磁気共鳴映像装置
【課題】被検者に呼吸レベルの調整を適切に行わせるのに有益な情報を知らせる。
【解決手段】主制御部10gの制御の下での各部の動作により被検者200の呼吸レベルを検出するためのモニタ用NMR信号および表示用NMR信号と被検体の体内の画像を得るための再構成用NMR信号とを取得する。主制御部10gは、取得されたモニタ用NMR信号および表示用NMR信号のぞれぞれに基づいて被検者200の呼吸レベルを第1および第2の呼吸レベルとして検出する。主制御部10gは、第1の呼吸レベルが許容範囲内であるときに再構成用NMR信号を得るように上記の取得を制御する。主制御部10gは、第2の呼吸レベルの変化を表した表示画像を生成する。表示システム12は、表示画像を被検者200に対して表示する。
【解決手段】主制御部10gの制御の下での各部の動作により被検者200の呼吸レベルを検出するためのモニタ用NMR信号および表示用NMR信号と被検体の体内の画像を得るための再構成用NMR信号とを取得する。主制御部10gは、取得されたモニタ用NMR信号および表示用NMR信号のぞれぞれに基づいて被検者200の呼吸レベルを第1および第2の呼吸レベルとして検出する。主制御部10gは、第1の呼吸レベルが許容範囲内であるときに再構成用NMR信号を得るように上記の取得を制御する。主制御部10gは、第2の呼吸レベルの変化を表した表示画像を生成する。表示システム12は、表示画像を被検者200に対して表示する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被検者の体内から放射される磁気共鳴信号に基づいて前記被検者の体内の画像を得る磁気共鳴映像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
磁気共鳴映像(MRI)法で冠動脈を撮像するためには、3次元(3D)のSSFP(steady state free precession)シーケンスを用いて、息止め、もしくは自然呼吸下で撮像する方法が用いられる。特に心臓全体の冠動脈走行を画像化するWH MRCA(whole heart MR coronary angiography)の場合には、息止めでは空間分解能が不十分なことがある。これの対策としては、自然呼吸下で、例えば横隔膜の位置をNMR(nuclear magnetic resonance)信号に基づいて検出することによって呼吸レベルをモニタしながら、その呼吸レベルに合わせて撮像する位置を変えながら撮像するRMC(realtime motion correction)法が用いられる。
【0003】
ただし、撮像する位置の可変量には限りがあるために、呼吸による動きの範囲に対して一定の閾値を設けて、その閾値より動きが大きくなっているときには撮像のためのNMR信号の収集を休止するという方法が用いられる。すなわち例えば、図11に示すような領域Rについて収集したNMR信号を1次元フーリエ変換して得られる信号からは、体軸方向に関しての横隔膜の位置が検出できる。体軸方向に関する横隔膜の位置は呼吸に応じて周期的に上下するから、周期的に検出される横隔膜の位置を時系列にプロットすることによって、呼吸動に同期した図12に示すようなモニタ信号を得ることができる。このモニタ信号のピークが図12に示すように上限閾値USLと下限閾値LSLとの間の許容範囲外にあるときには撮像しないか、もしくは収集したデータを用いないようにし、許容範囲内にあるときにはデータ収集を行う。
【0004】
図14は以上のような撮像法に係るシーケンスの一例を示す図である。
【0005】
上記の撮像法は、通常は心電同期を伴って実施される。そしてR波から一定の遅延時間が経過したのちに、呼吸レベルを把握するための位置情報を得るためのNMR信号としてMPP(motion probing pulse)を収集する。そしてこの直後に、撮影のためのデータ収集が行われる。
【0006】
この様にすることで、自然呼吸下でもかなりの高分解能の3D画像が良好に得られる。
【0007】
しかしながら、呼吸レベルが一定でなく次第に下がったり、あるいは次第に上がったりし、NMR信号を1次元フーリエ変換して得られる信号における横隔膜の位置に相当する部分が例えば図13に示すように許容範囲から外れてしまうと、撮像時間が長くなったり、最悪のケースでは検査を終了できなくなるおそれがあった。
【0008】
そこで本出願人は、上記のようにモニタされている呼吸レベルを被検者に知らせることにより、被検者が呼吸レベルを容易に許容範囲に合わせられるように支援する技術を特願2007−122737として提案している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2000−041970号公報
【特許文献2】特開2000−157507号公報
【特許文献3】特開2004−057226号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、位置情報を得るためのNMR信号の収集は、上述のように1心拍につき1回しか行われていない。つまり呼吸レベルのモニタは、図15に示すように1回の呼吸について1,2回程度しか行われておらず、モニタされた呼吸レベルのみを被検者に知らせても、被検者は呼吸の変化を認識することができない。つまり、上述のような周期で取得された情報の更新速度は、呼吸レベルを制御するための情報の更新速度としては遅すぎる。言い換えれば、呼吸レベル制御におけるフィードバック時定数が長くなっている。
【0011】
このような事情から、上記のようにモニタされた呼吸レベルに基づいての被検者による呼吸レベルの調整は、自動制御におけるフィードバック時定数が長い場合と類似して考えられ、過小制御や過大制御が起こり得る。
【0012】
本発明はこのような事情を考慮してなされたものであり、その目的とするところは、被検者が呼吸レベルの調整を適切に行うことを可能とする有益な情報を知らせることが可能な磁気共鳴映像装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の一態様による磁気共鳴映像装置は、被検者の体内から放射される磁気共鳴信号に基づいて前記被検者の体内の画像を得る磁気共鳴映像装置において、前記被検者の呼吸レベルを検出するためのモニタ用磁気共鳴信号および表示用磁気共鳴信号と前記画像を得るための再構成用磁気共鳴信号のそれぞれとしてそれぞれ異なるタイミングで前記磁気共鳴信号を取得する取得手段と、前記取得手段により取得された前記モニタ用磁気共鳴信号と前記表示用磁気共鳴信号とのそれぞれに基づいて前記被検者についての第1および第2の呼吸レベルを検出する検出手段と、前記検出手段により検出された前記第1の呼吸レベルが許容範囲内であるときに前記再構成用磁気共鳴信号を取得するように前記取得手段を制御する手段と、前記検出手段により検出された前記第2の呼吸レベルの変化を表した表示画像を生成する生成手段と、前記表示画像を前記被検者に対して表示する表示手段とを備える。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、被検者が呼吸レベルの調整を適切に行うことを可能とする有益な情報を知らせることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の第1乃至第3の実施形態に係る磁気共鳴映像装置100の構成を示す図。
【図2】第1の実施形態における第1の画像の一例を示す図。
【図3】第1の実施形態における第2の画像の一例を示す図。
【図4】第1の実施形態における第1の呼吸レベルの第2の呼吸レベルに対する遅れを示す図。
【図5】第1の実施形態における第1の呼吸レベルが新たに検出される直前の表示画像の一例を示す図。
【図6】第1の実施形態における第1の呼吸レベルが新たに検出された直後の表示画像の一例を示す図。
【図7】第2の実施形態におけるWH MRCAを行う場合のシーケンスを示す図。
【図8】第2の実施形態における表示画像の一例を示す図。
【図9】第3の実施形態における呼吸レベルの検出状態の一例を示す図。
【図10】図9中の各時点で生成される表示画像の一例を示す図。
【図11】呼吸レベルを検出するためのNMR信号を収集する領域を示す図。
【図12】モニタ信号の一例を示す図。
【図13】モニタ信号のピークが許容範囲外へとずれていく様子の一例を示す図。
【図14】WH MRCAの基本的なシーケンスを示す図。
【図15】実際の呼吸レベルの変化とモニタされた呼吸レベルとの関係を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照して本発明の第1乃至第3の実施形態について説明する。
【0017】
図1は第1乃至第3の実施形態に係る磁気共鳴映像装置(MRI装置)100の構成を示す図である。このMRI装置100は、静磁場磁石1、傾斜磁場コイルユニット2、傾斜磁場電源3、寝台4、寝台制御部5、送信RFコイル6、送信部7、受信RFコイル8、受信部9、計算機システム10、映像伝送システム11、表示システム12および呼吸同期センサ13を具備する。
【0018】
静磁場磁石1は、中空の円筒形をなし、内部の空間に一様な静磁場を発生する。この静磁場磁石1としては、例えば永久磁石または超伝導磁石等が使用される。
【0019】
傾斜磁場コイルユニット2は、中空の円筒形をなし、静磁場磁石1の内側に配置される。傾斜磁場コイルユニット2は、互いに直交するX,Y,Zの各軸に対応する3種類のコイルが組み合わされている。傾斜磁場コイルユニット2は、上記の3種類のコイルが傾斜磁場電源3から個別に電流供給を受けて、磁場強度がX,Y,Zの各軸に沿って変化する傾斜磁場を発生する。なお、Z軸方向は、例えば静磁場と同方向とする。X,Y,Z各軸の傾斜磁場は、例えば、スライス選択用傾斜磁場Gs、位相エンコード用傾斜磁場Geおよびリードアウト用傾斜磁場Grにそれぞれ任意に使用される。スライス選択用傾斜磁場Gsは、任意にイメージング断面を決めるために利用される。位相エンコード用傾斜磁場Geは、空間的位置に応じてNMR信号の位相を変化させるために利用される。リードアウト用傾斜磁場Grは、空間的位置に応じてNMR信号の周波数を変化させるために利用される。
【0020】
被検者200は、寝台4の天板4aに載置された状態で傾斜磁場コイルユニット2の空洞内に挿入される。寝台4が有する天板4aは寝台制御部5により駆動され、その長手方向および上下方向に移動する。通常、この長手方向が静磁場磁石1の中心軸と平行になるように寝台4が設置される。
【0021】
送信RFコイル6は、傾斜磁場コイルユニット2の内側に配置される。送信RFコイル6は、送信部7から高周波パルスの供給を受けて、高周波磁場を発生する。
【0022】
送信部7は、ラーモア周波数に対応する高周波パルスを送信RFコイル6に送信する。
【0023】
受信RFコイル8は、傾斜磁場コイルユニット2の内側に配置される。受信RFコイル8は、上記の高周波磁場の影響により被検体から放射されるNMR信号を受信する。受信RFコイル8からの出力信号は、受信部9に入力される。
【0024】
受信部9は、受信RFコイル8からの出力信号に基づいてNMR信号データを生成する。
【0025】
計算機システム10は、インタフェース部10a、データ収集部10b、再構成部10c、記憶部10d、表示部10e、入力部10fおよび主制御部10gを有している。
【0026】
インタフェース部10aには、傾斜磁場電源3、寝台制御部5、送信部7、受信RFコイル8、受信部9および呼吸同期センサ13等が接続される。インタフェース部10aは、これらの接続された各部と計算機システム10との間で授受される信号の入出力を行う。
【0027】
データ収集部10bは、受信部9から出力されるデジタル信号をインタフェース部10aを介して収集する。データ収集部10bは、収集したデジタル信号、すなわちNMR信号データを、記憶部10dに格納する。
【0028】
再構成部10cは、記憶部10dに記憶されたNMR信号データに対して、後処理、すなわちフーリエ変換等の再構成を実行し、被検者200内の所望核スピンのスペクトラムデータあるいは画像データを求める。
【0029】
記憶部10dは、NMR信号データと、スペクトラムデータあるいは画像データとを、患者毎に記憶する。
【0030】
表示部10eは、スペクトラムデータあるいは画像データ等の各種の情報を主制御部10gの制御の下に表示する。表示部10eとしては、液晶表示器などの表示デバイスを利用可能である。
【0031】
入力部10fは、オペレータからの各種指令や情報入力を受け付ける。入力部10fとしては、マウスやトラックボールなどのポインティングデバイス、モード切替スイッチ等の選択デバイス、あるいはキーボード等の入力デバイスを適宜に利用可能である。また入力部10fは、心臓全体などのイメージング領域、横隔膜などの同期対象部位としての励起スライスあるいは励起スラブのオペレータにより指定を受け付ける。
【0032】
主制御部10gは、図示していないCPUやメモリ等を有しており、MRI装置100を総括的に制御する。また主制御部10gは、呼吸レベルが前記許容範囲内であるか否かを表す映像の映像信号を生成する。この映像信号は、例えばNTSC(national television system committee)信号である。
【0033】
映像伝送システム11は、主制御部10gにより生成された映像信号を光で伝送する。
【0034】
表示システム12は、映像信号に基づいて映像を、撮影状態に置かれた被検者200が目視可能なように表示する。
【0035】
なお、映像伝送システム11および表示システム12としては、例えば特願2007−122737に記載された構成を採用することができる。
【0036】
呼吸同期センサ13は、被検者200の腹部に取り付けられ、被検者200の腹部の物理的な動きに基づいて被検者200の呼吸レベルを検出する。
【0037】
(第1の実施形態)
第1の実施形態において主制御部10gは、次のような複数の機能を備える。なおこれら複数の機能は、主制御部10gが備えるプロセッサにプログラムを実行させることによって実現できる。
【0038】
上記の機能の1つは、被検者200の呼吸レベルを検出するためのNMR信号(以下、モニタ用NMR信号と称する)をデータ収集部10bに取得させるように関係各部を制御する。上記の機能の1つは、データ収集部10bにより取得されたモニタ用NMR信号に基づいて被検者200の呼吸レベルを検出する。上記の機能の1つは、画像を再構成するためのNMR信号(以下、再構成用NMR信号と称する)を、モニタ用NMR信号に基づいて検出された呼吸レベルが許容範囲内であるときにデータ収集部10bに収集させるように関係各部を制御する。上記の機能の1つは、呼吸同期センサ13により検出された呼吸レベルの変化を表した呼吸波形にモニタ用NMR信号に基づいて検出した呼吸レベルを表す画像を合成した表示画像を生成する。なお以下においては、モニタ用NMR信号に基づいて検出した呼吸レベルを第1の呼吸レベル、呼吸同期センサ13により検出された呼吸レベルを第2の呼吸レベルと称する。
【0039】
この第1の実施形態のMRI装置100では、WH MRCAを周知のシーケンスに従って実行する。このようなWH MRCAの実行中において主制御部10gは、被検者200の呼吸レベルが許容範囲内であるか否か被検者200に知らせるための表示画像を以下のようにして生成する。なお、WH MRCAにおいてはモニタ用NMR信号が取得される。モニタ用NMR信号は、同期対象部位(励起スライス、励起スラブなど)から収集されるNMR信号である。モニタ用NMR信号は、例えば位相エンコード用傾斜磁場を印加しないで取得される。
【0040】
主制御部10gは、呼吸同期センサ13が検出した第2の呼吸レベルを、呼吸波形を再現するのに十分なレートで取得する。なお呼吸同期センサ13は、ベローズなどを用いて、呼吸レベルを実時間で、しかも連続的に検出できる。
【0041】
主制御部10gは、WH MRCAのための制御のなかで、1心拍につき1回の割合で第1の呼吸レベルを検出する。主制御部10gは、最近の一定期間に取得した第1の呼吸レベルのそれぞれを、時間軸および呼吸レベル軸により定義される平面上に配置した例えば図2に示すような第1の画像を生成する。
【0042】
一方、主制御部10gは、上記の一定期間に取得した第2の呼吸レベルに基づいて、当該期間における呼吸波形を表した例えば図3に示すような第2の画像を生成する。
【0043】
そして主制御部10gは、第1の画像と第2の画像とを合成した画像として表示画像を生成する。このときに主制御部10gは、第1の呼吸レベルおよび第2の呼吸レベルのそれぞれの振幅スケール(振幅の最大値および最小値)を正規化して合わせる。
【0044】
主制御部10gは、第2の呼吸レベルを取得する毎に、表示画像を更新する。かくして表示画像は、呼吸波形が時間の経過にともなってスクロールする画像となる。
【0045】
ところで第1の呼吸レベルは、モニタ用NMR信号を取得するため、あるいはモニタ用NMR信号に基づいて呼吸レベルを求めるために若干の時間を要するために、呼吸同期センサ13に比べて実時間性が低い。このため図4に示すように、第1の呼吸レベルは第2の呼吸レベルに対して一定の遅れを有する。そこで主制御部10gは、この遅れを補正するように第1の画像および第2の画像を合成する。
【0046】
すなわち、第1の呼吸レベルが新たに検出される直前の表示画像が図5に示す状態であったとする。そして第1の呼吸レベルが新たに検出された後に表示画像を更新する際には、新たに検出された呼吸レベルが現時点の情報として表されるのではなく、図6に示すように上記の遅れに相当する時間を遡った時点における情報として表されるように表示画像が更新される。
【0047】
このように生成された表示画像は、インタフェース部10aおよび映像伝送システム11を介して表示システム12へと伝送され、この表示システム12によって被検者200が目視可能な状態で表示される。
【0048】
かくしてこの第1の実施形態によれば、表示画像には、モニタ用NMR信号に基づいて検出された第1の呼吸レベルと、呼吸同期センサ13に基づいて検出された第2の呼吸レベルとが同時に表される。従って被検者200はこの表示画像の呼吸波形に基づいて呼吸レベルの変化の様子を、また第2の呼吸レベルの表示に基づいて正確な呼吸レベルをそれぞれ認識することができる。これにより被検者200は、実際の呼吸の状態を正確に把握することが可能となり、適切に呼吸を調整することが可能となる。
【0049】
(第2の実施形態)
第2の実施形態において主制御部10gは、次のような複数の機能を備える。なおこれら複数の機能は、主制御部10gが備えるプロセッサにプログラムを実行させることによって実現できる。
【0050】
上記の機能の1つは、WH MRCAのための呼吸レベルの検出に使用するNMR信号(以下、モニタ用NMR信号と称する)をデータ収集部10bに取得させるように関係各部を制御する。上記の機能の1つは、モニタ用NMR信号に基づいて被検者200の呼吸レベル(以下、第1の呼吸レベルと称する)を検出する。上記の機能の1つは、画像を再構成するためのNMR信号(以下、再構成用NMR信号と称する)を、モニタ用NMR信号に基づいて検出された呼吸レベルが許容範囲内であるときにデータ収集部10bに収集させるように関係各部を制御する。上記の機能の1つは、表示のための呼吸レベルの検出に使用するNMR信号(以下、表示用NMR信号と称する)をデータ収集部10bに取得させるように関係各部を制御する。上記の機能の1つは、表示用NMR信号に基づいて被検者200の呼吸レベル(以下、第2の呼吸レベルと称する)を検出する。上記の機能の1つは、第1の呼吸レベルおよび第2の呼吸レベルの変化を表した表示画像を生成する。
【0051】
この第2の実施形態のMRI装置100では、WH MRCAを行う場合には、主制御部10gは図7に示すようなシーケンスによりデータ収集部10bにNMR信号を収集させる。
【0052】
図7に示すシーケンスでは、1心拍内にMPPが複数回収集される。複数のMPPは、イメージング領域のデータ収集期間直前に収集される主MPPと、データ収集期間を避けかつ主MPPとは別のタイミングで収集される副MPPとに分類される。副MPPは、イメージング領域のデータ収集期間を除く期間であれば、主MPPの前、後のいずれに収集されても良い。例えば主MPPの前に複数の副MPPを収集しても良い。また1心拍内で(副MPPだけでなく主MPPを含む)複数のMPPを等間隔に収集するようにしても良い。この場合、等間隔に設定された複数のMPPのいずれかがイメージング領域のデータ収集期間に含まれる場合は、そのMPPは収集しないようにする。
【0053】
主MPPは、図14に示した従来のシーケンスにおいて取得されていたMPPに相当し、モニタ用NMR信号として使用される。副MPPは、WH MRCAの制御のためとは無関係に追加して取得されるものであり、表示用NMR信号として使用される。
【0054】
そして主制御部10gは、WH MRCAのための第1の呼吸レベルの検出は、モニタ用NMR信号のみに基づいて行う。主制御部10gは、WH MRCAには使用しないが、表示用NMR信号に基づいても第2の呼吸レベルの検出を行う。そして主制御部10gは、最近の一定期間に取得した第1の呼吸レベルおよび第2の呼吸レベルのそれぞれを、時間軸および呼吸レベル軸により定義される平面上に配置した例えば図8に示すような表示画像を生成する。
【0055】
このように生成された表示画像は、インタフェース部10aおよび映像伝送システム11を介して表示システム12へと伝送され、この表示システム12によって被検者200が目視可能な状態で表示される。
【0056】
かくしてこの第2の実施形態によれば、表示画像には、短い周期でそれぞれ検出された多数の呼吸レベルが時系列的に表される。従って被検者200はこの表示画像から呼吸レベルの変化の様子を認識することができる。これにより被検者200は、実際の呼吸の状態を正確に把握することが可能となり、適切に呼吸を調整することが可能となる。
【0057】
(第3の実施形態)
第3の実施形態において主制御部10gは、次のような複数の機能を備える。なおこれら複数の機能は、主制御部10gが備えるプロセッサにプログラムを実行させることによって実現できる。
【0058】
上記の機能の1つは、呼吸レベルの検出に使用するNMR信号(以下、モニタ用NMR信号と称する)をデータ収集部10bに取得させるように関係各部を制御する。上記の機能の1つは、モニタ用NMR信号に基づいて被検者200の呼吸レベルを検出する。上記の機能の1つは、画像を再構成するためのNMR信号(以下、再構成用NMR信号と称する)を、モニタ用NMR信号に基づいて検出された呼吸レベルが許容範囲内であるときにデータ収集部10bに収集させるように関係各部を制御する。上記の機能の1つは、最も新しく検出された呼吸レベルと、所定期間内に検出された検出レベルの最高値とをそれぞれ表す表示画像を生成する。
【0059】
この第3の実施形態のMRI装置100では、WH MRCAを周知のシーケンスに従って実行する。このようなWH MRCAの実行中において主制御部10gは、被検者200の呼吸レベルが許容範囲内であるか否か被検者200に知らせるための表示画像を以下のようにして生成する。
【0060】
主制御部10gは、WH MRCAのための制御のなかで、1心拍につき1回の割合で呼吸レベルを検出する。主制御部10gは、呼吸レベルを新たに検出する毎に、その検出した呼吸レベルを表した表示画像を生成する。
【0061】
例えば図9に示すように時点TAにおいて図9に示すような呼吸レベルが検出されたことに応じて、主制御部10gは図10に示すような表示画像IAを生成する。表示画像IAでは、時点TAにおいて検出された呼吸レベルを黒点により表している。
【0062】
一方、時点TBにおいて図9に示すような呼吸レベルが検出されたことに応じて、主制御部10gは図10に示すように、時点TBにおいて検出された呼吸レベルを黒点により表した表示画像IBを生成する。さて、時点TBにおいて検出された検出レベルは、時点TAにおいて検出された検出レベルよりも低下している。このような場合に主制御部10gは、時点TAにおいて検出された検出レベルを、最近の最高レベルとして表示画像IB中に表す。なお図10では、最高レベルはハッチングした点として表している。
【0063】
時点TBにおいて図9に示すような呼吸レベルが検出されたことに応じて、主制御部10gは図10に示すように、時点TCにおいて検出された呼吸レベルを黒点により表した表示画像ICを生成する。時点TCにおいて検出された呼吸レベルは、これまでの最高レベルよりも高いので、表示画像ICには最高レベルは表示されない。
【0064】
以降同様にして、図9の時点TD〜時点TFのそれぞれで、図10の表示画像ID〜IFがそれぞれ生成される。
【0065】
時点THにおいて図9に示すような呼吸レベルが検出されたことに応じて、主制御部10gは図10に示すように、時点THにおいて検出された呼吸レベルを黒点により表した表示画像IHを生成する。さて、これまでの最高レベルは、時点TCにおいて検出された呼吸レベルであったが、時点THは時点TCから規定時間T1以上が経過している。このような場合に主制御部10gは、これまでの最高レベルを解除し、新たに生成した画像には表さない。
【0066】
以降同様にして、図9の時点TH〜時点TJのそれぞれで、図10の表示画像IG〜IJがそれぞれ生成される。
【0067】
このように生成された表示画像は、インタフェース部10aおよび映像伝送システム11を介して表示システム12へと伝送され、この表示システム12によって被検者200が目視可能な状態で逐次表示される。
【0068】
かくしてこの第3の実施形態によれば、表示画像には、最も新しく検出された呼吸レベルと、最近の一定期間内において検出された最高の呼吸レベルとが表される。従って被検者200はこの表示画像から、現在の呼吸レベルが最近の最高レベルとどのような関係にあるかを認識することができる。これにより被検者200は、実際の呼吸の状態を正確に把握することが可能となり、適切に呼吸を調整することが可能となる。
【0069】
この実施形態は、次のような種々の変形実施が可能である。
【0070】
前記第1の実施形態では、正規化や遅延補正は行わなくても良い。
【0071】
前記第2の実施形態では、副MPPの取得を行う1心拍当たりの回数は、1回以上の任意の回数で良い。
【0072】
前記第2の実施形態では、副MPPの取得を1心拍当たりに複数回行う場合には、主MPPに基づいて判定した呼吸レベルは表示画像に含めなくても良い。
【0073】
前記第3の実施形態では、最高レベルと現時点の呼吸レベルとを互いに異なる形態で表すことにより、両レベルが一致する場合にもそれぞれが表示されるようにすれば、最高レベルと現時点の呼吸レベルとが一致していることを被検者200がより理解し易くなる。これは、例えば最高レベルを水平線により表すなどの変更により実現可能である。
【0074】
各実施形態とも、表示画像の具体的な内容は任意に変更が可能である。
【0075】
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0076】
1…静磁場磁石、2…傾斜磁場コイルユニット、3…傾斜磁場電源、4…寝台、5…寝台制御部、6…送信RFコイル、7…送信部、8…受信RFコイル、9…受信部、10a…インタフェース部、10b…データ収集部、10d…記憶部、10…計算機システム、10c…再構成部、10g…主制御部、10f…入力部、10e…表示部、11…映像伝送システム、12…表示システム、13…呼吸同期センサ、100…磁気共鳴映像装置(MRI装置)、200…被検者。
【技術分野】
【0001】
本発明は、被検者の体内から放射される磁気共鳴信号に基づいて前記被検者の体内の画像を得る磁気共鳴映像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
磁気共鳴映像(MRI)法で冠動脈を撮像するためには、3次元(3D)のSSFP(steady state free precession)シーケンスを用いて、息止め、もしくは自然呼吸下で撮像する方法が用いられる。特に心臓全体の冠動脈走行を画像化するWH MRCA(whole heart MR coronary angiography)の場合には、息止めでは空間分解能が不十分なことがある。これの対策としては、自然呼吸下で、例えば横隔膜の位置をNMR(nuclear magnetic resonance)信号に基づいて検出することによって呼吸レベルをモニタしながら、その呼吸レベルに合わせて撮像する位置を変えながら撮像するRMC(realtime motion correction)法が用いられる。
【0003】
ただし、撮像する位置の可変量には限りがあるために、呼吸による動きの範囲に対して一定の閾値を設けて、その閾値より動きが大きくなっているときには撮像のためのNMR信号の収集を休止するという方法が用いられる。すなわち例えば、図11に示すような領域Rについて収集したNMR信号を1次元フーリエ変換して得られる信号からは、体軸方向に関しての横隔膜の位置が検出できる。体軸方向に関する横隔膜の位置は呼吸に応じて周期的に上下するから、周期的に検出される横隔膜の位置を時系列にプロットすることによって、呼吸動に同期した図12に示すようなモニタ信号を得ることができる。このモニタ信号のピークが図12に示すように上限閾値USLと下限閾値LSLとの間の許容範囲外にあるときには撮像しないか、もしくは収集したデータを用いないようにし、許容範囲内にあるときにはデータ収集を行う。
【0004】
図14は以上のような撮像法に係るシーケンスの一例を示す図である。
【0005】
上記の撮像法は、通常は心電同期を伴って実施される。そしてR波から一定の遅延時間が経過したのちに、呼吸レベルを把握するための位置情報を得るためのNMR信号としてMPP(motion probing pulse)を収集する。そしてこの直後に、撮影のためのデータ収集が行われる。
【0006】
この様にすることで、自然呼吸下でもかなりの高分解能の3D画像が良好に得られる。
【0007】
しかしながら、呼吸レベルが一定でなく次第に下がったり、あるいは次第に上がったりし、NMR信号を1次元フーリエ変換して得られる信号における横隔膜の位置に相当する部分が例えば図13に示すように許容範囲から外れてしまうと、撮像時間が長くなったり、最悪のケースでは検査を終了できなくなるおそれがあった。
【0008】
そこで本出願人は、上記のようにモニタされている呼吸レベルを被検者に知らせることにより、被検者が呼吸レベルを容易に許容範囲に合わせられるように支援する技術を特願2007−122737として提案している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2000−041970号公報
【特許文献2】特開2000−157507号公報
【特許文献3】特開2004−057226号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、位置情報を得るためのNMR信号の収集は、上述のように1心拍につき1回しか行われていない。つまり呼吸レベルのモニタは、図15に示すように1回の呼吸について1,2回程度しか行われておらず、モニタされた呼吸レベルのみを被検者に知らせても、被検者は呼吸の変化を認識することができない。つまり、上述のような周期で取得された情報の更新速度は、呼吸レベルを制御するための情報の更新速度としては遅すぎる。言い換えれば、呼吸レベル制御におけるフィードバック時定数が長くなっている。
【0011】
このような事情から、上記のようにモニタされた呼吸レベルに基づいての被検者による呼吸レベルの調整は、自動制御におけるフィードバック時定数が長い場合と類似して考えられ、過小制御や過大制御が起こり得る。
【0012】
本発明はこのような事情を考慮してなされたものであり、その目的とするところは、被検者が呼吸レベルの調整を適切に行うことを可能とする有益な情報を知らせることが可能な磁気共鳴映像装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の一態様による磁気共鳴映像装置は、被検者の体内から放射される磁気共鳴信号に基づいて前記被検者の体内の画像を得る磁気共鳴映像装置において、前記被検者の呼吸レベルを検出するためのモニタ用磁気共鳴信号および表示用磁気共鳴信号と前記画像を得るための再構成用磁気共鳴信号のそれぞれとしてそれぞれ異なるタイミングで前記磁気共鳴信号を取得する取得手段と、前記取得手段により取得された前記モニタ用磁気共鳴信号と前記表示用磁気共鳴信号とのそれぞれに基づいて前記被検者についての第1および第2の呼吸レベルを検出する検出手段と、前記検出手段により検出された前記第1の呼吸レベルが許容範囲内であるときに前記再構成用磁気共鳴信号を取得するように前記取得手段を制御する手段と、前記検出手段により検出された前記第2の呼吸レベルの変化を表した表示画像を生成する生成手段と、前記表示画像を前記被検者に対して表示する表示手段とを備える。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、被検者が呼吸レベルの調整を適切に行うことを可能とする有益な情報を知らせることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の第1乃至第3の実施形態に係る磁気共鳴映像装置100の構成を示す図。
【図2】第1の実施形態における第1の画像の一例を示す図。
【図3】第1の実施形態における第2の画像の一例を示す図。
【図4】第1の実施形態における第1の呼吸レベルの第2の呼吸レベルに対する遅れを示す図。
【図5】第1の実施形態における第1の呼吸レベルが新たに検出される直前の表示画像の一例を示す図。
【図6】第1の実施形態における第1の呼吸レベルが新たに検出された直後の表示画像の一例を示す図。
【図7】第2の実施形態におけるWH MRCAを行う場合のシーケンスを示す図。
【図8】第2の実施形態における表示画像の一例を示す図。
【図9】第3の実施形態における呼吸レベルの検出状態の一例を示す図。
【図10】図9中の各時点で生成される表示画像の一例を示す図。
【図11】呼吸レベルを検出するためのNMR信号を収集する領域を示す図。
【図12】モニタ信号の一例を示す図。
【図13】モニタ信号のピークが許容範囲外へとずれていく様子の一例を示す図。
【図14】WH MRCAの基本的なシーケンスを示す図。
【図15】実際の呼吸レベルの変化とモニタされた呼吸レベルとの関係を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照して本発明の第1乃至第3の実施形態について説明する。
【0017】
図1は第1乃至第3の実施形態に係る磁気共鳴映像装置(MRI装置)100の構成を示す図である。このMRI装置100は、静磁場磁石1、傾斜磁場コイルユニット2、傾斜磁場電源3、寝台4、寝台制御部5、送信RFコイル6、送信部7、受信RFコイル8、受信部9、計算機システム10、映像伝送システム11、表示システム12および呼吸同期センサ13を具備する。
【0018】
静磁場磁石1は、中空の円筒形をなし、内部の空間に一様な静磁場を発生する。この静磁場磁石1としては、例えば永久磁石または超伝導磁石等が使用される。
【0019】
傾斜磁場コイルユニット2は、中空の円筒形をなし、静磁場磁石1の内側に配置される。傾斜磁場コイルユニット2は、互いに直交するX,Y,Zの各軸に対応する3種類のコイルが組み合わされている。傾斜磁場コイルユニット2は、上記の3種類のコイルが傾斜磁場電源3から個別に電流供給を受けて、磁場強度がX,Y,Zの各軸に沿って変化する傾斜磁場を発生する。なお、Z軸方向は、例えば静磁場と同方向とする。X,Y,Z各軸の傾斜磁場は、例えば、スライス選択用傾斜磁場Gs、位相エンコード用傾斜磁場Geおよびリードアウト用傾斜磁場Grにそれぞれ任意に使用される。スライス選択用傾斜磁場Gsは、任意にイメージング断面を決めるために利用される。位相エンコード用傾斜磁場Geは、空間的位置に応じてNMR信号の位相を変化させるために利用される。リードアウト用傾斜磁場Grは、空間的位置に応じてNMR信号の周波数を変化させるために利用される。
【0020】
被検者200は、寝台4の天板4aに載置された状態で傾斜磁場コイルユニット2の空洞内に挿入される。寝台4が有する天板4aは寝台制御部5により駆動され、その長手方向および上下方向に移動する。通常、この長手方向が静磁場磁石1の中心軸と平行になるように寝台4が設置される。
【0021】
送信RFコイル6は、傾斜磁場コイルユニット2の内側に配置される。送信RFコイル6は、送信部7から高周波パルスの供給を受けて、高周波磁場を発生する。
【0022】
送信部7は、ラーモア周波数に対応する高周波パルスを送信RFコイル6に送信する。
【0023】
受信RFコイル8は、傾斜磁場コイルユニット2の内側に配置される。受信RFコイル8は、上記の高周波磁場の影響により被検体から放射されるNMR信号を受信する。受信RFコイル8からの出力信号は、受信部9に入力される。
【0024】
受信部9は、受信RFコイル8からの出力信号に基づいてNMR信号データを生成する。
【0025】
計算機システム10は、インタフェース部10a、データ収集部10b、再構成部10c、記憶部10d、表示部10e、入力部10fおよび主制御部10gを有している。
【0026】
インタフェース部10aには、傾斜磁場電源3、寝台制御部5、送信部7、受信RFコイル8、受信部9および呼吸同期センサ13等が接続される。インタフェース部10aは、これらの接続された各部と計算機システム10との間で授受される信号の入出力を行う。
【0027】
データ収集部10bは、受信部9から出力されるデジタル信号をインタフェース部10aを介して収集する。データ収集部10bは、収集したデジタル信号、すなわちNMR信号データを、記憶部10dに格納する。
【0028】
再構成部10cは、記憶部10dに記憶されたNMR信号データに対して、後処理、すなわちフーリエ変換等の再構成を実行し、被検者200内の所望核スピンのスペクトラムデータあるいは画像データを求める。
【0029】
記憶部10dは、NMR信号データと、スペクトラムデータあるいは画像データとを、患者毎に記憶する。
【0030】
表示部10eは、スペクトラムデータあるいは画像データ等の各種の情報を主制御部10gの制御の下に表示する。表示部10eとしては、液晶表示器などの表示デバイスを利用可能である。
【0031】
入力部10fは、オペレータからの各種指令や情報入力を受け付ける。入力部10fとしては、マウスやトラックボールなどのポインティングデバイス、モード切替スイッチ等の選択デバイス、あるいはキーボード等の入力デバイスを適宜に利用可能である。また入力部10fは、心臓全体などのイメージング領域、横隔膜などの同期対象部位としての励起スライスあるいは励起スラブのオペレータにより指定を受け付ける。
【0032】
主制御部10gは、図示していないCPUやメモリ等を有しており、MRI装置100を総括的に制御する。また主制御部10gは、呼吸レベルが前記許容範囲内であるか否かを表す映像の映像信号を生成する。この映像信号は、例えばNTSC(national television system committee)信号である。
【0033】
映像伝送システム11は、主制御部10gにより生成された映像信号を光で伝送する。
【0034】
表示システム12は、映像信号に基づいて映像を、撮影状態に置かれた被検者200が目視可能なように表示する。
【0035】
なお、映像伝送システム11および表示システム12としては、例えば特願2007−122737に記載された構成を採用することができる。
【0036】
呼吸同期センサ13は、被検者200の腹部に取り付けられ、被検者200の腹部の物理的な動きに基づいて被検者200の呼吸レベルを検出する。
【0037】
(第1の実施形態)
第1の実施形態において主制御部10gは、次のような複数の機能を備える。なおこれら複数の機能は、主制御部10gが備えるプロセッサにプログラムを実行させることによって実現できる。
【0038】
上記の機能の1つは、被検者200の呼吸レベルを検出するためのNMR信号(以下、モニタ用NMR信号と称する)をデータ収集部10bに取得させるように関係各部を制御する。上記の機能の1つは、データ収集部10bにより取得されたモニタ用NMR信号に基づいて被検者200の呼吸レベルを検出する。上記の機能の1つは、画像を再構成するためのNMR信号(以下、再構成用NMR信号と称する)を、モニタ用NMR信号に基づいて検出された呼吸レベルが許容範囲内であるときにデータ収集部10bに収集させるように関係各部を制御する。上記の機能の1つは、呼吸同期センサ13により検出された呼吸レベルの変化を表した呼吸波形にモニタ用NMR信号に基づいて検出した呼吸レベルを表す画像を合成した表示画像を生成する。なお以下においては、モニタ用NMR信号に基づいて検出した呼吸レベルを第1の呼吸レベル、呼吸同期センサ13により検出された呼吸レベルを第2の呼吸レベルと称する。
【0039】
この第1の実施形態のMRI装置100では、WH MRCAを周知のシーケンスに従って実行する。このようなWH MRCAの実行中において主制御部10gは、被検者200の呼吸レベルが許容範囲内であるか否か被検者200に知らせるための表示画像を以下のようにして生成する。なお、WH MRCAにおいてはモニタ用NMR信号が取得される。モニタ用NMR信号は、同期対象部位(励起スライス、励起スラブなど)から収集されるNMR信号である。モニタ用NMR信号は、例えば位相エンコード用傾斜磁場を印加しないで取得される。
【0040】
主制御部10gは、呼吸同期センサ13が検出した第2の呼吸レベルを、呼吸波形を再現するのに十分なレートで取得する。なお呼吸同期センサ13は、ベローズなどを用いて、呼吸レベルを実時間で、しかも連続的に検出できる。
【0041】
主制御部10gは、WH MRCAのための制御のなかで、1心拍につき1回の割合で第1の呼吸レベルを検出する。主制御部10gは、最近の一定期間に取得した第1の呼吸レベルのそれぞれを、時間軸および呼吸レベル軸により定義される平面上に配置した例えば図2に示すような第1の画像を生成する。
【0042】
一方、主制御部10gは、上記の一定期間に取得した第2の呼吸レベルに基づいて、当該期間における呼吸波形を表した例えば図3に示すような第2の画像を生成する。
【0043】
そして主制御部10gは、第1の画像と第2の画像とを合成した画像として表示画像を生成する。このときに主制御部10gは、第1の呼吸レベルおよび第2の呼吸レベルのそれぞれの振幅スケール(振幅の最大値および最小値)を正規化して合わせる。
【0044】
主制御部10gは、第2の呼吸レベルを取得する毎に、表示画像を更新する。かくして表示画像は、呼吸波形が時間の経過にともなってスクロールする画像となる。
【0045】
ところで第1の呼吸レベルは、モニタ用NMR信号を取得するため、あるいはモニタ用NMR信号に基づいて呼吸レベルを求めるために若干の時間を要するために、呼吸同期センサ13に比べて実時間性が低い。このため図4に示すように、第1の呼吸レベルは第2の呼吸レベルに対して一定の遅れを有する。そこで主制御部10gは、この遅れを補正するように第1の画像および第2の画像を合成する。
【0046】
すなわち、第1の呼吸レベルが新たに検出される直前の表示画像が図5に示す状態であったとする。そして第1の呼吸レベルが新たに検出された後に表示画像を更新する際には、新たに検出された呼吸レベルが現時点の情報として表されるのではなく、図6に示すように上記の遅れに相当する時間を遡った時点における情報として表されるように表示画像が更新される。
【0047】
このように生成された表示画像は、インタフェース部10aおよび映像伝送システム11を介して表示システム12へと伝送され、この表示システム12によって被検者200が目視可能な状態で表示される。
【0048】
かくしてこの第1の実施形態によれば、表示画像には、モニタ用NMR信号に基づいて検出された第1の呼吸レベルと、呼吸同期センサ13に基づいて検出された第2の呼吸レベルとが同時に表される。従って被検者200はこの表示画像の呼吸波形に基づいて呼吸レベルの変化の様子を、また第2の呼吸レベルの表示に基づいて正確な呼吸レベルをそれぞれ認識することができる。これにより被検者200は、実際の呼吸の状態を正確に把握することが可能となり、適切に呼吸を調整することが可能となる。
【0049】
(第2の実施形態)
第2の実施形態において主制御部10gは、次のような複数の機能を備える。なおこれら複数の機能は、主制御部10gが備えるプロセッサにプログラムを実行させることによって実現できる。
【0050】
上記の機能の1つは、WH MRCAのための呼吸レベルの検出に使用するNMR信号(以下、モニタ用NMR信号と称する)をデータ収集部10bに取得させるように関係各部を制御する。上記の機能の1つは、モニタ用NMR信号に基づいて被検者200の呼吸レベル(以下、第1の呼吸レベルと称する)を検出する。上記の機能の1つは、画像を再構成するためのNMR信号(以下、再構成用NMR信号と称する)を、モニタ用NMR信号に基づいて検出された呼吸レベルが許容範囲内であるときにデータ収集部10bに収集させるように関係各部を制御する。上記の機能の1つは、表示のための呼吸レベルの検出に使用するNMR信号(以下、表示用NMR信号と称する)をデータ収集部10bに取得させるように関係各部を制御する。上記の機能の1つは、表示用NMR信号に基づいて被検者200の呼吸レベル(以下、第2の呼吸レベルと称する)を検出する。上記の機能の1つは、第1の呼吸レベルおよび第2の呼吸レベルの変化を表した表示画像を生成する。
【0051】
この第2の実施形態のMRI装置100では、WH MRCAを行う場合には、主制御部10gは図7に示すようなシーケンスによりデータ収集部10bにNMR信号を収集させる。
【0052】
図7に示すシーケンスでは、1心拍内にMPPが複数回収集される。複数のMPPは、イメージング領域のデータ収集期間直前に収集される主MPPと、データ収集期間を避けかつ主MPPとは別のタイミングで収集される副MPPとに分類される。副MPPは、イメージング領域のデータ収集期間を除く期間であれば、主MPPの前、後のいずれに収集されても良い。例えば主MPPの前に複数の副MPPを収集しても良い。また1心拍内で(副MPPだけでなく主MPPを含む)複数のMPPを等間隔に収集するようにしても良い。この場合、等間隔に設定された複数のMPPのいずれかがイメージング領域のデータ収集期間に含まれる場合は、そのMPPは収集しないようにする。
【0053】
主MPPは、図14に示した従来のシーケンスにおいて取得されていたMPPに相当し、モニタ用NMR信号として使用される。副MPPは、WH MRCAの制御のためとは無関係に追加して取得されるものであり、表示用NMR信号として使用される。
【0054】
そして主制御部10gは、WH MRCAのための第1の呼吸レベルの検出は、モニタ用NMR信号のみに基づいて行う。主制御部10gは、WH MRCAには使用しないが、表示用NMR信号に基づいても第2の呼吸レベルの検出を行う。そして主制御部10gは、最近の一定期間に取得した第1の呼吸レベルおよび第2の呼吸レベルのそれぞれを、時間軸および呼吸レベル軸により定義される平面上に配置した例えば図8に示すような表示画像を生成する。
【0055】
このように生成された表示画像は、インタフェース部10aおよび映像伝送システム11を介して表示システム12へと伝送され、この表示システム12によって被検者200が目視可能な状態で表示される。
【0056】
かくしてこの第2の実施形態によれば、表示画像には、短い周期でそれぞれ検出された多数の呼吸レベルが時系列的に表される。従って被検者200はこの表示画像から呼吸レベルの変化の様子を認識することができる。これにより被検者200は、実際の呼吸の状態を正確に把握することが可能となり、適切に呼吸を調整することが可能となる。
【0057】
(第3の実施形態)
第3の実施形態において主制御部10gは、次のような複数の機能を備える。なおこれら複数の機能は、主制御部10gが備えるプロセッサにプログラムを実行させることによって実現できる。
【0058】
上記の機能の1つは、呼吸レベルの検出に使用するNMR信号(以下、モニタ用NMR信号と称する)をデータ収集部10bに取得させるように関係各部を制御する。上記の機能の1つは、モニタ用NMR信号に基づいて被検者200の呼吸レベルを検出する。上記の機能の1つは、画像を再構成するためのNMR信号(以下、再構成用NMR信号と称する)を、モニタ用NMR信号に基づいて検出された呼吸レベルが許容範囲内であるときにデータ収集部10bに収集させるように関係各部を制御する。上記の機能の1つは、最も新しく検出された呼吸レベルと、所定期間内に検出された検出レベルの最高値とをそれぞれ表す表示画像を生成する。
【0059】
この第3の実施形態のMRI装置100では、WH MRCAを周知のシーケンスに従って実行する。このようなWH MRCAの実行中において主制御部10gは、被検者200の呼吸レベルが許容範囲内であるか否か被検者200に知らせるための表示画像を以下のようにして生成する。
【0060】
主制御部10gは、WH MRCAのための制御のなかで、1心拍につき1回の割合で呼吸レベルを検出する。主制御部10gは、呼吸レベルを新たに検出する毎に、その検出した呼吸レベルを表した表示画像を生成する。
【0061】
例えば図9に示すように時点TAにおいて図9に示すような呼吸レベルが検出されたことに応じて、主制御部10gは図10に示すような表示画像IAを生成する。表示画像IAでは、時点TAにおいて検出された呼吸レベルを黒点により表している。
【0062】
一方、時点TBにおいて図9に示すような呼吸レベルが検出されたことに応じて、主制御部10gは図10に示すように、時点TBにおいて検出された呼吸レベルを黒点により表した表示画像IBを生成する。さて、時点TBにおいて検出された検出レベルは、時点TAにおいて検出された検出レベルよりも低下している。このような場合に主制御部10gは、時点TAにおいて検出された検出レベルを、最近の最高レベルとして表示画像IB中に表す。なお図10では、最高レベルはハッチングした点として表している。
【0063】
時点TBにおいて図9に示すような呼吸レベルが検出されたことに応じて、主制御部10gは図10に示すように、時点TCにおいて検出された呼吸レベルを黒点により表した表示画像ICを生成する。時点TCにおいて検出された呼吸レベルは、これまでの最高レベルよりも高いので、表示画像ICには最高レベルは表示されない。
【0064】
以降同様にして、図9の時点TD〜時点TFのそれぞれで、図10の表示画像ID〜IFがそれぞれ生成される。
【0065】
時点THにおいて図9に示すような呼吸レベルが検出されたことに応じて、主制御部10gは図10に示すように、時点THにおいて検出された呼吸レベルを黒点により表した表示画像IHを生成する。さて、これまでの最高レベルは、時点TCにおいて検出された呼吸レベルであったが、時点THは時点TCから規定時間T1以上が経過している。このような場合に主制御部10gは、これまでの最高レベルを解除し、新たに生成した画像には表さない。
【0066】
以降同様にして、図9の時点TH〜時点TJのそれぞれで、図10の表示画像IG〜IJがそれぞれ生成される。
【0067】
このように生成された表示画像は、インタフェース部10aおよび映像伝送システム11を介して表示システム12へと伝送され、この表示システム12によって被検者200が目視可能な状態で逐次表示される。
【0068】
かくしてこの第3の実施形態によれば、表示画像には、最も新しく検出された呼吸レベルと、最近の一定期間内において検出された最高の呼吸レベルとが表される。従って被検者200はこの表示画像から、現在の呼吸レベルが最近の最高レベルとどのような関係にあるかを認識することができる。これにより被検者200は、実際の呼吸の状態を正確に把握することが可能となり、適切に呼吸を調整することが可能となる。
【0069】
この実施形態は、次のような種々の変形実施が可能である。
【0070】
前記第1の実施形態では、正規化や遅延補正は行わなくても良い。
【0071】
前記第2の実施形態では、副MPPの取得を行う1心拍当たりの回数は、1回以上の任意の回数で良い。
【0072】
前記第2の実施形態では、副MPPの取得を1心拍当たりに複数回行う場合には、主MPPに基づいて判定した呼吸レベルは表示画像に含めなくても良い。
【0073】
前記第3の実施形態では、最高レベルと現時点の呼吸レベルとを互いに異なる形態で表すことにより、両レベルが一致する場合にもそれぞれが表示されるようにすれば、最高レベルと現時点の呼吸レベルとが一致していることを被検者200がより理解し易くなる。これは、例えば最高レベルを水平線により表すなどの変更により実現可能である。
【0074】
各実施形態とも、表示画像の具体的な内容は任意に変更が可能である。
【0075】
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0076】
1…静磁場磁石、2…傾斜磁場コイルユニット、3…傾斜磁場電源、4…寝台、5…寝台制御部、6…送信RFコイル、7…送信部、8…受信RFコイル、9…受信部、10a…インタフェース部、10b…データ収集部、10d…記憶部、10…計算機システム、10c…再構成部、10g…主制御部、10f…入力部、10e…表示部、11…映像伝送システム、12…表示システム、13…呼吸同期センサ、100…磁気共鳴映像装置(MRI装置)、200…被検者。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検者の体内から放射される磁気共鳴信号に基づいて前記被検者の体内の画像を得る磁気共鳴映像装置において、
前記被検者の呼吸レベルを検出するためのモニタ用磁気共鳴信号および表示用磁気共鳴信号と前記画像を得るための再構成用磁気共鳴信号のそれぞれとしてそれぞれ異なるタイミングで前記磁気共鳴信号を取得する取得手段と、
前記取得手段により取得された前記モニタ用磁気共鳴信号と前記表示用磁気共鳴信号とのそれぞれに基づいて前記被検者についての第1および第2の呼吸レベルを検出する検出手段と、
前記検出手段により検出された前記第1の呼吸レベルが許容範囲内であるときに前記再構成用磁気共鳴信号を取得するように前記取得手段を制御する手段と、
前記検出手段により検出された前記第2の呼吸レベルの変化を表した表示画像を生成する生成手段と、
前記表示画像を前記被検者に対して表示する表示手段とを具備したことを特徴とする磁気共鳴映像装置。
【請求項2】
前記生成手段は、前記検出手段によりそれぞれ検出された前記第1および第2の呼吸レベルの変化を表した画像として前記表示画像を生成することを特徴とする請求項1に記載の磁気共鳴映像装置。
【請求項3】
前記取得手段は、前記取得手段が前記再構成用磁気共鳴信号を収集していない期間に前記モニタ用磁気共鳴信号および前記表示用磁気共鳴信号を取得することを特徴とする請求項1に記載の磁気共鳴映像装置。
【請求項4】
前記生成手段は、前記検出手段によりそれぞれ検出された前記第1および第2の呼吸レベルのうちの第2の呼吸レベルのみの変化を表した画像として前記表示画像を生成することを特徴とする請求項1に記載の磁気共鳴映像装置。
【請求項5】
前記取得手段は、前記モニタ用磁気共鳴信号および前記表示用磁気共鳴信号としての複数の前記磁気共鳴信号を等間隔に取得することを特徴とする請求項1に記載の磁気共鳴映像装置。
【請求項6】
被検者の体内から放射される磁気共鳴信号に基づいて前記被検者の体内の画像を得る磁気共鳴映像装置において、
前記被検者の呼吸レベルを検出するための前記磁気共鳴信号を取得する取得手段と、
前記取得手段により取得された前記磁気共鳴信号に基づいて前記被検者の呼吸レベルを検出する検出手段と、
前記画像を得るための前記磁気共鳴信号を収集する収集手段と、
前記検出手段により検出された前記呼吸レベルが許容範囲内であるときに前記磁気共鳴信号の収集を行うように前記収集手段を制御する手段と、
前記検出手段により最も新しく検出された前記呼吸レベルと、前記検出手段により検出された前記呼吸レベルの所定期間内における最高値とをそれぞれ表す表示画像を生成する生成手段と、
前記表示画像を前記被検者に対して表示する表示手段とを具備したことを特徴とする磁気共鳴映像装置。
【請求項1】
被検者の体内から放射される磁気共鳴信号に基づいて前記被検者の体内の画像を得る磁気共鳴映像装置において、
前記被検者の呼吸レベルを検出するためのモニタ用磁気共鳴信号および表示用磁気共鳴信号と前記画像を得るための再構成用磁気共鳴信号のそれぞれとしてそれぞれ異なるタイミングで前記磁気共鳴信号を取得する取得手段と、
前記取得手段により取得された前記モニタ用磁気共鳴信号と前記表示用磁気共鳴信号とのそれぞれに基づいて前記被検者についての第1および第2の呼吸レベルを検出する検出手段と、
前記検出手段により検出された前記第1の呼吸レベルが許容範囲内であるときに前記再構成用磁気共鳴信号を取得するように前記取得手段を制御する手段と、
前記検出手段により検出された前記第2の呼吸レベルの変化を表した表示画像を生成する生成手段と、
前記表示画像を前記被検者に対して表示する表示手段とを具備したことを特徴とする磁気共鳴映像装置。
【請求項2】
前記生成手段は、前記検出手段によりそれぞれ検出された前記第1および第2の呼吸レベルの変化を表した画像として前記表示画像を生成することを特徴とする請求項1に記載の磁気共鳴映像装置。
【請求項3】
前記取得手段は、前記取得手段が前記再構成用磁気共鳴信号を収集していない期間に前記モニタ用磁気共鳴信号および前記表示用磁気共鳴信号を取得することを特徴とする請求項1に記載の磁気共鳴映像装置。
【請求項4】
前記生成手段は、前記検出手段によりそれぞれ検出された前記第1および第2の呼吸レベルのうちの第2の呼吸レベルのみの変化を表した画像として前記表示画像を生成することを特徴とする請求項1に記載の磁気共鳴映像装置。
【請求項5】
前記取得手段は、前記モニタ用磁気共鳴信号および前記表示用磁気共鳴信号としての複数の前記磁気共鳴信号を等間隔に取得することを特徴とする請求項1に記載の磁気共鳴映像装置。
【請求項6】
被検者の体内から放射される磁気共鳴信号に基づいて前記被検者の体内の画像を得る磁気共鳴映像装置において、
前記被検者の呼吸レベルを検出するための前記磁気共鳴信号を取得する取得手段と、
前記取得手段により取得された前記磁気共鳴信号に基づいて前記被検者の呼吸レベルを検出する検出手段と、
前記画像を得るための前記磁気共鳴信号を収集する収集手段と、
前記検出手段により検出された前記呼吸レベルが許容範囲内であるときに前記磁気共鳴信号の収集を行うように前記収集手段を制御する手段と、
前記検出手段により最も新しく検出された前記呼吸レベルと、前記検出手段により検出された前記呼吸レベルの所定期間内における最高値とをそれぞれ表す表示画像を生成する生成手段と、
前記表示画像を前記被検者に対して表示する表示手段とを具備したことを特徴とする磁気共鳴映像装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2013−75199(P2013−75199A)
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2013−13383(P2013−13383)
【出願日】平成25年1月28日(2013.1.28)
【分割の表示】特願2008−18232(P2008−18232)の分割
【原出願日】平成20年1月29日(2008.1.29)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(594164542)東芝メディカルシステムズ株式会社 (4,066)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成25年1月28日(2013.1.28)
【分割の表示】特願2008−18232(P2008−18232)の分割
【原出願日】平成20年1月29日(2008.1.29)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(594164542)東芝メディカルシステムズ株式会社 (4,066)
【Fターム(参考)】
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