説明

磁気共鳴イメージング装置

【課題】撮影時間を延長することなく、多種類のパルスシーケンスに適用でき、簡単な構成でSARを低減可能な磁気共鳴イメージング装置を実現する。
【解決手段】デューティーサイクルが多いパルスシーケンスと、デューティーサイクルが少ないパルスシーケンスとを組み合わせ、デューティーサイクルが多いパルスシーケンスを連続して実行することが無いように、デューティーサイクルが少ないパルスシーケンスを間に入れて実行する。例えば、最初の時間TRでFSE法を実行した場合は、次の時間TRでは、GE法を実行する。これにより、多種類のパルスシーケンスを適用して病変部の検出精度を向上させると共に、簡単な構成でSARを低減することが可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、磁気共鳴イメージング装置に係り、特に、SAR(Specific Absorption Rate)の最適化に関する。
【背景技術】
【0002】
磁気共鳴イメージング装置(MRI装置)においては、高周波磁場の熱的効果をSAR(Specific Absorption Rate)によって定義し、MRI装置を用いた検査により被検体の温度上昇を防止するために、SARの大きさが定められた上限値を超えないような高周波磁場の照射方法が義務付けられている。
【0003】
高周波磁場の照射方法は、高周波磁場および傾斜磁場の印加手順と信号計測のタイミングを規定した、パルスシーケンスと呼ばれる計測手順と関連している。パルスシーケンスは、SE(スピンエコー)法、GE(グラディエントエコー〉法、FSE(ファーストスピンエコー)法、EPI(エコープレナー)法等が代表的方法として知られており、その中でFSE法は、エネルギーの大きい180度励起パルスを多用する。
【0004】
SARは高周波磁場の周波数、静磁場強度等に依存し、静磁場強度の高い装置ほどSARが大きく、高周波磁場の照射方法に関する制約が大きい。
【0005】
近年、磁気共鳴イメージング装置の静磁場強度が3Tを超えるものも使用されているが、1.5Tや1Tの装置と比較して、画質のSNRが向上できる反面、SARの制約がより厳しくなる。そこで、非特許文献1に述べられているように、180度励起パルスと同等の効果を持つような低い励起角度の励起パルスを組み合わせることにより、FSE法におけるSARを減少させる方法が提案されている。
【0006】
また、特許文献1には、パルスシーケンスを実行した場合の撮像対象のSARを予測し、予測値が限度内となるようにパルスシーケンスにおけるRFパルスの数、パルス波形、パルス幅のうちの少なくとも一つを調整する技術が記載されている。
【0007】
【特許文献1】特開2001―70282号公報
【非特許文献1】Multiecho Sequence With Variable Refocusing Flip Angles: Optimization of Signal Behavior Using Smooth Transitions Between Pseudo Steady States.; Magnetic Resonance in Medicine 49:527-535(2003), Reduced RF Power Without Blurring: Correcting for Modulation of Refocusing Flip Angle in FSE Sequences.; Magnetic Resonance in Medicine 51:1031-1037(2004)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上述した非特許文献1に記載の技術にあっては、FSE法にのみ適用でき、SE法、GE法、EPI法には適用することはできない。
【0009】
また、特許文献1に記載の技術にあっては、パルス数、パルス波形又はパルス幅を調整するためのパルス調節ユニットが必要であり構成が複雑となる。さらに、SARを限度内とするためにパルスの数を調整するため、撮影時間が長くなってしまう。
【0010】
本発明の目的は、撮影時間を延長することなく、多種類のパルスシーケンスに適用でき、簡単な構成でSARを低減可能な磁気共鳴イメージング装置を実現することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するため、本発明は次のように構成される。
【0012】
本発明の磁気共鳴イメージング装置は、制御手段が、所定のデューティーサイクルを有する第1のパルスシーケンスと、この第1のパルスシーケンスよりデューティーサイクルが少ない第の2パルスシーケンスとを組み合わせ、上記第1のパルスシーケンスと上記第2のパルスシーケンスとをそれぞれ少なくとも1回実行する。
【発明の効果】
【0013】
撮影時間を延長することなく、多種類のパルスシーケンスを適用して病変部の検出精度を向上させると共に、簡単な構成でSARを低減することが可能な磁気共鳴イメージング装置を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照して説明する。
【0015】
まず、図5を参照して、本発明が適用されるMRI装置を説明する。図5において、MRI装置は、均一な磁場空間を発生するための超伝導コイル1と、x、y、zの3軸方向に沿って磁場強度が線形に変化する傾斜磁場を発生するための3組の傾斜磁場発生コイル2と、被検体10の磁気共鳴を誘起するための高周波磁場発生コイル3と、被検体の磁気共鳴信号を検出するための受信コイル4と、傾斜磁場電源5と、高周波磁場電源6と、被検体を静磁場空間内に搬送する寝台7と、傾斜磁場発生コイル2、高周波磁場発生コイル3及び受信コイル4の動作を制御する制御ユニット8と、制御命令、画像再構成及び画像表示を行う画像表示手段を有する操作卓9とを備える。
【0016】
MRI装置では、高周波磁場および傾斜磁場の印加手順と信号計測のタイミングを規定した、パルスシーケンスと呼ばれる計測手順によって画像の撮影が行われる。
【0017】
このパルスシーケンスは撮影時間や、得られる画像コントラストの違いによって、SE法、GE法、FSE法、EPI法等が知られている。通常の検査では、同一の撮影領域において複数のパルスシーケンスを適用することにより、コントラストの異なる画像を撮影し、病変部の検出等の診断能を向上させている。
【0018】
従来技術にあっては、それぞれのパルスシーケンスを個々独立して別個に実行している。
【0019】
図2は、FSE法のパルスシーケンスを示す図であり、図3はGE法のパルスシーケンスを示す図である。
【0020】
図2において、高周波磁場(RF)21、x方向傾斜磁場(Gx)22、y方向傾斜磁場(Gy)23、z方向傾斜磁場(Gz)24の印加タイミング、および磁気共鳴信号(エコー)25の発生を時間軸に沿って表示している。RFとGxは撮影したい領域を励起する働きを有し、Gyはechoの周波数に位置情報をエンコードする働きを有し、Gzはechoの位相に位置情報をエンコードする働きを有している。
【0021】
FSE法では、まず、90度励起パルスを照射し、次に、第1の180度励起パルスを照射し、時間TEにおいて第1のエコーを得る。さらに、次の時間TEで180度励起パルスを照射し、同じく時間TEでエコーを得るという操作を繰り返す。
【0022】
図2に示した例では、パルスシーケンスの繰り返し時間TRの中で、4個のエコーを得る場合を示している。例えば、画像再構成にL個のエコーを要するものとすると、パルスシーケンスをL/4回繰り返すので、パルスシーケンスの実行時間は(L×TR)/4となる。なお、ここでは4個のエコーを得る場合を示したが、エコーの数は4個にかぎらない。
【0023】
図3において、高周波磁場(RF)31、x方向傾斜磁場(Gx)32、y方向傾斜磁場(Gy)33、z方向傾斜磁場(Gz)34の印加タイミング、および磁気共鳴信号(エコー)35の発生を時間軸に沿って表示している。
【0024】
RFとGxは撮影したい領域を励起する働きを有し、Gyはechoの位相に位置情報をエンコードする働きを有し、Gzはechoの周波数に位置情報をエンコードする働きを有する。
【0025】
GE法では、αを90以下の値として、α度励起パルスを照射し、時間TEにおいてエコーを得る。GE法ではパルスシーケンスの繰り返し時間TRの中で、1個のエコーが得られる。したがって、画像再構成にL個のエコーを要するものとすると、パルスシーケンスをL回繰り返すので、パルスシーケンスの実行時間はL×TRとなる。
【0026】
デューティーサイクルは高周波磁場の単位時間当たりの照射時間の割合を表している。図2に示したFSE法は、1個の高周波磁場の照射時間をtとすると、繰り返し時間TRに対して、合計5×t時間の高周波磁場を照射しているので、図2のシーケンスのデューティーサイクルは5t/TRとなる。
【0027】
一方、図3に示したGE法は、1個の高周波磁場の照射時間をtとすると、繰り返し時間TRに対して、t時間の高周波磁場を照射しているので、図3のシーケンスのデューティーサイクルはt/TRとなる。すなわち図2のデューティーサイクルは、図3のデューティーサイクルと比較して5倍大きい。SARはデューティーサイクルに依存する。例えば図2のシーケンスでTRが5倍延長すると、図2と図3のデューティーサイクルは等しくなり、それぞれのSARも等しくなる。しかしながら、TRが5倍延長するので、撮影時間も5倍延長してしまう。なお、ここでは簡単のため、高周波磁場の振幅の効果は省略している。
【0028】
次に、本発明の一実施形態であって、図2に示したFSE法と図3に示したGE法を交互に切り替えて撮影することによって、撮影時間を延長することなく、SARを低減させる手順を説明する。
【0029】
図1は、本発明の一実施形態におけるパルスシーケンスを示す図である。図1において、高周波磁場11、Gx12、Gz13、及びエコー14は、図2、図3の高周波磁場、Gx、Gz及びエコーと同等である。なお、図1ではGyを省略している。これは1個のFSEシーケンスと4個のGEシーケンスを連結したものである。図1に示した5TRをシーケンスの繰り返しの単位とすると、(5×TR)時間に(9×t)時間の高周波磁場を照射するので、図1に示した例のデューティーサイクルは1.8t/TRとなる。
【0030】
上述したように、図2に示した例におけるデューティーサイクルは5t/TRであり、図3に示した例のデューティーサイクルはt/TRである。したがって、FSE法を単独で実施した場合と比較して、FSE法とGE法との連結型では、FSE法のデューティーサイクルは64%低減することがわかる。
【0031】
FSE法で得られた信号とGE法で得られた信号は別々に再構成すれば良く、画像再構成にそれぞれL個のエコーを要するものとすると、図1に示したシーケンスの撮影時間は5×(L×TR)/4となり、図2に示したFSE法単独の撮影時間と図3に示したGE法単独の撮影時間の和に等しい。なお、FSE法とGE法の組み合わせ方法は図1にかぎらない。
【0032】
ところで、第1のパルスシーケンスにおける高周波磁場の単位時間当たりの照射時間の割合をD1、第2のパルスシーケンスにおける高周波磁場の単位時間当たりの照射時間の割合をD2、第1のパルスシーケンスの実行時間に対する第2のパルスシーケンスの実行時間の割合をAとすれば、第1のパルスシーケンスと第2のパルスシーケンスとを連結した場合における、高周波磁場の単位時間当たりの照射時間の割合は、A×D1+(1−A)×D2として一般化することができる。
【0033】
これを図1の例に当てはめてみると、D1=5t/TR、D2=t/TR、A=0.2となるので、図1に示した例のデューティーサイクルは、A×D1+(1−A)×D2=1.8t/TRと計算され、上記結果と同一である。
【0034】
次に、図1に示したパルスシーケンスの動作を、MRI装置におけるメモリ上のプログラムおよびデータの流れで説明する。図4の(A)は、FSE法のプログラムを格納するメモリ100で、そのアドレスは1からL/4である。図4の(B)は、GE法のプログラムを格納するメモリ200で、そのアドレスは1からLである。
【0035】
図4の(C)は、FSE法によって得られる信号データを格納するメモリ300で、そのアドレスは1からLである。図4の(D)は、GE法によって得られる信号データを格納するメモリ4で、そのアドレスは1からLである。なお、プログラムメモリの1アドレスには、1TRのシーケンスを実施する命令が格納されているものとし、データメモリの1アドレスには1個の信号が格納されるものとする。
【0036】
最初のTRにおいて、CPU(制御ユニット8)は、メモリ100のアドレス1のプログラム411を実行し、メモリ300のアドレス1の431からアドレス4の434に4個のエコーを格納する(ステップ1)。
【0037】
次に、CPU8はタスクを切り替え、メモリ200のアドレス1のプログラム421を実行し、メモリ400のアドレス1の441に1個のエコーを格納する(ステップ2)。
【0038】
続いて、CPU8はメモリ200のアドレス2のプログラム422を実行し、メモリ400のアドレス2の442に1個のエコーを格納する(ステップ3)。
【0039】
次に、CPU8はメモリ200のアドレス3のプログラム423を実行し、メモリ400のアドレス3の443に1個のエコーを格納する(ステップ4)。
【0040】
続いて、CPU8はメモリ200のアドレス4のプログラム424を実行し、メモリ400のアドレス4の441に1個のエコーを格納する(ステップ5)。
【0041】
以上のステップ1〜5によって、図1に示した1TR分のシーケンスが実施される。ここで、FSE法を実行し、得られたデータをメモリに格納することを第1プロセスとし、GE法を実行し、得られたデータをメモリに格納することを第2プロセスとすれば、ステップ1で第1プロセスが一回実行され、ステップ2〜5で第2プロセスが4回実行される。
【0042】
次のTRにおいてCPU8は、タスクを切り替え、メモリ100のアドレス2のプログラム412を実行し、メモリ300のアドレス5の435からアドレス8の438に4個のエコーを格納する(ステップ6)。
【0043】
続いて、CPU8はタスクを切り替え、メモリ200のアドレス5のプログラム425を実行し、メモリ400のアドレス5の445に1個のエコーを格納する(ステップ7)。
【0044】
次に、CPU8はメモリ200のアドレス6のプログラム426を実行し、メモリ400のアドレス6の446に1個のエコーを格納する(ステップ8)。
【0045】
続いて、CPU8はメモリ200のアドレス7のプログラム427を実行し、メモリ400のアドレス7の447に1個のエコーを格納する。
【0046】
そして、CPU8は、メモリ200のアドレス8のプログラム428を実行し、メモリ400のアドレス8の448に1個のエコーを格納する(ステップ10)。
【0047】
以上の動作により、第1プロセスが1回実行された後、第2プロセスが4回実行され、その後、第1プロセスが1回実行された後、第2プロセスが4回実行されることとなる。
【0048】
このようにプログラムを繰り返し、メモリ300とメモリ400にそれぞれL個のエコーが格納されると、計測は終了する。上記ステップ2、ステップ6、ステップ7のタスク切り替えにおいて、各メモリのアドレスを保存しておけば、再切り替え時にそれぞれのシーケンスプログラムの連続性およびデータ格納の連続性は維持される。つまり、中断したプロセスを再開することができる。
【0049】
さらに、パルスシーケンスの切り替えにおいて、それぞれのシーケンスにおける、照射ゲインあるいは受信ゲイン等の調整値を保存することも有効である。この場合、プリスキャンの実施によって得られる周波数、照射ゲイン、受信ゲイン等も調整値に含むことが可能である。
【0050】
なお、パルスシーケンスの繰り返しによって、励起される磁化は定常状態になっているので、タスク切り替え時において、磁化を定常状態にするためにデータを計測しないパルスシーケンスを数回実施することも有効である。また、以上の説明では2種類のパルスシーケンスを組み合わせる場合であったが、それ以上の種類のパルスシーケンスも、同様にして組み合わせることができるのは明らかである。
【0051】
この場合、制御ユニット8は、Nを2以上の整数とすると、N個のパルスシーケンスを実施するためのプログラムを格納するメモリ空間と、N個のパルスシーケンスの信号データを格納するN個のメモリ空間を備え、N個のパルスシーケンスを切り替える。
【0052】
以上、本発明の実施形態におけるパルスシーケンスの動作と、そのプログラの流れを説明したので、以下に、操作者が動作を実行するためのユーザーイターフェースについて説明する。
【0053】
図6は、本発明が適用されない場合のユーザーインターフェースの説明図である。図6において、操作者はユーザーインターフェースを用いて、実行したいパルスシーケンス61とパラメータ62とを入力する。つまり、撮影条件を入力する。
【0054】
SARは入力した撮影条件から計算することができ、SARが上限値を超過すると、画像表示区域64に警告の表示63と共にそのパルスシーケンスの実行が不可となる機構となっている。
【0055】
したがって、操作者はSARが上限値を超過しないようにパラメータを再入力する。
【0056】
図7は、本発明が適用された場合のユーザーインターフェース(操作卓9)の説明図である。この例では、上述のとおり図1に示す複数のパルスシーケンスを組み合わせることによりSARを低減する。
【0057】
このため、図7に示す例では、複数のパルスシーケンスを指定するためのユーザーインターフェースを示している。
【0058】
図7において、ユーザーインターフェースは、連結するパルスシーケンスを少なくとも2種類以上入力することができる。図1に示したように、FSE法、GE法、GE法、GE法、GE法の順序で実行するので、ボタン711に1を表示し、ボタン712にFSEを表示し、ボタン713に4を表示し、ボタン714にGEを表示する。
【0059】
ここで、ボタン711が示す1、ボタン713が示す4は、FSEを1回、GEを4回繰り返すことを意味している。また、ボタン712と、ボタン714を入力する順序が、各パルスシーケンスの実行順序を意味している。各パルスシーケンスのパラメータは図6のパラメータ62と同様に、ボタン715、716で入力する。
【0060】
ここで、ボタン715はFSE法のパラメータ、ボタン716はGE法のパラメータを意味している。ただし、デューティーサイクルは上述のとおり、1.8t/TRであり、さらに被検体の体重、高周波磁揚の強度等を考慮してSARが計算される。SARが上限値を超過すると、警告の表示72と共にそのパルスシーケンスの実行が不可となる機構となっている。
【0061】
したがって、操作者はSARが上限値を超過しないようにパラメータを再入力する。例えば、ボタン711またはボタン713が表示する繰り返し回数を変更する、ボタン715またはボタン716において繰り返し時間TRを変更する等である。
【0062】
さらに、ボタン712とボタン714において撮影したいパルスシーケンスを指定した後、SARが上限値を越えないように、ボタン711とボタン713の繰り返し回数、ボタン715とボタン716における繰り返し時間TR等を自動計算する機能を備えることも可能である。
【0063】
以上のように、本発明によれば、SARを低減するために高周波磁場波形を最適化することなく、撮影時間を延長することなく、複数のパルスシーケンスを組み合わせることによって、SARを低減させる撮影が可能となる。
【0064】
つまり、本発明によれば、撮影時間を延長することなく、多種類のパルスシーケンスを適用して病変部の検出精度を向上させると共に、簡単な構成でSARを低減することが可能な磁気共鳴イメージング装置を実現することができる。
【0065】
なお、上述した例では、FSE法とGE法とを組み合わせた例であるが、FSE法とGE法とSE法を組み合わせた例や、FSE法とSE法とを組み合わせた例等にも本発明は適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】本発明の一実施形態におけるパルスシーケンスを説明する図である。
【図2】FSE法単独で実施するパルスシーケンスの説明図である。
【図3】GE法単独で実施するパルスシーケンスの説明図である。
【図4】本発明の一実施形態を適用するためのMRI装置におけるメモリを説明する図である。
【図5】本発明が適用されるMRI装置の概略構成図である。
【図6】本発明が適用されない場合のユーザーインターフェースの説明図である。
【図7】本発明が適用された場合のユーザーインターフェースの説明図である。
【符号の説明】
【0067】
1・・・超伝導コイル、2・・・傾斜磁場発生コイル、3・・・高周波磁場発生コイル、4・・・受信コイル、5・・・傾斜磁場電源、6・・・高周波磁場電源、7・・・寝台、8・・・制御ユニット、9・・・操作卓、100、200、300、400・・・メモリ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
静磁場発生手段と、傾斜磁場発生手段と、被検体に磁気共鳴を誘起する高周波磁場発生手段と、被検体からの磁気共鳴信号を受信する受信手段と、上記静磁場発生手段、上記傾斜磁場発生手段、上記高周波磁場発生手段及び上記受信手段の動作を制御する制御手段とを有する磁気共鳴イメージング装置において、
上記制御手段は、所定のデューティーサイクルを有する第1のパルスシーケンスと、この第1のパルスシーケンスよりデューティーサイクルが少ない第の2パルスシーケンスとを組み合わせ、上記第1のパルスシーケンスと上記第2のパルスシーケンスとをそれぞれ少なくとも1回実行することを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
【請求項2】
請求項1に記載の磁気共鳴イメージング装置において、上記制御手段は、上記第1のパルスシーケンスを実施するためのプログラムデータを格納するメモリ空間と、上記第2のパルスシーケンスを実施するためのプログラムデータを格納するメモリ空間と、第1のパルスシーケンスを実施して得られる信号データを格納するメモリ空間と、第2のパルスシーケンスを実施して得られる信号データを格納するメモリ空間とを有し、第1のパルスシーケンスを実施し、第1のパルスシーケンスを実施して得られる信号データをメモリ空間に格納する第1のプロセスと、第2のパルスシーケンスを実施し、第2のパルスシーケンスを実施して得られる信号データをメモリ空間に格納する第2のプロセスとは、互いに異なる時間に実行することを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
【請求項3】
請求項1記載の磁気共鳴イメージング装置において、上記第1のパルスシーケンスは、ファーストスピンエコー法によるパルスシーケンスであり、上記第2のパルスシーケンスは、グラディエントエコー法又はスピンエコー法によるパルスシーケンスであることを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
【請求項4】
請求項2に記載の磁気共鳴イメージング装置において、実行中の一方のプロセスを休止中の他方のプロセスに切り替える場合に、パルスシーケンスのプログラムを格納するメモリのアドレスと、データを格納するメモリのアドレスを含む、プロセスの切り替え時刻における上記制御手段の内部状態を保存し、再度同一のプロセスに切り替える場合に、上記制御手段の内部状態を呼び出すことにより、中断したプロセスを再開することを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
【請求項5】
請求項2に記載の磁気共鳴イメージング装置において、上記プロセスを切り替える場合に保存する情報は、プリスキャンの実施によって得られる周波数、照射ゲイン、受信ゲインを含むシーケンスの調整値を含むことを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
【請求項6】
請求項2に記載の磁気共鳴イメージング装置において、上記制御手段は、上記プロセスを切り替えた直後に、パルスシーケンスは実行しても計測データをメモリに格納しない動作を複数回実施することを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
【請求項7】
請求項2に記載の磁気共鳴イメージング装置において、上記制御手段は、Nを2以上の整数とすると、N個のパルスシーケンスを実施するためのプログラムを格納するメモリ空間と、N個のパルスシーケンスの信号データを格納するN個のメモリ空間を備え、N個のパルスシーケンスを切り替えることを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−34341(P2009−34341A)
【公開日】平成21年2月19日(2009.2.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−201256(P2007−201256)
【出願日】平成19年8月1日(2007.8.1)
【出願人】(000153498)株式会社日立メディコ (1,613)
【Fターム(参考)】