説明

禁止特徴を備える折丁搬送装置

折丁搬送装置(10)は、第1の折丁(74)と第2の折丁(72)とを第1の方向に移動させる第1のコンベヤ(11)を有している。折丁持上げ装置(20)は第1の折丁(74)を第1のコンベヤ(11)から取出し、グリッパ(90)は第1の折丁(74)を折丁持上げ装置(20)から第1の位置において取り出す。折丁持上げ装置(20)は禁止位置(I)を有しており、この禁止位置において第2の折丁(72)は、第1の位置をバイパスする経路(82)をたどり、これにより、グリッパ(90)は第2の折丁(72)をバイパスする。本発明は、折丁を搬送する方法も提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
背景
本発明は被印刷製品を搬送するための装置に関する。
【0002】
サドルステッチャは例えば、折丁を丁合し、折丁の完全なセットを収集し、折丁をステッチを用いて綴じる。折丁は、中央の折目へ開放しており、供給機構によってサドルレースウェイ上に丁合され、綴じ機構を通って搬送される。次いで、これらの綴じられた折丁若しくは本はサドルコンベヤから取り出され、綴じられていないエッジのトリミング等のさらなる処理を受ける。
【0003】
米国特許出願第2005/0225023号明細書は、サドルコンベヤからの折丁の取出しを可能にする、被印刷製品を搬送するための装置を開示している。第1のコンベヤは複数の折り畳まれた折丁を第1の方向へ移動させ、第2のコンベヤは第1のコンベヤから折丁を持ち上げるための回転ブレード装置を有している。
【0004】
米国特許第4482141号明細書は、折丁を直接に折り線において支持するブレードチェーンコンベヤから折丁を搬送するための方法及び装置を開示している。折丁は、軌道上を回転する締付けパッドによって上方から掴まれ、これらのパッドは次いで折丁を、ブレードチェーンコンベヤに対して垂直なベルトコンベヤへ引き渡す。
【0005】
米国特許第4260145号明細書は、折丁の折り畳まれたエッジにサドルコンベヤの下方から接触するタッカブレード機構を開示している。タッカブレード機構は、サドルコンベヤに対して傾斜した経路を通って垂直平面において移動するときに、折丁をサドルコンベヤから前方及び上方へ移動させる。
【0006】
発明の簡単な概要
本発明の目的は、サドルコンベヤからの不完全な折丁の取出しを回避し、これにより不完全な折丁のさらなる搬送を回避することである。択一的又は付加的な目的は折丁流を分割することである。
【0007】
本発明は、第1及び第2の折丁を第1の方向に移動させる第1のコンベヤと、第1の折丁を第1のコンベヤから取り出すための折丁持上げ装置と、第1の折丁を第1の位置において折丁持上げ装置から取り出すためのグリッパとを含み、折丁持上げ装置が禁止位置を有しており、この禁止位置において第2の折丁が、第1の位置を回避する経路をたどるようになっている、折丁搬送装置を提供する。
【0008】
折丁搬送装置は、第1の折丁を持ち上げるための第1のブレード群と、第2の折丁を持ち上げるための第2のブレード群とを備えた折丁持上げ装置を有している。折丁持上げ装置はカムを有しており、このカムの1つの区分は可動である。各ブレードはカムフォロアを有している。カムフォロアは、カムの上面又は下面に沿って従動する。
【0009】
本発明は、第1の折丁及び第2の折丁を第1の方向に移動させるステップと、第1の折丁を持ち上げて持上げ位置を規定するステップと、持上げ位置において第1の折丁を掴むステップと、持上げ位置を回避するように第2の折丁を移動させるステップとを含む、折丁を搬送するための方法をも提供する。
【0010】
図面の簡単な説明
本発明の好適な実施形態は、図面を参照しながら説明される。
【0011】
図1は、本発明による折丁搬送装置の実施形態の斜視図を示しており、レースウェイの最も近い部分は、折丁持上げ装置を示すために透明である。
【0012】
図2は、レースウェイの側面図を示しており、1つのレースウェイガイドは、折丁搬送装置を示すために排除されている。
【0013】
図3は、レースウェイに沿って方向Aに移動する2つの透明な折丁を示している。
【0014】
図4は、レースウェイにおける折丁の正面図を示している。
【0015】
図5は、延長したタッカブレードアセンブリの拡大された斜視図を示している。
【0016】
図6は、引っ込められたタッカブレードアセンブリの拡大された斜視図を示している。
【0017】
好適な実施形態の詳細な説明
図1は、折丁搬送装置10を有するサドルステッチャの好適な典型的な実施形態を示している。米国特許第6866257号明細書は例えばサドルステッチャを開示している。サドルステッチャは少なくとも1つの綴じステーションを有しており、この綴じステーションは入口領域と出口領域とを有しており、さらにサドルステッチャは、複数の折り畳まれた折丁を綴じステーションへ搬送するための搬送装置を有している。
【0018】
折丁搬送装置10は、綴じられた製品のためのコンベヤ11と、折丁持上げ装置20と、レースウェイ12とを有している。レースウェイ12は2つの側14,15を有している。折丁持上げ装置20は、底壁22,23と、スプロケット24,26と、チェーン28(部分的に示されている)と、カム30とを有している。カム30は、可動なカム31と定置のカム32とを含む。スプロケット24は底壁22,23の間を通過する。チェーン28は、第1のブレード群60と第2のブレード群50とを含む多数のブレードを支持している。別のタッカブレード群がチェーン28に取り付けられることができる。
【0019】
タッカブレード群60は、多数のタッカブレード支持体41と、タッカブレード62,64,66と、カムフォロア68とを有している。各タッカブレード支持体41は1つのタッカブレード62,64,66を保持している。カムフォロア68は、各タッカブレード62,64,66から延びている。
【0020】
タッカブレード群50は、多数のタッカブレード支持体40と、タッカブレード52,54,56と、カムフォロア58とを有している。各タッカブレード支持体40は、1つのタッカブレード52,54,56を保持している。カムフォロア58は各タッカブレード52,54,56から延びている。
【0021】
チェーン28はタッカブレード群50,60を折丁持上げ装置の周囲に方向Aに移動させる。カムフォロア58,68は可動なカム31と定置のカム32とに接触する。カムフォロア68は、タッカブレード群60によって実演された可動なカム31の上面35とカム32の上面36とに沿って摺動する(図5参照)。択一的に、カムフォロア58は、タッカブレード群50によって実演された可動なカム31の下面37とカム32の下面38とに沿って摺動する(図6参照)。タッカブレード62,64,66は、タッカブレード群60が、スプロケット24からスプロケット26まで方向Aにチェーン28上を走行しながら、側部14,15の間においてレースウェイ12の上部を越えて延長する。
【0022】
図2は、折丁搬送装置10の側面図を示しており、折丁持上げ装置20を示すために一方の側15は排除されている。可動なカム31は、2つの主要位置、すなわち通常位置Nと、禁止位置Iとを有している。可動なカム31が通常位置Nを占めている場合、カムフォロア68は通常経路80に沿って折丁搬送装置20の周囲を循環する。例えば、タッカブレード群60は通常位置を占めている。可動なカム31が禁止位置を占めている場合、カムフォロア58は禁止通路82に沿って折丁搬送装置20の周囲を循環する。例えばタッカブレード群50は禁止位置を占めている。別の装置、例えば空圧式シリンダが可動なカム31を通常位置N又は禁止位置Iに設定する。択一的な実施形態において、可動なカム31は、可動なカム31を通常経路80に位置決めしかつ通常経路から離れて位置決めするために、カム32の上面36に対して垂直な経路に沿って移動する。
【0023】
図3は、レースウェイ21に沿って方向Aに走行する、不完全な又は欠陥のある折丁72と、完全な折丁74とを示している。レースウェイ12はさらにギャップ16を有している。ギャップ16は側14,15の上部の間の空間である。コンベヤ11は折丁72,74を折丁搬送装置10へ搬送する。例えばホッパにおけるミスフィードセンサ92は情報を制御装置94へ中継し、制御装置は、可動なカム31の位置を設定することができ、折丁72,74の位置を知る。米国特許第6082724号明細書は例えばミスフィードセンサを示しており、ミスフィードセンサは、供給機構90に隣接して操作的に取り付けられており、シート材料供給制御装置に電気的に接続されている。
【0024】
折丁74が完全であると認識された場合、ブレードは、位置Nにおける可動なカム31に従動する。ブレード、例えば延長したタッカブレード群60は、可動なカム30及びカム32の上面35,36に沿って通常経路80に沿って走行する(図5参照)。タッカブレード62,64,66はギャップ16を通って延長し、完全な折丁74に折目Fに沿って接触する。完全な折丁74はレースウェイ12から持ち上げられ、さらなる搬送のために移動させられる。次いで、グリッパ90は完全な折丁74を制御し、米国特許出願第2005/0225023号明細書に示されたグリッパと同様のものであることができる。
【0025】
不完全な折丁72が例えばミスフィードセンサ92によって検出されると、制御装置94はカム30を位置Nから位置Iへ移動させる。ブレード、例えばブレード群50は、可動なカム31及びカム32の下面37,38に沿って禁止経路82に沿って走行する(図2及び図6参照)。カムフォロア58はカム支持体40内へ下降し、タッカブレード52,54,56は引っ込む。引っ込められたタッカブレード52,54,56はタッカブレード群60ほどギャップ16を通って延長しない。不完全な折丁72は、完全な折丁74ほどレースウェイ12から高く持ち上げられない。択一的な実施形態において、引っ込められたブレード52,54,56は折丁72に全く接触しない。つまり、グリッパ90は不完全な折丁72を掴むことができず、グリッパ90によるさらなる搬送を回避する。したがって、不完全な折丁72は、廃棄又は修理のためにコンベヤ11によってさらに搬送されることができる。
【0026】
図4は、レースウェイ12における折丁72,74の正面図を示している。カムフォロア68はタッカブレード62を押し上げる。タッカブレード62が上昇すると、完全な折丁74がレースウェイ12から持ち上がる。不完全な折丁72はレースウェイ12上に止まる。高さの差Hは、持ち上げられた完全な折丁74と不完全な折丁72との間の距離を表している。
【0027】
図5は、延長されたブレード群60の1つの実施形態の詳細を示している。タッカブレード群60が接近する時、カム30は通常位置Nを占めている。カムフォロア68は、カム32の上部カム面36に沿って移動し、通常経路80をたどる。カムフォロア68は上昇し、タッカブレード62,64,66を持上げ、タッカブレードは壁部14の間のギャップ16を通って延長する。タッカブレード支持体41は、延長したタッカブレード62,64,66を支持するためにばねを有している。
【0028】
択一的な構成は、タッカブレード群60が通常経路80の周囲を走行しながら通常は引っ込められているタッカブレード62,64,66を有することができる。この構成において、カム30は、タッカブレード群50が禁止経路82の周囲を走行する場合にタッカブレードを引っ込めるのではなく、タッカブレード52,54,56を延長させるように設計されている。
【0029】
図6は、引っ込められたブレード群50の1つの実施形態の詳細を示している。タッカブレード群50は禁止位置Iにおけるカム30に接触する。カムフォロア58は、可動なカム31の下側面37に沿って移動し、禁止経路82をたどる。カム30はカムフォロア58を押し下げ、個々のタッカブレード52,54,56を下降させ、タッカブレード支持体40内に引っ込める。タッカブレード52,54,56は引っ込められたままであり、ギャップ16を通って延長しない。不完全な折丁72は、完全な折丁74ほど上昇しない。
【0030】
ここで定義される"折丁"という用語は、1つのシート又は多数のシートの被印刷製品を含み、これは、本と呼ばれることもでき、綴じられているか又は綴じられていない。不完全な又は損傷された折丁取出し装置として使用される代わりに、カム30は、折丁流分割装置を提供するために規則的な間隔で制御装置94によって回動させられることができ、一方の流れはグリッパ90をたどり、もう一方の流れはコンベヤ11をたどる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明による折丁搬送装置の実施形態の斜視図を示しており、レースウェイの最も近い部分は、折丁持上げ装置を示すために透明である。
【図2】レースウェイの側面図を示しており、1つのレースウェイガイドは、折丁搬送装置を示すために排除されている。
【図3】レースウェイに沿って方向Aに移動する2つの透明な折丁を示している。
【図4】レースウェイにおける折丁の正面図を示している。
【図5】延長したタッカブレードアセンブリの拡大された斜視図を示している。
【図6】引っ込められたタッカブレードアセンブリの拡大された斜視図を示している。
【符号の説明】
【0032】
10 折丁搬送装置、 11 コンベヤ、 12 レースウェイ、 14,15 側、 20 折丁持上げ装置、 22,23 底壁、 24,26 スプロケット、 28 チェーン、 30 カム、 31 可動なカム、 32 定置のカム、 36 上面、 40,41 タッカブレード支持体、 50 第2のブレード群、 52,54,56 タッカブレード、 58 カムフォロア、 60 第1のブレード群、 62,64,66 タッカブレード、 68 カムフォロア、 72 不完全な折丁、 74 完全な折丁、 80 通常経路、 90 供給機構、 92 ミスフィードセンサ、 94 制御装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
折丁搬送装置において、
第1の折丁と第2の折丁とを第1の方向に移動させる第1のコンベヤと、
第1のコンベヤから第1の折丁を取り出すための折丁持上げ装置と、
第1の折丁を折丁持上げ装置から第1の位置において取り出すためのグリッパとが設けられており、折丁持上げ装置が禁止位置を有しており、該禁止位置において、第2の折丁が、第1の位置を回避する経路をたどるようになっていることを特徴とする、折丁搬送装置。
【請求項2】
折丁持上げ装置が、第1の折丁を持ち上げる第1のブレードと、第2の折丁を持ち上げる第2のブレードとを有している、請求項1記載の折丁搬送装置。
【請求項3】
第1のブレードがカムフォロアを有しており、該カムフォロアが第1のカム面に沿って従動する、請求項2記載の折丁搬送装置。
【請求項4】
第2のブレードが、第1のカム面とは反対側の第2のカム面に沿って従動する第2のカムフォロアを有している、請求項3記載の折丁搬送装置。
【請求項5】
折丁持上げ装置がカムを有しており、該カムが可動なカム区分を有している、請求項1記載の折丁搬送装置。
【請求項6】
折丁持上げ装置が、回転するブレードを含む、請求項1記載の折丁搬送装置。
【請求項7】
制御装置と、不適切な折丁を検出するためのセンサとが設けられており、不適切な折丁が検出された場合に制御装置が折丁持上げ装置を禁止位置に設定するようになっている、請求項1記載の折丁搬送装置。
【請求項8】
折丁持上げ装置を規則的な間隔で禁止位置に移動させるための制御装置が設けられている、請求項1記載の折丁搬送装置。
【請求項9】
請求項1記載の折丁搬送装置を含むサドルステッチャ。
【請求項10】
折丁持上げ装置が第1の折丁に折目において接触する、請求項1記載の折丁持上げ装置。
【請求項11】
折丁を搬送する方法において、
第1の折丁と第2の折丁とを第1の方向に移動させるステップと、
持ち上げられた位置を規定するために第1の折丁を持ち上げるステップと、
第1の折丁を持ち上げられた位置において掴むステップと、
第2の折丁を、持ち上げられた位置を回避するように移動させるステップとを含むことを特徴とする、折丁を搬送する方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公表番号】特表2009−513463(P2009−513463A)
【公表日】平成21年4月2日(2009.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−539130(P2008−539130)
【出願日】平成18年11月13日(2006.11.13)
【国際出願番号】PCT/US2006/044005
【国際公開番号】WO2007/059043
【国際公開日】平成19年5月24日(2007.5.24)
【出願人】(505332174)ゴス インターナショナル アメリカス インコーポレイテッド (48)
【氏名又は名称原語表記】Goss International Americas, Inc.
【住所又は居所原語表記】121 Broadway, Dover NH 03820, USA
【Fターム(参考)】