説明

磁気ディスク装置及び磁気ヘッドの制御方法

【課題】磁気ディスク装置のシーク制御において、外力に対してロバストなシーク制御系を構成できる磁気ディスク装置及び磁気ヘッドの制御方法を提供する。
【解決手段】磁気ディスクに情報を記録再生する磁気ヘッドを移動させる駆動部と、前記駆動部を制御する制御手段と、を備え、前記制御手段は、積分器と位相進み補償器とを有し、前記磁気ヘッドの目標位置と検出位置との差に基づいて位置指令を求めて前記駆動部をフィードバック制御する位置誤差フィードバック制御系と、前記磁気ヘッドの目標移動距離を入力し、前記駆動部の数式モデルを用いて電流指令を前記駆動部に出力する2自由度制御系と、を有し、前記制御手段は、前記数式モデルを更新し、前記更新に際して、前記積分器の出力は前記駆動部に与えつつ、前記位相進み補償器の出力を用いて前記数式モデルを更新する第1の更新モードを有することを特徴とする磁気ディスク装置が提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、磁気ディスク装置及び磁気ヘッドの制御方法に関し、具体的には、回転する磁気ディスク上で、磁気ヘッドを移動させる磁気ディスク装置及び磁気ヘッドの制御方法のに関する。
【背景技術】
【0002】
磁気ディスク装置の磁気ヘッド位置決め制御系においては、マイクロコンピュータを用いたディジタル制御系が構成されることが一般的である。すなわち、離散的に得られた磁気ヘッドの位置情報からマイクロプロセッサ内部で制御指令を計算し、D/A(ディジタル・アナログ変換器)を通してアクチュエータの駆動ドライブに制御指令を与えている。一般的に、アクチュエータは高周波帯域に機械共振を有するので、磁気ヘッドを高速・低振動・低騒音で目標位置に移動させるには、機械共振を励起しないフィードフォワード制御入力を生成することが非常に重要である。
【0003】
磁気ヘッドを短い距離だけ高速で移動させる方法として、機械共振を励起しないようなアクチュエータへのフィードフォワード制御入力と、フィードバック制御系への目標位置指令と、を最適化手法を用いて予め計算しておき、テーブルとして持っていることも考えられる。しかしながら、あらゆるシーク距離に対して、このような方法を取ることはマイクロプロセッサのメモリ容量から不可能である。そのため、長距離シークの場合、オンラインでアクチュエータへのフィードフォワード制御入力と目標位置指令とを生成しなければならない。
【0004】
このための方法として、制御系内部にアクチュエータモデルを設け、モデル速度を目標速度曲線に追従させることにより、モデルへの制御指令とモデル位置とをアクチュエータへのフィードフォワード制御入力と目標位置指令としてフィードバック制御系にそれぞれ与える方法が考えられる(例えば、特許文献1)。しかし、特許文献1に記載されたヘッド位置決め制御系においては、モデルの位置と速度とが実際の磁気ヘッドの位置と速度とに近くなければ、セトリング時などに磁気ヘッドがオーバーシュートしてしまう。そこで、シーク中に何らかのモデル補正が必要となってくる。
【0005】
このための方法として、シーク前半においては、フィードバック制御出力をモデルの入力に加えることによってモデルの更新を行い、磁気ヘッドの位置と速度とをモデルによって推定し、推定されたモデルの位置と速度とを用いて速度制御系を構成する方法がある(例えば、非特許文献1)。この方法はさらに、磁気ヘッドが目標位置に近づいたシーク後半においては、フィードバック制御出力をアクチュエータに加えるように切り替えて、通常の2自由度制御系を構成する方法である。
【0006】
ところで、磁気ディスク装置のようにサーボ系を構成しなければならない場合、フィードバック制御器は積分器を有している。そのため、このようなシーク制御系を構成した場合、積分器の出力もモデルに加えられるため、マグネットラッチ力などの外力が大きい場合においては、積分器の出力が大きくなる。そのため、通常の2自由度制御系に切り替えた際に制御指令に過渡応答が出てしまう。
【0007】
また、磁気ディスク装置の場合、磁気ヘッドが高速に移動するとサーボパターンを斜めに横切るようになり、位置検出ノイズが大きくなる。この位置検出ノイズはフィードバック制御出力を通してモデル側の速度フィードバック制御系に影響を与えるため、振動的なフィードフォワード制御指令が生成されてしまう。これは、騒音の原因にもなる。これらのことから、例えば特許文献1または非特許文献1に記載された制御系においては、大きな外力が働くような環境ではロバストなシーク制御を実現させることは難しい。さらに、位置検出ノイズの影響を低減することも難しい。
【特許文献1】特開平9−73618号公報
【非特許文献1】日本機械学会第74期通常総会講演論文集 4 pp.410−411 (1997)図3
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、かかる課題の認識に基づいてなされたものであり、磁気ディスク装置のシーク制御において、外力に対してロバストなシーク制御系を構成できる磁気ディスク装置及び磁気ヘッドの制御方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様によれば、磁気ディスクに情報を記録再生する磁気ヘッドを移動させる駆動部と、前記駆動部を制御する制御手段と、を備え、前記制御手段は、積分器と位相進み補償器とを有し、前記磁気ヘッドの目標位置と検出位置との差に基づいて位置指令を求めて前記駆動部をフィードバック制御する位置誤差フィードバック制御系と、前記磁気ヘッドの目標移動距離を入力し、前記駆動部の数式モデルを用いて電流指令を前記駆動部に出力する2自由度制御系と、を有し、前記制御手段は、前記数式モデルを更新し、前記更新に際して、前記積分器の出力は前記駆動部に与えつつ、前記位相進み補償器の出力を用いて前記数式モデルを更新する第1の更新モードを有することを特徴とする磁気ディスク装置が提供される。
【0010】
本発明の他の一態様によれば、磁気ディスクに情報を記録再生する磁気ヘッドを移動させる磁気ヘッドの制御方法であって、積分器と位相進み補償器とを用い、前記磁気ヘッドの目標位置と検出位置との差に基づいて位置指令を求めて前記磁気ヘッドの駆動部をフィードバック制御しつつ、前記磁気ヘッドの目標移動距離を入力し、前記駆動部の数式モデルを用いて電流指令を前記駆動部に出力して制御し、前記数式モデルを更新し、前記更新に際して、前記積分器の出力は前記駆動部に与えつつ、前記位相進み補償器の出力を用いて前記数式モデルを更新するモードを有することを特徴とする磁気ヘッドの制御方法が提供される。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、磁気ディスク装置のシーク制御において、外力に対してロバストなシーク制御系を構成できる磁気ディスク装置及び磁気ヘッドの制御方法が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。なお、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
図1は、本発明の実施の形態にかかる磁気ディスク装置の要部を表す概念図である。 本実施形態の磁気ディスク装置は、マイクロプロセッサー(MPU)18を主構成要素とするヘッド位置決め制御機構(制御手段)を備える。磁気ヘッド11はアーム12に支持されており、アーム12はボイスコイルモータ(VCM)13の駆動力により磁気ヘッド11をディスク14の半径方向に移動させる。VCM13は、マグネット15と駆動コイル16とを有し、パワーアンプ17から供給される電流により駆動される。MPU18は制御指令を演算し、この制御指令がD/Aコンバータ19によりアナログ信号に変換され、パワーアンプ17に与えられる。パワーアンプ17は、MPU18からの制御指令を駆動電流に変換してVCM13に供給する。
【0013】
ディスク14は1枚または複数枚設けられており、スピンドルモータにより高速回転する。ディスク14上には同心円状に複数のトラックが形成されており、一定間隔でサーボエリア20が設けられている。サーボエリア20にはトラックの位置情報が予め埋め込まれており、磁気ヘッド11がサーボエリア20を横切ることにより磁気ヘッド11からの信号をヘッドアンプ21で取り込み、このリード信号を増幅してサーボデータ処理回路22に信号を供給する。サーボデータ処理回路22は、増幅されたリード信号からサーボ情報を生成し、一定時間間隔でMPU18に出力する。MPU18はI/O23から取り込んだサーボ情報から磁気ヘッド11の位置を算出し、得られた磁気ヘッド位置からVCM13に流すべき制御指令を一定時間間隔で計算する。
【0014】
図2は、本発明の第1の実施の形態を例示するブロック図である。
図2に表したシーク制御系は、位置誤差フィードバック制御系100と、モデル側制御系200と、を備えている。モデル側制御系200においては、アクチュエータの仮想的な数式モデルに対する速度制御系が構築されており、モデル速度を目標速度に追従させることにより、位置誤差フィードバック制御系100へ与える目標位置指令と、フィードフォワード制御入力と、を生成する。モデル側制御系200から出力されたフィードフォワード制御入力は、目標トラックの位置(Target Positon)の情報とともに、速度フィードバックコントローラ300に入力され、リミッタ400とゼロ次ホルダ420とを介して、ボイスコイルモータ13へのフィードフォワード制御入力として出力される。
【0015】
また、モデル側制御系200においては、状態方程式であるAマトリックス210、Bマトリックス220、Cマトリックス240と、1サンプル遅れ230と、が組み合わされている。
【0016】
アクチュエータ(VCM13)のシーク性能を向上させるには、滑らかなフィードフォワード制御入力をアクチュエータに与えることが重要である。そのため、モデル側制御系200においては、位置誤差フィードバック制御系100の周期Tsの例えば2倍のサンプリング周期Ts/2で演算が実行されている。
【0017】
また、速度制御系の構成に関しては加速時の電流飽和があることから、速度誤差に対して定数ゲインフィードバックが施されている。アクチュエータ(VCM13)の高性能なシークを実現するにためは正確なモデルが必要となるが、予め高精度なモデルを用意しておくことはバラツキなどから難しい。そこで、シーク中にモデル側制御系200の更新を行い、モデルの状態をアクチュエータ(VCM13)の状態に近づけるようにする。
【0018】
位置誤差フィードバック制御系100は、積分器110と位相進み補償器120とを有する。制御指令が飽和しない時においては、スイッチsw2を端子2に接続して積分器110の出力をアクチュエータ(VCM13)に加える(第1の更新モード)。そして、制御指令が飽和する時においては、スイッチsw2を端子1に接続して積分器110の出力をモデル側制御系200の入力に加えるようにする(第2の更新モード)。また、残り距離が長いシーク前半においては、スイッチsw1を端子1に接続して位相進み補償器120の出力をモデル側制御系200の入力に加えることによってモデル側制御系200の更新を行う(第1の更新モード)。そして、残り距離が短くなったシーク後半においては、スイッチsw1を端子2に切り替えて通常の2自由度制御系にする。
【0019】
図3は、本実施形態において、外力が大きい方向へシークさせた時の制御指令を表すグラフ図(実験結果)である。
また、図4は、本実施形態において、外力が小さい方向へシークさせた時の制御指令を表すグラフ図(実験結果)である。
図3、4に表したグラフ図の横軸は時間(ミリ秒)を表しており、縦軸はD/Aコンバータ19(図1参照)に与える制御指令数値を表している。
【0020】
図3に表したグラフ図において、シーク終了時の制御指令数値の大きさAから、この実験で用いた磁気ディスク装置においては、最大制御指令数値の約10%程度の外力が働いていることがわかる。
また、マグネットラッチ力などの外力が大きい方向へのシークにおいては、シーク制御系のスイッチsw1を切り替えた際の過渡応答が出ていないことがわかる。さらに、図4に表したグラフ図より、外力が小さい方向へのシークにおいても、スイッチsw1の切り替え時に不連続な制御指令は発生していないことがわかる。
【0021】
このように、積分器110の出力をアクチュエータ(VCM13)に加えるようにし、位相進み補償器120の出力をモデル側制御系200の入力に加えるようにしているため、マグネットラッチ力などの外力が大きい方向へのシークと、外力が小さい方向へのシークと、の両方のシークにおいて、図2に表したシーク制御系のスイッチsw1を切り替えた時の過渡応答は出ていない。
【0022】
図5は、比較例を例示するブロック図である。
図5に表したシーク制御系においては、図2に表した本実施形態のシーク制御系に対して、位置誤差フィードバック制御系100は積分器110と位相進み補償器120とに分解されていない。このような制御系においては、シーク制御から位置決め制御への移行を円滑に行う為に、シーク前半においては位置決め制御器を用いてモデル側制御系200の更新を行い、目標位置に近くなった時において通常の2自由度制御系に切り替えるようにしている。
【0023】
つまり、シーク前半のモデル側制御系200の更新においては、位置誤差フィードバック制御系100の出力をモデル側制御系200の入力に加えて(スイッチsw1を端子2に接続)、モデルの状態(位置と速度)がアクチュエータの動きに近くなるようにしている。そして、シーク後半においては、位置誤差フィードバック制御系100の出力をアクチュエータに入れ(スイッチsw1を1に接続)、通常の2自由度制御系としている。このようにすることにより、シーク時の電流飽和の影響と位置検出ノイズの影響を小さくしている。
【0024】
しかしながら、このようなシーク制御系においては、アクチュエータ(VCM13)にマグネットラッチ力などの大きな外力が働いている場合、スイッチsw1を切り替えた時に制御指令に過渡応答が生ずる場合がある。さらに、アーム12を高速に移動させると、磁気ヘッド11はサーボエリア20を斜めに横切るため、シリンダーコードを誤って読み取るようになり、位置検出ノイズが大きくなる。そのため、位置誤差フィードバック制御系100を通してノイズが速度フィードバックコントローラ300に影響を与え、ノイズによる振動成分が制御指令に出てしまう。
【0025】
アクチュエータ(VCM13)のシーク性能を向上させるには、滑らかなフィードフォワード制御入力をアクチュエータに与えることが重要である。そのため、モデル側制御系200においては、位置誤差フィードバック制御系100の周期Tsのn倍のサンプリング周期Ts/nで演算が実行されている。
【0026】
また、速度制御系の構成に関しては加速時の電流飽和があることから、速度誤差に対して定数ゲインフィードバックが施されている。アクチュエータ(VCM13)の高性能なシークを実現するにためは正確なモデルが必要となるが、予め高精度なモデルを用意しておくことはバラツキなどから難しい。そこで、シーク中にモデル側制御系200の更新を行い、モデルの状態をアクチュエータ(VCM13)の状態に近づけるようにする。
【0027】
図6は、比較例において、外力が大きい方向へシークさせた時の制御指令を表すグラフ図(実験結果)である。
また、図7は、比較例において、外力が小さい方向へシークさせた時の制御指令を表すグラフ図(実験結果)である。
図6、7に表したグラフ図の横軸は時間(ミリ秒)を表しており、縦軸はD/Aコンバータ19(図1参照)に与える制御指令数値を表している。
【0028】
図6に表したグラフ図において、シーク終了時の制御指令数値の大きさAから、この実験で用いた磁気ディスク装置においては、最大制御指令数値の約10%程度の外力が働いていることがわかる。また、マグネットラッチ力などの外力が大きい方向へのシークにおいては、スイッチsw1を切り替えた時に不連続な制御指令数値が発生していることがわかる。
【0029】
一方、図7に表したグラフ図より、外力が小さい方向へのシークにおいては、不連続な制御指令数値はアクチュエータ(VCM13)に与えられていないことがわかる。これらのことから、図5に表した比較例のように、位置誤差フィードバック制御系100の出力をモデル側制御系200の入力に加える方法は、外力が小さい場合においては、スイッチsw1の切り替えによる過渡応答は非常に小さく問題は無いが、アーム12にマグネットラッチ力などの大きな外力が作用しているような場合においては、外力に対してロバスト性の低いことがわかる。制御指令の急峻な過渡応答は、機械共振を励起してセトリング時のバラツキを引き起こしてしまう。そのため、書き込み禁止回数が多くなり、パフォーマンスを劣化させてしまう。
【0030】
図8は、図7に表した制御指令数値の平均値からのバラツキを表すグラフ図である。
横軸は時間(ミリ秒)を表しており、縦軸はD/Aコンバータ19(図1参照)に与える制御指令数値を表している。
シーク時のバラツキは、シークが終了したオントラック状態におけるバラツキに対して非常に大きい。また、制御指令数値のバラツキは、目標位置に近くなりヘッドスピードが遅くなるにつれて小さくなっている。これは、位置検出ノイズがモデル側制御系200の更新を通してモデル速度を用いた速度制御系に影響を与えているためであると考えられる。シーク時に電流のバラツキが生ずることは、シーク時の騒音を大きくすると共に、セトリング時のバラツキを引き起こしやすくなる。
【0031】
以下、観測器を構成した時のサンプル点上での本実施形態にかかるシーク制御系の安定性について説明する。
図9は、モデル入力端のマルチレート観測器を表すブロック図である。
また、図10は、モデル更新のタイミングを表す模式図である。
図9に表した観測器においては、位相進み補償器120の出力をモデル側制御系200の入力に加えて、モデルの状態をプラントの状態に近づけるようにする。
【0032】
アクチュエータ(VCM13)のシーク性能を向上させるには、滑らかなフィードフォワード制御入力をアクチュエータに与えることが重要である。そのため、図10に表したモデル更新のタイミングのように、モデル側制御系200においては、位置誤差フィードバック制御系100の周期Tsのr倍のサンプリング周期Ts/rで演算が実行されている。
【0033】
VCM13のモデルを式(1)、VCM13を式(2)、および位相進み補償器120を式(3)、で表す。
【数1】

【数2】

【数3】

また、図9に表したような観測器を構成した場合、この観測器は式(4)で表される。
【数4】

観測誤差は、式(5)で表される。
【数5】

サンプル点上のモデルとVCM13との状態は、それぞれ式(6)、式(7)のように表され、式(5)は式(8)のようになる。
【数6】

【数7】

【数8】

これらの式から、サンプル点上の誤差システムは、式(9)のようになる。
【数9】

以上の計算から、式(9)の固有値が単位円内に存在すれば観測器は安定であることが分かる。
【0034】
以下、必ずこの条件が満たされるか否かを検討する。
図11は、単純なモデル側制御系のフィードバック制御系を表すブロック図である。
図11に表した制御系において、制御対象は位置誤差フィードバック制御系100が計算される周期Tsの1/rで計算される。この制御系は、サンプル点上の応答を考慮すると、周期Tsのフィードバックシステムと同じである。したがって、まず、式(10)と式(11)とが成り立つ。
【数10】

【数11】

これらの式から、以下の式が導かれる。
【数12】

これから、以下の式が成り立つ。
【数13】

ここで、一般的に次の式が成り立つことが知られている。
【数14】

以上より、式(13)と式(9)との行列式は同じになることが分かる。したがって、周期Tsで離散化した制御対象に対してフィードバックループが安定になるように位置誤差フィードバック制御系100を設定すれば、式(9)は安定となる。
【0035】
以上説明したように、本実施形態によれば、位置誤差フィードバック制御系100を積分器110と位相進み補償器120とに分解している。積分器110の出力をアクチュエータ(VCM13)に加え、さらに、位相進み補償器120の出力をモデル側制御系200の入力に加えることによって、モデル側制御系200の更新を行っている。ただし、制御指令が飽和している場合においては、積分器110の出力をモデル側制御系200の入力に加えるようにする。これによって、外力が大きい環境においても、制御系の切り替えによる過渡応答を小さくすることができ、外力に対してロバストなシーク制御系を構成できる。
【0036】
次に、本発明の第2の実施の形態にかかるシーク制御系について説明する。
図12は、本発明の第2の実施の形態を例示するブロック図である。
図12に表したシーク制御系においては、図2に表したシーク制御系と同様に、位置誤差フィードバック制御系100が、積分器110と位相進み補償器120とに分解されている。また、図12に表したシーク制御系は、モデル側制御系200を備えている。モデル側制御系200においては、アクチュエータの仮想的な数式モデルに対する速度制御系が構築されており、モデル速度を目標速度に追従させることにより、位置誤差フィードバック制御系100へ与える目標位置指令と、フィードフォワード制御入力と、を生成する。モデル側制御系200から出力されたフィードフォワード制御入力は、目標トラックの位置の情報とともに、速度フィードバックコントローラ300に入力され、リミッタ400とゼロ次ホルダ420とを介して、ボイスコイルモータ13へのフィードフォワード制御入力として出力される。
【0037】
また、モデル側制御系200においては、図2に表したシーク制御系と同様に、状態方程式であるAマトリックス210、Bマトリックス220、Cマトリックス240と、1サンプル遅れ230と、が組み合わされている。
【0038】
アクチュエータ(VCM13)のシーク性能を向上させるには、滑らかなフィードフォワード制御入力をアクチュエータに与えることが重要である。そのため、モデル側制御系200においては、位置誤差フィードバック制御系100の周期Tsの例えば2倍のサンプリング周期Ts/2で演算が実行されている。
【0039】
また、速度制御系の構成に関しては加速時の電流飽和があることから、速度誤差に対して定数ゲインフィードバックが施されている。アクチュエータ(VCM13)の高性能なシークを実現するにためは正確なモデルが必要となるが、予め高精度なモデルを用意しておくことはバラツキなどから難しい。そこで、シーク中にモデル側制御系200の更新を行い、モデルの状態をアクチュエータ(VCM13)の状態に近づけるようにする。
【0040】
制御指令が飽和しない時においては、スイッチsw2を端子2に接続して積分器110の出力をアクチュエータ(VCM13)に加える。そして、制御指令が飽和する時においては、スイッチsw2を端子1に接続して積分器110の出力をモデル側制御系200の入力に加えるようにする。また、残り距離が長いシーク前半においては、スイッチsw1を端子1に接続して、位相進み補償器120の出力を固定値のゲインL500を通して、モデル側制御系200の入力に加えることによってモデル側制御系200の更新を行う。そして、残り距離が短くなったシーク後半においては、スイッチsw1を端子2に切り替えて通常の2自由度制御系にする。
【0041】
図13は、本実施形態において、外力が大きい方向へシークさせた時の制御指令を表すグラフ図(実験結果)である。
また、図14は、本実施形態において、外力が小さい方向へシークさせた時の制御指令を表すグラフ図(実験結果)である。
図13、14に表したグラフ図の横軸は時間(ミリ秒)を表しており、縦軸はD/Aコンバータ19(図1参照)に与える制御指令数値を表している。なお、ゲインL500は、L=[1 1]と設定した。
【0042】
図13に表したグラフ図において、シーク終了時の制御指令数値の大きさAから、この実験で用いた磁気ディスク装置においては、最大制御指令数値の約10%程度の外力が働いていることがわかる。
また、マグネットラッチ力などの外力が大きい方向へのシークにおいては、シーク制御系のスイッチsw1を切り替えた際の過渡応答が出ていないことがわかる。さらに、図14に表したグラフ図より、外力が小さい方向へのシークにおいても、スイッチsw1の切り替え時に不連続な制御指令は発生していないことがわかる。
【0043】
図15は、図14に表した制御指令数値の平均値からのバラツキを表すグラフ図である。
横軸は時間(ミリ秒)を表しており、縦軸はD/Aコンバータ19(図1参照)に与える制御指令数値を表している。
本実施形態にかかるシーク制御系においても、シーク時のバラツキは、シークが終了したオントラック状態におけるバラツキに対して非常に大きいことが分かる。これは、制御指令がモデル側制御系200の速度制御系において生成されるため、位相進み補償器120の出力を通してモデルに影響を与えているためであると考えられる。
【0044】
以下、観測器を構成した時のサンプル点上での本実施形態にかかるシーク制御系の安定性について説明する。
図16は、モデル状態端のマルチレート観測器を表すブロック図である。
図16に表した観測器は、カルマンフィルタのように、モデルの状態に位相進み補償器120の出力を加えている。
【0045】
アクチュエータ(VCM13)のシーク性能を向上させるには、滑らかなフィードフォワード制御入力をアクチュエータに与えることが重要である。そのため、図10に表したモデル更新のタイミングと同様に、モデル側制御系200においては、位置誤差フィードバック制御系100の周期Tsのr倍のサンプリング周期Ts/rで演算が実行されている。
【0046】
VCM13のモデルを式(1)、および位相進み補償器120を式(3)、で表すと以下の式(15)が成り立つ。
【数15】

これらの式から、同様にサンプル点上の誤差システムは式(16)のように求まる。
【数16】

以上の計算から、式(16)の固有値が単位円内に存在するようにゲインL500を決定すればよい。
【0047】
以上説明したように、本実施形態によれば、位置誤差フィードバック制御系100を積分器110と位相進み補償器120とに分解している。積分器110の出力をアクチュエータ(VCM13)に加え、さらに、位相進み補償器120の出力をモデル側制御系200の入力に加えることによって、モデル側制御系200の更新を行っている。ただし、制御指令が飽和している場合においては、積分器110の出力をモデル側制御系200の入力に加えるようにする。これによって、外力が大きい環境においても、制御系の切り替えによる過渡応答を小さくすることができ、外力に対してロバストなシーク制御系を構成できる。
【0048】
次に、本発明の第3の実施の形態にかかるシーク制御系について説明する。
図17(a)は、本発明の第3の実施の形態を例示するブロック図であり、図17(b)は、速度フィードバックコントローラ300を例示する模式図である。
図17(a)に表したシーク制御系においては、図2に表したシーク制御系と同様に、位置誤差フィードバック制御系100が、積分器110と位相進み補償器120とに分解されている。また、図17(a)に表したシーク制御系は、モデル側制御系200を備えている。モデル側制御系200においては、アクチュエータの仮想的な数式モデルに対する速度制御系が構築されており、モデル速度を目標速度に追従させることにより、位置誤差フィードバック制御系100へ与える目標位置指令と、フィードフォワード制御入力と、を生成する。モデル側制御系200から出力されたフィードフォワード制御入力は、目標トラックの位置の情報とともに、速度フィードバックコントローラ300に入力され、リミッタ400とゼロ次ホルダ420とを介して、ボイスコイルモータ13へのフィードフォワード制御入力として出力される。
【0049】
また、モデル側制御系200においては、図2に表したシーク制御系と同様に、状態方程式であるAマトリックス210、Bマトリックス220、Cマトリックス240と、1サンプル遅れ230と、が組み合わされている。
【0050】
アクチュエータ(VCM13)のシーク性能を向上させるには、滑らかなフィードフォワード制御入力をアクチュエータに与えることが重要である。そのため、モデル側制御系200においては、位置誤差フィードバック制御系100の周期Tsの例えば2倍のサンプリング周期Ts/2で演算が実行されている。
【0051】
また、速度制御系の構成に関しては加速時の電流飽和があることから、速度誤差に対して定数ゲインフィードバックが施されている。アクチュエータ(VCM13)の高性能なシークを実現するにためは正確なモデルが必要となるが、予め高精度なモデルを用意しておくことはバラツキなどから難しい。そこで、シーク中にモデル側制御系200の更新を行い、モデルの状態をアクチュエータ(VCM13)の状態に近づけるようにする。
【0052】
速度フィードバックコントローラ300に設けられた目標速度曲線決定部310とモデル速度曲線決定部320とにおいては、それぞれ目標速度曲線Vrefとモデル速度曲線Vmodelとが格納されている。また、速度フィードバックゲイン決定部330においては、目標速度曲線Vrefまたはモデル速度曲線Vmodelに応じて変化する速度フィードバックゲインGが格納されている。
【0053】
積分器110の出力は、アクチュエータ(VCM13)に加えられている。なお、図2または図11に表したシーク制御系と同様に、制御指令が飽和しない時においては、スイッチsw2(図2または図11参照)を端子2に接続して積分器110の出力をアクチュエータ(VCM13)に加え、制御指令が飽和する時においては、スイッチsw2を端子1に接続して積分器110の出力をモデル側制御系200の入力に加えるようにしてもよい。
【0054】
また、残り距離が長いシーク前半においては、スイッチsw1を端子1に接続して、位相進み補償器120の出力を目標位置までの残り距離に応じて変化するゲインL500を通して、モデル側制御系200の入力に加えることによってモデル側制御系200の更新を行う。そして、残り距離が短くなったシーク後半においては、スイッチsw1を端子2に切り替えて通常の2自由度制御系にする。
【0055】
モデル側制御系200の更新は、位相進み補償器120の出力を目標速度曲線Vrefに応じて変化する速度フィードバックゲインGを通して行われてもよい。または、モデル側制御系200の更新は、位相進み補償器120の出力をモデル速度曲線Vmodelに応じて変化する速度フィードバックゲインGを通して行われてもよい。
【0056】
図18は、ゲインLの切り替え条件のテーブルを例示する概念図である。
すなわち、目標位置までの残り距離に応じて、ゲインL500と、スイッチsw1の端子位置と、をそれぞれ設定しておくことができる。
【0057】
残り距離が長い時においては、磁気ヘッドのスピードが速く位置検出ノイズが大きいため、ゲインL500を小さくしてモデルへのノイズの影響を小さくする。ゲインL500を小さくすることによってモデルの推定誤差は大きくなるが、目標位置から離れているため推定誤差が大きくてもセトリングへの影響は小さいと考えられる。そして、残り距離が短くなるにつれて、ゲインL500を大きくして推定誤差が小さくなるようにする。残り距離がさらに短くなったところで、スイッチsw1を端子2に接続する。
【0058】
図19は、本実施形態において、外力が大きい方向へシークさせた時の制御指令を表すグラフ図(実験結果)である。
また、図20は、本実施形態において、外力が小さい方向へシークさせた時の制御指令を表すグラフ図(実験結果)である。
図19、20に表したグラフ図の横軸は時間(ミリ秒)を表しており、縦軸はD/Aコンバータ19(図1参照)に与える制御指令数値を表している。
【0059】
図19に表したグラフ図において、シーク終了時の制御指令数値の大きさAから、この実験で用いた磁気ディスク装置においては、最大制御指令数値の約10%程度の外力が働いていることがわかる。
また、マグネットラッチ力などの外力が大きい方向へのシークにおいては、積分器110の出力をアクチュエータ(VCM13)に加えているために、シーク制御系のスイッチsw1を切り替えた際の過渡応答は発生していないことがわかる。さらに、図20に表したグラフ図より、外力が小さい方向へのシークにおいても、スイッチsw1の切り替え時に不連続な制御指令は発生していないことがわかる。
【0060】
図21は、図20に表した制御指令数値の平均値からのバラツキを表すグラフ図である。
横軸は時間(ミリ秒)を表しており、縦軸はD/Aコンバータ19(図1参照)に与える制御指令数値を表している。
図21に表したグラフ図において、位相進み補償器120の出力を可変ゲインL500、または可変ゲインGを通してモデル側制御系200の更新を行っているため、図8および図15に表したグラフ図よりも、バラツキを低減できていることが分かる。
【0061】
以上説明したように、本実施形態によれば、位置誤差フィードバック制御系100を積分器110と位相進み補償器120とに分解している。積分器110の出力をアクチュエータ(VCM13)に加え、さらに、位相進み補償器120の出力をモデル側制御系200の入力に加えることによって、モデル側制御系200の更新を行っている。これによって、外力が大きい環境においても、制御系の切り替えによる過渡応答を小さくすることができ、外力に対してロバストなシーク制御系を構成できる。また、位相進み補償器120の出力を、目標位置までの残り距離、目標速度曲線Vref、またはモデル速度曲線Vmodel、に応じて変化するゲインを通してモデル側制御系200の入力に加えることによってモデル側制御系200の更新を行うため、磁気ヘッドが高速に移動している時の位置検出ノイズの影響を小さくすることができる。
【0062】
以上、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明はこれらの記述に限定されるものではない。前述の実施の形態に関して、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。例えば、シーク制御系などが備える各要素およびその配置などは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。
また、前述した各実施の形態が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本発明の実施の形態にかかる磁気ディスク装置の要部を表す概念図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態を例示するブロック図である。
【図3】本実施形態において、外力が大きい方向へシークさせた時の制御指令を表すグラフ図(実験結果)である。
【図4】本実施形態において、外力が小さい方向へシークさせた時の制御指令を表すグラフ図(実験結果)である。
【図5】比較例を例示するブロック図である。
【図6】比較例において、外力が大きい方向へシークさせた時の制御指令を表すグラフ図(実験結果)である。
【図7】比較例において、外力が小さい方向へシークさせた時の制御指令を表すグラフ図(実験結果)である。
【図8】図7に表した制御指令数値の平均値からのバラツキを表すグラフ図である。
【図9】モデル入力端のマルチレート観測器を表すブロック図である。
【図10】モデル更新のタイミングを表す模式図である。
【図11】単純なモデル側制御系のフィードバック制御系を表すブロック図である。
【図12】本発明の第2の実施の形態を例示するブロック図である。
【図13】本実施形態において、外力が大きい方向へシークさせた時の制御指令を表すグラフ図(実験結果)である。
【図14】本実施形態において、外力が小さい方向へシークさせた時の制御指令を表すグラフ図(実験結果)である。
【図15】図14に表した制御指令数値の平均値からのバラツキを表すグラフ図である。
【図16】モデル状態端のマルチレート観測器を表すブロック図である。
【図17】図17(a)は、本発明の第3の実施の形態を例示するブロック図であり、図17(b)は、速度フィードバックコントローラ300を例示する模式図である。
【図18】ゲインLの切り替え条件のテーブルを例示する概念図である。
【図19】本実施形態において、外力が大きい方向へシークさせた時の制御指令を表すグラフ図(実験結果)である。
【図20】本実施形態において、外力が小さい方向へシークさせた時の制御指令を表すグラフ図(実験結果)である。
【図21】図20に表した制御指令数値の平均値からのバラツキを表すグラフ図である。
【符号の説明】
【0064】
11 磁気ヘッド、 12 アーム、 13 ボイスコイルモータ(VCM)、 14 ディスク、 15 マグネット、 16 駆動コイル、 17 パワーアンプ、 18 マイクロプロセッサー(MPU)、 19 D/Aコンバータ、 20 サーボエリア、 21 ヘッドアンプ、 22 サーボデータ処理回路、 23 I/O、 100 位置誤差フィードバック制御系、 110 積分器、 120 位相進み補償器、 200 モデル側制御系、 210 Aマトリックス、 220 Bマトリックス、 230 1サンプル遅れ、 240 Cマトリックス、 300 速度フィードバックコントローラ、 310 目標速度曲線決定部、 320 モデル速度曲線決定部、 330 速度フィードバックゲイン決定部、 400 リミッタ、 420 ゼロ次ホルダ、 500 ゲインL

【特許請求の範囲】
【請求項1】
磁気ディスクに情報を記録再生する磁気ヘッドを移動させる駆動部と、
前記駆動部を制御する制御手段と、
を備え、
前記制御手段は、
積分器と位相進み補償器とを有し、前記磁気ヘッドの目標位置と検出位置との差に基づいて位置指令を求めて前記駆動部をフィードバック制御する位置誤差フィードバック制御系と、
前記磁気ヘッドの目標移動距離を入力し、前記駆動部の数式モデルを用いて電流指令を前記駆動部に出力する2自由度制御系と、
を有し、
前記制御手段は、前記数式モデルを更新し、前記更新に際して、前記積分器の出力は前記駆動部に与えつつ、前記位相進み補償器の出力を用いて前記数式モデルを更新する第1の更新モードを有することを特徴とする磁気ディスク装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記駆動部への入力が飽和していない時は、前記第1の更新モードを実行し、
前記駆動部への入力が飽和している時は、前記積分器の出力と、前記位相進み補償器の出力と、を前記数式モデルにそれぞれ加えて、前記数式モデルを更新する第2の更新モードを実行することを特徴とする請求項1記載の磁気ディスク装置。
【請求項3】
前記制御手段は、固定されたゲインを、前記位相進み補償器の出力に掛けて、前記数式モデルを更新することを特徴とする請求項1または2に記載の磁気ディスク装置。
【請求項4】
前記制御手段は、前記磁気ヘッドの目標位置までの残り距離に応じて変化するゲインを、前記位相進み補償器の出力に掛けて、前記数式モデルを更新することを特徴とする請求項1または2に記載の磁気ディスク装置。
【請求項5】
前記制御手段は、前記磁気ヘッドの目標速度に応じて変化するゲインを、前記位相進み補償器の出力に掛けて、前記数式モデルを更新することを特徴とする請求項1または2に記載の磁気ディスク装置。
【請求項6】
前記制御手段は、前記数式モデルのモデル速度に応じて変化するゲインを、前記位相進み補償器の出力に掛けて、前記数式モデルを更新することを特徴とする請求項1または2に記載の磁気ディスク装置。
【請求項7】
磁気ディスクに情報を記録再生する磁気ヘッドを移動させる磁気ヘッドの制御方法であって、
積分器と位相進み補償器とを用い、前記磁気ヘッドの目標位置と検出位置との差に基づいて位置指令を求めて前記磁気ヘッドの駆動部をフィードバック制御しつつ、
前記磁気ヘッドの目標移動距離を入力し、前記駆動部の数式モデルを用いて電流指令を前記駆動部に出力して制御し、
前記数式モデルを更新し、
前記更新に際して、前記積分器の出力は前記駆動部に与えつつ、前記位相進み補償器の出力を用いて前記数式モデルを更新するモードを有することを特徴とする磁気ヘッドの制御方法。

【図1】
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【図3】
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【図4】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図2】
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【図5】
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【図9】
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【図16】
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【図17】
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