説明

磁気誘導療法のための方法および装置

内科的療法を提供するためのエネルギー放出装置は、1つ以上のエネルギー発生機と、1つ以上のエネルギー発生機に電気的に接続された論理制御器と、論理制御器に接続された、標的神経において電気伝導を検出するための1つ以上のセンサとを含む。1つ以上のエネルギー発生機は、論理制御器からシグナルを受けるときに、標的神経に集中するエネルギーを形成し、エネルギーは、1つ以上のセンサによって提供された入力に従って、論理制御器によって変更される。一実施形態においては、エネルギー放出装置は、1つ以上のセンサによって提供された入力に基づいて、論理制御器から電流を受けるときに、標的神経に集中する磁場を形成する、人間工学的筺体に配置された1つ以上の導電コイルを含む、磁気誘導療法のための装置である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の引用)
本出願は、2006年10月2日に出願された、米国仮特許出願第60/848,720号、発明の名称「Method and Apparatus for Magnetic Induction Therapy」に対する優先権を主張するものである。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、内科的療法を提供するエネルギー放出装置および方法に関する。一実施形態において、エネルギー放出装置は、標的神経に向けられる磁場を形成する導電コイルを含有する人間工学的包装物またはクレードルである。
【背景技術】
【0003】
過活動膀胱(「OAB」)および尿失禁(「UI」)は、毎年、米国人の16%以上、または約3,400万人の男女に影響を与える。米国以外では、OABおよびUIは、4,600万人以上の欧州人に影響を与える。OABおよびUIの経済費用は、米国だけで1年に120億ドルを超えると推定される。
【0004】
OABおよびUIに付随する社会的汚名およびOABおよびUIに伴う症状に関連する誤解により、米国における罹患者の40%のみが薬物治療を求める。薬物治療を求めるそれらの1,360万人の米国人のうち、約30%または400万人が現在の療法に不満足であると報告される。
【0005】
OABおよびUIに対する周知の治療は、運動および行動修正、薬理療法、外科的介入および神経調節を含むが、これらの各治療は、厳しい制限を提示する。
【0006】
運動および行動修正は、しばしば、計画的な排尿、排尿日誌の維持、および厳しい運動管理を含む、強制的な日常的習慣に従うことを患者に要求する。この種類の治療は、一部の非常に献身的な個人に対して実行可能な選択肢であるかもしれないが、その生活に対する毎日の影響のため、それは、ほとんどの患者に対して魅力的なものではない。
【0007】
薬理学的介入は、OABおよびUIに対して最も広く処方される療法である。残念なことに、患者は、しばしば、薬物療法に関連する副作用に苦しむ。そのような副作用は、時々、重度であり、複数の医薬を使用する傾向がある高齢の患者集団において特に顕著である。さらに、薬理療法を受ける全患者の約30%は、彼らの処方された治療の有効性に不満足であると思われる。
【0008】
外科的介入は、非常に侵襲的であり、しばしば、場合によっては、永久的になり得るカテーテル法が長期的に必要となる。患者の生活の質に対するこれらの方法のマイナス影響およびそれらの高い費用のため、外科的介入は、他に治療の選択肢がなくなった場合に限り、推奨される選択肢となる。
【0009】
神経調節は、OABおよびUIに対する他の利用可能な療法である。概して、パルス電磁刺激(「PES」)は、様々な医学的応用において有益な効果を有することが証明された。関連する科学原理は、コイルを通過する電流は、電磁場の内部に配置された伝導体内の電流を誘導する、電磁場を形成することである。
【0010】
より詳細には、PESは、電磁場内に位置付けられる神経を刺激することによって、その神経に制御される筋肉に影響を与える効果的な方法であることが示された。例えば、1969年の生体工学における磁性の適用に関するシンポジウムで発表された研究論文、非特許文献1において、Maasらは、円錐曲線回転面の管腔を通る神経は、モニタワイヤにおける0.7ボルトのピーク振幅の磁場で、50μsの時間によって刺激することができ、そのような刺激によって、麻酔哺乳類の主要な脚筋が収縮したことを開示した。
【0011】
様々な病気を治療するためにPESを使用する先行技術において、様々な試みが行われた。例えば、Niemiに対する特許文献1は、電磁場の外部使用によって体内で電流を生成することによって骨成長を誘発する装置を開示する。そのような装置は、肢に配置された対向クランプを含み、任意で、過電流モードを回避するための、フィードバックコイルまたは、磁場を感知するためのマイクロプロセッサを含んでもよい。したがって、この装置は、生成された磁場の測定に基づいて磁場を最適化する。
【0012】
Cadwellに対する特許文献2は、高等生物の神経経路を磁気的に刺激するための方法および装置を開示する。この発明において、正弦的に変動する電流フローは、刺激されるニューロンを覆うコイル、および刺激されるニューロンの時定数に対応するように予め決められたコイルによって形成される、電流フローの周波数および磁場の周波数によって作成される。コイル温度等のコイルの状態を感知するためのセンサも、含まれてもよい。
【0013】
Griffithに対する特許文献3は、電磁放射を特定の損傷した体の部分に向けることによって、電磁エネルギーを生体の損傷部に印加するための、電気から電磁への変換器を開示する。電磁放射は、導電性コイルで巻かれた透磁率の高い材料の棒から成る双極子によって初めに生成される。損傷した体の部分から離れて生成される磁場は、導電性遮蔽を横断し、電磁波源によって生成された磁場と反対およびほぼ同等の磁場を次々と生成する、渦電流を確立する。得られた電磁場は、損傷した体の部分に対して向けられた電磁場を強化し、損傷した体の部分からそれる電磁場を弱める。
【0014】
Pollackらに対する特許文献4は、骨折を含む、損傷または罹患生体組織の治癒を促進するための非侵襲的で携帯可能な電磁療法および装置を開示する。これらの方法および装置は、0.5マイクロ秒から20マイクロ秒の狭いパルス幅を有するバーストパルスの一連の略対称の電圧周期を有するシグナルを生成することを含み、シグナルを、治癒される組織を含有する部分へ延伸する電磁場に変換することをさらに含む。この発明は、印加された刺激の有効性に対するフィードバックを提供しない。
【0015】
1991年に発表された研究論文、非特許文献2において、Wijkstrdaらは、尿失禁の治療に対して、末梢神経を刺激する外部パルス磁場コイルを使用した。著者らは、神経が発火され、得られる神経伝導が頻繁に痛みを有するか、または耐え難いものであることを確実にするために、単一コイルによって形成された大きい磁場を使用した。さらに、神経を刺激するように完全外部磁場と直線にならなければならなかった、内部に埋め込まれたコイルが使用されたため、コイル配列には、問題があった。機器の位置付けが困難であったため、この療法は、事前に設定された配列および神経のモニタリングなしでは、在宅医療使用において実用化されず、神経が実際に刺激されていることを確実にすること、または神経位置においてよく生じる生理的および解剖学的変動に応じて機器を調整することができなかった。
【0016】
Ericksonらに対する特許文献5、およびTepperに対する特許文献6は、磁束を使用した電磁場を形成することによってPEMF療法(脊椎固定術後等)を行うために使用可能なパルス電磁場(「PEMF」)変換器システムを開示する。ドライブエレクトロニクスは、電磁場(電界強度および周期)の活性化を制御するためのPEMFプログラムを実行するPEMFプロセッサを含む。
【0017】
1993年10月号のMuscle&Nerveに要約が刊行された研究論文、非特許文献3において、Linらは、磁気刺激は、排尿筋の直接経腹的刺激、または腰仙根の刺激によって、イヌの皮質、脊髄神経、および末梢神経を刺激するために使用することができると開示した。
【0018】
示されるように、先行技術は、PES治療の有効性を測定することができず、患者は、PESの不十分または過度の暴露のいずれかによって、不適切に治療される。先行技術におけるPES用量をモニタするための他の試みは、重大な欠点を示した。例えば、Kotに対する特許文献7は、線間電圧源に接続された調整可能な電源と、調整可能な電源に接続されたコイルとを含む、磁場療法を使用する関節炎の治療のための装置を開示する。この装置には、治療の効率性を医療提供者に通知するフィードバック方式はない。
【0019】
Ishikawaらに対する特許文献8は、後に体内で渦電流を誘導し、骨盤底筋、陰部神経、外尿道括約筋、または脛骨神経の群を刺激する磁束パルスの列を誘導するために、1つ以上の磁気刺激コイルを通って電流パルスの列を送達することに基づく尿失禁を治療する方法を開示する。この方法は、尿失禁を治療するためのパルス電磁界の使用を含むが、体の標的領域上の磁気コイル、または適用される療法の効率性をモニタするためのシステムの配置を容易にするための特定の構成要素は、想定されていない。
【0020】
Daveyらに対する特許文献9は、その上に配置されたコイル巻線を有する、磁場飽和が高い材料で構成されたコアを含む神経磁気刺激装置を開示する。サイリスタ容量性放電回路は、機器を振動させ、急速に変化する磁場は、好ましくは、バナジウムパーメンダでできているコアによって誘導される。
【0021】
Burnettらに対する特許文献10も、各コイルが各自の独立した電磁場を形成し、隣接する磁場を有意に増加させるように、所定の配列において独立して励起することができる、複数の重複コイルを含む電磁刺激機器を開示する。残念なことに、これらの特許はいずれも、治療される部分上への巻線の位置付け、または印加される磁場の強度の適切な位置付けのいずれかに対して、進行中の治療の効率性をモニタするためのシステムを提供しない。
【0022】
他のPES療法は、患者への機器の埋め込みを必要とし、患者に対する、結果として起こる不快感、危険性、および費用が生じる。例えば、Loebらに対する特許文献11は、会陰の皮膚の下および/または脛骨神経の近傍に配置される電極を含む1つ以上の電池式または高周波式マイクロ刺激装置を注入または腹腔鏡的に埋め込むことによって、UIおよび/または骨盤痛を治療するための方法およびシステムを開示する。
【0023】
Mannらに対する特許文献12は、刺激される会陰神経または組織の近傍に、リード線上にある電極、またはカテーテルの排出部分の埋め込みを含む、自制不可能な、緊急性の、頻繁に起こる、および/または骨盤の疼痛を治療するための方法およびシステムを開示する。電気または薬剤注入パルスのいずれかの刺激パルスは、刺激装置と刺激部位との間の皮下を通る、リード線またはカテーテルを通って間接的に埋め込まれた刺激装置によって供給される。
【0024】
先行技術における他のPES療法は、患者の皮膚の上または下に配置された電極の使用を含む。OABおよびUIを有する個人における後脛骨神経の侵襲的な針ベースのPESに関する最近のデータは、PESは、陰部神経および仙骨神経叢に対するその作用によって膀胱機能障害を調節し、膀胱への主要な興奮性入力を提供することを示した。
【0025】
2004年に発表された研究論文、非特許文献4において、CystoMedix,Inc.は、末梢部脛骨神経刺激(「PTNS」)は、OABの治療において効果的であることが発見されたと開示した。開示された方法は、小型34−ゲージ針電極と、リードワイヤと、手持ち式発電機とを含む、電極および発電機の構成要素の使用を含んだ。しかしながら、方法は、患者への電気刺激機器の永久的な埋め込みを必要とする。治療費は、患者1人につき年間約14,000ドル、さらに日常的な医療費が593ドルと予測された。また、電池故障、移植感染症、および電極移動の危険性によって再手術率が上昇し、この方法は魅力のないものとなった。
【0026】
Kronbergに対する特許文献13は、2つの時間間隔発電機を含む、生物医学的応用での使用のための電気シグナルを生成するための方法を開示する。この発明において、皮膚接触電極は、対象の部分上に配置してもよく、マイクロプロセッサは、タイミングおよび配列機能を方向付けてもよいが、そのようなタイミングおよび配列機能は、治療が行われている間、治療の実際の有効性との関連性はない。
【0027】
Williamsらに対する特許文献14は、パルス発電機と、第1の導電性と、絶縁リードワイヤと、第2の導電性と、絶縁リードワイヤと、導電性経皮的電極と、導電性経皮針電極とを含む電気神経刺激装置を開示する。第1および第2のリードワイヤの一端には、パルス発電機と電気的に連結する連結器が接続される。この発明において、経皮針電極は、所望の内部刺激部位の近くで皮膚を通って挿入され、パルス電磁刺激ではなく、電気刺激が使用される。また、Williamsの発明は、訓練を受けていないユーザによる機器の使用、または適用される療法のモニタリングを容易にするためのメカニズムを目的としない。
【0028】
神経調節の代替は、SANSとしてしばしば称される、後脛骨神経刺激装置であるが、他の形の神経調節と同様に、この方法は、元来、侵襲的であり、後脛骨神経を刺激するために、患者の距腿部に針を5cm挿入することを必要とする。この方法は、初期治療で最低12回行う必要もあり、維持のために数回追加する可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0029】
【特許文献1】米国特許第4,548,208号明細書
【特許文献2】米国特許第4,940,453号明細書
【特許文献3】米国特許第5,000,178号明細書
【特許文献4】米国特許第5,014,699号明細書
【特許文献5】米国特許第5,181,902号明細書
【特許文献6】米国特許第5,314,401号明細書
【特許文献7】米国特許第5,518,495号明細書
【特許文献8】米国特許第5,984,854号明細書
【特許文献9】米国特許第6,086,525号明細書
【特許文献10】米国特許第6,701,185号明細書
【特許文献11】米国特許第6,735,474号明細書
【特許文献12】米国特許第6,941,171号明細書
【特許文献13】米国特許第7,117,034号明細書
【特許文献14】米国特許出願公開第2005/0171576号明細書
【非特許文献】
【0030】
【非特許文献1】Maasら、「Contactless Nerve Stimulation and Signal Detection by Inductive Transducer」、Symposium on Application of Magnetism in Bioengineering、1969年
【非特許文献2】Wijkstrdaら、「Selective Stimulation and Blocking of Sacral Nerves:Research Setup and Preliminary Results」、Annual International Conference of the IEEE Engineering in Medicine and Biology Society、Vol.13、No.2、1991年
【非特許文献3】Linら、「Magnetic Stimulation of the Bladder in Dogs」、AAEM Annual Meeting、1993年
【非特許文献4】CystoMedix,Inc.、「Percutaneous Tibial Nerve Stimulation via Urgent(登録商標) PC Neuromodulation System−An Emerging Technology for managing Overactive Bladder」、Business Briefing:Global Surgery、2004年
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0031】
本発明の目的は、磁気エネルギーの用量が、磁場に暴露される標的神経における伝導によって調節することができる、磁気誘導療法のための装置および方法を提供するためである。
【0032】
本発明の他の目的は、磁気エネルギーの流れは、磁場を形成する導電コイルを含有する筺体の位置を変更せずに、患者または医療提供者によって一方向に調整することができる、磁気誘導療法のための装置および方法を提供するためである。
【0033】
本発明のさらなる目的は、標的神経において伝導を検出することによって最適化される位置および量で、標的神経に、エネルギー、例えば、磁気エネルギー、電気エネルギー、または超音波エネルギーを提供することによって様々な病気を治療するための装置および方法を提供するためである。
【0034】
本発明のこれら、および他の目的は、1つ以上のエネルギー発生機と、1つ以上のエネルギー発生機に電気的に接続された論理制御器と、論理制御器に接続された、標的神経において電気伝導を検出するための1つ以上のセンサとを含む、内科的療法を送達するためのエネルギー放出装置を提供することによって達成される。1つ以上のエネルギー発生機は、論理制御器からシグナルを受けるときに、標的神経に集中するエネルギーを形成し、印加されたエネルギーは、標的神経における電気伝導に基づいて1つ以上のセンサによって提供された入力に従い、論理制御器によって変更される。適用された治療の有効性に関して論理制御器へセンサによって提供されたフィードバックは、コイルへ伝送された電流を論理制御器に調節させる。
【0035】
印加されたエネルギーは、磁場、電場、超音波、可視光、または赤外線あるいは紫外線エネルギーであってもよい。磁場が印加される場合、エネルギー放出機器は、磁気誘導療法を提供し、人間工学的筺体の中に配置された1つ以上の導電コイルを含む装置である。論理制御器は、1つ以上のコイルに電気的に接続され、1つ以上のセンサは、標的神経において電気伝導を検出し、論理制御器にフィードバックを提供するために論理制御器に接続される。導電コイルは、論理制御器から電流を受け、標的神経に集中する磁場を形成し、論理制御器によって送出された電流は、センサによって提供された入力に従い、論理制御器によって変更されるため、磁場の振幅、周波数、または方向、あるいは1つ以上のコイルの発火配列が、標的神経に提供された治療の効率性によって変更される。本発明の異なる実施形態において、導電コイルを含有する筺体は、柔軟な包装物、クレードル、または覆いであってもよく、コイルは、所望の方向および振幅で、異なる体の部分において磁場を生成するために、筺体内の異なる位置に重複および/または配置されてもよい。
【0036】
1つ以上のコイルは、筺体内で不動または移動可能であってもよく、最も効果的な方向でコイルを配置することによって、標的神経への電磁流量の方向を最適化することが可能になる。異なる実施形態において、コイルは、ノブ、レバー、または同様の種類のアクチュエータに対して作用することによって手動で移動可能であってもよいか、センサによって提供された入力に応じて、論理制御器によって手動的に平行移動されてもよい。コイルに対して好ましい位置が確立されると、コイルは、定位置に係止され、次に続く療法セッション中にその位置を維持することができる。他の実施形態において、センサは、筺体内に組み込まれてもよく、代わりに、筺体から独立して対象の体の部分に配置されてもよい。
【0037】
本発明のさらに他の実施形態において、誘導コイルは、患者の体の外部に位置付けられる筺体の中に配置され、付加的誘導コイルは、患者の体に埋め込まれ、外部誘導コイルに磁気的に連結される。このコイル配列では、エネルギーは、埋込型機器を再充電または活性化のいずれかを行うように、外部コイルから内部コイルに伝送されてもよい。本発明のさらに他の実施形態において、電流は、1つ以上のセンサによって提供された入力と、患者が知覚した筋反応、例えば、磁場の印加後の足指の単収縮に従い、患者によって提供された入力との両方に基づいて論理制御器によって変更されてもよい。
【0038】
本発明のさらに他の実施形態において、神経刺激に対するエネルギー源は、電気エネルギーであってもよく、神経伝導は、直接電気刺激からの交絡干渉にも関わらず、神経伝導の検出を可能にするために、刺激の部位から十分に離れた部位で検出されてもよい。これらの実施形態において、神経および筋肉の直接電気刺激は、最適な療法を提供するように調整され、電極移行または他の電極の機能不良の場合、体の組織の刺激の不足を報告するように調整されてもよい。なお、シグナルの制御が、シグナル発電機ループへセンサによって提供されるため、これらの実施形態は、所要電力の低下を可能にする。
【0039】
上記の装置の使用法も、本明細書において記載される。
【図面の簡単な説明】
【0040】
図面は、本明細書の一部分を構成し、様々な形で具体化されてもよい、本発明の例示的な実施形態を含む。当然のことながら、場合によっては、本発明の様々な局面は、本発明の理解を容易にするために、誇張または拡大して示されてもよいことを理解されたい。
【図1】図1は、本発明の第1の実施形態に従った、磁気誘導療法のための装置の概略図である。
【図2】図2は、本発明の第2の実施形態に従った、磁気誘導療法のための装置の概略図である。
【図3】図3は、本発明の第3の実施形態に従った、磁気誘導療法のための装置の概略図である。
【図4】図4は、本発明の第4の実施形態に従った、磁気誘導療法のための装置の概略図である。
【図5】図5は、本発明の第5の実施形態に従った、磁気誘導療法のための装置の概略図である。
【図6A】図6A〜図6Dは、磁気誘導療法のための装置の使用の第1の方法を描く略図である。この方法は、標的神経に印加される電磁流量を最適化するために、導電コイルの位置を調整することに基づく。
【図6B】図6A〜図6Dは、磁気誘導療法のための装置の使用の第1の方法を描く略図である。この方法は、標的神経に印加される電磁流量を最適化するために、導電コイルの位置を調整することに基づく。
【図6C】図6A〜図6Dは、磁気誘導療法のための装置の使用の第1の方法を描く略図である。この方法は、標的神経に印加される電磁流量を最適化するために、導電コイルの位置を調整することに基づく。
【図6D】図6A〜図6Dは、磁気誘導療法のための装置の使用の第1の方法を描く略図である。この方法は、標的神経に印加される電磁流量を最適化するために、導電コイルの位置を調整することに基づく。
【図7A】図7A〜図7Dは、磁気誘導療法のための装置の使用の第2の方法を描く略図である。この方法は、標的神経において電気伝導が検知された際に、導電コイルを定位置に固定することに基づく。
【図7B】図7A〜図7Dは、磁気誘導療法のための装置の使用の第2の方法を描く略図である。この方法は、標的神経において電気伝導が検知された際に、導電コイルを定位置に固定することに基づく。
【図7C】図7A〜図7Dは、磁気誘導療法のための装置の使用の第2の方法を描く略図である。この方法は、標的神経において電気伝導が検知された際に、導電コイルを定位置に固定することに基づく。
【図7D】図7A〜図7Dは、磁気誘導療法のための装置の使用の第2の方法を描く略図である。この方法は、標的神経において電気伝導が検知された際に、導電コイルを定位置に固定することに基づく。
【図8】図8は、複数のセンサを含む、本発明の実施形態の概略図である。
【図9A】図9A〜図9Dは、本発明の原理に従った、磁気誘導療法のための装置として機能するように使用される異なる覆いの概略的描写である。
【図9B】図9A〜図9Dは、本発明の原理に従った、磁気誘導療法のための装置として機能するように使用される異なる覆いの概略的描写である。
【図9C】図9A〜図9Dは、本発明の原理に従った、磁気誘導療法のための装置として機能するように使用される異なる覆いの概略的描写である。
【図9D】図9A〜図9Dは、本発明の原理に従った、磁気誘導療法のための装置として機能するように使用される異なる覆いの概略的描写である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
本発明の実施形態の詳細な記載は、本明細書において提供される。しかしながら、当然のことながら、本発明は、様々な形で具体化されることを理解されたい。したがって、本明細書において開示される特定の詳細は、限定するように解釈されるものではなく、ほとんどの任意の詳細な、システム、構造、または方法において本発明の使用法を当業者に教えるための代表的な基本として解釈されるものである。
【0042】
まず図1を参照すると、本発明の第1の実施形態は、脛骨神経24の一部を取り巻くように、足首22上で円周方向に配置されるように描かれる、コイル包装物20を含む。脛骨神経24が標的とされるため、この実施形態は、OABおよびUIの治療に特に適している。本発明の他の実施例において、コイル包装物20は、脛骨神経24、または脛骨神経24から分枝する、または接続される他の神経の一部を含有する他の体の部分を取り巻くように構成されてもよく、さらに、これらの実施形態を、OABおよびUIの治療に適するようにする。本発明のさらに他の実施形態において、コイル包装物20は、他の病気の治療が目的とされる場合、他の神経を含有する体の部分を取り巻くために構成されてもよい。
【0043】
コイル包装物20は、足首22に装着するために適する様々な材料で製造されてもよい。好ましくは、コイル包装物は、天然または合成の、柔らかい、体に適合する材料、例えば、綿、羊毛、ポリエステル、レーヨン、ゴアテックス(登録商標)、または覆いに仕立てられる場合、刺激性のない、好ましくは、通気性のある、当業者に周知の他の繊維あるいは材料で製造される。コイル包装物22は、柔らかい、まとわるような感触を提供することによって、患者にさらなる快適さを加える、ウレタンゲル等の鋳造または成型合成材料で製造されてもよい。また、コイル包装物20は、単層の材料または多層材料で製造されてもよく、層間に詰め物または他の充填物を含んでもよい。
【0044】
コイル包装物20は、脛骨神経24の全体を流れ、脛骨神経24に沿って流れて、その仙骨または陰部神経根源まで脛骨神経24の長さに沿って広がる電流を生成するパルス磁場を形成するように配列された1つ以上の導電コイル26を含有する。コイル26は、単一の螺旋パターン、または8の字コイル、四つ葉クローバコイル、ヘルムホルツコイル、修正ヘルムホルツコイルとして成形された単一コイルであってもよいか、または前述のコイルのパターンの組み合わせとして成形されてもよい。また、脛骨神経24または任意の他の標的神経を包含する磁場が作成される限り、上述の設計に優る他のコイル設計が使用されてもよい。複数のコイルが使用される場合、そのようなコイルは、足首22の片側に配置されてもよいか、または1つ以上の側、例えば、反対側に配置されてもよく、脛骨神経24、または対象の他の末梢神経を通る磁場の流れを強化し、一方向に方向付ける。
【0045】
コイル包装物20は、好ましくは、人間工学的包装物、例えば、足首22にはめることができる本質的に円筒状のバンドとして、または足首22の巻き付けることができ、その端部が留め金、フープおよびループシステム、または当業者に周知の任意の他の閉鎖システムに接続される開いたバンドとして構成される。足首22上のコイル包装物20の位置を適切に調整することによって、患者または医療提供者は、以下により詳細に記載されるように、フィードバック方式または患者の知覚に基づいて脛骨神経24を通る磁場の流れを最適化してもよい。
【0046】
コイル26を通って流れることによって磁場を形成する電流は、例えば、電源コード32によってコイル26に接続されたプログラム可能論理制御器28によって供給される。神経伝導に基づいて、磁場の強度を調整し、コイル26の活性化を制御するために、論理制御器28へ情報を送出するセンサ30も提供される。センサ30の目的は、標的神経の発火を検出し、記録し、目的とする療法を最も効果的にするために、関連情報を論理制御器28に提供することである。例えば、センサ入力は、論理制御器28に、センサ入力に基づいて磁場の強度およびパルス振幅を変更させるか、または特定の配列でコイルを発火させてもよい。
【0047】
この実施形態、および以下に記載される他の実施形態において、センサ30は、1つ以上のセンサパッチを含んでもよく、磁場への直接暴露の領域と異なる距離に留置されてもよい。例えば、センサ30は、EKGパッチの形で電圧または電流検出器として構成されてもよく、その活性化を検出するために、標的神経の近くのどこにでも留置されてもよい。説明を簡略化するために、特別の定めのない限り、「コイル」という用語は、「1つ以上のコイル」を示し、「センサ」は、「1つ以上のセンサ」を示すために以下で使用される。
【0048】
上記の配列の理由で、コイル包装物20が、まず患者に装着され、微調整される場合、神経伝導の有無は検出され、一部の実施形態では、測定されるため、コイル包装物20は、初回の療法セッション中、および次に続く療法セッション中に刺激の正確なレベルを再生可能な方法で提供する。印加された磁場を適切に調節することに加え、足首22上でのコイル26の位置付けも、磁場の方向を微調整するために、センサ30によって提供された入力に従い、調整されてもよい。確実に末梢神経伝導に到達するための、上述の自動フィードバックループを通って、標的神経に提供される刺激の方向、振幅、およびレベルのそのような調整は、本発明における重要な特色の1つである。
【0049】
磁気パルスがセンサ30に実質的に干渉しない場合、システムに供給される電力が保存可能になるよいように、センサ30は、刺激の場内に直接留置されてもよい。これは、電池式システムにとって特に重要である。別様に、センサ30も、磁場から離れた距離に留置され、神経刺激を適切に検出してもよい。
【0050】
コイル包装物20の使用法において、コイル26の振幅および/または発火配列は、神経伝導が検出されるまで、磁場が、強度および/または幅において増加し、その後、印加された刺激が、治療法の残りに対する電流レベルで調整または維持されるように、徐々に増加されてもよい。刺激のレベルは、センサ30のフィードバックと患者の知覚に基づくフィードバックとの組み合わせによっても制御されてもよい。例えば、患者は、過度の刺激、特に、過剰レベルの筋刺激を知覚すると、スイッチを活性化してもよい。ある場合では、患者は、足指単収縮を感じるとき、または足の裏に錯感覚を認めるときに、ボタンを押すか、またはノブを回すように要求されてもよい。その後、患者は、足指単収縮または足の錯感覚を感じなくなるまで、ボタンを押し続けるか、またはノブを回転した位置に維持し、印加された刺激のそのレベルが、最適な療法レベルに対応することを示す。それ以降、患者は、システムが適切なレベルに維持される間、治療法が終了するまで、足、膝、または他の肢をコイル包装物20内に単に保持するよう指導されてもよい。これで、患者は、センサ30によって論理制御器28へ提供されるシグナルを超えて、磁場の強度を自分で調整することができるため、患者の入力を加えることは、外来患者治療の間のコイル包装物20の制御を可能にする。
【0051】
刺激された神経の伝導経路に沿う1つ以上の神経において検出、および測定することは、標的神経が刺激されたことを確認し、患者に対して適用された療法の効率性の正確な評価を提供する。筋肉収縮の同時検出も、標的神経が刺激されたことを確認し、患者の解剖学的および生理的特徴の観点において、刺激が印加されたかどうかに関して、患者または医療提供者に指標を提供する。
【0052】
上述に基づいて、コイル包装物20は、外来で、後脛骨神経を介して末梢神経を常に容易に標的とし、調節すること、特に、陰部神経および仙骨神経叢を標的とし、調節することを可能にする。複数のコイル26がある場合、コイル26は、所望の磁場を生成するように、同時に、または異なって活性化されてもよい。コイル26のそれぞれの方向および位置は、医療提供者または患者によって可逆的または不可逆的に調整されてもよく、印加された刺激の位置を、各患者の骨格および治療的必要性に合わせてカスタマイズする。医療提供者が、各コイル26に対する位置および発火配列を最適化した後、患者は、所望の神経を常に標的とするように調整されたコイル包装物20とともに家へ帰されてもよい。本実施形態の一変形において、自動フィードバック方式は、初期設定の間、および次に続く療法セッションの間でも、コイル包装物20内にあるコイル26の発火配列、発火強度、または位置のうちの1つ以上を調整する。
【0053】
要約すると、本発明の教えは、神経が所望の刺激、および一部の実施形態では、刺激の所望の量を受けているかどうかに基づいて、センサ26から受けられる情報に従い、論理制御器28への神経伝導、およびコイル包装物20へ送られる電流を調整する論理制御器28に関する情報を送出することから成る、ループの作成を含む。標的神経の一定の繰り返し可能な刺激を獲得することができるため、この配列は、在宅医療設定内における療法制御および柔軟性の比類なきレベルを与える。患者の骨格および生理的変動に従ってコイル26の位置を調整することの他に、パルス振幅の制御も、同じ患者での異なる療法セッションの間、非常に重要である。例えば、下肢浮腫を有する患者は、脚および足首が腫れているか、腫れていないかどうかに基づいて、コイル包装物20を適切に調整する際に困難に遭遇し、後脛骨神経24(UI療法の場合)を貫通するために必要な電力は、神経の深度変化によって大きく異なる。そのため、センサ26によって提供されるフィードバックを有することは、選択肢ではなく、正確な治療量に到達するために必要となる。卓上試験は、本発明によって構成されるシステムは、治療的電気刺激において見られる電流と同様の電流を非侵襲的に生成することが可能であり、異なる設定でそれを行うことができることを証明した。
【0054】
ここで、図2を参照すると、本発明の第2の実施形態は、脛骨神経38を標的とすることによってUIを治療する目的で、足首36上に配置されるコイル包装物34を参照して記載される。この第2の実施形態において、1つ以上のヘルムホルツコイル40は、脛骨神経38上により狭く方向付けられた磁場を作成するように、コイル包装物34内に配置される。本明細書において記載される、すべての他の実施形態と同様に、1つ以上のコイル(この実施形態では、1つ以上のヘルムホルツコイル40)は、脛骨神経上で磁束を最適化するために、コイル包装物34内に留置されてもよく、コイル包装物34内の異なる位置に配置されてもよい。例えば、2つのヘルムホルツコイルは、コイル包装物34内の片側ずつに配置されてもよい。
【0055】
ヘルムホルツコイル構成において必要なように、共通の縦軸に沿って配列されたコイル巻線を有することによって、より集中した磁場が生成され、脛骨神経38、または任意の他の神経をより正確に標的とすることができる。前の実施形態と同様に、コイル40の動作は、脛骨神経44における伝導をモニタし、進行中の療法の効率性に関する、論理制御器42へのフィードバックを生成する、センサ44に次々に接続された論理制御器42によって制御される。したがって、前の実施形態のように、論理制御器42へのセンサ44の連結は、脛骨神経38のレベルで測定された結果に従い、コイル包装物34の動作を最適化する。また、前の実施形態のように、論理制御器42によってヘルムホルツコイル40へ提供される電流のパラメータへの手動調整も、患者または医療提供者によって手動で行われてもよく、コイル包装物34は、コイル包装物34内のヘルムホルツコイル40の位置が、患者または医療提供者によって手動で、または論理制御器42によって自動で、望み通りに調整されるように構造化されてもよい。
【0056】
ここで、図3を参照すると、本発明の第3の実施形態は、後脛骨神経(図示せず)を刺激するように、膝の領域において、患者の膝窩上に巻き付けるために構成されるコイル包装物46を含む。コイル包装物46の構成および構造は、コイル包装物46によって覆われる体の部分を反映するが、コイルの種類、数、および配置(例えば、重複コイルの使用)等のコイル包装物46の重要なシステムの構成要素、論理制御器とのコイルの接続、および神経伝導を検出するための1つ以上のセンサ(これも図示せず)の使用は、すべて前述の実施形態のものと同等である。
【0057】
ここで、図4を参照すると、本発明の第4の実施形態は、足50の少なくとも一部を含有するように構造化される、足置き、または足クレードル48を含む。1つ以上のコイル52は、クレードル48内に封入され、センサ54は、脛骨神経55の経路に沿って配置され、脛骨神経55における伝導を感知し、論理制御器56にも接続される。コイル52、センサ54、および論理制御器56は、異なる構成で、前述の実施形態と同じ方法で配置されてもよい。
【0058】
クレードル48は、様々な材料で作製されてもよく、モノリシック構造、または以下により詳細に記載されるように、クレードル48内のコイル52の動作を可能にするように空洞または半空洞構造を有してもよい。好ましくは、クレードル48は、人間工学的設計を有し、患者の足首およびかかとが、刺激コイル52の位置を刺激の部分に一致させる位置において、クレードル48内に保持されることができるようにする。クレードル48の設計は、療法の間は座ったままでいることが好ましい患者への療法の特に快適な送達を提供し、患者が、医療施設内で必要な療法を行うか、または、通常、初回セッションおよび医療施設での適当な訓練の後に、クレードル48を家に持ち帰ることができるようにする。その場合、患者は、自力でセンサ54を適用し、刺激を快適なレベルへ調整するように訓練される。
【0059】
図4は、重複して配置されたコイル52、および刺激部位の近位に位置付けられる単一センサパッチ54の使用を示す。しかしながら、コイル52は、単一コイル、8の字コイル、四つ葉クローバコイル、ヘルムホルツコイル、修正ヘルムホルツコイル、または前述のコイルの任意の組み合わせ、または標的神経に効果的な刺激を提供する任意の他のコイル設計として構成されてもよい。さらに、コイル52は、センサ54によって提供されるフィードバックに従い、独立して、連続して、または同時に発火されてもよい。
【0060】
この実施形態の一変形において、センサ54は、必要に応じて、コイル52の刺激パラメータを調整するための論理制御器56にフィードバックを提供する導電性電極パッチを含んでもよい。別様に、センサ54は、患者の皮膚に適用されるか、またはクレードル48の構造内に取り込まれるセンサパッチであってもよい。
【0061】
ここで、図5を参照すると、本発明の第5の実施形態は、1つ以上の導電コイル60と、1つ以上のセンサ62と、論理制御器64とを含有する膝置き、または膝クレードル58を含む。この実施形態の構成要素は、クレードル58の構造および材料、コイル60の性質および配置、センサ62の種類および動作、ならびに論理制御器64の機能および動作に関して、前の実施形態を参照して記載されるものと同様である。クレードル58は、患者の膝窩を標的とするため、脛骨神経66を標的とするように構成される。その点において、本実施形態は、図3に示される実施形態と同様であるが、図3の実施形態は、患者が立っている間に装着されてもよい包装物として構成される一方、本実施形態は、患者が座っているか、または横になっている間の治療により適するクレードルとして構成される。
【0062】
図4に描かれる足クレードルの使用法は、図6A〜図6Dを参照して記載される。図6Aに示される第1のステップの間、足68は、コイル72への電力流量を管理する論理制御器(図示せず)に接続された1つ以上の導電コイル72を含有するクレードル70の中に配置される。
【0063】
図6Bに示される第2のステップの間、センサ74は、脛骨神経78、または他の標的神経において伝導性を検出するために、足68、または足首76、または患者の体の他の適当な部分の上に配置される。
【0064】
図6Cに示される第3のステップの間、医療提供者は、センサ74によって提供される伝導度測定を分析し(例えば、計測器77を読むことによって)、まず、神経78における伝導が検出されるまで、コイル72の位置付けを調整する。例えば、医療提供者は、適切な振幅および強度の磁場が、神経78において伝導を引き起こすように印加されるまで、コイル72が平行移動されるように、ノブ80を回転させ、レバーを摺動するか、または当技術分野で周知の、コイル72に対する任意の他の変位システムを作動させる。その後、コイル72の位置は、神経78における伝導の最適なレベルが獲得されるまで、手動で微調整され、療法は、担当の医療提供者によって処方されるような時間で継続される。
【0065】
図6Dに示される第4の、任意のステップの間、次に続く療法セッションの設定は、医療提供者または患者が、所定の設定を使用して療法を繰り返すように、例えばノブ80(一実施形態では、ピン81で)を係止することによって設定される。別様に、患者は、各療法セッションに応じて、印加された磁場の振幅および/または強度を調整するように訓練されてもよい。
【0066】
本方法は、足クレードル70に関して記載されたが、同じ方法ステップは、異なる構成のコイル包装物またはクレードル、例えば、前図を参照して記載されるコイル包装物およびクレードルに対して想定されてもよい。
【0067】
代替の一実施形態において、論理制御器(図示せず)は、初回および次に続くセッションの間の療法を最適化するように、コイルの位置付けを自動的に調節してもよい。この設定を実行するのはより困難であるかもしれないが、患者の位置付けにおける変更、または患者の骨格の変化(例えば、足が腫れている場合)に関わらず、各療法セッションの間に標的神経を正確に標的とすることも提供する。この実施形態において、機器は、刺激が感知されるまで、コイル84の配向を単に変化させる。
【0068】
なお、コイル84は、標的神経に対してコイル84の最も正確な位置付けを提供するために、一方向(例えば、水平に)または複数の方向に沿って、平行移動されてもよい。
【0069】
図4に描かれる足クレードルの第2の使用法は、ここで、図7を参照して記載される。この第2の方法は、可逆的に係止可能で、調整可能な配向を有する1つ以上のコイル84を使用する足クレードル82を参照しても記載されるが、本方法は、前図、または本発明の他の実施形態を参照して記載されるもの等の装着式のコイル包装物で同等に実行されてもよい。この方法において、患者または医療提供者は、標的神経89において伝導性を検出するように、コイル84の位置付けを調整する。
【0070】
コイル84の位置は、異なる方向に平行移動されてもよく(示される実施形態では、水平に平行移動されてもよい)、神経89における伝導がセンサ(例えば、感知パッチ86)によって検出されると、最初の位置に係止されてもよい。
【0071】
より詳細には、図7Aは、クレードル82への足88の最初の位置付け、および足首90、または患者の他の適当な体の部分上へのセンサパッチ86の最初の位置付けを示す。足88の適切な位置付けが獲得された後、ノブ92(または他の同等の機器)は、図7Bに示されるように、センサパッチ86によって提供されるシグナル(例えば、神経伝導シグナル)に基づいてコイル84の位置を調整するように使用されてもよい。
【0072】
図7Cを参照すると、神経伝導が検出された後、コイル84は、適所に係止され、さらに図7Dを参照すると、足クレードル82は、在宅または医療施設の環境でのさらなる使用に対して、定位置に係止されたコイル84を保持する。したがって、本方法において、すべての3つの軸に沿う調整は、本実施形態の異なる変形において可能であるかもしれないが、患者または医療提供者は、標的神経における電気伝導が検出されるまで、1つの軸に沿って戻る滑りコイル84によってコイル位置を単に調整する。
【0073】
ここで、図8を参照すると、本発明の第6の実施形態は、複数のセンサの使用に関する。図8は、足クレードル98として成形される実施形態を描くが、当然のことながら、以下の記載は、クレードル、または包装物、または他のものとして成形される、任意の他の設計にも関する。本明細書において記載される複数のセンサ94は、神経または筋刺激で生じる場合がある神経インパルス、筋収縮、単収縮等を含む、様々な生理的変化を検出してもよい。
【0074】
示されるセンサ94の1つ以上は、刺激されている体の領域上(例えば、背中、脚、腕、首、頭部、胴体等)で使用されてもよく、実際のクレードルまたは包装物内に組み込まれるか、そうでなければ、クレードルまたは包装物とは別に適用されてもよい。
【0075】
センサ94は、神経伝導経路に沿ってクレードル98の外部にある体に貼り付けられ、その後、療法を開始する前に論理制御器(図示せず)に接続される、簡単に処分できる、使い捨てのEKG型パッチとして構造化されてもよい。この配列は、感染の危険性、または経皮的機器で存在する場合がある他の有害な副作用なしで、センサ94の近密な身体接触を提供する。センサ94は、刺激療法を開始、およびモニタするための両方に使用してもよく、さらに具体的に、センサ94は、磁場の強度を最適化する、および/またはクレードル98内のコイル96の位置付けを調整するように、療法の初めに使用してもよい。療法が開始すると、センサ94は、正確なレベルの刺激が確実に提供されるように、神経伝導のモニタを継続する。療法中に、何らかの理由で、神経伝導が衰退する場合、論理制御器は、磁場を自動的に調整することができ、適当な療法が適当な時間中に送達されることを確実にする。
【0076】
この実施形態、または本明細書において記載される任意の実施形態におけるセンサ94の1つ以上は、誘導技術が、神経または組織を刺激し、神経または組織に対する刺激の効果を記録するために使用されてもよいように、下層の神経からインパルスを受けるように設計される誘導コイルの形を取ってもよい。任意のセンサ94は、センサと機器との通信が有効である限り、これらに限定されないが、無線シグナル、有線シグナル、ラジオ周波数、ブルートゥース、赤外線、超音波、電流回路の直接開閉等を含む、1つ以上の接続モードを通って論理制御器に接続されてもよい。
【0077】
本方法の実施中、医療提供者は、最初の療法セッションの間に、機器を調整するため、例えば、コイル96を所定の位置に係止するために、センサ94を使用することを単に選択し、次に続く各療法セッションの間に、センサ94の使用を必要としなくてもよい。
【0078】
ここで図9A〜図9Dを参照すると、装着式人間工学的アプリケータの覆いとして成形される、本発明の異なる非限定的実施形態が示される。任意の構成のコイルが使用されてもよいが、これらの各実施形態は、重複コイルとともに示される。図9Aから図9Dの各包装物は、体の部分が配置されてもよい、コイル包装物に対応する。これらの覆いは、論理制御器(これも図示せず)へのフィードバックを提供する1つ以上のセンサ(図示せず)を含有するか、またはセンサは、これらの覆いとは別に提供されてもよい。システムは、コイルをアプリケータ内に可逆的または不可逆的に係止するためにも含まれてもよい。
【0079】
より詳細には、図9Aは、コイル100は膝包装物102の中に内蔵され、連結器104によって論理制御器(図示せず)に接続される、実施形態を示す。図9Bは、代わりに、コイル106は、腹部の覆い、例えば、半ズボン108内に配置され、コイル106も、連結器110によって論理制御器(図示せず)に連結される、実施形態を示す。マーキング112は、包装物の配向を示すために、半ズボン108の片側に加えられてもよい。図9Cは、コイル116は、連結器118によって論理制御器(図示せず)に接続される、バンド114のように成形されるコイル包装物を示す。この実施形態が使用される場合、帯114は、体の部分(例えば、腕)に巻き付けられ、当技術分野で周知のシステム、例えば、フックおよびループシステム、紐および留め金システム、または単に、布地または他の材料をバンド114の他の部分に嵌め込むためのバンド114の一端に配置されたフックによって適所に保持されてもよい。図9Dは、長さは、留め金122によって調整されてもよく、1つ以上の点、例えば、示されるように腕と肩との間の関節に配置されたコイル124を有する、肩ひも120として成形される実施形態を示す。これらの各実施形態は、覆いに連結されてもよいか、または覆いとは別に適用されてもよい1つ以上のセンサ(図示せず)を含む。
【0080】
示されない他の実施形態は、これらに限定されないが、帽子等の頭に装着される覆い、首用補装具等の首に装着される覆い、および腰に装着される覆い、を含む。各覆い、およびアプリケータも、標的神経または神経に対するコイルの適切な位置付けが確立された後に、任意の感知構成要素の使用を必要とせずに、前述の係止標的コイルの特色を使用してもよい。
【0081】
本発明のさらなる他の実施形態は、図10および図11に描かれる。これらの実施形態において、神経刺激に対するエネルギー源は、経皮針124等の経皮刺激装置、または電極126等の経皮的刺激装置を通って分配される電気エネルギーである。図10に示されるように、電気パルス制御器128は、所望のフィードバックを提供し、経皮針134への電力調節するために、経皮針124およびセンサ134の両方に電気的に接続される。図11の実施形態において、電気パルス制御器130は、電極126およびセンサ136の両方に接続され、電気パルス制御器128と同様の機能を実行する。これらの実施形態では、神経伝導は、直接電気刺激からの交絡干渉にもかかわらず、神経伝導の検出を可能にするために、刺激の部位から十分に離れた部位で検出されてもよい。なお、神経および筋肉の直接電気刺激は、最適な療法を提供するように調整され、電極移行または他の電極の機能不良の場合、体の組織の刺激の不足を報告するように調整されてもよい。さらになお、シグナルの制御が、シグナル発電機ループへセンサによって提供されるため、これらの実施形態は、所要電力の低下を可能にする。
【0082】
示されるように、本発明の原理によって構成される機器は、一貫性のある繰り返し可能な方法で後脛骨神経を明確に標的とする人間工学的包装物またはクレードルを使用することによる非侵襲的方法で、後脛骨神経、または他の末梢神経の対象の正確な刺激を提供する。例えば、OABまたはUIを有する患者において、コイルの新規の可逆的に係止可能な動作、および論理制御器−センサループの使用は、1つ以上の標的神経において実際に誘導される刺激の量、および療法に対する患者の反応の量に従い、位置、振幅、および強度において変更することができる磁場の適用を可能にする。本発明による装置は、低周波数、高周波数、中周波数、および極超短波を含む、任意の周波数の刺激を送達してもよく、重複またはヘルムホルツコイルは、より広い領域を標的とし、より徹底した刺激を得る能力のため好ましいが、重複および非重複コイルは、所望の場を生成するために使用されてもよい。
【0083】
本発明の装置および方法の使用によって治療されてもよい病気は、OABおよびUIだけではなく、肥満、鬱病、尿失禁、便失禁、高血圧、疼痛、背痛、下肢静止不能症候群、ギランバレー症候群、四肢麻痺、対麻痺、糖尿病性神経障害、ジスキネジ、錯感覚、歯科処置による疼痛、変形性膝関節症、麻酔(手術中の鎮痛)、アルツハイマー病、狭心症(心臓病による胸痛)、強直性脊椎炎、背痛、灼熱痛、癌疼痛、慢性疼痛、月経困難症(痛みを伴う月経)、頭痛、片麻痺、片側不全麻痺(体の片側の麻痺)、陣痛、胆石破砕術中の局所麻酔、顔面痛、三叉神経痛、歯ぎしり(歯ぎしり)痛、筋筋膜痛、妊娠による嘔気嘔吐、首および肩痛、骨折による疼痛、肋骨骨折または急性外傷、糖尿病性末梢神経障害、幻肢痛、帯状疱疹後神経痛(帯状疱疹後の疼痛)、術後イレウス(腸閉塞症)、過敏性腸症候群、術後嘔気嘔吐、術後痛、脳卒中後リハビリテーション、リウマチ性関節炎、皮膚潰瘍、脊髄損傷、側頭骨顎関節痛、排尿筋不安定、脊髄性筋萎縮症(小児性)、子宮鏡検査中の疼痛、胃不全麻痺、慢性閉塞性肺疾患リハビリテーション、手根管症候群、軟部組織損傷、多発性硬化症、間欠性跛行、注意欠陥多動性障害(ADHD)、認識機能障害、膝関節置換術の疼痛、アカラシア、アトピー性湿疹、滑液包炎、手根管症候群、認知症、鬱病、口内乾燥症、ジストニア、脳の血流増加、子宮および胎盤の血液かん流の増加、食道けいれん、線維筋痛、骨折痛、ギランバレー症候群、血友病、疱疹、股関節痛、間質性膀胱炎、過敏性腸症候群、そう痒症、関節痛、陣痛誘発、局部麻酔、月経痛、筋けいれん、筋痙直、筋挫傷または筋肉痛、筋骨格外傷、筋膜性疼痛機能不全症候群、神経損傷、変形性関節症、疼痛用医薬に伴うもの、膵炎、レイノー現象、反復運動損傷、仙骨痛、統合失調症、帯状疱疹、肩関節亜脱臼、鎌状赤血球貧血痛、皮弁虚血(美容整形手術中の)、オディ括約筋障害、スポーツ損傷、静脈血栓症、耳鳴(耳鳴り)、脚不穏症、震え、むち打ち、および神経痛を含む。埋込型神経刺激装置とは対照的に、この療法は、完全に非侵襲であり、永久神経刺激機器を埋め込むための大手術を必要としない。また、この療法は、電力消費および神経刺激の必要条件に従って送達される療法のレベルを最適化し、専門の医療提供者によって送達されなくてもよいように制御することができる。
【0084】
本発明の他の実施形態において、神経刺激は、例えば、侵襲的な電気針を標的の体の部分に挿入し、調節することによって、経皮的電気刺激として適用されてもよく、刺激は、刺激の正確なレベルを検出および/または維持するために使用される1つ以上のセンサから論理制御器へ送り返される情報に基づいて調節される。経皮的電気刺激センサは、独立して体に留置されるか、包装物内に組み込まれてもよく、特に、この種類の療法と本質的に関連する火傷の危険性に直接関係する、皮膚への電気接続の質に関するフィードバックを提供してもよい。実際には、刺激のこれらの方法は、神経障害を有する患者の大きな割合における非常に重大な問題である、結果として生じる皮膚炎および可能性のある火傷の危険性のため、最適ではない場合がある。経皮的刺激を密接にモニタするためにパッチが適用される場合でも、パッチは移動し、火傷を引き起こす可能性がある。また、潜在的に干渉する電気インパルスは、治療部位で生じる場合があり、神経伝導の検出に対してノイズの多い環境を作成する。
【0085】
本発明のさらに他の実施形態において、1つの外部コイル、または複数のコイルは、使用されてもよい1つの埋め込まれたコイル、または複数のコイルに誘導的に接続されてもよい。これらの実施形態において、人間工学的アプリケータは、外部と埋め込まれたコイルとの間の誘導的動力伝達を最適化するために、ユーザまたは医療提供者によって調節されてもよい。1つ以上のセンサは、相対的なコイルの位置が最適されたというフィードバックを提供するために使用されてもよく、その後、外部コイルは、人間工学的アプリケータ内の所定の位置に可逆的に係止されてもよい。この実施形態の2つの適用は、埋込型機器を再充電するための電力伝送、および埋込型機器を活性化するための電力伝送に関する。
【0086】
第1の適用において、埋込型再充電可能機器が使用される場合、外部コイルは、外部コイルによって生成される誘導的場を使用して、埋め込まれた機器を再充電するために使用されてもよい。外部コイルは、確立されている電磁連結の質および程度に関係する磁場または他の電気特性によって引き起こされる抵抗の量を決定する電気回路を含んでもよい。このフィードバックに基づいて、外部コイルの位置は、各充電期間に得られる連結を最適化するように、手動または自動的に調整されてもよい。別様に、センサは、埋込型機器に組み込まれてもよく、無線通信を介して外部コイルおよび/または接続された電気回路への電磁連結の程度および質を通信してもよく、外部再充電コイルの自動または手動調整に対するフィードバックを提供する。
【0087】
人間工学的アプリケータ内のコイルは、再充電期間の間、所定の位置に可逆的に係止されてもよく、埋込型機器も、埋込型機器が完全に再充電されるまで、外部再充電と通信してもよく、完了した再充電期間を終了する。埋め込まれた機器の間欠的再充電を提供することによって、本発明による装置は、埋込型機器が、目的とする機能を最適に実行するためにより多くの電力を費やすことができるようにし、電池寿命の保護または延長に関する問題をより少なくする。
【0088】
第2の適用において、電力供給コイルは、得られている電磁連結の質および程度を反映してもよい印加された磁場または他の電気特性に引き起こされる抵抗の量を決定する電気回路を含有してもよい。このフィードバックに基づいて、アプリケータの中の電力供給コイルは、各療法セッションの開始時に連結するコイルを活性化および最適化するように、手動で、または自動的に調整されてもよい。別様に、センサは、埋込型機器に組み込まれ、電力供給コイルの自動または自動調整に対するフィードバックを次々に提供してもよい、無線通信を外部的に介して電磁連結の程度および質を通信してもよい。本実施形態の一変形において、誘導コイルは、後脛骨神経と標的とする針に磁気的に連結されてもよい。
【0089】
UIおよび/またはOABを患う患者に対する、本発明による装置の使用の例示的な方法は、以下のステップを含む。
【0090】
患者は、必要なパルス磁場を提供するために、足首(または、そうでなければ、膝の上)の領域上に柔軟な材料内に含有される導電包装物を配置する。別様に、患者は、内蔵されたコイルを有する人間工学的足/足置き、またはクレードルを使用してもよい。
【0091】
センサ(例えば、センサパッチ)は、理想的には、求心性神経刺激を確実にするために、刺激の近位にある神経の経路に沿って、患者の体の上に配置され、論理制御器に接続される。
【0092】
医師または医療提供者は、神経伝導が、患者およびセンサフィードバックに基づいて得られるまで、包装物またはクレードルの中にあるコイルを調整する。最適な位置は、求められ、コイルは、導電包装物または人間工学的クレードル内の所定の位置に可逆的に係止されてもよく、次の使用の間、この位置に留まる。
【0093】
療法セッション中、論理制御器は、電流をコイルに提供し、誘導磁場を生成する。一実施形態においては、この場は、低振幅から開始し、センサ、および運動伝導を感じる可能性のある患者によって示唆されるように、神経伝導が閾値を越えるまで、徐々に増加する。別様に、1つ以上のコイルも、刺激が、最初のコイル構成で生じないか、または不十分である場合、刺激される部分を増加させるように活性化されてもよい。
【0094】
最適な刺激は、様々な方法、例えば、10Hz〜30Hzの周波数と、標的組織の深さで方形波電気シグナルを生成することが可能な電磁場への暴露を測定することによって決定されてもよい。シグナルの方形波構成は、フーリエ変換によって生成されてもよく、任意の方法で生成される増加した電流であってもよい。
【0095】
誘導磁気パルスは、適当な使用期間、例えば、15分〜30分の間、継続する。センサは、刺激が常に生じることを確実にし、神経伝導が低下した場合、適当な修正を提供するように、全療法セッションの間、適所に留まってもよい。論理制御器は、電池等の携帯電源、または従来の壁コンセント等の固定電源のいずれかによって駆動してもよい。
【0096】
治療的刺激が送達されていない場合、通常、療法セッションの終わりに、導電包装物および/または人間工学的クレードルは、体から外される。
【0097】
導電包装物および/または人間工学的クレードルは、示されるように、時々、例えば、日常的に、センサパッチ(理想的には、使い捨て)とともに再適用され、ステップ4からステップ8が繰り返される。
【0098】
本明細書において記載される本発明は、神経、筋肉、皮膚、脈管構造、または人体内の任意の他の器官あるいは組織を含む、任意の体内組織に適用されてもよい。なお、本明細書において記載される機器および方法は、刺激源が、電磁場、直流、RF場、赤外線エネルギー、可視光、紫外線光、超音波、または他のエネルギー分配機器であるかどうかに関わらず、神経調節に適する任意の状態を治療するために使用されてもよい。
【0099】
本発明は、上記の実施形態に関連して記載されたが、本発明の範囲を、説明される特定の形に限定する意図はなく、対照的に、本発明の範囲内に含まれてもよいようなそのような代替、修正、および同等物を対象とすることを意図する。なお、本発明の範囲は、当業者に対して明らかとなる他の実施形態を完全に包含し、本発明の範囲は、添付される特許請求の範囲によってのみ限定される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
磁気誘導療法のための装置であって、
筺体に配置された1つ以上の導電コイルと、
該1つ以上のコイルに電気的に接続された論理制御器と、
標的神経における電気伝導を検出するための、該論理制御器に電気的に接続された1つ以上のセンサと
を備え、
該1つ以上の導電コイルは、該論理制御器から電流を受けるときに、該標的神経に集中する磁場を形成し、
該電流は、該1つ以上のセンサによって提供された入力に従って、該論理制御器によって変更される、
装置。
【請求項2】
前記筺体は、柔軟な包装物、クレードル、または覆いである、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記1つ以上のコイルは、重複する、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記1つ以上のコイルは、前記筺体における異なる位置に配置され、該異なる位置は、前記磁場の方向に影響を及ぼす、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記1つ以上のコイルは、前記標的神経への電磁流量を最適化するために、前記筺体内で移動可能である、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記1つ以上のコイルは、アクチュエータに作用することによって手動で移動可能であるか、または前記1つ以上のセンサによって提供された前記入力に従って、前記論理制御器によって自動で移動可能である、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記1つ以上のコイルは、移動可能であり、定位置に係止可能である、請求項5に記載の装置。
【請求項8】
前記1つ以上のセンサは、前記筺体内に配置される、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記1つ以上のセンサは、前記筺体から独立している、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記電流は、前記磁場の振幅、周波数、または方向、あるいは前記1つ以上のコイルの発火配列を制御するために、前記論理制御器によって変更される、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記1つ以上のセンサは、患者の皮膚に適用された1つ以上のパッチとして構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項12】
前記1つ以上のコイルは、患者の体の外部にある1つ以上の誘導コイルを備え、構成する1つ以上の誘導コイルは、該患者の体に埋め込まれ、該外部誘導コイルに誘導的に連結される、請求項1に記載の装置。
【請求項13】
電力は、埋込型機器を再充電または活性化するために、前記外部コイルから前記内部コイルに伝送される、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記電流は、前記1つ以上のセンサによって提供された入力に従って、前記論理制御器によって変更され、患者の筋反応に応答して、該患者によって提供された第2の入力に従って、さらに変更される、請求項1に記載の装置。
【請求項15】
磁気誘導療法の方法であって、
筺体に配置された1つ以上の導電コイルと、該1つ以上のコイルに電気的に接続された論理制御器と、該論理制御器に接続された1つ以上のセンサとを提供するステップであって、該1つ以上のセンサは、標的神経における電気伝導を検出することが可能である、ステップと、
患者の体の第1の部分に該筺体を配置するステップと、
該患者の体の第2の部分に該1つ以上のセンサを配置するステップと、
該論理制御器からの電流を受けるときに、該標的神経に集中する磁場を該1つ以上の導電コイルに形成させるステップであって、該電流は、該1つ以上のセンサによって提供された入力に従って、該論理制御器によって変更される、ステップと
を包含する、方法。
【請求項16】
前記第1および第2の体の部分は、同じである、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記筺体における前記1つ以上のコイルの前記配置を調整することによって、前記標的神経への前記磁場の前記集中を最適化するステップをさらに包含する、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記患者における筋反応に従って、前記電流を変更するステップをさらに包含する、請求項15に記載の方法。
【請求項19】
前記1つ以上の導電コイルを提供するステップは、患者の体の外部にある1つ以上の誘導コイルとして該1つ以上の導電コイルを提供するステップを包含し、該患者の体に埋め込まれ、該1つ以上の外部誘導コイルに誘導的に連結された1つ以上の誘導コイルを提供するステップをさらに包含する、請求項15に記載の方法。
【請求項20】
前記治療法は、過活動膀胱、尿失禁、便失禁、肥満、鬱病、高血圧、疼痛、背痛、下肢静止不能症候群、ギランバレー症候群、四肢麻痺、対麻痺、および神経痛に影響する神経からなる群より選択された神経に適用される、請求項15に記載の方法。
【請求項21】
医学的療法を提供するためのエネルギー放出装置であって、
1つ以上のエネルギー発生機と、
該1つ以上のエネルギー発生機に電気的に連結された論理制御器と、
該論理制御器に接続された1つ以上のセンサであって、標的神経における電気伝導を検出することが可能な1つ以上のセンサと
を備え、
該1つ以上のエネルギー発生機は、該論理制御器からシグナルを受けるときに、該標的神経に集中するエネルギーを形成し、
該エネルギーは、該1つ以上のセンサによって提供された入力に従って、該論理制御器によって変更される、
エネルギー放出装置。
【請求項22】
前記エネルギーは、磁気エネルギー、電気エネルギー、超音波エネルギー、赤外線エネルギー、可視エネルギー、または紫外線エネルギーである、請求項21に記載のエネルギー放出装置。
【請求項23】
前記1つ以上のエネルギー発生機は、前記標的神経への前記エネルギーの前記集中を最適化するために、筺体の中で移動可能および係止可能である、請求項21に記載のエネルギー放出装置。
【請求項24】
少なくとも1つのエネルギー発生機は、患者に経皮的に留置される、請求項21に記載のエネルギー放出装置。
【請求項25】
経皮的に留置された前記少なくとも1つのエネルギー発生機は、針である、請求項24に記載のエネルギー放出装置。
【請求項26】
前記少なくとも1つのエネルギー発生機は、患者に経皮で留置される、請求項21に記載のエネルギー放出装置。
【請求項27】
経皮で留置された前記少なくとも1つのエネルギー発生機は、電極である、請求項26に記載のエネルギー放出装置。
【請求項28】
前記1つ以上のエネルギー発生機は、電気パルス制御器を備える、請求項21に記載のエネルギー放出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図6D】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図7D】
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【図8】
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【図9A】
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【図9B】
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【図9C】
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【図9D】
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【図10】
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【図11】
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【公表番号】特表2010−505471(P2010−505471A)
【公表日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−530677(P2009−530677)
【出願日】平成19年10月2日(2007.10.2)
【国際出願番号】PCT/US2007/080196
【国際公開番号】WO2008/042902
【国際公開日】平成20年4月10日(2008.4.10)
【出願人】(509090807)エムキネティクス, インコーポレイテッド (4)
【Fターム(参考)】