磁気センサ
磁束(50)は、車両ボディ/構造の2つの部分の間(26−60;26−40;38−42)の第1の場所(20.1、20.2)における間隙(54)内で検知され、それらに応答して生成される信号は、車両(12)の要素(62)を制御し、磁束(50)は、車両ボディ/構造(26、38)の外乱に応答性を有する。一態様において、この第1の場所は、Aピラー(60)、Bピラー(40)またはCピラー(42)に近接する。別の態様において、磁束(50)の少なくとも一部分は、異なる第2の場所(16、16’)におけるコイル(14、66、14’)によって生成される。間隙コイル(74)は、磁束(50)を生成または検知するために、車両ボディ/構造の部分間(26,60;26,40;38,42)の間隙(54)内に配置される。様々な方位の複数の間隙コイル(74、100)が、多軸感度をもたらす。別の観点では、磁気式衝突検知システム(10.1、10.2、10.3、10.4)は、第1の場所(16、16’)に第1のコイル(14、14’、66)と、複数の対応する第2の場所(20.1、20.2、20.1’、20.1’’、20.1’’’、20.1’’’’、20.2’’’’)に複数の磁気センサ(18.1、18.2、18.3、18.3’、18.3’’)を含む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
実施態様の説明
図1を参照すると、車両12に組み込まれた磁気式衝突検知システム10.1の第1の態様は、車両12の対応する第1の場所16における第1のコイル14と、車両12の対応する複数の第2の場所20.1、20.2における複数の磁気センサ18.1、18.2とを含む。例えば、図1に示す第1の態様において、第1のコイル14は、フロントドア26のドアラッチアセンブリ24のストライカ22のまわりに位置し、磁気センサ18.1、18.2は、フロントドア26のヒンジ30のまわりの第2のコイル28、およびリアドア38のドアラッチアセンブリ36のストライカ34のまわりの第3コイルを備え、ここでフロントドア26のドアラッチアセンブリ24のストライカ22は、車両12のBピラー40に動作可能に結合されており、リアドア38のドアラッチアセンブリ36のストライカ34は、車両12のCピラー42に動作可能に結合されている。第1のコイル14は、コイルドライバ44に動作可能に結合され、このコイルドライバ44は、発振器46に動作可能に結合されており、ここで、発振器46からの発振信号が、コイルドライバ44によって送られて、第1のコイル14に関連する電流を生じさせ、それに応答して、第1のコイル14は、関連する第1の磁気回路52.1および第2の磁気回路52.2に、磁束50を含む磁界48を生成する。
【0002】
第2コイル28および第3のコイル32は、関連する第1の磁気回路52.1および第2の磁気回路52.2の金属要素を包囲し、磁束50は、第1の磁気回路52.1および第2の磁気回路52.2の関連する透磁性材料中を伝播して、関連する透磁性材料を包囲する第2のコイル28および第3のコイル32を通過して流れる。第2のコイル28および第3のコイル32は、ファラデーの磁気誘導の法則に従って、第2のコイル28および第3のコイル32の軸に沿って、それぞれ誘導される発振磁束50、またはその成分に応答して、電圧信号を生成する。ヒンジ30およびドアラッチアセンブリ24、36が、比較的低い磁気抵抗経路をその間にもたらす場所を除いて、ドア24、38は、車両12の残部、例えばフレームから、その間にある間隙54によって絶縁されている。
【0003】
発振器46は、単一周波数であるか、またはステップ状、連続掃引、もしくは同時の複数周波数であって、例えば、正弦波形、方形波形、三角波形またはその他の波形形状のいずれかを有する、発振信号を生成する。この周波数は、結果として得られる磁界48が、第1の磁気回路52.1および第2の磁気回路52.2を通過して十分な強度で導通されることによって、それと協働する関連する磁気センサ18.1、18.2からの有用な信号レベルを供給するように適合されている。例えば、発振周波数は、通常、鋼構造に対して約50kHz未満、例えば一態様においては10〜20kHzである。磁界48は、関連する第1の磁気回路52.1および第2の磁気回路52.2の磁気抵抗
【数1】
に応答性を有し、この磁気抵抗は、その磁気回路の要素が関与する衝突および/または磁気回路内の間隙54によって影響を受ける。
【0004】
磁界48は、磁気センサ18.1、18.2によって検知されて、それからの信号が、プロセッサ58に動作可能に結合されている関連する信号プリプロセッサ56.1、56.2によって調整される。例えば、各信号プリプロセッサ56.1、56.2は、関連する磁気センサ18.1、18.2からの信号を、関連する復号器を用いて復号するとともに、関連するアナログ‐ディジタル変換器を用いてアナログ形態からディジタル形態に変換し、これがサンプリングされてプロセッサ58に入力される。信号プリプロセッサ56.1、56.2は、また、増幅を行ってもよい。第1の磁気回路52.1および第2の磁気回路52.2における、特定の場所における磁界48に対する変化は、光の速度でその中を伝播し、その全体にわたって観察される。したがって、磁気センサ18.1、18.2によって検知される磁界48は、いずれもが側面衝突に関与する、または影響を受ける可能性のある、フロントドア26およびリアドア38ならびに隣接するAピラー60、Bピラー40およびCピラー42を含む、磁気回路の残部の特性に関する情報を包含している。
【0005】
磁気式衝突検知システム10.1の第1の態様は、例えば、参照によりそれぞれの全文を本明細書に組み入れてある、米国特許第6,777,927号、第6,586,926号または第6,407,660号、あるいは米国特許出願第10/666,165号または第10/946,151号に開示されているような、様々なモードで動作することができる。したがって、磁気式衝突検知システム10.1は、衝突の検出に応答して安全拘束アクチュエータ62、例えばエアバッグシステムの制御を行うか、または、例えば、ドアの開放状態または部分的にラッチの掛かった状態、あるいは接近車両と磁気式衝突検知システム10.1の近接磁界との相互作用に応答する切迫した衝突の予測に応答して、インジケータ64、例えば警報ランプ、警報メッセージ、または音声アラームの起動を行う。
【0006】
第1のコイル14を送信コイル66として、中央位置、例えばBピラー40の近傍に配設し、それと協働する複数の磁気センサ18.1、18.2、例えば受信コイル68を、それに対して比較的遠位の場所、例えば、それぞれAピラー60およびCピラー42の近傍に配設することによって、車両の側面にあるフロントドア26またはリアドア38のいずれかに影響を与える外乱に応答性を有するが、単一の送信コイル66、例えば図1に示してある、第1のコイル14だけを必要とする、磁気式衝突検知システム10.1が得られる。代替的に、磁気式衝突検知システム10.1は、第2のコイル28または第3のコイル32のいずれかが送信コイル62として作用し、残りのコイルが関連する磁気センサ18.1、18.2として作用するように、適合させることもできる。
【0007】
図2を参照すると、磁気式衝突検知システム10.2の第2の態様は、上述した第1の態様10.1のすべての特徴を組み入れるとともに、少なくとも1つの追加の磁気センサ18.3を、固定ボディ構造とドア、例えばフロントドア26との間の間隙54内にさらに備える。図2は、フロントドア26の前縁70と、隣接するAピラー60の縁72との間に位置する、追加の磁気センサ18.3を示しているが、追加の磁気センサ18.3は、フロントドア26もしくはリアドア38と、車両12の固定ボディ構造の間の間隙54内の別の場所に配置することもできる。追加の磁気センサ18.3は、関連する信号プリプロセッサ56.3に動作可能に結合されており、このプリプロセッサは、プロセッサ58に結合されて、安全化用に、または1次衝突検出信号として使用することのできる、信号を提供する。
【0008】
一般的に、送信コイル66および受信コイル68が配置されている、第1の磁気回路52.1および第2の磁気回路52.2の機械構成要素は、その他の機能のために構築されている。例えば、ヒンジ30およびストライカ22、34は、1次機能、例えば乗員の乗車、下車および車両ロックを容易にするために設計されており、その構成要素は、一般に、強度、幾何学形状、材料および設計制約を決定する関連する仕様にしたがって構築される。したがって、磁気透過性の部材を取り巻く、送信コイル66および受信コイル68を構成することは、他の点では難題となることもあり、他の状態では、時間変化する磁界を生成または検知する、それらの1次機能に対して、送信コイル66または受信コイル68の最適化を制約する可能性がある、コイル形状、巻き数、コネクタアクセスおよびワイヤゲージについての制約を受けることもある。また、広範囲のヒンジ30およびストライカ22、34の設計があると、送信コイル66または受信コイル68が、金属を取り巻く必要がある場合には、送信コイル66または受信コイル68を広範囲の車両プラットホームに対して標準化することは困難であることもあり、これは、所与の車両プラットホームに対するこれら、および関連する構成要素のコストを増大させる可能がある。さらに、既存の構成要素のまわりに組み付けることを意図されたコイルは、車両内におけるその構成要素の最終組立の前に、実装する必要がある場合があり、このことから、コイルと構成要素の一体化を可能にするために、その構成要素の供給業者との緊密な協働が必要となる。例えば、多数のヒンジ30に対して、その上にコイルを含めるには、コイルを、ヒンジ30とともにE塗装(E-coat)工程に供することが必要となる。
【0009】
図3を参照すると、図2からのAピラー60およびフロントドア26の分解図300をより詳細に示して、それぞれが、Aピラー60とフロントドア26の間の間隙54内に配置するのに十分なほど小さい間隙コイル74を備える、追加の磁気センサ18.3、18.3’、18.3’’のいくつかの態様をより詳細に図解してある。追加の磁気センサ18.3、18.3’、18.3’’の間隙コイル74は、第1の磁気回路52.1および第2の磁気回路52.2の既存の磁気透過性構成要素を包囲するようには必ずしも制約されず、車両12の近接構成要素の幾何学形状または機能によって不利に制約されることのない場所に、間隙コイル74の配置を行えるようにされている。間隙コイル74は関連するスプール76のまわりに巻かれており、このスプールは、車両の固定構造、例えば、フロントドア26の前縁70に面するAピラー60の縁72に固定されている。磁気式衝突検知システム10.2の第2の態様においては、例えば、磁束50の近接場における変化から生じる、間隙54内の磁束50に対して、および/または周囲の金属構造を通過して伝播する渦電流に対して、応答性を有する受信コイル68として使用されているが、一般に、間隙コイル74は、送信コイル66または受信コイル68のいずれかとして使用することができる。間隙コイル74は、監視すべき衝突またはその他の外乱に応答して、それによって生成される信号の信号対雑音比を最適化するように配向することができる。
【0010】
例えば、第1の磁気センサ18.3’において、間隙コイル74の軸78は、Aピラー60の縁72に対して、またフロントドア26が閉じられるときには、フロントドア26の前縁70に対して、実質的に直角である。第1の磁気センサ18.3’は、関連するスプール76を貫通する締結具80、例えば、スプール76内の座ぐり(counterbore)を貫通するソケットヘッドねじ80.1で、Aピラー60に取り付けられる。締結具80の透磁率は、関連する間隙コイル74の検知または磁界生成要件に応じて、適合させることができる。例えば、第1の磁気センサ18.3’と関連する締結具80は、間隙コイル74の軸78と実質的に位置合わせされており、その結果として、比較的高い透磁率を有する材料、例えば炭素鋼または電気鋼の締結具80は、磁束50を間隙コイル74を通過して集中させる傾向があるのに対して、比較的低い透磁率の材料、例えば、ステンレス鋼、アルミニウムまたは黄銅の締結具は、空芯(air core)に類似する傾向があり、その結果として、磁気センサ18.3’は、関連する第1の磁気回路52.1および第2の磁気回路52.2を動揺させ難い。別の例として、第2の磁気センサ18.3’’において、間隙コイル74の軸78は、Aピラー60の縁72とフロントドア26の前縁70に対して実質的に平行であり、その結果、関連する間隙54の長さと実質的に整列されている。第2の磁気センサ18.3’’は、関連するスプール76から吊り下げられたフランジを介して、締結具80でAピラー60に取り付けて示してある
【0011】
図3は、また、フロントドア26のヒンジ30のまわりの第2のコイル28も示している。図4を参照すると、第2のコイル28は、ヒンジ30に対して、様々な第2の場所20.1’、20.1’’、20.1’’’に配置することができる。例えば、一態様において、第2の場所20.1’は、ヒンジプレート30.1の部分のまわりであり、このヒンジプレート30.1は、Aピラー60またはBピラー40とヒンジジョイント30.2との間の場所で、固定車両構造、例えばAピラー60またはBピラー40に取り付けられている。別の態様において、第2の場所20.1’’は、ヒンジプレート30.1の部分のまわりであり、このヒンジプレート30.1は、ヒンジプレート30.1がAピラー60またはBピラー40にボルト付けされている場所において、固定車両構造、例えばAピラー60またはBピラー40に取り付けられている。さらに別の態様においては、第2の場所20.1’’’は、ヒンジプレート30.3の部分のまわりであり、このヒンジプレート30.3は、フロントドア26またはリアドア38の前縁70と、ヒンジジョイント30.2の間の場所において、フロントドア26またはリアドア38に取り付けられている。
【0012】
図5を参照すると、間隙コイル74は、Bピラー40またはCピラー42の上に、外向き表面82と、それぞれフロントドア28およびリアドア38の対応する近接内向き表面84との間の間隙54における外向き表面82上に装着することができる。図5に示す態様において、間隙コイル74は、そのまわりにコイルが巻かれているスプール76を貫通する平頭ねじ80.2によって、外向き表面82に固定されている。図5に示す間隙コイル74は、関連するフロントドア26またはリアドア38のドア開放状態に応答する第1の磁気回路52.1または第2の磁気回路52.2の磁気抵抗の変化に応答性を有し、したがって、それを指示する信号を生成して、それによって例えば、閉止ドア、部分的にラッチされたドア、および開放ドアの区別をするのに使用することができる。
【0013】
図6を参照すると、間隙コイルアセンブリ86は、スプール76のまわりに巻かれた間隙コイル74を含み、その両方が、カプセル剤88、例えばシリコーンポッティング化合物内にカプセル化されており、それによって環境に誘発される劣化を軽減することができる。間隙コイル74は、例えば、ワイヤ、例えば20〜50ゲージのエナメル被覆導線、例えば銅またはアルミニウムの巻線である。スプール76は、例えば、プラスチックまたはアルミニウムなどの比較的剛性のある材料でできている。
図7を参照すると、間隙コイルアセンブリ86には、フェライト、ミューメタル、またはアモルファス金属、例えばMETGLAS(登録商標)などの比較的高い透磁率を有する材料の芯90をさらに含めてよい。
【0014】
図6および図7に示す間隙コイルアセンブリ86は、例えば、接着またはクランプによって装着することができる。図8を参照すると、間隙コイルアセンブリ86は、スプール76の中央装着穴94を貫通する締結具80、例えばキャップねじ80.3とワッシャー92で装着されている。締結具の材料および寸法は、特定の用途に応じて選択されることになる。炭層鋼または電気鋼などの比較的高い透磁率を有する材料を使用して、間隙コイル74を通過する関連する磁束50を集中させることが可能であるのに対して、アルミニウム、黄銅またはステンレス鋼などの比較的低い透磁率の材料を使用して、空芯を模倣し、それによって、間隙コイルアセンブリ86がその中に位置する関連する間隙54を横切る、内部の磁束50の流れに対する影響が小さくなる。
【0015】
図9を参照すると、間隙コイルアセンブリ86は、締結具80、例えばソケットヘッドねじ80.1を用いて装着されて、スプール76内の中央装着穴94の凹所に設けられた、肩つきスリーブ98を含む、透磁性芯96をさらに組み入れてある。例えば、透磁性芯96には、炭素鋼、電気鋼、ミューメタル、フェライト、またはアモルファス金属、例えばMETGLAS(登録商標)を含めることができる。肩つきスリーブ98の長さは、必要とされる関連する磁気集束の程度に応じて、間隙コイルアセンブリ86がその中に装着されている、関連する間隙54に関係して調節することができる。
【0016】
図10を参照すると、多軸間隙コイルアセンブリ100は、中央ハブ102の上に配設された複数の間隙コイルを含み、各間隙コイル74の軸78は、異なる方向に配向されており、それによって、その方向の磁界48の対応する構成要素に対する感度をもたらす。多軸間隙コイルアセンブリ100は、間隙コイル74の1つのスプール76内の凹所に設けられて、中央ハブ102を貫通する締結具80、例えばソケットヘッドねじ80.1を用いて装着されている個々の間隙コイル74は、事前に組み立てて中央ハブ102に取り付けるか、または中央ハブ102に取り付けられているか、その一体部分である対応するスプール部分104のまわりに巻き付けることができる。例えば、中央ハブ102および関連するスプール部分104は、単一部品として射出成形されたプラスチックとすることもできる。中央ハブ102を構築するのに使用される材料は、関連する磁束50を集中させる必要がない用途に対しては、比較的低い透磁率のもの、例えばプラスチックまたはアルミニウムとし、関連する磁束50を関連する間隙コイル74に近接して集中させるのが有益である用途に対しては、比較的高い透磁率のもの、例えばフェライト、炭素鋼、電気鋼またはミューメタルとすることができる。
【0017】
多軸間隙コイルアセンブリ100は、6つの間隙コイル74で示してあり、3つは互いに直交する関係で配向されており、残りの3つは、それらに対して斜めに配向されている。ここで理解すべきことは、この間隙コイル74の配設は、主として、様々な可能な配設を示すためのものであり、多軸間隙コイルアセンブリ100が、その数の間隙コイル74、または図に示したように配設された間隙コイル74を備えなくてはならないとは解釈すべきではないことである。より具体的には、多軸間隙コイルアセンブリ100は、その関連する軸78が異なる方向に向けられた、少なくとも2つの間隙コイル74を有し、それによって、車両12のボディ構成要素間の間隙54内に多軸磁界感度をもたらす。
【0018】
一般的に、間隙コイル74の形状、大きさ、ゲージ、および巻き数は、限定的ではなく、特定の用途または構成に対して適合または最適化させることが可能であり、例えば、間隙コイル74を特定の周波数で共振するように適合させて、特定の間隙54内に合わせるか、または関連する磁気回路52.1、52.2の磁気抵抗に特定の方法で影響を与えるようにすることができる。例えば、間隙コイル74を共振から離れて動作させて、それの比較的平坦な周波数応答をもたらすことは有益であった。間隙コイル74は、広範囲の知られているコイル設計および製造プロセスの任意のものに従って開発、製造することが可能であり、また所与の車両プラットホームにおける特定の装着姿勢および場所に対して選択または適合された、広範囲の既知のコネクタおよび装着構成の任意のものを用いて、小型化することができる。
【0019】
複数の個別間隙コイル74は、個々の間隙コイル74をその間に間隔を空けたそれぞれの磁気センサ場所に配置することができるようにされた、共通ケーブルハーネスを用いて接続することによって、そうではなく既存の車両ハードウエア、例えばヒンジ30またはストライカ22、34に準拠するように適合させる必要のあるコイルに対して、検知対象領域と磁束判別を向上させ、それによって同等または低いコストで安全化、冗長性、および/または事象判別の向上をもたらすことができる。間隙コイル74は、小型、内臓式の、装着が容易であり、かつ関連する衝突検知システムにおいてある程度の冗長性をもたらすことが有益である。間隙コイル74は、その機能を向上させるのに必要である場合には、近接電気構成要素、例えば、抵抗器、キャパシタ、参照インダクタ、IC、増幅器、A/D、その他を含むように適合させることができる。
【0020】
図11を参照すると、磁気式衝突検知システム10.3の第3の態様は、磁気センサ18.1、18.2を除外して第1の態様10.1と同一であり、この磁気センサは、第3の態様10.3においては、それぞれAピラー60とフロントドア26の間、およびリアドア38とCピラー42の間の、対応する第2の場所20.1’’’’、20.2’’’’に位置する、第1の間隙コイル28’および第2の間隙コイル32’であり、第1の間隙コイル28’および第2の間隙コイル32’は、それぞれ本明細書において開示した間隙コイル74、間隙コイルアセンブリ86または多軸間隙コイルアセンブリ100と一致している。
【0021】
図12を参照すると、磁気式衝突検知システム10.4の第4の態様は、次のことを除いて、第3の態様10.3と同一であり、それは、第1のコイル14が、フロントドア26とBピラー40の間のそれぞれの間隙54内の対応する第1の場所16’に位置する、対応する第1のコイル14’で置換されており、この第1のコイル14’は、本明細書で開示した間隙コイル74、間隙コイルアセンブリ86または多軸間隙コイルアセンブリ100と一致していることである。したがって、磁気式衝突検知システム10.4の第4の態様には、全体を通して間隙コイル74が組み入れられており、関連する間隙における間隙コイルの場所は、そうではなく既存の車両ハードウエアによって制約されるということがない。磁気式衝突検知システム10.4の第4の態様は、さらに、次のように適合させてもよく、それはすなわち、コイルドライバ44が、第1のコイル14’の両端の電圧、それを流れる電流、および/またはそれが吸収する電力の測度を提供するとともに、このコイルドライバは、信号プロセッサ56.3を介して、プロセッサ58に動作可能に結合され、それによって、例えば、米国特許第6,587,048号の教示に従って、第1のコイル14’の自己インダクタンスに応答性を有する磁気式衝突検知を行うか;または例えば、米国特許第6,583,616号の教示に従って、時間領域反射光測定技術を用いる磁気式衝突検知を行うように適合させてもよく、前記の参照した特許のそれぞれは参照によるその全文を本明細書に組み入れてある。
【0022】
図13a、13bを参照すると、モデリングおよび試験の結果は、渦電流IEが鋼製ピンまたは締結具80の表面、ストライカ22、34、およびヒンジ30に生成され、この渦電流IEは、長手方向に関連する鋼芯106に沿って振動して、関連する鋼芯106の軸を包囲する、関連する周辺磁界BEを生成することを示唆している。図14、15を参照すると、環状らせんコイル108が、ファラデーの法則に従い、関連する振動周辺磁界BEに応答して電圧信号Vの生成を行い、それに応答して、環状らせんコイル108が関連する回路、例えば信号前処理装置56.1、56.2、56.3に接続されるときに、関連する電流信号Iが生成される。環状らせんコイル108は、環状芯112のまわりの導通路110、例えば導線110.1、例えば銅線またはアルミニウム線の、巻線を含む。
【0023】
図14、15において、環状芯112は、円形状(図14)と均一な円形断面(図15)を有する、すなわちドーナツ形状であるように図示してあるが、一般的に、環状芯112は、均一または不均一の任意の横断面を有する、任意の閉形状を有することができる。例えば、環状芯112は、ワッシャーのそれと類似する長方形横断面を有してもよい。環状芯112は、主軸Mと副軸mを含み、導通路110は、副軸mのまわりに少なくとも1回、巻かれるとともに、主軸Mのまわりに少なくとも1回、巻かれる。例えば、図14に示す態様においては、導通路110は、副軸mのまわりに複数回、主軸Mのまわりに1回だけ巻かれている。副軸のまわりに少なくとも1回、巻き付けることによって、振動する周辺磁界BEに応答する電圧信号Vの成分の生成が行われ、主軸Mのまわりに少なくとも1回、巻き付けることによって、振動する軸磁界BCに応答する電圧信号Vの成分の生成が行われ、後者を図13a、13bに図示してある。
【0024】
したがって、環状らせんコイル108は、軸磁界BCおよび周辺磁界BEの両方を検知するのに使用することができる。図14、15に示すドーナツ形環状芯112は、主半径R、副半径r、および関連する外半径bおよび内半径a、ならびに副直径2rを含み、用途、すなわち環状112内の周辺磁束を集中させる必要があるかどうかに応じて、強磁性または非磁性の材料で構築することができる。上記の磁気センサ18.1、18.2、18.3、18.3’、18.3’’には、関連するコイル28、32、68、74の代わりに、またはそれに追加して、環状らせんコイル108を含めてもよい。
【0025】
例えば、図15を参照すると、環状らせんコイルアセンブリ114は、関連する締結具80、例えばキャップねじ80.3を受け入れるように適合された中央装着穴94のまわりのカプセル剤88中にカプセル化された、環状らせんコイル108を含む。環状らせんコイル108について行ったモデリングおよび試験が示唆していることは、環状らせんコイル108と関連する鋼芯106がフロントドア26またはリアドア38および/または車両フレームに電気的に接続される場合に、渦電流IE(および、したがって、関連する周辺磁界BE)が、実質的に増強され、それによって、例えばヒンジ30を介しての両方への電気接続が有益であることである。試験によれば、そうでなければ間隙コイルアセンブリ86に好適な場所において、円形巻き間隙コイル74の代わりに環状らせんコイル108を使用する場合に、より強い信号を得ることができることが示されている。
【0026】
具体的な態様を詳細に説明したが、当業者であれば、本開示の全体教示に照らして、それらの詳細事項に様々な修正および変更を行うことができることを理解するであろう。したがって、開示した特定の配設は、説明だけを目的とするものであり、本発明の範囲を限定するものではなく、本発明の範囲には、添付のクレームおよびそのすべての均等物の全範囲が与えられるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】車両内の磁気式衝突検知システムの第1の態様を示す概略ブロック図である。
【図2】車両内の磁気式衝突検知システムの第2の態様を示す概略ブロック図である。
【図3】図2に示す第2の態様からのいくつかのコイル、およびいくつかのコイル実施態様を示す、詳細図である
【図4】ドアヒンジのまわりのコイルのための様々な場所を示す図である。
【図5】ドア開放状態の検知を行うように、装着されたコイルを示す図である。
【図6】カプセル化コイルアセンブリを示す図である。
【図7】透磁性芯を組み入れたコイルアセンブリの一部を示す図である。
【図8】締結具を用いて装着するように適合されたコイルアセンブリの一部を示す図である。
【図9】透磁性芯をさらに含む、締結具を用いて装着するように適合されたコイルアセンブリの一部を示す図である。
【図10】様々な方位に配設された複数のコイルを含む、コイルアセンブリを示す図である。
【0028】
【図11】車両内の磁気式衝突検知システムの第3の態様を示す概略ブロックである。
【図12】車両内の磁気式衝突検知システムの第4の態様を示す概略ブロックである。
【図13a】様々な強磁性要素における、渦電流、関連する磁界および軸方向磁界を示す図である。
【図13b】様々な強磁性体要素における、渦電流、関連する磁界および軸方向磁界を示す図である。
【図14】トロイダルらせんコイルを示す図である。
【図15】トロイダルらせんコイルアセンブリを示す図である。
【技術分野】
【0001】
実施態様の説明
図1を参照すると、車両12に組み込まれた磁気式衝突検知システム10.1の第1の態様は、車両12の対応する第1の場所16における第1のコイル14と、車両12の対応する複数の第2の場所20.1、20.2における複数の磁気センサ18.1、18.2とを含む。例えば、図1に示す第1の態様において、第1のコイル14は、フロントドア26のドアラッチアセンブリ24のストライカ22のまわりに位置し、磁気センサ18.1、18.2は、フロントドア26のヒンジ30のまわりの第2のコイル28、およびリアドア38のドアラッチアセンブリ36のストライカ34のまわりの第3コイルを備え、ここでフロントドア26のドアラッチアセンブリ24のストライカ22は、車両12のBピラー40に動作可能に結合されており、リアドア38のドアラッチアセンブリ36のストライカ34は、車両12のCピラー42に動作可能に結合されている。第1のコイル14は、コイルドライバ44に動作可能に結合され、このコイルドライバ44は、発振器46に動作可能に結合されており、ここで、発振器46からの発振信号が、コイルドライバ44によって送られて、第1のコイル14に関連する電流を生じさせ、それに応答して、第1のコイル14は、関連する第1の磁気回路52.1および第2の磁気回路52.2に、磁束50を含む磁界48を生成する。
【0002】
第2コイル28および第3のコイル32は、関連する第1の磁気回路52.1および第2の磁気回路52.2の金属要素を包囲し、磁束50は、第1の磁気回路52.1および第2の磁気回路52.2の関連する透磁性材料中を伝播して、関連する透磁性材料を包囲する第2のコイル28および第3のコイル32を通過して流れる。第2のコイル28および第3のコイル32は、ファラデーの磁気誘導の法則に従って、第2のコイル28および第3のコイル32の軸に沿って、それぞれ誘導される発振磁束50、またはその成分に応答して、電圧信号を生成する。ヒンジ30およびドアラッチアセンブリ24、36が、比較的低い磁気抵抗経路をその間にもたらす場所を除いて、ドア24、38は、車両12の残部、例えばフレームから、その間にある間隙54によって絶縁されている。
【0003】
発振器46は、単一周波数であるか、またはステップ状、連続掃引、もしくは同時の複数周波数であって、例えば、正弦波形、方形波形、三角波形またはその他の波形形状のいずれかを有する、発振信号を生成する。この周波数は、結果として得られる磁界48が、第1の磁気回路52.1および第2の磁気回路52.2を通過して十分な強度で導通されることによって、それと協働する関連する磁気センサ18.1、18.2からの有用な信号レベルを供給するように適合されている。例えば、発振周波数は、通常、鋼構造に対して約50kHz未満、例えば一態様においては10〜20kHzである。磁界48は、関連する第1の磁気回路52.1および第2の磁気回路52.2の磁気抵抗
【数1】
に応答性を有し、この磁気抵抗は、その磁気回路の要素が関与する衝突および/または磁気回路内の間隙54によって影響を受ける。
【0004】
磁界48は、磁気センサ18.1、18.2によって検知されて、それからの信号が、プロセッサ58に動作可能に結合されている関連する信号プリプロセッサ56.1、56.2によって調整される。例えば、各信号プリプロセッサ56.1、56.2は、関連する磁気センサ18.1、18.2からの信号を、関連する復号器を用いて復号するとともに、関連するアナログ‐ディジタル変換器を用いてアナログ形態からディジタル形態に変換し、これがサンプリングされてプロセッサ58に入力される。信号プリプロセッサ56.1、56.2は、また、増幅を行ってもよい。第1の磁気回路52.1および第2の磁気回路52.2における、特定の場所における磁界48に対する変化は、光の速度でその中を伝播し、その全体にわたって観察される。したがって、磁気センサ18.1、18.2によって検知される磁界48は、いずれもが側面衝突に関与する、または影響を受ける可能性のある、フロントドア26およびリアドア38ならびに隣接するAピラー60、Bピラー40およびCピラー42を含む、磁気回路の残部の特性に関する情報を包含している。
【0005】
磁気式衝突検知システム10.1の第1の態様は、例えば、参照によりそれぞれの全文を本明細書に組み入れてある、米国特許第6,777,927号、第6,586,926号または第6,407,660号、あるいは米国特許出願第10/666,165号または第10/946,151号に開示されているような、様々なモードで動作することができる。したがって、磁気式衝突検知システム10.1は、衝突の検出に応答して安全拘束アクチュエータ62、例えばエアバッグシステムの制御を行うか、または、例えば、ドアの開放状態または部分的にラッチの掛かった状態、あるいは接近車両と磁気式衝突検知システム10.1の近接磁界との相互作用に応答する切迫した衝突の予測に応答して、インジケータ64、例えば警報ランプ、警報メッセージ、または音声アラームの起動を行う。
【0006】
第1のコイル14を送信コイル66として、中央位置、例えばBピラー40の近傍に配設し、それと協働する複数の磁気センサ18.1、18.2、例えば受信コイル68を、それに対して比較的遠位の場所、例えば、それぞれAピラー60およびCピラー42の近傍に配設することによって、車両の側面にあるフロントドア26またはリアドア38のいずれかに影響を与える外乱に応答性を有するが、単一の送信コイル66、例えば図1に示してある、第1のコイル14だけを必要とする、磁気式衝突検知システム10.1が得られる。代替的に、磁気式衝突検知システム10.1は、第2のコイル28または第3のコイル32のいずれかが送信コイル62として作用し、残りのコイルが関連する磁気センサ18.1、18.2として作用するように、適合させることもできる。
【0007】
図2を参照すると、磁気式衝突検知システム10.2の第2の態様は、上述した第1の態様10.1のすべての特徴を組み入れるとともに、少なくとも1つの追加の磁気センサ18.3を、固定ボディ構造とドア、例えばフロントドア26との間の間隙54内にさらに備える。図2は、フロントドア26の前縁70と、隣接するAピラー60の縁72との間に位置する、追加の磁気センサ18.3を示しているが、追加の磁気センサ18.3は、フロントドア26もしくはリアドア38と、車両12の固定ボディ構造の間の間隙54内の別の場所に配置することもできる。追加の磁気センサ18.3は、関連する信号プリプロセッサ56.3に動作可能に結合されており、このプリプロセッサは、プロセッサ58に結合されて、安全化用に、または1次衝突検出信号として使用することのできる、信号を提供する。
【0008】
一般的に、送信コイル66および受信コイル68が配置されている、第1の磁気回路52.1および第2の磁気回路52.2の機械構成要素は、その他の機能のために構築されている。例えば、ヒンジ30およびストライカ22、34は、1次機能、例えば乗員の乗車、下車および車両ロックを容易にするために設計されており、その構成要素は、一般に、強度、幾何学形状、材料および設計制約を決定する関連する仕様にしたがって構築される。したがって、磁気透過性の部材を取り巻く、送信コイル66および受信コイル68を構成することは、他の点では難題となることもあり、他の状態では、時間変化する磁界を生成または検知する、それらの1次機能に対して、送信コイル66または受信コイル68の最適化を制約する可能性がある、コイル形状、巻き数、コネクタアクセスおよびワイヤゲージについての制約を受けることもある。また、広範囲のヒンジ30およびストライカ22、34の設計があると、送信コイル66または受信コイル68が、金属を取り巻く必要がある場合には、送信コイル66または受信コイル68を広範囲の車両プラットホームに対して標準化することは困難であることもあり、これは、所与の車両プラットホームに対するこれら、および関連する構成要素のコストを増大させる可能がある。さらに、既存の構成要素のまわりに組み付けることを意図されたコイルは、車両内におけるその構成要素の最終組立の前に、実装する必要がある場合があり、このことから、コイルと構成要素の一体化を可能にするために、その構成要素の供給業者との緊密な協働が必要となる。例えば、多数のヒンジ30に対して、その上にコイルを含めるには、コイルを、ヒンジ30とともにE塗装(E-coat)工程に供することが必要となる。
【0009】
図3を参照すると、図2からのAピラー60およびフロントドア26の分解図300をより詳細に示して、それぞれが、Aピラー60とフロントドア26の間の間隙54内に配置するのに十分なほど小さい間隙コイル74を備える、追加の磁気センサ18.3、18.3’、18.3’’のいくつかの態様をより詳細に図解してある。追加の磁気センサ18.3、18.3’、18.3’’の間隙コイル74は、第1の磁気回路52.1および第2の磁気回路52.2の既存の磁気透過性構成要素を包囲するようには必ずしも制約されず、車両12の近接構成要素の幾何学形状または機能によって不利に制約されることのない場所に、間隙コイル74の配置を行えるようにされている。間隙コイル74は関連するスプール76のまわりに巻かれており、このスプールは、車両の固定構造、例えば、フロントドア26の前縁70に面するAピラー60の縁72に固定されている。磁気式衝突検知システム10.2の第2の態様においては、例えば、磁束50の近接場における変化から生じる、間隙54内の磁束50に対して、および/または周囲の金属構造を通過して伝播する渦電流に対して、応答性を有する受信コイル68として使用されているが、一般に、間隙コイル74は、送信コイル66または受信コイル68のいずれかとして使用することができる。間隙コイル74は、監視すべき衝突またはその他の外乱に応答して、それによって生成される信号の信号対雑音比を最適化するように配向することができる。
【0010】
例えば、第1の磁気センサ18.3’において、間隙コイル74の軸78は、Aピラー60の縁72に対して、またフロントドア26が閉じられるときには、フロントドア26の前縁70に対して、実質的に直角である。第1の磁気センサ18.3’は、関連するスプール76を貫通する締結具80、例えば、スプール76内の座ぐり(counterbore)を貫通するソケットヘッドねじ80.1で、Aピラー60に取り付けられる。締結具80の透磁率は、関連する間隙コイル74の検知または磁界生成要件に応じて、適合させることができる。例えば、第1の磁気センサ18.3’と関連する締結具80は、間隙コイル74の軸78と実質的に位置合わせされており、その結果として、比較的高い透磁率を有する材料、例えば炭素鋼または電気鋼の締結具80は、磁束50を間隙コイル74を通過して集中させる傾向があるのに対して、比較的低い透磁率の材料、例えば、ステンレス鋼、アルミニウムまたは黄銅の締結具は、空芯(air core)に類似する傾向があり、その結果として、磁気センサ18.3’は、関連する第1の磁気回路52.1および第2の磁気回路52.2を動揺させ難い。別の例として、第2の磁気センサ18.3’’において、間隙コイル74の軸78は、Aピラー60の縁72とフロントドア26の前縁70に対して実質的に平行であり、その結果、関連する間隙54の長さと実質的に整列されている。第2の磁気センサ18.3’’は、関連するスプール76から吊り下げられたフランジを介して、締結具80でAピラー60に取り付けて示してある
【0011】
図3は、また、フロントドア26のヒンジ30のまわりの第2のコイル28も示している。図4を参照すると、第2のコイル28は、ヒンジ30に対して、様々な第2の場所20.1’、20.1’’、20.1’’’に配置することができる。例えば、一態様において、第2の場所20.1’は、ヒンジプレート30.1の部分のまわりであり、このヒンジプレート30.1は、Aピラー60またはBピラー40とヒンジジョイント30.2との間の場所で、固定車両構造、例えばAピラー60またはBピラー40に取り付けられている。別の態様において、第2の場所20.1’’は、ヒンジプレート30.1の部分のまわりであり、このヒンジプレート30.1は、ヒンジプレート30.1がAピラー60またはBピラー40にボルト付けされている場所において、固定車両構造、例えばAピラー60またはBピラー40に取り付けられている。さらに別の態様においては、第2の場所20.1’’’は、ヒンジプレート30.3の部分のまわりであり、このヒンジプレート30.3は、フロントドア26またはリアドア38の前縁70と、ヒンジジョイント30.2の間の場所において、フロントドア26またはリアドア38に取り付けられている。
【0012】
図5を参照すると、間隙コイル74は、Bピラー40またはCピラー42の上に、外向き表面82と、それぞれフロントドア28およびリアドア38の対応する近接内向き表面84との間の間隙54における外向き表面82上に装着することができる。図5に示す態様において、間隙コイル74は、そのまわりにコイルが巻かれているスプール76を貫通する平頭ねじ80.2によって、外向き表面82に固定されている。図5に示す間隙コイル74は、関連するフロントドア26またはリアドア38のドア開放状態に応答する第1の磁気回路52.1または第2の磁気回路52.2の磁気抵抗の変化に応答性を有し、したがって、それを指示する信号を生成して、それによって例えば、閉止ドア、部分的にラッチされたドア、および開放ドアの区別をするのに使用することができる。
【0013】
図6を参照すると、間隙コイルアセンブリ86は、スプール76のまわりに巻かれた間隙コイル74を含み、その両方が、カプセル剤88、例えばシリコーンポッティング化合物内にカプセル化されており、それによって環境に誘発される劣化を軽減することができる。間隙コイル74は、例えば、ワイヤ、例えば20〜50ゲージのエナメル被覆導線、例えば銅またはアルミニウムの巻線である。スプール76は、例えば、プラスチックまたはアルミニウムなどの比較的剛性のある材料でできている。
図7を参照すると、間隙コイルアセンブリ86には、フェライト、ミューメタル、またはアモルファス金属、例えばMETGLAS(登録商標)などの比較的高い透磁率を有する材料の芯90をさらに含めてよい。
【0014】
図6および図7に示す間隙コイルアセンブリ86は、例えば、接着またはクランプによって装着することができる。図8を参照すると、間隙コイルアセンブリ86は、スプール76の中央装着穴94を貫通する締結具80、例えばキャップねじ80.3とワッシャー92で装着されている。締結具の材料および寸法は、特定の用途に応じて選択されることになる。炭層鋼または電気鋼などの比較的高い透磁率を有する材料を使用して、間隙コイル74を通過する関連する磁束50を集中させることが可能であるのに対して、アルミニウム、黄銅またはステンレス鋼などの比較的低い透磁率の材料を使用して、空芯を模倣し、それによって、間隙コイルアセンブリ86がその中に位置する関連する間隙54を横切る、内部の磁束50の流れに対する影響が小さくなる。
【0015】
図9を参照すると、間隙コイルアセンブリ86は、締結具80、例えばソケットヘッドねじ80.1を用いて装着されて、スプール76内の中央装着穴94の凹所に設けられた、肩つきスリーブ98を含む、透磁性芯96をさらに組み入れてある。例えば、透磁性芯96には、炭素鋼、電気鋼、ミューメタル、フェライト、またはアモルファス金属、例えばMETGLAS(登録商標)を含めることができる。肩つきスリーブ98の長さは、必要とされる関連する磁気集束の程度に応じて、間隙コイルアセンブリ86がその中に装着されている、関連する間隙54に関係して調節することができる。
【0016】
図10を参照すると、多軸間隙コイルアセンブリ100は、中央ハブ102の上に配設された複数の間隙コイルを含み、各間隙コイル74の軸78は、異なる方向に配向されており、それによって、その方向の磁界48の対応する構成要素に対する感度をもたらす。多軸間隙コイルアセンブリ100は、間隙コイル74の1つのスプール76内の凹所に設けられて、中央ハブ102を貫通する締結具80、例えばソケットヘッドねじ80.1を用いて装着されている個々の間隙コイル74は、事前に組み立てて中央ハブ102に取り付けるか、または中央ハブ102に取り付けられているか、その一体部分である対応するスプール部分104のまわりに巻き付けることができる。例えば、中央ハブ102および関連するスプール部分104は、単一部品として射出成形されたプラスチックとすることもできる。中央ハブ102を構築するのに使用される材料は、関連する磁束50を集中させる必要がない用途に対しては、比較的低い透磁率のもの、例えばプラスチックまたはアルミニウムとし、関連する磁束50を関連する間隙コイル74に近接して集中させるのが有益である用途に対しては、比較的高い透磁率のもの、例えばフェライト、炭素鋼、電気鋼またはミューメタルとすることができる。
【0017】
多軸間隙コイルアセンブリ100は、6つの間隙コイル74で示してあり、3つは互いに直交する関係で配向されており、残りの3つは、それらに対して斜めに配向されている。ここで理解すべきことは、この間隙コイル74の配設は、主として、様々な可能な配設を示すためのものであり、多軸間隙コイルアセンブリ100が、その数の間隙コイル74、または図に示したように配設された間隙コイル74を備えなくてはならないとは解釈すべきではないことである。より具体的には、多軸間隙コイルアセンブリ100は、その関連する軸78が異なる方向に向けられた、少なくとも2つの間隙コイル74を有し、それによって、車両12のボディ構成要素間の間隙54内に多軸磁界感度をもたらす。
【0018】
一般的に、間隙コイル74の形状、大きさ、ゲージ、および巻き数は、限定的ではなく、特定の用途または構成に対して適合または最適化させることが可能であり、例えば、間隙コイル74を特定の周波数で共振するように適合させて、特定の間隙54内に合わせるか、または関連する磁気回路52.1、52.2の磁気抵抗に特定の方法で影響を与えるようにすることができる。例えば、間隙コイル74を共振から離れて動作させて、それの比較的平坦な周波数応答をもたらすことは有益であった。間隙コイル74は、広範囲の知られているコイル設計および製造プロセスの任意のものに従って開発、製造することが可能であり、また所与の車両プラットホームにおける特定の装着姿勢および場所に対して選択または適合された、広範囲の既知のコネクタおよび装着構成の任意のものを用いて、小型化することができる。
【0019】
複数の個別間隙コイル74は、個々の間隙コイル74をその間に間隔を空けたそれぞれの磁気センサ場所に配置することができるようにされた、共通ケーブルハーネスを用いて接続することによって、そうではなく既存の車両ハードウエア、例えばヒンジ30またはストライカ22、34に準拠するように適合させる必要のあるコイルに対して、検知対象領域と磁束判別を向上させ、それによって同等または低いコストで安全化、冗長性、および/または事象判別の向上をもたらすことができる。間隙コイル74は、小型、内臓式の、装着が容易であり、かつ関連する衝突検知システムにおいてある程度の冗長性をもたらすことが有益である。間隙コイル74は、その機能を向上させるのに必要である場合には、近接電気構成要素、例えば、抵抗器、キャパシタ、参照インダクタ、IC、増幅器、A/D、その他を含むように適合させることができる。
【0020】
図11を参照すると、磁気式衝突検知システム10.3の第3の態様は、磁気センサ18.1、18.2を除外して第1の態様10.1と同一であり、この磁気センサは、第3の態様10.3においては、それぞれAピラー60とフロントドア26の間、およびリアドア38とCピラー42の間の、対応する第2の場所20.1’’’’、20.2’’’’に位置する、第1の間隙コイル28’および第2の間隙コイル32’であり、第1の間隙コイル28’および第2の間隙コイル32’は、それぞれ本明細書において開示した間隙コイル74、間隙コイルアセンブリ86または多軸間隙コイルアセンブリ100と一致している。
【0021】
図12を参照すると、磁気式衝突検知システム10.4の第4の態様は、次のことを除いて、第3の態様10.3と同一であり、それは、第1のコイル14が、フロントドア26とBピラー40の間のそれぞれの間隙54内の対応する第1の場所16’に位置する、対応する第1のコイル14’で置換されており、この第1のコイル14’は、本明細書で開示した間隙コイル74、間隙コイルアセンブリ86または多軸間隙コイルアセンブリ100と一致していることである。したがって、磁気式衝突検知システム10.4の第4の態様には、全体を通して間隙コイル74が組み入れられており、関連する間隙における間隙コイルの場所は、そうではなく既存の車両ハードウエアによって制約されるということがない。磁気式衝突検知システム10.4の第4の態様は、さらに、次のように適合させてもよく、それはすなわち、コイルドライバ44が、第1のコイル14’の両端の電圧、それを流れる電流、および/またはそれが吸収する電力の測度を提供するとともに、このコイルドライバは、信号プロセッサ56.3を介して、プロセッサ58に動作可能に結合され、それによって、例えば、米国特許第6,587,048号の教示に従って、第1のコイル14’の自己インダクタンスに応答性を有する磁気式衝突検知を行うか;または例えば、米国特許第6,583,616号の教示に従って、時間領域反射光測定技術を用いる磁気式衝突検知を行うように適合させてもよく、前記の参照した特許のそれぞれは参照によるその全文を本明細書に組み入れてある。
【0022】
図13a、13bを参照すると、モデリングおよび試験の結果は、渦電流IEが鋼製ピンまたは締結具80の表面、ストライカ22、34、およびヒンジ30に生成され、この渦電流IEは、長手方向に関連する鋼芯106に沿って振動して、関連する鋼芯106の軸を包囲する、関連する周辺磁界BEを生成することを示唆している。図14、15を参照すると、環状らせんコイル108が、ファラデーの法則に従い、関連する振動周辺磁界BEに応答して電圧信号Vの生成を行い、それに応答して、環状らせんコイル108が関連する回路、例えば信号前処理装置56.1、56.2、56.3に接続されるときに、関連する電流信号Iが生成される。環状らせんコイル108は、環状芯112のまわりの導通路110、例えば導線110.1、例えば銅線またはアルミニウム線の、巻線を含む。
【0023】
図14、15において、環状芯112は、円形状(図14)と均一な円形断面(図15)を有する、すなわちドーナツ形状であるように図示してあるが、一般的に、環状芯112は、均一または不均一の任意の横断面を有する、任意の閉形状を有することができる。例えば、環状芯112は、ワッシャーのそれと類似する長方形横断面を有してもよい。環状芯112は、主軸Mと副軸mを含み、導通路110は、副軸mのまわりに少なくとも1回、巻かれるとともに、主軸Mのまわりに少なくとも1回、巻かれる。例えば、図14に示す態様においては、導通路110は、副軸mのまわりに複数回、主軸Mのまわりに1回だけ巻かれている。副軸のまわりに少なくとも1回、巻き付けることによって、振動する周辺磁界BEに応答する電圧信号Vの成分の生成が行われ、主軸Mのまわりに少なくとも1回、巻き付けることによって、振動する軸磁界BCに応答する電圧信号Vの成分の生成が行われ、後者を図13a、13bに図示してある。
【0024】
したがって、環状らせんコイル108は、軸磁界BCおよび周辺磁界BEの両方を検知するのに使用することができる。図14、15に示すドーナツ形環状芯112は、主半径R、副半径r、および関連する外半径bおよび内半径a、ならびに副直径2rを含み、用途、すなわち環状112内の周辺磁束を集中させる必要があるかどうかに応じて、強磁性または非磁性の材料で構築することができる。上記の磁気センサ18.1、18.2、18.3、18.3’、18.3’’には、関連するコイル28、32、68、74の代わりに、またはそれに追加して、環状らせんコイル108を含めてもよい。
【0025】
例えば、図15を参照すると、環状らせんコイルアセンブリ114は、関連する締結具80、例えばキャップねじ80.3を受け入れるように適合された中央装着穴94のまわりのカプセル剤88中にカプセル化された、環状らせんコイル108を含む。環状らせんコイル108について行ったモデリングおよび試験が示唆していることは、環状らせんコイル108と関連する鋼芯106がフロントドア26またはリアドア38および/または車両フレームに電気的に接続される場合に、渦電流IE(および、したがって、関連する周辺磁界BE)が、実質的に増強され、それによって、例えばヒンジ30を介しての両方への電気接続が有益であることである。試験によれば、そうでなければ間隙コイルアセンブリ86に好適な場所において、円形巻き間隙コイル74の代わりに環状らせんコイル108を使用する場合に、より強い信号を得ることができることが示されている。
【0026】
具体的な態様を詳細に説明したが、当業者であれば、本開示の全体教示に照らして、それらの詳細事項に様々な修正および変更を行うことができることを理解するであろう。したがって、開示した特定の配設は、説明だけを目的とするものであり、本発明の範囲を限定するものではなく、本発明の範囲には、添付のクレームおよびそのすべての均等物の全範囲が与えられるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】車両内の磁気式衝突検知システムの第1の態様を示す概略ブロック図である。
【図2】車両内の磁気式衝突検知システムの第2の態様を示す概略ブロック図である。
【図3】図2に示す第2の態様からのいくつかのコイル、およびいくつかのコイル実施態様を示す、詳細図である
【図4】ドアヒンジのまわりのコイルのための様々な場所を示す図である。
【図5】ドア開放状態の検知を行うように、装着されたコイルを示す図である。
【図6】カプセル化コイルアセンブリを示す図である。
【図7】透磁性芯を組み入れたコイルアセンブリの一部を示す図である。
【図8】締結具を用いて装着するように適合されたコイルアセンブリの一部を示す図である。
【図9】透磁性芯をさらに含む、締結具を用いて装着するように適合されたコイルアセンブリの一部を示す図である。
【図10】様々な方位に配設された複数のコイルを含む、コイルアセンブリを示す図である。
【0028】
【図11】車両内の磁気式衝突検知システムの第3の態様を示す概略ブロックである。
【図12】車両内の磁気式衝突検知システムの第4の態様を示す概略ブロックである。
【図13a】様々な強磁性要素における、渦電流、関連する磁界および軸方向磁界を示す図である。
【図13b】様々な強磁性体要素における、渦電流、関連する磁界および軸方向磁界を示す図である。
【図14】トロイダルらせんコイルを示す図である。
【図15】トロイダルらせんコイルアセンブリを示す図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
a.車両のボディまたは構造の2つの部分間の、少なくとも1つの第1の場所における間隙内の磁束の検知を行い、前記磁束は前記車両の前記ボディまたは構造の外乱に応答性を有すること;
b.前記磁束の検知の動作に応答して少なくとも1つの信号の生成を行うこと;および
c.前記信号に応答して、前記車両の要素の制御を行うこと、
を含む、車両の磁気的動揺の検知を行う方法。
【請求項2】
磁束を検知する動作と、それに応答して少なくとも1つの信号を生成する動作とが、少なくとも1つの第1のコイルを間隙内に設置して、前記磁束を受け入れるようにすること、および前記磁束における変化に応答して前記少なくとも1つのコイルを用いて前記信号を生成することを含む、請求項1に記載の車両の磁気的動揺の検知を行う方法。
【請求項3】
対応する少なくとも1つの第1のコイルの少なくとも1つの軸は、間隙の境界を定める表面に実質的に直角に配向されている、請求項2に記載の車両の磁気的動揺の検知を行う方法。
【請求項4】
対応する少なくとも1つの第1のコイルの少なくとも1つの軸は、間隙の境界を定める表面に実質的に平行に配向されている、請求項2に記載の車両の磁気的動揺の検知を行う方法。
【請求項5】
対応する少なくとも1つの第1のコイルの少なくとも1つの軸は、間隙の境界を定める表面に実質的に斜めに配向されている、請求項2に記載の車両の磁気的動揺の検知を行う方法。
【請求項6】
少なくとも1つの第1のコイルは、複数の第1のコイルを含み、少なくとも2つの対応する前記第1のコイルの少なくとも2つの軸は、異なる方向に配向されている、請求項2に記載の車両の磁気的動揺の検知を行う方法。
【請求項7】
少なくとも1つの第1のコイルは、強磁性芯を含む、請求項2に記載の車両の磁気的動揺の検知を行う方法。
【請求項8】
少なくとも1つの第1のコイルは、間隙の境界を定める表面に接着されている、請求項2に記載の車両の磁気的動揺の検知を行う方法。
【請求項9】
少なくとも1つの第1のコイルは、該少なくとも1つの第1のコイルの中央部分を貫通する締結具で、車両のボディまたは構造に動作可能に結合されている、請求項2に記載の車両の磁気的動揺の検知を行う方法。
【請求項10】
少なくとも1つの第1のコイルは、車両のボディまたは構造の外向き表面と、前記車両の近位ドアの内向き表面との間に位置する、請求項2に記載の車両の磁気的動揺の検知を行う方法。
【請求項11】
少なくとも1つの第1のコイルは、環状らせんコイルを含む、請求項2に記載の車両の磁気的動揺の検知を行う方法。
【請求項12】
少なくとも1つの信号を生成する動作は、少なくとも1つの第1のコイルの自己インダクタンスに応答する信号を生成することを含む、請求項2に記載の車両の磁気的動揺の検知を行う方法。
【請求項13】
車両の要素は、安全拘束システムを含み、前記要素を制御する動作は、車両ボディが関与する衝突の検出に応答して前記安全拘束システムの起動を制御することを含み、前記検出は、少なくとも1つの信号に応答性を有する、請求項1に記載の車両の磁気的動揺の検知を行う方法。
【請求項14】
車両の要素は、ドア開放状態に応答性を有する要素を含み、前記要素を制御する動作は、少なくとも1つの信号からドア開放状態を検出すること、および前記ドア開放状態に応答して前記要素を制御することを含む、請求項1に記載の車両の磁気的動揺の検知を行う方法。
【請求項15】
車両ボディ内に磁束の少なくとも一部の生成を行うことをさらに含み、前記磁束の少なくとも一部を生成する動作は、前記車両のボディまたは構造と動作可能に関連する第2のコイルを備える、第2の場所においてであり、前記第2の場所は、前記少なくとも1つの第1の場所と異なっており、前記磁束の少なくとも一部を生成する動作は、第2のコイルに電流を流すことを含む、請求項1に記載の車両の磁気的動揺の検知を行う方法。
【請求項16】
第2の場所は、車両のBピラーに近接する場所、前記車両のAピラーに近接する場所、および前記車両のCピラーに近接する場所の内の1つから選択され、少なくとも1つの第1の場所は、車両のBピラーに近接する場所、前記車両のAピラーに近接する場所、および前記車両のCピラーに近接する場所の内の別の1つから選択される、請求項15に記載の車両の磁気的動揺の検知を行う方法。
【請求項17】
第2のコイルは、第2の場所に近接する、車両のボディまたは構造の2つの部分の間の間隙内に設置される、請求項15に記載の車両の磁気的動揺の検知を行う方法。
【請求項18】
第2のコイルは、第2の場所に近接する、車両の構成要素のまわりに設置され、前記構成要素は、ヒンジまたはドアラッチ機構の要素である、請求項15に記載の車両の磁気的動揺の検知を行う方法。
【請求項19】
少なくとも1つの信号を生成する動作は、第2のコイルによって生成される磁束の少なくとも一部に応答する信号を生成することを含む、請求項15に記載の車両の磁気的動揺の検知を行う方法。
【請求項20】
車両の磁気式衝突検知システムであって、
a.前記車両の第1の場所における第1のコイル;
b.前記車両の複数の第2の場所における複数の磁気検知要素であって、前記第1の場所は、車両のBピラーに近接する場所、前記車両のAピラーに近接する場所、および前記車両のCピラーに近接する場所の内の1つから選択され、前記複数の第2の場所は、前記車両のAピラーに近接する場所、前記車両のCピラーに近接する場所、および前記車両のBピラーに近接する場所の内の別の1つから選択される、前記複数の磁気検知要素;
c.前記第1のコイルに流される時間変化信号であって、それに応答して前記第1のコイルは、前記車両のボディまたは構造内に磁束を生成する、前記時間変化信号;
d.前記複数の磁気検知要素と動作可能に関連するプロセッサであって、前記対応する複数の磁気検知要素からの複数の信号の少なくとも1つに応答して、前記車両の動揺に応答する信号を生成する、前記プロセッサ、
を含む、前記車両の磁気式衝突検知システム。
【請求項1】
a.車両のボディまたは構造の2つの部分間の、少なくとも1つの第1の場所における間隙内の磁束の検知を行い、前記磁束は前記車両の前記ボディまたは構造の外乱に応答性を有すること;
b.前記磁束の検知の動作に応答して少なくとも1つの信号の生成を行うこと;および
c.前記信号に応答して、前記車両の要素の制御を行うこと、
を含む、車両の磁気的動揺の検知を行う方法。
【請求項2】
磁束を検知する動作と、それに応答して少なくとも1つの信号を生成する動作とが、少なくとも1つの第1のコイルを間隙内に設置して、前記磁束を受け入れるようにすること、および前記磁束における変化に応答して前記少なくとも1つのコイルを用いて前記信号を生成することを含む、請求項1に記載の車両の磁気的動揺の検知を行う方法。
【請求項3】
対応する少なくとも1つの第1のコイルの少なくとも1つの軸は、間隙の境界を定める表面に実質的に直角に配向されている、請求項2に記載の車両の磁気的動揺の検知を行う方法。
【請求項4】
対応する少なくとも1つの第1のコイルの少なくとも1つの軸は、間隙の境界を定める表面に実質的に平行に配向されている、請求項2に記載の車両の磁気的動揺の検知を行う方法。
【請求項5】
対応する少なくとも1つの第1のコイルの少なくとも1つの軸は、間隙の境界を定める表面に実質的に斜めに配向されている、請求項2に記載の車両の磁気的動揺の検知を行う方法。
【請求項6】
少なくとも1つの第1のコイルは、複数の第1のコイルを含み、少なくとも2つの対応する前記第1のコイルの少なくとも2つの軸は、異なる方向に配向されている、請求項2に記載の車両の磁気的動揺の検知を行う方法。
【請求項7】
少なくとも1つの第1のコイルは、強磁性芯を含む、請求項2に記載の車両の磁気的動揺の検知を行う方法。
【請求項8】
少なくとも1つの第1のコイルは、間隙の境界を定める表面に接着されている、請求項2に記載の車両の磁気的動揺の検知を行う方法。
【請求項9】
少なくとも1つの第1のコイルは、該少なくとも1つの第1のコイルの中央部分を貫通する締結具で、車両のボディまたは構造に動作可能に結合されている、請求項2に記載の車両の磁気的動揺の検知を行う方法。
【請求項10】
少なくとも1つの第1のコイルは、車両のボディまたは構造の外向き表面と、前記車両の近位ドアの内向き表面との間に位置する、請求項2に記載の車両の磁気的動揺の検知を行う方法。
【請求項11】
少なくとも1つの第1のコイルは、環状らせんコイルを含む、請求項2に記載の車両の磁気的動揺の検知を行う方法。
【請求項12】
少なくとも1つの信号を生成する動作は、少なくとも1つの第1のコイルの自己インダクタンスに応答する信号を生成することを含む、請求項2に記載の車両の磁気的動揺の検知を行う方法。
【請求項13】
車両の要素は、安全拘束システムを含み、前記要素を制御する動作は、車両ボディが関与する衝突の検出に応答して前記安全拘束システムの起動を制御することを含み、前記検出は、少なくとも1つの信号に応答性を有する、請求項1に記載の車両の磁気的動揺の検知を行う方法。
【請求項14】
車両の要素は、ドア開放状態に応答性を有する要素を含み、前記要素を制御する動作は、少なくとも1つの信号からドア開放状態を検出すること、および前記ドア開放状態に応答して前記要素を制御することを含む、請求項1に記載の車両の磁気的動揺の検知を行う方法。
【請求項15】
車両ボディ内に磁束の少なくとも一部の生成を行うことをさらに含み、前記磁束の少なくとも一部を生成する動作は、前記車両のボディまたは構造と動作可能に関連する第2のコイルを備える、第2の場所においてであり、前記第2の場所は、前記少なくとも1つの第1の場所と異なっており、前記磁束の少なくとも一部を生成する動作は、第2のコイルに電流を流すことを含む、請求項1に記載の車両の磁気的動揺の検知を行う方法。
【請求項16】
第2の場所は、車両のBピラーに近接する場所、前記車両のAピラーに近接する場所、および前記車両のCピラーに近接する場所の内の1つから選択され、少なくとも1つの第1の場所は、車両のBピラーに近接する場所、前記車両のAピラーに近接する場所、および前記車両のCピラーに近接する場所の内の別の1つから選択される、請求項15に記載の車両の磁気的動揺の検知を行う方法。
【請求項17】
第2のコイルは、第2の場所に近接する、車両のボディまたは構造の2つの部分の間の間隙内に設置される、請求項15に記載の車両の磁気的動揺の検知を行う方法。
【請求項18】
第2のコイルは、第2の場所に近接する、車両の構成要素のまわりに設置され、前記構成要素は、ヒンジまたはドアラッチ機構の要素である、請求項15に記載の車両の磁気的動揺の検知を行う方法。
【請求項19】
少なくとも1つの信号を生成する動作は、第2のコイルによって生成される磁束の少なくとも一部に応答する信号を生成することを含む、請求項15に記載の車両の磁気的動揺の検知を行う方法。
【請求項20】
車両の磁気式衝突検知システムであって、
a.前記車両の第1の場所における第1のコイル;
b.前記車両の複数の第2の場所における複数の磁気検知要素であって、前記第1の場所は、車両のBピラーに近接する場所、前記車両のAピラーに近接する場所、および前記車両のCピラーに近接する場所の内の1つから選択され、前記複数の第2の場所は、前記車両のAピラーに近接する場所、前記車両のCピラーに近接する場所、および前記車両のBピラーに近接する場所の内の別の1つから選択される、前記複数の磁気検知要素;
c.前記第1のコイルに流される時間変化信号であって、それに応答して前記第1のコイルは、前記車両のボディまたは構造内に磁束を生成する、前記時間変化信号;
d.前記複数の磁気検知要素と動作可能に関連するプロセッサであって、前記対応する複数の磁気検知要素からの複数の信号の少なくとも1つに応答して、前記車両の動揺に応答する信号を生成する、前記プロセッサ、
を含む、前記車両の磁気式衝突検知システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13a】
【図13b】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13a】
【図13b】
【図14】
【図15】
【公表番号】特表2007−524539(P2007−524539A)
【公表日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−545606(P2006−545606)
【出願日】平成16年12月21日(2004.12.21)
【国際出願番号】PCT/US2004/043171
【国際公開番号】WO2005/062901
【国際公開日】平成17年7月14日(2005.7.14)
【出願人】(399042247)オートモーティブ システムズ ラボラトリー インコーポレーテッド (28)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年12月21日(2004.12.21)
【国際出願番号】PCT/US2004/043171
【国際公開番号】WO2005/062901
【国際公開日】平成17年7月14日(2005.7.14)
【出願人】(399042247)オートモーティブ システムズ ラボラトリー インコーポレーテッド (28)
【Fターム(参考)】
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