説明

磁気ディスク装置

【目的】磁気ヘッドの製造ばらつきをある程度許容し、ひいては装置の生産効率向上を図ることができる磁気ディスク装置を提供する。
【構成】磁気ディスクに対してデータを読み書きするための磁気ヘッド2を備えた磁気ディスク装置であって、磁気ヘッド2を介してデータの読み書きを試行する読み書き試行手段31と、データの読み書きの試行時におけるエラーレートを算出するエラーレート算出手段32と、エラーレートの算出値に基づき、データ書き込み時に磁気ヘッド2を駆動するための駆動電流の値を設定する駆動電流値設定手段34とを備えていることを特徴としている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、磁気ディスクに対してデータを読み書きするための磁気ヘッドを備えた磁気ディスク装置に関する。
【背景技術】
【0002】
磁気ディスクの技術分野においては、高記録密度化を図るのに好ましい媒体として、いわゆるディスクリートトラックメディア(DTM)やパターンドメディア(PM)などといった磁気ディスクが知られている。これらの磁気ディスクは、たとえば下記の特許文献1〜3に記載されている。
【0003】
上記磁気ディスクを備えた磁気ディスク装置としては、たとえば下記の特許文献4に記載されたものがある。この磁気ディスク装置には、磁気ディスクに対してデータを読み書きするための磁気ヘッドが備えられている。このような磁気ディスク装置においては、磁気ディスクのトラック密度が高密度でトラックピッチが狭小となっている。そのため、データを書き込む際には、磁気ヘッドが位置合わせされたトラックに対して隣接するトラックの記録済みデータが消失するなどといった、いわゆるクロスライト現象が起こりやすい。このようなトラックピッチの狭小化に対応しつつクロスライト現象を抑止する観点から、磁気ヘッドは、トラックに対して対向配置される磁気記録コア部分の幅寸法がより小さくなっている。
【0004】
【特許文献1】特開2005−71467号公報
【特許文献2】特開2005−166115号公報
【特許文献3】特開2005−293730号公報
【特許文献4】特開平08−45003号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記磁気ヘッドに関しては、磁気記録コア部分の幅寸法を小さくすれば、製造公差が厳しく課せられるため、磁気ヘッド自体の歩留まりを高めることが困難になっている。すなわち、磁気ディスク装置としては、これに組み込まれる磁気ヘッドについて高い寸法精度が要求されることから、効率良く生産することができないという難点があった。
【0006】
本発明は、上記した事情のもとで考え出されたものであって、磁気ヘッドの仕様における製造公差を緩和し、ひいては装置の生産効率向上を図ることができる磁気ディスク装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明では、次の技術的手段を講じている。
【0008】
本発明の第1の側面により提供される磁気ディスク装置は、磁気ディスクに対してデータを読み書きするための磁気ヘッドを備えた磁気ディスク装置であって、上記磁気ヘッドを介してデータの読み書きを試行する読み書き試行手段と、上記読み書き試行手段によるデータの読み書きの試行時におけるエラーレートを算出するエラーレート算出手段と、上記エラーレートの算出値に基づき、データ書き込み時に上記磁気ヘッドを駆動するための駆動電流の値を設定する駆動電流値設定手段とを備えていることを特徴としている。
【0009】
好ましくは、上記磁気ヘッドの製造ばらつきに関する情報として、上記エラーレートの各種値に対して最適となる上記駆動電流の値を表したテーブル情報を記憶するテーブル情報記憶手段を備え、上記駆動電流値設定手段は、上記エラーレートの算出値を上記テーブル情報に当てはめることにより、上記駆動電流の最適値を設定する。
【0010】
好ましくは、上記磁気ヘッドの製造ばらつきに関する情報として、上記エラーレートの各種値に対して推定される磁気記録コア部分の幅寸法を表した第1テーブル情報と、上記磁気記録コア部分の幅寸法に対して最適となる上記駆動電流の値を表した第2テーブル情報とを記憶するテーブル情報記憶手段を備え、上記駆動電流値設定手段は、上記エラーレートの算出値を上記第1テーブル情報に当てはめ、これにより得られた上記磁気記録コア部分の幅寸法所定値を上記第2テーブル情報に当てはめることにより、上記駆動電流の最適値を設定する。
【0011】
本発明の第2の側面により提供される磁気ディスク装置は、磁気ディスクに対してデータを読み書きするための磁気ヘッドを備えた磁気ディスク装置であって、上記磁気ヘッドの製造ばらつきに関する情報として、磁気記録コア部分の幅寸法に対してデータ書き込み時に駆動するための最適となる駆動電流の値を表したテーブル情報を記憶するテーブル情報記憶手段と、上記磁気ヘッドにおける磁気記録コア部分の幅寸法実測値を入力設定する幅寸法実測値入力設定手段と、入力設定された上記磁気記録コア部分の幅寸法実測値を上記テーブル情報に当てはめることにより、上記駆動電流の値を設定する駆動電流値設定手段とを備えていることを特徴としている。
【0012】
好ましくは、上記磁気ヘッドは、上記磁気ディスクに対して垂直磁気記録方式によりデータを書き込むものである。
【0013】
このような構成によれば、装置に組み込まれた磁気ヘッドについて、データ書き込み時にクロスライト現象が生じない最適な駆動電流値が自動的あるいは半自動的に設定されるので、従来においては製造公差を満足しない磁気ヘッドであっても装置化を許容することができ、ひいては装置自体の生産効率向上を容易に図ることができる。
【0014】
本発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行う詳細な説明によって、より明らかとなろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の好ましい実施の形態を、図面を参照して具体的に説明する。
【0016】
図1は、垂直磁気記録方式が採用された磁気ディスクおよび磁気ヘッドを示している。同図に示すように、磁気ディスク1は、磁気ヘッド2から垂直に印加される記録磁界Hに応じて磁区Aごとに垂直方向上向きあるいは下向きに磁化方向を保持可能な磁気記録層10を有する。磁気ディスク1の厚み方向において、磁気記録層10の下層側には、中間層11、軟磁性層12、および基板層13が形成されている。磁気ディスク1の面内方向において、多数の磁区Aは、列状に並んだ群ごとにトラックTを形成しており、トラックTとトラックTとの間には、図示しない非磁性材料が形成されている。すなわち、磁気ディスク1は、ディスクリートトラックメディアとして構成されている。
【0017】
磁気記録層10は、たとえば垂直方向の保磁力が水平方向の保磁力よりも大きくなっている。これにより、磁気記録層10においては、磁区Aごとに垂直方向上向きあるいは下向きに磁化方向が揃った状態となり、これによりデータが磁気的に書き込まれる。
【0018】
中間層11は、たとえば多層構造からなり、磁気記録層10の結晶配向性を向上させるために設けられている。
【0019】
軟磁性層12は、磁気ヘッド2から印加された磁束の通り道(磁路)として機能し、その磁束を再び磁気ヘッド2に還流させる裏打ち層としての役割を果たす。
【0020】
基板層13は、磁気ディスク1の剛性を確保するために設けられている。
【0021】
磁気ヘッド2は、磁気記録コア部分20、記録用駆動コイル21、補助コア部分22、再生ヘッド部23、およびシールドコア部分24を有して構成されている。
【0022】
磁気記録コア部分20は、データ書き込み時に記録磁界Hが生じる部分であり、その幅寸法Wは、トラックTの幅寸法に対応している。このような磁気記録コア部分20の幅寸法Wは、極めて小さいために比較的大きなばらつきがあり、たとえば50〜250nm程度の範囲内にある。
【0023】
記録用駆動コイル21は、データ書き込み時に駆動電流が流れることにより、電磁気的作用によって磁気記録コア部分20に記録磁界Hを発生させる。上記駆動電流の値Iwは、後述の方法によって規定のレベルに設定される。
【0024】
補助コア部分22は、磁気記録コア部分20で生じた磁束のリターンヨークとして機能するほか、再生ヘッド部23に対するシールド材としても機能する。
【0025】
再生ヘッド部23は、たとえば磁気抵抗効果素子によって構成されている。この再生ヘッド部23によれば、磁区Aからの漏れ磁束を検出することにより、上向きあるいは下向きとなる磁化方向、すなわち垂直磁気記録方式によって記録されたデータが読み出される。
【0026】
シールドコア部分24は、再生ヘッド部23に対するシールド材として機能する。
【0027】
図2は、本発明の第1実施形態に係る磁気ディスク装置を示すブロック図である。本実施形態の磁気ディスク装置は、図1の磁気ディスク1および磁気ヘッド2が組み込まれたものである。磁気ディスク装置は、マイクロコンピュータなどからなる制御ユニットを備えており、この制御ユニットは、図2に示すように、ヘッド制御部30、読み書き試行部31、エラーレート算出部32、テーブル情報記憶部33、および駆動電流値設定部34を有して構成されている。
【0028】
ヘッド制御部30は、磁気ヘッド2を介して磁気ディスク1にデータを書き込む時、後述の方法によって設定された規定レベルの駆動電流を磁気ヘッド2に供給し、磁気記録コア部分20に記録磁界Hを発生させるように制御するものである。規定レベルとなる駆動電流の値Iwは、初期設定値としてヘッド制御部30に保持されている。一方、ヘッド制御部30は、磁気ヘッド2を介して磁気ディスク1からデータを読み出す時、再生ヘッド部23を介して検出された磁化方向の向きを読み取る。
【0029】
読み書き試行部31は、あらかじめ定められた試行用データや駆動電流の試行値を保持しており、この試行用データや駆動電流試行値に基づいて磁気ヘッド2にデータの読み書きを試行させる。
【0030】
エラーレート算出部32は、読み書き試行部31によって書き込まれる前の試行用データと、読み書き試行部31によって読み出されたデータとを比較演算することにより、試行用データの読み書きを試行した結果としてエラーレートを算出する。こうして得られたエラーレートの算出値については、符号Erを付す。
【0031】
テーブル情報記憶部33は、たとえば所定容量のメモリであり、このテーブル情報記憶部33には、第1テーブル情報33Aおよび第2テーブル情報33Bが記憶されている。
【0032】
図3(A)および(B)に示すように、第1テーブル情報33Aは、磁気ヘッドの製造ばらつきに関する情報として、駆動電流を試行値とした場合におけるエラーレートの各種値(y軸)に対して推定される磁気記録コア部分の幅寸法(x軸)をグラフで表したものである。この第1テーブル情報33Aによれば、たとえばエラーレートの値が1.00×10-4のとき、磁気記録コア部分の幅寸法は、150nm程度と推定される。第2テーブル情報33Bも、磁気ヘッドの製造ばらつきに関する情報であり、許容範囲にある磁気記録コア部分の各種幅寸法(x軸)に対して最適となる駆動電流の値(y軸)をグラフで表したものである。この第2テーブル情報33Bによれば、たとえば磁気記録コア部分の幅寸法が150nmのとき、最適な駆動電流の値としては、50mA程度となる。このような第1テーブル情報33Aおよび第2テーブル情報33Bによれば、磁気記録コア部分の幅寸法が大きくても駆動電流の値を小さくすれば、いわゆるクロスライト現象を抑えながらデータを確実に書き込むことができ、磁気記録コア部分の幅寸法が小さければある程度駆動電流の値を大きくすることにより、所定強さの記録磁界が発生することでデータを確実に書き込むことができるといった点が理解されよう。
【0033】
駆動電流値設定部34は、エラーレートの算出値Erを第1テーブル情報33Aに代入し、これにより得られた磁気記録コア部分の幅寸法所定値をさらに第2テーブル情報33Bに代入することにより、磁気ヘッド2に対して最適となる駆動電流の値(最適値Iw)を求め、この駆動電流の最適値Iwを初期設定値としてヘッド制御部30に設定するものである。
【0034】
図4は、駆動電流の最適値Iwを設定する手順を示すフローチャートである。同図に示すように、まず、読み書き試行部31は、駆動電流をあらかじめ定められた試行値とした上で磁気ヘッド2を介して試行用データの読み書きを試行する(S10)。
【0035】
次に、エラーレート算出部32は、試行用データに対して読み出したデータの正誤を判定することにより、エラーレートの算出値Erを求める(S11)。エラーレートの算出値Erは、正しく読み出したデータ数に対して誤りのあるデータ数の割合からなる。
【0036】
次に、駆動電流値設定部34は、第1テーブル情報33Aからエラーレートの算出値Erに対応する磁気記録コア部分の幅寸法所定値W0を求め、この幅寸法所定値W0を取得する(S12)。
【0037】
さらに、駆動電流値設定部34は、第2テーブル情報33Bから幅寸法所定値W0に対応する駆動電流値Iwを求め、この駆動電流値Iwを取得する(S13)。
【0038】
最終的に、駆動電流値設定部34は、駆動電流値Iwを最適値としてヘッド制御部30に設定する(S14)。これにより、ヘッド制御部30は、磁気ヘッド2を介して磁気ディスク1にデータを書き込む時、磁気ヘッド2を駆動するための駆動電流の値を駆動電流値Iwとした上で磁気ヘッド2を制御する。
【0039】
したがって、本実施形態の磁気ディスク装置によれば、たとえば製造過程の最終段階において各種の初期設定を行う際、すでに磁気ヘッド2を組み込んだ状態でデータ書き込み時にクロスライト現象が生じない最適な駆動電流値Iwを自動的に設定することができる。これにより、ある程度の製造ばらつきがある磁気ヘッド2であっても許容することができ、ひいては装置自体の生産効率向上を容易に図ることができる。
【0040】
図5は、本発明の第2実施形態に係る磁気ディスク装置を示すブロック図であり、図6は、図5の磁気ディスク装置における駆動電流値の設定手順を示すフローチャートである。なお、先述の第1実施形態に係る磁気ディスク装置と同様の構成要素については、同一符号を付してその説明を省略する。
【0041】
図5に示すように、テーブル情報記憶部33には、テーブル情報33Cが記憶されている。このテーブル情報33Cは、エラーレートの各種値に対して最適となる駆動電流の値をグラフで表したものである。すなわち、テーブル情報33Cは、先述の第1テーブル情報33Aおよび第2テーブル情報33Bで呈示された磁気記録コア部分の幅寸法を共通の媒介変数と捉え、この磁気記録コア部分の幅寸法を省略することで単純な一つのグラフとして作成されたものである。このようなテーブル情報33Cによっても、最適な駆動電流の値を設定することができるといった点が理解されよう。
【0042】
駆動電流値設定部34は、エラーレートの算出値Erをテーブル情報33Cに代入することにより、磁気ヘッド2に対して最適となる駆動電流の値(最適値Iw)を求め、この駆動電流の最適値Iwを初期設定値としてヘッド制御部30に設定するものである。
【0043】
図6に示すように、まず、読み書き試行部31は、駆動電流をあらかじめ定められた試行値とした上で磁気ヘッド2を介して試行用データの読み書きを試行する(S20)。
【0044】
次に、エラーレート算出部32は、試行用データに対して読み出したデータの正誤を判定することにより、エラーレートの算出値Erを求める(S21)。
【0045】
次に、駆動電流値設定部34は、テーブル情報33Cからエラーレートの算出値Erに対応する駆動電流値Iwを求め、この駆動電流値Iwを取得する(S22)。
【0046】
最終的に、駆動電流値設定部34は、駆動電流値Iwを最適値としてヘッド制御部30に設定する(S23)。これにより、ヘッド制御部30は、磁気ヘッド2を介して磁気ディスク1にデータを書き込む時、磁気ヘッド2を駆動するための駆動電流の値を駆動電流値Iwとした上で磁気ヘッド2を制御する。
【0047】
したがって、本実施形態の磁気ディスク装置によっても、最適な駆動電流値Iwを自動的に設定することができるので、ある程度の製造ばらつきがある磁気ヘッド2であっても許容することができ、ひいては装置自体の生産効率向上を容易に図ることができる。
【0048】
図7は、本発明の第3実施形態に係る磁気ディスク装置を示すブロック図であり、図8は、図7の磁気ディスク装置における駆動電流値の設定手順を示すフローチャートである。なお、先述の第1実施形態や第2実施形態に係る磁気ディスク装置と同様の構成要素については、同一符号を付してその説明を省略する。
【0049】
図7に示すように、本実施形態の制御ユニットには、読み書き試行部やエラーレート算出部に代わり、幅寸法実測値入力設定部40が設けられている。幅寸法実測値入力設定部40は、磁気ヘッド2における磁気記録コア部分20の幅寸法実測値Wrを直接入力設定するためのものである。テーブル情報記憶部33には、第2テーブル情報33Bが記憶されている。駆動電流値設定部34は、幅寸法実測値入力設定部40で直接入力設定された幅寸法実測値Wrを第2テーブル情報33Bに代入することにより、磁気ヘッド2に対して最適となる駆動電流の値(最適値Iw)を求め、この駆動電流の最適値Iwを初期設定値としてヘッド制御部30に設定するものである。
【0050】
図8に示すように、まず、幅寸法実測値入力設定部40には、磁気記録コア部分20の幅寸法実測値Wrが直接入力設定される(S30)。
【0051】
次に、駆動電流値設定部34は、第2テーブル情報33Bから幅寸法実測値Wrに対応する駆動電流値Iwを求め、この駆動電流値Iwを取得する(S31)。
【0052】
最終的に、駆動電流値設定部34は、駆動電流値Iwを最適値としてヘッド制御部30に設定する(S32)。これにより、ヘッド制御部30は、磁気ヘッド2を介して磁気ディスク1にデータを書き込む時、磁気ヘッド2を駆動するための駆動電流の値を駆動電流値Iwとした上で磁気ヘッド2を制御する。
【0053】
したがって、本実施形態の磁気ディスク装置によれば、磁気記録コア部分20の幅寸法実測値Wrを直接入力設定する以外は自動的に駆動電流値Iwが設定されるので、これによっても、磁気ヘッド2についてある程度の製造ばらつきを許容することができ、ひいては現状のコア幅の仕様を緩和させ、装置自体の生産効率向上を容易に図ることができる。
【0054】
なお、本発明は、一般的な連続膜による磁気記録媒体に適用しても、駆動電流値を調整することによってコア幅の仕様を緩和させることが可能となるが、ディスクリートトラックメディアの場合は、駆動電流値を調整すると連続膜による磁気記録媒体よりもS/Nの変動が小さくなる傾向を示す。そのため、本発明は、連続膜による磁気記録媒体やパターンドメディアに適用することも可能であるが、特にディスクリートトラックメディアに対してコア幅の仕様をより緩和させることができる点で本発明は有効である。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】磁気ディスクおよび磁気ヘッドを模式的に示す斜視図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係る磁気ディスク装置を示すブロック図である。
【図3】テーブル情報を説明するための説明図である。
【図4】図2の磁気ディスク装置における駆動電流値の設定手順を示すフローチャートである。
【図5】本発明の第2実施形態に係る磁気ディスク装置を示すブロック図である。
【図6】図5の磁気ディスク装置における駆動電流値の設定手順を示すフローチャートである。
【図7】本発明の第3実施形態に係る磁気ディスク装置を示すブロック図である。
【図8】図7の磁気ディスク装置における駆動電流値の設定手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0056】
1 磁気ディスク
2 磁気ヘッド
31 読み書き試行部(読み書き試行手段)
32 エラーレート算出部(エラーレート算出手段)
33 テーブル情報記憶部(テーブル情報記憶手段)
33A 第1テーブル情報
33B 第2テーブル情報
33C テーブル情報
34 駆動電流値設定部(駆動電流値設定手段)
40 幅寸法実測値入力設定部(幅寸法実測値入力設定手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
磁気ディスクに対してデータを読み書きするための磁気ヘッドを備えた磁気ディスク装置であって、
上記磁気ヘッドを介してデータの読み書きを試行する読み書き試行手段と、
上記読み書き試行手段によるデータの読み書きの試行時におけるエラーレートを算出するエラーレート算出手段と、
上記エラーレートの算出値に基づき、データ書き込み時に上記磁気ヘッドを駆動するための駆動電流の値を設定する駆動電流値設定手段と、
を備えていることを特徴とする、磁気ディスク装置。
【請求項2】
上記磁気ヘッドの製造ばらつきに関する情報として、上記エラーレートの各種値に対して最適となる上記駆動電流の値を表したテーブル情報を記憶するテーブル情報記憶手段を備え、
上記駆動電流値設定手段は、上記エラーレートの算出値を上記テーブル情報に当てはめることにより、上記駆動電流の最適値を設定する、請求項1に記載の磁気ディスク装置。
【請求項3】
上記磁気ヘッドの製造ばらつきに関する情報として、上記エラーレートの各種値に対して推定される磁気記録コア部分の幅寸法を表した第1テーブル情報と、上記磁気記録コア部分の幅寸法に対して最適となる上記駆動電流の値を表した第2テーブル情報とを記憶するテーブル情報記憶手段を備え、
上記駆動電流値設定手段は、上記エラーレートの算出値を上記第1テーブル情報に当てはめ、これにより得られた上記磁気記録コア部分の幅寸法所定値を上記第2テーブル情報に当てはめることにより、上記駆動電流の最適値を設定する、請求項1に記載の磁気ディスク装置。
【請求項4】
磁気ディスクに対してデータを読み書きするための磁気ヘッドを備えた磁気ディスク装置であって、
上記磁気ヘッドの製造ばらつきに関する情報として、磁気記録コア部分の幅寸法に対してデータ書き込み時に駆動するための最適となる駆動電流の値を表したテーブル情報を記憶するテーブル情報記憶手段と、
上記磁気ヘッドにおける磁気記録コア部分の幅寸法実測値を入力設定する幅寸法実測値入力設定手段と、
入力設定された上記磁気記録コア部分の幅寸法実測値を上記テーブル情報に当てはめることにより、上記駆動電流の値を設定する駆動電流値設定手段と、
を備えていることを特徴とする、磁気ディスク装置。
【請求項5】
上記磁気ヘッドは、上記磁気ディスクに対して垂直磁気記録方式によりデータを書き込むものである、請求項1ないし4のいずれかに記載の磁気ディスク装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−84456(P2008−84456A)
【公開日】平成20年4月10日(2008.4.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−264195(P2006−264195)
【出願日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】