説明

磁気プローブ装置

磁性材料を見つけるためのシステムおよび方法。一実施形態において、システムは、磁気プローブ(109)と、磁気プローブに電流を供給するための、磁気プローブ(100)と電気的に連絡している電力モジュール(104)と、磁気プローブからの信号を受信するための、磁気プローブと電気的に連絡している感知モジュール(108)と、電力モジュールおよび感知モジュールと電気的に連絡している処理モジュール(コンピュータ)を含む。処理モジュール(コンピュータ)は、電力モジュールからの電流の供給を制御する波形を生成し、かつ磁性材料の存在を示す感知モジュールからの信号を受信する。磁気プローブは、10−6/℃以下の熱膨張係数と、実質的に50GPa以上のヤング係数とを有する材料から構成されている。一実施形態において、磁性ナノ粒子がリンパ節に集まる。一実施形態において、粒子は、5〜200nmの間の平均流体力学的径を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(技術分野)
本発明は、医療診断デバイスに関し、より具体的には、外科手術手順の間に関心のある組織を検出するためのデバイスに関する。
【0002】
(関連出願)
本出願は、2009年12月4日に出願した第12/631,370号の一部継続である。上記出願の全容が、本明細書において参照することによって援用される。
【背景技術】
【0003】
(背景)
毎年、約125万の乳癌の新たな症例が診断される。大多数のこれらの症例において、腫瘍を除去し、センチネルリンパ節を切除し、癌が体の他の部位に拡散したか否かを決定するためにそれらを組織的に検査する外科手術に対する急を要する必要性がある。センチネルリンパ節は、腫瘍からのリンパ排液を受け取る最初の結節である。センチネルリンパ節が、臨床医に何らかの癌拡散を確実に警告するので、それは、最初の結節と呼ばれる。センチネルリンパ節生検は、現在の乳癌手術において標準の治療である。
【0004】
外科手術中に、センチネル節を見つけるのは、困難である。センチネル節を見つけるための1つの方法は、乳房のリンパ組織内に紺青色の色素を注射することである。次に、色素が乳房のリンパシステムを通って分散し、外科医は、何らかの色付きの結節を除去する。この方法は、誤りを起こしやすいと認識されている。
【0005】
改良された方法は、リンパ結節内に放射性色素を注射することを含む。類似の方法で、色素がリンパシステムを通って排出され、次に、外科医がセンチネル節を見つけることを助けるために、放射線検出器を使用する。しかしながら、日常手術と違って、外科医に加えて核医学の放射線専門医の時間および力を割り当てる必要があるので、放射線同位体の使用には、重大、かつ高価な後方支援の負担が存在する。さらに、多くの患者は、放射性注射を受け入れることをためらう。これらの要因は、センチネル節を見つけるための放射線同位体の使用の普及した利用に対して重大な壁になる。
【0006】
その上に、領域をマークし、またはタトゥーをする能力は、外科医が関心のあるエリアを見つけることを可能にするのにとって重要である。多くのタトゥーイング(tattooing)は、皮膚の表面上に、または関心の組織内に大きな物体、例えば、ステープルの埋め込みを介して行われる。あいにく、このような表面のタトゥーイングは、ただその下に重大な組織が見つけられる表面の領域を外科医に示すだけである。それは、組織の場所の3D境界を定めない。外科医にとって、3Dで関心のある領域の輪郭を描く方法が必要とされる。
【0007】
最後に、金属断片が組織を通って分散されることが、戦闘および工業事故関連の傷害において頻繁に起きる。これらの断片を発見するのは、組織損傷を修復しようとする手術室の外科医にとって厄介である。
【0008】
本発明は、それらの問題を解決する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0009】
(本発明の要約)
本発明は、抜本的に、放射ではなく、磁気に基づく検出システムの使用を介してセンチネルリンパ節のプロトコルを変える。本システムは、磁性ナノ粒子の懸濁液の磁気性質を検出器と結合させ、検出器は、手術室の環境において使用され得る他の方法より著しく感度が高い。1つの実施形態において、ナノ粒子の懸濁液は、FDA認可のMRIコントラスト剤である。1つの実施形態において、本発明は、センチネルリンパ節を見つけることを対象とするが、本発明は、体内および他の環境の両方で他の磁性および導電性材料を検出するために使用され得る。
【0010】
1つの局面において、本発明は、磁性材料を見つけるためのシステムに関する。1つの実施形態において、本発明は、注射可能な磁性ナノ粒子を有するセンチネル節を患者に見つけるためのシステムに関する。1つの実施形態において、システムは、磁気プローブと、磁気プローブに電流を供給するための、磁気プローブと電気的に連絡している電力モジュールと、磁気プローブからの信号を受信するための、磁気プローブと電気的に連絡している感知モジュールと、電力モジュールおよび感知モジュールと電気的に連絡しているコンピュータまたは処理モジュールと、複数の注射可能な磁性ナノ粒子とを含む。別の実施形態において、コンピュータまたは処理モジュールは、電力モジュールから磁気プローブまでの電流の供給を制御する波形を生成し、かつ注射可能な磁性ナノ粒子への接近を示す感知モジュールからの信号を受信する。別の実施形態において、磁気プローブは、10−6/℃以下の熱膨張係数と、実質的に50GPa以上のヤング係数とを有する材料から構成されている。なお別の実施形態において、注射可能な磁性ナノ粒子は、5nmと200nmとの間、好ましくは、10nmと50nmとの間の平均流体力学的径の大きさを有する。
【0011】
別の局面において、本発明は、磁性マーカーを患者に見つけるためのシステムに関する。1つの実施形態において、システムは、磁気プローブと、磁気プローブに電流を供給するための、磁気プローブと電気的に連絡している電力モジュールと、磁気プローブからの信号を受信するための、磁気プローブと電気的に連絡している感知モジュールと、電力モジュールおよび感知モジュールと電気的に連絡しているコンピュータまたは処理モジュールと、複数の注射可能な磁性ナノ粒子とを含む。別の実施形態において、コンピュータまたは処理モジュールは、電力モジュールから磁気プローブまでの電流の供給を制御する波形を生成し、かつ注射可能な磁性ナノ粒子への接近を示す感知モジュールからの信号を受信する。なお別の実施形態において、磁気プローブは、10−6/℃以下の熱膨張係数と、実質的に50GPa以上のヤング係数とを有する材料から構成されている。なお別の実施形態において、注射可能な磁性ナノ粒子は、200nmより大きいか、好ましくは、1000nmより大きい平均流体力学的径の大きさを有する。
【0012】
なお別の局面において、本発明は、磁性材料を有するセンチネル節を患者に見つけるためのハンドヘルドシステムに関する。1つの実施形態において、システムは、ハウジングを含み、ハウジングは、磁性材料を検出することが可能な磁気プローブと、磁気プローブに電流を供給するための、磁気プローブと電気的に連絡している電力モジュールと、磁気プローブからの信号を受信するための、磁気プローブと電気的に連絡している感知モジュールと、表示モジュールと、電力モジュール、表示モジュールおよび感知モジュールと電気的に連絡しているコンピュータまたは処理モジュールとを含む。別の実施形態において、コンピュータまたは処理モジュールは、電力モジュールから磁気プローブまでの電流の供給を制御する波形を生成し、かつ磁性材料への接近を示す感知モジュールからの信号を受信する。なお別の実施形態において、表示モジュールは、磁性材料の存在についての指示を提供する。なお別の実施形態において、磁気プローブは、10−6/℃以下の熱膨張係数と、実質的に50GPa以上のヤング係数とを有する材料から構成されている。1つの実施形態において、磁性材料についての指示は可聴型である。別の実施形態において、磁性材料についての指示は触覚振動である。別の実施形態において、磁性粒子は、5〜200nm、好ましくは10〜50nmの平均流体力学的径を有する磁性ナノ粒子である。
【0013】
なお別の局面において、本発明は、磁性材料を有するセンチネル節を患者に見つけるためのハンドヘルドプローブに関する。1つの実施形態において、ハンドヘルドプローブは、ハウジングを含み、ハウジングは、磁性材料を検出することが可能な磁気プローブと、磁気プローブに電流を供給するための、磁気プローブと電気的に連絡している電力モジュールと、磁気プローブからの信号を受信するための、磁気プローブと電気的に連絡している感知モジュールと、アンテナを含む送信器モジュールと、電力モジュール、送信器モジュールおよび感知モジュールと電気的に連絡している処理モジュールとを含む。別の実施形態において、コンピュータまたは処理モジュールは、電力モジュールから磁気プローブまでの電流の供給を制御する波形を生成し、かつ磁性材料への接近を示す感知モジュールからの信号を受信する。なお別の実施形態において、コンピュータまたは処理モジュールは、感知モジュールからの信号に応じて磁性材料の存在を示す信号を伝送するように、送信器モジュールに命令する。なお別の実施形態において、磁気プローブは、10−6/℃以下の熱膨張係数と、実質的に50GPa以上のヤング係数とを有する材料から構成されている。
【0014】
別の局面において、本発明は、磁性材料を有するセンチネル節を患者に見つけるためのシステムに関する。1つの実施形態において、システムは、ハウジングを含み、ハウジングは、磁性材料を検出することが可能な磁気プローブと、磁気プローブに電流を供給するための、磁気プローブと電気的に連絡している電力モジュールと、磁気プローブからの信号を受信するための、磁気プローブと電気的に連絡している感知モジュールと、アンテナを含む送信器モジュールと、電力モジュール、送信器モジュールおよび感知モジュールと電気的に連絡しているプローブコンピュータまたは処理モジュールとを含む。1つの実施形態において、システムは、送信器モジュールから伝送された信号を受信するための受信器を有するホストコンピュータを含む。別の実施形態において、プローブコンピュータまたは処理モジュールは、電力モジュールから磁気プローブまでの電流の供給を制御する波形を生成し、かつ磁性材料への接近を示す感知モジュールからの信号を受信する。なお別の実施形態において、プローブコンピュータまたは処理モジュールは、感知モジュールからの信号に応じて磁性材料の存在を示す信号を伝送するように、送信器モジュールに命令する。なお別の実施形態において、磁気プローブは、10−6/℃以下の熱膨張係数と、実質的に50GPa以上のヤング係数とを有する材料から構成されている。なお別の実施形態において、ホストコンピュータは、送信器モジュールから伝送される、受信された信号に応じて、磁性材料の存在の指示を生成する。なお別の実施形態において、システムは、複数の磁性粒子をさらに含み、各磁性粒子は、5〜200nm、好ましくは、10〜50nmの平均流体力学的径を有する。
【0015】
別の局面において、本発明は、導電性材料を患者に見つけるためのシステムに関する。1つの実施形態において、システムは、プローブと、プローブに電流を供給するための、プローブと電気的に連絡している電力モジュールと、プローブからの信号を受信するための、プローブと電気的に連絡している感知モジュールと、電力モジュールおよび感知モジュールと電気的に連絡しているコンピュータまたは処理モジュールとを含む。別の実施形態において、コンピュータまたは処理モジュールは、電力モジュールからプローブまでの電流の供給を制御する波形を生成し、かつ導電性材料への接近を示す感知モジュールからの信号を受信する。プローブは、10−6/℃以下の熱膨張係数と、実質的に50GPa以上のヤング係数とを有する材料から構成されている。1つの実施形態において、プローブからの信号は、プローブへの電流の供給を制御する波形と同位相である。
【0016】
別の局面において、本発明は、磁性材料を患者に見つけるためのシステムに関する。システムは、プローブと、プローブに電流を供給するための、プローブと電気的に連絡している電力モジュールと、プローブからの信号を受信するための、プローブと電気的に連絡している感知モジュールと、電力モジュールおよび感知モジュールと電気的に連絡しているコンピュータまたは処理モジュールとを含む。1つの実施形態において、処理モジュールは、電力モジュールからプローブまでの電流の供給を制御する波形を生成し、コンピュータまたは処理モジュールは、導電性材料への接近を示す感知モジュールからの信号を受信する。別の実施形態において、プローブは、10−6/℃以下の熱膨張係数と、実質的に50GPa以上のヤング係数とを有する材料から構成されている。なお別の実施形態において、プローブからの信号の位相は、プローブへの電流の供給を制御する波形の位相に直交している。
【0017】
なお別の局面において、本発明は、磁性または導電性材料を患者に見つけるためのシステムに関する。1つの実施形態において、システムは、プローブと、プローブに電流を供給するための、プローブと電気的に連絡している電力モジュールと、プローブからの信号を受信するための、プローブと電気的に連絡している感知モジュールと、電力モジュールおよび感知モジュールと電気的に連絡しているコンピュータまたは処理モジュールとを含む。1つの実施形態において、コンピュータまたは処理モジュールは、電力モジュールからプローブまでの電流の供給を制御する波形を生成し、コンピュータまたは処理モジュールは、導電性または磁性材料への接近を示す感知モジュールからの信号を受信する。別の実施形態において、プローブは、10−6/℃以下の熱膨張係数と、実質的に50GPa以上のヤング係数とを有する材料から構成されている。なお別の実施形態において、プローブからの信号の大きさは、信号の位相に関係なく、プローブへの電流の供給を制御する波形についての位相に対して測定される。
【0018】
別の局面において、本発明は、3Dタトゥーイングのための方法に関する。方法は、複数の注射可能な磁性または導電性粒子を提供するステップと、磁性または導電性粒子を、組織における関心のある領域内に注射するステップとを含む。
【0019】
本発明の対象および特徴は、以下に説明される図面を参照してよりよく理解され得る。図面は、必ずしも一定の比率で描かれていないが、代わりに本発明の原理を例示することに強調が置かれる。図面において、数字が、さまざまな図を通して具体的な部分を示すために使用される。本開示に関連付けられた図面は、それらが導入されるような本開示内の個々の基礎に基づいて言及される。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】図1は、本発明に従って構成されたシステムの実施形態のブロックダイヤグラム。
【図2】図2は、図1に示されるシステムの実施形態のプローブおよび電子部品の概略的ダイヤグラムである。
【図2A】図2Aは、図1に示されるシステムの別の実施形態のプローブおよび電子部品の概略的ダイヤグラムである。
【図3】図3は、本発明を利用して、センチネル節を決定する方法の実施形態のフローダイヤグラムである。
【図4】図4は、センチネル節を見つけるために使用されるシステムのプローブの図面である。
【図5】図5は、ワイヤレス使用のために構成されたシステムの別の実施形態のブロックダイヤグラムである。
【図6】図6は、リモートホストコンピュータを使用しないために構成されたシステムの別の実施形態のブロックダイヤグラムである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
(詳細な説明)
以下の説明は、本発明のある実施形態を例示する添付の図面に関連する。他の実施形態が可能であり、変更が、本発明の精神および範囲から逸脱することなしに、実施形態に加えられ得る。それゆえに、以下の詳細な説明が、本発明を限定することが意図されない。それより、本発明の範囲が、添付の請求範囲によって規定される。
【0022】
図1を参照すると、簡単な概略図において、本発明の教示に従って構成されたシステム10は、プロセッサ、RAMメモリ、長期データ記憶域、入力/出力デバイス、およびディスプレイを有するコンピュータ14と、プローブのための電力およびセンサー電子部品、およびプローブ自身100を含む電子モジュール16とを含む。ここで参照されるように、コンピュータ、プロセッサおよび処理モジュールという単語は、デジタルおよびアナログ実装を含む任意の形式の処理デバイスを示すために、互換可能に使用される。1つの実施形態において、入力/出力デバイスは、デジタル−アナログコンバータおよびアナログ−デジタルコンバータを含む。
【0023】
システムの安定性を維持するために、部分的にプローブの熱安定性を提供する必要である。これは、プローブのコイルの注意深い位置決めでの変形に対して、低熱膨張および高抵抗の組み合わせを有する材料の組み合わせを用いて処理される。図2を参照すると、本発明のシステムの電子部品およびプローブ部品の実施形態は、プローブ100、駆動回路104および感知回路108を含む。プローブ100は、概して、ユーザーの手に合う大きさを有する円柱形のデバイスである。1つの実施形態において、円柱は、約75mmの長さおよび20mmの直径を有する。1つの実施形態において、円柱は、無方向性の等方性構造を有する無機の無孔ガラスセラミックであるZerodur(登録商標)(Schott AG,Mainz,Germany)から作られる。形成の間に、このガラスセラミックが、熱サイクリングを受け、熱サイクリングが、ガラス状の材料の約75%を結晶性石英に変換させる。材料内に生じたガラス相および結晶相は、Zerodur(登録商標)の1つの種類の熱膨張係数が0.02x10−6/℃のオーダーであるようにバランスを保つ。実質的ゼロの膨張係数は、広い温度範囲にわたって、プローブ100の機械的安定性を維持する。加えて、ガラスセラミック材料は、非常に剛性であり、90Gpaのヤング係数を有する。この材料に類似する熱膨張係数およびヤング係数を有する他の材料も使用され得る。
【0024】
1つの実施形態において、2つの溝112および116が、円柱本体の第1の端部の付近に円周方向に形成され、2つの実質的に同じ大きさのワイヤコイル120および124が、溝内に巻かれる。第3の溝128がまた、円柱において、第1の溝112と第2の溝116との間の実質的に真ん中に、かつそれらと同軸的に形成され、第3のコイル132が、その溝128内に巻かれる。この実施形態において、第3の溝128の深さは、第3のコイル132の外側表面が、第1の溝112および第2の溝116の底面と同じ深さで配置されるようになり、溝128は、他の2つの溝より広い。1つの実施形態において、第1のコイル120および第2のコイル124は、約2mm幅であり、約8mmの内径を有し、約48巻のワイヤを有する。第3のコイル132は、約3mm幅であり、約5mmの内径を有し、約72巻のワイヤを含む。
【0025】
コイルの大きさおよび互いに対するそれらの配置が選択され、その結果、コイルが加熱のために形状を変えるときに、それらの誘導性変化が最小にされる。あいにく、現在のところ、ゼロの熱膨張係数を有する利用可能な電気導体が存在しない。タングステンワイヤは、銅ワイヤ以上の改善を提供し、4倍だけ係数を減少させ、ただし、タングステンワイヤはまた、4倍の抵抗を受ける。駆動コイル120、124に対して、より高い抵抗が、増加した自己過熱を引き起こし、感知コイル132に対して、増加した抵抗が、ノイズを増加させるので、この実施形態においてタングステンは使用されていない。
【0026】
コイルの差動半径方向膨張(differential radial expansion)の問題が、材料選択を通じて解決されることができないが、それは、コイル配置の厳密な計算によって対処され得る。一対の同軸コイルの間のカップリング(相互インダクタンス)を考慮する(一対のコイルのうちの1つが、もう1つより大きな半径を有する)。コイルが互いに近くある場合、より大きなコイルが膨張するにつれて、カップリングが減少させられる。コイルが遠く離れている場合、より大きなコイルが膨張するにつれて、カップリングが増大される。従って、カップリングが、より大きなコイルの小さな膨張によって影響されない分岐点があると考えられる。
【0027】
ゼロではない半径、長さおよび厚さを有する実際のコイルを用いて、相互インダクタンスが、2つのコイルの体積にわたって6重積分として数値的に計算され得る。最初に半径が選択されると仮定すると、必要な分岐点が反復的に決定され得る。2つのフィラメント回路iとjとの間の相互インダクタンスが、ノイマンの式:
【0028】
【化1】

によって与えられ、ここで、Rijは、回路C上の要素dsと回路C上の要素dsとの間の距離であり、μは、フィラメント回路の間の材料の透磁率であり、ガラスセラミックの透磁率は、典型的に、自由空間の透磁率μに非常に近い。
【0029】
体積充填同軸円柱形コイルに対して、この方程式は、(円柱形極座標(r,θ,z)において)
【0030】
【化2】

になり、ここで、
【0031】
【化3】

ここで、N、Nは、各コイルの巻数である。この方程式は、コイルの断面にわたって均一な電流分布を仮定し、低周波数および小さなワイヤサイズに対して有効であり、従ってスキン効果が無視できる。
【0032】
軸方向の対称性を与えられると、1つの積分が、円の円周に対して縮退し、以下の式が、
【0033】
【化4】

に数値的に積分されることになる。
【0034】
コイルのカップリングは、より小さいコイルのサイズの変化ではなく、より大きなコイルのサイズの変化のみに敏感であることが理解されるべきである。それゆえに、この技術を有効にさせるために、より小さなコイルは、2つの等しいより大きなコイルから作られた一次グラジオメーター内の中心コイルである必要がある。中心コイルの半径の変化が、中心コイルの両側のコイルへのカップリングにおける等しい変化によってバランスが保たれる。いずれかのより大きなコイルの半径の変化が、正確な位置決めによって補償される。
【0035】
第4の溝136がまた円柱に形成されることにより、使用中に円柱の熱伝導率を減少させ、円柱に沿う流れからコイル120、124によって生成された熱の量を減少させて、熱的非対称性を引き起こし、それによって2つのコイル120、124の異なる局所環境を作る。2つの長手方向の溝(示されていない)も円柱の長さに沿って表面に形成され、さまざまなコイルへのワイヤ接続のためのパスを提供する。
【0036】
任意的な第5の溝140が、第1の溝112から離れた円柱の端部の付近に形成され得、任意的な第4のコイル144が、溝140内に形成される。1つの実施形態において、第4のコイル144は、約2mm幅であり、約8mmの内径を有し、約32巻のワイヤを有する。第4のコイル144は、第3のコイル132より大きいが、それらの面積−巻数が実質的に一致している。
【0037】
1つの実施形態において、第1のコイル120と第2のコイル124とは、電流が流されると、コイルが生成する磁場が実質的に第3のコイル132の中心でキャンセルされるように、逆に巻かれ、かつ直列に接続される。この議論の目的のために、(他の記述でもいい)、第1のコイル120および第2のコイル124は駆動コイルと呼ばれ、第3のコイル132は感知コイルと呼ばれる。また、第4の任意的なコイル144も任意的な感知コイルと呼ばれる。
【0038】
電力が、駆動回路104によって駆動コイル120、124に供給される。駆動回路は、電圧−電流増幅器148と、反転電流増幅器152とを含む。1つの実施形態において、コンピュータ(示されていない)は、適切な振幅および周波数を有する正弦波を生成し、コンピュータ内のデジタル−アナログコンバータは、この生成された正弦波からアナログ電圧を生成する。1つの実施形態において、正弦波の周波数は、10kHzである。電圧−電流増幅器148は、1つに直列接続された導体156を介して駆動コイル120、124に電力を供給するために使用される電流にその電圧を変換する。1つの実施形態において、電流は、100mAである。電流リターン導体160が、反転電流増幅器152の出力端末に接続され、反転電流増幅器152の入力端末が、電圧−電流増幅器148の出力にも接続される。この構成は、バランスが保たれる、駆動コイル120、124の片側上に+Vおよび駆動コイル120、124のもう片側上に−Vを生成する。
【0039】
感知回路108は、第1のステージ増幅器164、加算接合168、第2のステージ増幅器172、およびオフセット補正回路176を含む。感知コイル132から受信された信号は、第1のステージ感知増幅器164への入力信号である。1つの実施形態において、この増幅器は、250のゲインを有する。第1のステージゲイン増幅器164の出力は、加算接合168への1つの入力である。加算接合168の出力は、第2のステージ増幅器172への出力である。1つの実施形態において、第2のステージ増幅器は、400のゲインを有する。第2のステージ増幅器172の出力は、オフセット補正回路176への入力であり、かつコンピュータ(示されていない)に接続されたアナログ−デジタルコンバータ(示されていない)への入力である。
【0040】
オフセット補正回路176は、第2のステージ増幅器172の出力を積分し、オフセット補正回路176の出力は、加算接合168への第2の入力である。オフセット補正回路176の出力は、負の傾斜信号を生成するために、正のオフセットに応じてフィードバック信号を提供する。
【0041】
加算接合168への第3の入力は、ソフトウェア制御のバランス信号180である。コンピュータの第2のデジタル−アナログコンバータ(示されていない)によって生成されるこの信号は、感知コイル120、124の任意のアンバランスに対して補償する信号である。この補償機能を行うために、プローブ100が開放空間を指すことが保持される。コンピュータ(示されていない)は、補償するバランス信号180を生成し、A/Dコンバータを介して出力信号184の振幅および位相の変化を測定する。次に、コンピュータは、出力信号184をゼロにするために必要なバランス信号180のベクトル(振幅および位相)を計算する。
【0042】
従って、バランシングプロセスは、システムからゼロに近い出力を得るために必要とされるバランス位相ベクトルを決定する。通常のバランシングが、存在する値を用いて始まる。事前の値なしに始まる場合に、入力を飽和させることを避けるために、最初により低い駆動電流を使用し、次に、必要な駆動電流でのバランシングを繰り返す必要があり得る。
【0043】
システムは、元のバランス設定Bでの応答Sを測定し、次に、少量でバランス位相ベクトルをBに調整し、そして新しい応答Sを測定する。バランス出力から検出された入力へのカップリングが、
【0044】
【化5】

によって規定され、この式は、バランスへの応答の変化率であり、それゆえに、
【0045】
【化6】

のときに、新しいバランスが達成される。
【0046】
代替的には、コンピュータは、バランス信号180を生成し、出力信号184を測定し、そして出力信号184がゼロになるまで反復的にバランス信号180を変更させ得る。
【0047】
システムのノイズを減少させるために、任意的な感知コイル144が利用される。このコイル144は、駆動コイル120、124から離れて位置決めされ、概して、駆動コイル120からの磁束ではなく、動作ルーム内の磁束を検出する。この任意的なコイル144は、任意の周囲磁場が、感知コイル132での周囲磁場によって生成された電流と反対である、任意的な感知コイル144の電流を生成するように、感知コイル132と直列に接続されており、それによって、プローブ100での周囲磁場の影響をキャンセルする。コイルが、他のコイルの影響をキャンセルするように構成される場合に、互いにキャンセルするコイルが、逆に巻かれ得、またはそれらの逆にされた出力および入力リード線を用いて直列に接続され得る。
【0048】
さらに、図2Aを参照すると、駆動コイル120、124および感知コイル132の機能が逆にされ得る。これが行われる場合に、これは、2つの感知コイル120’、124’が反対に接続され、かつ駆動コイル132’が2つの感知コイルの間に位置決めされる実施形態を形成する。感知コイル120’、124’は、駆動コイル132’からの磁場が、感知コイル120’、124’の各々の電流を生成し、その電流は、他の感知コイル124’、120’で生成された電流と同じ大きさ、かつ逆であるように構成される。任意的な感知コイル144は、この構成において必要とされない。
【0049】
再び図2を参照すると、システムのノイズを減少させるために、コイル120、124への電力と、感知コイル132から感知電子部品108への信号とは、それぞれに、向上された磁場阻止のための、ねじれたカッドマイクロフォンケーブル162によって伝導される。感知コイル132に対してねじれた対が、明瞭のために示されていない。さらに、2つのねじれたカッドケーブルの両方は、導体が互いに対して動くことを防ぐ、長手方向に可撓性であるが、それでも横方向には剛性のシース内に埋め込まれる。
【0050】
感知回路108からの出力信号184が、出力時系列を提供するために、コンピュータ14のアナログ−デジタルコンバータによってデジタル化される。この時系列は、コンピュータ14によって生成された出力系列に相関される。
【0051】
特に、磁気粒子の検出は、サンプル化された入力波形を2つの正弦波形(1つが駆動と同相であり、もう1つが直交である)と相関させる必要がある。この結果は、位相ベクトルであり、複素数が、プローブ応答の振幅および位相を与え、
【0052】
【化7】

ここで、Vは、サンプル化された入力電圧であり、Cは、サンプル化された余弦波であり、Sは、サンプル化された正弦波であり、入力が、N個のサンプルの分割で処理される。
【0053】
振幅
【0054】
【化8】

をシステムの表示として使用することが可能であり、(この場合において、磁気材料または導電性材料の両方が検出される)、または磁気成分のみを検出するために、識別位相ベクトルとの内積を使用することが可能である。導電性材料に誘起された渦電流が、印加された磁場と直交であり、その一方で、低周波数での磁気材料の磁化が印加された磁場と同相であるので、上記検出が機能する。従って、システムは、磁気材料だけではなく、単独にまたは磁化可能な材料と関連して導電性材料も検出するために使用され得る。多く金属片が非磁性であるので、上記機能は、体内の金属片を迅速に発見することにとって極めて重要である。この機能は、意図的に組織内に埋没された導電性材料、例えば、ステープルおよびねじを検出するのにおいても有用である。
【0055】
より詳細に、導電性の磁化不可能な物体から検出された信号は、磁化可能な非導電性物体から検出された信号と直交している。導電性物体の場合において、感知コイルの電圧は、実際に、駆動コイルの電流と反対の位相であり、磁化可能な物体の場合において、感知コイルの電圧は、駆動コイルの電流と直交している。導電性物体の場合において、駆動コイルの電流は、比例した磁束(駆動コイルに対して0°)を生成し、磁束の変化率は、金属の電圧(駆動コイルに対して90°)を誘起し、次に、電流(駆動コイルに対して90°)を駆動し、この電流は、感知コイルの磁束(駆動コイルに対して90°)を生成し、この磁束の変化率は、感知コイルの電圧(駆動コイルに対して180°)を誘起する。
【0056】
使用時、プローブ100が磁性または導電性粒子を有する結節により近く位置決めされるとき、1つの実施形態において、結果は、コンピュータによって、増大する周波数の可聴音および検出された磁場に比例するカウントのグラフィック表示として表示される。
【0057】
図3を参照すると、外科手術の間に、外科医は、腫瘍190(図4)の付近に、磁性ナノ粒子の懸濁液を乳房に注射する(ステップ100)。1つの実施形態において、ナノ粒子は、MRIコントラスト剤として使用されるものである。Feridex(登録商標)(Bayer HealthCare Pharmaceuticals、Montville、New Jersey)またはEndoremTM(Guerbet、パリ、フランス)は、磁気検出目的に適切であるMRIコントラスト剤として一般的に使用される鉄酸化物である。センチネル節を探すために使用される場合に、磁性ナノ粒子(ただし、流体力学的径の分布を有する)は、多くのが、典型的に、5〜200nm、そして好ましくは10〜50nmの平均流体力学的径の大きさを有するように選択される。
【0058】
一定期間の時間の後に、懸濁液は、乳房と同側の腋窩リンパシステム内に流れ出る。次に、外科医は、皮膚上にプローブ100を設置し(ステップ104、図3)、磁性粒子が検出されるか否かを決定することによって、リンパ節200(図4)を見つけるようとする(ステップ108)。見つけられない(ステップ112)場合に、外科医が、皮膚の表面上の別の場所にプローブ100を設置することによって結節を探し続け、プロセスが繰り返される。磁性領域が検出される場合に、次に、外科医は、切開を作り(ステップ114)、プローブを用いて磁性粒子を有する結節を見つけるようとする(ステップ115)。結節が磁性ナノ粒子を蓄積している場合に、この結節はセンチネル節と考えられる(ステップ116)。次に、結節が切り取られる(ステップ120)。次に、外科医は、センチネル節でもあり得る追加の結節を探し(ステップ121)、そして終了した場合に、切除された結節を、癌の痕跡に対する組織検査法に送る(ステップ124)。
【0059】
加えて、直径が200nmより大きい、好ましくは、1000nmより大きいナノ粒子を使用することによって、粒子は、注射されるところに留まる傾向がある。これは、外科医にとって、部位にマークを付けることに有用である。本明細書において3Dタトゥーイングと呼ばれるこのタイプのマーキングは、外科医に、外科手術の前に領域内のさまざまな部位の位置決めをし、後に、プローブを使用することによる外科手術の間に、それらの部位に戻り、および見つけることを可能にする。
【0060】
例えば、この技術は、補助療法治療の前に、腫瘍床のエッジにマークを付けるために使用され得る。化学療法の間に、腫瘍が収縮する際に、縁がなお見つけることが可能であり、その結果、組織が、例えば、腫瘍が触知可能でなくても除去され得る。同様に、3Dタトゥーは、生検のポイントを見つけるために使用され得、その結果、生検が癌性腫瘍を開示する場合に、生検の正確な部位が決定され得る。最後に、この技術は、触知可能な腫瘍が触ることができない場合、例えば、DCIS(上皮内腺管癌)の場合に使用するのに適切である。この3Dタトゥーイングの使用に対して、臨床医は、外科医の関心ある領域における1つ以上の部位に、少量の、200nmより大きい、好ましくは、1000nmより大きいサイズを有する磁性ナノ粒子を注入する。外科手術の間に、外科医は、前述のプローブを用いてこれらの粒子を検出し得る。
【0061】
図5を参照すると、本発明のシステムは、生物学的状況またはその他における磁性材料の長期的性質を研究するために、使用され得る。1つの実施形態において、本発明のプローブ100’は、大きさが減少され、むしろユーザーによって保持される、接着剤258で関心の物体254に取り付けられる小さなカプセル250内に設置される。カプセル250はまた、電源バッテリー262、プローブ電子部品16’、マイクロプロセッサおよび送信器266、並びにアンテナ270を収容する。プローブ電子部品16’の出力は、マイクロプロセッサ266によってデジタル化され、データが、アンテナ270を用いて、受信するホストコンピュータシステム(示されていない)に送信される。1つの実施形態において、受信するホストコンピュータは、磁性材料の存在を信号で送る。この実施形態は、例えば、患者または物体が、ワイヤによってコンピュータシステム14につなげられることを要求せずに、磁性粒子の挙動を追跡するのに有用である。
【0062】
図6を参照すると、本発明のシステムは、磁性材料の長期的性質を研究するために使用され得、または、受信するホストコンピュータシステムを要求せずに、外科手術のプローブとして使用され得る。1つの実施形態において、本発明のプローブ100’が、手で保持するのに適切なハウジング251内に設置される。ハウジング251はまた、電源バッテリー262、プローブ電子部品16’、マイクロプロセッサ267、およびディスプレイユニット271を収容する。プローブ電子部品16’の出力は、マイクロプロセッサ267によってデジタル化され、かつ処理され、結果が、ディスプレイユニット271によって表示される。さまざまな実施形態におけるこのディスプレイユニットは、可視ディスプレイ、可聴ディスプレイ(例えば、それがより大きな音になる)、または振動触覚ディスプレイ(例えば、プローブが磁性または導電性材料に接近するときに、それがより振動する)を含む。
【0063】
本発明の図面および説明が、本発明の明確な理解のために、同等物である要素を簡単にし、または例示し、その一方で、明瞭の目的のために、他の要素を削除することが理解されるべきである。しかしながら、当業者は、これらの要素および他の要素が所望であり得ることを認識する。しかしながら、このような要素が当技術分野に周知であり、それらが本発明のよりよい理解を容易にさせないので、このような要素の議論が、本明細書に提供されない。図面が、構成の図面としてではなく、例示的な目的のために存在することが認識されるべきである。省略された詳細および変更または代替的な実施形態は、当業者の所見範囲内にある。
【0064】
本発明のある局面において、要素または構造を提供し、または所与の機能または複数の機能を行うために、所与の機能または複数の単一の部品が、複数の部品によって取り替えられ得、複数の部品が単一の部品によって取り替えられ得ることが認識され得る。このような代用物が、本発明のある実施形態を実行するために動作しない以外、このような代替物が本発明の範囲内と考えられる。
【0065】
本明細書に示される例は、本発明の潜在的、および具体的な実装を例示するように意図される。例が、当業者に対する本発明の例示の目的のために主に意図されることが認識され得る。本発明の精神から逸脱することなしに、本明細書に説明されたこれらのダイヤグラムへのバリエーションまたは動作があり得る。例として、ある場合に、方法のステップまたは動作が、異なる順序で行われ、または実行され得、または動作が加えられ、削除され、または変更され得る。
【0066】
さらに、本発明の特定の実施形態が、本発明を限定する目的のためではなく、本発明を例示する目的のために説明されるが、詳細、材料、要素の配列、ステップ、構造、および/またはパーツの数多くのバリエーションが、請求範囲に説明されるような本発明から逸脱することなしに、本発明の原理および範囲内に加えられ得ることが、当業者によって認識される。
【0067】
本明細書に説明されたものバリエーション、変更、および他の実装は、請求されるような本発明の精神および範囲から逸脱することなしに、当業者にとって発生する。従って、本発明は、前の例示的な説明ではなく、代わりに以下の請求項の精神および範囲によって規定されるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
注射可能な磁性ナノ粒子を有するセンチネル節を患者に見つけるためのシステムであって、該システムは、
磁気プローブと、
該磁気プローブに電流を供給するための、該磁気プローブと電気的に連絡している電力モジュールと、
該磁気プローブからの信号を受信するための、該磁気プローブと電気的に連絡している感知モジュールと、
該電力モジュールおよび該感知モジュールと電気的に連絡している処理モジュールと、
複数の注射可能な磁性ナノ粒子と
を含み、
該処理モジュールは、該電力モジュールから該磁気プローブまでの電流の供給を制御する波形を生成し、
該処理モジュールは、該注射可能な磁性ナノ粒子への接近を示す該感知モジュールからの信号を受信し、
該磁気プローブは、10−6/℃以下の熱膨張係数と、実質的に50GPa以上のヤング係数とを有する材料から構成され、
該注射可能な磁性ナノ粒子は、5nmと200nmとの間の平均流体力学的径の大きさを有する、システム。
【請求項2】
前記ナノ粒子は、10nmと50nmとの間の平均流体力学的径の大きさを有する、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
磁性マーカーを患者に見つけるためのシステムであって、該システムは、
磁気プローブと、
該磁気プローブに電流を供給するための、該磁気プローブと電気的に連絡している電力モジュールと、
該磁気プローブからの信号を受信するための、該磁気プローブと電気的に連絡している感知モジュールと、
該電力モジュールおよび該感知モジュールと電気的に連絡している処理モジュールと、
複数の注射可能な磁性ナノ粒子と
を含み、
該処理モジュールは、該電力モジュールから該磁気プローブまでの電流の供給を制御する波形を生成し、
該処理モジュールは、該注射可能な磁性ナノ粒子への接近を示す該感知モジュールからの信号を受信し、
該磁気プローブは、10−6/℃以下の熱膨張係数と、実質的に50GPa以上のヤング係数とを有する材料から構成されており、
該注射可能な磁性ナノ粒子は、200nmより大きい平均流体力学的径の大きさを有する、システム。
【請求項4】
前記ナノ粒子は、1000nmより大きい平均流体力学的径の大きさを有する、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
磁性材料を有するセンチネル節を患者に見つけるためのハンドヘルドシステムであって、該システムは、
ハウジングを含み、該ハウジングは、
該磁性材料を検出することが可能な磁気プローブと、
該磁気プローブに電流を供給するための、該磁気プローブと電気的に連絡している電力モジュールと、
該磁気プローブからの信号を受信するための、該磁気プローブと電気的に連絡している感知モジュールと、
表示モジュールと、
該電力モジュール、該表示モジュールおよび該感知モジュールと電気的に連絡している処理モジュールと
を含み、
該処理モジュールは、該電力モジュールから該磁気プローブまでの電流の供給を制御する波形を生成し、
該処理モジュールは、該磁性材料への接近を示す該感知モジュールからの信号を受信し、
該磁気プローブは、10−6/℃以下の熱膨張係数と、実質的に50GPa以上のヤング係数とを有する材料から構成され、
該表示モジュールは、磁性材料の存在についての指示を提供する、システム。
【請求項6】
前記磁性材料についての指示が可聴型である、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記磁性材料についての指示が触覚型である、請求項5に記載のシステム。
【請求項8】
磁性粒子は、5〜200nmの平均流体力学的径を有する磁性ナノ粒子である、請求項5に記載のシステム。
【請求項9】
磁性粒子は、10〜50nmの平均流体力学的径を有する磁性ナノ粒子である、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
磁性材料を患者に見つけるためのハンドヘルドプローブであって、該ハンドヘルドプローブは、
ハウジングを含み、該ハウジングは、
該磁性材料を検出することが可能な磁気プローブと、
該磁気プローブに電流を供給するための、該磁気プローブと電気的に連絡している電力モジュールと、
該磁気プローブからの信号を受信するための、該磁気プローブと電気的に連絡している感知モジュールと、
アンテナを含む送信器モジュールと、
該電力モジュール、該送信器モジュールおよび該感知モジュールと電気的に連絡している処理モジュールと
を含み、
該処理モジュールは、該電力モジュールから該磁気プローブまでの電流の供給を制御する波形を生成し、
該処理モジュールは、該磁性材料への接近を示す該感知モジュールからの信号を受信し、
該処理モジュールは、該感知モジュールからの該信号に応じて該磁性材料の存在を示す信号を伝送するように、該送信器モジュールに命令し、
該磁気プローブは、10−6/℃以下の熱膨張係数と、実質的に50GPa以上のヤング係数とを有する材料から構成されている、ハンドヘルドプローブ。
【請求項11】
磁性材料を患者に見つけるためのシステムであって、該システムは、
ハウジングと、
ホストコンピュータと
を含み、
該ハウジングは、
該磁性材料を検出することが可能な磁気プローブと、
該磁気プローブに電流を供給するための、該磁気プローブと電気的に連絡している電力モジュールと、
該磁気プローブからの信号を受信するための、該磁気プローブと電気的に連絡している感知モジュールと、
アンテナを含む送信器モジュールと、
該電力モジュール、該送信器モジュールおよび該感知モジュールと電気的に連絡しているプローブ処理モジュールと
を含み、
該ホストコンピュータは、該送信器モジュールから伝送された信号を受信するための受信器を有し、
該プローブ処理モジュールは、該電力モジュールから該磁気プローブまでの電流の供給を制御する波形を生成し、
該プローブ処理モジュールは、該磁性材料への接近を示す該感知モジュールからの信号を受信し、
該プローブ処理モジュールは、該感知モジュールからの該信号に応じて該磁性材料の存在を示す信号を伝送するように、該送信器モジュールに命令し、
該磁気プローブは、10−6/℃以下の熱膨張係数と、実質的に50GPa以上のヤング係数とを有する材料から構成され、
該ホストコンピュータは、該送信器モジュールから伝送される、該受信された信号に応じて、該磁性材料の存在の指示を生成する、システム。
【請求項12】
複数の磁性粒子をさらに含み、各磁性粒子は、5〜200nmの平均流体力学的径を有する、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
複数の磁性粒子をさらに含み、各磁性粒子は、10〜50nmの平均流体力学的径を有する、請求項11に記載のシステム。
【請求項14】
導電性材料を患者に見つけるためのシステムであって、該システムは、
プローブと、
該プローブに電流を供給するための、該プローブと電気的に連絡している電力モジュールと、
該プローブからの信号を受信するための、該プローブと電気的に連絡している感知モジュールと、
該電力モジュールおよび該感知モジュールと電気的に連絡している処理モジュールと
を含み、
該処理モジュールは、該電力モジュールから該プローブまでの電流の供給を制御する波形を生成し、
該処理モジュールは、該導電性材料への接近を示す該感知モジュールからの信号を受信し、
該プローブは、10−6/℃以下の熱膨張係数と、実質的に50GPa以上のヤング係数とを有する材料から構成され、
該プローブからの該信号は、該プローブへの電流の供給を制御する該波形と同位相である、システム。
【請求項15】
磁性材料を患者に見つけるためのシステムであって、該システムは、
プローブと、
該プローブに電流を供給するための、該プローブと電気的に連絡している電力モジュールと、
該プローブからの信号を受信するための、該プローブと電気的に連絡している感知モジュールと、
該電力モジュールおよび該感知モジュールと電気的に連絡している処理モジュールと
を含み、
該処理モジュールは、該電力モジュールから該プローブまでの電流の供給を制御する波形を生成し、
該処理モジュールは、導電性材料への接近を示す該感知モジュールからの信号を受信し、
該プローブは、10−6/℃以下の熱膨張係数と、実質的に50GPa以上のヤング係数とを有する材料から構成され、
該プローブからの該信号の位相は、該プローブへの電流の供給を制御する該波形の位相に直交している、システム。
【請求項16】
磁性または導電性材料を患者に見つけるためのシステムであって、該システムは、
プローブと、
該プローブに電流を供給するための、該プローブと電気的に連絡している電力モジュールと、
該プローブからの信号を受信するための、該プローブと電気的に連絡している感知モジュールと、
該電力モジュールおよび該感知モジュールと電気的に連絡している処理モジュールと
を含み、
該処理モジュールは、該電力モジュールから該プローブまでの電流の供給を制御する波形を生成し、
該処理モジュールは、該導電性または磁性材料への接近を示す該感知モジュールからの信号を受信し、
該プローブは、10−6/℃以下の熱膨張係数と、実質的に50GPa以上のヤング係数とを有する材料から構成され、
該プローブからの信号の大きさは、該信号の位相に関係なく、該プローブへの電流の供給を制御する該波形についての位相に対して測定される、システム。
【請求項17】
3Dタトゥーイングのための方法であって、該方法は、
複数の注射可能な磁性または導電性粒子を提供するステップと、
該磁性または導電性粒子を、組織における関心のある領域内に注射するステップと
を含む、方法。


【図1】
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【図2】
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【図2A】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2013−512713(P2013−512713A)
【公表日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−541574(P2012−541574)
【出願日】平成22年12月6日(2010.12.6)
【国際出願番号】PCT/GB2010/002233
【国際公開番号】WO2011/067576
【国際公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【出願人】(512143338)エンドマグネティクス リミテッド (1)
【Fターム(参考)】