説明

磁界検出器

【課題】測定対象の表面形状によらず、磁界を精度良く検出することができるシールデッドループアンテナ型の磁界検出器を提供する。
【解決手段】絶縁基材が構成材料として少なくとも樹脂を含むことで、多層基板が厚み方向において可撓性を有している。そして、シールデッドループアンテナのループ部分がなすループ面が厚み方向に平行となり、測定対象に対向させる多層基板の厚み方向に垂直な表面に対してギャップを有する導体パターンが平行となるように、ループ部分が導体パターン及び層間接続部により構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シールデッドループアンテナ型の磁界検出器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、プリント基板の配線に流れる電流(該電流による磁界)を測定するための磁界検出器として、シールデッドループアンテナ型の磁界検出器が知られている。また、このような磁界検出器として、例えば特許文献1に記載のように、絶縁基材(絶縁層)、絶縁基材の厚み方向において絶縁基材に多層に設けられた導体パターン、異なる層の導体パターンを電気的に接続する層間接続部(ビア導体)を有する多層基板に、シールドデッドループアンテナが構成されたものが知られている。
【0003】
特許文献1に代表される従来のシールデッドループ型磁界検出器では、ループ部分を構成する導体パターンが、絶縁基材に対してその厚み方向(以下、単に厚み方向と示す)に垂直に設けられて略ロの字状をなし、プリント基板の配線形成面に対向させる多層基板の表面側の長手辺部の中央付近にギャップを有している。そして、ギャップを有する長手辺部は、その長手方向(以下、単に長手方向と示す)が、プリント基板の配線形成面に対向させる多層基板の表面に対して平行となっている。このため、プリント基板の配線とギャップを有する長手辺部との距離が長手方向においてほぼ一定となり、磁界を精度良く検出することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−155597号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、電子機器の普及や多様化などに伴い、電磁波ノイズによる弊害が問題となってきており、各機器における電界及び磁界分布状況を、各機器の使用環境や駆動条件に照らして把握することが求められている。このように、電磁波ノイズ対策、所謂EMC(Electro-Magnetic Compatibility)の観点から、上記したプリント基板の配線以外にも電流(磁界)を測定したいというニーズが生じている。
【0006】
例えば車両には様々な周波数帯の電子機器が搭載されており、車載無線機の作動時に車両表面(ボディ)に電流が流れ、車両周辺の電波放射特性に影響を及ぼすことも考えられる。このため、車両表面に流れる電流(磁界)を測定したいというニーズが新たに生じてきている。このように測定対象が多種多様となってきている。
【0007】
しかしながら、特許文献1に代表される従来のシールデッドループ型磁界検出器は、そもそもプリント基板の配線に流れる電流測定を目的としたものである。したがって、表面が平面の測定対象には適しているが、車両表面のように表面が曲面の測定対象の場合、該曲面(測定対象の表面)とギャップを有する長手辺部との距離が長手方向においてばらつき、平面に比べて磁界の検出精度が低下してしまう。すなわち、平面以外の測定対象については不向きである。
【0008】
また、特許文献1に代表される構成のシールデッドループ型磁界検出器では、上記したように、ギャップを有した導体パターンが厚み方向に垂直、すなわちシールデッドループアンテナのループ部分のループ面が厚み方向に対して垂直となっている。したがって、仮に多層基板が厚み方向に可撓性を有していても、厚み方向に垂直な方向、すなわち、シールデッドループアンテナのループ部分のループ面に平行な方向に多層基板を撓ませて測定対象に密着させることができない。このため、測定対象とギャップを有する長手辺との距離は一定とはならない。なお、特許文献1では、絶縁基材がセラミックシートからなるため、測定対象に多層基板を密着させること自体困難である。
【0009】
本発明は上記問題点に鑑み、測定対象の表面形状によらず、磁界を精度良く検出することができるシールデッドループアンテナ型の磁界検出器を提供することを目的とする。換言すれば、曲面形状の測定対象についても、磁界を精度良く検出することができるシールデッドループアンテナ型の磁界検出器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成する為に、請求項1に記載の発明では、絶縁基材が構成材料として少なくとも樹脂を含むことで、多層基板が厚み方向において可撓性を有している。そして、シールデッドループアンテナのループ部分がなすループ面が厚み方向に平行となり、測定対象に対向させる多層基板の厚み方向に垂直な表面に対してギャップを有する導体パターンが平行となるように、ループ部分が導体パターン及び層間接続部により構成されている。
【0011】
したがって、測定対象に多層基板(磁界検出器)を密着させて、多層基板を撓ませることができる。このとき、多層基板は測定対象の表面形状に倣って撓むため、測定対象の表面形状によらず、ギャップを有する導体パターンと測定対象との距離を、該導体パターンの長手方向においてほぼ一定とすることができる。したがって、測定対象の表面形状によらず、磁界を精度良く検出することができる。例えば平面形状の測定対象だけでなく、曲面形状の測定対象についても、磁界を精度良く検出することができる。
【0012】
請求項2に記載の発明では、信号用導体部が、厚み方向に平行とされたループ形状をなしている。また、シールデッドループアンテナのループ部分を構成する定電位用導体部が、信号用導体部と対向するように信号用導体部のループの内側に設けられた内側導体部と、信号用導体部と対向するように信号用導体部のループの外側に設けられた外側導体部を有する。これら内側導体部及び外側導体部は電気的に接続され、互いにギャップが対向するようにギャップを有する導体パターンをそれぞれ有している。
【0013】
このように、グランドなどの定電位に固定される定電位導体部が、信号用導体部を挟むように配置される内側導体部及び外側導体部を少なくとも有すると、ループ部分に鎖交する磁束を検出することができる。また、多層基板を撓ませたときに、厚み方向において外側導体部のギャップを有する導体パターン、信号用導体部の導体パターン、内側導体部のギャップを有する導体パターンも同様に撓むため、お互いの位置関係を保つことができる。これにより、磁界を精度良く検出することができる。
【0014】
また、信号用導体部がループ形状をなすので、略コの字状や略C字状(半円状)のようにループ形状の約半分の信号用導体部を有する構成に比べて、外部電界の影響をキャンセルし、外部電界による電圧を磁界による電圧出力に対して非常に小さい値とすることができる。すなわち、電界をシールドすることができる。
【0015】
請求項3に記載の発明では、内側導体部と外側導体部とが層間接続部により電気的に接続されて、定電位用導体部の少なくとも一部が筒状となっている。そして、この筒状部分により、信号用導体部が所定の範囲にわたって取り囲まれている。このように、定電位用導体部に筒状部分を設けると、該筒状部分のシールドの効果により、外部電界の影響を低減することができる。
【0016】
特に請求項4に記載のように、定電位用導体部のギャップを除く部分を筒状とし、信号用導体部のうち、ギャップに対応する部位のみを定電位用導体部の筒外に位置させると、磁界を検出でき、且つ、外部電界の影響をより効果的に低減することができる。
【0017】
一方、請求項5に記載のように、定電位用導体部が複数の筒状部分を有し、信号用導体部におけるギャップに対応する部分を除く部分の一部が、複数の筒状部分内に位置する構成とすると、外部電界の影響をより効果的に低減することができる。また、定電位用導体部のギャップを除く部分全域を筒状とする構成に比べて、多層基板の可撓性を向上することができる。
【0018】
より具体的には、請求項6に記載のように、6層の導体パターンと、各層間接続部(第1層間接続部〜第7層間接続部)により、ループ形状の信号用導体部と、該信号用導体部をギャップを除く部分で取り囲む定電位用導体部とを、多層基板に構成することができる。
【0019】
請求項7に記載の発明では、熱可塑性樹脂を含む基材フィルムが少なくとも1層おきに位置するように、複数枚の基材フィルムを積層し一体化して絶縁基材が構成されている。また、層間接続部が層間接続ビアを含む。これによれば、PALAPとして知られる一括積層法にて、磁界検出器を形成することができる。すなわち、製造工程を簡素化することができる。なお、PALAPは株式会社デンソーの登録商標である。
【0020】
請求項8に記載の発明では、互いのループ面が直交するように、同じ多層基板にシールドデッドループアンテナが複数構成されている。このように2軸検出や3軸検出の磁界検出器を1つの多層基板にて構成すると、磁界の向きを検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】第1実施形態に係る磁界検出器の概略構成を示す平面図である。
【図2】図1のII−II線に沿う断面図である。
【図3】磁界検出器のうち、多層基板部分の概略構成を示す斜視図である。
【図4】図3を裏面側から見た斜視図である。
【図5】多層基板に構成されたループ形状の信号用導体部を示す透過図である。
【図6】図2及び図3のVI−VI線に沿う断面図である。
【図7】図2及び図3のVII−VII線に沿う断面図である。
【図8】図2及び図3のVIII−VIII線に沿う断面図である。
【図9】図2及び図3のIX−IX線に沿う断面図である。
【図10】磁界検出特性を示す図である。
【図11】第2実施形態に係る磁界検出器の概略構成を示す平面図である。
【図12】変形例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。なお、各実施形態において、共通乃至関連する要素には同一の符号を付与するものとする。
(第1実施形態)
以下において、絶縁基材20(多層基板11)の厚み方向を、単に厚み方向と示す。また、厚み方向に垂直な方向のうち、一対の電極パターン30aの並び方向を、単に並び方向と示す。また、各導体パターン21の幅とは、厚み方向及び並び方向に垂直な方向の幅を示す。
【0023】
図1〜図9に示すように、磁界検出器10は、多層基板11にシールドデッドループアンテナが構成されてなるものである。換言すれば、ストリップ線路構造のシールデッドループアンテナを備えた磁界検出器10となっている。本実施形態では、磁界検出器10が、上記多層基板11とともに、外来ノイズ(電磁波)から後述する一対の電極パターン30a及びチップ抵抗13をシールドするシールドケース12と、後述する同軸ケーブル14とのインピーダンスマッチング用のチップ抵抗13を有している。また、図2には、シールデッドループアンテナに接続された同軸ケーブル14を示している。なお、図6及び図7に示す断面図では、図2のシールドケース12を省略して図示している。
【0024】
多層基板11は、少なくとも樹脂を含む絶縁基材20と、厚み方向において絶縁基材20に多層に配置された導体パターン21と、絶縁基材20に配置され、異なる層の導体パターン21を電気的に接続する層間接続部22を有している。
【0025】
絶縁基材20としては、熱可塑性樹脂を含む基材フィルムが少なくとも1枚おきに位置するように、複数枚の基材フィルムを積層し一体化してなるものを採用することが好ましい。この熱可塑性樹脂を含む基材フィルムとしては、所謂PALAPとして知られる一括積層法に適用できるものを採用することができる。これによれば、複数枚の基材フィルムを積層し、この積層体を積層方向上下から加圧しつつ加熱することで、一括で絶縁基材20、ひいては多層基板11を形成することができる。なお、一括積層以外にも、1枚ずつ積層してなるビルドアップ基板を採用することもできる。
【0026】
本実施形態では、厚さの等しい12枚の基材フィルムを積層・一体化して絶縁基材20が構成され、全ての基材フィルムとして、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)30重量%とポリエーテルイミド(PEI)70重量%からなる樹脂フィルムを採用している。
【0027】
導体パターン21は、金属箔をパターニングしてなるものや、メッキ、スクリーン印刷などにより形成されたものを採用することができる。上記した一括積層法を採用する場合、基材フィルムの片面又は両面に貼り付けられた金属箔をパターニングしてなる導体パターン21を採用することができる。
【0028】
本実施形態では、基材フィルムに貼り付けられた銅箔をパターニングしてなる導体パターン21を採用している。また、図2に示すように、同じ厚さの6層の導体パターン21を有している。詳しくは、6層の導体パターン21として、厚み方向において絶縁基材20における測定対象側の面と反対の面側から第1導体パターン30、第2導体パターン31、第3導体パターン32、第4導体パターン33、第5導体パターン34、第6導体パターン35の順に配置されている。図3に示すように、第1導体パターン30は絶縁基材20の一面20aに配置され、第6導体パターン35は、絶縁基材20における一面20aと反対の面20bに配置されている。これら導体パターン21(30〜35)は、いずれも並び方向に延びている。
【0029】
第1導体パターン30は、図1〜図3に示すように、一対の電極パターン30aと、該一対の電極パターン30aの対向領域を跨ぐように配置された内側導体パターン30bと、電極パターン30a及び内側導体パターン30bを取り囲むように配置され、内側導体パターン30bの両端が接続された外側導体パターン30cを有している。詳しくは、厚み方向及び並び方向に垂直な方向に沿って延びる内側導体パターン30bに対して、平面矩形状の電極パターン30aが線対称配置とされ、電極パターン30a、内側導体パターン30b、及び外側導体パターン30cで規定される電極パターン30a周りの抜き部分(第1導体パターン30のない部分)が矩形環状となっている。
【0030】
第4導体パターン33及び第6導体パターン35は、厚み方向に垂直な同一面への投影位置が互いに重なるように、それぞれギャップ33g,35gを有している。このギャップ33g,35gは、導体パターン21のないスリットの部分である。本実施形態では、スリットの延びる方向が、内側導体パターン30bと平行となっている。
【0031】
また、外側導体パターン30c及び第3導体パターン32は、第2導体パターン31より幅が広く、第4導体パターン33及び第6導体パターン35は第5導体パターン34より幅が広くなっている。これは、後述する定電位用導体部24が、層間接続部22(45,46)とともに筒状部分を構成して、筒の内部に信号用導体部23を配置するためである。なお、各導体パターン21の幅とは、厚み方向及び並び方向に垂直な方向の幅である。
【0032】
本実施形態では、第2導体パターン31及び第5導体パターン34が、図5、図7、図8に示すようにいずれも幅が一定とされ、互いに幅がほぼ等しくなっている。また、図2及び図5に示すように、一対の電極パターン30aに対応して一対の第2導体パターン31が設けられ、この一対の導体パターン31は、後述する第1層間接続部40との接続部位から、並び方向において相対する方向に延びている。また、第4導体パターン33と第6導体パターン35が、図4、図7、図8に示すようにいずれも幅が一定とされ、互いに幅がほぼ等しくなっている。第3導体パターン32は、図6〜図8に示すように、並び方向において、多層基板11の両端部から所定の範囲の部分が第4導体パターン33の幅とほぼ等しく、電極パターン30aに近い残りの部分が第4導体パターン33よりも幅が広くなっている。このような形状を有していることは、図3に破線で示す第6層間接続部45の配置からも明らかである。外側導体パターン30cは、図3、図6〜図9に示すように、並び方向において、多層基板11の両端部から所定の範囲の部分が第4導体パターン33の幅とほぼ等しく、電極パターン30aに近い残りの部分が、電極パターン30a及び内側導体パターン30bを取り囲む環状部分となっている。そして、図7に示すように、厚み方向に及び並び方向に垂直な方向において、外側導体パターン30cのうち、環状部分の内径が、第3導体パターン32の幅広部分より若干短く、外径が第3導体パターン32の幅広部分より長くなっている。このような形状を有していることは、図3に破線で示す第6層間接続部45の配置からも明らかである。
【0033】
層間接続部22は、少なくとも基材フィルムを貫通する層間接続ビア22aを含む。本実施形態では、層間接続ビア22aとともに、基材フィルムの片面又は両面に形成された金属箔をパターニングしてなるランド22bも含んでいる。また、層間接続ビア22aとして、基材フィルムの貫通孔内に充填された導電性ペーストを、積層した基材フィルムの加圧・加熱時に焼結してなるものを採用している。なお、この焼結により、層間接続ビア22aと導体パターン21が接続される。また、層間接続ビア22a同士が接する場合には、層間接続ビア22a同士が接続される。
【0034】
また、図2〜図4、図6〜図9に示すように、層間接続部22として、対応する電極パターン30aと第2導体パターン31とを接続する第1層間接続部40、第2導体パターン31と第5導体パターン34を接続する第2層間接続部41を有している。また、内側導体パターン30bと第3導体パターン32を接続する第3層間接続部42、第3導体パターン32と第4導体パターン33を接続する第4層間接続部43を有している。また、外側導体パターン30cと第6導体パターン35を接続する第5層間接続部44、外側導体パターン30cと第3導体パターン32を接続する第6層間接続部45、第4導体パターン33と第6導体パターン35を接続する第7層間接続部46を有している。
【0035】
第1層間接続部40は、図2及び図5に示すように、並び方向において、一対の第2導体パターン31の電極パターン30a側の端部に一端がそれぞれ接続され、他端が対応する電極パターン30aに接続されている。第2層間接続部41は、図2、図5、図9に示すように、一対の第2導体パターン31における第1層間接続部40とは反対側の端部に一端がそれぞれ接続され、他端が対応する第5導体パターン34の両端にそれぞれ接続されている。第3層間接続部42は、図2、図3、図6に示すように、厚み方向に及び並び方向に垂直な方向において、一端が内側導体パターン30bのほぼ全域に接続され、他端が第3導体パターン32のほぼ全域に接続されている。第4層間接続部43は、図2に示すように、並び方向において、第3導体パターン32と第4導体パターン33の両端部をそれぞれ接続している。なお、図示しないが、第4層間接続部43も、厚み方向に及び並び方向に垂直な方向において、第3導体パターン32のほぼ全域及び第4導体パターン33のほぼ全域に接続されている。第5層間接続部44は、図2〜図4、図9に示すように、並び方向において、外側導体パターン30cと第6導体パターン35の両端部をそれぞれ接続している。なお、図示しないが、第5層間接続部44も、厚み方向に及び並び方向に垂直な方向において、外側導体パターン30cのほぼ全域及び第6導体パターン35のほぼ全域に接続されている。また、図3及び図4に示すように、並び方向において、第4層間接続部43の位置まで設けられている。第6層間接続部45及び第7層間接続部46は、図3、図4、図7、図8に示すように、並び方向において、一方の第4層間接続部43から他方の第4層間接続部43まで設けられている。
【0036】
また、上記した第3層間接続部42と第6層間接続部45が連結され、第6層間接続部45と第5層間接続部44が連結されている。また、第4層間接続部43と第5層間接続部44が連結され、第5層間接続部44と第7層間接続部46が連結されている。
【0037】
そして、上記した導体パターン21及び層間接続部22により、シールデッドループアンテナの導体部をなす、信号用導体部23と、グランドなどの定電位に固定される定電位用導体部24が構成されている。
【0038】
信号用導体部23は、第1導体パターン30としての電極パターン30a、第1層間接続部40、第2導体パターン31、第2層間接続部41、及び第5導体パターン34とにより、線状の導体部として構成されている。この信号用導体部23はループ形状をなし、このループ形状の形成面が厚み方向に平行となっている。本実施形態では、厚み方向及び並び方向に平行となっている。
【0039】
定電位用導体部24は、信号用導体部23と対向するように信号用導体部23のループの内側に設けられた内側導体部24aと、信号用導体部23と対向するように信号用導体部23のループの外側に設けられた外側導体部24bを有する。これら導体部24a,24bは電気的に接続され、互いにギャップ33g,35gが対向するようにギャップ33g,35gを有する導体パターン33,35をそれぞれ有する。そして、内側導体部24aと外側導体部24bの対向領域に、信号用導体部23が配置されている。すなわち、信号用導体部23が、絶縁基材20を介しつつ内側導体部24aと外側導体部24bに挟まれている。
【0040】
内側導体部24aは、内側導体パターン30b、第3層間接続部42、第3導体パターン32、第4層間接続部43、ギャップ33gを有する第4導体パターン33とにより構成されている。一方、外側導体部24bは、外側導体パターン30c、第5層間接続部44、ギャップ35gを有する第6導体パターン35とにより構成されている。
【0041】
そして、これら導体部24a,24bは、上記した第6層間接続部45及び第7層間接続部46とともに筒状をなしている。すなわち、定電位用導体部24が筒状に設けられ、信号用導体部23を内包している。詳しくは、筒状部分の一端が一方の電極パターン30aを取り囲んで開口し、他端が他方の電極パターン30aを取り囲んで開口するとともに、筒状部分の中央に、信号用導体部23(第5導体パターン34)を筒状部分から露出させるべく、第5導体パターン34を取り囲む環状のギャップが設けられている。また、定電位用導体部24がなすループ部分(厳密には、ギャップがあるため、略ループ部分)のループ面は、厚み方向に平行となっている。本実施形態では、厚み方向及び並び方向に平行となっている。
【0042】
また、厚み方向において、信号用導体部23を構成する第2導体パターン31と外側導体部24bを構成する外側導体パターン30cとの対向距離と、第2導体パターン31と内側導体部24aを構成する第3導体パターン32との対向距離が等しくなっている。また、信号用導体部23を構成する第5導体パターン34と外側導体部24bを構成する第6導体パターン35との対向距離と、第5導体パターン34と内側導体部24aを構成する第4導体パターン33との対向距離が等しくなっている。さらには、厚み方向に垂直な方向において、信号用導体部23を構成する第2層間接続部41と外側導体部24bを構成する第5層間接続部44との対向距離と、第2層間接続部41と内側導体部24aを構成する第4層間接続部43との対向距離が等しくなっている。
【0043】
このように構成される磁界検出器10では、測定対象の磁界を検出すべく、多層基板11の表面20bを測定対象の表面に密着させる。そして、定電位用導体部24がなすループ面を貫く磁束に応じて生じる電圧を、同軸ケーブル14を介して検出することができる。すなわち、測定対象に流れる電流を検出することができる。なお、本実施形態では、同軸ケーブル14の中心導体を信号用導体部23の一方の電極パターン30aに接続し、外部導体を低電位用導体部24の外側導体パターン30cに接続している。しかしながら、信号用導体部23の2つの電極パターン30aから電圧を取り出すこともできる。
【0044】
次に、上記構成の磁界検出器10の特徴部分の効果について説明する。
【0045】
本実施形態では、多層基板11を構成する絶縁基材20が構成材料として少なくとも樹脂を含んでおり、これにより、多層基板11が厚み方向において可撓性を有している。また、シールデッドループアンテナ(における低電位用導体部24)のループ部分がなすループ面が厚み方向に平行となり、測定対象に対向させる多層基板の表面20bに対してギャップ33g,35gを有する導体パターン33,35が平行となるように構成されている。
【0046】
したがって、測定対象に多層基板11の表面20bを密着させて、測定対象の磁界(電流)を検出する際に、多層基板11を厚み方向に撓ませることができる。このとき、多層基板11は測定対象の表面形状に倣って撓むため、測定対象の表面形状によらず、ギャップ33g,35gを有する導体パターン33,35と測定対象との距離を、並び方向(該導体パターン33,35の長手方向)においてほぼ一定とすることができる。したがって、測定対象の表面形状によらず、磁界を精度良く検出することができる。これによれば、表面が平坦な測定対象だけでなく、表面が曲面の測定対象についても、磁界を精度良く検出することができる。例えば車両のボディーに流れる電流を検出することもできる。
【0047】
特に本実施形態では、厚み方向に垂直な同一の面に投影した際に、外側導体部24bのギャップを有する第6導体パターン35、信号用導体部23の第5導体パターン34、内側導体部24aのギャップを有する第4導体パターン33が重なるように、これら導体パターン33〜35が厚み方向において積層配置されている。したがって、多層基板11を撓ませたときに、厚み方向において上記導体パターン33〜35が同じように撓むため、お互いの位置関係を保つことができる。これにより、磁界を精度良く検出することができる。
【0048】
なお、本実施形態に示した磁界検出器10の磁界検出特性を図10に示す。図10に示すように、10MHzから2GHzまで、周波数に応じて磁界強度がリニアに変化している。具体的には、周波数が10倍で磁界強度が約20dB変化している。このように、本実施形態に示した磁界検出器10によれば、広い周波数域において磁界を精度良く検出することができる。
【0049】
また、本実施形態では、信号用導体部23が、厚み方向に平行とされたループ形状をなしている。そして、内側導体部24aと外側導体部24bとが第6層間接続部45及び第7層間接続部46により電気的に接続されて、定電位用導体部24のギャップを除く部分が筒状となっている。そして、信号用導体部23のうち、ギャップに対応する部位のみが定電位用導体部24の筒外に位置している。したがって、筒状の低電位用導体部24によるシールド効果により、外部電界の影響を低減することができる。このような構成を、本実施形態では、6層の導体パターン30〜35と、各層間接続部40〜46により実現している。
【0050】
また、信号用導体部23がループ形状をなすので、略コの字状や略C字状(半円状)のようにループ形状の約半分の信号用導体部23を有する構成に比べて、外部電界の影響をキャンセルし、外部電界による電圧を磁界による電圧出力に対して非常に小さい値とすることができる。すなわち、電界をシールドすることができる。
【0051】
(第2実施形態)
第1実施形態では、多層基板11に1つのシールデッドループアンテナを構成してなる磁界検出器10の例を示した。すなわち、1軸の磁界検出器10を示した。
【0052】
これに対し、本実施形態では、互いのループ面が直交するように、同じ多層基板11にシールドデッドループアンテナが複数構成されている、すなわち、多軸の磁界検出器10が構成されている点を特徴とする。
【0053】
例えば図11では、互いに直交する3軸x,y,zに対し、ループ面がx軸に垂直なシールドデッドループアンテナS1、ループ面がy軸に垂直なシールドデッドループアンテナS2、ループ面がz軸に垂直なシールドデッドループアンテナS3の3つが、同一の多層基板11に構成されている。なお、z軸方向が厚み方向である。この構成によれば、測定対象に多層基板11を密着させ、多層基板11を厚み方向に撓ませることで、シールドデッドループアンテナS1,S2のギャップを有する導体パターンと測定対象との距離を、導体パターンの長手方向においてほぼ一定とすることができる。また、磁界の向き(ベクトル)を検出することもできる。図11では、3つのシールドデッドループアンテナS1,S2,S3を示したが、ループ面が厚み方向に平行な2つのシールドデッドループアンテナS1,S2のみを有する2軸の磁界検出器10を採用することもできる。
【0054】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態になんら制限されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々変形して実施することが可能である。
【0055】
第1実施形態では、例えば図3に示すように、厚み方向及び並び方向に垂直な方向において、多層基板11の幅を、電極パターン30aを取り囲む部分と、該取り囲む部分よりも並び方向において端部側の部分とで異ならせ、端部側の部分で細い例を示した。しかしながら、例えば図12に示すように、平面矩形状の多層基板11を採用し、一面20aのうち、電極パターン30a、内側導体パターン30b、及び電極パターン30aを区画する部分(抜き部分)を除く部分すべてを、外側導体パターン30cとしても良い。これによれば、外側導体パターン30cにより、外来ノイズ(電磁波)から電極パターン30a及びチップ抵抗13をシールドする効果を高めることができる。また、平面矩形状の多層基板11を採用するため、信号用導体部23のループ形状がなす面に垂直な方向に沿う絶縁基材20の厚さを、並び方向全域において均一とすることができる。換言すれば、並び方向全域において、信号用導体部23のループ形状がなす面に垂直な方向の絶縁基材20の中心に、信号用導体部23が配置された構成とすることができる。これにより、絶縁基材20(誘電材料)の厚みの違いによる、高周波での特性インピーダンスのずれを抑制し、高周波特性を向上することができる。
【0056】
本実施形態では、信号用導体部23のギャップに対応する部分を除く部分を、筒状の定電位用導体部24にて取り囲む例を示した。しかしながら、信号用導体部23のギャップに対応する部分を除く部分のうち、一部のみを筒状の定電位用導体部24にて取り囲むようにしても良い。これによれば、定電位用導体部24の筒状部分のシールド効果により、外部電界の影響を少なからず低減することができる。
【0057】
例えば定電位用導体部24が複数の筒状部分を有し、信号用導体部23におけるギャップに対応する部分を除く部分の一部が、複数の筒状部分内に位置する構成としても良い。これによれば、外部電界の影響をより効果的に低減することができる。また、定電位用導体部24のギャップを除く部分全域を筒状とする構成に比べて、多層基板11の可撓性を向上することができる。すなわち、筒状部分の長さを増やしてシールド効果を高めつつ、多層基板11の可撓性を向上することができる。
【0058】
さらには、定電位用導体部24が、信号用導体部23を挟むように配置される内側導体部24a及び外側導体部24bを少なくとも有せば良い。これによれば、低電位用導体部24のループ部分に鎖交する磁束を検出することができる。
【0059】
磁界検出器10としては、多層基板11を構成する絶縁基材20が構成材料として少なくとも樹脂を含むことで、多層基板11が厚み方向において可撓性を有する。また、シールデッドループアンテナのループ部分がなすループ面が厚み方向に平行となり、測定対象に対向させる多層基板11の表面20bに対してギャップを有する導体パターン33,35が平行となるように、ループ部分が導体パターン21及び層間接続部22により構成されたものであれば良い。例えば、ループ形状の信号用導体部23を、厚み方向に垂直な方向において、信号用導体部23を挟むように定電位用導体部24を設けても良い。しかしながら、厚み方向に垂直な方向において、信号用導体部23と定電位用導体部24の位置がずれるので、測定対象の表面形状によっては、信号用導体部23の部分と定電位用導体部24の部分で撓み度合いが異なることも考えられる。したがって、好ましくは、上記実施形態で示した内側導体部24aと外側導体部24bを備えた定電位用導体部24を採用すると良い。
【0060】
例えば信号用導体部23として、従来周知の略コの字状や略C字状(半円状)のようにループ形状の約半分のものを採用する。そして、該信号用導体部23に対応するシールデッドループアンテナを、上記実施形態で示したように、ループ面が厚み方向に平行となり、測定対象に対向させる多層基板の表面に対してギャップを有する導体パターンが平行となるように、構成しても良い。
【符号の説明】
【0061】
10・・・磁界検出器
11・・・多層基板
20・・・絶縁基材
21,30〜35・・・導体パターン
22,40〜46・・・層間接続部
23・・・信号用導体部
24・・・定電位用導体部
24a・・・内側導体部
24b・・・外側導体部
30a・・・電極パターン
30b・・・内側導体パターン
30c・・・外側導体パターン
33g,35g・・・ギャップ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁基材と、前記絶縁基材の厚み方向において前記絶縁基材に多層に設けられた導体パターンと、異なる層の前記導体パターンを電気的に接続する層間接続部と、を有する多層基板に、シールドデッドループアンテナが構成され、ギャップを有した前記導体パターンを前記シールデッドループアンテナのループ部分に含む磁界検出器であって、
前記絶縁基材は、構成材料として少なくとも樹脂を含み、
前記多層基板は、前記厚み方向において可撓性を有し、
前記シールデッドループアンテナのループ部分がなすループ面が前記厚み方向に平行となり、測定対象に対向させる前記多層基板の前記厚み方向に垂直な表面に対して前記ギャップを有する導体パターンが平行となるように、前記ループ部分が前記導体パターン及び前記層間接続部により構成されていることを特徴とする磁界検出器。
【請求項2】
前記シールデッドループアンテナは、前記導体パターン及び前記層間接続部を有してなる導体部として、定電位とされ、前記ループ部分を構成する定電位用導体部と信号用導体部とを有し、
前記信号用導体部は、前記導体パターンとして前記絶縁基材における測定対象側の面と反対の面に設けられた一対の電極パターンの一方に一端が接続されるとともに他方に他端が接続されてループ形状をなし、ループ形状の前記信号用導体部の形成面が前記厚み方向に平行とされ、
前記定電位用導体部は、前記信号用導体部と対向するように前記信号用導体部のループの内側に設けられた内側導体部と、前記信号用導体部と対向するように前記信号用導体部のループの外側に設けられた外側導体部を有し、
前記内側導体部及び前記外側導体部は電気的に接続され、互いにギャップが対向するように前記ギャップを有する導体パターンをそれぞれ有し、前記内側導体部と前記外側導体部の対向領域に、前記信号用導体部が配置されていることを特徴とする請求項1に記載の磁界検出器。
【請求項3】
前記内側導体部と前記外側導体部とが前記層間接続部により電気的に接続されて、前記定電位用導体部の少なくとも一部が筒状に設けられ、前記定電位用導体部の筒状部分により、前記信号用導体部を、所定の範囲にわたって取り囲むことを特徴とする請求項2に記載の磁界検出器。
【請求項4】
前記層間接続部により、前記定電位用導体部のギャップを除く部分が筒状に設けられ、
前記信号用導体部のうち、前記ギャップに対応する部位のみが、前記定電位用導体部の筒外に位置していることを特徴とする請求項3に記載の磁界検出器。
【請求項5】
前記定電位用導体部は、複数の筒状部分を有し、
前記信号用導体部におけるギャップに対応する部分を除く部分の一部が、前記複数の筒状部分内に位置することを特徴とする請求項3に記載の磁界検出器。
【請求項6】
前記多層基板は、前記絶縁基材における測定対象側の面と反対の面側から第1導体パターン、第2導体パターン、第3導体パターン、第4導体パターン、第5導体パターン、第6導体パターンの順に配置された6層の前記導体パターンを有し、
前記絶縁基材における測定対象側の面と反対の面に、前記第1導体パターンとして、前記一対の電極パターン、該一対の電極パターンの対向領域を跨ぐように配置される内側導体パターン、及び前記電極パターン及び前記内側導体パターンを取り囲むように配置されるとともに前記内側導体パターンの両端が接続された外側導体パターンが設けられ、
前記外側導体パターン及び前記第3導体パターンは、前記第2導体パターンより幅が広く、前記第4導体パターン及び前記第6導体パターンは前記第5導体パターンより幅が広くされ、
前記信号用導体部は、前記一対の電極パターンと、前記層間接続部として各電極パターンに接続された一対の第1層間接続部と、該第1層間接続部に一端が接続され、相対する方向に延びた一対の前記第2導体パターンと、前記層間接続部として各第2導体パターンにおける前記電極パターンに遠い側の端部に接続された一対の第2層間接続部と、前記一対の第2導体パターンに対向して設けられ、両端に前記第2層間接続部がそれぞれ接続された前記第5導体パターンと、を有し、
前記定電位用導体部の内側導体部は、前記内側導体パターンと、前記層間接続部として前記内側導体パターンに接続された第3層間接続部と、前記第3層間接続部に接続され、一部が前記第2導体パターンに対向して設けられた前記第3導体パターンと、前記層間接続部として前記第3導体パターンの両端に接続された一対の第4層間接続部と、前記第3導体パターンに対向して設けられ、両端に前記第4層間接続部がそれぞれ接続された、前記ギャップを有する導体パターンとしての前記第4導体パターンと、を有し、
前記定電位用導体部の外側導体部は、一部が前記第2導体パターンに対向して設けられた前記外側導体パターンと、前記層間接続部として前記外側導体パターンの両端に接続された一対の第5層間接続部と、前記第5導体パターンに対向して設けられ、両端に前記第5層間接続部がそれぞれ接続された、前記ギャップを有する導体パターンとしての前記第6導体パターンと、を有し、
前記定電位用導体部は、前記層間接続部として前記外側導体パターンと前記第3導体パターンを電気的に接続する第6層間接続部と、前記層間接続部として前記第4導体パターンと前記第6導体パターンを電気的に接続する第7層間接続部と、を有し、前記第3層間接続部と前記第6層間接続部が連結され、前記第6層間接続部と前記第5層間接続部が連結され、前記第4層間接続部と前記第5層間接続部が連結され、前記第5層間接続部と前記第7層間接続部が連結されて、ギャップを除く部分が筒状に設けられていることを特徴とする請求項4に記載の磁界検出器。
【請求項7】
前記絶縁基材は、熱可塑性樹脂を含む基材フィルムが少なくとも1層おきに位置するように、複数枚の基材フィルムを積層し一体化してなり、
前記層間接続部は、前記基材フィルムの貫通孔内に充填された導電性ペーストを焼結してなる層間接続ビアを含むことを特徴とする請求項1〜6いずれか1項に記載の磁界検出器。
【請求項8】
互いのループ面が直交するように、同じ前記多層基板に前記シールドデッドループアンテナが複数構成されることを特徴とする請求項1〜7いずれか1項に記載の磁界検出器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−112675(P2012−112675A)
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−259376(P2010−259376)
【出願日】平成22年11月19日(2010.11.19)
【出願人】(000004695)株式会社日本自動車部品総合研究所 (1,981)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】