説明

磁気ディスク装置、および磁気ディスクのアクセス制御方法

【課題】サーボパターン領域を磁気的に正しく認識し、ひいてはディスクアクセス制御を正常に行うことができる磁気ディスク装置を提供する。
【解決手段】磁気ディスク装置Aは、非磁性領域10内に磁性部11が点在するデータ記録領域Dと、このデータ記録領域Dの磁性部11よりも面積大となった複数の磁性部11’を含むサーボパターン領域Sとを有する磁気ディスク1と、磁気ディスク1の径方向に往復移動可能とされ、データ記録領域Dの磁性部11に磁化方向を付与するとともに、このデータ記録領域Dとサーボパターン領域Sにおける磁性部11,11’の磁化方向を読み取る磁気ヘッド2と、磁気ヘッド2がサーボパターン領域Sを読み取り開始する前に、そのサーボパターン領域Sの磁性部11’に対して磁化方向が一定方向に揃うように着磁を行う着磁手段22とを有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、垂直磁気記録方式に適した磁気ディスク装置、および磁気ディスクのアクセス制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、磁気記録層の面内において磁化方向を並べるように磁気記録を行う水平磁気記録方式に代わり、記録密度を高めやすい垂直磁気記録方式が提案されている。この垂直磁気記録方式は、磁気記録層の厚み方向に磁化方向をもつ記録ドットを並べるように磁気記録を行うものである。垂直磁気記録方式に適した磁気ディスク装置としては、特許文献1に開示されているように、記録媒体としてビットパターンドメディアを備えたものが知られている。ビットパターンドメディアは、記録ドットとなる磁性部を等間隔に設けたものである。
【0003】
ビットパターンドメディアは、非磁性領域内に磁性部が点在するデータ記録領域と、磁気ヘッドの位置決め制御やクロック信号生成といったディスクアクセス制御用のサーボパターン領域とを有する。サーボパターン領域には、概ね磁気ディスクの径方向に延びた帯状の磁性部が多数形成されている。データ記録領域の各磁性部には、記録すべきデータに応じた磁化方向が付与される一方、サーボパターン領域の磁性部には、一般的に製造段階において行われるフォーマット処理により、全て同じ向きの磁化方向が付与されている。
【0004】
【特許文献1】特開2003−157507号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来のビットパターンドメディアを備えた磁気ディスク装置では、ディスクアクセス制御に関して以下に説明するような問題があった。
【0006】
図7(a)に示すように、磁性部100は、多結晶の結晶粒子からなり、結晶粒界で区切られた複数の磁区110〜130を単位として磁化方向P1〜P3が生じる。磁性部100に含まれる複数の磁区110〜130は、磁気的に作用する交換結合力が強く、これにより磁性部100は単一方向に磁化される。
【0007】
図7(b)に示すように、同図(a)に比べて面積が大きい磁性部100’になると、磁化された多くの磁区110’〜150’が含まれる。たとえば真ん中の磁区130’には、両側の磁区110’,120’,140’,150’で生じた磁界MFが作用する。そのため、磁性部100’の面積が大きくなるほど両側からの磁界MFが大きく作用し、各磁区110’〜150’には大きな反磁界DFが生じやすい。このことから、磁性部100’の面積が大きくなるほど保磁力が小さくなり、面積大の磁性部100’は、磁気的な外乱によって磁化方向P1〜P5が反転しやすくなっているものと思われる。
【0008】
これにより、ディスクアクセス制御用のサーボパターン領域は、データ記録領域の磁性部に比べて面積大となる磁性部が多く含まれていることから、当初は磁化方向が揃えられているものの、外乱などによって磁化方向が反転した磁性部が所々に生じるおそれがあった。サーボパターン領域の磁化方向が反転してしまうと、このサーボパターン領域の磁性部を磁気的に正しく認識することができなくなり、磁気ヘッドの位置決め制御やクロック信号生成に支障をきたし、ディスクアクセス制御を正常に行うことができないという問題が生じる。
【0009】
本発明は、上記した事情のもとで考え出されたものであって、サーボパターン領域を磁気的に正しく認識し、ひいてはディスクアクセス制御を正常に行うことができる磁気ディスク装置、および磁気ディスクのアクセス制御方法を提供することをその課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するため、本発明では、次の技術的手段を講じている。
【0011】
本発明の第1の側面によれば、非磁性領域内に磁性部が点在するデータ記録領域と、このデータ記録領域の磁性部よりも面積大となった複数の磁性部を含むサーボパターン領域とを有する磁気ディスクと、上記磁気ディスクの径方向に往復移動可能とされ、上記データ記録領域の磁性部に磁化方向を付与するとともに、このデータ記録領域と上記サーボパターン領域における磁性部の磁化方向を読み取る磁気ヘッドと、上記磁気ヘッドが上記サーボパターン領域を読み取り開始する前に、そのサーボパターン領域の磁性部に対して磁化方向が一定方向に揃うように着磁を行う着磁手段と、を有する磁気ディスク装置が提供される。
【0012】
本発明の第2の側面によれば、非磁性領域内に磁性部が点在するデータ記録領域と、このデータ記録領域の磁性部よりも面積大となった複数の磁性部を含むサーボパターン領域とを有する磁気ディスクと、上記磁気ディスクの径方向に往復移動可能とされ、上記データ記録領域の磁性部に磁化方向を付与するとともに、このデータ記録領域と上記サーボパターン領域における磁性部の磁化方向を読み取る磁気ヘッドとを備えた磁気ディスク装置において、上記データ記録領域に対する記録あるいは再生に先立ち、上記磁気ヘッドで上記サーボパターン領域を読み取るための磁気ディスクのアクセス制御方法であって、上記磁気ヘッドが上記サーボパターン領域を読み取り開始する前に、そのサーボパターン領域の磁性部に対して磁化方向が一定方向に揃うように着磁を行う着磁手順と、着磁された直後の上記サーボパターン領域を上記磁気ヘッドで読み取り、そのサーボパターン領域における磁性部の磁化方向に応じて得られたサーボ再生信号に基づいて上記磁気ヘッドを制御することにより、上記データ記録領域に対する記録あるいは再生を行う磁気ヘッド制御手順と、を実行する磁気ディスクのアクセス制御方法が提供される。
【発明の効果】
【0013】
本発明により開示された技術によれば、磁気ヘッドがサーボパターン領域を読み取る前にそのサーボパターン領域における磁性部の磁化方向が着磁によって元の一定方向に揃えられるので、サーボパターン領域を磁気的に正しく認識し、ひいてはディスクアクセス制御を正常に行うことができる。
【0014】
本発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行う詳細な説明によって、より明らかとなろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の好ましい実施の形態を、図面を参照して具体的に説明する。
【0016】
図1〜4は、本発明に係る磁気ディスク装置の一実施形態を示している。図1に示すように、磁気ディスク装置Aは、磁気ディスク1、磁気ヘッド2、スピンドルモータ3、スイングアーム4、ボイスコイルモータ5、およびディスクコントローラ6を備えて構成されている。
【0017】
磁気ディスク1は、表裏両面を記録面としたビットパターンドメディアからなり、上下に所定の間隔を空けて複数設けられている。
【0018】
磁気ヘッド2は、磁気ディスク1に対して磁気情報の読み書きを行うものであり、磁気ディスク1の記録面と対向するようにスイングアーム3の先端に設けられたスライダ(図示略)に組み込まれている。磁気ヘッド2は、磁気情報の読み書きをそれぞれ独立して行う再生素子20と記録素子21を磁気作用部として有する。再生素子20と記録素子21は、磁気ディスク1の略周方向に隣り合うように設けられている。磁気ディスク1の回転方向上流側となる磁気ヘッド2の適部には、着磁手段22が設けられている。この着磁手段22は、再生素子20および記録素子21と磁気的に遮蔽された電磁石からなり、磁気ディスク1に対して一定方向の磁化方向を付与するように駆動制御される。
【0019】
スピンドルモータ3は、磁気ディスク1を高速回転させるものでる。スイングアーム4は、磁気ヘッド2を磁気ディスク1の略径方向に往復移動させるものであり、ボイスコイルモータ5によって揺動させられる。磁気ヘッド2、スピンドルモータ3、およびボイスコイルモータ5は、ディスクコントローラ6により制御される。ディスクコントローラ6は、CPUやメモリなどを備えたマイクロコンピュータ、あるいはマイクロコンピュータと同等の機能を備えたワイヤードロジック回路で構成される。
【0020】
図1および図3に示すように、磁気ディスク1には、磁気ヘッド2の移動軌跡に沿ってデータ記録領域Dを区分するように複数のサーボパターン領域Sが設けられている。データ記録領域Dは、磁気情報が記録再生される領域であり、非磁性領域10内において磁気ディスク1の周方向に磁性部11が等間隔に配列されたパターンからなる。磁気情報は、磁性部11ごとに磁気ディスク1の厚み方向に沿って上下いずれかの向きを示す磁化方向として記録再生される。
【0021】
図1に示すように、サーボパターン領域Sの最前列よりも手前の位置には、他の場所にない例えば三角形状の磁性部からなる読み取り開始マーク12が設けられている。この読み取り開始マーク12とサーボパターン領域Sとの間隔Tは、再生素子20と着磁手段22との間隔t以上に設定されている。このような間隔T,tを設定することにより、着磁手段22は、再生素子20が読み取り開始マーク12を検出してからサーボパターン領域Sに対して着磁を行うように制御される。すなわち、再生素子20によってサーボパターン領域Sが読み取り開始される以前にサーボパターン領域Sに対する着磁が行われる。
【0022】
サーボパターン領域Sには、プリアンブル部13、アドレス部14、およびバーストパターン部15が含まれる。プリアンブル部13は、アドレス部14、バーストパターン部15やデータ記録領域Dに対して磁気ヘッド2が記録再生を行う際の基準となるクロック信号を生成するために設けられており、データ記録領域Dの磁性部11よりも面積が大きく、磁気ディスク1の略径方向に延びた細長い複数の磁性部11’を非磁性領域10内に形成することで構成されている。アドレス部14は、トラック番号やセクタ番号といったアドレス情報を示すために設けられており、非磁性領域10内において磁性部11’をアドレス情報に応じたパターンとすることで構成されている。バーストパターン部15は、トラッキング微調整用のパターンとして設けられており、矩形状の磁性部を所定の配列パターンに並べることで構成されている。なお、本実施形態では、特にプリアンブル部13およびアドレス部14の磁性部11’に符号を付し、これらの磁性部11’が磁気ディスク1の略径方向に長く延びて面積大となるものであるが、他のトラッキング方式によっては、バーストパターン部の磁性部も磁気ディスクの略径方向に長く延びて面積大となるものであってもよい。
【0023】
このようなサーボパターン領域Sは、全ての磁性部11’における磁化方向が一定の方向に揃うように製造時にあらかじめ着磁されている。上記したようにサーボパターン領域Sには、データ記録領域Dの磁性部11よりも面積大となる多数の磁性部11’が含まれている。そのため、発明が解決しようとする課題の欄で説明したように、サーボパターン領域Sの磁性部11’においては、データ記録領域Dの磁性部11よりも磁気的な外乱によって磁化方向が反転しやすい傾向にある。つまり、図1および図3に示すように、サーボパターン領域Sにおいては、製造時の着磁による磁化方向の向きと同じ磁化方向をもつ磁性部11’を白抜きとした場合、磁気的な外乱によって磁化方向が反転した黒塗りの磁性部11’が生じてくる。なお、図3においては、便宜上、プリアンブル部13とアドレス部14を一様なパターンで表現している。
【0024】
図2に示すように、ディスクコントローラ6には、スピンドルモータ3やボイスコイルモータ5を制御する機能モジュール(図示略)とともに、着磁制御部60および磁気ヘッド制御部61といった機能モジュールが含まれる。
【0025】
着磁制御部60は、再生素子20が読み取り開始マーク12を検出した直後、着磁手段22に対して着磁を行わせるように制御する。着磁手段22の駆動停止は、磁気ディスク1の周方向に沿ったサーボパターン領域Sの長さがあらかじめ設定されているため、そのサーボパターン領域Sの長さに相当する所定距離を通過したものと時間的に判定することでなされる。これにより、着磁手段22は、データ記録領域Dを通過し始める際には駆動停止された状態にあり、データ記録領域Dに対して着磁手段22により着磁されることはない。
【0026】
磁気ヘッド制御部61は、サーボパターン領域Sを読み取ることで得られたサーボ再生信号に基づき、磁気ヘッド2の再生素子20および記録素子21の動作を制御する。図3(c)に示すように、たとえば再生素子20でサーボパターン領域Sを読み取った場合、磁気ヘッド制御部61は、その読み取りによって得られたサーボ再生信号に基づくタイミングで記録素子21を駆動制御することにより、データ記録領域Dの磁性部11に図3に示すような磁化方向が正確に記録される。再生時には、サーボ再生信号に基づくタイミングで再生素子20からの出力信号を処理することにより、データ記録領域Dの磁性部11に磁化方向として書き込まれた磁気情報を正確に読み出すことができる。
【0027】
なお、前述の読み取り開始マークの代わりに、目標とする一つ前のセクタのサーボパターン領域の終了位置、あるいはデータ記録領域の最後のドット位置などを用い、これらの位置からの移動時間で目標セクタのサーボパターン領域の開始位置を求めることも可能である。
【0028】
次に、磁気ディスク装置Aの動作につき、図3および図4を参照して説明する。図3は、着磁処理を説明するための模式図であり、図4は、ディスクアクセス制御の処理手順を示すフローチャートである。
【0029】
まず、ホストコンピュータなどから磁気ディスク装置Aに対して記録再生命令があると(S1:YES)、着磁制御部60は、磁気ヘッド2の再生素子20を介して目的とするサーボパターン領域Sの手前にある読み取り開始マーク12を検出する(S2)。このとき、磁気ヘッド2は、図3(b)に示すように着磁手段22がサーボパターン領域Sにかかる直前の状態にある。
【0030】
読み取り開始マーク12の検出直後、着磁制御部60は、着磁手段22を駆動させることで着磁処理を行う(S3)。これにより、サーボパターン領域Sにおいては、図3(b)に示すように磁化方向が反転した状態にあった磁性部11’が所々に存在していたところ、図3(c)に示すように着磁手段22が通り過ぎた部分の全ての磁性部11’における磁化方向が揃った状態になる。
【0031】
このような着磁処理に並行して、磁気ヘッド制御部61は、再生素子20を介してサーボパターン領域Sを読み取ることでサーボ再生信号を取得する(S4)。こうして得られたサーボ再生信号は、直前になされた着磁処理によって磁性部11’の磁化方向が揃っているため、正の信号レベルをもつ正常なパルス信号として認識される。このようなサーボ再生信号は、記録再生に際して磁気ヘッド2を駆動制御する際の基準信号になる。
【0032】
その後、磁気ヘッド2がデータ記録領域Dに入ると、ディスクコントローラ6は、サーボ再生信号に基づいて磁気ヘッド2の記録素子21あるいは再生素子20を制御することにより、データ記録領域Dに対して記録再生処理を行う(S5)。たとえば記録の場合、データ記録領域Dの磁性部11には、それらの間隔に応じたタイミングで記録すべき情報が磁化方向として付与される。また、再生の場合には、データ記録領域Dの磁性部11からそれらの間隔に応じたタイミングで再生情報としての磁化方向が読み取られる。
【0033】
S1において、磁気ディスク装置Aに対して記録再生命令がない場合(S1:NO)、ディスクコントローラ6は、記録再生命令があるまで待機する。
【0034】
したがって、本実施形態の磁気ディスク装置Aによれば、サーボパターン領域Sにおける磁性部11’の磁化方向が反転した状態にあっても、再生素子20がサーボパターン領域Sの各磁性部11’を読み取る直前に着磁処理によって磁化方向が当初の正しい向きに揃えられるので、再生素子20がサーボパターン領域Sを磁気的に正しく読み取ることができ、そうして得られたサーボ再生信号に基づくディスクアクセス制御によって滞りなく正常に記録再生を行うことができる。
【0035】
図5および図6は、本発明に係る磁気ディスク装置の他の実施形態を示している。なお、先述の実施形態によるものと同様の構成要素については、同一符号を付してその説明を省略する。
【0036】
図5に示す磁気ディスクにおいては、サーボパターン領域Sのプリアンブル部13およびアドレス部14が磁気ディスクの径方向に分割された複数の磁性部11’によって構成されている。このような磁性部11’もデータ記録領域Dの磁性部11より面積が大きく、磁化方向の反転が生じやすい。このようなサーボパターン領域Sでも、先述の実施形態によるものと同様の着磁処理によって信号レベルが正しいサーボ再生信号が得られ、このサーボ再生信号に基づいて磁気ヘッド2を制御することができる。これにより、サーボパターン領域Sを磁気的に正しく読み取ることができ、サーボ再生信号に基づくディスクアクセス制御によって滞りなく正常に記録再生を行うことができる。
【0037】
図6に示す磁気ディスク装置A’においては、磁気ヘッド2が往復移動する位置よりも磁気ディスク1の回転方向上流側に着磁手段22’が設けられている。この着磁手段22’は、磁気ディスク1に対して常に一定方向の磁界を作用せしめる永久磁石であり、磁気ディスク1の概ね半径に沿う部分全体と重なるように設けられている。このような永久磁石の着磁手段22’としては、データ記録領域Dの磁化方向を反転させることができないものの、保磁力の弱いサーボ記録領域Sの磁性部については磁化方向を反転可能なレベルの磁界の強さをもつものが用いられる。このような磁気ディスク装置A’によっても、磁気ヘッド2がサーボパターン領域Sを読み取る前に着磁手段22’によってサーボパターン領域Sの磁化方向が一様に正しい向きに揃えられるので、サーボパターン領域Sを磁気的に正しく読み取ることができ、そうして得られたサーボ再生信号に基づくディスクアクセス制御によって滞りなく正常に記録再生を行うことができる。なお、このような永久磁石からなる着磁手段の配置箇所としては、磁気ヘッドの再生素子よりも磁気ディスクの回転方向上流側となるスライダの適部に着磁手段を設けるようにしてもよい。磁気ディスクの回転方向上流側で磁気ヘッドに対して近い位置に着磁手段を配置するほど、着磁後に速やかにサーボパターン領域を読み取ることができ、磁気的な外乱によってサーボパターン領域の磁化方向が反転してしまうおそれが少なくなる。
【0038】
なお、本発明は、上記の実施形態に限定されるものではない。
【0039】
上記実施形態で示した構成は、あくまでも一例にすぎず、仕様に応じて適宜設計変更することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明に係る磁気ディスク装置の一実施形態を示す全体斜視図である。
【図2】図1に示す磁気ディスク装置のブロック図である。
【図3】着磁処理を説明するための模式図である。
【図4】ディスクアクセス制御の処理手順を説明するためのフローチャートである。
【図5】他の実施形態による着磁処理を説明するための模式図である。
【図6】他の実施形態による磁気ディスク装置を示す全体斜視図である。
【図7】従来の磁気ディスク装置における課題を説明するための説明図である。
【符号の説明】
【0041】
A 磁気ディスク装置
D データ記録領域
S サーボパターン領域
1 磁気ディスク
2 磁気ヘッド
10 非磁性領域
11,11’ 磁性部
12 読み取り開始マーク
22,22’ 着磁手段
60 着磁制御部
61 磁気ヘッド制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
非磁性領域内に磁性部が点在するデータ記録領域と、このデータ記録領域の磁性部よりも面積大となった複数の磁性部を含むサーボパターン領域とを有する磁気ディスクと、
上記磁気ディスクの径方向に往復移動可能とされ、上記データ記録領域の磁性部に磁化方向を付与するとともに、このデータ記録領域と上記サーボパターン領域における磁性部の磁化方向を読み取る磁気ヘッドと、
上記磁気ヘッドが上記サーボパターン領域を読み取り開始する前に、そのサーボパターン領域の磁性部に対して磁化方向が一定方向に揃うように着磁を行う着磁手段と、
を有することを特徴とする、磁気ディスク装置。
【請求項2】
上記着磁手段は、上記磁気ヘッドが往復移動する位置よりも上記磁気ディスクの回転方向上流側に設けられている、請求項1に記載の磁気ディスク装置。
【請求項3】
上記着磁手段は、上記磁気ヘッドよりも弱い磁界を上記磁気ディスクに対して作用せしめる永久磁石である、請求項2に記載の磁気ディスク装置。
【請求項4】
上記着磁手段は、上記磁気ヘッドの磁気作用部よりも上記磁気ディスクの回転方向上流側に設けられているとともに、上記サーボパターン領域を通過する間において着磁動作を行うように制御される、請求項1に記載の磁気ディスク装置。
【請求項5】
上記磁気ヘッドの磁気作用部は、上記着磁手段が上記サーボパターン領域を通過し始める位置を、このサーボパターン領域より上記磁気ディスクの回転方向下流側に設けられた、磁性部とは異なる形状の読み取り開始マークによって検出する、請求項4に記載の磁気ディスク装置。
【請求項6】
非磁性領域内に磁性部が点在するデータ記録領域と、このデータ記録領域の磁性部よりも面積大となった複数の磁性部を含むサーボパターン領域とを有する磁気ディスクと、上記磁気ディスクの径方向に往復移動可能とされ、上記データ記録領域の磁性部に磁化方向を付与するとともに、このデータ記録領域と上記サーボパターン領域における磁性部の磁化方向を読み取る磁気ヘッドとを備えた磁気ディスク装置において、上記データ記録領域に対する記録あるいは再生に先立ち、上記磁気ヘッドで上記サーボパターン領域を読み取るための磁気ディスクのアクセス制御方法であって、
上記磁気ヘッドが上記サーボパターン領域を読み取り開始する前に、そのサーボパターン領域の磁性部に対して磁化方向が一定方向に揃うように着磁を行う着磁手順と、
着磁された直後の上記サーボパターン領域を上記磁気ヘッドで読み取り、そのサーボパターン領域における磁性部の磁化方向に応じて得られたサーボ再生信号に基づいて上記磁気ヘッドを制御することにより、上記データ記録領域に対する記録あるいは再生を行う磁気ヘッド制御手順と、
を実行することを特徴とする、磁気ディスクのアクセス制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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