説明

磁気共鳴スペクトロスコピー

分極磁界内に含まれる関心対象103からMR分光データを取得するための磁石システム102を有する磁気共鳴イメージング(MRI)システム101が、記述されている。MRIシステム101は、分極磁界を生成するための複数の磁極面を有する。複数の磁極面104は、例えば人間患者、ダミー又はイメージングファントムのような関心対象103が導き入れられうるギャップを与える。ギャップは、一般に、磁石102の磁極面104の間で介入プロシージャが実施されることを可能にするに十分に大きい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、分極磁界内に含まれる関心対象からMR分光データを取得するための磁石システムを有する磁気共鳴(MR)イメージングシステムに関する。
【0002】
本発明は、更に、分極磁界を生成するステップと、分極磁界内に含まれる関心対象からMR分光データを取得するステップと、を含む、MR分光データを取得する方法に関する。
【0003】
本発明は、更に、処理ユニット及びメモリを有するコンピュータ装置によってロードされるコンピュータプログラム製品であって、MRIシステムからMR分光データを取得するための命令であって、ロードされたのち、MRIシステムが前記方法を実施することを可能にする命令を含むコンピュータプログラム製品に関する。
【背景技術】
【0004】
磁石システムは、それぞれ「筒形」及び「オープン」システムとも呼ばれる「ボア」タイプ及び「ギャップ」タイプのシステムに広く分類されることができる。ボアタイプのシステムにおいて、ソレノイド磁石は、それ自体の縦軸及びシステムの柱形ボアの一般の縦軸に沿って、分極磁界Bを生成する。ギャップタイプのシステムにおいて、B磁界は、磁極面の対の間のオープンな領域に生成される。いずれのケースにおいても、B磁界の方向は、一般に、z軸と示される。分極磁界Bは、磁界内に配される対象(オブジェクト)の核磁気スピン系を分極する。MR信号を生成するために、分極されたスピン系は、まず、z軸と直角をなす、MR励起信号又はラジオ周波数(RF)磁界Bを印加することによって、励起される。RF励起パルスは、z軸とのアライメントから外れるように磁化を傾け、その巨視的な磁気モーメントベクトルがz軸の周りを歳差運動するようにする。歳差運動する磁気モーメントは、次に、z軸に垂直に配されたピックアップ又は受信器コイルにおいて、RF MR信号を生成する。
【0005】
MR画像を生成するために、勾配パルスが、一般に、3つの空間次元に沿ってスピンを局所化するようにx、y及びz軸方向に沿って印加され、MR信号が、1又は複数の読み出し勾配パルスの存在下において取得される。対象の関心領域における特定の核の空間分布を示す画像が、知られている後処理技法を使用して生成される。概して、水素核(H)がイメージングされるが、他のMR検出可能な核が、画像を生成するために使用されることもできる。
【0006】
MRスペクトロスコピーの場合、MR信号は、読み出し勾配パルスがない状態で取得されるが、他の勾配パルスが、信号取得の前にスピンを準備するために使用されることができる。取得されるMR信号は、処理され、通常、それぞれ異なるMR検出可能な核の共鳴周波数の相違に基づく情報を含むスペクトルの形で表示される。実際に、僅かに異なる共鳴周波数で共鳴する単一の種又は元素のMR検出可能な核からのそれぞれ異なる信号が、スペクトルを生成するために取得される。共鳴周波数のわずかな相違は、異なる化学的環境に存在する核から生じる。この周波数差は、数百万Hzのレートで歳差運動するMR信号と比較して数ヘルツ(Hz)のオーダーであるので、ppm(parts per million、百万分率)の単位で測定される。
【0007】
数ppm間隔で生じるさまざまなMR信号を詳細に描くことを可能にするために、MR分光システムは、より高い磁界強度から利益を得る。このようなシステムは、更に、B磁界の均一性に一層厳しい要求を課す。ボアタイプの磁石は、概して、ギャップタイプのシステムと比較して、より高い電界強度及びより良い磁界均一性を有する。それゆえ、MRスペクトロスコピーのギャップタイプのシステムの使用に対する従来技術の偏見がある。加えて、MRスペクトロスコピーのために1.5Tより低い分極磁界強度を有するMRイメージングシステムを使用することに対する偏見もある。
【0008】
MRスペクトロスコピーのギャップタイプの磁石システム並びに低磁界及び中間磁界MRIシステムの使用に対する偏見は、雑誌「Search」(Issue No. 47, Spring 2001)掲載のMelissa Minkinによる「Open vs. Closed MRI: Options for Brain Tumor Patients」というタイトルの論文に見つけられることができ、上記論文は、「...オープンMRIは、なお、機能的MRI検査のような進歩した技術を実施する能力に欠けている」と述べている。次の段落は、「磁気共鳴スペクトロスコピー(MR)は、高磁界システムに限定される別の技法である」と続けて述べている。
【0009】
偏見の付加の証拠は、Susil RC、Menard C他による刊行物「Transrectal Prostate Biopsy and Fiducial Marker Placementin a Standard 1.5T MRI Scanner」(Journal of Radiology 2004 (in review))に見つけられ、上記刊行物は、「従来の作業は、低磁界強度(例えば0.2又は0.5T)のオープンスキャナ構造(6−8)において実施されていた」と述べている。これらのシステムは、患者への一層容易なアクセスを提供するが、最高品質のMR画像を生成せず、機能的分光イメージングのための制限された可能性を有し、利用可能性の広さは狭い。
【0010】
2001年6月開催のNHS Scotland Property & Environment Forumによる磁気共鳴イメージングに関するScottish Health Guidance Noteは、「高磁界MRIシステムは、細胞代謝に関するインビボの生化学的情報を提供する磁気共鳴スペクトロスコピーを実施することもできる」と記載している。文書の後半のポイントにおいて、「高磁界」は「1.5T又はそれ以上」と規定されている。
【0011】
1.5T又はそれ以上と明らかに規定されるMRスペクトロスコピーのための高磁界強度の要求に関する偏見についての更なる証拠は、欧州特許出願公開第085240A1号明細書に開示されている。
【0012】
欧州特許出願公開第085240A1号明細書は、大きい透明な材料セクション及び低い主磁界の強さを有する主磁界磁石の実施例を記述しており、その中で、主磁界磁石は、高い磁界を生成することができる小型磁石と組み合わせられている。小型磁石は、大型磁石の外側の非作動位置と大型磁石内の作動位置との間で移動されることができるように、その小型磁石を可動にする手段を有する。主磁界磁石は、介入MRイメージングのために使用され、小型磁石は、MRスペクトロスコピーのために使用される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
従来技術の問題は、MRスペクトロスコピーの能力をもつ小型磁石が、磁石内で実施されるべき介入プロシージャを容易にするほど十分に大きくないことである。
【0014】
従って、本発明の目的は、MRスペクトロスコピーを可能にするとともに、介入プロシージャがMRIシステム内で実施されることを可能にするMRIシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
この目的は、MRIシステムが、分極磁界を生成するための複数の磁極面を有する、冒頭の段落に説明したMRIシステムによって達成される。複数の磁極面は、例えば人間の患者又はダミー又はイメージングファントムのような関心対象が導き入れられることができるギャップ(間隙)を提供する。ギャップは、一般に、磁石の磁極面間において介入プロシージャが実施されることを許すに十分大きい。
【0016】
本発明のこれら及び他の見地は、従属請求項に規定される以下の好適な実施例に基づいて更に詳しく述べられる。
【0017】
MRスペクトロスコピーのための磁界均質性要求は、MRIのものと比較して、より厳しいので、MRIシステムの好適な一実施例は、MR分光データを取得するための領域を示すインジケータを有する。この領域は、以下、分光ボリュームと呼ばれる。インジケータは、例えば、一組のレーザビームのような光学的手段又は患者テーブル上の物理的マーカのような機械的手段でありうる。
【0018】
別の好適な実施例は、分光ボリューム内に、例えば患者身体、イメージングファントム、動物又はダミーの選択された一部のような関心対象を位置付けるために、磁石システム内に配されるポジショナを有する。ポジショナは、好適には、関心対象を動かないようにする抑制装置である。代替例として、ポジショナは、分光ボリューム内に関心対象を保持しながら、例えば頸部、膝、肘又は身体の他の一部である関心対象の運動又はその周りの運動を可能にする装置であってもよい。代替例として、ポジショナは、関心対象の荷重又は応力観察を可能にする抵抗デバイスであってもよい。
【0019】
本発明の他の目的は、介入プロシージャがMRIシステム内で実施されることを可能にするMRIシステムから、MR分光データを取得する方法を提供することである。
【0020】
この目的は、分極磁界がMRIシステムの複数の磁極面間に生成される、冒頭の段落に記述される方法によって達成される。
【0021】
方法の他の実施例は、従属請求項5及び6に規定される。
【0022】
本発明の他の目的は、MRIシステムにおいて介入プロシージャが実施されることを可能にするMRIシステムから、MR分光データを取得するための命令を含む、コンピュータ装置によってロードされるコンピュータプログラム製品を提供することである。
【0023】
この目的は、分極磁界が、MRIシステムの複数の磁極面間に生成される、冒頭の段落に記述されるコンピュータプログラム製品によって達成される。
【0024】
本発明のこれら及び他の見地は、添付の図面を参照して、以下の実施例に基づいて、例示によって以下に詳しく記述される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
さまざまな図において使用される対応する参照数字は、これらの図の対応する構造を表すことに留意すべきである。
【0026】
図1は、本発明による機構のブロック図である。図1は、磁石102を有する、オープンMRIシステムとも呼ばれるギャップタイプのMRIシステム101を示している。磁石102は、好適には、関心対象103が導き入れられる磁極面間の空隙を有する2つの磁極面104を有する。MRIシステムは、勾配ドライバユニット115に接続される複数の勾配コイル114を有する。MRIシステム101は、更に、RFコイルドライバユニット116に接続される送受信RFコイル113を有する。制御ユニット117は、再構成ユニット118、表示ユニット119、勾配ドライバユニット115及びRFコイルドライバユニット116の動作を制御する。
【0027】
磁極面104は、例えば1.0Tの静磁界強度を空隙中に生成する。人間、動物又はイメージングファントムのような関心対象103が、空隙中に配置される。MRイメージングを可能にするために、静磁界に重ねられる時間可変の磁界勾配が、勾配ドライバユニット115によって供給される電流に応じて、複数の勾配システム114によって生成される。制御ユニット117は、勾配コイルを流れる電流の特性、特に電流の強度、持続時間及び方向を制御する。RFコイル113は、関心対象103にRF励起パルスを生成し、RF励起パルスに応じて関心対象103によって生成されるMR信号を受け取る。MRスペクトロスコピーの場合、自由誘導減衰(FID)信号が、一般にRFコイル113によって受け取られ、MRイメージングの場合、勾配によって呼び起こされるエコー又はスピンエコーが、一般に受け取られる。RFコイルドライバユニット116は、RF励起パルスを送信するためにRFコイル113に電流を供給し、RFコイル113によって受け取られるMR信号を増幅する。送信されるRF励起パルスの特性、特にそれらの強度及び持続時間は、制御ユニット117によって制御される。送信及び受信コイルは、本実施例において1つのユニットとして示されているが、送信及び受信のための別個のコイルを有することも可能であることに留意すべきである。送信、受信又はそれらの両方のための複数のRFコイル113を有することもまた可能である。RFコイル113は、磁石102に一体化されてもよく、又は別個の表面コイルであってもよい。受信された信号は、再構成ユニット118によって再構成され、表示ユニット119上に表示される。FID信号は、一般に、再構成ユニット118によって1次元フーリエ変換され、スペクトルとして表示され、エコーは、2次元フーリエ変換され、2次元画像として表示される。
【0028】
ギャップタイプのシステムの利点は、ある人が例えば患者である関心対象の近くにいることができ、データ取得中に患者に安心感を与えることができるという事実により、患者の快適さを高めることである。これは、小児科の患者を調べる間、特に有利である。
【0029】
図2は、インジケータが、分光ボリュームの境界を示すために提供される、本発明の有利な実施例を示している。インジケータは、例えば、複数のレーザビームを含む光学システム206でありうる。代替例として、インジケータは、例えば患者テーブルでありうる移送システム208上の機械的なマーカ又はマーキング207でありうる。インジケータ206、207は、更に、例えば2つの磁石102を接続する一般的なCアーム(図示せず)のような、MRIシステムの他の部分上に位置付けられてもよい。代替例として、インジケータは、MRIシステムに着脱可能に取り付けられることができる別個のユニットの一部でありうる。例えばx−y面内の境界を示すように配される1つのインジケータ及びx−z面内の境界を示すように配される第2のインジケータを含む、複数のインジケータを3次元空間に適切に分布させることによって、3つの空間次元のすべてにおいて分光ボリュームの境界を画定することが可能である。
【0030】
MRスペクトロスコピーは、MRイメージングと比較して、より均質な磁界を必要とすることが知られている。例えば、MRイメージングは、一般に約50cmのボリュームにおいて、ピークツーピークの約10ppmの均質性を有する磁界を必要とする。MRスペクトロスコピーは、より小さいボリュームにあってもよいが、一般に、ピークツーピークの1ppmより小さい均質性を必要とする。スペクトロスコピー又はイメージングのための最適な均質性のこのボリュームは、その特定のアプリケーションに関して「スイートスポット」と呼ばれる。磁界均質性は、人がスイートスポットから離れるときに低下することが知られている。インジケータ206、207は、こうして、分光ボリュームの範囲、すなわちスペクトロスコピーの場合の「スイートスポット」を示す。このようなインジケータは、オペレータが、例えばデータ取得の開始前に、関心領域が分光ボリューム内に含まれていることを確認するために有用でありうる。
【0031】
インジケータ206、207は更に、移動可能であり、MRIシステム101にそれらの現在位置のフィードバックを提供し、それゆえ、システムソフトウェアは、関心対象103の関心領域が分光ボリュームを越えて延在する場合に、オペレータに警告することができる。オペレータは、利用可能なランドマーキング又は参照設備を使用して、磁石102内に関心領域を位置付けるとき、光学的、機械的又は他のインジケータ206、207が、MR分光データが取得されるべき関心領域の範囲に移動されることができる。インジケータ206、207によって指定される所望の関心領域の範囲が、分光ボリュームの外側にある場合、システムソフトウェアは、関心領域を調整するようオペレータに警告することができる。代替例として、ソフトウェアは、MR分光データが領域から取得される前に、分光ボリュームを越えて延在する領域が、分光ボリューム内に自動的に入れられるようなやり方で、患者テーブル208を制御することができる。
【0032】
図3は、ポジショナ309が、この事例では膝310である関心対象の少なくとも一部を分光ボリューム内に位置付けるために使用される、本発明の他の有利な実施例を示している。このようなポジショナ309は、関心領域を動かないようにし、分光ボリューム内に関心領域を拘束するストラップの組でありうる。代替例として、ポジショナ309は、分光ボリューム内に関心領域を拘束しながら、関心領域の運動を可能にする装置でありうる。例えば、ポジショナは、腕、脚、肩、股関節部等の曲げのような四肢の動きを許し、それぞれ異なる位置においてそれらをイメージングすることを可能にする。更に、ポジショナは、被検体が、磁石内に位置付けられたままで、さまざまな運動を実施することを可能にする。さまざまな代謝物に関する前記運動の効果を調べるために、運動の間と後に、MR分光データが収集される。
【0033】
図4は、複数のポジショナ409、411が、複数の関心領域410、412を拘束するために使用される、他の有利な実施例を示している。MRIシステムは、さまざまな関心領域410、412からMR分光データを自動的に収集するようにプログラムされることができる。例えば、2つのポジショナ409、411が、患者の2つの膝410、412を位置付けるために使用される場合、MRIシステムは、まず片膝410からMR分光データを収集し、そののち、第2のポジショナ411(及びそれゆえ第2の膝412)が分光ボリューム内に入るまで、患者テーブルをシフトし、次いで、第2の膝412からMR分光データを収集するようにプログラムされることができる。患者テーブルが、通常のMRIシステムにおいて可能である軸方向の移動に加えて又それと組み合わせられて、左右方向に移動されうることが、ギャップタイプの磁石システムの利点である。それゆえ、特に人間の患者の2つの膝又は2つの肩のような左右方向に隔てられた関心領域を検査しながら、ギャップタイプの磁石システム上の介入プロシージャと組み合わせられたMR分光検査を行うことが有利である。
【0034】
図5は、本発明の方法の有利な実施例を示しており、その方法は、MRIシステムの複数の磁極面間で分極磁界を生成するステップ521と、分極磁界内に関心対象を位置付けるステップ522と、分光ボリュームに含まれるように関心領域の位置を調整するステップ523と、関心領域が分光ボリューム内に含まれているかどうか確認するステップ524と、関心領域からMR分光データを取得するステップ525と、を含む。ステップ523及び524は、必要であれば、関心領域が分光ボリュームに含まれるまで繰り返される。
【0035】
図6は、複数の関心領域から分光データを収集するための本発明の方法の有利な実施例を示しており、その方法は、MRIシステムの複数の磁極面間に分極磁界を生成するステップ621と、複数のポジショナに、関心対象の複数の関心領域を置くステップ622と、分極磁界内に、関心領域を含むポジショナを位置付けるステップ623と、関心領域が分光ボリューム内に含まれるように、関心領域を含むポジショナの位置を調整するステップ624と、関心領域が分光ボリュームに含まれているかどうか確認するステップ625と、関心領域からMR分光データを取得するステップ626と、を含む。方法は、走査されるべき付加の関心領域があるかどうか確認するステップ627に続く。付加の関心領域が走査される必要があると決定される場合、ステップ624及び625は、以降の関心領域を含む以降のポジショナが分光ボリュームに含まれるまで、繰り返される。次の関心領域から分光データを取得するステップ626が、繰り返される。ステップ627の結果が、もはや走査されるべき関心領域がないことを示すとき、方法は終了される。
【0036】
図7は、コンピュータ処理ユニット720及びメモリユニット721を有するコンピュータ装置によってロードされるコンピュータプログラム製品の実施例を示している。コンピュータ処理ユニット720は、MRIシステム101が、MRIシステム101の複数の磁極面104間に分極磁界を生成し、分極磁界に重ねられる時間可変の勾配磁界を生成し、分極磁界に含まれる関心対象103にRF励起パルスを生成し、分極磁界に含まれる関心対象103からMR分光又はMRイメージングデータを取得し、再構成ユニット118において、取得されたMR分光又はMRイメージングデータを再構成し、表示ユニット119に再構成されたデータを表示することを可能にするための命令を生成し、制御ユニット117に入力する。
【0037】
本発明の方法の記述された実施例の順序は強制的ではない。当業者は、本発明によって意図される概念から逸脱することなくスレッディングモデル、マルチプロセッサシステム又は複数のプロセスを使用して、ステップの順序を変更することができ又は並行してステップを実施することができる。
【0038】
上述の実施例は、本発明を制限するものではなく説明するものであり、当業者は、添付の請求項の範囲から逸脱することなく、多くの代替実施例を設計することができることに留意すべきである。請求項において、括弧内に置かれるいかなる参照符号も、請求項を制限するものとして解釈されるべきではない。「有する、含む」なる語の使用は、請求項に挙げられるもの以外の構成要素又はステップの存在を除外しない。構成要素に先行する不定冠詞の使用は、このような構成要素の複数の存在を除外しない。本発明は、いくつかの別個の構成要素を有するハードウェアによって、及び適切にプログラムされたコンピュータによって実現されることができる。いくつかの手段を列挙するシステムの請求項において、これらの手段のいくつかは、同じ1つのコンピュータ可読ソフトウェア又はハードウェアアイテムによって具体化されることができる。特定の手段が相互に異なる従属請求項に列挙されているという単なる事実は、これらの手段の組み合わせが有利に使用されることができないことを示さない。
【0039】
本願において用いられる「MRIシステム」なる語は、MRイメージングシステムに制限されず、一般にMRシステムをカバーすることに留意すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】ギャップタイプのMRIシステムが、MRIシステムに含まれる関心対象からMR分光データを取得するように配される、本発明による機構のブロック図。
【図2】それぞれ異なるインジケータが、MRIシステムに含まれる分光ボリュームの境界を示す、本発明の好適な実施例を概略的に示す図。
【図3】ポジショナが、MRIシステムに含まれる分光ボリューム内に関心対象の少なくとも一部を位置付けるために使用される、本発明の好適な実施例を概略的に示す図。
【図4】複数のポジショナが、MRIシステムに含まれる分光ボリューム内に複数の関心対象を位置付けるために使用される、本発明の好適な実施例を概略的に示す図。
【図5】ギャップタイプのMRIシステムの分極磁界に含まれる関心対象から、MR分光データを取得する方法の好適な実施例を概略的に示す図。
【図6】ギャップタイプのMRIシステムの分極磁界に含まれる関心対象の複数の関心領域から、MR分光データを取得する方法の好適な実施例を概略的に示す図。
【図7】本発明によるコンピュータプログラム製品の好適な実施例を概略的に示す図。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
分極磁界内に含まれる関心対象から磁気共鳴分光データを取得するための磁石システムを有する磁気共鳴イメージングシステムであって、前記分極磁界を生成するための複数の磁極面を有する磁気共鳴イメージングシステム。
【請求項2】
前記磁気共鳴分光データを取得する領域を示すインジケータを更に有し、前記領域が、前記分極磁界内に含まれる、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記磁気共鳴分光データを取得する前記領域内に、前記関心対象の少なくとも一部を位置付けるポジショナを更に有する、請求項1又は請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
磁気共鳴分光データを取得する方法であって、
分極磁界を生成するステップと、
前記分極磁界内に含まれる関心対象から磁気共鳴分光データを取得するステップと、
を含み、前記分極磁界は、磁気共鳴イメージングシステムの複数の磁極面の間に生成される、方法。
【請求項5】
前記磁気共鳴分光データを取得する領域を示すステップを更に含み、前記領域は、前記分極磁界内に含まれる、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記磁気共鳴分光データを取得する前記領域内に、前記関心対象の少なくとも一部を位置付けるステップを更に含む、請求項4又は請求項5に記載の方法。
【請求項7】
処理ユニット及びメモリを有するコンピュータ装置によってロードされるコンピュータプログラムであって、
磁気共鳴イメージングシステムから磁気共鳴分光データを取得するための命令であって、ロードされたのち、前記磁気共鳴イメージングシステムが、分極磁界を生成する処理と、前記分極磁界内に含まれる関心対象から磁気共鳴分光データを取得する処理と、を実行することを可能にする命令を含み、
前記分極磁界は、前記磁気共鳴イメージングシステムの複数の磁極面の間に生成される、コンピュータプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2009−501601(P2009−501601A)
【公表日】平成21年1月22日(2009.1.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−522153(P2008−522153)
【出願日】平成18年7月19日(2006.7.19)
【国際出願番号】PCT/IB2006/052468
【国際公開番号】WO2007/010488
【国際公開日】平成19年1月25日(2007.1.25)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】