されてもよい。工程20の間、半導体カーボンナノチューブ130の全てがアミン被覆磁性粒子100に付着する訳ではないため、流体150(カーボンナノチューブ分散系)は、依然として、金属カーボンナノチューブ140および半導体カーボンナノチューブ130の一部分の両方を有する可能性がある。したがって、アミン被覆磁性粒子100は、第2の容器内に再度供給されてもよく、工程は繰り返される。
【0026】
あるいは、工程中に磁石170が容器160の内側に配置されている場合、磁石170は、付着したアミン被覆磁性粒子100および付着した半導体カーボンナノチューブ130と共に除去されてもよく、流体150および金属カーボンナノチューブ140は、第1の容器160内に残留していてもよい。次に、工程は、金属カーボンナノチューブ140と半導体カーボンナノチューブ130との分離のために、第1の容器160において繰り返されてもよい。
【0027】
容器160は、ビーカ、製造設備での製造用の大型ハウジング、または流体150を収容できる任意の他の構造物であってもよい。流体150は、カーボンナノチューブ分散系をもたらす水または任意の有機溶媒、溶液等であってもよい。磁石170は、容器160の内側に配置されていてもよく、容器160の外側に配置されていてもよく、または容器160の一部であってもよいかもしくは容器160に内蔵されていてもよい。永久磁石、複合材(セラミック、フェライト、アルニコ、チコナル(ticonal)、射出成形物、可撓性物質)、レアアース磁石、単分子磁石(SMM:single−molecule magnet)、単鎖磁石(SCM:single−chain magnet)、および/またはナノ構造磁石などの種々の磁石が使用されてもよいが、それらに限定されない。
【0028】
図3は、本明細書において提供されている少なくともいくつかの例による、カーボンナノチューブを分離する方法300を示す流れ図を描いている。方法300は、ブロック310、320および/または330により示されている1つまたは複数の機能的なまたは手続き的な作業工程を含んでいてもよい。最初に、ブロック310において、金属カーボンナノチューブおよび半導体カーボンナノチューブが、流体中に分散されて供給されてもよい。ブロック320において、半導体カーボンナノチューブの少なくとも一部がアミン被覆磁性粒子に付着するように、アミン被覆磁性粒子が流体に供給されていてもよい。ブロック330において、アミン被覆磁性粒子および付着した半導体カーボンナノチューブを金属カーボンナノチューブから離して引き寄せるために、磁場が加えられてもよい。
【0029】
図4は、本明細書において提供されている少なくともいくつかの例による、カーボンナノチューブを分離する付加的な例示的方法400を示す流れ図を描いている。方法400は、ブロック410、420、430、440、450、455、460、470、480および/または490により示されている1つまたは複数の機能的なまたは手続き的な作業工程を含んでいてもよい。最初に、ブロック410において、カーボンナノチューブ分散系を有している流体が供給されてもよい。いくつかの例では、カーボンナノチューブ分散系は、金属カーボンナノチューブと半導体カーボンナノチューブとを含んでいてもよい。流体は、カーボンナノチューブを分散させるのに適した水または任意の有機溶媒であってもよい。流体は、第1の容器または任意の他の種類のハウジング構造物内に供給されてもよい。ブロック420において、アミン被覆磁性粒子が流体中に供給されてもよい。半導体カーボンナノチューブとのアミンの親和性のために、ブロック430において、半導体カーボンナノチューブの少なくとも一部分が、アミン被覆磁性粒子に付着する可能性がある。
【0030】
ブロック440において、磁石が、半導体カーボンナノチューブおよびアミン被覆磁性粒子を引き付けるように配置されてもよい。磁石は、容器の内側もしくは外側を含むかまたは容器に内蔵されている任意の適切な位置に配置されてもよい。磁石は、アミン被覆磁性粒子(および付着した半導体カーボンナノチューブ)を引き付け、定位置に保持する磁場を作り出す可能性がある。したがって、ブロック450に示されている通り、流体および金属カーボンナノチューブ450は除去されてもよい。一般に、流体および金属カーボンナノチューブは、アミン被覆磁性粒子および付着した半導体カーボンナノチューブだけが容器内に残留するように、容器から除去されてもよい。ブロック455において、流体および金属カーボンナノチューブは、別の容器の内部に配置されてもよく、より多くの半導体カーボンナノチューブが流体中のカーボンナノチューブ分散系から分離され得るように、ブロック420において、工程は繰り返されてもよい。半導体カーボンナノチューブの全てまたは大半が流体中のカーボンナノチューブ分散系から分離され除去されるまで工程が繰り返されたら、金属カーボンナノチューブもまた、流体から回収されてもよい。
【0031】
あるいは、磁石は、付着したアミン被覆磁性粒子および付着した半導体カーボンナノチューブと共に容器から除去されてもよく、その結果、流体および金属カーボンナノチューブだけが第1の容器内に残留し、第1の容器に対して、工程は繰り返されてもよい。
【0032】
ブロック450において流体および金属カーボンナノチューブが除去されると、ブロック460において、酸処理が施されてもよい。アミン被覆磁性粒子と半導体カーボンナノチューブとの親和性が壊れ、かつアミン被覆磁性粒子が半導体カーボンナノチューブから分離するように、酸処理は、アミン被覆磁性粒子および半導体カーボンナノチューブを対象とするものであってもよい。次に、ブロック470において、半導体カーボンナノチューブが回収されてもよい。
【0033】
あるいは、ブロック480において塩基処理が施されて、ブロック480において半導体カーボンナノチューブとのアミン被覆磁性粒子の親和性を再度確立してもよい。工程は、次いで、ブロック490からブロック430までにおいて繰り返されて、所望まで半導体カーボンナノチューブを精製してもよく、次いで、所望の場合、半導体カーボンナノチューブは回収されてもよい。
【0034】
図5は、本開示の少なくともいくつかの例による、例示的コンピュータプログラムのブロック図を示す。いくつかの例では、コンピュータプログラム500は、やはりコンピュータ実行可能命令502を含む信号搬送媒体501を含む。コンピュータ実行可能命令502は、カーボンナノチューブを分離するための命令を供給するようになされていてもよい。そのような命令は、例えば、流体中に分散されている金属カーボンナノチューブおよび半導体カーボンナノチューブを供給することに関連する命令を含んでいてもよい。そのような命令は、例えば、半導体カーボンナノチューブの少なくとも一部分がアミン被覆磁性粒子に付着するように、流体にアミン被覆磁性粒子を供給することに関連する命令をさらに含んでいてもよい。そのような命令は、例えば、アミン被覆磁性粒子および付着した半導体カーボンナノチューブを金属カーボンナノチューブから離して引き寄せるために、磁場を加えることに関連する命令をさらに含んでいてもよい。一般に、コンピュータ実行可能命令502は、本明細書に記載されているカーボンナノチューブを分離する方法の任意の作業工程を実施するための命令を含んでいてもよい。
【0035】
やはり図5に示されている通り、いくつかの例では、コンピュータプログラム500が、1つまたは複数のコンピュータ可読媒体503と、記録媒体504と、通信媒体505とを含んでいてもよい。これらの要素を取り囲む点線は、限定されないが信号搬送媒体501の内部に含まれていてもよい異なる種類の媒体を示している可能性がある。これらの種類の媒体は、そのような命令を実行するためのプロセッサ、論理回路および/または他の機器を含むコンピュータデバイスにより実行されるプログラム命令502を配布してもよい。コンピュータ可読媒体503および記録媒体504は、フレキシブルディスク、ハードディスクドライブ(HDD)、コンパクトディスク(CD)、デジタルビデオディスク(DVD)、デジタルテープ、コンピュータメモリ等を含んでいてもよいが、それらに限定されない。通信媒体505は、デジタル通信媒体および/またはアナログ通信媒体(例えば、光ファイバケーブル、導波管、有線通信リンク、無線通信リンク等)を含んでいてもよいが、それらに限定されない。
【0036】
本明細書に記載されている本開示の例の種々の態様、特徴または実施は、単独でまたは様々な組合せで用いられてもよい。本開示の方法例は、ソフトウェア、ハードウェアまたはハーソウェアとソフトウェアとの組合せ(例えば、コンピュータがアクセス可能な媒体上に格納されているソフトウェア)により実施されてもよい。
【0037】
本開示は、種々の態様の例示のつもりである本願に記載されている特定の例に関して限定されない。当業者に明らかになるように、多数の修正形態および例が、その精神および範囲から逸脱することなく成されてもよい。本明細書に列挙されているものに加えて、本開示の範囲内の機能的に等価の方法および装置が、上述の記載から当業者に明らかになるであろう。そのような修正形態および例は、添付の特許請求の範囲の範囲内に入るものとする。本開示は、そのような特許請求の範囲が権利を与えられている全ての範囲の等価物と同様に、添付の特許請求の範囲の言葉によってのみ制限される。本開示は当然様々である可能性がある特定のデバイス、方法、システムに限定されないことが理解されるべきである。また、本明細書に用いられている専門用語が特定の例を記載するためのものに過ぎず、限定することを目的としていないことが理解されるべきである。
【0038】
上述は、カーボンナノチューブ分散系中の導電性(金属)カーボンナノチューブと半導体カーボンナノチューブとを分離する種々の例を記載している。以下は、その方法および装置の特定の例である。これらは、例示目的のためのものに過ぎず、限定することを目的としていない。本開示は、全般的に、カーボンナノチューブを分離する装置、システムおよび方法に関する。
【0039】
例えば、流体中に分散されている金属カーボンナノチューブおよび半導体カーボンナノチューブを供給することと、半導体カーボンナノチューブの少なくとも一部分がアミン被覆磁性粒子に付着するように、流体にアミン被覆磁性粒子を供給することと、アミン被覆磁性粒子および付着した半導体カーボンナノチューブを金属カーボンナノチューブから離して引き寄せるために、磁場を加えることとを含む、カーボンナノチューブを分離する方法が、本明細書において提供され、記載されている。
【0040】
本方法は、磁場を加えることの後に、アミン被覆磁性粒子および付着した半導体カーボンナノチューブを流体中の金属カーボンナノチューブから分離することをさらに含む。アミン被覆磁性粒子および付着した半導体カーボンナノチューブを分離することは、アミン被覆磁性粒子および付着した半導体カーボンナノチューブを流体から分離することを含むことができる。流体は、第1の容器内に供給されることが可能であり、磁場は、第1の容器の外側にある磁石により加えられることが可能である。磁場は、流体および金属カーボンナノチューブが、アミン被覆磁性粒子および付着した半導体カーボンナノチューブから分離される一方、アミン被覆磁性粒子および付着した半導体カーボンナノチューブを定位置に保持するために、磁石を使用して加えられることができる。
【0041】
また、流体および金属カーボンナノチューブは、第2の容器内に供給されることが可能である。本方法は、流体中に残留している半導体カーボンナノチューブの少なくとも別の部分がアミン被覆磁性粒子に引き付けられ、付着するように、第2の容器内の流体にアミン被覆磁性粒子を供給することをさらに含むことができる。本方法はまた、流体が第2の容器から除去される一方、アミン被覆磁性粒子およびそれに付着した半導体カーボンナノチューブの少なくとも別の部分を保持するために、磁場を加えることをさらに含むことができる。金属カーボンナノチューブおよび流体から、アミン被覆磁性粒子および付着した半導体カーボンナノチューブを分離した後、本方法は、アミン被覆磁性粒子および付着した半導体カーボンナノチューブを酸で処理して、アミン被覆磁性粒子を半導体カーボンナノチューブから分離することを含むことができる。
【0042】
また、例えば、カーボンナノチューブを分離する装置が、本明細書において提供され、記載されており、該装置は、第1の容器と、第1の容器に流体、金属カーボンナノチューブおよび半導体カーボンナノチューブを供給するように構成されている供給源と、第1の容器内のアミン被覆磁性粒子と、第1の容器に関連付けられておりかつアミン被覆磁性粒子を引き付けて、アミン被覆磁性粒子および付着した半導体カーボンナノチューブが金属カーボンナノチューブから分離することを可能にするようになされている磁石とを含む。
【0043】
装置は、第2の容器と、第1の容器から流体およびその中の金属カーボンナノチューブを排出するように構成されている排出機構とをさらに含むことができる。装置は、第2の容器内の流体から金属カーボンナノチューブを分離するように構成されているフィルタと、酸供給源を含みかつ第1の容器に関連しており、酸処理を実施してアミン被覆磁性粒子から半導体カーボンナノチューブを分離する酸処理デバイスとをさらに含むことができる。
【0044】
また、例えば、流体をその中に収容できるようになされている第1の容器であって、該流体はその中に分散されている金属カーボンナノチューブおよび半導体カーボンナノチューブを有する、第1の容器と、半導体カーボンナノチューブの少なくとも一部分をアミン被覆磁性粒子に引き付け、付着させるために、流体中にアミン被覆磁性粒子を供給する粒子供給源と、アミン被覆磁性粒子および付着した半導体カーボンナノチューブを金属カーボンナノチューブから離して引き寄せるようになされている磁石とを含む、カーボンナノチューブ分離システムが、本明細書において提供され、記載されている。磁石は、第1の容器の外側に配設することができ、第1の容器は、磁石からの磁場がアミン被覆磁性粒子および付着した半導体カーボンナノチューブを引き付け、保持することを可能にするように、寸法を有し構成されている。
【0045】
カーボンナノチューブ分離システムは、流体およびその中の金属カーボンナノチューブを受容するようになされている第2の容器をさらに含むことができ、磁石は、アミン被覆磁性粒子および付着した半導体カーボンナノチューブを第1の容器内に保持する。カーボンナノチューブ分離は、第2の容器内で酸処理を施して、付着した半導体カーボンナノチューブからアミン被覆磁性粒子を分離するように構成されている酸処理デバイスを、さらに含むことができる。アミン被覆磁性粒子は、アミン被覆磁性ナノ粒子またはアミン被覆磁性マイクロ粒子とすることができる。アミン被覆磁性粒子は、超常磁性または強磁性とすることができ、アミン被覆磁性粒子は、二酸化ケイ素で被覆することができる。
【0046】
また、例えば、カーボンナノチューブを分離するために供給されるコンピュータ可読命令であって、処理構成が命令を実行した場合、処理構成が、流体中に分散されている金属カーボンナノチューブおよび半導体カーボンナノチューブを供給し、半導体カーボンナノチューブの少なくとも一部分がアミン被覆磁性粒子に付着するように、流体にアミン被覆磁性粒子を供給し、アミン被覆磁性粒子および付着した半導体カーボンナノチューブを金属カーボンナノチューブから離して引き寄せるために、磁場を加えるように構成されている、コンピュータ可読命令を含むコンピュータ可読媒体が、本明細書において提供され、記載されている。
【0047】
本明細書における、実質的にあらゆる複数のかつ/または単数の用語の使用に関して、当業者は、文脈および/または用途に適切なように、複数を単数にかつ/または単数を複数に解釈してもよい。様々な単数/複数の置換えは、明確にするために、本明細書に明記されていてもよい。
【0048】
全般的に、本明細書、特に添付の特許請求の範囲(例えば、添付の特許請求の範囲の主要部分)に用いられている用語は、一般に「非限定的な(open)」用語であるように意図されていること(例えば、用語「含んでいる(including)」は、「〜を含んでいるが限定されない(including but not limited to)」と解釈されるべきであり、用語「有している(having)」は、「少なくとも〜を有している(having at least)」と解釈されるべきであり、用語「含む(includes)」は、「〜を含むが限定されない(includes but is not limited to)」と解釈されるべきである等)が、当業者により理解されるであろう。さらに、導入されたクレーム記載に関して特定の数が意図されている場合は、そのような意図が当該クレームに明記され、そのような記載がない場合は、そのような意図は存在しないことが、当業者により理解されるであろう。例えば、理解の助けとして、後続する添付の特許請求の範囲は、導入句「少なくとも1つの(at least one)」および「1つまたは複数の(one or more)」を使用して、クレーム記載を導入する場合がある。しかし、そのような句を使用するからといって、同じクレームが導入句「1つまたは複数の」または「少なくとも1つの」と「a」または「an」などの不定冠詞とを含む場合でも、不定冠詞「a」または「an」によるクレーム記載の導入が、そのような導入されたクレーム記載を含む任意の特定のクレームをそのような記載事項を1つだけ含む例に限定することを暗示していると解釈されるべきではない(例えば、「a」および/または「an」は、「少なくとも1つの」または「1つまたは複数の」を意味すると解釈されるべきである)。クレーム記載を導入するのに使用される定冠詞の場合にも、同様のことが当てはまる。さらに、導入されたクレーム記載に関して特定の数が明記されていても、そのような記載は、少なくとも記載された数を意味する(例えば、他に修飾語のない、単なる「2つの記載事項」という記載は、「少なくとも2つの記載事項」または「2つ以上の記載事項」を意味する)と解釈されるべきであることを、当業者は認識するであろう。さらに、「A、B、およびC等の少なくとも1つ(at least one of A,B,and C, etc.)」に類する伝統的表現法が使用される例では、一般に、そのような構造は、当業者がその表現法を理解するであろう意味で意図されている(例えば、「A、B、およびCの少なくとも1つを有するシステム」は、Aのみ、Bのみ、Cのみ、AとBの両方、AとCの両方、BとCの両方、および/またはAとBとCとを全て等を有するシステムを含むが、それらに限定されないと考えられる)。「A、B、またはC等の少なくとも1つ(at least one of A,B,or C, etc.)」に類する伝統的表現法が使用される例では、一般に、そのような構造は、当業者がその表現法を理解するであろう意味で意図されている(例えば、「A、B、またはCの少なくとも1つを有するシステム」は、Aのみ、Bのみ、Cのみ、AとBの両方、AとCの両方、BとCの両方、および/またはAとBとCとを全て等を有するシステムを含むが、それらに限定されないと考えられる)。さらに、2つ以上の選択的用語を表す、実質的にあらゆる離接語および/または離接句は、説明文内、特許請求の範囲内、または図面内であるかどうかに関わらず、用語のうちの1つ、用語のどちらか、または用語の両方を含む可能性を意図すると理解されるべきであることが、当業者により理解されるであろう。例えば、句「AまたはB(A or B)」は、「A」または「B」または「AおよびB」の可能性を含むと理解されるであろう。
【0049】
さらに、本開示の特徴または態様がマーカッシュグループで記載されている場合、それにより、本開示もまた、マーカッシュグループのあらゆる個々の要素または要素の下位群の観点から記載されていることを、当業者は認識するであろう。
【0050】
当業者により理解されるであろうように、明細書を提供するなどのありとあらゆる目的のために、本明細書に開示されている全ての範囲はまた、ありとあらゆる可能な下位範囲およびその下位範囲の組合せを包含する。いかなる記載された範囲も、十分に記載しており、かつ少なくとも等しい半分、3分の1、4分の1、5分の1、10分の1等に細分化されることを可能にしていると容易に認識され得る。非限定の例として、本明細書に記載されている各範囲は、下部3分の1、中部3分の1、上部3分の1等に容易に細分化され得る。また、当業者により理解されるであろうように、「最大〜まで(up to)」、「少なくとも(at least)」、「より大きい(greater than)」、「未満(less than)」等の全ての文言は、記載されている数を含み、上述のような下位範囲に実質的に細分化され得る範囲を指す。最後に、当業者により理解されるであろうように、範囲は各個々の要素を含む。
【0051】
種々の態様および例を本明細書において開示したが、他の態様および例が当業者に明らかになるであろう。本明細書に開示されている種々の態様および例は、例示目的のためのものあり、限定することを意図としておらず、その真の範囲および精神は、以下の特許請求の範囲により示されている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カーボンナノチューブを分離する方法であって、
流体中に分散されている金属カーボンナノチューブおよび半導体カーボンナノチューブを供給することと、
前記半導体カーボンナノチューブの少なくとも一部分がアミン被覆磁性粒子に付着するように前記流体に前記アミン被覆磁性粒子を供給することと、
前記アミン被覆磁性粒子および付着した半導体カーボンナノチューブを前記金属カーボンナノチューブから離して引き寄せるために、磁場を加えることと
を含む、方法。
【請求項2】
前記磁場を加えることの後に、前記アミン被覆磁性粒子および付着した半導体カーボンナノチューブを前記磁場内で前記金属カーボンナノチューブから分離することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記アミン被覆磁性粒子および付着した半導体カーボンナノチューブを分離することは、前記アミン被覆磁性粒子および付着した半導体カーボンナノチューブを前記流体から分離することを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記流体は、第1の容器内に供給され、前記磁場は、前記第1の容器の外側にある磁石により加えられる、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記磁場は、前記流体および金属カーボンナノチューブが、前記アミン被覆磁性粒子および付着した半導体カーボンナノチューブから分離される一方、前記アミン被覆磁性粒子および付着した半導体カーボンナノチューブを定位置に保持ように、磁石を使用して加えられる、請求項2に記載の方法。
【請求項6】
前記流体および金属カーボンナノチューブは、第2の容器内に供給される、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記流体中に残留している半導体カーボンナノチューブの少なくとも別の部分が前記アミン被覆磁性粒子に引き付けられ、付着するように、前記第2の容器内の前記流体にアミン被覆磁性粒子を供給することをさらに含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記流体が前記第2の容器から除去される一方、前記アミン被覆磁性粒子およびそれに付着した半導体カーボンナノチューブの前記少なくとも別の部分を保持するように、磁場を加えることをさらに含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記金属カーボンナノチューブおよび流体から前記アミン被覆磁性粒子および付着した半導体カーボンナノチューブを分離することの後に、前記アミン被覆磁性粒子および付着した半導体カーボンナノチューブを酸で処理して、前記半導体カーボンナノチューブから前記アミン被覆磁性粒子を分離することをさらに含む、請求項2に記載の方法。
【請求項10】
カーボンナノチューブを分離する装置であって、
第1の容器と、
流体、
前記第1の容器へ金属カーボンナノチューブおよび半導体カーボンナノチューブ、および
前記第1の容器内へアミン被覆磁性粒子
を供給するように構成されている供給源と、
前記第1の容器に関連付けられておりかつ前記アミン被覆磁性粒子を引き付けて、前記金属カーボンナノチューブから、前記アミン被覆磁性粒子および付着した半導体カーボンナノチューブを分離することを可能にするようになされている磁石と
を含む、装置。
【請求項11】
第2の容器と、前記第1の容器から前記流体およびその中の金属カーボンナノチューブを排出するように構成されている排出機構とをさらに含む、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記第2の容器内の前記流体から前記金属カーボンナノチューブを分離するように構成されているフィルタをさらに含む、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
酸供給源を含みかつ前記第1の容器に関連しており、酸処理を実施して、前記アミン被覆磁性粒子から前記半導体カーボンナノチューブを分離する酸処理デバイスをさらに含む、請求項10に記載の装置。
【請求項14】
カーボンナノチューブ分離システムであって、
流体をその中に収容できるようになされている第1の容器であって、前記流体はその中に分散されている金属カーボンナノチューブおよび半導体カーボンナノチューブを有する、第1の容器と、
前記半導体カーボンナノチューブの少なくとも一部分をアミン被覆磁性粒子に引き付け、付着させるために、前記流体中に前記アミン被覆磁性粒子を供給する粒子供給源と、
前記アミン被覆磁性粒子および付着した半導体カーボンナノチューブを前記金属カーボンナノチューブから離して引き寄せるようになされている磁石と
を含む、カーボンナノチューブ分離システム。
【請求項15】
前記磁石は、前記第1の容器の外側に配設されており、前記第1の容器は、前記磁石からの磁場が前記アミン被覆磁性粒子および付着した半導体カーボンナノチューブを引き付け、保持することを可能にするように、寸法を有し構成されている、請求項14に記載のカーボンナノチューブ分離システム。
【請求項16】
前記流体およびその中の前記金属カーボンナノチューブを受容するようになされている第2の容器をさらに含み、前記磁石は、前記アミン被覆磁性粒子および付着した半導体カーボンナノチューブを前記第1の容器内に保持する、請求項14に記載のカーボンナノチューブ分離システム。
【請求項17】
前記第2の容器内で酸処理を施して、前記付着した半導体カーボンナノチューブから前記アミン被覆磁性粒子を分離するように構成されている酸処理デバイスをさらに含む、請求項16に記載のカーボンナノチューブ分離システム。
【請求項18】
前記アミン被覆磁性粒子は、アミン被覆磁性ナノ粒子またはアミン被覆磁性マイクロ粒子である、請求項14に記載のカーボンナノチューブ分離システム。
【請求項19】
前記アミン被覆磁性粒子は、超常磁性または強磁性である、請求項14に記載のカーボンナノチューブ分離システム。
【請求項20】
前記アミン被覆磁性粒子は二酸化ケイ素で被覆される、請求項14に記載のカーボンナノチューブ分離システム。
【請求項21】
カーボンナノチューブを分離するために供給されるコンピュータ可読命令を含むコンピュータ可読媒体であって、処理構成が前記命令を実行した場合、前記処理構成は、
流体中に分散されている金属カーボンナノチューブおよび半導体カーボンナノチューブを供給し、
前記半導体カーボンナノチューブの少なくとも一部分がアミン被覆磁性粒子に付着するように、前記流体に前記アミン被覆磁性粒子を供給し、
前記アミン被覆磁性粒子および付着した半導体カーボンナノチューブを前記金属カーボンナノチューブから離して引き寄せるために、磁場を加える
ように構成される、コンピュータ可読媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2013−502318(P2013−502318A)
【公表日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−525755(P2012−525755)
【出願日】平成22年8月23日(2010.8.23)
【国際出願番号】PCT/US2010/046349
【国際公開番号】WO2011/025738
【国際公開日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【出願人】(509348786)エンパイア テクノロジー ディベロップメント エルエルシー (117)
【Fターム(参考)】