説明

磁気キップ用紙及びその製造方法

【課題】 打抜き時や断裁時に発生する紙紛が少ないだけでなく、雨水や高湿度下に晒されてもカールやボコツキ等の変形を生じ難い、磁気キップ用紙、及び該用紙の製造方法を提供する。
【解決手段】 木材パルプを用いてなる原紙に樹脂組成物を含浸させてなる磁気キップ用紙、及び、該用紙の製造方法。前記木材パルプの濾水度はCSFで250ml〜450mlであり、前記樹脂組成物中には、バインダー100質量部に対し撥水剤が25質量部〜100質量部含有されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、磁気記録層を有する航空券、高速道路通行券、駐車券等に用いられる、磁気キップ用紙及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
自動改札に対応するための航空券、高速道路通行券、駐車券等は、発券機や読み取り機の磁気ヘッドによって情報が書き込まれたり読み取られるように、磁気キップ用紙の片面には、磁気記録層が塗布されている。
【0003】
磁気キップ用紙は、大径、広幅の巻取りから、断裁や打抜きの工程、及び磁気記録層の塗布工程を経て、最終的にクレジットカード大の大きさにされ、磁気キップとして使用される。この場合、断裁時や打抜き時に紙紛が発生すると、紙紛が磁気記録層や券表面に付着し、これが更に磁気ヘッド部分にも付着するために、書き込みや読み込みのエラーが発生し易くなる。
【0004】
また、磁気キップ用紙の撥水性が劣ると、雨や高湿度の雰囲気に晒された場合、券にカールやボコツキが生じ、券が磁気ヘッドを通過する時に、磁気記録層部がヘッドに均一に接触し難くなり、書き込みや読み込みのエラーが発生し易くなるので好ましくない。
【0005】
これらの問題を解決すべく、原紙に撥水剤を5質量%以上含有させて磁気出力のバラツキを減少させた磁気券シート(特許文献1)、磁気塗工層の配向を、原紙の走行方向に対して特定化することによってカールを抑制した磁気記録シート(特許文献2)、原紙の坪量、引張り強さの縦横比を特定化することによって、断裁やカット適性を最適化した情報記録紙(特許文献3)、原紙の坪量、密度、水浸漬後の縦方向のコワサを特定化することによって、券のボコツキを改善した磁気記録紙(特許文献4)、原紙のパルプ配合、層間強度、密度、坪量、灰分を特定化することにより、券のボコツキ、カット適性、走行性、折り適性を最適化した磁気記録紙(特許文献5)等が開示されているが、紙紛の抑制とボコツキの防止とを同時に満足させることのできるものは未だ知られていない。
【特許文献1】特許第3268059号公報
【特許文献2】特開平10−2080240号公報
【特許文献3】特開2001−288699号公報
【特許文献4】特開2002−269726号公報
【特許文献5】特開2004−1258号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従って本発明の第1の目的は、打抜き時や断裁時における紙紛の発生が少なく、発券機内の磁気ヘッドへの紙粉の付着による、書き込みエラーや読み込みエラーの発生を防止することができるだけでなく、雨水や高湿度下に晒されてもカールやボコツキ等の変形が生じ難く、接触不良による書き込みエラーや読み込みエラーの発生が生じ難い、片面に帯状の磁気記録層を有する航空券、高速道路通行券、駐車券等に用いる、磁気キップ用紙を提供することにある。
本発明の第2の目的は、接触不良による書き込みエラーや読み込みエラーの発生が生じ難い、片面に帯状の磁気記録層を有する航空券、高速道路通行券、駐車券等に用いる、磁気キップ用紙の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、断裁時や打抜き時に紙紛が発生し難く、ボコツキやカール等の変形が少ない磁気キップ用紙の開発を鋭意検討した結果、特定範囲の濾水度を有する木材パルプを用いてなる原紙表面に、バインダーと共に一定量の撥水剤を含有する樹脂組成物を含浸させた場合には、裁断時に紙紛の発生が少なく、且つ撥水性が良好で、水分に晒されたときのボコツキやカール等の変形が少ないことを見出し、本発明に到達した。
即ち本発明は、濾水度がCSF250ml〜450mlの木材パルプを用いてなる原紙の少なくとも一方の表面に、樹脂組成物を含有する塗工液を塗布し、前記樹脂組成物を前記原紙中に含浸させてなる磁気キップ用紙であって、前記樹脂組成物が少なくともバインダー及び撥水剤を含有すると共に、該バインダー/該撥水剤の質量比が1/4〜1/1であることを特徴とする磁気キップ用紙である。
【発明の効果】
【0008】
本発明の磁気キップ用紙は、打抜き時や断裁時における紙紛の発生が少ない上、撥水性が良好であるため、磁気記録層を塗布して使用する際に、発券機内において磁気ヘッドへの紙粉の付着による書き込みエラーや読み込みエラーの発生を防止することができる。また、雨水や高湿度下に晒されてもカールやボコツキ等の変形が生じ難く、磁気ヘッドとの接触不良による書き込みエラー、読み込みエラーの発生を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明の磁気キップ用紙は、本質的に、木材パルプを用いた原紙及び樹脂組成物からなる。上記木材パルプの濾水度は、紙紛、及びカールやボコツキを抑制する観点から、CSF250ml〜450mlの範囲であることが必須である。パルプの濾水度が250ml未満であると、繊維間の結合強度が高くなるので紙紛は少なくなる傾向となるが、カールやボコツキが発生し易くなるので好ましくない。また、濾水度がCSF450mlを超えると、カールやボコツキは減少するが、紙紛が発生し易くなるので好ましくない。
【0010】
原料パルプとしては、LBKPやNBKP等の木材パルプが、性能及びコスト面から有利である。なお、2種以上のパルプを混合する場合は、混合後の濾水度がCSF250ml〜450mlの範囲であればよい。例えば、一方のパルプの濾水度が250ml未満、もう一方のパルプの濾水度が450mlを超えている場合であっても、混合後の濾水度がCSF250ml〜450mlの範囲に入ればよい。また、性能に影響を与えない範囲で竹パルプ、靭皮パルプ、コットンリンターパルプ等の非木材パルプ、ポリエチレン繊維やポリエステル繊維等の合成繊維パルプを併用することも可能である。
【0011】
本発明においては、カールやボコツキ及び紙紛の発生を抑制するために、上記原紙に樹脂組成物を含む塗工液を塗布する。該樹脂組成物は、バインダーと、該バインダー100質量部に対して25質量部〜100質量部の撥水剤を含有することが必須である。撥水剤がバインダー100質量部に対して25質量部未満であると撥水性が劣り、カールやボコツキが生じ易くなる。一方、撥水剤が100質量部を超えると樹脂組成物中のバインダーの比率が下がるので紙紛が発生し易くなる。
【0012】
樹脂組成物中のバインダー成分としては、アクリル系共重合体、アクリル−スチレン系共重合体等の共重合体、自己架橋型アクリル系共重合体等の水溶液、水分散性アクリル系樹脂等のアクリル系樹脂を、単独あるいは2種以上混合して使用することが好ましい。
具体的にはスチレンあるいはスチレン誘導体と、アクリル酸(メタクリル酸)、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル等のアクリル酸エステルや、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル等のメタクリル酸エステルとのアクリル系共重合物等が挙げられる。
【0013】
また、バインダーとして使用する樹脂のガラス転移温度は20℃以上であることが好ましい。ガラス転移温度が20℃以上であれば、紙紛発生の抑制効果が維持されると共に、再生時の離解工程において、機械的剪断力により細かく粉砕することができる。また、粘着性が無いので、分離した繊維が再凝集したり、抄紙時にウェットプレスロールやドライヤー表面に付着してマシンを汚すというトラブルも無い。
一方、ガラス転移温度が20℃未満であると樹脂が柔らかくなり過ぎるため、紙紛抑制効果は良くなる傾向であるが、紙が柔らかくなってブロッキングし易くなる上、樹脂の粘着性が増すために、再生工程における離解が困難となるので好ましくない。
【0014】
本発明で使用する樹脂組成物中の撥水成分としては、パラフィン系ワックス、石油系ワックス、動植物系ワックス等のワックス系撥水剤が、撥水性の発現性やコストのバランスの観点から好適である。また、紙紛発生の抑制や撥水性に影響を及ぼさない範囲で、塗液中に、シリコーン系及び/又はフッ素系の撥水剤、表面サイズ剤、染料、消泡剤、粘度調整剤等を適宜添加することが可能である。
【0015】
樹脂組成物の含有量は、紙紛発生の抑制や撥水性を良好に保つため、原紙に対して2.5質量%〜10質量%であることが好ましい。2.5質量%未満であると、目標とする紙紛抑制効果が得られない。一方、10質量%を超えると樹脂分であるバインダー成分が多くなるので、再生性が得られなくなる。
【0016】
本発明の磁気キップ用紙は、紙紛の発生を抑制する観点から填料を含有しないことが好ましい。炭酸カルシウム、酸化チタン、タルク等の填料は、それ自体の結合強度が著しく低いので、打抜き時や断裁時に脱落し易い。また、填料がパルプ繊維間に存在すると繊維間結合力が低下するので、これによってパルプ繊維や填料が脱落し易くなり、紙紛発生の原因となる。
【0017】
本発明の磁気キップ用紙においては、樹脂組成物を含有する塗工液を紙層に均一に浸透させるために、塗工液を含浸させる前の原紙のステキヒトサイズ度を30秒以下とすることが好ましい。ステキヒトサイズ度が30秒を超えると、塗工液が紙層内部まで浸透し難くなり、紙層に不均一に浸透するため、均一に浸透した場合より紙紛の発生やボコツキが生じやすくなる上、カール等の変形が生じ易くなる。
【0018】
本発明の磁気キップ用紙においては、内添サイズ剤を添加しなくても良く、ステキヒトサイズ度を30秒以下に調整することができる限り、内添サイズ剤の添加は任意である。内添サイズ剤としては、一般的なロジンサイズ(酸性抄き)、アルキルケテンダイマー、アルケニル無水コハク酸、中性ロジン(以上中性抄き)等が使用可能である。
また、紙紛の発生、及びボコツキやカール等の発生の防止性能に影響を与えない範囲で、定着剤、紙力向上剤、染料等を添加することが可能である。
【0019】
本発明の磁気キップ用紙の製造に際しては、原紙中に樹脂組成物を含有させるために、樹脂組成物を含有する塗工液を原紙に塗工する。塗工方法としては、抄紙機上のサイズプレス、ゲートロールコーター、ブレードコーター、エアーナイフコーター、バーコーター等の一般的塗工機を使用することが可能であるが、特にサイズプレスを使用することが好適である。また、製紙後の後処理で、上記塗工機によって塗工することも可能である。
以下に、実施例によって本発明を更に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
【実施例1】
【0020】
針葉樹晒クラフトパルプ(以下「NBKP」とする。濾水度CSF500ml)が20質量%、広葉樹晒クラフトパルプ(以下「LBKP」とする。濾水度CSF250ml)が80質量%となるように混合し、混合濾水度がCSF300mlのパルプ原料を作製した。
【0021】
このパルプスラリー中に、内添薬品としてパルプ100質量部に対して硫酸バンドを1.5質量部、湿潤紙力剤(商品名:AF−255、荒川化学工業(株)製)を0.1質量部となるように添加し、長網抄紙機により抄紙して原紙とした後、サイズプレスによって、下記の樹脂組成物を含有する塗工液を塗布した。
サイズプレス前の原紙のステキヒトサイズ度は0秒であった。
【0022】
前記塗工液(以下「樹脂組成物液」とする。)は、バインダーとしてスチレン・アクリル系樹脂(サイデン化学(株)製の商品名:EK−61、ガラス転移温度24℃)を60質量部、酸化澱粉を40質量部、撥水剤としてパラフィン系ワックス(中京油脂(株)製の商品名:H620、)を50質量部含み、固形分濃度を12質量%としたものである。
得られた磁気キップ用紙の坪量は160g/m、厚さは190μm、樹脂組成物の含有率は固形分で9質量%であった。この試料について以下に記載する方法により、紙紛、カール及びボコツキを測定した。結果は表1に示した通りである。
【0023】
(1)紙紛の測定:
クリーンルーム内に設置したパーティクルカウンターにより、縦方向5cm幅にカットした試料を横方向に10回引き裂き、このときに発生した5μm以上の紙紛の個数を測定した。この場合、評価基準を、紙紛の個数が200個/0.01cf以下であれば発券機などの磁気ヘッドにおけるエラーの問題がないレベルとし、200個未満を○、200個を超える場合を×とした。
【0024】
(2)カール及びボコツキの測定:
クレジットカード大(縦85mm×横57mm)に裁断した試料を標準状態で調湿した後、純水に30秒間浸漬した。次いで純水から取り出し、直ちに表面の水分を乾いたペーパータオルでふき取り、23℃、50%RHの雰囲気で2時間放置した後、カールやボコツキ等の変形度合いを目視によって観察し、変形が少ない場合を○、変形が大きい場合を×とした。
【0025】
(3)再生性の測定:
試料を1cm角に裁断し、2質量%濃度で、2Lの試料を、Tappi標準離解機により20分間離解処理し、その時の離解の程度を目視観察し、下記の基準で評価した。
評価基準 ○:離解性良好、△:一部未離解物が残る、×:離解不能
【実施例2】
【0026】
NBKPが20質量%、LBKPが80質量%となるように混合した後叩解し、濾水度350mlのパルプ原料を作製した。このパルプ原料を用い、実施例1と同様にして磁気キップ用紙を作製した。内添薬品としてロジンサイズ剤を0.1質量%添加し、樹脂組成物の固形分濃度を15%とした。なお、サイズプレス前の原紙のステキヒトサイズ度は10秒であった。
得られた磁気キップ用紙の坪量は160g/m、厚さは190μm、樹脂組成物の含有率は固形分で7質量%であった。この試料について実施例1と同様に評価を行い、結果を表1に示した。
【0027】
[比較例1]
LBKP(ロ水度200ml)が90質量%、NBKP(ロ水度200ml)が10質量%となるように混合し、混合濾水度を200mlとしたこと以外は実施例1と同様にして磁気キップ用紙を作製した。得られた磁気キップ用紙の坪量は160g/m、厚さは190μm、樹脂組成物の含有率は固形分で9質量%であった。この試料について実施例1と同様に評価を行い、結果を表1に示した。
【0028】
[比較例2]
パルプの濾水度を500mlとしたこと以外は、実施例2と同様にして磁気キップ用紙を作製した。得られた磁気キップ用紙の坪量は160g/m、厚さは190μm、樹脂組成物の含有率は固形分で7質量%であった。この試料について実施例1と同様に評価を行い、結果を表1に示した。
【0029】
[比較例3]
填料としてタルクを、紙中含量が15質量%になるように添加したこと以外は、実施例1と同様にして磁気キップ用紙を作製した。得られた磁気キップ用紙の坪量は160g/m、厚さは190μm、樹脂組成物の含有率は固形分で9質量%であった。この試料について実施例1と同様に評価を行い、結果を表1に示した。
【0030】
[比較例4]
ロジンサイズ剤を1質量%となるように添加したこと以外は、実施例1と同様にして磁気キップ用紙を作製した。サイズプレス前の原紙のステキヒトサイズ度は100秒であった。得られた磁気キップ用紙の坪量は160g/m、厚さは190μm、樹脂組成物の含有率は固形分で5質量%であった。この試料について実施例1と同様に評価を行い、結果を表1に示した。
【0031】
[比較例5]
樹脂組成物液中のワックスの配合を10質量部としたこと以外は、実施例1と同様にして磁気キップ用紙を作製した。得られた磁気キップ用紙の坪量は160g/m、厚さは190μm、樹脂組成物の含有率は固形分で9質量%であった。この試料について実施例1と同様に評価を行い、結果を表1に示した。
【0032】
[比較例6]
樹脂組成物液中のワックスの配合を200質量部としたこと以外は、実施例1と同様にして磁気キップ用紙を作製した。得られた磁気キップ用紙の坪量は160g/m、厚さは190μm、樹脂組成物の含有率は固形分で19質量%であった。この試料について実施例1と同様に評価を行い、結果を表1に示した。
【0033】
[比較例7]
樹脂組成物液液中のバインダーとしてアクリル系樹脂(商品名:A4100、日本エムエスシー(株)製、ガラス転移温度5℃)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして磁気キップ用紙を作製した。得られた磁気キップ用紙の坪量は160g/m、厚さは190μm、樹脂組成物の含有率は固形分で9質量%であった。この試料について実施例1と同様に評価を行い、結果を表1に示した。
【0034】
[比較例8]
樹脂組成物液の固形分濃度を2質量%としたこと以外は、実施例1と同様して磁気キップ用紙を作製した。得られた磁気キップ用紙の坪量は160g/m、厚さは190μm、樹脂組成物の含有率は固形分で1.5質量%であった。この試料について実施例1と同様に評価を行い、結果を表1に示した。
【0035】
【表1】

【0036】
表1に示されるように、本発明の磁気記録原紙は、紙粉の発生量が少なく、カール及びボコツキが改善され、再生性も良好であった。
【産業上の利用可能性】
【0037】
本発明の磁気キップ用紙は、打抜き時や断裁時の紙紛の発生が少ない上、撥水性が良好であるので、雨水や高湿度下に晒されてもカールやボコツキ等の変形が生じ難い。これによって、発券機内における磁気ヘッドへの紙粉の付着や磁気ヘッドとの接触不良による書き込みエラー、読み込みエラーの発生を防止することができる。従って、本発明の磁気キップ用紙は、磁気記録層を塗布して、航空券、高速道路通行券、駐車券等として利用するのに好適である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
濾水度がCSF250ml〜450mlの木材パルプを用いてなる原紙の、少なくとも一方の表面に樹脂組成物を含有する塗工液を塗布し、前記樹脂組成物を前記原紙中に含浸させてなる磁気キップ用紙であって、前記樹脂組成物が少なくともバインダー及び撥水剤を含有すると共に、該バインダー/該撥水剤の質量比が1/4〜1/1であることを特徴とする磁気キップ用紙。
【請求項2】
前記バインダーの少なくとも1部が、ガラス転移温度が20℃以上のアクリル系樹脂である、請求項1に記載された磁気キップ用紙。
【請求項3】
前記撥水剤がワックス系樹脂である、請求項1又は2に記載された磁気キップ用紙。
【請求項4】
前記樹脂組成物の含有量が前記原紙に対して2.5質量%〜10質量%である、請求項1〜3のいずれかに記載された磁気キップ用紙。
【請求項5】
前記原紙が填料を含有しない、請求項1〜4のいずれかに記載された磁気キップ用紙。
【請求項6】
前記原紙のステキヒトサイズ度が30秒以下である、請求項1〜5のいずれかに記載された磁気キップ用紙。
【請求項7】
木材パルプを用いてなる原紙の少なくとも一方の表面に、樹脂組成物を含有する塗工液を塗工する工程を含む磁気キップ用紙の製造方法であって、前記木材パルプとして濾水度がCSF250ml〜450mlの木材パルプを用い、前記原紙としてステキヒトサイズ度が30秒以下の原紙を用いると共に、前記樹脂組成物として、少なくともバインダー及び撥水剤を含有し、該バインダー/該撥水剤の質量比が1/4〜1/1である樹脂組成物を使用することを特徴とする磁気キップ用紙の製造方法。

【公開番号】特開2006−274458(P2006−274458A)
【公開日】平成18年10月12日(2006.10.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−91210(P2005−91210)
【出願日】平成17年3月28日(2005.3.28)
【出願人】(000183484)日本製紙株式会社 (981)
【Fターム(参考)】