説明

磁気カード及びカードリーダ

【課題】 従来の磁気カード及びカードライタでは磁気カードの磁気のレベルが低下して、読取不能となった場合、磁気カードとカードライタのどちらに障害の原因があるのか把握しずらい。
【解決手段】 磁気カードの表面に情報表示部を設け、磁気カードの磁気のレベルが低下していることを検出すると、当該情報表示部に磁気が劣化していている旨を印刷し使用者に通知する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、磁気記録部を有する媒体を外部から取り込んで該磁気記録部に記録されているデータを処理する装置において、媒体の磁気等の低下を使用者に通知する手段を有するものに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、顧客の多様なサービスのニーズに答えるために、各種カードを使用した取引が盛んになってきているが、その中でも磁気カードを利用したサービスの提供は代表的なものとして挙げられる。磁気カードを使ったサービスの提供では、カード所持者が所持している磁気カードを対象施設の入り口付近に設置されたカードリーダに挿入して、磁気カードを読み取り、該磁気カードに記録されたカード所持者に関するデータを照合することによりカード所持者が予め登録された者であることが認められれば、所定のサービスが開始される。このような一般的なカードリーダでは、装置前面に設けられた挿入口からカードを受け入れ、搬送ローラ等により、カードを装置内部の搬送路上を移動させた後、磁気ヘッドの対面に磁気カードの磁気ストライプを位置付けて情報を読み取る。
【特許文献1】特開平06−259640号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記したようなカードリーダにおいて磁気カードを使用する場合は、カードの度重なる使用により磁気が一定水準以下まで劣化すると、突然読めなくなるといったことがある。しかし、このような場合に磁気カードの磁気が劣化したことをカード使用者に直接通知する手段は一般に存在していない。そのため、使用者は自分の所持しているカードに何らかの原因があって読めなくなったのか、カードは正常であるにも拘らずカードリーダが故障したために読み取れなくなったのかが区別がつかず、結局カードリーダが不良であると考え、カードリーダの管理者に修理を依頼してしまうことも少なくない。
【0004】
しかしながら、実際にはカードリーダを修理する段階になって初めて、カード使用者が所持している磁気カードに磁気の劣化の問題が存在することが発覚して、カードリーダの修理に担当者が無駄に時間を浪費するといったことがあった。さらには、復旧が送れてカード使用者にも不快な思いをさせてしまう。また、近年では接触IC型磁気カードも普及してきているが、当該カードではICの読取回数に限度があり、使用者が知らず知らずの内に限度回数を越えて使用してしまい、読み取れなくなったことをカードリーダの故障と勘違いしてしまい、上記と同様の問題が生じることがある。このような課題についても、カードの使用限度が迫っているのかどうかを通知してくれる手段は存在しない。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の課題を解決するために、本発明では磁気ヘッドを有する磁気カードリーダに、磁気カードの磁気の劣化を検出する磁気劣化検出手段と、磁気カードの表面に印刷する文字情報を記憶する文字情報記憶手段とを備えた構造とし、磁気劣化検出手段によって検出された磁気カードの磁気の劣化の程度により、文字情報記憶手段に記憶された所定の文字データを選択して、磁気カードの表面に設けられたリライタブル素材からなる情報表示部に印字するようにした。また、IC記憶部を有する磁気カードから情報を読み込む磁気カードリーダに、IC記憶部の使用率を算出する使用率算出手段と、使用率に基づいて選択される文字情報を記録する文字情報記録手段とを設けて、使用率の程度により文字情報を選択して磁気カードの表面に印字するようにした。
【発明の効果】
【0006】
本発明では、磁気カードの表面に情報表示部を設け、磁気カードの磁気の劣化を示す情報を表示することにより使用者が速やかに所持している磁気カードの磁気不良を知ることができ、誤って装置管理者にカードリーダの修理を依頼してしまいカードリーダの修理に無駄に時間を浪費するといったことがなくなる。また、顧客にとっても不良なカードを直ちに交換、または磁気書き込みにより使用可能にすることができるので、正常な使用にスムーズに復帰することができる。また、顧客がカードを見るたびに注意や警告をする文言が目に入るので、カードが読取不良な状態であることをつい忘れてしまうといったことがなくなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下に本発明を実施するための最良の形態である実施例1及び2について順次説明する。
【実施例1】
【0008】
本発明の実施例1の磁気カードは、リライタブル素材からなる情報表示部をカードの表面に有しており、本実施例のカードリーダで読み取り動作を行うことにより、該情報表示部に情報を印字可能に構成されている。
【0009】
また、本発明の実施例1のカードリーダは、上記した本願発明の磁気カードを装置内に受け入れた後、カードの磁気のレベルを検出する磁気劣化検出部を有し、磁気の劣化が検出された場合、磁気の劣化のレベルによって所定の文字情報を磁気カードの情報表示部に印字するものである。
【0010】
(構成)
図3(a)及び(b)は本実施例に使用される磁気カード20Aの概観を示したものである。当該磁気カード20Aの表面には、磁気記憶部21が設けられている。磁気記憶部21には使用者に関する個人情報等が記録されている。本実施例の磁気カード20Aでは、情報表示部22を設けており、磁気カード20Aの読取異常時に使用者に注意または警告する文字情報をリライトヘッドにより情報表示部22に印刷する。情報表示部22はリライトヘッドの温度を調整して素材表面を加熱及び冷却することにより印字と消去を繰り返し行うことができるリライタブル素材から成っている。
【0011】
図1は本実施例のカードリーダ1の概観図であり、図2はカードリーダ1の装置の構成を説明する構成図である。カードリーダ1は、センサ2、搬送ローラ3、リライトヘッド4、磁気ヘッド5A、磁気劣化検出部6A、文字情報記憶部7、日時記憶部8からなり、これら構成は制御部9により制御されている。制御部9は、挿入口10に挿入された磁気カード20Aをセンサ2で検知すると、搬送ローラ3を回転させてカードリーダ1の内部に磁気カード20Aを取り込み、さらに搬送路11上を磁気カード20Aを移動させる制御を行う。リライトヘッド4は磁気カード20Aの情報表示部22に文字を印字する。磁気ヘッド5Aは磁気カード20Aの磁気記憶部21に記憶されている情報を読み取るものである。
【0012】
磁気劣化検出部6Aは磁気ヘッド5Aに接続することにより記録されている磁気の強度のレベルを検出することが出来る検出装置であり、磁気の強度のレベルを、例えば、磁気が全くない状態を0、最も強い状態を15とする0〜15の段階的な数値を出力する回路から構成される。日時記憶部8は、時計の機能を有するものであり、制御部9の指示により時間情報を出力するものである。
【0013】
文字情報記憶部7はメモリからなるデータ記憶領域であり、磁気劣化検出部6Aより検出された磁気の劣化の程度に応じて、「注意」「警告」の2通りの文字情報のデータを記憶するものである。
【0014】
「注意」の段階は、磁気記憶部21の読取は正常に行われたが磁気が正常な値より劣化しており、今後使用不能になる可能性があるため使用者に注意を促す段階を示す。そして、文字情報記憶部7に、「注意」の印字データとして、例えば「注意:お客様のカードは磁気レベルが低下しており、読取りが出来なくなる可能性があります。」等の注意を促す文言を文字情報記憶部7の所定のエリアに記憶しておく。
【0015】
また、「警告」の段階は、磁気記憶部21の磁気が完全に失われていて読取不可能であり、磁気カード20Aの更新を促す段階を示している。「警告」の状態では磁気カード20Aの磁気は完全に低下し磁気記憶部の読取が不可能となった場合に、磁気カード20Aの更新手続きを速やかに行うように使用者に促す為、文字情報記憶部7の所定エリアに「警告:お客様のカードは磁気が失われており読取不可能です。速やかに××課までカードをご持参願います。」といったような文字データを記憶しておく。
【0016】
また、本実施例のカードリーダ1では、内蔵された図示しないメモリに磁気が劣化しているどうかを判断する際に使用する磁気レベルの閾値を記録している。例えば、前述した磁気レベルの16段階の出力のうちで、経験的に決定した磁気レベル値(7程度)を閾値として記憶しておく。
【0017】
(動作)
本願発明の実施例1の動作について説明する。図4は本実施例の動作のフローチャートを示している。図中のS1〜S13は動作の各ステップを示している。以下、各ステップ毎に順に説明する。挿入口10にカード使用者が磁気カード20Aを挿入する(S1)と、センサ2が磁気カード20Aの存在を検出(S2)すると共に搬送制御部2の指令により搬送ローラ3が回転を開始し(S3)、これにより磁気カード20Aはカードリーダ1内の搬送路11上を移動して、所定の位置に位置付けられたことが確認されると、磁気ヘッド5Aにより磁気記憶部21の読取が行われる(S4)。また読取とほぼ同時に、磁気ヘッド5Aに接続された磁気劣化検出部6Aにより、現在読み取っている磁気記憶部21に書き込まれているデータの磁気レベルを測定する(S5)。磁気劣化検出部6Aにより出力された磁気レベルの値の信号は制御部9に送られる。
【0018】
このとき、制御部9は図示しないメモリに記録された磁気レベルの閾値を読み出した後、当該閾値と磁気劣化検出部6Aより出力された磁気レベルとを比較する(S6)。このとき、出力された磁気レベルが閾値より大きければ磁気は十分に強く磁気カード20Aの磁気は劣化しておらず、正常な状態であると判定し(S10)、既に読み出した磁気記憶部のデータを所定のメモリに格納した後、磁気カード20Aを挿入口10の方向に搬送して排出(S13)して使用者に返却する。そして使用者が正当な権限を有するものであることがデータの照合によって認められると各種サービスを開始する。
【0019】
S6において、測定された磁気レベルと読み出した閾値との大小を比較して、磁気レベルの値が読み出した閾値より小さい場合は、さらに磁気ヘッド5Aでのデータの読取状況により磁気カード20Aの状態を「注意」の必要な状態と、「警告」の必要な状態とに判別する(S7)。
【0020】
磁気ヘッド5Aでのデータ読み出しが正常に行われている場合は、磁気カード20Aの状態を「注意」と判定する。そして、搬送ローラを回転させて磁気カード20Aをリライトヘッド4の位置へ移動した後、制御部9は、所定のメモリ領域から「注意:お客様のカードは磁気レベルが低下しており、取引ができなくなる可能性があります。」等の「注意」を促す文字データを読み出して(S8)、リライトヘッド4に順次送ると共に、制御部8は日時記憶部10から、日時の情報を読み出して同じくリライトヘッド4に送る(S11)。
【0021】
そして、図3(a)に示すように、リライトヘッド4は受け取った「注意」の文字データを日時情報と共に磁気カード20Aの情報表示部22に印字する(S12)。 印字完了後、磁気カード20Aを挿入口10の方向に搬送して排出(S13)し使用者に返却する。読み取ったデータの照合によって使用者が正規の権限を有すると認められる所定のサービスが開始される。また、使用者は情報表示部22に印字された「注意」の内容を示す文字群を読み取るので磁気の劣化を把握し、次回のカード使用から注意を払うようになる。
【0022】
S7の処理において、磁気ヘッド5Aにおいて磁気記憶部21のデータが読み取れなかった場合は、この状態を「警告」と判定する。 そして、制御部9は、所定のメモリ領域に格納されている「警告:お客様のカードは磁気が失われており、取引ができません。××課までカードをご持参願います。」等の「警告」を促す文字データを読み出して(S9)、リライトヘッド4に順次送ると共に、制御部9は日時記憶部8から、日時情報を読み出して同じくリライトヘッド4に送る(S11)。そして、図3(b)に示すようにリライトヘッド4は受け取った「警告」の文字データを日時情報と共に磁気カード20Aの情報表示部22に印字する(S12)。その後、磁気カード20Aを挿入口10の方向に搬送して排出(S13)した後、使用者に返却する。この場合、磁気データは読み取れておらず、カードも無効な状態であるので使用者が目的とするサービスを開始しない。また、使用者は情報表示部22に印字された「警告」の内容を示す文字群を見て、「警告」に気づき、速やかに所管部門に赴き磁気カード20Aの磁気の復旧を依頼する。
【実施例2】
【0023】
以下に本発明の実施例2を説明する。本実施例は磁気カードの表面にIC部を有する接触IC型磁気カード(以下、ICカードと称す。)を用いた場合について、ICカードの情報表示部にIC部の使用状況を印字してカード使用者に通知するものである。
【0024】
(構成)
図7は本実施例に使用されるICカード20Bの概観を示したものである。ICカード20Bの表面には、磁気記憶部21及びIC部23が設けられている。磁気記憶部21及びIC部23には使用者に関する個人情報等が記録されている。また、実施例1と同様にリライタブル素材から成る情報表示部22を設けられている。IC部23には使用を開始してからの通算の使用回数と使用限度回数が内蔵された不揮発性メモリに記録格納されている。
【0025】
図5は実施例2のカードリーダ1の概観図であり、図6はカードリーダ1の構成を説明する構成図である。制御部9、搬送ローラ3、リライトヘッド4、ICリーダ5B、使用率算出部6B、文字情報記憶部7、日時記憶部8からなる。本実施例では、ICカード20Bの使用回数と使用限度回数から使用率を算出する使用率算出部6BとICリーダ5Bが設けられている点で実施例1の構成と異なる。ICリーダ5BはICカード20BのIC部23のカード使用者に関する情報と共に、IC部23の使用回数と使用限度回数を読み出して、該数値をカードリーダ1の図示しないメモリに記憶する。そしてIC部23は使用回数が使用限度回数に達すると読取を不可能とする構造となっている。日時記憶部8は、時計の機能を有するものであり、制御部9の指示に基づいて時間情報を出力する。
【0026】
使用率算出部6Bでは、IC部23から読み出した使用回数及び使用限度回数のデータを用いて、使用率(=(使用回数/使用限度回数)×100(%))を求め、該数値を所定のメモリに記録された閾値と比較することにより、ICカード20Bが、正常な状態であるか、「注意」又は「警告」を要する状態であるかを判定する。なお、「注意」は、カード20Bの読取は正常に行われたが、使用可能な残存回数が残り少なくなっており近い将来使用不能になると想定されるため使用者に注意を喚起する必要がある状態であり、「警告」は、使用回数が使用限度回数をに達しておりICカード20Bが使用不能であってICカード20Bの更新が必要な状態である。
【0027】
文字情報記憶部7はメモリから構成されたデータ記憶領域であり、使用者に通知する文言である「注意」「警告」の文字データを記録している。例えば、「注意」の段階の印字データとしては、「注意:お客様のカードは使用限度回数に近づいており、読取ができなくなる可能性があります。」等の注意を促す文言を記憶しておく。また、「警告」の段階では、ICカード20Bの使用限度回数を、オーバーして使用したためIC部の読取が不可能となった場合に、カードの更新手続きを速やかに行うように使用者に促す為、「警告:お客様のカードは使用限度回数を達しており、読取が出来ません。××課へカードをご持参願います。」等の警告文を登録しておく。
【0028】
(動作)
本願発明の実施例2の動作について説明する。図8は本実施例の動作のフローチャートを示している。図中のS21〜S33は動作の各ステップを示している。以下、各ステップ毎に順に説明する。挿入口10にカード使用者が自分の所持しているICカード20Bを挿入する(S21)と、図示しないセンサがICカード20Bの存在を検知(S22)すると共に制御部9の指令により搬送ローラ3が回転を開始する(S23)。これによりICカード20Bはカードリーダ1内の搬送路11上を移動して、所定の位置に位置付けられたことが確認されると、制御部9によりICリーダ5Bの読取が行われる(S24)。ICリーダ5BはIC部23から使用回数と使用限度回数を読み出し、制御部9を介して両回数のデータを使用率算出部6Bに送信する。使用率算出部6Bでは使用回数と使用限度回数とから使用率を算出する(S25)。そして、当該使用率の数値を図示しないメモリから読み出した閾値と比較する(S26)。なお、本実施例では該閾値を経験的に80%と設定している。算出された使用率が閾値で設定された80%より小さい場合は、「正常」と判定し(S30)、ICカード20Bの使用回数は十分であり使用上全く問題がないので、そのままICカード20Bを挿入口10の方向に搬送して排出した後、使用者に返却する(S33)。そして、ICカード20Bから読み取られたデータにより、使用者が目的とするサービスを享受する権限を有するものと判定されると各種サービスを開始する。
【0029】
使用率算出部で求められた使用率が閾値の80%より大きい場合は、さらに使用可能回数(=使用限度回数―使用回数)を求めて、該回数によりICカード20Bが「注意」と「警告」のいずれの状態であるかを判定する(S27)。
【0030】
使用可能回数が0でない場合は、「注意」の段階であると判定する。そして搬送ローラを回転させてICカード20Bをリライトヘッド4の位置へ移動させる。その後、制御部9より「注意」の閾値データに対応するメモリ領域に格納されている「注意:お客様のカードは使用限度回数に近づいており、読取ができなくなる可能性があります。」等の注意を促す文字データを読み出して(S28)、制御部9に順次送ると共に、制御部9は日時記憶部8から、日時の情報を読み出して同じくリライトヘッド4に送る(S31)。リライトヘッド4では受け取った「注意」の文字データを日時情報と共にICカード20Bの情報表示部22に印字する(S32)。
【0031】
印字完了後、ICカード20Bを挿入口10の方向に搬送して排出(S33)し使用者に返却した後、読み取ったデータの照合によって使用者が目的とするサービスを享受する権限を有することが認められると各種サービスが開始される。使用者は受け取ったICカード20Bの情報表示部22に「注意」の内容を示す文字群を読み取るので使用限度回数に近づいていることを把握する。
【0032】
S27の処理において、ICカード20Bの使用可能回数が0である場合は、「警告」と判定する。そしてメモリ領域に格納されている「警告:お客様のカードは使用限度回数を達しており、読取が出来ません。××課へカードをご持参願います。」等の警告文の文字データを読み出し(S29)、リライトヘッドに順次送ると共に、制御部9は日時記憶部8から日時情報を読み出してリライトヘッド4に送信する(S31)。リライトヘッド4は情報表示部22に警告の文字データと日時情報を印字(S32)し、ICカード20Bを挿入口10の方向に搬送して排出(S33)し使用者に返却する。この場合、ICカード20Bは無効な状態であるので使用者が目的とするサービスを開始しない。使用者はICカード20Bの情報表示部22に印字されたメッセージを読み取って、ICカード20Bの使用回数が使用限度回数に達したことを把握し、所管部門に赴きICカード20Bの復旧を依頼する。
上記した本発明の実施例2においては、「注意」と「警告」を、使用回数の残り数を基準に判定したが、実施例1のように、使用率が所定の閾値より小さい場合において、IC部の読取ができたか場合を「注意」とし、出来なかった場合は「警告」としてもよい。また、使用率の変わりに、使用回数に閾値を設定し、正常な状態と「注意」または「警告」が必要な状態を判別するようにしてもよい。
さらに、本発明の実施例1及び2は、以下のように変形した形態で実施することも可能である。すなわち、通知手段としては、カードの表面にリライタブル素材からなる情報表示部を設けるとしたが、これを他の手段に置き換えても良く、例えば、現金自動預入支払機等の装置での取引を想定した場合であれば、これら装置に備え付けられた顧客操作画面上に、「注意」又は「警告」の文言を表示するようにしてもよい。また、磁気カードの場合は磁気の劣化のレベルの数値をカードの表面のみならず、前記した顧客操作画面上に表示するようにしてもよい。接触ICカードを使用する場合においては、使用率の情報もカードの表面や顧客操作画面上に表示するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の実施例1のカードリーダ1の概観図である。
【図2】本発明の実施例1のカードリーダ1の構成図である。
【図3】本発明の実施例1の磁気カードの概観図である。
【図4】本発明に実施例1の動作のフローチャート図である。
【図5】本発明の実施例2のカードリーダ1の概観図である。
【図6】本発明の実施例2のカードリーダ1の構成図である。
【図7】本発明の実施例2のICカードの概観図である。
【図8】本発明の実施例2の動作のフローチャート図である。
【符号の説明】
【0034】
1 カードリーダ
6A 磁気劣化検出部
6B 使用率算出部
7 文字情報記憶部
8 日時記憶部
20A 磁気カード
20B ICカード

【特許請求の範囲】
【請求項1】
磁気ヘッドを有するカードリーダに挿入することにより、
情報を書き込み可能な磁気記憶部を有する磁気カードにおいて、
前記磁気カードの表面に情報表示部を設け、前記情報表示部に
磁気記憶部の磁気の劣化を示す情報を表示することを特徴とする磁気カード。
【請求項2】
磁気カードの磁気記憶部から情報を読み込む磁気カードリーダにおいて、
前記磁気記憶部の磁気の劣化を検出する磁気劣化検出手段と、
前記磁気劣化検出手段により検出された磁気の劣化のレベルにより選択される文字情報を記録する文字情報記録手段と、
前記文字情報を磁気カードに印字する印字手段とを設けたことを特徴とする磁気カードリーダ。
【請求項3】
IC記憶部を有する磁気カードから情報を読み込む磁気カードリーダにおいて、
前記IC記憶部の使用率を算出する使用率算出手段と、
前記使用率に基づいて選択される文字情報を記録する文字情報記録手段と、
前記文字情報を磁気カードに印字する印字手段とを設けたことを特徴とする磁気カードリーダ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−338404(P2006−338404A)
【公開日】平成18年12月14日(2006.12.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−163164(P2005−163164)
【出願日】平成17年6月2日(2005.6.2)
【出願人】(000000295)沖電気工業株式会社 (6,645)
【出願人】(591089556)株式会社 沖情報システムズ (276)
【Fターム(参考)】