磁気測定治具
【課題】複数の磁性体に対して磁気特性の測定を行う場合に、巻線費用と作業時間を低減する。
【解決手段】環状の磁性体の磁気特性を測定する場合、励磁巻線あるいは検出巻線は、オス側コネクタ6、メス側コネクタ7、外部端子8、オス側内部端子9、メス側内部端子10から構成される。オス側コネクタ6およびメス側コネクタ7のそれぞれの内部には、励磁巻線2が埋め込まれている。オス側コネクタ6とメス側コネクタ7とにより磁性体を挟みこむ。オス側内部端子9はメス側内部端子10に脱着可能に嵌め合わせられる。これにより励磁巻線2は、コイル状に形成される。
【解決手段】環状の磁性体の磁気特性を測定する場合、励磁巻線あるいは検出巻線は、オス側コネクタ6、メス側コネクタ7、外部端子8、オス側内部端子9、メス側内部端子10から構成される。オス側コネクタ6およびメス側コネクタ7のそれぞれの内部には、励磁巻線2が埋め込まれている。オス側コネクタ6とメス側コネクタ7とにより磁性体を挟みこむ。オス側内部端子9はメス側内部端子10に脱着可能に嵌め合わせられる。これにより励磁巻線2は、コイル状に形成される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、磁性体(例えば、環状の磁性体)の磁気特性を電磁気的に測定するに際し、磁性体の励磁およびそれによる起電力の検出を行うための磁気測定治具に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的な磁性体の磁気特性の測定方法として、環状の磁性体、励磁巻線、検出巻線などを用いる方法がある。この測定方法を、図10により説明する。
図10は、従来の磁気測定治具を示す図である。1は磁性体、2は励磁巻線、3は検出巻線、4は交流電源、5は電圧計である。
【0003】
図10では、環状の磁性体1に、励磁巻線2と検出巻線3を巻きつけている。そして、励磁巻線2の両端に交流電源4、検出巻線3の両端に電圧計5を接続している。
ここで、交流電源4を用いて励磁巻線2に電流を流すことで、励磁巻線2の内部には、磁界が発生する。この磁界により、磁性体1の内部で磁束の流れが生じ、磁束の変化に比例した起電力が検出巻線3に発生する。検出巻線3では電圧を検出し、その電圧から磁束密度を算出することで、磁性体1の磁化特性を評価する。
【0004】
しかし、図10の方法では、励磁巻線および検出巻線を磁性体に巻きつけ、測定後には取り外すという手作業が必要となる。そのため、多くの磁性体を測定する場合には、磁性体ごとに、巻線の取り付けと取外しをそのつど行わなければならず、巻線コストや多くの作業時間がかかる。
【0005】
さらに、人手による巻きつけを行うため、均一性が保てず、測定誤差が生じる可能性があるほか、磁性体にも機械的なストレスがかかり、磁気特性が変化してしまう、という問題があった。
【0006】
そこで、これらの問題を解決するため、巻線を巻きつけるためのコイル枠を設け、巻線とコイル枠を上下に分断した構成の磁気測定治具が知られている(特許文献1参照)。以下、図11および図12により、説明する。
【0007】
図11は、従来のその他の磁気測定治具の透過斜視図である。14は上部コイル枠、15は下部コイル枠、16はコイル枠用接続端子である。
図11では、励磁巻線2と検出巻線3が、磁性体(図示していない)の全体に巻きつくように、上部コイル枠14と下部コイル枠15とが一体となって巻かれている。上部コイル枠14と下部コイル枠15とは、コイル枠用接続端子16で接続されている。
【0008】
図12は、図11の巻線の任意の1ターンの形成を拡大断面で示した図である。
図12では、磁性体1の磁気特性を測定する際には、下部コイル枠15に磁性体1を落とし込んで収納し、上部コイル枠14で蓋をすることで、コイル枠用接続端子16により上部と下部に分断された巻線が着脱可能に接続され、磁性体1への巻線の全体的な巻きつけが実現される。
【0009】
これにより、磁性体1への巻線の簡易な巻きつけとその取外しが可能となる。従って、巻きつけの手間をかけずに、ばらつきのない精度の高い測定を短時間で行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2004−198224号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかし、このような従来の磁気測定治具には、以下のような課題があった。
特許文献1では、あらかじめ所定のターン数の巻線を決定し、そのターン数に合わせて上下のコイル枠と巻線を形成する必要がある。
【0012】
そのため、磁性体の磁気測定に際し、評価条件の変更によりターン数(巻数)を変更したい場合には、再度、変更したターン数に合わせて上下コイル枠と巻線とを作り直す必要がある。従って、短時間で変更できず、コストがかかってしまう。
【0013】
特に、磁性体の全体に巻線を巻きつけているため、上下コイル枠は、磁性体全体を収納できる大きさである必要がある。従って、上記の作り直しは容易に行うことが難しい。
そこで、本発明の目的は、上記の課題を解決するべく、巻数の変更に容易に対応できる磁気測定治具を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
前記の目的を達成するために、本発明によれば、環状の磁性体に巻き回された励磁巻線と、該励磁巻線に接続される電源と、前記電源から前記励磁巻線に供給される電流によって前記磁性体内に生ずる磁束の変化を検出する前記磁性体に巻き回された検出巻線と、該検出巻線に生ずる起電力を検出する電圧計とを備え、前記磁性体の磁気特性を測定する磁気測定治具において、前記励磁巻線または前記検出巻線は、前記磁性体を挟み込む一対のコネクタに形成され、前記コネクタは、前記磁性体を挟み込むように、第1のコネクタおよび第2のコネクタに分かれており、前記第1のコネクタの第1の面と前記第2のコネクタの第2の面とを対面させることで、前記巻線が前記ターンを構成するように、前記第1の面および前記第2の面にコネクタ用接続端子が形成され、該コネクタ用接続端子同士は着脱可能に嵌合され、前記第1のコネクタおよび第2のコネクタには、それぞれの巻線と前記ターンごとに導通した接続端子が形成され、前記励磁巻線を形成する前記コネクタには任意のターン数の前記接続端子に前記電源が接続され、前記検出巻線を形成する前記コネクタには前記電圧計が接続されることを特徴とする磁気測定治具とする。
【0015】
また、本発明によれば、環状の磁性体に巻き回された励磁巻線と、該励磁巻線に接続される電源と、前記電源から前記励磁巻線に供給される電流によって前記磁性体内に生ずる磁束の変化を検出する前記磁性体に巻き回された検出巻線と、該検出巻線に生ずる起電力を検出する電圧計とを備え、前記磁性体の磁気特性を測定する磁気測定治具において、前記励磁巻線または前記検出巻線は、前記磁性体を挟み込む一対のコネクタに形成され、前記コネクタは、第1のコネクタおよび第2のコネクタに分かれており、前記第1のコネクタおよび前記第2のコネクタは、前記ターンごとに前記巻線と導通した導線で接続されており、前記第1のコネクタの第1の面と前記第2のコネクタの第2の面とを対面させ、前記巻線と前記導線とで前記ターンを構成するように、前記第1の面および前記第2の面にコネクタ用接続端子が形成され、該コネクタ用接続端子同士は着脱可能に嵌合され、前記第1のコネクタおよび第2のコネクタには、それぞれの巻線と前記ターンごとに導通した接続端子が形成され、前記励磁巻線を形成する前記コネクタには任意のターン数の前記接続端子に前記電源が接続され、前記検出巻線を形成する前記コネクタには前記電圧計が接続されることを特徴とする磁気測定治具とする。
【0016】
また、本発明によれば、環状の磁性体に巻き回された励磁巻線と、該励磁巻線に接続される電源と、前記電源から前記励磁巻線に供給される電流によって前記磁性体内に生ずる磁束の変化を検出する前記磁性体に巻き回された検出巻線と、該検出巻線に生ずる起電力を検出する電圧計とを備え、前記磁性体の磁気特性を測定する磁気測定治具において、前記励磁巻線または前記検出巻線は、前記磁性体を挟み込む一対のコネクタに形成され、前記コネクタは、前記磁性体を挟み込むように、第1のコネクタおよび第2のコネクタに分かれており、前記第1のコネクタおよび前記第2のコネクタは、それぞれ前記ターンごとに分かれており、前記ターンごとの各コネクタが連結部材に取り付けられていることによって構成され、前記第1のコネクタおよび第2のコネクタには、それぞれの巻線と前記ターンごとに導通した接続端子が形成され、前記励磁巻線を形成する前記コネクタには任意のターン数の前記接続端子に前記電源が接続され、前記検出巻線を形成する前記コネクタには前記電圧計が接続されることを特徴とする磁気測定治具とする。
【0017】
また、本発明によれば、環状の磁性体に巻き回された励磁巻線と、該励磁巻線に接続される電源と、前記電源から前記励磁巻線に供給される電流によって前記磁性体内に生ずる磁束の変化を検出する前記磁性体に巻き回された検出巻線と、該検出巻線に生ずる起電力を検出する電圧計とを備え、前記磁性体の磁気特性を測定する磁気測定治具において、前記励磁巻線または前記検出巻線は、前記磁性体を挟み込む一対のコネクタに形成され、前記コネクタは、前記磁性体を挟み込むように、第1のコネクタおよび第2のコネクタに分かれており、前記第1のコネクタおよび前記第2のコネクタは、それぞれ前記ターンごとに分かれており、前記ターンごとの各コネクタには連結機構が形成され、該連結機構同士が組み合わせられることによって構成され、前記第1のコネクタおよび第2のコネクタには、それぞれの巻線と前記ターンごとに導通した接続端子が形成され、前記励磁巻線を形成する前記コネクタには任意のターン数の前記接続端子に前記電源が接続され、前記検出巻線を形成する前記コネクタには前記電圧計が接続されることを特徴とする磁気測定治具とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明により、巻数の変更に容易に対応することができる磁気測定治具を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の第1の実施例の磁気測定治具の構成を示す図である。
【図2】本発明の第1の実施例の磁気測定治具を磁性体に用いた状態を示す図である。
【図3】本発明の第2の実施例の磁気測定治具の構成を示す図である。
【図4】本発明の第2の実施例の磁気測定治具を磁性体に用いた状態を示す図である。
【図5】本発明の第3の実施例の磁気測定治具の構成を示す図である。
【図6】本発明の第3の実施例の磁気測定治具を磁性体に用いた状態を示す図である。
【図7】本発明の第4の実施例の磁気測定治具の構成を示す図である。
【図8】本発明の第4の実施例の磁気測定治具のオス側コネクタの結合状態を示す拡大図である。
【図9】本発明の第4の実施例の磁気測定治具を磁性体に用いた状態を示す図である。
【図10】従来の磁気測定治具を示す図である。
【図11】従来のその他の磁気測定治具の透過斜視図である。
【図12】図11の巻線の任意の1ターンの形成を拡大断面で示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
実施の形態を以下の実施例で説明する。以下の説明で従来の構造と同一部位には同一の符号を付した。
【実施例】
【0021】
図1は、本発明の第1の実施例の磁気測定治具の構成を示す図である。6はオス側コネクタ、7はメス側コネクタ、8は外部端子、9はオス側内部端子、10はメス側内部端子である。
【0022】
なお、図1および以下の説明は、励磁巻線2および各コネクタの構成、作用であるが、検出巻線3においても同様の構成および作用を有する。
まず、構成として、オス側コネクタ6およびメス側コネクタ7のそれぞれの内部には、励磁巻線2が埋め込まれている。オス側コネクタ6には、外部端子8が1ターンごとに突出している。外部端子8は、コネクタ内部で1ターンごとにオス側内部端子9に接続している。
【0023】
次に、作用として、オス側コネクタ6とメス側コネクタ7とにより磁性体(図示していない)を挟む込む。このとき、オス側内部端子9はメス側内部端子10に脱着可能に嵌め合わせられる。これにより、励磁巻線2は、図に示した番号A〜CCの順番で接続され、合計7ターンの巻線を実現する。
【0024】
以下、この接続について、巻線1ターン分の経路A〜Fを用いて説明する。
番号Aの外部端子8は、オス側コネクタ6の内部を通って、巻線終端方向に巻線1ターン分ズレて番号Bのオス側内部端子9に接続される。
【0025】
番号Bのオス側内部端子9は、番号Cのメス側内部端子10に差し込まれ、接続される。
番号Cのメス側内部端子10は、メス側コネクタ7内を通って、番号Dのメス側内部端子10に接続されている。
【0026】
番号Dのメス側内部端子10は、番号Eのオス側内部端子9に差し込まれる。
番号Eのオス側内部端子9は、外部端子8として出力されるほか、オス側コネクタ6の内部を通って、番号Fのオス側内部端子9に接続される。
【0027】
以上により、1ターン分の巻線が実現される。この経路を番号A〜CCまで繰り返すことで、合計7ターンの巻線をコネクタ内部で形成している。
次に、この磁気測定治具を実際に磁性体に適用した構成を図2に示す。
【0028】
図2は、本発明の第1の実施例の磁気測定治具を磁性体に用いた状態を示す図である。
まず、励磁巻線2の側の構成を説明する。
図2では、図1の励磁巻線2に係るオス側コネクタ6およびメス側コネクタ7を用いて、磁気特性の測定対象となる環状の磁性体1が挟み込まれている。オス側内部端子9はメス側内部端子10に脱着可能に差し込まれることで、励磁巻線2が磁性体1を15ターン巻いた状態で接続される。
【0029】
そして、2ターン目と14ターン目に相当する外部端子8について、交流電源4が接続されている。
同様に、検出巻線3の側の構成を説明する。
【0030】
励磁巻線2の反対側では、図1の検出巻線3に係るオス側コネクタ6およびメス側コネクタ7を用いて、磁性体1が挟み込まれている。オス側内部端子9はメス側内部端子10に脱着可能に差し込まれることで、検出巻線3が磁性体1を15ターン巻いた状態で接続されている。
【0031】
そして、2ターン目と14ターン目に相当する外部端子8について、電圧計5が接続されている。
続いて、これらの作用を説明する。
【0032】
まず、交流電源4により、外部端子8を経由してコネクタ内の励磁巻線2に電流を流す。交流電源4は、2ターン目と14ターン目の外部端子8に接続されているため、その間の励磁巻線2に磁界(H)が発生する。
【0033】
この磁界により、磁性体1の内部で磁束Φの流れが生じ、磁束の変化に比例した起電力が検出巻線3に発生する。
検出巻線3は、コネクタ内に埋め込まれており、ターンごとに外部端子8と接続されている。ここでは、2ターン目と14ターン目の外部端子8に接続された電圧計5によりその間の電力を検出する。
【0034】
その後、検出した電圧から磁束密度(B)を算出し、磁性体1の磁気特性(磁束密度(B)−磁化(H)特性、磁束密度(B)−鉄損(W)特性)を評価する。
かくして本発明の第1の実施例によれば、各コネクタには、内部の巻線と電気的に結合した外部端子8が1ターンごとに突出している。そのため、磁気測定において、希望する巻数(ターン数)を変更する場合でも、巻数に応じた外部端子8を選択し、交流電源4および電圧計5を接続することにより、巻数の変更を容易に行うことができる。
【0035】
また、励磁巻線2および検出巻線3は各コネクタ内部で形成され、かつ周方向でオス側コネクタ6とメス側コネクタ7とに分離されるため、励磁巻線2および検出巻線3は、磁性体1に容易に脱着可能となる。従って、巻線の取外しや取り付けが容易になる。
【0036】
次に、本発明の第2の形態の磁気測定治具について説明する。
図3は、本発明の第2の実施例の磁気測定治具の構成を示す図である。11は導線である。
【0037】
なお、図3および以下の説明は、励磁巻線2および各コネクタの構成、作用であるが、検出巻線3においても同様の構成および作用を有する。
まず、構成として、オス側コネクタ6には、オス側内部端子9と外部端子8が突出している。メス側コネクタ7には、メス側内部端子10が埋め込まれている。
【0038】
外部端子8は、コネクタ内部でターンごとにオス側内部端子9に接続している。オス側内部端子9および外部端子8と、メス側内部端子10とは、ターンごとに導線11を用いて電気的に接続されている。
【0039】
次に、作用として、オス側コネクタ6とメス側コネクタ7とで、磁性体(図示していない)を挟む込む。このとき、オス側内部端子9はメス側内部端子10に脱着可能に嵌め合わせられる。これにより、励磁巻線2は、図に示した番号A〜Uの順番で接続され、合計6ターンの巻線を実現する。
【0040】
以下、この接続について、巻線1ターン分の経路A〜Uを用いて説明する。
番号Aの外部端子8は、番号Bの導線11を通って、番号Cのメス側内部端子10と導通している。
【0041】
番号Cのメス側内部端子10には、番号Dのオス側内部端子9が差し込まれ、接続される。
番号Dのオス側内部端子9は、番号Dの外部端子8としても出力される。
【0042】
以上により、1ターン分の巻線を実現している。この経路を番号A〜Uまで繰り返すことで、合計6ターンの巻線をコネクタ内部で形成している。
次に、この磁気測定治具を実際に磁性体に適用した構成を図4に示す。
【0043】
図4は、本発明の第2の実施例の磁気測定治具を磁性体に用いた状態を示す図である。
まず、励磁巻線2の側の構成を説明する。
図4では、図3の励磁巻線2に係るオス側コネクタ6およびメス側コネクタ7を用いて、磁気特性の測定対象となる環状の磁性体1が挟み込まれている。その際、オス側内部端子9はメス側内部端子10に脱着可能に差し込まれることで、励磁巻線2が磁性体1を15ターン巻いた状態で接続されている。
【0044】
そして、ここでは、2ターン目と14ターン目に相当する外部端子8について、交流電源4が接続されている。
同様に、検出巻線3の側の構成を説明する。
【0045】
励磁巻線2の反対側では、図3の検出巻線3に係るオス側コネクタ6およびメス側コネクタ7を用いて、磁性体1が挟み込まれている。オス側内部端子9はメス側内部端子10に脱着可能に差し込まれることで、検出巻線3が磁性体1を15ターン巻いた状態で接続されている。
【0046】
そして、ここでは、2ターン目と14ターン目に相当する外部端子8について、電圧計5が接続されている。
続いて、これらの作用を説明する。
【0047】
まず、交流電源4により、外部端子8を経由してコネクタ内の励磁巻線2に電流を流す。交流電源4は、2ターン目と14ターン目の外部端子8に接続されているため、その間の励磁巻線2に磁界(H)が発生する。
【0048】
この磁界により、磁性体1の内部で磁束Φの流れが生じ、磁束の変化に比例した起電力が検出巻線3に発生する。
検出巻線3は、コネクタ内に埋め込まれており、ターンごとに外部端子8と接続されている。ここでは、2ターン目と14ターン目の外部端子8に接続された電圧計5によりその間の電力を検出する。
【0049】
その後、検出した電圧から磁束密度(B)を算出し、磁性体1の磁気特性(磁束密度(B)−磁化(H)特性、磁束密度(B)−鉄損(W)特性)を評価する。
かくして本発明の第2の実施例によれば、各コネクタには、内部の巻線とターンごとに電気的に結合した外部端子8が突出している。そのため、磁気測定において、希望する巻数(ターン数)を変更する場合でも、巻数に応じた外部端子8を選択し、交流電源4および電圧計5を接続することにより、巻数の変更を容易に行うことができる。
【0050】
また、巻線が内部に形成された分離可能なコネクタを用いることで、磁性体1に対して巻線を容易に脱着可能である。
さらに、導線11により巻線およびコネクタを接続しているため、磁性体2を巻線で締め付けることによる機械的なストレスを排除することができる。
【0051】
続いて、本発明の第3の形態の磁気測定治具について説明する。
図5は、本発明の第3の実施例の磁気測定治具の構成を示す図である。12はガイドケーブルである。
【0052】
なお、図5および以下の説明は、励磁巻線2および各コネクタの構成、作用であるが、検出巻線3においても同様の構成および作用を有する。
まず、構成として、図5のオス側コネクタ6およびメス側コネクタ7については、第1の実施例のものと内部構造は同じである。
【0053】
しかし、それぞれのコネクタにおいて、巻線1ターンずつコネクタが分離独立しており、分離したそれらのコネクタ同士をガイドケーブル12で接続することで、オス側コネクタ6およびメス側コネクタ7が構成されている点が異なる。
【0054】
メス側コネクタ7には、図示されていない方向にメス側内部端子10が埋め込まれている。オス側コネクタ6にも、図示されていない方向にオス側内部端子9が突出している。
また、オス側コネクタ6には、外部端子8が突出しており、オス側内部端子9と外部端子8とはターンごとにコネクタ内部で接続されている。
【0055】
オス側コネクタ6およびメス側コネクタ7は、それぞれ巻線1ターンごとに分離独立しており、ガイドケーブル12により接続されることで形成されている。
次に、作用として、オス側コネクタ6とメス側コネクタ7とで、磁性体(図示していない)を挟む込む。このとき、オス側内部端子9はメス側内部端子10に脱着可能に嵌め合わせられる。これにより、励磁巻線2は、第1の実施例で示した巻線のターン経路を繰り返すことで、磁性体1を合計6ターン巻いた状態で接続される。
【0056】
次に、この磁気測定治具を実際に磁性体に適用した構成を図2に示す。
図6は、本発明の第3の実施例の磁気測定治具を磁性体に用いた状態を示す図である。但し、磁性体1は、第1の実施例より曲率の大きいものとなっている。
【0057】
まず、励磁巻線2の側の構成を説明する。
図6では、図5の励磁巻線2に係るオス側コネクタ6およびメス側コネクタ7を用いて、磁気特性の測定対象となる環状の磁性体1が挟み込まれている。ここで、各コネクタは、それぞれターンごとに分離されたものをガイドケーブル12で接続して構成している。
【0058】
その際、オス側内部端子9はメス側内部端子10に脱着可能に差し込まれることで、励磁巻線2が磁性体1を19ターン巻いた状態で接続されている。
そして、ここでは7ターン目と14ターン目に相当する外部端子8について、交流電源4が接続されている。
【0059】
同様に、検出巻線3の側の構成を説明する。
励磁巻線2の反対側では、図5の検出巻線3に係るオス側コネクタ6およびメス側コネクタ7を用いて、磁性体1が挟み込まれている。
【0060】
オス側内部端子9はメス側内部端子10に脱着可能に差し込まれることで、検出巻線3が磁性体1を19ターン巻いた状態で接続されている。各コネクタは、ガイドケーブル12により接続されている。
【0061】
そして、ここでは、2ターン目と7ターン目に相当する外部端子8について、電圧計5が接続されている。
続いて、これらの作用を説明する。
【0062】
交流電源4を用いてコネクタ内の励磁巻線2に電流を流し、検出巻線3に発生した起電力を電圧計5で検出し、検出した電圧から磁束密度を算出し、磁性体1の磁気特性を評価する。
【0063】
かくして本発明の第3の実施例によれば、各コネクタには、内部の巻線とターンごとに電気的に結合した外部端子8が突出している。そのため、磁気測定において、希望する巻数(ターン数)を変更する場合でも、巻数に応じた外部端子8を選択し、交流電源4および電圧計5を接続することにより、巻数の変更を容易に行うことができる。
【0064】
また、巻線が内部に形成された分離可能なコネクタを用いることで、磁性体1に対して巻線を容易に脱着可能である。
さらに、巻線1ターンごとに各コネクタが分離され、それらがガイドケーブル12で接続される構成であるため、図6のような曲率の大きい磁性体1の磁気測定においても、各コネクタの適用が容易となる。
【0065】
最後に、本発明の第4の形態の磁気測定治具について説明する。
図7および図8は、本発明の第4の実施例の磁気測定治具の構成を示す図である。13はガイド機構である。
【0066】
図7は、各コネクタが連結した状態を示す図である。
図8は、図7のA方向から見た状態のオス側コネクタ6の結合状態を示す拡大図である。
【0067】
なお、図7および図8ならびに以下の説明は、励磁巻線2および各コネクタの構成、作用であるが、検出巻線3においても同様の構成および作用を有する。
まず、構成として、オス側コネクタ6には、オス側内部端子9と外部端子8がコネクタ内部で接続するとともに、外部へ突出している。メス側コネクタ7には、図示されていない方向にメス側内部端子10が埋め込まれている。
【0068】
オス側内部端子9および外部端子8と、メス側内部端子10とは、導線(図示していない)によりターンごとに電気的に接続されている。
つまり、オス側コネクタ6およびメス側コネクタ7の内部構造、導線で接続されている点は、第2の実施例のものと同じである。
【0069】
しかし、オス側コネクタ6およびメス側コネクタ7は、それぞれ巻線1ターンごとに分離独立しており、1ターンごとにガイド機構13を備えている点が第2の実施例とは異なる。
【0070】
ガイド機構13は、1ターンごとのコネクタの上下部に、テール形状とそれを嵌め込む形状とから形成されている。
次に、作用として、オス側コネクタ6のそれぞれ1ターンごとに分離したものは、ガイド機構13により連結される。
【0071】
それぞれの上下でテール形状を嵌め合わせることにより、連結され、オス側コネクタ6を構成する。
同様に、メス側コネクタ7のそれぞれ1ターンごとに分離したものも、ガイド機構13により、連結され、メス側コネクタ7を構成する。
【0072】
そして、オス側コネクタ6とメス側コネクタ7とで、磁性体(図示していない)を挟む込む。このとき、オス側内部端子9はメス側内部端子10に脱着可能に嵌め合わせられる。
【0073】
ここで、オス側内部端子9および外部端子8と、メス側内部端子10とは、導線(図示していない)により接続されているので、磁性体を複数ターン巻いた状態で接続されることになる。
【0074】
次に、この磁気測定治具を実際に磁性体に適用した構成を図9に示す。
図9は、本発明の第4の実施例の磁気測定治具を磁性体に用いた状態を示す図である。但し、磁性体1は、第2の実施例より曲率の大きいものとなっている。
【0075】
まず、励磁巻線2の側の構成を説明する。
図9では、図7および図8の励磁巻線2に係るオス側コネクタ6およびメス側コネクタ7(それぞれガイド機構13で接続されている)を用いて、磁気特性の測定対象となる環状の磁性体1を挟み込んでいる。
【0076】
その際、オス側内部端子9はメス側内部端子10に脱着可能に差し込まれることで、励磁巻線2が磁性体1を13ターン巻いた状態で接続されている。各コネクタ間は、ガイド機構13により接続されている。
【0077】
そして、ここでは4ターン目と11ターン目に相当する外部端子8について、交流電源4が接続されている。
同様に、検出巻線3の側の構成を説明する。
【0078】
励磁巻線2の反対側では、図7および図8の検出巻線3に係るオス側コネクタ6およびメス側コネクタ7を用いて、磁性体1を挟み込んでいる。各コネクタ間は、ガイド機構13により接続されている。
【0079】
そして、ここでは、4ターン目と11ターン目に相当する外部端子8について、電圧計5が接続されている。
続いて、これらの作用を説明する。
【0080】
交流電源4を用いてコネクタ内の励磁巻線2に電流を流し、検出巻線3に発生した起電力を電圧計5で検出し、検出した電圧から磁束密度を算出し、磁性体1の磁気特性を評価する。
【0081】
かくして本発明の第4の実施例によれば、各コネクタには、内部の巻線とターンごとに電気的に結合した外部端子8が突出している。そのため、磁気測定において、希望する巻数(ターン数)を変更する場合でも、巻数に応じた外部端子8を選択し、交流電源4および電圧計5を接続することにより、巻数の変更を容易に行うことができる。
【0082】
また、巻線が内部に形成された分離可能なコネクタを用いることで、磁性体1に対して巻線を容易に脱着可能である。
さらに、導線11により巻線およびコネクタを接続しているため、磁性体2を巻線で締め付けることによる機械的なストレスを排除することができる。
【0083】
上記に加え、巻線1ターンごとに各コネクタが分離され、それらがガイド機構13で接続される構成であるため、図9のような曲率の大きい磁性体1の磁気測定においても、各コネクタの適用が容易となる。
【符号の説明】
【0084】
1 磁性体
2 励磁巻線
3 検出巻線
4 交流電源
5 電圧計
6 オス側コネクタ
7 メス側コネクタ
8 外部端子
9 オス側内部端子
10 メス側内部端子
11 導線
12 ガイドケーブル
13 ガイド機構
14 上部コイル枠
15 下部コイル枠
16 コイル枠用接続端子
【技術分野】
【0001】
本発明は、磁性体(例えば、環状の磁性体)の磁気特性を電磁気的に測定するに際し、磁性体の励磁およびそれによる起電力の検出を行うための磁気測定治具に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的な磁性体の磁気特性の測定方法として、環状の磁性体、励磁巻線、検出巻線などを用いる方法がある。この測定方法を、図10により説明する。
図10は、従来の磁気測定治具を示す図である。1は磁性体、2は励磁巻線、3は検出巻線、4は交流電源、5は電圧計である。
【0003】
図10では、環状の磁性体1に、励磁巻線2と検出巻線3を巻きつけている。そして、励磁巻線2の両端に交流電源4、検出巻線3の両端に電圧計5を接続している。
ここで、交流電源4を用いて励磁巻線2に電流を流すことで、励磁巻線2の内部には、磁界が発生する。この磁界により、磁性体1の内部で磁束の流れが生じ、磁束の変化に比例した起電力が検出巻線3に発生する。検出巻線3では電圧を検出し、その電圧から磁束密度を算出することで、磁性体1の磁化特性を評価する。
【0004】
しかし、図10の方法では、励磁巻線および検出巻線を磁性体に巻きつけ、測定後には取り外すという手作業が必要となる。そのため、多くの磁性体を測定する場合には、磁性体ごとに、巻線の取り付けと取外しをそのつど行わなければならず、巻線コストや多くの作業時間がかかる。
【0005】
さらに、人手による巻きつけを行うため、均一性が保てず、測定誤差が生じる可能性があるほか、磁性体にも機械的なストレスがかかり、磁気特性が変化してしまう、という問題があった。
【0006】
そこで、これらの問題を解決するため、巻線を巻きつけるためのコイル枠を設け、巻線とコイル枠を上下に分断した構成の磁気測定治具が知られている(特許文献1参照)。以下、図11および図12により、説明する。
【0007】
図11は、従来のその他の磁気測定治具の透過斜視図である。14は上部コイル枠、15は下部コイル枠、16はコイル枠用接続端子である。
図11では、励磁巻線2と検出巻線3が、磁性体(図示していない)の全体に巻きつくように、上部コイル枠14と下部コイル枠15とが一体となって巻かれている。上部コイル枠14と下部コイル枠15とは、コイル枠用接続端子16で接続されている。
【0008】
図12は、図11の巻線の任意の1ターンの形成を拡大断面で示した図である。
図12では、磁性体1の磁気特性を測定する際には、下部コイル枠15に磁性体1を落とし込んで収納し、上部コイル枠14で蓋をすることで、コイル枠用接続端子16により上部と下部に分断された巻線が着脱可能に接続され、磁性体1への巻線の全体的な巻きつけが実現される。
【0009】
これにより、磁性体1への巻線の簡易な巻きつけとその取外しが可能となる。従って、巻きつけの手間をかけずに、ばらつきのない精度の高い測定を短時間で行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2004−198224号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかし、このような従来の磁気測定治具には、以下のような課題があった。
特許文献1では、あらかじめ所定のターン数の巻線を決定し、そのターン数に合わせて上下のコイル枠と巻線を形成する必要がある。
【0012】
そのため、磁性体の磁気測定に際し、評価条件の変更によりターン数(巻数)を変更したい場合には、再度、変更したターン数に合わせて上下コイル枠と巻線とを作り直す必要がある。従って、短時間で変更できず、コストがかかってしまう。
【0013】
特に、磁性体の全体に巻線を巻きつけているため、上下コイル枠は、磁性体全体を収納できる大きさである必要がある。従って、上記の作り直しは容易に行うことが難しい。
そこで、本発明の目的は、上記の課題を解決するべく、巻数の変更に容易に対応できる磁気測定治具を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
前記の目的を達成するために、本発明によれば、環状の磁性体に巻き回された励磁巻線と、該励磁巻線に接続される電源と、前記電源から前記励磁巻線に供給される電流によって前記磁性体内に生ずる磁束の変化を検出する前記磁性体に巻き回された検出巻線と、該検出巻線に生ずる起電力を検出する電圧計とを備え、前記磁性体の磁気特性を測定する磁気測定治具において、前記励磁巻線または前記検出巻線は、前記磁性体を挟み込む一対のコネクタに形成され、前記コネクタは、前記磁性体を挟み込むように、第1のコネクタおよび第2のコネクタに分かれており、前記第1のコネクタの第1の面と前記第2のコネクタの第2の面とを対面させることで、前記巻線が前記ターンを構成するように、前記第1の面および前記第2の面にコネクタ用接続端子が形成され、該コネクタ用接続端子同士は着脱可能に嵌合され、前記第1のコネクタおよび第2のコネクタには、それぞれの巻線と前記ターンごとに導通した接続端子が形成され、前記励磁巻線を形成する前記コネクタには任意のターン数の前記接続端子に前記電源が接続され、前記検出巻線を形成する前記コネクタには前記電圧計が接続されることを特徴とする磁気測定治具とする。
【0015】
また、本発明によれば、環状の磁性体に巻き回された励磁巻線と、該励磁巻線に接続される電源と、前記電源から前記励磁巻線に供給される電流によって前記磁性体内に生ずる磁束の変化を検出する前記磁性体に巻き回された検出巻線と、該検出巻線に生ずる起電力を検出する電圧計とを備え、前記磁性体の磁気特性を測定する磁気測定治具において、前記励磁巻線または前記検出巻線は、前記磁性体を挟み込む一対のコネクタに形成され、前記コネクタは、第1のコネクタおよび第2のコネクタに分かれており、前記第1のコネクタおよび前記第2のコネクタは、前記ターンごとに前記巻線と導通した導線で接続されており、前記第1のコネクタの第1の面と前記第2のコネクタの第2の面とを対面させ、前記巻線と前記導線とで前記ターンを構成するように、前記第1の面および前記第2の面にコネクタ用接続端子が形成され、該コネクタ用接続端子同士は着脱可能に嵌合され、前記第1のコネクタおよび第2のコネクタには、それぞれの巻線と前記ターンごとに導通した接続端子が形成され、前記励磁巻線を形成する前記コネクタには任意のターン数の前記接続端子に前記電源が接続され、前記検出巻線を形成する前記コネクタには前記電圧計が接続されることを特徴とする磁気測定治具とする。
【0016】
また、本発明によれば、環状の磁性体に巻き回された励磁巻線と、該励磁巻線に接続される電源と、前記電源から前記励磁巻線に供給される電流によって前記磁性体内に生ずる磁束の変化を検出する前記磁性体に巻き回された検出巻線と、該検出巻線に生ずる起電力を検出する電圧計とを備え、前記磁性体の磁気特性を測定する磁気測定治具において、前記励磁巻線または前記検出巻線は、前記磁性体を挟み込む一対のコネクタに形成され、前記コネクタは、前記磁性体を挟み込むように、第1のコネクタおよび第2のコネクタに分かれており、前記第1のコネクタおよび前記第2のコネクタは、それぞれ前記ターンごとに分かれており、前記ターンごとの各コネクタが連結部材に取り付けられていることによって構成され、前記第1のコネクタおよび第2のコネクタには、それぞれの巻線と前記ターンごとに導通した接続端子が形成され、前記励磁巻線を形成する前記コネクタには任意のターン数の前記接続端子に前記電源が接続され、前記検出巻線を形成する前記コネクタには前記電圧計が接続されることを特徴とする磁気測定治具とする。
【0017】
また、本発明によれば、環状の磁性体に巻き回された励磁巻線と、該励磁巻線に接続される電源と、前記電源から前記励磁巻線に供給される電流によって前記磁性体内に生ずる磁束の変化を検出する前記磁性体に巻き回された検出巻線と、該検出巻線に生ずる起電力を検出する電圧計とを備え、前記磁性体の磁気特性を測定する磁気測定治具において、前記励磁巻線または前記検出巻線は、前記磁性体を挟み込む一対のコネクタに形成され、前記コネクタは、前記磁性体を挟み込むように、第1のコネクタおよび第2のコネクタに分かれており、前記第1のコネクタおよび前記第2のコネクタは、それぞれ前記ターンごとに分かれており、前記ターンごとの各コネクタには連結機構が形成され、該連結機構同士が組み合わせられることによって構成され、前記第1のコネクタおよび第2のコネクタには、それぞれの巻線と前記ターンごとに導通した接続端子が形成され、前記励磁巻線を形成する前記コネクタには任意のターン数の前記接続端子に前記電源が接続され、前記検出巻線を形成する前記コネクタには前記電圧計が接続されることを特徴とする磁気測定治具とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明により、巻数の変更に容易に対応することができる磁気測定治具を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の第1の実施例の磁気測定治具の構成を示す図である。
【図2】本発明の第1の実施例の磁気測定治具を磁性体に用いた状態を示す図である。
【図3】本発明の第2の実施例の磁気測定治具の構成を示す図である。
【図4】本発明の第2の実施例の磁気測定治具を磁性体に用いた状態を示す図である。
【図5】本発明の第3の実施例の磁気測定治具の構成を示す図である。
【図6】本発明の第3の実施例の磁気測定治具を磁性体に用いた状態を示す図である。
【図7】本発明の第4の実施例の磁気測定治具の構成を示す図である。
【図8】本発明の第4の実施例の磁気測定治具のオス側コネクタの結合状態を示す拡大図である。
【図9】本発明の第4の実施例の磁気測定治具を磁性体に用いた状態を示す図である。
【図10】従来の磁気測定治具を示す図である。
【図11】従来のその他の磁気測定治具の透過斜視図である。
【図12】図11の巻線の任意の1ターンの形成を拡大断面で示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
実施の形態を以下の実施例で説明する。以下の説明で従来の構造と同一部位には同一の符号を付した。
【実施例】
【0021】
図1は、本発明の第1の実施例の磁気測定治具の構成を示す図である。6はオス側コネクタ、7はメス側コネクタ、8は外部端子、9はオス側内部端子、10はメス側内部端子である。
【0022】
なお、図1および以下の説明は、励磁巻線2および各コネクタの構成、作用であるが、検出巻線3においても同様の構成および作用を有する。
まず、構成として、オス側コネクタ6およびメス側コネクタ7のそれぞれの内部には、励磁巻線2が埋め込まれている。オス側コネクタ6には、外部端子8が1ターンごとに突出している。外部端子8は、コネクタ内部で1ターンごとにオス側内部端子9に接続している。
【0023】
次に、作用として、オス側コネクタ6とメス側コネクタ7とにより磁性体(図示していない)を挟む込む。このとき、オス側内部端子9はメス側内部端子10に脱着可能に嵌め合わせられる。これにより、励磁巻線2は、図に示した番号A〜CCの順番で接続され、合計7ターンの巻線を実現する。
【0024】
以下、この接続について、巻線1ターン分の経路A〜Fを用いて説明する。
番号Aの外部端子8は、オス側コネクタ6の内部を通って、巻線終端方向に巻線1ターン分ズレて番号Bのオス側内部端子9に接続される。
【0025】
番号Bのオス側内部端子9は、番号Cのメス側内部端子10に差し込まれ、接続される。
番号Cのメス側内部端子10は、メス側コネクタ7内を通って、番号Dのメス側内部端子10に接続されている。
【0026】
番号Dのメス側内部端子10は、番号Eのオス側内部端子9に差し込まれる。
番号Eのオス側内部端子9は、外部端子8として出力されるほか、オス側コネクタ6の内部を通って、番号Fのオス側内部端子9に接続される。
【0027】
以上により、1ターン分の巻線が実現される。この経路を番号A〜CCまで繰り返すことで、合計7ターンの巻線をコネクタ内部で形成している。
次に、この磁気測定治具を実際に磁性体に適用した構成を図2に示す。
【0028】
図2は、本発明の第1の実施例の磁気測定治具を磁性体に用いた状態を示す図である。
まず、励磁巻線2の側の構成を説明する。
図2では、図1の励磁巻線2に係るオス側コネクタ6およびメス側コネクタ7を用いて、磁気特性の測定対象となる環状の磁性体1が挟み込まれている。オス側内部端子9はメス側内部端子10に脱着可能に差し込まれることで、励磁巻線2が磁性体1を15ターン巻いた状態で接続される。
【0029】
そして、2ターン目と14ターン目に相当する外部端子8について、交流電源4が接続されている。
同様に、検出巻線3の側の構成を説明する。
【0030】
励磁巻線2の反対側では、図1の検出巻線3に係るオス側コネクタ6およびメス側コネクタ7を用いて、磁性体1が挟み込まれている。オス側内部端子9はメス側内部端子10に脱着可能に差し込まれることで、検出巻線3が磁性体1を15ターン巻いた状態で接続されている。
【0031】
そして、2ターン目と14ターン目に相当する外部端子8について、電圧計5が接続されている。
続いて、これらの作用を説明する。
【0032】
まず、交流電源4により、外部端子8を経由してコネクタ内の励磁巻線2に電流を流す。交流電源4は、2ターン目と14ターン目の外部端子8に接続されているため、その間の励磁巻線2に磁界(H)が発生する。
【0033】
この磁界により、磁性体1の内部で磁束Φの流れが生じ、磁束の変化に比例した起電力が検出巻線3に発生する。
検出巻線3は、コネクタ内に埋め込まれており、ターンごとに外部端子8と接続されている。ここでは、2ターン目と14ターン目の外部端子8に接続された電圧計5によりその間の電力を検出する。
【0034】
その後、検出した電圧から磁束密度(B)を算出し、磁性体1の磁気特性(磁束密度(B)−磁化(H)特性、磁束密度(B)−鉄損(W)特性)を評価する。
かくして本発明の第1の実施例によれば、各コネクタには、内部の巻線と電気的に結合した外部端子8が1ターンごとに突出している。そのため、磁気測定において、希望する巻数(ターン数)を変更する場合でも、巻数に応じた外部端子8を選択し、交流電源4および電圧計5を接続することにより、巻数の変更を容易に行うことができる。
【0035】
また、励磁巻線2および検出巻線3は各コネクタ内部で形成され、かつ周方向でオス側コネクタ6とメス側コネクタ7とに分離されるため、励磁巻線2および検出巻線3は、磁性体1に容易に脱着可能となる。従って、巻線の取外しや取り付けが容易になる。
【0036】
次に、本発明の第2の形態の磁気測定治具について説明する。
図3は、本発明の第2の実施例の磁気測定治具の構成を示す図である。11は導線である。
【0037】
なお、図3および以下の説明は、励磁巻線2および各コネクタの構成、作用であるが、検出巻線3においても同様の構成および作用を有する。
まず、構成として、オス側コネクタ6には、オス側内部端子9と外部端子8が突出している。メス側コネクタ7には、メス側内部端子10が埋め込まれている。
【0038】
外部端子8は、コネクタ内部でターンごとにオス側内部端子9に接続している。オス側内部端子9および外部端子8と、メス側内部端子10とは、ターンごとに導線11を用いて電気的に接続されている。
【0039】
次に、作用として、オス側コネクタ6とメス側コネクタ7とで、磁性体(図示していない)を挟む込む。このとき、オス側内部端子9はメス側内部端子10に脱着可能に嵌め合わせられる。これにより、励磁巻線2は、図に示した番号A〜Uの順番で接続され、合計6ターンの巻線を実現する。
【0040】
以下、この接続について、巻線1ターン分の経路A〜Uを用いて説明する。
番号Aの外部端子8は、番号Bの導線11を通って、番号Cのメス側内部端子10と導通している。
【0041】
番号Cのメス側内部端子10には、番号Dのオス側内部端子9が差し込まれ、接続される。
番号Dのオス側内部端子9は、番号Dの外部端子8としても出力される。
【0042】
以上により、1ターン分の巻線を実現している。この経路を番号A〜Uまで繰り返すことで、合計6ターンの巻線をコネクタ内部で形成している。
次に、この磁気測定治具を実際に磁性体に適用した構成を図4に示す。
【0043】
図4は、本発明の第2の実施例の磁気測定治具を磁性体に用いた状態を示す図である。
まず、励磁巻線2の側の構成を説明する。
図4では、図3の励磁巻線2に係るオス側コネクタ6およびメス側コネクタ7を用いて、磁気特性の測定対象となる環状の磁性体1が挟み込まれている。その際、オス側内部端子9はメス側内部端子10に脱着可能に差し込まれることで、励磁巻線2が磁性体1を15ターン巻いた状態で接続されている。
【0044】
そして、ここでは、2ターン目と14ターン目に相当する外部端子8について、交流電源4が接続されている。
同様に、検出巻線3の側の構成を説明する。
【0045】
励磁巻線2の反対側では、図3の検出巻線3に係るオス側コネクタ6およびメス側コネクタ7を用いて、磁性体1が挟み込まれている。オス側内部端子9はメス側内部端子10に脱着可能に差し込まれることで、検出巻線3が磁性体1を15ターン巻いた状態で接続されている。
【0046】
そして、ここでは、2ターン目と14ターン目に相当する外部端子8について、電圧計5が接続されている。
続いて、これらの作用を説明する。
【0047】
まず、交流電源4により、外部端子8を経由してコネクタ内の励磁巻線2に電流を流す。交流電源4は、2ターン目と14ターン目の外部端子8に接続されているため、その間の励磁巻線2に磁界(H)が発生する。
【0048】
この磁界により、磁性体1の内部で磁束Φの流れが生じ、磁束の変化に比例した起電力が検出巻線3に発生する。
検出巻線3は、コネクタ内に埋め込まれており、ターンごとに外部端子8と接続されている。ここでは、2ターン目と14ターン目の外部端子8に接続された電圧計5によりその間の電力を検出する。
【0049】
その後、検出した電圧から磁束密度(B)を算出し、磁性体1の磁気特性(磁束密度(B)−磁化(H)特性、磁束密度(B)−鉄損(W)特性)を評価する。
かくして本発明の第2の実施例によれば、各コネクタには、内部の巻線とターンごとに電気的に結合した外部端子8が突出している。そのため、磁気測定において、希望する巻数(ターン数)を変更する場合でも、巻数に応じた外部端子8を選択し、交流電源4および電圧計5を接続することにより、巻数の変更を容易に行うことができる。
【0050】
また、巻線が内部に形成された分離可能なコネクタを用いることで、磁性体1に対して巻線を容易に脱着可能である。
さらに、導線11により巻線およびコネクタを接続しているため、磁性体2を巻線で締め付けることによる機械的なストレスを排除することができる。
【0051】
続いて、本発明の第3の形態の磁気測定治具について説明する。
図5は、本発明の第3の実施例の磁気測定治具の構成を示す図である。12はガイドケーブルである。
【0052】
なお、図5および以下の説明は、励磁巻線2および各コネクタの構成、作用であるが、検出巻線3においても同様の構成および作用を有する。
まず、構成として、図5のオス側コネクタ6およびメス側コネクタ7については、第1の実施例のものと内部構造は同じである。
【0053】
しかし、それぞれのコネクタにおいて、巻線1ターンずつコネクタが分離独立しており、分離したそれらのコネクタ同士をガイドケーブル12で接続することで、オス側コネクタ6およびメス側コネクタ7が構成されている点が異なる。
【0054】
メス側コネクタ7には、図示されていない方向にメス側内部端子10が埋め込まれている。オス側コネクタ6にも、図示されていない方向にオス側内部端子9が突出している。
また、オス側コネクタ6には、外部端子8が突出しており、オス側内部端子9と外部端子8とはターンごとにコネクタ内部で接続されている。
【0055】
オス側コネクタ6およびメス側コネクタ7は、それぞれ巻線1ターンごとに分離独立しており、ガイドケーブル12により接続されることで形成されている。
次に、作用として、オス側コネクタ6とメス側コネクタ7とで、磁性体(図示していない)を挟む込む。このとき、オス側内部端子9はメス側内部端子10に脱着可能に嵌め合わせられる。これにより、励磁巻線2は、第1の実施例で示した巻線のターン経路を繰り返すことで、磁性体1を合計6ターン巻いた状態で接続される。
【0056】
次に、この磁気測定治具を実際に磁性体に適用した構成を図2に示す。
図6は、本発明の第3の実施例の磁気測定治具を磁性体に用いた状態を示す図である。但し、磁性体1は、第1の実施例より曲率の大きいものとなっている。
【0057】
まず、励磁巻線2の側の構成を説明する。
図6では、図5の励磁巻線2に係るオス側コネクタ6およびメス側コネクタ7を用いて、磁気特性の測定対象となる環状の磁性体1が挟み込まれている。ここで、各コネクタは、それぞれターンごとに分離されたものをガイドケーブル12で接続して構成している。
【0058】
その際、オス側内部端子9はメス側内部端子10に脱着可能に差し込まれることで、励磁巻線2が磁性体1を19ターン巻いた状態で接続されている。
そして、ここでは7ターン目と14ターン目に相当する外部端子8について、交流電源4が接続されている。
【0059】
同様に、検出巻線3の側の構成を説明する。
励磁巻線2の反対側では、図5の検出巻線3に係るオス側コネクタ6およびメス側コネクタ7を用いて、磁性体1が挟み込まれている。
【0060】
オス側内部端子9はメス側内部端子10に脱着可能に差し込まれることで、検出巻線3が磁性体1を19ターン巻いた状態で接続されている。各コネクタは、ガイドケーブル12により接続されている。
【0061】
そして、ここでは、2ターン目と7ターン目に相当する外部端子8について、電圧計5が接続されている。
続いて、これらの作用を説明する。
【0062】
交流電源4を用いてコネクタ内の励磁巻線2に電流を流し、検出巻線3に発生した起電力を電圧計5で検出し、検出した電圧から磁束密度を算出し、磁性体1の磁気特性を評価する。
【0063】
かくして本発明の第3の実施例によれば、各コネクタには、内部の巻線とターンごとに電気的に結合した外部端子8が突出している。そのため、磁気測定において、希望する巻数(ターン数)を変更する場合でも、巻数に応じた外部端子8を選択し、交流電源4および電圧計5を接続することにより、巻数の変更を容易に行うことができる。
【0064】
また、巻線が内部に形成された分離可能なコネクタを用いることで、磁性体1に対して巻線を容易に脱着可能である。
さらに、巻線1ターンごとに各コネクタが分離され、それらがガイドケーブル12で接続される構成であるため、図6のような曲率の大きい磁性体1の磁気測定においても、各コネクタの適用が容易となる。
【0065】
最後に、本発明の第4の形態の磁気測定治具について説明する。
図7および図8は、本発明の第4の実施例の磁気測定治具の構成を示す図である。13はガイド機構である。
【0066】
図7は、各コネクタが連結した状態を示す図である。
図8は、図7のA方向から見た状態のオス側コネクタ6の結合状態を示す拡大図である。
【0067】
なお、図7および図8ならびに以下の説明は、励磁巻線2および各コネクタの構成、作用であるが、検出巻線3においても同様の構成および作用を有する。
まず、構成として、オス側コネクタ6には、オス側内部端子9と外部端子8がコネクタ内部で接続するとともに、外部へ突出している。メス側コネクタ7には、図示されていない方向にメス側内部端子10が埋め込まれている。
【0068】
オス側内部端子9および外部端子8と、メス側内部端子10とは、導線(図示していない)によりターンごとに電気的に接続されている。
つまり、オス側コネクタ6およびメス側コネクタ7の内部構造、導線で接続されている点は、第2の実施例のものと同じである。
【0069】
しかし、オス側コネクタ6およびメス側コネクタ7は、それぞれ巻線1ターンごとに分離独立しており、1ターンごとにガイド機構13を備えている点が第2の実施例とは異なる。
【0070】
ガイド機構13は、1ターンごとのコネクタの上下部に、テール形状とそれを嵌め込む形状とから形成されている。
次に、作用として、オス側コネクタ6のそれぞれ1ターンごとに分離したものは、ガイド機構13により連結される。
【0071】
それぞれの上下でテール形状を嵌め合わせることにより、連結され、オス側コネクタ6を構成する。
同様に、メス側コネクタ7のそれぞれ1ターンごとに分離したものも、ガイド機構13により、連結され、メス側コネクタ7を構成する。
【0072】
そして、オス側コネクタ6とメス側コネクタ7とで、磁性体(図示していない)を挟む込む。このとき、オス側内部端子9はメス側内部端子10に脱着可能に嵌め合わせられる。
【0073】
ここで、オス側内部端子9および外部端子8と、メス側内部端子10とは、導線(図示していない)により接続されているので、磁性体を複数ターン巻いた状態で接続されることになる。
【0074】
次に、この磁気測定治具を実際に磁性体に適用した構成を図9に示す。
図9は、本発明の第4の実施例の磁気測定治具を磁性体に用いた状態を示す図である。但し、磁性体1は、第2の実施例より曲率の大きいものとなっている。
【0075】
まず、励磁巻線2の側の構成を説明する。
図9では、図7および図8の励磁巻線2に係るオス側コネクタ6およびメス側コネクタ7(それぞれガイド機構13で接続されている)を用いて、磁気特性の測定対象となる環状の磁性体1を挟み込んでいる。
【0076】
その際、オス側内部端子9はメス側内部端子10に脱着可能に差し込まれることで、励磁巻線2が磁性体1を13ターン巻いた状態で接続されている。各コネクタ間は、ガイド機構13により接続されている。
【0077】
そして、ここでは4ターン目と11ターン目に相当する外部端子8について、交流電源4が接続されている。
同様に、検出巻線3の側の構成を説明する。
【0078】
励磁巻線2の反対側では、図7および図8の検出巻線3に係るオス側コネクタ6およびメス側コネクタ7を用いて、磁性体1を挟み込んでいる。各コネクタ間は、ガイド機構13により接続されている。
【0079】
そして、ここでは、4ターン目と11ターン目に相当する外部端子8について、電圧計5が接続されている。
続いて、これらの作用を説明する。
【0080】
交流電源4を用いてコネクタ内の励磁巻線2に電流を流し、検出巻線3に発生した起電力を電圧計5で検出し、検出した電圧から磁束密度を算出し、磁性体1の磁気特性を評価する。
【0081】
かくして本発明の第4の実施例によれば、各コネクタには、内部の巻線とターンごとに電気的に結合した外部端子8が突出している。そのため、磁気測定において、希望する巻数(ターン数)を変更する場合でも、巻数に応じた外部端子8を選択し、交流電源4および電圧計5を接続することにより、巻数の変更を容易に行うことができる。
【0082】
また、巻線が内部に形成された分離可能なコネクタを用いることで、磁性体1に対して巻線を容易に脱着可能である。
さらに、導線11により巻線およびコネクタを接続しているため、磁性体2を巻線で締め付けることによる機械的なストレスを排除することができる。
【0083】
上記に加え、巻線1ターンごとに各コネクタが分離され、それらがガイド機構13で接続される構成であるため、図9のような曲率の大きい磁性体1の磁気測定においても、各コネクタの適用が容易となる。
【符号の説明】
【0084】
1 磁性体
2 励磁巻線
3 検出巻線
4 交流電源
5 電圧計
6 オス側コネクタ
7 メス側コネクタ
8 外部端子
9 オス側内部端子
10 メス側内部端子
11 導線
12 ガイドケーブル
13 ガイド機構
14 上部コイル枠
15 下部コイル枠
16 コイル枠用接続端子
【特許請求の範囲】
【請求項1】
環状の磁性体に巻き回された励磁巻線と、
該励磁巻線に接続される電源と、
前記電源から前記励磁巻線に供給される電流によって前記磁性体内に生ずる磁束の変化を検出する前記磁性体に巻き回された検出巻線と、
該検出巻線に生ずる起電力を検出する電圧計とを備え、前記磁性体の磁気特性を測定する磁気測定治具において、
前記励磁巻線または前記検出巻線は、前記磁性体を挟み込む一対のコネクタに形成され、
前記コネクタは、前記磁性体を挟み込むように、第1のコネクタおよび第2のコネクタに分かれており、
前記第1のコネクタの第1の面と前記第2のコネクタの第2の面とを対面させることで、前記巻線が前記ターンを構成するように、前記第1の面および前記第2の面にコネクタ用接続端子が形成され、該コネクタ用接続端子同士は着脱可能に嵌合され、
前記第1のコネクタおよび第2のコネクタには、それぞれの巻線と前記ターンごとに導通した接続端子が形成され、
前記励磁巻線を形成する前記コネクタには任意のターン数の前記接続端子に前記電源が接続され、前記検出巻線を形成する前記コネクタには前記電圧計が接続されることを特徴とする磁気測定治具。
【請求項2】
環状の磁性体に巻き回された励磁巻線と、
該励磁巻線に接続される電源と、
前記電源から前記励磁巻線に供給される電流によって前記磁性体内に生ずる磁束の変化を検出する前記磁性体に巻き回された検出巻線と、
該検出巻線に生ずる起電力を検出する電圧計とを備え、前記磁性体の磁気特性を測定する磁気測定治具において、
前記励磁巻線または前記検出巻線は、前記磁性体を挟み込む一対のコネクタに形成され、
前記コネクタは、第1のコネクタおよび第2のコネクタに分かれており、
前記第1のコネクタおよび前記第2のコネクタは、前記ターンごとに前記巻線と導通した導線で接続されており、
前記第1のコネクタの第1の面と前記第2のコネクタの第2の面とを対面させ、前記巻線と前記導線とで前記ターンを構成するように、前記第1の面および前記第2の面にコネクタ用接続端子が形成され、該コネクタ用接続端子同士は着脱可能に嵌合され、
前記第1のコネクタおよび第2のコネクタには、それぞれの巻線と前記ターンごとに導通した接続端子が形成され、
前記励磁巻線を形成する前記コネクタには任意のターン数の前記接続端子に前記電源が接続され、前記検出巻線を形成する前記コネクタには前記電圧計が接続されることを特徴とする磁気測定治具。
【請求項3】
環状の磁性体に巻き回された励磁巻線と、
該励磁巻線に接続される電源と、
前記電源から前記励磁巻線に供給される電流によって前記磁性体内に生ずる磁束の変化を検出する前記磁性体に巻き回された検出巻線と、
該検出巻線に生ずる起電力を検出する電圧計とを備え、前記磁性体の磁気特性を測定する磁気測定治具において、
前記励磁巻線または前記検出巻線は、前記磁性体を挟み込む一対のコネクタに形成され、
前記コネクタは、前記磁性体を挟み込むように、第1のコネクタおよび第2のコネクタに分かれており、
前記第1のコネクタおよび前記第2のコネクタは、それぞれ前記ターンごとに分かれており、前記ターンごとの各コネクタが連結部材に取り付けられていることによって構成され、
前記第1のコネクタおよび第2のコネクタには、それぞれの巻線と前記ターンごとに導通した接続端子が形成され、
前記励磁巻線を形成する前記コネクタには任意のターン数の前記接続端子に前記電源が接続され、前記検出巻線を形成する前記コネクタには前記電圧計が接続されることを特徴とする磁気測定治具。
【請求項4】
環状の磁性体に巻き回された励磁巻線と、
該励磁巻線に接続される電源と、
前記電源から前記励磁巻線に供給される電流によって前記磁性体内に生ずる磁束の変化を検出する前記磁性体に巻き回された検出巻線と、
該検出巻線に生ずる起電力を検出する電圧計とを備え、前記磁性体の磁気特性を測定する磁気測定治具において、
前記励磁巻線または前記検出巻線は、前記磁性体を挟み込む一対のコネクタに形成され、
前記コネクタは、前記磁性体を挟み込むように、第1のコネクタおよび第2のコネクタに分かれており、
前記第1のコネクタおよび前記第2のコネクタは、それぞれ前記ターンごとに分かれており、前記ターンごとの各コネクタには連結機構が形成され、該連結機構同士が組み合わせられることによって構成され、
前記第1のコネクタおよび第2のコネクタには、それぞれの巻線と前記ターンごとに導通した接続端子が形成され、
前記励磁巻線を形成する前記コネクタには任意のターン数の前記接続端子に前記電源が接続され、前記検出巻線を形成する前記コネクタには前記電圧計が接続されることを特徴とする磁気測定治具。
【請求項1】
環状の磁性体に巻き回された励磁巻線と、
該励磁巻線に接続される電源と、
前記電源から前記励磁巻線に供給される電流によって前記磁性体内に生ずる磁束の変化を検出する前記磁性体に巻き回された検出巻線と、
該検出巻線に生ずる起電力を検出する電圧計とを備え、前記磁性体の磁気特性を測定する磁気測定治具において、
前記励磁巻線または前記検出巻線は、前記磁性体を挟み込む一対のコネクタに形成され、
前記コネクタは、前記磁性体を挟み込むように、第1のコネクタおよび第2のコネクタに分かれており、
前記第1のコネクタの第1の面と前記第2のコネクタの第2の面とを対面させることで、前記巻線が前記ターンを構成するように、前記第1の面および前記第2の面にコネクタ用接続端子が形成され、該コネクタ用接続端子同士は着脱可能に嵌合され、
前記第1のコネクタおよび第2のコネクタには、それぞれの巻線と前記ターンごとに導通した接続端子が形成され、
前記励磁巻線を形成する前記コネクタには任意のターン数の前記接続端子に前記電源が接続され、前記検出巻線を形成する前記コネクタには前記電圧計が接続されることを特徴とする磁気測定治具。
【請求項2】
環状の磁性体に巻き回された励磁巻線と、
該励磁巻線に接続される電源と、
前記電源から前記励磁巻線に供給される電流によって前記磁性体内に生ずる磁束の変化を検出する前記磁性体に巻き回された検出巻線と、
該検出巻線に生ずる起電力を検出する電圧計とを備え、前記磁性体の磁気特性を測定する磁気測定治具において、
前記励磁巻線または前記検出巻線は、前記磁性体を挟み込む一対のコネクタに形成され、
前記コネクタは、第1のコネクタおよび第2のコネクタに分かれており、
前記第1のコネクタおよび前記第2のコネクタは、前記ターンごとに前記巻線と導通した導線で接続されており、
前記第1のコネクタの第1の面と前記第2のコネクタの第2の面とを対面させ、前記巻線と前記導線とで前記ターンを構成するように、前記第1の面および前記第2の面にコネクタ用接続端子が形成され、該コネクタ用接続端子同士は着脱可能に嵌合され、
前記第1のコネクタおよび第2のコネクタには、それぞれの巻線と前記ターンごとに導通した接続端子が形成され、
前記励磁巻線を形成する前記コネクタには任意のターン数の前記接続端子に前記電源が接続され、前記検出巻線を形成する前記コネクタには前記電圧計が接続されることを特徴とする磁気測定治具。
【請求項3】
環状の磁性体に巻き回された励磁巻線と、
該励磁巻線に接続される電源と、
前記電源から前記励磁巻線に供給される電流によって前記磁性体内に生ずる磁束の変化を検出する前記磁性体に巻き回された検出巻線と、
該検出巻線に生ずる起電力を検出する電圧計とを備え、前記磁性体の磁気特性を測定する磁気測定治具において、
前記励磁巻線または前記検出巻線は、前記磁性体を挟み込む一対のコネクタに形成され、
前記コネクタは、前記磁性体を挟み込むように、第1のコネクタおよび第2のコネクタに分かれており、
前記第1のコネクタおよび前記第2のコネクタは、それぞれ前記ターンごとに分かれており、前記ターンごとの各コネクタが連結部材に取り付けられていることによって構成され、
前記第1のコネクタおよび第2のコネクタには、それぞれの巻線と前記ターンごとに導通した接続端子が形成され、
前記励磁巻線を形成する前記コネクタには任意のターン数の前記接続端子に前記電源が接続され、前記検出巻線を形成する前記コネクタには前記電圧計が接続されることを特徴とする磁気測定治具。
【請求項4】
環状の磁性体に巻き回された励磁巻線と、
該励磁巻線に接続される電源と、
前記電源から前記励磁巻線に供給される電流によって前記磁性体内に生ずる磁束の変化を検出する前記磁性体に巻き回された検出巻線と、
該検出巻線に生ずる起電力を検出する電圧計とを備え、前記磁性体の磁気特性を測定する磁気測定治具において、
前記励磁巻線または前記検出巻線は、前記磁性体を挟み込む一対のコネクタに形成され、
前記コネクタは、前記磁性体を挟み込むように、第1のコネクタおよび第2のコネクタに分かれており、
前記第1のコネクタおよび前記第2のコネクタは、それぞれ前記ターンごとに分かれており、前記ターンごとの各コネクタには連結機構が形成され、該連結機構同士が組み合わせられることによって構成され、
前記第1のコネクタおよび第2のコネクタには、それぞれの巻線と前記ターンごとに導通した接続端子が形成され、
前記励磁巻線を形成する前記コネクタには任意のターン数の前記接続端子に前記電源が接続され、前記検出巻線を形成する前記コネクタには前記電圧計が接続されることを特徴とする磁気測定治具。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2012−42212(P2012−42212A)
【公開日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−180739(P2010−180739)
【出願日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【出願人】(000005234)富士電機株式会社 (3,146)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【出願人】(000005234)富士電機株式会社 (3,146)
【Fターム(参考)】
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