磁気ディスク、磁気ディスク装置、およびトラッキング制御方法
【課題】磁気ヘッドの位置決め精度を高め、データの読み書きエラーを飛躍的に低減させる。
【解決手段】中心線SMaxがデータ領域SDの中心軸SDaxに一致した非磁性領域S4を有する磁気パターン領域SMが設けられた磁気ディスクと、磁気ヘッド1とを備えた磁気ディスク装置であって、この磁気ディスク装置は、磁気ディスクの回転中に所定のトラックTに含まれるサーボ領域SSを読み取ることによりサーボ領域の中心軸SSaxを通る位置を示すトラック位置情報を取得し、磁気パターン領域SMに磁気記録マークを付与し、当該磁気記録マークを読み取ることによりデータ領域SDの中心軸SDaxを通る位置を示すトラック位置補正情報を取得し、トラック位置情報およびトラック位置補正情報に基づき、データ領域SDごとに磁気ヘッド1の位置を補正しながらこの磁気ヘッド1を所定のトラックTに追従させるように構成されている。
【解決手段】中心線SMaxがデータ領域SDの中心軸SDaxに一致した非磁性領域S4を有する磁気パターン領域SMが設けられた磁気ディスクと、磁気ヘッド1とを備えた磁気ディスク装置であって、この磁気ディスク装置は、磁気ディスクの回転中に所定のトラックTに含まれるサーボ領域SSを読み取ることによりサーボ領域の中心軸SSaxを通る位置を示すトラック位置情報を取得し、磁気パターン領域SMに磁気記録マークを付与し、当該磁気記録マークを読み取ることによりデータ領域SDの中心軸SDaxを通る位置を示すトラック位置補正情報を取得し、トラック位置情報およびトラック位置補正情報に基づき、データ領域SDごとに磁気ヘッド1の位置を補正しながらこの磁気ヘッド1を所定のトラックTに追従させるように構成されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、いわゆるディスクリートトラックメディアやパターンドメディアなどに好適な磁気ディスク、磁気ディスク装置、およびトラッキング制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
磁気ディスクの技術分野においては、高記録密度化を図るのに好ましい媒体として、ディスクリートトラックメディア(DTM)やパターンドメディア(PM)などといった磁気ディスクが知られている。この種の磁気ディスクは、たとえば下記の特許文献1に記載されている。
【0003】
【特許文献1】特開2006−31846号公報
【0004】
特許文献1に記載の磁気ディスクは、隣接するトラックが非磁性材料あるいは溝からなるガードバンドによって物理的に区切られているとともに、これらのトラックがセクタ単位に細分化された構造をもつ。各セクタには、トラッキング制御に用いられるサーボ領域と、このサーボ領域に隣接してデータを磁気記録するためのデータ領域とが設けられている。サーボ領域とデータ領域との間には、磁気ヘッドに関する位置決め補正情報を磁気データとして記録しておくための連続磁性領域が設けられている。
【0005】
このような磁気ディスクを備えた磁気ディスク装置には、磁気ヘッドが組み込まれている。磁気ヘッドは、スイングアームやボイスコイルモータなどを介して磁気ディスクの略径方向に移動させられるようになっており、磁気ヘッドには、読み取りヘッド部(リードヘッド)と書き込みヘッド部(ライトヘッド)とがそれぞれ独立して設けられている。
【0006】
このような磁気ディスク装置においては、各トラックのプロファイルが理想的には真円になるべきところ、サーボ領域ごとにディスク径方向のトラック位置が決まるためにうねりを有するもの(実プロファイル)になっている。そのため、上記従来の磁気ディスク装置では、真円プロファイルに対する実プロファイルのオフセット量が位置決め補正情報として各セクタの連続磁性領域にあらかじめ書き込まれている。トラッキング制御時においては、連続磁性領域に書き込まれた位置決め補正情報を読み取り、これに基づいてセクタごとに磁気ヘッドの位置を補正しながら目標とするトラックに磁気ヘッドを追従させている。このようなトラッキング制御方法によれば、位置決め補正情報に基づいて目標とするトラックに概ね磁気ヘッドを追従させることができる。
【0007】
しかしながら、上記したような従来のトラッキング制御方法では、実際にデータを磁気記録する部分となるデータ領域のディスク径方向位置を全く取得しておらず、たとえばサーボ領域の中心軸とデータ領域の中心軸とに少しでも位置ずれがあると、磁気ヘッドとデータ領域との間に若干のずれが生じる。このようなサーボ領域とデータ領域との位置ずれは、たとえば磁気ディスクの製造プロセスに起因すると考えられる。サーボ領域内への非磁性領域(非磁性パターン)の作り込みは、たとえば、スタンパを用いたナノインプリントリソグラフィ法を行うことによって、ガードバンドの作製と同一プロセスで実行される。磁気ディスクの製造においては、まず、電子線リソグラフィにより、原盤となるスタンパを作製する。スタンパは、磁気ディスクの非磁性化させる部位(サーボ領域の非磁性領域、およびガードバンド)を凸部とする所定の凹凸パターンを有し、当該凸部が高精度となっている。次いで、このスタンパを、磁気ディスクの磁性領域および非磁性領域を構成するための磁性膜上に塗布されたレジストに押圧することにより、当該スタンパの凹凸パターンがレジストに転写される。ここで、スタンパの凸部に対応する部位にレジストの凹部が形成される。次いで、転写後のレジストパターンをマスクとして磁性膜にドライエッチングを施すことにより、ガードバンドを形成するための溝と、サーボ領域における非磁性領域を形成するための溝とが形成される。ここで、ガードバンド用の溝は、その幅が比較的に広く、また、同一幅かつ同一ピッチとなるように形成されるため、溝の形態(断面形状)としては安定した略均一なものとなる。一方、サーボ領域における非磁性領域用の溝は、ガードバンド用の溝に比べて、長手方向の向きが異なるとともに、その幅が狭く、また、ランダムに変化させられるように形成されるため、溝の断面形状としては不均一なものとなる傾向になる。このサーボ領域における非磁性領域の溝の断面形状の不均一さによって、サーボ領域の中心軸とデータ領域の中心軸との間の位置ずれが生じ易くなるのである。このようなことから、従来のトラッキング制御方法では、データ領域に対する磁気ヘッドの位置決め精度をそれほど高めることができず、データの読み書きエラーを殊更に低減するものではなかった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上記した事情のもとで考え出されたものであって、データ領域に対する磁気ヘッドの位置決め精度を高めることができ、ひいてはデータの読み書きエラーを飛躍的に低減させることができる磁気ディスク、磁気ディスク装置、およびトラッキング制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため、本発明では、次の技術的手段を講じている。
【0010】
本発明の第1の側面によって提供される磁気ディスクは、非磁性材料あるいは溝からなり、周方向に沿って延びるガードバンドによって隣接するトラックが物理的に区切られているとともに、これらのトラックがセクタ単位に細分化されており、上記セクタのそれぞれには、トラッキング制御に用いられるサーボ領域と、データを磁気記録するためのデータ領域とが設けられた構造をもつ磁気ディスクであって、上記セクタのそれぞれには、非磁性材料または溝からなり、上記ガードバンドの長手方向と略同一方向に所定長さの帯状に延びる非磁性領域と、この非磁性領域を包囲する磁性領域とを有する磁気パターン領域が設けられており、上記非磁性領域は、その中心線が上記データ領域の中心軸に一致するように配されていることを特徴としている。
【0011】
好ましくは、上記磁気パターン領域は、上記データ領域に隣接して設けられている。
【0012】
好ましくは、上記磁気パターン領域は、上記データ領域の上流側に設けられている。
【0013】
好ましくは、上記非磁性領域のディスク径方向の幅寸法は、上記ガードバンドのディスク径方向の幅寸法と同一とされている。
【0014】
好ましくは、上記トラックの少なくとも1つにおける、上記セクタの少なくとも1つには、連続磁性領域がさらに設けられている。
【0015】
本発明の第2の側面によって提供される磁気ディスク装置は、非磁性材料あるいは溝からなり、周方向に沿って延びるガードバンドによって隣接するトラックが物理的に区切られているとともに、これらのトラックがセクタ単位に細分化されており、上記セクタのそれぞれには、トラッキング制御に用いられるサーボ領域と、データを磁気記録するためのデータ領域とが設けられた構造をもち、かつ、上記セクタのそれぞれには、非磁性材料または溝からなり、上記ガードバンドの長手方向と略同一方向に所定長さの帯状に延びるとともに中心線が上記データ領域の中心軸に一致するように配される非磁性領域と、この非磁性領域を包囲する磁性領域とを有する磁気パターン領域が設けられた磁気ディスクと、この磁気ディスクに対してデータを読み書きするための磁気ヘッドと、上記磁気ディスクを回転させる回転駆動手段と、上記磁気ヘッドを上記磁気ディスクの略径方向に移動させるヘッド移動手段とを備えた磁気ディスク装置であって、上記磁気ディスクの回転中、上記磁気ヘッドを介して所定の上記トラックに含まれる上記サーボ領域を読み取ることにより、これらサーボ領域の中心軸を通る位置を示すトラック位置情報を取得するトラック位置情報取得手段と、上記磁気ディスクの回転中、上記磁気ヘッドを介して上記所定のトラックに含まれる上記磁気パターン領域の所定箇所に磁気記録マークを付与する磁気記録マーキング手段と、上記磁気記録マークの付与後、上記磁気ディスクの回転中に上記磁気ヘッドを介して上記磁気記録マークを読み取ることにより、上記データ領域の中心軸を通る位置を示すトラック位置補正情報を取得するトラック位置補正情報取得手段と、上記トラック位置情報およびトラック位置補正情報に基づき、上記データ領域ごとに上記磁気ヘッドの位置を補正しながらこの磁気ヘッドを上記所定のトラックに追従させるようにトラッキング制御を行うトラッキング制御手段と、を備えていることを特徴としている。
【0016】
本発明の第2の側面において、好ましくは、上記磁気ヘッドには、データの読み書きをそれぞれ独立して行う読み取りヘッド部と書き込みヘッド部とが設けられているとともに、上記トラックの少なくとも1つにおける、上記セクタの少なくとも1つには、連続磁性領域がさらに設けられており、上記トラック位置情報の取得後、この情報に基づいて上記磁気ヘッドを上記連続磁性領域に追従させながら、上記書き込みヘッド部を介して上記連続磁性領域に追加の磁気記録マークを付与する追加の磁気記録マーキング手段と、上記追加の磁気記録マークの付与後、上記磁気ディスクの回転中に上記読み取りヘッド部を介して上記追加の磁気記録マークを読み取ることにより、この追加の磁気記録マークの中心軸を通る位置を示す読み書きヘッドオフセット情報を取得する読み書きヘッドオフセット情報取得手段とをさらに備え、上記トラッキング制御手段は、所定の上記データ領域に対してデータを磁気記録する場合、上記トラック位置補正情報および読み書きヘッドオフセット情報に基づき、上記所定のデータ領域に対する上記書き込みヘッド部の位置を補正するように構成されている。
【0017】
本発明の第3の側面によって提供されるトラッキング制御方法は、非磁性材料あるいは溝からなり、周方向に沿って延びるガードバンドによって隣接するトラックが物理的に区切られているとともに、これらのトラックがセクタ単位に細分化されており、上記セクタのそれぞれには、トラッキング制御に用いられるサーボ領域と、データを磁気記録するためのデータ領域とが設けられた構造をもち、かつ、上記セクタのそれぞれには、非磁性材料または溝からなり、上記ガードバンドの長手方向と略同一方向に所定長さの帯状に延びるとともに中心線が上記データ領域の中心軸に一致するように配される非磁性領域と、この非磁性領域を包囲する磁性領域とを有する磁気パターン領域が設けられた磁気ディスクと、この磁気ディスクに対してデータを読み書きするための磁気ヘッドと、上記磁気ディスクを回転させる回転駆動手段と、上記磁気ヘッドを上記磁気ディスクの略径方向に移動させるヘッド移動手段とを用いてトラッキング制御を行うトラッキング制御方法であって、上記磁気ディスクの回転中、上記磁気ヘッドを介して所定の上記トラックに含まれる上記サーボ領域を読み取ることにより、これらサーボ領域の中心軸を通る位置を示すトラック位置情報を取得するトラック位置情報取得ステップと、上記磁気ディスクの回転中、上記トラック位置情報に基づき、上記磁気ヘッドを上記所定のトラックに含まれる上記磁気パターン領域に追従させながら、上記磁気ヘッドを介してこの磁気パターン領域の上記磁性領域に対して上記非磁性領域を跨ぐように磁気記録マークを付与する磁気記録マーキングステップと、上記磁気記録マークの付与後、上記磁気ディスクの回転中に上記磁気ヘッドを介して上記磁気記録マークを読み取ることにより、上記データ領域の中心軸を通る位置を示すトラック位置補正情報を取得するトラック位置補正情報取得ステップと、上記トラック位置情報およびトラック位置補正情報に基づき、上記データ領域ごとに上記磁気ヘッドの位置を補正しながらこの磁気ヘッドを上記所定のトラックに追従させるようにトラッキング制御を行うトラッキング制御ステップと、を実行することを特徴としている。
【0018】
本発明の第3の側面において、好ましくは、上記磁気ヘッドには、データの読み書きをそれぞれ独立して行う読み取りヘッド部と書き込みヘッド部とが設けられているとともに、上記トラックの少なくとも1つにおける、上記セクタの少なくとも1つには、連続磁性領域がさらに設けられており、上記トラック位置情報の取得後、この情報に基づいてトラッキング制御を行いながら、上記書き込みヘッド部を介して上記連続磁性領域に追加の磁気記録マークを付与する追加の磁気記録マーキングステップと、上記追加の磁気記録マークの付与後、上記磁気ディスクの回転中に上記読み取りヘッド部を介して上記追加の磁気記録マークを読み取ることにより、この追加の磁気記録マークの中心軸を通る位置を示す読み書きヘッドオフセット情報を取得する読み書きヘッドオフセット情報取得ステップとをさらに実行し、所定の上記データ領域に対してデータを磁気記録する場合、上記トラック位置補正情報および読み書きヘッドオフセット情報に基づき、上記所定のデータ領域に対する上記書き込みヘッド部の位置を補正しながらトラッキング制御を行なうように構成されている。
【0019】
このような構成によれば、サーボ領域を読み取るだけでなく、データ領域の中心軸に一致するように配された非磁性領域を含む磁気パターン領域をも磁気ヘッドで読み取り、取得したトラックの位置情報(トラック位置情報およびトラック位置補正情報)に基づいてデータ領域に同期したうねりを正確に知ることができる。そのため、たとえサーボ領域とデータ領域とにディスク径方向の位置ずれがあっても、磁気ヘッドをデータ領域に対して正確に追従させることができる。これにより、データ領域に対する磁気ヘッドの位置決め精度を高めることができ、ひいてはデータの読み書きエラーを飛躍的に低減させることができる。
【0020】
本発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行う詳細な説明によって、より明らかとなろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明の好ましい実施の形態を、図面を参照して具体的に説明する。
【0022】
図1は、本発明に係る磁気ディスク装置の一実施形態を示している。本実施形態には、本発明に係る磁気ディスクXが含まれる。磁気ディスク装置Aは、磁気ディスクX、磁気ヘッド1、スピンドルモータ2、スイングアーム3、アクチュエータ4、およびディスクコントローラ5を備えて構成されている。磁気ディスクXは、その複数枚が所定の間隔を空けて上下に重ねられており、各磁気ディスクXは、表裏両面を記録面としたディスクリートトラックメディアにより構成される。磁気ヘッド1は、磁気ディスクXに対してデータを読み書きするものであり、磁気ディスクXの記録面と対向するように各スイングアーム3の先端に設けられている。磁気ヘッド1には、データの読み書きをそれぞれ独立して行う読み取りヘッド部10と書き込みヘッド部11とが磁気ディスクXの略周方向に並ぶように設けられている(図2参照)。スピンドルモータ2は、磁気ディスクXを高速回転させる回転駆動手段20である(図3参照)。スイングアーム3は、磁気ヘッド1を磁気ディスクXの略径方向に往復移動させるものであり、アクチュエータ4によって敏速に動作させられる。アクチュエータ4は、ボイスコイルモータなどからなり、このアクチュエータ4とスイングアーム3によってヘッド移動手段30が構成される(図3参照)。ディスクコントローラ5は、磁気ヘッド1、スピンドルモータ2、ならびにアクチュエータ4を駆動制御するものであり、CPUやメモリなどを備えたマイクロコンピュータ、あるいはマイクロコンピュータと同等の機能を備えたワイヤードロジック回路で構成される。
【0023】
磁気ディスクXは、図1および図2に示すように、磁性材料および非磁性材料を用いて同心円状に形成された多数のトラックTを有する。互いに隣接するトラックTは、非磁性材料あるいは溝からなるとともに周方向に沿って延びるガードバンドGによって物理的に区切られており、各トラックTは、セクタSを単位として周方向に細分化されている。隣接するトラックTの間隔(トラックピッチTp)は、数十nm程度である。図2によく示すように、セクタSのそれぞれには、トラッキング制御(トラックTに磁気ヘッド1を追従させる制御)に用いられるサーボ領域SSと、データを磁気記録するためのデータ領域SDと、サーボ領域SSおよびデータ領域SDの間に位置する磁気パターン領域SMとが設けられている。また、各トラックTにおける1つまたは複数のセクタSには、連続磁性領域SCが設けられている。
【0024】
サーボ領域SSは、サーボバーストパターンS3の他、プリアンブル、アドレスマーク、グレイコードなどといった磁気パターンを含んで構成されており、これらのうち、グレイコードとサーボバーストパターンS3がトラッキング制御に用いられる。サーボバーストパターンS3は、AパターンS3a、BパターンS3b、CパターンS3c、DパターンS3dの4つを1組として構成されている。各パターンS3a〜S3dは、磁性領域S1内において複数の非磁性領域S2が周期的に並んだ形態からなり、これらパターンS3a〜S3dの幅寸法(磁気ディスクXの径方向に沿う長さ)は、トラックピッチTpと同程度である。AパターンS3aおよびBパターンS3bは、互いに重複することなくデータ領域SDの左右両側にずれるように形成されており、奇数番トラックと偶数番トラックでは、AパターンS3aおよびBパターンS3bの左右の並び方が逆になる。CパターンS3cおよびDパターンS3dは、その一方が奇数番トラックのサーボ領域SSの中心軸SSaxを規定し、他方が偶数番トラックのサーボ領域SSの中心軸SSaxを規定するように形成されている。
【0025】
微調位置情報を有するサーボバーストパターンS3とアドレス情報等を含む粗調位置情報を有するグレイコードとを磁気ヘッド1で読み取ることにより、トラッキングエラー信号(以下、「PES信号」と称する)が得られ、このPES信号に基づいて磁気ヘッド1がサーボ領域SSのどちら側にずれているかを知ることができる。微調部分であるサーボバーストパターンS3について簡単に説明する。まず、A〜DパターンS3a〜S3dに応じた4つのA〜D信号が得られる。これらのA〜D信号をさらに演算処理することにより、(A−B)/(A+B)信号と(C−D)/(C+D)信号が得られる。たとえば、図2において上から1番目のトラックTに合わせ、このトラックTに属するサーボ領域SSの中心軸SSaxに磁気ヘッド1の読み取りヘッド部10が位置合わせされた状態になると、(A−B)/(A+B)信号の出力が0で(C−D)/(C+D)信号の出力がプラス(+)になる。2番目のトラックTに属するサーボ領域SSの中心軸SSaxに読み取りヘッド部10が位置合わせされた状態では、(A−B)/(A+B)信号の出力が0になるものの、(C−D)/(C+D)信号の出力がマイナス(−)になる。1番目と2番目のトラックTの間では、(A−B)/(A+B)信号の出力が常にプラス(+)になるものの、読み取りヘッド部10の偏り具合に応じて(C−D)/(C+D)信号の出力がプラス(+)、マイナス(−)、0のいずれかになる。すなわち、(A−B)/(A+B)信号と(C−D)/(C+D)信号との2つの組み合わせで、連続的な微調位置信号得られ、グレイコードから得られた粗調位置信号と組み合わせることによりPES信号が得られ、トラッキング制御を行うことができる。
【0026】
データ領域SDは、各セクタSにおいてサーボ領域SSよりも下流側に位置し、ガードバンドGによって隣のトラックTとは物理的に区切られている。ガードバンドGは、それぞれが同一幅とされ、かつ同一ピッチで設けられている。データ領域SDにおいて隣合うガードバンドGで区画された部分は、実質的にデータを磁気記録しうる連続状の磁性領域S1がデータゾーンとして設けられている。ここで、データ領域SDの中心軸SDaxは、サーボ領域SSの中心軸SSaxに一致しているとは限らず、製造誤差などによってある程度の位置ずれ量g1が生じ得る。
【0027】
連続磁性領域SCは、たとえば所定のセクタSにおける先頭部位に設けられており、その全体が磁性領域S1からなるものである。図6に示すように、連続磁性領域SCには、磁気記録マークM1を書き込むことができる。この磁気記録マークM1は所定の磁化方向が所定の強度分布をもって帯磁した領域であるが、何らかの情報を表したものではない。このような磁気記録マークM1を書き込んだ後、図7に示すように、磁気ディスクXの径方向に磁気ヘッド1を少しずつ徐々に変位させながら磁気記録マークM1を読み取ることにより、これに応じたトラックプロファイル信号P1が得られ、このトラックプロファイル信号P1のピーク値を検出することにより、磁気ヘッド1の読み取りヘッド部10が磁気記録マークM1の中心軸M1axを通る位置を示す読み書きヘッドオフセット情報が取得される。この読み書きヘッドオフセット情報とは、読み取りヘッド部10と書き込みヘッド部11との相対的な位置ずれを示す情報であり、このような読み書きヘッドオフセット情報と上記トラック位置情報によれば、たとえば製造誤差による磁気ヘッド1の読み取りヘッド部10と書き込みヘッド部11とのオフセット量g2(図6参照)を知ることができる。このような読み書きヘッドオフセット情報は、特にデータを書き込む際の微調によるトラッキング制御に用いられる。
【0028】
なお、読み取りヘッド部10と書き込みヘッド部11とのオフセット量g2は、トラックTを基準にして測定した場合、たとえば最内周のトラックTに位置合わせした状態と最外周のトラックTに位置合わせした状態とで異なる。これは、磁気ディスクXと平行な面内において磁気ヘッド1がスイングアーム3により揺動させられると、トラックTに対する磁気ヘッド1の角度が変化するためである。
【0029】
磁気パターン領域SMは、図2に示すように、各セクタSにおいてデータ領域SDの上流側に隣接して設けられており、磁性領域S1内の適所に非磁性領域S4が配された構成とされている。非磁性領域S4は、ガードバンドGの長手方向と略同一方向に沿って帯状に延びるように設けられており、その中心線SMaxがデータ領域SDの中心軸SDaxに一致している。また、非磁性領域S4のディスク径方向の幅寸法(磁気ディスクXの径方向に沿う長さ)は、ガードバンドGのディスク径方向の幅寸法と同一とされている。
【0030】
図8に示すように、磁気パターン領域SMを構成する磁性領域S1には、磁気記録マークM2を書き込むことができる。この磁気記録マークM2は所定の磁化方向が所定の強度分布をもって帯磁した領域であるが、何らかの情報を表したものではない。また、この磁気記録マークM2は、実質的に書き込み不能な非磁性領域S4によって図中上下方向に分断された箇所に形成される。このような磁気記録マークM2を書き込んだ後、図9に示すように、磁気ディスクXの径方向に磁気ヘッド1を少しずつ徐々に変位させながら磁気記録マークM2を読み取ることにより、これに応じたトラックプロファイル信号P2が得られる。ここで、トラックプロファイル信号P2としては、非磁性領域S4に対応する部分の信号強度が実質的にゼロとなるので、非磁性領域S4に対応する部分の両側において磁性領域S1の端部に対応する2つのピークを有するものとなる。そして、このトラックプロファイル信号P2の2つのピーク値を検出することにより、磁気ヘッド1の読み取りヘッド部10が磁気記録マークM2の中心軸M2axを通る位置を示すトラック位置補正情報が取得される。このようなトラック位置補正情報と上記トラック位置情報によれば、たとえば製造誤差によるサーボ領域SSの中心軸SSaxとデータ領域SDの中心軸SDaxとの位置ずれ量g1(図8参照)を知ることができる。このようなトラック位置補正情報は、微調によるトラッキング制御に用いられる。
【0031】
このような構成の磁気ディスクXは、たとえばスタンパを用いたナノインプリントリソグラフィ法によって製造される。ナノインプリントリソグラフィ法による磁気ディスクXの製造においては、まず、原盤となるスタンパを作製する。スタンパの作製においては、たとえば、基板上のレジスト膜に所定パターンを露光形成した後、当該レジスト膜に現像処理を施してレジストパターンを形成する。次に、このレジストパターンをマスクとして基板にRIEなどのドライエッチングを施して凹部を形成し、レジストパターンを除去する。このようにして得られたスタンパは、磁気ディスクXの非磁性化させる部位を凸部とする所定の凹凸パターンを有し、当該凸部が高精度に形成される。次いで、このスタンパを、磁気ディスクXの磁性領域および非磁性領域を構成するための磁性膜上に塗布されたレジストに押圧することにより、当該スタンパの凹凸パターンがレジストに転写される。ここで、スタンパの凸部に対応する部位にレジストの凹部が形成される。次いで、転写後のレジストパターンをマスクとして磁性膜にドライエッチングを施すことにより、ガードバンドGを形成するための溝と、磁気パターン領域SMにおける非磁性領域S4を形成するための溝と、サーボ領域SSにおける非磁性領域S2を形成するための溝とが形成される。ここで、ガードバンドG用の溝、および磁気パターン領域SMにおける非磁性領域S4用の溝は、その幅が比較的に広く、また、同一幅かつ同一ピッチとなるように隣接して形成される。このため、ドライエッチングによる上記溝を形成するための最適条件は一致し、上記溝の断面形状としては安定した略均一なものとなる。一方、サーボ領域SSにおける非磁性領域S2用の溝は、ガードバンドG用の溝や磁気パターン領域SMにおける非磁性領域S4用の溝に比べて、長手方向の向きが異なるとともに、その幅が狭く、また、ランダムに変化させられるように形成されるため、溝の断面形状としては不均一なものとなる傾向になる。このサーボ領域における非磁性領域S2の溝の断面形状の不均一さによって、サーボ領域SSの中心軸SSaxとデータ領域SDの中心軸SDaxとの間の位置ずれが生じ易くなる。
【0032】
図3に示すように、ディスクコントローラ5には、トラック位置情報取得部51、磁気記録マーキング部52、読み書きヘッドオフセット情報取得部53、磁気記録マーキング部54、トラック位置補正情報取得部55、およびトラッキング制御部56といった機能モジュールが含まれる。トラック位置情報取得部51、読み書きヘッドオフセット情報取得部53、およびトラック位置補正情報取得部55のそれぞれは、磁気ヘッド1、回転駆動手段20、およびヘッド移動手段30を制御することにより、上記トラック位置情報、読み書きヘッドオフセット情報、ならびにトラック位置補正情報を取得する。これらの情報は、製造工程の最終段階でローレベルフォーマットを行うことにより取得され、メモリに記憶される。磁気記録マーキング部52,54のそれぞれは、磁気ヘッド1、回転駆動手段20、およびヘッド移動手段30を制御することにより、連続磁性領域SCならびに磁気パターン領域SMに磁気記録マークM1,M2を書き込む。トラッキング制御部56は、磁気ディスクXに対してデータの読み書きを行う際、上記トラック位置情報とトラック位置補正情報とに基づき、あるいはトラック位置補正情報と読み書きヘッドオフセット情報とに基づき、目標のトラックTに磁気ヘッド1を追従させるように微調によるトラッキング制御を行う。
【0033】
次に、磁気ディスク装置Aのトラッキング制御に関する動作につき、図4〜図9を参照して説明する。図4は、磁気ディスク装置Aの制御処理を示すフローチャートであり、図5〜図9は、制御処理の各ステップを模式的に説明するための説明図である。
【0034】
磁気ディスク装置Aは、製造工程の最終段階でローレベルフォーマットが実行される。このローレベルフォーマットにおいては、図4のフローチャートに示すように、まず、トラック位置情報取得部51がトラックTごとにサーボ領域SSを読み取ることにより、トラック位置情報を取得する(S11)。図5に示すように、トラック位置情報は、サーボ領域SSの中心軸SSaxに磁気ヘッド1の読み取りヘッド部10が沿う状態の位置として得られ、基本的には、このトラック位置情報を基に磁気ヘッド1をトラッキング制御する。
【0035】
次に、磁気記録マーキング部52は、上記トラック位置情報に基づいて所定の連続磁性領域SCに磁気ヘッド1を追従させながら、その連続磁性領域SCの磁性領域S1に磁気記録マークM1を付与する(S12)。このとき、図6に示すように、磁気ヘッド1の読み取りヘッド部10がサーボ領域SSの中心軸SSaxに位置合わせされており、磁気記録マークM1は、磁気ディスクXの回転速度に応じた所定のタイミングで磁気ヘッド1の書き込みヘッド部11から連続磁性領域SCの磁性領域S1に書き込まれる。ここで、書き込みヘッド部11が読み取りヘッド部10に対してずれている場合、磁性領域S1において磁気記録マークM1が磁気的に磁気ディスクXの径方向に位置ずれした状態で書き込まれる。すなわち、磁気ヘッド1の読み取りヘッド部10は、サーボ領域SSの中心軸SSaxに位置合わせされた状態にある一方、書き込みヘッド部11は、読み取りヘッド部10に対してオフセット量g2だけずれているため、磁性領域S1に書き込まれた磁気記録マークM1の中心軸M1axが磁気ディスクXの径方向に磁気的に位置ずれした状態にある。
【0036】
次に、読み書きヘッドオフセット情報取得部53は、磁気記録マークM1を読み取ることにより、読み書きヘッドオフセット情報を取得する(S13)。読み書きヘッドオフセット情報の取得は、上記トラック位置情報に基づいて目標とする連続磁性領域SCに磁気ヘッド1を追従させた状態から、磁気ディスクXの径方向に磁気ヘッド1を徐々に変位させながら磁気記録マークM1を読み取ることによりなされる。すなわち、図7に示すように、磁気ヘッド1から出力されるトラックプロファイル信号P1のピーク値が検出され、このピーク値に対応した位置が磁気記録マークM1の中心軸M1axに磁気ヘッド1の読み取りヘッド部10が一致した位置を示す読み書きヘッドオフセット情報として取得される。このような読み書きヘッドオフセット情報によれば、読み取りヘッド部10と書き込みヘッド部11との相対的なオフセット量g2が検出される。
【0037】
上記読み書きヘッドオフセット情報は、所定のトラックTに対してデータを書き込む際、そのトラックTに磁気ヘッド1の書き込みヘッド部11を追従させるための基準となるライトトラック位置情報として確定する(S14)。
【0038】
次に、磁気記録マーキング部54は、上記ライトトラック位置情報に基づいて、トラックTごとに各セクタSにおける磁気パターン領域SMに磁気ヘッド1を追従させながら、その磁気パターン領域SMの磁性領域S1に磁気記録マークM2を付与する(S15)。図8に示すように、磁気記録マークM2は、磁気ディスクXの回転速度に応じた所定のタイミングで磁気ヘッド1の書き込みヘッド部11から磁気パターン領域SMの磁性領域S1に書き込まれる。ここで、磁気ヘッド1の書き込みヘッド11は、上記ライトトラック位置情報のオフセット量g2を加味して位置補正がされており、サーボ領域SSの中心軸SSaxに位置合わせされた状態にある。データ領域SDの中心軸SDax(磁気パターン領域SMの非磁性領域S4の中心線SMax)がサーボ領域SSの中心軸SSaxに対してずれている場合、磁気記録マークM2が磁気ディスクXの径方向に磁気的に位置ずれした状態で書き込まれる。すなわち、磁気記録マークM2は、その中心軸M2axが非磁性領域S4の中心線SMaxに対して位置ずれ量g1だけずれた状態にある。また、磁気記録マークM2は、非磁性領域S4を跨ぐように分断されている。なお、磁気パターン領域SMを構成する非磁性領域S4の中心線SMaxは、上述したようにデータ領域SDの中心軸SDaxと一致している。このような磁気パターン領域SMを設けることにより、非磁性領域S4の中心線SMaxをデータ領域SDの中心軸SDaxとして扱うことが可能となっている。
【0039】
次に、トラック位置補正情報取得部55は、磁気パターン領域SMの磁性領域S1に書き込まれた磁気記録マークM2を読み取ることにより、トラック位置補正情報を取得する(S16)。トラック位置補正情報の取得は、上記トラック位置情報に基づいて磁気パターン領域SMごとに磁気ヘッド1を追従させた状態から、磁気ディスクXの径方向に磁気ヘッド1を徐々に変位させながら磁気記録マークM2を読み取ることによりなされる。すなわち、図9に示すように、磁気ヘッド1から出力されるトラックプロファイル信号P2の2つのピーク値が検出され、この2つのピーク値から非磁性領域S4の中心線SMaxが割り出されるとともに、この中心線SMaxに磁気ヘッド1の読み取りヘッド10が一致した位置を示すトラック位置補正情報として取得される。ここで、トラックプロファイル信号P2の2つのピーク値から非磁性領域S4の中心線SMaxを割り出す方法としては、たとえば当該2つのピーク値が一致しない場合において、当該2つのピーク値の差から演算処理を行う方法が挙げられる。この場合、当該2つのピーク値は山なり形状を辿る信号の中央付近が除去された形態で先鋭状に現れるため、山なり形状の信号に現れるブロードな1つのピーク値を検出する場合に比べて、トラック位置補正情報の基礎となる中心線SMaxの位置をより正確に割り出すことができる。このようなトラック位置補正情報によれば、磁気パターン領域SM(データ領域SD)ごとに補正すべきトラック位置が定まり、データ領域SDのディスク周方向位置に応じた周期的なうねりを含むトラックTのプロファイルが判明する。つまり、トラック位置補正情報によれば、これと先のステップS11で得られたトラック位置情報とに基づき、サーボ領域SSとデータ領域SDとの相対的な位置ずれ量g1が検出される。
【0040】
上記トラック位置情報およびトラック位置補正情報は、所定のトラックTに書き込まれているデータを読み出す際、そのトラックTに磁気ヘッド1の読み取りヘッド部10を追従させるための基準となるリードトラック位置情報として確定する(S17)。
【0041】
ローレベルフォーマットは、上記S11〜S17のステップを実行することで完了する。その後、トラッキング制御部56は、磁気ディスクXに対してデータの読み書きを行う際、上記リードトラック位置情報およびライトトラック位置情報に基づいてトラッキング制御処理を行う(S18)。トラッキング制御処理は、たとえば所定のトラックTのデータ領域SDからデータを読み取る場合、トラック位置情報に基づいてそのトラックTに読み取りヘッド部10を概ね位置合わせした状態とし、さらにトラック位置補正情報に基づいてそのデータ領域SDの中心軸SDaxに沿うように読み取りヘッド部10の位置を補正することでなされる。また、たとえば所定のトラックTのデータ領域SDにデータを書き込む場合、トラッキング制御処理は、トラック位置補正情報に基づいてそのデータ領域SDに読み取りヘッド部10を位置合わせした状態から、さらに読み書きヘッドオフセット情報に基づいてそのデータ領域SDの中心軸SDaxに沿うように書き込みヘッド部11の位置をオフセット補正することでなされる。これにより、データの読み書きがデータ領域SDに対してその都度正確に行われる。
【0042】
したがって、本実施形態の磁気ディスク装置Aによれば、たとえサーボ領域SSの中心軸SSaxとデータ領域SDの中心軸SDaxとがずれていても、磁気ヘッド1の読み取りヘッド部10をデータ領域SDに対して正確に追従させることができる。また、磁気ヘッド1の読み取りヘッド部10と書き込みヘッド部11との間にオフセットがあっても、書き込みヘッド部11をデータ領域SDに対して正確に追従させることができる。これにより、データ領域SDに対する磁気ヘッド1の位置決め精度を従来の場合よりも相当高めることができ、ひいてはデータの読み書きエラーを飛躍的に低減させることができる。
【0043】
図10および図11は、本発明に係る磁気ディスクの他の実施形態を示す部分拡大平面図である。なお、上述した実施形態によるものと同一または類似の構成要素については、同一符号を付してその説明を省略する。
【0044】
図10に一例として示すように、磁気ディスクの他の実施形態としては、データ領域SDの上流側に加えて下流側に磁気パターン領域SMを設けてもよい。このようにデータ領域SDの上流側だけでなく下流側にも磁気パターン領域SMがあると、その双方に書き込まれた磁気記録マークM2を読み取ることでデータ領域SDの平均的な位置を割り出すことができ、これにより、データ領域SDに対する磁気ヘッド1の位置決め精度をより高めることができる。
【0045】
図11に一例として示すように、磁気ディスクの他の実施形態としては、サーボ領域SSのサーボバーストパターンS3を既知の位相パターンとしてもよい。このような位相パターンからなるサーボバーストパターンS3を読み取ることによっても、PES信号から位相差を検出することでトラック位置情報を取得することができる。
【0046】
なお、本発明は、上記の各実施形態に限定されるものではない。
【0047】
たとえば、連続磁性領域は少なくとも1つのトラックにおける少なくとも1つのセクタに設けられていればよく、所定の1つのトラックにおける1つのセクタにのみ連続磁性領域を設ける構成とすることができる。読み取りヘッド部と書き込みヘッド部とのオフセット量は、磁気ヘッドがディスク径方向に移動するとこれにともない変化するが、所定のトラックに属する1つの連続磁性領域を利用して得られたオフセット量については、磁気ヘッドの読み書き対象となるトラックに対する磁気ヘッドの角度に応じて演算処理を施すことにより、任意のトラックに適用可能な補正オフセット量を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明に係る磁気ディスク装置の一実施形態を示す全体斜視図である。
【図2】図1に示す磁気ディスクのセクタ構造を示す部分拡大平面図である。
【図3】図1に示す磁気ディスク装置のブロック図である。
【図4】図1に示す磁気ディスク装置の制御処理を示すフローチャートである。
【図5】図4のトラック位置情報取得ステップを模式的に説明するための説明図である。
【図6】図4の磁気記録マーキングステップ(S12)を模式的に説明するための説明図である。
【図7】図4の読み書きヘッドオフセット情報取得ステップを模式的に説明するための説明図である。
【図8】図4の磁気記録マーキングステップ(S15)を模式的に説明するための説明図である。
【図9】図4のトラック位置補正情報取得ステップを模式的に説明するための説明図である。
【図10】本発明に係る磁気ディスクの他の実施形態を示す部分拡大平面図である。
【図11】本発明に係る磁気ディスクの他の実施形態を示す部分拡大平面図である。
【符号の説明】
【0049】
A 磁気ディスク装置
X 磁気ディスク
T トラック
S セクタ
SS サーボ領域
SD データ領域
SM 磁気パターン領域
SC 連続磁性領域
S1 磁性領域
S4 非磁性領域
M1 (追加の)磁気記録マーク
M2 磁気記録マーク
1 磁気ヘッド
10 読み取りヘッド部
11 書き込みヘッド部
20 回転駆動手段
30 ヘッド移動手段
51 トラック位置情報取得部(トラック位置情報取得手段)
52 (追加の)磁気記録マーキング部((追加の)磁気記録マーキング手段)
53 読み書きヘッドオフセット情報取得部(読み書きヘッドオフセット情報取得手段)
54 磁気記録マーキング部(磁気記録マーキング手段)
55 トラック位置補正情報取得部(トラック位置補正情報取得手段)
56 トラッキング制御部(トラッキング制御手段)
【技術分野】
【0001】
本発明は、いわゆるディスクリートトラックメディアやパターンドメディアなどに好適な磁気ディスク、磁気ディスク装置、およびトラッキング制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
磁気ディスクの技術分野においては、高記録密度化を図るのに好ましい媒体として、ディスクリートトラックメディア(DTM)やパターンドメディア(PM)などといった磁気ディスクが知られている。この種の磁気ディスクは、たとえば下記の特許文献1に記載されている。
【0003】
【特許文献1】特開2006−31846号公報
【0004】
特許文献1に記載の磁気ディスクは、隣接するトラックが非磁性材料あるいは溝からなるガードバンドによって物理的に区切られているとともに、これらのトラックがセクタ単位に細分化された構造をもつ。各セクタには、トラッキング制御に用いられるサーボ領域と、このサーボ領域に隣接してデータを磁気記録するためのデータ領域とが設けられている。サーボ領域とデータ領域との間には、磁気ヘッドに関する位置決め補正情報を磁気データとして記録しておくための連続磁性領域が設けられている。
【0005】
このような磁気ディスクを備えた磁気ディスク装置には、磁気ヘッドが組み込まれている。磁気ヘッドは、スイングアームやボイスコイルモータなどを介して磁気ディスクの略径方向に移動させられるようになっており、磁気ヘッドには、読み取りヘッド部(リードヘッド)と書き込みヘッド部(ライトヘッド)とがそれぞれ独立して設けられている。
【0006】
このような磁気ディスク装置においては、各トラックのプロファイルが理想的には真円になるべきところ、サーボ領域ごとにディスク径方向のトラック位置が決まるためにうねりを有するもの(実プロファイル)になっている。そのため、上記従来の磁気ディスク装置では、真円プロファイルに対する実プロファイルのオフセット量が位置決め補正情報として各セクタの連続磁性領域にあらかじめ書き込まれている。トラッキング制御時においては、連続磁性領域に書き込まれた位置決め補正情報を読み取り、これに基づいてセクタごとに磁気ヘッドの位置を補正しながら目標とするトラックに磁気ヘッドを追従させている。このようなトラッキング制御方法によれば、位置決め補正情報に基づいて目標とするトラックに概ね磁気ヘッドを追従させることができる。
【0007】
しかしながら、上記したような従来のトラッキング制御方法では、実際にデータを磁気記録する部分となるデータ領域のディスク径方向位置を全く取得しておらず、たとえばサーボ領域の中心軸とデータ領域の中心軸とに少しでも位置ずれがあると、磁気ヘッドとデータ領域との間に若干のずれが生じる。このようなサーボ領域とデータ領域との位置ずれは、たとえば磁気ディスクの製造プロセスに起因すると考えられる。サーボ領域内への非磁性領域(非磁性パターン)の作り込みは、たとえば、スタンパを用いたナノインプリントリソグラフィ法を行うことによって、ガードバンドの作製と同一プロセスで実行される。磁気ディスクの製造においては、まず、電子線リソグラフィにより、原盤となるスタンパを作製する。スタンパは、磁気ディスクの非磁性化させる部位(サーボ領域の非磁性領域、およびガードバンド)を凸部とする所定の凹凸パターンを有し、当該凸部が高精度となっている。次いで、このスタンパを、磁気ディスクの磁性領域および非磁性領域を構成するための磁性膜上に塗布されたレジストに押圧することにより、当該スタンパの凹凸パターンがレジストに転写される。ここで、スタンパの凸部に対応する部位にレジストの凹部が形成される。次いで、転写後のレジストパターンをマスクとして磁性膜にドライエッチングを施すことにより、ガードバンドを形成するための溝と、サーボ領域における非磁性領域を形成するための溝とが形成される。ここで、ガードバンド用の溝は、その幅が比較的に広く、また、同一幅かつ同一ピッチとなるように形成されるため、溝の形態(断面形状)としては安定した略均一なものとなる。一方、サーボ領域における非磁性領域用の溝は、ガードバンド用の溝に比べて、長手方向の向きが異なるとともに、その幅が狭く、また、ランダムに変化させられるように形成されるため、溝の断面形状としては不均一なものとなる傾向になる。このサーボ領域における非磁性領域の溝の断面形状の不均一さによって、サーボ領域の中心軸とデータ領域の中心軸との間の位置ずれが生じ易くなるのである。このようなことから、従来のトラッキング制御方法では、データ領域に対する磁気ヘッドの位置決め精度をそれほど高めることができず、データの読み書きエラーを殊更に低減するものではなかった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上記した事情のもとで考え出されたものであって、データ領域に対する磁気ヘッドの位置決め精度を高めることができ、ひいてはデータの読み書きエラーを飛躍的に低減させることができる磁気ディスク、磁気ディスク装置、およびトラッキング制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため、本発明では、次の技術的手段を講じている。
【0010】
本発明の第1の側面によって提供される磁気ディスクは、非磁性材料あるいは溝からなり、周方向に沿って延びるガードバンドによって隣接するトラックが物理的に区切られているとともに、これらのトラックがセクタ単位に細分化されており、上記セクタのそれぞれには、トラッキング制御に用いられるサーボ領域と、データを磁気記録するためのデータ領域とが設けられた構造をもつ磁気ディスクであって、上記セクタのそれぞれには、非磁性材料または溝からなり、上記ガードバンドの長手方向と略同一方向に所定長さの帯状に延びる非磁性領域と、この非磁性領域を包囲する磁性領域とを有する磁気パターン領域が設けられており、上記非磁性領域は、その中心線が上記データ領域の中心軸に一致するように配されていることを特徴としている。
【0011】
好ましくは、上記磁気パターン領域は、上記データ領域に隣接して設けられている。
【0012】
好ましくは、上記磁気パターン領域は、上記データ領域の上流側に設けられている。
【0013】
好ましくは、上記非磁性領域のディスク径方向の幅寸法は、上記ガードバンドのディスク径方向の幅寸法と同一とされている。
【0014】
好ましくは、上記トラックの少なくとも1つにおける、上記セクタの少なくとも1つには、連続磁性領域がさらに設けられている。
【0015】
本発明の第2の側面によって提供される磁気ディスク装置は、非磁性材料あるいは溝からなり、周方向に沿って延びるガードバンドによって隣接するトラックが物理的に区切られているとともに、これらのトラックがセクタ単位に細分化されており、上記セクタのそれぞれには、トラッキング制御に用いられるサーボ領域と、データを磁気記録するためのデータ領域とが設けられた構造をもち、かつ、上記セクタのそれぞれには、非磁性材料または溝からなり、上記ガードバンドの長手方向と略同一方向に所定長さの帯状に延びるとともに中心線が上記データ領域の中心軸に一致するように配される非磁性領域と、この非磁性領域を包囲する磁性領域とを有する磁気パターン領域が設けられた磁気ディスクと、この磁気ディスクに対してデータを読み書きするための磁気ヘッドと、上記磁気ディスクを回転させる回転駆動手段と、上記磁気ヘッドを上記磁気ディスクの略径方向に移動させるヘッド移動手段とを備えた磁気ディスク装置であって、上記磁気ディスクの回転中、上記磁気ヘッドを介して所定の上記トラックに含まれる上記サーボ領域を読み取ることにより、これらサーボ領域の中心軸を通る位置を示すトラック位置情報を取得するトラック位置情報取得手段と、上記磁気ディスクの回転中、上記磁気ヘッドを介して上記所定のトラックに含まれる上記磁気パターン領域の所定箇所に磁気記録マークを付与する磁気記録マーキング手段と、上記磁気記録マークの付与後、上記磁気ディスクの回転中に上記磁気ヘッドを介して上記磁気記録マークを読み取ることにより、上記データ領域の中心軸を通る位置を示すトラック位置補正情報を取得するトラック位置補正情報取得手段と、上記トラック位置情報およびトラック位置補正情報に基づき、上記データ領域ごとに上記磁気ヘッドの位置を補正しながらこの磁気ヘッドを上記所定のトラックに追従させるようにトラッキング制御を行うトラッキング制御手段と、を備えていることを特徴としている。
【0016】
本発明の第2の側面において、好ましくは、上記磁気ヘッドには、データの読み書きをそれぞれ独立して行う読み取りヘッド部と書き込みヘッド部とが設けられているとともに、上記トラックの少なくとも1つにおける、上記セクタの少なくとも1つには、連続磁性領域がさらに設けられており、上記トラック位置情報の取得後、この情報に基づいて上記磁気ヘッドを上記連続磁性領域に追従させながら、上記書き込みヘッド部を介して上記連続磁性領域に追加の磁気記録マークを付与する追加の磁気記録マーキング手段と、上記追加の磁気記録マークの付与後、上記磁気ディスクの回転中に上記読み取りヘッド部を介して上記追加の磁気記録マークを読み取ることにより、この追加の磁気記録マークの中心軸を通る位置を示す読み書きヘッドオフセット情報を取得する読み書きヘッドオフセット情報取得手段とをさらに備え、上記トラッキング制御手段は、所定の上記データ領域に対してデータを磁気記録する場合、上記トラック位置補正情報および読み書きヘッドオフセット情報に基づき、上記所定のデータ領域に対する上記書き込みヘッド部の位置を補正するように構成されている。
【0017】
本発明の第3の側面によって提供されるトラッキング制御方法は、非磁性材料あるいは溝からなり、周方向に沿って延びるガードバンドによって隣接するトラックが物理的に区切られているとともに、これらのトラックがセクタ単位に細分化されており、上記セクタのそれぞれには、トラッキング制御に用いられるサーボ領域と、データを磁気記録するためのデータ領域とが設けられた構造をもち、かつ、上記セクタのそれぞれには、非磁性材料または溝からなり、上記ガードバンドの長手方向と略同一方向に所定長さの帯状に延びるとともに中心線が上記データ領域の中心軸に一致するように配される非磁性領域と、この非磁性領域を包囲する磁性領域とを有する磁気パターン領域が設けられた磁気ディスクと、この磁気ディスクに対してデータを読み書きするための磁気ヘッドと、上記磁気ディスクを回転させる回転駆動手段と、上記磁気ヘッドを上記磁気ディスクの略径方向に移動させるヘッド移動手段とを用いてトラッキング制御を行うトラッキング制御方法であって、上記磁気ディスクの回転中、上記磁気ヘッドを介して所定の上記トラックに含まれる上記サーボ領域を読み取ることにより、これらサーボ領域の中心軸を通る位置を示すトラック位置情報を取得するトラック位置情報取得ステップと、上記磁気ディスクの回転中、上記トラック位置情報に基づき、上記磁気ヘッドを上記所定のトラックに含まれる上記磁気パターン領域に追従させながら、上記磁気ヘッドを介してこの磁気パターン領域の上記磁性領域に対して上記非磁性領域を跨ぐように磁気記録マークを付与する磁気記録マーキングステップと、上記磁気記録マークの付与後、上記磁気ディスクの回転中に上記磁気ヘッドを介して上記磁気記録マークを読み取ることにより、上記データ領域の中心軸を通る位置を示すトラック位置補正情報を取得するトラック位置補正情報取得ステップと、上記トラック位置情報およびトラック位置補正情報に基づき、上記データ領域ごとに上記磁気ヘッドの位置を補正しながらこの磁気ヘッドを上記所定のトラックに追従させるようにトラッキング制御を行うトラッキング制御ステップと、を実行することを特徴としている。
【0018】
本発明の第3の側面において、好ましくは、上記磁気ヘッドには、データの読み書きをそれぞれ独立して行う読み取りヘッド部と書き込みヘッド部とが設けられているとともに、上記トラックの少なくとも1つにおける、上記セクタの少なくとも1つには、連続磁性領域がさらに設けられており、上記トラック位置情報の取得後、この情報に基づいてトラッキング制御を行いながら、上記書き込みヘッド部を介して上記連続磁性領域に追加の磁気記録マークを付与する追加の磁気記録マーキングステップと、上記追加の磁気記録マークの付与後、上記磁気ディスクの回転中に上記読み取りヘッド部を介して上記追加の磁気記録マークを読み取ることにより、この追加の磁気記録マークの中心軸を通る位置を示す読み書きヘッドオフセット情報を取得する読み書きヘッドオフセット情報取得ステップとをさらに実行し、所定の上記データ領域に対してデータを磁気記録する場合、上記トラック位置補正情報および読み書きヘッドオフセット情報に基づき、上記所定のデータ領域に対する上記書き込みヘッド部の位置を補正しながらトラッキング制御を行なうように構成されている。
【0019】
このような構成によれば、サーボ領域を読み取るだけでなく、データ領域の中心軸に一致するように配された非磁性領域を含む磁気パターン領域をも磁気ヘッドで読み取り、取得したトラックの位置情報(トラック位置情報およびトラック位置補正情報)に基づいてデータ領域に同期したうねりを正確に知ることができる。そのため、たとえサーボ領域とデータ領域とにディスク径方向の位置ずれがあっても、磁気ヘッドをデータ領域に対して正確に追従させることができる。これにより、データ領域に対する磁気ヘッドの位置決め精度を高めることができ、ひいてはデータの読み書きエラーを飛躍的に低減させることができる。
【0020】
本発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行う詳細な説明によって、より明らかとなろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明の好ましい実施の形態を、図面を参照して具体的に説明する。
【0022】
図1は、本発明に係る磁気ディスク装置の一実施形態を示している。本実施形態には、本発明に係る磁気ディスクXが含まれる。磁気ディスク装置Aは、磁気ディスクX、磁気ヘッド1、スピンドルモータ2、スイングアーム3、アクチュエータ4、およびディスクコントローラ5を備えて構成されている。磁気ディスクXは、その複数枚が所定の間隔を空けて上下に重ねられており、各磁気ディスクXは、表裏両面を記録面としたディスクリートトラックメディアにより構成される。磁気ヘッド1は、磁気ディスクXに対してデータを読み書きするものであり、磁気ディスクXの記録面と対向するように各スイングアーム3の先端に設けられている。磁気ヘッド1には、データの読み書きをそれぞれ独立して行う読み取りヘッド部10と書き込みヘッド部11とが磁気ディスクXの略周方向に並ぶように設けられている(図2参照)。スピンドルモータ2は、磁気ディスクXを高速回転させる回転駆動手段20である(図3参照)。スイングアーム3は、磁気ヘッド1を磁気ディスクXの略径方向に往復移動させるものであり、アクチュエータ4によって敏速に動作させられる。アクチュエータ4は、ボイスコイルモータなどからなり、このアクチュエータ4とスイングアーム3によってヘッド移動手段30が構成される(図3参照)。ディスクコントローラ5は、磁気ヘッド1、スピンドルモータ2、ならびにアクチュエータ4を駆動制御するものであり、CPUやメモリなどを備えたマイクロコンピュータ、あるいはマイクロコンピュータと同等の機能を備えたワイヤードロジック回路で構成される。
【0023】
磁気ディスクXは、図1および図2に示すように、磁性材料および非磁性材料を用いて同心円状に形成された多数のトラックTを有する。互いに隣接するトラックTは、非磁性材料あるいは溝からなるとともに周方向に沿って延びるガードバンドGによって物理的に区切られており、各トラックTは、セクタSを単位として周方向に細分化されている。隣接するトラックTの間隔(トラックピッチTp)は、数十nm程度である。図2によく示すように、セクタSのそれぞれには、トラッキング制御(トラックTに磁気ヘッド1を追従させる制御)に用いられるサーボ領域SSと、データを磁気記録するためのデータ領域SDと、サーボ領域SSおよびデータ領域SDの間に位置する磁気パターン領域SMとが設けられている。また、各トラックTにおける1つまたは複数のセクタSには、連続磁性領域SCが設けられている。
【0024】
サーボ領域SSは、サーボバーストパターンS3の他、プリアンブル、アドレスマーク、グレイコードなどといった磁気パターンを含んで構成されており、これらのうち、グレイコードとサーボバーストパターンS3がトラッキング制御に用いられる。サーボバーストパターンS3は、AパターンS3a、BパターンS3b、CパターンS3c、DパターンS3dの4つを1組として構成されている。各パターンS3a〜S3dは、磁性領域S1内において複数の非磁性領域S2が周期的に並んだ形態からなり、これらパターンS3a〜S3dの幅寸法(磁気ディスクXの径方向に沿う長さ)は、トラックピッチTpと同程度である。AパターンS3aおよびBパターンS3bは、互いに重複することなくデータ領域SDの左右両側にずれるように形成されており、奇数番トラックと偶数番トラックでは、AパターンS3aおよびBパターンS3bの左右の並び方が逆になる。CパターンS3cおよびDパターンS3dは、その一方が奇数番トラックのサーボ領域SSの中心軸SSaxを規定し、他方が偶数番トラックのサーボ領域SSの中心軸SSaxを規定するように形成されている。
【0025】
微調位置情報を有するサーボバーストパターンS3とアドレス情報等を含む粗調位置情報を有するグレイコードとを磁気ヘッド1で読み取ることにより、トラッキングエラー信号(以下、「PES信号」と称する)が得られ、このPES信号に基づいて磁気ヘッド1がサーボ領域SSのどちら側にずれているかを知ることができる。微調部分であるサーボバーストパターンS3について簡単に説明する。まず、A〜DパターンS3a〜S3dに応じた4つのA〜D信号が得られる。これらのA〜D信号をさらに演算処理することにより、(A−B)/(A+B)信号と(C−D)/(C+D)信号が得られる。たとえば、図2において上から1番目のトラックTに合わせ、このトラックTに属するサーボ領域SSの中心軸SSaxに磁気ヘッド1の読み取りヘッド部10が位置合わせされた状態になると、(A−B)/(A+B)信号の出力が0で(C−D)/(C+D)信号の出力がプラス(+)になる。2番目のトラックTに属するサーボ領域SSの中心軸SSaxに読み取りヘッド部10が位置合わせされた状態では、(A−B)/(A+B)信号の出力が0になるものの、(C−D)/(C+D)信号の出力がマイナス(−)になる。1番目と2番目のトラックTの間では、(A−B)/(A+B)信号の出力が常にプラス(+)になるものの、読み取りヘッド部10の偏り具合に応じて(C−D)/(C+D)信号の出力がプラス(+)、マイナス(−)、0のいずれかになる。すなわち、(A−B)/(A+B)信号と(C−D)/(C+D)信号との2つの組み合わせで、連続的な微調位置信号得られ、グレイコードから得られた粗調位置信号と組み合わせることによりPES信号が得られ、トラッキング制御を行うことができる。
【0026】
データ領域SDは、各セクタSにおいてサーボ領域SSよりも下流側に位置し、ガードバンドGによって隣のトラックTとは物理的に区切られている。ガードバンドGは、それぞれが同一幅とされ、かつ同一ピッチで設けられている。データ領域SDにおいて隣合うガードバンドGで区画された部分は、実質的にデータを磁気記録しうる連続状の磁性領域S1がデータゾーンとして設けられている。ここで、データ領域SDの中心軸SDaxは、サーボ領域SSの中心軸SSaxに一致しているとは限らず、製造誤差などによってある程度の位置ずれ量g1が生じ得る。
【0027】
連続磁性領域SCは、たとえば所定のセクタSにおける先頭部位に設けられており、その全体が磁性領域S1からなるものである。図6に示すように、連続磁性領域SCには、磁気記録マークM1を書き込むことができる。この磁気記録マークM1は所定の磁化方向が所定の強度分布をもって帯磁した領域であるが、何らかの情報を表したものではない。このような磁気記録マークM1を書き込んだ後、図7に示すように、磁気ディスクXの径方向に磁気ヘッド1を少しずつ徐々に変位させながら磁気記録マークM1を読み取ることにより、これに応じたトラックプロファイル信号P1が得られ、このトラックプロファイル信号P1のピーク値を検出することにより、磁気ヘッド1の読み取りヘッド部10が磁気記録マークM1の中心軸M1axを通る位置を示す読み書きヘッドオフセット情報が取得される。この読み書きヘッドオフセット情報とは、読み取りヘッド部10と書き込みヘッド部11との相対的な位置ずれを示す情報であり、このような読み書きヘッドオフセット情報と上記トラック位置情報によれば、たとえば製造誤差による磁気ヘッド1の読み取りヘッド部10と書き込みヘッド部11とのオフセット量g2(図6参照)を知ることができる。このような読み書きヘッドオフセット情報は、特にデータを書き込む際の微調によるトラッキング制御に用いられる。
【0028】
なお、読み取りヘッド部10と書き込みヘッド部11とのオフセット量g2は、トラックTを基準にして測定した場合、たとえば最内周のトラックTに位置合わせした状態と最外周のトラックTに位置合わせした状態とで異なる。これは、磁気ディスクXと平行な面内において磁気ヘッド1がスイングアーム3により揺動させられると、トラックTに対する磁気ヘッド1の角度が変化するためである。
【0029】
磁気パターン領域SMは、図2に示すように、各セクタSにおいてデータ領域SDの上流側に隣接して設けられており、磁性領域S1内の適所に非磁性領域S4が配された構成とされている。非磁性領域S4は、ガードバンドGの長手方向と略同一方向に沿って帯状に延びるように設けられており、その中心線SMaxがデータ領域SDの中心軸SDaxに一致している。また、非磁性領域S4のディスク径方向の幅寸法(磁気ディスクXの径方向に沿う長さ)は、ガードバンドGのディスク径方向の幅寸法と同一とされている。
【0030】
図8に示すように、磁気パターン領域SMを構成する磁性領域S1には、磁気記録マークM2を書き込むことができる。この磁気記録マークM2は所定の磁化方向が所定の強度分布をもって帯磁した領域であるが、何らかの情報を表したものではない。また、この磁気記録マークM2は、実質的に書き込み不能な非磁性領域S4によって図中上下方向に分断された箇所に形成される。このような磁気記録マークM2を書き込んだ後、図9に示すように、磁気ディスクXの径方向に磁気ヘッド1を少しずつ徐々に変位させながら磁気記録マークM2を読み取ることにより、これに応じたトラックプロファイル信号P2が得られる。ここで、トラックプロファイル信号P2としては、非磁性領域S4に対応する部分の信号強度が実質的にゼロとなるので、非磁性領域S4に対応する部分の両側において磁性領域S1の端部に対応する2つのピークを有するものとなる。そして、このトラックプロファイル信号P2の2つのピーク値を検出することにより、磁気ヘッド1の読み取りヘッド部10が磁気記録マークM2の中心軸M2axを通る位置を示すトラック位置補正情報が取得される。このようなトラック位置補正情報と上記トラック位置情報によれば、たとえば製造誤差によるサーボ領域SSの中心軸SSaxとデータ領域SDの中心軸SDaxとの位置ずれ量g1(図8参照)を知ることができる。このようなトラック位置補正情報は、微調によるトラッキング制御に用いられる。
【0031】
このような構成の磁気ディスクXは、たとえばスタンパを用いたナノインプリントリソグラフィ法によって製造される。ナノインプリントリソグラフィ法による磁気ディスクXの製造においては、まず、原盤となるスタンパを作製する。スタンパの作製においては、たとえば、基板上のレジスト膜に所定パターンを露光形成した後、当該レジスト膜に現像処理を施してレジストパターンを形成する。次に、このレジストパターンをマスクとして基板にRIEなどのドライエッチングを施して凹部を形成し、レジストパターンを除去する。このようにして得られたスタンパは、磁気ディスクXの非磁性化させる部位を凸部とする所定の凹凸パターンを有し、当該凸部が高精度に形成される。次いで、このスタンパを、磁気ディスクXの磁性領域および非磁性領域を構成するための磁性膜上に塗布されたレジストに押圧することにより、当該スタンパの凹凸パターンがレジストに転写される。ここで、スタンパの凸部に対応する部位にレジストの凹部が形成される。次いで、転写後のレジストパターンをマスクとして磁性膜にドライエッチングを施すことにより、ガードバンドGを形成するための溝と、磁気パターン領域SMにおける非磁性領域S4を形成するための溝と、サーボ領域SSにおける非磁性領域S2を形成するための溝とが形成される。ここで、ガードバンドG用の溝、および磁気パターン領域SMにおける非磁性領域S4用の溝は、その幅が比較的に広く、また、同一幅かつ同一ピッチとなるように隣接して形成される。このため、ドライエッチングによる上記溝を形成するための最適条件は一致し、上記溝の断面形状としては安定した略均一なものとなる。一方、サーボ領域SSにおける非磁性領域S2用の溝は、ガードバンドG用の溝や磁気パターン領域SMにおける非磁性領域S4用の溝に比べて、長手方向の向きが異なるとともに、その幅が狭く、また、ランダムに変化させられるように形成されるため、溝の断面形状としては不均一なものとなる傾向になる。このサーボ領域における非磁性領域S2の溝の断面形状の不均一さによって、サーボ領域SSの中心軸SSaxとデータ領域SDの中心軸SDaxとの間の位置ずれが生じ易くなる。
【0032】
図3に示すように、ディスクコントローラ5には、トラック位置情報取得部51、磁気記録マーキング部52、読み書きヘッドオフセット情報取得部53、磁気記録マーキング部54、トラック位置補正情報取得部55、およびトラッキング制御部56といった機能モジュールが含まれる。トラック位置情報取得部51、読み書きヘッドオフセット情報取得部53、およびトラック位置補正情報取得部55のそれぞれは、磁気ヘッド1、回転駆動手段20、およびヘッド移動手段30を制御することにより、上記トラック位置情報、読み書きヘッドオフセット情報、ならびにトラック位置補正情報を取得する。これらの情報は、製造工程の最終段階でローレベルフォーマットを行うことにより取得され、メモリに記憶される。磁気記録マーキング部52,54のそれぞれは、磁気ヘッド1、回転駆動手段20、およびヘッド移動手段30を制御することにより、連続磁性領域SCならびに磁気パターン領域SMに磁気記録マークM1,M2を書き込む。トラッキング制御部56は、磁気ディスクXに対してデータの読み書きを行う際、上記トラック位置情報とトラック位置補正情報とに基づき、あるいはトラック位置補正情報と読み書きヘッドオフセット情報とに基づき、目標のトラックTに磁気ヘッド1を追従させるように微調によるトラッキング制御を行う。
【0033】
次に、磁気ディスク装置Aのトラッキング制御に関する動作につき、図4〜図9を参照して説明する。図4は、磁気ディスク装置Aの制御処理を示すフローチャートであり、図5〜図9は、制御処理の各ステップを模式的に説明するための説明図である。
【0034】
磁気ディスク装置Aは、製造工程の最終段階でローレベルフォーマットが実行される。このローレベルフォーマットにおいては、図4のフローチャートに示すように、まず、トラック位置情報取得部51がトラックTごとにサーボ領域SSを読み取ることにより、トラック位置情報を取得する(S11)。図5に示すように、トラック位置情報は、サーボ領域SSの中心軸SSaxに磁気ヘッド1の読み取りヘッド部10が沿う状態の位置として得られ、基本的には、このトラック位置情報を基に磁気ヘッド1をトラッキング制御する。
【0035】
次に、磁気記録マーキング部52は、上記トラック位置情報に基づいて所定の連続磁性領域SCに磁気ヘッド1を追従させながら、その連続磁性領域SCの磁性領域S1に磁気記録マークM1を付与する(S12)。このとき、図6に示すように、磁気ヘッド1の読み取りヘッド部10がサーボ領域SSの中心軸SSaxに位置合わせされており、磁気記録マークM1は、磁気ディスクXの回転速度に応じた所定のタイミングで磁気ヘッド1の書き込みヘッド部11から連続磁性領域SCの磁性領域S1に書き込まれる。ここで、書き込みヘッド部11が読み取りヘッド部10に対してずれている場合、磁性領域S1において磁気記録マークM1が磁気的に磁気ディスクXの径方向に位置ずれした状態で書き込まれる。すなわち、磁気ヘッド1の読み取りヘッド部10は、サーボ領域SSの中心軸SSaxに位置合わせされた状態にある一方、書き込みヘッド部11は、読み取りヘッド部10に対してオフセット量g2だけずれているため、磁性領域S1に書き込まれた磁気記録マークM1の中心軸M1axが磁気ディスクXの径方向に磁気的に位置ずれした状態にある。
【0036】
次に、読み書きヘッドオフセット情報取得部53は、磁気記録マークM1を読み取ることにより、読み書きヘッドオフセット情報を取得する(S13)。読み書きヘッドオフセット情報の取得は、上記トラック位置情報に基づいて目標とする連続磁性領域SCに磁気ヘッド1を追従させた状態から、磁気ディスクXの径方向に磁気ヘッド1を徐々に変位させながら磁気記録マークM1を読み取ることによりなされる。すなわち、図7に示すように、磁気ヘッド1から出力されるトラックプロファイル信号P1のピーク値が検出され、このピーク値に対応した位置が磁気記録マークM1の中心軸M1axに磁気ヘッド1の読み取りヘッド部10が一致した位置を示す読み書きヘッドオフセット情報として取得される。このような読み書きヘッドオフセット情報によれば、読み取りヘッド部10と書き込みヘッド部11との相対的なオフセット量g2が検出される。
【0037】
上記読み書きヘッドオフセット情報は、所定のトラックTに対してデータを書き込む際、そのトラックTに磁気ヘッド1の書き込みヘッド部11を追従させるための基準となるライトトラック位置情報として確定する(S14)。
【0038】
次に、磁気記録マーキング部54は、上記ライトトラック位置情報に基づいて、トラックTごとに各セクタSにおける磁気パターン領域SMに磁気ヘッド1を追従させながら、その磁気パターン領域SMの磁性領域S1に磁気記録マークM2を付与する(S15)。図8に示すように、磁気記録マークM2は、磁気ディスクXの回転速度に応じた所定のタイミングで磁気ヘッド1の書き込みヘッド部11から磁気パターン領域SMの磁性領域S1に書き込まれる。ここで、磁気ヘッド1の書き込みヘッド11は、上記ライトトラック位置情報のオフセット量g2を加味して位置補正がされており、サーボ領域SSの中心軸SSaxに位置合わせされた状態にある。データ領域SDの中心軸SDax(磁気パターン領域SMの非磁性領域S4の中心線SMax)がサーボ領域SSの中心軸SSaxに対してずれている場合、磁気記録マークM2が磁気ディスクXの径方向に磁気的に位置ずれした状態で書き込まれる。すなわち、磁気記録マークM2は、その中心軸M2axが非磁性領域S4の中心線SMaxに対して位置ずれ量g1だけずれた状態にある。また、磁気記録マークM2は、非磁性領域S4を跨ぐように分断されている。なお、磁気パターン領域SMを構成する非磁性領域S4の中心線SMaxは、上述したようにデータ領域SDの中心軸SDaxと一致している。このような磁気パターン領域SMを設けることにより、非磁性領域S4の中心線SMaxをデータ領域SDの中心軸SDaxとして扱うことが可能となっている。
【0039】
次に、トラック位置補正情報取得部55は、磁気パターン領域SMの磁性領域S1に書き込まれた磁気記録マークM2を読み取ることにより、トラック位置補正情報を取得する(S16)。トラック位置補正情報の取得は、上記トラック位置情報に基づいて磁気パターン領域SMごとに磁気ヘッド1を追従させた状態から、磁気ディスクXの径方向に磁気ヘッド1を徐々に変位させながら磁気記録マークM2を読み取ることによりなされる。すなわち、図9に示すように、磁気ヘッド1から出力されるトラックプロファイル信号P2の2つのピーク値が検出され、この2つのピーク値から非磁性領域S4の中心線SMaxが割り出されるとともに、この中心線SMaxに磁気ヘッド1の読み取りヘッド10が一致した位置を示すトラック位置補正情報として取得される。ここで、トラックプロファイル信号P2の2つのピーク値から非磁性領域S4の中心線SMaxを割り出す方法としては、たとえば当該2つのピーク値が一致しない場合において、当該2つのピーク値の差から演算処理を行う方法が挙げられる。この場合、当該2つのピーク値は山なり形状を辿る信号の中央付近が除去された形態で先鋭状に現れるため、山なり形状の信号に現れるブロードな1つのピーク値を検出する場合に比べて、トラック位置補正情報の基礎となる中心線SMaxの位置をより正確に割り出すことができる。このようなトラック位置補正情報によれば、磁気パターン領域SM(データ領域SD)ごとに補正すべきトラック位置が定まり、データ領域SDのディスク周方向位置に応じた周期的なうねりを含むトラックTのプロファイルが判明する。つまり、トラック位置補正情報によれば、これと先のステップS11で得られたトラック位置情報とに基づき、サーボ領域SSとデータ領域SDとの相対的な位置ずれ量g1が検出される。
【0040】
上記トラック位置情報およびトラック位置補正情報は、所定のトラックTに書き込まれているデータを読み出す際、そのトラックTに磁気ヘッド1の読み取りヘッド部10を追従させるための基準となるリードトラック位置情報として確定する(S17)。
【0041】
ローレベルフォーマットは、上記S11〜S17のステップを実行することで完了する。その後、トラッキング制御部56は、磁気ディスクXに対してデータの読み書きを行う際、上記リードトラック位置情報およびライトトラック位置情報に基づいてトラッキング制御処理を行う(S18)。トラッキング制御処理は、たとえば所定のトラックTのデータ領域SDからデータを読み取る場合、トラック位置情報に基づいてそのトラックTに読み取りヘッド部10を概ね位置合わせした状態とし、さらにトラック位置補正情報に基づいてそのデータ領域SDの中心軸SDaxに沿うように読み取りヘッド部10の位置を補正することでなされる。また、たとえば所定のトラックTのデータ領域SDにデータを書き込む場合、トラッキング制御処理は、トラック位置補正情報に基づいてそのデータ領域SDに読み取りヘッド部10を位置合わせした状態から、さらに読み書きヘッドオフセット情報に基づいてそのデータ領域SDの中心軸SDaxに沿うように書き込みヘッド部11の位置をオフセット補正することでなされる。これにより、データの読み書きがデータ領域SDに対してその都度正確に行われる。
【0042】
したがって、本実施形態の磁気ディスク装置Aによれば、たとえサーボ領域SSの中心軸SSaxとデータ領域SDの中心軸SDaxとがずれていても、磁気ヘッド1の読み取りヘッド部10をデータ領域SDに対して正確に追従させることができる。また、磁気ヘッド1の読み取りヘッド部10と書き込みヘッド部11との間にオフセットがあっても、書き込みヘッド部11をデータ領域SDに対して正確に追従させることができる。これにより、データ領域SDに対する磁気ヘッド1の位置決め精度を従来の場合よりも相当高めることができ、ひいてはデータの読み書きエラーを飛躍的に低減させることができる。
【0043】
図10および図11は、本発明に係る磁気ディスクの他の実施形態を示す部分拡大平面図である。なお、上述した実施形態によるものと同一または類似の構成要素については、同一符号を付してその説明を省略する。
【0044】
図10に一例として示すように、磁気ディスクの他の実施形態としては、データ領域SDの上流側に加えて下流側に磁気パターン領域SMを設けてもよい。このようにデータ領域SDの上流側だけでなく下流側にも磁気パターン領域SMがあると、その双方に書き込まれた磁気記録マークM2を読み取ることでデータ領域SDの平均的な位置を割り出すことができ、これにより、データ領域SDに対する磁気ヘッド1の位置決め精度をより高めることができる。
【0045】
図11に一例として示すように、磁気ディスクの他の実施形態としては、サーボ領域SSのサーボバーストパターンS3を既知の位相パターンとしてもよい。このような位相パターンからなるサーボバーストパターンS3を読み取ることによっても、PES信号から位相差を検出することでトラック位置情報を取得することができる。
【0046】
なお、本発明は、上記の各実施形態に限定されるものではない。
【0047】
たとえば、連続磁性領域は少なくとも1つのトラックにおける少なくとも1つのセクタに設けられていればよく、所定の1つのトラックにおける1つのセクタにのみ連続磁性領域を設ける構成とすることができる。読み取りヘッド部と書き込みヘッド部とのオフセット量は、磁気ヘッドがディスク径方向に移動するとこれにともない変化するが、所定のトラックに属する1つの連続磁性領域を利用して得られたオフセット量については、磁気ヘッドの読み書き対象となるトラックに対する磁気ヘッドの角度に応じて演算処理を施すことにより、任意のトラックに適用可能な補正オフセット量を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明に係る磁気ディスク装置の一実施形態を示す全体斜視図である。
【図2】図1に示す磁気ディスクのセクタ構造を示す部分拡大平面図である。
【図3】図1に示す磁気ディスク装置のブロック図である。
【図4】図1に示す磁気ディスク装置の制御処理を示すフローチャートである。
【図5】図4のトラック位置情報取得ステップを模式的に説明するための説明図である。
【図6】図4の磁気記録マーキングステップ(S12)を模式的に説明するための説明図である。
【図7】図4の読み書きヘッドオフセット情報取得ステップを模式的に説明するための説明図である。
【図8】図4の磁気記録マーキングステップ(S15)を模式的に説明するための説明図である。
【図9】図4のトラック位置補正情報取得ステップを模式的に説明するための説明図である。
【図10】本発明に係る磁気ディスクの他の実施形態を示す部分拡大平面図である。
【図11】本発明に係る磁気ディスクの他の実施形態を示す部分拡大平面図である。
【符号の説明】
【0049】
A 磁気ディスク装置
X 磁気ディスク
T トラック
S セクタ
SS サーボ領域
SD データ領域
SM 磁気パターン領域
SC 連続磁性領域
S1 磁性領域
S4 非磁性領域
M1 (追加の)磁気記録マーク
M2 磁気記録マーク
1 磁気ヘッド
10 読み取りヘッド部
11 書き込みヘッド部
20 回転駆動手段
30 ヘッド移動手段
51 トラック位置情報取得部(トラック位置情報取得手段)
52 (追加の)磁気記録マーキング部((追加の)磁気記録マーキング手段)
53 読み書きヘッドオフセット情報取得部(読み書きヘッドオフセット情報取得手段)
54 磁気記録マーキング部(磁気記録マーキング手段)
55 トラック位置補正情報取得部(トラック位置補正情報取得手段)
56 トラッキング制御部(トラッキング制御手段)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
非磁性材料あるいは溝からなり、周方向に沿って延びるガードバンドによって隣接するトラックが物理的に区切られているとともに、これらのトラックがセクタ単位に細分化されており、上記セクタのそれぞれには、トラッキング制御に用いられるサーボ領域と、データを磁気記録するためのデータ領域とが設けられた構造をもつ磁気ディスクであって、
上記セクタのそれぞれには、非磁性材料または溝からなり、上記ガードバンドの長手方向と略同一方向に所定長さの帯状に延びる非磁性領域と、この非磁性領域を包囲する磁性領域とを有する磁気パターン領域が設けられており、
上記非磁性領域は、その中心線が上記データ領域の中心軸に一致するように配されていることを特徴とする、磁気ディスク。
【請求項2】
上記非磁性領域のディスク径方向の幅寸法は、上記ガードバンドのディスク径方向の幅寸法と同一とされている、請求項1に記載の磁気ディスク。
【請求項3】
上記トラックの少なくとも1つにおける、上記セクタの少なくとも1つには、連続磁性領域がさらに設けられている、請求項1または2に記載の磁気ディスク。
【請求項4】
非磁性材料あるいは溝からなり、周方向に沿って延びるガードバンドによって隣接するトラックが物理的に区切られているとともに、これらのトラックがセクタ単位に細分化されており、上記セクタのそれぞれには、トラッキング制御に用いられるサーボ領域と、データを磁気記録するためのデータ領域とが設けられた構造をもち、かつ、上記セクタのそれぞれには、非磁性材料または溝からなり、上記ガードバンドの長手方向と略同一方向に所定長さの帯状に延びるとともに中心線が上記データ領域の中心軸に一致するように配される非磁性領域と、この非磁性領域を包囲する磁性領域とを有する磁気パターン領域が設けられた磁気ディスクと、この磁気ディスクに対してデータを読み書きするための磁気ヘッドと、上記磁気ディスクを回転させる回転駆動手段と、上記磁気ヘッドを上記磁気ディスクの略径方向に移動させるヘッド移動手段とを備えた磁気ディスク装置であって、
上記磁気ディスクの回転中、上記磁気ヘッドを介して所定の上記トラックに含まれる上記サーボ領域を読み取ることにより、これらサーボ領域の中心軸を通る位置を示すトラック位置情報を取得するトラック位置情報取得手段と、
上記磁気ディスクの回転中、上記磁気ヘッドを介して上記所定のトラックに含まれる上記磁気パターン領域の所定箇所に磁気記録マークを付与する磁気記録マーキング手段と、
上記磁気記録マークの付与後、上記磁気ディスクの回転中に上記磁気ヘッドを介して上記磁気記録マークを読み取ることにより、上記データ領域の中心軸を通る位置を示すトラック位置補正情報を取得するトラック位置補正情報取得手段と、
上記トラック位置情報およびトラック位置補正情報に基づき、上記データ領域ごとに上記磁気ヘッドの位置を補正しながらこの磁気ヘッドを上記所定のトラックに追従させるようにトラッキング制御を行うトラッキング制御手段と、
を備えていることを特徴とする、磁気ディスク装置。
【請求項5】
上記磁気ヘッドには、データの読み書きをそれぞれ独立して行う読み取りヘッド部と書き込みヘッド部とが設けられているとともに、
上記トラックの少なくとも1つにおける、上記セクタの少なくとも1つには、連続磁性領域がさらに設けられており、
上記トラック位置情報の取得後、この情報に基づいて上記磁気ヘッドを上記連続磁性領域に追従させながら、上記書き込みヘッド部を介して上記連続磁性領域に追加の磁気記録マークを付与する追加の磁気記録マーキング手段と、
上記追加の磁気記録マークの付与後、上記磁気ディスクの回転中に上記読み取りヘッド部を介して上記追加の磁気記録マークを読み取ることにより、この追加の磁気記録マークの中心軸を通る位置を示す読み書きヘッドオフセット情報を取得する読み書きヘッドオフセット情報取得手段とをさらに備え、
上記トラッキング制御手段は、所定の上記データ領域に対してデータを磁気記録する場合、上記トラック位置補正情報および読み書きヘッドオフセット情報に基づき、上記所定のデータ領域に対する上記書き込みヘッド部の位置を補正するように構成されている、請求項4に記載の磁気ディスク装置。
【請求項6】
非磁性材料あるいは溝からなり、周方向に沿って延びるガードバンドによって隣接するトラックが物理的に区切られているとともに、これらのトラックがセクタ単位に細分化されており、上記セクタのそれぞれには、トラッキング制御に用いられるサーボ領域と、データを磁気記録するためのデータ領域とが設けられた構造をもち、かつ、上記セクタのそれぞれには、非磁性材料または溝からなり、上記ガードバンドの長手方向と略同一方向に所定長さの帯状に延びるとともに中心線が上記データ領域の中心軸に一致するように配される非磁性領域と、この非磁性領域を包囲する磁性領域とを有する磁気パターン領域が設けられた磁気ディスクと、この磁気ディスクに対してデータを読み書きするための磁気ヘッドと、上記磁気ディスクを回転させる回転駆動手段と、上記磁気ヘッドを上記磁気ディスクの略径方向に移動させるヘッド移動手段とを用いてトラッキング制御を行うトラッキング制御方法であって、
上記磁気ディスクの回転中、上記磁気ヘッドを介して所定の上記トラックに含まれる上記サーボ領域を読み取ることにより、これらサーボ領域の中心軸を通る位置を示すトラック位置情報を取得するトラック位置情報取得ステップと、
上記磁気ディスクの回転中、上記トラック位置情報に基づき、上記磁気ヘッドを上記所定のトラックに含まれる上記磁気パターン領域に追従させながら、上記磁気ヘッドを介してこの磁気パターン領域の上記磁性領域に対して上記非磁性領域を跨ぐように磁気記録マークを付与する磁気記録マーキングステップと、
上記磁気記録マークの付与後、上記磁気ディスクの回転中に上記磁気ヘッドを介して上記磁気記録マークを読み取ることにより、上記データ領域の中心軸を通る位置を示すトラック位置補正情報を取得するトラック位置補正情報取得ステップと、
上記トラック位置情報およびトラック位置補正情報に基づき、上記データ領域ごとに上記磁気ヘッドの位置を補正しながらこの磁気ヘッドを上記所定のトラックに追従させるようにトラッキング制御を行うトラッキング制御ステップと、
を実行することを特徴とする、トラッキング制御方法。
【請求項7】
上記磁気ヘッドには、データの読み書きをそれぞれ独立して行う読み取りヘッド部と書き込みヘッド部とが設けられているとともに、
上記トラックの少なくとも1つにおける、上記セクタの少なくとも1つには、連続磁性領域がさらに設けられており、
上記トラック位置情報の取得後、この情報に基づいて上記磁気ヘッドを上記連続磁性領域に追従させながら、上記書き込みヘッド部を介して上記連続磁性領域に追加の磁気記録マークを付与する追加の磁気記録マーキングステップと、
上記追加の磁気記録マークの付与後、上記磁気ディスクの回転中に上記読み取りヘッド部を介して上記追加の磁気記録マークを読み取ることにより、この追加の磁気記録マークの中心軸を通る位置を示す読み書きヘッドオフセット情報を取得する読み書きヘッドオフセット情報取得ステップとをさらに実行し、
所定の上記データ領域に対してデータを磁気記録する場合、上記トラック位置補正情報および読み書きヘッドオフセット情報に基づき、上記所定のデータ領域に対する上記書き込みヘッド部の位置を補正しながらトラッキング制御を行なうように構成されている、請求項6に記載のトラッキング制御方法。
【請求項1】
非磁性材料あるいは溝からなり、周方向に沿って延びるガードバンドによって隣接するトラックが物理的に区切られているとともに、これらのトラックがセクタ単位に細分化されており、上記セクタのそれぞれには、トラッキング制御に用いられるサーボ領域と、データを磁気記録するためのデータ領域とが設けられた構造をもつ磁気ディスクであって、
上記セクタのそれぞれには、非磁性材料または溝からなり、上記ガードバンドの長手方向と略同一方向に所定長さの帯状に延びる非磁性領域と、この非磁性領域を包囲する磁性領域とを有する磁気パターン領域が設けられており、
上記非磁性領域は、その中心線が上記データ領域の中心軸に一致するように配されていることを特徴とする、磁気ディスク。
【請求項2】
上記非磁性領域のディスク径方向の幅寸法は、上記ガードバンドのディスク径方向の幅寸法と同一とされている、請求項1に記載の磁気ディスク。
【請求項3】
上記トラックの少なくとも1つにおける、上記セクタの少なくとも1つには、連続磁性領域がさらに設けられている、請求項1または2に記載の磁気ディスク。
【請求項4】
非磁性材料あるいは溝からなり、周方向に沿って延びるガードバンドによって隣接するトラックが物理的に区切られているとともに、これらのトラックがセクタ単位に細分化されており、上記セクタのそれぞれには、トラッキング制御に用いられるサーボ領域と、データを磁気記録するためのデータ領域とが設けられた構造をもち、かつ、上記セクタのそれぞれには、非磁性材料または溝からなり、上記ガードバンドの長手方向と略同一方向に所定長さの帯状に延びるとともに中心線が上記データ領域の中心軸に一致するように配される非磁性領域と、この非磁性領域を包囲する磁性領域とを有する磁気パターン領域が設けられた磁気ディスクと、この磁気ディスクに対してデータを読み書きするための磁気ヘッドと、上記磁気ディスクを回転させる回転駆動手段と、上記磁気ヘッドを上記磁気ディスクの略径方向に移動させるヘッド移動手段とを備えた磁気ディスク装置であって、
上記磁気ディスクの回転中、上記磁気ヘッドを介して所定の上記トラックに含まれる上記サーボ領域を読み取ることにより、これらサーボ領域の中心軸を通る位置を示すトラック位置情報を取得するトラック位置情報取得手段と、
上記磁気ディスクの回転中、上記磁気ヘッドを介して上記所定のトラックに含まれる上記磁気パターン領域の所定箇所に磁気記録マークを付与する磁気記録マーキング手段と、
上記磁気記録マークの付与後、上記磁気ディスクの回転中に上記磁気ヘッドを介して上記磁気記録マークを読み取ることにより、上記データ領域の中心軸を通る位置を示すトラック位置補正情報を取得するトラック位置補正情報取得手段と、
上記トラック位置情報およびトラック位置補正情報に基づき、上記データ領域ごとに上記磁気ヘッドの位置を補正しながらこの磁気ヘッドを上記所定のトラックに追従させるようにトラッキング制御を行うトラッキング制御手段と、
を備えていることを特徴とする、磁気ディスク装置。
【請求項5】
上記磁気ヘッドには、データの読み書きをそれぞれ独立して行う読み取りヘッド部と書き込みヘッド部とが設けられているとともに、
上記トラックの少なくとも1つにおける、上記セクタの少なくとも1つには、連続磁性領域がさらに設けられており、
上記トラック位置情報の取得後、この情報に基づいて上記磁気ヘッドを上記連続磁性領域に追従させながら、上記書き込みヘッド部を介して上記連続磁性領域に追加の磁気記録マークを付与する追加の磁気記録マーキング手段と、
上記追加の磁気記録マークの付与後、上記磁気ディスクの回転中に上記読み取りヘッド部を介して上記追加の磁気記録マークを読み取ることにより、この追加の磁気記録マークの中心軸を通る位置を示す読み書きヘッドオフセット情報を取得する読み書きヘッドオフセット情報取得手段とをさらに備え、
上記トラッキング制御手段は、所定の上記データ領域に対してデータを磁気記録する場合、上記トラック位置補正情報および読み書きヘッドオフセット情報に基づき、上記所定のデータ領域に対する上記書き込みヘッド部の位置を補正するように構成されている、請求項4に記載の磁気ディスク装置。
【請求項6】
非磁性材料あるいは溝からなり、周方向に沿って延びるガードバンドによって隣接するトラックが物理的に区切られているとともに、これらのトラックがセクタ単位に細分化されており、上記セクタのそれぞれには、トラッキング制御に用いられるサーボ領域と、データを磁気記録するためのデータ領域とが設けられた構造をもち、かつ、上記セクタのそれぞれには、非磁性材料または溝からなり、上記ガードバンドの長手方向と略同一方向に所定長さの帯状に延びるとともに中心線が上記データ領域の中心軸に一致するように配される非磁性領域と、この非磁性領域を包囲する磁性領域とを有する磁気パターン領域が設けられた磁気ディスクと、この磁気ディスクに対してデータを読み書きするための磁気ヘッドと、上記磁気ディスクを回転させる回転駆動手段と、上記磁気ヘッドを上記磁気ディスクの略径方向に移動させるヘッド移動手段とを用いてトラッキング制御を行うトラッキング制御方法であって、
上記磁気ディスクの回転中、上記磁気ヘッドを介して所定の上記トラックに含まれる上記サーボ領域を読み取ることにより、これらサーボ領域の中心軸を通る位置を示すトラック位置情報を取得するトラック位置情報取得ステップと、
上記磁気ディスクの回転中、上記トラック位置情報に基づき、上記磁気ヘッドを上記所定のトラックに含まれる上記磁気パターン領域に追従させながら、上記磁気ヘッドを介してこの磁気パターン領域の上記磁性領域に対して上記非磁性領域を跨ぐように磁気記録マークを付与する磁気記録マーキングステップと、
上記磁気記録マークの付与後、上記磁気ディスクの回転中に上記磁気ヘッドを介して上記磁気記録マークを読み取ることにより、上記データ領域の中心軸を通る位置を示すトラック位置補正情報を取得するトラック位置補正情報取得ステップと、
上記トラック位置情報およびトラック位置補正情報に基づき、上記データ領域ごとに上記磁気ヘッドの位置を補正しながらこの磁気ヘッドを上記所定のトラックに追従させるようにトラッキング制御を行うトラッキング制御ステップと、
を実行することを特徴とする、トラッキング制御方法。
【請求項7】
上記磁気ヘッドには、データの読み書きをそれぞれ独立して行う読み取りヘッド部と書き込みヘッド部とが設けられているとともに、
上記トラックの少なくとも1つにおける、上記セクタの少なくとも1つには、連続磁性領域がさらに設けられており、
上記トラック位置情報の取得後、この情報に基づいて上記磁気ヘッドを上記連続磁性領域に追従させながら、上記書き込みヘッド部を介して上記連続磁性領域に追加の磁気記録マークを付与する追加の磁気記録マーキングステップと、
上記追加の磁気記録マークの付与後、上記磁気ディスクの回転中に上記読み取りヘッド部を介して上記追加の磁気記録マークを読み取ることにより、この追加の磁気記録マークの中心軸を通る位置を示す読み書きヘッドオフセット情報を取得する読み書きヘッドオフセット情報取得ステップとをさらに実行し、
所定の上記データ領域に対してデータを磁気記録する場合、上記トラック位置補正情報および読み書きヘッドオフセット情報に基づき、上記所定のデータ領域に対する上記書き込みヘッド部の位置を補正しながらトラッキング制御を行なうように構成されている、請求項6に記載のトラッキング制御方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2008−171522(P2008−171522A)
【公開日】平成20年7月24日(2008.7.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−5591(P2007−5591)
【出願日】平成19年1月15日(2007.1.15)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年7月24日(2008.7.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年1月15日(2007.1.15)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】
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