説明

磁気ヘッドサスペンション

【課題】ねじれ1次〜3次モードの共振の発生を可及的に防止する。
【解決手段】ロードビーム本体部31の側縁は第1傾斜角で傾斜された基端領域31aと第1傾斜角よりも小さい第2傾斜角で傾斜された先端領域31bとを含む。支持部10の先端部とディンプル33との間の長手方向距離をLとした場合に支持部の先端部と先端領域及び基端領域間の変曲点との間の長手方向距離aが0.44×L≦a≦0.78×Lを満たす。ロードビーム本体部の下面に固着されたサポート板70の側縁はサスペンション幅方向に関し基端領域の基端部及び先端領域の先端部を結ぶ仮想線より内方且つ基端領域及び先端領域よりも外方に位置し、サスペンション長手方向に関し変曲点を跨いでいる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハードディスク等の記憶媒体に対してデータをリード及び/又はライトする磁気ヘッドスライダを支持する為の磁気ヘッドサスペンションに関する。
【背景技術】
【0002】
磁気ディスク装置の大容量化に伴って、磁気ヘッドサスペンションには、磁気ヘッドスライダを目的トラック上に迅速に位置させるべく揺動中心回りにより速い速度で揺動されたとしても前記磁気ヘッドスライダの目的トラックからの位置ズレを防止し得ることが求められている。
【0003】
例えば、下記特許文献1には、平板状の本体部と前記本体部の両側縁からディスク面とは反対側へ延びる左右一対のリブ(フランジ部)とを有するロードビーム部を備えた磁気ヘッドサスペンションであって、前記ロードビーム部がサスペンション長手方向基端側から先端側へ行くに従って幅狭となるように前記本体部の両側縁をサスペンション長手方向中心線に対して傾斜させつつ、ディスク面と直交する方向に沿って視た平面視において前記リブが少なくとも部分的に湾曲されてくびれを形成している磁気ヘッドサスペンションが記載されている。
【0004】
前記特許文献1に記載の前記磁気ヘッドサスペンションは、前記くびれの形成によって前記ロードビーム部の質量を低減させて、前記ロードビーム部の共振周波数をこれまで以上に高めることができるとされている。
【0005】
このように、前記特許文献1には、前記ロードビーム部のフランジ部にくびれを形成することで共振周波数を高め得ることは記載されているが、磁気ヘッドサスペンションに生じ得る種々の振動モードのうちのどの振動モードの共振周波数に着目しているのか不明である。
【0006】
下記特許文献2には、弾性変形部及び前記弾性変形部から前方へ延びた本体部を有し、前記本体部は前方へ行くに従って幅狭とされ且つ左右側縁にフランジを有する第1部材と、基端縁にフランジが設けられた幅広部及び前記幅広部から前方へ延びた幅狭部を有し、前記幅狭部は前記本体部よりも幅狭とされ且つ左右側縁にフランジを有する略T字状の第2部材とを備えた磁気ヘッドサスペンションが開示されている。
【0007】
前記特許文献2においては、前記第1及び第2部材が接合されてなるアッセンブリが荷重曲げ部及びロードビーム部を一体的に形成する。
即ち、前記弾性変形部が前記荷重曲げ部を形成し、前記本体部及び前記第2部材が前記ロードビーム部を形成する。
【0008】
詳しく説明すると、前記本体部の側縁は、フランジを有しつつ前方へ行くに従ってサスペンション長手方向中心線に近接するように傾斜されている。前記幅狭部の側縁はフランジを有しつつ前記本体部の側縁よりもサスペンション長手方向中心線に近接した位置で前記中心線に略平行に延びている。
【0009】
従って、前記本体部及び前記第2部材によって形成されるロードビーム部の左右側縁の各々は、長手方向略全域に亘ってフランジを有しつつ、基端側においては前方へ行くに従って前記中心線に近接するように前記中心線に対して第1傾斜角で傾斜され且つ先端側においては前記中心線に略平行とされている。
【0010】
前記特許文献2に記載の磁気ヘッドサスペンションは、前記ロードビーム部の先端側が前記幅狭部によって形成される為、前記ロードビーム部の幅を従前より狭めることができ、これにより、前記ロードビーム部の前記中心線回りの慣性モーメントを低減させてねじれ1次モードの共振周波数を高めることができるとされている。
【0011】
ところで、磁気ヘッドサスペンションに発生し得るねじれモードの振動には、ねじれ1次モードの他に、ねじれ2次モード及びねじれ3次モードが存在する。
しかしながら、前記特許文献2は、ねじれ1次モードの振動以外のねじれ2次及び3次モードの振動を考慮していない。
【0012】
詳しく説明すると、前記磁気ヘッドスライダを目的トラック上により迅速に位置させるべく前記アクチュエータの駆動信号の周波数を高めていくと、前記駆動信号の周波数がある周波数(以下、第1共振周波数という)に達した時点で、前記磁気ヘッドサスペンションにはねじれ1次モードの共振が生じる。
【0013】
そして、前記駆動信号の周波数を前記第1共振周波数からさらに高めていくと、ある周波数(以下、第2共振周波数という)に達した時点で、前記磁気ヘッドサスペンションにはねじれ2次モードの共振が生じ、前記駆動信号の周波数を前記第2共振周波数からさらに高めていくと、ある周波数(以下、第3共振周波数という)に達した時点で、前記磁気ヘッドサスペンションにはねじれ3次モードの共振が生じる。
【0014】
ここで、ねじれ1次モードの共振とは、前記荷重曲げ部の位置及び前記ロードビーム部のディンプルの位置がディスク面に直交するz方向の変位ゼロ(即ち、節)とされた状態でサスペンション長手方向に関し前記2つの節の略中央部分がz方向変位最大(即ち、腹)となるように主としてロードビーム部のみがサスペンション長手方向中心線回りに捩れる形態の振動である。
【0015】
ねじれ2次モードの共振とは、支持部のうちz方向に関し強固に固定される位置(前記支持部がベースプレートの場合には、アクチュエータに連結されたキャリッジアームにかしめを介して固定されるボス部の位置であり、以下、支持部固定位置という)と前記ディンプルの位置と前記支持部固定位置及び前記ディンプル位置の間のサスペンション長手方向略中央に位置するロードビーム部の中途位置との3箇所が節とされた状態で、サスペンション長手方向に関し前記支持部固定位置及び前記ロードビーム部の中途位置の間の略中央部分とサスペンション長手方向に関し前記ロードビーム部の中途位置及び前記ディンプルの位置の間の略中央部分との2箇所が腹となるように、前記支持部の先端側,前記荷重曲げ部及び前記ロードビーム部がサスペンション長手方向中心線回りに捩れる形態の振動である。
【0016】
ねじれ3次モードとは、前記支持部固定位置と前記荷重曲げ部の位置と前記ディンプルの位置と前記荷重曲げ部の位置及び前記ディンプル位置の間のサスペンション長手方向略中央に位置するロードビーム部の中途位置との4箇所が節とされた状態で、前記支持部固定位置及び前記荷重曲げ部の位置の間に位置する第1部分がサスペンション長手方向中心線回り一方側の第1方向にねじれ、前記荷重曲げ部の位置及び前記ロードビーム部の中途位置の間に位置する第2部分が前記中心線回り他方側の第2方向にねじれ、前記ロードビーム部の中途位置及び前記ディンプル位置の間の第3部分が前記中心線回りに前記第1方向に捩れる形態の振動である。
【0017】
従って、前記磁気ヘッドスライダの目的トラックに対する位置決め精度を良好に維持しつつ、前記アクチュエータによる前記磁気ヘッドサスペンションの揺動中心回りの揺動速度を高めて前記磁気ヘッドスライダの目的トラック上への移動時間の可及的な短縮化を図る為には、ねじれ1次モードの共振周波数のみならず、ねじれ2次及び3次モードの共振周波数も可及的に高めて、前記磁気ヘッドサスペンションにねじれ1次〜3次モードの共振が発生し難いようにする必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0018】
【特許文献1】特開2005−032393号公報
【特許文献2】特開2008−021374号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
本発明は、前記従来技術に鑑みなされたものであり、ねじれ1次モードの共振のみならず、ねじれ2次及び3次モードの共振の発生を可及的に防止し得る磁気ヘッドサスペンションの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0020】
本発明は、前記目的を達成する為に、アクチュエータによって直接又は間接的にディスク面に平行なシーク方向へ揺動される支持部と、磁気ヘッドスライダを前記ディスク面に向けて押し付ける為の荷重を発生し得るように基端部が前記支持部の先端部に連結された荷重曲げ部と、基端部が前記荷重曲げ部の先端部に連結され且つ前記荷重を前記磁気ヘッドスライダに伝達するロードビーム部と、前記ロードビーム部及び前記支持部に支持されたフレクシャ部とを備えた磁気ヘッドサスペンションであって、前記ロードビーム部は、基端部が前記荷重曲げ部に連結され且つ前記ディスク面と対向する下面に前記フレクシャ部のフレクシャ基板が固着されるプレート状の本体部と前記本体部の左右側縁から前記ディスク面とは反対側へ延びる左右一対のフランジ部とを有し、前記本体部の左右の側縁の各々は基端側から先端側へ行く従ってサスペンション長手方向中心線に近接するように前記中心線に対して第1傾斜角で傾斜する基端領域と変曲点を挟んで前記基端領域の先端部に連結される基端側から先端側へ行くに従って前記中心線に近接するように前記中心線に対して前記第1傾斜角よりも小さい第2傾斜角で傾斜する先端領域とを含み、前記支持部の先端部と前記ロードビーム部に設けられたディンプルとの間のサスペンション長手方向距離をLとした場合に前記支持部の先端部と前記変曲点との間のサスペンション長手方向距離aが0.44×L≦a≦0.78×Lを満たし、前記ロードビーム部は、さらに、前記本体部における前記ディスク面と対向する下面に固着されたサポート板を有しており、前記サポート板は、前記本体部の基端縁と略一致するように配置された基端縁と前記基端縁の両端部からサスペンション長手方向先端側へ延びる左右一対の側縁と前記一対の側縁の先端部同士を連結する先端縁とを有し、前記サポート板の側縁はサスペンション幅方向に関し前記基端領域の基端部及び前記先端領域の先端部を結ぶ仮想線より内方側で且つ前記基端領域及び前記先端領域よりも外方側に位置しており、サスペンション長手方向に関し前記変曲点を跨いでいる磁気ヘッドサスペンションを提供する。
【0021】
好ましくは、前記ロードビーム部は、前記本体部の基端縁に前記ディスク面とは反対側へ延びるように設けられた基端側フランジ部を有し得る。
一形態においては、前記サポート板は、前記本体部の前記下面に固着される平面部と前記平面部の基端縁から前記ディスク面とは反対側へ折り曲げられた折り曲げ部とを有するものとされる。この場合、前記折り曲げ部が前記基端側フランジ部を形成する。
他形態においては、前記ロードビーム部の前記本体部の基端縁は前記ディスク面とは反対側へ折り曲げられて前記基端側フランジ部を形成する。
【0022】
好ましくは、前記ロードビームの前記本体部には前記ディスク面とは反対側へ膨出された膨出部が設けられる。
【0023】
好ましくは、前記ロードビーム部の前記本体部における前記ディスク面とは反対側の上面には制振材が固着される。
【0024】
好ましくは、前記ロードビーム部の前記本体部は、前記ディスク面とは反対側に向けて厚肉とされた厚肉領域を有し得る。
【0025】
好ましくは、前記制振材又は前記厚肉領域は、基端部が前記本体部の基端側エッジと略同一位置に位置し且つ先端部と前記支持部の先端部との間のサスペンション長手法距離が0.6×L以上で且つ0.75×L以下とされる。
前記種々の構成において、好ましくは、前記フレクシャ基板が前記サポート板として作用するように構成し得る。
【発明の効果】
【0026】
本発明に係る磁気ヘッドサスペンションにおいては、ロードビーム部の本体部の側縁が基端側から先端側へ行く従ってサスペンション長手方向中心線に近接するように第1傾斜角で傾斜された基端領域と変曲点を挟んで前記基端領域の先端部に連結される基端側から先端側へ行くに従って前記中心線に近接するように前記第1傾斜角よりも小さい第2傾斜角で傾斜された先端領域とを含み、支持部の先端部とディンプルとの間のサスペンション長手方向距離をLとした場合に前記支持部の先端部と前記変曲点との間のサスペンション長手方向距離aが0.44×L≦a≦0.78×Lを満たすように前記変曲点の位置が設定され、前記本体部における前記下面に固着されたサポート板の側縁がサスペンション幅方向に関し前記基端領域の基端部及び前記先端領域の先端部を結ぶ仮想線より内方側で且つ前記基端領域及び前記先端領域よりも外方側に位置した状態でサスペンション長手方向に関し前記変曲点を跨いでいる。
斯かる構成によれば、ねじれ1次モードのみならず、ねじれ2次モード及びねじれ3次モードの共振周波数を上昇させることができ、これにより、ねじれ1次〜3次モードの共振の発生を有効に防止することができる。従って、磁気ヘッドスライダを目的トラック上に迅速に位置させるべく揺動中心回りにより速い速度で揺動されたとしても前記磁気ヘッドスライダが目的トラックから位置ズレすることを有効に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】図1は本発明の実施の形態1に係る磁気ヘッドサスペンションの上面図である。
【図2】図2Aは前記実施の形態1に係る磁気ヘッドサスペンションの下面図であり、図2Bは前記磁気ヘッドサスペンションにおけるサポート板の下面図である。
【図3】図3Aは第1及び第2解析に用いた磁気ヘッドサスペンションの上面図である。 図3Bは図3Aにおける3B-3B線に沿った断面図である。
【図4】図4A〜Gは前記第1及び第2解析に用いた磁気ヘッドサスペンションにおけるロードビーム部の上面図である。
【図5】図5は前記第1解析の結果を示すグラフである。
【図6】図6は前記第2解析の結果を示すグラフである。
【図7】図7A〜Cは第3及び第4解析に用いた磁気ヘッドサスペンションの模式上面図である。
【図8】図8は前記第3解析の結果を示すグラフである。
【図9】図9は前記第4解析の結果を示すグラフである。
【図10】図10Aは本発明の実施の形態2に係る磁気ヘッドサスペンションの上面図であり、図10Bは図10Aにおける10B-10B線に沿った断面図である。
【図11】図11Aは本発明の実施の形態3に係る磁気ヘッドサスペンションの上面図であり、図11Bは図11Aにおける11B-11B線に沿った断面図である。
【図12】図12Aは本発明の実施の形態4に係る磁気ヘッドサスペンションの上面図であり、図12B及びCはそれぞれ図12Aにおける12B-12B線及び12C-12C線に沿った断面図である。
【図13】図13A〜Cは第5及び第6解析に用いた磁気ヘッドサスペンションの上面図である。
【図14】図14は前記第5解析の結果を示すグラフである。
【図15】図15は前記第6解析の結果を示すグラフである。
【図16】図16A〜Eは第7及び第8解析に用いた磁気ヘッドサスペンションの上面図である。
【図17】図17は前記第7解析の結果を示すグラフである。
【図18】図18は前記第8解析の結果を示すグラフである。
【図19】図19Aは本発明の実施の形態5に係る磁気ヘッドサスペンションの上面図であり、図19B及びCはそれぞれ図19Aにおける19B-19B線及び19C-19C線に沿った断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
実施の形態1
以下、本発明に係る磁気ヘッドサスペンションの好ましい実施の形態について、添付図面を参照しつつ説明する。
図1及び図2Aに、それぞれ、本実施の形態に係る磁気ヘッドサスペンション1の上面図(ディスク面とは反対側から見た平面図)及び下面図(ディスク面側から見た底面図)を示す。なお、図2Aにおける○印は溶接点を示している。
【0029】
前記磁気ヘッドサスペンション1は、図1及び図2Aに示すように、ボイスコイルモータ等のアクチュエータ(図示せず)によって直接又は間接的にディスク面に平行なシーク方向へ揺動される支持部10と、磁気ヘッドスライダ50を前記ディスク面に向けて押し付ける為の荷重を発生し得るように基端部が前記支持部10の先端部に連結された荷重曲げ部20と、基端部が前記荷重曲げ部20の先端部に連結され且つ前記荷重を前記磁気ヘッドスライダ50に伝達するロードビーム部30と、前記ロードビーム部30及び前記支持部10に支持されたフレクシャ部40とを備えている。
【0030】
前記支持部10は、前記アクチュエータに直接又は間接的に連結された状態で前記荷重曲げ部20を介して前記ロードビーム部30を支持する部材であり、比較的高剛性を有するものとされる。
【0031】
本実施の形態においては、前記支持部10は、前記アクチュエータに連結されるキャリッジアーム(図示せず)の先端にかしめ加工によって接合されるボス部15を備えたベースプレートとされている。
前記支持部10は、例えば、厚さ0.1mm〜0.8mmのステンレス板によって好適に形成される。
当然ながら、前記支持部10として、基端部が前記メインアクチュエータの揺動中心に連結されるアームを採用することも可能である。
【0032】
前記ロードビーム部30は、前述の通り、前記荷重曲げ部20によって発生される荷重を前記磁気ヘッドスライダ50に伝達する為の部材であり、従って、所定の剛性が要求される。
【0033】
本実施の形態においては、図1に示すように、前記ロードビーム部30は、平板状の本体部31と、前記本体部31のサスペンション幅方向両端部からディスク面とは反対側に延びる左右一対のフランジ部32とを有しており、前記フランジ部32によって剛性を確保している。
前記ロードビーム部30は、例えば、厚さ0.02mm〜0.1mmのステンレス板によって好適に形成される。
【0034】
図1に示すように、前記本体部31の左右の側縁の各々は、サスペンション長手方向に関し基端側に位置する基端領域31aと前記基端領域31aからサスペンション長手方向先端側へ延びる先端領域31bとを有している。
【0035】
前記基端領域31aは、サスペンション長手方向基端側から先端側へ行くに従ってサスペンション長手方向中心線CLに近接するように前記中心線CLに対して第1傾斜角θ1で傾斜されている。
【0036】
一方、前記先端領域31bは、サスペンション長手方向基端側から先端側へ行くに従って前記中心線CLに近接するように前記中心線CLに対して前記第1傾斜角θ1よりも小さい第2傾斜角θ2で傾斜されている。
【0037】
即ち、前記基端領域31a及び前記先端領域31bは何れも先端側へ行くに従って前記中心線CLに近接するように傾斜されているが、両者の間に変曲点Pが存在するように前記先端領域31bの第2傾斜角θ2が前記基端領域31aの第1傾斜角θ1よりも小さくされている。
なお、前記変曲点Pが存在するように前記基端領域31a及び前記先端領域31bの傾斜角が異ならせる場合には、前記変曲点近傍において前記フランジ部32に歪みが生じ易い。この点に関し、好ましくは、平面視において前記変曲点Pがサスペンション幅方向外方へ開く湾曲形状を有するように構成することができ、これにより、前記フランジ部32の歪みを低減させることができる。
【0038】
前記本体部31には、先端側に、所謂ディンプルと呼ばれる突起33が形成されている。
前記突起33は、ディスク面に近接する方向に、例えば、0.05mm〜0.1mm程度突出されている。この突起33は、前記フレクシャ部40におけるヘッド搭載領域415の上面(ディスク面とは反対側の面)に接触しており、前記荷重はこの突起33を介して前記フレクシャ部40のヘッド搭載領域415に伝達される。
【0039】
さらに、本実施の形態においては、前記ロードビーム部30は、図1及び図2Aに示すように、前記本体部31における前記ディスク面と対向する下面に溶接等によって固着されたサポート板70を有している。
【0040】
図2Bに、前記サポート板70の下面図を示す。
図2A及び図2Bに示すように、前記サポート板70は、前記本体部31の基端縁と略一致するように配置された基端縁71と、前記基端縁71の両端部からサスペンション長手方向先端側へ延びる左右一対の側縁72と、前記一対の側縁72の先端部同士を連結する先端縁73とを有している。
【0041】
前記サポート板70の側縁は、図1及び図2Aに示すように、サスペンション幅方向に関し前記基端領域31aの基端部及び前記先端領域31bの先端部を結ぶ仮想線ILより内方側で且つ前記基端領域31a及び前記先端領域31bよりも外方側に位置しており、サスペンション長手方向に関し前記変曲点Pを跨いでいる。
【0042】
即ち、前記サポート板70の先端縁73は前記変曲点Pよりもサスペンション長手方向先端側に位置しており、前記サポート板70の側縁72は、前記仮想線IL、前記基端領域31a及び前記先端領域31bによって画される平面視略三角形の領域内に位置した状態で、平面視において先端側が前記先端領域31bと交差し且つ基端側が前記基端領域31aと交差している。
【0043】
本実施の形態においては、前記ロードビーム部30は、さらに、前記本体部31の先端からサスペンション長手方向先端側へ延びるリフトタブ34を一体的に有している。前記リフトタブ34は、前記磁気ヘッドスライダ50がディスク面の径方向外方へ位置するように前記磁気ヘッドサスペンション1が前記アクチュエータによって揺動された際に、磁気ディスク装置に備えられたランプと係合して前記磁気ヘッドスライダ50をz方向(前記ディスク面と直交する方向)に沿って前記ディスク面から離間させる為の部材である。
【0044】
前記荷重曲げ部20は、基端部が前記支持部10に連結され且つ先端部が前記ロードビーム部30に連結されており、自己の弾性変形に基づいて前記磁気ヘッドスライダ50を前記ディスク面へ向けて押し付ける押し付け荷重を発生する。
【0045】
図1及び図2Aに示すように、本実施の形態においては、前記荷重曲げ部20は、板面が前記ディスク面と対向する状態で前記中心線CLを挟んで互いに対して離間配置された左右一対の板バネ21を有している。
【0046】
好ましくは、前記一対の板バネ21は、前記磁気ヘッドサスペンション1が前記磁気ディスク装置へ実装される前の段階において前記磁気ヘッドスライダ50が前記ディスク面に近づく方向に所定の曲げ位置で予め折り曲げられ、且つ、前記磁気ヘッドサスペンション1の前記磁気ディスク装置への実装時には曲げ戻されることで前記押し付け荷重を発生するように、構成される。
【0047】
前記荷重曲げ部20は、例えば、厚さ0.02mm〜0.1mmのステンレス板によって形成される。
なお、本実施の形態においては、図1A及び図1Bに示すように、前記荷重曲げ部20は前記ロードビーム部30の前記本体部及び前記フランジ部と一体形成されている。
【0048】
即ち、本実施の形態に係る磁気ヘッドサスペンション1は、前記ロードビーム部30の前記本体部31及び前記フランジ部31と前記荷重曲げ部20とを一体形成するロードビーム/荷重曲げ形成体を有しており、前記ロードビーム/荷重曲げ形成体は、前記ディスク面とは反対側の上面が前記支持部10の前記ディスク面と対向する下面に当接された状態で、前記支持部10に溶接によって接合されている。
当然ながら、前記荷重曲げ部20を前記本体部31及び前記フランジ部32とは別部材によって形成し、前記荷重曲げ部20を前記本体部31に溶接等によって連結させることも可能である。
【0049】
前記フレクシャ部40は、前記磁気ヘッドスライダ50を支持した状態で前記ロードビーム部30及び前記支持部10に溶接等によって固着される。
【0050】
詳しくは、前記フレクシャ部40はフレクシャ金属プレート410を有している。
前記フレクシャ金属プレート410は、図1Bに示すように、前記支持部10に溶接等によって固着される支持部固着領域411と、前記ロードビーム部30に溶接等によって固着されるロードビーム部固着領域412と、前記ロードビーム部固着領域412の先端部におけるサスペンション幅方向両側からサスペンション長手方向先端側へ延びる一対の支持片413と、前記一対の支持片413によって支持された前記ヘッド搭載領域415とを有している。
【0051】
なお、本実施の形態においては、前述の通り、前記ロードビーム部30は、前記本体部31の下面に固着された前記サポート板70を有している。
従って、前記ロードビーム部固着領域412は、前記サポート板70に固着されている。
【0052】
前記ヘッド搭載領域415は、図1Bに示すように、前記ディスク面と対向する下面において前記磁気ヘッドスライダ50を支持している。
前述の通り、前記ヘッド搭載領域415の上面には前記突起33が接触しており、従って、前記ヘッド搭載領域415は前記突起33を支点としてロール方向及びピッチ方向に柔軟に揺動し得るようになっている。
【0053】
前記フレクシャ金属プレート410は、前記ヘッド搭載領域415がロール方向及びピッチ方向に揺動し得るように、前記ロードビーム部30よりも低剛性とされる。
前記フレクシャ金属プレート410は、例えば、厚さ0.01mm〜0.025mm程度のステンレス板とされる。
【0054】
本実施の形態においては前記フレクシャ部40は、図2に示すように、前記磁気ヘッドスライダ50を外部部材に電気的に接続する為の配線構造体420を一体的に有している。
【0055】
詳しくは、前記配線構造体420は、前記フレクシャ金属プレート410における前記ディスク面と対向する下面に積層される絶縁層と前記絶縁層における前記ディスク面と対向する面に積層される信号配線とを含んでいる。
好ましくは、前記配線構造体は、前記信号配線を囲繞する絶縁性のカバー層(図示せず)を有し得る。
【0056】
ここで、前記変曲点Pのサスペンション長手方向に関する位置と前記磁気ヘッドサスペンション1のねじれ1次モードの共振周波数との関係に関して行った第1解析について説明する。
図3Aに、前記第1解析に用いた磁気ヘッドサスペンション1の上面図を示す。
又、図3Bに、図3Aにおける3B-3B線に沿った断面図を示す。
【0057】
なお、ねじれ1次モードとは、前記荷重曲げ部20の位置及び前記ディンプル33の位置がディスク面に直交するz方向の変位ゼロ(即ち、節)とされた状態で、サスペンション長手方向に関し前記2つの節の略中央部分がz方向変位最大(即ち、腹)となるように主として前記ロードビーム部20のみがサスペンション長手方向中心線CL回りに捩れる振動モードである。
【0058】
本解析においては、前記支持部10,前記ロードビーム部30の前記本体部31,前記サポート板70及び前記フレクシャ金属プレート410を、それぞれ、厚さ0.17mm,0.03mm,0.025mm及び0.02mmのステンレスとした。
【0059】
又、前記支持部10のうち前記ディスク面に直交するz方向に関し固定される位置(本実施の形態におけるように前記支持部10がベースプレートの場合には、前記アクチュエータに連結された前記キャリッジアームにかしめを介して固定される前記ボス部15の位置であり、以下、支持部固定位置という)と前記ディンプル33との間のサスペンション長手方向長さを11mmとし、前記支持部10の先端エッジと前記ディンプル33との間のサスペンション長手方向長さLを6.2mmとし、前記荷重曲げ部20のサスペンション長手方向長さ(即ち、前記支持部10の先端エッジと前記ロードビーム部30の基端部との間のサスペンション長手方向長さ)を0.065L(=0.40mm)とし、前記支持部10の先端エッジのサスペンション幅方向長さを0.7L(=4.3mm)とした。
【0060】
又、前記ロードビーム部30の前記フランジ部32は、図3Bに示すように、前記本体部31に対する傾斜角が75度で且つz方向高さが0.26mmに構成した。
【0061】
前記構成を有し且つ前記第2傾斜角θ2(前記先端領域31bのサスペンション長手方向中心線CLに対する傾斜角)が5°に固定された状態で、前記第1傾斜角θ1(前記基端領域31aの前記中心線CLに対する傾斜角)を前記第2傾斜角θ2より大きい範囲で変化させて前記基端領域31aと前記先端領域31bとの間の前記変曲点Pのサスペンション長手方向位置を異ならせた複数の磁気ヘッドサスペンション1a〜1fを用意し、前記複数の磁気ヘッドサスペンション1a〜1fのそれぞれのねじれ1次モードの共振周波数を有限要素法を用いて求めた。
【0062】
又、前記基端領域31aの前記第1傾斜角θ1及び前記先端領域31bの前記第2傾斜角θ2が同一となるように(即ち、前記本体部31の左右側縁のそれぞれがサスペンション長手方向全域に亘って直線状となるように)前記第1傾斜角θ1及び前記第2傾斜角θ2が設定された磁気ヘッドサスペンション1gを用意し、この磁気ヘッドサスペンション1gのねじれ1次モードの共振周波数についても有限要素法を用いて求めた。
【0063】
具体的には、前記磁気ヘッドサスペンション1a〜1fにおいては、前記支持部10の先端エッジと前記変曲点Pとの間のサスペンション長手方向距離aを、それぞれ、0.39L(=2.45mm)、0.52L(=3.25mm)、0.65L(=4.05mm)、0.78L(=4.85mm)、0.91L(=5.65mm)及び1.05L(=6.49mm)とした。
【0064】
図4A〜図4Gに、それぞれ、前記磁気ヘッドサスペンション1a〜1gの前記ロードビーム部30の上面図を示す。
【0065】
図5に、前記第1解析の結果を示す。
図5から、ねじれ1次モードの共振周波数は、前記距離aを0.44L(=2.7mm)以上で且つ0.83L(=4.8mm)以下とすることで上昇されることが理解される。
【0066】
さらに、第2解析として、前記磁気ヘッドサスペンション1a〜1gのSWAYモードの共振周波数を有限要素法を用いて求めた。
図6に、前記第2解析の結果を示す。
なお、SWAYモードとは、シーク方向の振動を主とした磁気ヘッドサスペンションの主共振モードである。
【0067】
図6から、SWAYモードの共振周波数は、前記距離aを0.65L(=4.0mm)以上とすることで上昇されることが理解される。
【0068】
次に、前記サポート板70の形状とねじれ2次モードの共振周波数との関係に関して行った第3解析について説明する。
【0069】
ねじれ2次モードとは、前記支持部固定位置、前記ディンプル33の位置及び前記支持部固定位置と前記ディンプル33の位置との間のサスペンション長手方向略中央に位置するロードビーム部30の中途位置の3箇所が節とされた状態で、サスペンション長手方向に関し前記支持部固定位置及び前記ロードビーム部30の中途位置の間の略中央部分、並びに、サスペンション長手方向に関し前記ロードビーム部30の中途位置及び前記ディンプル33の位置の間の略中央部分の2箇所が腹となるように前記支持部10の前記支持部固定位置より先端側に位置する部分,前記荷重曲げ部20及び前記ロードビーム部30がサスペンション長手方向中心線CL回りに捩れる振動モードである。
【0070】
図7A〜Cに、前記第3解析に用いた磁気ヘッドサスペンション1c(1)〜1c(3)の模式図を示す。
本解析においては、前記支持部10,前記ロードビーム部30の前記本体部31,前記サポート板70及び前記フレクシャ金属プレート410を、それぞれ、厚さ0.17mm,0.03mm,0.025mm及び0.02mmのステンレスとした。
【0071】
又、図7A〜7Cに示すように、前記支持部10の先端エッジと前記ディンプル33との間のサスペンション長手方向長さLを6.2mmとし、前記荷重曲げ部20のサスペンション長手方向長さを0.065L(=0.40mm)とし、前記支持部10の先端エッジのサスペンション幅方向長さを0.7L(=4.3mm)とした。
【0072】
前記ロードビーム部30の前記フランジ部32は、前記本体部31に対する傾斜角が75度で且つz方向高さが0.26mmとなるように構成した。
そして、前記支持部10の先端エッジと前記変曲点Pとの間のサスペンション長手方向距離aを0.65L(=4.05mm)とした。
【0073】
前記構成を備えつつ、前記サポート板70として、前記支持部10の先端エッジとの間のサスペンション長手方向距離bが0.87L(=5.4mm)とされ且つ側縁が前記仮想線ILよりもサスペンション幅方向外方に位置されたサポート板70(1)を有する磁気ヘッドサスペンション1c(1)(図7A参照)のねじれ2次モードの共振周波数を有限要素法を用いて求めた。
【0074】
又、前記構成を備えつつ、前記サポート板70として、前記距離bが0.87L(=5.4mm)で、側縁が前記仮想線ILよりサスペンション幅方向内方側で且つ前記基端領域31a及び前記先端領域31bよりサスペンション幅方向外方に位置されたサポート板70(2)を有する磁気ヘッドサスペンション1c(2)(図7B参照)のねじれ2次モードの共振周波数を有限要素法を用いて求めた。
【0075】
さらに、前記構成を備えつつ、前記サポート板70として、前記距離bが0.87L(=5.4mm)で、側縁が前記基端領域31a及び前記先端領域31bよりサスペンション幅方向内方に位置されたサポート板70(3)を有する磁気ヘッドサスペンション1c(3)(図7C参照)のねじれ2次モードの共振周波数を有限要素法を用いて求めた。
図8に前記第3解析の結果を示す。
【0076】
さらに、第4解析として、前記磁気ヘッドサスペンション1c(1)〜1c(3)のねじれ3次モードの共振周波数を有限要素法を用いて求めた。
図9に前記第3解析の結果を示す。
【0077】
ねじれ3次モードとは、前記支持部固定位置と前記荷重曲げ部20の位置と前記ディンプル33の位置と前記荷重曲げ部20の位置及び前記ディンプル33の位置の間のサスペンション長手方向略中央に位置するロードビーム部30の中途位置との4箇所が節とされた状態で、前記支持部固定位置及び前記荷重曲げ部20の位置の間に位置する第1部分がサスペンション長手方向中心線CL回り一方側の第1方向にねじれ、前記荷重曲げ部20の位置及び前記ロードビーム部30の中途位置の間に位置する第2部分が前記中心線CL回り他方側の第2方向にねじれ、前記ロードビーム部30の中途位置及び前記ディンプル33の位置の間の第3部分が前記中心線CL回りに前記第1方向に捩れる振動モードである。
【0078】
図8及び図9から、側縁がサスペンション幅方向に関し前記仮想線ILより内方側で且つ前記基端領域31a及び前記先端領域31bよりも外方側に位置している前記サポート板70(2)を備えた磁気ヘッドサスペンション1c(2)は、側縁が前記仮想線ILよりサスペンション幅方向外方に位置している前記サポート板70(1)を備えた磁気ヘッドサスペンション1c(1)、及び、側縁が前記基端領域31a及び前記先端領域31bよりもサスペンション幅方向内方側に位置している前記サポート板70(3)を備えた磁気ヘッドサスペンション1c(3)に比して、ねじれ2次モード及びねじれ3次モードの共振周波数を向上させ得ることが理解される。
【0079】
実施の形態2
以下、本発明に係る磁気ヘッドサスペンションの他の形態について、添付図面を参照しつつ説明する。
図10Aに、本実施の形態に係る磁気ヘッドサスペンション2の上面図を示す。
又、図10Bに、図10Aにおける10B-10B線に沿った断面図を示す。
なお、図中、前記実施の形態1におけると同一部材には同一符号を付して、その説明を省略する。
【0080】
図10A及びBに示すように、本実施の形態に係る磁気ヘッドサスペンション2は、前記ロードビーム部30Bの本体部31の基端縁に基端側フランジ部35が設けられている点において、前記実施の形態1に係る磁気ヘッドサスペンション1と相違している。
【0081】
詳しくは、本実施の形態に係る磁気ヘッドサスペンション2は、前記実施の形態1に係る磁気ヘッドサスペンション1に比して、前記ロードビーム部30の代わりにロードビーム部30Bを有している。
【0082】
前記ロードビーム部30Bは、前記ロードビーム部30に比して、前記サポート板70の代わりにサポート板70Bを有している。
即ち、前記ロードビーム部30Bは、前記本体部31及び前記一対のフランジ部32に加えて、前記本体部31の下面に固着される前記サポート板70Bを有している。
【0083】
前記サポート板70Bは、前記本体部31の下面に固着される平面部75と、サスペンション幅方向に関し前記一対の板バネ21の間において前記ロードビーム部30Bの前記本体部31の基端縁に設けられた前記基端側フランジ部35を形成するように前記平面部75の基端縁からディスク面とは反対側へ折り曲げられた折り曲げ部76とを有している。
【0084】
前記サポート板70Bの前記折り曲げ部76のサスペンション幅方向長さを2.0mmで、前記平面部に対する傾斜角を80度で、且つ、z方向高さを0.3mmとした状態で、前記支持部10の先端エッジと前記変曲点Pとの間のサスペンション長手方向距離aを0.52L(=3.25mm)、0.65L(=4.05mm)、0.78L(=4.85mm)とした磁気ヘッドサスペンション2b〜2dのねじれ1次モード及びSWAYモードの共振周波数を有限要素法を用いて求めた。
その算出結果を図5及び図6に併せて示す。
【0085】
図5及び図6から明らかなように、前記本体部31の基端縁に前記基端側フランジ部35を設けることにより、ねじれ1次モード及びSWAYモードの共振周波数を上昇させ、これにより、ねじれ1次モード及びSWAYモードの共振の発生を防止することができる。
【0086】
なお、本実施の形態においては、前記平面部75及び前記折り曲げ部76を備えた前記サポート板70Bが備えられ、前記サポート板70Bの前記折り曲げ部76が前記基端側フランジ部35を形成しているが、これに代えて、前記ロードビーム部30Bの前記本体部31の基端縁をディスク面とは反対側へ折り曲げて前記基端側フランジ部35を形成することも可能である。
【0087】
実施の形態3
以下、本発明に係る磁気ヘッドサスペンションの他の形態について、添付図面を参照しつつ説明する。
図11Aに、本実施の形態に係る磁気ヘッドサスペンション3の上面図を示す。
又、図11Bに、図11Aにおける11B-11B線に沿った断面図を示す。
なお、図中、前記実施の形態1又は2におけると同一部材には同一符号を付して、その説明を省略する。
【0088】
図11A及びBに示すように、本実施の形態に係る磁気ヘッドサスペンション3は、ロードビーム部30Cの本体部31Cの基端側に膨出部36が設けられている点において、前記実施の形態1に係る磁気ヘッドサスペンション1と相違している。
【0089】
詳しくは、本実施の形態に係る磁気ヘッドサスペンション3は、前記実施の形態1に係る磁気ヘッドサスペンション1に比して、前記ロードビーム部30の代わりにロードビーム部30Cを有している。
前記ロードビーム部30Cは、前記ディスク面と略平行な本体部31Cと前記本体部31Cの両側縁から前記ディスク面とは反対側へ延在された前記一対のフランジ部32とを有している。
【0090】
前記本体部31Cは、基端側に前記膨出部36を有している。
前記膨出部36は、前記ディスク面とは反対側へ膨出され且つサスペンション幅方向に沿っている。
【0091】
前記膨出部36を備えることによっても前記磁気ヘッドサスペンション3のねじれ1次モード及びSWAYモードの共振周波数を上昇させ、これにより、ねじれ1次モード及びSWAYモードの共振の発生を防止することができる。
【0092】
実施の形態4
以下、本発明に係る磁気ヘッドサスペンションの他の形態について、添付図面を参照しつつ説明する。
図12Aに、本実施の形態に係る磁気ヘッドサスペンション4の上面図を示す。
又、図12B及び12Cに、それぞれ、図12Aにおける12B-12B線及び12C-12C線に沿った断面図を示す。
なお、図中、前記実施の形態1〜3におけると同一部材には同一符号を付して、その説明を省略する。
【0093】
図12A〜12Cに示すように、本実施の形態に係る磁気ヘッドサスペンション4は、前記ロードビーム部30の前記本体部31における前記ディスク面とは反対側の上面に制振材60が固着されている点において、前記実施の形態1に係る磁気ヘッドサスペンション1と相違している。
【0094】
前記制振材60は、前記本体部31のディスク面とは反対側の上面に固着される粘弾性材からなる第1層61と、前記第1層61のディスク面とは反対側の上面に固着される第2層62とを有し得る。
【0095】
前記第1層61としては、例えば、アクリルポリマーやシリコンが好適に使用される。
前記第2層62としては、例えば、ステンレスやアルミニウム等の金属材料、若しくは、ポリエチレン・テレフタレート等の樹脂材料が好適に使用される。
樹脂材料を用いて前記第2層62を形成することにより、金属材料を用いて前記第2層62を形成する場合に比して、質量低減による磁気ヘッドサスペンション4の耐衝撃性の向上を図ることができる。
【0096】
前記制振材60が前記第1層61として厚さ50μmのアクリルポリマーを有し且つ前記第2層62として厚さ50μmのステンレスを有しており、前記本体部31の基端縁からサスペンション長手方向先端側へ0.40L(=2.45mm)の位置に亘って前記本体部31のディスク面とは反対側の上面の略全域を覆うような大きさを有している複数の磁気ヘッドサスペンション4b〜4dであって、前記支持部10の先端エッジと前記変曲点Pとの間のサスペンション長手方向距離aがそれぞれ0.52L(=3.25mm)、0.65L(=4.05mm)、0.78L(=4.85mm)とされた磁気ヘッドサスペンション4b〜4dのねじれ1次モード及びSWAYモードの共振周波数を有限要素法を用いて求めた。
その算出結果を図5及び図6に併せて示す。
【0097】
図5及び図6から明らかなように、前記本体部31のディスク面とは反対側の上面に前記制振材60を備えることにより、ねじれ1次モード及びSWAYモードの共振周波数を上昇させ、これにより、ねじれ1次モード及びSWAYモードの共振の発生を防止することができる。
【0098】
ここで、前記支持部固定位置と前記ディンプル33との間のサスペンション長手方向長さを11mmとし、前記支持部10の先端エッジと前記ディンプル33との間のサスペンション長手方向長さLを6.2mmとし、前記支持部10の先端エッジと前記変曲点Pとの間のサスペンション長手方向距離aを0.65L(=4.05mm)とした磁気ヘッドサスペンションを用いて、前記制振材60の固着位置とねじれ1次モードの共振周波数との関係に関して行った第5解析、及び、前記固着位置とSWAYモードの共振周波数との関係に関して行った第6解析について説明する。
【0099】
図13A〜Cに、前記第5及び第6解析に用いた磁気ヘッドサスペンション4c(1)〜4c(3)の上面図を示す。
なお、前記第5及び第6解析においては、前記制振材60は、前記第1層61として厚さ50μmのアクリルポリマーを有し且つ前記第2層62として厚さ50μmのステンレスを有している。
【0100】
前記磁気ヘッドサスペンション4c(1)は、前記制振材60として、前記本体部31の基端縁からサスペンション長手方向先端側へ長さ0.4L(=2.45mm)に亘って前記本体部31のディスク面とは反対側の上面の略全域を覆うような制振材60(1)を有している。
【0101】
即ち、前記磁気ヘッドサスペンション4c(1)の前記制振材60(1)は、基端部と前記支持部10の先端エッジとの間のサスペンション長手方向距離eが0.065L(=0.4mm)となるように前記基端部の位置が設定されており、さらに、サスペンション長手方向に沿った長さが0.4L(=2.45mm)とされている。
【0102】
前記磁気ヘッドサスペンション4c(2)は、前記制振材60(1)と同一面積(6.5mm)を有しつつ、前記制振材60(1)よりもサスペンション長手方向先端側に配置された制振材60(2)を有している。
【0103】
詳しくは、前記制振材60(2)は、基端部と前記支持部10の先端エッジとの間のサスペンション長手方向距離eが0.1L(=0.62mm)となるように前記基端部の位置が設定されており、さらに、前記制振材60(1)と同一面積を有するようにサスペンション長手方向に沿った長さが0.44L(=2.75mm)とされている。
【0104】
前記磁気ヘッドサスペンション4c(3)は、前記制振材60(1),60(2)と同一面積(6.5mm)を有しつつ、前記制振材60(2)よりもサスペンション長手方向先端側に配置された制振材60(3)を有している。
【0105】
詳しくは、前記制振材60(3)は、基端部と前記支持部10の先端エッジとの間のサスペンション長手方向距離eが0.2L(=1.24mm)となるように前記基端部の位置が設定されており、さらに、前記制振材60(1),60(2)と同一面積を有するようにサスペンション長手方向に沿った長さが0.84L(=5.18mm)とされている。
【0106】
前記第5解析として、前記磁気ヘッドサスペンション4c(1)〜4c(3)の各々に対して、有限要素法を用いて前記制振材60の固着位置(即ち、前記距離e)とねじれ1次モードの共振周波数との関係を求めた。前記第5解析の結果を図14に示す。
【0107】
前記第6解析として、前記磁気ヘッドサスペンション4c(1)〜4c(3)の各々に対して、有限要素法を用いて前記制振材60の固着位置(即ち、前記距離e)とSWAYモードの共振周波数との関係を求めた。前記第6解析の結果を図15に示す。
【0108】
図14及び図15から、同一面積の制振材60を用いる場合には、前記制振材60を前記本体部31の基端側に可及的に位置させることによって、ねじれ1次モード及びSWAYモードの双方の共振周波数を上昇させ得ることが理解される。
【0109】
次に、前記制振材60のサスペンション長手方向長さとねじれ1次モードの共振周波数との関係を求める為に行った第7解析、及び、前記長さとSWAYモードの共振周波数との関係を求める為に行った第8解析について説明する。
【0110】
前記第7及び第8解析は、前記支持部10の先端エッジと前記変曲点Pとの間のサスペンション長手方向距離aが0.65L(=4.05mm)とされ、且つ、基端部が前記本体部31の基端縁に略一致するように前記本体部31に固着された前記制振材60を備えた磁気ヘッドサスペンションであって、前記制振材60のサスペンション長手方向長さが種々に変更された磁気ヘッドサスペンションを用いて行った。
図16A〜16Eに、それぞれ、前記第7及び第8解析に用いた磁気ヘッドサスペンション4c(11)〜4c(15)の上面図を示す。
【0111】
前記磁気ヘッドサスペンション4c(11)は、前記支持部10の先端エッジと先端部との間のサスペンション長手方向長さfが0.26L(=1.62mm)となるような制振材60(11)を有している。
【0112】
前記磁気ヘッドサスペンション4c(12)は、前記支持部10の先端エッジと先端部との間のサスペンション長手方向長さfが0.46L(=2.85mm)となるような制振材60(12)を有している。
【0113】
前記磁気ヘッドサスペンション4c(13)は、前記支持部10の先端エッジと先端部との間のサスペンション長手方向長さfが0.64L(=3.95mm)となるような制振材60(13)を有している。
【0114】
前記磁気ヘッドサスペンション4c(14)は、前記支持部10の先端エッジと先端部との間のサスペンション長手方向長さfが0.81L(=5.05mm)となるような制振材60(14)を有している。
【0115】
前記磁気ヘッドサスペンション4c(15)は、前記支持部10の先端エッジと先端部との間のサスペンション長手方向長さfが1.08L(=6.70mm)となるような制振材60(15)を有している。
【0116】
前記第7解析として、前記磁気ヘッドサスペンション4c(11)〜(15)の各々のねじれ1次モードの共振周波数を有限要素法を用いて求めた。前記第7解析の結果を図17に示す。
前記第8解析として、前記磁気ヘッドサスペンション4c(11)〜(15)の各々のSWAYモードの共振周波数を有限要素法を用いて求めた。前記第8解析の結果を図18に示す。
【0117】
図17から、前記長さfを0.6L以上とすることでねじれ1次モードの共振周波数を実質的に最高状態とすることができ、さらに、前記長さfが0.6L以上であれば前記長さfをそれ以上に長くしてもねじれ1次モードの共振周波数は上昇しないことが理解される。
【0118】
又、図18から、前記長さfが0.35L≦f≦0.75Lの条件を満足する場合には、SWAYモードの共振周波数を上昇させ得ることが理解される。
【0119】
以上の点から、前記制振材60は、基端部が前記本体部31の基端エッジと略同一位置に位置するように前記本体部31の基端側に可及的に配置させることが好ましく、さらには、ねじれ1次モード及びSWAYモードの双方の共振周波数を上昇させる為には先端部と前記支持部10の先端エッジとの間のサスペンション長手方向長さfが0.6L≦f≦0.75Lを満たすように前記制振材60の長さを設定することが好ましい。
【0120】
実施の形態5
以下、本発明に係る磁気ヘッドサスペンションの他の形態について、添付図面を参照しつつ説明する。
図19Aに、本実施の形態に係る磁気ヘッドサスペンション5の上面図を示す。
又、図19B及び19Cに、それぞれ、図19Aにおける19B-19B線及び19C-19C線に沿った断面図を示す。
なお、図中、前記実施の形態1〜4におけると同一部材には同一符号を付して、その説明を省略する。
【0121】
図19A〜19Cに示すように、本実施の形態に係る磁気ヘッドサスペンション5は、ロードビーム部30Eの本体部31Eが厚肉領域37を有している点において、前記実施の形態1に係る磁気ヘッドサスペンション1と相違している。
【0122】
詳しくは、本実施の形態に係る前記磁気ヘッドサスペンション5は、前記実施の形態1に係る磁気ヘッドサスペンション1に比して、前記ロードビーム部30の代わりに前記ロードビーム部30Eを備えている。
【0123】
前記ロードビーム部30Eは、基端部が前記荷重曲げ部20に連結された状態で板面が前記ディスク面に略平行とされた平板状の前記本体部31Eと、前記本体部31Eの左右側縁から前記ディスク面とは反対側へ延在された左右一対の前記フランジ部32とを備えている。
なお、前記ロードビーム部30Eは、前記各実施の形態におけると同様に、さらに、前記リフトタブ34を有している。
【0124】
図19B及び19Cに示すように、前記厚肉領域37は、前記本体部31Eにおける前記ディスク面とは反対側の上面の一部が前記ディスク面とは反対側へ膨出されることで形成されている。
【0125】
前記厚肉領域37を備えた前記ロードビーム部30Eは、少なくとも前記厚肉領域37の厚さを有するロードビーム部形成板を用意する工程と、前記厚肉領域37とそれ以外の領域とがそれぞれ所定の厚みを有するように前記ロードビーム部形成板に対して前記ディスク面とは反対側の上面から対応したエッチング量でエッチングを行う工程とを含む製造方法によって容易に形成され得る。
【0126】
前記厚肉領域37の基端部が前記本体部31Eの基端部と略同一位置に位置し且つ先端部が前記支持部10の先端エッジからサスペンション長手方向に0.46L(=2.85mm)だけ離間されるように前記厚肉領域37のサスペンション長手方向位置が設定され、さらに、前記厚肉領域37以外の前記本体部31Eの厚みが0.03mmとされ且つ前記厚肉領域37の厚みが0.08mmとされた磁気ヘッドサスペンションであって、前記支持部10の先端エッジと前記変曲点Pとの間のサスペンション長手方向距離aがそれぞれ0.52L(=3.25mm)、0.65L(=4.05mm)、0.78L(=4.85mm)とされた磁気ヘッドサスペンション5b〜5dのねじれ1次モード及びSWAYモードの共振周波数を有限要素法を用いて求めた。
その算出結果を図5及び図6に併せて示す。
【0127】
図5及び図6から明らかなように、前記本体部31Eに前記厚肉領域37を設けることにより、ねじれ1次モード及びSWAYモードの共振周波数を上昇させ、これにより、ねじれ1次モード及びSWAYモードの共振の発生を防止することができる。
【0128】
さらに、補強構造としての前記厚肉領域37及び前記制振材60の共通性から判断すると、基端部が前記本体部31Eの基端エッジと略同一位置に位置するように前記厚肉領域37を形成するのが好ましく、さらには、先端部と前記支持部10の先端エッジとの間のサスペンション長手方向長さが0.6L以上で且つ0.75L以下となるように前記厚肉領域37を形成することが好ましい。
【0129】
なお、前記各実施の形態においては、前記フレクシャ基板とは別体とされた前記サポート板70が備えられているが、これに代えて、前記フレクシャ基板が前記サポート板として作用するように構成することも可能である。斯かる構成によれば、質量低減化による耐衝撃性の向上を図ることができる。
【符号の説明】
【0130】
1〜5 磁気ヘッドサスペンション
10 支持部
20 荷重曲げ部
30,30B,30C,30E ロードビーム部
31,31C,31E 本体部
31a 基端領域
31b 先端領域
32 フランジ部
33 ディンプル
35 基端側フランジ部
36 膨出部
37 厚肉領域
40 フレクシャ部
50 磁気ヘッドスライダ
60 制振材
70,70B サポート板
71 基端縁
72 側縁
73 先端縁
75 平面部
76 折り曲げ部
P 変曲点
CL サスペンション長手方向中心線
IL 仮想線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アクチュエータによって直接又は間接的にディスク面に平行なシーク方向へ揺動される支持部と、磁気ヘッドスライダを前記ディスク面に向けて押し付ける為の荷重を発生し得るように基端部が前記支持部の先端部に連結された荷重曲げ部と、基端部が前記荷重曲げ部の先端部に連結され且つ前記荷重を前記磁気ヘッドスライダに伝達するロードビーム部と、前記ロードビーム部及び前記支持部に支持されたフレクシャ部とを備えた磁気ヘッドサスペンションであって、
前記ロードビーム部は、基端部が前記荷重曲げ部に連結され且つ前記ディスク面と対向する下面に前記フレクシャ部のフレクシャ基板が固着されるプレート状の本体部と前記本体部の左右側縁から前記ディスク面とは反対側へ延びる左右一対のフランジ部とを有し、
前記本体部の左右の側縁の各々は、基端側から先端側へ行く従ってサスペンション長手方向中心線に近接するように前記中心線に対して第1傾斜角で傾斜する基端領域と、変曲点を挟んで前記基端領域の先端部に連結される基端側から先端側へ行くに従って前記中心線に近接するように前記中心線に対して前記第1傾斜角よりも小さい第2傾斜角で傾斜する先端領域とを含み、
前記支持部の先端部と前記ロードビーム部に設けられたディンプルとの間のサスペンション長手方向距離をLとした場合に、前記支持部の先端部と前記変曲点との間のサスペンション長手方向距離aが0.44×L≦a≦0.78×Lを満たし、
前記ロードビーム部は、さらに、前記本体部における前記ディスク面と対向する下面に固着されたサポート板を有しており、
前記サポート板は、前記本体部の基端縁と略一致するように配置された基端縁と前記基端縁の両端部からサスペンション長手方向先端側へ延びる左右一対の側縁と前記一対の側縁の先端部同士を連結する先端縁とを有し、
前記サポート板の側縁は、サスペンション幅方向に関し前記基端領域の基端部及び前記先端領域の先端部を結ぶ仮想線より内方側で且つ前記基端領域及び前記先端領域よりも外方側に位置しており、サスペンション長手方向に関し前記変曲点を跨いでいることを特徴とする磁気ヘッドサスペンション。
【請求項2】
前記ロードビーム部は、前記本体部の基端縁に前記ディスク面とは反対側へ延びるように設けられた基端側フランジ部を有していることを特徴とする請求項1に記載の磁気ヘッドサスペンション。
【請求項3】
前記サポート板は、前記本体部の前記下面に固着される平面部と前記平面部の基端縁から前記ディスク面とは反対側へ折り曲げられた折り曲げ部とを有し、
前記折り曲げ部が前記基端側フランジ部を形成していることを特徴とする請求項2に記載の磁気ヘッドサスペンション。
【請求項4】
前記ロードビーム部の前記本体部の基端縁は前記ディスク面とは反対側へ折り曲げられて前記基端側フランジ部を形成していることを特徴とする請求項2に記載の磁気ヘッドサスペンション。
【請求項5】
前記ロードビームの前記本体部には前記ディスク面とは反対側へ膨出された膨出部が設けられていることを特徴とする請求項1から4の何れかに記載の磁気ヘッドサスペンション。
【請求項6】
前記ロードビーム部の前記本体部における前記ディスク面とは反対側の上面には制振材が固着されていることを特徴とする請求項1から5の何れかに記載の磁気ヘッドサスペンション。
【請求項7】
前記ロードビーム部の前記本体部は、前記ディスク面とは反対側に向けて厚肉とされた厚肉領域を有していることを特徴とする請求項1から5の何れかに記載の磁気ヘッドサスペンション。
【請求項8】
前記制振材又は前記厚肉領域は、基端部が前記本体部の基端側エッジと略同一位置に位置し且つ先端部と前記支持部の先端部との間のサスペンション長手法距離が0.6×L以上で且つ0.75×L以下であることを特徴とする請求項6又は7に記載の磁気ヘッドサスペンション。
【請求項9】
前記フレクシャ基板が前記サポート板として作用していることを特徴とする請求項1から8の何れかに記載の磁気ヘッドサスペンション。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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