説明

磁気カードリーダ装置

【課題】磁気カードリーダ装置において、簡単な構成で磁気カードの読取り不良の発生を抑える。
【解決手段】磁気カードリーダ装置1は、磁気カード100の磁気データを読取る磁気データ読取り部(10)と、磁気カード100の挿入を検知する挿入検知部30と、挿入検知部30により磁気カード100の挿入が検知されると、磁気データ読取り部(10)と磁気カード100との間隔を増減させる間隔増減用駆動部(40)と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、磁気カードの磁気データを読取る磁気カードリーダ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、磁気カードの読取り不良が増加している。読取り不良が発生する原因としては、磁石(携帯電話等)を近づけられることによる磁力低下(減磁)と、磁気データ書込み時の磁気データの歪(ノイズ)とがある。
【0003】
なお、磁気カードの磁気データを読取るための構造としては、磁気ヘッドへの衝撃緩和及びヘッドタッチの安定化のために、磁気カードの案内溝に突出する突起を磁気カードにより押し上げることで突起と共に磁気ヘッドを押し上げる構造が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
また、磁気カードの磁気面が磁気センサの外部磁界によって消磁されるのを防ぐために、券類の厚さを検知し、その検知結果に基づき、磁気データを読取るために付与する磁界強度を変化させる券類処理装置も知られている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平10−143975号公報
【特許文献2】特開平5−94667号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上述の読取り不良を引き起こす磁力低下(減磁)への対策としては、磁気ヘッドによる読取り感度を高くする必要がある。また、同様に読取り不良を引き起こす磁気データの歪(ノイズ)への対策としては、磁気ヘッドによる読取り感度を低くする必要がある。
【0007】
そのため、読取り回路の定数を適度な値に設定することで、減磁及び歪のどちらの磁気カードもある程度のレベルまで読取り可能とする手法がとられている。しかしながら、このような読取り方法では、減磁及び歪のどちらの磁気カードにも最適な対応をとっているわけではないため、磁気カードの読取り不良の発生を抑えることは困難であった。
【0008】
本発明の目的は、簡単な構成で磁気カードの読取り不良の発生を抑えることができる磁気カードリーダ装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の磁気カードリーダ装置は、磁気カードの磁気データを読取る磁気データ読取り部と、上記磁気カードの挿入を検知する挿入検知部と、上記挿入検知部により上記磁気カードの挿入が検知されると、上記磁気データ読取り部と上記磁気カードとの間隔を増減させる間隔増減用駆動部と、を備える。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、簡単な構成で磁気カードの読取り不良の発生を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の一実施の形態に係る磁気カードリーダ装置の内部構造を透視的に示す平面図(その1)である。
【図2】本発明の一実施の形態に係る磁気カードリーダ装置の内部構造を透視的に示す平面図(その2)である。
【図3】本発明の一実施の形態に係る磁気カードリーダ装置の右側面図である。
【図4】本発明の一実施の形態の変形例に係る磁気カードリーダ装置の内部構造を透視的に示す平面図である。
【図5】本発明の他の実施の形態に係る磁気カードリーダ装置の内部構造を透視的に示す平面図(その1)である。
【図6】本発明の他の実施の形態に係る磁気カードリーダ装置の内部構造を透視的に示す平面図(その2)である。
【図7】本発明の他の実施の形態の第1変形例に係る磁気カードリーダ装置の内部構造を透視的に示す平面図である。
【図8】本発明の他の実施の形態の第2変形例に係る磁気カードリーダ装置の内部構造を透視的に示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態に係る磁気カードリーダ装置について、図面を参照しながら説明する。
<一実施の形態>
図1及び図2は、本発明の一実施の形態に係る磁気カードリーダ装置1の内部構造を透視的に示す平面図である。
【0013】
図3は、磁気カードリーダ装置1の側面図である。
図1〜図3に示す磁気カードリーダ装置1は、磁気データ読取り部としての2つの磁気ヘッド10,10と、カードガイド部20と、挿入検知部30と、間隔増減用駆動部としてのガイド部用駆動部40と、筐体50と、を備える。
【0014】
図1〜図3に示すように、2つの磁気ヘッド10,10は、筐体50の内部に配置され、筐体50の上面に設けられたスリット51内に挿入される磁気カード100の磁気データを読取る。なお、スリット51は、磁気カード100が挿入される磁気データ読取り用の溝であり、図1及び図2の図示上下方向に亘って設けられている。
【0015】
2つの磁気ヘッド10、10は、スリット51を挟んで互いに対向するように配置されている。このように磁気ヘッド10が2つ配置されている場合、磁気カード100の表裏のいずれの方向で挿入されても、磁気カード100の図3に示す磁気ストライプ110から磁気データを読取ることが可能となっている。そのため、磁気カード100の表裏の挿入方向を一方に限定すれば、磁気ヘッド10は1つのみ配置するようにしてもよい。
【0016】
カードガイド部20は、4つのガイド部材21,22,23,24と、これらガイド部材21〜24を支持する支持部材としてのプレート25と、を含み、筐体50の内部に配置されている。
【0017】
ガイド部材21〜24は、磁気ヘッド10よりもスリット51の入口側(図1及び図2の紙面上側)においてスリット51を挟んで互いに対向するガイド部材21,22と、磁気ヘッド10よりもスリット51の出口側(図1及び図2の紙面下側)においてスリット51を挟んで互いに対向するガイド部材23,24と、である。
【0018】
プレート25は、スリット51の底部分の下方に配置されている。ガイド部材21〜24は、プレート25に下方から軸支された、例えば、鉛直方向に延びる回転軸を中心に回転可能なローラであり、スリット51に挿入される磁気カード100をガイドする。
【0019】
なお、本実施の形態のガイド部材21〜24は、2つずつ対向するように配置されているため、磁気カード100の挿入ルートを確実に規定することができる。磁気カード100の挿入ルートは、図1の例ではスリット51の右端を通り、図2の例ではスリット51の左端を通っている。
【0020】
挿入検知部30は、筐体50の内部において、スリット51の入口側の底部分から露出するように配置されている。挿入検知部30は、例えばメカスイッチであり、磁気カード100が挿入されると、磁気カード100に接触して押圧されることで、磁気カード100の挿入を検知する接触式の検知部である。
【0021】
ガイド部用駆動部40は、例えばソレノイド及びプランジャであり、筐体50の内部に配置されている。
ガイド部用駆動部40は、挿入検知部30により磁気カード100の挿入が検知されることで、例えば、ソレノイドによってプランジャを介してプレート25を押し引きし、カードガイド部20を移動させる。ガイド用駆動部40は、磁気カード100の挿入が検知される度に、カードガイド部20を、磁気ヘッド10と磁気カード100との間隔(G1,G2)が互いに異なる第1の位置P1(図1参照)と第2の位置P2(図2参照)との間で往復移動させる。
【0022】
なお、磁気カード100の磁気ストライプ110は図1の右側に形成されているため、カードガイド部20が図1に実線で示すように第1の位置P1にあるときの右側の磁気ヘッド10と磁気カード100との間隔G1は、図2に実線(図1に二点鎖線)で示す第2の位置P2にあるときの間隔G2よりも狭い。
【0023】
一方、仮に磁気カード100の磁気ストライプ110が図1の左側に形成されていたとすると、磁気ヘッド10と磁気カード100との間隔(図示せず)は、カードガイド部20が第1の位置P1にあるときよりも第2の位置P2にあるときの方が狭くなる。
【0024】
なお、カードガイド部20は、磁気ヘッド10と磁気カード100との間隔を増減させる方向に移動されればよいため、ガイド用駆動部40は、カードガイド部20を、3つ以上の位置に往来させる構成としてもよい。
【0025】
また、図4(本実施の形態の変形例)に示すように、カードガイド部20は、挿入検知部30により磁気カード100の挿入が検知されたときに、基準位置P11から、この基準位置P11よりも磁気ヘッド10と磁気カード100との間隔(G11)が広くなる位置P12及び狭くなる位置P13のうち一方に移動させ、次に磁気カード100の挿入が検知されたときに、残る他方(位置P13又は位置P12)に移動させるようにしてもよい。
【0026】
その場合、1つ前の磁気カード100の挿入が検知されてから一定時間経過後に磁気カード100の挿入が検知されると、カードガイド部20を基準位置P11に戻すというガイド部用駆動部40の制御を制御部により行うとよい。或いは、1つ前の磁気カード100の挿入が検知されてから一定時間経過後にタイマー回路等によりカードガイド部20を基準位置P11に戻すようにし、その場合、次の磁気カード100の挿入が検知されても、カードガイド部20の移動をキャンセルするという制御を行ってもよい。このように、1つ前の磁気カード100の挿入を検知してから一定時間経過後に挿入される磁気カード100を基準位置P11のカードガイド部20によりガイドすることができる制御を行うとよい。
【0027】
以上説明した本実施の形態では、ガイド部用駆動部40は、挿入検知部30により磁気カード100の挿入が検知されることで、カードガイド部20を、磁気ヘッド10と磁気カード100との間隔G1,G2を増減させる方向に移動させる。
【0028】
そのため、磁気ヘッド10と磁気カード100との間隔が狭い状態(間隔G1)では磁気ヘッド10で検出する磁気レベルが高まり、磁気レベルが低い減磁した磁気カード100であっても読取りやすくなる。また、上記の間隔が広い状態(間隔G2)では磁気ヘッド10で検出する磁気レベルが弱まり、磁気データの歪による影響を防ぐことができる。
【0029】
ところで、磁気カード100の種類や磁気データの読取り状況に応じて、読取り回路の定数を変化させたり磁気ヘッド10と磁気カード100との間隔を増減させて読取り感度を変化させたりするのには複雑な制御を要するが、本実施の形態では、ガイド部用駆動部40は、挿入検知部30により磁気カード100の挿入が検知されることで、磁気ヘッド10と磁気カード100との間隔G1,G2を増減させるため、磁気カードリーダ装置1を簡単な構成とすることができる。
【0030】
よって、本実施の形態によれば、簡単な構成で磁気カード100の読取り不良の発生を抑えることができる。
また、本実施の形態では、ガイド部用駆動部40は、磁気カード100の挿入が検知される度に、カードガイド部20を移動させる。そのため、より一層簡単な構成で磁気カード100の読取り不良の発生を抑えることができる。
【0031】
また、本実施の形態では、ガイド部用駆動部40は、カードガイド部20を、磁気ヘッド10と磁気カード100との間隔が互いに異なる第1の位置P1(間隔G1)と第2の位置P2(間隔G2)との間で往復移動させる。そのため、より一層簡単な構成で磁気カード100の読取り不良の発生を抑えることができる。
【0032】
また、本実施の形態の図4に示す変形例では、ガイド部用駆動部40は、カードガイド部20を、磁気カード100の挿入が検知されたときに、基準位置P11から、基準位置P11よりも磁気ヘッド10と磁気カード100との間隔が広くなる位置P13及びこの間隔が狭くなる位置P12のうち一方に移動させ、次に磁気カード100の挿入が検知されたときに、残る他方(位置P11又は位置P12)に移動させる。
【0033】
そのため、減磁した磁気カード100と磁気データに歪のある磁気カード100との両方を読み取りやすい位置を基準位置P11として設定することで、この基準位置で磁気データを読取れる磁気カード100についてはすぐに磁気データを読取ることができる。また、基準位置P11で磁気データを読取れない磁気カード100については、上記の間隔を狭くしたり広くしたりするようにカードガイド部20を移動させることで、上述のように磁気データを読取りやすくし、読取り不良の発生をより一層抑えることができる。
【0034】
また、本実施の形態では、挿入検知部30は、磁気カード100と接触することで磁気カード100の挿入を検知する。そのため、簡単な制御でカードガイド部20を移動させることができ、したがって、より一層簡単な構成で磁気カード100の読取り不良の発生を抑えることができる。
【0035】
なお、本実施の形態では、カードガイド部20は、磁気カード100の表裏の両側から磁気カード100をガイドするが、一方側からのみ磁気カード100をガイドする構成としてもよい。その場合でも、ガイド部用駆動部40によりカードガイド部20を移動させることで、上述の間隔を増減させることができる。
【0036】
また、本実施の形態では、挿入検知部30は、磁気カード100と接触することで磁気カード100の挿入を検知する接触式のものであるため、上述のように磁気カードリーダ装置1をより一層簡単な構成とすることができるが、例えば光学式センサなどの非接触式の検知部によって磁気カード100の挿入を検知する構成を採用することも可能である。
【0037】
また、本実施の形態では、挿入検知部30は、スリット51の入口側に配置されているが、スリット51の出口側に配置されていてもよく、磁気カード100が挿入されたことを検知できればよい。
【0038】
なお、挿入検知部30をスリット51の入口側に配置した場合には、磁気カード100が挿入された直後に当該磁気カード100と磁気ヘッド10との間隔を増減させることになるが、スリット51の出口側に配置した場合には、次に挿入されてくる磁気カード100と磁気ヘッド10との間隔を増減させることになる。
【0039】
<他の実施の形態>
図5及び図6は、本発明の他の実施の形態に係る磁気カードリーダ装置201の内部構造を透視的に示す平面図である。
【0040】
本実施の形態の磁気カードリーダ装置201は、磁気ヘッド10と磁気カード100との間隔を増減させる間隔増減湯駆動部が、カードガイド部ではなく磁気ヘッド(磁気データ読取り部)10を移動させるヘッド用駆動部(読取り部用駆動部)210である点、及び、カードガイド部を省略した点(図8の変形例ではカードガイド部(ガイド部材221〜224)を配置)において上述の一実施の形態の磁気カードリーダ装置1と主に相違し、その他の点は概ね同様である。そのため、同様の構成には同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0041】
図5および図6に示す磁気カードリーダ装置201は、磁気データ読取り部としての2つの磁気ヘッド10,10と、挿入検知部30と、筐体50と、読取り部用駆動部(間隔増減用駆動部)としての2つのヘッド用駆動部210,210と、を備える。
【0042】
ヘッド用駆動部210,210は、上述の一実施の形態のガイド部用駆動部40と同様に例えばソレノイド及びプランジャであり、筐体50の内部に配置されている。
ヘッド用駆動部210,210は、挿入検知部30により磁気カード100の挿入が検知されることで、磁気ヘッド10,10を押し引きし、磁気ヘッド10,10を、磁気カード100との間隔(G21,G22)が互いに異なる第1の位置P21(図5参照)と第2の位置P22(図6参照)との間で往復移動させる。
【0043】
なお、磁気カード100の磁気ストライプ110は図5の右側に形成されているため、右側の磁気ヘッド10が図5に実線で示すように第1の位置P21にあるときの磁気カード100との間隔G21は、図6に実線(図1に二点鎖線)で示す第2の位置P22にあるときの間隔G22よりも狭い。
【0044】
図7(本実施の形態の第1変形例)に示すように、磁気ヘッド10,10は、磁気カード100の挿入が挿入検知部30により検知されたときに、基準位置P31から、この基準位置P31よりも磁気ヘッド10と磁気カード100との間隔(G31)が広くなる位置P32及びこの間隔(G31)が狭くなる位置P33のうち一方に移動させ、次に磁気カード100の挿入が検知されたときに、残る他方(位置P33又は位置P32)に移動させるようにしてもよい。
【0045】
その場合、1つ前の磁気カード100の挿入を検知してから一定時間経過後に挿入される磁気カード100の磁気データを基準位置P31の磁気ヘッド10により読取ることができるように、上述の一実施の形態と同様の制御をヘッド用駆動部210,210について行うとよい。
【0046】
図8(本実施の形態の第2変形例)に示すように、磁気カード100をガイドするカードガイド部としてのガイド部材221〜224を配置してもよい。本実施の形態のガイド部材221〜224は、筐体50に対し移動不能に固定されている。
【0047】
4つのガイド部材221〜224は、磁気ヘッド10よりもスリット51の入口側(図5及び図6の紙面上側)においてスリット51を挟んで互いに対向するガイド部材221,222と、磁気ヘッド10よりもスリット51の出口側(図5及び図6の紙面下側)においてスリット51を挟んで互いに対向するガイド部材223,224と、である。
【0048】
ガイド部材221〜224は、例えば、鉛直方向に延びる回転軸を中心に回転可能なローラであり、スリット51に挿入される磁気カード100をガイドする。
なお、本実施の形態のガイド部材221〜224は、2つずつ対向するように配置されているため、磁気カード100の挿入ルートを確実に規定することができる。磁気カード100の挿入ルートは、図8の例ではスリット51の真ん中を通っている。
【0049】
以上説明した本実施の形態では、ヘッド用駆動部210は、挿入検知部30により磁気カード100の挿入が検知されることで、磁気ヘッド10を、磁気カード100との間隔G21,G22を増減させる方向に移動させる。
【0050】
そのため、磁気ヘッド10と磁気カード100との間隔が狭い状態(間隔G21)では磁気ヘッド10で検出する磁気レベルが高まり、磁気レベルが低い減磁した磁気カード100であっても読取りやすくなる。また、上記の間隔が広い状態(間隔G22)では磁気ヘッド10で検出する磁気レベルが弱まり、磁気データの歪による影響を防ぐことができる。
【0051】
また、ヘッド用駆動部210は、挿入検知部30により磁気カード100の挿入が検知されることで、磁気ヘッド10と磁気カード100との間隔G1,G2を増減させるため、磁気カードリーダ装置201を簡単な構成とすることができる。
【0052】
よって、本実施の形態によっても、上述の一実施の形態と同様に、簡単な構成で磁気カード100の読取り不良の発生を抑えることができる。
また、本実施の形態では、ヘッド用駆動部210は、磁気カード100の挿入が検知される度に、磁気ヘッド10を移動させる。そのため、より一層簡単な構成で磁気カード100の読取り不良の発生を抑えることができる。
【0053】
また、本実施の形態では、ヘッド用駆動部210は、磁気ヘッド10を、磁気カード100との間隔が互いに異なる第1の位置P21(間隔G21)と第2の位置P22(間隔G22)との間で往復移動させる。そのため、より一層簡単な構成で磁気カード100の読取り不良の発生を抑えることができる。
【0054】
また、本実施の形態の図7に示す変形例では、ヘッド用駆動部210は、磁気ヘッド10を、磁気カード100の挿入が検知されたときに、基準位置P31から基準位置P31よりも磁気ヘッド10と磁気カード100との間隔が広くなる位置P32及びこの間隔が狭くなる位置P33のうち一方に移動させ、次に磁気カード100の挿入が検知されたときに、残る他方(位置P32又は位置P33)に移動させる。
【0055】
そのため、減磁した磁気カード100と磁気データに歪のある磁気カード100との両方を読み取りやすい位置を基準位置P31として設定することで、この基準位置で磁気データを読取れる磁気カード100についてはすぐに磁気データを読取ることができる。また、基準位置P31で磁気データを読取れない磁気カード100については、上記の間隔を狭くしたり広くしたりするように磁気ヘッド10を移動させることで上述のように磁気データを読取りやすくし、読取り不良の発生をより一層抑えることができる。
【0056】
また、本実施の形態においても、挿入検知部30は、磁気カード100と接触することで磁気カード100の挿入を検知する。そのため、簡単な制御で磁気ヘッド10を移動させることができ、したがって、磁気カードリーダ装置201を、より一層簡単な構成とすることができる。
【0057】
また、本実施の形態では、磁気カードリーダ装置201は、磁気カード100をガイドするカードガイド部(ガイド部材221〜224)を備える。そのため、磁気カード100をガイド部材221〜224によりガイドすることで磁気ヘッド10と磁気カード100との間隔を安定させることができ、したがって、磁気カード100の読取り不良の発生をより一層抑えることができる。
【0058】
なお、本実施の形態では、2つの磁気ヘッド10、10及び2つのヘッド用駆動部210,210をスリット51を挟んで互いに対向するように配置しているため、磁気カード100の表裏がどちら側で挿入されても、磁気カード100の磁気ストライプ110から磁気データを読取ることが可能となっている。そのため、磁気カード100の表裏の挿入方向を一方に限定すれば、磁気ヘッド10,10及びヘッド用駆動部210,210は1つずつ配置するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0059】
1 磁気カードリーダ装置
10 磁気ヘッド
20 カードガイド部
21〜24 ガイド部材
25 プレート
30 挿入検知部
40 ガイド部用駆動部
50 筐体
51 スリット
100 磁気カード
110 磁気ストライプ
201 磁気カードリーダ装置
210 ヘッド用駆動部
221〜224 ガイド部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
磁気カードの磁気データを読取る磁気データ読取り部と、
前記磁気カードの挿入を検知する挿入検知部と、
前記挿入検知部により前記磁気カードの挿入が検知されると、前記磁気データ読取り部と前記磁気カードとの間隔を増減させる間隔増減用駆動部と、
を備えることを特徴とする磁気カードリーダ装置。
【請求項2】
前記磁気カードをガイドするカードガイド部を更に備え、
前記間隔増減用駆動部は、前記カードガイド部を移動させ、前記磁気データ読取り部と前記磁気カードとの間隔を増減させるガイド部用駆動部である、
ことを特徴とする請求項1記載の磁気カードリーダ装置。
【請求項3】
前記ガイド部用駆動部は、前記磁気カードの挿入が検知される度に、前記カードガイド部を移動させることを特徴とする請求項2記載の磁気カードリーダ装置。
【請求項4】
前記ガイド部用駆動部は、前記カードガイド部を、前記磁気データ読取り部と前記磁気カードとの間隔が互いに異なる第1の位置と第2の位置との間で往復移動させることを特徴とする請求項2記載の磁気カードリーダ装置。
【請求項5】
前記ガイド部用駆動部は、前記カードガイド部を、前記磁気カードの挿入が検知されたときに、基準位置から該基準位置よりも前記磁気データ読取り部と前記磁気カードとの間隔が広くなる位置及び該間隔が狭くなる位置のうち一方に移動させ、次に前記磁気カードの挿入が検知されたときに、残る他方に移動させることを特徴とする請求項2記載の磁気カードリーダ装置。
【請求項6】
前記間隔増減用駆動部は、前記磁気データ読取り部を移動させることで、該磁気データ読取り部と前記磁気カードとの間隔を増減させる読取り部用駆動部であることを特徴とする請求項1記載の磁気カードリーダ装置。
【請求項7】
前記読取り部用駆動部は、前記磁気カードの挿入が検知される度に、前記時期データ読取り部を移動させることを特徴とする請求項6記載の磁気カードリーダ装置。
【請求項8】
前記読取り部用駆動部は、前記磁気データ読取り部を、前記磁気カードとの間隔が互いに異なる第1の位置と第2の位置との間で往復移動させることを特徴とする請求項6記載の磁気カードリーダ装置。
【請求項9】
前記読取り部用駆動部は、前記磁気データ読取り部を、前記磁気カードの挿入が検知されたときに、基準位置から該基準位置よりも前記磁気データ読取り部と前記磁気カードとの間隔が広くなる位置及び該間隔が狭くなる位置のうち一方に移動させ、次に前記磁気カードの挿入が検知されたときに、残る他方に移動させることを特徴とする請求項6記載の磁気カードリーダ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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