説明

磁気、放射線、マイナスイオン、遠赤外線を用いた治療のためのコア部材並びにそれを用いた治療器

【課題】 微量放射線、遠赤外線、マイナスイオンおよび磁気を効果的に行うことができると共に、簡単に組立てを行うことができるコア部材並びにそれを用いた治療器を提供する。
【解決手段】 治療用のコア部材は、中心に円形開口を有する円盤状の強磁性体からなるマグネットと、磁性金属からなる板状部材により形成され、かつ、マグネットの外周面との間に適当な空間を有してマグネットをその内部に収納するケースと、マグネットの円形開口内およびマグネットの外周面とケースの内周面との間の空間に配置される放射性物質と、ケースの外周面に沿って配置されるセラミック球体と、磁性金属からなる板状部材により形成されかつセラミック球体と共にケースを包被するように形成された蓋体とから構成される。治療器は、磁性金属からなる板状部材により形成された中空密閉容器と、中空密閉容器の内部に配置されるコア部材とから構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、微量放射線、遠赤外線、マイナスイオンおよび磁気を利用した治療のためのコア部材、並びに、治療器、特に浴槽に設置して使用するのに適した治療器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ラジウムやゲルマニウムから放射される微量放射線が、血行を良くしたり生体電子を正常に戻す働きが有り、疲れや痛みなどに直接作用し改善する効果を有することは知られている。また、トルマリンやゼオライトやファインセラミック等(以下、「セラミック」と総称する。)から発生される遠赤外線やマイナスイオンが温熱治療効果、血液循環促進、血液の弱アルカリ化、有害物質の無害化等の効果を有することも知られている。さらに、磁性体から発生される磁気が血行をよくし健康を回復することもまた知られている。
【0003】
このような健康促進に有効な物質を用いた治療器については種々提案されているが、例えば、特許文献1に開示されているように、強磁性体と放射性元素とを混練したものをシート状に形成したものや、特許文献2に開示されているように、マグネット盤体を並べたものとトルマリンシートを併用したものであり、放射性物質と磁性体とセラミックのそれぞれの効果を単に同時に作用させようとしているものでしかなかった。
【0004】
また、浴槽内に設置するものとしては、「ストーン・ダイヤ(商品名)」(非特許文献1参照)があるが、この場合も前述と同様に、ラジウム(ラドン)を放出する天然ラジウム鉱石とマイナスイオンを放出するマイナス・イオンセラミックをステンレス製容器内に混在させて入れたものであり、それぞれの効果を単に同時に作用させようとしているものでしかなかった。
【特許文献1】特開2001−233793号公報
【特許文献2】特開2002−307583号公報
【非特許文献1】http://www.networkbusiness.gr.jp/nbc/syozai/maker/jpkenkou.htm
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、微量放射線、遠赤外線、マイナスイオンおよび磁気を効果的に行うことができると共に、簡単に組立てを行うことができるコア部材並びにそれを用いた治療器を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明による治療用のコア部材は、中心に円形開口を有する円盤状の強磁性体からなるマグネットと、磁性金属からなる板状部材により形成され、かつ、マグネットの外周面との間に適当な空間を有してマグネットをその内部に収納するケースと、マグネットの円形開口内およびマグネットの外周面とケースの内周面との間の空間に配置される放射性物質と、ケースの外周面に沿って配置されるセラミック球体と、磁性金属からなる板状部材により形成されかつセラミック球体と共にケースを包被するように形成された蓋体とから構成される。マグネットは強磁性部材からなり、円形開口から外周縁へと放射状にかつ総体的表面から垂直方向に対して所定の角度を有して上方へそれぞれ延びる突条を備える。
【0007】
本発明による治療器は、磁性金属からなる板状部材により形成された中空密閉容器と、中空密閉容器の内部に配置されるコア部材とから構成される。コア部材は中心に円形開口を有する円盤状のマグネットと、磁性金属からなる板状部材により形成され、かつ、マグネットの外周面との間に適当な空間を有してマグネットをその内部に収納するケースと、マグネットの円形開口内およびマグネットの外周面とケースの内周面との間の空間にそれぞれ配置される放射性物質と、ケースの外周面に沿って配置されるセラミック球体と、磁性金属からなる板状部材により形成され、かつ、セラミック球体と共にケースを包被するように形成された蓋体とから構成される。マグネットは強磁性部材からなり、円形開口から外周縁へと放射状にかつ総体的表面から垂直方向に対して所定の角度を有して上方へそれぞれ延びる突条を備える。
【0008】
磁性金属としては、浴槽内で使用することを考慮するとき、ステンレスを用いるのが好ましい。放射性物質は、通常、ラジウムやゲルマニウムの粉末として入手可能である。そのため、放射性物質は不用意に飛び散らないように適当な粘着剤で固形化されるのが好ましい。セラミック球体はトルマリンやゼオライトやファインセラミック等により形成される。マグネットはその表面に突条を備えていることにより総体的に渦巻き状の磁界を発生する。渦巻き状の磁界は、マグネットの中心とその回りに配置された放射性物質からの放射線並びにマグネットの回りに配置されたセラミック球体からの遠赤外線およびマイナスイオンの向きに影響を与え、人体に対する磁気効果、放射線効果、遠赤外線効果およびマイナスイオン効果をより効果的なものにする。
【0009】
本発明による治療器は、ラジウムやゲルマニウムのような放射性物質の水溶液を中空密閉容器内に充満し、そして、中空密閉容器の表面にその内部に配置されたコア部材の中心位置とコア部材を同心円状に囲繞する線上の位置とに突起部を設けるように構成することもできる。また、本治療器を浴槽の壁面に固定するために中空密閉容器の底面に吸着盤を設けることもできる。さらに、複数のコア部材を中空密閉容器内に設けることもできる。
【0010】
放射性物質の水溶液は中空密閉容器全体から微量放射線を放射させる。中空密閉容器の表面の突起部は、当該部分において磁気、放射線、遠赤外線およびマイナスイオンを局部的に放出させる。複数のコア部材を用いる場合、相互に適当に離間して配置することにより、各コア部材からの磁気、放射線、遠赤外線およびマイナスイオンが相互に入り混じり、より効果的に人体に作用する。ここにおいて、放射性物質として用いられるラジウムとゲルマニウムについては両者が併用されるように組み合わされるのが好ましい。このため、コア部材に使用する放射性物質と中空密閉容器内の水溶液に使用する放射性物質を相互に異なったものにしたり、両者を混合したりして用いるのが望ましく、また、複数のコア部材を使用する場合、各コア部材に異なった放射性物質を用いたり、両者の混合物を用いたりするのが望ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明の治療器は、マグネットの表面の突条により総体的に渦巻き状の磁界を発生するため、放射性物質からの放射線並びにセラミック球体からの遠赤外線およびマイナスイオンの向きに影響を与え、人体に対する磁気効果、放射線効果、遠赤外線効果およびマイナスイオン効果を相乗作用によってより効果的なものにすることができる。また、放射性物質水溶液は中空密閉容器全体から微量放射線を放射させるため、局部的に作用する放射性物質からの微量放射線の及ばない領域にも放射線効果を発揮させることができる。さらに、中空密閉容器の表面の突起部から発生する局部的な磁界によってより複雑な磁界を形成し、磁気、放射線、遠赤外線およびマイナスイオンの相乗効果を高めることができる。加えて、複数のコア部材を相互に離間して配置することにより、各コア部材からの磁気、放射線、遠赤外線およびマイナスイオンが相互に入り混じり、より効果的に人体に作用することができる。
【0012】
一方、組立製造時、ケースと蓋体とは、ケース内に収納されるマグネットに吸着して放射性物質やセラミック球体と共に一体化することができ、しかも中空密閉容器の内面にマグネットの磁力により吸着させることができるため、コア部材の取り付けに溶接等の固定手段を必ずしも必要とせず、それにより、より簡単に組み立てることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明の実施例による治療器は、図1および2に示すように、総体的に扁平な形状を有する中空密閉容器1と、中空密閉容器1の内部に配置される少なくとも1つ(図示の場合、5つ)のコア部材2とから構成される。符号3で示すものは吸着盤であり、本治療器を浴槽の壁等に固定するのに使用される。コア部材2を複数用いる場合、各コア部材からの磁気、放射線、遠赤外線およびマイナスイオンが相互に入り混じり、より効果的に人体に作用できるように、相互に適当に離間して配置される。
【0014】
中空密閉容器1は、後述する磁力による吸着、誘導磁界の発生等を遂行するために磁性金属からなる板状部材により形成される。この磁性金属としては、浴槽内で使用することを考慮するとき、耐腐食性等の観点からステンレスを用いるのが好ましい。中空密閉容器1の表面には、内蔵されたコア部材2からの磁気、放射線、マイナスイオン、遠赤外線を効果的に放出するために、その内部に配置されたコア部材2の中心位置と、コア部材2を同心円状に囲繞する線上の複数(図示の場合、8つ)の位置とにそれぞれ突起部11が形成される。中空密閉容器1の平面形態は、特に限定されるものではなく、例えば、図示のように方形のほかに、円形、楕円形、勾玉状等にも形成できる。
【0015】
コア部材2は、図3〜4に示すように、中心に円形開口を有する円盤状のマグネット4と、マグネット4の外周面との間に適当な空間を有してマグネット4をその内部に収納するケース5と、マグネット4の円形開口内およびマグネット4の外周面とケース5の内周面との間の空間にそれぞれ配置される放射性物質6と、ケース5の外周面に沿って配置されるセラミック球体7と、セラミック球体7と共にケース5を包被するように形成された蓋体8とから構成される。中空密閉容器1の内部空間には、中空密閉容器全体から適度な微量放射線を放射させるために、ラジウムおよび/またはゲルマニウムである放射性物質の水溶液9が充満される。
【0016】
マグネット4は強磁性部材、例えば、磁束密度3600〜4000ガウスを有するものが使用される。マグネット4は、総体的な渦巻き状の磁界を発生するために、円形開口から外周縁へと放射状に延び、かつ、マグネットの総体的な表面Sから垂直方向に対して所定の角度を有して上方へそれぞれ延びる複数の突条41を備える。ケース5および蓋体8はそれぞれ磁性金属からなる板状部材により形成される。放射性物質6はラジウムおよび/またはゲルマニウムであり、通常、粉末材料として供給されるため、不用意に飛び散らないように適当な粘着剤で固形化されて用いられる。セラミック球体7はトルマリンやゼオライトやファインセラミック等により形成される。放射性物質水溶液9の濃度は、健康に適した放射線量に抑える必要があり、水1リットル当り300〜330g程度で十分である。
【0017】
中空密閉容器1、ケース5および蓋体8が磁性金属部材で形成され、マグネット4に強磁性体を用いていることにより、マグネット4の磁力のみによってコア部材2を中空密閉容器1の所定位置に配置することができると同時に、放射性物質6およびセラミック球体7を所定位置に内在してケース5と蓋体8を結合することができる。このことは、コア部材2の組立てや取付けを行うために溶接や接着等の固着手段を必ずしも必要としないことを意味している。
【産業上の利用可能性】
【0018】
本発明は、図示したような単独の治療器の形態だけでなく、浴槽や椅子等に組み込んだ形態、例えば、浴槽の底や壁を二重壁に形成してその中にコア部材を配置したり、中空密閉容器として椅子の背当てや座面等を形成して用いることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施例による治療器の平面図である。
【図2】本発明の実施例による治療器の断面図である。
【図3】本発明の実施例によるコア部材の平面図である。
【図4】本発明の実施例によるコア部材の断面図である。
【図5】図3のA−A線に沿った端面図である。
【符号の説明】
【0020】
1 中空密閉容器
2 コア部材
3 吸着盤
4 マグネット
5 ケース
6 放射性物質
7 セラミック球体
8 蓋体
9 放射性物質水溶液
11 突起部
41 突条

【特許請求の範囲】
【請求項1】
中心に円形開口を有する円盤状の強磁性体からなるマグネットと、磁性金属からなる板状部材により形成されかつ前記マグネットの外周面との間に適当な空間を有してマグネットをその内部に収納するケースと、前記マグネットの円形開口内およびマグネットの外周面とケースの内周面との間の空間に配置される放射性物質と、前記ケースの外周面に沿って配置されるセラミック球体と、磁性金属からなる板状部材により形成されかつセラミック球体と共にケースを包被するように形成された蓋体とから構成され、
前記マグネットは強磁性部材からなり、円形開口から外周縁へと放射状にかつ総体的表面から垂直方向に対して所定の角度を有して上方へそれぞれ延びる突条を備える、
磁気、放射線、マイナスイオン、遠赤外線を用いた治療のためのコア部材。
【請求項2】
磁性金属からなる板状部材により形成された中空密閉容器と、前記中空密閉容器の内部に配置されるコア部材とから構成され、
前記コア部材は中心に円形開口を有する円盤状の強磁性体からなるマグネットと、磁性金属からなる板状部材により形成されかつ前記マグネットの外周面との間に適当な空間を有してマグネットをその内部に収納するケースと、前記マグネットの円形開口内およびマグネットの外周面とケースの内周面との間の空間に配置される放射性物質と、前記ケースの外周面に沿って配置されるセラミック球体と、磁性金属からなる板状部材により形成されかつセラミック球体と共にケースを包被するように形成された蓋体とから構成され、
前記マグネットは強磁性部材からなり、円形開口から外周縁へと放射状にかつ総体的表面から垂直方向に対して所定の角度を有して上方へそれぞれ延びる突条を備える、
磁気、放射線、マイナスイオン、遠赤外線を用いた治療器。
【請求項3】
前記中空密閉容器の表面にはその内部に配置されたコア部材の中心位置とコア部材を同心円状に囲繞する位置とに突起部が設けられ、
前記中空密閉容器内には放射性物質の水溶液が充満される、
請求項2に記載の治療器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−34850(P2006−34850A)
【公開日】平成18年2月9日(2006.2.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−222788(P2004−222788)
【出願日】平成16年7月30日(2004.7.30)
【出願人】(504293403)
【Fターム(参考)】